昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。印:新編常陸国誌掲載語。印:茨城方言民俗語辞典掲載語。印:茨城弁今昔掲載語。印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。印:日本方言辞典掲載語。浪花聞書掲載語。印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例
(ハ行音は古くは格助詞の全てではなかったのではないかという仮説) 現代語では主格を示す格助詞に『は』がある。
方向を示す格助詞に『へ』もある。『へ』は『い』に通じ、『に』にも通じ、『ひ』に繋がる。『ほ』は現代語では『方(ほう)』である。『方(ほう)』は『辺』で、『風(ふう)』に通ずる。また現代語の格助詞『を』につながる。
そう考えると、ハ行音はすべて格助詞に成りそうである。古代の格助詞は、もしかしたら、全てハ行音ではなかったのではないかという仮説である。
方言を調べると、『は・ば・、ひ・び・、ふ・ぶ・、へ・べ・、ほ・ぼ・という接尾語が沢山出て来る。これらは、格助詞とは別に、接尾語として多く使われたようである。『は・ば・は、『端・葉・刃・派・覇・羽・波』等に通じ、『ひ・び・『へ・べ・は『辺、縁』に通ずる。『ほ・ぼ・は『穂・火・圃』に繋がる。
ハ行音はヤ行音に通じるのも同じである。日本語では、方向を示す格助詞は、ハ行音ではなかったかと思わせる。
日本語が難しいと言われる所以に格助詞がある。茨城弁の格助詞は、ア行音やハ行音に通じ、ヤ行音に通じる。
『〜へ』は、『〜え』で良いし、展開は広い。
それはしらない・そりゃあしらない
そこいいったの・そこひいったの:そこに行ったの?。
そこいいんべ・そごひいんべ:そこに行こう。
そごにはいげね・そこにやいけない:そこには行けない。
そごふ(ゆ・よ)ゆったんだよ:其れを言ったんだよ。
そんなふうかね:そんなようかね。
そこのへんに行こう
そこのほーに行こう
はー @歯、A葉、B刃 いずれも格助詞が隠れていると考えられる。
A・はー:青森。

はー
車輪の輪 第八車や馬車等の車が木製の時代の鉄製の輪を指す。

◎ばー
お婆さん 『婆』。
メンコ メンコ自体が子供の遊びから無くなった。メンコをア』と言うのは茨城特有である。ところが、富山ではーこ』と言う。
ー(あ) 馬鹿 おめはふんとにーだな:お前は本当に馬鹿だね。
あいづはーでしょーねー:あいつは馬鹿でしょうがない。
おめはいづんなったらぱーげぬげんだ:お前は何時になったら馬鹿が直るの?。
ばー 馬鹿 『ぱあ』が訛ったと考えられる。
ばーやろー:馬鹿野郎。
ばーにする:馬鹿にする。言語障害者を指す地域もある。
はー 【動】這う はむ:静岡。
ばー 【動】奪う 近世語の『ばう』の転。
『俚言』には『ばひ:上濁鼻奪也。うばひのうを省ける也。詞の上にアイウエオの音あるは、省呼するもの多し』とある。確かに現代語でも『遣って置く』を『やっとく』、『遣って行けない』を『やってけない』と言う。逆行同化によってア行音が前の音に吸収されてしまうためだろう。

はー
【副】@もはや、すでに、もう、A間もなく、やがて、もう、B【感】まあ、もう 『はや・もう』と同意。東国語。感嘆詞でもある。
今でも使われる『いやはや』は『いやもう』の意味。
広辞苑に『はや:(係助詞ハに間投助詞ヤの添ったもの) 感嘆の意を表す。記中「あづま―と詔云(ミコトノ)りたまひき」』とある。『はや』の『や』が略されたものと考えられる。
『称呼』には『ちやがれはあかしやしや庭のきりきりすをなし所にねまりてぞなく』という古い歌が紹介され『下野の方言を詠いたる歌也とて古くいひつたへたり。はあとははや也。すべて東国にていふ詞也。かしやしやかしましや也。ねまるは居ると云ことにて奥羽又は加賀なとにて云。尤古代の詞也。』とある。
@『浮世風呂前』『濁酒だアの、居浸り餅だアの、あんでもハア、三日正月で祝ツけヱ。』とある。
:秋田。
はー:山形・福島・栃木・埼玉・群馬・八丈島・静岡。
はぁー:福島。
はい:静岡。
はゃー:岐阜。
はら:八丈島。
ひゃー:神奈川・静岡。
へー:神奈川。肯定を示す感嘆詞『は・はい』が『へー・へい』に変化したのに似ている。
へぇ:長野・山梨。
へゃー:静岡。
きっとはー:きっともう。
いんべよは:行こうよ、もう。
いったどはー:行ったよ、もう。
いーがはー:もう良いかい。
はーだいだ:もう駄目だ。
おらいねは:俺は行かないよ、もう。
★『土』:はあ耄碌(まうろく)してたんでがすから、餘(あん)まり耄碌(まうろく)しちゃ厭(や)られあんすかんね
A・はー:福島。
はーくっと:間もなく来るよ。
B大辞林に『まあ:ある感情や感動が高まったときに用いられる語。やや非難・叱責の気持ちをこめていう語。』とある。
:宮城。
:静岡。
ばー:静岡。
はー:福島。
なんだはー:何なの、もう。
いーやはーひでーもんだ:いやもう(いやはや)、ひどいものだ。
はー 【感】思案する時、また、ことばにつまった時などに発する語。 応答の感嘆詞は武士の時代は『は』または『へえ』、現代では『はい』だがその中間に『はえ』があったと考えられる。『へえ』は『はえ』が変化したものだろう。
この方言は、もともとは『はや』(もう)の意味とも考えられるが、応答の感嘆詞『は』の流れの可能性も有る。
かつて群馬出身の首相福田武夫はハ行音全てを使っていたのを思い出す。
んだよはー、いったらはーな、もんくやーれではーよ、ほんでおしめーだいなはー:そうだよ、行ったらね、文句を言われてね、それでお終いですよもう。
はー 【感】ああ!。さあ!。そら!。 もともとは、『もう』の意味かもしれない。標準口語でも使うことがある。感嘆詞が方言か否かの判断は難しいが、使用頻度を考えて方言扱いした。民謡に『はーそれそれ』がある。
はーこわい:ああ疲れた。
はーやだおら:ああ、俺は嫌だ。
〜ば 【助】〜を、〜をば 高齢者言葉。現代では東北と九州の一部に残る。『〜をば』。古い時代の格助詞『を』は擬似長音形を伴うことが多かった。例えば『そごーいったら』(そこを行ったら)がある。
茨城方言にしばしば現れる長音の中で例えば『そごーは』は、『そこをは』の可能性がある。
〜ば:北海道・青森・岩手・山形・宮城・茨城・神奈川・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島。
〜ばー:青森
〜ばさらできねー:とても〜できない:神奈川。『〜ばさら』は『〜をばすら』が訛ったと考えられる。行きばさらできねー・食いばさらできねー・買いばさらできねー
そごばおっかいで:そこを折って。本来は『そごーばおっかいで』と考えられる。
〜ばー
〜ばい
【助】〜ばかり、〜だけ 『〜ばかり』の転じた近世江戸語の『〜べい』『〜べえ』の流れをくむ言葉。『〜ばー』は実際には関西・四国まで広く分布する。『〜べい』『〜べえ』が九州で『ばい』と言うのに似ている。
〜ばー:岡山・広島・高知。
〜ばい:群馬。
そればーではだいだ:そればかりでは駄目だ。
ちぐばーいってんだねー:嘘ばかり言ってるんじゃない。
〜は 【助】@〜は、〜だけは、A〜へは、〜だけは 【係助詞】。何気なく使ってういるニュアンスの微妙な言葉。主格を示す格助詞と思われ勝ちだが辞書では系助詞と定義されている。主格を示す格助詞は『が』とされる。しかし、現代では系助詞であると共に主格を示す格助詞と定義されてもおかしくは無い。
反語の『や』との関係も無視できない。例えば、『其れは』は今でも『そりゃ・そりゃあ』などと言う。茨城風に『それ』が『そり』になったのではなく、『それ』に反語の『や』が付いただけだろう。
本来は、『それにてはあるらめ』であり、『そうだろうか・そうではない』の反語の意味だったのが、時代と共に『他と区別して取り出していう意を表す系助詞』意味が変化したのではないかと思われる。『〜とは』とも語法が似ている。
@他と区別して取り出していう意を表す系助詞。
それは良い。
広辞苑には『記上「青山にぬえ―鳴きぬ」。万二○「足ひきの山菅の根し長く―ありけり」。源桐壺「はじめより我―と思ひ上がり給へる御方々」』とある。
★『土』:他(ほか)へは行(い)くんぢやねえぞ、えゝか、よきは泣(な)かさねえやうにしてんだぞ。
A〜へは。文例が辞書には無い。
方向のみを表す格助詞の場合は上代東国方言となる。広辞苑には『方向を表す「へ」の上代東国方言。万二○「我が背なを筑紫―遣りてうつくしみ帯(エヒ)は解かななあやにかも寝む」』とある。助詞の変遷の歴史は面白い。
『新方言』には『〜ハ 「へ(格助詞)」;東北方言の方向を示す格助詞サの子音の弱化によって生じた新形;鶴岡の若い世代のほんの一部が「学校ハ」「ドハ/ドゴハ(どこへ)」のように使う(井上1994);→ドハ』とある。これは、格助詞と系助詞の混乱によると思われる。
もしかするといずれ淘汰され無くなる言葉かもしれない。
そこは行っただろう
〜っ 【接尾】〜の葉 『〜つ葉』。
それにしても標準語の『葉っぱ』は不思議な言葉である。『葉っ端』の意味なのだろうか。
がしゃっ:クヌギやナラ等の広葉樹の落ち葉
かしゃっ:柏等の大型の葉。
けーるっ:蛙葉:オオバコ。
ほーっ:朴の葉。
幼児語。
『おっぱい』が訛ったと思われる。粉ミルクも同じように言った。
はい ハエ(蠅) 方言地図によると九州・北海道の一部を除き全国に散在する方言。古くは『はひ』であり、『はい』は標準語の中の訛り。別名『はいむし』とも言う。『這い』の意味である。
『語源辞典』によると、@ははひ(羽這い)の義、Aははへ(羽延)の略、Bはえ(這)の義、C自然に発生するところから、ハはハユル(生)のハか、ヘはナヘ(苗)ナヘと同義か。D両手を合わせるような動作をすることからハイ(拝)の義、Eはい(灰)の義。溺死したハエに灰を与えると生き返ることから、とある。DEは説としては弱く、上代では鳥に対して虫一般をはふむし(這虫)と称し、室町以降『はい』が現れ口語では『はい』が優勢だったという。
『称呼』によれば、『東国でははやと云。(中略)蠅は関西にてはえ、関東にてはいといふ。』とあり、江戸時代の関東の呼称であったことが解る。
さらに、『称呼』には『 かまきり(別名いほじり):江戸にてかまぎってう、江戸田舎にてはいとりむし、信濃にてかわみそ、相模にていぼしりいぼくひ、奥州にていぼむし、津軽にていぼさし、肥前にてかまきりてうらい、と云。』とある。ここでも江戸ではハエを『はい』と呼んだことが解る。
はい:江戸・山梨。
(はい) 鹿児島。
(ばい) 獣医 鹿児島。『馬医:馬の医療に当る獣医。律令制では馬寮(メリヨウ)に属する。めい。うまくすし。』の意味が転じたか。
ばい 小枝の先に鳥もちを付けたもの
ばい 南東の風 北茨城市。
ばーい @時、折り、おり。時機、A局面、境遇、事情 『場合』。『間合い』は時間軸が中心なのに対して、事情や環境の意味が加わるが古くは同源だったろう。。
ばーいいげればいげっけとな:状況が良ければ行けるけどね。
それはばーいゆるしたんだっ:それは、場の環境が許してくれたんだろう。
そんではばーいわりすぎっつぉ:それでは、状況が悪すぎるぞ。
〜ばい

〜ばえ

【助】〜(し)よう、〜だろう 東国語のルーツとも言える。
『〜べ』『〜がさらに訛ったもの。『〜べ』『〜よりやや強調された印象があったが、もともと使用頻度が少なく次第に使わなくなって行く。半濁音の場合は促音便を伴うのが原則。
『べえ』は平安時代の東国言葉だから『べしや』『べや』『〜ばい』に変化してもおかしくは無い。江戸期の茨城では『ばい』い』が使われていたことは間違いない。
逆に『べし』が直接『べ』『になったわけではなく『ばや』『ばい』『べえ』に、あるいはもともと『べ』があってそれに終助詞『や』『よ』『え』や『い』がついたと言う仮説も成り立たないわけでもない。
:福島。
音便を伴わない『〜ばい』は遠く離れた九州方言でもある。広辞苑に『ばや【助】:(終助詞。もと接続助詞バに係助詞ヤのついたもの。動詞・助動詞の未然形につく)@自己の行動・状態についての願望を表す。…できたらなあ。…したいなあ。源帚木「すこし見―」A自己の意志を控え目に表現する。…しよう。謡、高砂「道すがらの名所をも一見せ―と存じ候」B室町時代の抄物には、「あらばや」として「あらばこそ」と同様に、強い否定の意を表す用法がある。中華若木詩抄「酒はのませたし銭はあら―」』があり、@Aは『べえ』の意味と共通する。
『ばい・い・ばえ・え』は、古語の『ばや』に由来する。またこの言葉は九州方言の『ばい』(強調の接尾語)とルーツが同じ可能性がある。
〜ばい:〜よ:大分・長崎・福岡・熊本。
〜ばん:〜よ:佐賀。
〜ばんた:〜よ:佐賀。
〜ばんも:福岡。
いればい:入れよう。
だすばい:出そう。
うるばい:売ろう。
かうばい:買おう。
やだんばい:嫌だろう。
なんだんばい:難だろう
とっ:取ろう。
やっ:遣ろう。
よがっ:良いだろう。
わるがっ:悪いだろう。
ちくたっい・そらとだっ:嘘だろう。
うっ:売ろう。
よってったらいがっ:寄ってったらいいだろう?。
やめだらがっ:止めた方が良いだろう。
〜ばい 【助】〜ばかり、〜だけ 『ばり』がさらに訛ったもの。辞書には『〜べい』『〜べえ』は、『〜ばかり』の転じたもので近世江戸語とある。
『をばや』の意味の可能性もある。
『俚言』によれば江戸時代の武蔵の在郷言葉とある。
〜ばい:埼玉・群馬。
はいー
はーい
【形】早い、速い はい:宮城。
となりのあんちゃんかげっこはーいな:となりの男の子は走るのが速いね。
はいー
はいいー
はいえー
【感】はい はー:鹿児島。
ばい
ばーい
場合
はーいー 【慣】もういい
はーいーが 【慣】もういいかい
はいいる
はいえる
はえいる
【動】入る、入り込む 『入る』はもともとは『這い入る』だったとされる。漱石の小説の中では『入る』は『這入る』で表現されている。
はいいん 離縁 『廃縁』の意味。新治郡・筑波郡の方言。
はいぇー 【形】早い、速い 『haye:』の発音。
『新方言』には『ハエー:早い。房総南端の中学生では半数近くが使用。老人はハイェーまたはハヤー(1994);東京でもアイ連母音の融合が単純化してイェの発音が無くなった。→ツエー、ヨエー』とある。
はいぇー:千葉。
はぃえー 【感】はい
(はいえ) 【感】いいえ 静岡。『はい、いいえ』の意味か。
(はーいーえーな) 【複】いいや 静岡。
はいお 藁で作る早緒綱。正月11日の早朝に作り、馬鍬に付ける。 久慈郡。『早緒』。
はいがら
はいから
ハイカラ、モダンなこと 濁音化。俗語。『high colour』が語源。
はいきた 【慣】解かった 『おいきた』。
はいぐ
はいーぐ
【副】早く、速く はいぐ:宮城。
はいく:群馬。
はえぐ:山形。
ばいり:岩手。
はいこばぢ 灰皿 『灰小鉢』の意味。
はい 肥料小屋 『灰小屋』の意味。=『へーや』。当時は、すでに『野壷』は少なくなって、屋敷の一角特に『灰小屋』の中かその付近に貯留漕を設けるように変わりつつあった。
はいや:水戸市・東茨城郡・神奈川。
ばいころ
ばいっころ
奪い合い 古い標準語の『奪う(ばう)』は『奪う(うばう)』が短縮したもので平安時代からある言葉。『奪い競』の意味。
(はいさい) 【感】こんにちは 沖縄。男言葉。
ばいさらー 【動】奪い取る 『奪い浚う』意味。『奪う』を『ばう』と言うのは古語。
ばいさりあう:奪い合う:栃木。
ばっちらげっこ:奪い合い:東京多摩・神奈川。
はいじゃ
はいちゃ
【慣】(幼児語) さよなら。はいちゃい。 茨城では『あっとも言う。『はいちゃい』は辞書にあるが近世語だろう。現代語に約せば『はい、では(はい、それでは)』だろう。
さらに現代語の類似語で言えば、『ほいじゃあ』である。『はい』も『ほい』も実は同じルーツの言葉である。古語の『御意』に通ずる。
はいちゃ:神奈川。
いすけ) 石灰・土砂などを運ぶ籠 東京。バスケットの訛という。『ばいすけ』とも言う。
はいずりまーる 【動】這うようにあちこち歩き回る
はいずる 【動】這ってずり動く。だらしなく這う。 『這いずる』。現代では殆どこのようなシーンは生活に無い。
はーずる:静岡。
(ばいた) 静岡。解説には『松薪』とある。
広辞苑に『ばいた:たばねた薪。ばいそく。』とある。江戸初期の文献に見える。
薪は古くは『薪雑把(まきざっぱ)』『真木撮棒(まきざっぽう)』とも言ったが、この場合は単に『丸太』が訛ったか。
ばぇーり:切り揃えた薪:静岡。
(はいたい) 【感】こんにちは 沖縄。女言葉。
はいただぎ はえたたき、蝿叩き 『へーぶぢ』
はいだっつぁん 配達人 はいたっつぁま:福島。
★◆しんぶはいだっつぁん:新聞配達人。
ぎーにーはいだっつぁん:牛乳配達人。
ゆーびんはいだっつぁん:郵便配達人。
はいつぇー 海賊 沖縄。中国語由来とされる。
(はいづか) 火葬場 佐渡島。
はいつぐばい
はいつくばり
はいつぐべー
腹這い 『這い蹲う』『這い蹲る』の名詞形。
はいつくばい:埼玉。
はいつくばり:埼玉。
はいっつごどねー 【慣】はいと言う事が無い、言う事を聞かない はぁつことね:岩手。
きゃざまったぐはいっつごどねーがんな:あいつは全く言う事を聞かないからな。
はいっとー 【慣】@こんにちは、A(家に)入るよー
はいと
はいっと
はいとー
【慣】はい、どうぞ はいと:青森。
せんせにさされだら、はーすはいっっちってしゃべんねどな:先生に指されたら直ぐに『はい』って言って話をしないとね。
(はいと) 【副】常に 鹿児島。
(はいと・はっと) 【副】毎度 鹿児島。
はいどご
はいーどご
【副】早く、早いうちに 『早い所』。
はいでくる 【動】@生えて来る、A履いて来る
(『ぱい』と『ぽい』) 接尾語の『ぱい』『酸っぱい』しか思い当たらない。
古い言葉をたどると『映し(はゆし)』に当たる。『はえるさまである。まばゆい。おもはゆい。和泉式部集「おほん返し聞えむも―・ければ」』の意味である。
現代語では『栄やす・映やす』が近い。また目立つ意味の『映える』すなわち古語の『映ゆ』である。
広辞苑には『ぽい:【接尾】体言、動詞の連用形に付いて形容詞を作る。…の傾きがある。…しやすい。「男っ―・い」「忘れっ―・い」など、上の語が促音化する。』とある。
はいとり
はいとりりぼん
ハエ取り紙 最初は単なる紙状のものだったと記憶している。一度可愛がっていた猫が大変なことになって、結局ハサミで毛を切り取ることになったことがあった。やがてフィルムケース大の容器から引き抜くとスパイラル状になった両面に粘着剤の付いた油紙が出て来るものに変わった。表面が真っ黒になるほど良く捕れた。通称『ハエ取りリボン』だったと言うがまとめて『はいとりみ』と呼んだ。この出現でガラス製の道具は完全に駆逐されてしまう。
はいとりき ハエ取り器 置き型のハエ取り器。ガラス製で穴が開いた茶釜程度の大きさのもので、ハエの習性を利用して餌で引きつけ、ガラス容器内に導くものだったが、十分に捕獲できるものでは無かった。
はいとり ハエトリグモ どこの家にも必ずいる蜘蛛。ぴょんぴょん跳ねるので直ぐ解かる。ハエを捕獲する時は見事に跳ねる。ハエが居なくなった今、何を食べているのだろうか。新築後、我が家にも住み着いて、私は家族の一部と思っていたし、しばしば目にしながら放っていた。最近、たまたま風呂に入っていたら彼が傍にいた。息子はゴキブリ扱いしたので良く教えた。顔が可愛らしい。早速、ハエトリグモを手の上に載せて遊んだら息子はやっとその意味を解ってくれた。
はいとりぼー ハエ取り棒 天井用のもの。ガラスの筒先が漏斗状になっっていてハエを押さえると筒の中を落ちて下のイチジク状の容器に溜まるようになっていた。高い天井のハエが捕獲できる点で有効だったが、一匹ずつの手作業なので骨が折れた。
はいぬぎ
はいぬげ
長男、長女 『へーぬぎ』。『生え抜き』。
広辞苑には『生え抜き』(その土地に生れて、ずっとそこで成長したこと。また、生れてからずっとそうであること、はじめから続けてその会社・部署に勤務していることなどにいう。きっすい。ねぬき。浄、丹波与作「―の念者ぢや」。「―の江戸っ子」「―の社員」)とある。の転。
乳、乳房、おっぱい 幼児語。
ばいばい
はい
幼児の衣服 『集覧:新』。
(ばいばい) 静岡。前項と比較するとどちらも被るものなので、同源と見られる。
(ばいばい) 提灯の火 静岡。『ぼやぼや』(火気または熱気などのゆるやかに立ち上るさま。)の意味か。
はいぼ
はいぼー
『集覧:久』。
名詞に何でも『ぼ・ぼー』をつける茨城弁らしい訛りの代表と考えていたが明治の静岡にもあった。
はいぼ:静岡。
はいぼー:静岡。
はいよ 【感】はいどうぞ
はいめ ハエ 『へーめ』
はいやー ハイヤー 昔のタクシーは『ハイヤー』と呼んだ。しかしその当時は流しのタクシーが無かったので、全てが営業所から派遣されたためそう呼ばれる。今でも『ハイヤー』は健在である。
ばいやっくら 奪い合い 古い標準語の『奪う(ばう)』は『奪う(うばう)』が短縮したもので平安時代からある言葉。『奪い競』の意味。
《ばいやぐらっちゃどーりでみんなでばいやっくらするわげだ。》
はいよ 【感】はい はいよ:東京。
茨城では単に『はいよ』と言うより、快諾の意味が強く、また、物を渡すときには『はいどうぞ』のニュアンスを伴う。『あいよ』『おいよ』などとも言う。『あい』は近世語でもある。  
はいよげ 蝿避け テーブルの上の食べ物や赤ん坊を蝿から守る道具で傘のように折りたためるものもあった。
はいらがす
はいらかす
【動】(髭などを)生やす はえらかす:群馬。
(ばいらし) 無作法 静岡。
はいらず
はいいらず
蝿入らず 『蝿帳』。冷蔵庫が普及する前の時代に、蝿がたかるのを防いだ細かい目の金網のついた容器。
はいりあど 進入した痕跡、足跡、動物の足跡 熊本では動物の足跡を『いりあと』と言う。
こごにはいりあどがあっな。こんではだいだど:ここに足跡があるだろうが。これではだめだよ。
はいりぐぢ
はいりくぢ
はいりくち
入り口 『這入り口』
『はいりぐち』を辞書で調べると『這入り口』に当たる。
現代標準語では、動詞は『はいる』を、名詞は『入り口』を使うのが一般的である。
広辞苑には『はいる:入る・這入る』とある。
『はいる』の古形は『入る(いる)』だが、中世や近世には警備が厳しく、武家等の屋敷の入り口が小さかったため、生まれたか、あるいは、古代の洞窟生活の名残とも見られる。
つまり、現代語の『はいる』は元『這入る』なのであるが、古代語の名残を現代に伝えていると言える。
ばぇーり:静岡。『蹲う(つくばう)』の影響を受けたか。
はいる 【動】生える、映える
はーいる 【動】入る 『入る』の古形『這い入る』の名残と考えられる。
はーいんべ 【複】もう行こう 『いんべはー』
ばうぇー 場合 ばあい→ばわいばうぇー
(はえ) みなみかぜ。おだやかな順風。 みなみかぜ。おだやかな順風。主に島根・山口・愛媛・九州全域。『南風』と書く。辞書掲載語。
はえ:西南風:静岡。
ふぇ:沖縄。
ふぉのかじ:沖縄。
はえ
はえー
【感】はい
はえー 【形】早い、速い 江戸言葉。俗語。
最近の若い人たちは、短縮形の形容詞が流行語になり、コマーシャルでも使われるようになった。良くも悪くも言葉は生きている。何もかもスピード時代の趨勢か?
『新方言』には『ハエー:早い。房総南端の中学生では半数近くが使用。老人はハイェーまたはハヤー(1994);東京でもアイ連母音の融合が単純化してイェの発音が無くなった。→ツエー、ヨエー』とある。
はえ:青森。
はえー:千葉・埼玉・群馬・神奈川。
はえぃー 【感】はい
はえぐ
はえーぐ
【副】早く、速く はえぐ:山形。
はえぐする 【複】@早くする、A早く亡くなる。 『早くする』意味。
そーたにな、はえぐしてしにいそんでどーすんだやー:そんなに早く死に急いでどうするの。
はえーごどしたな 【複】@早く終わったな、A早く(若くして)亡くなったね 『早い事をしたな』意味。
はえことしたな:早く済んだね:宮崎。
はえーごどやったな 【複】早く終わったな
はえーごどする
【複】@早くする、A早く亡くなる。 『早い事をする』意味。
はえーごどやる 【複】早くする、早く終わらせる 『早い事をする』意味。
はえどご
はえーどご
【副】早く、早いうちに 『早い所』。
はえどご:山形。
はえぶっちゃし
はえめぶっちゃし
ハエ叩き 『ぶっちゃし』は『打ち潰し』の意味。
他にへーめぶっちゃしへーめぶっちゃしきへーめっちゃし・へーめっちゃしき』等とも言う。
はえめ ハエ 『集覧:新』。
はいぼ:福島。
はえらがす
はえらかす
【動】(髭などを)生やす はえらかす:群馬。
はえる 【動】入る はえる:岡山
(はえる) 【動】流行る 静岡。
(はおい) 羽織 鹿児島。
ーおごし
いし
メンコの遊び方の一つ 相手のメンコを裏返すと勝ち。
茨城弁は格助詞を省くことが多いが、例えば『はいでえ(歯が痛い)』と言っても何の意味かさっぱり解からないので、『はーいでー』(顎でもを押さえないとこれでも良く解からない)『はいでえ』と言うのが自然だ。その結果、『は(歯)』を『はと呼んでも不思議はない。
ががいでー:歯が痛い。
はが
▽はか
@稲を植えたり刈ったりする範囲や量、A仕事の進み具合、やり終えた量。B畑の畝、稲田の稲の列の間 『計、量、捗』。
@清音形は万葉集にもある言葉。
はか:一人で受け持つ範囲:神奈川。
あいづはきづいがらしとよりしとはがもふたはがもやっと:あいつは強いから人より1捗も2捗もやるよ。
A・はか:東京・東京多摩。
B・はか:神奈川。
鳥を捕獲するための鳥もちをつけた棒 『黐が』。
竹串や木の枝・藁などに鳥もちをぬり囮を用いて鳥などを捕るもの。『はとも言う。
タイを釣る道具 『集覧:無記載』。上記『黐が』と同源の言葉だろう。
ばが
ばーが
@馬鹿、A壊れること @茨城弁ではかなり気軽に使われる。気軽に言える相手は仲が良い証でもある。
広辞苑には『ばか【馬鹿・莫迦】:(梵語 moha (慕何)、すなわち痴の意、または mahallaka (摩訶羅)、すなわち無知の意からか。古くは僧侶の隠語。「馬鹿」は当て字)』とある。
ばがたれ:馬鹿垂れ。
A『馬鹿になる』((ねじなどが)きかなくなる。本来の機能が失われ、役に立たなくなる。
)を受けた言葉。
馬鹿
ばか @瓶、A一方にのみ注ぎ口のある鉢。片口。
〜ばが


【助】〜ばかり、〜だけ、〜しか 『〜ばか』は近世江戸語。半濁音形は多く促音化した語につく。
〜ばか:静岡・山梨・長野。
〜はか:和歌山・香川。
(はい) 羽、翼 大阪。『羽交』。
はにげー:沖縄。
いー 【形】はがゆい はがいー:鹿児島。
はがいか:鹿児島。
いーたらしー:東京。
はがいったらしー:大分。
ったらしー:東京。
やしー:悔しい:群馬・富山・石川。
ゆってー:群馬。
りー:山形。
はげらしー:大分・宮崎。
:山形。
はがいがね
はがいがねー
【複】(仕事などが)はかどらない 『はか』は『計、量、捗』のこと。『はかどらない』意味。
はがいがね:青森・宮城。
はかいかない:静岡。
はがいぐ
はかいく
はがえぐ
はかいく
はかゆく
はかゆく
【動】仕事などが順調に進む、はかどる 『捗(はか)が行く』。
『はかいく・はかゆく・はかゆく』は辞書には無いが俗語と考えられる。
『俗語』には『はかゆく・はかゆかぬ』が掲載されている。
はがいぐ:青森・宮城・福島。
はかいく:栃木・埼玉・山梨・長野。
はかーいく:神奈川。
はがえぐ:青森。
はかいく:群馬・神奈川。
はが:終わり:岩手。
はかゆく:佐渡島。
★『土』:お蔭(か)でどうも捗(はか)行(ゆ)きあんした。どうぞゆっくり行(や)っておくんなせえ。
ばがいも
ばかいも
ジャガイモの異称 『集覧:稲』。
地域によってはサトイモを指したりするところもある。多産をあざけったものだろう。
ばかいも:茨城・長野。
はがうない
はかうない
田の2二回目の耕起 『にぼーうない』。畝は『はか』とも言い、2回目の耕起は畝状にするのでそう呼ぶのだろう。
(はーかく・はらかく) 【複】腹が立つ 鹿児島。
ばがくさい
ばがくせー
【形】馬鹿馬鹿しい、馬鹿な様 『馬鹿臭い』。
ばがくさい:馬鹿みたい:青森。
ばが 【副】ずば抜けて ばか:神奈川。
ばがこ
ばがっこ
馬鹿な子供、出来の悪い子供 ばがっこ:馬鹿者:青森。
ムカデ 『集覧:稲』。
〜ばがし
がし
かし
〜ばかし
【助】〜ばかり、〜だけ 『集覧:筑』。
半濁音形は多く促音化した語につく。
『ばかし』は俗語に『ばっか』があるように、近世には『ばか』が使われ、『はか』は『しか』の意味でも使われた。
広辞苑には『許(ばかし):バカリの訛。浮世風呂三「うぬらばかし買切居る湯ぢやアあんめへし」』とある。
『し』は『(間投助詞) 上の語を強く指示してその意味を強め、また、語調を整える。奈良時代の文献に最も多く見え、以後は用法が次第に局限されて衰退する。平安時代以後は「しぞ」「しも」「しか」などのように係助詞と結合して用いられるか、条件句中に用いられるか、「折しも」「定めし」などの熟語の中に残るにとどまった。鎌倉時代以後に盛んに用いられた「ばし」も、「をばしも」の略で「し」が他の助詞と結合して残った例である。』とある。
また、『ばし』も使われる。『ばし:助詞:(係助詞ハに強意の間投助詞シがついて、語頭が濁音化したもの) 平安末より用いられ、古くは「をば」と同じく目的格についたが、鎌倉・室町時代以後は目的格以外にもつき、副助詞・係助詞のはたらきをもした。江戸時代にはあまり使われなくなり、現在、佐賀・鹿児島方言に残っている。主として禁止・推量・疑問の文中、また条件を表す文に用いて、強調を表す。平家六「これ―出し参らすな」。三体詩絶句抄「此の曹侍御は湖湘に謫せられて―あるか」』とある。
これを考えると、『ばかし』『ばかり』が訛ったのではなく、近世語の『ばか』に間投助詞『し』がついたとも考えられる。それどごしだねー:それどころじゃない。などと使われる。
〜ばかし:神奈川・静岡。
かぜばかしふぐ:やけに風が吹くというニュアンスを含む。
★『土』:憎(にく)らしいことまあ、惡戯(いたづら)ばかし仕(し)て
はがしょ 墓地 時々聞いた耳慣れない言葉。『墓所』。濁音化。
はがしょ:青森。
はかしょ:神奈川。
ばがじょうこわい 強情っ張り
ばがす 【動】(子供などを)からかうこと、あやす、騙す 馬鹿にすることではなく『化かす』が転じたと考えられる。
広辞苑には『ばかす【化かす・魅す】:他五:(古くはハカスとも) 人の心を迷わせる。だます。たぶらかす。玉葉集恋「さりともと頼む心に―・されて死なれぬものは命なりけり」。「狸は人を―・す」』とある。
ばがすかし 馬鹿 『馬鹿をすかす』意味。
ばかすかし:埼玉・東京青梅・東京三鷹。
ばがすかす 【動】馬鹿な事を言う 『馬鹿をすかす』意味。
ばがすかすんだねーど:馬鹿を言うんじゃないぞ。
ばがずる 【動】馬鹿なことを言う ばかずってる:馬鹿げている・馬鹿にしている:神奈川。
はがせる 【動】装着する 古くは刀剣を身に着けることを『佩く(はく)』と言った。標準語では、『佩く・佩かす』だけで『佩かせる』は無いが、清音なら古い標準語の僅かな意味拡大と言って良いだろう。
くるまにタイヤをはがせる
ばがぞー
□ばかぞう
@ばか者、A疫病 『馬鹿蔵』。
Aは江戸時代の茨城方言。
だい
たい
【形】歯が立たない
ばがたれ
ばかたれ
かたれ
ばがったれ
馬鹿 『ばがたれ、あほたれ、くそたれ、おんこたれ』と重ねて言う言い方もあった。
『馬鹿を垂れる』意味すなわち、『馬鹿なことを言う』意味。
ばかったれ:神奈川。
◆▲
ムカデ 『集覧:猿』。関東方言と考えられる。
『百足』の漢字の通り別名『ひゃくそく』とも呼ばれることから、『百』『徒』(かち)の意味か、古い言葉でヘビを意味する『かがち』が転じたか。
語源辞典には@向かい手の義、Aモモイカテ(百数多手)の義、Bモモガテ(百手) とある。
『俚諺』には『江戸にては西北の風をと云。また、ムカテを云。』とある。『はち』は、元江戸で使われたが、現代では失われ、周辺地域に残ったと見られる。
:手に負えない子供:千葉銚子。ムカデに例えたものと考えられる。
:茨城・千葉・東京都多摩・神奈川。
はかち:神奈川。
:茨城・千葉・東京多摩・神奈川。
(はかち) 山腹 静岡。
かちか 【形動】硬い様子
(ばかつかさ・ばかのつかさ) 大馬鹿者 神奈川。『馬鹿の司』の意味。
ばがったらしー 【形】馬鹿馬鹿しい ばかったらしー:東京。
ばかってー:山梨。
ばがっちょ
ばかっちょ
馬鹿者 おばかっちょ:神奈川・山梨。
ばがっこ:青森。
ばかっちょ:神奈川。
ばかにゃー:大馬鹿者:神奈川。
ばかのすってんーし:大馬鹿者:神奈川。
ばかのすってんじょー:大馬鹿者:神奈川。
ばかのつかさ:大馬鹿者:神奈川。
ばがっつぁー 馬鹿騒ぎ、大騒ぎ ばかっつぁ:埼玉。
ばがっつら
ばがづら
ばかげた顔つき。あほうづら。 『馬鹿面』。
ばかっつら:ばかくさいこと:東京。
(ばかってん 自己の才能を鼻にかけている人 東京。
ばがっと
がっと
【副】ぱっくり
ばがでもあんめ
ばかでもあんめ
【慣】馬鹿でも(そんなことは)しないよ あほーもねー:とんでもない:山梨。
そんなこどする馬鹿でもあんめ:そんなことをする馬鹿じゃないだろう。
《『馬鹿じゃない。』という意味にとると大間違い。》
はがどんねー 【動】(仕事が)はかどらない
ばかない 馬鹿苗病に犯された稲
ばかないびょー 馬鹿苗病
はがなおし @墓の掃除、A葬式後3日目の墓参 @行方郡・鹿島郡。
はかなおし:四十九日あるいは百か日に埋葬地を整地すること:神奈川。『直す』とは本来の状態にもどす意味。
A那珂郡。
はがな
はかな
お盆の前の墓掃除 『墓薙』(はかなぎ)のこと。古くは盂蘭盆(うらぼん)に墓を掃除すること。各戸から一人以上出て共同で掃除する。8月6日または7日に行なわれる。墓払い、墓浚い、御墓刈り、掃苔とも言う。
ばがに 【副】随分 濁音化。
ばがになる 【動】(機械などが)壊れる 濁音化。
ばがにもおどる 【慣】この上ない馬鹿 『馬鹿にも劣る』。
ばがにもおとる:宮城。
ばがのいっちょおぼい 馬鹿の一つ覚え ばかのいっちょーおぼえ:熊本。
はがば 墓場 濁音化。
はかんば:神奈川。
はがはが 【形動】はらはら はかはか:どきどき:宮城。
ばがばが @馬鹿な様、Aすかすかな様 @昭和30年代の馬鹿の表現は、二重表現することがあった。
Bその他。
ばがばが・ばんがばんが:臭いの甚だしい様:青森。
ーかーか 1月14日の唱え事の行事 取手市。子供達が重箱の底を箸で叩きながら家々を回る行事。14日はこのほか、『鳥追い』『粟穂稗穂』『耳塞ぎ』などの行事がある。
唱え事はーかーか、ござった、あきのほうがらござった、あどは来年さ来年、十四日のとりまで、のんだりくったり、ほーい、ほーい。』『ーかーかにきーました、男なせ、女なせ、かぶちょろやろは3人なせ。』などと言う。『あきのほう』は『明きの方・明きの方角:その年の歳徳神がいる方角』の意味で、馬に乗った『歳徳神』がーかーか』と来るのを迎え、豊作や多産を願うる行事と見られる。『かぶちょろやろ』とは『かぶちょろや』とも言い次男の意味である。
はがばがしー 【形】効果がある、はっきりしている、良い状態にある 『捗捗しい』。清音形はかつては日常生活の中で否定形で良く使った言葉だが、最近はあまり耳にしなくなった。『はか』は『捗』で仕事の進み具合等の意味。
はかばかしない:はかどらない:神奈川。

【形動】硬い様子 :宮城。
き・きらきら:山形。
く・くらくら・くりくり:山形。
はがば
はかば
ヒガンバナ
ばがはづする 【複】爆発する 曖昧に発音するのでそう聞こえることがある。
ばかぶくろ 魚を獲る長い網 『長袋』とも呼ばれる。『集覧:真』。
ばがぼー @馬鹿棒、A小鳥をとるしかけのひとつ。棒に鳥もちを塗ったもの @濁音化。初めから決まった寸法に切った棒。農作業の他、建築工事でも用いることがある。清音なら専門用語。
かまどで使うご飯用のつばのある釜、飯炊き釜 『羽釜、歯釜』。『集覧:久』。古語辞典では上方方言とある。
茨城方言集覧では単に『釜』とある。明治期の茨城県では方言として扱われていたことになる。県内には『はまと言う地域がある。
昭和30年代は竃が現役で、電気コンロやガスコンロが出回り始めたものの補助的に使われていた。歯釜はそれぞれの竃に合わせて大中小があったが、大きな竃で小さな歯釜を使えるよう単独の金属製の輪(金輪)も用意されていた。神奈川ではこれを『はかま』と言う。
:福島・岐阜・三重・和歌山・兵庫・中国全域・四国全域・九州全域(宮崎を除く)・沖縄。
はかま:釜の大小に合わせて竃にはめ込む鉄輪:神奈川。
はがま ツクシなどの節(フシ)にある茎をつつむ苞葉。また、ドングリなどにかぶさる椀状の殻。 『袴』。
はかま:藁などの下方にある葉梢:神奈川。
はがま
はかま
男子5歳の年祝い。七五三の儀式の一つ。 『袴着』。
広辞苑には『幼児に初めて袴を着せる儀式。古くは多く三歳、後世は五歳または七歳に行う。近世以降、陰暦一一月に行うのが通例。着袴(チヤツコ)。』とある。
土浦では当時すでに廃れていた。
はかま:群馬。
はがまだい
はがまりょー
結納のお返し 『袴代、袴料』の意味。
ばがまんかい 馬鹿丸出し 『馬鹿満開』の意味。
@歯を食いしばること、A歯ぎしり、B残念がること やや古い標準語。『歯噛み』。
A・:山形。『歯切り』。
みする 【動】@歯を食いしばる、A歯ぎしりする、B残念がる 『歯噛みする』。
『俗語』には『怒りにも悔いにもいへり。』とある。
万葉集には『天仰ぎ叫びおらび足ずりしきかみたけびて』がある。ここで『きかみ』は『牙噛む』の連用形で歯軋りすること。
ばがみだ 【複】つまらない目にあった。損をした。 『馬鹿を見た』。
ばかーみた:山梨。
ばがみちゃいに
ばがみちゃよに
【連用】馬鹿みたいに 『みたい』は古くは『みたよう』と言い、明治期の小説に見られる。『みたよう』が転じた『みちゃよう』を基本形にした訛りのバリエーション。
ばがみちょ
ばがみっちょ
【形動】馬鹿みたい
ばがみちょぐ
ばがみっちょぐ
【連用】馬鹿みたいに
ばがみちょぐた
ばがみっちょぐた
【連体】馬鹿みたいな
ばがみちょた
ばがみちょたな
ばがみちょな
ばがみっちょた
ばがみっちょたな
ばがみっちょな
【連体】馬鹿みたいな
ばーみね つくば市神郡と新治郡八郷町の境界にある峰 じーみね ばーみね』とも言う。
△○☆ 【動】@はずかしがる、はにかむ、Aしり込みする、B甘える、C▲勢いを借りて威張る @A『はにかむ』の語源を思わせる言葉。近世語。
『称呼』には『しぐむといふ事を、江戸にてはにかむと云。又びびるとも云。東国にてと云。又と云。房総海辺にてがなづうと云う。がなづうとは寄居虫(がうな)の事を云。己が家より外へ出ることあたはず。内に斗居るにたとへたり。遠江にてやにると云。関西にてわにるといふ。越後にてけすむと云。「万葉集」に「つののふくれにしぐひあひけん」とよめり。しぐひしぐむといふにをなしと有。』とある。ここで、『しぐむ』とは『しりごみをする。はずかしがる。』の意味で漢字は当てられていないが、『尻』は古くは『し』と言った(今でもしっぽと言う)から、『尻ぐむ・尻込む』の意味なのだろう。
『俚言』には『:声を立ずしてにことゑめるをはがむといふことは如何。笑いたきをこらへ居て歯を噛合せたり故にといふ歟。』とある。近世語であることは間違いない。
:群馬・神奈川。江戸時代に使われたが消えてしまった言葉。この言葉は『はをかむ』意味だろう。ただし標準語の『歯を噛む』は『歯をかみしめて残念がる。歯ぎしりする。』の意味。
はじかむ:恥ずかしがる:新潟・奈良。
B埼玉ではふざける意味で使われる。
C『集覧:北』。
(はむ) 【動】しくじる、失敗する 静岡。
ばがむすび あとで解けない結び
ばがめーす
ばがめーする
ばがめーそする
【動】馬鹿なことをする 『馬鹿な目をする』意味。ここでの『目』は『外観、姿』を表す。
『めーそ』は『面相』(かおつき・容貌)の意味か。
ばがめら 馬鹿な奴等 『馬鹿奴等』。
ばがめら:東北。
はがめーり 墓参り 濁音化+連母音変形。
はかめい:鹿児島。
はかめり:鹿児島。
篠等の細い焚き木 『端柄』『端殻』の意味。『集覧:稲』。
標準語の『羽柄物・端柄物』(板・小割または貫の類の総称。やまひきもの。)がある。
(はから) 墓場 静岡・鹿児島。
『墓原:墓場。墓所。はかはら。はかわら。』。
はーがら 【副】早くから、早く 『はーぐがら』。単に『早から』が転じたと思われる。
はーから:山形・福島。
らがす 【動】はぐらかす
らし @葉枯らし乾燥、A葉枯らし乾燥をする職人、B▲樹木商 『集覧:多・水・北』。
木材を建物用の材料として使う場合、一般に建設後の狂いを防ぐため、予め乾燥する作業が必要になる。葉枯らし乾燥は、葉を付けたまま伐採してしばらく放置すると葉が無い時より葉から水分が発散され乾燥が促進される。古くからある木材乾燥の知恵の一つ。今では機械乾燥が主流になってしまった。
樹木商を『はがらし』と呼んだのは、当時、売買する樹木を『葉枯らし乾燥』するため呼んだと推測される。
(ばからばから) 【副】ぐずぐず、ぼんやり 東京。
がらっがらっがらっ 馬の蹄の音
はがり
はかり
測定器、測定すること、測定した結果 現在は漢語の台頭が目覚しく、体重を『はかり』と言っても解る人は高齢者でも少ないだろう。
はがり:東北・
おめのはがりはいぐらだ:お前の体重は幾らだい。
〜ばがり
がり
かり
【助】〜ばかり、〜だけ 半濁音形は多く促音化した語につく。
〜ばがり:東北。
かり:栃木。
はがりむし
□▽はかりむし
シャクトリムシの別称 『のっきらむし』。『計り虫』。
はがりむす:青森。
(はかん) 【形】きつい 静岡。
ばがんする 【複】馬鹿にする
(ばかんづら) 馬鹿者 静岡。
〜ばがんで
がんで
かんで
【複】〜ばかりで、〜だけで 半濁音形は多く促音化した語につく。
(はかんね) 【形】はかない 鹿児島。
〜はがんね 【複】〜(して)はいけない 『〜はいがんね』がさらに訛ったもの。
〜はがんね:宮城。
(はかんば) 墓場 静岡。
ばがんまねする
ばがんめする
ばがんめーする
【複】馬鹿なまねをする
はぎ、すね、膝から下 『脛』。
:東京。
はぎ
はき
はーぎ
はーき
『集覧:多』。
長音形は、古語に『帚・箒(ははき)』があり古くは羽を使ったからと言われる。その流れが長音形に残ると考えられる。
『俚言』には『はき:もののかたつきたくを云。水はきなど云。転してはいと云。又活用してはく・といふ。掃刷を読も同し意味也。』とある。掃くと捌くは同源であることが解る。
現代では『光る』の名詞形の『光』と同じように『掃く』の名詞形としての『掃き』が箒を指してもおかしくは無い。
現代標準語の『箒(はうき・ほうき)』とは、随分訛った言葉とも言える。標準語が特別訛った言葉で、地方に古形が残る典型例。ははき→はふき→はうき→ほうき と変化したか。
はぎ:青森。
はき:青森・岩手・秋田・山形。
はーき:神奈川・山梨・静岡。
はーきん:静岡。
ははき:神奈川。
はらく:隠岐。
はわく:掃く:山形・大分・長崎・宮崎・熊本・鹿児島。九州。
はぎもってこ:箒を持って来い。
禿 『集覧:無記載』。
はぎー:沖縄。
あだま:禿頭。
あだまっちゃはれんなほんこが:禿頭って切れるの本当?。
(はぎ) 飲食会 鹿児島。
(はぎー) 禿 沖縄。
(ばーき) ざる、笊 沖縄。
あわせる 布・板などをつぎ合せる。 『接ぎ合せる』。
あわしぇ:繋ぎ合わせ:山形。
歯茎 『歯肉』の転か。
:東京。
しりかむ 【動】死に物狂いで頑張る 『歯軋り』+『噛む』意味。
(はきすえる) 【動】殴る 長野。
すてる 【動】切り捨てる
はきたでいいわい カイコの上族の祝い。餅をつく。 土浦市の方言・風習。
はぎだめ
はきだめ
はきため
ゴミ捨て場、ごみため 死語になりつつある標準語。
はきためもぢ 稲の脱穀が終わった時、落ち籾で作る餅 文字通り『掃いてためた米で作った餅』の意味。
◆■▲っこ @萩、A■継ぎ接ぎをすること 『集覧:久』。典型的な茨城弁。
はぎったごど
ったごど
断言する言い方、生意気な言い方
っちょ @▲萩、A禿 『集覧:久』。
はぎって
って
はっぎいって
【複】断言して
□はのはな 粥のようにやわらかに炊いた飯を椀に盛り、小豆の粉などを添えて食うもの。 『萩の花・芽子の花』。
ばぎばぎ
【副】こなごなに、ぼきぼきと
ばぎーむかー
ばきーむかー
バキュームカー 懐かしい響きのある言葉だが、今でも地方によっては健在である。
継目、続目 『接ぎ目』。
歯切れ、言い方の調子 広辞苑には『はぎり【歯切り】@はがみ。はぎしり。A(ハキリとも) 鋸・歯車などの歯を切るやすり。』とある。
(はり) タライ 『半切』。
:青森・岩手・秋田・山形・福井。。
◆▲■△▽ 【動】@■▲(ハサミ等で)切る、A切り捨てる、無視する、B捨てる、除く 標準語には『歯切り:@はがみ。はぎしり。一代男四「―して細腰もだえて」A(ハキリとも) 鋸・歯車などの歯を切るやすり。』がある。また、『端切る』を思わせる。
@『ハサミ等で切る』意味の場合は『刃』+『切る』、『集覧:新』。
:刈る:福島。
:栃木・群馬・埼玉。
AB『無視する、捨てる』意味の場合は『はぐる』または『端切る』の転であろう。
:仲間から外す:山形。
:端を切り取る:千葉。
Cその他。
:運ぶ:静岡。
裁ち残りの布地。はんぱのきれ。 『端切れ』。
はぐ
はーぐ
はく
【動】@庭を掃く、A靴・ズボンを履く、B手袋を付ける、服を着る はぐ:青森。
@・はやく:鹿児島。
はわく:山形・福岡。
AB『穿く・履く・佩く・着く』(はく)はもともと『刀剣を身に着ける』意味。
はく:北海道。
【動】つなぎ合わせる、つぎ合わせる 『接ぐ』。一般的な家庭では死語となった言葉。
はぐ
はーぐ
【副】早く はぐ:秋田。
はく:神奈川・静岡。
はーく:神奈川・山梨。
はん:静岡。
あい
はくあえ
奪い合い 『集覧:稲』。『剥ぎ合い』の意味。
はぐい
はくい
【形】格好いい、いかしてる、上等である 清音形の『はくい(白い)』なら標準語の隠語。『まぶい』などとも言ったがこちらは、『美しい』意味の古語。
はくい:埼玉・神奈川。
歯ぎしり 『集覧:稲』。『歯食い』の意味か。
はーぐがら
はーぐっから
【副】早くから、早く ぜーぶんはーぐがらくんだどなあ:随分早くから来るんだなあ。
歯茎 島根・大分・熊本では『はし』と言う。

はくざ
オヒシバ、メヒシバ 畑の最も代表的な雑草、乾燥に強い。辞書には『莠(はぐさ)』(エノコログサの類)とある。
(はくじい) 楊枝 鹿児島。『歯くじり』の意味。
(はじゃれる) 【動】ふざける 静岡。
【動】@逸る、はぐる、損ねる、し損なう、のがす、しそうになる、A外す、仲間から外す、除く 『集覧:久』。
A『はぐる』の他動詞形。
:山形・静岡。
:山形。
はくそ 歯垢 死語となった標準語

った
@余分なもの、A不要なもの、B半端なこと 語源としては古語の『反故・反古(ほご、ほぐ)』(不要になった紙、無効、むだ、破棄)と考えられるが『半可』かもしれない。
@A・ばくたい:沢山:島根。
B・::宮城。
:半端物・不揃いなこと:秋田・岩手・宮城・山形。
たもの:不揃い物:宮城。
はくた:宮城。
はけた:神奈川。
そーたちーとはたでいーのが:そんな中途半端でいいの?。
ばくたり
ばぐだれ
ばくだれ
ばくたれ
壊れて役に立たない物、無能の人 人を指す場合は単に『馬鹿垂れ』が訛ったと考えられるが、物の場合は、壊れる意味の『ばっくれる』に由来しているのだろうか。あるいは『漠たれ』の意味なのだろうか。
ばぐだん @癇癪玉、A米をふくらませたお菓子 清音なら標準語。
(はち) 堤防の傾斜面。 『羽口』。
:堰に用いる松杉の枝:東京多摩。
ばぐぢうぢ
ばくちうぢ
ばぐぢぶぢ
ばくちぶぢ
博徒、ばくちうち ばくちぶち:埼玉。
(はーくっちゃー) クワガタムシ 沖縄。
ばぐっと 【副】@漠然と、Aぱっくり @『漠と』。
ぐっと 【副】ぱっくり、ぱくぱく
にする 【動】@仲間はずれにする、A破棄する、捨てる 古語の『反故・反古(ほご、ほぐ)』(不要になった紙、無効、むだ、破棄)と考えられる。
はぐはぐ 【形動】はらはら
ばぐばぐ 【副】@勢いよく食べる様、A割れた様、開いた様、Bゆるみがあって大きすぎる様 @『ぱくぱく』。
A『ぱくり』。
B『がばがば』。
ばくばく:神奈川。
【副】勢いよく食べる様 『ぱくぱく』。
はぐぶづがん
はぐぶつかん
はぐつかん
はくつかん
博物館 清濁共存の茨城弁らしい事例。
濁音は多く男言葉であり、半濁音は女言葉である。
『はぐぶづがん』とはあまりに汚く、半濁音の言葉は、男達の話す汚い言葉に対して女達が生み出した言葉と考えられる。
はぐべ
はくべ
ハコベ 『はこべ』の古名は『はくべら』。
はぐぼぐ 白墨、チョーク
ばぐめし 麦飯 『麦飯』の重箱読み。
ばく:神奈川。
ばくはん:神奈川。
ばくめし:群馬・神奈川・山梨・静岡。
ばっかりめし:群馬・神奈川。
◆▲ 歯が何本か欠けていること、歯の無いこと 『歯』『暗』あるいは『歯黒』の意味か?。『集覧:真』。
ばぐーら 【副】@勢いよく食べる様、A割れた様、開いた様、B噛み付かれる様 『ぱくり』。
はぐらい
はぐらいひん
はぐらいもの
輸入品 『舶来』『舶来品』『舶来物』。
らがす
らっかす
【動】問題をそらしてごまかす 『はぐらかす』。
らっかす:群馬。
ばぐーり 【副】@勢いよく食べる様、A割れた様、開いた様、B噛み付かれる様 『ぱくり』。
〜は
ぱぐ
〜しそこなうこと、〜はぐれ でぎは:出来そこない。
★長塚節『太十と其犬』:見やれ殺しはりあるもんか:見てみな、殺しそこないはあるもんか。
◆■▲
〜っぱぐ
【動】@損ねる、し損なう、失敗する、A仲間から離れる、Bしそうになる 県下には『はる・はる』と言う地域がある。
@逸る(はぐる)。標準語だがあまり聞かなくなった。『集覧:稲』。
:福島・栃木・群馬。
〜っぱぐ:宮城・群馬。足音便の動詞に付く。
:宮城・福島。
やりはっちってすいやせん:やり損なって済みません。
しにっぱぐれるどごだったでや:死に損なうところだったよ。
A★とじーではっちった:途中ではぐれてしまった。
B@の意味の微妙な変化。英語の『almost』の意味。
:焦げそうになる。
:死にそうになる。
Cその他。
:落ちる・不合格となる:福島。
◎は 【動】剥ぐ、めくる 明治期の言葉。
:山形・福島。
彼はぞんざいに頁をはりながら(夏目漱石の『明暗』)。
ばぐる
ばくる
【動】交換する、物々交換する 『博労』が転じて動詞化したと考えられる。北海道では今でも現役で使われていると言う。
『新方言』には『バクル 「交換する」;北海道の若者に力強く使われている;東京で通じなくて「チェンジして」と言い換えて分かってもらえたとか;もともと東日本各地の方言で,「博労」を動詞にしたものだった。』とある。
ばくる:北海道・青森・秋田・岩手・長野。
〜は
〜っぱぐ
【助】〜しそこない 『逸る』の転、標準語と考えてよい。
外れ、中心から外れているところ きたいは:期待はずれ。
むらは:村外れ。
れる 【動】@逸れる、し損なう、A▲仲間から離れる @標準語だが、殆ど聞くことはない。
A『集覧:西』。
れる:紛れる:神奈川。
ばぐれる
■▲ばくれる
はくれる
【動】@▲ふざける、いたずらする、A知らない振りをする @『ふざっぐれる』の短縮化または『ばげる』の転。『ばけくれる』意味か。『集覧:新』。
れる:山梨。
ばくれる山梨。
A『しらばっくれる』の短縮化。
Bその他。
はぐれる:すねる:長崎。
はぐれる:人より優れる:熊本。
ぱぐれる 【助】〜しそこなう 『〜ぱぐれる』の場合は即音便に続けて用いる。『やりっぱぐれる』・『くいっぱぐれる』
ばぐろ
ばくろ
ばぐろー
ばくろー
ばぐろーさま
ばぐろーぶぢ
ばくろーぶぢ
物と物を交換すること、またはその人。 『博労、伯楽、馬喰』のこと。放送禁止用語。
ばくい:鹿児島。
ばくゆ:鹿児島。
ばくよ:鹿児島。
ばくろー:静岡。
ばぐろする
ばぐろぶづ
ばぐろーぶづ
【動】物と物を交換する ばくろする:青森。
はげ
はけ
丘陵地の崖 『ばっけ』。清音形は東北から関東にかけての方言。『払い除かれたもの』の意味か。『端欠け』を思わせる。『ほき』とも言う。
辞書によると古くは『かけ』と言いそれが訛ったと考えられる。崖のの語源の一つに『岸険』があるが、現代語の崖は幾つかの古い言葉が複雑に交じり合った物なのかも知れない。
はけ:埼玉・富山。神奈川。
はけた:神奈川。
はけ・はけった・はぶち:崖の淵:神奈川。
ばげ お化け 標準語の『おばけ』は『御化け』と書くので、清音なら古い標準語と思われる。
〜ばげ
〜ばけ
【助】〜ばかり 副助詞。
ちっとばげ:少し。
(〜はけ) 【助】〜から 日本語の存在を示す言葉は『ある・なる』である。尊敬語の『なさる』は『なはる』と訛る。
★山形・京都。『さかい・さけ』がさらに訛ったもの。
あたまにしっ
あだまにしっ
【慣】ぴったり
くらー
くらう
【動】辱められる 『はげ』とは仏教用語の『破夏(はげ)』(夏安居(げあんご)を中途でやめること)で、『破夏を食らう』意味と思われる。
くらった 【複】辱められた 『集覧:北』。
はけ 細かく編んだ竹籠、物を入れる小さな籠、びく 『集覧:水・多』。
大辞林に『捌籠・佩籠』(はけご)は、『竹や藁で編んだ籠で腰に着けて用いるもの。』とある。
はぎ:岩手。
(はしねー) 【形】大げさな様 神奈川。『激しい』に由来する言葉と考えられる。原型は『激しなや』か。
(はけた) 半ばのこと、ある一部のこと、崖 神奈川。
『はけ』は東北から関東にかけて崖を示すの方言。『端欠け』を思わせる。崖は古くは『かけ』と言った。即ち『欠け』であろう。
この場合、『欠け端』あるいは『欠けたり』を思わせる。
だま
たま
だまやろ
禿頭 『集覧:西』。
たん 禿げ はげたん:鹿児島。
ちゃびん
ちょびん
禿げ 『禿茶瓶』。
はいすべり:禿:東京多摩。『蠅滑り』。
ちゃびん:東京。
ばげちょー
ばげちょーちょ
ばけちょー
ばけちょーちょ
ばけちょっ
@大型の蛾、Aクスサン(蛾の一種) 『化け蝶々』の意味。後ろ羽の黒い目玉模様がいかにも化けたかのような印象を与えるからだろう。
ちょっ 禿げ、禿げた部分、禿げた人 『はちょう・はっちょう』が変化したもの。
ちょ:福島。
はげっちょろ:静岡。
ちょろ
ちょろげ
ちょろけ
【形動】色・塗料・頭髪などが所々はげてみにくいさま、はげちょろけ ちょろけ:東京。
(はっちぇー) 【形】軽々しい 神奈川。『はしねー』(大げさ)にも通ずる。
っちー:素早い:山梨。
◆▲っちょ
っちょろ
禿げ、禿げた部分、禿げた人 『はちょう・はっちょう』。『集覧:真』。
っちょろ:ところどころ芽などが揃わない作物:神奈川。
っちょろ:静岡。
ばげっちょ
ばげっちょーちょ
ばけっちょーちょ
@大型の蛾、Aクスサン(蛾の一種) 『化け蝶々』の意味。後ろ羽の黒い目玉模様がいかにも化けたかのような印象を与えるからだろう。
ばげつ
ばけづの
@牛の角、Aアカガシで作る釣り道具 『集覧:無記載』。
ばげでくる
ばげででくる
【複】化けて出て来る
ばげでる 【複】@化けて出る、お化けが出る、A化けている

とー
とば
禿頭 『集覧:稲』。
はんんとーろく:禿げ:静岡。
【慣】励みが違う 『励みが違う』という言い方は最近あまり聞かなくなった。
ばげやろ
ばげーろ
馬鹿野郎 俗語の『ばっきゃろう』が訛ったと思われる。

はける
【動】晴れる 『集覧:稲』。単なる訛りかあるいは『雲が剥げる・雲がはける』意味。
【動】色があせる 標準語。
はげる 【動】仕事をこなす 標準語の『捌ける』の意味拡大。
そーだごってははげらんめ・そーたこってははげらんめ:そんなことではこなせないだろう。
ばげる
ばける
【動】@化ける、Aふりをする、B甘える、C子供がむずがる @清音なら標準語。
AB特に子供に対して使うことが多い。『集覧:久・多・稲』。
C・ばける:佐渡島。
竹串や木の枝・藁などに黐(モチ)をぬり囮(オトリ)を用いて鳥などを捕るもの。 :鳥もち:長野。
:神奈川。
@仲間はずれ、A半端なこと、B不要なもの、無効、破棄 @逸る(はぐる)の名詞形か?。あるいは『端子』の意味か。県西部では同じ意味を『はと言う。
Aについては、小鳥を捕まえる簡単な仕掛けの『はが・はご』が、あまりに簡易なものなので例えた可能性もある。
B『反故・反古(ほご、ほぐ)』(不要になった紙、無効、むだ、破棄)。
こりゃはーはにしてあだらしーのかーべ:これはもう捨てて新しいのを買おう。
(ばこ) 【動】競り合う 鹿児島。
(はご・はごー) 【形】汚い 沖縄。

■▲
歯茎 『集覧:新』。
はぎし:島根・大分・熊本。
はじし:京都・大阪・奈良鳥取・岡山・大分・福岡。
はーこ ハハコグサ
ぐむ 【動】育む 清音なら上代語。
(はこじゃれる) 【動】ふざける 静岡。
◎はこぜん 箱膳、大名膳 『箱膳』。『飯台(はんだい)』。
当時の食事は板の間に箱膳を並べて食事をするのが一般的だった。食事が終わると各々が自分で洗って箱膳に納めた。主婦の仕事の負担軽減の配慮から生まれた習慣なのだろう。
それにしても暖房など全くない冬も板の間で食べたのだから昔は皆我慢強かったと思う。その後、冬場は炬燵で食べるようになっていく。
ぜんばこ:神奈川。倒語か?。
@半端なこと、A雇い人を1年に満たない日数で契約すること 語源として『反故・反古(ほご、ほぐ)』(不要になった紙、無効、むだ、破棄)と考えられるが『端』『芥』もあり得る。小鳥を捕まえる簡単な仕掛けの『はが・はご』が、あまりに簡易なものなので例えた可能性もある。
たえ @歯応え、A手ごたえ 富山・福井では口答えの意味。
はごだし メンコの遊び方の一つ 『箱出し』の意味。地面に四角を書き、相手を外に出せば勝ちとなる。
にする 【動】@仲間はずれにする、A破棄する、捨てる
はこ ハコベ
はごぼぐ
はこぼく
ハクボク、チョーク はこぼく:群馬・静岡。
はこぼこ:神奈川。
〜は 【助】逸る、はぐる、損ねる、し損なう 『はぐる』の転。
はざ 魚網をかける木 『歯竿』が訛ったと考えられる。
(はざ) 鹿児島。『狭間・迫間』が詰まったか。
はざ:暇:九州。
はざ:普段:兵庫・徳島。
はさー:間食:山梨。
ばーさ 祖母 『集覧:稲』。近世語。広辞苑に『さ:(人の名などについて敬意を表す) さま。さん。東海道名所記「いかになよ旅の殿―、お草臥(クタバリ)であるべいに」』とある。
ばさげる 【動】@(髪などが)乱れ散らばる、ばさばさする、ぼさぼさになる、A着物をだらしなく着る様 @の意味で『ばさける』なら標準語
A・ばさかる:岩手。
ばさつぐ
ばさつく
【動】@ばさばさに乱れる、Aばさばさと音を立てる
はさっこ 腫物 『集覧:真』。『癰』の一種『根太』と考えられる。
稲刈りの後、稲架をつくるが、稲架は『はさ・はざ』とも言い関係があると思われる。
はざこ:神奈川。
ばざっこ:静岡。
ばさっと
ばざーっと
【副】大きくて重いものが落ちるさま、ばさりと 『ばさっと』は口語で使われる。
ばさばさ 【形動】お金を惜しみなく使う様 ばはっと・ばはりと・ばはばは:締まり無い様・穴が開く様:山形。
□はざま 『間、狭間、迫間』、今では文語になっている。
ばさま
ばーさま
お婆さん ばさま:山形・福島。
〜はさみ
〜はさめ
【接尾】〜おき やや古い標準語。
はさみ ヤハズソウの別称 『ヤハズ』(矢筈の意味)も『はさみ』も、葉を千切った時の形状から来ている。豆科の雑草。
はさみばご おたふくかぜ 『挟箱』『挟箱風』。
はさめる 【動】挟む、はさんで置く 標準語では可能形の意味しかない。『はさまる』に対する擬似他動詞形と考えられる。
はさ:静岡。
はさめる:栃木。
ほんにはさめどぐよ:本に挟んでおくよ。
ばさらげる
ばーさらげる
【動】散らかっている、まとまりが無い、髪の毛が乱れている 『婆娑羅・時勢粧』(ばさら)は『跋折羅』(ばさら)を語源とし室町時代の流行語だったと言う。派手にみえを張ること、だて、遠慮なく振舞うこと、しどけないこと、乱れること、狼藉等の意味がある。その中の一つの意味を今に残している可能性がある。
関連語に、『婆娑羅絵:扇・団扇・絵馬などに描いた粗放な風流画』、『婆娑羅扇:はでな扇。また、婆娑羅絵を描いた扇』、『婆娑羅髪:ばさばさになった髪。みだれがみ。』、『婆娑羅狼藉:乱暴すること。』がある。
『俚言』には『ばたらける:高知にてしだらなきこと。』とある。
ばさばさ・ばさらばさら・ばさりばさり:草履などをしどけなく履く様:山形。
ばさらけ:全部さらけ出してみせる様:山梨。
(はざる) お転婆 神奈川。
はさんばご 外出に際し、具足や着替用の衣服などを中に入れ、棒を通して従者にかつがせた箱。(広辞苑) 『挟箱』。
はさん:鋏:鹿児島。
はーし
はじ
□はし
濁音形は標準語の中の訛り。今でも使う人が多い。
はじ:青森・秋田・東京・静岡。
ばじ ぎっちょ 語源不詳。
(ばし) 【形動】派手 静岡。
〜ばし

〜ばーし
ーし
【助】〜ばかり、〜だけ 『集覧:新』。
ばし:助詞:(係助詞ハに強意の間投助詞シがついて、語頭が濁音化したもの) 平安末より用いられ、古くは「をば」と同じく目的格についたが、鎌倉・室町時代以後は目的格以外にもつき、副助詞・係助詞のはたらきをもした。江戸時代にはあまり使われなくなり、現在、佐賀・鹿児島方言に残っている。主として禁止・推量・疑問の文中、また条件を表す文に用いて、強調を表す。平家六「これ―出し参らすな」。三体詩絶句抄「此の曹侍御は湖湘に謫せられて―あるか」』とあり実質的に同じと思われる。
『〜をばして』の意味と考えられ現代語では、『〜でも、〜など』の意味が近い。促音化した言葉につく場合し、ーし』と変化する。
〜ばし:青森・秋田・宮城・福島・栃木。
〜ばーし:千葉銚子。
〜ばし:〜でも:佐賀・鹿児島。
〜ばす:秋田。
はじ
はじあーる
はじゃーる
【動】始まる 茨城弁の俗語。『ま』を発音するのが面倒(?!?)なので、口を開けたまま、発音するとそうなる。
はじえる
はじぇーる
【動】始める はしぇや:材木屋:山形。
はじおかむ 【動】恥をしのぐ
はじ
はじ
はしか
はしかー
端側
はしがり 橋渡し 濁音化。もともとは能舞台の『橋掛り』で楽屋から舞台への通路を指した。
(はちかきぼー) 恥かき損 静岡。
『恥かき損』は知らない言葉であるがネット検索するとぞろぞろと出て来る。
はしかげ 仲人 『橋掛け』の意味。標準語では『橋渡し』。
ねこ・ねしらえ・ねいど・ねどり・ねどりさん・はしかけ・はしわたし:縁談の下地を作る人:神奈川。
はしかけ:桟道:佐渡島。
はしかげる 【動】けしかける 単なる訛かそれとも『馳せ』『掛ける』か?。
はじ
はしかし
はじかだ
はしかだ
端、端の方
はしかっ
はしかっ
☆はしかっ
【形】むずがゆい、こそばゆい 『集覧:稲』。
古い言葉の『はしかし』は、広辞苑に『【形ク】(「はしか(芒)」の形容詞形)@いらいらするように感じる。こそばゆい。むずがゆい。Aもろい。折れやすい。』とある。
一方『はしか(芒)』は『麦などの芒(ノギ)。』とある。現代語の『はずかしい』に通ずる言葉。
『俚言』によればはしかっは江戸時代の言葉である。
はしかい:千葉・奈良。
はしかっ:目先がきいてうるさく立ち回る様:神奈川。
はじましー 【動】恥ずかしい 古い言葉の『恥がまし』。八丈方言共通語。
はじかむ 【動】恥をしのぐ 『恥を噛む』意味。
はじかむ:恥ずかしがる:新潟・奈良。
はじぎ
はちき
仲間はずれ はつけ:宮城。
はつけもん:村八分:宮城。
はじぎいも サトイモまたはそれを茹でた物 当時は皮を剥いて煮ることは少なくそのまま煮ることが多かった。潰すと中身がはじけ出てくるのでそう言ったのだろう。茶菓子代わりにもなった。『衣被ぎ』。
エダマメを『はじぎまめ』と言うのと同じ。
はじぎまめ エダマメ 『弾き豆』はソラマメの異称。
はし 切れ端 不思議だが辞書には無い言葉。清音の『端切れ』なら標準語。
★『土』:さういふ短(みじか)いのは端布片(はしれ)で買(か)ふに限(か)るのさ、幾(いく)らにもつかないもんだよ
はし 【動】@はしゃぐ、A乾く
(はじくなる) 【動】しゃがむ、かがむ、中腰になる 神奈川・長野・静岡。
(はしくれ) 身持ちの悪い人 神奈川。
はしけー 【形】賢い、すばしっこい 全国的に散在する。『はしこい』の転。江戸言葉か。
はじげる 【動】@はじける、A外れる、外される 原型は『弾ける』。
A・はつける:宮城。
はしける:除く:神奈川。『艀ける』。
はじこ
はしこ
【形動】端
◆■▲はしこい 【形】@賢い、Aすばしっこい 『はしっこい』
@『集覧:西』。
はしかい:福島・富山・石川・福井。
はしかっ:神奈川。
はすい:賢い:長野。
Aの意味ならあまり聞かなくなった標準語。標準語の賢いとすばしっこいはもともとは同じルーツだと言える言葉。
はしかっ:神奈川。
はしこい:東京。
はしっか:速く:東京多摩。
はすい:長野。
Bその他。
はしかい:ずるい:新潟・兵庫。
はしょっる:元気で精力的である:神奈川。
はすい:ずるい:長野。
はしだん 階段 広辞苑に『梯子段:側板・段板・裏板から成る段梯子の階段。』とある。
はしだん:山梨。
はし 連続して出るおなら
はじさらす 【動】恥を曝す
はじしらず 漁師が着る袖なしの合わせ 『袖無し』を『然で無し』にかけて、『恥知らず』としたものだろう。江戸時代の粋な表現が残ったと思われる。
はしぞめ 生後110日目のお祝い、離乳の儀式 『たべそめ』。標準語の『箸染め』は『食い初め』のこと。
◎はした 【形動】【古】中途半端なこと、半端 標準語だが死語。単独で『端』と書く。
辞書には『@中途半端であるさま。どちらともつかないさま。A引っ込みがつかないさま。どちらにすることもできなくて困るさま。B数のそろわないこと。不足なこと。また、余っていること。はんぱ。C雑役に使われる身分の卑しい女中。はしため。Dはしたがね。』とあるが、現在では『はした金(端金)』『はしたない』等だけが残っている。
思うに『端の下』とも言える。
はした:山形。
はしたやろー:出来損ない:岩手。
はば:静岡。
おめ、あそごのうぢははしたなもんだんねーど:お前ね、あそこの家は、並大抵じゃないよ。
はした 【形動】沢山 本来中途半端の意味であるが、『はしたない』の古い意味に『はげしい。きびしい。』意味があり、日本語特有の『な・し』の語法の逆転現象と思われる。『はしたではない』(茨城方言を標準語表現したもの)は半端じゃないという意味だから、『はした』を『沢山』の意味の誤解して使っていると思われる。
ぜーぶんはしたにくれだもんだなや:随分沢山くれたね。
(はした) 鹿児島。
はしたじゃねー
はしただねー
はしたでねー
はしたでやねー
はしたなこったねー
はしたなごどでねー
【形】【古】@半端じゃないこと、Aみっともない、下品である 古語の『はしたなし』の転。土浦では良くも悪くも用いられた。
@は茨城特有の表現。『はしたな』はその語幹。東北弁で『はすた』は『残り』の意味があるという。古語の名残である。
はしたでない:青森。
Aは『はしたない』とほぼ同じ意味。
標準語の『はしたない』は新旧含め、『@中途半端である。落ち着きが悪い。A無作法でぶしつけである。つつしみがない。Bきまりが悪い。みっともない。B相手がきまり悪くなるほどそっけない。無愛想だ。無情だ。C当惑する。迷惑である。Dはげしい。きびしい。』の意味。Dが、茨城方言に一致することから、古い言葉の流れと思われる。はげしい。きびしい。平家六「ある夜野分はしたのう吹いて紅葉を皆吹きちらし落葉頗(スコブル)狼
藉なり」。甚だしい意味。
(はしたどけ) 柱時計 鹿児島。
はしたね
はしたねー
【形】はしたない
はしたなもの 大したものではないもの、つまらないもの
☆はしたもの はんぱもの
(はじち) 刺青 沖縄。
(はじちらー) 恥知らず 沖縄。
はじっか
はしっか
はじっかー
はしっかー
端側 『端つ側』の意味。
はつかげ:宮城。
はつけ:宮城。
はじっかし
はしっかし
『端つ河岸』の意味。
はじっかだ
はしっかだ
端の方 『端つ方』の意味。
はしっくら かけっこ 30年代後半になって『駆ける』が使われるようになるまではもっぱら『走る』を使った。
はしっくら:宮城。
はしっけ
はしっけー
【形】@賢い、Aすばしっこい @・はしっけー:群馬。
A『はしっこい』ならならあまり聞かなくなった標準語。標準語の賢いとすばしっこいはもともとは同じルーツだと言える言葉。
はしっか:東京多摩。
はしっけー:群馬・神奈川・長野。
はしつける 【動】箸をつける、食べ始める 短縮化。
◆■▲はじっこ
◎はしっこ
【形動】端 『集覧:久・真』。『端っこ』。
はじっこ:千葉・群馬・東京・神奈川。
はしっこ:初子:神奈川。
はしっこ かけっこ 『はしりっこ』がさらに訛ったもの。
はしっこい 【形】すばしっこい やや古い標準語。『はしこい』の転。
はしっこい:栃木・群馬・埼玉・東京・神奈川・山梨。
はしっこい 【形】賢い はしかい:福島・富山・石川・福井。
はしかい:ずるい:新潟・兵庫。
はしっこい:静岡。
はすい:賢い・ずるい:長野。
はじっつぁらし 【形】【形動】恥さらし はじっつぁらし:群馬。
はじっつら
はしっつら
端の面 『端つ面』の意味。
はしってあるぐ 【動】走り回る 『駆け歩く』。この場合の『歩く』はあちこち回る意味。
はしってあるぐ:青森。
はじっ
はじっ
はじっ
はしっ
はしっ
【形動】端、端の面 だ、た』は『端・辺(へた)』(はし。へり。特に、波うちぎわ。海べ。)のこと。俗語の『地べた』の『べた』と同じ。この方言は『端つへた、端つへり』の意味となる。
はじっばた:埼玉。
はしっ:宮城。
はつ:縁:宮城。
はじっ
はしっ
『端つ面(おも)』の意味。
はして 端、端の方 『端手』の意味か。
(はしのこ・はみのこ) 梯子 鹿児島。
広辞苑に『梯の子:はしごの段。また、きざはしの段。』とあり、橋と梯子は同源の可能性が高い。
ばしばし
【形動】てきぱき、厳しく 濁音形は標準語の俗語。辞書不掲載。『疾し』が変化したか。
はしはし:群馬・東京三鷹・静岡。
:山形。
はじ
はし
はじ
【形動】端、端の面 『はしった』がさらに訛ったもの。『端へた、端へり』の意味。
〜はしまい
〜はしめー
【複】〜(し)はしまい
はじまっかー 【慣】始めよう 婉曲表現。本来は『はじめっかー』
はじまっべー
はじまっ
【慣】始めよう 『集覧:久』。婉曲表現。濁音形は、まだ『ぺ』が十分に普及しておらず、促音の後の濁音が使われていた時代の証し。今なら『はじめべ・はじめっ。原型は『始まるべし』。
はしまり 始まり 『はねーる』同様『端』と関係があると考えられる。辞書には無いが古い言葉と考えられる。
物の初めに関する言葉で、東北圏で清音形があるのは今までの調査では秋田だけである。茨城と秋田の密接な関係は、関が原の戦いまで遡る。当時、常陸国の大半を制圧し戦国大名となった佐竹氏は関が原の戦いでは西軍・東軍双方に加わるという曖昧な態度をとったために、徳川家康の命により厳封国替えとなり、秋田藩を納める外様大名となった。この佐竹氏の国替えによって、秋田方言とその周辺地域の方言に茨城方言が大きな影響を及ぼしただろうことは疑いもなく、茨城方言と秋田方言の共通語はあって当然であり、この言葉はその代表語といえる。また東北圏で現代標準語に比較して清音化語があるのは、目下の調査結果では秋田だけである。
はしまり:秋田。
◎はしまる 【動】始まる 辞書には無いが古い言葉と考えられる。
はしまる:秋田・宮城。
◎はしめ 初め 『釈名』には『初(はしめ):はしは端也。物のはじめは、はしにあり。うつほ字也。』とある。
はしめ:青森・秋田・福島。
◎はじめっから
はしめっから
始めから
はじめで
はしめて
はちめて
初めて 濁音化・清音化。
はしめ:鹿児島。茨城の『ち』は『て』に近いから、これは茨城にもあっておかしくない方言。
◎はしめる 【動】始める 『端める』意味と思われる。
はしめる:青森・秋田・宮城。
ばしゃうま
ばしゃんま
馬車をひく馬。また、脇見をしないように目の両側におおいをされることから、脇目もふらずに物事をひたむきにすることのたとえ。 『馬車馬』。
ばしゃんまのよーにはだらぐ
◎はしゃ 【動】乾かす 死語となった古い言葉。
はしゃ:宮城。
はしゃ
はしゃく
【動】乾く 『集覧:筑』。『燥ぐ』。
死語となった古い言葉。
はしゃ:宮城・福島・東京多摩・神奈川・佐渡島・長野・山梨・静岡・石川・三重・岡山・広島・鳥取・徳島。
はしゃー:静岡。
はしら:乾かす。
はしら:青森・秋田・山形・新潟・岐阜。
はっしゃ:富山・石川・兵庫。
ははえる:静岡。
ばしゃるま 馬車 二重表現。
はしゃ 【動】乾く 『燥ぐ』の状態表現形。
はしやすみ
はしやすめ
食事の途中の気分転換になるように作られたおかず、おつまみ 『箸休め』。
はしやすめ:栃木・神奈川。
ばしゃひぎ
ばしゃひき
馬車の馬方
はじゃる
はじゃーる
【動】始まる まーだはじゃった:また始まった。
(はしょっる) 【動】元気良く積極的に動く 神奈川。
ばしょとり @(過分に)スペースがいること、A場所を確保すること
ばしょとる 【動】@(過分に)スペースがいる、A場所を確保する 短縮化。
ばしょふさ
◎ばしょふた
邪魔なこと
はしよる
はしょる
【動】端折る、省く、省略する 標準語。
『はしおる(端折る)』の訛。日本語のイ段音は口蓋化しているため、y音が次の母音に影響されて『お』が『よ』となったと見られる。
はしょる:静岡。
(場所を示す言葉) 現代語で普通使われる場所を表す言葉は、『所・処(ところ)、所(とこ)』が一般的である。しかし文語を含めると、『処(か・く・こ)』がある。また『地(ち)』もある。
はしらがす 【動】走らせる 『走らかす』。
(はしり) 流し 近世には台所を『はしり』(走り)と言った。
はしい:鹿児島。
はしり:岩手・宮城・滋賀・大阪・奈良・兵庫・広島・奈良。
はしりまえ:宮城。
はしりもと:流し元:東京。
はすり:宮城。
はしりあるぐ 【動】駆け回る、走り回る 濁音化。≒『駆け歩く』。『飛び歩く』。
はしりかげる 【動】勢いよく走る 『駆ける』と『走る』をあわせた造語のような訛。
はしりころ 【動】走ったり転んだりして急ぐ、走りまくる
はしりっくら
はしりっこ
かけっこ 『俚言』には『かけくら:むかしははしりくらべと云。「枕草子」にははしりくらべ、「古今夷曲集」にははしりこくら、「望一后千句」にははしりくら。』(文略)とある。
またさらに『立こくら・にらめこくら』の例を挙げ、『こくら』は競べの意味としている。この茨城方言の促音形は単なる撥音化ではなく『こくら』の『こ』が跳ねたと考えられる。
『聞書』に『はしりこくら、かけくら』が掲載されている。
はしり:京都・大阪・和歌山・徳島。
はしりっくら:福島。
はしりっこー:八丈島。
はしりあい
はしりやい
かけっこ
(はしる) 【動】はじける 鹿児島。『爆ぜる・罅ぜる』。
(走ると駆ける) 【動】走る、駆ける 現代語では走るも駆けるも同じ意味だが、その由来は難しい。
古語辞典には、『走る・奔る(はしる)』は『駆ける・すばやく移動する・速く流れる・飛び散る・胸騒ぎがする・胸がわくわくする・ころがる・逃げる・駆け落ちする』とある。馳せるが語源なのだろうか。
一方『駆ける(かける)』は、古語辞典には『空を飛んでいく・早く走る』とある。『懸ける・掛ける』が語源なのだろうか。
走るは、馳せるに通じ、駆けるは懸ける意味なのだろう。
どうやら、日本語の『走る』とは、平らな土地や環境を速く移動する意味らしく、駆けるとは懸ける・掛けるに通じ空を飛ぶ意味も含めたようである。
橋を掛ける、虹の架け橋と言う理由はそこにあると思われる。
はしる:行く・去る:長野。
△はしん 裁縫 『把針』。『集覧:稲』。通常は『おはしん』と言った。
はしん:青森・秋田・山形・静岡。
はすん:秋田。
はじんぎ
はじんき
おはじき
はす 斜め、ばち 『斜』。
はす:山梨・静岡。
おめーはものどをはすにみでっからいげねんだど
はす レンコン(蓮根) 標準語で言う『蓮』は植物としての名称で、食べ物となる地下茎は『蓮根』と言う。殆どの作物は植物名と食べ物名が一致しているのに、蓮に限って区別されるのは、花を指す方が多いからだろうか。古名は『ハチス』と言い、花托の形が蜂の巣に似ていることによる。
レンコンの別名は『はすね。はすのね。藕(ゴウ)。はいね。蓮のはい。はちすのね。蓮茎。』。

ーす
メンコ 県下にはす、ーす』と呼ぶ地域が一部にある。ー』の方がメジャー。
ーす:埼玉。
っち・っちん:長野。
はすかい 筋交い、斜め 『斜交い』。古い標準語。『はすかけ』とも言う。
はずがし
はずがしー
はすかしー
【形】恥ずかしい ::青森。
はーす 【副】もうすぐ おひんまではーす:お昼までもう直ぐだ。
はすけ
はすけー
【形】@斜め、A中途半端なこと、きちんとしてないこと @『斜交い』。
A斜めなので、『ろくでなし』と同じ意味としたのだろう。
(はすけ) 鹿児島。
はずげる 【動】外れる 30年代の言葉。
はずす 【動】失敗する やや古い標準語。茨城弁では、特に失敗する意味が大きい。
はずしたなー:失敗だったなあ。
はすだ レンコンを栽培する水田 『蓮田』の意味。広辞苑には『蓮田』埼玉県東部の地名しか無い。テレビなどではしばしば『レンコン畑』などと言うが大きな間違いである。
はすっか
◆▲はすっかい
【形動】@▲斜め、A中途半端なこと、きちんとしてないこと =『はすっぱ』。
@『はす』『はすかい』なら単に斜めの意味。『集覧:新』。
はすっかい:東京。
はすっかけ:東京。
A斜めなので、『ろくでなし』と同じ意味としたのだろう。
はすっこい
はすっけ
はすっけー
【形】@斜め、A中途半端なこと、きちんとしてないこと @『はす』『はすかい』なら単に斜めの意味。
はすっかけ:東京。
はすっけ:栃木・埼玉。
はすっけー:神奈川。
A斜めなので、『ろくでなし』と同じ意味としたのだろう。
◆■▲はすっ 【形動】@中途半端なこと、きちんとしてないこと、A特に女の軽はずみな事 『集覧:真』。
辞書には『蓮葉:(蓮の葉が水をはじくときの形状にたとえた語という。一説に、斜端ハスハの意とも) 軽はずみなこと。浮薄なこと。特に、女の態度や行いが軽はずみで落ち着きのないこと、また浮気で身持の定まらないこと。また、そういう女。はすっぱ。浮世風呂四「余り―でない、じつとりとした女子があつたら世話してくだんせ」。「―娘」「―者」』ある。
はすっ:東京。
そーたはすっもんではこまっと:そんな中途半端な人間では困るよ。
はすっ 斜め 標準語の語源を案じさせる言葉。
はすっもの
はすっもん
中途半端な物(人)、きちんとしてない物(人)、特に女の軽はずみな事
はすなー ファスナー 英語教育をきちんと受けていない世代は、『ファ』を発音することができなかった。=『ふすなー、ふわすなー』
はすのきん レンコンの金平
【副】ぎりぎり、かつかつ 『端端』(はつはつ)。半濁音化するのは茨城らしい。
:千葉・山口。
はずはず:岩手・愛媛・高知・西日本。
はすはす:西日本。
はつはつ:岩手・大阪・愛媛・高知・福岡。
すで間に合った:ぎりぎり間にあった。
はすむがい
はすむげー
【形動】斜(はす)向かい、筋向かい はすむけー:群馬。
はずれ 不作
はすほりまんの 蓮堀万能、柄が短く穂先の長い万能 30年代のレンコン堀の作業は泥との格闘だったが、今では井戸を掘ってホースから出る水圧で掘るように変わった。−
はずむ 思い切って多分の金銭を出す。奮発する。おごる。 『弾む・勢む』。『浮世風呂』掲載語。もと大阪弁。
富山・滋賀・大阪・三重・奈良・和歌山・淡路島・高知。
(はすむ) 【動】挟む 鹿児島。
はする 【動】はつる、削る 『はつる(斫る、削る)』は建築土木の専門用語でもある。
(はーずる) 【動】這いずる 静岡。
はすんば 高下駄
(はぜ) 【形動】派手 神奈川。
ザ行音とダ行音が音通するのは茨城だけではない。
ばせぎ 居るべき席。場所。座席。 『場席』。死語。
ばしぎ:山形。
(はせくら) かけっこ 宮城。『馳せ比べ』の意味。
はぜっこ 嘔吐 『集覧:新』。
『爆ぜる、罅ぜる』(勢いよく裂ける、割れてはじける、破裂する)が転じたものと思われる。
はぜっとんもろごし ポップコーン はぜっとんもろこし:埼玉。
はで:麦やとうもろこしなどを煎って膨らませた物:静岡。広辞苑に『はぜ【爆米・葩煎】:糯米(モチゴメ)を炒(イ)って爆(ハ)ぜさせたもの。紅白などに染め分けて、雛の節句などの菓子用にする。近世には、年賀客に出したり、蓬莱(ホウライ)台の下に敷いたりした。』とある。
はせる 【動】走る、急いで行く 『馳せる』。古い標準語。
はぜる 満ちて勢い良く裂ける、(栗などが)割れてはじける 『爆ぜる、罅ぜる』。やや古い標準語。
はぜける:神奈川。
はざる:お転婆:神奈川。
はでる:神奈川・静岡。
ひや:神奈川。
(はそ) 嘴(くちばし) 静岡。嘴は『はし』とも言う。
はす:静岡。
はそん 修繕 『集覧:新・猿』。
修理を『破損』と言うのは近世語で江戸幕府には『破損奉行』という行政部門があって、城郭の修理を行ったと言う。
はそん:山形・福島・茨城・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・岐阜・奈良。
はそんする 【動】修繕する 茨城では県北・県西部に偏る。関東以西でも僅かに使うところがある。
はそんする:山形・福島・茨城・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・岐阜・奈良・広島。
はだ @端、傍、A旗、B機 @・はた:東京。
はたら:静岡。
B・はずみ:福島。
はた:群馬。
はりあい:福島。
ばだ 材木やさんで製材のときに出る端材 『端』(はた)。端材のこと。
古くは廃品回収業者を『ばた屋』と呼んだ。辞書には『ごみ箱や道路上の紙屑・ぼろ・金物などを回収して生活する人。屑拾い。』とある。
ばだ:福島。
はだ はだ::
ばだ
ばた
川岸 稲敷郡。『端』と『端・辺(へた)』(はし。へり。特に、波うちぎわ。海べ。)を混乱して使っていると考えられる。
ばた:海岸:石川。
(はだ) 水田 静岡。
〜ばだ

【助】〜端 :宮城。
みぢばだ・みぢっ:道端。
はだあし
はだし
はだーし
機織り機 『足』には、物を支える意味があるので『機脚、機台』の意味か?。
これは、『高機』を指し『地機』に対する言葉と思われる。足踏み式の機織機。
はたあし:神奈川。
はた:静岡。『機具』。
はだし:栃木。
はたし:群馬・神奈川。
はたーし:神奈川。
はだい 損料、賃料 『歯代』。
はだおり
はだおりばった
ショウリョウバッタ 濁音化。『ハタオリバッタ』。
はたおりぎっちょ:群馬。
はたおりばった:群馬。
はだがっこ
はだがぼ
裸の子供 はだかご:孵ったばかりの雛:大分・鹿児島。
はだかっこ:孵ったばかりの雛:群馬。
はだかぼっこ:神奈川。
はだらっこ:孵ったばかりの雛:山梨。
はだがともだぢ
はだかともだち
親友 『集覧:稲』。
はだが
はだか
はだかぬき
はだかのき
サルスベリ 『裸の木』の意味。サルスベリの幹の特徴を実に良く表した方言。『集覧:真』。標準語では通常『ビランジュ・バクチノキ』を指すが、サルスベリを指す地方もある。
はだかでーろ
はだかないぶる
はだがなめくじ
はだがねーぼろ
はだがまいぼろ
はだかまいぼろ
はだがまめくじ
はだがめーぶろ
はだかめーぶろ
はだかめーぼろ
ナメクジ 『はだかめーぼろ』は『日本言語地図』で、現土浦市付近の方言として紹介されている。江戸時代の辞書である越谷吾山『物類称呼』によると当時の常陸国では『はだかまいぼろ』と呼んでいたと言う。殻の無いカタツムリの意味である。今に言えば『はだかでんでんむし、はだかかたつむり』の意味である。このような方言を絶対絶やすべきではないと思う。
巻貝は古くから一般に『つぶ』と言われた。『まいぼろ』は『マイマイツブロ』が訛ったと考えられる。
『称呼』には『なめくじり:常陸にてはだかまいぼろ、越後にて山なまこと云。山中には大さ五六寸許のもの有と也。』とある。
『本草和名』には『奈女久知』と表現されている。
『俚言』には『なめくぢ:「本草啓蒙」なめくぢ(周防讃岐仙台)、なめくど(美作)、なめたれ(出雲)、へり(越後)、たいろう(信濃)、めやめやつぶり(肥後)、はだかまいぼろ(常陸)、本草の蛞蝓和名抄のなめぐち也。』とある。
はだかり 距離があること。へだたり。 古い標準語の『開かる』(はだかる)の名詞形か『はながり』がさらに訛ったもの。『な』と『だ』はしばしば混乱する。
はだがる
はだかる
【動】@手足を広げて立つ、立ちはだかる、A(服の前、目が)開く @は標準語だが、単独で使うことは少ない。
はだかる:出てしまう:東京多摩。
はばがる:足を広げる:山形。
Aは古い標準語の『開かる』(はだかる)。通常は、『はだける』と言う。
はだがる:山形。
はだかる:東京多摩・静岡。
はだがる
はだかる
【動】離れる 『はなかる』がさらに訛ったものか『開かる』(はだかる)が転じたものだろう。『開かる』(はだかる)は『ひろがり開く。ひろがる。』意味がある。『な』と『だ』はしばしば混乱する。
はだぎ 叩き(はたき) 濁音化。
岩手・大分では『ちりうち』、静岡・奈良では『ちりはらい』と言う。標準語の『はたき(叩き)』の方が方言に聞こえる。
ごんうち:鹿児島。
ごんはれ:鹿児島。
はだぎ:青森。
はだぎ
はたき
段の変化。
★『土』:うむ、畑(はたき)や深(ふか)くなくっちゃ收穫(と)んねえものよそら、俺(お)らあ壯(さかり)の頃(ころ)にや此間(こねえだ)のやうに淺(あさ)く耕(うな)あもんだた思(ま)あねえのんだから、現在(いま)ぢゃはあ、悉皆(みんな)利口(りこう)んなってっから俺(お)らにゃ分(わか)んねえ
はだ 下着 標準語ではあるが、今では『上着』に対比しないので、多くの人が『下着』と言う。
はだ:単衣・浴衣:静岡。古くは、公家男女装束の最下着を『単衣(ひとえ・ひとえぎぬ)』と言った。
はだぎづがる
はだぎつかる
はだぎっつかる
【動】転んで地面に勢い良く倒れる、叩きつけられる 『叩きつける』の自発形・受身形。
はたきっつかる:群馬。
はたっける:長野。
はだぎづげる
はだぎつける

はだぎっつける
【動】叩き付ける、殴りつける はだぎづげる:宮城。
はたきっつける:群馬。
はたっつける:長野。
はだまーる 【動】はしゃぎ回る
はだぐ
はたく
【動】@叩く(たたく)、打つ、A砕く、B財産を使い果たす、C失敗する 標準語ではたたく意味の『はたく』は、あまり使われないようになってきているが、茨城では『たたく』は逆にあまり使わなかった。標準語の『叩く・敲く(たたく)』は打つ意味合いが強く、『叩く(はたく)』は払ううニュアンスがあるが、混用されることが多い。
ちなみに広辞苑では『はたく』((1)払いのける。はらう。(2)(平手で)たたく。うつ。(3)(「砕く」とも書く) たたいて細かくする。搗(ツ)いてくだく。(4)財産などを使い尽す。(5)(自動詞的に) 失敗する。しくじる。)、『たたく』((1)つづけて打つ。くり返して打つ。(2)打ち合せて音を出す。(3)物をたたくような動作をする。物に強く当る。(4)ぶつ。なぐる。(5)打診する。質問する。(6)クイナが戸を叩くような音で鳴く。(7)(あごを打ち合せるの意から、軽蔑的に) しゃべる。(8)(扇子で演台をたたくところから) 講談などを演ずる。(9)値切る。(10)いためつける。攻撃する。非難する。(11)(酒問屋仲間の隠語。手を叩くところから) 売買を決する。(12)(隠語) 強盗をはたらく。)とあり、共通の意味があるほか、『たたく』の方が圧倒的に意味が広いことが解る。
原初的な意味は『叩く(たたく)・打つ』だが、他の意味はその行為から派生したと見られる。
はだぐ:叩く(たたく)・打つ:宮城・山形・福島・千葉銚子。
はたく:刻む:福島。
はたく:失敗する:静岡・三重。
はたく:叩く(たたく)・打つ:岩手・福島・栃木・静岡。
はだぐ 【動】魚が産卵する 卵を産む様子が『叩く』ように見えるからだろう。
する:神奈川。『擦る』に見えるからか。
ばだくさ 【形動】ばたばた 『ばたくさ』『俚言』掲載語。
ばだぐれる 【動】壊れる 『ばだ』は『端(はた)』(端材)の意味だろう。。
はだげ
はだ
■▲●はだけ
『集覧:行』。典型的な濁音化。
『畑』の語源は諸説あり良く解っていない。『はくでん【白田】:(水無く乾いている田の意) はたけ。はた。白地。』とも言い、語言説の一つになっている。また、『畑』は『はた』とも言い『畑』は『畠処』の意味とする説(大言海)もある。また、朝鮮語pat(畑)と同源とする説もある。
 同様に田圃のルーツは絞られているが『田』のルーツは諸説ある。『畑』と『田』の違いは『は』『は・け』の有無である。
 ちなみに、田圃の『くろ』は『畦』で『しろ』は『田。田地。また、田の一区画・一区域。』で『代』と書く。だから、隈取りするのが『くろ』で残りが『しろ』なのだろうか。『隈・曲・阿』(くま)とは『@道や川などの湾曲して入り込んだ所。A奥まって隠れた所。すみ。B色と色と相接する所。光と陰との接する所。ぼかし。陰翳(インエイ)。暈(ウン)。陰。くもり。C秘めているところ。隠していること。Dかたすみ。へんぴなところ。E欠点。』とあり陽に対して陰を思わせる。
 『田代』は『(「代」は一区画の意) 田地。』の意味で『代田』は『田植え前の田。田植えの準備のととのった田。』である。『代』には数多くの意味(@かわりのもの。代用。Aその物の代りとして償う金銭や物品。代価。代金。B何かのために取っておく部分。C(「茸の代」の意) 菌類が菌糸などを伸ばし、地中あるいは地表で占有した特定の場所のこと。ふつう、毎年そこにきのこが生ずる。D田。田地。また、田の一区画・一区域。E古代・中世の田地の丈量単位。稲一束を収穫する面積を一代とする。)があるが、『城』も同様に空間や単位等の何か区切られた次元を指し、その境界をも示しているようにも思われる。
 初めに『田』(英語のdoと同じで働くことが転じて働く場所になった?)があり、囲った場所の『畑(はた)』が転じて『働く』という言葉になったのではないかというのは私見である。
ただし、一般に『働く』とは、『端が楽になる』こととされているが、『語源』によれば、『体を動かす・労働する』意味と断言されている。
はたえ:千葉。
はたぎ:秋田。
はだげ:千葉。
はだけ:長野。
はたげ:千葉。
はだげうない
はだげうねー
はたけうねー
畑耕い ★『土』:そんだお内儀(かみ)さん其(その)盲目(めぐら)奇態(きたえ)で、麥搗(むつき)でも米搗(こめつき)でも畑耕(はたけうねえ)でも何(なん)でも百姓仕事(ひゃくしゃうしと)は行(や)んでさ
はだげそーじ 畑の手入れ、草刈
(はたけのあらくま) 汚れて黒くなること 神奈川。
『畑の荒熊』の意味と言う。
はだげる
◆▲△▽はだける
【動】(服・着物の前、目を)広げる、大きく広げる、▲押し広げる 『集覧:新』。
『開ける』(はだける)。
ただし、『裸足』の語源は『肌足』が有力であるように、『開ける』は当て字で、『肌開ける』意味の可能性が高い。
はだげる:宮城・山形。
はだける:(実が)落ちる:群馬。
はだける:開く・広げる:宮城・東京多摩・長野・山梨・静岡。
はだける:残りを掻き集める:宮城。
はたける:佐渡島。
ばだてる:静岡。
はばがる:足を広げる:山形。
はだげる
◆▲はだける
【動】離れる 『はなける』がさらに訛ったもの。
はだ
はた
機織機 『機具』。
はた:静岡。
はたし 裸足
はだしたび 地下足袋 『跣足袋』(はだしたび)とは広辞苑に『@じかに土を踏むように底を厚く作った足袋。A地下足袋(ジカタビ)に同じ。』とある。
はだしたび:神奈川。
はだしったび:山梨。
はだじばん 襦袢の肌着、肌着 『肌襦袢』。『襦袢』は『じばん』とも発音する。
はだじばん:群馬。
はだづ
□△はだつ
【動】始まる、始める 県下広域方言。はじまる→はじゃーる→はだつと転じたと思われるが、『端立つ』すなわち『始まりが立つ』意味の可能性もあるだろう。『はなえる』同様『端つ』意味も考えられる。
『俚言』には『はだつ:た濁。と通ふ。はなつ也。物を始むるを云。信濃にてはねるといふに同じ也。鄙人はなへるとも云。』とある。これもまた江戸言葉であった。
はだづ:宮城・山形・福島。
はだつ:岩手・山形・宮城・福島・千葉。
はだてる:企てる:岩手・富山・長野。広辞苑に『はだてる:新規にくわだてる。特に改めてする。』とある。
はだてる:静岡。
はだつ 【動】しくじる 新治郡。『果つ、果てる』の擬似自動詞形。
ばだっかい
ばだっけ
ばたっけ
ドブガイ、カラスガイ 『価値の無い貝』『端貝』の意味。
はだづげ
◎はだつけ
@肌着、A単衣、ゆかた 『肌付け、肌付き』。
@の意味で清音ならやや古い標準語。古語では『肌付き』。
A辞書では、茨城・千葉で『ひとえもの』を指すとある。和装言葉がのこったものだろう。
はだった 【複】始まった 『集覧:北・水』。
はだっつげる 【動】叩きつける
はだっころ 【動】叩きつけるように転がす はたっころ:群馬。
はだっころ
はだっころ
【動】叩きつけられるように転がる はたっころ:群馬。
はだっころす 【動】叩き殺す はたっころす:群馬。
はだっころぶ 【動】叩きつけられるように転ぶ はたっころぶ:長野。
はだっころばす:叩きつけるように転ばす。
はだっころばる:叩きつけられるように(自然に)転ぶ
はだっこわす 【動】叩き壊す はたっこわす:群馬。
(はだって) 【副】無理に、故意に、わざわざ 神奈川・山梨・静岡。動詞『はだつ』(始める)の連用形と考えられる。
はーたでる 【複】ノコギリの目を尖らせる 『刃を立てる』。
ばだっと 【副】ばたんと、ばたりと ばだっと:山形。
ばだっとたおれでしんちった:ばたんと倒れて死んじゃった。
(ばだてる) 【動】広げる 静岡。元『開ける(はだける)』と思われる。
はだど
はたど
【副】全く、すっかり この言葉には微妙なニュアンスがあり、『はてと』とのつながりを思わせる。
はだばご 収穫して乾燥を終った煙草の葉。葉煙草。
ばだばだ 【擬音】ばたばた ばだばだ・ばだりばだり・ばだんばだん:山形。
はだび
はたび
旗日、祭日 はたび:群馬。
ばだまぎ 端材を束ねたもの 『端巻き』の意味。
(はためく) 【動】@鳴りひびく。鳴動する。はたたく。Aばたばたと動く。火がぱたぱたとはぜる。 現代では旗などが風で揺れることを言う。ところで『ふためく』という言葉がある。@ばたばたと音を立てる。Aばたついて騒ぐ。さわぎたてる。とあり、ほぼ同じ意味である。
『俚言』には『はためくいそぎはためくあはてはためくなと云。』とある。現代では『慌てふためく』と言うが、『はためく』も『ふためく』も同じだったものが、連語では『ふためく』だけが残ったことが解る。
はだめーわぐ 【形動】はた迷惑
(はだもち) 天候 鹿児島。
ばだや
ばたや
廃品回収業者 『ばた屋』。辞書には『ごみ箱や道路上の紙屑・ぼろ・金物などを回収して生活する人。屑拾い。』とある。
ただし、別に『ばったや』(正規のルートを通さず手に入れた品を極端に安い値段で売る人。)がある。
(はたら) 静岡。
『端』の曖昧表現または、広域表現と考えられる。
はだらがす 【動】働かせる 濁音化。
(はたら 仕事着 神奈川。本来は『働き着』。
はだらぎ
はだらぎさま
はだらぎてー
はだらきとー
冠婚葬祭のときの裏方の手伝い人 『働き』には『雑役に使われる者。したばたらき。』の意味がある。
はたらき:神奈川。
はだらぎて
はだらぎど
はだらきと
働き手、働く人、手伝う人
(はたられる) 【動】ねだられる、強いられる 宮城。
はだる 【動】始まる 『集覧:北・水』。『はじゃる』が訛ったか、『端る』意味か?。県北では現在も『はだつ』が使われている。=『はだづ』
『俚言』には『はたっ:上総にて取り掛かること。』とある。
はたる 【動】催促する、促し攻める 『』。
はだる:ねだる:山形。
はたる:ねだる:宮城。
ばーたれ 【形動】馬鹿 『馬鹿垂れ』。
(はたれっ) 【副】度々 鹿児島。
ばだん
ばだんこ
機織機
ばだんきー
ばだんきゅー
【慣】ものすごく疲れた様、寝床に入って直ぐに眠り込むこと 『ばたんきゅう』。『ばたん』と倒れて『きゅう』と寝たり、倒れたり死んでしまう様子。
ばだんきょ
ばたんきょ
はだんきょ
巴旦杏(はたんきょう)、スモモ 『わだんきょ』
ばたんきゅー:群馬。
ばだんちょ:宮城。
ぼたんきょ:東京。『牡丹杏(ぼたんきょう)』(スモモの一種)。
(はたんじげ) 機で織った布帛の末端の余り糸 静岡。『機じね』。『げ』は濁音か清音か不明。
ばだんばだん 【擬音】ばたばた、ばたりと ばだばだ・ばだりばだり・ばだんばだん:山形。
ばぢ
はぢ
鉢、重箱 当時は、多くの器を『はぢ(鉢)』と呼んだ。お櫃(おひつ)→おはぢ。茶壷(ちゃつぼ)→ちゃばぢ・ちゃぼぢ。米鉢(こめばち)→こめばぢ。植木鉢(うえきはち)→ういぎばぢ等。『ぼぢ』とも言う。
『鉢』は古くは『@(梵語 patra  鉢多羅の略。応器・応量器と訳す) 僧尼が日常所持する食器。托鉢のとき持参
する。鉄鉢(テツパツ)・瓦鉢(ガハツ)などがある。はちのこ。A皿よりは深くすぼみ、碗(ワン)よりは浅く開き、食物・水などを入れる容器。』の意味で使われた。
ちゃわんばち:どんぶり:青森・秋田・石川。
ばぢ
ばち
はぢ
濁音化。『集覧:新・真』。第1音が濁音化する珍しい例。これは複合語になった場合に濁音化する標準語の用法から、単独の場合も同じ表現にしたと見られる。
『俚言』には『ばち:下野にて蜂、又ばちめともいふ。』とある。
ばち:秋田・栃木・静岡。
はち
はち
はちっか
はちっこ
はつかげ:宮城。
はつけ:宮城。
はつ:縁:宮城。
(ばち) 琵琶や三味線の『撥』(ばち)が三角形になっていることから、斜めになっている部分を『ばち』と呼ぶ建築用語。はす。
(ばち) 静岡。
(はち・はっち・はっちらく) 乞食 鹿児島。
ばぢ 神仏が、人の悪行を罪して、こらすこと。 『罰』。
ばぢ:山形。
ばぢあだり
ばぢゃーだり
@罰が当ること。また、罰が当った人。A(罰の当るのが当然、の意から) 人をののしっていう語。(広辞苑) 『罰当たり』の転。古くは『ばちたがり』
ばぢあだり:山形。
ばぢあだり 擂粉木 『鉢当たり』の意味。
ばぢあだる
ばぢあだる
ばぢゃーだる
【動】罰が当たる 『罰が当たる』の転。
ばぢゃだる:福島。
(はちかきぼー) 恥掻き損 静岡。
ばぢたがる
ばぢたかる
【動】@罰が当たる、A蜂が集る
(ばちかぶる) 【動】罰が当たる 山形・大分・福岡・佐賀・長崎・熊本・鹿児島。
(はちかん) お転婆 静岡。
(はちきるる) 【動】張り切る 鹿児島。
(ばちくいかやる) 【動】跳ね返る 鹿児島。
はぢげる
はちける
【動】@はちきれる、Aはじける @・はっちる:静岡。
(はちこ) 破竹 静岡。
はぢごぐだま
はちこぐだま
はちこくだま
はっこくだま
ジュズダマ 『八穀』とは稲、黍(キビ)、大麦、小麦、大豆、小豆、粟、麻の八種の穀物を指す。かつて数珠に八穀を使った名残なのだろうか。
はぢじょー 奥座敷 『八畳』の意味。我が家だけの呼び名の可能性もある。
はちしらず 漁師が着る袖なしの合わせ 『集覧:無記載』。
『袖無し』を『然で無し』にかけて、『恥知らず』としたものだろう。江戸時代の粋な表現が残ったと思われる。『はじしらず』とも言う。
△はちす ムクゲの別名 蓮の古名でもある。『集覧:新』。
はちす:茨城・埼玉・東京・静岡。
ばぢたがり
ばちたがり
ばちたかり
ばぢったがり
ばちあたり 『罰集り』の意味。
ばぢたがり:青森。
ばちったかり:群馬・埼玉・山梨。
ばぢたがる
ばちたがる
ばちたかる
ばぢったがる
【動】罰が当たる 『罰が集る』意味。
★『土』:そんだから見(み)ろえ、博勞(ばくらう)で藏(くら)建(た)てた奴(やつ)あ有(あ)りゃしねえ、罰(ばち)たかってっから。
ばちっこ 末っ子 『ばっし(末子)』の転。県北部の方言。
一般には『ばっち・ばっちこ・ばっちっこ』
ばぢっと 【副】完全に、ちゃんと、ばっちり ばぢごばぢごて:派手すぎて:山形。
(ばちなる) 【動】怒る 静岡。
はぢにんぼ
はぢにんぼーず
菰編み機の縦縄を丸めておく駒 『八人坊主』の意味。八つあるのでこの名がある。
ばぢねご 尾の短い猫
はぢぶ
△▽☆はちぶ
村八分、のけものにすること はちぶ:関東・中部・静岡・福井。
はちぶくー:仲間はずれになる:神奈川。
はちぶする:絶交する:長野。
はぢべ
はぢべー
月経 『八兵衛』。
はぢまぎ
はぢまき
鉢巻 『集覧:久』。
はちまっべぇー 【複】始めよう 現代では『はじまっー』
はちまる 【動】始まる 清音化。
はぢまんさま 八幡様 8月15日を言う。赤飯を作る。
はぢまんたろー
はちまんたろー
@オビカレハの幼虫、Aイラガの幼虫 『はちまんたろう』は八幡太郎義家(源義家)を指すはずだが謂れは不明。
はぢまんだろーのす
はぢまんたろーのたま
イラガの繭
ばぢめ
はぢめ
茨城弁では珍しい第1音の濁音化。八丈島では『はちめ』と言う。
『俚言』には『ばち:下野にて蜂、又ばちめともいふ。』とある。
ばちめ:栃木。
はちめ:メバル:石川。背びれの刺が鋭いためと見られる。
はちめて 【副】新たに、初めて 清音化。
(はちゃぐみ) おこし(米菓子) 沖縄。
ばちゃーたがる
ばちやたかる
【動】罰が当たる 『罰が集る』意味。『集覧:久』。
はぢゃめぢゃ 【副】目茶苦茶 濁音化。
ばーちゃま
ばーちゃん
おばあさん
ばーちゃんこ おばあさんが主に育てた子供
ばぢゃんばぢゃん
ばちゃんばちゃん
【擬音】(水を)ばちゃばちゃ
ぢりぢり
ちりちり
ぢーりぢり
ちーりちり
【副】目をぱちぱちする様 ちりちり:神奈川。
ばぢわりー 【複】罰が悪い
(チンコ)  所謂『ゴム管パチンコ』なく、大人の遊びのパチンコの話。当時のパチンコは今のような電子制御のパチンコではなく機械制御のものだった。個々の名称はすっかり忘れたが、小さな穴に一つ一つ玉を入れ手ではじくのが当時のパチンコの主流だった。急ぐ人は急げばよいし、時間がある人はゆっくりやれば良かった。玉の勢いと釘の勝負だけでシンプルだった。
 祖父は流行歌用の自慢のバイオリンを仏壇の上に置きながら、普段は民謡を歌い、旅行のたびにソノシートに自前の民謡を沢山残した人だった。そんな粋な祖父は、幼い私を連れてしばしば土浦の町にパチンコに出かけた。当時のパチンコ店の音楽はどこも決まって『軍艦マーチ』だった。私にとっては良い思い出だったが祖父は、きっと子守の口実だったのだと思う。その頃の土浦の水といったら塩素の臭いがたっぷりでとても飲めたものではなく、土浦の町の人を気の毒に思ったものである。定盤のラーメンはその当時120円程度だったはずだが、今思えば随分高かった。
 その後、気がついたら払い下げのパチンコ台が家に置いてあった。2階の八畳の勉強部屋に付属した屋根裏部屋がその置き場だった。元論玉付きである。後ろの構造は実に面白く、玉を溜める溝があってそれが一杯になると重みで下に下がって、チューリップが開く構造になっていた。祖父がいないときはそれで散々遊ばせてもらった。友達を呼んで遊んだある日、ふざけた拍子にパチンコ台のガラスを割ってしまった。しかし、祖父はなにも言わなかった。
 その後、私が小学校6年の梅雨のある日、祖父はあの世に行ってしまった。祖父が亡くなったあと、しばらくパチンコ台はそのままだったが、突然無くなってしまった。
ちんこぶぢ パチンコをする人、パチンコをすること
ちんこぶぢにいぐ 【複】パチンコをしに行く
ばぢんぼ
はぢんぼ
はちんぼ
はっ〜 【接頭】 『張り』の促音化または強調語。
ばーつぁ
ばーつぁま
ばーつぁん
お婆さん
はづいぢ 年が明けて、初めて開く市。
ばっか 駒下駄の一種 『木履(ぼっくり)』(材の底をくりぬき、後ろ側を丸くし前部を前のめりにして漆で黒や赤に塗ったもの。主に少女が用いる。:大辞林)。『集覧:新』。
〜ばっか
〜ばっかし
【助】〜ばかり 俗語。
〜ばっか:群馬・山梨・静岡。
〜ばっかい:静岡。
〜ばっかし:埼玉・神奈川・山梨・静岡。
〜ばっかち:静岡。
〜ばっきゃー:静岡。
ばっかい 牡蠣 『集覧:多』。
『牡』は『ぼ・ぼう』と読む。『蠣』は『かき』と読む。牡蠣は別名『スミノエガキ・イタボガキ』とも呼び、『ぼがき』(辞書不掲載)と呼んだものが訛ったと考えられる。
ばっかい 北茨城市・稲敷郡。『ばっけ』がさらに訛ったか?。
はっかいす
はっかえす
【動】殴り返す 『集覧:行』。『張り返す』意味。
(初顔合わせ) 『初顔合わせ』とは相撲用語だが、初めて人に会う意味もある。
農村の生活では、ほとんどが顔見知りである。よそ者はまずいない。そんな中で農協の普及員が突然来訪したり、冠婚葬祭の儀式の席上で普段目にしない人と隣合わせになったりすると、随分緊張する。
まず、『どごのひとだっげ』と口を割る。『あー、おれはおめのばーちゃんでだ○○のうぢのばっちだよ』とかなんとかでお互いの関係が解って安心する。相手が目下の場合は『どごのもんだ』と聞く。素性が解ると『あーそーがー、○○どんのそーりょがー、んだらばいっいいがっ。』
はっかげ 【形動】歯が欠けていること、茶碗などが欠けていること 『歯っ欠け』。
はっかげ:宮城。
はっかけ:青森・宮城。
はっかげじじー 罵倒語。
はっかげばばー 罵倒語。
はっかざどー
はっかざとー
ハッカ砂糖 当時駄菓子屋で売っていたハッカ味の砂糖の固まり。水色をしていた。
はつかし
はつかしー
【形】恥ずかしい 古語では『はづかし』だが、表記は『はつかし』。日本語は上代に遡ると清音だったことが解っており、この方言は上代語を今に残している可能性がある。
(二十日正月) 1月20日に行なわれる。全国的には『正月の祝い納めをし、小正月の飾り物を納める』。19日に切り取った『ならせもぢ』を使って雑煮を作って食べる。本格的農作業の開始する日でもある。
っかだ
っかだが
っかだか
【形動】@ものが硬い様子、A倹約する様、けち
っかだい
っかでー
【形】@ものが硬い、A倹約する様、けち @・しっかだこい:宮城。
っかちか
っかちっか
【形動】硬い様子
ばっかど
っかと
【副】目を大きく開けた様、じっと目を開けて 『ぱっくり』。
(はっか ハッカパイプ 当時駄菓子屋で売っていたハッカの香りを楽しむパイプ。辞書にも掲載されている商品。笛付きのものもあった。
っか
っかっか
【形動】硬い様子
はっから
はーっから
【副】早くから、とっくに、最初から 『はっぐがら』・『はやっから』・『はやぐっから』・『はいぐがら』。『初(はな)から・端(は)から』の意味も考えられる。
はっから:青森・福島。
はっかる 【動】貼りつく 『はっつかる』がさらに訛ったもの。
ばっかり 【副】ばかり 『ばかり』の促音化。
ばっかい:鹿児島。
っかり:青森。
ばっかり
ばっかりと
【副】目を大きく開けた様、じっと目を開けて 『ぱっくり』。
っかんかん
っかんちっかん
っかんっかん
【形動】ものすごく硬いこと 泥や粘土が固まると『ぱっかん』というような音がするのでそう言うようになったと考えられる。
てきらきら・てきらきら:山形。
はづっかしー
はつっかしー
【形】恥ずかしい
はっき
はっきど
【副】はっきりと 古い標準語の『はっきと』の濁音化・短縮化。
現代語の『はきはき』に通ずる。
はっきと:宮城。
はっきどする
はっきとする
【複】はっきりする はっきとする:宮城。
ばっぎゃろー
ばっきゃろー
馬鹿野郎
はっきら 【副】はっきり 『はっきり』が訛ったものではなく、『はっき』+『ら』と考えられる。古い標準語の『はっきと』の訛。
っきんっきん 【形動】ものすごく硬いこと
ばっく バッグ
はつく 【動】品物が不足する 『馳せ尽く』意味か。『底を突く』に準じて『端を突く』意味か。
はつく:店が繁盛する:山口。
はっぐ
はっく
【副】早く
はっぐがら
はっくがら
【副】早くから
ばっくち 【形動】器や袋の口が開いていること 『ぱっくり』。『破つ口』の意味か。
はつくち 三つ口 『破つ口』の意味か。
(ばっくのそーい) 大違い、数段の相違 神奈川。
はっくらがす 【動】張り倒す はっくらかす:群馬。
はっくらす 【動】殴る、拳骨などを)食らわせる 『張り食らわす』。
はっくらせる 【動】殴る、拳骨などを)食らわせる 『張り食らわす』。
はっくり 竹皮草履 『集覧:久』。『木履(ぼっくり)』(材の底をくりぬき、後ろ側を丸くし前部を前のめりにして漆で黒や赤に塗ったもの。主に少女が用いる。:大辞林)
ばっくり 【副】ぱっくり 濁音化。
きづぐぢがばっくりあいちってよー、ちーだらまっかんなっちたよ:傷口がぱっくり開いちゃってね、血だらけになっちゃった。
はっくりいす
はっくりかえす
はっくりーす
◆■はっくりけーす
はっくるーす
はっくるけーす
【動】殴り返す、張り飛ばす 『げ』は濁音・鼻濁音。『張り』+『返す』。『集覧:行』。
はっくりけーす:群馬。
はっくりーる
はっくるーる
【動】ひっくり返る 『げ』は濁音・鼻濁音。
はっくりかえる:東京青梅。はっくらした:ひっくり返った。
ばっくれ 出来の悪い物・人
ばっくれる 【動】@壊れる、Aしらばくれる 標準語の俗語である『ばっくれる』は『しらばっくれる』意味。転じて、『逃げ出す』『学校をさぼる』(若者言葉)意味で使われる。もともとは、警察の隠語と言われる。
@『ぼっくれる・ぼっこれる』がさらに訛ったもの。
A標準語の俗語
ばっくれる:山梨。
B若者言葉。
ばっくれる:逃げる・いなくなる:神奈川。
△▽ばっけ 辞書掲載語。『まま』なら古い標準語。『集覧:無記載及び久』。
『民俗』では、久慈郡・常陸太田市・北茨城市・那珂郡・東茨城郡・新治郡・石岡市・稲敷郡・行方郡・鹿島郡で採取されている。
はけ:埼玉・富山。神奈川。
はけた:神奈川。
はけ・はけった・はぶち:崖の淵:神奈川。
ばっけ:茨城・千葉。
ぼっけ・ぼっけら:千葉。
ばっけ 化け物 『集覧:新』。
ばっかい:フキノトウ:青森・岩手・秋田・宮城。
ばっけ:フキノトウ:岩手・秋田。
(はつけ・はんつけ) 仲間はずれ 宮城。『磔』『張付け・貼付け』の意味か。
ばっけー @カキ、Aアワビ @『牡蠣』は『牡』は『ぼ・ぼう』と読む。『蠣』は『かき』と読む。別名『スミノエガキ・イタボガキ』とも呼び、『ぼがき』(辞書不掲載)と呼んだものが訛ったと考えられる。
A久慈郡。
はっけー 【形】冷たい はけ:秋田。
はっけ:秋田。
はっけおぎ
はっけおき
易者、占い師 『はっけおき(八卦置き)』。
はっけおぎ:青森。
はっけおき:秋田・山形・宮城・福島。
はっけおく:占いをする:宮城。
はっけーす 【動】@殴り返す、A早く返す @『張り』+『返す』
ばっげちょーちょ
ばっけちょーちょ
@蛾、Aクスサン(蛾の一種) A『化け蝶々』の意味。後ろ羽の黒い目玉模様がいかにも化けたかのような印象を与えるからだろう。
ばっげる
ばっける
【動】化ける
はっけーる 【動】早く帰る
はっこ 葉っぱ、歯
(ばっこ) 大便 福島。本来は『ばばっこ』
はづ
はづっこ
第1子 『初子』。
はっこ
はっこー
はーっこ
はーっこー
はっこい
【複】早く来い 古語の名残を偲ばせる言葉。末尾に『や・よ』が付くことも多い。『早来(はやこ、はよこ)』の意味。
はっこ:栃木。
はっこー:山梨。
はっこい:群馬。
〜ばっこ
っこ
【助】〜ぽっち、〜ばかり 〜ばっこ:青森・宮城。すこしばっこもほしー:少しばかりも欲しい:青森。
はっこい
はっけー
【形】冷たい、ひゃっこい 『俚言』によれば新潟でも使われる。
ばっくい:静岡。
はっこい:宮城・山形・新潟。
(はっこい) 駒下駄 静岡。
『木履(ぼくり・ぼっくり)』が訛ったと見られる。
はっこがす 【動】叩いて倒す
はっこぐる
はっこくる
【動】叩きまくる はっこくる:叩くように擦る:群馬。
はっこくれ 叩きまくること 『集覧:真』。
はっこはっこ 【副】美味しそうに食べる様 『ほくほく』の転か。
はっこぶ
はっこむ
【動】@精を出す、頑張る、一生懸命やる、A夢中になる 『張り込む』の転。=『はりごむ』
はっこーや
はっこーよ
【複】早く来いよ
(はっさみよー) 【複】大変だよ 沖縄。=『あきさみよー』
っさり 【副】全く、すっかり、急に途絶える様 『さっぱり』『ぱったり』あたりと関係がありそうだ。
ばっさ:非常に:福岡。
はづさんや 三夜講の年明け初めての行事。婦人が会合し会食する。 1月23日の行事。
(ばっしらいん) 【複】忘れられない 沖縄。
ばっしり 【副】しっかりと、ばっちり
ばっしりしめる
ばっしりたてる
【副】戸や障子をしっかり閉める 『集覧:無記載』。
はづぜっく 初節句
ばった メンコ あ』あ』の方がメジャーだった。
ばった:東北。
った:宮城・福島。
ばった @ニワトリ、Aアヒル 他方言を見ても、『ばった』とは価値の無いものであることは間違いない。標準語の『ばった』にも同じ歴史的な経緯があったと思われる。神奈川の漁師の兎の狩猟の忌み言葉に『ばった』があるという。
@稲敷郡。
A鹿島郡。
ばった カマキリ 特殊方言で、本州に散在する。
ばった トノサマバッタ
ばった 藁鉄砲 西茨城郡。
ばった のろいこと 鹿島郡。
はったおす 【動】殴り倒す 『張り倒す・撲り倒す』。
はったおす:群馬・神奈川。
ばったかい
ばったけー
鶏を買う人 『集覧:稲』。『ばった』は『端』(はた)で端材のように価値の無いものか、あるいは古い標準語の『ばった』((「―に売る」の形で) 大安売り・投げ売りに売る。「ばったりに売る」)(広辞苑)の流れか。別に『ばったや』(正規のルートを通さず手に入れた品を極端に安い値段で売る人。)がある。現代の『ばた屋』(ごみ箱や道路上の紙屑・ぼろ・金物などを回収して生活する人。屑拾い。)に通じる。
ばったかい
ばったけー
ばったっかい
ばったっけー
カラスガイ 『ばだっかい』。『価値の無い貝』『端貝』の意味。
ばったいる
ばったえろ
ばったえる
ばったーる
ばった
ヒキガエル 『集覧:新』。
方言地図によると、茨城南西部にあるマイナー方言。
『ばったや』(正規のルートを通さず手に入れた品を極端に安い値段で売る人。)と関係があるか。
ばったぐする
はったぐする
はったくする
【動】差し支える、困惑する 『集覧:北』。『はたとする』意味だろう。
(はったけ) キノコ 静岡。
はったす
はったーす
【動】殴り倒す 『張り倒す』。
ったす:東京青梅。
はったす:東京青梅。
はったーす:群馬・東京青梅。
ばったすった 【形動】忙しくてばたばたする様、【名】もめごと 『どったすった』
はったど 【副】全く、すっかり 『はったと』。
はったど:山形。
はったり:鹿児島。
ばっため バッタ ばっため:八丈島。
ばっためし 鳥飯
ばったら
ったら
【副】@突然出会う様、A一面に、隙間無く、Bぎりぎりいっぱい @『ばったり』。
ばったら:埼玉。
Aべったり?、どっぷり?。
はったり @▲なぐること。喧嘩(ケンカ)をしかけておどすこと。A実状よりも誇大に言ったり、ふるまったりすること。 『集覧:稲・新・真』。
@集覧には『恐嚇すること』とある。現代標準語ではこの意味で使われるとは少ない。
はったり:リンチ:岩手。
ばったり 【副】@突然出会う様、A一面に、隙間無く、Bぎりぎりいっぱい、Cがっかり @標準語。
B調布生まれの友人も使っている訛。関東圏の訛と考えられる。『はったり』(十分なさま。適当なさま。しっかりしたさま)の流れか?。
C倒れるように肩をおとしす意味か?
ばったり @小鳥を捕る罠、Aわらでっぽう
◎ばったり
ばったりすいしゃ

ばったんしゃ
シーソー式の水車 広辞苑には『ばったり:山中の田畑で鳥獣をおどしはらうために、水流を利用して大きな音を立てるようにした装置。また、それを利用した水唐臼。添水(ソウズ)。』とある。
ばったり:米をつく水車:秋田・山形・宮城・群馬・長野。
ばったん
ばったんこ
機織機 『八端』が転じたか?。
ばっだんと 【副】ばたんと、ばたりと
ばったんばったん
ばったんどったん
【形動】@暴れる様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様 『ばたばた、どたばた、どたどた』。
◆▲□△▽ばっち 末っ子 『ばっし・まっし(末子)』の転。茨城方言の代表語。『丁稚』(でっち)が『弟子』から転じたのと同じ。
ばっち:秋田・宮城・福島・千葉・栃木・八丈島。
ばっち:未婚の婦人:長崎。
ばっつ:秋田・山形・宮城。
ばっち 『集覧:新』。『ばっけ・はけ』が訛ったか、『抜地』の意味か?。赤土の崖を『あかばっち』と言う。
〜ばっち 【助】〜しか、〜ばかり、〜ぽっち 江戸言葉の『〜はっちゃ』の名残りと思われる。
ばっちい
ばばっちい
【形】汚い 標準語、幼児言葉。『ばばしい』(糞尿)の転。
ばっちい:長野。
ばばい:長野。
(はっちく・はってく) 【動】去る、逃げる 鹿児島。『去って行く』意味か。
ばっちこ
ばっちっこ
末っ子 『ばっし(末子)』の転。『丁稚』(でっち)が『弟子』から転じたのと同じ。
ばっちこ:山形・福島。
ばっつこ:山形・宮城。
ばばっち:山形。
ばっちのばがぞー ばっし(末っ子)は甘やかされて育っているので馬鹿だという意味。『末っ子の馬鹿蔵』。県北部では『ばっちのばげぞー』と言う。
ばっちむすこ 末息子 ばっちむすこ:宮城。
ばっちむすめ 末娘
ばっちめ 小鳥を取る道具の1種 『ぶっちめ』
ばっちめ 末っ子 『ばっし(末子)』の転。
はっちめる 【動】殴る、こらしめる 『張り締める』。
はっちゃ 【動】剥がす
はっちゃぎ
はっちゃき
一生懸命 TV流行語の『はっちゃけ』(暴れん坊)の影響か?。ネットを調べると現代では北海道で使われる。
『張り裂けるような気』の意味か。
はっちゃがり:お転婆:青森。
はっちゃぎ:青森。
はっちゃげる 【動】張り裂ける
(はっちゃる) 【動】煽てる 静岡。
はっちゃ 【動】跳ね上げる はっちゃ:青森。
はーっちゃった 【複】もう行っちゃった
はっちめる 【動】殴る 『張り締める』。
ばっちゃん
ばっちゃま
ばっつぁ
ばっつぁま
ばっつぁん
祖母 ばっちゃ:青森。
ばっちゃん 【形動】物が水に落ちる様や音、ぽちゃん ばっちゃん:群馬。
はっちょ 『八丁、八町』(物事に巧みなこと)が転じたと考えられる。『嘘八丁』『口八丁手八丁』。
ばっちら 【形動】【副】ばっちり
(はっちらかす) 【動】ひっかきまわす 神奈川。
ばっちらかす:散らかす・乱雑にする:静岡。
(ばっちらる・ばっちらー) 【動】争い合う 静岡。
(ばっちら 【副】乱雑に 東京三鷹。
(ばっちらーす) 【動】あわてふためく、われ先にと争う 長野。
(ばっちらっこ) 奪い合い 東京多摩。
(はっちる) 【動】張り裂ける 静岡。
ばっちん 小鳥を取る道具の一種 『首打・機』(こぶち)は広辞苑に『(カウベウチの約) 獣や野鳥の首を打ち挟んで捕える罠(ワナ)。鼠とりもある。くびち。』とある。茨城では『ぶっちめ』とも言う。
くびりっちょ:神奈川。
っちん:神奈川。
ぶっつぶし:神奈川。
ぶっつめ:神奈川。
べろり・ろり:神奈川。
(ばっちんぐれ) 七転八倒 鹿児島。
(はっちんぼーず・はっちんやろー) 価値の無い人 神奈川。
広辞苑には『八神:天皇の身を守護する八柱の神々。神祇官の八神殿に奉斎され、一八七二年(明治五)天神地祇と合せて宮中の神殿に祀られた。神産日(カミムスビ)神・高御産日(タカミムスビ)神・玉積産日(タマツメムスビ)神・生産日(イクムスビ)神・足産日(タルムスビ)神・大宮売(オオミヤノメ)神・御食津(ミケツ)神・事代主(コトシロヌシ)
神の称。』がある。
はっつぁぎ 日立市の海水浴場 『初崎』。県北部の地元の方言。
はっつぁげる 【動】張り裂ける 『はっちゃげる』
はっつがる
はっつかる
【動】貼りついている 状態表現。
はっつぐ
はっつく
【動】貼り付く
はっつぐばる
はっつくばる
【動】這いつくばる その昔は『へっつくばる』『へーつくばる』
はっつげ 仲間外れ、村八分 もともとは『磔・張りつけ』の刑が転じたと考えられる
っつけ メンコ
はっつげる
◆▲はっつける
【動】@貼り付ける、A▲殴る 『集覧:行』。
@江戸以前の処刑法に『逆磔(さかばりつけ)』がある。広辞苑には『逆磔:武家時代の極刑。罪人の身体を逆さまにして行う磔。さかばっつけ。さかさばっつけ。さかさはりつけ。さかはたもの。』とあり、『はっつける』は古くは使われていた可能性が高い。磔(はりつけ)は単に『はっつけ』とも言った。
はっつける:福島。
はっつげる:千葉銚子。
A『張り付ける』。
はっつける:福島。
Bその他。
はっつける:殴られる:長野。
はっつな 垣根の横木の割竹 茨城方言集覧では旧真壁郡の方言で『垣を結ぶ割竹』とある。竹の垣根を結ぶ張り綱(多くはシュロ縄)の意味が転じたか『貼りつなぎ』の意味と考えられる。
っつら
っつり
【形動】(服などが)ぴったり、【副】ぴんと 『集覧:久』。当時しばしば使われた言葉。『はっつく』の形容動詞形か。
っつら:栃木。
っづと・っつと・っつりと・つりと:ぱっちり:山形。
っづと・っつと・っつりと・つりと:豆などがしっかり入っている様・ご飯が程よく炊けた様:山形。
っつんっつん 【形動】(服などが)ぴったりしている様子
(はって) 羽二重 鹿児島。
(はって) 端、果て 宮城。『端手』の意味か。
〜ばって
〜ばっても
【助】〜だけれど、〜にしても、〜(し)ても 『〜ばとて』『〜をばとて』
『方言周囲論』の代表語であるが関東では茨城にしか無い。ただし、東北の場合は『それだばって』と『だ』を挟むが、九州では、代名詞に続く場合は、『そいじゃばって』となるほか、『そるばって』『そりばって』『そりゃぁそうばってん』と『じゃ』抜きとなる。茨城では、代名詞に続く場合は『だ』が付くが動詞に続く場合は『だ』は付かない。九州の『〜ばってん』は茨城の『〜ばっても』に該当するのではないかと考えられる。中間領域の佐渡に残るのも興味深い。
〜ばって:青森・秋田。
〜ばってい:佐渡島。
〜ばってん:佐渡島・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分。
〜ばて:青森・秋田。
おれやるばっておめはなにすんだ:俺がやるにしてもお前は何するんだ
はーてしまった 【複】行ってしまった 『集覧:久』。『はー行ってしまった』の意味か。=『はーっちゃった』
八丈島では動かないことを『はってもしやらぬ』と言う。
(ばってら・ばってーら) ボート、小船 ポルトガル語『バッテーラ【bateira】』に由来する外来語。現代では方言に残る。しかし、誰でも耳にした記憶のある言葉でもある。
関西では小船に見立てて『鯖の押鮨』を『ばってら』と言う。
ばってら:長崎・鹿児島。
ってーら:明治維新の盛岡・種子島。
〜はってる 【複】〜(し)ている これは現代では関西方言そのものである。『〜さっている』。
ばっとー びり 『末等』の意味で『1等』の対語。
おめはまだびりでばっとーしょーだな:お前はまたびりだから『びり賞』だな。
■▲はっとばす 【動】張り飛ばす、殴りとばす 『集覧:新・真』。典型的な促音化。
はっとばす:福島。
はっとわす:群馬。
ばっとぼー バット
(はづな) 手綱 静岡。
広辞苑に『はりづな【張綱】:馬の口につけて左右へ引っ張る綱。』とある。
◆▲はっ 『集覧:新』。地元では方言と思われているのが面白い。もともとは『葉々』だったと考えられるが辞書には無い。
はっ:福島。
ばっば
■▲ばっ
ばっやま
ばっやん
お婆さん 『ばっは幼児言葉。『集覧:新』。『婆』が促音化しそれに伴って『ば』が『ぱ』に変化したもの。
ばっ:宮城・福島・栃木・八丈島。
ばっ:千葉銚子。
ばっやん:福島。
@タバコ、煙管、Aタバコを吸う様 @古い幼児語。
:鹿児島。


がど

ーっっと

【副】さっさと、急いで 『ぱっと』(事態の変化や動作などが急なさま。)が転じたと考えられる。
:山梨。
はっはっ:お終いお終い:静岡。
んする:早くする:山梨。
はっかげる 【動】発破を掛ける はっーかける:神奈川。
はっぱが 【動】はがす 『剥ぎ剥がす』意味。
はっぱが:福島。
【副】ぎりぎり、かつかつ 『端端』(はつはつ)。
はすはす・はずはず:西日本。
:太っている様・中身が一杯に入っている様:山形。
はつはつ:静岡。
はっはど
はっはと
【副】@はあはあと、Aはらはら @・はかはか:宮城。
っと
ぱぱ
【副】ぱっぱと、さっさと
はっ 『葉つ原』の意味。
はっ:千葉。
はっ 【形動】さっぱり サ行音がは行音に変わるのは津軽弁の特徴。ここにその萌芽が見られる。
また、標準語の俗語では『さっぱ』とも言う。
はっ:宮城。
はっ:岩手・宮城。
はっ:宮城。
(はっ・はっ・はっや・はっー・はっーや) 掘っ立て小屋 神奈川。
(ばっ 罰として無理に飲ませる酒。罰酒。 鹿児島。『罰杯』。
はっ 【複】@貼ろう、貼るだろう、A張ろう、張るだろう
(ばっー) 【動】間違う。失敗する 沖縄。『罰杯』に由来するか。
はっぺが 【動】はがす 『剥ぎ剥がす』意味。
はっ 大食漢 『腹減らし』の意味か。『集覧:那』。『減らし』は近世に『減す・拆す』と言った。
はっ 【動】貼る 『貼り圧す』意味。
はっずる 【動】削る 『剥ぎ削る』意味。
(ばっーた・ばっーたん) 【複】間違えた。失敗した。とちった。 沖縄。『罰杯』に由来するか。
はっ 大食漢 『集覧:那』。『腹減らし』の意味。
(はっー) 長野。
『破風』が転じたとされる。
はづみみ 初耳 濁音化。
ばつむ 【動】恥じる 『集覧:久』。『恥づ』の擬似動詞形と思われる。
はづめ
はづめー
【形動】利発な様、賢い様 やや古い標準語の『発明』の転。
はづめ:秋田。
はつめー:石川。
はづもぢ 小正月につく餅 1月14日。
はづもの
はづもん
初物
ばづる 【動】罰を受ける 当時の新方言と思われる。
はつる 【動】削る、皮をはぐ 『はつる(斫る、削る)』は『材料等を薄く削り取る』意味、建築土木の専門用語では一般に一度打設したコンクリートの表面を削り取る意味。そのような工事を『はつり(斫り)工事』と言う。千葉・奈良・高知・山口ではまさかりを『はつり』と言う。
もともと『削る』は、『へづる・へずる・へつる』とも言い、『減らす』と同じ語源と推測される。
はつる:打つ:長野・石川・福井・岡山・広島・大分・熊本。
はつれ 外れ
はで
はーで
はでど
はーでど
はでな
はーでなー
はでなや
はでなやー
はでなよ
はでなよー
はでや
はでやー
はでやなー
はでよ
はでよー
はでよなー
はでよなー
【感】はて 左の例はほんの一部で、原型に『ど、どー、どな、どなや、どなよ、どや、どーや、どよ、どーよ、どよな、な、なー、なや、なーや、なよ、なよー、なーよ、や、やー、やな、やなー、よ、よー、よな、よなー』等が加わることが多いのも特徴である。意味は各々微妙に異なる。
はで:福島。
ーてー パーティー
はでさで 【感】はてさて
はでしもねー 【複】限が無い 『果てしもない』。
はでっこ 嘔吐 『はぜっこ』
はでな
はーでな
【複】はてな? 現代語に約せば『はてな』だが、『さてどうしたものだろう』と言う意味。所謂『はてなマーク』の意味とはニュアンスが異なる。
はでもねー 【複】限が無い 『果てもない』。
ばでる
ばてる
【動】疲れる 『くたばる』を疲れる意味と疲れる意味で使われたのと同じように、元は『果てる』だったと見られる。
ばてる:静岡。明治の静岡で方言と認識された言葉。
はでる
はてる
【動】死ぬ 『果てる』。文語的な表現である。『果てる』が転じたとされる『ばてる』(疲れる)は今でも良く使われる。
はてんぼー 乱暴な遊び、乱暴者、おてんば 『集覧:鹿』。『破天荒』が訛ったか『破天坊』の意味と思われる。
はど ハト、キジバト はど:青森。
はどとまる
はどとまる
はととまる
はどめとまる
【慣】眠そうな目になる 正しくは『目に鳩が停まる』。多くは子供の眠そうな様子を言う。
はど ガガイモ 『鳩の実』の意味で鳩が良く食べたのだろうか。
はどご はとこ はどご:青森。
はどす 【動】外す
(場と間) 広辞苑には、
:(「には(庭)」の転)
@物事の行われる広いところ。場所。A物事の行われる時機・局面。ばあい。B特に、戦場をいう。仕場(シバ)。C演劇で、或る幕のうち、舞台装置の変換が行われず、同じ場面で終始し一区切りとなる部分。D取引所内の売買取引をなす場所、すなわち取引所立会場。E〔理〕(field) 空間の各点ごとに或る物理量Aが与えられている時、Aの場が存在するといい、Aを場の量という。力の場、速度の場、電磁場、重力場の類。F〔心〕心的過程や社会現象の生起する状況を全体構造としてとらえ、動的な過程としてそれを記述または説明するための用語。』
:@物と物、または事と事のあいだ。あい。間隔。1)あいだの空間。すきま。2)あいだの時間。ひま。いとま。3)ある事にあてる一続きの時間。A 長さの単位。1)家など、建物の柱と柱とのあいだ。けん。畳の寸法にいう語。京間は曲尺(カネジヤク)で六尺三寸と三尺一寸五分、田舎間は五尺八寸と二尺九寸。B家の内部で、屏風・ふすまなどによって仕切られたところ。1)家の一しきりをなしている室。へや。室町時代、部屋の広さの単位。坪。2)部屋の数を数える語。C日本の音楽や踊りで、所期のリズムを生むための休拍や句と句との間隙。転じて、全体のリズム感。D芝居で、余韻を残すために台詞(セリフ)と台詞との間に置く無言の時間。Eほどよいころあい。おり。しおどき。機会。めぐりあわせ。Fその場の様子。ぐあい。ばつ。G船の泊る所。ふながかり。』とある。
『場』は特定の空間を表し、『間』は間の空間や室内等の閉ざされた空間を表すようである。
方言の感覚ではバ行音はマ行音の濁音とも言え、『間』=『場』と思えてならない。漢語の影響はあっても、『馬(むま)』が『うま』を経て『うば』『ば』になっても不思議は無い。
はどめ ハト、キジバト はとめ:八丈島。
◎はな @鼻、A鼻汁、鼻水、B端、先端、C始め、C【接尾】(多く、連濁してバナとなる。動詞の連用形について) その動作をしはじめた頃、或いは動作に入った直後の意を表す。 茨城ではこのほか『鰹節の頭部・船首』の意味で使う地域がある
A『洟』。
はな:群馬。
B『端』。
はな:岬:岩手・岡山・高知。
C『端』。
はな:東京・静岡。明治の静岡で方言と認識された言葉。
はなぇー:静岡。
はなり:静岡。動詞『はなる』の名詞形と見られる。
はながらやるぎねーんだねーのがおめ:最初からやる気が無いんじゃないの、お前は。
D・〜はな:静岡。かえりはな:帰り際。現代では濁音だが古くは清音だったと見られる。
ばな 『わ』と『は』は音通し、『は』はしばしば濁音化する。
(ばな) 福島。
標準語に対して動植物の名称の初音が濁音化する傾向は茨城にもある。
これは種類を示す最初の言葉に続く語は標準語では、例えば『あしの長いはち』は『あしながばち』と言うことから、蜂を『ばち』と言うのと同じである。また、『ヒル』を『びる』と言うのと同じで茨城方言に限らない。
〜はな 【接尾】物事を始めた時、やり始めの時 清音化。
ねーりはな:寝入りばな。
けーりはな:帰り際。
ではな:出端。
はなー 土の小高く盛り上がった所 『塙』。
はーな
はーなー
【慣】もうね、すでに 東国語。
はーなー、だめがもしんね:もうね、駄目かも知れない。
(花いちもんめ) 男女一緒で遊べる唯一の遊び。掛け言葉は全国様々であるが、当時土浦の歌い方に一番近い県西部の実例を参考に一部手を加えて紹介する。茨城方言の七不思議の一つに、歌になると訛りが消えてしまうことが挙げられる。

かーって嬉しいはないちもんめ
まけーて悔しいはないちもんめ
隣のおばさんちょっと来ておくれ
おにーが怖くて行かれない
お布団かぶってちょっと来ておくれ
お布団ぼろぼろ行かれない
おかーまかぶってちょっと来ておくれ
おかーま底抜け行かれない
あーの子が欲しい
あーの子じゃ分からん
こーの子が欲しい
こーの子じゃ分からん
相談しよう
そうしよう
はないげ
はないけ
花瓶 『花生け、花活け』。
厳密には日本古来の『花立』『花入れ』を指すが、仏壇の花筒も含むので花瓶と称して良いと思われる。
はないる
はなーいる
はなえる
【動】@据え付ける、A始める、B準備する 『端入る』意味か。
@・はなえる:埼玉。
A『はじめる』の『はじ』は『端』でもあり、『端(はな)』が元になって『端える(はなえる)』(始める意味)という言葉があってもおかしくはない。
『俚言』には『はだつ:た濁。と通ふ。はなつ也。物を始むるを云。信濃にてはねるといふに同じ也。鄙人はなへるとも云。』とある。また『はなつはなは始也。は活用言也。放縦を訓り。はなといふ言をタチツテトサシスセソ両行にて活用する也。』とある。
いずれの言葉も現代辞書・古語辞典には無いが、江戸時代に使われたが定着することなく、消えてしまったものと思われる。
はだつ:岩手・山形・宮城・福島・千葉。
はないる:岩手・静岡。
はなえる:岩手・宮城・山形・山梨・広島・山口。
はなる:新潟・山梨・長野・静岡。
はなえる:岩手・宮城・山梨・広島・山口。
はなづぐ:山形。
はなり:始まり:静岡。
はなる:始まる:山梨・長野・静岡・新潟。
はなーる:始まる:静岡。
はねる:始まる:長野。
はねーる:開店する:東京三鷹。
はねーる:長野・新潟。
はんねーる:山梨。
B・はなえる:栃木。
C転じて『よく考えて行動する』の意味で使う地域もある。
はないる 【動】離れる、距離を置く r音の脱落。
はないる 【動】束ねる 土浦の方言とされるもの。『端結う』意味か。
はなおど 鼾(いびき)
ばなが
□ばなか
場中、最中 古い標準語の『場中』は『@多くの人の集まっている所。A対陣している敵味方の間の地』の意味。
一方『最中』は『@物事のまんなか。中央。中心。Aまっさかり。最中(サイチユウ)。』とある。
『場中』も『最中』も『真中』もルーツは同じと思われ遡ればいずれも当て字だろう。
はなかぐ 【動】鼾をかく 龍ヶ崎市の方言。
はなかげ 鼻ぺちゃ
(はなかっせ) 不意に出会うこと、鉢合わせ 神奈川。
はな
はなかみ
鼻紙、花紙、ちり紙、懐中紙、畳紙 当時は紙が高価だったのか節約していたのか解からないが、もっぱら新聞紙や週刊誌を鼻紙に用いた。祖父は一度使ったものを懐で乾かしてまた使っていた。いわゆる『しぼ』の入った鼻紙は40年代後半になってやっと使うようになった。
幼い頃は良い香りがしたので鼻濁音形は『花紙』の意味と思っていた。実はそれは間違いではなく『鼻紙』『花紙』は両方ある標準語でも茨城弁も訛のしくみは大きく変わらないことの証しだと思う。
ところが『俗語』によれば『今懐に持つ鼻紙といふもの』とあり、花は当て字で『鼻紙』言い換えれば『鼻かみ』が正しいようである。
実際辞書には『鼻をかむ』の『かむ』に当てられた漢字は現代語には無い。
『かむ』とは現代語では『鼻汁を息で出してふきとる。』意味だが、専門用語では『噛む・嚼む・咬む』(噛みあう)意味で使われ、広辞苑には『@上下の歯を強く合せる。歯をくいしばる。A上下の歯で物を押しくだく。咀嚼(ソシヤク)する。B歯で傷つける。咬みつく。C(遊里語) 道理を以て説き伏せる。D歯車などの歯と歯とが食い合う。Dあることがらに関わる。』とある。
はな:群馬。
はなかみ:鹿児島。
はなかむ 【動】鼻汁を息で出してふきとる 不思議なことだが、鼻をかむの『かむ』には現代では相当する漢字が無い。
はながら 【副】端から、最初から はなっから:東京三鷹。
はながる
はなかる
はなげる
はなける
【動】離れる 『離る・放る』の擬似他動詞形と思われる。
はなかん 牛の鼻にとおす輪。はながい。 『鼻輪』。
▲●はな @▲いびき、A鼻元 『集覧:真』。
@『鼻座』の意味。東関東方言と言える。
はな:宮城南部・福島東部・茨城北部西部・栃木県。
はなるま:埼玉。
はならかぐ
はならたでる
【動】鼾をかく 『俚言』には『鼻くらたてて寝る』とあるが解説がない。
はな
はなこい
はなこえ
鼻声 茨城方言の特徴は、濁音化であるが、一方何故か清音化する。古い言い方である可能性が高い。
はなったー:鼻声の人:静岡。
はなさぎ @鼻の尖端。A目の前。ごく近く。B(「端先」と書く) 先端。 @A『鼻先』。
B『端先』。
はなさき:佐渡島。
はんさき:佐渡島。
はなさる 【動】離れる、離される、離れることができる これは、方言というより古語の影響を受けた言葉か?。
はなしかだる 【動】話しをする、対話する、談話する
はなしかだり 対話、談話 おはなしかたり:宮城。
はなしのほか 話で聞いたのと異なる様 『思いの外』と同じ表現と考えられる。
★『土』:噺(はなし)の外(ほか)でがさどうも、彼此(かれこ)れはあ、小卅日(こさんじいんち)にも成(な)んべが、まあだかたでどつちから手(てえ)つけてえゝか分(わか)んねえんでがさどうもはあ、わし等(ら)方(はう)見(み)てえに洪水(みづ)ばかし出(で)たんぢや、居(ゐ)んのも厭(や)んなつちまあやうなのせ本當(ほんたう)に、さう云(ゆ)つてもこつちの方(はう)はようがすね:話に聞いたより酷いですねどうも。かれこれもう1ヶ月にもなるでしょうが、まだ全くどこから手を付けたら良いか解らないんですねどうもねえ。私なんかの所みたいにいつも洪水になったんでは、居るのも嫌になっちまうようですよ本当に。そうは言ってもこちらの方はようございますねえ。
はなしぶぎ くしゃみをしたときの飛沫 『鼻しぶき』。
(はなじょろ) 花嫁 静岡。
はなじる
はなじゅー
はなじゅる
鼻、鼻汁、鼻水 『しる』と『つゆ』は同じ語源だったのではないかと思わせる重要な方言。
はなしをする 【動】@噂する、A話題にする、B予測する 方言か否かぎりぎりの言葉。標準語ではその場によって適切な言葉の使い分けをすることが多いが、茨城では一律に『話をする』を使った。
はなたで 花瓶 『花立て』。
はなたでる 【動】鼾をかく 当時は『鼻音を立てる』意味で使った。
はなたらし
はなたれ
洟をたらしている子供、意気地のない少年、経験の浅い者 『洟垂らし』『洟垂れ』。
はなたれこぞー 洟をたらしている子供、意気地のない少年、経験の浅い者 『洟垂れ小僧』。
はなち
はなちじる
はなっち
鼻血 日本語は、上代になるほど清音の傾向がある。これはその名残なのだろうか。『鼻の血』。
はなちゆ
はなちゅゆ
はなぢゅゆ
洟、鼻汁、鼻水 『鼻のつゆ』。
はなっから 【副】端から、最初から 俗語。
はなっから:群馬・東京三鷹。
はなつき しようとする意志、望む心 『はなつき【鼻突き・鼻衝き】:はたと出合うこと。であいがしら。真正面にぶつかる意ともいう』。
はなづぎ:山形。
はなっくそ 鼻糞 むやみに促音化したのではなく、『鼻つ糞』が訛ったか。
はなっくそ:群馬。
はなっさぎ @鼻の尖端。A目の前。ごく近く。B(「端先」と書く) 先端。 @A『鼻つ先』。
B『端先』。
はなっさき:佐渡島。
はなったらし
はなったれ
洟垂らし、経験の浅い者 『洟垂らし』『洟垂れ』。
はなったらし:埼玉・東京。
はなづづ
はなつづ
はなづつ
はなつつ
はなっつ
墓に備える竹製の花立 『花筒』。
はなっつぁぎ
はなっつぁき
@鼻の尖端。A目の前。ごく近く。B(「端先」と書く) 先端。 江戸語の名残と思われる。『鼻先』。
@A・はなっつぁき:群馬・東京。
はなっつら 鼻先、鼻面 『鼻面・鼻っ面』。
はなづら:東京。
はなっと @鼻、A先端、岬 @・はなっちょ:鼻くそ:神奈川。
A・はなっと:神奈川。
◆はなっ 鼻柱、鼻端、向う気 標準語。『鼻っぱし』。
はなっ:山形。
はなっしら 鼻柱、鼻端、向う気 標準語。『鼻っ柱』。
はなっしら:群馬。
はなっ 食いしん坊 古河市の方言。『腹減らし』が訛ったとしか考えられない。
はなつゆ 洟、鼻汁、鼻水 『鼻のつゆ』。
はなつんぼ 鼻の病気等で臭いが解らなくなること 『鼻聾』。
はなてん ヘクソカズラの実、ヤマイモの実、またはそれを使った遊び ヘクソカズラの実は、指先の大きさほどの丸い羽が3枚ついている。それに唾をつけて鼻の上に載せるとぴったりくっついて言わば天狗になる。当時の子供達は四季を通じて野山に出れば様々な遊び道具に溢れていた。
▲●はなど 『集覧:久・多』。『鼻門』の意味と思われ穴の意味も込められていると思われる。
はなど:福島。
はなどり 田の耕作の際、牛馬の手綱を持つ者 『鼻取』。死語。
はなどり:神奈川・静岡。
はなどり・はなびき:嫁のあいさつ回りのときに付き添う年配の婦人:神奈川。
(はなとる) 【複】洟を拭く 鹿児島。
(ばなな) バナナ 今の子供たちは、バナナには見向きもしない。昭和30年代では果樹の代表だった。高度成長期の茨城の生活文化の中での存在は無視できない。
当時は、バナナと言えば『台湾バナナ』だった。祖父や父親が『ちぢーらに行ってくっから。』となれば、気が逸った。帰りには甘太郎かバナナが付いて来るからだ。ただ、まずは仏壇に供えないと食べられない。
はなならす 【動】鼾をかく 県南部の方言。
はなびき:いびき:秋田・宮城。
はなのき シキビ(シキミ) 『樒』。シキビの別名。『集覧:多』。
(はなはだ) 【形動】 ・随分。
ばくたい:沢山:島根。『莫大』。
・甚だ。
・非常。
もー:沢山。
(はなはだしい) 【形】 ・えらい。
・著しい。
・すごい。
といらい:茨城。
とえらい:茨城。
・甚だしい。
ぼーい:大きい:八丈島。
ぼっけもん:大物・怖いもの知らず:鹿児島。
・ものすごい。
はなはだしく 【副】 あだ:茨城。古語。接頭語・副詞。
あた:茨城・三重。古語。接頭語・副詞。
あつー:岡山。『厚く』。
・著しく。
・いやに
えら
・えらい。
・えらく。
・えれー。
がっせー:兵庫。
・かなり。
がん:佐賀。
がんこ:静岡。
・極めて。
ごっつい:大阪・徳島。
ごっ:山口。
・したたか
ずど:岡山。
ずんばい:沢山:鹿児島。
ちかっ:福岡。
たん:青森。
でかいと:沢山:富山。
でーじ:沖縄。若者言葉。
でたん:福岡。
でーれー:岡山。『どえらい』。
ばさら:福岡。
ばされ:沢山:大分。
ばち:広島。
ばっさ:福岡。
・甚だしく。
ばり:広島。
ばりばり:福岡。
はん:富山。
ばんこ:岡山。
・非常に。
・ひどく。
ぶち:広島・山口。
ふつご:島根。
ふつごなもん:沢山:島根。
ふつごによーけ:非常に沢山。島根。
ぼーく:大きく:八丈島。
ぼっけー:沢山:岡山。
ぼっこー:沢山:岡山。
ぼーれー:岡山。
ものすごい
ものすごげに:香川。
・ものすごく。
もーに:沢山。
もんげー:岡山。
はな 鼻柱、鼻端、向う気
はなばぢ
はなばち
ハナアブ、ミツバチ 『ハナアブ』は花に集まるアブ類、『ハナバチ』は花に集まる蜂類を指す。厳密には別物だが、日常語としては標準語と言っていいだろう。
はなび カヤツリグサ 言い得て妙なる言葉。かつての花火といえば線香花火が主役である。カヤツリグサは線香花火の形そのものである。
はなしゃ
はなしゃ
はなびちゃ
はなちゃ
はなびしゃ
はなしゃ
はなびしゃ
はなしゃ
鼻が低い様(人) 『はなぺちゃ』。『ひしゃげた鼻』の意味。
現代では、大きくないおっぱいを『ぺちゃぱい』などと言ったりするが、本来は、『ひしゃげたおっぱい』の意味である。
はなちょ:宮城。
(はなひゅん) 【動】くしゃみする 沖縄。古語『嚔る(はなひる)』。
(はなふぃち) 鼻風邪 沖縄。
はなみざい ニゴイ 土浦市・稲敷郡限定の方言。
はなむぐれん モクレン
はなむげ
はなむけ
【古】餞(はなむけ)、出発のお祝い、出発の祝いの贈り物 古い言葉。『出で立ち』の際に馬の鼻を行く方向に向けることから、出発の祝いの意味になったと言われる。
はなむご 花婿
はなめど
はなめと
はなめんど
はなめんと
鼻の穴 清音形の使用は限られていた。穴を『めど』と呼ぶのは東国方言。
はなめど:宮城・福島・千葉・群馬。
はなもぐれん
はなもくれん
モクレン
はなもご
はなもごさま
花婿
はなもど @鼻のつけ根。A手近い所。てもと。 『鼻許・鼻元』。
(はなもとしあん) 遠い行き先のことは考えないで、目先の事だけをこせこせ思案する事 東京。広辞苑に『はなもとじあん【鼻元思案】
:あさはかな考え。思いつき。鼻元料簡。』とある。
はなもひっかげねー 【複】まともに相手にしない様、気にしない 慣用句の『鼻にもかけない・鼻もひっかけない』。
はなもひっかけねー:埼玉。
はならがす 【動】離す、引き離す はならかす:群馬・静岡。
はならがせる
はならせる
【動】離させる
□はなわ 山などの突き出した所。また、土の小高く盛り上がった所。 『塙』。やや古い標準語。アイヌ語の『パナワ』(頭・〜の方・(〜の)縁・沖積地から見て)隆起部分の縁)に由来するという説がある。。『集覧:稲』。『圷』の対語。
柳田国男は『地名の研究』の二一節「アクツ、アクト」に常陸国誌巻十二方言の条を引用して『一面に平らかなる低き地をアクツと謂ふ。所謂と云ふ地の下の地なり。(中略)アクツと書くのはハナワを塙と書くと同様に、共に近世和製の会意文字であらう。即ち土の高き処であるからであって、土の低い部分故に圷と書くのであらう。』と書いている。
地形としての呼称に『塙』があるのは茨城だけで、地名として残るのは、秋田・福島・茨城北部で、数の上では茨城が圧倒的に多い。また『花輪』と書くのは、北海道・岩手・秋田・宮城・福島・茨城・千葉・群馬に、『花和』と書くのは、北海道・栃木に、『花和田』が埼玉に、『花和里』が山口に、『鼻輪』が青森に、『半縄』が栃木・埼玉・神奈川に、『半縄田』が群馬に、『半縄下』が埼玉にある。
はなれね
はなんね
はなんねー
【複】離れない ★『土』:俺(おら)とこちっともこら離(はな)んねえんだよ仕(し)やうねえやうだよ本當(ほんたう)に:俺のところをちっともこいつは離れないんだよ、何もできないようだよ本当に。
(はなんす) 鼻の穴 沖縄。
はにあーね
はにあーねー
【慣】しっくりしない 『歯に合う』(かむことができる。その人に適する。気にあう。)の否定形。
(はにき) 歯磨き 静岡。
ばーにする 【複】馬鹿にする
はぬがり 歯に粘りつくこと 『歯』+『泥濘る(ぬかる)』。
はぬかり:栃木・群馬。
はぬがり
はぬかり
手抜かり 『歯抜け』または『端抜かり』の意味だろう。
はぬげ (歯が)ところどころ抜けていること、転じてきちんと揃っていないこと 『歯抜け』。
(はね) 釣竿 静岡。
(〜ばね) 【複】〜(する)ついで 静岡。
なにをしばねにこれをもしろ:何をするついでにこれもしろ:静岡。
【助】〜放し 古い言葉。『はねる』
(はねあり・はねありむすめ・はねくり・はねっけーり) お転婆 神奈川。『跳ね反り・跳ねっ反り』。
◎はねあり 羽蟻
はねがす 【動】はねかけるようにする。飛ばし散らす。 死語となった標準語の『撥ねかす』の濁音化。
はねくら
はねっくら
はねっこ
はねっころ
かけっこ 『跳ね比べ』。
はねくら:福島。
はねぐりーる
はねぐりまーる
はねぐる
【動】跳ねる、跳ね回る 『げ』は濁音・鼻濁音。
はねあり・はねありむすめ・はねくり・はねっけーり:お転婆:神奈川。
はねくじげる:山形。
はねくりかえる:東京青梅。
はねくりまわる:東京青梅。
はねくる:跳ねる・暴れる:長野。
(はねげ) 鹿児島。
はねーる 【動】跳ね返る 『げ』は濁音・鼻濁音。
はねこ
はねこむし
はねこめ
△▽はねっこ
はねっこめ
イナゴ、バッタ類 当時既に死語に近かった茨城方言。『集覧:稲・行』。
はねっこ:栃木・千葉。
はねこんこ
はねこんこん
片足跳び
(はねっかえり) 反抗的な若者 埼玉。
広辞苑に『跳ね反り・跳ねっ反り:@はねかえること。反動。Aかるはずみなこと。Bおきゃんな娘。おてんば。』とある。
はねっけーる 【動】跳ね返る
はねっこ 金を出し合って物を買うこと、割勘 『集覧:北』。茨城方言集覧では『醵金して物を買うこと』とある。
はねっこ
はねっと
はねっ
渓流等で橋の無いところ、飛び越えなければならないところ 『跳ねっ処・跳ねっ処・跳ねっ場』。『集覧:真』。
はねっと:谷川に石を置いて跳ねて渡る所:群馬。
はねまーる 【動】跳ね回る、あちこち走り歩く 『跳ね回る』。
はねまる:宮城。
はねらがす 【動】(水を)撥ねさせる はねらかす:群馬。
◎はねる 【動】@終わる、A飛び散る、はじける @『跳ねる(はねる)』は(催し等が)終わる意味がある。しかし、標準語世界では今や耳にすることはない。大阪では『果てる』と言う。
はねる:東京。
がっこーはねだらはやぐかえってこおよ:学校終わったら早く帰って来いよ。
A・かーらはねちったよー:瓦が割れちゃったよ。
Bその他。
はんね:竹の弾力性を利用した兎を捕獲する罠。
◎はねる 【動】取り除く、別にする、損なう 『撥ねる(はねる)』(弾き飛ばす)。
はねる:除雪する:北海道。
はねる
はねーる
【動】@据え付ける、仕掛ける、設置する、A準備する、B始める 古い標準語の『跳ねる(はねる)』とは逆の意味になっているものもある。ルーツが異なると見られる。
『はないる』がさらに転じたものか。茨城県南部・西部では『準備する』意味の地域が多い。北部に該当する言葉は無い。私の記憶では『終わる』意味と『準備する』意味があったので、訳として双方を掲載した。
『俚言』には『さかる:上州・野州にて賑ひをいふ。はなるは初まるをいふ。』とある。
さらに『俚言』には『はだつ:た濁。と通ふ。はなつ也。物を始むるを云。信濃にてはねるといふに同じ也。鄙人はなへるとも云。』とある。
@★おだしぼーはねだらいっぐすっ:稲架の棒の据え付けが終わったら一服しよう。
B・はなえる:岩手・宮城・山梨・広島・山口。
はなぇーる:静岡。
はなづぐ:山形。
はなる:始まる:山梨・長野・静岡・新潟。
はなる:始める:長野。
はねる:始まる:長野。
はねーる:開店する:東京三鷹。
はねーる:新潟・長野・静岡。
はんねーる:山梨。
◎はねる 【動】駆ける、走る。 『跳ねる』。標準語でも使うことがある。
はねる:福島。
◎はねる 【動】瓦が割れる 土浦市の方言とされるが、建築業界の専門用語。
(歯の生え変わり) 乳歯が永久歯に生え変わった時は、確か抜けた歯を上の歯は屋根に向かって、下の歯は井戸に向かって投げると丈夫な歯になると信じられていた。
ばば 糞・屎 近世の幼児語。茨城では『価値の無いもの』の意味で多く複合語で使われる。東京では消えてしまい今では地方に残る。茨城でも古くは使われていたことは間違いないだろう。現代語の『ばばっちい』『ばっちい』はその名残と思われる。
『猫糞(ねこばば):悪行を隠して知らぬ顔をすること。落し物などを拾ってそのまま自分のものにしてしまうこと。』は『猫が脱糞後、脚で土砂をかけて糞を隠すから』だとされる。。浮世床初『五日ばかり過ぎたら帰さうといふ筈が、今日で一月になるが猫糞さ』。
ばば:青森・岩手・秋田・山形・埼玉・東京(江戸)・神奈川・山梨・静岡・岐阜・愛知・福井・滋賀・三重・京都・大阪・和歌山・兵庫・鳥取・岡山・広島・山口・徳島・愛媛・福岡・大分・長崎・熊本。東京では『ごみ・汚いもの』の意味。
『語源』には『@唐語か。Aババイ(汚)と同語根で、驚きの声バを重ねたもの。』とある。

ぱぱ:佐賀。
べべ:鹿児島。
ばば
ばばー
@めんどり、Aカブトムシの雌、Bクワガタムシ類の雌、C大型のシラウオ 『ばば』とは『糞・屎』のこと。標準語では近世の幼児語である。『ばば』は東京では『ごみ・汚いもの』の意味なので、『価値の無いもの』を『糞・屎』に例えたと見られる。
Dその他。
ばばにする:知らない顔をする・糞をする:神奈川。
(はば) 端数 静岡。
(はは) 【副】早く 神奈川。
@タバコ、Aタバコを吸う様 @は幼児語。
(ばばい) 【形】汚い 長野。幼児語。
ばばいし 花崗岩の軟弱なもの 真壁郡の方言。『糞石』の意味と思われる。
(ははえる) 【動】乾く 静岡。
はばがらしー 【形】気が引ける、遠慮したい様 『憚らし』(はばからし)。
はばがり @【名】便所、A【慣】お疲れ様、ご苦労様、お気の毒様 『憚り(はばかり』は遠慮する意味、転じて便所を表す。『はばかり』の濁音化。当時はすでに高齢者しか使っていなかった。
@・はばかり:千葉・埼玉・東京・神奈川。
ばーばがり 馬鹿ばかり
はばがりさま
はばがりさん
【慣】お疲れ様、ご苦労様、お気の毒様 『憚り様(はばかりさま)』。
はばかりさま:東京。『相手に余計な世話をやかれた時、「余計なお世話だよ」という程の意』の意味でも使われる。
はばかりさん:京都・大阪。
はばがる 【動】遠慮する 『憚る』(はばかる)。
はばぐ 【動】虫がぶんぶん羽を振る、鳥が羽ばたく 『羽振く』(はぶく)。
はばげる:吐く:山形。
ばばくそ 赤ん坊の糞 『蟹屎』。
ばばけむし ヒトリガの幼虫 『婆毛虫』の意味。終令では毛は黒いが、中令までは毛が白いのでそう呼ぶと思われるが、役に立たない虫の意味で姥捨て文化の影響か? =『たろけむし』、かすかな記憶の中に『ばばたろ』がある。
ははこ ゴギョウ 春の七草の一つで、現代ではむしろ『母子草』の方が一般的に知られている。
広辞苑に『キク科の越年草。路傍に普通で、高さ一○〜三○センチメートル。茎と葉には白い綿毛を密生。春・夏に黄色の小頭花を密につける。春の七草にいう「おぎょう」で、若い茎葉は食用。ほうこぐさ。漢名、蓬蒿・鼠麹草。』とある。
一方『御形:ハハコグサの異称。春の七草(ナナクサ)の一。おぎょう。』とある。
ばーばーしー 【形】馬鹿馬鹿しい 『ばば(糞)しい』は、『ばばっちい、ばっちい』の語源で糞尿を示す古い言葉だが、私自身が間違って『馬鹿馬鹿しい』と思い込んでいた可能性もある。
ばばじら
ばばじらうお
ばばじらお
シラウオ、大型のシラウオ 『婆・姥』は多く大きなものあるいは成長したものを意味する。
ばばすい
はばすえ
ばばすこ
オタマジャクシ 『集覧:西』。水底に居て泥を舐めているから『糞(ばば)吸い』の意味か。あるいは価値の無い意味で『婆』か。『ばばすこ』は『ばばつこ(糞の子』の意味か。
『ばばすこ』は方言地図で栃木県境に近い地域の方言。栃木県では小さなドジョウを『ばばすこ・ばばすっこ』と言う。ただし、群馬に『ばばっこ』があり、富山県には『ばばじゃっこ・ばばざっこ・ばばがある。何らかの関係があると思われる。また静岡県では『ヒキガエル』を『おば・おばえる・かえるばーさん・はとばんば』と呼ぶという。『糞』なのか『婆』なのか謎は深まるばかりである。
『ばばすこ』は、県北部から西部にかけてカマツカ(コイの一種)やドジョウを指す地域がある。
ばばすこ カマツカ、シマドジョウ・ホトケドジョウ いずれも水底に居て泥を舐めているから『糞(ばば)吸い』の意味か。あるいは価値の無い意味で『婆』か。『ばばつこ(糞の子』の意味か。
ばばすこのこども カエルの卵。 真壁郡の方言。
はばた 土方 『集覧:東・真』。
『民俗』によれば、東茨城郡・真壁郡・稲敷郡・竜ヶ崎市の方言。
『俚言』には『はばた:土石を運ぶを業とする者をいふ。軽子の類也。はばは信濃にて山崖をいへば、はばたは山崖人の義歟。崖石を運ぶをいふよりの名なるべし。』とある。
道具に由来するのか、崖に由来するのかは不明であるが、江戸言葉であったことは間違いない。
はば:土手や崖:山梨・長野・新潟。
はばた:巾の広い鍬:茨城猿島郡。
はばた:巾の広い鍬:埼玉。
はばた:栃木。
ばばたにし @モノアラガイ、Aカワニナ 食えない=役に立たない意味だろう。
はばたい
◆■はばったい
はばってー
はばてー
【形動】@巾いっぱいに拡がってる様、偉そうな様、鬱陶しい、A張った感じがする、はれぼったい、Bだるい、かったるい、Cじれったい 標準語『幅ったい』は単独ではあまり使われない。『くちはばったい』:生意気なことを言う態度。猿島郡では見栄っ張りを『はばっき』と言う。
@『はばったい』ならやや古い標準語。
はばったい:東京・神奈川。
はばったえ:山形。
はばってー:東京多摩・神奈川。
はぼってー:神奈川。晴れがましい意味もある。
A・はぼったい・はぼってー:まぶたが腫れてふくらんでいるような様:神奈川。
B ・はばったえ:山形。
★長塚節『芋掘り』:どうした兼が居なくちゃ仕事が巾(はば)ったかんべ:どうした?、兼が居なくては仕事がかったるいだろう。
はばっち
ばばっちー
【名・形・形動】汚い、ばっちい、ばばっちい 幼児語。清音化。『集覧:新』。『ばばっちい』は『ばば(糞)しい』が転じたとされる。
ばばっち:神奈川。
ぱぱっと
ぱぱーっと
【副】ぱっぱと、さっさと
ばばとんぼ @シオカラトンボの雌、Aムギワラトンボ
はばにする
はばんする
【動】@見栄を張る、A転じて自慢する 『幅』には『はぶり、威勢、勢力』の意味がある。古い標準語では『幅をする』(みえを張る。うわべを飾っていばる。)と言われた。
Bその他。
はばにする:知らない振りをする・糞をする:神奈川。
はばをする:他人に対して自分のわがままを通す・我を通す:東京。
ばばむし
ばばーむし
@カブトムシの雌、Aコガネムシの幼虫 @価値が無いもの。
A根の食害があるので厄介者の意味があるのかもしれない。姥捨て文化の影響か?、あるいは『ばば』とは古い言葉で、大便や汚いものを意味することから、堆肥に住む虫の意味か、あるいは@にに同じく価値が無いものか。
(ばばより) 紙縒り(こより)のうまくよれていないもの 東京。
(はばをする) 他人に対して自分のわがままを通す、我を通す 東京。
『幅』には『はぶり、威勢、勢力』の意味がある。古い標準語では『幅をする』(みえを張る。うわべを飾っていばる。)と言われた。
(はばをならす) 【複】巾を利かす 神奈川。
『幅』には『はぶり、威勢、勢力』の意味がある。古い標準語では『幅をする』(みえを張る。うわべを飾っていばる。)と言われた。
はびがれる 【動】はじかれる、除かれる、仲間はずれになる 『省く』の受身形。
はびぎ 仲間外れ 『省く』の名詞形の意味。
はびぐ 【動】取り除く、省く
(はびこる) 【動】 『侍り来る』『侍り凝る』意味と思われる。この種の言葉は明らかに語源が明快なのに、現代語では議論されない。
『蔓延る(はびこる)』とは、@草木がのびてひろがる。ひろがりしげる。A一杯にひろがる。B勢いがさかんになる。幅を利かせる。増長する 意味である。
はひはひ 【副】息が切れている様子 『はあはあ』の転。
はふはふ 【副】美味しそうに食べる様
ばーひーふー ジフテリア 漢方名を『馬脾風 』と言う。
ばひふ:群馬。
ばびぼ @ガガンボ、Aウスバカゲロウ 真壁郡。もともとは『ばばんぼ』ではないかと思われる。
はふ 日本建築で、屋根の切妻(キリヅマ)についている合掌形の装飾板。また、それのついている所。唐(カラ)破風・千鳥(チドリ)破風などがある。(広辞苑) 『破風・搏風』。建築専門用語。
はふ:屋根の煙出し:神奈川。
はふづくり:入母屋造り:神奈川。
(はふい) 神官 沖縄。古語『祝(はふり)』。
はぶぐ
はぶく
【動】虫がぶんぶん羽を振る、鳥が羽ばたく 『羽振く』(はぶく)。
ーぶぢ
ーぶち
メンコをやること、メンコ遊び 『メンコ打ち』の意味。
ばふばふ 【形動】だぶだぶ
はふはふ 【副】美味しそうに食べる様 擬態語と思われる。
□はふりこ 神に仕えるのを職とする者。普通には禰宜(ネギ)の次位で祭祀などに従った人。はふり。はふりと。 古語『祝子』。巫女を言う場合もある。
はべる 【動】居るの丁寧語 『侍る』。転じて『居やがる』意味にも使う。
(はべる・はーべーるー) 蝶、蛾 沖縄。『かわひらこ』の訛りとされる。
はーほい 正月14日の鳥追いの掛け声、鳥追い、どんど焼き 『わーほい』
(はぼくた) 葉が密生し過ぎる事 神奈川。
ばほばほ 【形動】だぶだぶ ばほらばほら:宮城。
□△はま @車輪、A丸太を使った子供の遊び 山車(だし)の車輪の呼び名に由来すると言われる。また『破魔』とは『破魔弓の的。藁縄(ワラナワ)をまるめてつくった輪。はまわ。』のこと。
@勝田市。=『はんま』
はま:栃木・埼玉・群馬・兵庫。
はま:下駄の歯:近畿。
はまつき:子供の補助輪付き自転車:埼玉。
A東茨城郡。輪切りにした丸太を使ったリム回しに似た遊び。=『はままわし』
(はまいん) 【動】頑張る 沖縄。
はまおぢ 祇園祭りで、神輿を霞ヶ浦の中まで担ぎ込むこと 土浦市の方言・文化。『浜降り』の意味。
(はまかけ) 建築専門用語。ガラスの小口(エッジ)部分の小さな傷を言う。割れる原因になる。特に強度がある強化ガラスではこれが致命的になり、何の衝撃も無いのに突然割れることがある。強化ガラスはしばしば框(枠の意味)無しで使われるが、特に人通りの多い扉等では常に自己崩壊の危険性をはらむ。
この場合の『はま』は、語源が定かではない。専門用語にはそのようなものが沢山ある。例えばカッターシャツ。広辞苑には『(和製語 cutter shirt) カラーとカフスがついた長袖のシャツ。もとは運動着だが、今はワイシ
ャツと区別なく用いる。』とある。実はこれは厳密には間違いらしい。関東ではスポーツシャツや登山用のシャツを指すが関西では今でもワイシャツをカッターシャツと言う。実は、最初にカラーとカフスがついた長袖のシャツを開発販売したメーカーが、スポーツシャツとして『勝ったシャツ』を文字って作った商品名に由来するという。
さて『はま』に戻ると、山梨の方言に山の岨すなわち崖を『はま』と言う。神奈川では土手を『はま』、土手の斜面の部分や土手を『どてっま』と言う地域がある。崖を示す古い言葉に『まま』があり、関東から東北にかけては『はけ』と言う。これから、切り立った崖と同じく、切った断面であるガラスの小口を『はけ』『まま』の合成語の『はま』になったのかは解らない。破った場所の意味で『破間』の意味なのかもしれない。
いずれにせよ、物の切断面を『はま』と言うのはガラス業界にしかなく、もしかしたら、ガラス会社の創設者が生まれ故郷の方言を使って命名した可能性もあるだろう。
はまぎ
はまき
はまぎむし
はまきむし
イチモンジセセリの幼虫 『葉巻虫』。イチモンジセセリの幼虫は、稲科の植物の葉をたたんでその中に入っているのでそう呼ばれる。標準語のハマキムシは、セセリチョウ類・ハマキガ類等の幼虫で、樹木の葉をたたんだり合わせたりするもの一般を指すが、土浦ではイチモンジセセリが多いのか限定して呼ばれている。
(はまぐい) ハマグリ 鹿児島。
はま
はまざき
はまざぐ
□☆はまざく
ボウフウ、ハマボウフウ 『俚言』に『はまざく:防風を常陸国海辺の人かくいへり。』とある。
この場合の『ざぐ・ざく』は、『柵』だとすると、防風のための柵代わりになる植物かと思ってしまうが、『防風』とは感冒薬を意味するらしい。
ーまーし メンコを回す遊び メンコの本来の遊びではなく、『じーえんまーし』丸く平たいものならなんでもできる遊び。
はーまー 【感】んー、まあ
▲▼はまぜ
▲▼はまそい
海浜地域の西南の風、東南風 『集覧:無記載』。『ぜ』は『背』、『そい』は『岨』で、山の急斜面を指す。『山背風』が短縮して『山背』があるように、『浜背・浜岨』があってもおかしくはない。古語でで間接的に風を表す語は、『し・ち・て』がある。
『日本方言大辞典』では、『浜沿』と当てている。
はまぞい:西南風:静岡。
(はーまつ) 浜松 静岡。
はまっ
はまっ
浜の人
はままわし 子供の遊びの一種 『はんままーし』の古形。輪切りにした丸太を使ったリム回しに似た遊び。山車(だし)の車輪の呼び名に由来すると言われる。また『破魔』とは『破魔弓の的。藁縄(ワラナワ)をまるめてつくった輪。はまわ。』のこと。
はまりごむ
◎はまりこむ
【動】のめりこむ
(はまる) 【動】奮発する 鹿児島。
(はまんこら) 浜辺 鹿児島。
『ん』は格助詞『の』、『こ』は場所を示す『処』、『ら』は方向・場所を示す接尾語『等』と考えられる。
方言には、現代に受け継がれた標準語に準じた一定のルールがある一例と考えられる。
はみ くつわ 現代では乗馬用語にしか残っていない。
(はみ) 鳥獣の餌 鹿児島。『食み(はみ)』。
はみ 歯磨き はに:静岡。
はみぐれる 【動】はみ出す はみでぎる:山形。
はむ 【動】食べる 古い標準語。『食む』。現代語では『虫食む・蝕む』(むしばむ)にその形跡が残る。また馬に銜えさせる轡(くつわ)を『馬銜』(はみ)と言う。
(はむ) 【動】這う 静岡。
はむぐ 【動】はむかう 本来は相手に向かって歯をむき出して向かえたり、刀を向ける意味。それが敵対する意味に変じた。
はめ
はめいだ
はめいた
羽目、羽目板 建物に板を平坦に張ったものまたはその板。横に張る場合は横羽目。縦は竪羽目。外壁等で雨仕舞いの関係から少し重ねた場合は、下見張り、下見板張り、南京下見等と呼ぶ。
(はーめー) お婆さん 沖縄。
(はめつくる) 【動】働く 鹿児島。
はめっこ 性交 方言とも言いがたい。
はめんこ:千葉。
はめる 【動】@嵌める、だます、Aはめ込む 標準語。現在では『はめやがったな』等の汚い言葉のほか、『当て嵌める』が特に使われる。
はめる:仲間に入れる:山形。
はめる 【動】性交する 方言とも言いがたい。
はまる:埼玉。
はめる:青森・宮城。
はも マアナゴ 現代では、関西地域の呼称であるが標準語化されている。『はも』は、ヘビと同様に『(古名はハム。ハミ(蛇類の総称)と同語源)@ハモ科の海産の硬骨魚。体形はウナギ型で、体長二メートルに達するものがある。吻はとがり、口は大きく鋭い歯をもつ。背部は灰褐色、腹部は銀白色。体は滑らかで鱗がない。南日本に産し、関西では、はも料理の材料として珍重。A北日本で、アナゴのこと。』とある。
はも 馬具の一つ 『民俗』には詳しい解説が無いが、『馬銜(はみ)』と思われる。『馬銜』(くつわ)は当て字でもともとは『口輪』である。また『馬銜(はみ)』も同様にもともとは『喰(はみ)』である。
はーも
はもー
はーもー
【感】もう 『もーはー』とも言う
はーもーだいだ:もう駄目だ。
(はーもー) 歯が抜けた状態、またその人 沖縄。
(はもの) 恐ろしい奴、サメやシャチのように歯の強い魚 神奈川。『歯もの』の意味と言う。
はもん 刃物 はもん:鹿児島。
はやー
はーや
はーやー
【感】もう 広辞苑に『はや:(係助詞ハに間投助詞ヤの添ったもの) 感嘆の意を表す。記中「あづま―と詔云(ミコトノ)りたまひき」』とある。
はゃー:岐阜。
(ばーや) 年老いた召使いの女。 東京。
(はーや) 【感】へえ 沖縄。
〜はや
〜はやー
【複】〜はもう 『は』は主格の格助詞、『やー』は驚きの感嘆詞と見られる。
おめはやーこまったごどなー:お前はもう困ったねえ。
〜ばや 【助】@〜ば、A〜したらどうだい、〜しよう @仮定や意思の反語で、終助詞『ばや:@〜できたらなあ。〜したいなあ。Aしよう。』の意味。
茨城では、反語の意味が薄れ、仮定・条件を示す接続助詞の形をとるが強調の意味が残る。ただし反語形式似た終助詞形をとることがあるが、これは省略形で反語ではない。
はいぐしろばやよがったのに:早くすればよかったのに。
はいぐがらやってろばやなーいまんおわってだっ:今頃遣ってたらねえ、今頃終わってたろうに。
A自己の意志を控え目に表現する終助詞。…しよう。
現代では九州に少し意味を変えて主に『ばい』の形で残る。『よ』の意味に近い。
〜ばー:鹿児島。
〜ばい:佐賀・長崎・熊本。
〜ばよー:鹿児島。
〜ばん:佐賀。
〜ばんた:佐賀。『ばい、あなた』。
〜ばんも:福岡。
〜ぼー:熊本。
だいだど、やんねげればや:駄目だよ、遣らないと。
ばやー
ばやう
【動】奪い合う ばかう:福岡・長崎・鹿児島。『奪い交わす』意味か。
ばやう:宮城。
ばよう:山形。
はやあ @数え七歳で小学校に入学すること。A早仕舞い 『早上がり』。
ばやい 場合 辞書掲載語。
ばやい:鹿児島。
はやい
はーやい
【形】@早い、A速い 長音形は強調語。
@・はんやい:静岡。
A★はーやいはやい:速い速い。
ばやいさらー 【動】奪い取る
はやいごどしたな 【複】@早く終わったな、A早く(若くして)亡くなったね
はやいごどする
はやいごどやる
【複】早く終わらせる
ばやいっこ
ばやいっと

ばやころ
ばやっころ
奪い合い ばっちらっこ:神奈川。
ばやっこ:群馬。
ばやつり:宮城。
ばよえつりやえ:山形。
はやいな
はやいなや
はやいね
【感】お早う
(はやいもん) 流行り物 鹿児島。
はやお 太くて長い手綱 『早緒』。『集覧:久』。茨城方言集覧では『はやを』で『太くて長い手綱』とある。辞書では、@櫓を漕ぐとき、櫓腕の柄にかける綱。他端は船体に固定する。櫓綱。A橇や車の引き綱(大辞林)とある。
はやお:船の櫓綱:静岡。
はやおひる 12時前に食べる昼食、ブランチ 『早御昼』の意味。朝早くから農作業をした場合は、昼食は昼まで待てないので、早い時間に食べる事を言う。
はやびる:神奈川。
はや 【形動】速く走ること 『早駆け』。
はやがす
はやぐらがす
【動】@(髭などを)生やす、A孵化させる
はやぐ 【副】早く 続く言葉がか行音、た行音の場合は促音化して『はやっ』と変化することがある。
はやっけーれ:早く帰れ。
(はやくおっれ) 【複】早く帰れ 神奈川。
はやぐに 【副】早い時期に、かなり前に
はやぐうぢ 【複】早いうち
はやぐすろ 【複】早くしろ
はやぐっから 【副】早くから
ばやくら
ばやころ
奪い合い 『奪い合いっこ』の意味。『奪い合う(ばいあう)』は古い標準語。『奪い合い競』の意味。
ばやっくら:群馬。
はやしかげる 【動】けしかける 『はやす』は『囃す』。
◎はやす 【動】@大声を上げる、言いふらす、調子にのせる、A栄えさせる、B植物や毛などを生えるようにする、成長させる、のばす いずれも、現代では消えかけた言葉です。『そやす』も同様です。
どうやら、日本人は、漢字が当てられた言葉を好んで使い、無い言葉は使わない傾向があり、古い言葉で今では消えてしまった多くの言葉は、漢字が当てられなかった言葉のようです。
@『囃す』。
はやす:宮城。
はやす:あやす:神奈川。
A『栄やす』。
B『生やす』。
はやす:群馬。
△▽はやす 【動】孵化する、孵化させる 『集覧:新』。『かえす・かやす』が訛ったか『生やす』の意味が転じたと考えられる。
はえる:栃木・岐阜。
はやける:卵から孵化した状態:埼玉。
はやす:埼玉・群馬・長野・岐阜。
(はやす) 【動】あやす 神奈川。
はやっから 【複】早くから
はーやっから 【複】もう、やるから
はやっこ
はやっこー
はーやっこー
はやっこい
はーやっこい
はやっこーや
【複】早く来い 左の例はほんの一部で、原型に『な、なー、なや、なーや、なよ、なよー、なーよ、や、やー、やな、やなー、よ、よー、よな、よなー』等が加わることが多いのも特徴である。意味は各々微妙に異なる。
ばやっこ
ばやっころ
奪い合い ばやっこ:群馬。
はやっこい 【形動】冷たい 『はっこい』と『ひゃっこい』の合成語のような方言。県内全域に分布。
はやびぎ
はやびげ
はや
はや
はや引き、早退 『早引け・早引き』。
はやひるま 午前中 稲敷郡の方言。
(はやぶかし) 丸い蒸籠 静岡。
はやまる 【動】急ぎ過ぎて間違える、急いだために判断を誤る 標準語の口語から消えつつあることば。『早まる、速まる』。当時の土浦では日常的に使われた。
はやみぢ
はやみち
近道 『早道』。
はやみち:群馬。
はやめしはやそはやはしり 【慣】 『早飯早糞早走り』の意味で、『何でも素早くこなすことが大切だ』と言う意味の慣用句。軍隊用語。
はやらがす 【動】流行させる、流行らす やや古い標準語の『流行らかす』。
はやらかす:群馬。
はやらがす 【動】(髭を)生やす はやらかす:群馬。
はやり
はやりびょー
◎はやりやまい
流行病 はより:流行:静岡。
はやりませづ 流行の初め
・はやる 【動】勇み立つ、調子に乗る 『逸る、早る』。殆ど聞かれなくなった言葉。
別に『流行る』がある。静岡では『はえる』と言う。
(ばーやれ) 【複】そうですか 静岡。
静岡では『ばー』は単独で感嘆詞『まあ』の意味だから、『やれ』は関西の『やろ』(だろう)の変化したものか。
ばーやろ
ばーやろい
【感】馬鹿野郎
ばーやん おばさん 主に県北部の方言。
はよー
はよーなー
早緒 逆行同化。
ばよりん バイオリン サメの一種にバイオリンに似ている種類(サカタザメ、カスザメ、ウチワザメ)があり、『ばよりん』とも呼ばれる。
ばよりん:群馬。
はーよ
はーよー
【慣】もう、もうね 古い標準語の『はよう』(早く)の名残を思わせる言葉。実際は、『もう、さあ』のニュアンスに近い。
いったらはーよ、なぐなってだんだど:行ったらもう亡くなってたんだって。
ばら 『荊棘・茨・棘・荊』(ばら・いばら) 古い標準語。方言地図では、東海から近畿・四国に集中していることが報告されている。
ばら:長野。
ばら サルトリイバラ 『薔薇』とはもともと『荊棘』(ばら・いばら)のこと。棘のある植物の総称。
〜ばら 【接尾】人を示す名詞に添えて、複数、またはその人の階層・境涯の範囲を表す。敬意に欠けた表現に使うことが多い。 『輩・原・儕』。
現代語では『奴等』と同じ。
【助】時間に関連する言葉につけて強調する助詞、『腹』 あさっらがら:朝っぱらから。
はらー 【動】払う 意味は標準語と同じ。『引き払う』意味も『はらー』と言ったが最近の標準語ではあまり聞かなくなった。
はらる:青森。はられ:払え:青森。
はらー 【複】腹を 擬似長音形。
はらー:八丈島。
はらあーせ
はらあわせ
結婚式の儀式のひとつ。鯉またはフナの腹を合わせて子宝を願う。 『腹合わせ』はもともと向かい合うこと。
はらっかわせ:尾頭付きの魚を供するとき腹合わせに並べること:群馬。 
はらあんばい
はらあんべー
腹の具合 『腹塩梅』の意味。
(はらぇー) 波止場 静岡。
はらくちい 【慣】お腹がいっぱい やや古い標準語。『集覧:新』。『きつい』意味と思われるが、辞書に掲載されるほどメジャーな言葉だったのに、今何故死語となったのだろうか。
ばらがす 【動】ばらばらにする
はらよじれる
はらーよじれる
はらよじれる
【動】あまりのおかしさに大笑いするさま。腹の皮をよる。 『腹が捩れる』。
(はらよっちまー・はらまよっちまー) 【慣】おかしくてたまらない 神奈川。『腹が捩れる』。
(「はらから」と「やから」 広辞苑には『はらから【同胞】:@同じ母親から生れた血縁。転じて、兄弟姉妹。A同国民。どうほう。』『やから【族】:@一家一門。うからやから。A(「輩」とも書く) ともがら。なかま。党類。B不平を言い、また、口論をしかける者。』とある。
『から』とはどうやら『殻・骸』『幹・柄』の意味で、間接的に血筋を指すようである。『はらから』は『腹の柄』『やから』は『家の柄』のようで、【同胞】も【族】も和語に対して最も近い漢字を当てたようである。今では違和感があるが、血筋を最も重要視した江戸時代までの風習が、言葉として今に残されているものだろう。
もしこの言葉が復活すれば、【同胞】は『はらがら』だろうし、【族】は『やがら』だろうが、今では多く【同胞】は血筋で、【族】は『家柄』と言う。
はらきり
はらきりくぼ
◎はらきり
はらきりかんべー
はらきりさしち
はらきりむし
ジグモ 地蜘蛛の異名。『アナグモ・勘平(カンペイ)・サムライグモ・ツチグモ・ツナグモ・ズボズボ・ネヌケ・ハラキリグモ・フクログモ』がある。形状の他に自分の腹を自分で切ってしまう理不尽さが名前の一部になっている。
昆虫の少ない秋・冬の子供の遊び相手だった。垂直の築造物(塀等)があればそれに沿って細長い筒状の巣を作る。半分位が地面に埋まっていてその筒の底にクモが住んでいる。柔らかい地面であればそっと引き抜くと袋の底に居るので捕まえられるが、硬い地面では巣が途中で切れてしまう。シャベルを使わず捕まえるとそれが自慢になった。臓器のある腹はやや薄いチョコレート色でそれ以外は艶のある濃いチョコレート色をしている。
捕まえて遊んでいると自分で腹を切るのでそう呼んだ。自分で腹を切る位なので噛まれると痛い。それを利用して蜘蛛同士で戦わせた。最近横浜市周辺の公園等に行った時は必ず注意してジグモを探しているが全く見かけない。ところが最近我が家の玄関先に5〜6本の巣を見つけた。
『かんべー』は、『早野勘平』を指していると思われる。『仮名手本忠臣蔵中の人物。赤穂浪士の一人萱野三平に擬す。お軽の夫で、誤って舅を殺したと思い、自害する。』とある。
県下では他の方言として『はらきりくぼ・はらきりさしち』がある。『腹きり左七』の歴史上の経緯は目下不明。
はらくじぐ 【動】下痢する、腹を壊す 『腹を挫く』意味。
はらせわりー
はらくせわりー
はらせわるい
はらくせわるい
【形】下痢をし易い様
はらくだし
はらくだり
@下剤、A下痢
はらくだす
はらくだる
【動】下痢する 『腹を下す』『腹が下る』。
はらくぢ
はらくち
はらくぢー
◆はらくちー
はらくっち
はらくっちー
【複】お腹が一杯の様 『はらくちい』『くちい』は死語となった標準語で満腹なこと。
はらくち:福島・千葉野田・埼玉・長野。
はらくちー:千葉野田・栃木。
はらくつい:山形。
はらくっち:福島。
はらくっちー:福島。
はらくっつい:宮城。
はらちさい:青森。
★『土』:俺(お)らさうだ鮨(すし)なんざ自分(じぶん)ぢや一(ひと)つでも欲(ほ)しかねえんだから、さうだ物(もの)で滿腹(はらくち)くしたっ位(くれえ)酒(さけ)からっき甘(うま)くなくしっちゃあから
はらくぢぐなる 【動】お腹が一杯になる 『腹がくちくなる』。
はら 実子、腹を痛めたをいためた子
はらなし
はらこなし
はらっこなし
運動などをして食物の消化を助けること。 『腹熟し』。
『はらっこなし』は、『腹の熟し』すなわち元『腹つ熟し』だったと思われる。
はらっこなし:東京。
(はらさんざ・はらさんだ) 【形動】思う存分。さんざっぱら。 『腹散散』。
神奈川。神奈川では『腹一杯』の意味で使われる。
ばらす 【動】人の秘密をあばく 『集覧:稲』。
はらすいる
はらすぎる
はらすぐ
【動】腹が空く はらすいる:宮城。
はらすぎる:宮城。
はらすきる:宮城。
はらすじよれる 【動】おかしくてこらえきれない 広辞苑に『腹筋を縒る:おかしくてこらえきれない。』とある。
はらたでる 【動】腹を立てる はらかく:福岡・佐賀。
はらだくさい:思うようにいかなくていらいらする:山形。
はらだ
はらど
あいつら、やつら 『集覧:久』。
『奴輩』のことで、古くは『どはい・やつばら・しゃつばら・やっこら』とも言った。倒語の可能性もある。
(はらっかー) 腹が捩れる事 静岡。『腹の筋を縒る』の略。
(はらっかーだ・はらっかーよっちまー) 【慣】おかしくてたまらない、腹が捩れる 神奈川。『腹の皮を縒る・腹の筋を縒る』。
ばらっ
ばら
サルトリイバラの葉 『俚言』には『さるとり茨:「本草啓蒙」さるとりいばら(京)、かめいばら(筑前)、がんだちいばら(伊勢)、からたちいばら(讃岐)、からたち(土佐)、さるとりいぎ(周防)、みみづくいばら(和泉)、うまかたぐい(備前)、ぼてぐい(備後)、かんないばら(土佐)、かたら(石見)、もかきばら(仙台)、もかくばら(南部)、しやうがくばら(信濃)、さるかけいばら(越前)、さるかけいげ(肥後)、かたらぐい(安芸)、いぬばら(伊予)、いぎんどう(長門)、かごばら(上総)、五郎四郎志ば(西国)』とある。サルトリイバラは別名『山帰来・山奇量』(さんきらい)と言う。
ばらっもぢ
ばらっもち
ばらもぢ
サルトリイバラの葉で餅を挟み、焼いて食べるもの 幼い頃にばらっぱもちらしきものを食べた記憶がある。醤油をかけなかったためか、気持ちが悪くなってその後二度と食べることはなかった。現在では福島県北部と茨城県北部の料理で、千葉県には『ばらっまんじゅう』があるという。
◆■▲はらっ 下痢 ーどんどん』。『集覧:西』。
おならを『ひる』のと同じ表現で『腹を』『ひる』と言ったのだろう。
はらっくだし:群馬。『腹下し』。
はらっ:群馬。
はらっぶぐろ
はらっぐろ
はらっくろ
腹を内臓の袋に例えたもの。
はらっ 一時的に空腹をしのぐために食事することまたはそのの食事、腹塞ぎ、腹しのぎ 促音化しているのは元『腹つ塞ぎ』だったと見られる。
はらっ:東京。『塞げる』は古語なので『はらっより古いと見られる。
はらっらし すぐ腹をすかす人
はらーで 腹当て あでこ::山形。
はらとげる 【動】下痢する 『はらとける』とも言う。
(はらばい) 腹這い 腹這いとうつ伏せは、姿勢の上では何ら変わらず、腹這いは目が覚めている状態。うつ伏せは寝ている状態を指すと言う。
(はらばた) 内臓、はらわた 神奈川・静岡。
ばらひく
ばらーひく
【動】@陰に隠れて人の邪魔をする、A立場が悪くなるよう言いふらす、中傷する A・ばらをひく:茨城・群馬。
Bその他。
ばらびく:薔薇の棘で引っ掻き傷を作ること・引っ掻き傷:群馬。
はらひり
はら
はら
下痢 『腹放り』の意味。
はらっ:宮城・群馬。
はら:宮城。幼児語。
はら:宮城。
んし パラフィン紙 方言ではなく訛った和製英語。
はらぶぐろ
はらくろ
腹を内臓の袋に例えたもの。
はらふさ
はらふた
一時的に空腹をしのぐために食事することまたはそのの食事、腹塞ぎ、腹しのぎ 『塞ぐ(ふたぐ)』は古語。
はらほーだい 腹いっぱい 『腹放題』の意味。
はらわだ 内臓 『腸』。
はらわだにーぐりがいる
はらわだにーぐりげーる
【複】腸が煮え返る、腹が立つ
ばらをひく 【動】@陰に隠れて人の邪魔をする、A立場が悪くなるよう言いふらす、中傷する 『集覧:新』。
A・ばらをひく:群馬。解説に『薔薇の棘は痛いところから悪口などを意味し、悪口を言ったり立場が悪くなる様なことを言いふらす こと』とある。
(はらん) ハラン 『葉蘭』。
広辞苑には『(婆蘭・馬蘭の転) ユリ科の多年生常緑草本。地下茎をもち、葉は長大な楕円形で柄も長い。四月頃地に接して、表面緑色、内面紫色の鐘形花を上向きに開き、緑色球形の液果を結ぶ。葉は生花または料理の敷物とし、果実を薬用とする。中国の原産で、古くから庭園に栽培。根茎を利尿・強壮剤とする。』とある。
当時は、どこの家にも必ずあった植物。もてなしの際に料理を飾る必需品。今では、色とと形状を真似て、刺身等を飾り載せる緑のビニール飾りとして残っている。
ーらんくー) 『えいさー』で使う小さな片面張りの太鼓 沖縄。擬音語か。
はらんばい @腹這い、A腹具合 @『腹這いの姿勢』の意味か『腹の這い』か。俗語か。
はらんばい:東京。
A『腹塩梅』の転。
ばらんばらん 【形動】ばらばら ばんばごばえ:滅茶苦茶・ばらばら:山形。
らんらん 【副】@いい加減、ちゃらんぽらん、Aまばらな様、ぱらぱら @=『ちらんらん』
らんらん:群馬。
はらんべ
はらんべー
@腹這い、A腹具合
はらんべーぼ
はらべーぼ
腹這い
はり 時、機会 『折り』が訛ったか?。
『民俗』には北茨城市の方言で『はれー』が掲載されている。
(はり・はい) 鹿児島。
り) 沖縄。
ばり
はり
馬の尿、小便 『集覧:久』。『尿:ゆまり、ゆばり、いばり』が詰まったもの。
馬の小便の勢いは見た人でないと解らない。
『尿(ばり)』とは、広辞苑に『(「ゆばり」の略。室町時代から江戸時代にかけての語) 動物の小便。また、下賤な用語として人の小便も指した。』とある。また寝小便を『夜つ尿(よつばり)』とも呼んだ。
いばり:広島。
しばい:沖縄。
しーばい:沖縄。
しばり:奄美大島。
ばり:小便:茨城・栃木・佐渡・石川・淡路島・島根・広島・山口・高知。
ゆすばい:沖縄。
よっばり:八丈島。
よっ:八丈島。
よばり:八丈島。
よんばり:八丈島。
(はーりー) 爬龍船、または爬龍船の競漕 沖縄。
広辞苑に『爬竜:(中国の船競漕から) 沖縄各地で行われる船競漕の行事。那覇・糸満のものが有名で、五月四日に神事として行われる。』とある。
〜ばり
〜ばーり

ーり
【助】〜ばかり、〜だけ 『ばり』は江戸言葉。『浮世』には『子供衆には少(ちこ)しっばりのものでござりませう。』とある。
〜ばり:青森・岩手・秋田・山形・宮城・福島。
〜ばーり:千葉。
〜ばれ:青森。
〜ばんべー:神奈川。二重表現とも思われるが『〜をばばかり』の意味か。
ねでばりいる:寝てばかりいる。
おわっしゃったばーりだ:終わったばかりだ。
はりあい
はりえー
時、機会 折り合い。標準語の『張り合い』とは全く意味が異なる。
はりいだ 張り板 農作業の服は大半が平織りの晒し生地だったので、こまめに糊づけする必要があった。糊付けすると『張り板』に張って乾かした。この張り板に蝋を満遍なく塗って縁側に斜めに立てると即席のすべり台ができた。
はりえーわりー 【副】やり甲斐が無い 『張り合いが無い』意味。
はりかげ
はりかけ
掛け声をかけること、掛け声だけの様
はりかげらいさま
はりかげれーさま
音だけの雷 多くは筑波山方面で鳴る。
はりかげる 【動】掛け声をかける
はり 晴れ着
(ばりき) 荷馬車 東京。
広辞苑には『ばりき【馬力】:@(horsepower) 動力(仕事率)の実用単位。一秒当り七五重量キログラム‐メートルの仕事率を一仏馬力といい、七三五・五ワツトに相当する。記号 PS  一秒当り五五○フート‐ポンドを一英馬力(七四六ワツト)という。A(転じて) 精力的な力。活力。体力。B荷馬車。』とある。
『荷馬車』の意味は、斎藤秀一編の東京方言集に掲載されたもので、近世語と見られる。
はりぐらがす 【動】叩きまくる はりからかす:殴り飛ばす:山梨。
はりこがす 【動】叩き倒す
はりこぐる 【動】叩きまくる はりこくる:山梨。
(はりこぶ) 鉢合わせ、頭と頭をぶつけ合わせること 神奈川。
はりごむ 【動】@精を出す、頑張る、一生懸命やる、A夢中になる、喜び溢れる 『張り込む』。
@『張り込む』なら標準語だが今では使う人は少ない。=『はっこむ』
A辞書には『力を入れる。力をこめる。』とあり標準語とは異なる。
いーんやはりごんでいんけわ:いやあ、喜んで行ったよ。
Bその他。
はりごむ:叱り付ける:山形。
はりたぐる 【動】殴りまくる
はりっか 張子 『集覧:新』。集覧には『張籠』とある。
はりっか:神奈川。
はりっか:継ぎ・接ぎ:群馬。
はりつけ 仲間外れ 『張り付け』が仲間外れに転じたと思われる。
はんつけ:青森・岩手。
はりとーす 【動】主張を通す 『張り通す』意味。
はりとばす 【動】殴り飛ばす 『張り飛ばす』。
はりのめす 【動】叩きのめす 『張り』+『のめす』。
はりばご 裁縫箱 『針箱』。
はりはりづけ 細く切った干し大根に調味料を加えたもの はりはり:神奈川。
はりべー 手加工したベイゴマの1種。『はり』とも言う。底を削って『へそべえ』よりさらに細い針状の突起を残したもの。操作が難しいが慣れると安定した回りをし、『とご』の種類によっては、腰のある回りをする。うっかり『がっちゃ』をすると突起が取れて『ぶる』になってしまう。
はりぼーず 裁縫用具の一。綿・毛髪などを布で包んで作り、それに針を刺しておくもの。針山。 『針坊主』。
はりぼーず:神奈川。
(ハリーポッター)  ハリーポッターは、ファンタジー小説の皮切りにもなって、さらにファンタジー映画の頂点になった。その中で面白いのは、登場人物の命名である。作者の意図は知らないが、ハリーポッターは、Harry Potter(急げ(Hurry)ぶらつき!)、ハーマイオニー:Her(彼女の)−My(私の)−Honey(はちみつ)、ハグリッドは、hungry(はらぺこ)、が原型にあるような気がする。スリザリンの正体不明の先生であるスネイプは明らかにsnake(ヘビ)を意識したものだ。魔法使いに対する一般人は、マグルと言うが、madとugly(気違い・馬鹿げた、醜い)の合成語だろう。
 これをさらに発展するとすべての登場人物の命名には意味があるはずだ。日本文化とは異なり、ギリシャやローマ時代の神様なども意識しなければならないし、茨城弁の流浪の旅とよく似ている。
 また、西洋の魔法でオールマイティとされ、昭和30年代の日本で聞かれた『アブラカダブラ』は、ハリーポッターでは、『アブラケイダブラ』という言葉で登場する。また磔の呪文は『苦しめ』であるが『クローッシオ・コローッシオ』に聞こえる。馬鹿馬鹿しい話だが平たく言えば『苦労しろ。』に聞こえるのである。
 茨城では怪我をしたとき等のおまじないの言葉として『あぶらおんけんそわか』等がある。
 調べると『真言宗の『阿毘羅吽欠蘇婆訶(あびらうんけんそわか)に由来し、密教で、胎蔵界大日如来の真言。地・水・火・風・空の五大を象徴する。この真言を唱えると一切のことが成就するという。前に「おん」を、後に「蘇婆訶(ソワカ)」をつけて唱えることが多い。』がある。
 キリスト教とユダヤ教はは他の宗教からすれば、同じ宗教に見えるが、これにイスラム教が加わると面白いことがあり、それらの聖地はエルサレムにある。
はります
はりまーす
【動】殴る、殴りまわす 『張り回す』意味。『集覧:多・新・真』。
はりまぐる 【動】殴る、殴りまくる 『張りまくる』意味。『集覧:』。
はりみど
はりめど
針の穴 『針孔(めど):針の糸を通す孔。はりのみみ。みず。みみ。』。『みぞ』とも言う。針の穴は『針のめど』と言う。
はりめぞ:静岡・愛知。
はりめど:宮城・関東・群馬・長野・山梨。
はりめどとーし 針の糸通し
(はりも 【動】精を出す 静岡。
(はりゆん) 【動】晴れる 沖縄。
『晴れ居る・晴れよる』意味か。
□ばりをつく 【複】小便をする 近世語。『尿を吐く』。
(はる) 沖縄。
はる 【動】張る、殴る 標準語。『張り倒す(はりたおす)』の『張り』と同義。『集覧:真』。
はる:静岡。
(〜はる) 【助動】〜なさる 『なさる』『なはる』に変化したように、室町から江戸時代にかけて使われた軽い尊敬・親愛の意の助動詞『さる』(活用は四段型) 四段・ナ変以外の動詞の連用形につく)が変化したと見られる。
〜はいよ:〜下さい:熊本。
〜はいりょ:〜下さい:徳島。
〜はっかし:〜なさいますか:福島。
〜はる:山形・富山・福井・岐阜・滋賀・京都・大阪・奈良・三重・長崎。
〜はんしょ:〜なさって下さい:福島。
〜はんな:〜ですね:宮崎。
(はるか・はーるか) 【副】長く、久しく 長野。
文献では品詞が定義されておらず、用例も無い事から方言かどうかの判断が難しい。
『遥か』は広辞苑では名詞で『@距離または年月の遠くへだたっているさま。A程度の甚だしいさま。B気持の上でかけはなれたさま。気が進まないさま。』とある。大辞林では形容動詞である。
はるが 遥か
(はーるかぶり) 久しぶり 長野。
はるがむがし 遥か昔
はる 晴れ着 『春着』には『年始に着る新しい衣服』の意味がある。
はる:東京。
(はるき) 長野。
広辞苑に『はるき【春木】:(秋田・新潟・岐阜県で) たきぎ。また、割った薪。』とある。
(はるさー) 畑仕事をする人 沖縄。
はるしょぐ
はるしょく
春撒き 『春植え』の意味。
はるしょぐ 春の漁期 県北部。『春職』の意味か。
はるち @春撒きの畑、A▲空き地 @・はるた:一毛作の田:群馬。
はるた:湿田:神奈川。
はるた:水田:山口・高知・愛媛。
A『集覧:西』。集覧には『明地のこと』とある。古い言葉で『はるかなさま。遠く展望の開けたさま。』を『遥(はる)』と言う。
『称呼』によれば、江戸時代に筑紫(九州)で『はる』と言ったという。
貝原益軒の『日本釈名』には、『原はひろ也。音通ず。又云。ひら也。平地也。』とある。
ばる:原:沖縄。
はる:原っぱ:大分・熊本・鹿児島。
はる 中国北部の都市ハルビン
はれ
はれま
はれまー
【感】あれ、やれ、まあ、あれまあ 『俗語』掲載語。
はれ
はれー
時、機会 北茨城市。
(はれ) 晴れ着 神奈川。

れー
【複】〜ぱなし 『払い』の意味。
はれっ
はれぼってー
【形】腫れぼったい はれぼってー:神奈川。
ばれる 【動】ばらばらになる 『ばらす』の擬似自動詞形。
ばれる 【動】露見する 『集覧:真』。望ましくない言葉とされたもの。
(晴れると腫れる) 標準語の活用形は標準語世界に生活しないと難しい代表例。茨城県人にはまず理解できない。標準語のイントネーションが特化しているからである。標準語の終止形は平板なのに、『晴れてきました・晴れたね』のときだけ『は』にアクセントがあり、『晴れるでしょう』『晴れます』の場合は『れる』にアクセントがある。茨城弁では『はれっと』と言う。茨城県人が『はれできた』と言うと標準語世界では『腫れてきた』と聞こえる。この理屈を立証するのは難しい。
標準語世界で何故そのような変則的なイントネーションを生み出したかは不明だが、コミュニケーションのツールの一つだったのではないかと思われる。外国語でそのような区別をしているのは少なくとも私の知識にはない。ただ、慣習に従って標準語を話しているだけである。しかも、厳密なルールを意識しているわけではなく、見聞きした言葉をそのままコピーしているだけである。
英語のようにリズムを大事にする言語に、茨城弁が似ていることを立証できるものかもしれない。
はれぼってー 【形】腫れぼったい はれぼたえ:山形。
ばーろ
ばーろー
ばーろい
馬鹿野郎 『ばーろー』は江戸落語でも使われる。『ろ』は巻き舌である。
ばわい 場合 ばわい:青森。
はわいじゃんけん じゃんけんの掛け声の特殊例 グーは『軍艦』。チョキは『朝鮮』。パーは『ハワイ』と言う。掛け声は任意の二つを選んで言う『ぐんかんぐんかんちょーせん』等、全国にあるようだ。
はわげ タバコの葉の選別作業 『葉分け』の意味。神奈川では『はせん』(葉選)と言う。
はん スポーツ・演劇・映画・音楽またはその選手・俳優・歌手などの熱心な愛好者。 『ファン、fan』。英語教育をきちんと受けていない世代は、『ファ』を発音することができなかった。『ふあん、ふわん』と言う人もいた。
(ばん) まな板 静岡。
(はん) 【感】はい 静岡。
はーん 【感】ええ?、はあ?、ははあ? 本人は『はあ』と言ったつもりでも、鼻に抜けるためそう聞こえる。
はーん:静岡。
〜はん 【接尾】〜様 『集覧:新』。主に関西で使われるとされている言葉。
当時のNHK連続ドラマ『おはなはん』はそのまま受け入れられた。
はん:秋田・山形・神奈川・静岡。
◎はんか 【形動】未熟である様、中途半端、馬鹿 漱石の坊ちゃんにも出て来る古い標準語。『半可』。
『民俗』には、鹿島郡の方言として掲載されている。
はんか:生意気:山形・宮城。
はんか:薄馬鹿:青森。
はんかもん:向こう見ず:神奈川。
ばん
ばん
普通とはかけ離れて違っていること。 『番外』。
(はんく) お転婆 静岡。
はんかくさい
はんかくせー
【形】未熟な、小生意気な、馬鹿らしい、中途半端 『半可(はんか)臭い』。
はんかくさい:青森・岩手・石川・福井。
はんかくせ:青森。
はんかくせー:恥ずかしい・恥知らず:青森。
はんかげ 半分 『半』+『欠け』。
ばん 晩方 動詞の連用形につけて途中を示す接尾語の『掛け』を名詞にも使っていると考えられる。
『俚言』には『晩景:又晩げと云。晩がけ歟がけ反け也。景の音の略にはあらざるべし。』とある。
はんかーす 【動】口答えする この『はんか』は『半可』ではなさそうである。『反歌(はんか)』+『反す(かえす)』の転だとすると出来すぎだろうか。
ばんがだ
ばん
ばん
ばんかだ
@夕方、宵、A夜 『晩方』(ばんがた)。
ばんかだ:青森・宮城。
ばん:群馬・神奈川・山梨。
ばんかた:福島・神奈川・山梨。
ばんかじ
ばんかち
@夕方、宵、A夜 『集覧:無記載』。『ばんかじ』がさらに訛ったもの。
『民俗』には、稲敷郡の方言として掲載されている。
はんかぢ
はんけぢ
ハンカチ
(はんかもん) 向こう見ずな人 神奈川。
ばんかり
んかり
頑固者、一徹者 『番変わり』の意味だろう。『集覧:稲』。『ばんかり』は、『民俗』に、鹿島郡の方言で『怪物のひとつ』の意味で掲載されている。
ばんーり 交代、代り番 『番代わり』。
ばんけーこ:山梨。
ばんてんこ:山梨。
ばんかりたん
ばんりたん
【副】交互に、代わる代わる 『集覧:新』。
『民俗』には結城郡の方言で『ばんかりたんり』が掲載されている。
てんがりばんがり:群馬。
(はんかん) お転婆 静岡。解説には『出過ぎ女』とある。
はんき @中途半端、A雇い人を1年に満たない日数で契約すること @は『半気』の意味か。
Aは『半期』か。
Bその他。
はんき:一日おきに働きに出かける使用人:神奈川。
(はんき) 歯茎 静岡。
ばん
△▽ばんきり
ばんきばんき
【形動】毎回、その度ごと ばんきり:山形・宮城・福島・山梨・長野。
ばんきりばんきり:山形・宮城
はん @▲たらい、A▲飯櫃、B曲げ物で作った弁当箱、Cウドンや蕎麦を練る木製の浅い桶。Dたらい舟 『集覧:多・真』。
いずれも『半切:底の浅い盥(タライ)状の桶。半桶。はんぎりおけ。盤切。』に由来するもので、@ACは標準語と言っても良いと思われる。
冠婚葬祭等の時は、木製のタライ状の大型の飯櫃を使った。
@はんぎい:佐賀・鹿児島。
はん:秋田・山形・福島・佐渡島・山梨・石川・滋賀・和歌山・兵庫・島根・岡山・山口・高知。
はんきり:佐渡島。
はんじり:沖縄。沖縄では『き』が『ち』になるため正確には『はんぢり』なのかもしれない。
A・はん:栃木。
C・はん:神奈川。
はん:神奈川。
はんらがす 【動】はぐらかす
(はんくるう) 【動】叱る 鹿児島。
◆▲□△▽☆ばん
ばん
ばんかだ
@◆夕刻から夕ご飯を食べて落ち着いた頃までの時間、夕方、宵、夜、A夕食、夕飯 @古い標準語の『晩げ』。
もともとは『晩景(ばんけい)』で、古くは『ばんげい』と発音したと言われる。『集覧:新・行』。
長音形と単音形の意味の区別は無く、しばしば『ばんに』『ばんー・ばんん』に変化する。夕刻から夕ご飯を食べて落ち着いた頃の時間を表し、それ以降は『よなが』となる。『よなが』は寝る時間であり、この時間帯の訪問言葉は『こんばんは』が使われる。
各地の方言を見ても夕方と夜の意味が混在する。
『俚言』には『晩景:又晩げと云。晩がけ歟がけ反け也。景の音の略にはあらざるべし。』とある。
ばっけー:千葉。
ばんしま:夕方:静岡。
ばん:秋田・岩手・宮城・千葉・神奈川・佐渡島・長野・山梨。
ばん:神奈川。
ばん:夕方・夜:静岡。
ばん:今夜:静岡。
ばんけー:千葉
ばん:群馬。
ばんしま:夕方:福島・静岡・愛知・岐阜・福井。
ばんーしま:夕方:静岡。
ばん:夕方:静岡。
ばんんさま:夕方:静岡。
ばんんしま:夕方:静岡。
ばんのおがず:夕飯のおかず。
A標準語には『朝餉(あさげ)』はあるのに『晩餉(ばんげ)』が無いのは何故だろう。辞書には『晩餉(ばんしょう)』がある。
まま:青森。
ばん:群馬。
ばんのしたぐ:夕飯の準備。
はんけ @半分、A作物の収穫が例年の半分位のこと。 『半食』の意味か。高知では『半年』を意味する。
はんけ:半年:高知。
ばんかじ
ばんかち
夕方、宵、晩方 隣接する千葉県の方言に朝焼けを意味する『あさかじ』がある。もともと夕焼けを意味するものが夕方の意味も指すようになったとも思われる。『集覧:行』。
ばんげし:群馬。
はんけぢ @【名】ハンカチ、A【形動】ちょっとけち @濁音化。
A『半』『けち』の意味。
はんもも 桃の一種か、7月初旬頃に採れる桃と考えられる。『半夏・半夏生』とは広辞苑に『[礼記月令] 七十二候の一。夏至(ゲシ)から一一日目に当る日。太陽暦では七月二日頃。梅雨が明け田植の終期とされる。』とある。
★『土』:俺(お)ら麥打(むぶち)ん時(とき)唐箕(たうみ)立(た)ててちゃ半夏桃(はんもも)貰(もら)ったの、ひよえっと口(くち)さ入(せ)えたっきり、核(たね)までがりがり噛(かぢ)っちやったな、奇態(きたい)だよそんだ桃(もゝ)噛(かぢ)ってっと鼻(はな)ん中(なか)さ埃(ほこり)へえんねえかんな
ぱんげる 【動】破裂する、敗れる
ばんこ 順番、番 標準語には『代り番こ』がある。
ばんこ:青森。
◆▲△▽はんこ 半纏(はんてん) 『集覧:久』。『袢衣(はんこ):広辞苑には『半纏(ハンテン)のこと。袖の無いものもあり、これを「袖無しはんこ」という地方もある。』とある。
『民俗』によれば、県下広域に分布。
はんこ:福島・栃木・千葉・長野・静岡・愛知・滋賀・徳島。
はんこー:静岡。
(ばんこ) 縁台。床几。腰掛。 ポルトガル語【banco】、オランダ語【bank】に由来する外来語。現代では方言として残る。
だしばん:静岡。
ばんこ:広島・愛媛・福岡・佐賀・長崎・鹿児島。
ばんこ:踏み台:長崎。腰掛と踏み台を区別して『こしかけばんこ』『たかんばんこ』とも言う。
ばんこ:縁台:鹿児島。
ばんこや:椅子職人:横浜。
(ばんご) 鍛冶屋の雇い工 佐渡島。
広辞苑に『番子:@「散手」や「貴徳」などの舞楽で、鉾(ホコ)を持って出て舞人に渡すなどする、舞人の下役。人従ともいう。A警備に従う下役。請負辻番などの夜番人。B番太の異称。』『番太:江戸時代、町村に召し抱えられて火の番や盗人の番に当った者。非人身分の者が多く、番非人ともいわれた。江戸では番太郎といい、平民がなり、町内の番小屋に住んで駄菓子・雑貨などを売りながら、その任をつとめた。』とある。
(はん 午前中 宮城。『朝飯後』の意味か。
はんいる 【動】飛び越える 『跳ね越える』。
(はんこーからはずれる) 【慣】こちらがしっかりしていても他人への期待は当てにならない 神奈川。
はんさぐ
はんさく
@中途半端なこと、A農作物の収穫が例年の半分程度しかないこと @『はに『作』をつけて擬人化したものか。
A『半耕作』か?。
ばんこーたい
ばんこーてー
【形動】順番の様に、交代でする様
はんろし @おはぎ、Aやわらかく煮た餅 県北の方言。
@・はんろし:ぼたもち:岩手。
はんろし:宮城。
B・はんろし:うるち米で炊いた御飯を粒が残っている程度に搗くこと:群馬。
(ばんさめ) 夕方 鹿児島。『晩様』の意味か。
(はんし) 『半紙』。今では、贈答品の宛名書きの台紙か小学校の書道の時間でしか使われない紙である。
昭和30年代の贈答品の返礼には、しばしば三つ折にした半紙が使われた。何故かといえば、贈答品には必ず半紙を貼り、それに主旨と名前を書くのがルールだったからである。
今では大半がデパートに依頼するようになってしまった。
(ばんし) 勝手働き、見張り番、留守番 静岡。
広辞苑に『ばんしゅう【番衆】:武家時代、番頭(バンガシラ)に率いられ、殿中・営中に宿直勤番して雑務・警衛をつかさどった者。番方。番士。』とある。
ばんし 夕方 『今し方』と同じ語法。
ばんし:静岡・長野。
ばんしかた:静岡。
ばんしま:静岡。
はんし 半紙 熨斗紙(のしがみ)にも使った生活必需品。贈り物には必ず添えられた。
はんじぐ 半熟
はんした 一人前でないこと 『三下』と『半人前』がミックスしたような言葉。
はんした:神奈川。
はんじばん 男性用仕事着の上着のひとつ 『半襦袢』。
はんしょ 半鐘
ばんじょー 塗板(漆塗りの板で何度も書いて使う事ができる板)、手板 『ばんじょーいた』とも呼んだような記憶もある。『塗板』が黒板の古称でもある。『番匠』が使ったのでそう呼ぶのだろう。
◎ばんじょー 大工 『番匠』。古代、大工は交替で都に上り、木工寮で労務に服したためと言う。
アイヌ語では『パンチョ・バンチョー』と言う。
ばっじょ:静岡。
ばっじょー:静岡。
ばっちょー:千葉・長野。
ばんしょ:山梨・静岡・愛知。
ばんじょ:静岡。
ばんじょー:福島・千葉・山梨・神奈川・佐渡島・山梨・静岡。
ばんしょー:神奈川。
ばんじょーさん:神奈川。
はんしょうどろぼう 背の高い人をあざけっていう語。
はんしょや 半鐘を取り付けた塔 『火の見櫓』。最初は木造だったが間も無く鉄骨に変わった。火事を報ずる必須の施設。
(はんず・はんずかめ) 水瓶 鹿児島。『半挿瓶』の意味か。
(はんぞー) タライ 『半挿盥』の略。
はんぞー:福島・佐渡島・新潟・富山・山梨・岐阜。
(ばんた) 穢多 静岡。
広辞苑に『番太:江戸時代、町村に召し抱えられて火の番や盗人の番に当った者。非人身分の者が多く、番非人ともいわれた。江戸では番太郎といい、平民がなり、町内の番小屋に住んで駄菓子・雑貨などを売りながら、その任をつとめた。』とある。
〜はんだ 【複】〜はずだ 〜はんだ:静岡。
(はんだー) 負ぶい半纏 静岡。
広辞苑に『はんだ:(アンダの訛) 負傷者・罪人などを乗せてかつぐ竹製の粗末なかご。』とある。
◎はんだい お膳 『飯台』。大名膳や箱膳を言う。
はんだい:神奈川。
はんだい:桶:神奈川。
はんだぇー:飯櫃:静岡。
(ばんだい) 浅いタライ 静岡。
広辞苑に『盤台(ばんだい・はんだい):魚屋が用いる、浅くて大きい楕円形のたらい。』とある。
◎ばんだい 平たくてみにくい顔をあざけっていう語。 『盤台面』。
はんたいいし
はんたい
はんたいーし
ひっくり返し、裏返し 『が・げ』は濁音・鼻濁音。『反対返し』の意味。
はんたい:群馬。
はんたいーし:群馬。
はんたい
はんたいかし
反対側、(川の)対岸 『反対河岸』の意味か、『反対が端』が訛ったか。
はんたい:群馬。
はんたいこ
はんたいっこ
@逆のこと、A反対すること
(はんだかし) 根掛 静岡。
(半濁音) 半濁音とは、一般にはあまり知られていないが『パ行音』のことである。
研究者によると、『ハ行音』は古代には『パ行音』であったと言う報告がある。八重山諸島の方言では『花』をな』と言うのがその根拠とされる。
考えてみると、現代日本語では、『パ行音』で始まる言葉は、極めて少なく時代と共にハ行音に変化して来たのである。
ばんたび 【副】@毎回、たびたび、A毎晩 辞書には無いが死語となった古い言葉と考えられる。
@『番たび』。
ばん:その度に:静岡。
ばん:東京。『番毎』
ばんたび:神奈川・山梨。
ばんちょばんちょ:群馬。
ばんてっかーり:山梨。
ばんてっこ:山梨。
A『晩たび』。
ばんたび:群馬。
はんたら
はんたーら
米半俵分、二斗 『半俵』の意味。
はんちぐ
はんちく
【形動】中途半端 『半ちく』。清音ならあまり使われなくなった標準語。
はんちく:東京・東京多摩。
はんちくたい:悔しい・腹が立つ:岐阜。
はんちぐもん
はんちぐやろー
出来そこない、未熟者 『半ちく者』『半ちく野郎』。
ばんつぁ
ばんつぁま
ばんつぁん
祖母 ばんつぁ:山形。
ばんつぁん:宮城。
はんでー @お膳、Aハンディー @『飯台』(幾人かが並びまたは囲んで食事をする台。ちゃぶだい。箱膳(ハコゼン))。
神奈川方言にある餅を入れる容器は、特に切り餅用に一臼分を入れる木製の容器は茨城にもあったが、名前が思い出せない。
私の故郷では正月に臼で餅つきをする風習があったのは昭和30年代までで、間もなく電動餅つき機が現れた後、次第に無くなっていった。合理化の波に加えて、さらに商店に餅が出回るようになったためである。
合理化の波とは、先人達が古くから伝えてきた様々な行事の目的や精神が時代と共に薄れてしまい、農作業や経済事情に負担の大きな行事はやめようという動きである。言い換えれば、自給自足の生活を放棄し貨幣を中心とした市場主義経済に取り込まれた。その後『商品作物』という言葉が生まれたが、今では作物は商品そのもので見栄えが珍重されるようになり、曲がったキュウリや枝分かれした大根やニンジンは商品にはならない時代になってしまった。米を作らない農家が米を買って食べる時代になってしまったのである。
あかおはち:冠婚葬祭に贈る赤飯を入れる容器:神奈川。
あかはんでー:冠婚葬祭に贈る赤飯を入れる容器:神奈川。
いっとーばち:冠婚葬祭に贈る赤飯を入れる容器:神奈川。
でーけー:冠婚葬祭に贈る赤飯を入れる容器:神奈川。
はんだい:冠婚葬祭に贈る赤飯を入れる容器:神奈川。
はんで:青森・宮城。
はんでー:青森。
はんでー:冠婚葬祭に贈る赤飯を入れる容器:神奈川。
はんでー:大きな飯桶:神奈川。
はんぼ:赤飯・餅を入れる容器:神奈川。標準語では『飯びつ。飯器。』を言うが古い言葉。
もちはんぼー:赤飯・餅を入れる容器:神奈川。
はんてーこ @逆のこと、A反対すること @・はんてっくるし:神奈川。
ばんてっこ 【形動】順番の様、交代 ばんてっこー:代わる代わる:静岡。
ばんてんこ:山梨。
ばんてん:代わる代わる:静岡。
ばんど ベルト 今では高齢者しか使わない。
ばんどー 仲介すること(人)、媒介すること(人) 『集覧:真』。
(はんとかす) 【動】転ぶ 鹿児島。
(ばんどし) 夕飯 福島。
ばんとり 予約 『番取り』の意味。
はんどん (半ドンタクの略) 午後が休みの日。土曜日。 茨城ではメジャーではなかったが、先生などが言っていた。
広辞苑に『はんどん:(半ドンタクの略) 午後が休みの日。土曜日。』『どんたく:【zondag オランダ】日曜日。転じて、休日。』とある。
はんどん:東京。
◆▲はんな 手綱 『集覧:多・新・行』。本来『手綱』とは馬の轡に付けるものであるが、牛の場合は鼻輪に付ける。『鼻縄』(牛の鼻にかける縄、はなづな)を、馬の場合と同様『手綱』と理解し、名称を『鼻縄』と呼んだものが訛ったと思われる。
はづな・はんな:千葉。
ばんな 『集覧:新』。=『わんな』
当時かろうじて使われたが、間も無く無くなった方言。『輪の穴』の意味か。
わな→わんなばんなか。
バ行音とワ行音とは音通し、西洋でも『ウィルス・ビールス』と言ったりする。『ウィルス(virus)』はラテン語、『ビールス(virus)』はドイツ語で、英語では『バイラス』である。日本ではかつては『ビールス』と言ったが近年は『ウィルス』が主流となっている。経緯は不明である。
だな:三重。
わんな:神奈川。
(はんな・はんなー) 静岡。
(はんなー) 静岡。
(ばんない) 【副】どんどん、いくらでも 沖縄。『番成り』の意味か。
(はんなかす) 【動】ひどく泣かす 神奈川。『張り泣かす』意味か。
はんなぎ 半ば泣きそうになった状態
はんな 【動】殴る 『張り殴る』意味。重複言葉。
はんな:群馬・神奈川。
(はんなり) 【形動】落ち着いたはなやかさを持つさま。上品に明るいさま。視覚・聴覚・味覚にもいう。(広辞苑) 京言葉の代表。『花なり』の意味という
はんにんめー 半人前 江戸言葉。
(はんねぶる) 【動】死ぬ 鹿児島。
はんにぶゆん:沖縄。
はんのめす 【動】叩きのめす 『張りのめす』意味。
はんのめす:山梨。
(はんば) 山上の平地 静岡。『飯場』の事か。
(ばんば) 【感】ばいばい 静岡。
はんばが 【形動】半分馬鹿 大馬鹿・子馬鹿に対して『半馬鹿』の意味。
はんばぐ
はんばく
はん
はん
【形動】@中途半端、A失敗 『半白、斑白、頒白、斑駁』(はんぱく)で白黒入り混じった中途半端な様を言うのか、単に『半端』の転じたものだろう。
A中途半端がやり損なうに転じたものと考えられる。
はんばぐ
はん
他人の意見に反対し、その非を論じ攻撃すること。他より受けた非難攻撃に対して、逆に論じ返すこと。(広辞苑) 『反駁』。
はん 一日分にならない半端な仕事
(はんばた) 浜辺 静岡。広辞苑に『はまばた【浜端】:浜の水ぎわ。はまべ。』とある。
はんもの @揃っていないもの、Aおろか者
ばんばらい 終わり、最後
ばんばん 【副】十分に、この上なく、【形動】優れた様 『万々』。
んする 【動】終わりにする 幼児言葉。『ぱんぱん』は叩く意味の擬音語で、『埃を叩いて終わりにする』意味。
んする:早くする:山梨。
はん 半日 標準語の『半日』(はんび)は『奇数の日。はんのひ。』の意味。
『朔日(ついたち)』を『いっと言うのと同じと考えられるが、辞書にはない。
はんもあればでぎっかんな:半日もあればできるからね。
はん 二分したうちの片方(多くは紙等の薄いもの)、はんぺら はん:山梨。
はんびづ 衣服を入れる竹製の小型の櫃 『半櫃』。古語。
はん
はん
二分したうちの片方(多くは紙等の薄いもの) 標準語では単に『はんぺら:(紙など)薄いもの一枚。』を言うが、今では死語だろう。
広辞苑には『半片:@一きれの半分。はんきれ。:A(「半平」とも書く。一説に、駿河国の料理人半平の創製による名という) 魚のすり身に澱粉、ヤマノイモの粉末などを加え、半月形・方形などに作って蒸したもの。はんぺい。半弁(ハンベン)。はべん。)』にも通ずる。
はん:宮城・長野。
はん:東京。
はんぶ
はんぶ
はんぶんがげ
はんぶんかげ
半分 『はんぶ』は単なる訛か。『半分欠け』の意味。
はんかげ:半分にしたものの片方:青森。
はんかげ:中途半端:青森。
はんぶこ
はんぶんこ
はんぶんず
はんぶずっこ
はんぶんずっこ
はんぶんつ
【形動】【副】半分ずつ はんぶんこ:埼玉。
はんぶんずっこ:千葉・栃木・東京。
はん
はん
二分したうちの片方(多くは紙等の薄いもの)、はんぺら、半分 はん:群馬・山梨。
(はんぼ・はんぼー) 衣類を入れておく容器、大型の浅い桶 神奈川。
はんま 【形動】半端、間抜け 『半間』。『集覧:新』。『半間』と『半端』は同源らしい。
はんま:群馬・東京。
はんま 鎌等を柄に取り付ける部分の金属の輪 『胴金』。『集覧:新』。
◆▲はんま @車輪、A小さな車輪 『集覧:新』。関東方言か?。=『はんま』。輪や車輪を言う。
山車(だし)の車輪の呼び名に由来するとも言われる。また『破魔』とは『破魔弓の的。藁縄(ワラナワ)をまるめてつくった輪。はまわ。』のこと。
@土浦市。
はんま:千葉県佐原市・東京都青梅市。青梅市では輪やタイヤをも指す。
A県南部(幼児語)。
(はんまい) 飯に炊く米 『飯米』。方言地図に掲載されている茨城方言は以下の通り。
くいりょー、けしめ、しょくよーまい、はんこめ、はんりょー、ふち、ほゆーまい、ほゆーめー、ほりょーまい、』
ばんまい 夜になる前
(ばんまえ) 番、順番 宮城。『番前』の意味。
『前』には『それ相当のもの。また、そのものとしての面目。』の意味がある。
(はんまつ) 浜松 静岡。
はんままーし 自転車のリムを廻す遊び 当時は運動会の定番の競技種目でもあった。ただし名前は『自転車競走』だった。
山車(だし)の車輪の呼び名に由来すると言われる。また『破魔』とは『破魔弓の的。藁縄(ワラナワ)をまるめてつくった輪。はまわ。』のこと。
はんみぢ
◎はんみち
半里 広辞苑には『半道』はあるが一里を示す『一道』はない。
はんみち:群馬。
ばんめ
ばんめー
夜になる前
ばんめし 夕飯、夕食 『晩飯』。
はんめし 麦と米が半々のご飯 はんめし:群馬・神奈川。
はんやい 【形】早い 強調語。
はんやい:静岡。
◆●はんりょー @食事代、A飯米 @『飯料』。やや古い標準語。
ばんりょー
はんりょーか
カツオを入れる籠 『集覧:無記載』。『万両』『万両籠』の意味か。
ばいりょー:土や石を運ぶ竹製の農具:高知。『倍量』の意味か。
ばいろ:大笊:高知播多郡。『倍量』の意味か。
ばんりょー:魚篭:八丈島。
まんりょーか:魚を入れる籠:千葉。『万両籠』。
はんわげ 半分わけ、やまわけ 『半分け』。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。
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