昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。印:新編常陸国誌掲載語。印:茨城方言民俗語辞典掲載語。印:茨城弁今昔掲載語。印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。印:日本方言辞典掲載語。浪花聞書掲載語。印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例
(ひ) 方言解読のための必須用語。
1):両声帯を接近させ、その間隙から出す無声摩擦音〔h〕と母音〔i〕との結合した音節。なお、江戸初期までは両唇音〔f〕と母
音〔i〕との結合した音節であった。上代特殊仮名遣では、奈良時代に甲〔fi〕乙〔fe〕二類の別があった。
平仮名「ひ」は「比」の草体。片仮名「ヒ」は「比」の旁(ツクリ)。
2)【一】:ひとつ。ひい。(声に出して数える時などに使う)
3)【日】:(「火」とは別語)
@太陽。日輪。おひさま。
A(「陽」とも書く) 太陽の光または熱。
B日の出から日没までの間。ひる。ひるま。
C地球が一回の自転に要する時間。すなわち、午前零時から午後一二時まで。
D毎日すること。
Eひかず。日数。
F日柄(ヒガラ)。日の吉凶。
Gひぎり。日限。
Hとき。おり。時代。
I天気模様。天候。
J紋所の名。日輪にかたどったもの。
(日の神、すなわち天照大神の子孫の意から) 皇室に関することにいう語。
4)ひ【火】:(古形はホ。「日」とは別語)
@熱と光とを発して燃えているもの。高温で赤熱したもの。
Aほのお。火焔。
Bおき。炭火。
C火打ちの火。きりび。
D(「燈」「灯」とも書く) ともしび。灯火。
E火事。火災。
F火のように光るもの。
Gおこりたかまる感情。
Hのろし。
I(婦人語) 月経。
4)ひ【氷・冰
@水のこおったもの。こおり。
A雹(ヒヨウ)。ひさめ。
5)ひ【杼・梭】
織機の付属具の一。製織の際、緯(ヨコ)糸を通す操作に用いるもの。木または金属製で舟形に造ったものの両端に、金属・皮革などをかぶせ、胴部に緯管(ヨコクダ)を保持する空所があり、一側にうがった目から糸が引き出され、経(タテ)糸の中をくぐらせる。さす。さい。シャットル。
6)ひ【乾・干】
ひること。かわき。
7)ひ【樋】
@水を導き送る長い管。とい。
Aせきとめた水の出口の戸。これを開閉して水を出したり留めたりする。水門。
B刀や薙刀の身の棟(ムネ)よりの側面につけた細長い溝。刀剣の重さをへらし、調子をととのえるためのもの。血走りをよくするものともいう。みぞ。血流(チナガシ)。
C丸木弓の本末の弾力を均衡させるため、弓腹(ユハラ)の中央から本弭(モトハズ)近くまで彫った浅い溝。
D厠(カワヤ)で糞尿を受ける器。〈和名抄一四〉
7)ひ【霊】
霊力。神霊。祝詞、大殿祭「御床(ミユカ)つ―のさやき」
8)ひ【檜】
ヒノキの古称。
9)ひ【目翳】
瞳に翳(クモリ)ができて、物が見えない眼病。
10)ひ【匕】
@さじ。
Aあいくち。
B薬などの分量を数える単位。
11)ひ【比】
@くらべること。ならべること。
Aともがら。たぐい。
Bなぞらえること。たとえること。
Cこのごろ。
D漢詩の六義(リクギ)の一。直接に物になぞらえるたとえ方。明喩。
E〔数〕同種類の二つの量A,Bがあって、Bが零でない時に、AがBの何倍に当るかという関係をAのBに対する比といい、これを A:B と書く。「―率」「―例」
F比律賓(フイリピン)の略。
12)ひ【皮】
@かわ。動物の身体の表面を覆っている組織。
Aものの外がわ。表面。「外―」「樹―」「―相」
13)ひ【妃】
@きさき。天皇に仕える女性で皇后に次ぐ位にあるもの。
A現制では皇族の妻の称。
14)ひ【否】:(呉音はフ)
@打ち消すこと。肯定しないこと。いな。
A反対のこと。
15)ひ【妣】
亡くなった母の称。
16)ひ【批】
@くらべ、品定めをすること。是非を判定すること。
A権力者が認定すること。
17)ひ【卑】
@身分・地位がひくいこと。
Aいやしいこと。下品なこと。
Bへりくだること。いやしめること。
18)ひ【彼】
かれ。第三者。あれ。かなた。
19)ひ【披】
@ひらくこと。ひろげること。
Aひろげ示すこと。ひろめること。
20)ひ【肥】
@身体がふとること。
A土地がこえること。
Bこやし。
C肥前国(ヒゼンノクニ)・肥後国(ヒゴノクニ)の略。
21)ひ【泌】
22)ひ【非】
@よくないこと。道理にあわないこと。不正。
Aうまくゆかないこと。
Bそしること。
Cそうでない意。
23)ひ【飛】
@空をとぶこと。
Aとび上がること。
Bとび散ること。
C空高くから落ちるさま。
Dとぶように早いこと。
E将棋の駒、飛車の略。
F飛騨国(ヒダノクニ)の略。
24):中国古代のあしきりの刑。
25)ひ【疲】
@つかれること。おとろえること。
Aおおうこと。かぶせること。
B着ること。身につけること。
Cこうむること。受けること。
Dひめること。かくすこと。
E人知ではかりしれないこと。奥深いこと。
26)ひ【被】
@おおうこと。かぶせること。
A着ること。身につけること。
Bこうむること。受けること。
C受身を表す語。「―選挙権」
27)ひ【秘】
@ひめること。かくすこと。
A人知ではかりしれないこと。奥深いこと。
B通じが悪いこと。
27)ひ【婢】
@女の奴隷。
A召し使われる女。はしため。下女。女中。
28)ひ【悲】
@かなしむこと。かなしいこと。かなしみ。
A仏教で、あわれみの心。
29)ひ【扉】
とびら。ひらき戸。
30)ひ【脾】
五臓の一。脾臓。
31)ひ【費】
@ついやすこと。
Aついえ。金銭。
32)ひ【碑】
後世に伝えるため、石に文をきざんで建てたもの。いしぶみ。たていし。
33)ひ【緋】
濃くあかるい朱色。深紅色。また、緋色の糸や絹。
34)ひ【鄙】
@いなか。ひな。
Aいやしいこと。下品なこと。
B自分をへりくだっていう語。
34)ひ【罷】
@やめること。中止すること。
Aやめさせること。
35)ひ【避】
さけること。よけること。にげかくれること。
36)ひ:接頭
形容詞に冠して、その感じが強いということを表す。
37)ひ【曾・隔】:接頭
血縁関係を表す語について、それよりさらに一代離れる意を表す。ひい。
38)び
「ひ」の濁音。両唇を合せて破裂させる有声子音〔b〕と母音〔i〕との結合した音節。〔bi〕 上代特殊仮名遣では、奈良時代に甲〔bi〕乙〔b〕二類の別があった。
39)び【未】
十二支の第八。ひつじ。
40)び【尾】
@動物のお。しっぽ。
Aうしろ。あと。しりえ。
Bおわり。しまい。
C〔天〕二十八宿の一。尾宿。あしたれぼし。
D魚を数えるのにいう語。
E尾張国(オワリノクニ)の略。
41)び【眉】
(呉音はミ) まゆ。まゆげ。
42)び【美】
@うつくしいこと。うつくしさ。
Aよいこと。りっぱなこと。
B味がよいこと。うまいこと。
Cほめること。
D〔哲〕知覚・感覚・情感を刺激して内的快感をひきおこすもの。「快」が生理的・個人的・偶然的・主観的であるのに対して、「美」は個人的利害関心から一応解放され、より必然的・客観的・社会的である。
43)び【備】
@そなえること。そなえ。
Aそなわっていること。そろうこと。
B吉備国(キビノクニ)の略。
44)び【媚】
@こびること。また、なまめかしいさま。色っぽいさま。
Aすぐれて美しいこと。
45)び【微】(呉音はミ)
@ごく小さいこと。こまかなこと。
Aすくないこと。わずかなこと。
Bかすかなこと。めだたないこと。ひそか。
Cおとろえること。
D身分の低いこと。卑賤。
E忽(コツ)の一○分の一。一の百万分の一。
46)び【鼻】
@はな。
A先頭。物事のはじめ。
47)び【靡】
@なびくこと。したがうこと。
Aおごり。奢侈(シヤシ)。
B滅びること。衰えること。「萎―」
48)び【傍】:接尾
(ミ(廻)と同源) 名詞について、めぐり、ほとりの意を表す。万五「梅の花散り乱(マガ)ひたる岡―には」。
49)ぴ
「ひ」の半濁音。両唇を合せて破裂させる無声子音〔p〕と母音〔i〕との結合した音節。〔pi〕
(火) 井口丑二の『日本語原』に『火』を示す世界の代表国の言葉が書かれている。『ho』は当サイトで加筆。
ヨーロッパの各地の言語はラテン語をベースにした方言のようなものと言われているが、中国では『fuo』と言い、日本では『ho・fi・hi』と言うのは、世界の文化が繋がっている事を感じさせる。
その他『ホトトギス・カラス』が紹介されている。
・英語:fire.
・ドイツ語:feuer.
・フランス語:feu.
・イタリヤ語:fuoeo.
・オランダ語:vuur.
・アングロサクソン:fyr.
・スウェーデン語:fyr.
・ギリシャ語:pyr.
・サンスクリット語:pavana.
・中国語:fuo.
・日本語:fi・hi.火の古形は『ho』。
(ひし) 『ひ』と『し』は今でも多くの人が混乱する発音である。東京では『ひ』が『し』に変化する。
〜ひか:〜しか:神奈川。
◎ひ 忌、忌む事 現代では多く『き』と言う。
:大分・佐賀・長崎・鹿児島。
ひー @火、A比、B冷え、C稗 C・ひー:長野。
鹿児島。
(びー) 女の子 静岡。
これは、現代ではあまり残っていないが、古代の東国言葉と思われる。
びった:青森。
びで:宮城。
びでっこ:宮城。
〜び

〜ひ
【助】〜しよう(勧誘)、〜でしょう(推測)、〜ろう(意志確認) 30年代には、むしろこれが主流の言い方だったかもしれない。
いがびよ(いがびょ・いがびよん)・いがっよ(いがっょ・いがっよん)・いがっひよ(いがっひょ・いがっひよん):良いだろう。
ひーあ 【動】@冷えあがる、A干上がる
ひあぎ
◎ひあき
ひあげ
ひあけ
@忌明け、A産の忌みがあけ、生児を初神詣りさせる日 『日明き・忌明』。現代では『日明き』はほとんど使われない。『忌明け(ひあけ)』が辞書にあって『日明け』が辞書に無いのは、『日明き』は古い言葉で『明き』は『明く』(五段活用)の名詞形のためである。
A・ひあ:神奈川。
ひあけ:神奈川。
ひあさっで
ひあさって
ひーあさって
しあさって ひあさって:神奈川。典型的な江戸言葉。
ひあし @雲間などからもれる日光。A太陽が空を過ぎて行く速さ。また、その動きと共に移動していく光線。日のあし。B昼間の時間。 『日脚・日足』。『ひやし』とも聞こえる。
ひあしながなったなやー・ひあしのびだなやー
ひあだり 日光が当たること、日当たりが良い場所
ひーあだる
ひあだる
ひあたる
ひいあだる
【動】火に当たる 『集覧:久』。
ひぁーつぐばる
ひぁーつくばる
【動】這いつくばる
ひぁーる 【動】入る ひゃーる:静岡。
◎ひあわい 家と家との間の狭い所。日光が通らない所。ひあい。 『廂間』。
どあいっこ:神奈川。
どえー::神奈川。
ひあわい:東京。
ひあっきゃー:少し暗いところ:静岡。
ひどあえ:山形。
ひい
ひー
稗(ヒエ)
(ひいけぼん) 煙草盆 静岡。『火活け盆』の意味。
(ひいちいし) 火打石 静岡。
ひいぢにぢ
ひいぢんち
ひーぢんち
ひいちにち
【副】@一日一日と少しずつ物事が進行していく様、A一日中 『日一日』。
Aの意味の『日一日』は死語。
ひいっ
ひいっ
【副】一日中、日中一杯、夕方まで ひいっ:神奈川。
ひいとり
ひいぬぎ
ひーぬぎ
ヒエを抜く作業
【形動】貧しくてやっと生活している様子 標準語。
(ひいめし) 昼飯 鹿児島。
ひいり 夕暮れ 『日の入り』の格助詞の脱落。
ひいり 乾燥している様 『干入り』の意味。
ひーうぢ 昼間、日中 『日の中』(ひのうち)。
(ひぇ) 鹿児島。
(ひえ・ひやか) 【形】冷たい 鹿児島。
ひぇーたい 兵隊 『集覧:無記載』。
ひぇっこらひょっこら 【副】ひょこひょこ、ぴょこぴょこ
ひぇび
ひぇんめ
ヘビ
ひおい
ひおおい
ひよい
日覆い、日除け 夏に直射日光を避けるためのものでよしず等を利用した。
〜ひが
〜ひか
【助】〜しか 江戸言葉か。
〜ひか:神奈川。
〜ひ 【接尾】〜(日)おき 『日替え』の意味か。
(ひがいし) 相撲の行事が言う言葉。相撲の行事言葉には流派があるらしい。しかし、この言葉は、『陽向かいし』を思わせ、『し』は風の古語でもあり、方向を示す言葉とも思える。東の古形は『ひむかし、ひむがし、ひんがし』で、語言説に@ひむかし(日向風)、Aひむかいし(日向処) がある。
いり
いりさん
@日帰り、A死産、B間引き
いる 【動】日が暮れる 『日が入る』意味。古い標準語と考えて良いと思われる。
えり 死産 『集覧:無記載』。
茨城方言集覧には『ひへり』とある。
(ひかえる) 【動】(手を)引く 宮城。ニュアンスの変化。
ひかぎ
ひーかぎ
火掻き棒、熾掻き 『火掻』。標準語では『十能』も指す。カマドの代表的道具は、『火掻き棒、十能、火バサミ、火吹き竹、ウチワ』だった。
ひかき:鹿児島。
ひすき:鹿児島。
ひすくい:鹿児島。
くらー 【動】日数が経っている
ぐれ
くれ
日暮れ 清音なら『日の暮れ』意味の古い標準語と考えられる。
ひか 日陰の田 辞書には無いが標準語と言って良いだろう。
ひかっちょ:日陰地:神奈川。
ひかげっ:ひかげっ:日陰地:千葉。
ひかばだげ 日陰の畑
(ひさら・ひさらいちんち・ひさらいちんちじゅー・ひすら) 一日中 神奈川。
さら:静岡。

しか

しっか
しっかー
東側 『が』『か』は『処』か。

がー

かー
東の側

しっかし
東の端
しかだ
しっかだ
東の方
しつら
しっつら
東面
して 東の方、東側 『東手』。
しばだ
しっ
しっ
ひがし
東の端
【動】剥がす 『剥がす(へがす)』。
:群馬。
・ひかず 日数 いまではあまり使われなくなっている標準語。
(ひかた) (日のある方から吹く風の意) 南西風。また、南東風という。 古語『日方』。アイヌ語では『ピカタ』と言う。
ひかた:北海道・青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・京都・山口:西南風。稀に西風・東南風・南風・西北風のことがある。
ひかた:夏の南風:島根。
ひかた:真東から北寄りの風:島根。
ひかた:東南風:山口。
ひかたご:北東風:福岡。
ひかたこち:梅雨の東風:山口。
(ひた) 日向 静岡。
たづ
たつ
@太陽が高いところに昇る、A遅くなる、時間がかかる 『日が経つ』。
おめー、ぜーぶんひたってっとー:お前、随分時間が経ってるねえ。
ひーかっか ヒタキ、ジョウビタキ
とーる 【慣】日照りで作物が萎れること 『陽が通る』意味。
ないぢにぢ
ないぢんち
【複】1日中、ひねもす 『日がな一日』。
いちんちひょーらく:静岡。
いちにちひらし:神奈川。『日暮し』。
さら:神奈川。
さらいちんち:神奈川。
さらいちんちじゅー:神奈川。
すら:神奈川。
ないちにち:佐渡島。
ないちんち:東京・神奈川。
:神奈川。
らひじゅー:神奈川。
ひじゅー:神奈川。
ひのいっちにち:鹿児島。
ひん:長野・山梨。
ひんらひーて:長野。
ひがね
ひがねー
【形】諦めない、いつまでも自説を曲げない、いう事を聞かない 『引かない』意味。
『新方言』には『ヒガネ:引かない。最上。→キガネ。』とある。
びがびが
【形動】ぴかぴか 半濁音形は一見標準語だが、『ぴ』はしっかりと有母音で発音されることが多い。そのため進化型のかんかん、ーかんーかん、かーんかーん』がある。
ひかひか 【形動】ぴかぴか、きらきら 方言かと思ったら実は標準語。しかし今や使う人は少ない。
ひかちゃか・かちゃか・てか:山形。
(ひがひがえ) 甲高い声 宮城。『が』は濁音か鼻濁音か不明。
ふけねー 【慣】@うだつが上がらない、A景気が悪い、貧乏な様 『火を吹く力も無い:気力の全くないたとえ。また、貧乏の甚だしいことのたとえ。』と言う言葉がある。
もどる 【複】湿気る ひーもどる:秋田。
◎ひ @日より、天候、Aその日の吉凶、B日数 『日柄』。
@・:東京多摩。
『いいおひらだねー』等天気の良い日の挨拶に使う。今ではめったに使われない。
B★このにぶしはだいぶひらがたってかくせー:この煮干は大分日数が経ってカビ臭い。
◎ひ 斜視 『僻眼』(ひがらめ)。『一目眇』(すがめ)。古い標準語。『集覧:無記載』。
:秋田。
(ひら・ひらひじゅー) @一日中、A数日
ひからがす
ひからかす
【動】@ひけらかす、A光らす @清音形なら標準語。『光らかす』は、『ひけらかす』と同義語。『ふけらかす』とも言う。
A★『土』:おつはそんだ頭髮(あたま)てかてか光(ひか)らかせた處(とこ)ら善(よ)く成(な)っちゃったっけぞ。この場合は『光らす』意味。辞書には無い。
◎ひらめ
りめ
斜視 『集覧:鹿』。
ひんから:静岡。
(ひかられる・ひかれる) 【複】叱られる 静岡。
かる 【動】座る 『ちかる』がさらに訛ったもの。
(ひかる) 【動】叱る 長野・静岡。
かんかん
ーかんーかん
かーんかーん
【形動】ぴかぴか 標準語の俗語に『ぴーかん』がある。快晴の意味である。登山用語でもある。もともとは映画業界の隠語らしい。
△▽びき
ひき
ヒキガエル 清音形はヒキガエルの別称。
びき:青森・岩手・静岡・岐阜・奈良・徳島・愛媛。
ひき:神奈川。
ひきーる:神奈川。
ひきーろ:神奈川。
ひきだ:長野。
ひきんだー:静岡。
ひきんばんばー:静岡。
びっき:岩手・山形。
ふくだびっき:宮城。
動物や昆虫などを数える単位。いっぎ・いっにひぎ・にひげさんぎ・さんげ、よんぎ・よんごひぎ・ごひげろっぎ・ろっななひぎ・ななひげはっぎ・はっきーひぎ・きーひげ(きゅうひき)、じっぎ・じっと数える。
注)『十回』『十手』『十戒』『十戸』の『十』は『じっ』と発音するのが正しいとされる。と発音する人もいた。
(ひぎ) 鹿児島。
(ひき) 罅(ひび) 鹿児島。
ひきー 敷居 ひきー:群馬。
ひぎー
ひきー
【形】低い ひきー:群馬。
ひーぎ 贔屓(ひいき) ・ひき:鹿児島。
(ひーき) 燃え差し 静岡。
ひぎいだ
ひきいた
五右衛門風呂の敷き板
ひきおごす 【動】倒れたものを引き上げて起す 現代ではほとんど病気になることやや事件などをしでかす意味で使われる。
ひき @施肥、A肥料とする糞尿 『引肥』の意味。
ひき:水肥を撒いてその上に種を蒔く方法:神奈川。
ひぎごむ
ひきごむ
【動】@引いて中に入れる、仲間にさそい入れる、A連れて来る 『引き込む』。
ひきじりだす
きじりだす
【動】引きずり出す 『集覧:真』。
ひきじる 【動】引きずる、長引かせる ひきじる:山梨。
★『土』:俺(おら)にや此(こ)んぢゃ引(ひ)きじるやうぢやあんめえか。
ひきずり @女房、A▲(侮蔑的に)おしゃればかりしていて働かない女房 Aは標準語。『引き摺り』。『集覧:久』。もともとは、女が着物をだらしなく着る様を言ったもの。
ひきずり:だらしがない様・無精な様・またその人:群馬。
ひきずり:だらしのない女:神奈川。
ひきずり:仕事を一日延ばしに延ばしていくこと:神奈川。
ひきずり:愚図な人:神奈川。
おしきずり:だらしがない人:神奈川。
おひきずり:仕事が嫌いな女:神奈川。
ひぎっとりで
ひぎっとりて
引取り手
ひきでもぢ
ひきでもち
鏡餅 『福手』(ふくで)のこと。
ひきでる 【動】秀でる 『引き出る』意味。標準語では『引き立つ』はあるが『引き出る』が無いので単に『ひいでる』が訛ったのだろう。
(びきどぅん) 沖縄。
ひぎどりで
ひぎどりて
ひぎとりて
引き取る人。引受け手。受取人 『引取り手』。
(ひぎな) 大根の千切りを油で炒めたもので醤油で味付けしたもの。 福島。
(ひきな) 大根の千切り 宮城。
ひきのめす
きのめす
【動】打ちのめす 『集覧:真』。
ひきびしゃく 肥柄杓 『引き柄杓』の意味。
ひきびょーいん
ひきびょーえん
隔離病院 古い標準語の『避病院』(ひびょういん)のことだが、全国にある訛のようである。『避』を間違って『へき』と呼んだのか、『引け病因』の意味なのかは解らない。
ひきゃぐ 死亡情報を親戚等に知らせる使者 まさに、飛脚である。
しきゃく:神奈川。
ひきゃく:神奈川。
ひきもの 引き出物 『引物』。県内の広域で『香典返し』の意味でも使われる。
ひきもん:神奈川。
日数を限ること、期限 『日切り』。古い標準語。
:東京。
ひきわだ もめん綿の上にうすく引きのばしてかぶせる真綿 『引綿』。
ひぎわだ:山形。
ひきわだし 引継ぎ 『引渡し』。
(ひきわりめし) 麦飯 埼玉。広辞苑に『碾割り飯:米に碾割り麦をまぜて炊いた飯。』とある。
ひぐ
ひく
【動】@(布団を)敷く、A◆比べる @・ひく:埼玉・群馬・神奈川・山梨・静岡。
A『比く』意味。
(びく) 女子をいやしめていう語 広辞苑に『比丘(びく):(食を乞う者の意)@仏門に帰依して具足戒を受けた男子。修行僧。乞士(コツシ)。A誤って、比丘尼の称。B女子をいやしめていう語。』とある。尼さんを『比丘尼(びくに)』と呼ぶのは一般に知られている。
山梨。
びく:女:山梨・静岡。
びくっちょ:女の罵倒語:山梨。
ひぐ
ひく
【動】(鼾を)かく
(ひく) 【動】吹く 鹿児島。
びく
縄にてあみ積肥などを入れ馬に負はするものなり、縄で作った畚 『集覧:真』。
標準語訳は茨城方言集覧の解説と同じ。辞書には『縄で作った畚(ふご)の類』とある。
びく:土石を運ぶ網代籠:静岡
ひくいる
ひくえる
ヒキガエル
(ひくじける) 【動】挫ける 静岡。『引き挫ける』意味か。
ひくじけた:挫けた:静岡。
びくしゃぐ
びくしゃく
くしゃぐ
びくたぐ
びくたく
【副】びくびくする様、じたばたする様 『びくしゃく、びこしゃこ』は古語では『@安定が悪いこと、A力むようす』の意味。
びくしゃく:山形。
びくちゃく:山形。
(びくたー) 少女 静岡。
びくたがり 小心者 『びく集り』の意味か。
びくたがる 【動】驚く、びっくりする、びくびくする 『びく集る』意味かか。
びくたがる:青森。
(びくため) 少女を侮る語 静岡。
藁で編んだもので、物を入れて背負う袋 『集覧:久』。『びく』が訛ったものか。
くつかせる
ひくつかせる
【動】(鼻などを)ひくひくさせる 『ひくつく』の使役形。
ひこつかせる:東京。『ひこつく』の使役形。
(ひったい・ひってー 【形】眩しい 神奈川。
びぐびぐ 【副】@たえずおそれるさま。A生き物の細かくふるえ動くさま。B響く音。 『びくびく』。現代標準語では『たえずおそれるさま』でしか使われない。
@・びぐびぐ:山形。
B★いんやびぐびぐひびぐなやー:いやあ、響くねえ。
びーとるずははーびぐびぐすっと:ビートルズは迫力があって響くよ。
【副】@生き物の細かくふるえ動くさま。細かく動くさま。Aひきつるように動くさま。 『びくびく』。古い時代には『びくびく』も『ぴくぴく』も震えるような様子を指したと考えられる。現代標準語では、意味が分かれてしまったようである。
☆ひくひく 気息または気力がたえだえになって少しずつ動くさま 『ひこひこ』とも言う。
くらくら・くりくり:山形。
ひくぼったい
ひくぼってー
【形】低い
ひくみ 低い場所 『低み』。
ひくみ:神奈川。
ひくめる 【動】@低くする。A能力を少なくする。 『低める』。低くする意味。
@★こしひくめでこしひけでんだねーのが:腰を低くして遠慮してるんじゃないの。
せーひくめでみろ:背を縮めて見なさい。
おめはせーーがたがいがら、まっとひくめろや
ひくもの 敷物、敷くもの
らったい・ひらってー) 【形】眩しい 神奈川。
びぐり
びぐーり
びぐーりびぐーり
【複】@びっくり、Aびくびく 標準語の『びっくり』は古くは『びくり』と言った。

ひくれ
ひーくれ
日暮れ、夕暮れ、夕方 清音化。しかし、今の標準語世界では『日暮れ、夕暮れ』を使う人は少なくなり、ほとんど『夕方』に限定されるようになってきた。
れがだ

れかだ
ひくれ
れっかだ
夕方 『日暮れ』+『方』。
:千葉。
ひくれ:千葉。
れしま:静岡・愛知・岐阜。
れころ
れっころ
日暮れ頃、夕暮れ時、夕方頃
れま
れやま
日暮れ、夕暮れ 『しぐれまれ』
この『目暗れ(まぐれ)』は、暗くなってあたりが良く見えなくなった様子を指す。『夕間暮れ』と同じ意味。『やまぐれ』の『や』は古形の『係助詞』と考えられる。
れま:千葉。
れる
ひーくれる
【動】日が暮れる
ひけ 学校を休むこと 『退けること』。辞書には『仕事が終って退出すること』。=『ふけ』
経木、折ぎ板 『折ぎ、片木』(へぎ)が訛ったもの。素材としては『折ぎ板』、折りにしたのは『へぎ折り』。昔は饅頭でも何でも経木に包んで持たせてくれた。当時は紙が高かったのか、紙ではくっついて離れないから経木を使ったのかは定かでは無い。木酢による僅かな防腐効果もあるのだろうか。
:群馬。
おり 折ぎ板で作った折り 『折ぎ折り』(へぎおり)。
かー
っかー
経木、折ぎ板 『折ぎ板』。『折ぎ皮』(へぎかわ)の意味。
◎ひ
◎ひ
竹で作った籠で、編み残した端が鬚のように出ているもの、建て前の餅を入れるもの 『鬚籠』(ひげかご、ひげこ:竹や針金などで作った籠で、編み残した端が鬚のように出ているもの。平安時代以後、贈物などを入れるのに用いた。ひげかご。)。
餅を入れる際には予めウラジロガシの葉のついた小枝を敷き詰めた。『ご』は濁音・鼻濁音。籠の古形は『こ』で複合語の場合『ご』と発音する。
もり:群馬。
(ひーし) 日帰り 神奈川。
(ひけしぼ・ひけしもん) 卑怯者 鹿児島。
すり 髭剃り 『剃る』を『する』と言うのは江戸言葉でこれもその延長だと考えられる。
ぼーぼー 伸ばし放題の髭の様
ひけみ 引け目 ひけみ:東京。
ーり 日帰り ひげい:鹿児島。
ひけらがす 【動】見せびらかす 濁音化。
ひける 【動】@引ける、A終わる、B(水が)引く、C気後れする 『ふける』
標準語だが、終わる意味ではあまり使われないようになった。
B・ひける:潮が引く:静岡。
ひける 【動】作物が枯れる 新治郡の方言。
@『引ける』意味が転じたか、A『ひっける』が転じたか、B『干反る(ひかえる)』意味が考えられるが、土浦市に隣接する新治郡の方言だから、@の感覚が最も近いと思われる。
(ひける) 【動】のせる 神奈川・静岡。
ひけーる 【動】控える
(〜びけーん) 【助】〜ばかり 沖縄。
竹ひご、竹を細く割って削って断面を丸くしたもの 『籤』。提灯や当時流行った模型飛行機の材料。当時の子供達で『ひご』を知らない子供はいなかった。当時の夏休みの宿題はヒゴや角材を模型店で手に入れたり割り箸で作った。ところが今は何と夏休み工作キットが飛ぶように売れていると言う。幼少期に小刀も鉈もノコギリも持ったことが無い今の子供達は将来どうなってしまうのだろう。
ひこ 曾孫 古い標準語。勿論『ひこまご』とも言う。
(〜ひこ) 〜位。 宮崎方言。古い言葉の『式』が訛ったと思われる。
ひこー 【形動】卑怯 よく使われた言葉。直音化。
ひこすけ:ごまかし:福島。
ひこーきむし フウセンムシ(コミズムシ) 泳ぐ姿が飛行機に似ているからだろう。
ひこーきとんぼ チョウトンボ 『ヒコーキトンボ』はチョウトンボの別名。
ひこうきびら デパートのセールを知らせるビラを飛行機から撒いたもの 『飛行機ビラ』。
(ひこおび・ひこた) 兵児帯 静岡。
明治の静岡では、ヒキガエルを『ひこんすけ』と言った。
ひこげる
ひこける
【動】躓く 『集覧:無記載』。
(ひこずる) 【動】引き摺る 鹿児島。
ひこそーな 【複】卑怯な 『集覧:真』。『卑怯そうな』意味。
ひこたみ くぼ地 本来は『へこたみ』『ひっこだみ』という地域もある。
毎日 『日毎』。
ひんごて:島根・広島。
△▽ひこゆび 小指 『集覧:猿』。
ひこゆび:山梨。
ひーこらひーこら 【副】頭を下げてへつらう様、へこへこ、ぺこぺこ へいこら:ぺこぺこ頭を下げるさま。権力のある者をおそれ、おもねるさま。』の転。
ひーくらひーくら:弱弱しい様:山梨。
(ひらひらする) 【複】目的も無く無為に過ごす 神奈川。『ご』は濁音か鼻濁音か不明。
ひごひごする:萎れかかった様:山梨。
【動】水や小便などが吹き上がる、涙が出る 『ひょぐる』→ひょる→ひ
(ひこる) 【動】いばる 神奈川。
ひーころころ 子供の遊びの一つ 土浦市で採取されたものらしい。
『民俗』には『ヒーコロコロ、火は無いぞ、おばたの下で、ホーイホイ。』などと言って遊んだとある。ここでの『おばた』は囲炉裏かかまどのそば、すなわち『御端』の意味と思われる。
当時の子供の生活は、子供同士の世界とは別に、幼い頃から一家の一員としての役目が与えられた。その理由は、一家の主婦の仕事が今では考えられないほど多様で忙しく、また重労働でもあったから、子供の年齢に応じた仕事を与えないと負担が多すぎたからだし、小学校の高学年になると、大人と同様の農作業を受け持った。
竃の火の見張り番から始まり、薪くべを覚え、いずれは、種火から仕事を任された。風呂焚きは子供の仕事の定番だったから、うっかり当番の日を忘れて遊びほうけて帰ってくると、こっぴどく叱られたのが当然である。
雨戸の開け閉めも子供の仕事だったし、牛に押し切りで切り藁を作って与えるのも子供の仕事だった。
タライに水を入れて木製の洗濯板を使って、子供には大きすぎる当時の固形の洗濯石鹸で洗濯をさせられたのは、ついこないだのような気がする。私のタライの記憶は最初は木製で、間もなく鉄製に変わったという記憶がある。木製のタライは重くて手に負えなかったが、鉄製になって随分楽になったものである。
この、『ヒーコロコロ』は私の記憶に無いが、通常の子供の遊びではなく、大人に命ぜられた、仕事のまじない言葉に思える。つまり、囲炉裏か竃の見張り番を子供に与えた大人が作った子供のためのマニュアルのようなものだろうと思われる。
(ひさ) 沖縄。
(ひーさ) 【副】久しく 長野。
広辞苑には『ひさ【久】:ひさしいこと。永く時を経ること。万一七「きみが目を見ず―ならばすべなかるべし」』とある。
ひざおる 【動】座る、正座する 関東では茨城・栃木限定。青森全域・秋田の一部でも使われる。
標準語の『膝を折る』は『膝を曲げてすわる。』意味。
ひざかぶ
ひざかぶら
膝、膝頭 『膝頭(ひざかぶ)』自体が今では死語となってしまっている。
『称呼』では『膝(ひざ):豊州にてつぶしといふ。中国にてはひざのさらといふ。薩摩にてひざつぶしと云。奥州南部にてひざかぶと云。越後にてぶしやかぶ(ぶしゃかぶ)といふ。』とある。
『俚言』には『かぶら:「東雅」今俗には蕪菁の根のみかふらといひぬれと古にはしかはあらず。蕪菁の根をも?の根をも又海藻根のごときをもかぶらとはいひけり。(中略)脚腓をこむらといふも、かふらといふが如し。かぶらといひこむらといふは転語なり。愚按、かぶら一にかぶといふ。 は助辞也。(中略)「色道大鑑名目」蕪、初心なるものをさして云也。瓦智に比していへり。物を食するに味なき物を蕪を喰う様等云詞にて知るべし。』とある。
広辞苑を調べると、『蕪・蕪菁』は、『@かぶ。A(遊里語) 初心者。』の意味。『鏑』は、『@木・竹の根または角(ツノ)で蕪(カブラ)の形に作り、中を空にし、数個の孔を穿って矢の先に付けるもの。A鏑矢の略。』の意味。『根茎』は、『植物の茎の下部のふくれた所の称。株。』の意味。いずれも読みは『かぶら』である。
しじゃかぶ:宮城。
しゅじゃかぶ:秋田。
ひざがした:鹿児島。
ひざしら:東京。
ひざかぶろ:八丈島。
ひじゃかぶ:宮城。
ひーさぐ 冷え性の人、寒がりや 人名化した『冷え作』の意味。
(ひさし) 『呼称』によると『関西にてをだれといふ。越後にてといふ(いせの国にて家居にあるを庇といひ 土蔵に有をといふ。江戸にては商家の暖簾といふものをかくる具に汚垂といふ有。)。』とある。
(ひさしかぶり) 【複】久しぶり 静岡。
□ひさず 古語。しかし一般の古語辞典には無い、。
ひざたでる 【動】座る、正座する
ひざっかぶ
ひざっかぶら
ひざがしら、ひざかぶ、ひざこぞう 『膝頭(ひざかぶ)』の転。この『かぶ』は『頭』(かぶり)の意味か。『かぶら』は『根茎』の意味。
しんじゃかぶ:岩手。
ひざっこぞー:東京・山梨。
ひざっこ
ひざっこぶ
ひざがしら、ひざかぶ、ひざこぞう
ひざっつら 膝の面、お皿の面
◎ひざなおし
ひざふぐし
ひざほぐし
ひざほごし
嫁のはじめての里帰り。また、その日に新郎が新婦の一門と互いに盃をかわす宴。 県下では標準語そのもののほか、現代のお色直しに近い意味の様々な儀式がある。
ちなみに『お色直し・色直し』を広辞苑で調べると『@結婚後三日目または出産後百一日目に、新婦または産婦・産児の着けた白小袖などを色物に取り替える習俗。A結婚式後、新婦が式服を別の衣服に着替えること。』とある。また『色直しの盃:結婚当夜新夫婦が床に入る時、改めて盃をとりかわすこと。床盃。』もある。
ひざなおし:結婚初めての嫁の里帰り・結婚後三日目にする嫁の里帰り・結婚後三日目に嫁・婿の両親・仲人・橋渡し役が読めの実家に行くこと:神奈川。
みつめ・みつめのひざなおし:結婚後三日目にする嫁の里帰り:神奈川。
ひさなが 日中 『日最中』の意味。
ひざなか:群馬。
ひざわり
ひざーり
祝い事をするのに差し障りのある日 『日障り』の意味。
びさん 石の仕上げに使う金槌の一種 『びしゃん』が訛ったもの。建築専門用語。『びしゃん』で叩くことを『びしゃん叩き』と言い、その仕上げを『びしゃん叩き仕上げ』と言う。
(ひし) 岸壁 明治の長野言葉。
・ひしお
ひしょ
大豆と小麦で作った麹に食塩水・醤油を加え、塩漬けの瓜・なすなどをまぜ込んだもの(大辞林) 『醤、醢』。なめ味噌の一種。
しかる 【動】座る、地面にどっかりと座る ちかる』
(ひじきり) 【形動】不精 静岡。
ひし

びしく
【動】@押し潰す、絞る、A目をつぶる 広辞苑に『拉ぐ(ひしぐ):@おしつけてつぶす。おしつぶす。A勢いをくじく。
ひしぐ【瞑ぐ】:B目をつぶる。』とある。
清音形は標準語だが使う人が少ない。土浦ではしばしば用いた。『ひしゃげる』の他動詞形に当たると考えられる。
この場合の『ひし』は『菱形』に繋がる。
ひし:山梨。
ひし:摘む:山梨。
ひち:摘む:山梨。
へし:山梨。
はみがぎまっとひしーでみろ、ででくっから:歯磨きをもっと押し潰して見なさい、出て来るからて。
(ひじくなる) 【動】うずくまる 静岡。
(ひじくる・ひちくる) 【動】手でこねまわす、いじくる 今昔物語にも出て来る古い言葉。
ひじくる・ひちくる:神奈川。
ひし
【動】潰れる 清音形は標準語だが使う人が少ない。
おまんじひしでくいだもんだね:饅頭が潰れて食えたもんじゃない。
(ひしこ) ちょんまげ 宮城。
ひじこぎ
ひじっこぎ
ひじっこき
ひーじじー
ひーじっち
曽祖父 今では、誰もが理解できる言葉だろう。
びじづ
びじつ
美術 びじづのじがんになんでおめはべんとくってんだ:美術の時間にどうしてお前は弁当食べてんの?。
びじづがん
びぢつがん
びじつかん
びちつかん
美術館 びじづがんっちゃびじづやっとごなんだどー、おめはそごでなにやってんだひじついでんだあー、このやろびじづがんごそ『ひじづがん』なんちんだっ、しょがねーなはーいづでもふざげでんだがら:美術館って美術をやるとこなんだぞ。お前はそこで何してんだ−肘を付いてるんだ。−ああ、こいつ。美術館でこそ『肘つかん』なんて言うんだろう。しょうがないなあ何時もふざけてるんだから。
(びしってー・びしょってー) 【形】汚い 神奈川。
びしっと
しっと
【副】みっしり、しっかり
ひじつり
ひじっつり
ひじっつる
肘の筋 多く即穏便を伴う。『つら』は『蔓』(つる)の古形で筋状のものを示すことから、筋肉や筋を意味している。
しずつり:肘:宮城。
ひじちり:肘:青森。
◆▲▼△▽ひして
◆▼ひしてー
【副】1日中 『集覧:新』。
『しして』、『ししてー』
古語の『ひひとひ(日一日)』(終日、一日中)に由来する。その他古い標準語には2月1日を示す『一日正月』(ひひてしょうがつ)がある。
ひひとひ→ひひてひ→ひひてー→ひしてー と変化したと考えられる。
ただし単に『日をして』『日を強いて』の意味の可能性も有る。
しして:山形・茨城・千葉・長野・徳島。
ししてー:茨城・千葉。
しすて:宮城。
ひしぇてじゅー:千葉。
ひして:岩手・宮城・福島・茨城・千葉・佐渡島・愛媛・鹿児島。
ひしてー:茨城・長野。
ひしてい:千葉。
ひしとい:徳島。
ひってい:静岡。
ひっとい:静岡。
ひーて:長野・静岡・愛知・大分。
ひーてー:静岡。
ひーとい:静岡。
ひひて:岩手・山形・宮城・茨城・愛知。
ひひてー:茨城。
ひょーらく:静岡。
へして:茨城。
へしてー:あと1日か二日:神奈川。
へーして:栃木。
へーとい:静岡。
へひてー:静岡。
ひしてふつか
ひしてーふつか
一両日、日一日二日 『ししてーふつか』
(びしと) 【副】いつも、始終、度々 宮城。
ひしぬ
ひしむ
【動】飢え死にする 上代からある古い言葉。『乾死ぬ』。
きしぬ:死ぬ:鹿児島。
ひしま 【動】潰し曲げる、折り曲げる 『圧し曲げる』意味の可能性もある。
ひしゃ
しゃ
房(ふさ) 『ひとしゃ、ふたしゃ』と数える。
びしゃ:静岡。
しゃ:神奈川。
ひじゃ
ひじゃかぶ
ひじゃ:宮城・八丈島。
ひじゃかぶ:山形・宮城・福島。
▲▼びしゃ
しゃ
人を驚かすこと、無理じい、脅迫 『集覧:鹿』。他県の方言では、@ぬかるみ、A水溜り、Bくず繭、等があるので『泥』の意味か、『高飛車』が転じたか。『附子矢(ぶしや)』(鏃(ヤジリ)に附子を塗った毒矢。ぶすや。)の意味か。
長く不明だった方言だが、『歩射』の意味が転じたものだろう。
びしゃ 弓を射ることで神意を占う行事 『御歩射』(おびしゃ)。
広辞苑には『関東地方東部に行われる春の農村行事。もとは歩射(ブシヤ)の神事で、弓で的を射てその年の豊凶を占ったが、今は単なる村寄合の称とするところが多い。備謝祭(ビシヤマツリ)。』とある。『ぶしゃ』(歩射)とも言う。
(ひーじゃー) 山羊、山羊汁 沖縄。
びしゃかげる
しゃかげる
はっぱをかける、脅す、叱り付ける、かまをかける 『びしゃ』は、他県の方言では、@ぬかるみ、A水溜り、Bくず繭、等があるので『泥』の意味か、『高飛車』の意味か。『附子矢(ぶしや)』(鏃(ヤジリ)に附子を塗った毒矢。ぶすや。)の意味か。
長く不明だった方言だが、『歩射』(ぶしゃ:徒歩で弓を射ること。ぶしゃ。)の意味が転じたものだろう。
どしゃーかける:神奈川。
びしゃくれる:栃木。
びしゃをかける:東北・長野。
あいざーさいぎんなまったれーがらびしゃかげでやれ:あいつは最近怠けているから脅かしてやれ。
ひしゃ 【動】【文】潰れている 『ひしゃぐ』の自動詞形。
びしゃ
しゃ
【動】@潰れる、A地面に座る @『ひしゃぐ』の自動詞形。
A『潰れたように座る』意味だろう。
ひしゃだす 【動】押しつぶして出す 『拉ぎ出す』。
ひしゃぐ 柄杓、ヒシャク 濁音化・半濁音化。
くしゃく:鹿児島。
びしゃ
◆■しゃ
▲▼しゃく
◆ひしゃ
【動】押し潰す 『集覧:久』。『拉ぐ』。
集覧ではしやく』と表現されている。これは『ひしゃぐ』は、古くは『へしやく、へしやではなかったのではないかと思わせる。すなわち『圧しやりくる』意味だとすれば、現代にもある動詞の基本形がもともとあって、その複合語によって生まれた言葉とも考えられる。その結果、『拉ぐ』とは『圧す』に由来し『圧しくる』意味とも考えられる。
くしゃぐ:鹿児島。
ししゃ:宮城。
びしゃ
◆▼しゃ
ひしゃ
【動】潰れる 『拉げる』。
ししゃ:宮城。
ひしゃ:東京。
えーん、おれのごむひこーきしゃでるー:(子供が泣いて)僕のエアプレーンが潰れてる。
びじゃげる 【動】@ぬかるむ、A甘える Aは『びだげる』がさらに訛ったもの。
がっこにいぐ、けんどのとごどごが、びじゃげでっからー、なーづはいでげ:学校に行くところどころの道がぬかるんでるから長靴を履いて行きなさい。
ひじゃっかぶ 膝頭
びじゃっと
びしゃっと
しゃっと
【副】潰れる様、びしゃりと、ぴしゃりと
びじゃぬれ
びしゃぬれ
びじょぬれ
びじょびじょ
【形動】びしょ濡れ、ずぶ濡れ あー、こーたびじゃぬれで、かぜひがながったがー、かーいそーだいなー。ほれ!、ごしごしふいでやっと:あら、こんなにびしょ濡れで可哀想に。ほら、ごしごし拭いてあげるわよ
びじゃびじゃ 【形動】びしょびしょ 『びちゃびちゃ』。
びしゃまる 【動】潰れる、破産する 『びしゃる』がさらに訛ったもの。
びちょ:押しつぶされる:青森・秋田。
びしゃん 石の仕上げ加工をする道具のひとつ 建築専門用語。
びしゃんこ
しゃんこ
【形動】ぺしゃんこ
びしゃんと
しゃんと
【副】潰れる様、ぴしゃりと、びしゃりと
(ひじゅー) 【形動】一日中 神奈川。
(ひじゅる) 【形】冷たい 沖縄。
びしょ 屑米
びしょっけ 【形動】びしょ濡れの様
びじょっと
びしょっと
【副】潰す様 びじょっと・びじょりと・びっちょり:山形。
びしょまい
びしょまゆ
びしょめー
くず繭 はびしょ:群馬。
びしょんまゆ・びしょんめー:繭が腐ってびしょびしょになったもの:神奈川。
ひじょる 【動】精を出して働く。努力する、苦労する 『集覧:猿』。茨城方言集覧では『困難を言う』とある。『肘を折る』ことで『骨を折る』と同じ意味。『肘を曲げる』には『清貧を楽しむ』意味があるという。
(ひじる) 【動】からかう 宮城。
広辞苑に『ひじる:盗む。』『聖る:(「聖(ヒジリ)」を活用させた語) 聖らしくふるまう。僧らしくなる。戒律を守り、世俗を絶つ。』とある。
(ひじるい・ひじれったい・ひずるしー) 【形】眩しい 静岡。
ひじろ 暖をとる場所、囲炉裏、竈 広辞苑に『火代(ひじろ):(「しろ」は一定の区画のこと) 関東・中部地方で、囲炉裏・炉をいう。火焚じろ。』とある。囲炉裏は別名『地炉』とも言う。
ひじろ:埼玉・神奈川・長野・山梨・静岡。埼玉では炉辺を『じろばた』と言うが、『地炉端』の意味で方言とも言いがたい。
ひじろっ 囲炉裏端、竈の回り 『火代端』の意味。
(ひじろぼってゃー) 【形】眩しい 神奈川。
ひーず ヒューズ 直音化の典型例。
これは、東京電力の技術の進展にともなった言葉で、今は電流量をキャッチして切断するマグネット式に変わったが、当時は電流が過剰になると解けてしまうヒューズを使っていた。当時は今に比べたら雷対策も不十分で、年に数回は停電が起きるのが当たり前でヒューズのスペアを用意しておくのがあたりまえだった。
びーす
ーす
ひーす
ーすけ
ヒヨドリ 『集覧:多』。ヒヨドリの別称は『ヒヨ。ヒエドリ。』。
この方言は単なる擬音語と考えられる。
(ひすい) 【形】けちである。しみったれだ。 静岡。
広辞苑に『ひすい・ひすし:わるがしこい。ずるい。こすい。ひすかし。』とある。
ひすぎる
◆■▽ひすきる
ひすげる
ひすける
【動】@乾いて隙間が開く、Aひからびる @『干し』+『空く』。
ひひきる:青森。
A『干し』+『過ぎる』。
ひすびる:神奈川。
すけっと ビスケット
びすばる
◆■▲すばる
ーすばる
■▲ひすばる
ひす
ひすわいる
ひすわぐ
【動】@落ち込む、A縮こまる、小さくなる、B△▽萎る、干からびる 『干窄る』(ひすばる)意味と思われる。『窄る』(すばる)は古い標準語で、『狭くなる、縮まる、衰える』こと。『集覧:北・猿』。
B・ひすばる:埼玉・群馬・千葉・長野。
ひすびる:神奈川。
ひずみ
ひすみ
ひずめ
影響 『歪み』の意味の転化。『集覧:稲』。
ひーぜー 平生 『集覧:無記載』。
ひぜに 日ごとに入る金銭、日当 『日銭』。
(ひそ) 【動】垢がついて汚れた様 長野。
ひーぞー 冷え性の人、寒がりや 人名化した『冷え蔵』の意味。
ひそめる 【動】@(顔等が)歪む、A泣き顔になる やや古い標準語の『顰める』。当時は良く使われたが何故か今は使われない。ほとんどの人が『顰める』(しかめる)を使うようになってきている。
びだ タナゴ・ゼニタナゴ。 別名『タビラコ』と言う。県南部の方言。大陸バラタナゴをも言う。
びった:女の子:青森。
ひた ひた:静岡。
びだ〜
びた〜
【接頭】平べったい様、一面の様 動詞の語幹になる場合もある。
この言葉を使った単語は、様々あるが、動詞を除き利用域が狭い傾向がある。しかし、多くが県南部に集中することから、ルーツは、『べた』であろう。

端・辺(へた)を示す『べた・ぺた』、縁、端、表面 古語の流れを考えると、『ひた』とは、直接の意味の『直』である。確かに標準語には、端・辺(へた)を示す『べた・ぺた』があるが、実際は、直接面する意味の可能性もある。
かおた・かおった・かおっ:頬、けづた・けづった・けづっ:しりっぺた。
(びたい) 女の卑称 東北・岩手。
一般に『媚態:人にこびる態度。なまめかしい様子。』があるが、むしろ性器を指して『平べったい』と言ったものと思われる。
ひー:佐渡島。
びこ:佐渡島。
びーさん:佐渡島。
びったー・びっつる・すべたあま:婦女子の卑称:長野。
びやん:佐渡島。
ひだい ひだい:鹿児島。
ひたい
ひたいっくぢ
額の先 ひたい:千葉・神奈川・山梨・静岡・奈良・和歌山・高知。
びだいぢめん 【形動】あたり一面 『べた一面』。重複語。
(ひだいむね) 相手から見て左の衽(オクミ)を上にして衣服を着ること。普通の着方と反対で、死者の装束に用
いる。
鹿児島。『左前』『左手前』。
びだうげ 平べったい筌 稲敷郡の方言。
びだおがめ 女をののしる言葉 おかめ顔に加えて平べったい意味。北茨城市の方言。
ひたき 『きたき』がさらに訛ったもの。『集覧:多』。
『民俗』では鹿島郡の方言。
ひたぎ
ひーたぎ
火を焚くこと 『火焼・火焚・火炬』。
ひたぐ 準備、着替え 『仕度』。
ひたく:静岡。
ひーたぐ 【動】火を焚く 『ふったげる』
びだくそ 価値の無いもの 『鐚糞(びたくそ)』の意味。『鐚』は『鐚銭』のびた。水海道市の方言。
びだ 量の多い大便 『平べったい糞・一面の糞』の意味。県全域の方言。
びたかんじき 田下駄 『平べったいかんじき』の意味と考えられる。稲敷郡の方言。
(鼻濁音) 茨城方言にとっては鼻濁音は欠かせないものだが、日本には鼻濁音が無い地域がある。
東日本では新潟・群馬・埼玉、西日本では愛知と中国・四国・九州の全域である。八丈島でも鼻濁音が無いとされる。
カ行音の濁音化が起こる茨城及び東北の全域は鼻濁音がある。
近年では、東京・神奈川では約半数が『意識して使っていない』と言う。
鼻濁音か否かを表記するルールを何故明治期に作らなかったのだろうかと思ってしまう。
◆●びだ
■▲びた
あぐら 『集覧:多』。県全域の方言。
『日本方言大辞典』によれば、西日本では『いたら』と言う。県内では稲敷郡でも使われる。
『胡床・胡坐』(あぐら)の『あ』は足であり『くら』は座の意味である。この場合、『びた』とは、直接の意味の『直』(ひた)か、『端・辺(へた)』の意味か、べったりと座る『べた』の意味か。西国方言の『いたら』そのものが、稲敷郡に残ることから、それが変化したとも考えられる。
『国誌』には『平箕居(びたあぐら)』の意味とある。
『称呼』には『ゆるやかに坐する事を 京大阪にてじやうらくむといふ。関東にてあぐらかくと云 又ろくに居る共いふ。大和及伊賀伊勢遠江にてあずくみと云。南部にてをたびらかくと云。加賀にてあいちかくと云。越前にてと云。肥前及薩摩にていたらみと云。。肥後にていたらめといふ。案にじやうらくとは蔵六也。瓶の首尾手足の六を隠すに似たれはかく云。然らはじやうらくは転語か。和漢三才図絵に常楽とも見えたり。またあぐらと云「あ」は脚也。「くら」は坐也。日本紀に趺坐読で「うちあぐみゐる」と云か如し。又胡床俗に云、床机(しょうぎ)也。これより起こりたる名なりや。又ろくといふは直の字に当たるか。物を直に置く事をろくに置くといひ、直ならぬ人をろくでなしと云。琉球人の「あんじき」と云も ろくに居る事をいふと也。』とある。
以下を見ると、現在の『胡坐(あぐら)』はもとは『膝胡坐(ひざあぐら)』と言っていた可能性が高く、言い換えれば『膝足組』の意味だったろう。
いた:西国。
ひざあ:中国・四国。
ひだあらー:関東。
びた:栃木。
びたぐらー:九州。
びだらかぐ
びだらかく
びだらくむ
【動】あぐらをかく
びだぐる 【動】ひったくる 県北・県西・県央部の方言。
びだげ
びだげやろ
甘えん坊 『びだげる』の名詞形。
ひだ 鬣(たてがみ) 『しだがさらに訛ったもの。
びだげでる 【動】甘えている
びだげる
びだける
■▼びたける
【動】@甘える、A(子供が)地団駄踏む、甘えてめそめそ泣く 『びだ』は、茨城では普通『平べったい』意味を示す接頭語だが、寝転んで甘える意味かもしれない。いわば、『びだっと寝転がってひっくり返る』意味なのかもしれない。
『民俗』では@の意味としている。土浦では主にAの子供が地団太踏む事を指して言った。
県北では、『びじゃける』と言う。『媚態(びたい)』や古語の『混く(ひたたく)』は、ごたごたしている、みだりがわしい、締りがない、うかれている等の意味があるがそれに由来するかどうかは解からない。
@『びれつく・びろつく』とも言う。
びだげる:千葉銚子。
びだける:甘える:千葉。
びれる:甘える:東北。
A・びだげる:泣く:千葉銚子。
Bその他。
びだ・びた:女の子:東北。
びたい:女の子・女の卑称:岩手・東北。
びた:女性の卑称:神奈川。
びーた・びーたー・びーたら:女の子:神奈川。
びだこい
びたこい
びったこい
【形】平らな様、薄べったい 勝田市では三角形に作った枕団子を『びたくい、びたくいだんご』と言う。
びちょ:押しつぶされる:青森・秋田。
ひたしー 【形】親しい
ひたじぎ 下敷き
ひたしむ 【動】親しむ
(ひたしむん・ひたしもん) おひたし 鹿児島。『浸し物』。
びだぜん 平膳にクルミの実の半割りを足としてつけたもの。 『平べったい膳』の意味。
びだたい 【形】平べったい
(ひたち・ひたちこく・ひたちのくに) 茨城県の古称 茨城県民は、かつての学校で、『常陸』とは『日・陽が立つ国』だと教えられた。あたかも、日本国の美称とされる『日出づる国』の如きである。すなわち『日つ上』言い換えれば、太陽が昇る方向を意味する。
語源辞典の解説をそのまま記すると、『常陸』とは『東海道15カ国の一つ。大化の改新後に、高(多か(王偏に可の字))、久自(久慈)、仲(那賀)・新治・筑波・茨城の六カ国を統合して一国となる。廃藩置県後、茨城県と新治県に分かれたが、明治8年合併して茨城県の北東部を占める。』(和名抄)と書かれている。
具体的な語源説は、@都と陸続きに行けることから、ヒタカチの略(日本釈名)、Aヒタカミ(日高見)の転訛、ヒタカチ(日高土)の転、Bヒタシ(漬)の国の転、倭健命の伝説から、Cひたみち(常道)の略(古事記伝) とある。
『常陸風土記』には総記に当たる部分に常陸の名の起こりが書かれているが、要約すると以下のようになる。
『然名づける所以は、往来の道路、江海の津湾を隔てず、郡郷の境界、山河の峰谷に相続ければ、直道(ひたみち)の義をとって、名称と為せり。
倭武(やまとたける)の天皇、東の夷(えみし)の国を巡狩はして、新治の県を幸過ししに国造 那良珠命(ひならすのみこと)を遣わして、新に井を掘らしむと、流泉清く澄み、いとめずらしき。時に、乗輿を留めて、水を愛で、み手に洗いたまいしに、御衣の袖、泉に垂れて沾じぬ。すなわち、袖を浸すこころによって、この国の名とせり。風俗の諺に、筑波岳に黒雲かかり、衣袖漬(ころもでひたち)の国というはこれなり。』
また、『常陸国風土記』が編纂された時代に、常陸国は、「土地が広く、海山の産物も多く、人々は豊に暮らし、まるで常世の国(極楽)のようだ」と評されていた。しかし、極楽浄土勧とは対照的に防人の歌には、留守宅の妻を思う切なる心情や西国へ向かわなければならない朝廷に対する怒りが読み取れる(ウィキペディアより)。
『陸奥(みちのく)』(おく。むつ。みちのくに。奥州。)と呼ぶのだろうか。元は『みちの奥』だったろう事は誰でも推測できるが、『常陸』『陸奥』の関係を明快に論じた文献にはまだ巡り会っていない。『道』の語源は『@ミは発語。チは通路の義。(大言海)。Aミは御で敬称。チは道の義。(東雅他)。』が有力であるが、その先に進めない。
ひだぢ
ひたぢ
ひだち
県北の地名日立、日立製作所
ひたづ
ひたつ
ひたっつ
【数】二つ 『集覧:無記載』。
『称呼』には『尾州知多郡にては、ひとつふたつと云をふとつひたつとかぞへて、ひとふとの相違あり。下野にても、ひと・ふとあちらこちらに云所有。』とある。
茨城方言は東北方言の一部に分類されるから、青森に同じ方言があるのは理解できるが、鹿児島にも同じ方言があることを考えると、古代語の可能性を思わせる。
ひたつ:青森。
ひたっつ:鹿児島。
びたっか タナゴ
びだづがる
びだつかる
びだっかる
たつかる
【動】倒れる、転ぶ、倒れて横になる 『びだっと』(べったり・ぺたんと)地面に『付く』意味。
びだつぐ
びたつく
たつく
【動】倒れる、転ぶ、倒れて横になる
びだづげる
びだづける
びだつける
びたつける
びたっける
たつける
【動】押し倒す、押し潰す、投げ潰す、横倒しにする
びだっこ タナゴ
◆▼びだっこい
びたっこい
たっこい
びだっけー
びたっけー
【形】平べったい
びだっつら
びだつら
■▲▽びたつら
平べったい顔 『集覧:行』。
たっと 【副】ひたと、ぴったり、隙間の無い様 標準口語でも使われる。辞書では『ぴたりと』が転じたものとある。
びだっと 【副】直に、べったりと びだっと・びだりと:直接・直に:山形。
なーにびだっとすわってんだ:どうしてだらしなく座ってるんだ。
びだてー 【形】平べったい
(ひだな) 炉の上に天井からつるした棚 『火棚』。『天棚。天皿(アマザラ)。火天(ヒアマ)。火高。あまだ。』とも言う。
ひだな:神奈川・長野。
ひやま:長野。『火天』。
びだばる 【動】@病気等で伏せてしまうこと、顔色が悪いこと、うずくまる、A座ること、あぐらをかく、B死ぬこと、Cものすごく疲れること、D潰れる、E倒産する、F挫折する 『疲れてへたり込む』意味を伴う。
『びだまる』の方が本家のようである。
『びだ』(平べったい意味や潰れた意味を表す語幹)+『張る』。もともとは、座り込む意味が転じたと考えられる。
ただし、『へたばる』が転じた可能性も捨てきれない。
びだびだ
▲▼びたびた
【形動】@素足で歩く様、ぴたぴた、ぺたぺた、A▲横になる様、寝そべる様、B幅広く低い様、平べったい様 @・びたびた:山形。
A『集覧:多』。
茨城方言集覧では『びたびたしている』(平たくなり居ること)とある。
びぐだらびぐだらて:体が弱くぶらぶらして:山形。
B・びだびだ:山形。
Cその他。
びだりびだり:ゆっくり行う様・苦労して行う様:山形。
たいだ 苗代を均す時に使う板 標準語風に言えば『ぺたぺた板』。稲敷郡の方言。
ひたひたひたひた 水が迫る様 『ひたひた』。標準語でも『どんどんどんどん』と言ったりするのと同じ。
びだまこい 【形】平べったい
◆▼びだまる
びたまる
▲▼ひだまる
【動】@▲病気等で伏せてしまうこと、顔色が悪いこと、▼うずくまる、A▼座ること、あぐらをかく、B▼死ぬこと、Cものすごく疲れること、D潰れる、E倒産する、F▲▼挫折する 『疲れてへたり込む』意味を伴う。『びだまわる』と言う地域もある。
『びだ』(平べったい意味や潰れた意味を表す語幹)+『張る』または『まる』。もともとは、座り込む意味が転じたと考えられる。
ただし、『ま』と『ば』は音通するから『へたばる』が転じた可能性も捨てきれない。
地域によっては『ぶたまう・ぶたまる』と言うところもある。
@『集覧:久』。
A八丈方言で『座る』ことを『ひじゃまつけ・ひざまづいて』と言うのと同様、『跪く(ひざまずく)』の流れも否定できない。
C疲れて立てない状態を言う。茨城では疲れる意味の言葉に他に『こわい』『おっこまる』がある。疲れの程度が異なり、『こわい』は通常の疲れを意味し、『おっこまる』は疲れて寝込んで全く動けない状態を言う。
F茨城方言集覧では旧那珂郡の『ひだまる』(挫折する)が紹介されている。
ひたむ 【動】@液をしたたらす、しずくを残りなくたらす、A水などを布にしみこませる、B漉す 『したむ』。
びためる 【動】平らにする
びたゆる 【動】疲れて動けなくなる
びたらい
びたらっけー
【形】平べったい びたらこい:秋田。
びたりけく:秋田。
べちゃらけ:秋田。
ひだりー 【形】空腹な様 『ひだるい』。
ひだっか:鹿児島。
ひだりー:埼玉・神奈川。
ひだるか:鹿児島。
ひんだり:鹿児島。
ひだりかし
ひだりっかし
左端
ひだりかだ
ひだりっかだ
左側、左の方
ひだりぎっちょ 左利き 標準語世界の今は、『ぎっちょ』『ひだりきき』とは言っても『ひだりぎっちょ・ひだりぎっちょう』と言う人はあまりいなくなった。もともとは『左器用』であったとされる。
ひだりぎっちょ:群馬・山梨。
ひだりじょっき:山梨。倒語の典型的例と考えられる。
ひだりちょっかい:佐渡島。単に『ちょっかい』とも言う。
ひだりこ
ひだりこ
ひだりこき
ひだりっき
ひだりっきぎ
ひだりっこ
ひだりっこ
左利き 『左漕ぎ』の意味。何故そう言うのかは不明。『左前』の意味が訛ったか。
しだりこ:宮城。
しだりこに:宮城。
ひだりこ:岩手・秋田・宮城・福島・新潟・関東(東京以外)・新潟。
ひだりっかい:東京多摩。『左櫂』の意味。
ひたりっこ:千葉・群馬。
ひだり
ひだり
ひだりっ
左面
ひだりまい
ひだりめー
物事が順調に行かないこと。運がわるくなること。 『左前』。
しだりめ:宮城。
ひだりまぎ
ひだりまき
頭の回転の遅い人、頭の調子が変な人 清音なら標準語。
ひだる 【動】浸る、没頭する 濁音化。
△▽☆ひだるい 【形】空腹な様 『ひだるい』は古い標準語。
九州には古語がよく残る。形容動詞と形容詞表現の定義が曖昧な中で、九州では独自のルールを作ったと見られる。
ひだりか:鹿児島。
ひだるい:栃木・群馬・埼玉・東京・東京多摩・佐渡島・静岡・奈良・徳島・高知・大分・鹿児島。
ひだるい:だるい:静岡。
ひだるか:佐賀・鹿児島。
びーたれ
ーたれ
弱虫
びたんこ
たんこ
潰れた様、ぺたんこ、ぺちゃんこ
ひぢ
◇☆ひち
@七、A質 『俚言』には『ひち:俗に七をひちと呼へり。質物をひちものといへり。』とある。
『し』と『ち』は江戸時代にすでに混乱して使われたことが解かる。
@・ひち:鹿児島・山梨・静岡。
びぢがる
びぢかる
びちかる
ちかる
【動】座る、地面にどっかりと座る 『ぶちかる』。『集覧:多』。
びーちく ちび 北茨城市の方言。=『びーつく』
・ひちくどい
ひちくでー
【形】ひどくくどい =『しちくどい。』。
ひちくでー:山梨。
(ひちくる) 【動】@ぐずぐずする、Aぐずぐずいつまでもいじくる 神奈川。Aは古語。
広辞苑に『ひじくる・ひちくる:手でこねまわす。』とある。
ひぢさん
ひちさん
七五三 ひちさん:群馬。
七五三及び関連語を辞書(大辞林)で調べると以下のようになる。
・七五三:男三歳と五歳、女三歳と七歳のときに子供の成長を祝う行事。一一月一五日にその年の子に晴れ着を着せ、神社・氏神などに詣でる。七五三の祝い。
帯解き・紐解き:子供の付け紐(ひも)をやめて普通の帯を使い始める祝儀。男は五歳、女は七歳の一一月の吉日に行なったが、次第に一一月一五日に定着した。ひもとき。おびなおし。
袴着:幼児の成長を祝い、初めて袴を着せる儀式。平安以降、男女の別なく三歳から七歳の間に吉日を選んで行われたが、江戸時代には五歳男児のみの風となり、次第に一一月一五日に定着し、七五三の風習の一環となった。
・髪置き:幼児が髪を伸ばし始めるときの儀式。白髪をかぶせ頂に白粉をつけ、櫛で左右に梳く。中世末期からの風習で、普通は三歳の一一月一五日に行う。
これら4っつの風習は、同じようで同じではない。標準語圏の都市部でも地域によって様々な風習が残っていることを裏付ける。
土浦では一般に『おとき』『ひもとぎ』と言った。本来は産土神に個別にお参りしてお払いをして千歳飴もらって帰るのだが上大津地区では、第五中学校に集まって合同で祝う簡略化されたものだった。また、お祝い自体男女共7歳の時だけだった。ところが最近は、ホテルを会場にして結婚式並の豪華なお祝いが行なわれている。
ひちさん 髪の毛を分ける場合の左右の比率を言い、7:3の意味 『七三』。当時の床屋では『七三』か『六四』か良く聞かれた。
びちつかん 美術館
ひちっくでー 【形】大変しつこい、ひちくどい、しちくどい 『しちっくでー』
ひちはだ 【副】ものすごく、【形動】普通でない様、甚だしい様 『一肌』が近い。
ひちふくじん 七福神 焼き物の七福神を鴨居の上の板棚に並べ祭る家が多かった。
ひちめんど
ひちめんどくせー
【形】しちめんどうくさい 『七面倒』『七面倒臭い』。『七』はは当て字で、『しち』『ひち』のどちらが正しいかは不明。=『しちめんどくせー』
恐らく『執拗』の『執』に由来すると思われるが、それとてかつては『ひつよう』だったかもしれない。
ひぢや
ひちや
@質屋、A七夜 江戸言葉か。
@・ひちや:神奈川・八丈島・山梨・静岡。
A・ひちや:群馬。
ちゃっと 【副】平べったい様
びぢゃびぢゃ 【形】びしょびしょ 清音形は俗語。
びぢゃ:泥濘:山形。
ちゃべー 平べったいベイゴマ 土浦ではちゃべー』である。
びぢょぬれ
びちょぬれ
【形】びしょ濡れ 清音形は俗語。
びちょぬれ:群馬。
びぢょびぢょ
びちょびちょ
【形】びしょびしょ 清音形は俗語。
べちょべちょ:北海道。
ひぢりん
ひちりん
七輪 ひちりん:静岡。
ひちわた 引き綿、真綿
(ひづ) 神奈川。
ひづ 手拭い等の長いものをを数える単位 『筆』の意味と思われる。『集覧:猿』。
現代では一区画の土地の単位として使われる。
『筋』(細長いもの。線。)の意味にも取れる。倒語の可能性もある。
しとへず:縄や絹を数える単位:長野。
ひづ:線・筋:神奈川・静岡。
ひづ:静岡。
ひとしづ:五ヶ月目の帯祝いに仲人から贈られる長さ七尺五寸三分の晒し布:神奈川。
ひとっ:静岡。手拭い等の一単位。解説では『一筋』とある。
ひとへづ:一筋:神奈川。手拭い等の一単位か。
ひとへづ:縄や絹を数える単位:長野。
へづ:長野。
ひつ 唐鍬の刃に柄を差し込む部分 日本語では古くから『ひ』『し』は混乱した歴史がある。一方、『ひつ』や『しつ』は何らかの形で作られた、閉ざされたもの即ち器や空間を表すものが多い。
『室』に代表される空間や建物、『櫃(ひつ)』は什器の代表語であり、『棺・柩』は棺桶である。
どうやら、『しつ』『ひつ』は、現代の『しつらえる』に通じ、人間の行為によって作ったものを連想させる。現代語の『する』に繋がる。
★『土』:唐鍬(たうぐは)の四角(かく)な穴(あな)の處(ところ)が俄(にはか)に緩(ゆる)んだ。其處(そこ)はひつといはれて居(ゐ)る。
★『土』:唐鍬(たうぐは)のひつ痛(いため)っちやったから直(なほ)し來(き)た處(とこ)さ。
□ひっ〜 主として動詞につけ強調する。『引き』の促音化。
(ひづい) 【形】いがらっぽい、えぐい 神奈川。
ひっかいす
ひっかえす
【動】@引き返す、Aひっくり返す @『引っ返す』。
ひっかえす:東京・神奈川。
ひっくろける・ひっくろけーる:神奈川。
A・ひっかえす:東京。
ひっかいとっかい
ひっかえとっかえ
ひっけーとっけー
【形動】取っ換え引っ換え ひっかいこー:取替えっこ:静岡。
ひっけーばんけー:山梨。
ひっか 膝の後ろの窪んだ場所 『膕・引屈』。『ひきかがみ・ひかがみ・うつあし・よぼろ』とも呼ばれる。
ひっか 【動】屈む ひっか:静岡。
ひっかがり @物や手のかかるところ。物事の手がかりになるところ。A気持にすっきりしないところがあること。わだかまり。 『引っ掛り』。
(ひっかかり) 関係があること 東京。『引っ掛り』。
ひっかがる
□ひっかかる
【動】引っ掛る ひっかがる:千葉銚子。
(ひっかがん) 内股 鹿児島。
ひっかぎだす 【動】掻い出す
ひっかぎまーす 【動】@掻き毟る、A掻き回す、B混乱させる 『引っ掻き回す』。
B・ひっかきまーす:群馬。
Cその他。
ひっかきまし・ひっかきめし:五目飯:神奈川。
ひっかぐ
□ひっかく
【動】引っ掻く
ひっかぐ
ひっかく
@折る、A割る 『ひっ』は強調の接頭語。
っかぐ 【動】書く 『引き書く』意味と思われる。結城郡・新治郡の方言。
茨城方言では『び』も『ひ』も『ぴ』も『ぶ』同じ意味である。
びっかぐ・っかく・ひっかく:掻く・書く。
ひっかげ ベエゴマの技の一手。相手のコマの脇から引っ掛けるように外にはじく。
ひっかげる
□ひっかける
【動】@引っ掛ける、A(水等を)掛ける、Bあざむく。計略にかける。C酒などを一息に飲む。 B・すっかける:からかう:宮城。
ひっかげる
ひっかける
【動】@折れる、A割れる 『ひっ』は強調の接頭語。
ひっかける:長野。
ひっかじぐ
ひっかじく
【動】引っ掻く ひっかじく:群馬。
ひっかじくる:山梨。
ひっかじる 【動】齧る(かじる) ひっかじる:ひっかく・指で掻く:静岡。
ほーてーしぎひっかじったっれーでさんすーはまだまだだいな。:方程式をちょっとやった位で算数は、まだまだだね。
(ひっかーす) 【動】壊す 静岡。
ひっかた ジョウビタキ 典型的な擬音語表現。
ひっかた:群馬。
(ひっかたる) 【動】片付ける 神奈川。
ひっかだこい 【形】硬い しっかだこい:宮城。
ひっかだまる 【動】皆で集まる、固まる
ひっかづ
ひっかづく
【動】担ぐ 『引っ担ぐ』。古語の『被く(かづく)』『担ぐ』には『背負い込む、見に引き受ける』意味がある。
ひっかつ:神奈川。
っかっか
っか
【形動】ぴかぴか 辞書には無いが口語でも使われる。
(ひっかぶい) 臆病者 鹿児島。
□ひっかぶる 【動】@水などを勢い良く被る、A責任を負わされる 標準語。『集覧:無記載』。
茨城方言集覧では『ひっかふる』で『船の覆ること』とある。
ひっかぶる:静岡。
ひっかまいる
ひっかまえる
ひっかめーる
【動】ひどく構える ひっかまえる:山形。
ひっから 【動】からまる、ひっかかる 『からがる』の強調形。『が』は濁音・鼻濁音。
ひっから:神奈川。
ひっから 【動】着物のすそをはしょる 『からげる』の強調形。
ひっからびる 【動】干からびる しっからびる:宮城。
ひっからびる:山形・神奈川。
ひっからまる 【動】からまる しっからまる:宮城。
ひっからむ 【動】絡む
ひっかり 【副】しっかり ひっかり:神奈川・静岡。
ひっかり 【形動】眩しい様、きらきら 『集覧:猿』。
茨城方言集覧では『眩しき目つきを言う』とある。
『俚言』には『ひっかり:光也。』とある。
(ひっかり) 【形動】我儘 静岡。
びつかる
つかる
っかる
【動】座る、地面にどっかりと座る 『集覧:行』。
っかんっかん 【形動】ぴかぴか
ひっきざむ 【動】刻む。細かくする。
(びっきゅー) 東京武蔵村山。
ひっきょうする 【動】詮じつめる 『集覧:久』。
茨城方言集覧では『ひっきやうする』とある。『畢竟する』(詮じつめる)ことだろう。
ひっきれる 【動】切れる、引き切れる ひっきれる:静岡。
□ひっきる 【動】切る、引き切る 『引き切る』。
ひっきる:山形・群馬。
ひっきるっちょ 【形動】ひっくり返しのこと、裏表反対のこと
(びっく) 歪む事 神奈川。
(ひっくいかやす) 【動】引っくり返す 鹿児島。
びーづぐ
びーつぐ
■▲びーつく
ーつく
@背の低い人、ちび、A低い鼻 『集覧:無記載』。
Bその他。
びー:幼女:福島・富山・静岡・長野・岐阜・福岡。
ひっく 【動】くぐる
ひっくぐる 【動】括る すっこくり・すっこくりわんな・た・つっこくり・はりねわんな・ひっくり・わんな:針金を利用して兎を取る罠・針金の輪に兎が首を突っ込むと締まる:神奈川。
ひっくくる:埼玉。
ひっくじぐ
ひっくじく
【動】挫く、捻挫する ひくじける:挫ける:静岡。
ひっくじく:圧し折る:埼玉。
ひっくじく:折る:山梨。
びっくした
びっくった
【動】びっくりした
びーつくばる 【動】あぐらをかいて座るだけで何もしないこと
っくっく
ひっくらひっくら
【副】@細かく動くさま。ひきつるように動くさま。A生き物の細かくふるえ動くさま。 A・ひっくらひっくら:群馬。
びっくら 【形動】驚く様、びっくり 古い言い方だと思っていたが、全国的に分布しているようで流行語の可能性もある。
びっくら:神奈川・山梨。
ひっくらー 【動】@刑務所に入れられる、A◎食べる、B酒を飲む 『引き食らう』意味。
@★『土』:今度(こんだ)こさあ、捕縛(つかま)っちゃ一杯(いっえ)に引っ喰らあんだんべ。:今度こそは捕まって長いこと刑務所に入れられるんだろう。
Aっくらう』と言う地域もある。
ひっくらがす
ひっくら
ひっくらーす
【動】ひっくり返す ひっからかす:山梨。
ひっくら
ひっくらーる
【動】ひっくり返る ひっくらじかえる:静岡。
びっくらこぐ
びっくらこく
びっくりこぐ
びっくらする
【動】びっくりする 古い言い方だと思っていたが、全国的に分布しているようで流行語の可能性もある。
ひっくらす
ひっくらせる
【動】殴る 『引き食らわす』『引き食らわせる』意味。
ひっくらひっくら 【副】ひくひくして死にそうな様子 ひっくらひっくら・ひっくりひっくり:群馬。
(びっくりする) 【動】びっくりする、驚く 方言地図によると、近畿県を中心にした地域に限られることが解る。九州では『たまる』と言い、中国・四国・関東・東北南部では『たまる』と言う。当然茨城では、『たまる』である。
ひっくりいし
ひっくりかいし
ひっくるいし
ひっくるかいし
ひっくり返し 『引っ繰り返し』。『が』は濁音・鼻濁音。
ひっくりいしもっくりいし
ひっくるいしもっくるいし
【副】繰り返し 『が』は濁音・鼻濁音。
ひっくりいす
ひっくりかいす
ひっくるいす
ひっくるかいす
【動】ひっくり返す 『が』は濁音・鼻濁音。
ひっくりいる
ひっくりかいる
ひっくるいる
ひっくるかいる
【動】ひっくり返る 『が』は濁音・鼻濁音。
ひっくらかえる:静岡。
ひっくりきゃーる:静岡。
ひっくりやす 【動】ひっくり返す 清音なら古い標準語と言える。『が』は濁音・鼻濁音。
ひっくりーし
ひっくるーし
【形動】ひっくり返しのこと、裏表反対のこと 『げ』は濁音・鼻濁音。
ひっくりけーさ:山梨。
ひっくりーし:群馬。
ひっくりけーし:神奈川。
ひっくるけーし:神奈川。
ひっくりーしもっくりーし
ひっくるーしもっくるーし
【副】繰り返し 『げ』は濁音・鼻濁音。
ひっくりけーしもっくりけーし:山梨。
ひっくりーす
ひっくりけーす
ひっくるーす
ひっくるけーす
【動】ひっくり返す 『げ』は濁音・鼻濁音。古くは『ひっくりーす』
いっくいかやす:鹿児島。
しっくり:宮城。
★『土』:まだ其處(そこ)で引っくるけえしちゃ大変(たえへん)だぞ、戸棚(とだな)へでも入(せ)えて置け。:またそこでひっくり返したら大変だぞ、戸棚にでも入れて置きなさい。
ひっくりっちょ
ひっくりーっちょ
ひっくるっちょ
ひっくるーっちょ
【形動】ひっくり返しのこと、裏表反対のこと 『げ』は濁音・鼻濁音。『ひっきるっちょ』と言う地域もある。
ひっくりーる
ひっくりけーる
ひっくるーる
ひっくるけーる
【動】ひっくり返る 『げ』は濁音・鼻濁音。『ひっくりけえる、ひっくるけえる』は江戸言葉。
しっくり:宮城。
ひっくいかやる:鹿児島。
ひっくりけーる:群馬。
びっくりしゃっくり
びっくりたっくり
【形動】すごく驚いた様
びっくる 【動】びっくりする びっくった:びっくりした。
◎ひっくるめる @ひとまとめにする、包括する、Aくるむ 『引っ括める』。
ひっくれ
ひっくれ
ひっくれかだ
日暮れ、夕方
ひっくれころ 日暮れ頃、夕方頃
ひっくれる 【動】日が暮れる
(ひっくろけってきた) 【複】引き返してきた 神奈川。
ひっけ 内気 『引け』(気おくれ、劣等感、ひけめ)または『引き気』の転。
ひっけ:山梨
びっけ びり、びりっけつ びっけ:東京青梅。
(びっけー) @いびつ、A不揃い 神奈川。
(ひっけける) 【動】載せる 静岡。
◆■ひっけーす 【動】@ひっくり返す、A引き返す 『引き返す』意味。
ひっけす 【動】@消す、Aひっくり返す、B引き返す
びっけづ
びっけつ
びり 『びりっ尻』。
すっけん:宮城。
びけ:東京青梅。
ひっけっこ
ひっけーっこ
交換すること 『引き換える』+『こ』。
ひっけーちょ
ひっけっちょ
裏返し
ひっける
ひっけーる
【動】@ひっくり返る、A交換する @・ひっける:岩手。
ひっける 【動】気が引ける
びっこ @片方の足が普通と異なること、片足を引きずること、A対であるべき物の形や大きさがそろわないこと 標準語。
ぎっとー:中国。
びっこ:左右が逆・揃っていない:山梨。
びっちょこ:神奈川。
ひっこがす
ひっこかす
【動】@転んでぶつける、Aひねる
ひっこぎつける
ひっこきつける
【動】責める 『集覧:無記載』。
ひっこぐ
◆▲ひっこく
【動】@扱く、しごいて掻き落とす、A▲騙し取る、奪い取る、B責める、叱る、C引き抜く 『集覧:那』。
C・ひっこぐ:山梨。
★『土』:わしが一攫(ひとつか)み引(ひ)つ扱(こ)いて来て見たの打棄(うっちゃ)つたんでがした:私が一掴み引き抜いて来たのを捨ててしまったんです。
ひっこぐる 【動】@殴る、A引き抜く @・ひっこくる:やっつける・責めつける:静岡。
Aの『引きこくる』は俚言掲載語。
ひっこくる:山梨。
ひっこげる
ひっこける
【動】@転ぶ、つまづく、A扱く、しごいて掻き落とす、B痩せる、C(痩せるほど)腹が空く、D捻挫する、くじく 『が』は鼻濁音のことがある。
@・ひっこける:熊本。
D県北では『ひっこごいる・ひっここまいる』と言う。
ひっこし 度胸。意気地。根気。 『尻腰(しっこし・しりこし)』の転。
ひっこし:東京・神奈川。
ひっこしねー 【形】意気地がない、根気がない 『尻腰が無い』。
ひっこしない:優柔不断・いくじなし:静岡。
ひっこしねー:神奈川。
ひっこじぐ
ひっこじく
【動】挫く、捻挫する 『ひっくじぐ』
ひっこする 【動】擦る ひっこする:@当てこする・皮肉を言う・A摩擦する・ふれる:静岡。
ひっこずる 【動】引き摺る 『引き擦る(こする)』意味。
びっこたっこ 【形動】@びっこ、Aちぐはぐ、不ぞろい、かたびっこ 茨城では幼児ことば。東日本全域に分布する。
本来は『びっこ』で十分のはずが、現代標準語を基本にすると余分な語呂合わせ語が付いている。例えば『ちぐはぐ』がある。茨城ではさらにちんたんとも言う。
びこたこ:片足跳び:青森。
びこたこ:宮城・山形。
びっこたこ:青森。
びっこたっこ:青森・秋田・岩手・宮城・山形・福島・群馬。
びっこちゃっこ:山梨。
ひっこづく
っこづく
【動】とがめ叱る、小突く 『集覧:行』。
ひっこどす 【動】落とす ひっことす:八丈島。
ひっこぬぐ
ひっこぬく
【動】強引に引き抜く 濁音化。『引きこそ抜く』意味か。『引き扱き抜く』の説もある。
『落っこちる』と同じ表現。この場合の『こ』は強調の間投助詞とも思われる。
ひっこぬぐ:山形。
ひっこぬく:東京。
ひっこぬげ 引き抜いたものがすっぽぬけること
ひっこます
ひっこませる
【動】ひっこむようにさせる 『引っ込ます』『引っ込ませる』。
ひっこみ 身を引くこと 標準語。
引っ込みがつかない:止められなくなる。
□ひっこむ 【動】引っ込む 『引き込む』の転。
ひっこむ:つねる:静岡。
いーがらひっこんでろ:いいから引っ込んでろ。
ひっこめる 【動】引っ込める くびひっこめでろ:首を引っ込めていなさい。
ひっころ 【動】転がす ひっころ:八丈島。
ひっころ 【動】転がる
ひっころ 【動】転げる
ひっころす 【動】轢き殺す ひっころす:群馬。
ひっころぶ 【動】転ぶ しっころぶ:宮城。
ひっころぶ:北海道・宮城・福島。
ひっさ 【動】@引き下がる、A下がる、ぶら下がる
ひっさぐ 【動】引き裂く ひっさく:青森・山梨。
ひっさ
ひっささ
【動】提げる
ひっさばぐ 【動】破く ひったばく:静岡。
ひっさらー
ひっさらう
【動】強めていう語。つかみとる。奪いとる。ひったくる。 『引っ攫う』。
ひっさる・ひつぁーる:引く・引っ張る:東京青梅。
ひっしこぐ 【動】必死になる 新しい言葉。
ひづじっ 秋に刈りとった稲の株から生えるひこばえ 『ひつじ穂』。
びっしゃ
っしゃ
びっしゃびしゃ
っしゃしゃ
【形動】びっしょり、びしょびしょ 口語では、『びっしょ、びっちょ』等が使われる。
びっしょ
っしょ
びっしょびしょ
びっしょびっしょ
っしょしょ
っしょり
【形動】びっしょり、びしょびしょ 『集覧:真』。
びっしょっしょ:山梨。
(ひっしょう) 【動】背負う 静岡。
びっしら 【形動】しっかりと、みっしり、びっしり びっしら:山梨。
っしり 【形動】@しっかりと、みっしり、びっしり、A潰れる様 びしと:いつも・始終・度々:宮城。
びっしり:しばしば・絶えず:岩手。
(ひっせー) 【副】たびたび 静岡。
広辞苑に『ひっせい【畢生】:命の終るまでの間。一生涯。終生。』がある。
(ひっそく) 破産 佐渡島。
広辞苑に『ひっそく【逼塞】:@八方ふさがりでどうしようもないこと。A落ちぶれて忍びかくれること。B心中でひそかに計画すること。ひそかに考えること。C江戸時代に士分および僧侶に科した閏刑(ジユンケイ)。門をとざして白昼の出入を許さないもの。閉門より軽く、五○日・三○日の二種。』とある。
ひった 【動】@奪い取る、引っ手繰る、A引きちぎる A・ひった:山形・福島・山梨。
ひったれる 【動】引きちぎる
ひった
ひったくる
【動】裾を手繰る
◆▲ったぐる
ひったぐる
□ひったくる
【動】奪い取る、引っ手繰る 『集覧:久』。
ひったくる:岩手。
ひった:佐渡島。
ひった:両手で強く引き寄せる:山梨。
ひったん:静岡。
びった
◆■びった
歯が磨り減って低くなった下駄 びった:磨り減った駒下駄:神奈川。
ひったざねー 【複】引き立たない、立たない、持ち上がらない 変則的な訛り。
ひっだす
◆■ひったす
【動】@▲取り出す、A■差し出す 『引き』+『出す』。『集覧:無記載』。
★◆ひったせ:よこせ。
ひっただねー
ひったたねー
【複】引き立たない、立たない、持ち上がらない
ひったぢ 引き立ち、見栄え 『ひったち』なら標準語だが死語になりつつある。
ひったち:東京。
ひったて:すらりと背の高い人:神奈川。
ひったづ 【動】@引き立つ、A立つ 『引っ立つ』。
@・ひったつ:東京。
(ひったつ) 【動】(戸を)閉める 静岡。
ひったでる
ひったてる
【動】@立てる、A■持ち上げる、B引き立てる 『引っ立てる』。
時代劇で良く耳にする『ひったてーい』と同じ。
@★『土』:どうすんでえこんな大(えけ)えの、引(ひ)っ立(た)てるばかしでも大變(たえへん)なやうぢやねえけ
A★『土』:俺(お)らにゃ引(ひ)ったゝねえやうだ。
ひったま イヌガヤ 実に樹脂分が多く、油を取って灯明にしたので『火玉』と呼んだのだろう。促音化しいるのは『火つ玉』が訛ったと考えられる。
ひったま 【動】驚く ひったまがる:鹿児島。
◆▲びったら
ったら
【形動】@平らな様、A薄べったい、B直に座る様 ったら』。『集覧:久』。
茨城方言集覧では『平居のこと』とある。
ひったらがす 【動】出して置く
びったら
びったら
磨り減って歯の薄くなった下駄
びったら
びったり
【副】@べったり、Aぺったり、B平ら
びったらこ
びったらこい
【形】平らな様、薄べったい びたらこい:秋田。
びたりけく:秋田。
べちゃらけ:秋田。
びったらけ:秋田。
びったらこい:山形・宮城・福島。
ひったらこい:宮城。
ひったらす 【動】大小便を垂らす、屁をする
ったり 【形動】静かな様 ★『土』:行々子(よしきり)土用(どよう)へ入(へ)えった見(み)てえに、ったりしっちやったな:ヨシキリが、土用になった時のように、静かになっちゃったね。
ひったれる 【動】大小便が垂らす、屁をする 『放り垂れる』意味。
ったんこ 【形動】ぴったり 標準口語でも用いる。
びったど:ぴったりと:青森。
びったんこ
ったんこ
【形動】潰れた様、ぺたんこ、ぺちゃんこ
(ひっちー) 【副】いつも 沖縄。
(びっちいする) 【動】驚く 鹿児島。カ行音がタ行音に変化するのは東北方言の特徴であるが、もともと、カ行音とタ行音は音通するのかも知れない。
ひっちえる 【動】くじく、捻挫する ひっちえる:埼玉・山形。
びっぢがる
びっちがる
びっちかる
っちかる
【動】@座る、A地面にどっかりと座る 『ぶちかる』・『ぶっちがる』。近世語の『居敷かる』(どっかりとすわる。あぐらをかく。膝栗毛六「粽(チマキ)のうへに―・つてじやわいな」)の転。
(ひっちかる) 【動】強く叱る 神奈川・静岡。『ひっ』は強調の接頭語か。
ひっちれる 【動】引きちぎれる
ひっち 【動】引きちぎる 『引きちぎる』。
ひっち:群馬・佐渡島。
ひっち:ちぎる:山梨。
ひっち
ひっちーる
【動】くじく、捻挫する 『引き違える』意味。
ひっちーる:群馬・山梨・長野。
ひっつ:ひねる・ねちがえる:宮城。
げんかんだでひっちーっちった:玄関先で捻挫しちゃった。
ひっちにる
◆■ひっちねる
【動】ねじる、ひねる、つねる、ねじ上げる 『引きつねる』意味か。
ひっちねる:神奈川。
ひっちばる 【動】縛る ひっちばる:山梨・静岡。
ひっちまる 【動】締まる ひっちまる:埼玉。
ひっちめる 【動】締める、結ぶ
びっちゃ
びっちゃっけ
【形動】びしょびしょ びった:山梨。
びったら:山梨。
ひっちゃがめっちゃが
ひっちゃかめっちゃか
【形動】滅茶苦茶 『しっちゃかめっちゃか』。
ひっちゃかめっちゃか:東京・山梨。
ひっちゃぎ
ひっちゃき
【副】一生懸命 清音なら下町でも使う。
ひっちゃぐ
ひっちゃく
【動】破く、裂く 『引き裂く』。
ひっちゃく:青森・神奈川。
っちゃげ
っちゃけ
潰されたもの 変則的な方言。
っちゃげ:栃木。
っちゃげる
っちゃける
【動】潰れる 変則的な方言。
ひっちゃげる
ひっちゃける
【動】破ける 『集覧:久』。
ひっちゃける:長野。
ひっちゃ 【動】@持ち上げる、Aぶらさげる
びっちゃす
ひっちゃす
っちゃす
【動】潰す 『ちゃす』は古い標準語の『つやす(潰す)』の転。
(ひっちゃっかー) 浅い小川 静岡。
ひっちゃばぐ
ひっちゃばく
ひっちゃぶぐ
ひっちゃぶく
ひっちゃぶる
【動】破る 『破く』の転。=『しっちゃぶぐ』
『引き潰(つや)し破く』の意味か。
ひったばく:静岡。
ひったぶく:静岡。
ひっちゃばぐ:千葉・神奈川。
ひっちゃばく:群馬・神奈川・山梨・長野・。
ひっちゃぶく:福島・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野。
ひっちゃぶる:東京青梅。
ふっちゃぶる:鹿児島。
ひっちゃばげる
ひっちゃばける
ひっちゃぶげる
ひっちゃぶける
【動】破ける ひっちゃばける:神奈川・山梨。
ふっちゃぶれる:鹿児島。
びっちゃびちゃ
びっちゃびっちゃ
【形動】びしょびしょ
ひっちゃべぐる
ひっちゃべくる
【動】しゃべくる ひっちゃべくる:山梨。
(ひっちゃゆる) 【動】落ちる 鹿児島。
びっぢゃり
びっちゃり
【副】べったり、一面に おんこびっちゃりひっついちった。:ウンコがべったり付いちゃった。
(ひっちゃる) 【動】あとずさりする 神奈川。『引き去る』意味か。
っちゃんこ 水溜り びしゃら:山梨。
っちこ:泥道:福島。
びっちゃこ:福島。
びっちゃんこ:福島。
っちゃんこにおんのまった。:水溜りに落ちた。
びっちゃんこ 【形動】ぺちゃんこ
びっちょ 【形動】びっしょり びっちょ:群馬。びっちょんなった:びっしょりになった。
ひっちょー 【動】背負う ひっちょー:神奈川。
ひっちょ 【動】引きちぎる、捻り切る ひっちょ:神奈川。
(びっちょく・びっちょこ) 【形動】形が歪んだ様 静岡。
(ひっちょる) 【動】引っ張る 静岡。
(びっちょこ) 【形動】不揃い 神奈川。
びっちょっけ 【形動】びしょびしょ
ひっちょびく 【動】連行する、引きずる ひっちょびく:引きずる:神奈川。
ひっちょびく:引っ張る:静岡。
ひっちょぶく:引っ張る:静岡。
びっちょびちょ 【形動】びしょびしょ
ひっちょぶ
ひっちょぶー
【動】負ぶう 『引き負ぶう』意味。
(ひっちょり) 【副】ひっそり 静岡。
びっちょろげ
びっちょろけ
【形動】びしょびしょ
ひっちらがす
ひっちらかす
【動】散らかす ひっちゃらかす:長野。
ひっちらかす:埼玉・神奈川・鹿児島。
ひっつらかす:神奈川・鹿児島。
ひっちらがる 【動】散らかる
びっちり
ひっちり
【副】びっしり、びっちり 『集覧:久』。
びっちり:始終:宮城。
びっちり:山梨。
びっちょり
っちょり
【副】びっしょり
(びっつ・びっつー・びっつく) 【形動】いびつ 神奈川。『歪(いびつ)』の語源は、『飯櫃』が楕円形であったことに由来すると言う。『飯櫃』は単に『櫃』とも言うから、これは語源に近い言葉とも言える。
びっつー:静岡。
ひっつぁ 【動】@引き下がる、A下がる、ぶら下がる ひっちゃる:後ずさりする:神奈川。
ひっつぁぐ 【動】破く、裂く、切る ひっつぁく:秋田・八丈島。
ひっつぁげる 【動】破ける、裂ける
ひっつぁ 【動】引っ下げる
ひっつぁばぐ
ひっつぁぶぐ
【動】破く、裂く、切る ひつぁーばく:東京多摩。
ひったばく:静岡。
ひっつぁばく:東京青梅・神奈川。
ひっつぁぶく:東京。
ひつっばく:神奈川。
ふっつぁばぐ:山形。
ひっつぁばげる
ひっつぁぶげる
【動】破ける ひっつぁばける:神奈川。
ひっつぁらー 【動】奪いとる、ひったくる 『引っ攫う』。
ひっつい かまど 『竈(へっつい)』。
(ひっつかみ) けちな人 神奈川。
ひっつがめる
ひっつがめーる
【動】捕まえる、ひっつかまえる 八丈島では『引き止めて』を『ひっちかあーめーて』と言う。
ひっつがる
ひっつかる
【動】@ひっついている、A寄りつく 『引っ付く』の自動詞形。
ほおたぶにごはんつぶがひっつがってっと:ほっぺたにご飯粒が付いているよ。
ひっつぐ 【動】引っ付く、くっつく 濁音化。
ひっつげ
ひっつけ
ひきつけ
ひっつげる
ひっつける
【動】@引っ付ける、ぶつける、Aひきつけを起こす、痙攣を起こす @清音形は標準語。
ひっつける:山梨。
へっつける:押し付ける:山梨。
A★『土』:痛(い)てえ/\つちから捲(まく)って見(み)たら、斯(か)うぶらんと成(な)ったっ切(きり)でわしもはあ、魂消(たま)っちゃって。
ひつっけー
ひつっこい
【形】しつこい、執念深い 『ひつこい』は訛り。
ひつっけー:群馬・神奈川。
ひつっこい:静岡。
ひっつねる 【動】つねる 『引き抓る』。
ひっつねる:埼玉・群馬・神奈川。
ひっつむ:群馬。
(ひつっばく) 【動】強く切り裂く 神奈川。
ひっつぶす 【動】(虫などを)潰す 『引き潰す』。
ひっつぶいた:踏み潰した:静岡。
ひっつぶす:山梨。
ひっつまる 【動】@短くなる、押し迫る、Aのどが乾く @『引き詰まる』。
ひっつまる:山梨。
A『干詰まる』。
ひっつめる 【動】短くする 『引き詰める』。
ひっつらめる
ひっつらめーる
【動】捕まえる
▽☆ひっつり 火傷跡のケロイド 標準語。『引き攣り、引っ攣り、ひっつれ』。
ひっつり:静岡。
ひっつり:火傷:静岡。
ひっつる 【動】@痙攣する、引き攣る、A引き連れる A・ひっつりたんにゃえ:行き渡らない。
Bその他。
ひっつる:引っ張る:山梨。
ひっつるす 【動】吊るす 『引き吊るす』意味。
ひっつれる 【動】@痙攣する、引き攣る、A引き連れる B・ひっつれ:親戚:山梨。
ひっでー
ひってー
【形】ひどい
びっと
っと
【副】真直ぐに張る様、ちゃんとした様 『ぴんと』・『ぴりっと』。
ひっとぐ 【動】解く(ほどく)
ひっとげる 【動】解ける(ほどける)
(ひっとばかり) 【副】余程 神奈川。
ひっとめる 【動】引っ張って押さえる 標準語の『引き止める』とはニュアンスが異なり、物に対して言う。
ひっとめる:山形。
ひっとり 独り 『集覧:久』。
(びーつになる) 【慣】いびつになる 神奈川。語頭のア行音が消える例。
ひっおる 【動】上着等を着る 『引き羽織る』。
ひっ:山形。
ひっぱが 【動】剥がす 『引き剥がす』の促音便。標準語。
ひっぱが:福島・千葉・山梨。
□ひっぱぐ 【動】引き剥がす 『ぐ』は鼻濁音。
ひっ 【動】仕事等をさばく 『ひっ』『捌く』。
ひっだぐ
ひっだく
□ひったく
【動】叩く 清音なら標準語。
ひっだぐ:千葉銚子。
ひっだげる
ひったける
【動】はだける 『引き開ける』。意味。
ひっづられる 【動】@引き剥がされる、A引っ張られる
ひっづる
ひっつる
【動】@引き剥がす、A引き攣る 引っ張られて攣るイメージ。
ひっなす 【動】@離す、放す、A引き離す @・ひっなす:放す:山梨。
Aは標準語。『引っ離す』。
ひっ 雨の時にズポンなどに付くどろのこと 『尻っ跳ね』。
ひっねる 【動】@はねる、A尻っ跳ねになる
ひっらいる 【動】引っ張られる ひっらい:縫った糸などの端が止めて無い状態:群馬。
ひっらー
ひっらう
【動】引き払う ひっらう:東京。
ひっ @引き合い、A血縁、親族、姻族 A=まけ、いちまけ、なかま』
ひっかかり:縁故・関係:東京。
ひっ:栃木・東京多摩。
ひっ:埼玉。
ひっ 【動】着る、羽織る 死語となった標準語。近世語。
ひっ:東京。
▲□ひっ 【動】引っ張る 『集覧:無記載』。
ホイッスル :青森。
ひっぎだす 【動】引き出す
ひっ 【動】抜く、引く、犯罪者を捕まえる 『引く』の転。
『俚言』には『ひっ:「奴俳諧」ひっぴけさ音を三味線の糸櫻又ひっぴいてはかんなぐさむべいなと云。』とある。
ひっらー 【動】拾う
ひっらいごむ
ひっれーごむ
【動】拾いこむ ひっれーこむ:八丈島。
びっ びり
ひっ 【形動】へっぴり腰
ひっりむし
ひっぎむし
ひっりむし
ヘッピリムシ 『屁っ放り虫』。
(ひっー) 【副】とうてい、どんなにしても 神奈川。
ひっぺが
ひっかす
ひっぺげ
ひっぺげーす
【動】はがす 『引き剥がす』。
ひっぺが:宮城・千葉野田・埼玉・神奈川。
(ひっ 尻尾 静岡。
ひっがす 【動】捨てる、放置する 本来は『すっぽかす』。
ひっかす:神奈川・佐渡島・山梨・静岡。
(ひっらかし) @【形動】ふしだら、A【副】いきなり 神奈川。
(ひっらかす) 【動】投げる、すてる、放置する 静岡。『ほっぽらかす』。
ひっりな 【動】放り投げる ひっ:山梨。
ひっ:神奈川。
ひづら
真っ赤な顔、怒った顔 『火面』の意味。
ひづらはる
ひづらをはる
ひづらをひく
【動】言い張る 『火面』『張る』。
ひづらひっばり・ひづらひっ:いさかい:山形。
ひづれ
ひづれー
ひつれー
失礼 『ひ』と『し』の混同。
☆ひで
ひでぼっく
ひでぼっくい
ひでぼっこ
松材で脂(やに)のあるもの、松の根を細く割ったもの 『肥松』(こえまつ)のこと。
ひで:松脂:東京多摩。
ひで:神奈川。
(びで) 女、女の子 宮城。
こびー:女・娘:長野。
びー:女・娘:長野。
びでっこ:女の子:宮城。
ひてー ひて:鹿児島。
ひてい:長野。
ひて:山梨。
ひてんこつ:鹿児島。
ひで
ひでー
ひっでー
【形】酷い ひで:鹿児島。
ひでー:群馬。神奈川・静岡。俗語。
ひてー:ずるい:千葉銚子。
(否定の表現) 茨城の代表語は『〜ねえ』である。標準語件では主に男の粗野な言い方になる。『〜ねえ』は江戸言葉でもあるが、茨城では男女の区別無く使う。
否定表現は、単に動詞だけの表現ではないので、助動詞を含めての表現になる。また具体的な活用例を含めて列挙する。
(ぬ形)
〜な:ない:和歌山。
〜なー:ない:奈良・島根・広島。
〜ない:標準語圏・静岡東部。
〜ながった:なかった:茨城。
〜なんだ:なかった:動詞の未然形に付く:石川・山梨・長野・岐阜・愛知・和歌山・兵庫・和歌山・鳥取・徳島・香川。『なだ』。
〜なんば:〜なければ:山形。原型は『〜なねば』か。
〜ねがった:なかった:茨城。『ないかった』(「なかった」の古形)。
〜にゃー:ない:群馬・山梨・広島・熊本。
〜にゃあ:ない:静岡東部。
〜ね:ない:青森・岩手・秋田・山形・茨城・群馬・山梨・長野。
〜ねぁ:岩手。
〜ねえ:ない:標準語圏の男性のぞんざいな言い方。青森・岩手・秋田・山形・宮城・福島・茨城・群馬・千葉・山梨・長野北部。『ない』。
〜の:ぬ:静岡。
〜ん:ぬ:新潟・長野南部・静岡・岐阜北部・岐阜南部・富山・愛知・福井・石川・滋賀・京都・大阪・関西・三重・兵庫・岡山・広島・山口・大分・福岡・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島。『ぬ』。
(られぬ形)
〜れん:れぬ:岡山。
(せぬ形)
〜さん:島根。『されぬ』。
〜せん:せん:新潟・静岡・岐阜南部・愛知・三重・兵庫・島根・岡山。『せぬ』。
〜へん:静岡西部・岐阜南部・愛知・福井・滋賀・京都・大阪・三重・和歌山・兵庫・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川。『せぬ』が訛ったもの。『せぬ』。
〜やへん:〜(し)やしない:関西。『やせぬ』。
ーてーいー
ーてーえー
PTA
ひでがっ 【複】酷いでしょう
ひでこぶ
ひでっこぶ
松のこぶ
ひでーなし でたらめ、とるにたらないこと、下らない話、たわごと 『屁でもない』『ひどい・し』。
ひでばぢ ひでを焚く石や金属製の鉢 清音なら関東方言。
ひでばち:ひでを焚く石製の鉢:神奈川。
ひでぼい 【形】眩しい 茨城南東部限定方言。
(ひーてまって) 【複】引いてしまって 神奈川。
関西方言の言い方。普通は『ひーちまって』
ひでーめ ひどい目 江戸言葉。
ひでーめさらー
ひでーめさらる
ひでーめこぐ
ひでーめつぐ
ひでーめつく
【動】酷い目に会う 『さらう』は『さらる』(古)または『晒す』の転と考えられる。
助動詞に『さらる』がある。『出来る・遣られる。』意味である。もともとは『さらさる』だったと考えられ簡略化されたと見られる。
ひてーもの
ひてもん
ひてーもん
単衣 『集覧:猿』。『一重物、単物』の意味。
ひてーもの:青森・神奈川・八丈島・静岡。
ひてーもん:神奈川。
・ひでり 天気が良いこと、かんばつ
☆ひでりあめ 日照り雨、天気雨 辞書には『日光がさしているのに降る雨。狐の嫁入りがあるという。そばえ。天気雨。夫木一九「夏深き末の原野に―ふる」』とある。
ひでりそう マツバボタン
ひでりっ
ひでり
ひでりしー
ひでりぼしー
ひでれ
【形】眩しい 茨城南東部限定方言。『ひだるい』は『空腹の様』を言うので、これは太陽が輝く様に例えたものであろう。
:長野。
しー:長野。
ひずるしー:静岡。
ひずりゃー:静岡。
ひずるしー:静岡。
ひだらっこい:長野。
ひだりっしー:山梨。
ひでっしい:千葉北部。
ひでらしい:鳥取。
ひでりぼったい:静岡。
ひどっこい:岐阜。
ひどろい:山梨。空腹の意味もある。
ひどろしー:静岡。
ひどろってー:長野。
ひんずらしー:静岡。
まじこい:青森・秋田。
まじっ:茨城全域・栃木・長野。
まじっ:福島・茨城全域・栃木・埼玉・群馬・神奈川・長野。
まじ:茨城南部。
まじ:山形。
まじらまじら:まじまじ・眠れないさま:岩手。
まつっ:宮城。
まつ:山形。
ひーてる 【複】太陽が照りつける、晴れる 『陽が照る』。
(ひと) 非常の場合の使い 静岡。『使徒』の意味か。
ひとあいさづ 他人との応対。人あしらい。 『人挨拶』。
ひとあし 一歩、ちょっと先 古い標準語。『一足』。
ひとあしまへえ 一歩前へ 2003年に建て替えのため取り壊された築100年近い実家の『あさがお』(男性用小便器)の前の壁に、祖父(明治39年生まれ)が手書きで書いた言葉で『一歩前え』にルビがふってあったもの。『歩』が『あし』、『へ』が『え』と表現されているのが興味深い。『一足(ひとあし)』は、古い標準語。
ひとい 一人
(ひどい) 【形】甚だしい ひどい:甚だしい:滋賀。
(ひーとい) 一夜 静岡。
ひといじり @ちょっと根回しする、ちょっと作業をする、A人をいびること Aの場合は死語となった標準語。
ひといで 【複】@一人で、A自然に
(ひーとぅー) イルカ 沖縄。
ひとおぐみ 人見知り 人を臆する意味だろう。『人臆見』の意味。
ひとおくみ:山梨。
◆▲ひとおさ 水田の1区画 古い標準語。『おさ』は水田の区画。『集覧:無記載』。茨城方言集覧では『ひとをさ』とある。
ひとがーもふたがーもむげる
ひとかーもふたかーもむげる
ひとがわもふたがわもむげる
【慣】性格・容姿・技術などが以前とすっかり変って良くなる。 『一皮も二皮も剥ける』。
ひとかい 人身売買を業とする者。人うり。 『人買い』。
わりごどやっとひとかいにさられっと:悪い事をすると人買いに連れていかれるよ。
ひと
ひといー
ひと
ひとえー
他人の家
ひとかおのめーねころ
ひとかおんめーねころ
日暮れ、夕暮れ 『黄昏時』は当て字で『誰(た)そ、彼は』の意味。『かわたれ時:彼は誰か、はっきりわからない時』がある。
ひとかおんめーねころ:千葉。
ひとかげ 一つの断片 『一欠片』。
ひとかけ:魚二匹:神奈川。
ひとかだ
ひとっかだ
@一つの方向。いっぽう。A二人または大勢ある中の一人。Bひととおり。C「一人」の尊敬語。D受け持つこと @ABCやや古い標準語の『一方』(ひとかた)の濁音化。現代では『一方ならない』という言い回しで使われる。
くづたびのひとかだねー:靴下の片方が無い。
『一方ならず』『一方一方』。
D『一肩』。
★『一肩脱ぐ』・『一肩入れる』。
ひとかだどごろがみかだもよかだもてづだってやっ。:少しどころかその3倍も4倍も手伝ってやろう。
ひとがだぎ
ひとかたぎ
ひとかだき
◆▽ひとかたき
ひとかだげ
☆ひとかた
□△☆ひとかたけ
1回分の食事 『片食(かたき・かたけ)』(@一日二度の食事(近世、朝夕二食)のうち、一回の食事。A食事の度数を数える語。
古い言葉が残ったものである。
通常は清音だが、『俚言』に濁音表記がある。
濁音表現の結果はまちまちだが、茨城方言が、東北方言の一部であると同時に、古語を良く残している言葉の代表と言える。
ひとがだぎ:山形。
ひとかだぎ:全部まとめて:岩手。
ひとかたき:神奈川。
びとかだげ:宮城・山形。
ひとがだげ:宮城。
ひとかだげ:秋田。
ひとがたげ:栃木。
ひとかたけ:宮城・山形・埼玉・東京・長野。
ひどがっ 【複】酷いでしょう そんではいぐらなんでもひどがっよ。:それではいくら何でも酷いでしょうよ。
ひとかまど 一家族、一所帯 『一竈』の意味。『竈』には『身代(シンダイ)の意。独立の生活を立てる一家。所帯。』の意味がある。
ひときり 【副】ひとしきり、いちじ 『ふときり、ふとっきり』。『一切り』。
ひときわもふたきわも 【副】更に一層 『一際』(ひときわ)をさらに強調したことば。≒『ふたきわみきわ』
ひどぐ
ひどぐに
【副】甚だしく
ひとくくり 一区切り
□ひとくさり 話のまとまった一区切り、ひとこと 『一齣』。
ひとくさり:ずぶぬれ:長野・岐阜。
ひとくち ひと言 今では『一口メモ』等でしか使われない。
ひどぐに 【副】ひどく 『早くに』『遅くに』は使うが『ひどくに』とは一般に言わない。
・ひとくべ カマドや風呂等に薪を1回添えること こーたにさみーひにやひとくべどごろがよくべもいづくべどごもいんべな。:こんなに寒い日には、焚き木を1回どころか4回も5回分も要るだろうよ。
★『土』どうだね。一燻(ひとく)べあたったらようがせう。今(いま)直(す)に明(あ)くから。:どうだい。一つ焚き木を燃やすからあたって(風呂で暖まって)いったらいいだろう。今、直ぐに開くから。
ひとくめん @強いて物事の工面をすること、Aまずはためしに工面すること 『ひどくめん』。茨城では『一工面』の意味。=『ひとさんだん』
『俚言』によれば江戸時代には『ひどいくめん』と言ったという。
『酷工面』は明治期の小説にしばしば使われている。泉鏡花の『通夜物語』に『私《わたし》も何《なん》だか先祖《せんぞ》に濟《す》まないやうな氣《き》がしたから、一番酷工面《いちばんひどくめん》の無理算段《むりさんだん》。』とある。
広辞苑に『くめん【工面】(グメンとも):@くふう。算段。A特に、金の算段。金策。B身上(シンシヨウ)。かねまわり。身代。』とある。
@古い標準語の『酷工面(ひどくめん)』の清音化か。茨城には同じ意味の『一算段(ひとさんだん)』がある。『工面』は『算段』とほぼ同じ意味である。
A『一工面』の意味と考えられる。
以上から、『酷工面(ひどくめん)』とは、ひどく工面する意味だろうが、茨城では、様々な方法がある中で、特定の方法を試す意味に変化したとしか考えられない。
ひとくるめ 一まとめ 標準語の『包める』の名詞形は『包み』。
ひと 他人の家、ひとの家 人の家→ひといー→ひとえー、ひとー→ひと
ひと
ひと
【副】一気に、1回で 良く調べると、『一毛作』は『ひとづくり』とも言うことから、この『ひとげ』は『一毛に』と書くことになる。
ひとげり
ひとけり
ひとげーり
ひとけーり
1回 やや古い標準語の『一返り』の連母音変形。
ひとけい:鹿児島。
ふとげり:1回:青森。
ひどご
◎ひどこ
塗り釜、カマド 『火床』。
ひとこいふたこい
ひとこいみこい
一言二言
ひとごど @一言、A同じこと @=『ふとごど』
A『一事』の意味。
ひと 他人事 『ご』は濁音・鼻濁音。=『ふとど』
ひとったねー
ひとどだねー
【複】他人事じゃない 『ご』は濁音・鼻濁音。
(ひとこっ 少しの間 神奈川。=『しとこっ
ひとごみ
ひと
人込み 《なーるほど。人込みっつーのはやっし人がゴミみてーにいっとごだな。えばらぎのしとはえばらの国の人だがら苦労してんだいな?!?−ふんとがいな!》
ひとごろ
ひところ
ひとっころ
一時期 『一頃(ひところ)』。
ひところ:群馬。
ひとごろ
ひところ
『集覧:猿』。
ひとこ:山梨。
ひところ:神奈川・静岡。
ひとさー 人騒がせ
ひとさしいび
ひとさしえび
ひとさしーび
人差し指 『ひとさしいび』は広域方言。一部地域を除きほぼ全国に分布する。
ひとさしえび:茨城・千葉・埼玉・栃木・群馬・長野、東北の一部に分布。新潟に集中。
ひとさしーび:八丈島。
ひとさら 【副】一層、殊更に、ひたすら
ひとさらい
ひとさらえ
誘拐、誘拐をする人 『人』+『攫い』。古い標準語。
いづーまでもわすらやってっとひとさらいにさられっかんな:いつまでもいたずらしていると誘拐されるからね。
ひとさんだん @強いて物事の工面をすること、酷工面、無理算段、Aまずはためしに手段を工夫すること 『ひとくめん』
@古い言葉の『酷算段』(ひどさんだん)の清音化か。ただし辞書にはない。茨城では『ひとくめん』と同じで『一算段』の意味である。
尾崎紅葉の『硯友社の沿革』に『雑誌も既(すで)に売品(ばいひん)と成(な)つた以上(いじやう)は、売捌(うりさばき)の都合(つがふ)や何(なに)や彼(か)やで店らしい者が無ければならぬ、因(そこ)で酷算段(ひどさんだん)をして一軒(いつけん)借(か)りて、』とある。
ひどさんだん:東京。
A『一算段』の意味か。
以上から、『酷算段(ひどさんだん)』とは、ひどく算段する意味だろうが、茨城では、様々な方法がある中で、特定の方法を試す意味に変化したとしか考えられない。
ひとさんだんついだ:やっと一段落だ。
ひとさんだんついだら、やんのもいがっぺよ:いろいろ遣ってそれが終わったら、遣るのも良いだろうよ。
ひとしぎり
ひとしきり
【副】一時盛んであるさま、しばらく 『一頻り』。=『ふとしきり』
ひとしぎり:山形。
ひとし 一しきり降るしぐれ 『一時雨』。
・ひとしなみに 【副】同等に、区別せず やや古い標準語。『等し並みに』。
ひとすら 【副】一層、殊更に、ひたすら
ひとせ @一荷物、A重い荷物、一仕事、ひとしお もともとは『一背負い』の意味で背負い籠で背負える1回の分量を言う。
@・ひとせ:背負子に粗朶三把を載せるのをひとせ言うのによる・一仕事:群馬。
A@の意味が転じたもの。
(ひとせー) 少しの間 神奈川。
ひとそうどう 一騒動 辞書には無いが標準語。
ひとだがぎ 一抱え
ひとだがり
ひとたがり
人だかり 人集り。
ふとだがり:青森。
ひとだげ
ひとたげ
ひとたけ
人の身長に等しい丈。等身。 『人長』(ひとだけ)。清音形は辞書には無いが、古くは清音だったのではないかと思われる。また、『人丈』も
あったのではないか。
ひとたけ:東京。
ひとたな 薪の量の容積単位 『一棚』の意味。『棚』は、一般には『薪炭・パルプなどを積み上げた体積の単位。高さ6尺・幅6尺・奥行3尺、すなわち108立方尺、または高さ5尺・幅10尺・奥行2尺、すなわち100立方尺を一棚という。』(大辞林)とされる。=『しとたな』
ひとたび 一度
ひとたり
ひとったり
一人 古語。土浦では当時も日常的に使われていた。
ひとだんらく 一段落 辞書には無く誤読と考えられるが、古くは使われていたのではないかと思われる。
(ひとち) 【副】一つに、一緒に 鹿児島。
ひとち
ひとち
【形動】人違い
ひとづ 一つ 和名の数字を数える場合は、『ひとづ・ふとづ・ひとっつ・ふとっつ・ひとーづ・ひとーっづ・ふとーづ・ふとーっづ、ふたづ・ふたっつ・ふたーづ・ふたーっづ、みっづ・みっつ・みーっづ、よっづ・よっつ・よーっづ、いづづ・いづっつ・いづーっづ、むっづ・むーっづ・むっつ、ななづ・ななっつ・ななーづ・ななーっづ、やっづ・やっつ・やーっづ、こごのづ・こごのっづ・こごーのづ・こごのーづ、とー』、当時の人の中には『つ』を『ち』と発音する人もいた。
一の古形は『ひと』であり、『つ』は格助詞『の』にあたるから、『一つ』自体が連体語だった可能性がある。
ひとつ:北極星:神奈川。
ひとっきら
ひとっきり
【副】@一時盛んであるさま、しばらくの間、Aしばらく 『一頻り』。
@・ひとっきり:東京。
A・ひとっきら:東京多摩・静岡。
ひとっきり:埼玉・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・静岡。
ひとっけーり 1回 『返り』には『回』の意味がある、=『ふとっけーり』。ex.『幾返り』(いくたび。いくへん。)。
ひとかえり:宮城。
(ひとつこ) 【副】一緒に、同じところに 神奈川。
ひとっこ 『人っ子』。『集覧:無記載』。やや古い標準語。現代では『人っ子一人いない』に残っている。
(ひとっこば) 少しの間 神奈川。『一小間』の意味
(ひとっこり) ひと塊 神奈川。
ひとっこ:ひと盛り:山梨。『一塊』の意味。
ひとづざげ 一つだけ
ひとったらし 一滴 『一たらし』。
ひとったり @一滴、Aひとつも、一人も A・ひとったり:八丈島。『ひとたり』の促音化。
ひとっちゃくし 杓子一杯、スプーン一杯 『一杓子』。
★『土』:斯(か)うだこた此(こ)れ、默(だま)つてりや隣近所(となりきんじよ)でも分(わか)んねえもんだ勘次等(かんじら)ええ暫(しばら)く味噌(みそ)せえ無(な)くして置(お)くんだから、一杓子(ひとっちゃくし)も有(あ)りゃしねえんだ
ひとっつ 一つ 茨城弁の原点のような言葉。標準語の口語でも使われる。
ひとっつ:青森。
ひとっづも
ひとっつも
【副】少しも、全く 『ふとっつも』。清音形は俗語。
ひとっつも:福島・群馬。
ひとっつもなぐ 【副】全部 『一つも無くなるほど』の意味。
ひとって 【副】一人でに、おのずから ひとって:千葉・神奈川・静岡。
ひとっとーい 【形】人気が遠い、人気が無い 『人遠い』。
ひとっとご
ひとっとごろ
@1箇所、A高貴な人 『一所』(ひとところ)。
@・ひとっとこ:神奈川・山梨。
(ひとっとこまるき) 一箇所だけ束ねること 神奈川。『ひとっとこ』は『一所』の意味。
ひとっとーり 【副】ひととおり 『ふとっとーり』
ひとづとし
ひとっどし
ひとっとし
同い年 かなり広範囲に分布する方言。不思議な表現なので小学校時代に『おなじとし』に変わり、次第に『おないどし』になった。
古語に『一つ:同じ場所。一所』がある。現代では同じことを『一緒』と言う。さらに、『一(ひと)』には、『同じ。同一の』の意味がある。現代でも『一所・一処(ひとところ)』(同じところ。同じ場所。)と言う。さらに『等し』があるが、『等』と『一』はもともと同源の可能性がある。
おなっとし:長野。
ひとつとし:神奈川静岡。関東方言と考えられる。
ひとっとし:山梨。
ひとづなぐ 【副】全部
(ひとっ 【副】少し 静岡。『一端』の誤読か。
(ひとっ 【数】手拭い等の数の単位 静岡。
ひとっいり
ひとっーり
風呂に1回入ること
ひとっしり 一度走ること、ちょっと走って行ってくること 『一っ走り』。標準語。近世江戸語の流れと思われる。今では車社会になって大人が走って用を足すようなことは無い。
ひとっしり:東京。
ひとったぎ @一度叩くこと、A一回すること A・ひとったき:群馬。
ひとっだらぎ 一仕事
ひとっ 【動】ひとしきり
ひとっなし 一言話をすること
(ひとっらい・ひとっり) 【副】しばらく 静岡。
ひとっ 風呂に1回入ること 標準語の俗語。辞書不掲載。『一風呂』。
ひとっ:東京。
ひとっ (紙等)1枚、一片、ひとかけら ひとっ:静岡。
ひとづまなぐ @1つ目(小僧、)、A俵を編む時の木製の鉤針 『一つ目』の意味。
ひとづも 【副】少しも、全く 『ふとづも』
ひとづもおんなじ 【形動】同じ様、一つのものと同じ様 一つのことと同じような様。
こーたんなったらひとづもおんなじだ。いっしょにやっ。:こんなになったら一緒だね。一緒に遣ろうよ。
ひとづもなぐ 【副】全部
ひとづよに
ひとづよーに
【副】一様に、通り一遍に ひとっぢょん:鹿児島。
ひとづら @世間付き合い、A一連、一連なり @標準語で近いのは『外面』。『他人面』の意味と思われる。
ひとづら:岩手。
A古い標準語。『一連(ひとつら)』(@ひとつらね。いちれん。A同じ程度。同列。)。
ひとつらもち・ひとっつらもち:糸などが縺れて一塊になること:群馬。
なんだこれ。よーぐみっと、これもあれもひとづらなんだねーが:何これ。良く見るとこれもあれも一緒なんじゃないの。
ひとどおい
ひととおい
【形】人気が遠い、人気が無い 『人遠い』。
ひとどぎ ひところ、いっとき やや古い標準語『一時』(ひととき)の濁音化。
ひとどご
ひとどごろ
@1箇所、A高貴な人 『一所』(ひとところ)。
@・ひとつこ:神奈川。
ひととこ:群馬・山梨。
ひとどごまるぎ
ひとっとごまるぎ
束の一箇所だけを縛ること ひとっとこまるき:神奈川。
ひとどし
ひととし
同い年 古語の『一(ひと)』には、『同じ。同一の』の意味がある。現代でも『一所・一処(ひとところ)』(同じところ。同じ場所。)と言う。さらに『等し』があるが、『等』と『一』はもともと同源の可能性がある。
あいどし:神奈川。『相年』。
(ひととーり) 【副】余程 神奈川。
ひととーりだねー
ひとっとーりだねー
【複】尋常ではない 『一通りではない』。尋常の意味で『一通り』を使うのはほとんど死語になってしまった。
ひとなが @群集の中、A世間 『人中』。
ひとなぬが 初七日 『一七日(ひとなぬか)』。
ひとにもづ ちょっとした荷物 濁音化。=『ふとにもづ』
ひとねいり ちょっと寝ること 『一寝入り』。
ひとの
ひとの
ひとの
他人のもの、他の人 ★『土』:他人(ひと)のにゃ大(え)けえ銭(ぜね)になるようにも見(め)えべ:他人には大きな金にもなるように見えるだろうが。
ひとはが
ひとはか
@田植えの際の一人分の作業の巾、A一仕事、大きな仕事 @田植えの際の一人分の作業の巾(通常8株分)を指した。『計、量、捗』(はか)。『(仕事が)はかどる』の『はか』と同じ。=『ふとはが』
A★あそごのはだげはうなーどしたらひどはがではいがねー:あそこの畑は耕うとしたら、一仕事ではいかない。
ひとはしり 一度走ること、ちょっと走って行ってくること 『一走り』。
ひとはずれ @人を間違えること、人違い、A人のいない場所、B人の道を外すこと 標準語の『人外れ』は『他の人ととけあわないこと、仲間からはずれること』。
そったひとはずれなごどしてはいがめー:そんな、人の道を外すようなことをしては良くないねえ。
ひとはだ 【副】一層、殊更に、ひたすら 『一肌』。
広辞苑には『(「―脱ぐ」の形で) ひと奮発して力を貸す。一肩脱ぐ。「後輩のためなら―脱ごう」』とある。
『一肌脱ぐ』意味が、略されて転じたと思われる。
ひとはだぎ @一度叩くこと、A一回すること
ひとはだらぎ 一仕事
(ひとはな) 第一回、最初 神奈川。
ひとはなし 一言話をすること ★『土』:そんだって同胞(きやうでえ)に一噺(ひとはなし)もねえなんて後(あと)で文句(もんく)云(ゆ)はれても、默(だま)ってちゃおめえ口(くち)開(あ)けめえな。
(ひとしゃり・ひとっしゃく) 【副】ひとつ、とりあえず 東京青梅の方言。
びどびど 【形動】びしょびしょに濡れた様 うー、まいっちったな。ぶどーしまげちって、ずぼんがびどびどだ。:ああ、まいったな。ワインを零してズボンがびしょびしょだ。
【副】じめじめ、べとべと
ひとふろ 風呂に1回入ること 『一風呂』。
ひとふろ:静岡。
ひと
ひとっ
(紙等)1枚、一片、ひとかけら 古い標準語と言っても良い。=『ふとら・ふとっら』
おんにも、そのなんちーやづおひとらくんにげ。:俺にもその『ナン』と言うのをくれないかい。
ひとまねこぎ 真似ばかりする人
ひとまねする
ひとのまねにする
【動】他人と同じ事をする 『人真似をする』。
おめは、なにがっちーどひとまねもふたまねもすんのはどーだがなー。にしのいんてーはよろごんがもしんねけんと、あんましやんなや。:お前は、何かと言うと人真似が好きで時々度が過ぎることがあるのはどうかなあ。西の家の人は面白がるかもしれないけれど、あまりしない方が良いと思うよ。
ひとまだ 【形動】@距離が近いこと、簡単なこと、A人をまたぐこと @『ひとっとび』『一跨ぎ』。=『ふとっとび』
A『人跨ぎ』。
ひとまめ 人見知り 県北部の方言。北茨城市・那珂郡・東茨城郡。=『きめっこ』
『人見知り』とは『(子供が)見馴れぬ人を見て泣き、はにかみ、または嫌うこと。』の意味だが、『人目見・人目見え』の意味か。
ひとまめする 【複】人見知りする 北茨城市。=『きめっこする』
ひとまるぎ
ひとまーるぎ
一束
ひとみざく
ひとみさくら
馬耕用の鞍、馬耕鞍 『集覧:無記載』。『こまさら・しろみざくら・しろみにら』という地域もあることから、『代御座鞍』の意味と考えられる。
ひとみしー 人見知り
ひとみしーする 【動】人見知りする
(人見知り) 現代語の中で考えてみると意味の解からない言葉。
広辞苑には『見知り:@見てわかること。見おぼえ。A知りあい。面識のある人。』『見知る:@見て知る。気がつく。A理解する。経験によってわかる。また、人の気持などがよくわかる。B知りあいである。』とある。また『人見知り:(子供が)見馴れぬ人を見て泣き、はにかみ、または嫌うこと。』とある。これらから、『人見知り』とは、『人を見てそれと解ること。』即ち、『人を見て知っている人と知らない人が解る。』意味で無いとつじつまが合わないことになる。
しとみず:神奈川。
ひとみず:長野・神奈川。
ひともじり:神奈川。
ひとみしる
ひとみする
【動】@ちょっと見る、一見する、A相手を選んでつきあう、B子供が相手を選んで人見知りする @『一見する』の訓読みと思われる。
ひとみぢ @真っ直ぐな道、それ以外に無い道、Aひとすじ、一本道、B一里 『一道』。『直路(ひたみち)』と同源。
@★そごさはひとみぢだ:そこへは真っ直ぐだ。
A★まっすひとみぢおゆげばいーべよ:真っ直ぐ一本道を行けば良いだろうよ。
B★ひとみぢあるげばつけっ:一里も歩けば着くだろうよ。
ひとみわるい
ひとみわりー
ひとめわるい
ひとめわりー
【形】恥ずかしい、外聞悪い 『人目・人見』(他人の目、世間の目)に悪い意味。
しとめわれ:宮城。
ひとめわり:岩手。
ひとめんわりー:山梨。
ひとみる 【動】@相手を選んでつきあう、A子供が相手を選んで人見知りする 『人を見てつきあう』意味。間接的に付き合いが悪い意味も含まれ、あまり良いこととはされなかった。
ひとむがし 一昔 普通一昔は10年程度前を言う。
はーひとむがしもふたむがしもめーだど:もう一昔も二昔も前だぞ。
ひともーし カマドや風呂等に薪を1回添えること 『ひとくべ』。
ひともんぢゃぐ
ひともんちゃぐ
もめごと、争そい 濁音化。辞書には『もんちゃく』『もんぢゃく』があるが普通は清音形が使われる。
ただし、『一悶着』は何故か辞書には無い。
ひともんちゃぐ:千葉銚子。
ひとよせ
ひとよせ
ひとよせ
@会合、A人を集めること、また催し物 Aの意味の『人寄せ』は死語となった標準語。
ひとよせ:神奈川。
□ひとり 火を入れて他に移し取るのに用いる具。唐金製でつるのあるもの。 古語。
ひどり 日程、スケジュール やや古い標準語。『日取り』。
ひとーり 『俚言』によれば江戸時代には『ひとあり、ふたあり、いくつあり』(一人、二人、幾人)と言ったという。
ひとりありぎ 一人歩き
ひどりかつお 不詳 『火取る』とはあぶること。カツオの叩きの意味か。
(ひとりち) 独り言 宮城。
標準語では『一人口:一人で生計を立てること。また、その生計。』。『ひとりごつ(独り言つ):(「ひとりごと」を活用させた語) 独り言をいう。』もある。
ひとりこ 一人っ子 当時は珍しいものだった。兄弟は少なくとも3人、多ければ10人の時代だった。
ひとりして 【複】一人で
ひとりっき 【形動】一人きり 『ふとりっき』
ひとりで 【副】自然に、他の力を借りずに自分で 標準語では『ひとりでに』。『ひとりでに』の語源と考えられる。
ひとりなぐ 【副】全員に
ひとりまい
ひとりめー
一人前 『一人前(ひとりまえ)』ならやや古い標準語。
ひとりもなぐ 【副】全員に 『ふとりもなぐ』。ちょっと表現が難しい言葉だが、『該当する人が一人もおらず全員』の意味。
ひとんなし:山梨。
ひどる 【動】繰り返す 『集覧:猿』。『改めて日取る』意味か。
▽ひどる 【動】あぶる、火を通す 『火取る』(火にあぶる。火にあてる。)。『日取る』(吉日をえらぶ。日をとりきめる。)。
ひどる:無理に働かせる:神奈川。
ひどる:厳しく扱う:山梨。
(びどろ) ガラス 鹿児島。
(びーどろ) 透明 神奈川。
(ひどろだ) 水田、沼田 広辞苑に『泥田:(ひどろだ:東北・関東の一部で) 泥の深い田。ふけ田。釜田。む田。』とある。
これは現代語の『へどろ』(流れの悪い水底などにたまった軟らかい汚泥。不溶性の有機物を含む場合がある。)に通じる。
どべた:深田:長野。
ひどろ:山形。
ひどろだ:深田:長野。
ひどろた:山形・福島・群馬・長野。
ふどる:ぬかるむ・土が軟らかくて歩きにくい:宮城。
ひどろっ 【形】眩しい 『集覧:北』。
しどろっ:神奈川。
ひどっこい:岐阜。
ひどろい:山梨。空腹の意味もある。
ひどろしー:山梨・静岡。
ひどろっこい:長野・山梨。
ひどろっ:神奈川。
ひどろっ:神奈川。
ひどろってー:長野。
ひとをみる 【動】@相手を選んでつきあう、A子供が相手を選んで人見知りする
ひとんずづ
ひとんずつ
【副】@一人ずつ、A一つづつ ひとんずつ:山梨。
◎ひとんち 他人の家 標準語の俗語。
ひとんち:群馬。
ひとんぢ
ひとーんぢ
ひとんぢー
ひとーんぢ
ひとんぢぇ
ひとーんぢぇ
ひとんで
ひとーんで
【副】一人で、ひとりでに、自然に 長音形は情のこもった言い方。『ぢ』『でぃ』と発音することもある。
『ふとんぢ、ふとんぢぇ、ふとんで、ふとんでに』
しとんで:宮城。
ひとんぢ:福島。
ひとんぢに
ひとーんぢに
ひとんぢね
ひとーんぢね
ひとんぢぇに
ひとーんぢぇに
ひとんでに
ひとーんでに
【副】ひとりでに、自然に 長音形は情のこもった言い方。『ぢ』『でぃ』と発音することもある。
ひとんでに:神奈川。
ひとんない
ひとんね
ひとんねー
他人の家 ひとんね:鹿児島。
ひとんなぐ
ひとんなく
【副】全員に ひとんなし:山梨。
ひなが @昼間、A正午、B午後 『日中』。
濁音化。これは、『日の中』と『日の半ば』が約まって、二つの意味を持ったと考えられる。
@・ひなか:静岡。
B・ひなか:半日:新潟・富山・石川・三重・和歌山。
ひなから:半日:佐渡島。
ひんなか:半日:大阪・奈良・和歌山・鳥取。
(ひーなく) 【動】高い声で泣く 神奈川。
古語に『ひひめく:ひひと声を立てて鳴く。』がある。
(ひなじょ) 雛人形 鹿児島。
(ひーなさん) 雛人形 静岡。『雛(ひいな・ひひな)』。
ひーなっこ:お雛様:静岡。
ひなだ @日向、A日の当たる土地 @・:神奈川。
あー、ひなだにいっとさすにのくといな:ああ、日向にいると暖かいね。
A・ひなだ:千葉。
B・ひなたっ:日の当たる斜面:山梨。
ひなだあめ
ひなたあめ
日照り雨、照り雨、天気雨 たりあめ:神奈川。
ひなたあめ:静岡。
ひなだくさい
ひなだくせー
【形】日光にさらされたようなにおいがする、田舎じみている 『日向臭い』。
ひなたくさい:ほこりっぽい:静岡。
ひなったくさい:東京。
ひなだぼっこ 日向ぼっこ 古形『ひなたぼこ・ひなたぼこり』
ひなたばっこ:千葉。
ひなだばっこ:日当たりの良い土地:千葉。
ひなたぶくり:静岡。
ひなだぼごり:山形。
ひなたぼっくり:静岡。
(ひなと) @船頭。ふなこ。A船客。 鹿児島。
『船人・舟人』。
ひなびでる 【複】@萎びている、A古い Aは『鄙びる』(ひなびる)の意味拡大と思われる。
ひなびる 【動】萎びる 『ひ』と『し』の混同。
ひなびる:東京青梅。
(ひなみ) 日のよしあし。ひがら。 『日並・日次』。
現代では富山・石川・愛媛で使われる。
(ひーなりえ) 耳を指すような高い叫び声 神奈川。
古語に『ひひめく:ひひと声を立てて鳴く。』がある。
(ひなる・ひーなる) 【動】甲高い声を出す 神奈川・山梨。
ひひらく:@いななく。Aつづけざまにしゃべる。べらべらしゃべる。B(ヒビラクとも) 土器などが音をたてて割れる。』の流れか。
ひなる:うなる:静岡。
ひにぐる 【動】@つねる、Aひねる、B皮肉る @A『捻くる(ひねくる)』。
ひに:山形。
B『皮肉る』の濁音化。
(ひにっこーる) 【動】冷やして冷たくなる 神奈川。
〜ひにゃー 【助】〜されたら、〜日には 俗語。
〜ひにゃー:群馬。
〜ひにゃー:必要ない:山梨。
ひにる 【動】@つねる、Aひねる 『捻る(ひねる)』。
ひぬぎ
■▲ひぬき
『集覧:多』。茨城県全域の方言。
(ひぬかん) 火の神様 沖縄。
格助詞『の』が『の』に訛るのは茨城にもある。
ひーぬぎ 田のヒエを抜く作業
◆ひね
ひね〜
@古びたこと。古いもの。Aおとなびていること。老成していること。B古い穀物 『陳・老成』。日常語では『陳ね生薑(ひねしょうが)』等に残る。
@・ひね:東京多摩・神奈川・静岡・奈良。和歌山・岡山では『不要のもの』の意味で使われる。
ひねおじー:曽祖父:山梨。
ひねったくわん:沢庵の古漬け:神奈川。
ひねおばー:曽祖父:山梨。
A・くねっ:年取って見える:長野。
B・ひね:神奈川。
ひねくさい
ひねくせー
【形】古臭い 『陳臭い』。
ひねくさい
ひねくせー
【形】心がねじけている
ひねぐる
ひねくる
【動】@手さきでひねってもてあそぶ。手でひねりまわす。A理屈をつけて、さまざまに言いまわす。ひねる、つねる 『捻くる』は標準語だが『捻りまくる』意味でもともとは、『捻り繰る』。
ひねぎる:つねる:秋田・福島。
ひねきる:神奈川。
ひねくる:つねる:埼玉・山梨・和歌山・兵庫・高知。
ひねこ
ひね
竹で作った籠で、編み残した端が鬚のように出ているもの、建て前の丸餅を入れるもの 『鬚籠』(ひげかご・ひげこ)の転。『ご』は濁音・鼻濁音。籠の古形は『こ』で複合語の場合『ご』と発音する。
ひねこびる
ひねっこびる
【動】@古めいている、Aこましゃくれる 『陳こびる』。
『陳ねる』はもともと『ふるびる。年を経る。老成する。ませる。』の意味だが『捻る』との混乱があったであろう。また、『陳ねる』と『捻る』はもともと同源の可能性があり意味のニュアンスにより漢字を当てた可能性がある。
@・ひねっこび・ひねっこびれ:発育が不十分で体が小さいこと:神奈川。
ひねっこびる:萎縮する・退化する:神奈川。
ひねっこびる:山梨・静岡。
A・ひねるこびる:大人びる:神奈川。
ひねこもぢ
ひねもぢ
『鬚籠』(ひげかご・ひげこ)に入れる餅 『ご』は濁音・鼻濁音。
・ひねしょー 古生姜 『陳ね生薑』。
ひねっしょー:神奈川。
ひねでる 【動】ひねている、へそ曲がり
ひねもぢ 堅くなったのしもち。去年の餅
ひねわら 前年の藁
ひねる 【動】@陳ねる、年を経る、Aませる 標準語。
だが、当時でも『ひねる』意味はすでに『捻くれる』と混用していた。
古語には『陳ねる』は無い。『日が成る』等を調べたがそのような言葉は無い。『陳(ちん)』とは、『古臭いもの』の意味である。もしかすると、近世の姥捨ての時代に『ひねる』とは年老いて『捻くれる』意味だった可能性がある。
広辞苑には他に『捻る・拈る・撚る:@を指先でつまんでまわす。A身体の一部をねじってまわす。Bつねる。C考えめぐらす。くふうする。特に、あれこれ考えて歌や俳句を作る。D簡単にやっつける。負かす。E試みにする。Fわざと普通とちがった風をする。一風変って趣のあるようにする。』の意味がある。
くねっ:大人びている:長野。
すねこぐれる:世間ずれして悪賢くなる:山形。
すねる:世間ずれして悪賢くなる:山形。
ひねる:神奈川・三重。
ひねだこどもだな:ませた子供だね。
ひのあど @午後、A暑さが終わった後
ひのあるうぢ
ひのうぢ
ひのうち
昼間 『日中』。『日の中(ひのうち)』ならやや古い標準語。
★『土』:俺(お)ら今日は日のうちから心持ええんだから:私は、今日は昼間から気分が良いんだから。
ひのくれ 日暮れ 古語。
ひな:大阪・香川。香川では濁音となる。
ひのくれ:千葉。
ひのくれがだ
ひのくれ
ひのくれかだ
【副】日暮れ、夕方 ひのくれしま:長野。
ひの @午後、A暑さが終わった後
ひのなが
ひのなか
日中、昼間 『日中』。
ひのなががらビールのんちゃーどきーっちゃーど:昼間からビールを飲んじゃうと利くよ。
ひのながば 午前中、正午、半日
ひのぬぎ
ひののき
日中 古河市・猿島郡。この場合の『の』は万葉語にある目的格あるいは対象格を示す格助詞で、『ぬき、のき』は、『貫く』意味の言葉と思われる。
ひのどぎ:山形。
ひのぬき:埼玉。
ひののき:東京多摩・神奈川・長野。
ひのめー @午前中、A暑くなる前、10時前 @・ひのめ:宮城。
のる 【動】(小動物が)死ぬ
びば
□▽ひば
干した大根の葉 『干葉・乾葉』。
ひば:ほした菜・特に大根の葉や蕪菜(カブラナ)を陰干しにしたもの・干菜:福島。
ひば:埼玉。
ひば:干した大根:東京多摩・神奈川。
ひばご 行火 『火箱』。炭を入れた旧式の行火。
ひばさみ @火箸、A火挟み Aは標準語。
(ひばた) 鴨居や敷居のみぞのふち。 『樋端』。建築専門用語。『畦・畔』(あぜ)という言い方もあるが現在ではほとんど使われない。ドア枠のドアが当たる部分の凹部も同じように言う。凹部が枠の両方にある場合は『両ひばた』、片方しかない場合は『片ひばた』と言う。
ひばぢ @火鉢、A火箸 @は博物館言葉。多くは客間に置かれ、接客時は火鉢を囲んで行われた。戦時中は、金属の火鉢は全て撤収されて、家々にあるのは焼き物の火鉢だった。
Aは清音形なら全国にある訛り。『し』と『ち』は音通する。
びー
ひー
はなぺちゃ 『集覧:那』。
ひばりめ
ひばる
ひばるめ
ヒバリ 美本最初の語源辞典の『和句解』では『ヒは日、ハはハルカまたは羽、リは上がり下がりのリか、日のさすときはるばるとあがる鳥であることから』とあり、その後の権威ある語源辞典である『日本釈明・大言海』等の語源説には『ひはる(日晴る)』とある。接尾語『め』は茨城と八丈島に顕著な語法で、『ひばりめ』は県南東部を除く地域で使われ、『ひばる』は東茨城郡・真壁郡・新治郡・竜ヶ崎市、『ひばるめ』は東茨城郡・真壁郡・新治郡の方言。新治郡は土浦市に隣接するがこれらはそのうち新治村で採取されたもので、江戸時代には恐らく土浦周辺でも使われていたのではないかと思われ、現代語が東京方言に駆逐された(?)のと同じく、茨城県南部ではかつて使われていたが、土浦が江戸の影響を受け『ひばり』または『ひばりめ』に変化した一方、周辺地域に残ったと考えられる。
ひび あかぎれ あかぎれを単に『ひび』と言うのは『日葡辞書』にもある古い言葉。
@ひび、Aあかぎれ
▲●ひび
ひーび
ヘビ 『集覧:真・猿』。
イラガの繭 羽化したあとの繭で子供が吹いて遊ぶ。
ーむしのたま:群馬。
貧乏で生活に苦しいさま。 :東京。
びーびー
【形動】赤ん坊等が泣く様 俗語として使われる。辞書では『ひいひい』
ひびいる
ひびーる
【動】ひびが入る(いる) 連母音変形・短縮化。
(びーびーさ) 菅笠 静岡。
ひび
ひびくさ
ドクダミ 『へびさ』がさらに訛ったもの。
@スズメノテッポウ、Aスズメノエンドウ いずれも草笛になる代表的な雑草である。このほか、ハコベやノカンゾウ・クロクワイ等も同じ名前を冠され、かつては草笛に使われたため命名された歴史がうかがえる。
@田の畔等に群落を作る稲科の小さい雑草。穂を抜いて吹くと簡単に草笛になる。
Aマメ科の雑草。青いうちのサヤを背側から割って種を取り出し、根元を少し摘んで切り取った残りをサヤの先から吹くと笛になる。
(ひびける) 【動】響く 神奈川。
ひびたれ 【形動】@しみったれ、けち、貧乏、A弱虫、臆病者
▽ひひて
ひひてひ
【副】1日中 古語の『ひひとひ(日一日)』(終日、一日中)に由来する。
ひひて:岩手・宮城・山形・福島・愛知。
ーどんどん 【形動】下痢 ーたろー:山梨。
:宮城。幼児語。
:下痢の擬音:群馬。
ーむし イラガの幼虫 幼虫は殻状の繭に住み、抜け出すと穴が開く。その抜け殻を吹くとピーピー音がするためそう呼ばれる。
ひびめる 【動】ひびが入る
(ひひる) 古語。その他文献には『ひる・ひいる』がある。
ひーる:青森・岩手・宮城・山形・東京・神奈川・佐渡・長野・愛知・和歌山・徳島・大分・福岡・佐賀・宮崎。
ひーるめ:八丈島。
ひーろ:新潟・静岡・福岡・大分。
(びびる) 【動】 『びびる』とは近世から『はにかむ。はじらう。しりごみする。』の意味で使われた。
この言葉は、広辞苑に『ひひらく:@いななく。Aつづけざまにしゃべる。べらべらしゃべる。B(ヒビラクとも) 土器などが音をたてて割れる。〈名義抄〉』とあり、現代語の『びびる』との関係を思わせる。和歌山・徳島では響く意味で使われる。標準語世界でも『びりびりと響く』を『びびる』などと言うことがある。
ひびれる 【動】しびれる
ひびらぐ
ひびらく
【動】響く、反響する この訛は最近、50代後半の人が語るのを耳にした。
北原白秋(福岡生れ)の『邪宗門』に次の一説がある。『油じむ末黒(すぐろ)の文字のいくつらね悲しともなく誦(ず)しゆけど、響(ひび)らぐ声は、さびてゆく鉛の悔(くやみ)、しかすがに、強き薫(くゆり)のなやましさ、鉛の室(むろ)は、くわとばかり火酒(ウオツカ)のごとき噎(むせ)びして壁の湿潤(しめり)を玻璃(はり)に蒸す光の痛さ。』。
同じように『木下杢太郎』(伊東生れ)の『南蛮寺門前』にも『白萩袖を翳して退く。これより長順は白萩を追ひ之にからむ。うかれ男その間に入りて之を妨ぐる仕草。この三人の間に往々また伊留満の姿現はる。右手に高く金十字架を捧ぐ。金の十字架煌々と光る。沙門等は下手の方(かた)、程よき所に立ち並ぶ。楽声、沙門、伊留満等の祈祷唱讃の声、諸人の驚き叫ぶ声、紛々囂々ととだえとだえにひびらぐ。』とある。『ぐ』は鼻濁音と思われるが、辞書には掲載されていない言葉でもある。
現代語の『びびる』にも通じる言葉と思われる。
『日本方言大辞典』にも掲載され、稲敷郡の方言とある。類似方言に新潟県の『ひびたく』がある。
『民俗』によれば、北茨城市・笠間市・西茨城郡・新治郡・筑波郡・稲敷郡・取手市・北相馬郡の方言とされる。上大津地区に残っているのは新治郡に近いためち思われる。
広辞苑を調べると、『ひひらく』(@いななく。〈名義抄〉Aつづけざまにしゃべる。べらべらしゃべる。源帚木「物定めの博士になりて―・きゐたり」B(ヒビラクとも) 土器などが音をたてて割れる。〈名義抄〉)『ひひらく・ひびらく(疼く)』(ひりひりと痛む。うずく。=疼く(ひひく))が見つかった。どうやら、明治期にはあった言葉で、その後消えてしまった言葉のようである。『疼く』(ひひく)は古語で、現代語には樹木の『ヒイラギ(ひひらぎ)』に残るが、現代語の『体に響く』は、本来なら『体に疼く』なのではないか。
これで『ひびらく』は茨城方言ではないことが判明したことになる。
『俚言』には『ひひらく:疼く。(中略)むかしは下のひの字濁りていひて響く意にや。』とある。
ひびける:神奈川。
ひびわれ あかぎれ
ひふぎ
ひーふぎ
ひふきだげ
吹いて火をおこすのに用いる竹筒 『火吹き竹』。竈の必需品。
ひおこし:鹿児島。
ひゅーきんだげ:静岡。
ひゅーけんだけ:静岡。
ひよこし:鹿児島。
ふきだけ:埼玉・神奈川。
ふいきたけ:静岡。
ふきつぼ:静岡。
ひーふけねー 【慣】うだつが上がらない、はかどらない
ひーぶし たき火 『火燻し』。
ひふみ 数字 『ひふみ』は『1、2、3』のことだからそれが転じたのだろう。
ひぶす カラスビシャク 別名の『ヘブス』が訛ったもの。その他県下には『ひぼす・ひぼそ』がある。
◆■▲□▽ひぼ
ひぼこ
ひぼっこ
ひぼづら
ひぼっつら
ひぼづる
ひぼっつる
紐、ひも 『集覧:多』。
『つら』は『蔓』(つる)の古語で『蔓』は茨城では紐状のもの一般を意味する。同様に『ひも』『ひぼ』は音通する。これはマ行音の濁音はバ行音と思われていた証である。
『語源』には、『紐』の語源は『@ヒキムスブの義、Aモはムスボの略、Bユイヲ(結緒)、Cヒは間の義、Dヒメヲ(秘緒)の約、ヒメは零能の意の活用形、ヒモノ-ヲ(緒)の下略、ヒは秘と関係があるか。』とある。この中に、『ひぼ』と関係する解説が無いのは、歴代の語源辞典は中央の学者が唱えたためと思われる。
『ひも』『ひぼ』は音通する他に、『ひ』は、『雛』『ひ弱い』に代表されるように、幼い意味や従属する意味があったとすれば、『ひぼ』とは、硬い棒に対してひ弱い棒を指したとも考えられる。
しぼ:宮城・長野。
しぼこ:宮城。
ひぼ:青森・秋田・福島・群馬・神奈川・山梨・静岡・鹿児島。
ひぼし:神奈川。
ひぼっこ:群馬。
へぼ:長野。
ひぼい 『火燃え』の意味。
しぼえ:宮城。
ひのっ:炎の中心:神奈川。炎は『火の穂』とされる。
ひのほえ:山形。
ひぼえ:栃木。
ひぼか
ひぼかー
ひぼかーうどん
ひぼかうどん
ひもかわうどん、きし麺 ひぼか:煮込みうどん:埼玉。
ひぼか:神奈川。
ひぼかー:神奈川。
ひもかー:煮込みうどん:埼玉。
(ひぼかし) 焼き魚 鹿児島。
(ひぼかす) 【動】(魚などを)火にあてて乾かす。 ひぼかす:鹿児島。
ひぼどぎ
ひぼとき
ひぼどぎいわい
ひぼときいわい
七五三 『おとき』の方がメジャー。『紐解き』。
ひまあます 【動】持て余す 『暇を余す』なら標準語と考えられるがあまり聞かなくなった。
ひまい
ひめー
日数 古い標準語の『日前』が訛ったもの。
ひまいない
ひまいなし
ひめなし
ひめーなし
ひめーねー
【形】日数が少ない 『日前無し』の意味。
ひまいり 時間がかかること 『隙入り』。古い標準語。
ひまいる
ひまいる
【複】時間がかかる 『隙が要る』。古い標準語。
そんではひまいっからほっっとげ:それでは時間がかかるから放っておきなさい。
ひまかぐ 【動】暇をつぶす、時間を費やす 『隙を欠く』。
ひまっかき:家業以外で時間を費やすこと・時間を費やす:群馬・神奈川。
ひまっかけ:家業以外で時間を費やすこと・時間を費やす:神奈川。
ひまくらし
ひまっくらし
@ひまつぶし、A悠悠自適の暮らし 『暇暮らし』(ひまぐらし)の意味。
A・ひまっくらし:山梨。
ひまかかる 【動】時間がかかる 標準語とも言っていいはずだが一般には『時間がかかる、手間がかかる』を使う。
ひまこぐ
ひまーこぐ
【動】さぼる
ひまさぐ 【動】時間をかける 『暇を割く』の意味。
ひまさい:暇つぶし:静岡。
ひまし 古くなったもの 標準語。『日増し』。
ひまし:東京。
ひましのもんはくーんだねーど:古くなったものは食べるんじゃないぞ。
ひまじん 仕事が無くぶらぶらしている人 『暇人・閑人』。
ひまじん:山梨。
《これがらの時代は、ひまじん、all the people の時代になっちゃーがもしんねど。!?!》
ひまたし
ひまだれ
暇つぶし、時間の浪費、手間取ること 北茨城市。『暇足し、暇足り』の意味。
しまだれ:宮城。
ひまざえ:山形。
ひまだれ:宮城・福島。
ひまぢ お日待ち講 ひまち:三重。
ひまっつぶし
ひまつやし
時間がかかること、暇つぶし 辞書には掲載されていないが古い標準語と考えられる。『潰す(つやす)』は『費やす、浪費する』意味。
ひまっさい:静岡。
ひまっつぶし:東京。
ひまっつぶす
ひまつやす
【動】時間をかける、暇つぶしする 『ひまをつやす』なら辞書には掲載されていないが古い標準語と考えられる。『潰す(つやす)』は『費やす、浪費する』意味。
ひまどり 暇つぶし、手間がかかること 『暇取り』の意味。標準語の『暇取る』は『時間がかかる・てまどる』意味。
ひまとる
ひまもらー
【動】離婚する、休暇をもらう、時間を割く 『暇を取る』『暇を貰う』なら標準語だが死語。
ひまどる 【動】時間がかかる、手間取る 『暇取る』。やや古い標準語。
ひまーり 日柄
ひまり
ひまーり
ヒマワリ 『向日葵』。
ひむき:埼玉。
ひーむがん
ひーむかん
ヒューム管
ひみの イグサで作った蓑 『日蓑』の意味。
ひめあやめ ニワゼキショウ 帰化植物で、芝地ややや乾いた空き地でみかける。高さ20cm程度で超小型のアヤメのような紫色の花をつける、野山の雑草の中では高山植物に匹敵する愛らしさを持つ。
ひめぐり 日めくりカレンダー 『日捲り』。
ひもい 『火燃え』の意味だろう。
ひもかわ
ひもかわうどん
@紐革、Aきし麺 A・ひもかわ:埼玉。
ひもこ
ひもっこ
ひもしー 【形】ひもじい 清音化。標準語と茨城弁の近さと遠さを感じさせる言葉。
ひーもし
ひーもーし
火を焚くこと、燃やすこと、焚き火
ひーもす
ひーもーす
【動】燃やす
ひもす 【複】終日、一日中
ひもぢ 食物が日数を経ても変質しないこと。その度合。 『日持ち・日保ち』。
今で言えば保存性能。賞味期限の長さ。
のーじ:群馬。『持ち』が訛ったか。
こんしょーからはよー、きーだはなしだけんとー、ふづーよりにべーれーしょーへーってっからよー、ひもぢいーんだどよ
ひもづら
ひもっつら
ひもづる
ひもっつる
『つら』は『つる』の訛ったもの。『つら』は『蔓』(つる)の古語で『蔓』は茨城では紐状のもの一般を意味する。
ひもどぎ
ひもとぎ
ひもどぎいわい
七五三 『紐解き』。典型的な濁音化例。
ひーもねー 【慣】一円も無い 『ひい』とは『一』のこと。
ひもろ 穀類を冬季に貯蔵する穴 本来は、『氷室』で、氷を夏まで貯蔵しておくため特別に装置した室または山かげの穴を意味する。
ひや いなかびて品のないこと。野鄙・野卑。 『鄙野』。
ひや 北側にある寝室。長持ちなどが置かれる 『部屋』の意味。日本の農家の代表的な田の字型平面の寝室に当たる部屋。
びや ビワ 『集覧:多』。
びや:福島・神奈川・静岡・鹿児島。
ひわ:鹿児島。
〜びや
〜びゃ
〜びやー
〜びゃー

やー
〜びやい
やい
【助】〜(し)よう、〜だろう 『集覧:猿』。
『〜べや・〜や』の『べ・ぺ』がイ段に近く発音されるとこう聞こえるか、終助詞『』音の影響を受けた逆行同化によるものと考えられる。。この方言は『べ』を使う他県にもある。
〜びゃい:群馬。
ねびゃー:寝ようよ。
はーいんびやー:もう行こうよ。
★『土』:そんぢゃ、今度(こんだ)澤山(しっかり)入(せ)えびやな、俺(お)ら碌(ろく)に飮(の)んもしねえで、怒(おこ)られちゃつまんねえな:それじゃあ、今度はしっかり入れようよ。俺はろくに飲みもしないで怒られちゃあつまらないからな。
★『土』:明日(あした)、要(え)れば出(だ)してやんびやな、爺等(ぢいら)どうせ夜(よる)なんぞ要(え)りやすめえしなあ
★『土』:さうでも何(なん)でもすびやな
ひや 寝室、納戸 『へや』が訛ったもの。
ひや:神奈川。
ひやー
ひゃー
名古屋弁に負けない連母音変形。『集覧:稲』。
ひゃー:静岡。
(ひゃー) ハエ 静岡。
ひゃー 【感】驚きの感嘆符 原型は『はー』と思われる。現代では方言か否かの識別はできない。俗語か。
ひゃー:静岡。
ひゃーたま:いやあ、驚いた。
(ひゃー) 【副】もう 神奈川・静岡。原型は『早』『はー』と思われる。
ひゃあい 家と家との間の狭い所。日光が通らない所。 『廂間』(ひあわい、ひあい)。
ひやかい 【形】冷たい ひやかい:三重。
ひやか:寒い:佐賀・鹿児島。
ひやがす 【動】@冷やす、A△○水に浸す、B冷やかす @Bは清音形の場合標準語。
『称呼』には『水にものを浸すことを 関西にてほとばかすと云。東国にてひやかすと云。』とある。
ひゃかす:冷やす:静岡。
A・しゃかす:静岡。
ひやかす:長野・山梨。江戸時代からの東国方言。
ひょーかす:山梨。
ひや 【動】干上がる ひやがる:鹿児島。
びゃく 関東の一部で、土の崩れた所をいう。潰(つえ)(広辞苑)。
じゃく・じゃくおぢ:がけ崩れ:茨城県北・県南の一部。
びゃく:土砂が崩れること:千葉・東京多摩。
びゃく:神奈川・山梨。
びゃくくむ:崖が崩れる:神奈川・山梨。
びゃくでる・びゃくになる:崖が崩れる:神奈川。
ひゃぐ
ひゃく
一銭 江戸時代、一銭は100緡(びん)でありこの『ひゃく』は100緡すなわち一銭の意味と考えられる。
ひゃく:福島。
ひゃく:僅かな金:神奈川。
ひゃーでもねー:全然できない:山梨。
★『土』:おとっつあ等(ら)そんな錢(ぜね)なんざ一錢(ひゃく)だって持ってねえから、鹽(しお)だって容易(ようい)なもんぢゃねえや:お父さんなんてそんなお金は一円だって持ってないから、塩だって容易なもんじゃないよ。
★『土』:十五日目(にちめ)に成(な)らなくつちゃ財布(せえふ)も膨(ふく)れねえが、又(また)百(ひゃく)でも出(で)っこはねえかんな
ひやぐ
◆▲ひやく
ひゃぐ
ひゃく
柄杓(ひしゃく) 『集覧:多』。『柄杓(ひしゃく)』の転か。代表的な茨城方言でありながら語源が特定できない言葉。『し』が脱落する茨城方言は他に見られない。
『柄』の読みには『ひ』はない。マルチ辞書には『[音訓]ヘイ・え・がら・つか[名乗り]え・えだ・かい・かみ・つか・もと
』とある。
『ひ』には『乾・干』(ひること。かわき。)、『樋』(@水を導き送る長い管。とい。Aせきとめた水の出口の戸。これを開閉して水を出したり留めたりする。水門。A刀や薙刀の身の棟(ムネ)よりの側面につけた細長い溝。刀剣の重さをへらし、調子をととのえるためのもの。血走りをよくするものともいう。みぞ。血流(チナガシ)。B丸木弓の本末の弾力を均衡させるため、弓腹(ユハラ)の中央から本弭(モトハズ)近くまで彫った浅い溝。C厠(カワヤ)で糞尿を受ける器。〈和名抄一四〉)とある。
そこで『柄杓(ひしゃく)』の語源を調べると、『語源辞典』には、『ひしゃく:@ひさご(瓠・匏・瓢)の転訛。Aシャクとひさごがまざったもの』とある。茨城方言の場合、『杓』(しゃく)が訛ったとしか考えられず、動詞形の『杓う』(しゃくう)とも一致する。また『決る・刳る(しゃくる)』(中がくぼむように刳(ク)る。)という動詞もある。
ところで再度、現代語の『ひしゃく』とは何なのかということになる。『干杓う』こと、すなわち、乾くまで掬う意味かもしれない。
ひやく:福島。
ひゃく:神奈川。
ひゃぐいぢ
ひゃぐいぢでっ
嘘つき 『百一』。百あるうち一つしか本当でない意味。
ひゃくいち:山形・群馬・三重・鹿児島。
ひゃぐいろ 様々な色、様々な様 『百色』の意味。
しとにはにはひゃぐいいろあっかんな:人は様々だからね。
ひゃぐいろ 数多くの草 『百色草』の意味。万華鏡を『百色眼鏡』と言うから、かつては色が多いことを『百色』といったとも考えられる。
しかし、もともとは腸を指す『ひゃくひろ』に由来し、腸に良い草の意味ではないかと考えられる。
ひゃぐかにぢ
ひゃくかにぢ
ひゃくかにぢ
ひゃっかにぢ
死語100日目。 『百か日』。
ひゃくしょうや
ひゃくしょや
農家 『百姓家』。やや古い標準語。放送禁止用語。
ひゃぐ 物差し 『しゃぐがさらに訛ったものと思われる。
ひゃぐとりむし
ひゃくとりむし
尺取虫
ひゃぐなり 作物の実や種が沢山なること 古い標準語の『百生り』(ひゃくなり)の濁音化。
ひゃくなりじじー:口やかましい老人:神奈川・山梨。
ひゃくなりばばー:小言ばかり言う女:神奈川。
ひゃぐにぢぼーず センニチソウ
ひゃぐにっぜぎ 百日咳
ひゃぐにもなんねー 【複】役に立たない、値打ちが無い、一銭にもならない 江戸時代、一銭は100緡(びん)でありこの『ひゃく』は100緡すなわち一銭で『一銭にもならない』意味と考えられる。
ひゃくにもなんねー:一銭にもならない:埼玉。
ひゃぐひろ 『百尋(ひゃくひろ)』。
ひゃくひろ:栃木・埼玉。
ひゃくひろ:熊などの小腸:神奈川。
ひゃぐひろ 土用の丑の日に取る百色(百種類)の草 県西部の方言。国立国語研究所の音声記録に残された言葉。本来は胃腸のための薬草のはずが、『百尋(ひゃくひろ)』を百色(百種類)と解釈して文化として定着したものと考えられる。
ひゃぐまんだら 【形動】何度も繰り返す様、くどい様 『百万陀羅』。百万塔陀羅尼に由来すると思われる。
ひゃくまんだら:東京・埼玉。
ひゃぐもしない
ひゃぐもしねー
ひゃくもしねー
【複】役に立たない、値打ちが無い、一銭にもならない 江戸時代、一銭は100緡(びん)でありこの『ひゃく』は100緡すなわち一銭で、『一銭にもならない』意味と考えられる。
長塚節『土』では『ひゃく』を『一銭』と当てているのがこの訛の語源を明らかにしていると思われる。ただし、『鄙野(ひや)』(下品でいなかびていること(さま)・野鄙)もしない意味と混同したことも考えられる。
ひゃーのやくにもたたねー:役にも立たない:群馬。
ひゃくもしない:栃木。
ひゃくもしねー:栃木。
ひゃーでもねー:何も御礼をしないで放っておく事:神奈川。
ひゃぐもない
ひゃくもない
ひゃぐもねー
【複】【形】一銭も無い ★『土』:俺(お)ら一錢(ひゃく)もねえから:俺は一銭も持っていないから。
ひやげる
ひやける
【動】冷たくなる 使われなくなった『冷やける』。
(ひゃこ) シャコ 神奈川。江戸言葉と思われる。
ひやこい 【形】冷たい 『ひゃっこい』の古形。
ひやこい:愛知・京都・大阪・和歌山・兵庫・広島。
ひやこい:寒い:和歌山。
ひやしー 【形】久しい ひやしぶり:久しぶり:秋田・福島。
ひやすぶり:久しぶり:秋田。
ひやしく 【副】久しく 『集覧:鹿』。
ひやす
ひゃーす
【動】(食器などを)水に浸けておく、浸す 水に浸すことは即ち冷やす意味に通じる時代の言葉であったのだろう。
当時は、まだ冷蔵庫が普及していなかったので、『すいがん』(西瓜)を冷やす場合は、風呂桶に井戸水を入れて西瓜をそれに浸したものだが、まさに『冷やした』のである。
しゃかす:静岡。
ひやす:栃木。
(びゃーた) 丸太 静岡。
ひゃっかい 【形】冷たい 古い言葉の『冷か(ひやか)』の流れ。
ひゃっかひゃっか 【形動】冷たい様
ひゃっかんでぶ 【複】百貫でぶ、超肥満の人 子供達は『でーぶーでーぶー百貫でーぶ電車に引かれでぺっちゃんこ』と言いあった。百貫とは375kgだから当時の子供はそらおそろしいイメージを描いていたことになる。
ひゃっかんでぶ:静岡。
ひゃーつぐばる
ひゃーつくばる
【複】這いつくばる
ひゃっくり しゃっくり 『けっくり』。これも広域にある訛。百回繰り返すと死ぬといわれた。
ひゃっくり:福島・神奈川・山梨。
(ひゃっけんなや) これは、茨城弁とは全く関係ない言葉。廓文化は私の知る限り茨城県内には残っていない。日本の古い文化の中の廓の世界を残した言葉。関西には今でも生きているところがある。
ひゃっけ
ひゃっけー
【形】冷たい ひやこい→ひやっこい→ひゃっこいひゃっけー
ばっこい:秋田。
はっこい:宮城・山形・新潟。
はっけ:岩手。
ひゃっけー:千葉銚子・千葉野田・東京多摩・神奈川・静岡。
ひやっけー:神奈川。
ひやってー:冷たい感じの日陰:神奈川。
びゃっこ 標準語では『白狐』。『集覧:多』。茨城方言集覧では単に狐を指している。
ひやっこい
◆■□ひゃっこい
【形】冷たい 拗音形は標準語だが死語に近い。これは江戸の奴詞でもある。『浮世風呂』にもある。このような俗な言葉は古いことが多い。
ばっくい:静岡。
ひーさーん:沖縄。
ひやい:山口・香川・徳島・高知。
ひやか:佐賀・宮崎・鹿児島。
ひゃっこい:岩手・宮城・福島・栃木・埼玉・東京・神奈川・静岡。
ひゃっこぐなる 【複】冷たくなる
ひゃっこどーふ 冷奴 ひやっこ:神奈川。
ひゃっこどーふ:福島。
ひゃっこひゃっこ 【形動】冷たい様、寒い様 ひゃっこひゃっこ:寒い様:千葉。
(ひやなき) 花火 鹿児島。
(ひやめし) 昼飯 静岡。
ひやめし
ひゃーめし
居候(いそうろう) 『ひやめしぐい』には、@冷遇されているひと、A居候(食客)、B次・三男の意味があるが、ABの意味は死語だろう。@だけはビジネス社会で細々と受け継がれている。
ひやめしぞーり:藁草履:静岡。
ひやめしっくい:山梨。
びやびや
【形動】@冷たい様、Aひやひや A『土』では『びやびや』と表現している。
★『土』:どうしたんだあ、腹(はら)痛(いて)えのか毒消(どくけ)しでも呑(の)ませて見(み)っか、俺(お)らもはあ、梅(うめ)だの李(すもんも)だの成熟(でき)ちゃびやびやすんだよ、出(で)て行(や)んだから云(ゆ)ったって聽(き)かねえしなあ。
ひやひや 【形動】@冷たい様、Aひやひや 現代標準語では@の意味で使われることは少ない。
★『土』夜明にひどく冷々(ひやひや)したっけかんな
ゃ) 静岡。
ひゃーぼ
◎ひやめしぞーり 藁緒の粗末な藁草履 『冷飯草履』。
ひやめしぞーり:神奈川。
ひゃーも 【副】少しも 江戸時代、一銭は100緡(びん)でありこの『ひゃく』は100緡すなわち一銭で、『一銭にもならない』意味と考えられる。
長塚節『土』では『ひゃく』を『一銭』と当てているのがこの訛の語源を明らかにしていると思われる。ただし、『鄙野(ひや)』(下品でいなかびていること(さま)・野鄙)もしない意味と混同したことも考えられる。
ひゃーもしねー
ひゃーもねー
【複】【形】全然たいしたことない、話にならない ひゃーでもねー:全然できない:山梨。
ひゃーのやくにもたたねー:役にも立たない:群馬。
ひゃーもない:一文無し:埼玉。
ひゃーもねー:一文無し:埼玉。
(〜ひゃら) 【複】〜なんぞ 福島。『〜しゃら』とも言う。
『〜て野郎は』の意味か。
ひやらがす
ひゃーらがす
【動】@冷やす、A(食器などを)水に浸けておく、浸す
(ひやりっこ) 割り勘 長野。
(ひやりばんじょー) 老人などが暇にまかさて少しの仕事を時間をかけてすること 神奈川。『日和番匠』の意味とされる。
ひゃーる 【動】入る ひゃぁーる:東京多摩。
ひゃーる:埼玉・神奈川・山梨・静岡・島根。
ひやわい 家と家との間の狭い所。日光が通らない所。 『廂間』(ひあわい、ひあい)。
ひやわい:狭い路地:三重。
(ひゅう) 鹿児島。
びゅんびゅん 【副】@車等を勢い良く飛ばすこと、A風が強く吹くこと、ぴゅうぴゅう @は標準口語で使われる。
ゅんゅん 【副】風が強く吹くこと、ぴゅうぴゅう
ひよこ、幼児語。 :千葉。幼児語。
ひよ:静岡。
:千葉。幼児語。
ひょーな:長野・静岡・山梨・神奈川。
ひょーなっこ:千葉。
ふよこ:佐渡島。
〜びよ

〜ひよ
【助】〜だろうよ、〜しようよ はいぐやっ:早く遣ろうよ。
(ひよい) 日和 鹿児島。
ひょいと 【副】もしか、もしも 『集覧:西』。『ひょっと』。
ひょいと
ひょいっと
ひょいっと
【副】@身軽なさま、気軽に事を行うさま、A突然、不意に @・ひょいと:ちょっと:神奈川。
A・ひょいと:つい・うっかり:神奈川。
ひょえっと:山形。
ひょいひょい 【副】不意に折々出てくるさま。または、ところどころへ出てくるさま
ひょいら
ひょいり
【副】@身軽なさま、気軽に事を行うさま、A突然、不意に 『ひょいと』。
@・ひょいら:群馬。
A・ひょえら:山形。
ひょかんと:静岡。
ひょくらん:静岡。
びょーえん 病院 びょーえん:東京。
びよーえん 美容院
ひょーかみ 楮(こうぞ)の粗皮で漉いた紙 『集覧:久』。楮で漉いた紙は『楮紙(ちょし)』とも言い、『ちょかみ』と読んでそれが訛ったと考えられる。
(ひょかんと・ひょくらん) 【副】突然、不意に 静岡。
びよぎ
びょーぎ
病気
ひょーぎん 【形動】剽軽(ひょうきん) ひょーきんに:大層:静岡。
ひょーきんもない:大変な:静岡。
ひょんきん:静岡。
ひょー
ひょー
掛け軸 『表具』は『布または紙を貼って、巻物・掛物・書画帖・屏風・襖などに作り上げること。表装。』の意味。
おひょー:神奈川。
ひょー:神奈川・静岡。
ひょ 【動】@水や小便などが吹き上がる、ほとばしる、A涙が出る 古語。
@・ひょ:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・静岡。
ひょー:東京多摩・神奈川・山梨・静岡。
ひょじる:神奈川。『浮世床』『ひよずる』がある。
ひょん:静岡。
Aは方言。
(ひょーる) 脇にそれる 神奈川。『剽げる』の転。
ひょー ふざけおどけること、また、その人 『剽げ』。茨城では濁音のこともある。
ひょーもの ひょうきんもの 『剽げ者』。茨城では濁音のこともある。
ひょ
◆▲△▽ひょー
【動】おどける 『剽げる』。『集覧:猿』。
茨城では濁音のこともある。『げ』が鼻濁音なら古い標準語。
『俚言』には『へう:気軽にたわむるるをいふ。』とある。
ひょー:山形・福島・東京・新潟・長野・静岡・愛知・中国。中国では濁音となる。
ひょー:投げたものや話題などがそれる:神奈川。
ひょーる:神奈川。
ょこたょこた
ょこたらょこたら
ょこたん
ょこたんょこたん
【副】@ぴょこぴょこ、ひょこひょこ、Aびっこをひいている様 @・ひょこらひょこら・ひょこりひょこり:山形。
A・こたん:宮城。
こたんこたん:山形。
びこらびこら・びっこらびっこら:山形。
ょこたんょこたん:群馬。
ひょごっと
ょこっと
ひょこっと
【副】ひょっこり、ぴょこんと
ひょごひょご
ょごょご
【副】ぴょこぴょこ、ひょこひょこ
ょごょごまーる
ひょごひょごまーる
ひょごまーる
【動】@ひょこひょこ歩き回る、Aはしゃぐ
ひよこめ
ひよっこめ
ヒヨコ :千葉。幼児語。
ひよ:静岡。
:千葉。幼児語。
ひょーな:長野・静岡・山梨・神奈川。
ひょーなっこ:千葉。
ふよこ:佐渡島。
ひょ
ひょー
【動】@水や小便などが吹き上がる、ほとばしる、A涙が出る 『しょる』とも言う。
古語の『ひょぐる』の転。
@・ひょー:ふき出る:東京多摩・神奈川。
ひょ:福島。
★『土』:しょんべひょってだら、そごにおめくっからしっかがっちゃーんだど:おしっこしてたら、そこにお前が来るからひっかかるんだよ。
A★いーいーだったごどー。おらはー、なみだひょごっちったどやー:良い映画だったねえ。私はもう涙が出ちゃったよ。
(標準語が失った言葉) 江戸時代以降に標準語が失った言葉を以下に示す。橘正一の『方言学概論』を参照した。標準語とは何かかという問いに明解に答えられる人は居ない。昭和初期に生きた橘正一の定義は貴重である。
言い換えれば、当時の関東語は、関西語に支配されていたと思っても良いと思われる。
中央の組織が江戸に変わった以降も、相変わらず文化の源の上方の言葉を尊重し、敬意をはらっていた様子が伺える。
〜べい
〜じゃ
〜なんだ。『なかった』の採用。
〜ぬ。『ない』の専用。
『よう〜』(良く)の廃止。
『〜せう』の廃止。『しょう』の専用。
『〜の』の廃止。『ね』の専用。
『です』の採用。
(ひょーじる) 【動】水や小便などが吹き上がる、ほとばしる 神奈川。
ひょーしわりー 【形】調子悪い、運がが悪い 『ひょうし』は、単純に『調子』が訛ったと考えても良いが、『拍子』には調子や間合いの意味がある。
ひょーたぐれ
ひょーたくれ
人をののしっていう語。ばか者。愚人。 ひょーたくれ:静岡。
ひょっとたくれ:東京。
△▽ひょーたくれ おどけ者 ひょたくれ:東京多摩。
ひょーたくれ:千葉・神奈川・熊本。
ひょーたくれる:おどける:神奈川。
びょーたれ @顔色の悪い人、元気の無い人、A怠け者 『新方言』には『ヒャー(タレ) :役立たない/つまらない(人)。熊本(熊本大レポート)』とある。『鄙野』(いなかびて品のないこと。野鄙(ヤヒ)。)の意味なのかもしれない。
A・ひょーだら:だらしない事:静岡。
(ひょーたんなまず) つかまえどころがないもの 神奈川。『瓢箪鯰』(「ひょうたんで鯰を押える」を名詞化した語。)。
ひょちょ
ひょっちょがる
【動】座る 『集覧:無記載』。『びちかる』がさらに訛ったと思われる。
ひょっくら
ひょっこら
【副】ひょっこり、ひょっくり ょくり』とも言う。
しょっこら:宮城。
ひょっかり:静岡。
ひょっくら:福島・山梨・静岡。
ひょっくり:東京・神奈川。
ひよっこ
ひょっこ
@ヒヨコ、A未熟なもの、幼稚なもの 最近はあまり使う人が少なくなった。
@・ひょっこ:山形・福島・埼玉・神奈川。
ひょーな:長野・静岡・山梨・神奈川。
ひょーなっこ:千葉。
Bその他。
ひょっこ:いびつな様:神奈川。神奈川県内広域方言。
ひょったぐれ
ひょったくれ
馬鹿、間抜け 『ひょうたくれ』。
ひょっとたくれ:東京。
びょーったれ 顔色の悪い人、元気の無い人、怠け者
ひょっと 【副】もしも 『集覧:西』。万葉集に見られる用法で今では単独で使うことはない。
ひょっと 【副】@不意に、突然に、A物が突き出るさま、にゅっと 『集覧:西』。茨城方言集覧では『若しも又はちょっとと言うこと』とある。
ひょっとぎ 【副】偶然
ひょっとぎまがせ いきあたりばったり
ひょっとご
ひょっとこ
馬鹿囃子 『集覧:稲・猿』。
『馬鹿囃子』(ばかばやし)とは『東京およびその近郊の祭り囃子の一。笛・太鼓・摺鉦(すりがね)を用い、おかめやひょっとこなどの踊りを伴うこともある。』(大辞林)。
土浦の祭りの山車の定番はおかめとひょっとこである。
ひょっとご
ひょっとこ
ひょっとごやろー
ひょっとごやろ
ひょっとこやろう
【慣】馬鹿野郎 清音なら死語。
『ひょっとこ』とは、広辞苑に『(ヒヲトコ(火男)の転という。火を吹くときの顔つきからか)@片目が小さく口のとがった男の滑稽な仮面。潮吹面。また、その仮面をかぶって踊る滑稽な踊り。浮世床初「赤熊(シヤグマ)で面をかぶつて、―を踊つて貰はあす」。A男子をののしっていう語。』とある。
なーにゆってんだっ、あのひょっとごやろめ
びょーど 【副】しばしば 『集覧:北』。
『俚言』には『へいと:度々の事をへいとと云。へしにと云に同し。また武州忍あたりにてびやうとといふ。常陸邊にてもさいふ。並字漢音へい、呉音びゃう、和訓へしなれば、意義全並字にておしなめの義歟。』とある。
(ひょーとく) 表徳号の略。雅号。別号。あだな。 『表徳』。近世語。
ひょーとく:東京。
ひよどり
ひよとり
◎ひよーとり
ひやといで働くこと。また、その人。ひようかせぎ。 『日傭取り』。『日傭(ひよう)』とは『一日を限ってやとわれること。また、その人。また、その賃金。ひやとい。』のこと。
ひゆー:沖縄。
ひゆとり:鹿児島。
ひゆーとり:壱岐・熊本。
ひよー:沖縄。
ひよーとり:神奈川・静岡。
ひよーとり:作男:神奈川。
ひょーとり:山梨。
ひよどり 鉄棒の技の一つ やや離れた位置から鉄棒にぶら下がって、その反動で体が大きく前に振れた後、戻ってきた時に両足を鉄棒に付けた後、その反動で大きく円弧を描いて体を伸ばして遠くに跳ぶ。
文献には無いので土浦市限定の方言と見られる。
これが出来るようになると、次に『蹴返し』に挑戦した。『蹴返し』は何故か辞書には無い。『蹴上がり』の事である。
ヒヨドリは波状に飛ぶので、円弧を描いて跳ぶ様をヒヨドリに例えたと見られる。
びよにんでる
びょにんでる
【複】病人が出る
ひょーひゃぐ
△▽ひょーひゃく
@冗談、でたらめ、Aこっけい、ひょうきん者 古い標準語の『ひょうひゃく』には『冗談。滑稽。おどけ。』の意味がある。辞書には漢字は当てられていないが、『剽軽(ひょうきん)』があるように『剽百』の意味か。
@・ひょーひゃく:新潟・富山・長野・石川・奈良・和歌山・四国。
ひょー:長野。
A・ひょーひゃく:神奈川。
Bその他。
ひょーひゃく:ひやかし:千葉。『香取』には『冷評』とある。『評釈』の意味か。
ひょーる:からかう:神奈川。
(ひよひよ) 【形動】弱々しく動くさま。ひくひく。 ひょーひょー・ひょなひょな・ひょらひょら:神奈川。
ひょーひょー
ひょーひょど
【副】(水などが)勢い良く勢いよくほとばしる様
ひよむき 乳児の泉門 顋門(ひよめき)の訛り。
(ひょーらくじ) 怠け者 静岡。
ひより 天気、空模様 『日和』。
ひよい:宮崎。
(ひょろかしー) 【形】おぼつかない様 徳島。
ひょーろぐ
ひょーろぐだま
ひょーろくだま
馬鹿、まぬけ 『表六、表六玉』。
ひょーらくじ:怠け者:静岡。
ひゃーらくもの:無礼者:静岡。
ひょーろくだま:埼玉・神奈川・静岡。
ひょろ 【動】@(作物などが)ひょろひょろと伸びること、A(転じて)ふらふらする、よろける 『げ』は濁音・鼻濁音。
@★いやこどしはあめふりでいもひょろっちったよ。:いやあ今年は雨降りで芋がひょろひょろと伸びちゃったよ。
A『ひょろける』なら標準語。
しょろける:倒れる:静岡。
ひょろける:静岡。
ひょろつぐ 【動】@(作物などが)ひょろひょろと伸びること、A(転じて)ふらふらする、よろける Aで『ひょろつく』なら標準語。
ひょろな
ひょろな
【形】細長い 標準語。=『なひょろい』
ひょろな:山梨。
ひょろこな:岩手。
〜びよん
よん
〜ひよん
【助】〜だろうよ 発音する側は『〜びよ、〜よ、〜ひよ』と発音しているはずだが、鼻に抜けるためそう聞こえると考えられるほか、意識して話している例もある。
『〜べよ』が訛ったもの。
〜びょん
〜びょーん
ょん
ょーん
〜ひょん
〜ひょーん
【助】〜だろうよ 上記の訛りを基本にややくだけた言い方。
〜びょん:秋田。
(ひょんきん) 【形】珍しい 静岡。
ょんこ
ひょんこ
ょんこょんこ
ひょんこひょんこ
【形動】飛び跳ねる様、ぴょこぴょこ
ょんこばね
ひょんこばね
飛び上がること
ひょん 【動】【古】水や小便などが吹き上がる 古語の『ひょぐる』の転。
ひょん:千葉。『香取』掲載語。
ひょんな 【連体】出来事の意外なまたは奇妙なさま。とんでもない。妙な。 ひょんな:静岡。明治の静岡では方言扱いされている。
ひょんたな:岩手。
ょんょこり
ょんょこりん
【形動】@おっちょこちょい、軽率な人、向こう見ず、間抜け、Aこっけいなこと(人)、冗談 『とんくりん』。県北部の方言。
ょんょんばね 片足けんけん 土浦市の方言。
ひーもす
ひーもーす
【動】火を燃やす
ひもどぎ
ひもとぎ
紐解き 『おとき』。七五三の儀式。『ひもとき(紐解き』の濁音化。
◎ひら @山の斜面、傾斜地、A坂 広辞苑に『:建物の大棟(オオムネ)に平行な側。山中にある相当広い緩斜面。天狗平(テングヒラ)の類。へら。ひらなか。』『黄泉平坂(よもつひらさか):現世と黄泉との境にあるという坂。』とある。
@・さかへれとこ:宮崎。
ひどひら:崖:島根。
びら:断崖:アイヌ語。
びら:山の傾斜地:静岡。
ひら:山形・新潟・長野・山梨・静岡・岐阜。
ひら:広い方の屋根面:神奈川。妻の対語。
ひらっばち:静岡。
へらこ:山川等の極端の場所:滋賀。
やまんひら:山の斜面:長崎。
どでのひら:土手の斜面。
A・ひら:坂:沖縄。
ひらこ:急坂・崖:青森。
注)地名に以下がある。
・片平町:仙台。片方は平坦だが片方は断崖絶壁である。
・ぜんめびら:山形。急傾斜地。
・しゃぎびら:山形。急傾斜地。
ひら シャモジ 『箆(へら)』の意味。古代の言葉を思わせる言葉。『箆(へら)』とは平たいものの意味と思われる。
(ひーらー) ゴキブリ 沖縄。
(ひーらい) 【形】つまらない 静岡。
ひらいあるぐ 【動】拾い歩く、集め歩く
(ひらいひらい) 【副】ちくちく 鹿児島。『疼く(ひびらく)』に通ずる言葉。
ひらいもん 落し物、拾い物
ひらー
■▲ひらう
【動】拾う 『拾う』の転訛。『集覧:多』『集覧:無記載』。
辞書掲載語。旧仮名遣い(ひらふ)をそのまま読んだのではないかと思われる。一説には近世大阪語とされる。
ひらう:千葉野田。
(ひらか) 下駄 秋田・山形・岐阜。
古語の『ひらかけ』の略された『ひらか』。東海道・広島は駒下駄の意味。茨城方言の『びったらた』(磨り減った下駄)もこれに類するのかも知れない。
下駄をアイヌ語で『ピラカ・ピラッカ』と言うが、『ひらか』由来の言葉とされる。アイヌ語では草履を『モノクシャ』と言うがこれも古語『ものくさ』から生まれたとされる。
ひらか:磨り減った下駄:千葉。
ひらかこ:磨り減った下駄:岩手。
ひらこ:石川。
ひらっか:岩手・長野・静岡・愛知・広島。
ひらっか:磨り減った下駄:静岡。
ひらっかー:静岡。
ひらっこー:広島。
へらこ:石川。
ひらぎ 魚などを開いて干したもの 『開き』。現代では単独ではめったに使われない。
ひらき:静岡。
ひらげる 【動】@開(あ)ける、Aひらける、B雲が晴れる A濁音化。
B・ひらける:神奈川。
ひら 【動】広げる
ひらざぐ
ひらざく
ひらさく
【動】@花が咲く、A(容器等の上が)拡がっている 『開き咲く』意味。
ひらざら 浅くてひらたい皿。 『平皿』。深皿に対して言う。
ひらざる
ひらざーる
亀の子笊 『称呼』には『又江戸にてかめのこざるを畿内にてどんがめいかき、芸州にてどうがめしたみ、下野にてひらざると云。』とある。
(ひらすみ) 昼寝 福島。『昼休み』が訛ったと考えられ究極の音便の訛り。
ひらたい
◎ひらったい
【形】@薄くて大きい、A平ら、B平易である 『平たい・扁たい』。元『平体・平つ体』か。
A・ひらくたい:静岡。
ひらたえ:山形。
ひらったい:東京。
Bの意味は良く使われるが、@Aはあまり聞かなくなった。
ひらたぐ 【副】足をくずして、平らに
ひらち 平地 死語となった標準語。和語であろう。
ひらっ:山の斜面地:静岡。
びらつぐ
びらつく
【動】びらびらする、物が垂れ下がる、派手な格好をする
ひらったぐ 【副】足をくずして、平らに ひらったく:群馬。
ひらてー
ひらってー
ひらべってー
【形】@薄くて大きい、A平ら、B平易である 江戸言葉。
@・ひらびったい:神奈川。
A・ひらびったい:神奈川。
ひらびってー:山梨。
ひらべったえ:山形。
びらびら
【形動】【名】物が垂れ下がってひるがえる様、派手な飾りのつく様
(びらびら・びらり) 【副】急に、不意に 宮城。
ひらま 細長い谷状の水田
ひらわづけ 田下駄 稲敷郡。
ひらわん 浅くてひらたい椀。また、それに盛った料理。平皿。 『平椀』。
びり @▲ナマズの稚魚、Aウナギの稚魚 『集覧:猿』。
A・びり:静岡・島根。
(びり) @最下等。末次。しり。おわり。A人をののしっていう語。B使いふるして性(シヨウ)のぬけた布。 現代では@の意味でしか使われない。
『語源』には『@シリ(尻)の転訛か。Aイバリ(尿)の上略か。また放屁する意のヒリケツの転か。』とある。
下痢
ひーり 夕方 『日の入り』。
びりかす
びりくそ
びりけづ
びりのこと 『新方言』には『ビリケツ:びり。最上地方で。』とある。
びりこっけ:神奈川。
(びりくむ) 【動】はみ出す 神奈川。
ひりだす 【動】中のものを外に出す、体外に出す、放り出す 『放り出す』。やや古い標準語。
ひりたらける:糞便をひり散らかす:山梨。
りだす 【動】中のものを外に出す、体外に出す、放り出す びりくむ:はみだす:神奈川。
(びりっ) 【副】踏みつける様 鹿児島。
りつぐ 【動】ぴりぴりする、ぴりぴり染みる 濁音化。
びりっかす
びりっくそ
びりっけづ
びり、びりっけつ 『びりっ尻・びりけつ』。放屁する意味の『屁りけつ』が訛ったとされる。
びりっけ:静岡。
びりっけつ:群馬・静岡。
(びりつける) 【動】投げつける 神奈川。
りっと 【副】しゃきっと 『ぴりり・ぴりぴり』と同源。
びりびり 【形動】大便をする様、下痢をする様 標準語では『くだり腹の大便の出る音。びちびち。』の意味。
びりびりうんこ:下痢便:群馬。
おんこびりびりたっちがらでがげっ。−あー、おめはそったごどゆーもんだねー:ウンコをしてから出かけよう−えー、お前はそんなこと言うもんじゃない。
なんだがくせーなんだっ、おんこびりびりだ:なんだか臭いな−そうだろ、下痢してんだもの。
びりびり 【形動】神経を高ぶらせ緊張しているさま 『ぴりぴり』。
びりびり:情け容赦なく:青森。
り) 【形動】雨が僅かに降る様 兵庫。
(ひりゅーず・ひりょーず) 飛竜頭 広辞苑に『飛竜頭:(filhos ポルトガルから。「飛竜子」とも書く)@粳米(ウルチマイ)と糯米(モチゴメ)との粉を等分にまぜ、ゆでて油で揚げた食品。また、うどん粉に豆腐または山芋のおろしたものをまぜ、針牛蒡(ハリゴボウ)・木耳(キクラゲ)を包んで揚げた食品。Aがんもどきの異称。』とある。
ひえし:鹿児島。
ひりゅず:神奈川。
ひりゅーず:神奈川・静岡・愛知・広島。
ひりょず:兵庫。
ひりょーず:神奈川・静岡・岐阜・岡山。
ひろす:香川・長崎。
ひろーす:大阪・兵庫。
(びりんびりん) 【形動】機械が回る様 神奈川。
ひる 【動】(屁を)する 『放る』。『こぐ』より古い言い回し、標準語だが死語。本来の意味は『体外へ出す。ひりだす。』。
しる:群馬。
びりつける:投げる:神奈川。
ひる:神奈川・静岡。
ひる:卵を産む:秋田・宮城。
ひる:生む:神奈川・静岡。
ひる:排便する:山梨。

ひる
ーる
ひーる
【動】乾く、作物が乾いて干からびる 『干る』。
いろかす:乾かす:大分・熊本。
いろく:乾く:大分・熊本。
ひーる:神奈川・静岡。
ーちゃった:干からびちゃった。
★『土』:そんでまた田(た)でも畑(はたけ)でも引(ひ)つ被(かぶ)つた處(とこ)は水(みづ)干(ひ)てから腐(くさ)ってるもんだから其(そ)の臭(くせ)えこと又(また)噺(はなし)にやなんねえや
(ひる) 【動】尽きる。果てる。無くなる。終わる。 『干る』。近世語。
ひる:東京。
ひーる 【動】冷える このびーるひーでめーな:このビールは冷えてないな(冷えていまいな)。
いーやひーでっこどー、ひゃーっけーや:いやあ、冷えてるねえ、冷たいよお。
(ひーる) 【動】叫ぶ 八丈島・愛知。『ひひらく』の流れか。
ひしる:和歌山・高知。
ひる @昼間、A正午、B昼食
◆▲びる
びーる
びるめ
ひるめ
びーるめ
びーるんぼ
ヒル 『集覧:多』。
ヒルには『チスイビル・ウマビル・ヤマビル』等があり、種類を示す言葉が頭に付くと濁音化することから、単独でも濁音で使っているものと思われる。
30年代前半には田んぼの中にもいたらしいが、消毒剤のせいか当時は用水路が生息地だった。裸足で用水路に入れば5〜6匹に食いつかれる。剥がした後は、しばらく血が止まらず足元まで血を流すことになる。
:鹿児島。
ひい:鹿児島。
びる:岩手・宮城・山形・福島・栃木。
ひーる:東京武蔵村山・静岡。
びろ:秋田。
ひるあ 昼休み 『昼上り』の意味。
ひるかだ
ひるっかだ
標準語には『朝方』はあるのに『昼方』はない。
ひるがら
ひるから
ひるっから
午後
ひる 標準語では昼食を指す
ひるじぶん 正午頃。昼ごろ。 『昼時分・午時分』。
びーるす ウィルス 当時は『ビールス』と言うのが主流だった。いつ頃からか『ウィルス』と言うようになる。調べると『ビールス』はドイツ語起源、『ウィルス』はラテン語起源、英語では『virus(ヴァイァラス)』である。
ひるたび 毎昼
ひるてん 白昼の盗人 『集覧:北』。江戸時代の流行語の『ひってん』は広辞苑に『(江戸時代の流行語) 無一物(ムイチモツ)。金銭のないこと。貧乏。略して、「てん」』とあるが関係があるかどうかは不明。
ひってん:無一文:東京。
ひるのひなが
ひるひなが
ひるひんなが
【副】昼、日中、真昼間 『昼日中』。
ひるひなか:静岡。
こーたひるのひなががらなーんだよおめーら。さげなんちょのんで:こんな真昼間からなんだい、お前達は。酒なんて飲んで。
ひるはん 昼食 ひるま:福島・富山・石川・広島・高知。
ひるま 広間
ひるま 正午
ひるまがだ
ひるま
ひるまかだ
ひるまっかだ
昼間 『昼間方』の意味。
ひるまがら
ひるまから
午後
ひるめ
ひるめー
午前中 『昼前』。
びるも
ひるも
ヒルムシロ 田んぼで特に繁殖力の強い雑草。
びれ
びれっけづ
びり びれ:栃木。
びれっけつ:栃木。
ひれー 【形】広い しろい:東京。調布生まれの叔母が頻繁に使う。こんなにしろいところはなかなかないよ
しれー:青森。
ひれ:鹿児島。
ひれーもん 拾い物 ひれーもん:山梨。
(びれる) 【動】でれでれと異性にまつわりつく。 近世語。『びろつく』とも言う。
現代では、岩手・宮城・福島に残る。
◎ひろいおや 親の厄年に生まれた子供や日取りの悪い日に生まれた子供を形式的に実親が捨て、それを拾ってくれた仮親。 同様の風習が神奈川にもあり、神奈川では子供は一生親子付き合いをする。茨城ではかなりの地域に残っていたが神奈川では平塚市にのみ残る。この風習は日本に広域にあった風習のようである。
茨城では、@子供が誕生後十ヶ月以内に歯が生えたときに行われる。十ヶ月以内に歯が生えることを『とつきとーば』と言って忌む(結城市・土浦市)。A親が厄年の時に生まれた子供(久慈郡・結城市)や、父親が42歳のときですでに二歳の子供がいる時に生まれた場合(東茨城郡・西茨城郡)や、子供が病弱な場合(西茨城郡・結城市)に行われる。
子供の捨て方や仮親との関係は様々で、桟俵に載せ、おにぎりを添えて辻や三叉路に捨てたり、橋の上に捨てたり、拾う人は隣家の人あるいは主婦等に予め頼んでおく。広い親との関係は盆暮れや節句に贈り物をするほか
結婚式にも招待するところがある。
ひろいおや:神奈川。
ひろいべ
ひろいべー
ひろがっ
ひろがっ
【複】広いだろう ひろえべー:青森。
ひろいん 幅に広い縁側 『広縁』。
びろだす
だす
【動】(歯磨き等を)押し潰して出す 『ひしぐ』と関係がありそうだがあまりに音韻がかけはなれている。放屁する『屁る(ひる)』と擬態語がミックスしたような動詞。『びろっと出す』意味か『放り出す』の変形か。標準語の類似語に『拉ぐ(ひしぐ)』(押し潰す)がある。単に『広げ出す』意味か。
びろでる
でる
【動】(歯磨き等が)押し潰されて出る 真壁郡では『びりぐみだす』、取手市では『びりだす』と言う。
びろでる:千葉県北部。
びろぐ
びろく
落ちぶれること やや古い標準語の『微禄』。
ひろくち 広袖、どてら
(ひろくどーする) 【動】@見せびらかす、A乱雑にする、取り散らす、Bだらしなくする 神奈川。
(ひろや) 気前のいい人 神奈川。
びろげる
ろげる
【動】(餡や下着などが)はみ出る、どろりとなる 『びろっと出る』意味か『放り出す』の変形か。標準語の類似語に『拉ぐ(ひしぐ)』(押し潰す)がある。
びる:よだれ:青森。
びろ:よだれ:青森・秋田。
ひろじゃく 見せびらかすこと 新治郡・行方郡の方言。
ひろじゃくする 【動】見せびらかす 新治郡の方言。
ひろくどーする:みせびらかす・乱雑にする:神奈川。
びろっと
びろびろっと
【副】どろりと 『べろっと』
びよっと:いきなり飛び出る様:青森。
びろっと 【副】紙等の薄いものを広げる様、びらり びろんちょ:何かを広げた時の効果音:千葉銚子。
ひろっ 広々としたところ、広場 標準語の中の訛。
ひろっ:東京。
ひろはっちょー:神奈川。
ひろっ
ひろ
【形動】広々 ひろっ:神奈川。
ひろは ハラン
びろびろ 【副】粘性のあるものが出て来る様、どろどろ 茨城方言の場合は『びりびり』が変化したものだろう。
他県の方言は『尾籠』(@礼を失すること。不作法。無礼。不敬。Aきたなく、けがらわしくて、他人の前で失礼に当ること。)に由来するか。
近世語の『びろびろ』は辞書に『意地きたなく探しまわるさま。異性に対してだらしのないさま。浄、十二段「女子を見ては―」』とある。古い標準語に『びれるく』『びろつく』(でれでれと異性にまつわりつく)があり、関係があるかもしれない。
ひろひろ:物欲しげにうろうろする様:静岡・愛知・岡山・高知。
びろびろ:着物をだらしなく着る様・食べ物を見て飛びつく様:山形。
びろんびろん:着物をだらしなく着る様:神奈川。
ーろろ) 【形動】髪の毛などの薄い様 神奈川。
ひろま 客間、土間に面する玄関に近い座敷 『広間』。
ひろま:神奈川。
ひろまぢ
ひろまち
大きな水田 『広町』の意味。『町』には、『区画した田地・田の区画』の意味がある。
ひろみ 広い場所 『広み』。
(ひーわ) 【形動】ひ弱 静岡。
ひわがい
ひわけぁー
【形】大変若い 『ひ若し』の流れ。
(ひわず) 弱々しいさま。ひよわいさま。きゃしゃ。 『繊弱』。古称『ひはづ』
『づ』は@予想、A推量・想像、B意志・決定の助動詞『むず』の変化した『うず』がさらに変化したかものか。
ひいはづ・ひはづ・ひやづ:佐渡島。
ひわずい:静岡。
ひわでない:静岡。
ひわすら 火遊び 『ひあすび』。『火悪さ』の音位転倒。
ひわすら:栃木。
(ひわるる) 【動】割れる、裂ける 鹿児島。
広辞苑に『ひはる・ひわる:ひびが入る。裂ける。』とある。
ひをふぐいぎおい 勢いの良い様 『火を吹く力も無い:気力の全くないたとえ。また、貧乏の甚だしいことのたとえ。』という言葉がある。
ひをふったげる
ひをふったける
【複】火を点ける 『集覧:久』。
ひをもーす 【複】火を燃やす 『集覧:無記載』。
(びん) 傷跡 静岡。
□ひん〜 【接頭】 『引き〜』の撥音便または強調語。
ひーなく・ひんなく:泣く・高い声でなく:神奈川。古い言葉に『ひひめく:ひひと声を立てて鳴く』がある。
(ひんがー) 【形】薄汚い 沖縄。
(ひんかち) 子供の玩具の一種 鹿児島。
広辞苑に『毬杖・毬打(ぎっちょう):正月行事の童子の遊戯に使用する、毬(マリ)を打つ長柄(ナガエ)の槌。近世は彩色を施し、金銀泥を加えて正月の飾りものとする。また、その遊戯。ぎちょう。』とある。
(ひんらかる) 【動】もつれる 神奈川。『ひん』は接頭語か。
ひんりめ やぶにらみ 『ひがらめ』の転。
びん @都合のよいこと。また、都合のよい時。好機会。べんぎ。
Aたより。おとずれ。音信。
古い標準語。『便宜』。
@・びん:好機会:山形。
A・びん:音信:秋田・山梨。
びん:便り・幸便
ひんきゃぐ 大事な客 『賓客』。
んきり 【形動】最上のものから最低のものまである様。 短縮形。正しくは『ピンからキリまで(ぴんからきりまで)』。慣用句辞典には『@ピンはポルトガルpinta(点)キリはcruz(十字架)から、1番目から10番目までという意味で、転じて、始めから終わりまで。A最上のものから最低のものまで。』とある。
(ひんぎる) 【複】逃げる 沖縄。
(ひんぎれ) 【複】逃げろ 沖縄。
んくい 【形】桃色の様、ピンク色の様
(ピンク色の雪) 日本の春先の山では、まれにピンク色の雪が降ることがある。
昭和50年代のとある5月の越後の山で、越後湯沢から茂倉岳を経て、谷川岳本峰から、周辺の山々を味わったことがあった。下りは、蓬峠を介して白髪門山をを介して家に帰った。その時に山々はピンク色んp雪で覆われていた。
びんこ @瓶、Aもみあげ A『鬢(びん』の転。
びんこ:青森・福島。
ひんごぐる 【動】引きまくる
(ひんこねー) 【複】品が無い 宮城。
(ひんさき) 見舞い 静岡。
ひんしつ 天から稟(う)けた性質。生れつきの性質。資質。 『稟質』。当時は日常的に使われた言葉。
あいざーいーひんしつもってっかんな:あいつは良い資質を持ってるからな。
(ひんじゃ) 【接】それでは 静岡。
んしゃん) 【形動】元気の良い様 神奈川。重複表現『ぴん』+『しゃん』か。
びんじるし 貧乏人 貧乏である印が貼られている意味。
(ひんすー) 文無し、貧乏 沖縄。『貧する』意味か。
□びんずい ビンズイ 広辞苑には『便追:スズメ目セキレイ科の鳥。大きさはホオジロぐらい。背面は緑褐色、黒色の縦斑があり、また眼の上に黄白色の眉斑がある。下面は黄白色。東アジアに分布。わが国では山地に繁殖し、冬、暖地の平地やインドなどへ渡る。多く地上で生活し、尾を上下に振る習性がある。キヒバリ。』とある。
(ひんずらしー) 【形】眩しい 静岡。
(びんずる) 【複】火傷する 静岡。
ひんそっ
ひんそっ
【形】貧相な様
(びんた) 本来は『びんた:頭髪の鬢の所。』の意味。
びんた:頭・天窓:鹿児島。
びんた:頬:山梨・佐賀・熊本。
んた) びんた 『新方言』には『ンタ 「びんた」;都区内から神奈川県/東京都下の若者に拡大中;「ピ」の方が音がぴったりなのだそうだ;軍隊で「びんたを張る」というのは,鹿児島弁のビンタ=「頭」から転じたといわれる。』とある。一見茨城方言にも見える。実際使う人もいると思われる。
んたん:群馬。
ひんだぐる 【動】無理に奪う、引っ手繰る 『ふんだぐる』
ひんだくる:山梨。
(ひんたっこ) 【形動】よわよわしいこと 福島。人名化した『貧太っ子』の意味か。
ひんた:貧しいこと:山梨。
◆■ひんだす 【動】@中のものを外に出す、A放り出す、B体外に出す、C■差し出す @A『引き出す』。
B『放り出す(ひりだす)』。
D・ひんだし:茹でながら箸で取り出しそのまま食べるウドン:神奈川。
(ひんだす) 【動】行く 静岡。舟人語。『踏み出す』が訛ったか。
ひんだるい
ひんだりー
【形】空腹な様 『ひだるい』。
んちょ @▲片目、Aびっこ、B鬢(びん) 『集覧:無記載』。
B・びんちょー:静岡。
Cその他。
びんちょ:@合っていない・A主に2つある場合に、両方のサイズ等があっていない事:千葉銚子。
(ひんずぶす) 【動】踏み潰す 静岡。
ひんでー 【形】ひどい ひんで:秋田。
んと 【副】凛々しい様 『集覧:真』。『ぴんと:まっすぐに強く張るさま、物が勢いよく急にそり返ったり、はね上がったりするさま。』(大辞林)が転じたものだろう。
んと:青森。
びんどめ
んどめ
ヘアピン
ひんなが
ひんなか
@日中、昼間、A正午、B午後 そのまま訳せば『日中』だが古くは、午後に当たる言葉だった。広辞苑には、『@昼の間。ひるなか。ひるま。にっちゅう。A半日。』とある。
やがて午後の意味の『ごんご』にとって変る。また『ひんなが』は『日中』の意味でも使われるようになる。『ひんな』とも発音する場合があった。
@・しんなか:神奈川。
ひんなが:千葉・神奈川。
ひんなか:千葉・神奈川。
Cその他。
ひんなか:昼食:神奈川。
ひんなか:半日:大阪・奈良・和歌山・鳥取。
ひんなかめし:昼食:神奈川。
ひんなが
ひんなか
火の中
(ひんなく) 【動】泣く 神奈川。
ひんな 【動】殴る ひんな:神奈川。
ひんなする 【動】擦る
んなっつぁ) 【連体】最悪な 沖縄。『ぴん』は最上級の意味だからその否定形の意味か。
(ひんなとした) 【形】ほっそりした 宮城。『しんなりとした』の意味か。
ひんに 【動】@強く握る、Aつねる @・ひんに:静岡。
A・ひに:山形。
(ひんにぐい) 【動】逃げる 宮崎・鹿児島。『逃げる』に接頭語のついた『ひんにる』が原型か。
ひんぎーん:沖縄。
ひんにぐる
ひんにくる
【動】ねじる、ひねる、つねる ひんにくる:埼玉。
んぬぎ
んぬき
【形動】とびきり上等なこと 『ぴん』はより上等なこと。
ひんぬぐ
□ひんぬく
【動】引き抜く 『引ん抜く』。
ひんぬげる
ひんぬける
【動】抜ける 『引ん抜く』の自動詞形。
ひんぬける:山梨。
◆■▲ひんね 昼寝 『集覧:鹿』。
ひんねじぐる 【動】ねじる、ひねる、つねる ひんねじくる:神奈川。
ひんねじぐれ
ひんねじくれ
ひねくれ者
ひんねじぐれる
ひんねじくれる
【動】捩じれる、曲がる、ひねくれる
ひんねじる 【動】ねじる、ひねる、つねる ひんねじる:神奈川。
ひんねる 【動】ひねる、つねる
ひんのあど 午後
(ひんのせる) 【動】載せる 静岡。
ひんのばす 【動】引き伸ばす 『引き伸ばす』。
ひんのばす:山形。
ひんのべる:山形。
ひんのまる 【動】(田んぼ等に)はまる、埋まる 『ぶんのまる』・『うんのまる』
◆▲ひんのまい
ひんのまえ
ひんのめ
ひんのめー
昼前、午前中 『昼の前』の転。『集覧:筑』。
ひんのまえ:福島。
ひんのめ:福島・千葉。
ひんのめー:宮城・福島。
びん
びんぱげ
もみあげの禿 『集覧:那』。『びんはげ』の意味。
ひんしづ 品質
ひんび @ひび、Aあかぎれ
【形動】@元気の良い様、勢いよく活動するさま、A勢いよくはねるさま
びんぼ 貧乏 びんぶ:鹿児島。
びんぼえ:良く無いもの:山形。
小さなカツオ 『集覧:無記載』。
びんぼかずら
びんぼーかずら
ヤブガラシ 藪に多い蔓性雑草。『びんぼー』と呼ぶ理由は下記と同じ。
びんぼ
びんぼー
ハルジオン、ヒメジオン 畑にこれが生えることは、きちんと手入れをしていないことだから貧乏になると言われた。
びんぼくせー
びんぼーくせー
【形】貧乏らしく見える様
びんぼー 他にくらべて不利益なくじ。転じて、損な役まわり。 『貧乏籤』。
びんぼーなめ:馬鹿な目:山形。
びんぼーじひぐ
びんぼーくじひく
【動】損な役まわりになる。 『貧乏籤をひく』。
びんぼったらしい 【形】貧乏のようだ、貧乏くさい 『貧乏たらしい』。
びんぼーたえ:山形。
(びんぼーどっくり) 円筒形の上の方に長目の口をつけた陶製の徳利 『貧乏徳利』。『通徳利・貸徳利』とも言う。ガラス瓶が普及する以前は、酒の小売り用に使われた。
びんぼーどっくり:神奈川。
◎びんぼーぶるい 貧乏揺すり 『貧乏震え』の意味。『岡本百合子』の文章の中に出てくる言葉と同じ。『貧乏震い』となるのは『震う』が4段活用のためで、訛りではない。現代では多く『仰向け』と言うが古くは『仰向き』と言ったのと同じ。
例えば古い言葉に『舌振い』(驚きおそれて舌を振わすこと。)がある。現代語の震えは古くは『震い』と言った。『貧乏揺るぎ』と言うマイナーな言葉もある。
びんぼぶる
びんぼーぶる
貧乏揺すり 『ぎ』は濁音・鼻濁音。
標準語では古くは『貧乏揺るぎ』とも言い、『ぶるい』『揺るぎ』のミックス語ともとれる。標準語の口語でも震えるを『ぶるう』と言うことがある。明らかに『震ふ』が濁音化したものである。
『ぶる『ふーるぐ』(篩う)の名詞形である。ここで『震ふ』『篩う』『振う・揮う・奮う』等の動詞は、もともと同源で、後から詳細な意味毎に漢字が当てられたと考えられる。その意味からこの言葉は茨城特有の言葉ではなく、古い時代の言葉の流れと考えられる。
ちなみに、古い茨城方言で、底を削ったベイゴマは、『ぶる』と言った。『ぶるぶる』と震えながら回るからである。
ひんま 昼間 ひんま:正午:千葉。
ひんまがら 【副】昼間から
ひんま 【動】曲がる ひんま:東京・山梨。
くぢがひんってる:口が曲がってる。
ひんまぐる
ひんまくる
【動】めくる、まくりあげる ひんまくる:埼玉・神奈川・山梨。
ひんま 【動】曲げる、ひん曲げる ひんま:長野・山梨。
ひんまじぐ 【動】問いつめて責める、非難する 『詰る(なじる)』あたりが訛ったものか?。
ひんまーす
ひんまわす
【動】回す、引き回す 『引き回す』。
ひんまぢーる 【動】間違える ひんまちーる:山梨。
ひんまち:静岡。
ひんまっがら 【副】昼間から
ひんまるぐ 【動】束ねる ひんまるく:神奈川。
ひんみづ
ひんみつ
@他人と交際を絶つこと、A勘定高いこと 『集覧:無記載』。
ひんむぐ
ひんむぐる
ひんむくる
□ひんむく
【動】剥く、はがす 『引ん剥く』。『集覧:猿』。
ふとんひんむいでやれ:布団を勢い良くめくってやれ。
ひんむぐれる 【動】怒ってむっとした顔をする。
ひんむげる 【動】剥ける 『引ん剥ける』。
あしのかわひんむげちゃった:足の皮が剥けちゃった。
ひんむしる 【動】むしりとる ひんむしる:山梨。
ひんめー お昼前
ひんめぐる 【動】まくる、めくる 『引ん捲る』意味。
ひんめくる:埼玉。
ひんめし 昼飯 ひんめし:鹿児島。
ひんも 【動】もぎる 『ひん』は強調の接頭語か『引き・捻り』の意味と考えられる。
ひんも 【動】もげる ひんも:八丈島。
ひんもしる 【動】むしりとる
(びんろうじゅ) 檳榔樹は南太平洋諸島で自生するヤシ科の植物。 『檳榔樹』。南アジアから南太平洋諸島でその実は嗜好品になっている。石灰(珊瑚の粉等)と一緒にコショウ科の木であるキンマの葉を包んで噛むと、例えればジンをぐいっと飲んだような状態になると聞いた。常用する人の歯は赤く染まるのでそれが解ってしまう。仕事でサイパンに1年半住んだが、地元のチャモロ人の男の中に赤い歯をしているのをときどき見かけた。
びんどし:鹿児島。
★『土』:檳榔樹(びんらうじゆ)とか何(なん)とかだなんてちっとばかしづつ、削(けづ)った藥(くすり)なんぞ倦怠(まだるっこ)くって仕(し)ゃうねえから、當藥(たうやく)煎(せん)じ出(だ)して氣日(まいんち)俺(お)れ片口(かたくち)で五杯(へえ)づつも飮(の)んだな、五合(ふ)位(れえ)へえっけべ、俺(お)ら呼吸(えき)つかずだ、なあに呼吸(えき)ついちゃ苦(に)くって仕(し)ゃうねえだよ。ビンロウジュは明治時代には民間療法の薬として使われていたことが解る。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。
 お気づきの点やご指摘等がありましたら、『茨城弁投稿』と書いてお気軽にここにメール下さい。他地域・他県との関係情報もお知らせください。訛の変遷が解かるような投稿は積極的に掲載致します。