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 八丈島の方言は、本州方言(東日本方言と西日本方言に分ける場合もある)、琉球方言と肩を並べる日本の三大(四大)方言に位置づけられ、古代の関東の言葉が良く残されていると言われます。本ページを作成するきっかけになったのは、動物類の名称に接尾語の『め』がつく言い方があることを知ったからです。
 千葉大学の金田章弘先生がネット公開されている八丈方言の中にある民話と国立言語研究所が1950年に発刊した『八丈島の言語調査』及び八丈方言のサイトを参照し、茨城弁との共通語または類似語を調べました。また八丈方言独特の言葉も列挙しました。特に、学術的に貴重な表現は背景を濃い水色で表しました。
 八丈方言に関しては門外漢のため、特に語法すなわち文法についてはまだ不十分な部分が数多くありますが、気が付いてみると、地元の八丈方言サイトより膨大なものになってしまいました。八丈方言のルールは一見茨城方言とは似ても似つかないものですが、そのルールを知ると、実は極めて近い方言であることが解かります。今後の発展にご期待下さい。
また、お気づきの点・間違い等がございましたら、ここにメール下さい。


2009年2月20日 朝日新聞夕刊トップ記事
 日本は8語対象 「方言も独立言語」 ユネスコ


1.八丈語?
【パリ=国末憲人】世界で約2500の言語が消滅の危機にさらされているとの調査結果を、国連教育科学文化機関(ユネスコ、本部パリ)が19日発表した。日本では、アイヌ語が最も危険な状態にある言語と分類されたほか、八丈島や南西諸島の各方言も独立の言語と見なされ、計8言語がリストに加えられた。

八丈島の言葉
でえーじけ 美しい
しゃしゃい 熱い
みく 歩く・行く
わいきゅる しかる、おこる
ねっこけ 小さい

南西諸島のことばの違い
ありがとう いらっしゃいませ
奄美名瀬 ありがてさまりゃおた いもりぃ
沖縄那覇 にふぇーでーびる めんそーれー
宮古平良 たんでぃがーたんでぃ んみゃーち
八重山石垣 ふこーらさーん おーりとーり
琉球大学付属図書館「琉球語音声データベース」の「琉球語概説」から

2.世界2500言語 消滅危機 日本は8語対象「方言も独立言語」ユネスコ
消滅の危機にある言語:アイヌ、八丈、奄美、国頭、沖縄、宮古、八重山、与那国
 調査は、全世界で6千前後あるといわれる言語を調査。538言語が最も危険な「極めて深刻」に分類され、このうち199語は話し手が10人以下だった。続いて「重大な危険」が50502語、「危険」が632語、「脆弱」が607語だった。サハラ以南のアフリカ、南米、メラネシアで日立っていた。
 また、1950年以降消滅した言語が219語にのぼった。最近では08年、米アラスカ州でイヤック語が、最後の話者の死亡で途絶えた。 日本では、アイヌ語について話し手が15人とされ、「極めて深刻」と評価された。財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌市)は「アイヌ語を日常的に使う人はほとんどいない」としている。アイヌ語はロシアのサハリンや千島列島でも話されていたが、いずれもすでに消滅していた。
 このほか沖縄県の八重山語、与那国語が「重大な危険」に、沖縄語、国頭語、宮古語、鹿児島県奄美諸島の奄美語、東京都・八丈島などの八丈語が「危険」と分類された。ユネスコの担当者は「これらの言語が日本で方言として扱われているのは認識しているが、国際的な基準だと独立の言語と扱うのが妥当と考えた」と話した。
 ユネスコは96年と01年にも危機にさらされている言語調査を実施。今回は30人以上の言語学者を動員して全世界を包括的にカバーする例のない規模の調査となった。目的について、ユネスコは「言語は常執に変化する。その変化の実態を知るため」と説明。今後継、統的に調査を続けるという。
 ユネスコのフランソワーズ・リビエール事務局長補は「言語消滅の原因には、次世代に伝える意思を失うという心理的要素が大きい。自信を持って少数言語を話せるよう条件づくりに努めたい」と話している。

3.固有の文化あれば 崎山理・国立民族学博物館名誉教授(言語学)の話
 方言と言語の区別は明確ではなく、政治的に決まってくる部分もある。私は話し手が固有の文化を持っていれば独立した言語とするべきだと思う。琉球諸島では、かつてはそれぞれの島の言葉は大きく異なっていたが、交通が盛んになるにつれて元の形が失われている。単一民族神話も手伝って、日本で話されている言語は一つだけと思われがちだが、実は多様性があることを知っててほしい。

4.「復活難しいが記録残したい」八丈町教委
 ユネスコの調査結果について、八丈町教育委員会教育課の菊池良治さん(38)は『島言葉』は高齢化で話す人も減り、消えつつあるので、どうにかしたいと思ってました。「いい契機になります」と評価した。数十年前に録音された島言葉の音声データを町のホームページにアップすることも検討中だという菊池さんは「復活させるのはもう難しいでしょうが、愛着ある言葉なので記録として残したい」と言っている。


八丈方言と茨城方言との関係
 八丈島は、東京都に属する伊豆諸島(伊豆七島)の一つです。伊豆諸島は、伊豆大島と、三宅島・利島・新島・神津島・三宅島・御蔵島・八丈島の七島と青ヶ島により構成されます。そのうち八丈方言が使われるのは八丈島と青ヶ島です。
 古代日本は西国が政治・文化の中心であり、古代の刑は死罪の他は流刑が主でした。流刑は都から遠い地ほど重く、誰もが知っているのが伊豆の島流しです。常陸は、土佐・隠岐・佐渡・伊豆・安房等と同様に流刑地の一つであったことが「続日本紀」にあります。つまり、都から離れた土地である現代の高知県・島根県隠岐・佐渡島・伊豆半島・房総半島、そして茨城県は古代から中央からの流刑者が生活し、古代の上方語が早くから伝えられていたことが推測されます。八丈流しも同様です。実際、茨城には明らかに上方言葉と言える言葉があります。
 日本四大(三大)方言の一つとされる八丈方言との共通語で動物を示す接尾語「め」の存在も重要です。八丈方言は古代の関東方言を残しているとされます。「いぬめ、うしめ、うまめ、おにめ、からすめ、きつねめ、きんぎょめ、さるめ、どじょーめ、へびめ」などと言うのは八丈島と茨城で完全に一致しています。また八丈島ではネズミを「きょとんめ」と言いますが、茨城では小型のネズミを「きょーどめ」と言います。ニワトリは「とーとーめ、とぅーとぅーめ、にやーとりめ」に対して「とっとめ、とどめ、ととめ、にやっとりめ、にやどりめ」、猫は「ねっこめ」に対して「ねごめ」と言います。これらは、ほんの一部で、他にもこんな言葉がと思われるものの一致または類似が見られます。「物類称呼」では、この接尾語「め」を古代語ではないかと言及しています。 
 八丈方言は、学術的にきわめて価値のある方言だとされていますが、一方で茨城方言と八丈方言の一部の奇妙な一致を考えると、単語だけでなく文法上の共通点も必ずやあるはずで、すでに一部で発見されていますが、これからじっくり調査・分析して行く予定です。

伊豆大島の言葉
 伊豆大島は、八丈島と同様伊豆七島に属する島です。明治書院発行の『東京のことば』にその特徴が解説されています。その内容を以下に紹介します。

1)が行子音は全て【g】でが行鼻音は無い。
2)東京と同じく母音の無声化がある。
3)語頭以外のカ行音はハ行音になる。

・背中:せなは、境:さはい:タカべ:たはべ、馬鹿者:ばはもん、秋:あひ、沖に:おひー、柿が:かひが、椿が:つばひが、泣きっ面:なひんづら、枕:まふら、桶:おへ、酒:さへ、畑:はたへ、竹を:たひょー、男:おとほ、此処へ:こほい、高い:たはい、遠かった:とおはった、赤くなる:あかふなる、黒くて:くろふって、歩く:あるふ、、起きるな:おひるなー、起き上がる:おひあがん、起きるよ:おひんよ
4)ザ行音がダ行音になる。
・材料:だいりょーどー:象、どーに:雑煮、帰るぞ:かいんど
5)動詞の語尾『〜る』が撥音となる。
・有る:あん、捕る:とん、成る:なん、付ける:つけん、釣れる:つれん、帰ろう:かいんべえ
6)ワ行音はあとで引き音となる。
・アワビ:あーび、騒ぐ:さーぐ
7)サ行四段活用の連用形がイ音便になる。
・落とした:おといた、差して:さいて
8)連母音の複合
・風は:かじゃー、お前は:にしゃー、風邪を:かじょー、酒を:さきょー、命を:いのちょー
9)『え』を『いぇ』と発音することがある。
・絵:いぇ、枝:いぇだ
10)『え』を『い』と発音することが多い。
・声:こい、名前:なまい
11)その他
『行く』は『いぐ』、『好い』は『よい』、『家が』は『いぇーが、いいえが』が使われることがある。『月』は『つひお』、『桜が』は『さふらが』と言う。


◆八丈方言について
 橘正一が昭和11年に著した『方言学概論』『5八丈方言の系統』の冒頭に、『八丈方言は琉球語についで日本語離れしたものである。たとえば「あなたは何もご存じないでしょうが、私は良く存じておりますよ。」を八丈方言で言うと「おめー、あにもしょくおじゃりいたしんじゃんのーんて、わがよっくしょくおじゃりいたそわ。」となる。「これが日本語か」と諸君は驚くだろう。』とあります。また、この巻末に、特定の方言書に記載された八丈方言と他の方言との共通語の数を地域別にまとめた報告があります。まず地域別に見ると、東北103.5、関東81.5、三道(北陸・東山・東海)132.5、近畿65.5、中国50.0、九州83.0、沖縄12.0となりました。結果として八丈方言は東北方言に近いことになります。県別では、高い順に岩手27.5静岡24.5山形20.5茨城18愛知17.5、神奈川16.5、、千葉・宮城15.5、秋田14.5、青森13.5、福島12 等でした。これにより、八丈方言は、岩手を中心とした東北各県との関係が最も深く、次いで静岡、関東では唯一茨城との関係が深いことが解かりました。茨城は堂々の4位です。また関東の海岸部との共通性は多いのですが他の都県との関係は薄いことも解かりました。八丈方言は東北方言に最も近い一方で、東北の南端の宮城・福島より茨城の方が近いと言うことですから、このサイトで試みている八丈方言と茨城方言の共通語・類似語が多いのは当然ということになります。
 八丈方言資料には『八丈方言に万葉集の東歌にみられる東国方言の一部がのこることは,かなり以前から何人もの研究者によって指摘されており,上代以前の日本語の姿をとどめている可能性のある方言として注目されてきました。さらには,日本祖語とは系統のことなる異言語の流れをひく可能性さえ指摘されている(服部1955・1968)。』と書かれています。初めて民話を視聴してみるとそれが明らかになります。どこか琉球方言に似ていて、文の構成が現代語と全く異なり、段の変化や動詞の活用形や助詞が異なるためにあたかも異国語のように聞こえます。
 ただし、八丈方言は琉球方言同様絶滅に瀕しており、ここに紹介した多くが語り部の言葉です。
 ウィキペディアには『用言の終止形と連体形の区別があり(本土方言ではほとんど区別がなくなっている)、特に「行こ時」「高け山」のように特殊な語形(万葉集の東歌にもある)が残る。係り結び(連体形・已然形結び)も残る。また否定の助動詞「にす」(「ず」は古くはこの形であったといわれる)に由来する形など、文献に残るよりもさらに古い段階の語形を留めている点で特異である。』とあります。
 具体的内容はかなり専門的なものですが、千葉大学の金田章弘先生がネット公開されている八丈方言資料を参照下さい。
 八丈方言に万葉集の東歌にみられる東国方言の一部がのこることは,かなり以前から何人もの研究者によって指摘されており,上代以前の日本語の姿をとどめている可能性のある方言として注目されてきた。さらには,日本祖語とは系統のことなる異言語の流れをひく可能性さえ指摘されている(服部1955・1968)。かつては「所属不明」(東条1927)とまでいわれた八丈方言も,最近の研究結果からかなり具体的にその実態があきらかになっている。
 たとえば,アスペクト・テンス・ムードや条件表現,係り結びなどのシステムは,新たな文法現象の影響をうけながらも,かなりの程度に古代語の,一部は上代東国方言の,特徴を保存している。
 アスペクト形式ノメリに由来するnomara(<*nomarowa)は,東歌にはノマルであらわれるが,本来は連体形ノマロだったはずだし,タリ形のノミタリよりもリ形のノメリのほうが古い姿だったろう。
 また,動詞の連体形nomo(酒),形容詞の連体形takake(山),それに,推量ラムの東国方言形ナムが変化したnomunouwaなど,万葉集にみられる古代東国方言の文法的な特徴,そして,過去の「き」,仮定条件のnomabaと確定条件のnomeba,「こそ」と「か」の係り結び,といった古代語の諸特徴,さらには,動詞連用形や形容詞語幹の自立的な用法,否定の「ず」以前の姿にさかのぼる否定動詞など,上代語でさえ失いかけていた文法現象までもが,この方言には保存されている。
 語彙的にも,「つとめて」が変化したtoNmete(朝),応答の「をを」に由来するou,「ふふむ」「ふふめる」に対応するhoumowa(口にふくむ),houmerowa(口にふくませる)など,古層をのこす例が多く,発音の点でも,nukowa脱ぐ,kasikowa炊ぐ(蒸す),heirakowa疼く,などの清音も古いものである。
こうしてみると,現在,語原不明とみられる語形や語彙も,じつは古い姿をたもったものである可能性があって,そのような視点からの再検討が必要なのである。
とまとめられています。

八丈方言の区分
 八丈方言は大きく八丈島方言と青ヶ島方言に分けられます。さらに八丈島内でも一律の方言が使われいているわけではなく、いくつかの地域に分けられます。以下、千葉大学の金田章弘先生がネット公開されている『八丈方言』の解説には『八丈島には旧5ヵ村があって,距離的に近い坂下の2地区と坂上の樫立中之郷が,それぞれひとつの小グループをつくり,のこる末吉青ヶ島がそれぞれ単独でそれらに対立する。青ヶ島は相対的に古い特徴をたもっているが,歴史的な事情もあって比較的坂下地区と類似した面がある。坂下2地区のあいだや,樫立と中之郷のあいだにも若干の相違点がみられ,地区ごとのアイデンティティーをささえる要素のひとつにもなっている。さらに,各地区の内部においても微妙な地域差があったようだが,現代方言ではほとんど確認できない状況にある。』とあります。
 『八丈島の言語調査』では、0:大賀郷、M:三根、K:樫立、N:中之郷、S:末吉、U:宇津木、T:鳥打、A:青ヶ島 の8地域に分類されています。
 本ページでは、主に茨城方言との比較を目的としていますから、個々の方言の所在区分は特に明記しませんでした。

◆茨城方言と八丈方言の違いと類似点

1.相違点
 茨城方言の文法及び助詞は、基本的に本土方言を受け継いでおり、中央構造線付近を挟んだ西日本方言東日本方言のうち、おのずと東日本方言に所属します。東日本方言を北海道方言、東北方言、越後方言、関東方言、東海方言に分けたとすれば、当然関東方言に分類されますが、実際は東北方言と数多くの共通点があり、関東では東関東方言の代表語として位置づけられます。
 本土方言とは別に、琉球方言八丈方言があります。八丈方言は、前記『日本祖語とは系統のことなる異言語の流れをひく可能性さえ指摘されている。』とあるように、本土方言と八丈方言は異なるものです。
@用言の終止形と連体形の区別がある。万葉集の時代の語法がそのまま残されているとされる。
A『関東べい』が無い。その代わり『だろう』がある。
Bザ行音が拗音化する。ただし、茨城でも僅かながらあるが近世語由来である。草履:じょーり
Cウ音便が多い。川:こー。私を(わがを):。大騒ぎ:おーそー。最中を:さなこー。歌を:うとー
D鼻濁音が極めて少ない。鼻音は感動詞だけに使われる。
E無母音の発音が少なく、一つ一つの言葉をはっきり発音する。琉球方言の発音語法に近い。
F代表的代名詞の区分。
分類 該当標準語 区分
単数 複数または曖昧な対象
一人称 あ。△あい。あが。あら。ありゃ。おら。おーら。わい。わが。あれ。われ。 あいんしゃー。うな。うぬ。うにゃ。うんが。おまい。おみ。おみゃ。おめあ。なれ。
二人称 貴方 あいんしゃー。あいら。あれら。あれんしゃー。あれんちゃー。なれ。わいら。われんしゃー。われんちゃー。 うぬたち。うなら。うなしゃー。うなんしゃー。うなんちぇー。うぬら。おまいたち。おまいんしゃー。おみたち。おみゃーら。おみゃーしゃー、おみゃんしゃー、おめたち。おめあんしゃー。おめーら。なれら。なれんしゃー。なれんちぇー。
近称 これ こい。こいつ。これ。 こいら。こらいしゃー。こらんしゃー。こらんちぇー。これいしゃー。これんしゃー。これんちぇー。
中称 それ そい。そいつ。それ。 そいら。そらいしゃー。そらんしゃー。そらんちぇー。それいしゃー。それんしゃ。それんしゃー。それんちぇー。
遠称 あれ うい。うれ。あれ。ういつ。おいつ。おれ。 ういら。うらんしゃー。うらんちぇー。うれら。うれんしゃー。うれんちぇー。えあつら。おらいしゃー。おれいしゃー。おれんしゃー。
不定称 だい。たが。たれ。 だいら。だらんしゃー。だれら。だれいじゃー。だれんじゃー。だれんしゃー。だれんちぇー。
近称 これ こい。こいつ。これ。 こいら。こらいしゃー。こらんしゃー。これいしゃー。これら。これんしゃー。これんちぇー。
中称 それ そい。そいつ。そら。 そいら。そらいしゃー。それいしゃー。それら。それんしゃー。それんちぇー。
遠称 あれ あれ。あい。うい。ういつ。うれ。おれ。おろ。 ういら。うらんしゃー。うれら。うれんしゃー。うれんちぇー。おらいしゃー。おれいしゃー。おれんしゃー。
不定称 どれ・何 あに。どい。どいつ。どれ。 だれいしゃー。どいら。どらいしゃー。どらんしゃー。どれら。どれんしゃー。どれんちぇー。
場所 近称 ここ ここ。 ここいら。ここら。
中称 そこ そこ。 そこいら。そこら。
遠称 あそこ うく。 うくいら。うくら。あすくいら。あすくら。
不定称 どこ どこ。 どこいら。どこら。
方向 近称 こっち こがた。こっち。
中称 そっち そがた。そっち。そっちゃ。
遠称 あっち あっち。あがた。うがた。うっち。
不定称 どっち どっち。どがた。
注1)あの:うの。段の変化は茨城でもあるが、八丈島では著しい。
注2)R音が嫌われて欠落するのは茨城方言と共通である。また複数形を構成する『しゃー・ちぇー』は、茨城方言の『て・てー』にあたる。沖縄では『ちゅー』である。
G長音の『う』は標準語・茨城方言共平坦に発音されるが、例えば『とぼう』(入口)、『ちょうど』、『とうとう』の『う』はそのまま『う』とはっきり発音される。
H語調を整える長音化があるがその場合に『い』を使い、そのまま発音される。
I格助詞『を』を一律に『う』と言う。
J係り結び(連体形・已然形結び)が残る。
・動詞の連体形が『う段』ではなく『オ段』になる。貸す程:かそほど。行くから:いこんて。来るのを・来るを:くろう。行くが:いこが。織る間に:おろまん。降るのを・降るを:ふろう。帰るのを・帰るを:けーろう。行くものを:いこものう。行くが:いこが。適わずに:かのーずん。有るが:あろが。攫われて:さろーれて。回ると:もーるとは
・動詞の連体形で『〜でいる』意味の場合、オ段音で長音化する。熟んでいる:うもう(熟みある意味)。かくまっておいた:かくまっとこー
K動詞の長音化。
動詞の連用形のうち、格助詞『て』がつく場合、長音形になる。 吊るして:つりーて。出して:でーて。通して:とういーて。落として:まくらけーて。呼んで:よぼーて。沈むに:しずもに。違うわ:ちがおわ
L著しい逆行同化あるいは音便。
体言が次に続く語句の影響を受けて段が変化する。いわゆる逆行同化の現象が著しい。この傾向が八丈方言をますます理解しにくくしている。
鞍を:くろー。七月七日を:しちつなぬこー。新笹を:しんざそー。横間が浦:よこもーがら。石ままを:いしまもー。宝倉へ:たからぐれー。里へ:さてい。綾を:あよー。袋へ:ふくれい。寺へ:てれー。風呂へは:ふれいは。わがを:わごー。魚を:さかのー。回る:もーる
M『それいみとってい』と言う。関西方言に似た言い回しがある。関東では一般に『〜している』を使い『〜しておる』とは言わない。
N@の具体的例として、形容詞の連体形は語幹+『け』となる。すなわち、終止形と連体形の活用形が異なる。
O名古屋から東海地域に多い音便がある。ai→yaa、ae→yaa。挨拶→いゃーさつ。帰る:きゃーる。弔い:とむりゃー、言わない:いわにゃー
茨城でも僅かにあるが、事例は少ない。

2.類似点
 ところが、単語レベルに分解していくと、茨城方言と八丈方言は全く異なるものと、驚くほど良く一致する言葉郡に分けることができます。その概要は以下の通りです。
@死語となった標準語を残す
現代標準語では廃れてしまった古い言葉が、茨城と八丈島に共通して残っている。
A江戸言葉
茨城方言は江戸言葉の影響を強く受けている。八丈方言も同様で、その共通語が数多く見られる。
B上代語が残る
動詞・形容詞を中心とした万葉集にもある上代語が残されている。
Cアクセントが無い
箸と橋に代表されるように、区別されずアクセントの無い平坦な発音である。やや尻上がり傾向が見られる。平坦さはより茨城に特徴的であるが、八丈方言も平坦・尻上がりの傾向がある。ただし八丈方言では、足は『あ』に、牛は『う』にアクセントがあるという様に逆転することもある。
D接頭語を伴う動詞
接頭語を伴う動詞または複数の動詞を組み合わせた連語としての動詞のバリエーションの多さは茨城方言に最も著しい傾向がある。標準語ではどちらかというと汚い言葉の印象があり、俗語的にしか使われない。茨城方言と八丈方言の複合動詞は数多くの共通語があり奇跡的な一致と言える。
E濁音化
八丈方言にも濁音化傾向があり、ガ行音・ダ行音が多い。ただし茨城同様地域や個人によって多少差異がある。
F清音化
日本語は、上代に遡れば上るほど清音であったとされる。一方、茨城弁は、カ行・タ行音に限って極端な濁音化傾向が見られる。ところが逆に清音化することがある。茨城弁の面白さは、その双方が並立しているところである。このような清音化は、古い言葉の発音が残っているものと推測して来たが、同じ現象が八丈方言にも見られる。
G長音化
語調を整える意味を持たない長音化と格助詞が隠されている擬似長音化がある。
かけざらーて・よ・のう・つけ:欠け皿と言う名を付け。この場合『う』はそのまま発音する。
H促音化
促音化は東日本方言の特徴でもあるが、茨城同様八丈方言も頻度が高い。また、促音語の濁音がある。
I撥音化
格助詞『に』が撥音化して『ん』になるのは、標準口語で稀にあり、茨城方言では比較的頻度が高く、八丈方言では100%近い。
J単純な長音化
茨城方言と同じ単純な長音化方言として『まいーにち』『たんーびに』『あとーで』『こー』(子)等がある。
Kラ行音を嫌い、ア行音に変える
ラ行音を嫌い、r音を省きア行音に変える傾向は茨城方言と同じようにある。ただし、八丈方言の方が頻度が高い。そこから:そっかー。あんまり:あんまい。入れず:いぇず。ばっかり:ばっかい
L接尾語の『め』
動物類の名称に接尾語の『め』がつく。東関東方言の特徴が、八丈方言にも存在することは驚く。しかし、『物類称呼』にもあるように古代語の流れを八丈方言が受け継いでいるるもう一つの証でもあり、茨城方言でも同じ事が言える。使用範囲は八丈島の方が広い。
M古語に由来する『あに』
『何』を『あに』と言う関連語が沢山ある。八丈方言では特に顕著。千葉方言の特徴でもある。
Nラ行音がダ行音に変わる
ラ行音がダ行音・ザ行音に変わることがあります。茨城方言では『論語』を『どんと言う。『ランプ』を『だんと呼ぶのは共通である。八丈方言ではかなり事例が多い。八丈島では流人を『ずにん』と言うがこれは標準語の『徒人』のことである。
P方向を示す格助詞『いー』
方向を示す格助詞『〜へ・〜に』を『い、いー』と言う。
Qいつのか
現代語の『いつか』に当たる『いつのか』は古語で、八丈島ではそのまま使われ、茨城では『いづのか』と濁音化して使われる。茨城では『いつの間に』は『いづのかまに』と言う。
R疲れる意味の『こわい』
『こわい』は方言扱いされているが、由緒ある古い言葉である。八丈島でも使われている。
S格助詞『に』が『ん』になる。
標準語の口語でも使われる表現であるが、一律に音便化する傾向がある。

3.八丈方言を起点にした茨城方言
 八丈方言資料を読み、あるいは聞くと、最初は全く異なる言葉だと感じます。ところが、じっくり観察すると、少なくとも現代標準語より八丈方言の方が茨城方言に近いと感じてしまいます。
 八丈方言を起点に考えると、例えば地理的に近い千葉や神奈川の方が八丈方言に近いのが自然です。事実いくつかの言葉や訛りの傾向に見出すことができますが、何故茨城に共通語が残るかという疑問に至ります。八丈方言は、隔絶された島言葉であり、古い時代の言葉が残っている一方で、同じように茨城方言は、関東圏では唯一古代の言葉を残しているのではないかと考えてしまいます。
 一方、八丈方言は、連母音の変化が東海や名古屋方言に似ています。また、様態を示す『がん、ごん』等はむしろ九州方言に似ています。エ段・オ段音がウ段音に収束する傾向は沖縄方言に似ています。
 そのような中で、驚くべきことですが、茨城方言に特徴的な言葉でありながら、八丈方言にもある言葉があまりに多い事に気がつきます。これは、八丈方言を知らなかった茨城県人にとっては、奇跡に近い発見でしょう。しかも多くが語り部しか使わない絶滅に瀕した言葉なのです。どうやら東北方言に通ずるものもあるようです。
以下、八丈方言・茨城方言・標準語の順で比較してみます。茨城方言とは全く異なる八丈についても合わせて紹介しました。方言独特のものは、八丈方言だけを示してあります。

注)民話については、音声がネット公開されているので、濁音と鼻濁音の識別はできましたが、他は確証はありません。また、まだ十分に分析できていないものもあり、八丈方言の現場を全く知らない者がまとめたもの故、ご容赦下さい。より確かな解説をお求めの際は、専門書をご覧下さい。

4.茨城県と八丈島の歴史的類似点と西国との関係
@流刑地とは
流刑とは、源の頼朝が伊豆に流刑されたように、日本の過去の中央政府が定めた制度で、重罪人を中央から地理的に隔離した賢い制度だったと思います。韓国のドラマ『チャングム』を見てもどうやら同じで、かつては、地理的に不毛の地に流されることが、罪を償うことに繋がったことは驚きです。
 現代では、罪の償いは地理性はありません。
かつて『島流し』という流刑がありました。現代では、『島流し』をしても、翌日に帰って来てしまいます。
A八丈方言と茨城方言そして流刑地のことば
 八丈方言は、琉球方言同様瀕死の状態にある中で、茨城方言との共通語が何故数多く存在するのかという謎を解き明かせれば面白いと思います。言い換えれば、上代の常陸国は流刑地であったと同様に、八丈島は江戸時代前半まで流刑地であったとされます。
B八丈方言と茨城方言の関係の不思議
 過去に共に流刑地であった常陸国と八丈島は、日本の東の果ての土地であり、海の果ての小さな島でした。
 一方、茨城県は江戸に地理的に近いため、江戸言葉の影響を強く受け今に至っています。
C古い西国言葉が関東に残る理由は?。
 茨城には、古い西国言葉が残っています。これこそ、流刑の歴史が作った過去の歴史の片鱗なのではないでしょうか。

八丈方言のルーツと解釈
 八丈島の方言を調べた結果、様々な印象を持ちました。まず、茨城方言とは全く別物だということです。言い換えれば、現代の最も進んだ方言分類では、三つに分けられ、茨城方言はそのうちの本土方言に属し、八丈方言と琉球方言に分けられていることからも、明快でしょう。
 ところが、茨城方言と八丈方言には数多くの共通語や類似語が発見されました。これを、どのように解釈するかも本サイトの大きな課題です。
 八丈方言は、万葉集にある上代の東国方言を色濃く残しているとされています。それは、権威ある学者の方々による評価であり、疑う余地はありません。
 ところで、過去の語源辞典を調べると日本語の語源は、大半が解かっていません。八丈方言の価値は、上代の関東方言が残されているのは間違いないのでしょうが、一律に古語を当てはめて解釈することには疑問を覚えます。
 本ページでは、茨城方言の成立過程の資料を活用し、可能性の中で、新たな八丈方言の解釈を目指しています。八丈方言を語源を解釈することが目的ではなく、最終的には、茨城方言の語源解釈を目的としています。
 調査・検討のプロセスの中で、記録に残された八丈方言は、全てが上代語を伝えているわけではないことが判明しましたし、茨城に残る古語と共通する言葉も沢山あることが判明しました。
 ただし、言葉の進化の図式は、ダーウインの進化の図式にも似て、起源をたどることと、その流れをつまびらかにしないと立証できないのは明らかですが、可能な限り、検証していきたいと思っています。
表の背景の凡例
背景色 内容
茨城方言と類似の方言。
主に江戸言葉の影響を受けているもので、概ね茨城方言と一致するもの。
茨城方言とほぼ一致するもの。
八丈方言として特徴的なもの。
古語、文語、死語、使われなくなりつつある標準語、またはそれらの影響を残した方言。
八丈方言の重要語。


参考文献等
八丈島の言語調査:1950:国立国語研究所。八丈方言の学術的な解説のほか、約4700語が掲載されている。現地調査のほか47にのぼる文献調査も実施され、参照された書籍には古いものでは江戸後期(1782年)の「海島風土記」がある。そのため旧仮名遣いの方言が数多くあるが、ここではそのまま転記した。以下略称『言語調査』。八丈方言は、茨城方言と同じで古語や近世語またそれに類する言葉を多く含むためか、比較検証の関係で標準語も多く掲載されている。
この本を読んでいると、八丈方言と茨城方言は酷似する場合と全く異なるという両極端に分かれることを感じる。恐らく、八丈島の語り部達がもし茨城方言を聞いたら同様の感覚を持つのかもしれない。
方言学概論5八丈方言の系統:昭和11年:橘正一。
八丈方言資料:千葉大学の金田章弘先生がネット公開されている民話集。語り部が語る八丈方言集。解説文中『解説には』とあるのはこのサイトからの引用による。略称『資料』
八丈弁:八丈島の紹介サイト。かなりの数の方言が紹介されている。
八丈島の方言:八丈方言のサイト。
八丈島の方言:八丈方言の入門サイト。解り易い。
東京都八丈町商工会方言講座:八丈方言の入門サイト。
でいらほん通信拾遺:菅田正昭氏の青ヶ島論。第1話から第37話まであるエッセイ。

◆八丈島の言語調査による『行く』の活用と茨城方言の関係
 以下、調査結果に対して該当する標準語と茨城方言の比較を試みる。順に八丈方言/標準語(言語調査に掲載された該当標準語:厳密な約とは思えないものもある)/茨城方言:解説・考察の順。ここでの茨城方言は典型的なものに限定した。
 これを見る限りは、八丈方言と茨城方言の活用形の共通形はほとんど見出せない。これによると、茨城方言のニュアンスを詳しく知っているためか、茨城方言ににた八丈方言があると、それに似た茨城方言を加えたくなってしまう。私は、標準語を話すので双方の視点を加えて表現した。
 各々の言葉・方言は、背景に過去の時代を背負っており、当該の時代に合致した一対一の比較は困難であることを痛感させる。
わがいかば/私が行けば/おれいげば:この場合の八丈方言は古語に類する。『我が行かば』。
いかれどーなからら/行ったが居なかった/いったけんといながった:八丈方言には古語の流れを感じる。茨城でも、『いったのが・いれだのが』は『行けたの?・行くことができたの?』の意味で使われる。このあたりの助動詞の使い方は、現代でも様々に使われる。
いきーたそわ/行きますよ/やすよ・いやんすよ:この場合の茨城方言は、訳語そのままである。これは丁寧語なので普通は『いよ』となる。この場合、促音化する以前の『行きた』+『す』+『わ』の表現と思われる。
そごんいきたからば/そんなに行きたければ/そーたにいてーんだらば『そごん』が最も特徴的言い方。他は古語の流れ。
いきんなか/行かない/ねー:『行く』『あり』『ある』『なし』のかり活用形か。
どけーいってきとー/どこへ行って来た?/どげーいってきたー:この『とー』は普通は連用形だが、音韻を残し疑問形を示している。九州方言の『〜ったとー』『とー』に近い。『た』の音便形か。
いってあろわ/行って居るよ/いってっと・いっていっと・いってるわ:『行きてあるわ』の意味。
あらいく/私は行く/おらい・おらい:一人称の『我』+『等』+『行く』。
うれがいくとおもーわ/あれが行くと思うよ/あぇづともーよ・やづともーよ・やずともーわ
いくてーじゃ/行くということだ/っちーど・いっちーや
うのひとはいくのーわ/あの人は行くでしょうよ/あのしとはいべよ・あのしとはいんべよ・あのしとはいんべや
うなーいくな/お前は行くな/おめはいな・うなーい
わがいこわ/私がいくよ/おれよ・おれいんべよ
わがいこんて/私が行くから/おれって・おれいんから
うなーいこか/お前は行くか/おめいんか・おめはいんか・おめはいのが・おめい
あれとどーしにいこごん/私と一緒に行こう/おれどどーしにいんべ・おれどどーしにい:『どーしに行く』とは『同士に行く』意味で、江戸時代の東国語である。
どけーいこどー/どこへ行くのだ/どごさいんだ・どごにいよ・どげーいんだ
わがいことき/私が行く時/おれどぎ
いけばまにあわらいどーも/行けば間に合ったんだけれど/ばまにやったんだけんとも
わらいけどーも/私は行くけれども/おらいんけんと・おらいけんと
もーみんいけ/早く行け/はーい・はいぐい:この場合の『もーみんいけ』とは、『もう見に行け』の意味で、現代語に近い。
 以上は、八丈方言の特徴のほんの一端と茨城方言の関係をチェックしたものだが、これからも、その関係をじっくり検証したい。

記号の凡例
  ◆:代表的な八丈方言。
  ★:文例。
  『』:解説分中の文例の後の『』内は、八丈方言資料の解説を引用した もの。
  太黒文字は標準語。


千葉大学の金田章弘先生への御礼。
 このサイトを作るきっかけになったのは、ネット公開されている新方言辞典稿 増訂版(井上史雄)に掲載された『かまきりめ』の一語です。
 その後、全国の接尾語『め』を調べましたが、一部の言葉が限られた僅かな地域にあるだけで、東関東方言(茨城方言)のほかには、八丈方言にしかありません。
 その語間もなく千葉大学の金田章弘先生がネット公開されている民話集 ・八丈方言資料に出会いました。
 八丈方言と茨城方言は、上記の内容や以下の具体的事例によって極めて大きな類似性が見られます。一方で、茨城方言はのルーツは実は古語にあるのではないかと思い始めて様々な調査研究をしましたが、それは間違いないことで、ちょっとした助詞や助動詞は現代語由来ではなく古語由来であることが続々と判明してきました。
 茨城方言に関る過去の書籍は残念ながら、体言が中心で用言特に文法に関する記録は多くありません。一方で、本サイトではそれらにこそ茨城方言の意義があると考え、記憶の限り記録に留めてきました。
 いよいよ、八丈方言資料に出会い、今はまだ僅かですが、八丈方言との共通性が明らかになってきています。
 とりわけ、八丈方言と茨城方言との関係をひもとくには、八丈方言資料の存在なくしては出来ませんでした。その理由は、八丈方言の成立すなわち語源をひもといたという金田章弘先生の功績によります。
 八丈方言には、特に用言に意義があります。千葉や神奈川と似ているのは地理的に必然性はありますが、遠く離れた九州方言に似た表現があります。
 今でも、ときどき八丈方言のバイブルである『八丈島の言語調査』を参照するようにしていますが、八丈方言資料にある語り部が語った言葉にこそ、より具体的な八丈方言のエキスがあることを知り、今に至っています。
 今後の当サイトの使命は、八丈方言に負けない貴重な言葉が茨城に残っているのではないかということを、紐解くことしかありません。
八丈方言 茨城方言 標準語訳・解説
【代】私。
あらあいで:私は私で。
〜あ 〜あ 【助】〜は。
格助詞。
あい 私。
『わい』が変化したもの。
あいどうが、あがところへ:わたしですが、私の家へ。
あいどうじゃ:私だよ。
あい あい 【指代】あれ。
本来は『うい。うれ。』
あいだんのーじゃ:あれじゃない。
あい あい 【感】はい。
近世語。
あいのきしば アジサイ。
『しば』は葉のこと。
あいやいやい あいやー
あいやいやー
あいやまー
あや
あやー
あやや
あややー
あやあや
【感】あら。ありゃ。おや。
感嘆詞としての『あや』は、『義経記』に出てくる。
あいんしゃー おれら 私なんか。
本来は『私達、お前達』の意味だが、複数形を使って対象をぼかすのは茨城と同じ。
あぉ 【感】ああ。
あが @私。A私の。B私が。
うっわー、ふじゃけなー。あがじいなんて呼ばれるのは嫌だらあ。
あがも あがも。
あかちち あがちぢ
あがちち
あがっちぢ
赤土。
あかび 欠伸。
あきしけのすと あぎしけすと
あぎしけすっと
【複】秋の時化になると。
あかめし あがめし 赤飯。
あきゃー あげー
あけー
【形】赤い。
東海・名古屋方言と同じ。
あく あぐ
あく
灰。
あけー あげー
あけー
【形】赤い。
清音形は江戸言葉。
あけろひ 翌日。
『明くる日』。『明ける日』の意味。
あこ 灰。
茨城では『あく』
あこび 欠伸。
あーごめ 粟。
主食の一つとして粟を米に例えたものと思われる。
あさけ
あさげ
朝食。
『け』はもともと『笥』(食物を盛るうつわ。また、物を入れるうつわ。)で転じて『食』(食物。食事。)になった。
茨城では『あさは転じて朝を指す。夕方は『ゆー・ばん、しかし古語には夜明けを指す『あさけ』がある。
あさちい あさちー
あさちゆ
あさっつゆ
あさづゆ
あさづよ
朝露。
あさもの 朝食。
あじ
あじくり

えず


くぼのい
くぼのい
くぼのい
くぼのいず
くぼのえず
くぼのす
くもあみ
くものあみ
くものい
くものえ
くものえず
クモの巣。
『網巣』の意味か。
あしー
あしーどの
兄。兄さん。
『あせー・あせーどの』が訛ったもの。
あじぇ
あず
畦。
あしけことたり わりーこった 【複】悪いことだ。
これは殆ど古語である。『悪しき事たり』。
〜あしょあてしてあろわ 【複】〜しようとしている。
やや古い言葉に代えれば『〜やしょうとしているわ』の意味。
あすく あすく 【代】あそこ。
あすっで あすっで
あすって
【複】遊んで。
あすぶ あすぶ 【動】遊ぶ。
江戸言葉。
あすんで あすんで 【複】遊んで。
江戸言葉。
あせー
あせい
あせいとの
あせいどの
あせーどの
あせーどめ
あせへ
せな
せなー
せなあ
せなさま
兄。兄さん。
『我が背』。
あたげる あたげる 【動】いじめる。からかう。
あだに 【感】全く。だって。やっぱり。なにしろ。
〜あだら 【複】〜(し)たよ。〜(し)たんだ。
『だら』
くるしもあだら:苦しんだんだ。
やすけとはにいぇんぐりあだらんのー:安いと2円ぐらいだっただろう。
あたりめー あだりめ
あだりめー
当たり前。
江戸言葉。
あだん あったぐ 【感】全く。だって。やっぱり。なにしろ。
現代語には近いものが無いが、語調を整える意味があるようで、『何(なに)』が一番近い。『何(なに)』は、広辞苑に『念をおしたりする時に問いかえしたり相手の言葉を軽く打ち消したりする時に使う語。「―、うまく行かなかったと」「―、それでいいんだ」』とある。
あだん 【副】何という。どういう。いかなる。なじょう。どのように。
代名詞には無い。茨城方言の感覚では『なじん・なじょう』が近い。『なじん』は『何故に』の意味、『なじょう』は、『何という』の約である。『何』に当たる『豈』が原型になったと見られる。
あだにしたら:どうしよう。
あだんしぇば:どうすれば。
あだんして:どうして。
あだんしても:どうしても。
あだんしとう:どうしたの。
あだんしょうし:どうしようか。どうしようもない。
あだんしょだ:どうするの。
あだんしょどう:どうするの。
あだんせいし:どうしようか。どうしようもない。
あだんせばよけどう:どうすればいいの。
あだんでも:どうにでも。
あだんどう:どうしたの。『あだににてあろう』意味という。
こら・あだんどー・わけどーて・ゆと:これはどうしたわけだ、というと。
あだんなろう:どうなった。
あだんもかだんも:どうにもこうにも。
あだんしょうし・あだんせいし:どうしよう・どうにもならない。
あだん 【接】だって。なぜかというと。
ルーツは前項と同じか。
あだん、われいは、わがほーがこのたぶーつめでしぎってひじのこですりむくって:だって、私をは私のおかあさんが、この稲を爪でむしりとって、肘ですりむいて
あだんも 【副】どうにも。
あちー あぢー
あちー
【形】暑い。
あつかひ 胡坐。
『足交い』の意味か。
あつき
あぞき
あつき
あずぎ
小豆。
あつきめし あつきごはん
あつきめし
赤飯。
あっけー
あっけい
踵。
『足の交い』の意味か。本土にも類似の方言がある。
あつける あつける 【動】預ける。
清音化。
あった あったぐ 【副】全く。
あっちゃんこっちゃん あっちゃこっちゃ 【複】あっちこっち。
あっで あんで 【複】何で。何故。
千葉方言と同じ。
あつは 五女。
あっ 五女。幼女。五男。
あっ おどめ 赤ん坊。
『童(わっぱ)め』の意味か。『あっは広辞苑に『(仙台および山形・山梨県で) 口のきけない人。』とあり、茨城でも使われる。茨城では子供をけなす言葉として『あっし』がある。『唖童』の意味か。
あっ 赤ん坊。
あつべる あづべる
あつべる
【動】集める。
あつりゃーる あづらいる
あづれーる
【動】注文して作らせる。
『誂える』。
〜あどあ 【助】〜(し)た。
動詞が長音化したものに『どあ』(だ)が付いたもの。
まるぼあどあが:死んだんだけど。
〜あどあじゃ
〜あろあじゃ
【助動】〜(し)たのだ。〜(し)たのものだ。
解説に『あどあじゃ:のだ形の〜ダラのジャ形。』とある。『あどあ』+『じゃ』がついたもの。所在不明の田舎言葉『〜(し)ただ』と同じ。『〜にてあるにてある』。
おろあどあじゃ:織ったんだ。
しょをあどあじゃ:背負ったんだ。
ごみょささぎーあどあじゃ:薪を頭に載せて歩いたものだ。
あとしゃん あどさ
あどしゃ
【複】後ろに。後で。
東国語の拗音化。
あなした あしのしら
あしのひら
足の裏。
『足な下(あなした)』の意味。
あなた 相手。
あに あに 【代】【副】何。
関東では特に千葉県に顕著な方言。しかし実際は古語の『豈』に由来するもの。
『豈』は広辞苑に『@(打消の語を伴う) 何も。なんら。万四「八百日(ヤオカ)ゆく浜の沙(マナゴ)もわが恋に―まさらじ。か沖つ島守」
A(反語に用いる) なんで。どうして。万三「価無き宝といふとも一杯(ヒトツキ)の濁れる酒に―まさめやも」』とある。
青ヶ島はあんにもなっけ島だらら。
あにか:何か。
あにかもってこー:何か持って来い。茨城でも使われる。
あにせいで:何の理由で。何故。茨城では『あんのせーで』と言う。
あにせいでそかーにするや:何故そうするんだ。
あにせいでわれにかあいわざるや:何故私にその事を言わないんだ。
あにつきにか:どうしてか。
あにーて:何だって。
あにのおすなる:何をおっしゃる。
あにょ:何を。茨城でも使われる。
あによう:何の用。『何用』。
あにょか:何か。何かを。
あにょしょ:何してんの。
あにょよ:何を言う。
あにょよか:何を言うか。
あにんかも・あにんかもー・あにんがも・あにんがもー:なにかまうものか。
あにんかも:何もかも。
あにんかもそごんせばよっけじゃ:何もかのそうすれば良いよ。
あんせーやろどう:どうして遣るの。どんな理由でするの。
あんにも:何も。茨城でも使われる。
あんにようても:何も言えない。
あんにょも:何をも。
あんだーかんだー:なんだかんだ。茨城では『あんだかんだ』
あんだらーて:何だって。
あんだろーこら:これは何だろう。
あんでかーて〜:何かと〜。
あんでかーてよだーば:何かといえば。
あんどう:何だい。『何ぞ』。
あにーどの 姉。
あね 畦。
あねー
あねい
あねいどの
あねえどの
あねーどの
あねへ
姉。
あのをとこのうたーてやらばとてもきかれたもんじゃなっきゃ
あのをとこのうたーてやらばとてきかれたもんじゃなっきゃ
【複】あの男の歌ときたらとても聴かれたものじゃない。
あび 神巫・巫子・市子。
あぶめ あぶめ ウシアブ。
茨城ではアブ一般を指す。
あま 天井。本土の以下の方言は『屋根裏、屋根裏の物置き場』を言う。
あま:富山・愛媛。
あまだ:島根・広島。
あまだな:静岡。
あまだな:囲炉裏の上の棚:山口。
あまや:山形。
あま 浅い笊。
『蒸籠』(せいろ)を指していると見られる。
あまのひと ネズミ。
『天井の人』の意味。
あらしけ 【形】新しい。
茨城では新品を『あらす』と言う。
〜あららっていが 【複】〜いたそうだが。
『が』は濁音。『い』は『言う』意味。解説には『ありありあるてよが(araraqteiga<*ari ari aru te jo ga。)』とある。茨城では『〜いだっち、〜いだっちー
古語の『あらる』は『有り得る、居る事が出来る』の意味だが
そごんよぼーて、そだててあららっていが:そう呼んで育てていたそうだが。
〜ありーたす 【複】〜です。
『〜あり致す』。
ねつこくありーたす:小さいです。
ありめ ありめ アリ。
ありんなか ありゃしねー 【複】ありはしない。
九州方言と同じ。
ある ある 【動】居る。
ぼーさまあるかない:坊様居る?−居ない。
〜あろ
〜あろう
【動】ある。
連用形・連体形・未来形。
推量または想像形『あろう』。古い言い方で『そんな事があろう時は』などと言う。解説には 『ありあろ:aro:<*araro<*ari aro。』とある。
そぐゎんことがあろもんどぁーとたいへんだら:そんなことがあろうものなら大変だ。
あろあよ 【複】有ったのを。居たのを。
『あろうを』。
〜あろう 【複】〜有るのを。〜居るのを
『あるを』。『あろを』が変化したもの(連体形の名詞用法で直接対格をとっているとされる。)。
〜あろわ 【複】〜有る。〜居る。
『居るわ』。『あろをは』の意味。
しにかかってあろわ:死に掛かっている。
雨の降ってあろわ:雨が降っている。
へびろぁーみちばたにぶっちゃってあろわ:着物が道端に捨ててある。
あわれろで 【複】会えるので。
古い言い方の可能形『会はれる』の連用形。
解説には『あわれろにて(awarero ni te。)』とある。
あんけのへい 【複】思いもよらぬこと。
『あんけ』は現代語の『我を忘れて口をあけたさま。あんぐり。あんけら。』に当たるので、『あっけらかん』の意味だろう。
あんげのべい 【複】馬鹿らしいこと。
あんこ 女の子。
あんしー
あんせー
【副】何故。何をしに。
『あんしに』がさらに訛ったもの。格助詞『に』が隠れている。
あんせーやろどう 【複】どうして遣るの。
『何故遣るぞ』。
あんだ あんだ 【複】何だ。
あんだーてよ:何だって言ってるの。
あんだらーて 【複】何だって。
あんだらーてよ:何だって言ってるの。
あんだらーていぇばよけどう:何と言ったら良いのですか。
あんたんもかんたんも なんともかんとも 【複】どうにもこうにも。
あんちゃん あんちゃん 兄さん。
あんでかーて あんでがって 【複】何でかって。何故かと。
あんでかーてよだーば 【複】何でかって言うなら。何故かというと。
あんでもなく あんでもなぐ 【複】何でもなく。
あんど 姉。
あんどぁー
あんどう
あんだー
あんぞ
【複】何だ。何ぞ。
茨城でも昭和45年頃までは『だ』を『どぁ』と言う言い方があった。しかし、文献には記録されていない。
うらあんどぁー:あれはなんだい。
あんね あんね
あんねー
姉。
〜あんのうて 〜あっから
〜あっがら
【複】〜(して)いるだろうから。
解説には『あるなもによりて:aru nomo(<*namo) ni jori te。ナモは推量ラム連体形の東国方言形。』とある。
あんのがら 【複】何のために。
『何の許』か。
あんのげざりに 【複】『何の故に左様に仰せ有るぞ。そうではない。』の意味。『何の許に然ありに』か。
あんまい あんまい 【副】あんまり。
あんやいやい あいやー
あいやいやー
あいやまー
あや
あやー
あやや
あややー
あやあや
【感】あら。ありゃ。おや。
感嘆詞としての『あや』は、『義経記』に出てくる。



〜い
〜いー
〜い
〜いー
【助】〜へ。〜に。
茨城弁では単に長音化する言い方がある。格助詞の萌芽を感じさせる言葉。次に付く言葉によって段が変化することがあるのは、茨城方言も八丈方言も同じである。『〜へ』の場合は本来は『〜うぇ(we)』。
茨城では前後の関係から『え、えー』のことがある。またこれは八丈方言でも同様である。
茨城方言と八丈方言の格助詞の類似性は格助詞が未発達の時代の言葉を残していると思われる。
しずもほういー、しるしょつけて:沈む方へ印を付けて。
うしめひっって:牛を引いて。茨城では『うしめーひっって』と言う。
きりばんいー、のせて:まな板に載せて。
ふじさんいー、こもって:富士山へこもって。
よめんむれー、きたらっていどう:嫁にもらいに来たそうだが。
じんいぇーあつけときいてーたらっていが:陣屋へ預けておいたそうだが。『あつけときいてーた』は『預けて置きていた』の意味か。
〜い
〜いー
〜い
〜いー
【助】〜を。
『よ』
茨城では前後の関係から『え、えー』のことがある。
茨城方言と八丈方言の格助詞の類似性は格助詞が未発達の時代の言葉を残していると思われる。
ありめいとらめーきて:アリをつかまえてきて。茨城なら『ありめーとらめーできて・ありめよとらめーできて』
〜い 〜い 【助】〜(と)いう。
『よ』
そごんすと、そのあとでかけざらは、くらんしたんもしょうすっとってい、そのたぶーつめでしぎりはじめたらっていが:そうすると、そのあとで欠け皿は、蔵の下にムシロをしいてから、その稲を爪でむしりとりはじめたそうだが。
いーえー いーえー 言い合い。
江戸言葉。
いぇ いー
いぇ
いぇー
えー
えぃー
家。
いぇい @【形】良い。
A【複】家へ。
いぇのあま 天井裏。
いぇむ えむ 【動】熟して割れる。笑む。
古代の発音が残っているものと考えられる。
まだ・いぇみんじゃん・なおじゃ:これ(椿の実)の皮はまだ割れないだろう。解説には『イェム(笑む・熟して割れる)で,イェミニシアルナモニテハからの変化。ナオ(三根でノウ)は推量ラムの東国方言ナムの変化したもの。』とある。
いぇり いり 襟。
いかめ いがめ アオリイカ。
茨城流に言えば『いがめ』だが、めったに聞くことはない。接尾語『め』は生き物のつくので、イカは食べ物として捉えているからだろう。
いからっていが
いからっていどう
【複】行ったそうだが。
解説には『いきありあるてよが(ikaraqteiga<*iki ari aru te jo ga。)・いきありあるていえども(ikaraqteidou<*iki ari aru te je domo。)』とある。
いき いぎ 範囲。
〜いきんのーじゃーてって 【複】〜いかないよと言って。
解説には『いきなこにてはていいて(iki nako ni te wa te iwi te)』とある。
のー・つけんのー・わけにゃ・いきんのーじゃーてって:名を付けないわけにはいかないよ、といって。
いく 【動】行く。
現代語とは活用形が異なる。
いから:行った。連用形。
いからっていどう:行ったそうだが。『ikaraqteidou<*iki ari aru te je domo。』。連用形。
いきんなか:行かないよ。未然形。
いくのーは:行くだろう。未来形。
いこごん:行こうよ。茨城方言の感覚では『いぐこった』(行くことだ)に近い。未然形。
いこわーて:行くよと。茨城では『いわって・いよって』。『ぐ』は濁音・鼻濁音。
てらめーりん・いこわーて:寺参りに行くよと。未来形。
たんごう、ひとおもてでもおっとてい、いこじゃーてって:丹後(いまの黄八丈)をひとおもて(一回巻きとる分)でも織ってから行くね」といって。
いくか いっか 幾日。何日。
いくぼ いくぼ 笑窪。
いげ 湯気。
八丈方言には鼻濁音が無い。
いげーも いも エグイモ。
八丈方言には鼻濁音が無い。
いごく 【動】動く。
『いごく』は訛りとして辞書掲載されている。八丈方言には鼻濁音が無い。
いこぼ いくぼ 笑窪。
この訛りは、茨城にあっても不思議は無いが、文献には無い。
いごら
いごろ
いごろー
鼾。
いこんて いんから 【複】行くから。
解説には『いこによりて:(ikoNte<*iko ni jori te。)』とある。
いしこつぼら 石だらけの様。
『いしこ』は石ころ。『つ』は格助詞。『ぼら』は本来谷を言う。前後関係から石だらけの谷筋の道を言ったと考えられる。
いしまま 石の崖。
『まま』は茨城にも残る。
いじめる 【動】怒る。
標準語では対象を指して言うが、『怒る』にも叱る意味があるので限りなく標準語に近い方言。
いそんで いそんで 【複】急いで。
『isoNde<*isogi te。』。
いちにんめー いぢにんめー 一人前。
江戸言葉。
いつかの いづがの
いつかの
【副】【連体】いつか。
いっこ
いっこー
いーっこ
いっこに
いっこも
【副】一向に。全く。
『えっこ』とも言う。全国にある方言。
いっこない:少しも。ちっとも。
いっさん 皆。
『一山』。本来は『一つの山。一つの大寺。また、大寺にいるすべての僧。今昔一一「―の僧」』意味。
いっしょーまつでや いっしょーまづでー 一生末代。
いっときまちろ いっとぎま 【形動】ちょっとの間。
『一時の間』。
いつのか いづのか 【副】【連体】いつか。
いっ
いっ
いーっ
いっ
いーっ
【形動】いっぱい。
いでみい 【複】おいで。
いぬめ いぬめ 犬。
ほいで・そこで・いぬめい・けれーに・して:それで、そこで犬を家来にして。
いねこぎ いねこぎ 『稲扱き』。
〜いは 〜いは 【助】〜へは。〜には。〜をば。
なかめいはべねざらーてい、てごめいははなざらーてよ、でーじけなめーよつけて:次女をは紅皿という、三女をは花皿というきれいな名前をつけて。
いび いび 指。
いびだま
いびわ
いびや、いびわ 指輪。
いへー いへー 位牌。
江戸言葉。
いも (サトイモ、サツマイモ) サトイモ。
芋とはイモ類の総称であるが、方言辞典では『イモ』が何を指すかを全国調査している。それによれば、茨城県は東西に二分され、東はサツマイモを指し、西はサトイモを指す結果となっている。普通、方言はかなり入り組んで分布するのだが、『イモ』の場合全国レベルでもはっきり分かれるのが興味深い。
ジャガイモを指すのは寒冷地に限定される。そうなると九州はサツマイモだろうと思ってしまうが、大半がサトイモを指し、サツマイモは沿岸部に分布する。
サトイモはもともと南方系の植物で稲より古くから栽培されていたという。陰嚢がイモに例えられるのは間違いなくサトイモの姿によるものと思われる。
ジャガイモはアンデス原産で、1530年スペイン人がヨーロッパに持ち帰り、日本に持ち込まれたのは秀吉の時代(慶長年間/1596〜1614年)というから、当時としてはスピード伝来だったろう。
サツマイモは少し遅れて中国から沖縄を継由して1705年に鹿児島に伝わったといわれ、関東に現れたのはそれから30年後とされる。方言の分布状況では多く南方または海岸部に分布する。
これらを考えると、栽培気候のほかにも歴史に伴った農業政策の影響もあったと思われる。いずれの場合も主に生産されたイモがその土地の代表語になったのではないかと推測される。
八丈島では、サトイモを指し、サツマイモは『かんも』と呼ぶ。『甘藷・甘薯』が訛ったのだろうか。
いーもより いーもよー 良い天気。
いよ いよ 魚。
『いを、うを』。
いらせる いらせる 【動】居させる。
使役形。
標準語の使役形は連用形に『せる』をつける。その中でラ行5段活用の動詞は、『遣らせる、乗らせる』等見かけ上『らせる』となる。茨城方言では標準語の活用形を使う場合と、ラ行5段活用の動詞以外も『らせる』形をとることが良くある。
いる 【動】連れて行く。ひきいる。
『率る・将る』。現代語では『率いる』(ひきいる)が残る。
いって:連れて。
うしめいいってみこで:牛を引いて歩くので。
いれー 由来。
茨城でもそう言い得る。
ままこどーいれーに:継子であるために。継子である由来のために。
いろう
いろうる
【動】かかわりあう。干渉する。
古語の『綺ふ・弄ふ(いろふ)』。『いらふ』とも言う。
いろうな:からかうな。
いんね 姉。
『あねい・あんねい』の古形。



【助】を。
段の変化。茨城では、単に長音化する。オ段がウ段に変化するのは琉球方言の特徴でもある。
じーさまが、やまかー・けーろう・まちて:おじいさんが山から帰るのを待って。
たおれて・あろう・みとってい:倒れているのを見て。『a#rou<*aro wo連体形の名詞用法でちょくせつ対格をとっている。』。
うい 【代】あれ。
『うれ』がさらに訛ったもの。茨城では『あい』と言う。
うぇ
うぇー
ううぇー
うぇ
うぇー
【感】ええ。あらまあ。
正確にはuwee。古語の発音が現代でも残っていると考えられる。
うぇい うぇ 上。
格助詞が隠れている。
うがらす らす ゴイサギ。
茨城では鵜を指す。また、茨城では鼻濁音になる。
うがんして 【複】ああして、あのようにして。
『彼(あ)が(様)にして』。
うがんどうもの 【複】あんなもの。あのようなもの。
『彼(あ)が(様)にてあるもの』『彼(あ)が(様)にぞあるもの』。
うぎーす ウグイス。
逆行同化。茨城にあってもおかしくない訛り。ただし、茨城では鼻濁音になる。
うぐ
うく
【代】あそこ。
『彼(あ)』が『う』となる。『く』は『処』か。場所を表す代名詞は『ここ、そこ、うく、どこ』と言う。
うい・うれ:あれ。
うの:あの。
茨城では『あすこ、あそご』
うぐいすめ
うぐゆす
うぐゆすめ
いすめ ウグイス。
茨城にもあるはずの言葉。ただし、文献では報告されていない。茨城では鼻濁音になる。
うぐーに あーだに
あーたに
【複】あんなに。あのように。
『彼(あ)が(様)に』。
うぐゎん
うぐゎんだ
あーだ
あーた
【複】あんな。
『彼(あ)が(様)』『彼(あ)が(様)にてある』。
うぐゎんどうもの
うぐんどうもの
うくんどうもの
あーだもの
あーたもの
【複】あんなもの。あのようなもの。
『彼(あ)が(様)にてあるもの』。『どう』『だら』の連体形。
うけ うげ 浮き。
古語。『浮け・浮子・泛子』。
うけーて 【複】浮かせて。
うこんて 【複】浮くので。
解説には『ukoNte<*uko ni jori te。』とある。
かぶのほうがいくらかしずもに、うぞのほうがいくらかうこんて:根元のほうがいくらか沈むし、先のほうがいくらか浮くから。
うさぎめ うさ ウサギ。
うしめ うしめ 牛。
うしょ 海水。
『潮』(うしお)。
うぞ 先。
『末(うら)』が転じたか。
うっちゃきのうちち さぎおどどい 一作昨日。
うつてい 一作日。
うな うな
んな
うの
【代】お前。
『うぬは』の意味で格助詞が隠れているもの。広辞苑に『うな:(ウヌ(汝)ハの約) 汝は。おのれは。浄、今宮「―よく身を打たせたなあ。覚えて居ろ」』とある。
うぬ てめ
てめー
【代】てめえ。
けんか腰の言い方。
うの 【代】あの。
うの
うのない
【感】あのね。
『い』は近世語の接尾語。茨城では『あのない、あのなや』
うまめ うまめ 馬。
うりーしぇい 【複】瓜畑へ。
解説には『瓜荘に』の意味とある。長音は格助詞が隠れていると考えられる。
うれ 【代】あれ。
うれしい 【形】体調がいい。
うれしくなる じょーぶんなる 【複】病気が治る。
うろーどし うろーどし 閏年。
うんま 母。 『我が母』の意味とも考えられる。 古語『おも』。上代東国語は『あも』。『混効験集』にあむ(百姓の妻)がある。
うね:新潟。
うま:山形・三重・奈良・長崎・鹿児島・沖縄。
うまい:岩手・佐渡・新潟・静岡。
うめ:静岡・滋賀。
うめー:新潟。
うも:大分。
うんにょ:鹿児島。
うんば:伊豆七島・富山・奈良。
うんまい:静岡。
うんめえ:千葉。



家。
えー
えい
えー 【形】良い。
えーがの 『資料』には訳が無い。この場合の『が』は、古い格助詞で下に体言が省略されたものと思われ、『家の』の意味である。
えーがのさっかたで:家のとある場所。
えずい えずい 【形】@気持がわるい。Aおそろしい。Bいとわしい。Cひどい。Dきびしい。Eわるがしこい。F強烈で強情である。Gわる賢い。ずるい。Hその他不快感を感じさせるせる様。
茨城では『いずい』とも言う。
えびめ 海老。
茨城では、めったに聞くことはない。接尾語『め』は生き物につくので、エビは食べ物として捉えているからだろう。
えべす 『恵比寿』。
茨城にあってもおかしくない訛りだが文献には報告されていない。
えーのおなご
えーのやつ
いーのやづ
うぢのやづ
えーのやづ
おらいのやづ
おらえのやづ
おらのやづ
妻。
『言語調査』では『ゑーのおなご・ゑーのやつ』と表現されている。
えへしおや いびさいとっつぁま
いびしおや
いびすおや
いぶしおや
いぼしおや
えぶしおや
烏帽子親。
『言語調査』では『ゑへしおや』と表現されている。
広辞苑に『烏帽子親:武家社会で元服の時、烏帽子をかぶらせ、烏帽子名をつける人。元服親。』とある。
えーむ あえぶ
あいむ
あいーぶ
やーぶ
【動】歩く。歩む。
えーもーも・はしろーも・おんなしどころか・たなばたさまの・ごん・なろんてって:歩いたのも走ったのも同じどころか、七夕さまのようになるからといって。
えーめ:歩け。
えーもごん:歩こう。
えら えら 【副】すごく。沢山。
えらこし 【副】@もう少し。A多い少ない。
『言語調査』では『もちつと』とある。
えらばく えら 【形動】沢山。
えんしゃー
えんちぇー
えんていぇー
えーんて
えーんてー
えーんて
家の人達。家族。
わがえんしゃーでは:うちなんかでは。
えんはい 様々な魚の頭を塩につけたもの。
えんばい あんべ
あんべー
やんばい
加減。具合。
『塩梅・按排・按配。』
調べると、現代語の『塩梅』は当て字で、広辞苑には『(「塩梅」(アンバイ)はエンバイの転で、「按排」「按配」とは本来別系統の語であるが、混同して用いる)。@塩と梅酢で調味すること。一般に、料理の味加減を調えること。また、その味加減。「―を見る」A物事のほどあい。かげん。特に、身体の具合。「いい―に会えた」「―が悪くて寝ている」Bほどよく並べたり、ほどよく処理したりすること。「材料をうまく―して話す」』とある。



おー おー 【感】はい。
『応』。茨城では呼びかけにも使われる。
おおさま 祖父。
おうし おーし
古くは『おうし・おふし』と言った。
おおじ
をうぢどの
ををじ
祖父。
さーら さーら 小笠原。
平坦な長音化。江戸言葉。
まれる 【動】供えてある。
『拝む』の擬似受動形。このような表現は茨城にもある。
おそねーものが・やまのごん・おがまれて・あろーで:お供え物が山のように供えてあったので。解説には『ogamarete aro:de受動態と同音だが、意味はシテアルに対応。古形はogamete arowa。』とある。
そこにおまって・あろ・ものう・みんな・ゆたんに・つつんで:そこに供えてあるものをみんな風呂敷に包んで。『ogamaqte<*ogamare te。』とある。
おがむ 【動】供える。
『拝む』意味が転じたもの。『拝む』はもともと願う意味で『頼む』、また『見る』意味がある。
ほら、もーみん、にておがめいてって、にておがめいとってい:ほら、はやく、炊いて供えな、といって、炊いて供えさせてから。
おきり おぎり
おきり
熾き。熾火。
おごる おごる 【動】起こる。発生する。
濁音化。
おさ 嘘。
段の変化。格助詞が隠れている。
おしーる おしーる 【動】教える。
おしーて おしーで 【複】教えて。
平坦な長音化。
おーさぎ おーさ アオサギ。
逆行同化。
おーさーぎ おーさー 大騒ぎ。
平坦な長音化。江戸言葉。
おーさま 祖父。
おーし おーし 唖。
八丈方言では長音は多く字面のまま発音することが多いがこれは平坦化した例。唖は、古くは『おうし・おふし』と言った。
おじゃみ おじゃみ お手玉。関東で使われるのは僅かで大半が西日本で使われる。
茨城・埼玉・神奈川・八丈島・富山・岐阜・静岡・愛知・福井・大阪・奈良・島根・兵庫・広島・山口・四国全県・大分・宮崎・熊本。
おじゃる ござる 【動】御座る。おいでになる。
命令形は『おじゃれ』。上代の宮中言葉などにも見られる。茨城では使われない。
ぼーさまは、おじゃろうか:坊様はおいでですか。
おじゃらっち:おいでになる。
おじゃりあれ・おじゃりやれ:いらっしゃい。
〜おじゃりーたす:〜御座います。
おじゃりやしんなか:いらっしゃりやしない。
おじゃりやる:おいでになられる。
こっちーおじゃろほうがよろしくおじゃろわ(おじろわ・おじゃりやろ):こちらにおいでなさる方が宜しゅう御座いましょう。
〜おじゃりんじゃらしんのーじゃ:〜御座いませんでしたでしょう。
しずかでおじゃろのわー:静かで御座いますね。
それでよろしくおじゃんのーわ:それで宜しゅう御座いましょう。
おじゃりやろわ:いらっしゃる。
だいでかおじゃりやるのー:どなたでいらっしゃいますか。
どっかーおじゃりやろーどー:どこからいらっしゃいましたか。
よっ(く)こごんどーとこまでおじゃりやってたもーて:よくこんな所までいらっしゃってくださいまして。
おしょこ
おしょこめ
うしっこ
とんこめ
小牛。
『牛の子め』が訛ったもの。
おせいる おしーる
おせーる
【動】教える。
江戸言葉。
おせいると:教えると。『oseiruto<*osiweru to。』。
おせんめー 銭米。
おそ 嘘。
段の変化。感嘆詞として『否、いや』の意味で使うことがある。茨城にあってもおかしくない方言。
そごん・おそう・つく・こうは:そうやって嘘をつく子をは。
おそねーもの おそねーもの お供え物。
江戸言葉。
おちさん 叔父。
茨城では祖父・叔父や年配の父親を指すが、清音化傾向があるのは共通である。
おっかなけ ・おっかない 【形】恐ろしい。
『方言学概論』にある言葉。本来は連体形のはずだが、現代語の接尾語の『気(げ)』はもとは清音だったらしいから、『おっかな気』の意味か。
また九州方言の形容詞の語尾『か』を連想させる。
おっかなかろあだー 【複】怖かったんだよ。
おつけ おつけ 味噌汁。
『御付』。
おったら おっとり。黙っていること。
段の変化と茨城方言に似た接尾語の使用。
おつな 【形】質がよくない。『乙な』。
一般に現代語では『乙:しゃれて気がきいていること。味なこと。』の意味だが、古くは『奇なこと。異なこと。風変りなこと。』の意味があった。
おっちゃくる 【動】掬う(すくう・しゃくう)。
茨城方言似た接頭語の使用と『し』が『ち』に変化。茨城方言にあってもおかしくない言葉。
おっちょれる おっちょれる 【動】折れる。
おっしおる
おっしょる
おっしょる 【動】圧し折る。
ほぼ同じ言葉。
おっ おっ 【動】押す。押し潰す。
『押し(おし)圧す(へす)』。
おとあね
おとあねへ
おとうね
おとーね
兄弟。姉妹。
おとゃー おど
おど
古語『おとがい』。
おどし 案山子。『威し・脅し』。岩手・岐阜・福井・近畿(三重以外)・中国全県・四国(香川不明)・九州(佐賀以外)で使われる。。大半が西日本に残るが、岩手・八丈島にあるという事は、昔は東日本にもあったと見られる。
おとふと 妹。
おとぎゃー
おとげー
おど
おど
顎。
『頤(おとがい)』。
おーとし おーどし
おーどしとり
大晦日。
『大年・大歳』。
おとしゃん 【複】元に。
m音の脱落。茨城では『もどさ』
解説には『もとさまに』とある。『さ』は『様』が転じたとされる。
おなし おなし 【形動】同じ。
おなる ぼなる 【動】泣く。
おにがしれい 【複】鬼が城へ。
格助詞による『ら』の段の変化。
おにめ おにめ 鬼。
ういが・その・むかしの・おにめの・つめの・あとだっていに:あれがそのむかしの鬼の爪のあとだそうだし。
おのこご
をのこご
おどごこ 男。男の子。『めならべ』に対して『をのこならべ』が無いのが不思議である。
解説には『おのこご』とあるが、何回聞いても『おどごこ』と聞こえる部分がある。
おのこごのこ:男の子。
おのごこのこ おどごこ
おどごっこ
男の子。
おのこごめ おどごめ 雄牛。
茨城では@男、A雄(オス)、B雄牛を『おどごめ』と言うのに似ている。
おば 叔父。
おべーる おべーる 【動】覚える。
江戸言葉。
おべんちゃ
をべんちゃ
心を尽くすこと。
『おべんちゃら』か。
おぼしな おぼすな(さま) 守護神。
『産土神(うぶすながみ)』のこと。
おぼゆ おぼゆ 産湯。
おまい おまい 【代】お前。
江戸言葉。同等の相手を言う。
おみ おみ お前。
『御身』。
おーみず おーみず 洪水。
『大水』。
おみゃ おみや
おみゃー
【複】お前。
本来は『お前は』の意味。『御身は』が訛ったもの。
おめー おめ
おめー
【代】お前。
江戸言葉。ただし八丈島では最上級の言い方。もともと『御前』で古くは貴人を指したものが残ったもの。茨城では敬語が発達しなかったので、男女の区別もなく使われる。
おめーはこの仲間に入っちゃだめどーだーよー:あなた様はこの仲間に入ってはだめだよ。
おめーら おめーら 【代】お前等。
江戸言葉。
おやこ 親類。
おやこ:青森・岩手・山形・千葉・群馬・埼玉・神奈川・石川・福井・山梨・長野・愛知・滋賀・京都・三重・兵庫・島根・広島・鹿児島。現代では普通に考えれば単に『親子』と考えてしまうが辞書にもあるように、結びつきの大きな代表語として使われ、『親子のような付き合い』それが親類の意味に発展したと思われる。
おやす おやす 【動】@(髭を)生やす。A(植物を)生やす。『生やす』(おやす)。
おやのごーてい おやなもどい
おやのもどい
【複】親のもとへ。
この言葉に関する限り茨城方言の方が原型に近い。
おやのがもとへ(oja=no=go:#tei<*oja no ga moto we。)』の意味と言う。
おやひねこひねん 【複】くねくねと。
『大きく曲がったり小さく曲がったり』の意味と考えられる。『ん』は『に』の音便。
およー おやー
おやお
【複】親を。
本来は『おやう』。ウ音便。擬似長音形。
およる 【動】寝る。
『お入る』意味か。
おり
おーり
風除けの石垣。
『居り』が語源と言う。『覆い』の意味もあるのではないか。
おりまま 石垣。石垣の面。
『まま』は崖のこと。
おろーで 【複】織ったので。
解説には『oro:de<*ori aro ni te。sitaqteizjoute=noこれはsitaqteijaシタソウダの間説話法的形式。』とある。
おんなご
をんなご
女。女の子。
『女』の古形。『おなご』。
おんなごのこ:女の子。
おんなごのこ おんなこ
おんなっこ
女の子。
おんなごめ 雌牛。
茨城では『おんなめ』と言い、@女の人、A雌(メス)、B雌牛を指すのに似ている。ただし古語に『うなめ・おなめ』があり、茨城にも残る。
おんなし おんなし 同じ。
おんなしふーな:同じような。
おんに 【動】濁る。
茨城方言に似た接頭語の使用。茨城方言にあってもおかしくない言葉。
おんぶさる おんぶさる 【動】おぶさる。
おんべいかつぎ
おんべーかつぎ
おんべいかつ
おんべかづ
おんべかつ
おんべーかづ
おんべーかつ
縁起を担ぐこと。またはその人。
『おん幣かつぎ』。
おんべちゃ
をんべちゃ
心を尽くすこと。
『おべんちゃら』か。
おんむしる おんむしる 【動】毟り取る。



かー 井戸。用水池。水溜。流し元。
〜が
〜の
【助】〜の。
所有を表す格助詞。八丈方言では、濁音で発音する。
〜が
〜がー
【助】〜の分。
単音形なら古語。
おやのがー:親の分。
ふたいがー・きろーしゃー・てすと:二人分に切ろうとすると。解説には『しゃー』は語源不詳とある。
よんじゅーごんちが・べつに・たいて:49日分別に炊いて。
〜かー
〜がー
〜がー
【助】〜から。
茨城では『〜がら』だが、まれに『〜がー』と言うことがある。
ていしゅと・としぇいを・でーじん・しながー:亭主と生活をを大事にしながら。
よめいりょ・してかーは:嫁入りをしてからは。
〜がー 【助】〜ぞ。〜よ。〜が。
相手の注意を促す終助詞。ほぼ茨城弁と同じ。
しばかりー・いって・くろがーて・ゆとは:芝刈りに行って来るよ、と言うと。
〜か〜あんにゃー 【複】係り結びの一つ。『〜こそ〜(已然形)』。
これに関して言えば茨城方言の方が原型に近い。
まんもおんなしでかあんにゃー:いまも同じでコソあるよ。解説には『結びがアンニャーであれば, 本来の係りはコアであるが, 現代方言ではこれが短母音化してカがふつうになり, 結びがアレのときの係りであるカと同音になっている。』とある。

以下、茨城方言の掛かり結び。
いまもおんなしでごそあれ、ねーがんなやー:今も同じでこそあれ、値段が違うからねえ。
みだめはおんなしでごそあっても、ながみーどや:見た目は同じでこそあっても中身は違うよ。
かい かい 粥。
かいす かいす 【複】返す。
江戸言葉。
かいせよ:返せよ。
かいされて:返されて。
がいた 未熟者。
かいり
けーり
かいり
けーり
帰り。
江戸言葉。
かうぇーらしー
かうゃーらしー
かうぇー
かうぇーらしー
【形】可愛らしい。
『うぇ』は『WE』と発音する。茨城では一般には『かいらしー、かーいらしー』と言う。
かおじ 麹(こうじ)。
古語では『かうじ』。
かか
かかー
かかあ
かかあさま
がが
かがー
母。
〜かかってあろわ 〜かがっているわ 【複】〜(し)かかっているよ。
しにかかってあろわ:死に掛かっている。
がき 娘。
かきじゃね ゴキブリ。
かーく かーぐ 【動】乾く。
八丈島ではさらに『こーく』とも言う。
かくまっとこー 【複】かくまっておいた。かくまってある。
連体形。
解説には『かくまりておきあろ:kakumaqtoko:<*kakumari te oki aro。』とある。茨城でも『う』音が『お』音に変化することがよくある。『かくまっとくよ』は『かくまっとごよ』に聞こえることがある。
かくまっとーおやのとけい:かくまっておいた親のところへ。 
〜かくゎーか 〜ががが
〜がかが
〜かがが
【複】〜か。
『〜か彼か』の意味。
解説は『言語調査』の内容をそのまま掲載した。
あによかくゎーかとりまぜるとそのくらいにはなりたすのーわ:何かかかとりまぜたらその位にはなりませう。
かけじ かげじ 掛軸。
『掛字』と『掛軸』は同じ。
かけやろーで 【複】履かせなさって。掛けなさって。
『かけありにて、かけやりにて』。
身につける意味の言葉は全国に様々はことばがある。『履く』も『掛く』ももともとは同源ではないかと思われる。
解説には『kakejaro:de<*kake jari aro ni te。』とある。『やる』は『ある』が変化したもので動詞の連用形について尊敬を表す。
がけんちょー がげっちょ
がけんとー
崖。
茨城ではこのほか様々な言い方がある。
かこー
かこぁ
かこう
かこうさま
かこふ
母。
かこまる
かこむ
【動】性交する。
かこんで 【複】抱えて。
ウ音便化した『かこうて』の撥音便と考えられる。しかし、そのまま『囲んで』としてもおかしくない。
かざぐね 防風林。
『風久根』。
かじ 風邪。
茨城にあってもおかしくない方言。
かずけ
かつけ
かずけ かこつけること。
動詞形の『被ける(かずける)』はやや古い標準語だが、茨城方言では、動詞形『かづげる・かつける・かっける』と言い、清音形があるところまで全く同じである
かする 【動】忘れる。
『掠る・擦る』意味が転じたと思われる。茨城では『霞む、ぼんやりする』意味。同源と思われる。
かすった:忘れた。
かするな:忘れるな。
かせぎめ カマキリ。
かたけん かだあしけんけん
かたあしけんけん
かだあしとび
片足跳び。
かたこ 当歳児。
『片子』。
かたちち 土塊。
土を『ちち』と言うのは茨城と同じ。
かたる かだる 【動】加わる。
『かてる』(糅てる)が転じたと考えられる。・かたらせる:神奈川。
かだる:青森・岩手・秋田。
かだる:混ざる:岩手。
かたる:青森・岩手・秋田・山形・群馬・八丈島・長野・愛知・福井・滋賀・京都・大分・長崎・宮崎・熊本・鹿児島。
かちーる 【動】腹が減る。
『飢える・餓える』(かつえる)。
かつー
かつう
かっちょー
かとー
かとふ
かづ
かづー
かつー
カツオ。
がっこ がっこ 学校。
かっち かっち 【動】勢い良くしごく。
かっちゃー かったい 癩病。
かっちゃく かっちゃぐ
かっちゃく
【動】掻く。引っ掻く。
『掻き裂く』。
かって 【複】@つけて。『掛けて』『支いて』。A掻いて。
このような促音化は八丈方言では100%に近いルールのようである。茨城でもかなり似た傾向がある。
〜がって って 【助】〜のついでに。〜がてら。
かってぁー かったい 癩病。
かってえぼう かったいぼー
かってーぼー
@癩病患者。Aわからずや。
『乞丐坊』の意味。
かど かど 家(屋敷)の出入り口。門。門口。
かとぐ 【動】担ぐ。
『担ぐ(かたぐ)』の転。
かとんで:担いで。
かとうたに
かとーたに
かだっべだ
かだっ
かだたに
かだべだ
かだだにに
【複】片方に。
『片辺に』(かたへた)の意味で音便化したと見られる。
がなる がなる 【動】怒鳴る。
山形・福島・茨城・栃木・埼玉・群馬・東京・八丈島・長野・岐阜。関東都市圏でも高齢者は今でも使う。
〜がに 【助】〜のために。〜に。
八丈方言では動詞につくことがある。
〜がにゃ にゃ 【助】〜のためには。〜には。
★ねっこめがにゃ、おばんしばりつけろ:猫には、尾を縛り付けろ。
かね 鉄漿(おはぐろの液)。
かねー かねー 家内。江戸言葉。
【助】〜の分。〜のもの。
民話の訳文では『〜のが』とある。
とりげのーは:一人の分は。『が』が『げ』に変化。解説には『tori gena wo wa』とある。
〜がは 【助】〜は。
一見二重表現に見えるが『が』はそれに続く体言の省略形。八丈では転じて『ごう』となることがある。
かびぁ
かべあ
かべぁ
桑の葉。
『桑葉』。八丈方言らしい拗音化。
かぶつ 橙(だいだい)。カボスは橙の一種。
かぶす:愛媛。
かぶち:和歌山。
こうぶつ:佐賀・長崎。
かぶめ かんめ 蚊。
八丈島では食べる事を『かむ』と言うので『かみめ、かんめ』もあったのではないか。
かまきりめ かまきりめ カマキリ。
『新方言』には『カマキリメ 「かまきり」;共通語形に方言の接辞をつけたもの;八丈島(国語研1985)』とある。
かませる 【複】食べさせる。
『噛ませる』意味か。
かまる かまる
かむ
【動】臭いをかぐ。臭いがする。
『か』は『香』で『まる』は『排泄する』意味だから、『臭いを出す』意味か。
かまったそうろう:豊作や大漁を祈願するフンクサという行事のなかで唱えることば。匂うほどにたくさんほしい,という意味か。青ヶ島では現在もおこなわれている。(資料)
がまんでーで 【複】頑張って。
『我慢出でにて』か。『我慢出して』の意味と言う。
がまんどうな、辛抱してたもれ:我慢だよ。我慢しなさい。
かむ 【動】食べる。
『噛む』意味か。
牛メも噛みんじゃらーて:牛だって食べないだろう。
ひょうーら噛みに行からら
めしーかもごん:ご飯食べよう。
かーむぐり ゲンゴロウ。
『こーがりめ』とも言う。茨城にあってもおかしくない方言。『川潜り』の意味。
かめめ 亀。
解説に『鳥獣・虫・魚には末尾に「め」をつける。但し、スズメ・ツバメにはスズメメ・ツバメメとは「め」を附せず。』とありほぼ茨城と同じである。しかし、茨城では『かめめ』は聞いたことが無い。
かもめ かもめ
かもんめ
カモ類の総称。
カモメも『かもめ』と言うのは茨城と同じ。
かやむぐり
かやもぐり
かやも セッカ。
〜がら
〜がらー
【助】@〜のもとへ。A〜の分。
@は古語では『許』(がり)か。
A★そのままこがらは、みっつぶげーよ、にとってい、しっかりかませろふーに、ぼーうけどんぶりーよそって:その継子の分には、三粒粥を炊いて、たくさん食べさせているように、大きなどんぶりへよそって。
がら 原。
からかじ
からかじめ
もずめ
もんずめ
モズ。
からすめ からすめ
がり
がりば
がりまめ
がりめ
がに
がにめ
かりめ
蟹。
小さい蟹は『がりま』と言う。
かわ 井戸。用水池。水溜。流し元。
かわ かわ 皮膚。肌。
かわふくろ 猫。
かわゆい かわゆい 【形】可愛い。
かわら 【複】買った。
『ら』は詠嘆を示す助動詞『らむ』の名残か。
かん
かんかん
かんめ
かいかい 猫。
『かいかい』は稲敷郡の方言。『可愛い可愛い』意味。
標準語の幼児語(死語)である『かんかん』は、『かわいいこと、かわいいもの』。
茨城全域で『可愛い子、利口な事』を『かんか』と言い、幼児や身近な動物の頭を撫でながら『かんかかんか』と言う。
〜がん 【複】〜のよう。
九州方言と同じ。=『〜ごん』
体言の省略形を形成する格助詞『が』で『〜が(様)』の意味か。
うがん:あんなに。あんなふうに。
こがん:こんなに。
こごぁーに:このように。特殊形。
〜のがんじゃなし:〜のようじゃなし。
〜がんだら:〜のようだ。
〜のがんだらら:〜のようだ。
こがんだー:こんな。
こっがんどあよ:こんなのを。
そがんすと:そうすると。
そがんだー:そんな。
そがんだーことが:そんなことが。
そがんだら:そうだ。
そがんとあんて:そんなふうだから。
〜がん 【助】〜(し)ようよ。
勧誘の助詞。=『ごん』
古い標準語の勧誘表現は例えば『行こうか』である。関西では『いこか』である。
いこがん:行こうよ。
かんじょ
かんじょー
かんじょ 便所。
『閑所、閑処、灌所』。
かんじょしば アジサイ。
『閑所葉』の意味。
かんだら 【感】そうだ。いかにも。
『可である』意味と思われる。
がんつめし がんだ
がんだめし
かんだめし
がんためし
生煮えのご飯。
『がんつ』は『眼一』(げんいち)が訛った『かんだ、がんち』の流れ。生煮えのご飯を言い換えれば『硬めの飯』である。片目は『片盲』(かためしい)とも言う。つまり、『硬めの飯』と『片盲』(かためしい)をつないだ言葉遊びが生んだ言葉と考えられる。ちなみに茨城では片目を『めっこ』とも言うが、秋田・宮城・福島・新潟では生煮えのご飯を『めっこめし』と言う。
かんな かんな 【動】書きなぐる。
かんも サツマイモ。
格助詞『を』が付くと『かんまお』となる。『甘藷・甘薯』を『かんいも』として訛ったと考えられる。
かんる 【動】借りる。



きいれー
きーれー
きーれー 【形】黄色い。
江戸言葉。
ぎぎりめし 握り飯。
茨城でも『ぎ』と『に』は音通する。
ききーる
きけーる
きげーる
きけーる
【動】聞こえる。
(擬似長音化) 格助詞が一体化して長音化したようになる。茨城にもある。
あそびーいく:遊びに行く。
つくえのうぇーのせる:机の上に載せる。
えーかく:絵を描く。
えーきゃーる:家に帰る。
きょーてーいく:京都に行く。
こおりみずーほしーのー:氷水が欲しいなあ。
ひがしーむく:東に向く。
わたしはあまけものーすきだら:私は甘いものが好きだ。
きじめ きじめ キジ。
ききみみ 小さな神の声を聞くことができる特別な耳を持ち、神の声を聞くことのできる呪的な聴覚能力者またはその能力。
『利き耳』の意味。
ぎしゃく ぎしゃぐ
ぎしゃく
磁石。
偶然の一致ではなく歴史的な経緯があると思われる。
きしゃじ きさざ
きさだ
きそず
シラミの卵。
上代の古語では、シラミの子を『木佐々』と書いたと言う。標準語では一般に『きささ』と発音する。
きだく 気楽。
きたなけ
きたーなけ
【形】汚い。
連体形。
のーも・きたーなけ・かけざらーて・よのーつけ:名をも汚い欠け皿という名をつけ。
きつねめ きづね
きづねめ
キツネ。
ぎっどぁ 【連体】立派な。
茨城流に言えば『りっだ』『どぁ』『だ』も『〜にてある、〜たる』意味で現代では『な』である。
きとうひとの 【複】来た人の。
『来ておる人の』の意味か。解説には『きてあろひとの』とある。
きなげーとー 【複】着続けている。
連体形。解説には『きながしてあろ』とある。
そのあとで、かけざらは、そいがいいちねんじゅうきなげーとー、へびろーいせいでて:そのあとで、欠け皿は、自分が一年中着つづけた、着物を磯へ出して。
きにー
きにょー
きねー
きねい
きにょー
きぬ
きぬー
昨日。
『来ぬ日』の意味か。
きび
きびなーりー
【副】本当に。全く。
『きびがーりー』の短縮形。
きびがーりー きびーりー 【複】気味悪い。
きびがーりー 【複】@可愛い。A圧倒される感じ。あまりに。
きびがわりきゃあのー:気味悪い。
きびがーりー・うごんどー・よけ・いぇい:まったく、あのようないい家へ
きびしょう きびしょ
きびちょ
ちょ
きびっちょ
急須。
きーぶし きびしょ
きびす
きぶす
踵。踵(きびす・くびす)。
きみ キビ。
キビを『きみ』と発音するのは、万葉集にもある。茨城ではそのまま『黍・稷』(きみ)を言う。八丈島では意味が広く『唐黍・蜀黍』(もろこし)を指す。『黍・稷』(きみ)は『こぎみ』と言う。
きみだん きみだん 黍団子。
きみーがみえる
きめーがめーる
きめーのめーる
【複】腹立たしい。気分が悪いこと。
『気前が見える』意味か。
きめぇがめえてしにさうにならら:気が滅入って気力を失いそうだ。
きめひのみへて 【複】腹が立って。
〜きゃ
〜きゃー
形容詞の活用部。
形容詞と形容動詞の定義が曖昧だった時代の名残と思われる。直接的には形容動詞のカリ活用の活用部。
今では東海地方に残る。九州の形容詞の活用部『か』に当たる。
うるさっきゃあのー:うるさいなあ。
うんまきゃー:美味しい。
えずきゃ:えずい。
なっきゃ:無い。
もう、よっきゃあ。そごんどうものは、ぶっちゃりやれにぃー:もう良いよ。そんなものは捨ててしまえよ。
かわいきゃあー。こごんどう、可愛いアッメ、見たことなっきゃあー。
おうしじゃなっきゃ:唖では無い。
きゃうだい 兄弟。
旧仮名遣いそのものが残ったもの。
きゃーな けーな 肩。
本来は『腕、かいな』。『けーな』がさらに訛ったもの。東海方言との繋がりが見られる。
きゃーばあめ
きゃーばーめ
きやーびやめ
きやーびょう
きょーべよめ
トカゲ。
きゃーるめ げぁーる
けぁーる
けぁやーる
けやーる
けやーろ
けーるめ
けーろめ
カエル。
きょうかたびら きょうかたびら 死者の衣装。死に装束。
『経帷子』。
きょーでー
きょーでゃー
きょーでー 兄弟。
きょとんめ ネズミ。
茨城ではハツカネズミや小さいネズミをきょーときょーどーきょーどねずみ、きょーとねずみきょーどめと言う。
きりばん きりばん まな板。
きるふ 【動】急ぎ慌てる。
『気振るう』『狂う』意味か。
きるんで:急いで。
きれーだら きれーだ 【複】嫌いだ。
『嫌いである』意味。
きんぎょめ きんょめ 金魚。



くうぇーる
くうゃーる
くうぇーる
くえーる
くぇーる
【動】加える。
『うぇ』はweと発音する。
くうるう
くうろふ
六女。
くうろう 九男。
くえる 【動】塞ぐ。
東北・新潟。
くおわ 川。
くけ 口。
くさらかし
くさりめ
くたばりめ
【複】罵倒語。
『腐ったもの』『腐れ奴』『腐れ女』『くたばった奴』の意味と思われる。茨城では『くされやろー』。標準語では『腐れ尼』がある。
くず 四女。『屑』の意味か。
くす 三女・四女・五女・六女。『屑』の意味か。
くす 糞。
くずくずむし 六女。『屑』の意味か。
ぐす ぐす 【動】くすぐる。
くすべ ほそび
ほぞび
ホクロ。
『ふすべ』は古語で群馬・長野・岐阜・愛知に残る。
くすぼる くすぼる 【動】燻る。
くずむし 五女。『屑』の意味か。
くすりいび くすりいび
くすりえび
薬指。
くそら 五女。『屑』の意味か。
くぞーれー 崖。
『頽れる』(くずおれる)の名詞形と考えられる。
くちじょーしょわ 【複】増やす。
文献には無い。
★(お茶の葉を)くちじょーせ、ちーと:お茶の葉を増やしてくれ、ちょっと。
くちょー
くっちゃう
くってう
くてう
九男。
くちびろ くちびろ
くぢべろ
唇。
くっかわし
くっくーしめ
くつこうし
くつこーし
くつこーしめ
くつこわしめ
セミ。
音韻はツクツクボウシに似ている。古名『クツクツボウシ。筑紫恋し。』。
くつこーしめ ツクツクボウシ。古形『くつくつぼうし』。
ぐてい
くとー
ぐとう
ごてー 夫。『御亭』。
くっちぎる くっち 【動】食い千切る。
くっぼね
くっ
くんぼね
首の辺り。
即音便の後の濁音形・半濁音化・撥音便。どれをとっても茨城の訛りの図式と同じである。茨城では『首根っこ、首の骨』を『くぼね』と言う。『窪根』の意味か。
くに 本土。
標準語では故郷を指すので、かつて本土から移った歴史の反映なのだろうか。
くね くね 防風林。垣。
本来は『久根:生垣、地境、くね垣』。
くぼな
くぼなめ
くもめ
くぼ
くぼめ
くもめ
クモ。
くらう
くろー
くろう
九男。
くらさずにゃどーがーて 【複】暮らさなくちゃならないんだよ。
解説には『kurasazunjado:ga:te<*kurasazu ni wa ni te aro ga te 。』とある。
くちょきかずんおったらで、くらさずにゃどーがーて:口ををきかずにだまって暮らさなくちゃならないんだよ。
くりー くりー 狂い。
〜ぐり 【助】〜ぐらい。
茨城にあってもおかしくない方言。
やすけとは・にいぇんぐりあだらんのー:安いと2円ぐらいだっただろう
くーるー 四女・五女・六女。
〜ぐるみ るみ 【接尾】〜毎。残らず。
くれー くれー 【形】黒い。
ぐれー 〜ぐれ
〜ぐれー

れー
〜くれ
〜くれー
【助】〜ぐらい。
こごんどーうたが、よめろぐれーどーこだれば、たいしたもんじょうてって:こんな歌が、詠めるぐらいの子ならたいしたもんだといって。解説には『gure:do:<*gurai ni te aro』とある。
くれえー
くれや
くれやー
くれよぁ
くれあい
くれえー
日暮れ。
『暮れ合い』。
〜ぐれーどー れーだ
れーた
【複】〜ぐらいの。
くろ くれろ
くろ
【複】呉れ。
くろわ くるわ 【複】〜(して)くるよ。
〜くゎー 【助】〜こそ。
係助詞。係り結びの形式。=『〜かー』
わたしのほうでくゎー、おれいよもうしんのあーと、なりんのあーに:私の方でこそ、お礼を申し上げなければならないのに。
きのうもいくゎーにきょうも行くから:昨日も行ったし今日も行くから。
〜ぐゎー
〜ぐゎの

【助】〜の(〜)。
所属・所有を表す助詞『が』のうち体言の省略形。上代の発音が残ったと見られる。
わぐゎーもあげろわ:私のもあげるよ。
おみゃーぐゎのたもーれ:お前のをおくれ。茨城では『おめのくろな。』
〜ぐゎん 【複】〜のよう。
『〜がん』
体言の省略形を形成する格助詞『が』で『〜が(様)』の意味。
くゎん おがん
おかん
がんばご
がんばこ
棺。棺箱。
ぐんのむ くんのむ 【動】飲み込む。



けー
けい
けいぜい
けいび
けいびい
けーび
けふひ
今日。
この八丈方言は旧仮名遣いの『けふ』の流れと思われる。
〜け 【助】形容詞の連体形の活用部。
八丈方言が古代語を残しているといわれる代表語。現代語は終止形と連体形は同じである。
『〜きゃー』
おそろしけ:恐ろしい〜。
すばらしけ:素晴らしい〜。
たくましけ:たくましい〜。
なっけ:無い〜。
まっとちっとわるけもんどぁと、とてもくわーれたもんじゃにゃー(ねー):もう少し不味かろうものなら、とても食えたものじゃない。『言語調査』ではこの場合の『け』は『未来形』としている。
よけこと:良い事。
よっけんて:良いから。
〜げー
【助】〜に。
古い茨城の方言と同じものが八丈方言にもあるのは感慨深い。民話の視聴では、八丈方言では濁音である。
古い格助詞『が』に『へ』がついた、『〜い・〜へ』(〜に)が転じたと考えられる。長塚節の『土』にもある言葉。
こいげー:これに。
あがどうが、あがところへ付けて、あがばいちゃんげぇ、つなぎやれにぃ:わたしですが、私の家から電話したことにして、わたしのおばあちゃんの家を呼んでください。
あが誰某どうが、何番の誰々げぇ繋いでたもうれ:私が誰でも、何番の誰に繋いでちょうだい。
たれーげー・みずー・いっー・はっとてい:タライに水をいっぱい張って。
だめだらら。西浦しゃんげぇ、ぶっこっちたらら。パイロットは下手だらら:だめだよ。西浦の方に落ちたよ。パイロットは下手だな。
どこげぇ掛けやる:どこへ掛けるの?。
ふくろげー・ひれいこもだっていどー:袋にひろいこむのだそうだが。
まがりくねろー・くだげー・こいげー・いとう・とういーて:曲がりくねった管に、それに糸を通して。
ま(今)、繋ぎやるから。どこげぇ、かける:今継ぐから、どこへ掛けるの。
ありおーせのものうひょうらかごげーひっぴれいこんで:ありあわせのものを弁当かごに拾いこんで。

〜げぇ
【助】〜の家。
『〜が家』が訛ったもの。
あがかあちゃんげぇ
:俺の母さんの家。
けいだるい かいだるい
かいたるい
けーたりー
けーだるい
けーたるい
けぁーたるい
【形】手足がだるい。かったるい。
『腕弛し』の流れであることは明らかである。現代語の『かったるい』の古形。『かいなだゆし・かいだるし』の流れ。
けいひやう
けいびやう
トカゲ。
けいぶし
けーふし
踵。踵(きびす・くびす)。
けー 【動】痒がる。
痒がるが転じて『かいがる』となった時その連母音ai→eeと変化するのは茨城方言の特徴であり、茨城でけーる』と言ってもおかしくはない。
けけ 【副】少しも。
けけゅー 敷居。
けーごう けーご
けーこ
貝。貝殻。
けーごーどり モズ。
けごどの ネズミ。
げじげじめ
げじめ
ゲジゲジ。
げす げす 人糞。下肥。
けいだるい けーだるい 【形】なんとなくだるい、かったるい。
『腕弛し、けだるい』。
けだいもの
けでぁもの
怠け者。
『懈怠者』の意味。
けっけんじょー 片足跳び。
げっすり げっすり 【副】げっそり。
けっびょうめ
けーびょー
けーびょーめ
トカゲ。
『きゃあびょうめ』とも言う。
けつまぐる けづまぐる
けつまぐる
【動】躓く。
けでいやみ
けでーやみ
なまけもの。
『懈怠病み』の意味。
〜げなに



なに
んに
【複】〜に。
茨城では体言に付く。八丈方言では動詞の連体形にもつく。茨城方言の『〜
・〜へ』
が訛ったもの。
だれにか、すきだろげなにけろ:誰か好きな人に遣れ。
けーな けーな 肩。
本来は『腕。かいな。』
けーのばん
けーのゆる
今夜。
けふだい 妹。
けふだいぶらの 【複】兄弟達の。
『ぶら』は『群・叢・簇』(むら)か。
けぶり けぶ
けぶり
けむ
煙。
けぶり 陰毛。
けやれ 【複】頂戴。
『呉れやれ』。浮世風呂では『呉りやれ』。
けーりあし けーりあし 【複】帰り足。
江戸言葉。
けーりゃる 【複】お帰りになる。
『帰りやる』。
けーる けーる 【動】帰る。
けーって、けーて:帰って。
けーると:帰ると。
けれー けれー 家来。
江戸言葉。
ける ける
けーる
【動】呉れる。遣る。
他の動詞につく。
ふくろう・ぬって・けて:袋を縫ってやって。
ままほーが・ままこと・ほんこと・その・ふくろう・はんたいに・して・けて継母が、継子と実子とその、袋を反対にしてやって。
よんべは・よけ・ことう・して・けとーじょうてって:ゆうべはいいことをしてくれた、といって。解説に『keto:zjouteqteこのジョウは語原不明。動詞と第一形容詞の連体形、第二形容詞と述語名詞の語幹に接続。keto:<*kete aro。』とある。
もでいてけると:戻してやると。
そらが・くようよもして・けろごん・ならっていに:それらが供養をもしてくれるようになったそうだし。
けれーに・なって・ついて・いけば・けろが:家来になってついて行けば遣るが。
そいで・なかーば・けられんなかーて・ゆと:それでなければやれないよ、というと。『けられんなかーて』は『kerare nako wa te。』とある。
〜けろ 〜くれろ
〜くろ
〜けろ
〜けーろ
【複】〜(して)くれ。〜遣れ。
連用・連体形でも使われる。
けろじゃなし:呉れないだろうが。
かってけろ:買ってくれ。
きてけろ:来てくれ。
けんけん
けんけんとび
けんけん
けんけんとび
片足跳び。
げんざく
げんざり
けんさり
似ていないこと。
げんびーめ
げんべー
げんべい
カマキリ。
ごんべ・ごんべー:埼玉。



〜こ
〜こー
【複】〜(する)のを。
カ行活用の動詞の連体形に助詞『を』がついた『〜くを。』の逆行同化。
うぐいすのなこーきくと、はやはるになろあーぐゎーにおめーたそわ:ウグイスの鳴くのを聞くと、いよいよ春になったように思えます。『ぐゎーに』は『のように』の意味で『がん』の古形。『そ』は『候』が変化したもの。
こー
こあ
こわ
川。
ウ音便。茨城では『かー』と言う。茨城ではウ音便が少ない。
こあ 井戸。
〜こあ〜ねぁ
〜こー〜ねぁ
〜ごそ〜(した) 【複】〜こそ〜ねえ。
係り結びの一つ。『〜こそ〜(已然形)』。これに関して言えば茨城方言の方が原型に近いと思われる。
ささぎこぁしたんねぁ:担ぐことこそしたよ。
たのっでこーおらせたんねぁ:頼んでこそ織らせたんだよ。
まにこあたたみだんねぁ今でこそそ畳だけれど。

以下、茨城方言の掛かり結び。
かづぐごどごそしたよ。んだけんとが、ひとにめーわぐはかげでねーど。:担ぐことこそしたよ。だけど人には迷惑はかけていないぞ。
たのみごそすれぜにゃはらってねーど:頼みこそすれ、金は貰っていないぞ。
いまでごそだだみだけんとー:今でこそそ畳だけれど。
こー こー 顔。
茨城では珍しいウ音便。
ごあさって
ごがさって
明々々々後日。
関西系の言葉。
こあめ 小雨。
こい こい 【代】これ。
r音の脱落。
こいこそ:これこそ。
こいで 【複】これで。
首都圏でも俗語として使われる。『此故にて』の意味と思われる。
はーこいでよかんのーじゃ:もう、これでいいだろう。
こいび こいび 小指。
こう ・こ
こー
【複】来い。
ごうはらがる 【動】悔しがる。
こうべ 皮。
八丈方言ではウ音便となるが茨城では平坦に発音する。茨城ではかっ、かーっ、かー、かーべ
こうま お産。
こうみや
こうみゃー
産屋。
『子生み屋』か。
麦香煎。
『焦がし』。
こがた こちら。『此方』。
こかって 【複】落ちて。
『転ける・倒ける』の擬似自動詞形。解説には『落とすkokasowaの自動詞kokarowa。』とある。
こかろう:落ちるのを。
こーがりめ ゲンゴロウ。
『かーむぐり』とも言う。『川狩め』の意味か。
こぎ
ごき
ごき 食物を盛る蓋つき椀。合器。五器。
『御器』。
こきーこ
こけーこ
こけいこ
こげーこ
こげーこー
【複】ここへ来い。
こぎみ 黍(きび、きみ)。
『子黍』の意味。
ーる
ーる
ーる 【動】凍える。江戸言葉。
こぐゎんだ

ーた

ーな
こーだ
こーた
【連体】こんな、このような。
『此が(様)にてある』意味。
こーけん こーせんか ホウセンカ。
『鳳仙花』。『鳳』とは『古来中国で尊ばれた、想像上の瑞鳥。鳳凰。雄を鳳、雌を凰という。』のことで、『凰』は『おう、こう』と読む。
こーこー
こーこーさま
叔母。
『小おかさま』の意味か。
こごぁに
ーに
【連用】こんなに。
ここえる 【動】凍える。
上代後の清音が残ったとおもわらる。茨城方言でも時々このように清音発音が残ることがある。
こーこく こーこぐ 広告。
昭和30年代は、宣伝のためのビラを『広告』と言った。主に新聞に差し入れるビラが『広告』である。所謂『新聞広告』である。また、しばしばデパートの宣伝はアドバルーンがデパートの屋上に放たれた。一方では広告ビラはセスナ機で空から撒かれた。戦時中の米軍の手法そのものである。
法律用語としては今も変わっていない。公に告げる意味である。
当時は、宣伝することを『広告に出す』と言ったが、今は何というのだろう。
『宣伝』という言葉は今も変わらないが、『こうこく』と言う言葉は今でも高齢者が受け継いでいる。
こごんこごんどー 【複】こうこう。こういうような。
こごんどー こーだ
こーた
【連体】こんな。
よっくこごんどーとこまでおじゃりやってたもーて:よくこんな所までいらっしゃってくださいまして。
あらこごんどーよすきどーて:私はこんなのを好きだから。
こーごんめ アメンボ。
『川子奴』の意味か。
こし 【形動】少し。
こしぇーる こしいる
こしえる
【動】こしらえる。
こしかけ
こしょかけ
こしかげ 椅子。
『腰掛』。
こしひぼ 腰紐。
茨城にもあってしかるべき言葉。
こする 【動】性交する。
こちく 【動】物を貰って歩く。
『乞食く(こじく)』の清音化。茨城では乞食を『こちき』と言うことがある。
〜ごつ
【接尾】〜毎。
かきよざるごつむらう:柿を笊ごと貰う。
じゅうばこごついただっておきーたそー:重箱ごといただいておきましょう。
ほんばこごつかわら:本箱ごと買った。
こつけあ こづがい
こつかい
こづげー
こつけー
小遣い。
こつく こつく 【動】小突く。
こつくどころ
こっくば
台所。
こっちー こっちー こっちへ。
こっちき こちぎ
こちき
こちきめ
乞食。
『こっちき』は茨城方言にあってもおかしくない言葉。
こっちゃ こっち。
近世語。現代では関西方言。
こっちゃん 【複】こっちに。
格助詞『に』が隠れている。
こっちゃんでこ 【複】こっちにおいで。
『でこ』は『出来』(いでこ)の意味。『こっちに出て来い』の意味。
こっ 昆布。
こて
こーてー
こてい
こてーめ
雄牛。古語の『ことひ』の流れ。
神奈川では『こてうし』と言う。
〜こと
〜ことー
〜ごど
〜ごどー
〜事。
標準語世界ではかつて主に女性語だったが、現代では廃れてしまった。
八丈島でも茨城でも男女の区別なく使われた。
ああやどゎことー:ああ嫌だねえ。茨城では『ああやだごどー』
ほんとにさむけことー:本当に寒いねえ。
こまろことーのー:困ることねえ。
ことーや こどおや 【複】〜に限って言えば、〜のことについて言えば。
古語の反語の流れ。『ことをや』。
吉田がことーやこのごろちっともきんなか:吉田といえば最近ちっとも来ない。
こどり 耳たぶ。
こなさま
こなさも
このさま
蚕。
『蚕の様』の意味。茨城でもありうる言葉。
こーなした こーなした 【複】子供を生んだ。
『子を生す』は古語から近世にかけて使われた。
こにゃーだ こないだ
こねーだ
このあいだ。こないだ。
こー〜ねー 【複】〜こそ〜(した)ねえ。
こーのき こーのき シキビ、シキミ、樒。
こうのき:東京・神奈川・静岡・三重・岡山・徳島・愛媛・長崎・熊本・鹿児島。
このぐれん このぐれん
このれん
【複】この位に。
このつき このつき 今月。
ごひ 五男。
こびる こびる 九つ時。
茨城では『正午に近い時間。間食。』を言う。
こぶ こぶ 昆布。
茨城では古くから『昆布』を『こぶ』と言った。標準語では合成語によって使い分けられる。
大根を『だいこ・だいこん』と言った歴史があるように、昆布も『こぶ、こんぶ』というように同じ歴史があったのだろうか。現代では、多く『こんぶ』と言う。
こぶす 【動】こぼす。
単なる訛り。茨城でもありうる言葉。
こーべ かーべ
かー
皮膚。
『皮辺』の意味。八丈方言はウ音便が多い。
こぼとけ ほどげ
ほとけ
めぼどげ
瞳。
『こ』は『まなこ(目の子)』の『子』の意味。『俚言』には『目仏:瞳子をいふ。』とある。
こまで こまぜ 熊手。
このような段や行の変化は方言にはしばしば見られる。
ごみ 薪。
こもたず こもたず 子供のいない夫婦。
『子持たず』。
こめ 子牛。
こめら こめら 子供達。
こゆみ こゆみ 暦。
行の変化。
ごらう
ごろー
ごろう
五男。
『五郎』の意味。
ごらごら 【副】早く
ごらごらよー:早くやりなさい。
ごらす 【動】こらしめる。『懲らす』の濁音化。
これいたらっていが 【複】殺したそうだが。
『koreitaraqteiga<*korosite ari aru te jo ga。』とある。
ころがる
ころかる
【動】転がる。
茨城では、八丈方言同様濁音と清音が共存する傾向がある。
こーろぎめ こーろ
こーろ
こーろ
こーろめ
コオロギ。
こわ 川。
こわい
こわきゃ
こわい 【形】疲れた様。
『方言地図』によると、『こわい』を疲れた意味で使うのは、茨城・千葉・栃木・東北・北海道、さらには、新潟・石川・奈良・和歌山・島根・広島・山口・愛媛・鹿児島に集中して分布する。
〜ごん
〜こん
〜ごぁー
〜ごぁん
【複】@〜のような、A〜(する)ように。
『〜が如く』の意味か。解説では『がやうに(goN<*ga jau ni。)』とある。
『ごん・こん』は『〜が如く』、『ごぁ・ごぁん』は『〜が(様)に』の流れにも見える。
茨城方言では、主に『事』のニュアンスで使われる。
@〜のような。〜のように。九州の『〜がん、〜ぎゃん』に通ずる。九州は鼻濁音が無い地域である。八丈島も同様である。
『がん』
うごんどー:あんな。あんなである。
おがもーごーに:拝むように。特殊形。
こごあに:こんなふうに。特殊形。
こごん:こんな風に。こんな。
こごんどー:こんな。
こごんなって:こんなふうになって。
〜のごんどー:〜のような。
そごぁんして:そんなふうにして。
そごん:そうです。『其如』か。
そごん:そんな。そんなに。『sogoN<sogo:ni<*so ga jau ni。』
そごんか:そうなの。
そごんして:そうして。
そごんすと:【複】そうすると。
『そごんすと』は『其如くすると』『其事すると』の意味か。
そごんどうものは、なっきゃ:そんなものは無いよ。
てんでてんでらが・はかしょで、てんでてんでらが・くようと・どうしん、そらが・くようも・してけろ・ごん・ならっていに:各々等の墓地で、各々等の供養と一緒に、それらの供養もしてくれるようになったそうで。
かこみきりんのーごんどー:囲みきれないような。解説には『がやうにてあろ』とある。
あめの・ふろう・よろこぼ・ごん・ならっていに:雨が降るのを喜ぶようになったそうだし。
〜てよごん:〜というように。
どごん:どんなふうに。どれぐらい。
やまのごん:山のように。
わがえのごんどー:私の家のような。
ふねのごんなって:船のようになって。
A〜(する)ように。がやうに(goN<*ga jau ni。)』。用言に付く。
あれんけろごん:私にくれようとして。
けーりあしん、しぼーかってくろごん、うしめいいっていこんて:帰りにマグサ(牛の餌にするハチジョウススキ)を刈ってくるように牛をひいていくから。
〜ごん 【助動】〜(し)よう。
『がん』。勧誘の助動詞。前項の@の『〜ように』の意味が変化したとは考えにくい。
茨城では、『いぐこど・いぐごん』は『行くこと』の意味だが、暗喩として『行きなさい』の意味がある。標準語でも『早く行くことね。』などと言う。
一方『事』と『言』は同源とされる。八丈では『言う』を『よ』とも言う。茨城では『そう言うこと』を『そいよなごど・そいごど』と言う。『様』(よう)には、『ことがら。こと。』の意味があり、古代には『言う』と『様』(よう)は同じだった可能性がある。すなわち、『事』も『言』も『如』も『毎』も同源であったのではないかという仮説である。そうすれば、茨城と八丈島の『ごん、こん』の接点が見えて来る。そのような視点で八丈方言の『ごん』を考えると視点はさらに広がる。
ただし 『がん』の存在を考えると、標準語の勧誘表現は例えば『行こうか』、関西では『いこか』であるから、単に『か』が訛ったとも思われる。
いこごん:行こう。
やろごん:遣ろう。
しやろごんて:しましょうと。
けーろごんて:帰ろうと。帰ろうよと。『かうぇーろがやうにて』がさらに転じたものと言う。
あおごん:会おう。
あそぼごん:遊ぼう。
のもごん:飲もうよ。
かもごん:食べよう。
すろごん:しよう。
あがろごん:いただこう。
たなばたさまのまつりょ、みーいこごんてゆと:タ七夕さまの祭りを見に行こうというと。
こん こん 凝り。
〜ごんだ 〜ごんだ
んだ
【複】〜のようだ。
近年の新しい言い方。
ばー、これちーとうすけごんだーよ:お婆さん、これは少し薄いようだよ。
こんど 今年。
琉球方言では『くんど』と言う。
〜ごんどー よーだ
よーた
〜のよーだ
〜のよーた
【複】〜のような。
こごんどー:このような。



さー さー
さーこ
さーっこ
沢。
さが
さがのかぜ
北西風。
さかしい さがしー 【形】賢しい。
さきゃー
さけ
さけー
さげー 境。
さきゃわからにゃー
さきゃわからねー
【複】先はわからない。
さげしょ しお 引き潮。
『下げ潮』。
さげーたらっていが 【複】探したそうだが。
解説には『さがしてありあるてよが』とある。
ささぐ
ささげる
しゃさぐ
【動】頭に載せる。
『捧ぐ』『捧げる』。
ばさまは・たれーよ・ささんで・こーいー・せんたくん・いからっていが::おばあさんはたらいを頭にのせて川へ洗濯に行ったそうだが。
ささめ ささめ 鰓(えら)。
ささみ:岩手。
ささめ:青森・岩手・山形。
さめ:福井。
さし さし 物差し。
『尺、差し』。
さしん さしん 写真。
直音化。漢字の誤読の可能性もある。
さずむ さずむ 【動】沈む。
さっかた ある所。
『然る方』の意味。
さつかる さつかる 【動】授かる。
あけても・くれてもこどもが・さつかって・たもうれーてって:明けても暮れても子どもが授かってください、といって。 
さつけもん さつけもん 授け物。
こいこそ・かみほとけの・さつけもんどーて:これこそ神仏の授け物なので。
さつま さづま サツマイモ。
さばく さばぐ 【動】破く(やぶく)。裂く。
さぶさ 寒さ。
さぶろう
さぼー
さほう
さぼう
三男。
『三郎』『三坊』。
さぼうじ 三男の叔父。
さみー さみー 【形】寒い。
さよーおじゃろが
さよーおじゃろがごきげんよく
【感】さようなら。
さるぼー 片手桶。
『猿頬』。江戸方言。
さるめ さるめ 猿。
のう、ひとあし・ふたあし・えーむと、こんど・さるめがきて、さるめも・おんなし・ことう・いって、それい・てつ・むらって・けれーに・なって、のう、ひとあし・ふたあし・えーむと、こんど・きじめも・きて、おんなしことう・いって、きじめもむらって、いぬめと・さるめと・きじめい、けれーに・して、おにがしれい・つくと:また、一歩二歩歩くと、こんどは猿が来て、猿も同じ事を言って、それを一つ貰って家来になって、また、一歩二歩歩くと、こんどはキジも来て、同じ事を言ってキジも貰って、犬と猿とキジを家来にして、鬼の城につくと。
さんじつ さんじづ 算術。計算すること。
ざんなさって しあさって(3日後)。
4日後は『しあさって』と言い東日本方式になる。
さんまい 【複】放っておけ。
ざんまい:控えること:福島。
ざんまい:断念すること:茨城。
ざんまいしてもらいたい:控えてもらいたい:福島。
ざんまいする:控える・止める・断念する:岩手・宮城・山形。
ざんめーよい 【感】ごめんなさい。
東北で『控える、止める、断念する』を『ざんまいする』と言う。
さんやまち さんやまぢ 二十三夜様。



太陽。
『陽』。江戸方言。
じいろう 五女。
しうじ 次男の叔父。
じうろう 六女。
〜しぇ 【複】〜せ。
動詞『す』の命令形『せ』の拗音化。
これーしぇ:これをしろ。
しいぇー しえー 試合。
しぇっかく 折角。
じぇったい 【副】絶対。
じぇね じぇね 銭。
〜しぇば 〜せば 【複】〜すれば。
動詞『す』の已然形『〜せば』の拗音化。
あだん・しぇば・うぞと・かぶが・わかるだろうて・ゆと:どうすれば先と根元がわかるだろう、というと。
じぇひ 是非。
しがさって しあさって。
しかぶる 【動】小便を漏らす。
『ひっかぶる』とも言う。
しかめ 鹿。
しぎ しぎ 底。
じきい サツマイモ。
『琉球芋』の転。
しぎる 【動】千切る。
しけい しきー
しぎー
しぎえ
敷居。
しす しす 繻子(しゅす)。サテン。
じぞーこー じぞーこー 『地蔵講』。
したおび したおび
したのおび
ふんどし。
『下帯』。
〜しーたす 【複】〜し申し上げます。〜します。『〜し致す。』。
うぐゎーにしーたす:あのようにします。
きいろくしーたす:黄色にします。
きれいにしーたす:綺麗にします。
したべ 里。
山に対して下流の方の意味の『下辺』の意味か。
じだら 不浄。
具体的な意味は不明。
したんねーや したらなーや 【接】そしたら。
しちろう
しっちゃう
しっちょー
しっちょう
じってう
しってふ
七男。
『七郎』。茨城方言の和船の櫓の数え方『七櫓』と酷似する。
しっだ 【複】死んだ。
しったてる しったでる 【動】引いて立たせる。ひきおこす。
『引っ立てる』。解説では『ぶらさげる』とある。
しっつーる しっつする 【動】飲む。
『すする』の強調形。
じっちょう
じってふ
十男。
しっ 出帆。
茨城方言と同じ直音化現象。
して して 【接】そして。それで。
してー
してゃー
してー 額。
してーもの してーもの 単衣(ひとえ)。
江戸言葉。
しと しと 人。
江戸言葉。
じーど
じどの
じーどの
叔父。
しなら 【複】死んだ。
しにます 【形】嬉しい。
しぬぁーしゃーてしてあろわ
しぬぁしょあてしてあろわ
【複】死のうとしている。
『死なむとせんとしてあるわ。』『死なむとして居りてあるわ。』意味か。
しのう 【複】死のう。
『死なむ』。
しば 葉。
じばん じばん 襦袢(じゅばん)。
しみゃーご しめーっこ 末子。
じみょー じみょー 寿命。
〜じゃ
〜であ
〜では
【助】〜では。〜じゃあ。
〜じゃ
〜じゃあ

〜じゃ
【助】〜だ。
現代語では『よ』が近い。江戸時代からの古い言い回し。
いこじゃー:行くよ。
ずいぶん水が貯まろうじゃあ:随分水が溜まるよ。
〜しゃー 〜せー 【助】〜さえ(程度の軽いものをあげて、それ以上のものを推測させる。まで。でも。でさえ。)。
〜せー・〜せい』
そぐゎんえらけ人でしゃー、しょくなけ事があろどゎーんて、我々は無理がにゃーさ:あんな大家でさえ知らない事があるのだから、我々は無理は無いさ。
われでしゃーしょくてあろに、おみがしょくにゃーということがあろもんか:私でさえ知っているのに、お前が知らないということがあるものか。
〜しゃー 【接尾】基本的に人を表す接尾語である。
@手合。〜達。代名詞につき複数を示す。茨城では『て、てー』、沖縄では『ちゅう』
われんしゃー:私達。
Aとりたてて示す接尾語。茨城では『ら』
よめんしゃー:嫁なんか。
あれれんしゃー:私なんか。
わがえんしゃーでは:私の家なんかでは。
古い言葉に『しゃつばら』がある。『奴原』と当てられる。何時の時代に生まれた言葉かは解らないが、漢字から受けるイメージと意味が全く異なる。
『しゃ』とは古い言葉で広辞苑には『【代】相手を指していう語。きさま。おのれ。【接頭】卑しめののしっていう語。【感】あざけりののしる心で発する声。また、驚きの声。』とある。
『しゃつ』とは、『奴』と書き、『【代】(三人称) 人をののしっていう語。きゃつ。そいつ。そやつ。』の意味である。
一方、『はら』とは何かということになる。『同胞(はらから、どうほう)』(@同じ母親から生れた血縁。A転じて、兄弟姉妹。同国民。どうほう。)と言う言葉がある。『胞(え)』とは、『後産(アトザン)。えな。』、『胞衣(えな)』は『胎児を包んだ膜と胎盤。』の意味。『同胞』は明らかな当て字で同じ意味の『同邦』がある。
この方言は、『しゃ』に由来するのは間違いないだろう。単に卑しめる意味だけではなく、『〜なんか』の意味があるからである。
沖縄では『ちゅー』で、茨城では『てー』である。
じゃう 次男。
これは旧仮名遣いで正しくは『じょう』だがそのまま発音した可能性もある。。
しゃえいなし しゃいともねー
しゃいむねー
しゃいもない
しゃいもねー
【形】取るに足らない、らちもない、たわいない、つまらない。
『差異も無い(しゃいもない、さいもない)』(らちもない。たわいない。)。『差異(しゃい)』は広辞苑に『(シャは呉音) ちがい。差異(サイ)。』とある。
じゃがたら じゃたら ジャガイモ。
しゃーく でぁーぐ
でーぐ
大工。八丈島のこの方言は『細工』が訛ったとされる。
きんせーく:沖縄。
じゃーく:佐賀。
でゃーく:青森・埼玉。
しゃくし しゃぐし
しゃくし
スプーン、おたま。
『杓子』。今では慣用句でしか使われない。
じゃくろ じゃぐろ
じゃくろ
ザクロ。
しゃしい
しゃしゃい
【形】熱い。
しゃしゃける 【動】火で焼ける。
じゃしき じゃしぎ
じゃしき
しゃしき
座敷。
離れを『こじゃしき』と言う。
〜しゃず 【複】〜せず。〜しないで。
へんじょしゃずんあると:返事をしないでいると。
〜じゃった 【助】〜だった。〜かった。
しゃっつら しゃづら
しゃつら
しゃっつら
顔を悪し様に言う言葉。
『しゃ面』。『しゃ』は罵倒の接頭語。
〜しゃーて 【複】〜(し)ようとして。
意図を示す。『ぞ』の流れか。=『〜じょうて』
たこうはろーしゃーて:凧を張ろうとして。
〜じゃらあ 【助】@〜だろう。A〜のです。
@〜だろう。
まだ戻って来んじゃらあって:まだ戻って来ないだろうよ。
けいは、船はきんじゃらあってか:今日は船は来ないのだろうか。
A〜のです。
へんどうことを聞くもんじゃらあて:変な事を聞くものだ。
あがかあちゃん、神様になろんて、ようけをかみんじゃらあ:私の母さん、神様になるって、夕食を食べないんだよ。
変どう話どうじゃ。あが聞きんじゃらあて。
しゃる しゃる 【動】退く。
『去る』の拗音化。
しゃれ しゃれ 【複】退け。
『去れ』の拗音化。
しやれ 【複】しなさい。
本来は尊敬語だが尊敬の意味が薄れたと見られる。
〜しゃん 【複】〜に。〜へ。〜の方。
東国語の拗音化。『〜さに』の意味。茨城方言では『〜さ』。『さ』は方向を示す『様』が語源であることを証明する言葉。
クニ(本土の義)しゃんからおじゃろう人か:本土からいらっしゃった人かい。
じゃんこ じゃんか
じゃんこ
あばた。
『じゃんか、じゃんこ』はあばたのこと。
じゃんこづら
しゃんこづら
じゃんかづら
じゃんかっつら
あばたのある顔。
しやんみ
しやんめ
しゃんめ
しらめ
しらんめ
シラミ。
しゃんめーる 【動】燃えてしまう。
茨城では『カマドの外まで火が燃え広がる』を『もいしゃる』と言う。同源と思われる。
じゅーぎ 流儀。
じゅす ずす 留守。
じゅり ゆり 地震。
『ゆり』が訛ったもの。
じゅろー 十男。
しよ
しょ
しよ
しょ
塩。
しょー
しょう
四男。『四郎』。
じょー
じょう
次男。『次郎』。
〜しょ 【複】〜しているのか。
『して居る』。『し居る』が訛ったものか。
あにょしょ:何をしているのか。
〜しょぁて 【複】〜しかかって(いる)。〜しようと(している)。
まにおきーしょぁてしてあろわ:今、起きかかっている。
しょいかぶる しょいかぶる 【動】責任をとる。
しょいもでいて 【複】背負って。
解説には『せおいもどして:sjoimodeite<*sewoi modosi te。』とある。
しょうじ 四男の叔父。
『四郎叔父』。
じょうじ 次男の叔父。
『次郎叔父』。
じょうり じょーり 草履。
〜じょう 【助】〜だよ。〜よ。
解説には語源不詳とあるが現代語の『ぞ』に当たると考えられる。茨城では『と、とー、ど、どー』に当たる。
『〜じゃよ』の転か。八丈方言では『りょ』『じょ』になる傾向があることから、『ろよ』の発音が『りょ』に似ていることから、『ろよ』『じょ』となり、『よ』も含めて『じょ』と言うようになったか。
広辞苑には『:助詞(奈良時代には多くは清音)(1):(係助詞) 多くの事柄、あるいは広い範囲の中から特に取り立てて注目すべきものを指定する。1)文末にある場合。@事柄全体を説き聞かせ、断定して示す。A疑問の語と共に用いられ、相手に問いただす意を表す。B結びの語として「とぞ」の形で、「…ということだ」の意。2)文中にあって係りとなり、その係る活用語を連体形で結ぶ。@一つの事柄を特に指定し強調する。A助詞「も」と接合して危惧の念を表す。「…するといけないから」の意。(2)(副助詞) 疑問の語と共に使われて不定・不明の意を強調する。中世以後の用法。「…か」の意。(3)(終助詞) 聞き手に対して自分の発言を強調する。体言には「だ」を介して付く。江戸後期以後の用法。
むしけらが・おごって・その・としにゃ・ききんどしん・なろじょう・てって:虫がわいて、その年には、飢饉年になると言って。
おやに・おせいて・むらって・できとーじょうて・ゆと:親に教えてもらってできた、というと。
そごん・しぇば・よけじょうて・ゆと:そうすれば良いよと言うと。
そけい・よめにゃ・だされんのーじょうてって・ことわって:そこへ嫁には出せないといって断って。解説に『dasareNno:zjouteqteこのジョウは語原不明。ここでは動詞否定体連体形dasareNno:<*dasare nakoに接続。』とある。
したらっていじょうてのはなし:したそうだという話。民話の締めくくりの決まり言葉。
そのとしにわ ききんどしんなるていじょうてよで:その年には飢饉年になるそうだというので。
よめいりょしてかーわ、ていしゅととしぇいよ、でーじにしながー、たんごうわほどほどんおればよけじょう、てのはなし:嫁入りをしてからは、亭主と生活をだいじにしながら、丹後をは、ほどほどに織ればいい、という話。
よめんなろじょうてゆとは:嫁になる、というと。
よめにゃだされんのーじょうてって、ことわってあららっていが:嫁には出せないといって断っていたそうだが。
こごんどーうたが、よめろぐれーどーこだれば、たいしたもんじょうてって:こんな歌が、詠めるぐらいの子ならたいしたもんだといって。
まめめしじょうてって:豆飯だと言って。★みーいこーもんじょうてってよがの:見に行ったものだというけどね。 
じょーぎ
じょうぎ
じょき 椀(わん)。貴人の椀の意味もあると言う。『定器』(@常に定まって使用する器物。A飯などを盛って供える仏具。)。
しよくて 【動】知っていて。
しよくない
しよくなけ
しよくなひ
しょくもない
【複】知らない。
『著けく』(しるけく)に由来すると言われるが、『識無し』の意味も考えられる。
しょくなっきゃ:知らないよ。
しょからば:知ってるなら。
しょかってーや:知ってるそうだ。
しょかんのーじゃ:知ってるだろう。
しょきゃ・しょっきゃ:知ってる。
しょげ
しよけ
【複】知る事。
他の用法を見ると名詞か形容動詞のように思われる。『識』(しき:見分け知ること)が拗音化したようにも見える。
しょけか 【複】知っているか。
しよけだ 【複】知った。
しょけに 【複】知ってるのに。
じょーし 漁師。
しよしよげる 【動】乾く。
〜しょだーよう 【複】〜するんだよ。
『し居るにてあるよ』意味か。解説には『siNbousjoda:<*siNbou siro ni te aro wa。』とある。
くちょきかずんしんぼうしょだーようてって:口をきかずに辛抱するんだよ
じょーて よーて 両手。
茨城方言の発音は『いょーて』でもある。欧米語でj音の発音、例えば『Jesus』がイエスとジーザスと分かれるのに似ている。
しょて しょで
しょて
しょてー
しょーて
最初。初め。
『初手』。
〜しょどう 【複】〜するのか。〜するんだい。
『して居るぞ』。『し居るぞ』が訛ったもの。
あにしょどう:何をするのか・何をするんだい。
じょーほー よーほー 両方。
しょぼぶり しょぼふり 小雨。
『そぼふる』(細かい雨が降る)の転。
じょーり よーり 料理。
じらう 次男。
『次郎』。
じーらお 四女・五女・六女。
しりげた
しんげた
しりっべだ
しりっ
しりっ
尻。
『尻べた』。『尻がへた』が訛ったと考えられる。
しれー しれー 【形】白い。
江戸言葉と考えられる。
〜しれにゃー
〜しれんにゃー
しんにぇ
しんにぇー
しんにゃい
【複】〜知れない。
じろ 囲炉裏。
『地炉』。
じーろー 末娘。
しろう 四男。
『四郎』。
じろう 次男。
『次郎』。
しわしんなか 【複】しはしない。しやしない。
九州方言に似ている。
じんじょう 【形動】沢山。
じんじょうめーれ:たくさんお食べ。



暗礁。
すがき 台所。
『すがき【簀掻】:床として作った簀子(スノコ)。』が台所にあったので転じたのではないか。
すきいた 敷板。
茨城でも『敷く』を『すく』と言う。
すきもの 敷物。
すく すぐ
すく
【動】敷く。
これには三つのルーツが考えられる。@『敷く』がそのまま訛った場合と、A『据える』、B上代古語では『桟敷』を『さずき』と言ったことから、『敷く』を『すく』と言った可能性である。Bは、単独での使用例は辞書には無い。Aは古語では『据う』(ワ下二)である。連用形の『据ゑて』ならまさに古語そのままである。また、『据える』の古形は『すう』転じて『すゆ』である。『据える』と『敷く』が混合した語と考えられる。
くらんしたんもしょうすっとてい:蔵の下にムシロをしいていて。
すくとーし タワシ。
すけにゃー
すけねー
すけねー 【形】少ない。
江戸言葉の『すけない』が訛ったもの。
ずす ずす 留守。
すず
ずず
じず
ずず
数珠。
すず ますず
ますずめ
スズメ。
八丈島でも稀な語とされるが、雀の語源は鈴で接尾語の『め』がついたとも考えられる貴重な方言である。『ますずめ』は神奈川でも使う地域がある。
すっとてい 【複】敷いておき。敷いており。
解説には『ておく系かてをり系か不明。代表形はすこは。』とある。関西系の言葉の『敷いとって』に似ている。『敷く』は茨城でも『すく』と言う。
すっ
すっ
すっ
つっ
筒袖。つつっぽ。
すて すて 【接】して。
すていて:していて。
すと すと @【複】〜すると。A【接】すると。
すな 【複】動詞『す』の命令形。
そぐゎんどぁーことーすな:そんなことをするな。『其が様にてありたる事をすな』。
ずない 【形】途方もない、並はずれている
『図無い』。
ずなけは:乱暴者は。
〜ずにゃなりんなか 【複】〜しなければならない。
『〜せずにはならなくては』。
ずにん 流人。
『徒人』(徒罪に処せられて、苦役に服する人。)のこと。現代語の『ずる』に通ずる。
ずべる
ずるべる
【動】滑る。
ずりー ずりー 【形】ずるい。
すりーやー
すれいやど
ままごと。
すりむくって すりむぐって 【複】擦り剥いて。
かけざら、わりゃべねざらはなざろーつって、たなばたさまのまつりょみーいこんて、おみゃのう、このたぶーつめでしぎって、ひじのこですりむくって、たなばたさまんにておがめようてって、いいつけとってい、そのままほーは、べねざらはなざろーつって、たなばたさまのまつりょみーいからっていが:欠け皿、私は紅皿、花皿をつれて七夕さまの祭りを見に行くから、あんたはね、この稲を爪でむしりとって肘ですりむいて、七夕さまに炊いて供えなさいよ、といっていいつけてから、その継母は紅皿、花皿をつれて七夕さまの祭りを見に行ったそうだが。
しぇった 雪駄。
拗音化。



時。折。場合。
『瀬』。
そのままこが、ちょうどそれい、しっつーろなせん:その継子が、ちょうどそれを、すする拍子に。ただし、この場合の『なせん』は『為すに』の可能性もある。
はねくんで、ふんばろなせん、そのふんどうしが、はぎめかーひっきれて、ぶっこてとーで:取り組んで、ふんばる拍子に、そのフンドシが、接ぎ目から切れてしまって、落ちたので。 

せー
【複】しなさい。
動詞『為』(す)の命令形。一般には『せよ』と言う。
これーせ:これをしろ。
せい
せー
せー おかず。
『菜』が訛ったもの。
せい 弟妹。
ぜい
ぜいも
是非。
『言語調査』では『知る事。』とあるが、『是非』の意味と思われる。
〜せー
〜せい
〜せー 【助】〜さえ(程度の軽いものをあげて、それ以上のものを推測させる。まで。でも。でさえ。)。
江戸言葉。
からだが・よわくとっていせー:体が弱くてさえ。『jowakutoqteise:テオク系かテヲリ系か不明。』。
せいせの
せいもの
吸い物。
せいどー 水道。
すい→すえ→せえ→せい→せー。
茨城では水流を『せえな、せーな』、炊事場をせえな、せーな』と言う。神奈川では炊事場から出た排水をためておくところを『せしな、せせな、せせなと言うことから、『せせらぐ』の古形『せせなぎ』の流れと考えられる。
『どー』は、『処』の意味と思われ、この八丈方言も、『せせなぎ』の流れの言葉と考えられる。
ぜいぶ ぜーぶん 随分。
せいる せーる 【動】据える。
せじる せじる 【動】薬・茶などを煮出す。煎じる。
せだ 似せること。
せちぶん 節分。
せっこり そっこり 【副】静かに。そっと。
ぜっとき ぜっとき ジェット機。
せどかど 裏口。
『背戸門』。
せどみち せど
せと
せどみぢ
小道。
『瀬戸・狭門・狭処』の意味が転じたものだろう。また『背戸道』で『裏道』の意味の可能性もある。
ぜね ぜね 銭。
ぜーもく ぜーもぐ 材木。
江戸言葉。
せーる せーる 【動】添える。
茨城では『入れる』意味でも使う。



そー 沢。
〜ぞ 〜ぞ 【副助詞】〜ぞ。
疑問の語と共に使われて不定・不明の意を強調する。現代語では特定の慣用句等に残る。
だれぞあろか:誰かいるか。
そあ
そあー
さー 沢。
そい そい 【代】それ。
r音の脱落。
そいで そいで 【接】それで。
もともとは、『其故で』と思われる。
ぞうめ
そうめ
ぞく
ぞっか
ぞっく
ぞっくめ
ぞーめ
雄牛。
『うなめ、おなめ』の対語か。茨城では雄馬を指す。辞書には、類似の言葉として『雑役』(ぞうやく:雑役馬)がある。新潟・長野・島根では『どーやく』と言う。
『俚言』には『関東の田舎にて牝馬を雑役といふ。』とあり、牡牝が逆転している。
そがあんだれ そーだに
そーたに
【複】そんなに。
そがた あちら。彼方。
『其方』。
そがん
そがんだ
そーだ
そーた
【複】そんな。そのような。
『其が(様)な』『其が(様)にてある』。
そがんして そーだにして
そーたにして
そーだんして
そーたんして
【複】そうして。そのようにして。
『其が(様)にして』。
古い格助詞の『が』は、『【助】@〜の、〜のもの(標準語)、A〜分(古語)、B〜の(〜)、体言の省略形、C【接尾】助詞と一体になって代名詞の一部になるもの』の意味で使われた。この八丈方言は、『が』が濁音のため一見別の言葉に聞こえるが、これも、『其が様にして』の意味と考えられる。九州方言の『どぎゃんして』との繋がりもここで見えてくる。
そかんに そーだに
そーたに
【複】そんなに。
『其が(様)に』。
変則形。同上。
そくのう そぐなー
そぐなう
【動】損なう。
『損なう』(そくなう)は明治期の小説には良く見る言葉だが今や使われない。
そぐーに そーだに
そーたに
【複】そんなに。
『其が(様)に』。
茨城でも『そんなに』をに、そーに、そーに』と言う。西国言葉に『そいに』(そのように。そんなふうに。)がある。同源であろう。
そぐゎん
そぐゎんだ
そーだ
そーた
【複】そのような。そのように。
連体語・連用語。『其が(様)』。『其が(様)にてある』。
そぐんことがあろもんどぁーとたいへんだら:そんな事があろうものなら大変だ。
そぐんしてそのあとはあだんおりーてゃーた:そうしてその後はどうなりました。
そぐんだ:そんな。そのような。
そぐゎんどぁーことーすな:そんなことをするな。『其が様にてありたる事をすな』。
そぐんだらのー、あだんもこまりーたそわのー:そうですねえ、どうにも困りましたねえ。
そぐゎーにさみーことはなっけが:そんなに寒いことはありません。
そぐゎんして
そごぁんして
そーだにして
そーたにして
そーたんして
【複】そのようにして。そうして。
『其が(様)にして』。
そぐゎんしてそのあとはあだんおりーてゃーた:そうしてその後はどのようになりましたか。
そぐゎんすと そーだにすっと
そーたにすっと
そーたんすっと
【複】そうすると。
『其が(様)にすると』。
そぐゎんすとそけーかえるがょいょいととびでぁーてきて:そうするとそこへカエルがぴょんぴょんと跳び出して来て。
そけい そごへ
そげー
【複】そこへ。
逆行同化。
そこり 干潮。
そごん そーだ
そーた
【連体・連用】そんな。そのような。そのように。
『其が(様)』『其が(様)な』。
そごんよぼーてそだててあららっていが:そう呼んで育てていたそうだが。
そごんすと、そのあとでかけざらは、くらんしたんもしょうすっとってい、そのたぶーつめでしぎりはじめたらっていが:そうすると、そのあとで欠け皿は、蔵の下にムシロをしいてから、その稲を爪でむしりとりはじめたそうだが。
おめーらがかってにそごんしたんのーが:お前達が勝手にそのようにしたんだろうが。
そごんすとは そーすっとは 【複】そうすると。
そごんだーば そーだらば 【複】そうなら。
一見似ているが、茨城では『そういう事ならば』が訛ったものである。以下同様。
そごんではない そーたんではねー 【複】そんなではない。そうではない。
『其が(様)ではない』。
そごんどー そーだ
そーた
【連体】そんなである。
そごんどうこと そーだごど
そーたごど
【複】そんなであること。そんなこと。
『其が(様)にてあること』』。『どう』『だら』の連体形。
ぞーせー ぞーせん 雑炊。
そぞしい そぞしー 【形】涼しい。
このような奇妙な一致は古い言葉に由来することが多い。『そそ』(静かに吹く風の音。また、物の軽く動く音。)がある。
そっぞけ 『言語調査』には『風情無き貌』と解説されている。『そそけだつ』は現代でも良く使われるが、『そそけ』は『髪などの乱れてそそけること。』の意味。
そぞめ ズズメ。
そーな 皆。
そならべ 女の子。
『そな童』の意味か。茨城では鮭の雌を『そな』と言う。古い東国語と思われる。対語は『かな』
そばかす 【動】威す。馬鹿にする。化かす。
古語の『戯ふ(そばふ)』の流れで室町時代から『そばゆ』とも言う。その後『戯える(そばえる)』と言う。『@馴れて戯れる。じゃれる、ふざける、甘える、A(動物が)じゃれる。狂い騒ぐ。』意味だが、その他動詞形と考えられる。
そべいて 【複】驚いて。
そみざけ
そみのさけ
清酒(すみざけ)。
そめ トンボ。
そもじ つもじ 旋毛。
そら 【代】それら。彼等。
『其等』。
そりゃそれて 【複】それはそれで。
茨城でも時々同様の清音化が起こる。これは、古代の清音発音が残っていると言えるだろう。ちなみに現代語の『で』は『にて』が約まって濁音化したものとされる。
そりゃそれてきねーのはなしはあだんなりーてゃーた:それはそれで昨日の話はどうなりました。
それい 【複】それを。
茨城では、『それー』と平滑に発音する。
それいも 【複】それをも。
それかんだことだ 【複】そのようなことでは。
それじゃーだれだりやーてこまろじゃのー 【複】それでは、誰だって困るだろう。
『だれだりやーて』は『誰にてありたりやとて』。
茨城でも『だれだり』が使われる。
それーる それーる 【動】揃える。



〜だあの 【感】〜だね。
そごんだあのぉ:そうだねえ。
〜だあば
〜だーば
〜だば
〜だーば
【複】〜ならば。
ほいだあばのぉー:それじゃあね。
そごんだーば:それならば。
よめんいこーだーば:嫁に行くならば。
だい だい 【代】誰。
民話には無い言葉。茨城でも『誰だ?』を『だいだ・だんじゃ』と言う。ラ行音を嫌う共通の文化を感じさせる。ここでも『どう』は『ぞ』の変形ではないかと思わせる。
おめえ、だいどう:お前は誰だい。
〜だいげのう 【複】〜のようだ。
解説には『daigenou<ni te ari ge naro』とある。
このこはおうしだいげのうてって:この子は唖のようだといって。 
だいしい 美しい人。美しい着物。
だいじい
だいじゃい
だひじい
【形】美しい。
だいでか 【複】どなたで。
『誰にてか』の意味。
だいでかおじゃりやるのー:どなたでいらっしゃいますか。
だいどう
だいどー
【接】だけれど。
『〜であれど』が訛ったものと考えられる。また『〜だ故ども』とも思われる。
茨城方言では『だきっと・だけっと・だけんと』が代表例。
だいどうが:ではあるが。
だいどう、へんどうじゃ:だけど変だ。
めんどう話はわかりんのうが、だいどう、菅田さんは聞き耳がよけどうじゃ:面倒な話は解らないが、だけど、菅田さんは聞耳が良いんだよ。
だいどう だいだ
だんだ
だんじゃ
【複】誰だい。誰だよ。
ラ行音を嫌い、音便形になれば、『誰ぞ』は自然に『だいどう』になる。
おめえ、だいどう?:お前は誰だい。
うなだいどう:お前は誰だい。
だいねん 来年。
〜だいば
〜だえば
〜だらば
〜だれば
〜たれば
〜であれば
【複】〜(する)と。〜ならば。
解説には『ノダ形の〜ダレバ<*デアレバ』とある。茨城にあってもおかしくない言葉。
だぇろめ ナメクジ。
茨城ではカタツムリを『でーろ、でーろー』と呼ぶ。
だが だん 【複】誰が。
誰の古形は『た』で多く『が』を伴って使われた。『た』は後に『だ』に代わり、『たれ』が『だれ』に変化した。現代語の進化の中で、『誰が』に当たる『たが』を『だが』と言っても不思議は無い。茨城では撥音化する。
たかうな 竹の子。
広辞苑に『竹の子。たこうな。たかんな。記上「斎(ユ)爪(ツマ)櫛を引き闕(カ)きて投げ棄(ウ)つれば乃ち―生(ナ)りき」』とある。
たかめ たがめ 鷹。
だく 【形動】楽。
〜たきゃ
〜たきゃー
【接尾】〜たい。
願望の接尾語。
『〜たきゃ』の形で使われる。接尾語『たい』は助動詞『たし』が変化したもの。九州の『〜たか』に当たる。
これもぶっちゃりたきゃ:これも捨てたい。
たぎゃーに 互いに。
〜たけ 【接尾】〜たい。
『たい』は『たし』が変化したものでこれはその連体形。『〜たき』。
たこめ
たっこめ
たごめ 蛸(たこ)。
たーし たーし タワシ。
だじお ラジオ。
だす だす
だーす
【動】出す(現代語ではあげる)。
たたっぢ ただんぢ(でぃ) 【複】畳んで。
促音と撥音の違いはあるが、『で』を『ぢ(でぃ)』と発音するのは同じ。
たちぐも たぢ 入道雲。
たつご 双子。
『二つ子』の意味。茨城でも『二つ』を『たーづ』と言うことがある。
〜だった
〜たった
【助】〜だ。〜た。
過去または断定の終助詞。形容動詞に使われる場合は標準語と同じで、『〜にてありたり』の流れと考えられる。
所属不明の田舎言葉『〜だだ、〜ただ』の促音化した方言とも言える。現代では富山高岡市で使われる。宮城では『だっちゃ』と言う。
しんだった:死んだ。
ぼーかったった:大きかった。
そぐゎんだった:そのようであった。
よかったった:良かった。
茨城では同じ表現を『〜ちゃった』の意味で使う。
〜だっていどう
〜だっていとう
【複】〜(する)のだそうだが。
解説には『〜(する)にてあろていえども』とある。『〜だってえりども』のようなニュアンス。現代語では適当な言葉が見当たらない。茨城なら『〜だっちーが』『〜だっちーども』
ひれいこもだっていどう:拾いこむのだそうだが。
よだっていどういうのだそうだが。『jodaqteidouni<*iwo ni te aru te je domo ni。』。
ぬぶろだっていどう:登るのだそうだが。『nuburodaqteidou<*nuburo ni te aru te je domo。』。
たなしね 稲種。
広辞苑に『(タナはタネの古形。シネはイネに同じ) いねのたね。種子用のもみ。いなだね。天智紀「―三千斛」』とある。
たばら
たばらしく
田んぼ。野原に対して田原の意味なのだろうか。対馬では『たばる』と言う。
たびごや 出産のために産婦が別に過ごす小屋。
出産をけがれとして忌む観念から火を別にした。『他火小屋』。
たぶ 稲。
解説では『田穂』かとある。
『物類称呼』や『俚言集覧』によると、『かぶ・かぶら・かぶろ・こぶ・こぶた・こぶら・こむら・たぶ・たぶら・たむら』等は同源の可能性が高く、株状のものや蕪の類を指したと考えられる。
刈り入れを『たぶかり』と言う。
たぶ 【動】下さる。
『賜ぶ・給ぶ』(たぶ)。
かってたべ:買って下さい。
われにはそれーたべ:私にはそれを下さい。
たぶら クラゲの総称。
〜たべだの 【複】〜してちょうだいとか。
『賜ぶ・給ぶ』(たぶ)の命令形を列挙しているもの。
たもうれ
たもれ
たもーれ
たまふれ
たもれ
たもーれ
【複】賜れ。給れ(たもれ)。
『たまわれ』の音便。『給ふ・賜ふ』の命令形。
おじゃってたもーれ:お出で下さい。
かってたもーれ:買って下さい。
このてがみょかってたもーれ:この手紙を書いてください。
このてがみょよっでたもーれ:この手紙を読んでください。
われんも・たもうりんのーかーて・ゆとは:私にもくださいませんかというと。解説には『tamawari nako ka te iwi te。』とある。
とまれー・たもーれーてって泊まらせてくださいといって。『tomare:<*tomarase(te)。』とある。
書いてたもうれ:書いて下さい。
たまさかに たまさがに
たまさかに
【副】稀に。
『偶適』(たまさか)に。
だます だます 【動】(子供を)あやす。
〜だら
〜だらー
〜たら
【助動】〜だ。〜た。〜である。
この形は終止形で、連用形・連体形は『どう』となる。『だ』形と『た』形の使用区分は標準語に近い。『である』に詠嘆の助動詞『らむ』が付いたものか。解説にはさらにルーツを遡った形で『de ari aru,te ari aru』とある。
他県の方言としての『だら』は推量の助動詞として静岡・愛知・長野で使われるがこれは『だろう』の意味である。
茨城で使われる『だら』は『〜(し)てあるらば』の意味で仮定形だが体言にもつく。静岡でも使われる。
『だ』は、広辞苑に『(テアリの約)(活用はラ変型) 動詞および助動詞の「る」「らる」「す」「さす」「しむ」「ぬ」などの連用形について、動作の完了している状態を表す。室町時代以後の口語における「つ」「ぬ」「り」などの衰えに伴って完了・存続などの表現を「たり」一つでにない、「き」「けり」の衰えによって回想・過去などの表現もかねる。語形面では、終止・連体両形に「た」が現れること、「たれ」に已然・仮定両形の用法が生じることなどで「た」へ移って行く。@動作・作用が完了し、その結果を確認する意を表す。…てある。…た。A動作・作用が存続して今に至っていることを認識する意を表す。…ている。…た。』とある。
うりゃひとだら・おらひとだら:あれは人だ。
これからあすぶだら:これから遊ぶんだ。
そりゃわがだら(あがだら):それは私のだ。
こいこそ・ばさま・にっんいちの・きみだんごだらーてって:これこそ、おばあさん日本一の黍団子だよと言って。
自分で書きんのうとだめだら:自分で書かないと駄目だよ。
だめだらー、おめぇ:駄目だよ。お前。
でかけたらっていが:出かけたそうだが。『〜たらっていが』は、解説には『〜(し)てありあるてよがとある。類似表現の 茨城の『〜らった』は、受身や尊敬を示し、動詞の語幹につく。
てんきがしずかだら:天気が静かだ。
どろぼうだらーい:泥棒だよ。
ひんなげーたらっていが:流したそうだが。解説には『ひんながしてありあるてよが(hiNnagasite ari aru te jo ga)。』とある。茨城方言に似た接頭語の使用。
やすけとは・にいぇんぐりあだらんのー:安いと2円ぐらいだっただろう。
ふつーのひゃくしょーのこだらっていどう:ふつうの百姓の子だったそうだが。
はなしーてーたら:話していた。 
たらう
たろ
たろー
長男。
『太郎』。
たらがる 【動】座る。
〜たらば 〜たらば 【複】〜(し)たなら。
本来は『〜たれば』。現代口語では消えてしまった表現。
〜だらら
〜たらら
【助動】〜だった。
過去を示す助動詞『だ、た』に詠嘆を示す助動詞『らむ』がついた形か。
この方言が何故『だら』に対して過去の意味が加わるかは不明である。
『だだ・ただ』は古い歌に『かあさんが よなべをして てぶくろあんでくれた こがらしふいちゃ つめたかろて せっせとあんだだよ ああ ふるさとの たよりが とどく いろりの においがした 』と歌われている。過去または断定を意味する現代語の『だ、た』は、『である、たり』を語源とするのは間違いないが、『だだ・ただ』の最初の『だ・た』は過去を示し、後の『だ』は断定を示しているとも考えられる。即ち、『だのだ・たのだ』の意味である。
きたらら:来た。
まっときれーだらら:もっと綺麗だった。
ちょーどこぐゎわんだらら:丁度こんなだった。
しずかだらら:静かだった。
そぐゎんだらら:そのようだった。
そりゃ(そら)きねーのとんめてだらら:それは昨日の朝だった。
よっくみたんにやーやしょっくなっけひとだらら・よっくみたんねーやおべーのぁーひとだらら・よっくまばららしょっくなっけひとだらら・よっくみたりやおべーのぁーひとだらら:良く見たら知らない人だった。
あがも、ちいっと聞いただらら。
船は来んことうになりさうだらら。
青ヶ島はあんにもなっけ島だらら。
そぐゎんだらら:そうだっけ。
ほんとーにそぐゎんだららーの:そうそう、そうだっけね。
きのうきたらら:昨日来たっけ。
〜だらんのうわ 【助動】〜だったなあ。
『のうわ』は感嘆の接尾語。
にぎやかだらんのうわ:賑やかだったなあ。
たりゃー
たれー
たれい
たれー タライ。
せんたくものう・しもうと、せんたくもんと・どうしん、たれーいー・いぇて、ささんで・きっとってい:洗濯物をしまうと、洗濯物と一緒にタライに入れて、頭に載せて来ると。
〜だりゃーて
〜だりゃーてー
【複】〜であっても。
『〜でありやとて』『〜にてありやとて』『〜たりやとて』。
そりゃだれだりゃーてしょきゃ:それは誰だって知っている。
たびいっそくだりゃーてーけはしんにゃー:足袋一足たりとも呉れはしない。
いくらわたくしだりゃーてーそぐゎんどぁーことはしんなーか:いくら私だってそんなことはしない。
だれど
だれどー
【接】だけれど。
『〜であれど』が転じたものである。
だれにか だれにが 【連用】誰かに。
たろ
たろー
たろう
長男。
『太郎』。
〜だろう 【助動】推測の助動詞。
茨城方言では、『べし』の流れの『べ・・へ』が隆盛し、『であるらむ』から生まれた『だろう』は流布しなかった。
あだんだろう:どうだろう。
どぐゎんだろー:どんなだろう。
ぼーいだろー:大きいだろう。
たろうじ
たろーじ
たろをじ
長男の叔父。
『太郎叔父』。
〜だろーじゃ 【複】〜だったろう。
にぎやかだろーじゃ:賑やかだったろう。
たろーどの 息子。
たわあし
たわし
タワシ。
『手端』の意味か。
たん 黄八丈。
絹服のこと。『丹後』の意味が転じたものか。
だんしん 気が違うこと。
『乱心』。
あがかあちゃん、だんしんにならら:私の母さん、気が狂った。
だんな 子供。
解説には『かわいがっている子どもをトノ,ヒメ,ダンナなどとよんだ。』とある。
だん
だむ
だん ランプ。
偶然の一致ではなく歴史的な経緯があると思われる。
だんぼー 乱暴。
だんぼーどぁ らんぼーだ 【連体】乱暴な。
たんめ 蚤。
『食ぶめ』の意味か。



乳房。
ちー 乳。
叔父。
ぢー 爺。
〜ちー 〜ちー 【助】〜て。
ちい ちー 露。
茨城では『汁』を『ちー』と言う。『露』も『汁』も『つゆ』読むのでルーツは同じと思われる。
ちいろ
ちーろう
ぢいろ
ちいろう
ぢいろう
五女。
五女だけが変則的な言い方になっている。『中郎』の意味か。
ぢうめんつつくる 【複】渋面をつづくろう。
ちぇー
ていぇー

てー
てぁー
手合。達。
沖縄では『ちゅう』
ちぇばくら ツバメ。
ちおや うば。
『乳親』。
ちーたち ちーだぢ ついたち。
ちち ちぢ
ちち
土。
ちちつかず 土踏まず。
ちっちぎる しっち 【動】つねる。
ちづる 血統。
『血弦』の意味。
ちぬはへな 死ぬということ。
ちーぶ ちーぶ 中風(ちゅうぶう)。
〜ちーや 〜ちーや
〜ちーわ
【複】〜(だ・する)そうだよ。
もともとは〜ていや、〜ていは、〜てよは』。茨城方言では『〜ちーど・〜ちど』の方が多く使われる。『と言へりや』。
まじゃけたっちーやーて:無くなったそうだよって。
ちゃうげまわす 【動】見さげて悪口を言う。嘲笑する。
『嘲す』を原型にした言葉。『言語調査』のコメントに『戯解転』とある。
ちゅーき ちゅーぎ 通風。
標準語では使われなくなった『中気(ちゅうき)』。
ちゅーで ちーで(に) ついで。
ちゅーばがら
ちゅーばくろ
ちゅーばくろめ
ツバメ。
ちょー 四男。
ちょぎれる ちょれる 【動】千切れる。
俗語。『ちょん切る』の自動詞形。
ちょぢょがしら 好色者。
『ちょちょら』は『口先でお上手を言うこと、お世辞』。『ちょちょ頭』の意味か。
ちょーちょーめ
ちょーなーめ
ちょーちょめ 蝶。
ちょーでぃぁー 茶の間。『帳台』。
ちょんこ
ちょんこめ
とんこ
とんこめ
子牛。
『当歳子』の意味。
ちょんぼり ちょんぼり 【形動】ちょっと。僅か。



つぇーたち
つぇいたち
つぇーだぢ ついたち。
もともとは『月立・朔』。
〜っちー 〜っちー 【複】〜と言う。
膝。
つくめ フクロウ。別称『ズク』。
ちくく:沖縄。
ちくくる:沖縄。
づぐ:千葉。
つく:千葉。
つくぐる:沖縄。
つくほー:沖縄。
つじかぜ 旋風。
現代では八丈島以外では九州に残る。
つだき くだぎ
くだき
くたぎ
くたき
くだげ
くたげ
くたけ
したき
唾。
つつ 【副】たびたび。ときどき。
標準語では助詞として使われる。
〜つつ 〜ずづ
〜つつ
【助】〜ずつ。
つっことす つこどす
つっこどす
つっことす
【動】突き落とす。
茨城では単に『落とす』意味でも使われる。
つって つって 【複】@連れて。A着いて。
偶然の一致ではなく歴史的な経緯があると思われる。八丈ではこのような促音化が頻繁にある。関東方言のルーツがあると思われる。
『交尾む・孳尾む・遊牝む(つるむ)』という言葉がある。『つるみて』が訛っても不思議は無い。原型は『弦』だろう。
よっで:読んで。
まって:撒いて。
しっで:死んで。
とっだそ:取り出す(連体)。
茨城方言では用法は限られるが、ルーツはは同じと思われる。。
つっでる つっでる 【動】出る。
『突き出る』。
つっともわ 【動】消える。
『尽きておるわ』意味か。
つっ
つっ
つっ
つーっ
つっそで
筒袖。つつっぽ。
づにん 流人。
『ずにん』。現代語の『ずる』に通ずる。
つばくら
つばくらどり
つばくらめ
つばくらめー
つばくりゃめー
つばくりゃーめ
つばくら
つばくらめ
つばぐろ
つばくろ
つばくろめ
つんばくら
ツバメ。
つぶり つぶり 頭。髪。
つべ ぐし 棟。
つんで つんで 【複】注いで。
偶然の一致ではなく歴史的な経緯があると思われる。
つんのせる つんのせる 【動】載せる。
『付け載せる』。
つんむく つんむぐ 【動】向く。
『突き向く』。
つんむ つんむ 【動】潜る。
『突き潜る』。



〜で 【助】〜(する)ので。
解説では『にて』とある。現代では東海方言でよく使われる。名詞に付く場合は標準語と同じ。
広辞苑には、『で:【接続助詞】 江戸時代に多く用いられ、原因・理由を表す。活用語、主に助動詞「た」につく。…ので。浄、二つ腹帯「お暇が出た―、去にまする」。浮世風呂二「よく流してくれた―、さつぱりしました」』とある。
〜ーて
〜いて
【助】@〜(し)て。A〜(する)ので。
@〜(し)て。連用形。他動詞と自動詞が曖昧な表現になっている。使役形も表には現れない。その意味で古代語の名残を思わせる。
あけせーて:開けさせて。
くなーて:来るなと。
けーて:帰って。
こうさんせーて:降参させて。
しとーて:して。なって。
しょせーて:背負わせて。
つりーて:吊るして。
でーて:出して。
とういーて:通して。
とりもでいて:取り戻して。
はしかきおていて:掻き落として。
まくらけーて:落として。『まくらかして』の意味。『捲る』には追いのける意味がある。
もでいて:戻して。
よぼーて:【複】呼んで。解説には『よばわりて』とある。茨城では『よばって・よばーって』と言う。
いけーておこことは:生かして置くことは。『ike:te<*ikasi te。』とある。『いけーて』は『生けおきて』とも思われる。
うけーて:浮かせて。『uke:te<*ukase te。』。茨城方言からは『うがせでおいで』 すなわち『浮かせ置きて』が近い。
かとぎもでいて:担ぎ戻して。『katogimodeite<*katogi modosi te。』。
がまんでーて:がんばって。『gamaNde:te<*gamaN dasi te。』。
しょいもでいて:背負い戻して。『sjoimodeite<*sewoi modosi te。』。
ぶっこてとーで:落ちたので。『buqkoteto:de<*buqkotete aro ni te。』。
あにょとれーても、(はしこけ)どうこだらっていが:なにをとらせても賢い子だったそうだが。
むけーていく:見送りに行く。『迎えに行く』は『むけーいーいく』
A〜(する)ので。
『(あろ)よて』『〜(あろ)によりて』。
なろーて・なろーで:なったので。
音便による長音化。使役形等の特殊なものを除き『〜あろにて』が転じたという。ただしが変化したものも見られる。『にて』。
雨がふろんて今日はいかにゃー:雨が降るから今日は行かない。
今日は気候がぬくとけんて皆で出かけろだら:今日は気候が暖かなので皆で出かけるんだ。
体裁がうぐゎんどぁーして困ろわ:体裁があんなだから困る。
まにきゃってこーしいてまちてわせ:今に帰って来るだろうから待っていなさい。
うこんて:浮くので。『ukoNte<*uko ni jori te。』。 現代語では『浮こうから』の意味。
〜てあろわ 〜ているわ 【複】〜(し)ているよ。
ひとがたってあろわ:人が立っているよ。
でい でー
でい
座敷。『出居』。
〜てい 〜でで 【助】〜て。
『〜て居』の意味。
てもとまでくろまで、みてあっとってい:手元まで来るまで見ていて。
くらんしたんもしょうすっとてい:蔵の下にムシロをしいていて。
すりつけとってい:擦り付けていて。『資料』では『擦り付けてから』と訳している。
のせとってい:載せていて。単に『載せていて』の意味と思われる。
〜てい 〜ちー
〜てー
【複】〜という。〜ていて。
江戸語の『〜ってえ』。単なる長音形ではなく『い』はそのまま発音される。
てもとまできたっていときに、それいあげてのけておっとてい:手元まで来たという時に、それをあげて取っておいて。
のせとってい:載せたという。『載せたという』の意味と思われる。
でぃぁーねん 来年。
〜でいぇー
〜てぃえー
〜てー
〜てぁー
手合い。
茨城では先んじて格助詞『ん』がつく。『おらいんてー』(家の人達)。
やくにんでいぇー:役人達。
おやでいぇー:親達。
ひとんちぇー:人(の類)。
われんちぇー:私。私の類。私なんか。
でいじい 【形】美しい。
〜ていじゃ 【複】〜(だ・する)そうだよ。
『〜てえじゃ』。古くからある、田舎言葉の『〜てえだ』に該当する。
〜でいて 【複】〜(し)て行って。〜(し)てって。〜で行って。
他の動詞の連用形に付く。
〜ていてって ・〜ちって
〜ちゆって
【複】〜(する)と言って。
二重表現にも見える。『〜によりてて言いて』江戸言葉では『〜てえてって』
けいは、おにがしれい・おにせいばつん・いって・くろんていてって:今日は鬼の城へ鬼征伐に行ってくるから、と言って。『くろんていてって』は解説には『くろによりてていいて(kuro ni jori te te iwe te)』とある。
〜ていや
〜ていわ
〜てよわ
〜ちーや
〜ていーわ
〜てーや
〜てゆーわ
【複】〜(だ・する)そうだよ。
『〜て言へりや』『〜て言ふわ』。
でぃゃーこ
でーご
でーこ
でゃこ
でゃーこ
でゃーご
でぁご
でぁーご
でぇーこ
でぇーこん
でーご
でーこ
でゃーご
大根。
茨城では古くはかなり広くこのような拗音化した音便が使われたが、次第に平坦に発音されるようになった。
八丈島ではさらに『でぃ』『じ』となるが茨城でもそのような言葉がある。八丈島と茨城の訛りの図式は極めて似ていると言える。
でぃゃーどころ
でーどこ
でーどころ
でゃどころ
でゃーどころ
でぁーどご
でーどご
でーどこ
でーどごろ
でーどころ
台所。
てぃゃーら
てえら
てぁーら
てーら
平地。平ら。
〜てーが 【複】〜(し)たとさ。〜と言うが。
じじーとばばーがあららってーが:爺さんと婆さんがあったとさ。
〜でかあんにゃー
〜でかあんねぁーごー
【複】〜こそあるよ。
解説には『〜(デ)カ アンニャー:結びがアンニャーであれば, 本来の係りはコアであるが, 現代方言ではこれが短母音化してカがふつうになり, 結びがアレのときの係りであるカと同音になっている。』『〜(デ)カ アンネァーゴー:ゴーは結び(アン)ネァーにつづく終助辞で, 三根では〜カ アレ(ガ)に対して, 〜コー アンネー(ゴー)となるように, 結びの終助辞も係りに対応している。』とある。
まんもおんなしでかあんにゃー:今も同じでこそあるよ。
みんなふゆーかぞくでかあんねぁーごー:みんな扶養家族でコソあるよ。
うちでかわけーてはいれが:自分のうちでこそ、沸かして入るよ。解説に『〜カ+〜(已然形)ガというコソによる強調構文。』とある。
でーげつ
でゃげつ
来月。
でこ でっこー 【複】来い。
『出て来い』の意味。
てこ
てご
三女。
解説には『果て子(hate go)からか。』とある。
てごうば 三女の叔母。
でーじ でーじ 大事。
江戸言葉。
としぇいと・ていしゅー・でーじん・しながー・たんごうは・おりんのーと:生活と夫をだいじにしながら、丹後を織らないと。
でーじー
でぇーじき
でぇーじけ
でーちけ
【形】美しい。
九州方言の形容詞の接尾語『か』を思わせる。解説には『だいじけ』とある。『大切・貴重』の意味が転じたのだろう。
おみゃはでぇーじきゃのー:あなた、綺麗だねえ。
・できる
でくる
できる
でっきる
でっくる
【動】出て来る。古語。
たなばたさまのまつりょでも、みーはしんのーかーい、てってとぎて、でくると:七夕さまの祭りをでも、見に行かないかい、といって誘いにくると。 
てたん てらん 手で持てるように把手をつけた小さいランプ。
『手ランプ』。
てつ
てっつ
とつ
とーつ
一つ。
それい・てつ・むらって:それを一つ貰って。
てっつも:一つも。全く。
てっつも、だめだらあ:全く駄目だ。
てっつも水が貯まりんなか:全く水がたまらない。
でっこーせる でっかせる 【動】出くわせる。
八丈方言ではウ音便化している。
てっじょー てっちょ
てっちょー
天井。
てつたい てつたい 手伝い。
〜てって 【複】〜と言って。
江戸言葉。『〜て言えりて』。茨城では多く『〜ちって』と言う。
てて
ててさま
父。
でてくる ででぐる
ででくる
【動】出かける。行って来る。
『出て帰る、出てみる』意味。現代語の『出て来る』は『中から出て来る』意味。
〜ででーて
〜てでいて
〜てでーて
〜ででで
〜てでで
【複】〜(し)てて。〜(し)ていて。
促音化した動詞の連用形につく。標準語に比較すると『て』が一つ多い。
ひろってでいて:拾ってて。訳文では『拾って来て』とある。『でいて』は解説には『できて(deki te)』とある。茨城方言では、『てれびみででできこえながった:テレビを見ていて聞こえなかった。』と言う。
いつかの・としの・たなばたさまの・ひに・そのままほーが・くらかー・たぶー・かこんで・でーて:ある年の七夕さまの日に、その継母が、蔵から刈り取った稲を抱えて出して。
でな 【複】お出でなさい。
そんなとこれーでな:そんな所へお出でなさい。
てねぎー
てねげー
てね
てねげへ
てね 手拭い。
でーねん 来年。
さらに『でゃーねん』とも言う。
てぶちそば 手打ちそば。
茨城では、手打ちの蕎麦やうどんを『てぶぢ』と言う。
でほ でほ 『出穂』。江戸時代にもあった呼称。一般には『しゅっすい』と呼ぶ。
てみゃー
てめー
てぃみー
てめー
てーめー
てめえ
お前。
〜てゃー 〜ぢぇー
〜ちぇー
〜ぢゃい
〜ちゃい
【助】〜(し)たい。
願望を表す助動詞。
ぶっちゃりてゃー:捨てたい。
かぅいてゃー:買いたい。
〜てーや 〜ちーや
〜ていーわ
〜てーや
〜てゆーわ
【複】〜だそうだ。
『と言へりや』の意味。八丈方言では『〜てよわ』が訛ったものだろう。
金さんもじきに出征しょだってーや:金さんもじきに出征するのだそうだ。
大変な人出だらってーや:大変な人出だったそうだ。
でゃーく でぁーぐ
でぇーく
でーぐ
大工。
〜てやらば 【複】〜とやらは。〜というのは。
『〜とにやあらむは』。『言語調査』では『〜ときたら』と訳されている。
うの男の歌ーてやらばとても聞かれたもんじゃなっきゃ:あの男の歌とやらはとても聴けたものじゃない。
〜てよ 【複】〜という。〜ていう。
東京て所は随分にぎやかかどぁー所だら:東京という所は随分にぎやかな所だ。
うの人の洋行しよぞてよことはしょーてからきってあらら:あの人が洋行するとは最初から聞いていた。
いっちゃー橋てよものはあんのやくにたつもんだか:1本橋というものは何の役にたつものだか。
でんぎね 擂粉木。『連木』。『連杵』の意味か。
てんでてんで てんでてんで 【副】てんでに。
てんでてんでら:それぞれの。



〜どー
〜どう
【助】〜(すれ)ども。〜(した)が。〜(すれ)ど。
古語の『ど』そのもの。
もーらいどう:【複】回ったが。『回りあれども』の意味と言う。
やくしょかー・こごんどー・ふれが・もうらいどう:役所からこんな触れが回ったが。解説には『mo:raidou<*mawari are domo。』とある。
★(茶が)へーてあれどーこいげーつけ:茶が入っているけれどこれ(茶碗)に注いで。
〜とー 〜とー 【助動】〜(し)なさい。〜(し)てほしい。
軽い命令を示す。『ぞ』に似ているがは主格にあり、この場合は対象格にある。『さあ買った買ったあ』の言い方に似ている。願望を表す助動詞『たし』が音便化したと見られる。
かっとー:買って頂戴。
きとー:来て頂戴。
わが・よめん・なっとうて:私の嫁になってくれと。『naqtou依頼形の語原は不明。』。
〜とー 【複】〜(し)た。〜(し)ている。
連用・連体・未来形。『〜てある・〜ている・〜ておる』の意味か。
いぇみほどけとー:熟している。
『笑み解けている』。『いぇ』は古い発音がそのままのこったと考えられる。解説には『jemi hodoke te aro。』とある。
やままでぬぶってきとうひとの:山まで登ってきた人の。
こごんいっしょうけんめいにきとーに:こんなにいっしょうけんめいに来たのに。
たとこも:立つ子も。
〜どぁ
〜どあ
〜とぁ
〜とあ
〜どう
〜どー
【助】@〜である。〜だ。〜た。A〜な。B〜の。
解説には『〜にてあろ(ni te aro。)とある。茨城方言では『〜だ、〜た』に当たる。
@〜である。『だら』の連用形。
あんどぉ:何だい。どうした。茨城では『あんだどー・なんだどー』
なっけどうて:無いので。茨城では『ねーどって』
ああ、役場げぇ、おじゃろう人どうか? 一盃、呑もごん?:ああ、役場においでになった人かい?。一杯飲もうよ。
まにはどあに:今はだけど(今は違うけれど)。
じーさんがやくざとぁんて:爺さんが仕事をしないので。特殊形。
若け時には飯の七杯も八杯は造作なくくぇとぁーもんどぁーが、はやこの頃じゃ四杯がやっとだら。食えたもんだが。
★この絵は昨日一度みとぁーだら:見たんだ。
はーくろはずどーがー、てって:もう来るはずだが、といって。
わけなけことどうじゃ:訳ないことだ。
おろされとーもんどーじゃよ:下ろされたものだよ。
A〜な。〜なもの。〜のような。『だら』の連体形。『である』意味。
実質は@の変形用法。解説に『コピュラの〜ダラ(だ)の連体用法。』とある。体言が隠れている。
茨城では『〜だ・〜た』に当たる。
こがんどあ:こんな。
うぐゎんどぁー:あんな。
そぐゎんどぁー:そんな。
どぐゎんどぁー:どんな。
★気の毒どぁー:気の毒な。
★四角どぁー:四角な。
★静かどぁー:静かな。
★沢山どぁー:沢山な。
★やどぁー:嫌な。
★楽どぁー:楽な。
★僅かどぁー:僅かな。
★丈夫どう:丈夫な。
★親孝行どー:親孝行な。
やくざどあひとは:仕事をしない(やくざな)人は。
わがは・いぇが・へたどあ・いぇどあどあじゃ私は家が貧しい家なんだよね。
〜んどー:【助】〜な。『〜である』(連体形)の意味。『ん』は『に』の変形。解説には『〜にてあろ』とある。
変どう話どうじゃ:変な話だよ。
そごん、へんどう言葉を:そんな変な事を。
わーっ! へんどう神様だらあって…。こわっきゃのー。おっかなけ神様だらら。目がつぶれるわよー。
こぐゎん上等どぁよりもまっと下等どぁーがえー。この場合、『であるもの』でも理解できる。
★1本五銭どぁーよ三本買う。なのを。
★きたなけよりも綺麗どぁーがえー:なもの。
けいは・んーまそうどー・ももう・ひろって・きとーて・そのももう・ひょうらん・しやろごん・のーてって:今日は、うまそうなモモを拾って来たから、そのモモをお昼にしよう、といって。
しょうじきどー・こうは:正直な子は。『sjouzikido:<*sjouziki ni te aro。』。『kou=wa<*ko wo wa。』★こごんどー・うたが・よめろ・ぐれーどー・こだれば:こんな歌が詠めるぐらいの子なら。『gure:do:<*gurai ni te aro。kodareba<*ko ni te are ba。』。
あんまい・よけこどー・こで:あまりにきれいな子で。『jokekodo:<*joke ko ni te aro。ヨケコは美男美女にいう。』。
あんまい・おうぜいどうで:あまり大勢なので。『ouzeido:de<*ouzei ni te aro ni te。』。
じょうぶどー・わけーしゅは:丈夫な若者は。『zjoubudo:<*zjoubu ni te aro。』。
B〜の。実質的にAと同じ。『である』意味。
めならべどーうちにわ:娘のうちには。
めならべどー・うちゃ・がまんでー・たんごう・おろが・よけが:娘のうちはがんばって丹後を織るのがいいが。
〜どぁじゃ
〜とあじゃ
【複】〜(する)のだ。
やこどあじゃ:焼くんだよ。
〜どぁだら
〜とあだら
【複】〜(する)のです。〜(し)たのです
『どあ』『だら』。『であるのだ』。
それがよくなっけどあだら:それが良く無いのだ。
くるしめとあだら:苦しめたんだよ。
あめのふるとここんかけずにゃどあだら:雨が降るとここにかけなくちゃならないんだよ。
〜どぁで
〜とあで
【複】〜だから。〜(し)たから。
東海から名古屋で使われる『〜だで』に似ている。解説には『〜ダロニテからの変化で, 標準語のノデに対応する。』とある。
〜どぁーと
〜とあーと
【複】〜なら。〜(し)たなら。
『〜であると。〜だと。』。
こがたなどぁーとここにあろわ:小刀ならここにある。茨城なら『こだなだどこごにあるわ、こだなだらこごにあるわ』と言う。
〜どあどあじゃ
〜とあどあじゃ
【助動】〜なのだ。〜(し)たのだ。〜(し)たのものだ。
二重表現。所在不明の田舎言葉『〜(し)ただ』に『じゃ』がついたようなもの。
解説に『あどあじゃ:のだ形の〜ダラのジャ形。』とある。
ねんぐーおさめとあどあじゃ:年貢を納めたんだよね。
こどもそだてとあどあじゃ:子ども育てたんだよね。
わがはいぇがへたどあいぇどあどあじゃ:私のは家が貧しい家なんだよね。解説には『わがはいぇが:持ち主(私のは)と持ち物(家が)とで同一物を二重に表示している。』とある。直接訳すと『私は家が貧しい家なんだよね。』。
〜どぁよんて
〜どぁんて
〜とぁんて
【助】〜だから。〜(し)たから。
『〜であるによりて』。近世語の『〜だて』と同じ。
のみみずどあよんて:飲み水だから。解説に『〜ドアヨンテ:〜ダロ(ニ)ヨリテに由来する, 〜ドァンテ, 〜ドーテ(三根)の古形で, 標準語のカラに対応する。』とある。
いとしごとーしとあどあんて:糸仕事をしたもんだから。
そがんどあんて:そんなふうだから。
どぁんて 【接】だから。
〜どうか 【助】〜(した)か。
『〜であるか』。
スゥイッチを切んじゃってなっけどうか:正確な意味は不明。スイッチを切らないでしまったじゃないか。
〜どうじゃ
〜どあじゃ
【助】〜です。〜だよ。
解説には、『〜にてあろにては( ni te aro ni te wa。)』とある。
茨城では、『だど』と言う。言い換えれば『じゃぞ』の意味であり、そうなると八丈方言は『ぞじゃ』の意味なのだろうか。『〜であるじゃ』『〜だじゃ』。
わけなけことどうじゃ:別無いないことだよ。
よけどうじゃいてゆと:良いんだよと言うと。解説に『jokedo:zjaite<*joke ni te aro ni te wa te。このなかのzjaiのiについては出自不明。長音化したzja:teが規則的なかたち。』。
大正の生まれどうじゃあ:大正生まれだよ。
だいどう、へんどうじゃ:だけど変だ。
狙うどうじゃ:狙うんだよ。
河童、カワに出るどうじゃ:河童は川に出るんだよ。
わがおばさんどあじゃ:私のおばさんだよ。
ねんぐん・おさめとぁどぁじゃ:年貢に納めたんだよ。
〜どあで
〜どうて
〜どうで
〜どぁんて
【助】〜だから。〜なので。
『〜どぁよんて』が変化したもの。東海・名古屋方言の『〜だで』に似る。
解説には『〜にてあろにて』『だろにて』とある。『〜であるにて』『〜だて』。
のみみずどあで:飲み水だから。
おやごろしどーて:親殺しだから。解説には『ojagorosido:te<*ojagorosi ni te aro ni jori te。』とある。
(動詞・助動詞の活用:様々な事例) 以下、作業中。
・動詞の活用・表現
(未然形)/ない・う・よう
くえんのーだー:食えないんだよ。
(連用形)/ます・て
うとーよんどて:歌を詠むと。『joNdoteiテオク系かテヲリ系か不明。』。現代では関西方言に近い。
おねがいがあろ:お願いがあるが。
かって:付けて。掛けて。『kaqte<*kaki te。』。茨城では『鍵をかっておげ』などと言う。
きって:聞いて。『kiqte<*kiki te。』。
たんごうおろー丹後を織ったので。『oro:de<*ori aro ni te。sitaqteizjoute=noこれはsitaqteijaシタソウダの間説話法的形式。』。
できとー:出来たが。『dekito:ga<*deki te aro ga。』。
はごー:接いだ。連用・連体形。『hago:<*hagi aro。』。
なぬかんあたろ:七日に当たるので。『atarode<*ataro ni te。』。
かとんで:担いで。終止形は『かとぐ』
『かとぎて』の撥音便。
(終止形)
せめてせめてすとは:しつこく言って来ると。『semete semete sutowaシテ シテ スルで動作のくりかえしをあらわす。』。
(連体形)/とき
みろとき:見るとき。
ぬぶってきとうひとの:登ってきた人の。『nubuqte<*nuburi te。kito:<*ki te aro。』。
はごー:接いだ。連用・連体形。『hago:<*hagi aro。』。
もどそことんなって:戻す事になって。
てらめーりんいこてぃえーがくると:寺参りに行く手合いが来ると。
でそろーろーころには:出揃った頃には。『らら・ららあ』の連体形か。
いけとここと:生かしておくこと。『生けておくこと』。
たとこもはおこもで:立つ子も這う子も(どんな子供も)。
みろからきこからにゃ:見るから聞くからには。
つくっとこーとけい:作って置いたところへ。
よさろうものう:集まったものを。
こちきながーうたってみこーうたのもんくが:もらいながら歌って歩いた歌の文句が。終止形は『みく』。
ねずんおろあひともなかんのーわ:寝ずに織った人もいないだろうよ。
(已然・仮定形)/ば
(命令形)
(未来表現)/未然形の一形式と考えられる。
くろー:来よう。
★広かろう。
★良かろう。
できろんて:出来るから。出来ようから。『dekiroNte<*dekiro ni jori te。』。未来形の表現。
もっていこおぼんに:持って行くお盆に。
・助動詞の活用・表現
(受身表現)/れる・られる/る・らる・ゆ・らゆ・す
よらまれて:選ばれて。
(可能表現)/れる・られる/る・らる・ゆ・らゆ・す
(自発表現)/れる・られる/る・らる・ゆ・らゆ・す
(尊敬表現)/れる・られる/る・らる・ゆ・らゆ・す
(使役表現)/せる・させる・しめる/す・さす・しむ
うけーて:浮かせて。『浮けにて』。
とういーて:通して。『通しにて』。
ぶっこれいて:ぶっ殺して。『ぶっ殺しにて』。
つくれーて:作らせて。
ふれて:揺れて。解説には『他動詞フルの再帰動詞で,自分で振る,揺らすこと。ほかに,アオル(だれかを扇ぐ)に対するアオレル(自分を扇ぐ)などがある。』とある。
かけーて:描かせて。
(過去・完了表現)/た・だ/き・けり・つ・ぬ・たり・り
できとー:出来たが。『dekito:ga<*deki te aro ga。』。
できとー:出来たと。『dekito:te<*deki te aro te。デキタカラのdekito:teと同音。』。
(推量表現)/う・よう・らしい/む・ん・むず・んず・けむ・けん・らむ・らん・めり・らし・まし・べし・べらなり
もってでたーらいげのー:持って出たらしいが。解説には『デテ アラリゲナロガで,〜ゲナリに由来。』とある。
ころー・きろー:来るだろう。
★広かろう。
★良かろう。
あろあよ:あるのに。あるだろうに。『あろはによりて』。
あろんて:あるから。あろうから。あるだろうから。『aroNte<*aro ni jori te。』。
あろんていてゆと:あるからと言うと。『aroNteite<*aro ni jori te te。』。
あんでおじゃろーん:何ですか。
(打消しの推量表現)/まい/じ・まじ・ましじ
(打消し表現)/ない・ぬ・ん/ず
くえんのーだー:食えないんだよ。
くちょきかずんしんぼうしょだーようてって:口をきかずに辛抱するんだよ、といって。
いぇず:入れず。
もどしはしんなこどあじゃ:戻しはしないんだよね。
きんなこだら:来ないんだよ。
つれんのあとき:釣れない時。
はなしきりなこだら:話しきれないんだよ。
(希望表現)/たい・たがる/たし・まほし
(断定表現)/です・だ/なり・たり
(比況表現)/ようだ/ごとし
このこはおうしだいげのうてって:この子は唖のようだといって。『ousidaigenouteqte<*ousi ni te ari ge naro te iwi te。唖は和名抄で於布之。』。
(丁寧表現)/ます/−
(様態表現)/そうだ/−
(伝聞表現)/そうだ/なり


けいはくろぞーていってあらら:今日は来るぞと言っていた。
★そだたらっていが:育ったそうだが。『というが』の意味。
(意思表現)/う・こう・よう
かろー:買おう。
でろは:行くよ。出るよ。
(勧誘表現)/う・こう・よう
〜ごん
おきろー:起きよう。
ぶっちゃろー:捨てよう。
(依頼表現)
〜とう:〜(し)なさい。〜(し)てほしい。願望を表す助動詞『たし』が音便化したと見られる。
かっとー:買って頂戴。
きとー:来て頂戴。
なっとう:なって頂戴。
わが・よめん・なっとうて:私の嫁になってくれと。『naqtou依頼形の語原は不明。』。
(原因・理由表現)/から・ので/によりて
(その他)
かくまっとこーが:かくまっておいたが。『kakumaqtoko:ga<*kakumari te oki aro ga。』。
できとーて:出来たと。『dekito:te<*deki te aro te。デキタカラのdekito:teと同音。』。
どけいか・でかけやるのう:どこへでかけなさるのかな。解説に『do#kei=ka dekakejarunou疑問のカによる係り結びで、連体形で終止する。ここでは直接のたずねだが、独言も可。』とある。
はいろーんて:入ったから。
とうろーで:通ったので。『touro:de<*towori aro ni te。』。
(動詞の長音化) 〜(し)た(連体形)。
『動詞の連用形+aro』。
かこー:掻いた。
〜とーが 【複】〜(し)たが。
ありおーせのものうひょうらかごげーひっぴれいこんでしょってきとーが:ありあわせのものを弁当かごに拾いこんで背負ってきたけど。
とがあにてもかがあにても とにかく。兎にも角にも(当て字)。
この方言は標準語の語源を伝えている可能性がある。『とが何でもかが何でも』の意味と考えられ、『とか』(例示し列挙するのに用いる語。)に対する囃し言葉のようなものではないかと思われる。
どがんして 【複】どうして。どのようにして。
『どが(様)にして』。九州方言に似る。
とぎ よど
よどー
通夜。
『夜伽(よとぎ)』(死者を葬る前の通夜(ツヤ)。)。
どー どー 上着と襦袢との間に着る綿入れの防寒用の衣服。
『胴着・胴衣』。
とぎてでくると 【複】誘いに来ると。
耳には『とぎでて来ると』と聞こえる。その場合『説き出て来る』となる。
解説には『第二中止形といく・くるの組み合わせで目的を表す例。』とある。『とぎて』は『伽ぎて』。もともとは『話の相手をして退屈を慰めること』。『でくる』は『出来る』(出て来る)。現代風に言えば『説きに出て来ると』。
とーぎみ
とー
とーきみ
とー
トウモロコシ。
『トウキビ』はトウモロコシの別称。『黍・稷』(きび)は古くは、『きみ』と発音した。万葉集にもある。『とうきみ』の意味。
どく 六。
とぐ かそー 【動】誘う。
『伽ぐ』。
たなばたさまのまつりょでも、みーはしんのーかーい、てってとぎてでくると:七夕さまの祭りをでも、見に行かないかい、といって誘いにくると。 
どくがつ 六月。
どくろ
どくろー
どくろう
六男。
どぐーに どーだに
どーたに
【連用】どんなに。どのように。
『どが(様)に』。
どぐゎん
どぐゎんだ
どーだ
どーた
【連体】どんな。どのような。
『どが(様)』『どが(様)にてある』。。
どぐゎんして どーだにして
どーたにして
【連用】どんなに。どのように。
『どが(様)にして』。
どぐゎんすと どーだにすっと
どーたにすっと
【連用】どんなにすると。どのようにすると。
『どが(様)にすると』。
どぐゎんどう どーだな
とーたな
【連体】どんな。どんなである。
『どが(様)にてある』。『どう』『だら』の連体形。
どけいかでかけやるのうてゆと 【複】どこへでかけなさるのかなというと。
解説には『どけいか:do#kei=ka dekakejarunou疑問のカによる係り結びで、連体形で終止する。ここでは直接のたずねだが、独言も可。』とある。
茨城でも『どげーが・どごいが・どごにが・どごへが』は使われるが、係り結びは薄れせいぜい『どげーがでがげる』(どこかに出かける?)『どげーがでがげんのがー』(どこへ出掛けるの)『どげーがでがげっかー』(どこかに出掛けようか)等の言い方が残る。
どこー どごー どこを。
擬似長音化。格助詞が隠れる。
〜とこー 【複】〜(し)てある。〜(し)ている。〜(し)ておいた。
『〜(し)ておく』の連用・連体・未来形。
かくまっとこう:かくまっておいた。解説には『かくまっておきあろ』の意味と言う。
かけとこー:掛けておいた。
されーとってこー:攫い取っておいた。解説には『sarawi tori te oki aro』とある。
どこそこどんねい どこそこ殿の家。
茨城で言えば『どごそごどんない・どごそごどんねー』
どこにか どごにか 【複】どこかに。あるところに。
どこのか どごのか 【複】どこか。
どごん
どごんだ
【連体】どんな。
『どが(様)』『どが(様)にてある』。
どごんどー 【連体】どんな。
としぇい 世渡り。なりわい。生業。
『渡世』。拗音化。
としがみさま としみさま 年神。歳徳神。正月の神様。
もともとは『暦注の一。その年の福徳をつかさどる神。この神の在る方角を明(アキ)の方または恵方(エホウ)といい、万事に吉とする。としとくさん。』である。多く正月の神様を言う。
としとり としとり 節分。
どうしん
どーしん
どーしに
どーしに 【副】一緒に。
『同士に』の意味。江戸時代からある東国語。『ん』は『に』の音便。
したべでめならべとどうしんたんごうおれんのーで:里で娘たちといっしょに丹後(黄八丈)を織れないので。『おれなこにて:oreNno:de<*orenako ni te。』。
とーしみ
とうすみ
とーすみ 灯心。
『灯心(とうしん)』の転。広辞苑には『とうしみ:(シミは字音シンのンをミと表記したもの。古くはトウジミとも)』とある。神奈川でも使われる。
〜どーじゃのー 【複】〜だ。
★家の人は、おめーらだろーどーじゃのー
どじょーめ
どんじょめ
どんじょーめ
どじょーめ ドジョウ。
としょり としょり ・年寄り。
どーじん 老人。
どーそく
どうそく
ロウソク。
〜どーだーよー 【複】〜だよ。
★おめーはこの仲間に入っちゃだめどーだーよー
どっこ どっこ 【代】どこ。
『何つ処(どつこ)』すなわち『何の処』を思わせる。
とっちゃん とっちゃん 父。
とっで 【複】飛んで。
〜とってー 【複】〜(し)て。
『〜ておいて』かどうか不明。
なおなおとーあけとってー、かつーつりーでてきて:なおさら戸を開けて、カツオ釣りにいってきて。
〜とっていせい 【複】〜てさえ。
形容詞の連用形に付く。語源不詳と言う。『〜にありとてさえ』の意味か。
からだがよわくとっていせい:体が弱くてさえ。
〜とーで 【複】〜(し)たので。
『〜どぁよんて』の『た』形が変化したもの。『〜にてあるによりて』か。
むちゅーんなって、おろまんひょうらどきが、ひっつぎとーで:夢中になって織るあいだにお昼時が過ぎてしまったので。
そのあしんひっくりかけとーで、おめいばーてよごんならっていに:その、足に引っかけたので、「思い葉」というようになったそうだし。
はねくんで、ふんばろなせん、そのふんどうしが、はぎめかーひっきれて、ぶっこてとーで:取り組んで、ふんばる拍子に、そのフンドシが、接ぎ目から切れてしまって、落ちたので。 
〜とてい 【複】〜(し)てから。
『〜にてよりて』『〜にて故』か。
たんごう、ひとおもてでもおっとてい、いこじゃーてって:丹後(いまの黄八丈)をひとおもて(一回巻きとる分)でも織ってから行くね」といって。
とと
ととー
ととう
ととうさま
ととうどの
ととさま
ととーさま
とーどの
とどー
ととー
父。
とーとーめ
とぅーとぅーめ
とっとめ
とどめ
ととめ
ニワトリ。
〜どーに 【助】〜ども。
変則形。『〜にてあるに』。
あめはふれどーにみちはそぐわーにわるくはなきゃー:雨は降るけれど道はそんなに悪くは無い。
〜とは 〜どは
〜とは
【助】〜と。〜とすると。〜たら。
標準語では『〜ということは』の意味で、主格的に使われるが、この方言ではあくまで順接の接続助詞として使われる。
この場合の『と』は接続助詞のうち『用言の終止形について、動作と動作とが引きつづいて起ること』の意味。『は』は、他ととりたたて区別する場合の格助詞。標準語では、『これを遣らないとはこまったものだ。』などと言う。
茨城方言の感覚では、『〜というのは』の意味である。『そーだごどすっとはかーちゃんがおごっぺ』などという。『は』は、本来『わ』の発音だが『ha』の場合もある。
これであたまがまっとぼーけとはたいへんだら:これで頭がもっと大きかったら(大きいと)大変だ。
みんなどけい・ふれが・もーるとは:みんなの所へ触れが回ると。
ひとつぶもあめがふりんのーとわ、そのこーがかれてそらがあわれろで:一粒も雨が降らないとその川が枯れて、そら(二人)が会えるので。『そら』は『其等』。
じんじょうめーれよう、てってぐすぐるとは:たくさんお食べ、といってくすぐると。
そのおやにそうだんすとは:その親に相談すると。
とびて
【複】駆けて。跳んで。
『跳びて』。半濁音形は茨城方言でも良く見られる。
どぶつけ どぶづげ
どぶづけ
どぶつけ
糠みそ漬け。
とぼう とぼ
とぼー
入口。『とぼくち・とぼぐち』
どら どら 【感】どれ。
とらめーる とらめる
とらめーる
【動】捕まえる。
とらろあが 【複】取ったけど。
わごあもとらろあが:私のも取ったけど。
とり とーり 一人。
一は『ひ・ひい』である。十は本来『とを』であるが『と・とお』とも発音する。そうなると、一を『ひと』と言うのは一の位の『十』の意味であるとも考えられる。
とりでに:ひとりでに。自然に。
神様がとりでに教えてくれるものどうじゃあんでもかんでも神様がとりでに教えてくれろわ
とりめ とりめ 鳥。
茨城ではニワトリも指す。
とりはんれる とりはれる 【動】取り損なう。
〜どーん 【複】〜だけど。
とん とん 【動】尖らす。
どんご
どんこ
とんこ
どんござる
馬鹿。
あっめのどんご:赤ん坊の馬鹿者。
わー、ふじゃけなー、目がつぶれるよ、撮るよ、と言ってから撮りやれ!どんご。
どんざ
どんざぼろ
ひどく襤褸なこと。刺し子。
『方言学概論』では一括して『東北(秋田以外)・千葉・八丈島・佐渡・静岡・石川・福井・三重・和歌山・兵庫・山口・香川・愛媛・高知・九州(宮崎不明)にあり、意味は所により色々だが、襤褸を刺し子にした仕事着の意味が元だろう。』とある。
どんざ:仕事着:岩手・宮城・福島・千葉・静岡・山口・高知。
どんざ:襤褸:八丈島。
どんざ:どてら・掻巻:和歌山・大阪・鹿児島。
とんじょー
とんじょーばな
三つ口。
『兎唇』(としん)とも言うことから、『唇』の字を『辱』(じょく)に読み間違えたか。『兎条』の意味か。
どんじょー
とんぜう
【感】子供を賺しなだめるときの言葉。
『言語調査』には『子供をおどしとんぜうにかませると云。』とある。
とんだ 襤褸な様。『どんざ』。
とんめて
とんめてい
早朝。
古語の『つとめて』の転。琉球方言では『すとみて』
とんめてい、神子ノ浦しゃんげぇ大分県の漁船が来ていとうじゃ:朝、神子の浦の方に大分県の漁船が来ていたよ。



なあー なー 縄。
〜ない 〜ない 【助】〜ねえ。
『なや』が訛ったと考えられる。
なぉ 【感】また。ね。なあ。
『のう』。興味深い方言。『のう』の原型とも考えられる。現代語の『それでね』に当たる。茨城方言では『なーよ』に当たる。
〜なか
〜なかー
【助】〜ない。
九州方言と同じ。
きんなかなー:来ないな。
できんなかーてって:出来ないと言って。
なか 娘。長女。次女。四女。五女。六女。次男。
基本的には長子・末子に対して『中』の意味と思われる。兄弟の構成によって様々な意味になってしまったものと見られる。
なかいび ながいび
なかいび
中指。
ながし
なかし
南西の風。西風。
広辞苑には『流し:(千葉・静岡・伊豆諸島などで) 夏の、南寄りの風。』とある。
なかどの
なかめ
娘。
なかーば 【複】なければ。
『なくば・なからば・なくあらば』か。
〜ならに 〜ならに 【助】〜ながら。
『〜ながらにして』の短縮形か。標準語では『のままで。』の意味で『涙ながらに』等で使われる。。
〜なぎ 【助】@〜ながら。A〜共。
みんななぎ:皆。
なぎゃー
なげー
【形】長い。
なく 【動】あざける。馬鹿にする。
〜なこ 【助】〜ない。
連用形・連体形。
もどしはしんなこどあじゃ:戻しはしないんだよね。
なす なす 【動】生む。
青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島・茨城・千葉・栃木・八丈島・新潟・奄美大島・沖縄。
なつき 眉間。
本来は、『なずき』で、頭を差す。茨城では頭をなずき、なつき』と言う。
なっきゃ
なっけ
【形】無いの連用・連体形。
昭和じゃあなっけよ:昭和じゃないよ。
そぐゎーにさみーことはなっけが:そんなに寒いことはありません。
なっこうば 次女の叔母。
『中子叔母』の意味か。
なつこば 叔母。
なっとう 【複】なってくれ。なって欲しい。
依頼形。語源不詳とされる。標準語の『さあ買った買った。』の言い回しに似ている。
なでーし 稲からモミをすり落とす簡単な道具。
『撫で石』の意味か。
ななちゃん 『奈良茶碗』。
なぬか なぬが 七日。
なばたけ 野菜畑。
辞書に無いのが不思議な言葉。
なびー(て) 【複】隠して。
『なぶして(nabi:<nabusi(te)。)』の意味と言う。『なぶす』は辞書には無く『名伏す』意味か。
なぶす 【動】隠す。
『ぶ』と『む』は音通するので、『無く』の音便形の『のう』が『なん』(無い)に通じ、『なふ』が『なぶ』に通じて、『無くする』意味が『なぶす』になったと見られる。
なぶりっこー かくれんぼ。
なぶる
なぶれる
【動】隠れる。
なべこしき
なべこじき
なべこじきめ
なべこちき
なめくじり
ナメクジ。
『舐め拗き』の意味か。
なまひ 生乾き。
『生干』の意味か。
なむら なむら 魚の群れ。
なめー なめー 名前。
江戸言葉。
ならい
ならいかぜ
ならえー
ならい
ならいかぜ
北風。北東風。
冬の太平洋側の季節風。『ならひかぜ』。
東日本共通の訛りとする辞書がある。広辞苑には『冬の強い風。三陸から熊野灘に至る海岸でいう。方位は地域により異なる。』とある。井原西鶴の『五人女』では冬に北東から吹く風とされる。
古語の『ならふ』は『慣れる・習う』の意味である。『並ぶ』にも通じ、地形の添った風の意味と考えられる。
〜なららば 【複】〜(に)なったら。『なるらば』。
12時になららばでかけるだら:12時になったら出かけるよ。
なり なり 形。服装。身なり。格好。状態。
なり 【複】〜ごと。
〜なりんなか 【複】〜なかるべし。〜(しては)いけない。
『〜にてあるにてなかるべし』の意味。
そんなことーしちゃーなりんなか:そんなことをしてはいけない。。
なる 【動】する。
日本語の動詞の活用形の成立の課程を伝える言葉。『する』『やる』に加えて『なる』があったと思わせる言葉。『為す』の語源か。
あねいが・なろー・ごん・なろだら・ようてって:ねえさんがしたようにするんだよ、といって。『naro:<*nari aro。スルの意味でナルが使用されることがある。narodara<*naro ni te aro wa。』とある。
そのほんこも・そごん・なって・てれー・いってその実子もそうやって、寺へ行って。
なれ 卑下する意味の、@自分。Aお前。
『己』の意味。相手を指す場合はけんか腰の言い方。
なれがあにんかもあがぼくなろに、さつまのしどでもけろじやなし:おっかあ、放っておいてくんなよ、俺は勝手に大きくなるよ。芋のしっぽ一つをくれる慈悲心もないくせに。
なれーかぜ
なれい
なれー 冬の太平洋側の季節風、冬の東北の風。
『ならい』が訛ったもの。
なろんないて 【複】なるから。
解説には『なろによりてて』とある。
なんがいしぼう 【複】『言語調査』によると『其方が手際にといふ事』とある。
なんしょ 菜園。
なんせ
なんな
兄。
『己の背』『汝の背』の意味か。
なんのげざり 【複】『言語調査』によると『ものを尋ぬるはそうではない云所へ用ゆ(何戯狭理)』とある。
なんのじょー なんのじょー 案の定。



にかん 蜜柑。
にぎり 右。
にくさ
にくさぶろう
ぶす。
にし にし 西風。『し』は風の意味。
にずぃ 虹。
『ずぃ』は『じ』の口蓋化しない音。東北方言にも見られ、茨城でも高齢者はそのような発音をする。
にち
にちしょ
にちっ
満潮。
にちる 【動】満ちる。
にっと 糞。
にっとうまる:大便をする。
にーて にーで 【複】煮えて。
にゃ
にやー
にゃー
にや
にゃ
にゃー
庭。
にゃー ない
ねー
苗。
〜にゃー 〜にゃ
〜にゃー
【複】〜なければ。
『〜にや(あらむ)』の変化したものか。
でーじん・して・そだてずにゃーてって:大事にして育てなくちゃ、と言って。
〜にゃ 〜にゃ
〜にゃー
【複】〜には。
〜にゃー 〜に
〜にぇ
〜にぇー
〜にゃー
〜にゃい
【助動】〜ない。
八丈島では『〜にゃー』形1本だが、茨城では『ねー』が一般的で、『民俗』によれば『〜にゃー』は久慈郡と新治郡に分布する。
あきにゃー:飽きない。
こけーきちゃーいけにゃー:ここへ来てはいけない。
これでよかんのーじゃにゃーか:これで良かろうじゃないか。
にゃっとり
にゃっとりめ
にやーとりめ
にやっとり
にやっとりめ
にやどり
にやとり
にゃーどり
にやどりめ
ニワトリ。
『にぉーとり』とも言う。
にやん 【複】何を。
茨城では『何』に当たる言葉ににゃに
にゃーに・にゃん』
があるが、『にゃん』は単独では使われない。
にゃんしょ 菜園。
にゅず 虹。
〜にょ 〜によ
〜にょ
【複】『何を。』の『にお』が一体化した形。日本語のイ段音が口蓋化しているので『j』音を含み、『o』と一体化して『jo』となる必然的なもの。
あにょしてあろ:何をしている。
あにょよ:何を言う。
にょう 【動】唸る。古語の『によふ』。
にょうご
にょこそうりょう
女の総領。『女御』。
にょこ 長女。
解説には『匂・子(niwo ko)からか。』とある。さらに四女・五女・六女を『くす・じーらお・くーるー』と言う。
にょこあっ 女の子。
『あっは広辞苑に『(仙台および山形・山梨県で) 口のきけない人。』とあり、茨城でも使われる。茨城では子供をけなす言葉として『あっし』がある。
にょごがしま 伝説にある八丈島の呼称。『女護島』(にょごのしま)。
『でいらほん通信拾遺30話』に、『八丈ショメ節に「南風だよ みな出て おじゃれ 迎え草履(ぞうり)の紅鼻緒(べにはなお)」というのがある。この歌詞は、徐福伝説に為朝伝説が接木された八丈独特の女護ヶ島(にょごがしま)伝説に由来するものである。すなわち、年に一度、南風が吹くころになると、女護ヶ島(八丈島)の女たちは、草履を作り、その鼻緒に思い思いの標(しるし)を付けて浜辺に並べておいた。その民譚によれば、南風が吹くと、男ヶ島(おんがしま、青ヶ島)から男たちが風に乗って船で渡って来る。女童(めならべ)は自分の標のある草履を履いた男と一夜の契りを結び、子どもが生まれると女児は島にとどめ、男児だと3歳までは母親のもとで養育したあと、男ヶ島の父親のもとへ送る。男女が二つの島に別れて住むようになったのは、同居すると、海神の祟りがある、といわれてきたからである。その悪習を改めさせたのが源為朝で、女護ヶ島と男ヶ島の人々の祖先は、方士徐福と共に蓬莱の不老不死の薬草を求めて秦を旅立ち、紀州の沖で漂流し、青ヶ島に漂着した男船500人と、八丈島に漂着した女船500人であるという。男ヶ島の男たちは、標の付いた「迎え草履」を、その後、どうしたのであろうか。それに関する後日談のような民話が、青ヶ島にはないのだろうか、と思っていた。そんなある日、青ヶ島の古老・菊池梅吉翁(平成2年、あと1ヵ月で100歳で逝去)が「女童が好きな男に贈る二階建ての草履があろわよ」と教えてくれた。昭和47〜48年ごろのことである。』とある。
にょこご 長女。長女の子。
にょこてこ 三女。
にょこどの
にょこめ
娘。長女。
にる にる 【動】(ご飯を)炊く



ぬいて ぬいて 【複】脱いで。
『脱ぐ』は、上代は『ぬく』で、平安時代以降は濁音化する。連用形の『ぬきて』が『ぬいて』とイ音便化したものあるいは『ぬきにて』が残ったと考えられる。
ぬき ぬぎ 軒。
ぬきだり 軒先。
『軒垂れ』の意味。茨城でも軒を『ぬぎ』と言う。
ぬきば 軒。
茨城では、軒端・軒下をぬぎば、ぬきば』と言う。
ぬく ぬぐ 【動】脱ぐ。
『脱ぐ』は、上代は『ぬく』。
ぬくとい
ぬくてー
ぬくとい
ぬくてー
【形】暖かい。
ぬくとまる ぬくとまる 【動】温まる。
ぬし ぬし
のし
お前。
『主』。
ぬぶり 幟(のぼり)。
ぬぶる
のぶる
ぬぶる 【動】登る。
茨城では『踏む』を『のぼる、ぬぶる』と言い、『踏みつける』を『ふんのぼる、ふんぬぶる』と言う。
ぬみ
ぬんみ
ぬんみめ
ぬんめ
のみめ
のんみ
のんめ
蚤。
茨城にあってもおかしくない訛り。段の違いこそあれ実質的に同じ。
ぬりー ぬりー 【形】温い。



暗礁。
ねー ねー @苗。A【形】無い。
江戸言葉。
〜ねい 〜ねー 【複】〜の家。
『〜な家』が訛ったもの。
〜ねーか 〜ねーが 【複】〜ないか。
江戸言葉。
ねこけ
ねつけー
ねっこ
ねっこい
ねっこい
ねっこけ
ねつこひ
【形】小さい。
『子っこい』。
ねじかね 六女。
『捩じ金』。
ねずみめ ねずみめ
ねずんめ
ネズミ。
ねっこうば 長女の叔母。
ねっこさま
ねっこーさま
ねっこーば
叔母。
ねっこめ ねごめ 猫。
ねねず
ねねずめ
めめず
めめずめ
ミミズ。
ねぶつ 念仏。
ねむた ねむた ネムノキ。
ねめる 【動】睨む。古語『睨める』。奈良でも使われる。
ねーや ねーやん 姉。
ねーる ねーる 【動】煮える。



のー 名。
もともとは『名を・名をも』の音便。格助詞が隠れている。
のー @縄。A菜。
ウ音便。格助詞が隠れていることがある。
〜の 【助】〜が。
主格を示す古い用法。
ここの方の静かでえー:ここの方が静かで良い。
〜のー 【複】ナ行活用動詞の連用形・連体形の活用部。
『なむ』(未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。)が変化した可能性もある。
しのー:死ぬ。
よかんのうじょうてって:いいだろうと、言って。『jokaNnouzjouteqte前半のヨカンノウは、joku aru nomoからの変化で、ノウは東国方言の推量ナムに由来。ジョウは語原不明。』とある。『ぞ』ではないか。
〜のー 〜のー 【助】〜のものを。〜のを。
おみゃーのーたもれ:お前のを下さい。
〜のー 【複】〜(し)ない。〜(し)ないよう。
ぶっちゃりんのー:捨てないよう。『buqcjariNno:<*buqcjari nako。』。
なるたけひとにみられんのーところで:なるべく人に見られないところで。
あいだんのーじゃ:あれじゃない。
のー
のあ
のあー
のう
【感】また。ね。なあ。
『なぉ』の音便形と考えられる。興味深い方言。現代語の『それでね』に当たる。『う』は長音発音ではなくそのまま発音される。茨城方言では『なーよ』に当たる。
それからのーこれーはあだんしーたすか:それからね、これはどのように致しますか。『言語調査』では『それからのー』を『それからして』と訳している。接続助詞の『して』は古い言葉で『そして』の意味である。
★やれやれ残念だのぁー
〜のぁーし 【複】〜(する)ものか。
ナ行活用動詞の活用部『〜な』に『し』(候が変化したもの。)がついたものか。
まだまだしのぁーし:まだまだ死ぬものか。
〜のが 〜の 【助】〜の。〜のもの。
二重表現。茨城特有の方言と思っていたものが、八丈にもある例。解説には『ノガワは「ののは」に対応。つづくヤドノとともに, 主格の二重表示になっている。』とある。
〜のーが
〜のーか
【助】〜だろうが。
強調した推測。『のー』は『らむ』の東国方言形『なむ』(未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。)が変化したもの。
どーだそこにあんのーが:どうだそこに有るだろうが。
やめのーが:止めるだろうが。
おっかなかんのーが:怖いだろうが。
ぼーかんのーが:大きいだろうが。
★おめーらが勝手にそごんしたんのーか:お前達が勝手にそのようにしたんだろうが。
〜のぐゎー 〜の 【助】〜の。〜のもの。
学校のぐゎー借りる:学校のを借りる。
のこ 尻。
〜のーごー 〜の 【助】〜を。〜をば。〜は。
『のーごー』は茨城では『〜のを』に当たる。この場合は『が』に続く体言が隠されているので、茨城では普通『おれのてーごを』と言う。八丈方言風に無理に作れば、『おれてーごのを、だれがかーをぶっちゃぶいだ』となる。
標準語にもあるいわゆる名詞句外所有構文では『私はお前が嫌いだ』のように主格で使われるので、この例は主格とみることもできなくはない。主格の格助詞『は』がつく例もある。
わがてーこーのーごー、だいかこーよぶっちゃばから:私の太鼓を、誰かが皮を破いた。
このほんのーごー、ひょーしがきぞめだら・このほんは、ひょーしがきぞめだら:この本は表紙が黄色い。
ねっこめのーごーは、おぼーひっらら・ねっこめいは、おぼーひっらら:猫(を)は、しっぽを引っ張った。
〜のーじゃ 【助】〜だろう。〜でしょう。
『のー』は『らむ』の東国方言形『なむ』(未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。)が変化したもの。
こぐわんだんのーじゃ:こんなようだろう。
これでよかんのーじゃ:これで良いでしょう。
これでよかんのーじゃにゃーか:これで良かろうじゃないか。
よかんのうじょうてって:いいだろうと、言って。『jokaNnouzjouteqte前半のヨカンノウは、joku aru nomoからの変化で、ノウは東国方言の推量ナムに由来。ジョウは語原不明。』とある。『ぞ』ではないか。
ひどけめんあわんのーじゃ:たいへんな目にあっただろう。
おまいがいつもしょかんのーじゃ:お前がいつも知っているだろう。
のっとう 糞。
〜のーと 【助】〜と。
『のー』は『らむ』の東国方言形『なむ』(未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。)が変化したもの。
こごん、大変な事件を見んのうと。おめえも見やれにぃ:こんな大事件は見ないと。お前も見なさい。
〜のーに 【助】〜のに。
偶然現代語形に似た形。『のー』は『らむ』の東国方言形『なむ』(未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。)が変化したもの。
しんのーに:しないのに。解説には『しなこに(si nako ni)』とある。
まだ・ほうちょうよ・あても・しんのうに:まだ、包丁を当てもしないのに。
〜のーわ 【助】〜だろう。
『のー』は『らむ』の東国方言形『なむ』(未来の推量・決意・勧誘・可能・適当の意を表す。)が変化したもの。
きんのーわ:来ないだろう。
ぼーかんのーわ:大きいだろう。
のま のま 沼。
神奈川でも使われる。
のんの 叔父。



叔母。
〜は 【助】〜は。
『〜をは』の転じたものとされる。
ばー
ばあ
老婆。祖母。
はー
はあ
はーさん
はーちゃ
母。
ばー 【感】まあ。
ばーはー:もうねえ。
ばーはー、こいがのぉー:もうねえ、こいつがさあ。。

はー
はら
はーら
はりゃ

はー
はーや
はーやー
【副】もう。
はらの:もうね。
ばあめ うなめ
おなめ
おんなめ
雌牛。
ばい お婆さん。『婆や』が訛ったものか。
はいく はいぐ
はいく
【副】早く。
はいりぐち 上がり口。
はいり:岩手・秋田・八丈島。『入る』の古形は『這い入る』だから、『這い入り口』の意味と考えられ、この方言はかなり古い言葉を伝えていると思われる。
はかしょ はがしょ 墓地。
かまどで使うご飯用のつばのある釜。飯炊き釜。
『羽釜、歯釜』。古語辞典では上方方言とある。
すね。
『脛』。
はぎる 【動】細かく切る。
茨城では『切る』意味。
ばく 象皮病。
小島に多かったという。広辞苑には『象皮病:(elephantiasis) 慢性のリンパの鬱滞、リンパ管の閉塞などにより、体の一部の皮膚・皮下組織が厚くなって象皮状を呈する病症。多くは陰嚢・下腿に起る。熱帯性象皮病はフィラリアの感染によるものが多い。』とある。
ばくろ ばぐろ
ばくろ
ばぐろー
ばくろう
ばぐろーさま
ばぐろーぶぢ
ばくろーぶぢ
仲買人。
『博労、伯楽、馬喰』のこと。放送禁止用語。
はげだん 禿頭。
『禿げランプ』の意味。
はごー 【複】接いだ。
連用・連体形。『接ぎあろう』の意味と言う。
はこべら ハコベの古称。八丈島ではオオバコを指すことがある。
ばさま 祖母。
はじましい はじましー 古い言葉の『恥がまし』。
はしこい はしこい
はしっこい
【形】賢い。
はしりっこ はしりっくら
はしりっこ
かけっこ。
『走り競べ』。
はたくっと 【複】叩くと。
民話の文章では『はたくと』とあるが、録音では『はたくっと』と聞こえる。茨城方言に酷似している。
はたこわ 【複】たたく。
これんこーあわせて、はたこんだんねー:これにこそ合わせて、たたくんだよ。
はちめ ばぢめ
はぢめ
蜂。
ばっため
ばっとめ
ばっため バッタ。
はつちやう
はっちょー
はっちょう
はつてう
はつてふ
はつてょう
八男。
八丈の語源とされる言葉。
ばっば ばっば
ばっ
ばっやま
ばっやん
祖母。乳母。
茨城では祖母のみを指す。八丈島では主に乳母を指す。
ばどの 叔母。
はとめ はどめ 鳩。
はなちち
はんちち
へなちち 粘土。
『へなつち』。粘土は『埴』(はに、へな)とも言い、古い言葉。
はねくむ 【複】取り組む。
茨城では『はねる』は『@据え付ける、仕掛ける、設置する、A準備する、B始める』意味。
はねくまらっていが:取り組んだそうだが。『跳ね組みありあるていうが(hanekumi ari aru te jo ga。)』の意味。
ばめ
ばーめ
雄牛。雌牛。
ばめのこ 子牛。
はーよー はーよー 【複】もうねえ。もうさあ。
ばら ばら とげ。
はら
はーら

はー
【副】もう。
はらー はらー 【複】腹を。
擬似長音形。格助詞が隠れる。
はらごんなって 【複】実が入って。
訳は『資料』による。前後関係から『はら』は『もはや』が訛った『はー』(もう)の意味で『ごん』との間に何かが、例えば『こ』が略されていると思われる。『もうこのようになって』の意味。
はなち カツオの脇腹の脂身を言う。千葉では『はらも』と言う。
ばらでんしん 有刺鉄線。
『ばら電線』の意味と考えられる。茨城の似た訛りとして『伝染病』を『でんしんひょー』がある。
はらめ
はらめおんなご
妊婦。
はる 養蚕。
はんけになる 【動】おどける。
ばんりょー 魚篭。
茨城ではカツオを入れる籠を『ばんりょー、はんりょーかと言う。



ひあしめ
ひやし
ひやしめ
ひゃーし
ひゃーしめ
蟻。
ひぁーめ
ひやーめ
ひゃーめ
へーめ ハエ。=『へえめ』
ひい ひい 稗。
ひいっとひ ひして
ひしてー
ひひて
ひひてひ
一日中。
『ひひとひ(日一日)』。
ひいる
ひいるめ
蝶。
蛾の古形は『ひひる』。
ひざかぶろ ひざかぶら 膝。
『膝頭(ひざかぶ)』自体が今では死語となってしまっている。
ひさめる 【動】片付ける。
ひじのこ ひじっこぎ 肘。
ひじゃ ひじゃ 膝。
ひち ひち 七。
ひちや ひちや 質屋。
ひっかじむ 【動】かじかむ。
ひっかする 【動】忘れる。
茨城方言に似た接頭語の使用。『かする』は茨城では『霞む、ぼんやりする』意味。
ひっかすらあてー:忘れてしまって。
ひっかとぐ ひっかづ
ひっかづく
【動】担ぐ。
茨城方言似た接頭語の使用。
ひっきじゃむ 【動】切って細かくする。
『引き刻む』意味。拗音化。茨城方言似た接頭語の使用。
ひっきる ひっきる 【動】引き切る。
ひっきれる ひっきれる 【動】切れる。
ひっく ひっく 【動】くぐる。
ひっくるかける 【動】引っ掛ける。
ひっくれる れる
ひーくれる
ひっくれる
【複】日が暮れる。
びっご
びんご
芯。
ひっころがす ひっころ 【動】転がす。
ひっさらう ひっさらー
ひっつぁらー
【動】引っ攫う。
ひっちかあーめて 【複】引き止めて。
『引っ掴まえて』。
ひっちゃくる 【動】掬う。
茨城方言似た接頭語の使用。
ひっちゃぶく ひっちゃぶく 【動】破く。
ひっちょう ひっちょう
ひっちょー
しっちょう
しっちょー
【動】背負う。
ひっつぁく ひっつぁぐ 【動】引き裂く。
ひっつぎる 【動】過ぎる。
茨城方言に似た接頭語の使用。
むちゅーんなって、おろまんひょうらどきが、ひっつぎとーで:夢中になって織るあいだにお昼時が過ぎてしまったので。
ひっつれる 【動】惚れる。
ひっしゃげる しゃ 【動】潰れる。ひしゃげる。
ひっれいこむ ひっらいごむ
ひっれーごむ
【動】拾い込む。
茨城方言に似た接頭語の使用。
ひど 【形】甚だしい。過度である。
『酷い』の連用形。
『酷算段』(ひどさんだん)という言葉があるように、古くは使われたと思われるが本来はウ音便の『ひどう』であろう。ただし今でも関西では聞かれる。
古語辞典を調べると『ひどし』はなく『ひどい』があり、近世語のようである。
どこのかてごめが、ひどやまじゃさかしくて:どこかの三女が、たいそう山では賢くて。
ひとさしーび ひとさしいび
ひとさしえび
人差し指。
ひとったり ひとたり
ひとったり
ひとたれ
一滴。
『一たらし』。『ひとつ垂り』『一垂り』。
ひとっ ひとっ 一葉。
ひとよせ ひとよせ 会合。
『人寄せ』
ひのひぼ 火事。
茨城では炎を『ひぼい』と言う。
ひまーかく ひまかぐ 【複】暇がかかる。隙を欠く。
ひまーかって:時間がかかって。
ひゃっこい ひゃっこい 【形】冷たい。
ひょうがれ ひょうきん者。
ひょうう
ひょうら
ひょーら
ひょーろー
昼食。
『兵糧』が訛ったという説がある。
ひよっこめ
ひよめ
よめ
ひよこめ
ひよっこめ
ヒヨコ。
ひる ひる
ひりだす
【動】体外に出す。
『放る』。
ひーる 【動】叫ぶ。愛知でも使われる。
ひーるめ 蛾。蝶。
蛾の古形は『ひひる』。
ひれい ひらい
ひれー
拾うこと。
ひんなる 【動】なる。
茨城方言似た接頭語の使用。
ひんむしる ひんむしる 【動】毟り取る。
茨城方言似た接頭語の使用。
ひんも ひんも 【動】もげる。
茨城方言似た接頭語の使用。



ぶうぶうめ
ぶうめ
ぶーぶ
ぶーぶめ
豚。
茨城では幼児言葉。
ふくで ふくで
ふくでもぢ
ふくでん
丸い餅。
『福手』『ふくだもち』『福田』。本来は鏡餅を言う。
ふぐめ フグ。
ぶげん 財力のあること。また、その人。富豪。金持。ぶげん者。
『分限』(ぶげん、ぶんげん)。ただし八丈方言では濁音。
ふじゃけなー 【複】ふざけるな。
ふじゃあけなー。けいは凪だらら。
ふたい ふたい 二人。
r音の欠落。
ふたいで:二人で。茨城では『ふたんで』とも言う。
ぶため ぶだめ 豚。
ぶちうまる 【複】埋まって。
茨城方言似た接頭語の使用。
ぶちうまって:埋まって。
ぶちぎね ぶぢ 打杵。
茨城同様『打ち』を『ぶち』と発音する。
ふちてーごー 【形動】縁いっぱい。
ぶっかさなる ぶっかさなる 【動】重なる。
ぶっくずす ぶっくずす 【動】崩す。
『打ち崩す』。
ぶっくろーせる ぶっくらせる
ぶっくらーせる
【動】殴る。
『打ち食らわせる』。
茨城方言似た接頭語の使用。ただし、茨城弁にウ音便はほとんどない。
ぶっけずる ぶっけずる 【動】削る。
ぶっこつく ぶっこづぐ 【動】小突く。殴る。
『打ち小突く』。茨城にもあって当然な言葉。茨城でも『小突く』を『こつく』と言う。
ぶっこっちる
ぶっこてる
ぶっこる
ぶっこでる
【動】落ちる。
『落ち来つる』『打ち来つる』意味か。
ぶっこて:落ちて。
ぶっこてとーで:落ちたので。『ぶっこててあろにて:buqkoteto:de<*buqkotete aro ni te。』。
はねくんで、ふんばろなせん、そのふんどうしが、はぎめかーひっきれて、ぶっこてとーで:取り組んで、ふんばる拍子に、そのフンドシが、接ぎ目から切れてしまって、落ちたので。 
ぶっちゃかれる ぶっちゃがれる 【動】裂ける。裂かれる。
実質的に同じ。
そのももは、まったつん・ぶっちゃかれて:そのモモは、真っ二つに裂けて。
ぶっちゃげる 【動】裂く。割く。白げる。
茨城では自動詞形の意味。
けーごうで・はしかきおていて・うすで・ぶっちゃげて:貝殻でかきおとして、臼でしらげて。
ぶっちゃられんなかーて 【複】捨てられないからと。
九州方言に似る言い回し。
ぶっちゃる
ぶっつぁる
ぶっちゃる 【動】捨てる。
『打ち遣る』。八丈方言は語法の特性を中心にもてはやされているが、『うちやる』とは、平安期の言葉に発し、接頭語としての『うち』に二つの意味が有り、『内』と『打ち』の意味がある。この場合は『打ち』の意味である。
ぶっちゃった:捨てちゃった。
ぶっちゃりーは:捨てては。
ぶっちゃろごんなって 【複】捨てるようになって。
『捨てる』は茨城で『ぶっちゃる』と言う。『ぶっちゃろう』はそのウ音便と考えられる。茨城方言で『ぶっちゃるごんなって』は『捨てる事になって』の意味。『ごん』は 解説では『がやうに(goN<*ga jau ni。)』とある。
ぶっちょれる ぶっちれる
ぶっちょれる
【動】千切れる。
ぶっちれる ぶっちれる
ぶっちょれる
【動】ばらばらになる。
実質的に前項と同じ。茨城に逢ってもおかしく無い言葉。
ぶっとめる ぶっとめる 【動】止める。
茨城では節分の豆まきの言葉に使われる。
ぶっ ぶっぱが 【動】剥がす。
ぶなり うなり。
茨城では動詞形の『ぶなる』がある。
〜ふーに 【複】〜(する)ように。
『風に』の意味だが、標準語では通常形容詞に付ける語法は無い。
メガネ橋がなっけふうになってしまらら:メガネ橋が無くなってしまった。
ぶよめ ぶよめ 蟆子・蚋(ぶよ、ぶゆ)。
茨城ではヌカカも指す。
ふりー ふり
ふりー
ふーり
ふーりー
篩。
ふるしき ふるしき 辞書掲載語。
標準語の中の訛り。江戸言葉か。
ふん
ふんごん
ふん
ふん
股引(ももひき)。
『ふんごみ(歌舞伎で、女形が脛を隠すために着ける紅絹の股引きのような衣装。)』(大辞林)が訛ったと考えられる。
ぶんなでとる 【動】(籾を)落とす。
『撫で取る』意味。茨城方言似た接頭語の使用。
ぶんなべ べづなべ 別鍋。



へー へー ハエ。
へいくるう 【動】吠え立てる。どなる。
『吠え狂う』意味。
へいてい
へぇてぇぶり
久しぶり。長い間。
へいる
へいるめ
蝶。
『ひーるめ』。蛾の古形は『ひひる』。
へいる へーる 【動】叫ぶ。喚く。
『吠える』。『ひーる』とも言う。
へえめ
へーめ
へーめ ハエ。
へーから ほいがら 【接】それから。
一般に『それ』を『ほれ』と言うのは関西方言とされる。
へぐり
へっくう
へっくり
へっそう
へっとり
けっく
けっくり
しゃっくり。
へげ 髭。
へーしめ 蟻。
ひあしめ、ひゃーし、ひゃーしめ』
へせーつける 【動】押さえつける。
『圧しつける』。
へた 良く無いこと。転じて貧しいこと。
へだか 背中。
『背中』を『へなか』と言うのは東北方言。
へっぞ 赤とんぼ。
へっぞ
へっそめ
へっちょめ
へっつ
トンボ。
へっちぅだん
へっちゃご
へっちゅーだ
へっちゅーだい
へっちょーご
へっちょーだ
ブランコ。
解説に『ヘッチューダ:ブランコのことで,押し[革秋][革遷](ヘシシュウダン)からか。』とある。
へっちょご
へっつ
へっちょ 臍。
べなる ぼなる 【動】泣く。
べね べね 紅。
べねざら 紅皿。
茨城でも紅を『べね』と言う。
へびめ
へぶめ
へみ
へびめ 蛇。
へびら
へびろ
へぶら
へべら
へへら
へべろ
男の着物。
英語由来か。
べべいめ
べべめ
カマキリ。
へーやんご 私生児。
『庇間の子(ひやしのこ)』。
へら へら シャモジ。
『箆』。
へーりぐち 上がり口。
茨城では入り口を『へーりぢ、へーりくぢ、へーりくち、へーりっくぢ』と言う。
へーる
へぇーる
へーる 【動】叫ぶ。喚く。
『吠える』。『ひーる』とも言う。
へいながー:叫びながら。
そごんへーるな:そんなに喚くな。
ひーくるー:泣き狂う。叫び狂う。
おっーくるって:叫び狂って。
なきひーくるって泣き叫んで。
へーる へーる 【動】入る。
★(茶が)へーてあれどー:入っているけれど。
べーる
べぇる
【動】濡れる。
へーるめ 蝶。
蛾の古形は『ひひる』。



ほー
ほあがら
ほう
ぼう
ほうどの
ほふ
ほわ
母。
ぼーい
ぼうけ
ぼうち
ぼおい
ぼーけ
ぼをい
【形】大きい。
おをし→をうし→ぼーいと変化したとされる。
茨城でも八丈島でも『沢山』を『もー』、連用形を『もーに』とも言う。マ行音とバ行音は音通することから、『もー』が転じた可能性もある。
ぼうく:大きく。
ぼーうけ・ぼおけ:大きい(連体形)。
ぼーえ・ぼおえ:大きな家。
ほいかー ほいがら 【接】それから。
茨城では『ほいがら』と言うが『ほいがー』と言う人もいたと記憶する。ただし『ほいから』は広域方言である。標準語の口語でも『そいから』と言う事がある。『それで』を『そいで』とも言う。『い』と『や』は通ずるため関西弁の『そやから』と繋がる。
ほいじゃ
ほいじゃー
ほんじゃ
ほんじゃー
ほんでは
【感・接】それでは。
標準語圏でも使われる。
ほいじゃ、わらわいでいこんてよい、てっていくとは:それじゃ、私は私で行くからね、といって行くと。
『よい』は古くは『よや』だったと思われる。『い』はもともと『や・よ』で『よい』は二重表現とも思われる。
ほー
ほう
【助】しかた。やりかた。
『方』。
テレビはよっけどうが、みほうがなっきゃ:テレビは良いが見ようが無い。
あが作りほう知りんのうて:私は作り方を知らないので。
おろーほーなっけひとも:織り方を知らない人も。
ぼうたい 【形】この上なく大きい。
ほうべえ 友達。
『朋輩・傍輩』(ほうばい)。
ぼうまめ ソラマメ。
ほえる ほいる
ほえる
【動】大声で喚く。吠える。
ほきる ほぎる
ほきる
【動】芽生える。育つ。
関東方言。
ぼくなろに 【複】成長すると。大きくなると。成長して。
ぼくぼく
ぼくり
ぼっくり
下駄。
『木履:ぼくり・ぼっくり・ぽっくり』。
ほげちらす
ほげる
【動】散らす。
ぼち 足。本土にも似た方言がある。
ぼちゃける 【動】飽きる。
ほーちる 【動】解説に『桑の葉がたくさん入るように,板などを籠の内側にはるようにして高くすること。「封じる」からか。』とある。
ぼったら 太っている人。
ほっちき 本当。
ほとおる ほどる
ほとる
【動】火照る。
辞書には『【自五】(ホトホルの約) 熱気が発する。あつくなる。ほてる。』とありより原語に近い。現代語では『熱』(ほとぼり)が残る。古形は『ほとほり』。
ほとーりーたつじゃ:お暑うございます。
ほところ ほところ 懐。
『俚言』には『ほところ:俗に懐をほところと云。』とある。
ほとばかす 【動】ふやかす。『潤ばす』の他動詞形。
ほーびぃやー
ほーびゃー
ほーべー
友達。
『朋輩・傍輩』(ほうばい)。
ぼら
ほら
ほら 谷。
『洞』(ほら)の濁音化。複合語では濁音となる。
ほんこ 実子。
『本子』。
ほんこー 私生児間の子。
んどりめ んどり アオバヅク。



今。
ぼーさまはまはなっけどうじゃ:坊様は、今は居ないよ。
まに:今に。
まんだーと:今だと。
まんの:今の。
まんまで:今まで。
まあ 父。
山形・福島・富山・石川でも使われる。
まあせせべい 【複】『言語調査』には『人に物を好れてつかわさざんと云ふに用ゆ。』とある。『回してあげよう』すなわち『回しすべい』の意味だとすると八丈島にも『べい』があったことになる。『言語調査』にある唯一の『べい』と考えられるもの。
まあみ 【形動】速い様。
まあみに:速く。
まあみにこい:速く来い。
まあみにまあみに:速く速く。
まいだま まいだま 繭玉。
まいれ 【複】召し上がれ。
『参る』の命令形。
まいわい まんいわい 染め出しの大模様をつけた大漁着。
広辞苑に『間祝・真祝・万祝(まいわい・まんいわい):@大漁があった漁業主が関係者などを招いて祝宴を開くこと、大漁祝、Aめでたい紋様を染めた祝着、間祝着、また、そのような染めもの』の意味とある。
まえ まえ 繭。
まえじらし 前兆。
『前知らせ』。
まくらかす 【動】落とす。転がす。
『捲る(まくる)』には『追いのける』の意味があり、その他動詞形と考えられる。
まくらけーて:落として。『makurake:te<*makurakasi te。』。
まぐれる 【動】気絶する。
まくい:転ぶ:鹿児島。
まくらかす:転ぶ:八丈島。
まぐるる:鹿児島。
れる:岩手・宮城・八丈島・長野。
れる:目がくらむ・めまいがして倒れる:
れる:気絶する:宮城。
まぐれる:佐賀。
まぐれる:気絶する:愛知・佐賀・鹿児島。
まくれる:転ぶ:愛知・福井・滋賀・奈良・和歌山・兵庫・島根。
まるげる:転ぶ:山口。
まじー まじー 【形】まずい。
逆行同化。
まじかす 【動】無くす。
『紛る』『混じる』の擬似他動詞形。
まじく 【動】人を呪う。
茨城では『悪口を言う、いじめる、馬鹿にする』の意味。『蠱る(まじくる)』(まじないをして災いにかからせる。まぎらかす。ごまかす。)『蠱凝る(まじこる)』(呪いに熱中する。)。
まじにゃー
まじねー
まじねー 呪い(まじない)。
まじゃける 【動】無くなる。
『混じる』の擬似自動詞形。
まじらかす
まじれる
ましれる
【動】無くなる。
『混じる』の擬似他動詞形。
まだちーと 【副】まだ少し。
『まだちいと』。
またら 模様。
まだら 女の着物。模様のある着物。晴れ着。
まちる まっちる 【複】待つ。待ってる。
『待ち居る』。
まちろ まっちろ 【複】待っていろ。
まちろみー・ももたろうお待ち、桃太郎。解説には『maciromi:ミーは命令形や依頼形にのみ付属する助辞でやわらげの意。』とある。
待ちろっに:待っていろよ。
ちーとまちたっとーよ:ちょっと待ってて。
まっちろ まっちろ 【形動】真っ白
まっと まっと 【副】もっと。
までる までる 【動】稲や麦を扱く。
茨城では『整理する、片付ける、稲等を収納する』の意味で、類似性が見られる。
茨城では納屋を『までや、までごや、まどいごや』等と言うことから、『までる』には『まとめる、手を加える』の意味を感じさせる。。
まに 【副】今。
『ま』は『今』の略形。
まばらら 【複】見たなら。
『見ば』。
まばる 【動】見る。
『目を張る』意味か。
まま まま 崖。
ままーせい 異母兄弟。
『継兄・庶兄』(まませ)。
ままほー 継母。
ウ音便。
まみ
まみー
まみげ
まめぎ
まみ
まめ
まめ
まめん
眉。眉毛。
『称呼』によれば、江戸時代、関西でまゆげ、東国でまみあい、奥州でこうのけ、常陸・上総でやまと呼んだという。
まひ:大阪・奈良・和歌山・兵庫・岡山。江戸時代に東北で使われた『こーのけ』が茨城に残るのは興味深い。また、茨城南部と千葉だけが何故『やま・やまけ』と言うのも興味深い。これは、『まゆげ』の音位転倒語とも考えられる。
『まみ』は『目の当たり』『目の辺』の意味か。また『まみあい』は広辞苑に『眉相・眉@まゆ。まみ。Aまゆとまゆとの間。眉間(ミケン)。』とあるのは混乱する。
『語源辞典』には、『@マウエ(目上)の約転・メウエの約転・マユ(目上)の義、Aマユ(目従)の義、Bまうへげ(目上毛)の義・メウヘゲ(目上毛)、マフヘノケの略転か、Cマユ(蚕)の義、またマヨケ(両横毛)の義、D「眉」の字音から。』とある。
私は、『目の上の毛』『目の辺の毛』の意味ではないかと思っている。
こぬけ:山形。
この:青森・岩手・福島。
こーのけ:福島。『上の毛』の意味らしい。
まみえ:神奈川。
まみえー:神奈川。
まみ:福島・神奈川・八丈島。
まみや:神奈川。
まみやえ:山形。
まめや:神奈川。
めぁい:福島。
めげ:鹿児島。
めのけ:鹿児島。
めんげ:鹿児島。
まみまみ 【副】速く速く。
まや まや 馬屋。牛小屋。
まると まるて
まるって
【副】まるで。全然。まったく。
まるぶ
まるふ
まる
まろぶ
【動】死ぬ。
『転ぶ』(まろぶ)か。東北・関東方言の束ねる意味の『まるく』との関連が深いと思われる。『まる』は全し事で、『(人生を)全うする』
まるばらっていで:死んだそうで。『marubaraqteide<*marubi ari aru te jo ni te。』。『ぶ』が半濁音化して『ぷ』となるのは八丈方言にもある。
まるぼあしとー:死んだ人を。
まんでも 【複】今でも。
『までも』の音便。
まんのう 【形動】【副】真っ直ぐ



みがい 【形】苦い。
〜みく 【複】〜(して)あるく。
本来は『見て来る』意味。茨城では『みっくる』と言う。『見て回る』意味と考えられる。『見る』には現代語にもあるように『試す』意味があり古くは『めぐる。まわる。』意味があった。『みく』は古語では『見て回る』の意味である。
うしめいいってみこで:牛を引いて歩くので。
かとんでみっとてい:担いで歩くと。
みしひとをもう 【形】みっともない。
みじや 地。
みじゃ 土間。『水屋』が訛ったとされる。『水屋』は現代でも茶室の流しをそう呼ぶ。土間に流しがあったためそれが、場所を表す言葉になったのだろう。
つちみざ・つちみだ・つちめざ:長野。
みじやい 【形】低い。
『言語調査』には『低き事』とある。古い標準語の『みしゃぐ』(おしつぶす、ひしゃぐ)の形容詞形と考えられる。
みじやく 【形】低いの連体形。
『言語調査』には『低き』とある。『みじゃけ』もあるものと思われる。
みしゃどうし 子供にとって危険な場所。
みじょ みいこ
みーこ
みよ
みよこ
下水。生活排水路。
『澪・水脈・水尾(みお)』である。『みお:河・海の中で、船の通行に適する底深い水路、みよ、船の通った跡、航跡』に由来する『水尾』の現代語形が『溝』であろう。『みじょ』は『水尾』が変化したものと考えられる。従ってこの言葉のルーツは八丈方言も茨城方言も同じである。
『水』の古形は『み』である。方言に関する限り茨城方言の方がルーツが古い。
みずかめ 水瓶。
このような清音表現は茨城にもある。茨城では水を『みつ』とも言うので『みつかめ』と言ってもおかしくはない。
みせてたべ 【複】見せて下さい。
『賜ぶ・給ぶ』(たぶ)の命令形。
それーみせてたべ:それをお見せ。
みせやれ 【複】見せて下さい。『見せあれ』。
みぞー
みぞーち
みぞおぢ
みぞーぢ
みぞおどし
みぞおとし
鳩尾。みずおち。
『みぞおち』なら標準語の中の訛。
みたりや
みたんにやーや
みたんねーや
みだならば
みだらば
【複】見たなら。
反語の『や』によって仮定形に近い意味になっている。
みちからずん 【複】見つからずに。
茨城でも『みちかる』を使う。
みちかる みちかる 【動】見つかる。
みぢけー
みちけー
みぢがい
みちかい
みぢげー
みぢけー
みちけー
【形】短い。
『短い』の語源は、@身近しの義、A目近し(みちかし)の転、B身縮しの義か、身縮如(みちぢみやかし)の義、Cミは身、シは領る、カは日の義、D目下所(めしか)の義 とある。その意味で、この方言は語源をそのまま残した言葉とも言える。『みちかい』は島根・鳥取・三重でも使われる。
みちける みちける 【動】見つける。
みちーでる みぢーでる 【複】道へ出る。
みっつぶ みっつぶ 三粒。
みっつぶげー 三粒粥の意味。
この言葉がもし茨城にあれば『みっつぶー』と言うだろう。
みーて みーで 【複】見えて。
民話の訳文では『見つかって』とある。
みど 針の穴。
『針孔(めど):針の糸を通す孔。はりのみみ。みず。みみ。』。『みぞ』とも言う。
みみだぶ
みみたぼ
みみのたれ
みみたぶ
みみたぼ
耳たぶ。
みもり 見守。
広辞苑には『(田畑などの)見張りをすること。また、その役。曾丹集「里遠み作る山田の―すと」』とある。
みゃー 〜み
〜みー
〜みぇ
〜めー
【助動】〜まい。
おきーたすみゃー:起きるまい。『起き致すまい』。
おきみゃー:起きるまい。
かうぃたすみゃー:買うまい。『買い致すまい』。
ぶっちゃるみゃー:捨てまい。
まだめーみゃーが:まだ見えまいが。
みゃー めー 前。
みゃーだれ:前掛け。『前垂れ』。
みゃーぬかば:門歯。
みゃーのつき:先月。
みゃーのよめ:前妻。
みゃーる めーる
めぁーる
【動】行く。参る。
わたしもみゃーりーたす:私も参ります。『参り致す』。
みやれ 【複】見なさい。
『見あれ』。
みーる みーる 【動】見える。
みーわしんのーかーいってって 【複】見に行かないかいと言って。
正確には『見はしないのかいと言って』。解説には『みにはしなこかいていいて』とある。茨城なら『みはしねーのがーっちって』
みんなどけい みんなどごへ 【複】皆の所へ。
解説には『miNna-do#kei<*miNna doko we。』とある。
茨城では『みんなどごへ』『みんなどげー』と言ってもおかしくはない。



むかじ
むかじめ
むがぜめ
むがでめ
ムカデ。
ムカデは『蜈蚣・百足』と当てられる。『足』は『徒(かち)』の意味でもある。
むぎー
むげい
【形】惨い。
『むげえ』なら江戸方言。
ぶちぼー ぶぢぼー 麦を脱穀する棒。唐竿の一種。
むくらけーす むっくりかえす
むっくるけーす
【動】ひっくり返す。
【動】潜る。辞書掲載語。
むぐるし
むぐるしー
篩。
篩の一種に『箕』がある。発展したものが『唐箕』である。となればこの方言は『唐土・唐』(もろこし)が訛ったものだろう。茨城では『トウモロコシ』をとーむるぐし
と言う。
むけえる むげーる 【動】迎える。
江戸方言。
むこう 婿。
語源を思わせる言葉だが格助詞が隠れている可能性もある。
むこどり むごどり
むごとり
もごどり
もごとり
婿を迎えること。
『婿取り』(むことり)。
『言語調査』では何故か『婚姻』とある。
むしがくったつ むしおぎる 【複】腹が立つ。
『虫が立つ』。標準語では『虫が起こる』。
むしき
むしきび
むしつけ
もしき
薪。
茨城では焚き木を『もしき・もしつけ』と言うが、薪は『たきぎ』とも読むので、実質的に同じだろう。
むしめ むしめ 虫。
むしりくむ 【動】どうにもならなくなる。
『言語調査』では『どうも成りませぬ。』とある。
むつかしい むつかしー 【形】難しい。
『むつかしい』は一般には関西方言と考えられている。また、古語では『むつかし』と言った。
むないた むないだ 胸。
『胸板』。
むま 乳母。
むらう むらう
むらー
【動】貰う。
それい・てつ・むらって:それを一つ貰って。
むれーい:貰いに。
むる むる 【動】漏る。



【接尾】動物等につける。
八丈島では、接尾語の『め』はどうやら哺乳類や鳥類に限って使われていたようで、昆虫類等はあまり使われていなかったようである。茨城では、何にでも使う。
『奴(め)』とは、見下げる意味と自らを指し謙遜する接尾語だが、一方、女を表す『雌・牝・女』がある。
『称呼』によれば、『むま:下総にてはまあ、同国猿島及下野国にてはまあめといふ。其外此国にて蚊めとんぼめなどと下にの字を付けてよぶ。是は今、つばくらはたをりむしなどいふ物を、いにしへつばくらめはたをりめといひしたくいにて、古代の語の遺りたるものなるへし。』とある。
『俚言』には『:下野人は、動物に多くはめを添て呼ふ。馬め、犬めの類なり。』とある。
〜めー 〜め
〜めー
【助】〜まい。〜ないだろう。
江戸語。
おきめー:起きまい。
きーたすめー:来るまい。『来致すまい』。
くめー:来るまい。
〜めー 〜めー 枚。
江戸言葉。
めいようし
めーよーし
甥。姪。
現代語の語源説に影響する言葉。
めいららあ 【慣】ごめん下さい。
直訳すると『参りましたよ』。
めーうし 姪。
めくさり
めくさりめ
ひよこ。
茨城では『結膜炎、眼病、目の悪い人』を『めくさり』と言う。『めくされ(目腐れ)』のこと。
近所。
『巡り・回り・廻り』。
めーだま めーだま 繭玉。
めっかち めっかぢ
めっかち
片目。
めなうべ 女の子。『女な童』の意味。八丈島でもラ行音を嫌う傾向があったと見られる。
めなか
めなた
めなだ
めなんだ
なだ 涙。
『なだ』は辞書にあるが涙の訛りとある。涙の語源は諸説あるが、有力なのは@ナキミダリ(泣き水垂り)(大言海)、Aナキミヅ(泣き水)でツとタは通ず(日本釈名)、Bナミは泣き水の義、ダは語尾 説がある。この場合の『なだ』は、『泣き垂り』の意味とも思われる。
この方言は『目涙』の意味と考えられる。
沖縄では『みなだ』と言う。
めなだ 襤褸なこと。
スズメの涙のように価値の無いものに例えたものか。
めなだ なだ なだ:岩手・宮城。
みなだ:沖縄。
めつる:岩手。
めならえ 娘。女の子。
めならへ 女の子。
めならべ 若い女。女の子。美人。娘。処女。
『女童』(めなわらべ)の意味。古語『めなご』(女の子。むすめ。)と同じ。沖縄では『みやらべ』と言う。
めーのつき めーのつぎ
めーのつき
先月。
『前の月』の意味。江戸言葉か。
めーび 前日(まえび)。
めぶた 瞼。まぶた。
めみず
めめず
めめずめ
めめず
めめずめ
めめた
めめった
ミミズ。
ミミズの語源は『目不見』(めみず)。
めめ めめ 耳。
めらべ 女の子。
『女童』(めなわらべ)の意味か。『めなご』と同じ。この場合『わ』が消えているので『女郎』(女・女の子)との関係も無視できない。その場合の『べ』は接尾語と考えられる。
めーららい 【感】ごめん下さい。
めーる 【動】召し上がる。
『参る』。
めーれ:食べなさい。
めーる めーる 【動】@見える。A燃える。
めろ 1797年発刊の「八丈島筆記」にある言葉。『なんのめろ』と記載されながら解説が無いようである。総合的に考えて『女郎』(女・女の子)の可能性が高い。
めんざ お世辞。
茨城では『おめでとう御座います』をめんだむし・めんだもー・めんだもし』と言う。『めでたもう』『めでたもうし』が訛ったものである。『愛づ・愛でる』から生まれた名詞と考えられる。
めんざなし 【形動】『言語調査』では『思いやり無く口をききたわけものといふことなり。』とある。
めんさなし 【形動】了解なし。
『免罪』から生まれた言葉と思われる。
めんな めんな みんな。
めんのめ ぶす。
『醜女』(しこめ)から生まれた言葉と思われる。



もー
もーに
もふに
もー
もーに
【形動】【副】沢山。
ーても 【複】もがせても。使役形。
とれーても:取らせても。
もうしいたす 【複】申します。
現代語の『ます』は『申す』が起源といわれるが現代語の『申し上げます』は『申し上げ申す』という多重表現に由来する。
もしき
もすくび
もしき 薪。
茨城では焚き木を『もしき』と言うが、薪は『たきぎ』とも読むので、実質的に同じだろう。
もしょ むっしょ 筵。
もずめ もーず
もずめ
もーずめ
百舌。
もーせる 【複】回してやる。
〜もーせろんて 【複】〜(して)あげると。
『回す』(しかるべき所に移す。差し向ける。)の音便。解説には『まわせろによりて(mawasero ni jori te)』とある。
まに、わが・きみだんごう・つくって・もーせろんて・いっとき・まちろみーてって:いま私が、キビ団子を作ってあげるから、ちょっとお待ち、と言って。
もつき おむつ。
もって もって 【複】思って。
『思う』は古くは『もう』と言った。
もっておじゃれ 【複】待って下さい。
もーに もーに 【副】沢山、余計に
福島・茨城・群馬・八丈島・長野。
もみだしぐらし 財産なしの暮らし。
茨城では絞ることを『もみだす』と言う。同源と思われる。
ももまつ 八女。
もや 母屋。
もーり まーり ・回り。
もろのって 【複】一緒に。諸共にありて。
もんずう 【複】沢山。
『もー』に関係のある言葉。
もんで もんで 【複】(果実を)もいで。



やー
やあ
洞穴。
『石屋・岩屋・窟』(いわや)『巌(いわお)』が訛ったと考えられる。
やあたば アシタバ。
やあゆふ
やあよう
やいゆふ
夕方。今夜。
『弥の夕』の意味。
やうつり やうづり
やうつり
引越し。『屋移り』。
やうらうちあれ 【複】静かにしなさい。
『やをらうちあれ』なら古語そのもの。
やきやかし やぎか
やっか
節分の鬼避けの道具で焼いたイワシの頭をヒイラギで刺した物で玄関先に取り付けるもの。
『焼嗅』(やいかがし・やいくさし・やきさし。)の転。広辞苑には『節分の夜、鰯(イワシ)の頭、葱(ネギ)などを焼いて串に刺し、戸口や窓の外側に挿すこと。また、そのもの。やっかがし。やいくさし。やきさし。』とある。
やくざ やくざ 仕事をしない人。役に立たない人。
現代では一般にはやくざ者を言う。
やくにんでいぇー やぐにんてー 役人達。
『でいぇー』は『手合い』。
やこどあじゃ やぐどや この方言は、『焼くぞじゃ』の意味しか考えられない。
〜やーし
〜ぁーし
【助】〜ものか。
『言語調査』では『し』単独で扱っているが、事例を見る限り反語の『や』を伴っていると考えられ、『ぁーし』は、『やーし』が訛ったもの。『し』は『候』が訛ったものか。
きれいだるやーし:綺麗なものか。
これがすっかるぁーし:これが酸っぱいものか。
これでよかるぁーし:これでいいものか。。
やしい やしー
やーしー
やしこい
やしけー
【形】卑しい。
やしがる 【動】嫌がる。
やっけもの やっけーもの 厄介者。手間がかかる子供。
やっこ
やっこめ
やっこ 男の子。
茨城では北茨城市で使う。
やったれ
やったん
やっとも
沢山。
『弥』(数詞のヤ(八)と同源。物事のたくさん重なるさまを表す:広辞苑)を使った言葉。
〜やーて 【複】〜(と)言ったって。〜(と)言っても。
いくらひまはあろぞーてやーて、そぐわーにゃいくみゃー:いくら暇があると言ってもそうは行くまい。
いくら人がよけぞーてやーて、馬鹿にしょにほどもあろもんだら:いくら人が良いと言ったって、馬鹿にするにもほどもあったものだ。
やとーたぶり 夕立。
やねぶしん やねぶしん 屋根普請。
屋根の葺き替え工事。辞書には無いが単に古い言葉とも言える。
やーはや やーは
やーはー
やーはや
【感】いやはや。
やーはやあっだにもしかたがなきゃー:いやはやどうにも仕方が無い。
やひ
やへ
やいひ
やひ
やーひ
お灸。
古い標準語の『焼火』(やいひ:お灸)が訛ったもの。
やま 畑。
全国に、畑を『やま』と言う地域がある。これは、日本の風土の特徴を良く示した言葉であり、山と川が対語を成すように平坦な土地が少ないために畑は山間地に多いことから生まれた言葉と考えられる。
やまぎ
やまじばん
仕事着。
やましゅう 嘘。『山師』と考えられる。
やましゅもん 嘘つき。
『山師者』の意味か。『山衆』は広辞苑に『(ヤマシュウとも) 遊女たち。茶屋女たち。おやましゅ。山州。浄、女腹切「言ひたい事も―の手前、客の手前も量りかね」』とある。
やましょ 山の畑。時々作る畑。
やみやー
やみゃー
やめー
やまい
やめー
【複】山へ。
逆行同化・擬似長音化。格助詞が隠れている。
やみゃーぬぶった
やめーぬぶった
【複】山に登った。
茨城でも『登る』を『ぬぶる』と言う。
やめる やめる 【動】痛める。『病める・痛める』。
やゆふしま
やよふしま
夕方、夕暮れ
〜やる 【助動】〜(し)なさる。〜ある。
広辞苑に『やる:【助動】(動詞「ある」の転。他の動詞の連用形について、四段型に活用する)@(普通「お」を伴って用い) 尊敬の意を表す。…なさる。狂、靱猿「いや、お貸しやるまいものを」A軽い尊敬または丁寧の気持を表す。浄、油地獄「こな人何いやる」』とある。
あにょかいやるか:何をお買いなさるか。
今日はどのきものーきやるか
そぐゎんいくまいもきやるとあつくおじゃるのーじゃ:そんなに何枚もお召しになるとお暑う御座いましょう。
せんだってはなしやった品は、さがしやってもおじゃりんならんのーじゃ:先だってお話なさった品は、お探しになっても御座いませんでしたでしょう。
〜やれ 【助動】〜(し)なさい。〜あれ。
『やる』は広辞苑に『【助動】(動詞「ある」の転。他の動詞の連用形について、四段型に活用する)@(普通「お」を伴って用い) 尊敬の意を表す。…なさる。狂、靱猿「いや、お貸しやるまいものを」A軽い尊敬または丁寧の気持を表す。浄、油地獄「こな人何いやる」』とある。
八丈方言では尊敬の意味が薄れたと見られる。
日の丸がみっつ挙がるどうて、見におじゃりやれ:日の丸が三つ挙がるから、見においでなさい。
写真屋さーん、しっかり写真を撮りやろうか? 神様が喜んでおろが、あが顔にフラッシュ焚いてもよっけんて、撮りやれにー。
よみやれ:読みなさい。
はなしやれ:話なさい。
やれる やれる 【複】言われる。
『言い遣られる』。
やろー やろこ
やろこめ
やろっこめ
息子。男の子。
やわ 洞窟。
『石屋・岩屋・窟』(いわや)『巌(いわお)』が訛ったと考えられる。
やんご
やんごめ
私生児。
『庇間の子(ひやしのこ)』。
やんざ
やんじゃ
人をしばりつけるための木の枝。
これに罪人などをしばりつけて通りをひきずりまわし,死罪にした(資料)。
やんねや
やんねーや
【複】言ったら。
解説には『ヤルナレヤ<*イヒアルナレヤ。』とある。
『しったてて・みずにー・さかのー・けろやお』て・やんねーや、『ふとろーよ・けろ・ごにー』てってか・しったてて・みたれー:『ぶらさげて(比べて)見ないで魚をくれろよ。』と言ったら、『太ったのをあげるように』と言ってこそ、ぶらさげて見たんだよ。



〜ゆ
ゆー
【助】〜(と)いう。
ゆぃど 井戸。
口蓋化しないイ段音である称呼である。
ゆうげ
ゆうけ
ゆうもの
ゆふけ
ばん 夕食。『夕食・夕餉』(ゆうけ、ゆうげ)。
ゆぇー ゆえー 祝い。江戸方言。
ゆたん ゆだん
ゆたん
風呂敷。
『油単』。広辞苑には『ひとえの布・紙などに油をひいたもの。唐櫃(カラビツ)・長持などの覆い、灯台などの敷物として用い、水気や油の汚れなどを防ぐ。のち旅行用の雨具、風呂敷としても用いた。宇津保吹上上「―おほひたる台に据ゑたる行器(ホカイ)持たせて」』とある。
ゆて ゆで
ゆでー
『湯手』。
その他『いで、おて』とも言う。
ゆど 井戸。茨城方言にあってもおかしくない言葉。
ゆはい
ゆひゃー
ゆへー
ゆはい
いへー
位牌。
ゆふけどき 夕暮れ。
『夕食時』の意味。
ゆぶり 煙。
茨城にあってもおかしくない言葉。
ゆぶる 【動】いぶる。
茨城にあってもおかしくない言葉。
ゆまき ゆまぎ
ゆまき
女の腰巻。下帯。
『湯巻』。
ゆり ゆり 地震。
『揺り、揺れ』の意味。
ゆる 夜。
茨城にあってもおかしくない言葉。
ゆるどの
ゆるどり
ゆるのしと
よなっこ ネズミ。
『夜殿』『夜の人』の意味。
ゆわ ゆわ 岩。
神奈川でも使われる。
ゆわい ゆわい 祝い。
ゆわう
ゆをう
ゆわー 【動】祝う。
ゆわし ゆわし イワシ。
ゆんべ ・ゆんべ




よー
魚。
『いお、いを』。
様(よう)。
よー
よぁ
巌(いわお)。
穴。洞窟。この言葉は『庵・廬』(いおり、いお)にも通じ、古代以前の原始的な言葉を伺わせる。すなわち、洞窟に住んでいた時代の言葉である。
〜よ
〜ょ
〜ーよ
〜よは
〜よ
〜ょ
【助】〜を。〜をば。
茨城では使用例はあるが、少ない。
あよーおってもにしきょおっても:綾を織っても錦を織っても。
この本よ欲しい
新聞よよっであろわ:〜読んでいる。
机のうぇに本よおから:〜置いてある。
まにゃ新聞よよっであろわ:今、〜読んでいる。
われにゃこっちのーよたべ:私にはこっちのを下さい。
たなばたさまのまつりょみーいからっていが:七夕さまの祭りを見に行ったそうだが。
ひよつけろ:火をつけろ。
いー

ゆー
【動】言う。
あにょよ:何を言うんだい。
〜よ
いー

ゆー
【助】〜(と)いう。
『い』
なかめいは、べねざらーてい、てごめいは、はなざらーてよ、でいちけなめーよつけて:次女には紅皿と言う、三女には花皿というきれいな名前をつけて。
わがよめんなっとうてよだっていどうに:私の嫁になってくれと言うのだそうだが。『よだっていどうに』は『いをにてあるて言えどもの』の意味と言う。
ももかーうまれとーて、あだんも、もたろうてよなが、いちばんよかんのうはのうてって:モモから生まれたから、やっぱり、桃太郎という名が一番いいだろうね、といって。
その時分にゃよく会議ーてよものーそとぁーもんだら
〜よ
〜ょ
【助動】〜ある。〜いる。
『居る』が変化したもの。
雨の音の屋根んしゃー雨戸んしゃーにらしょに、雷のごろごろ音までまざってほんとーにおっかにゃー:雨の音が屋根に雨戸にぱらぱらとしていて、雷のごろごろする音までまざって本当に怖い。『言語調査』では『しょに』を『するのに』と訳している。
〜よぁ
〜ょぁ
【助動】〜よう。
まにおきーしょぁてしてあろわ:今起きようとしている。
ようけ
よーけ
夕食。夜食。
『夕食・夕餉』(ゆうけ、ゆうげ)。
『笥』は『食物を盛るうつわ。また、物を入れるうつわ。万二「―に盛る飯を」。枕二○一「碁石の―に入るる音」』の意味。
『夕食・夕餉』(ゆうげ)は古くは清音だったと言う。
ようなし ・よーなし 無用なこと。無駄なこと。
『用無し』。
ようら
よーうら
よーら 【副】そろそろ。そっと。しずかに。やおら。
民話の訳文では『じっと』とある。
〜よか 【助】〜を。〜をば。
『をこそ』の意味か。
まにゃしんぶんよかよっであろわ:今、新聞を読んでいる。
よからら 【複】良かった。
よかりゃーて 【複】良いにせよ。
『良かりにてありて』。
かねはいくらかかってもよかりゃーてこぐゎんどぁーことにつかっちゃおしけじゃにゃーか:金はいくら使っても良いにせよ、こんな事に使っては惜しいじゃないか。
よかんのうじょうてって 【複】いいだろうといって。
『よかんのう』は『joku aru namo:ナモは推量ラム連体形の東国方言形。』とある。
よかんのうは 【複】いいだろう。
解説には『よくあるなもは(joku aru namo wa)』とある。『なも』は広辞苑に『【助動】(上代東国方言) 「らむ」に同じ。万一四「吾をか待つなも昨夜(キソ)も今夜(コヨイ)も」』とある。
へんどうことを。神様は神様でよかんのう:変なことを。神様は神様でいいでしょう。
よき よぎ
よき
斧。
よぎ 『夜着』。
よきり おぎり
おきり
炭火。
『燠』『熾』(おき)。
よけ
よーけ
よっけ
【形】良い(連体形)。『良き』。
よけんて:良いから。『良きによりて』。
よけがんせ 【複】いい加減にしなさい。
『良きが(加減)にせ(よ)』の意味。
よけこ
よけこと
よっけめ
よげっこ
よげーこ
よげーっこ
余計な事。
よけこ 美男。美女。
『良き子』。
よけどーじゃいて 【複】良いんだよ。
『良きにてあろにてはて』の意味と言う。
よけへびら 良い服。美しい服。
よけもより 良い天気。
『良い模様』の意味。
よこ 塀。
よごどの よなっこ ネズミ。
よさる よさる 【動】寄る。集まる。上代東国方言。
よそる 【動】揺らす。
『揺する』。
よーちい よちい
よちゆ
よづい
よづゆ
夜露。
よっく 【副】良く。
よーこい
よっこい
やーこい
やっこい
【形】柔らかい。
ウ音便によって変化したものと思われる。
よっだり よだり よだれ。
よっだりかけ よだりかげ よだれかけ。
よっつき よっつき 四月。
促音化。『四つ月』の意味か。
よっばり
よっ
よばり
よんばり
小便。『ゆまり、ゆばり、いばり』。
よつべ
よつべしま
よつべしゃん
昨夜。
『夜つ辺』。『しま』は『しな』か。
よーつり よーつり 魚釣り。
よーでもなく よーでもなぐ 【副】用も無く。無駄に。
よど よど 淀み。
よとぎ よど
よどー
通夜。
『夜伽(よとぎ)』(死者を葬る前の通夜(ツヤ)。)。
〜よは 【助】〜を。〜をば。
そのほんよはどこでうってあろ:その本はどこで売っている?。
よばわる よばわる 【動】呼ぶ。
よめごどの
よめどの
よもこどの
よなっこ ネズミ。別称に『嫁が君』がある。
よめんなる 【複】性交する。
よーら
ようら
よーら 【副】そろそろ。おもむろに。
『やおら』。
よらむ 【動】選ぶ。
『選る』。
よりやー よりー
よりあい
よりえー
会合。
『寄合』。
よりよさる 【動】寄り集まる。
よる 【動】煎る。
よるどり
よるのひと
よなっこ ネズミ。
よわ 洞窟。巌(いわお)。洞窟。
〜よわ 【助】〜を。〜をば。
その本よわどこにうってあろ:その本はどこに売っている。
この本よわほしいのぁー:この本は欲しいなあ。
よわい
よわくつて
よわくて
空腹。
・よんべ よんべ 昨夜。



〜ら
〜らあ
【助】〜よ。〜だ。
詠嘆を示す『らむ』の流れか。終止形。謡、安宅「旅の衣は篠懸の露けき袖やしをるらん」。
やだらあ:嫌だよ。
あが やだらあー。写真を撮られると、命が縮むわよー
かわら:買った。
よからら:良かった。
〜ら 【助】〜が。
『なり』が訛ったか。
このほんらほしい:この本が欲しい。
らこ
らこまま
三女。
〜らっていが 【複】〜(した)そうだが。
きめたらっていが:決めたそうだが。
これいたらっていが:殺したそうだが。『koreitaraqteiga<*korosite ari aru te jo ga。』。
そだたらっていが:育ったそうだが。『sodataraqteiga<*sodati ari aru te jo ga。』。
おからっていが:おいたそうだが。『okaraqteiga<*oki ari aru te jo ga。』。
茨城でも『置く』の自動詞の『置きにてある』すなわち『おがる』がある。
はねくまらっていが:取り組んだそうだが。『hanekumaraqteiga<*hanekumi ari aru te jo ga。』。
〜らっていに 【複】〜(した)そうなのに。〜(だ)そうなのに。
よからっていに:良かったそうなのに。『jokaraqteini<*joku ari aru te jo ni。』。
〜らっていじゃ 【複】〜(だ・した)そうだ。
したらっていじゃ:したそうだ。
したらっていじょうての・はなし:したそうだという話。民話の締めくくりの決まり言葉。
としょりょ・みろ・やくだーらっていじゃ:年寄りをみる仕事だったそうだよ。
らっていどう 【複】〜(した)そうだが。〜(だ)そうだが。
こだらっていどう:子だそうだが。
〜らっていに 【複】〜(した)そうだし。
そのこーわ、とうとうてんいながれつこーで、あまのがわーてよこーに、ならっていに〜:その川はとうとう天へ流れ着いたので、天の川という川になったそうだし〜。
〜らら
〜ららあ
〜らろあ
【複】〜(し)た。〜だ。〜(し)たっけ。〜だっけ。
終止形・連用形。『たらら、だらら』の『だ』を伴わない形式。ラ行活用動詞または形容動詞に詠嘆の助動詞『らむ』がついたと見られる。
まは、あおがしま丸ができて便利にならら。『なるらむ』。
しならら:死んだ。『死ぬらむ』。
ぼーからら:大きかった。『大きかるらむ』。
ほんとーにうのひともきてあらら:そうそう、あの人も来ていたっけねえ。『あるらむ』。
うのひともきてあらら:あの人も来ていたっけ。『あるらむ』。
こーしょっとってぃーおららよ:子を背負って織ったよ。『織るらむ』。
わごあもとらろあが:私のも取ったけど。
ららせのつきひ 長い月日。
『八丈島の言語調査』には『いらいことの日かづといふ事なり。』とある。
〜ららっていが 【複】ラ行動詞の活用形の一つ。
『〜(し)たそうだが』の意味。
はしららっていが:走ったそうだが。解説には『はしりありあるてよがとある。
むこーららっていが:向かったそうだが。『mukawi ari ari aru te jo ga。』。
とめて・むろーららっていが泊めてもらったそうだが。『muro:raraqteiga<*murawi ari ari aru te jo ga。』とある。




りー
【助】〜へ。
『許』(がり:(カアリ(処在)の約カリの連濁。一説に、リは方向の意) 人を表す名詞や代名詞について、または助詞「の」を介して、その人のいる所へ、の意を表す。)を受けた言葉と思われる。
りくれ 地震。
『陸揺れ』の意味か。
りゃーねん れーねん 来年。
茨城で似た言い方をするとすれば『れぁーねん』で実質的に同じ。
りろをとこ 僧侶。
『理路男』の意味か。
〜りんなかー 【複】〜らない。
ラ行活用動詞について否定を示す。
たまりんなかーてって:溜まらないよ、と言って。『tamari nako wa te iwi te。』。
〜りんのう
【複】〜れない。
ラ行活用動詞について否定を示す。連用形・連体形。
だいどう、しゃべりんのうが:だけど、しゃべれないよ。
〜りんのー 【複】〜(し)ないよう。
ラ行活用動詞について禁止の依頼を示す。
ぶっちゃりんのー:捨てないよう。『buqcjariNno:<*buqcjari nako。』。



れんぎね 擂粉木。『連木』。『連杵』の意味か。
〜れんにや 【助動】〜れない。
ラ行活用動詞の可能の否定形。『〜れぬにや』の意味か。
かわれんにや:買えない。
〜ーれんのう 【複】〜れない。
ラ行活用動詞の可能の否定形の連用形・連体形。
おにめん・さろーれんのう・ごん・なって:鬼に攫われないようになって。
いぇい・けーれんのーて:家へ帰れないから。



〜ろ
〜ろー
【助動】〜(す)る事。〜(す)る。
茨城では已然形の時、例えば『かりろば』(借りれば)、『いげろば』(行ければ)などと言う。
しょぼしょぼふろは:しょぼしょぼ降るのは。
とうろときに:通る時に。
まがりくねろーくだげー:曲がりくねった管に。
〜ろ
〜ろー
【助動】ラ行活用動詞に付き@意思、A勧誘、B推測を示す。『らむ』の流れ。連体・終止形。活用表の連体形ではなく実質的には連用形。
八丈島では単に未来形であり、現代語では『何をしようが・何をやろうが』などに残る。また、ラ行活用に特化しようとした様子もある。
茨城方言でも『る』が『ろ』に似た発音がされることがあるが、連体形に限られたものではない。
@意思。
かろー:買おう。
でろは:行くよ。出るよ。
おねがいがあろが:お願いがあるが。
A勧誘。
おきろー:起きよう。
ぶっちゃろー:捨てよう。
B推測
ころー・きろー:来るだろう。
★広かろう。
★良かろう。
あろあよ:あるのに。あるだろうに。『あろはによりて』。
あろんて:あるから。あろうから。あるだろうから。『aroNte<*aro ni jori te。』。
あろんていてゆと:あるからと言うと。『aroNteite<*aro ni jori te te。』。
あんでおじゃろーん:何ですか。
C未来/未然形のひとつか。
くろー:来よう。
★広かろう。
★良かろう。
〜ろ
〜ろー
ラ行活用動詞の連体形。活用表の連体形ではなく実質的には連用形。
とうろわーてっておせいると:通るよと言って教えると。
〜ろー 【助】〜よ。〜だ。
詠嘆を示す『らむ』の流れか。連体形。
でそろーろーころには:出揃った頃には。『ら・らあ』の連体形か。『資料』には『出揃いありあろ』とある。
〜ろー 【複】〜(す)るのを。
ラ行活用動詞の複合語で『〜(す)るを』が訛ったもの。
雨のしょぼしょぼ降ろー聞きながらねろも随分よけものでおじゃろわ:雨がしょぼしょぼ降るのを聞きながら寝るのも随分良いもので御座いますよ。
〜ろー 【助動】カリ活用の形容動詞につき推測を示す。
ろう 六男。
〜ろう 〜男。
男の子を生まれた順番に呼ぶ呼称の基本形。長男から順に、『いちろう、じろう、さぶろう、しろう、ごろう、〜』と呼ぶ。これを基本形に島内各地で訛る。
ろえ 繭。
ろくらう
ろくろー
ろくろう
六男。
ろくろう 男の子。
〜ろじゃの
〜ろじゃの
【助】〜(する)だろうね。〜(する)ものね。
ラ行活用動詞につく。『〜(する)ろうであるね』。未来形。
それじゃだれだりゃーてこまろじゃのー:それじゃあ誰でも困るものね。『それじゃ誰でありやとて困ろうであるなあ』。
〜ろんていて 【複】あるので。
ラ行活用動詞につく。解説には『aroNteite<*aro ni jori te te。』とある。



私。
上。茨城では複合語として使われる。
〜わ
〜わー
〜わ 【助】〜よ。
詠嘆・感動を表す終助詞。
けれーに・なって・いこわーてって:家来になって行くよ、といって。
エンジンのバネがポキンと折れて、たぶん出戻りになろわ
わい わい 私。
わいきーる
わいきゅう
【動】叱る。怒る。
『ことわり』がつまった『理』(わり)を切る意味と考えられる。
わうさま 祖父。
わが 私。自分。
格助詞が隠れている。
わがえのひと
わぎぇーのひと
夫。
『我が家の人』の意味。
わがずい 私の弟。
相手に対して自分の弟を指す。『我が随』の意味。
わかぜ
わて
南風。
わがだんな 息子。
『我が旦那』の意味。
わがひめさま 娘。
『我が姫様』の意味。
わがよめ 妻。
『我が嫁』の意味。
わきゃーし
わきゃしゅ
わきゃーしゅ
わけぇーしゅ
わけーし
わけーしゅ
わがいし
わげし
わけし
わげーし
わけーし
わげーしー
わげしさま
わげーしゅ
わけーしゅ
若い人。
『若い衆』(わかいしゅ)。この言葉を見る限り、一言で八丈方言とはいっても八丈方言独自のものではない。一部は東海・名古屋方言に酷似し、『わけーしゅ』(わけえしゅ)は江戸言葉、直音化した『わけーし』は茨城と共通する。一方、濁音化と短縮化は東北方言の特徴である。
わくさ わくさ 腋臭。
わごあも おれなも
おれのも
【複】私のも。
本来は『わをも』だという。
わこさま 子供を褒めて言う語。
『吾子様』。
わしめ ワシ。
わす 【動】お出でになる。
『座す』。一般には『お』をつける事が多い。
わそどわか:帰るか。
わせ 【複】お出でなさい。
『座す』の命令形。一般には『お』をつける事が多い。
わて わで
わて
わてー
わーで
上の方。上手。
わーやー
わやむ 【動】悩む。
『枉惑(わうわく・おうわく)』に発した言葉か。
わら
わりや
私。
茨城方言では二人称。『我・吾』の変化したもので、もともと一人称・二人称双方で使われる。
わらひと
わらびと
わらびどう
子供。
東北で『童衆』(わらし)と言うのに似ている。
わり わり 道理。理(ことわり)。訳。
われ 私。
われいは 【複】私には。
解説には『われをは』とある。を→ と変化したと考えられる。
わろーろーで 【複】笑うので。
『笑いてありあろにて』。
★ふたつぶみっつぶしか、へーてなっけこめつぶー、しっつーりながー、わろーろーで、のどんひっかけて、まるばらっていじょうてのはなし:二粒三粒しか、入っていない米粒を、飲みながら、笑ったので、のどにひっかけて死んだそうだという話。



〜を 【助】『〜よ』。=『〜お』
余韻のある助詞。
〜をー 【複】〜おう。
あ行またはワ行活用動詞の未然形の末尾。『わむ』の音便形とも言える。
かをー:買おう。
をうくず
をうくずくずむし
七・八・九女。
をうぢどの 祖父。『大爺殿』の意味か。
をしうば 叔父・叔母。
をけ 桶。古語。
をたき 反吐。
茨城では吐くことを『おだぐ、おだく』と言う。県内にはさらになまって『おざく』と言う地域がある。『のざぐ』とも言う。長野・岐阜では『おたく』と言う。
『おたき』は静岡でも使われる。『たき』とは『吐き』の可能性が高く、『汚吐き』の意味か。
をぢ
をぢうば
叔父。
をとあねへ 兄弟。
をとふと 妹。
をのこご 男の子。
をば 叔父。
をばふり セキレイ。『尾振り』の意味。
をべんちゃ
をんべちゃ
心を尽くすこと。
『おべんちゃ』。『おべんちゃら』か。
をみ お前。
『御身』。
をやこ 親類。
をり 石垣。
ををじ 祖父。
をんなご 女。
古語では『女の子』を言う。



〜ん 〜ん 【助】〜に。〜の。〜を。
『〜に』『〜の』の意味なら全国にある訛り。標準語の口語でも使われる。文字にすると違和感があるが誰もが無意識に使っている訛り。
おみん:お前に。
われんも:私にも。
ふくろいっ:袋いっぱいに。
くちょきかずん:口をきかずに。
おんなしん・して:同じにして。
んー 【代】お前。
『うぬ』が訛ったもの。
〜んなか
〜んにやー
【助動】〜ない。
『〜にてなかり』。
きんなか・きんにやー:来ない。
わかりんなか:解からない。
〜んのあ
〜んのう
【助動】〜(し)ない。
前項の音便。連用・連体形。
つれんのあときも:釣れない時も。
どっちが・かぶだか・うぞだか・わかりんのー・きの・まるとー・きって:どっちが株だか先だか解らない木の丸太を切って。解説には『wakariNno:<*wakari nako。』とある。
こーがみちてそのふーふがあわれんのーで:川が満ちて、その夫婦が会えないので。
んま んま 馬。
全国にある訛り。古語の『むま』の流れ。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
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