昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。印:新編常陸国誌掲載語。印:茨城方言民俗語辞典掲載語。印:茨城弁今昔掲載語。印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。印:日本方言辞典掲載語。浪花聞書掲載語。印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例
◎て
てー
蔓植物等を絡ませる竹等の支柱 『手』。単音形なら標準語。
:神奈川。
きょーはきーりのてーたでだ:今日はキュウリの支柱立てだ。

◆▲でー
□△▽でい
@座敷、A◆奥座敷、B客間 『集覧:多・稲・猿』。典型的田の字型(四間型)平面の家では、客間を『でー・でえ』と呼ぶ場合もある。その場合は、寝殿造りの接待用の部屋に当たり後に座敷の意味を表した『出居』(でい・いでい)の転。
『方言学概論』では意味の区分をせず一括して取り扱って、『青森・岩手・山形・茨城・千葉・埼玉・群馬・神奈川・八丈島・北陸全県・中部全県・三重・和歌山で使われ、意味は、座敷・奥の間・客間・中の間等、所により様々である。』とある。
@・でー:座敷:神奈川・長野・愛知。
でーざ:座敷:長野。
A・おくのでー:山梨。
でー:奥座敷:神奈川。
でい:奥座敷:茨城筑波郡・神奈川。
でい:床の間:宮城。
B・でー:静岡。
でい:群馬。
Cその他。
しもで:下座敷:佐渡島。
でいのくち:出入口:佐渡島。
(て) 鹿児島。
でー
でえ
@台、A台地、客間 @台『だい』がなまったもの。床の間を指す地域もある。
:鹿児島。
でー:神奈川・山梨。
A局部的に高い土地などを指す。
B田の字型平面の民家で玄関に1番近い部屋を指す。
(で・でい) 鹿児島。
てー
てい
様、あり様、様子、その傾向 『体』。『てい』なら標準語。名詞や動詞に付いて連語にもなる。=『たい』。
でー 『だい』がさらに訛ったもの。
でー:青森・岡山。でーよ:誰だ:青森。
でー
てー
【感】あら、まあ、へえ てー:埼玉。
〜て
〜てー
【複】〜と言う 『〜てへ』は上代からある古い言葉。『〜てふ』の連用形。
茨城では訛って『〜てぃ・〜てぃー・〜ち・〜ちー』とも言う。
〜てー:静岡。
いったってのが:行ったって言うのかい。
〜で
〜でー
【助動】〜だよ、〜だい 助動詞。
終助詞の『〜で・〜でー』との違いは、助動詞の場合確認する意味や僅かに疑問形のニュアンスを伴うが、そのほかは同じである。言葉のルーツは異なるが、やがて同じ意味でも使われるようになったと見られる。
もともとは『だや・だよ』『だい・だえ』に変化し、逆行同化によって『でー』になったもの。江戸では『〜でい』『〜でえ』と発音された。
現代では西日本に残る。
〜で:東京多摩。
〜でい:東京。
てやんでえ:何言ってるんだい:東京。
・あにするでえ:何するんだい:山梨
・われもー何すんでー:大阪。
・けー(これ)、でー(誰)でー:岡山。
どごにいったんでー?:どこに行ったんだい。
なにやってんでー:何遣ってるんだい?。
なんででー?:どうしてだい?。
どしたんでー?:どうしたの?。
★『土』:こりや芋か何でえ:こりゃ、芋かそれとも何だい。
★『土』:桑の間でこう出来っかな、そりやそうと何處(どこ)さ作つたんでえまあ:桑の間でこういうように出来るかな、そりゃそうとどこに作ったんだい。
★『土』:さうかあ、よき、何(なん)でえ汝(わ)りや、お飯(まんま)くったばかしで
〜で
〜でー
【助動】〜(し)たい 助動詞。
のるで:乗りたい:宮城。
みでみでー:見てみたい。
〜で 【助動】〜では 今では助詞的に使われる。
茨城では多く『だ』が使われたが、たまに『で』を使う人もいた。東北で良く使われる表現でもある。
この方言は古語の『〜にてや(あるらめ)』の流れの『〜でや』がさらに訛ったものと考えられる。さらに訛って『だ』になったことは間違いないだろう。
ほーでねーがらこまんだっ:そうではないから困るんだろうが。
(〜で・〜て) 【助】 格助詞・接続助詞・終助詞。
現代では西日本に残り、東日本では消えてしまった。
広辞苑には以下の解説がある。
【助詞】(助詞ニとテが接合してつづまったもの)
1.(格助詞) 鎌倉時代以後用いられ、室町時代「にて」にとって代った。主として体言につく。
@「ある」「ない」などを伴って指定の意を示す。…の状態で。(口語では助動詞「だ」の連用形とする) 
A動作の行われる所・時・場合を示す。…において。
B手段・方法・材料を示す。…でもって。」
C理由・原因を示す。…なので。
D身分・資格を表す。…として。
E事情・状態を表す。
F期限・範囲を表す。
2.【接続助詞】 江戸時代に多く用いられ、原因・理由を表す。活用語、主に助動詞「た」につく。…ので。浄、二つ腹帯「お暇が出た―、去にまする」。浮世風呂二「よく流してくれた―、さつぱりしました」』とある。現代では西日本に残り東日本では『ので』を使う。
3.さらに【終助詞】として、『:(助動詞ツの連用形の転ともいうが、形容詞の連用形や副詞にも付くことから、ツとは
別語とする説もある) 活用語の連用形、副詞などに付く。連濁で「で」となることがある。活用語の終止形につき、軽く抑えて言う。近世以後の用法。浮世風呂前「ヤ、ゆふべは寝そびれてこまり切つた―」「あれだから油断はならぬ―」』がある。
あるで:あるので:神奈川。
〜で:〜(する)から:富山・岐阜・静岡・愛知・滋賀・山口・鹿児島等。
〜てー:〜とも:静岡。
〜て 【助】〜で 格助詞。
『にて』の流れと思われる。
『国誌』には以下が掲載されている。
これてさかえ:これでさえ。
おまいてさかえ:お前でさえ。
これは、実に興味深い記録である。まず、現代語の『で』が、『にて』に由来する有力な証拠である。
また、現代関西弁の『さかい』との関係を思わせる。『〜す』+『〜か』+『や』が原型と思われる。『え』は『や』の変形で、反語の『や』を伴っていると思われる。即ち『さありてあるらめ』の意味である。
ここで、関西弁の『そやから』が重要である。『そやさかい』もある
江戸時代の訳語の『でさえ』を現代語に訳すと『ですよ』であることに気が付く。確かに江戸時代には『そうです』を『そうでさ』と言ったし、『よ』は『や』に発して、『え・い』に変化したことは自明である。
即ち、江戸時代の『〜さかえ』とは、現代語の『〜ですから』の意味である。『〜さかい』は、『〜さかえ』と同じで、『〜やから』と同じである。
これていーのか:これで良いのか。
それていーの:それで良いの。
★『土』:どうしたもんだかな、俺(おれ)でも擔(かつ)いて歩(ある)ってんべかな、恁(かう)して置(お)いたんぢゃ仕(し)ゃうねえかんな
〜で(〜でぃ) 【助】〜て 接続助詞。
濁音化。足音便を伴う場合は清音のままとなる。現代では『で(de)』と発音するがかつては『でぃ(di)』と発音する人がいた。
しってでしんねふりしてるわ:知ってて知らない振りをしてるね。
みでぃくっから:見てくるから。
〜で
〜でー
【助】〜ぞ、〜ぜ、〜よ 終助詞。
この言葉に関する限り東西の訛りの図式は同じである。
『〜にや』『〜にてや』『〜にてぞや』。
また、『だい・だよ』が訛った〜で・〜でー』は軽い確認の意味を伴う他はほぼ同じである。
『ぞや』『ぞえ』『ぞい』『〜ぜ』『どや』『でや』『どえ』『どい』等が考えられる。茨城では『でや』も使われる。
〜で:茨城・群馬・東京青梅・東京三鷹・大阪・静岡・兵庫・奈良・和歌山・鳥取・岡山・香川・大分・佐賀。
〜でー:関西・大阪・岡山。
いくで:行くぜ:群馬・東京三鷹。
あかんでー:駄目だよ:関西。
・われもー何すんでー:大阪。
・けー(これ)、でー(誰)でー:岡山。
じょーだんだねーで:冗談じゃないよ。
はーきたでや:もう来たよ。
やったでー:やったよ。
〜て 【助】〜て 終助詞。
軽く相手を抑える場合に使う。
茨城では東日本の用法に従う。西日本では、近世の用法がそのまま残る。東日本では促音化する。以下東日本/西日本。
・遅いって/遅いて。
・遣るって/遣るーて。
・何してるって/何しとるんて。
〜てー:静岡。
〜て 『手』の意味。
うらて:裏側。
にして:西側。
めーて:前側。
〜て
〜てー
程度 状態を示す言葉。
『体』(たい・てい)の意味と考えられる。『体』には『ありさま。状態。てい。』の意味がある。『程』は比較的新しい言葉である。
〜て
〜てー
〜てぁ
〜てぃえー
〜てえー
〜てやー
〜達、手合、人、連中 『手合』とは『連中。なかま。たぐい。』の意味。茨城では古くは『てぁー・てえー』と発音していた。八丈方言でも『〜でいぇー、〜てぃえー』と言う。この方言は遠く離れた沖縄方言の『ちゃー・ちう・ちゅ・ちゅう』に該当する。うみんちゅう:海の人(漁師)、うちなーちゅう・うちなーんちゅ:沖縄の人。どぅしんちゃー:同士の人(友達)。同源と思われる。
ちなみに長塚節の『土』では『手合』と当てられている。これは、長塚節の時代には、『手合』の意味の原型がまだ伝えられていたか、長塚節の言語学の才能によると思われる。
標準語の『中』は、『なかまうち』の意味である。『手合い』『衆』は漢字が当てられてしまったために、現代ではまったく別の言葉に見えるが、『中』『手合い』『衆』のルーツは同じと思われる。
このような現象は、調べれば数多くあると推測される。日本語は、現代標準語が定まるはるか昔の漢字伝来の時期に、同様の混乱の時代があったのではないかと推測される。同じ音の言葉や類似の言葉に異なる漢字が当てられているのは、当時の言葉にどのような漢字を当てたかによるのかも知れない。
〜しゃ:八丈島。
〜しゃー:八丈島。
〜って:新潟。
〜ちう:沖縄。
〜ちぇー:沖縄。
〜ちゃー:沖縄。
〜ち:八丈島。
〜ちゅー:沖縄。
〜て:群馬。
〜てー:埼玉・群馬。
てあい:人達:東京。『手合い』。
〜でいぇー:八丈島。
〜てぃえー:八丈島。
おめらいんてー:お前の家の人達。
おらいんてー:俺の家の人。
むらんてー、むらんてーら:村の人達。
★『土』:俺(お)ら暫(しばら)くこっちへも來(き)なかったっけ、此(こ)らおつぢやあんめえか、大層(たえそ)えゝ娘(むすめ)に成(な)っちゃつたなあ、尤(もっと)もはあ恁(か)うい手合(てえ)はちっと見(み)ねえでちゃ分(わか)んなく成(な)んな直(す)だかんな、其(そ)の割(わり)にしちゃ俺(お)ら見(み)てえなもな年齡(とし)はとんねえものさな:俺はしばらくこっちにも来なかったが、これは、お継じゃないか。大層いい娘になったねえ。もっとも、もうこの類(年代)は、ちょっと見ないでいると解らなくなるのは、直ぐだからねえ。それに比べれば、俺みないな者は年はとらないものだなあ。
〜でぁ 【助】〜ぞ、〜だよ、〜よ 直訳すると『〜ぞや』。=『〜でや』。『〜じゃ』の原型と見られる。
〜であ
〜でぁ
【助動】〜では 『じゃ』のルーツの言葉。『であ』は、広辞苑に『【助動】「である」の転。室町時代の天草本に多く見え、のちの「ぢゃ」「だ」に移る過渡的な形。』とある。
断定の『にてあり』『たり』の影響も受けたと考えられる。
茨城方言では『であ』が文中語として残った可能性がある。文中では『だ』にも進化した。東北では『で』に変化し茨城でも時折『で』が使われる。
文末では標準語と同様『だ』が使われるが、『じゃ』の亜形として『ちゃ』が使われる。
さらに、文末の強調の言い方として『であ・でや・どや・どよ』がある。現代標準語を中心に考えると『どや・どよ』は明らかに『ぞや・ぞよ』を起源にして生まれた方言である。現代語の終助詞『ぜ』は、『ぞや・ぞよ』を起源にして『ぞい・ぞえ』を経て生まれたことはほぼ間違いない。『であ・でや』はその亜流と見られる。
てあい 連中、仲間、相手 標準語。『手合い』。
てやー:埼玉。
てやえ:山形。
であいちょーば 建築現場で異なる工事現場が接するエリア 『出合丁場』。
(であう) 【動】叱られる 長野。
でぁーぐ 大工 じゃーく:佐賀。
てあ 腕組み てあ:宮城。
てあらかぐ・てあらくむ:腕組みする。
でぁご
でぁーご
大根 でぇーこ:東京多摩。
てあだりばったり 【副】手当たり次第 『行き当たりばったり』の表現を借りた言い方と考えられる。
(てぁうちい) シャモ 沖縄。『軍鶏』の中国語由来語とされる。
でぁーなし 【形動】台無し
〜でぁねーが
〜でぁねーのが
【複】〜じゃないか、〜じゃないのか 〜でないかい:〜ではないか:北海道。
てあぶら 手のひらの汗
☆てあます 【動】手余す、もてあます 古い標準語。
てあまっしゃってこまったでや:手に負えなくて困ったよ。
〜てぁーら 〜達、手合、人、連中
てぁーら 【形動】平ら
てあらいざげ 出産の後、産婆た手伝い人等に振舞う酒
であるぎ 外に出ること
〜であれば 【複】〜ならば、〜(する)と、〜であらば 『〜だらば』。現代では多く『〜ならば』が使われる。
◎〜であんす 【助動】〜です 江戸時代の遊里語とされる。
〜でぁす:秋田。
てぃ
てぃー
てぃ:沖縄。沖縄では『空手』の意味もある。
(でいぃ) 出入り 鹿児島。
〜でぃ 【助】〜で 『で』の語源は『にて』である。茨城の高齢者は時に『て』を使う場合がある。『にて』の名残だろう。
現代語では音便形で左右され、『で』『て』hが使い分けられる。
『di』の発音される場合と『ぢ』と発音される場合がある。
言葉によっては後方同化の影響も考えられる。
そんでぃはだいだ・そんぢはだいだ:それではだめだ・それじゃあだめだ。
そんでぃやー、そんじやー:それでねえ。
そんでぃよー・そんじよー:それでさあ。
(てぃ、あいじゃみぃみぃ) 【複】なんちゃって 沖縄。
(てぃがき) @手をかける(クロスする)。A空手家同士の路上喧嘩 沖縄。
(でぃきやー) 秀才、賢い人 沖縄。
(てぃさーじ) @タオル、A手ぬぐい 沖縄。
(ていし・ていす) 砥石 鹿児島。
〜でぃす 【助動】〜です うっかり聞くと『〜じす』に聞こえる。今でも高齢者の中にはそんな発音をする人がいる。標準語と大して違わないようだが実際は大きく異なる。鼻にかかった発音に加え『す』の母音ははっきり発音される。ちょっと強調して表現すると、『そうですねえ』は『そおでぃすにぃー』に近い。このうち『に』の発音はわずかに『ね』寄りである。
これには歴史的な経緯があると思う。現代語の『です』は何かと知りたくなるが、実はあまり明快ではない。『で候』の意味や『でございます』が訛ったとされているが、プロセスが読めない。江戸時代に、遊女・通人・男伊達が使った『でえす・でえんす』がある。その意味では、『〜であんす・〜でやす・〜でやんす』が現代語の『です』に繋がったとすると『でぃす』はその流れを繋ぐ言葉といってもおかしくはない。
ていだ 棟梁が建物の柱の位置を簡単に板の上に書いたもの。当時はそれが設計図だった。 『手板』。辞書には『文字などを記すのに用いる小板。漆塗りで、不用となれば拭い消すことのできるもの。ぬりいた。』とある。
(てぃだ・てぃーだ) 太陽 沖縄。てだこ:太陽の子。
〜でいだ
〜でぃだ
【複】〜(し)ていた みでいだ:見ていた。
(てぃーち) 一つ 沖縄。
ていっ 【形動】手一杯 てっ:青森・秋田。
〜ていでろ
〜てーでろ
〜てでろ
【複】〜していなさい 『〜(し)ていていろ』の意味。このような重複表現と思われるのは古語に多く見られる。文法表現が未完成の時代の流れを受け継いでいると思われる。
いづーまでもやってでろよ:いつまでもやっていなさい。
ていど
てーど
程度の低いこと、低い程度 『低度』。多くは、『その低度』として使う。
(丁寧語) 現代の丁寧語を形成する助動詞は、『です、ます、あります、ございます』が代表的である。ここでは全国の方言を集めてみる。
おます:御座す。『である』の丁寧語。山形・関西。標準語圏では使わない。
〜でぃは 【複】〜では、〜じゃ 『〜ぢは』
ていび
てゆび
『足の指』に対する言葉と思われる。
てぃみー お前 当時のテレビの影響で『ちみ』(君)と言う言い方が流行ったが、茨城弁の当時の『てめえ』の発音は、それに良く似ていた。
(ていもの) 焼物 長野。明治時代に使われたもの。
(ていもはれも) 【複】唯一つ 鹿児島。
〜でぃや 【複】〜では、〜じゃ 『〜ぢは』。現代語の『〜じゃ』に繋がる過渡期の言葉が残ったと考えられる。昭和30年代の茨城では『〜じゃ、〜じゃあ』は殆ど使わなかった。
〜てぃや 【複】〜と言ってるよ
(てぃーら) 太陽 沖縄。
▽☆でいり もめごと。もんちゃく。けんか。 特に訴訟を指す場合がある。
でいり:東京。
でり:山形。
〜ていーれば 【複】〜と言えれば おめだねーっていーればいーんだけんとなー:お前じゃ無いって言えればいいんだけれどなあ。
(てぃんがーら) 天の川 沖縄。
(てぃんさぐ) ホウセンカ 沖縄。
〜てえ 【複】【古】〜と言う、〜と言え 江戸落語の代表語。
するってえと:そうすると。
おめえやるってえことはあてになんねえにきまってるべえ
でぇー 【感】あら、まあ 『集覧:多』。
でぇー @台、A【助】〜だい 『集覧:無記載』。
(てえー) 田植え 静岡。
でえーしら 出会い頭 けぬっぎゃわせ:鹿児島。
でぇーく 大工 『集覧:猿』。
■▲でぇーこ 大根 『集覧:多・猿』。
でぇーご:東京多摩。
でぇーこ:福島・静岡。
でぇーこん 大根 『集覧:無記載』。
でぇーこん:福島。
〜てえり
〜てーり
〜てりー
〜てーりー
【連語】【古】〜と言った、〜ということ 『〜てへり(と言えり)』。茨城弁で『言う』を『りう、りー』と言うルーツがここにあるともいえる。
やだってーりがらこまった:嫌だって言うから困った。
〜てえれば
〜てえーれば
【接】〜と言えれば、〜と言ってるから 『〜てへれば(〜と言えれば)』は古語。
◎〜でえんす 【助動】〜です やや古い標準語。辞書には近世語とある。『〜でやんす』がルーツの可能性もある。辞書には『あんす』の訛りとある。
〜でおいやした 【助】@〜でお終えました、〜にお終えました、A〜でした
でおぐれ 出遅れる事、婚期を逃した女性
ておげ 手桶 てーけ:静岡。
てよーけ:静岡。
でーおさめ @出産祝いに白米一升を贈る代わりに金一封を贈ること、A結いや年中行事等に出席できなかった場合に金一封を納める事 『代納め』の意味。
〜でおやした 【複】〜でした 『〜でやした』の丁寧語。
たいへんでおやしたね:大変でしたね。
〜でが
〜でがー
〜てーが
【助】〜(し)たのか?、〜(し)たと言うのか、〜(し)たんだか 茨城弁の中の微妙な言い回し。『にてか(あらるらむ)』の意味。東京方言の『〜ってか』に当たる。もともとは『〜てえかい』で『〜と言うのかい』の意味。
また、『〜だい』が変化した江戸言葉の『〜でい』に疑問の終助詞『か』が付いた言葉とも言える。つまり『だろうか』の意味である。
〜てか:東京。
ちゃんとしどやったってが:ちゃんと仕事やったのか、
★『土』:お品(しな)おまんまは食べてか:お品、ご飯食べたのかい?。
★『土』:俺(お)ら暫(しばら)く來(き)ねえから知(し)らなかったっけ、そんでも野田(のだ)から引(ひ)つこんでか:俺はしばらく来なかったから知らなかったが、それでも、野田から引っ込んだのかい。
〜でが
〜でか
〜でがー
〜てかー
【助】〜(し)たとしてねえ(仮定) 茨城弁の中の微妙な言い回し。『〜(し)てから考える、〜(し)たらどうしよう。』の意味。古語の反語のニュアンス。東京方言の『〜ってか』にも通ずる。
はいぐやれなあーそれをやってが:早くやりなさい−ああ、それをやってねえ。
おめやってがー、やんねほーいーどおもーよ:お前がやったとしてねえ、やらない方が良いと思うよ。
〜でが
〜でがー
〜でか
〜てかー
【複】〜(し)てやる(よ) 『〜してぐわ』が更に訛ったもの。
おれやってが:俺がやって行くよ。
〜でーがー
〜てーかー
【助動】〜(し)たいのかい 『〜(し)たいかい』。
とらんやりでーがー:トランプ遣りたいかい?

よぐなる
【複】上達する 『手が上がる』意味。標準語と言ってもおかしくない。
(である) 【複】長持ちする 群馬・神奈川・長野・山梨・静岡。
『出るものがある』意味かあるいは『使い出がある』が縮まったか。
他の村に出かけて買い物をすること 本来は『出買い:こちらから出向いて買うこと。』の意味。
でがい
でかい
【形】でかい、大きい 『でかい』は、強調を示す『ど』に『いかい』がついた『どいかい』が訛ったとされる。土浦では、『いがい』の方が本来の言い回し。
でかい:東京・神奈川・静岡。
できゃー:静岡。
いぐ 【動】世話ができる、面倒をみる、手が届く
かがる 【複】手間が掛かる。世話がやける。 大事林に『手が掛かる』(手数を必要とする。世話がやける。)がある。
ぎま
きま
【慣・形動】手入れを怠ってもはや手の付けられない状態 『手欠き間欠き』の意味。
てーかぐ 【動】手入れを怠る、手抜きする 『手を欠く』意味。
でがげ
出掛け 『出掛け(でがけ・でかけ)』は、標準語だが最近は『出る時』と言う人が多くなった。
でがげっ
げっ
出かける時 『出かけ端』の意味。
でがげる 【動】出かける
てーかげる 【複】手数をかける。手間をかける。 『手を掛ける』。

わるぐなる
【複】下手になる 『手が下がる』意味。
でがさない
でかさない
でがさね
でがさねー
【複】良く無い、うまくない 『出来す』(でかす)は古い標準語。
でかさない:山形・宮城・福島。
でがさね:福島。
でかさねない:良くないな:福島。
でがしてる 【複】格好いい、いかしてる
でがしょ
でがしょー
【複】でしょう
〜でがしょ
〜でがしょー
【複】〜でございましょう、〜でしょう 当時の高齢者言葉。
★『土』先生(せんせい)さん、わたしや此(こ)れでもどうしたものでがせうね:先生、私はこれでどうしたものでしょうね。
でがす
でかす
【動】しとげる、はたす、うまくやる 漢字では『出来す』と書く。かつてはテレビドラマでも『でかしたね。』がよく使われたが近年はあまり聞かない。
でがす:秋田。
でかす:出す:山梨。『出来す』には『出てこさせる。また、出来るようにする。こしらえる。』の意味がある。
でがさね:美味しくない:宮城。
〜でがす 【助】〜でございます、〜です 近世語の『がんす』の短縮形。遠く離れた鹿児島弁の『ごわす』と繋がっている。
〜でがす:秋田・岩手・宮城・茨城。
〜でがすと:〜ですよ:宮城。
〜でがす:宮城。
そーでがすよねー。しんーでさねー。:そうですよねえ。心配ですねえ。
でがす 【動】出くわす
てーかす 【動】手伝う 『手を貸す』意味。
〜でする 【助】〜でがある 『〜出がある』。
てかだ
てっかだ
手型、手の跡 てかだ:垢:青森。
(でかつ) 【動】出し抜く 神奈川。『いで勝つ』意
つぐ
つく
【動】まとまる、解決する、戦略の目途がつく 標準語の慣用句では、『手が付く』は『@新しいものを使い始める、A新しい仕事に取り掛かる、B使用人の女などと情交関係ができる・マージャン・トランプなどで、自分のところへ手役が来る。』意味。
つけらんね 【複】手がつけられない つからん:山梨。
てがっと 【副】ぴかっと、てかてかと 『てかりと』の転。
ねー 【複】@人手が無い、A方法が無い @・ねー:神奈川。
でがぶづ 大物 清音形は何故か辞書に無い。
ぶるう 【動】手が震える、怖気づく 標準語の俗語。
でがら
茶殻、だしがら
〜でがら
〜てから
〜てーがら
〜てーから
【複】〜と言うから 落語によく出てくる促音をともなった『〜ってーから』。
でからがす 【動】だし汁等を十分に煮出す 清音形は辞書には無いが『俚言』にある。『出涸らす』意味。
らし 何度も煎じ出したり煮出したりして、味の薄くなったこと。また、そのもの。 『出涸らし』。
〜てがらに 【複】〜(し)て、〜(するんだ)から 最近はあまり聞かなくなった。
広辞苑には『からに:(カラ(原因などの意)に格助詞ニがついて接続助詞的に働く)@ただ…だけで。A…と同時に。…やいなや。B…だからといって。B(ハを伴って限定条件を表す。「からにゃあ」とも) …以上は。』『てからに:(動詞の連用形を受けて) 「…て」の意を表す。』とあり時代とともに様々な使い方がされたようである。
★こーたいそしーのにじゃましてがらに:こんなに忙しいのに邪魔をするんだから。
らみ 手間どること、足手まとい あしらみ』
標準語の『手搦み』は『(怒ったり、いらいらしたりして)手の指をからみ合せること』。
てがり つるつる光ること 『てかてか』の名詞形。『てかり』は口語でも使われる。広辞苑には無く大辞林では新語と定義されているのが不思議だ。
ーり 入れ替わること、交代 『手替り・手代り』。
てんがりばんがり:代わる代わる:群馬。
ーり 代理、代理人 『出替り・出代り』。
でーーり 戸主・経営主などのかわること。次の代になること。 『代替り』。
てがる
てかる
【動】つるつる光る、(鼻などで服が)つるつるになる 『てかてか』の動詞形。『てかる』は口語で使われるが辞書にはない。
わり 入れ替わること、交代 『手替わり・手代わり』。
わり 入れ替わること、交代 『出替わり・出代わり』。
わる 【動】入れ替わる 辞書には無い。
(でかんしょ節) 当時の寄り合いの打ち上げの宴会で良く歌われた民謡。かつては学生歌として歌われた歌。本家の兵庫県篠山市域で広く歌われている歌詞の1番は
 デカンショデカンショで半年暮らす アヨイヨイ
 あとの半年ねて暮らす ヨーオイ ヨーオイ デッカンショ 
とあるが、私の記憶では昭和30年代にび歌われた1番は、
 デカンショーデカンショーでー半年暮らしゃ アヨイヨイ
 あとの半年しゃーねて暮らす ヨーイ ヨーイ デッカンショ であった。 
『デカンショ』は学生歌として歌われただけあって『デカルト・カント・ショーペンハウエル』の略という説があると言う。幼子の私は、単に『でかいだろう』の意味だと軽く考えていた。出稼ぎの説もあると言う。
〜でがんしょ 【助】〜でございましょう、〜でしょう 『がんす』は古い標準語。広辞苑には『(ゴザンスの約) 「ございます」のぞんざいな形。「さいで―か」』とある。
(でかんす) 出歩きしたがる人 神奈川。
でき 賃金、報酬 『出来』の意味の変化。
てー 【形動】だるいこと、めんどくさいこと 『大儀』なら標準語だが古い言葉。30年代の言葉。
:青森。
:青森。
〜てぎ
〜てき
【助】〜としては おどごてきには:男としては。
おとなてぎ:大人として。
ばがてぎ:ばかとして。
でぎあい
できあい
既製品、予め出来ているもの 『出来合い』。
できうり メロン(マクワウリ) 『甜・甜瓜』。
瓜はキュウリ同様熟さないうちに収穫するが、マクワウリは、熟してから収穫するため、『出来瓜』の意味で使ったものだろう。『出来』は『実り、収穫』を意味し、『実り』とは、『草木が実を結ぶこと』の意味である。
この方言は標準語の意味に準じたもので千葉県小見川市にも残る言葉。
できこじゃれ 出来損ない 『でっこじゃれ』のルーツの言葉。『出来拗れ』意味。
でぎそごない
でぎそごねー
できそごねー
出来損ない できそこねー:神奈川。江戸言葉。
でぎだ
できだ
できた
【複】出来た できだ:『き』は関西方言のように有声音で発音されるのが原則である。
でぎだっ
でぎだっ
でぎたっ
でぎたっ
できだっ
できだっ
できたっ
できたっ
【複】出来ただろう 茨城と東北方言の濁音化のルールは組み合わせの図式になると明快なルールは見出せない。これに単音・長音化の図式を加え、『ぺ』が『べ』となり、撥音化を加えると、バリエーションは限りなくできてしまう。
できだっ:福島。『き』は関西方言のように有声音で発音されるのが原則である。
でぎだで 出来立て できだち:香川。
でぎっこあんめ
でぎっこあんめー
【複】出来る訳がないだろう この場合の『こ』は『事』の略。
でぎっこね
でぎっこねー
【複】出来る訳がない 『できこそしない』意味。
でぎっだげ
でぎったげ
【複】できるだけ
てきっ 【形動】てきぱきき 今では何の疑いも無く、『てきぱき』を使う。
でぎでる 【複】出来ている 『出来た人』の意味を含むのは標準語と同じ。
(てきない) 【形】疲れた様 近世語。
広辞苑に『(小者・中間などの言葉) 苦しい。せつない。つらい。』とある。
てきない:山形・佐渡島・北陸・長野。
でぎなり @ありのまま、A工事支払いの方法の一つで出来高払いのこと、B出来上がりの状態 『出来』+『形、態、成』。
B・でくなり:東京三鷹・神奈川・山梨。
Cその他。
でくなり:目鼻立ち・顔の輪郭・体つき:神奈川。
でくなり:作物の形が悪い様:神奈川。
でぎなりいし
できなりいし
ありのまま、自然のまま 土浦市。
でぎね
でぎねー
【複】出来ない でけん:熊本。
でぎは
できは
出来そこない 『出来』『逸り』の意味。
でぎは
できは
【複】出来損なう、 『出来逸る』意味。
できませず
できもせず
出来ないこと、未熟なこと 独特の言い回し。名詞化。
てぎめん てき面 『覿面(てきめん)』。
でぎもしねーで 【複】出来もしないのに
でぎもしねーくせに 【複】出来もしないのに できもしねーくせに:群馬。
でぎもの
でぎもん
出来物、吹き出物 濁音化・撥音便。
できもん:埼玉・山梨。
でけもん:鹿児島。
(できやー) 頭の良いこと 沖縄。
〜てゃー 【複】〜(して)行けば(良い) 『ぎ』は濁音・鼻濁音。
『〜てきゃ・〜てきゃー』
〜てがー(いー):群馬。『が』は濁音か鼻濁音か不明。
でぎらいる 【動】出来る でぎらず:出来が悪い人:千葉銚子。
おめにはでぎらんめ:お前には出来ないだろう。
(でーり) 【形動】皆無 神奈川。
でぎる
できる
【動】@出来る、A出てくる、出る、B残らず出る。ことごとく出る。出尽す。すっかり外に出てしまう。 この言葉をベースにする限り、本来の『来る』が上一段化する語法は無いのに、『出来る』に限って上一段化する語法があったことになる。これは、考えようによっては不思議なことで、『来る』の古い活用形には上一段活用があったのではないかと思わせる。
A・でぎる:山形。
できる:宮城・山梨。
B『出切る』。
でぎる:山形。
できる:宮城。
でぎだっ:出来ただろう。
でぎる
できる
【動】@出て来る、A発生する、おこる、B物事がうまく行く。 広辞苑には『出来る』意味を『@出てくる。A形をとって現れる。Bうまれる。浄、歌念仏「あの弟が―・きるまでは」C発生する。おこる。D作られる。生産される。E男女がひそかに結ばれる。Fまとまりがついて仕上がる。G完成する。H物事がうまく行く。I苦労をして人物が練れる。J(それについての)能力・才能がある。K可能だ。また、…する能力または権利がある。』としている。このうち、現代標準語で使われないのは、『@出てくる。』である。
@・できる:岩手・宮城・福島・山梨。
できん:出来ない:長野。『出来ぬ』。
できん:出てこない:山梨。『出来ぬ』。
くもできた・くもがでっきた:クモが出てきた。
A★こまったごどができた:困ったことがおこった。
火事ができた。
おやしたごどができた:困ったことが起こった。
★『土』:大變(たえへん)なこと出來(でき)たよ、俺(お)ら家(ぢ)の
Bうまいごどできたなやー・いーごどできたなや:うまく行ったね。
でーきれ
でーきれー
大嫌い 江戸言葉では『でえきれえ』である。
だっきらい:静岡。
でーきれ:埼玉。
でぎれる 【動】出来る おれにはでぎれね:俺には出来ない。
でぎわるい
でぎわり
でぎわりー
でぎわれ
でぎわれー
【複】出来が悪い でぎわれ:宮城。
でぐ
△でく
木偶、木の人形 濁音化。
『称呼』には『人偶(にんぎゃうてくぐつ):京江戸共ににんぎゃうと云。豊後にてでこんぼうと云。中国にてできのぼうと云。四国にてでこでく共云。豊前及武蔵相模安房上総下総にてもでくのぼうと云(これいにしへでぐるぼうと云し詞の変したる也。京大阪のいなかにてもでこといふ。)。又京大阪にていふそろまと云人形は、東国にてのろまといふもの也。また京にてつくね人形といふ物を江戸にてねりにんぎゃうと云。又起上小法師(をきあがりこぼうし)といふ物を、勢州久居にてうてかへりこぼしといふ(この所にてはかたなの鞘のかへり角といふものをうてかへりづのと云。其外もこの類にてをして知るべし)。』とある。
てぐ
てく
歩いて行くこと 清音なら標準語。『てくてく』の転。『テクシー』は比較的新しい言葉。
てく:東京・東京多摩。
でーぐ
でーく
大工 古くは『でぁーぐ』
きんせーく:沖縄。『細工』。
じゃーく:佐賀。
しゃーく:八丈島。『細工』。
でぐ:青森・岩手。
でく:鹿児島。
でーぐ:宮城。
でーく:埼玉・東京・神奈川。江戸言葉。
でゃーく:青森・埼玉。
てーく 体、体つき 『体躯』。
(てぐ) 【動】研ぐ 鹿児島。
茨城では、『研いで見ろ』を『てーでみろ』などと言った。
〜てぐ
〜て
〜てく
【複】〜て行く、〜てく 様々な動詞にあわせて使える言葉。清音なら標準語。
やって:やって行きなさい。
やって:やって行く。
やってこ:やって来い。
てーくー 【複】騙される 『手を食う』。
でーくさま
でーくさん
大工 でくさん:宮城。
てくしー 歩くこと 俗語。『タクシー』にかけたもの。
てくしー:東京。
(でくしょー) 【形動】でこぼこ 神奈川。
すむ
てくすむ
【複】手を組む 『手がくすむ』意味か。『集覧:多』。解説では『悪事に一致する』とされている。
(でくすわる) 【動】座る、でんと座る 静岡。
外出したがる性格、外出癖 『出癖』。

てくせ
盗癖 『手癖』。
せわりー
てくせわるい
【複】盗癖がある 『手癖が悪い』。
てーくだす 【動】手を貸す、手を出す 標準語の『手を下す』は『自ら行なう、手をつける』意味。
(でくでく) 【副】血などの液体の盛んに流れ出るさま、どくどく 静岡。
でぐのぼ
でぐのぼー
木偶坊(でくのぼう)、役に立たない人 濁音化。
でくぼく 【形動】でこぼこ
でぐわす 【動】出くわす 濁音化。
てーくらー 【複】騙される 『手を食らう』。
でーぐらやみ 真っ暗 でゃーぐらやん:長崎。
りた 【形動】手繰る様、あれこれする様、手探りする様 『手繰り』も『たぐり』も同じ意味。語呂合わせ言葉。
(てりもの) 小魚 静岡。
てぐる
てくる
【動】歩く てくる:東京・神奈川。
でぐる
でくる
【複】出て来る 『出来る』(でくる)。
でくるぼー でくの坊 『集覧:稲』。『出狂坊』(でくるぼう)。
でくり:木製の人形:神奈川。
でくんぼー:神奈川。
◎てるま 荷車 『手車』。
るま:東京。
でぐわす 【複】思いがけなく行きあう。偶然であう。邂逅(カイコウ)する。でっくわす。 『出会す』(でくわす)。
(でくゎん) 下男 鹿児島。
(てーけ) 手桶 静岡。
でげ
でげー
でけー
でっけー
【形】大きい 『集覧:多』。『でかい』(俗語)。土浦では『いがい』の方が本来の言い回し。『でかい』は『どいかい』が訛ったという説がある。
できゃー:静岡。
でけー:東京多摩・神奈川。
ですけ:福島。
〜てげ
〜てげー
〜てけ
〜てけー
【複】〜(し)たって? 関東圏の口語の『〜てかい』の転。
てー
てー
【副】@たいがい、普通、普段、Aほどほど 長音形『てええ』なら江戸言葉でもある。
てげ:非常に:宮崎。若者言葉。
てげ:いい加減・ほどほど:鹿児島。
てー:神奈川。
てー:千葉銚子・群馬・東京・東京多摩・神奈川・山梨・沖縄。
てー:かなり・容易でないこと:神奈川。
てー:だいたい・おおざっぱ・いいかげん:沖縄。
でー:神奈川。
てげてげ:適当な様・ほどほど:宮崎・鹿児島。
ふざけんのもてええにしや
★『四十八癖』:朝帰(けえ)る事(こた)あ大概(てええ)しれたもんだぁ
やりすんのもてーーにしろやー
★『土』大概(てええ)十匁(もんめ)じゃねえけえ:大概は十匁じゃないかい。
てー 手ぬぐい 曖昧な茨城弁の発音の横綱級の訛り。『集覧:無記載』。
てー
てーーな
【複】@たいがい、普通、普段、Aほどほど 『大概なる』。
てげな:@けっこうな・たいそうな、Aいい加減な・適当な:鹿児島。
てげん:@けっこうな・たいそうな、Aいい加減な・適当な:鹿児島。
でげない
でけない
でげねー
でけねー
【複】出来ない 『集覧:無記載』。『出来得ぬ・出来得ない』の意味か。
でけん:熊本。
てーーにする 【複】ほどほどにする。いいかげんなところでやめておく。 『大概にする』。『てえげえにする』。江戸言葉か。
てーげにしろ:いい加減にしろ:宮城。
てーーにすさい:いい加減にしなさい:宮城。
てーーにすろ:いい加減にしろ:宮城。
ちぐぬぐのもてーーにしろ:嘘つくのもいい加減にしろ。
てーーだら 【複】普通なら、大概なら
(でけもん) 出来物 鹿児島。
てけぇーやー 【複】大きいやあ 『集覧:西』。今なら『でげーや』
でげる 【動】出来る 清音の場合関西弁になってしまう。
でけた:出来た:福島。
てご
てこ
てーご
太鼓 てご:青森。
てこ:鹿児島。
でーこ:福島。
てーこ:山梨。
てこ 人足 『手子』。
広辞苑に『手子の衆・梃の衆:@梃を使って働く人びと。土工・石工など、下働きの労役者。手子。梃の者。A大名抱えの火消人足。』とある。
てこ:助手:群馬。
てご:手伝い:鳥取・山口。
□○▽てこ ふんどし 江戸時代からある常陸方言。『すててこ』とルーツが同じか。
□△てこ 女の子、少女 『手児(てご・てこ)』。県下では竜ヶ崎市に残る古い言葉。
てこ:岐阜。
@農作業用の籠の一種、Aもっこ 『手籠』の意味。
@藁製で肩からさげたり(結城郡・水海道市)、天秤で担いだりする(猿島郡)。
A東茨城郡。
Bその他。
ちぇご:魚篭:鹿児島。
てご:魚篭:鹿児島。
てご:籠・笊:熊本。
でご 額、おでこ 『凸』。
でご @でこ、でこすけ、出来がよくない人、A人形、B太っちょ 広辞苑には『でこ:(西日本、福島・栃木県でいう) 「でく」に同じ。』とある。
@『でこすけ』の短縮・濁音化。罵頭語。
でご:嘘:群馬
でこ:栃木。
Aの場合は『木偶』(でこ)の濁音化。
でこ:福島。
てーご
てーこ
@正面から張り合うこと、A互角の様 @・てご:青森。
A『対抗』の意味が転じたと考えられる。
でーご
■▲でーこ
大根 だぇーこ:静岡。
だーこん:広島。
でぇーご:東京多摩。
でぇーこ:静岡。
でーく:沖縄。
でご:青森。
でーご:福島・八丈島。
でーこ:埼玉・群馬・長野・山梨・静岡。
でやこ:埼玉。
でごい
でこい
【形】大きい 『俚言』には『しこたま:多き事をしこてこと云。又醜の意なるべし。』とある。またさらに『しこでこない:遠にていと大なるものを云。しこは醜の義。でこでかともいふ。大きなる事也。重ねていへるなり。』とある。
でこ:大きなこと:静岡。
でこー:沢山:神奈川。
でこい:岩手・佐渡島。
てこい:大きい:近畿。
でっこ:沢山:神奈川。
でごいでごい:大きなデコイ。


でこえ
堆肥 『集覧:無記載』。『堆肥』を重箱読みした『たいごえ』が訛ったのではないかと考えられる。
でーごおろし 大根おろし でーこおろし:神奈川。
でーごぐさま
でーごくさま
大黒様 でーこくさま:神奈川。
でーこぐばしら 大黒柱 古くは『でぁーごぐばしら』
でご
でごさま
でこさま
でごさん
でごちゃん
でこちゃん
人形 『集覧:久』。『木偶』(でく)。
『俚言』によると『でこのぼう』とある。
でこ:福島・栃木・愛知・新潟。
でこさま:栃木。
でごしゃご
しゃ
【形動】でこぼこ、(特に人の列を指して)真っ直ぐでない様 てんこしゃんこ:食い違い・行き違い・だめ:東京。
でごじゃす 【動】間違って作る、出来そこないをつくる 『出来』『抉らす』か、『木偶』(でく)『潰し(つやし)』の意味か?。
あーこどしゃこめでごじゃっしゃたな:ああ、今年は米が失敗だったなあ。
でごじゃれ
でこじゃれ
でごじれ
【形動】できそこない、役に立たないもの @『出来抉らす』意味とA『木偶』(でく)をベースにした訛りの可能性がある。
でごじゃれる 【動】出来そこなう
でごすけ 愚か者、出来がよくない人 清音なら標準語で『凸助(でこすけ)』(おでこが大きい人または罵倒言葉)の意味。ただし『木偶助』の意味も捨てきれない。
でごすけ:宮城。
でこすけ:東京・福島。
でーごすり 大根下ろし、下ろし金 でーごんすり:宮城。
てごずる
てごする
【動】てこずる 濁音化・清音化。
だい
たい
手応え 『俚言』掲載語。
てこーたい 入れ替わること、交代 『手交代』の意味。
でごづげ
でーごづけ
でーごつけ
大根の漬物、沢庵
(てごっさい) 【形動】始末に終えない様 静岡。解説では動詞とされている。
でごっちょ
でーごっちょー
はなはだ優れた様 『大』『骨頂』(甚だしいこと、物事に熟達すること)の意味が訛ったと考えられる。
てごっちょ:手際:静岡。わたしのてごっちょにはできない
てごっちょにいかん:どうしょうもない:山梨。
でごっちょにぁいがねー:うまくは行かない。
でーごっ 大根の葉
(てごったきさんもんやす) 末っ子 埼玉。
茨城の『ばっちのばがぞー』の感覚に近い。
『てご』は『手児:(テコとも)@幼児。赤んぼう。A少女。おとめ。』に例えたか。
でごっ 出来がよくない人 罵倒語。清音なら標準口語だが最近はほとんど聞かない。。


ざる
肥料撒き用の笊 『手籠』『手籠笊』の意味か。
:籠・笊:熊本。
てごてご
てこてこ
【副】小股で早く歩く様 『とことこ、てくてく』。
てこてこ:群馬。
でごでご 【形動】でぶでぶ、太っている様
(ててーにいかねー) 【複】手に負えない 神奈川。
(てこな・でこない・でっこない) 【形】大きい 静岡。『ない』は否定形ではなく元は『なや・なりや』か。
でごにんじん 馬鹿 石岡市の方言。
『凸助(でこすけ)』と『朴念仁』を合わせた様な言葉。
でごはぢ
でごはぢやろ
出来がよくない人 『でこっぱち』。
肥料笊 『集覧:新』。『手籠』の意味。筑波郡では『てほ』という。
【形動】@でこぼこ、A出来上がりが均等でない様 『へこ』は『凹む』の語幹。『ご』は濁音・鼻濁音。
@・でが:宮城。
:岐阜・三重。
でごぼご 【形動】でこぼこ 江戸時代からある茨城の濁音表現。
力づくで取り押さえること、手で掴むこと 『手込め(てごめ・てごみ)』。
:群馬。
でごやろ
でごやろー
罵倒言葉
(てーこらい) 【形動】得意な様 神奈川。
でーごろし 大根下ろし でーころし:山梨。
でーごん
でーこん
大根 古くは『でーごん』
でごん:鹿児島。
でこん:鹿児島。
でーごん:宮城・福島。
でいこん:長野。
でゃーこん:静岡・広島。
(てん) 天蚕糸 静岡。
(〜でしゃー) 【複】〜でさえ 静岡。
でーざ
てーざ
@囲炉裏の客の座席、A囲炉裏の主人の席 『集覧:無記載』。『出居座』『亭座』の意味。標準語には別に玉座の意味の『帝座』がある。
〜でさ
〜でさー
【助】〜です 時代劇でも聞かれる。『〜ですわ』の転と考えられる。現代語の終助詞『〜さ』は、近世中期以降の言葉とされているので、その語源を思わせる言葉。長塚節の『土』では頻繁に出て来る。しかし土浦地域では、当時すでに高齢者言葉で消えつつあった。
〜でさー:東京。
〜でせぁ:秋田。
〜でさな:〜ですな。
そーでさねー:そうですねえ。
〜でさよ:〜ですよ。
★『土』:そんだお内儀(かみ)さん其(その)盲目(めぐら)奇態(きたえ)で、麥搗(むつき)でも米搗(こめつき)でも畑耕(はたけうねえ)でも何(なん)でも百姓仕事(ひゃくしゃうしと)は行(や)んでさ
★『土』:そんで極(ご)く堅(か)てえもんだから他人(ひと)にも面倒(めんどう)見(み)られて其(そ)の位(くれえ)だから錢(ぜに)も持(も)ってんでさ、さうしたら何處(どこ)で聞(き)いたか來(き)て騙(だま)して連(つ)れてってね、ええわしら等(ら)姉(あね)せお内儀(かみ)さん
★『土』:さうでさ、餘(よ)つ程(ど)に成(な)りあんすね、ありや鬼怒川(きぬは)へ蚤(のみ)叩(はた)くって行(い)ってそれっ切(き)りに成(な)っちゃったのせ:そうです。あれから余程になりますがね。あれは、鬼怒川にノミを叩き出すって行ったのがそれっきりになっちゃったんです。
★『土』:みんな赤(あけ)えの締(し)めてるもんだから欲(ほ)しくって仕(し)やうねえんでさ
でーさいにぢ 閻魔様の縁日。正月一六日と七月一六日。 『大斎日』。この日は地域によって様々なことが行われるが、仕事は休む。牛馬の首もゆるむと言われる。妊婦に袋を縫ってもらうとお金がたまるという言い伝えがある。井戸掃除(井戸浚い)をするところもある。
てさ 袋、カバン、バッグ 広辞苑に、『手提げ:手にさげて持つこと。また、そのように作った籠・袋・かばん・手桶など。』とある。
てざし
てさし
手を保護する農具 『手指、手刺、手差』。
藍染のものが多かった。一般には『手甲』(てこう・てっこう)と呼ばれる。手の甲の保護用。指先は露出する。ミトン状のものもあった。
『腕抜き、腕輪』は腕部分の保護用。手甲部分と『腕貫(うでぬぎ)』部分が一体のものと分離したものがあったが、セットで『てさし』とも言った。分離されたものは作業中に継ぎ目から土が入ってしまうことが多く、私はは子供の頃一体型のものを好んで使った。
剣道用の手差し(手刺し)はもっと頑丈なものになる。
『腕抜き、腕輪』はかつて企業の総務職等に従事する人達が使っていて、どちらかと言うと汚れ防止が目的だったが、パソコンが普及して、見られなくなった。
長塚節の『土』でも『手刺』と表現されている。
てーし 亭主 てーし:東京・神奈川。江戸言葉。
てーす:山形。
でーじ 【形動】@大丈夫、A大事な様 @『大丈夫』の短縮形。
でしな:大事な:鹿児島。
でーじだがな:大丈夫なんだろうか。
A江戸言葉。
でーじ:東京武蔵村山・神奈川・沖縄。
でーじでーじ:山梨。
★『土』:其(そ)の醤油(しゃうゆ)は打棄(うっちゃ)らねえで大事(でえじ)にして置(お)け。土浦ならば、『そのしょーいや、うっちゃんねででーじんしとげー』である。
(でーじ) 【副】大変、とても 沖縄。
てしお 小皿、手塩皿 てしお:静岡。
でーじさま
でーじさま
大神宮様(天照大神) 神様や神棚を指していう。=『でーじんさま、でーじんーさま』
私は子供のとき、大人達が一つの対象を様々な言葉を使っているのでて混乱した。これは、その典型的な例である。この四つの呼称は土浦市内で使われたものである。
でーじんさん:神奈川。
でーじんさん:神奈川。
てーしこー 太子講 聖徳太子の講。
でーしこー 大師講 弘法大師の講。
でーしさま 大師様
てーした 【形】大した 江戸言葉。『てえしたもんだあな。』『てえしたもんじゃあねえやい』。
てーした:群馬。
でーした
でーしたい
でしたい
【複】どうした
でしっこ 弟子、徒弟
でーじっこ 大事にすること
でしなに 【副】出がけに やや古い標準語。
でーじぶ 【形動】大丈夫、【副】きっと
(でーじまがー) 【複】とても大きい 沖縄。
でーしめーり 大師参り
(てしゃ) 器用 『手者』。近世語。
広辞苑に『手者:(テジャとも)@技芸または武芸に熟達した人。巧者。てきき。達人。手達者。A文字を上手に書く人。てかき。手師。』とある。
現代では島根隠岐島に残る。
でしゃばる 【動】出るべきでない場合に、さしでる。ですぎる。 標準語のなかでも訛ではないかと思われる言葉。語源不詳。
でしゃばる:威張る:福島。
でしゃばりおんな:お転婆:神奈川。
てしゃばる 【動】でしゃばる 清音化。『集覧:西』。
(でしゃばれ) 【複】行け 長野。
でしゃべる 【動】でしゃばる 『でしゃばる』の語源を思わせる言葉。
てしょ
◆▲てしょー
小皿 『手塩皿』。
『てしお』なら標準語。『御手塩(おてしょ)』とも言う(女房詞)。
てしょ:東京多摩。
てしょー:福島・東京・神奈川。
(てじょにち) 誕生日 鹿児島。『てじゅにち』とも言う。
でーじょぶ
でーじょーぶ
【形動】大丈夫、【副】きっと 『でえじょぶ・でえじょうぶ』は江戸言葉。
でじょぶ:青森。
でーじょーぶ:千葉銚子。
★『浮世』:こんといでえじょぶだあ:この通り大丈夫だ。
★『浮世』:あしやでえじょぶだ:足は大丈夫だ。
でーじょーぶが:大丈夫かい。
〜でしょーよ 【複】〜でしょう 当時の代表的な若年層女言葉。末尾に『よ』が付くのは、ハングルに似た印象を与える。現代標準語の『〜でしょうよ』のニュアンスは、『〜でしょう。けれど〜』の意味で使う。標準語では語尾は上がるが茨城弁では下がる。茨城弁では単に『〜でしょう』の意味で使われる。当時『〜でしょう』という言い方は殆どなかった。強調好きの茨城弁の故なのだろうか。標準語に近くて遠い茨城弁の典型的な言葉。
(でしん・でせん・でねん) 来年 鹿児島。
でーじん
でーじんど
◆■でーじんどん
大金持ち、資産家 『大尽(だいじん)』『大尽殿』の転。『でえじんどん』は江戸言葉。
でーじん:東京武蔵村山・神奈川。
でーじんどー:千葉銚子。
でーじんさま
でーじんーさま
大神宮様(天照大神) 神様や神棚を指していうこともある。古くは、『でぁーじんーさま』
でーじんさん:神奈川。
でーじんさん:神奈川。
でーじんこ 大事にすること
〜です
〜でーす
一見標準語だが、茨城では『す』をはっきり有声音で発音する。『でさ』の流れを受け継いでいると考えられる。
長音形は近世語の『〜でんす、でーんす』の流れか。
この言葉を示す方言には『どす、どぅす、だす、でやす、でやんす、でぃす、でんす、どやす、じす』がある。いずれも現代語の『です』に該当する方言を全国レベルで集めたもの。この中で茨城弁使われるのは『どぅす、でやす、でやんす、でぃす、じす』
京言葉の『どす』に近い『どぅす』は、大学のスポーツ系や相撲言葉の『っす』に通ずる。『どぅす』が限りなく無母音になると『す』になる。
『でやす、でやんす』は江戸言葉。『でぃす』『じす』こそが茨城方言らしい言葉のようである。
〜ですのよ:東京。女性言葉。
〜ですわよ:東京。女性言葉。
〜でしたのよ:東京。女性言葉。
〜でん:〜ですか:三重。
〜でんねん:〜ですねえ:近畿。
〜どぅわ:〜ですね:山梨。
〜でしたな
〜ですたな
【複】〜でしたね
てーしゃば 駅、停車場、停留所 標準語だが文語。辞書では駅に限定されているが土浦では停車する場所は何でも指した。
てしゃば:青森。
〜でしょーよ 【複】〜でしょう 主に女言葉。標準語では腐肉を込めた投げやりな言い方に当たる。
てーせーぶる 【動】体裁よく見えるように飾る。みえを張る。もったいぶる。 『体裁振る』。
てーせーぶる:神奈川。江戸言葉。
です 沖積土 『出州』の意味だろう。『集覧:稲』。
です 【形動】出ずっぱり、でしゃばり
でず 『集覧:猿』。
でーず
でーずまめ
大豆 でず:鹿児島。
でずいらず 過不足が無いこと、丁度よいこと 近世語。
でずいらず 普段着と外出着を兼ねた着物 標準語の『出ず入らず』は『出入・損得・過不及のないこと。ちょうどよいこと。ぴったりであること。』の意味。『過不及』の意味を受けた方言と見られる。
てずがら 【複】@直接自分の手を使って。自分の手で。Aみずから。自身で。 『手ずから』。
でずぎ
でずき
ですき
外に出るのが好きな人 『出好き:外出がすきなこと。また、その人。』。
です 出過ぎること です:お転婆:神奈川。
です:生意気:静岡。
です
です
【動】出過ぎる 『過ぎる』は古くは『過ぐ』と言った。
〜ですげ
〜ですげー
〜ですけ
〜ですけー
【複】〜ですか 『〜ですかい』なら近世語。茨城では最上級の丁寧語。
〜ですけど
〜ですけんと
【複】〜ですが 丁寧語。限りなく標準語に近く、違和感のある方言。
ですけんど:東京青梅。
きんのー、あんだげゆったんですけどー、おぼいでなえんですよきっとたぶん
てすさび
てすさみ
手に持って遊ぶ事、気晴らしに、手遊びすること、手慰み 『手遊び・手遊び』。長野では『てずくな』と言う。
〜でしたい
〜でしたいね
〜ですたい
【複】〜でしたよ、〜だしたね、〜です 『〜ですたい』は、熊本弁でもある。現代標準語の『です』とも関係は深い。現代標準語では『〜でしたよ』に当たる。
ですっぱぎ
ですっ
ですっぱげ
【形動】@出ずっぱり、Aでしゃばり 『出突っ張り』。原型が想像つかない訛。
でつっぱり→でずっぱり→ですっり・ですっき→ですっぱぎ と変化したか。ただし、茨城にはその中間形は残っていない。
神奈川にも類似の方言がある事から、昔は関東広域で使われていたと見られる。
ですけ:出過ぎ:静岡。『出助』の意味か。
ですっ:いたずらっ子・でしゃばり:神奈川。
ですっぱぎ:おしゃべり:神奈川。
ですっ:でしゃばり:神奈川。
ですらっしー:いたずらっ子の形容:神奈川。
でずらっ:いたずらっ子の形容・でしゃばり:神奈川。
ですんばり:でしゃばり:神奈川。
でずんばり:でしゃばり:神奈川。
〜ですなー 【複】〜です、〜ですな
でずにーらんど(でずねーらんど) ディズニーランド 《デズニーランドっちゃ、一回へーっと、いぢんちぢーそどさ出ずに居っからだっ。》
(ですので) 【接】ですから 新語。茨城弁では無い。ここ数年急激に使われるようになった言葉。以前は『〜ですから』と言ったが、最近は接続詞として使われている。若い女性アナウンサーを中心に頻繁に使われ、耳障りな言葉。もともとは『なので』に慣れ親しんだ世代が丁寧語と思い込んで使っているようである。ひどい場合は、前後関係も無いのに使われることもある。
ですば
ですばき
です
ですぱげ
【形動】出ずっぱり、でしゃばり 『集覧:新・稲』。初版の集覧では『ですばき』だが改訂版ではですばに変わっている。
です:千葉銚子。
てずみ
てすみ
【形動】手が加わっている様、配慮 『手済み』の意味と思われる。ただし『土浦の方言』では『手配り・配慮・気配り』の意味とある。当時は『これはてずみで、これはてずみではない』と言うような使い方をした。
広辞苑に『手爪・手妻(てづま):手先。また、手先の仕事やわざ。』がある。
てすみいる 【動】細かくく気が配られている 新治郡。
てすら いたずら、手遊び 『てわすら』の短縮化。『集覧:猿』。
(〜ですら) 所属不明の方言。当時の中学校の文化祭で、同級生が方言表現の代表のような意味合いで使った。長野の『〜ずら』の語源を思わせる。『〜ですわ』の訛りを連想させる。当時のテレビ番組の影響だったと思われる。あるいは『〜ですだ』が訛ったのだろうか。茨城弁の該当方言は『〜どや・〜でや』が最も近い。
てずり 手桶 猿島郡の方言。埼玉でも使われる。『手吊り』の意味か。
(でずんばり・ですんばり) @いばること、Aでしゃばり 神奈川。
(てせ) 【形】苦しい 鹿児島。
てーせー 体裁 江戸言葉と考えられる。
〜でせ
〜でせー
【助】〜でさえ 〜でしぇー:青森。
〜でしゃー:静岡。
〜でせー:群馬・静岡。
〜でせぁ:秋田。
いまでせー、こーたごどなんだがら、むがしゃーそれごそてーへんだった:今でさえこんな事なんだから昔はそれこそ大変だったろうよ。
てーせづ 【形動】大切 『てえせつ』なら江戸下町言葉。
てぇーせつ:福島。
てせち:大切に:鹿児島。
てせつ:鹿児島。
でーせーにぢ
でーせんにぢ
大斎日 『斎日』とは、在家の仏教徒が八戒を保って精進する日。毎月の八・一四・一五・二三・二九・三〇日を六斎日という。さいじつ。(大辞林)。大斎日は、そのうち1月16日と8(7)月16日を指す。
てーせーぶる 【動】体裁ぶる 江戸言葉と考えられる。
てーせーぶる:神奈川。
てーせーわりー 【複】体裁が悪い 江戸言葉と考えられる。
(てそい・てそか) 【形】大儀だ、疲れて面倒だ 鹿児島。
〜てそいだ
〜てそいた
〜てそゆた
【複】〜て言った 『〜ってそう言った』『〜って添えた』意味。
てーそー 【形動】はなはだしい様、立派な様 【副】随分、非常に、とても 『大層』。『てえそう』なら江戸言葉。
(てそい・てそか) 【形】大儀だ。疲れて面倒だ。 鹿児島。
でそごなー 【動】出遅れる 『出損なう』意味。
てーそばる
てーそーばる
てーそーぶる
【動】偉ぶる 『大層』『ぶる』意味。江戸言葉なら『てえそうぶりやがって』。
でそびれる
でそぼれる
【動】出損なう
でそめ 初めて出ること。新年に初めて出ること。 清音化。『出初め』。
てーだ 【複】炊いた てた:炊いた・足りた:鹿児島。
でーだ 【複】@誰だ、A駄目だ、Bどうだ
〜でだ 【複】〜(し)ていた はなさえでだ:花が咲いていた:青森。
みでだ:見てた。
でーだい 【複】@誰だい、A駄目だ、Bどうだい
でーだが 【複】@誰だか、A駄目かい、Bどうだか
でーだがでも
でーでも
【複】@誰でも、A何とかして、Bどうでも
(てたくた) 【動】忙しく立ち働く様 宮城。
でだぐで
でだくて
でだくって
【複】出たくて 『新方言』には『グッデ 「くて」;鶴岡高校生;デデグッデ(出たくて)のようにいう;もとの方言ではデダグデ』とある。
でだし @始まり、A出で立ち、出発 『出出し』。
@は標準語。
なんでうまぐいがねーかっつーどでだしわりーな:何故うまく行かないのかって言うと始めが悪いよ。
でだす 【動】@出かける、外出する、出発する、A出始める @標準語の『でだし(出出し)』は、出はじめ・物事のしはじめのことを指すが、動詞形はない。『出で立つ』あるいは『出出す(でいだす)』『出立つ(でたつ)』が訛ったと思われる。
幕末から明治にかけて金沢で生きた『成瀬正居』の日記に『出出す』という言葉があるのが確認された。文の前後関係から明らかに『出かける』意味で使われている。また、NETではたった1件ヘラブナ釣りの日記で確認できた。
でだす:福島・神奈川。
でだづ:山形。
★長塚節『芋掘り』の一節:此間だつて兼出だす晩にも後で氣がついて見りや裏の垣根(くね)のあたりに二人ばかりうろ/\して居たんだがおらちゃんと見當がついてんだ
★『土』:出(で)だすのもそんなに早(はや)かなかったっけが、暫(しばら)く歩(ある)きつけねえ所爲(せゐ)かなんぼにも足(あし)が出(で)ねえで、かういに遲(おそ)くなる積(つもり)もなかったっけ
A俗語とも言える。テレビでしばしば聞かれる言葉。
めーがでだした:芽が出始めた。
てだすけ 手伝い 最近あまり聞かなくなった『手助け』。
でだぢ
でだち
◎でたち
出棺 『出立ち』。
◎でだちのこわめし 出棺の時振舞う赤飯 でたちのぜん・よつわん:出棺の読経中にまわす膳:神奈川で。
てーだって 【動】連れて行く 『連れ立って行く』。『ぐ』は濁音・鼻濁音。
てーたでる 【動】支柱を立てる この『てー』は『手』で蔓植物等を絡ませる竹等を指す。
でだばーし 【複】出たばかり
でだばだ 【形動】とたばた てたくた:宮城。
てーたらぐ 体たらく、為体(ていたらく)、ざま
でだらっ
でだらんべ
でだらんべー
でたらめ 『出鱈目』は当て字で、サイコロの目を示すのが有力。サイコロの目のように、出るに任せる意味に由来すると言われる。
でたらっ:埼玉。
でーだらぼっち だいだらぼっち 江戸言葉。
でーだらぼっち:東京武蔵村山。
(でだんす) 茶箪笥 東京。『手箪笥』が訛ったか。
でちかい
でちけー
【形】大きい 『集覧:久』。
ですけ:福島。
(てちく) 【動】炊きつく、燃えつく 鹿児島。
でちょうば
でっちょーば
林業や高山の採掘をする際に共同でする作業場 『出丁場』。専門用語のようである。『公の場』の意味で使っていた記憶がある。広辞苑に『町場・丁場・帳場:夫役(ブヤク)に当って運送・道普請などをすべき受持の区域。一般に、仕事の受持区域。』とある。
建築現場は『出会帳場・出合帳場』などと言われ、これは様々な職種の職人が、共に働く場所の意味であるが、この言葉も何故か辞書には無い。
(てちんご・てんご・ちぇんご) 冗談 鹿児島。
てづ てづ:千葉。
(でつ・てっ 茶碗酒 長野。
てっ! 【感】ちぇっ! 独り言の場合は無母音で発音されることもある。
てっ:山梨。
でっ:山梨。
(てっか) お転婆 佐渡島。『てっかはだ【鉄火肌】:侠気に富んだ気質。』の略か。
(てっか) 悪戯 静岡。
〜でっか
〜てっか
〜でっがー
〜てっがー
【動】〜(し)ているかい 『〜でっか』は、上方では『〜ですか』の意味。
@撥音化した動詞に付く。
関西では『〜でんのかい、〜てんのかい』が多くつかわれる。
ちゃんとよんでっか:ちゃんと読んでいるか。
A促音化した動詞に付く。
いづもゆってっか:いつも言っているか。★がんばっでっが:頑張ってるかい。
べんきょーやっでっがー:勉強してるかい。
でっかい 【形】大きい でっかい:東京・静岡。
でっかい:沢山:神奈川。
でっかぇー:静岡。
でっかち:静岡。
でっきゃー:静岡。
でっかさ 大きさ 俗語。
でっかす
でっかーす
【動】出くわす、出会う、でっくわす 『出会す・出交わす(でくわす)』。古くは『でかわす』と言ったのではないかと思わせる言葉。その場合むしろ標準語の方が訛っていることになる。
でっかす:群馬・埼玉。
でっかーす:神奈川。
でっかせしょーぶ 出たとこ勝負
◆■▲でっかせる
でっかーせる
【動】出くわす、出会う 『集覧:西』。
でっかーせる:神奈川。
★『土』:そんで愚圖(ぐづ)/\云(ゆ)つてんの面白(おもしれ)えから俺(お)ら聞(き)いてたな、丁度(ちやうど)えゝ鹽梅(あんべえ)に俺(おれ)草履(ざうり)買(か)ひに行(い)つて出(で)つかせてな。
てつかみ 手づかみ 清音化。
てつから 【複】@直接自分の手を使って。自分の手で。Aみずから。自身で。 『手ずから』((ズの歴史的仮名遣ツは格助詞。カラは助詞「から」と同源。@直接自分の手を使って。自分の手で。Aみずから。自身で。)。
てつから:秋田。
〜でっから
〜てっから
【複】〜(し)てるから 促音を伴う場合、東京の高齢者は『〜てんから』と言う。上方語の表現に近い。
でっからし 出涸らし でっからし:群馬。
てっかり 【副】光りかがやくさま。てかてか。 てっかり:手燭:神奈川。
てっかり:禿げ頭:静岡。
(てっかり・てっかりまなぐ) 薮にらみ 宮城。
でっかり 【副】大きく重々しいさま、重いものを置くさま、どっかり
てっかる 【動】太陽が照りつける
てつき 手杵
てっきー 金網 『鉄灸』とは『(テッキョウともいい、「鉄橋」「鉄弓」とも書く) 細い鉄条を格子のようにつくり、火の上にかけ、魚などをのせてあぶるのに用いるもの。鉄架。』のこと。
『称呼』には『鉄灸(てつきう):上総及信濃越後にててつき(てっき)と云。仙台にてごとくといふ。』とある。
てっき:神奈川・静岡。
てっきゅー:静岡。
てっきばっき
てっきっき
【副】てきぱき 『集覧:猿』。
てっきら 【副】きっと、必ず 『てっきり』。長野では『てっくり』と言う。
てっきら:丁度:静岡。
てっきらぶぢ
てっきらぶち
てっきらぼー
てっきらぼっち
@むやみに人を殴ること(人)、暴れん坊、A短気 『集覧:新』。宮城・福井では『てっくわ』と言う。
手のひらを意味する『てっら』が訛ったか。
てっきり 【副】@はっきり。正確に。Aさだめて。きっと。必ず。 @・てっきり:東京多摩。
A・てっきり:静岡。
でっぎる
でっきる
【動】@出て来る、A出来る、B出尽くす、出切る
でっきれ
でーっきれ
でーっきれー
【形動】大嫌い 江戸言葉では『でえきれえ』である。
でっきれ:青森。
てっぎんごんぐりーど
てっぎんごんくりーと
鉄筋コンクリート まれに『てっぢんごんくりーと』と聞こえる場合もある。
てづぐ 【動】手で突く
でっぐぢ
でっくぢ
出口 促音化・濁音化。
てっくび 手首 『手つ首』。
てっくび:東京。
★『土』わし等も下駄穿(は)きながらひょいっと転がった丈(だけ)で手っ首折っちょれたんだなんて
でっくら
◎でっくり
肥満したさま。 『でっぷり』。
(でっくらり) 【形動】手暗がり 神奈川。
てっくら:山梨。
でっくる 【複】出て来る 『出来る』(でくる)。
でっくわす 【動】出くわす、出会う 『出会す』『出っ会す』。標準語に残った古い時代の言い回し。本来は『出交わす』(でかわす)意味。夏目漱石の小説にも出て来る。
でっくわす:群馬。
でっけー 【形】大きい 俗語。
でっかぇー:静岡。
でっけー:神奈川。
〜でっけ
〜てっけ
【助】〜(し)ていた 『〜(し)ていたっけ』の意味。
〜てっけ:〜(し)ていたが。〜てっけよ:〜(し)ていたよ。
(てつけいちもん) 因縁をつけること 東京三鷹。
でっけづ
でっけつ
大きな尻、出っ張った尻 『出っ尻(でっちり)』と意味を同じくする言葉。『でじり』とも言う。尻を穴(けつ)というのは標準語でもあり、方言とも言いがたい言葉。
たなけっつ:宮城。
〜でっけど
〜てっけど
〜てっけと
【助】〜(し)てるけれど、〜(し)てるよ 〜てっけど:栃木。
いっしょけんめーやってけどこったんでいーのが:一生懸命やってるけれどこんなんで良いのかい。
〜でっけよ
〜てっけよ
【助】〜(し)てるよ
てーつけらんね 【複】手がつけられない てーつけらんね:宮城。
てっこ @手、A手甲、B刺し子の手袋 @・てっこ:静岡。
てっこー:静岡。
Cその他。
てっこ:年齢に似合わずたくみな人:山形。
でっこ
でっこー
【複】出て来い 八丈島では『でこ』と言う。
てっこいない
てっこさっこにおいねー
【慣】手に負えない 『てっこにおえない』。『集覧:北』。
てっこーじばん わきの下から袖がつき手甲になっている仕事着 神奈川。
でっこしゃこ 凸凹
でっこじゃす 【動】間違って作る、出来そこないをつくる 『出来』+『抉らす(こじらす)』意味か。
◆■でっこじゃれ 【形動】できそこない、役に立たないもの 良く使われた言葉。原型は『拗らす』と思われる。標準語に近く遠い言葉。
でっこじゃれる 【動】出来そこなう、壊れる 良く使われた言葉。『民俗』に無いのが不思議な言葉。原型は『拗らす』と思われる。標準語に近く遠い言葉。
でっこじる 【動】出来そこなう せっかぐつぐったのにでっこじっちった:折角作ったのに出来損なってしまった。原型は『拗らす』と思われる。標準語に近く遠い言葉。
でっこじれ できそこない、役に立たないもの 『出来抉れ』。この方が標準語に近いのだが何故か使わなくなっている。原型は『拗らす』と思われる。標準語に近く遠い言葉。
でっこじれる 【動】間違って作る、出来そこないをつくる 『出来抉れる』。
てっこにおいない
てっこにおいねー
てっこにおえない
【慣】手に負えない 『集覧:多・猿』。
でっこへっこ
でっこぼしゃっこぼ
でっこぼっこ
でこぼこ でっくぼはっくぼ:山形。
でっこましっこま
でっこますっこま
でっこまひっこま
でっこまへっこま
凸凹 『集覧:真』。
最近、横浜生まれ横浜育ちの50代後半の男性が『でっこまへっこま』を使うのを聞いた。近世語の『でくまひくま』の流れを引いた関東方言と思われる。
でこぼひっこぼ:静岡。
てっこまひっこま:静岡。
めっこまひっこま:群馬。
でっこみひっこみ 凸凹 俗語。
でっこみひっこみ:神奈川。
てっこもっこにおいねー 【慣】手に負えない
でっこもり
てっこもり
てっこーもり
山盛り 『てんこ盛り・てこ盛り』。
広辞苑に『てんこ(天こ):(西日本などで) 頂上。てっぺん。てんこつ。てっこ。』とある。
でっこもり:福島・長野。
てっこーもり:山梨。
てっこもり:群馬・佐渡島。
でっこら 【形動】太っているさま 『集覧:久』。『でっぷり』。
でこりと:山形。
でっこり:岩手・山形。
でっころ
でっころぶ
【動】転ぶ 意味は、がんばって出た結果転がること。
でっころぶ:福島。
てっごんちんくりーと
てっこんきんくりーと
鉄筋コンクリート 茨城県人は、言葉遊びを好む傾向がある。このような倒語使うと会話が和らぐ。頭語はもともと江戸時代に流行したものだが、茨城県には今もその精神が生きている。
〜(し)てっしゃった
〜(し)てっしゃーった
【複】〜(し)てしまった
(てっしょー) 【副】必ず 静岡。
(てっしょんね・てっせんね) 【形】とんでもない 鹿児島。
てっづぐろ
てっづくろ
ふところ手 『てぶづぐろ』
でった 【動】出来た 昭和30年代の言葉。
でた:福島。『出来る』意味の『でる』は辞書掲載語。『出得る』意味と考えられる。
てづだー
てっだー
てづだあ
てづだう
てつたう
【動】手伝う 30年代の言葉。
てづだい
てつたい
てっだい
手伝い 30年代の言葉。清音形は八丈方言共通語。
でったら 【複】出来たら
〜てったら 【複】〜と言ったら 俗語。
〜てったら:静岡。
てづだま
てつだま
鉄製のビーダマ パチンコ玉を使ったもの。威力がある。
てったれ 遊び人、放蕩者
でっちがる
でっちかる
【動】座る 『でんと座る』意味。=『いっちがる』
でしかる:福島。
でっちがる:福島。
でっちかる:福島。
でっちった 【複】@出ちゃった、A出来ちゃった
てっちみっち 【副】めいっぱい、おもいきり 県西部猿島郡独特の方言。『でっちりみっちり』の意味か。
でっちもり 山盛り
てっちゃー 手の不自由な人、片腕の人 『集覧:猿』。『手潰し』の意味か。
でっちゃー
でっちゃう
【複】@出ちゃう、出てしまう、もれちゃう、A出来ちゃう、B(おできやまめ等が)出来ちゃう B『土』:俺(お)らこんなに肉刺(まめ)出(で)っちゃったんだよ。
〜てっちゃった 【複】@〜(し)てしまった、A〜(し)て行っちゃった @=『〜(し)てっしゃった』
Aはしってっちゃった:走って行っちゃった。
でっちゃべる 【動】でしゃばる、べらべらしゃべる 『でしゃばる』の語源を連想させる語。
てっちょ
てっちょー
上の方、天井 『天頂』の意味。『集覧:多』。
てっじょー:天井:八丈島。
てっちょー:岩手・福島・新潟。
(でっちょ) 野暮ったい人 沖縄。
でっちょー
てっちょー
【形動】絶頂、頂上 『集覧:多』。『天頂』。
てっき:長野。
てっきん:長野。
てっちょー:新潟・福島・東京多摩・静岡。
てっちょーら:神奈川。
てっちょーらく:神奈川。
△☆でっちり 【形動】@重い様、体格が良い様子、A量が多い様、どっさり、沢山、Bお尻の出ていることまたはその人 やや古い標準語。『集覧:久』。
@辞書によっては掲載されていないものもある。
でっしり::肥えた様:福島。
でったら:大きな様:青森。
A辞書によっては掲載されていないものもある。
でっちり:秋田・山形・宮城・福島。
てっちり:山形。
でっちりど:山形。東北では助詞が付くことが多い。
てっちりと:山形。東北では助詞が付くことが多い。
てっしり:岩手・山形・福島・高知。
てっちり:岩手。
でっつら:山形。
Bもともとは『出尻』。
(でっちる) 【動】つくねる。こねる。 『捏ちる』。
でっちる:神奈川。
てっつ
てっつー
てっつぎ
段取り、作業順序、やりかた 『手続き』。
てっつ:手段:山形。
てっつー:福島。
てっつき 手つき
てっつぐ 【動】終わる、けりがつく 『手が尽く』意味だろう。この茨城弁集の最も古い言葉の一つ。
てっつぐ 【動】まとまる、解決する、戦略の目途がつく 標準語の慣用句では、『手が付く』は『新しいものを使い始める、新しい仕事に取り掛かる、使用人の女などと情交関係ができる、マージャン・トランプなどで、自分のところへ手役が来る』意味。
(でっつく) 【複】出始める 静岡。
てっづくろ ふところ手
てっつくらい
てっつくり
てっつくれー
てっつくろい
手で物を表現すること、手まね 『集覧:稲』。
『手繕い』の意味。
てっつくらい:宮城・福島。
てづくれー:福島。
てっつけ @最初、はじめ、A日が照りつけること、B日当たりの良い場所・土地 @『手付け』。
A『照り付け』。
B『照り付け』。
てっつけ:千葉。
てっつげる
てっつける
【動】@太陽が照りつける、A手を付ける 『照りつける』。『手を付ける』。
てーつける 【動】手を付ける、触る、始める
でづっ
でずっ
【形動】出っ放し 『出突っ張り』。標準語。
でづっ:群馬。
てって 幼児語。
てづでー
てっでー
手伝い 『てつでえ』なら江戸言葉。
おてんでー:山梨。
★『土』:おつことお針(はり)つ子等(こら)と一緒(しよ)に手傳(てづでえ)に遣(や)ったの知(し)ってべな。
〜てって 【複】〜て言って 八丈方言でも同じ言い方がある。江戸言葉か。
(てってっと) 【副】てくてくと 神奈川。
(てってと) 【副】さっさと 神奈川。
てづでーと
てってーと
手伝い人 『手伝人』の意味。
てっでーでぎに 【副】徹底的に 濁音化。
てってくる 【動】晴れて来る (日が)『照る』+『て』+『来る』。
てってごてってご 【副】てくてく歩く様
(てってーぶる) 【動】気取る 神奈川。
〜(し)てっど
〜(し)てっと
【複助】@〜(し)ているよ、〜(し)ているぞ、A〜(し)ていると おめそごにたってっとめーねんだよ:お前がそこに立っていると見えないんだよ。
でっとぎ 出る時
てづな 手綱 乗馬でもしなければ『手綱』は握らない。
てづない
てづねー
手伝い
てづないと
てづねーと
【動】手伝い人、助っ人
てづなー
てづなう
【動】手伝う 『てつなう』なら、淡路島・高知でも使われる。
てつな 手を繋ぐこと 標準語と言って良いが辞書にはない。
てつなん:群馬。
でっじめ 始め、最初、出始め
てっずす 【動】(手から)落とす、手を外す てっどす:宮城。
っどす:宮城。
てっ
てっ
大きいこと、大きいもの 『鉄鉢(てっぱつ)』に関係があるのだろうか。
てっちもり:山盛り:静岡。
でっ:親玉・大きいもの:神奈川。
てっ:千葉・東京都大島。
てっ:最たるもの:静岡。
でんばらい:千葉。
でっ
でっ
【流】出発 当時の若年層流行語。今も使っている人がいるらしい。
てっ 手で鼻をかむこと、手鼻
てっ はじめ、最初、 『突端・突鼻』(とっぱな)。
でっ @はじめ、最初、A台地が突き出たところ(出鼻、出端)、B鼻の高い様、出鼻 『出端』『出鼻』。
てっやい 【形】素早い、手早い 『手が早い』意味。
てっ サトイモ科の植物の総称 ウラシマソウやマムシグサを指す。
◆■てっ 【動】@(仕事などが)遅くなる、A手に余る、B困る、C頑張る、反抗する @『手』+『張る』(手が張って遅れる)か『出っ張る』(予定の時間をはみ出る)?意味。
C広辞苑に『手っ張る:手向かう。対抗する。』がある。
てっひどころ ふところ手
◆■▲てっ 手のひら 『集覧:猿』。『手つ平』。
てっ:群馬。
★『土』:銜(くうえ)えてぎりぎりっとこう手っ平(ら)でぶん廻(まあ)すとろうっと噛み切れちゃあのんだから。:銜えてぎりぎりと、こう(やって)、手のひらで廻すとぽろりと噛み切れてしまうのがあるんだから。
★『土』:唐鍬(たうは)なんざ錢(ぜね)出(だ)しせえすりや幾(いく)らでも有(あ)ん、此(こ)の手(て)っ平(ら)はねえぞ、二年(ねん)三年(ねん)唐鍬(たうは)持(も)ったんぢゃ恁(か)うは成(な)んねえかんな、俺(お)らな唐鍬(たうは)の柄(え)さすっかりくっついちゃったんだから。
てづびん
てつびん
てつ
てづひん
鉄瓶、鉄の急須 南部の鉄瓶は有名だがあまり使われないようになった。
かなじょか:鹿児島。
かなどか:鹿児島。
てづぶぐろ
てづぶくろ
てっぶくろ
てっくろ
ふところ手 古語の助詞『つ』((格助詞) 体言と体言との所属の関係を表す。)が残っていると考えられる。
てっ 手、手の動き、手振り 『手節』または『手振り』。
てっいー:器用だ。
でっ 【形動】太っているさま、でっぷり 『集覧:久』。
でんぶら:静岡。
てっ てっぺん 『天辺』(@(「頂辺」とも書く) かぶとの鉢の頂上。てへん。Aいただき。頂上。B最高。最上。)。古語の『てっぺい』の流れ。
ちょっ:神奈川。
てっ:長野。
てっんしょ:神奈川。
てっ:上:福島。
てっぺぐ:千葉。
てっ:青森。
てっろりん:幼児語:千葉。
てっ 手の平
◎てっ 初め、最初 俗語と考えられる。
てっ
てんんきり
【副】この上なく、全力で、思い切り
てっなし
てっんこなし
頭ごなし てっなし:群馬。
てっんじょーゆ 煮物料理の際最初に醤油を入れること
てんんちょー 頂上 結城市・古河市。
てづぼ 鉄棒
てっ 油を入れる壷 『集覧:多・西』。
てっ
◎てっ
◎てっーそで
筒袖 『てっぽう』『鉄砲袖』。
てっそで:鹿児島。
てっそで:シャツ:鹿児島。
てっ:長野・静岡。
てっ:長野。
てっ
てっ
@鉄砲、Aうそ、でたらめ @・てっ:鹿児島。
てっ:神奈川。
A・たいほー:岩手・宮城。
でっ・でっ:神奈川。
てーほ:宮城。
てほ:宮城。
てーほかだり:嘘つき:宮城。
てーほやろ:嘘つき:宮城。
Bその他。
てーほ:大嘘:宮城。
でっーげる 【動】@出っ放しになる、A出しっぱなしになる @・でっーけ:出放題:山梨。
(てっーざる) 紙屑を入れる細長いざる 『鉄砲笊』。
てっこざる:神奈川。
てっーざる:神奈川。
てっだま @飴玉、A出たきりで帰って来ない人 @『鉄砲玉』の転。飴を『飴鉄砲(あめでっう)』とも呼んだ。
てっぶぢ
てっーぶぢ
@鉄砲を撃つこと、A猟師、Bうそをつくこと、うそつき @・てっぶづ:宮城。
A・てっぶぢ:福島。
てっぶち:栃木。
てっーぶち:群馬・神奈川・山梨。
てっぶづ:宮城。
B鉄砲には『うそ、でたらめ』の意味がある。
てっぶろ 風呂桶の下部に円筒形の釜(鉄炮)のある風呂 『鉄炮風呂』。
てっーむし
てっむし
カミキリムシの幼虫 『鉄砲虫』。
てづま @手品、A手先、手先の仕事 @『手妻』。本来は『手爪』。テレビの出現でいち早く『手品』に矯正された言葉。
てづな:神奈川。
てづま:東京・神奈川・静岡。
A『手爪』(てづま)。
てづまさぎ 手先 『手爪』(てづま)の転。
てづまさき:東京。
てづまつかい
てづまつけー
手品師
てづめ 生活を切り詰めること 標準語の『手詰め』は『厳しくつめよること。猶予なく責めかけること。』。
(でづら) 【複】出た途端 神奈川。
広辞苑に『でづら【出面・出頬】:@顔出しをすること。A日雇労働者などの日給。労賃。でめん。』とある。
でづら:外出:東京三鷹。
(でづらっい) 【形】不必要に手出しをする様 神奈川。
てづらみ
てづらめー
手づかみ 『手捉まえ』。
てづらみっこ 手を繋ぐこと 『手繋ぎ』の意味。どうして『手繋ぎ』は辞書に無いのだろう。
てづり 手桶 『集覧:猿』。
てづり:茨城・埼玉。
てーつるす 【動】手を空ける 『手を吊るす』ことで何もしないでいる意味。
てをつるす:群馬。
てで
てて
幼児語。
てて:埼玉。
〜でで
〜てで
〜でーで
〜てーで
【助】〜てて、〜ていて 『〜にてありて』の意味。
やんなくてでよがったなー。:やらなくていて良かったなあ。
いだのういにぐがでででつっとっしゃった。:板の上に釘が出ていて突き刺しちゃった。
★『土』:餘(よ)つ程(ぽど)待(ま)っててか爺(ぢい)は:余程待っていたかい、お爺さんは。『ててか』は『〜にてありたるか』の意味。
てーてー 【形動】大抵 てーてー:神奈川。
でーて:神奈川。
でーてー 【形動】大体 でーて:神奈川。
でーてー:神奈川。
(てで) 手代 鹿児島。
(でで) 鹿児島。
(てーでー) 水田を耕すときに鍬に付けて泥を防ぐもの 静岡。
てでいぐ
ててい
てーでいぐ
てーでい
【動】連れて行く 『集覧:稲』。=『せーで。添えて行く→せえでてえでいてーでてで
ちぢーらまでてーでってくんにが。:土浦まで連れてってくれないかい。
ででれる 【動】出て行かれる 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
てーでれる 【動】連れて行かれる
てできる 【動】連れて来る
ででぐ
でで
【動】出て行く、家出する 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
いづでもででってかまねど。:いつでも出て行って構わないよ。
いーづんなってもっでで:何時になっても出ていかない。
てで
てーで
てて
てーて
てでく
【動】連れて行く 『集覧:久』。『ぐ』は濁音・鼻濁音。=『せーで。添えて行く→せえでてえでいてーでてで

おれもてーでってくんにが?。:俺も連れてってくれないかい?。
てでくる
てーでくる
ててくる
【動】連れて来る 添えて来る→せえでくるてーでくるてでくる
ででぐる
ででくる
【複】出て来る いやー、はだげほったら、いがいつぼででぐるわででぐるわ、こーうんきいーになっちった:いやあ、畑を掘ったら大きな壺が沢山出て来て、耕運機が一杯になっちゃった。
ででぐる
ででくる
【複】行って来る、出掛けて来る 『行って帰る』意味。
でで 【動】出て行ける 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
ででげーる
ででけーる
【動】出かける、行ってくる 『出て帰る』意味。
ででこ
ででこー
ででこーや
ででこーよ
【複】出て来い
てでこー
てーでこー
【複】連れて来い 『集覧:久』。『添えて来い』の意味。
『俚言』には『ててこい:常陸の邊の土民の詞に連れて来よをててこいと云。将て来いの転語歟。連の釣りてて也。』とある。
でーでーする 【動】しばしば出る、何度も出る
〜ででだ
〜てでだ
〜てでーだ
【助】〜(し)ていた 直訳すると『〜(し)ていていた』の意味。
〜ででだって
〜てでだって
【助】〜(し)ていたって 直訳すると『〜(し)ていてたって』。ちなみにネットで『やっててたって』を検索するといくつかひっかかる。『やってていても』も同様でこれは、『てて』の本来の意味が『ていて』に由来することを忘れ、『て』の意味で捉えて重複表現になったものと見られる。さらにもしやと思い関西言葉の『やってんねん』に対して『やっててんねん』はどうかと検索するとやはりいくつかヒットする。訛りの図式は東西ともあまり変わらないようである。
おれやっででだってこえーんだがら、おめにはむりだっ。:俺がやっていたって疲れるんだから、お前には無理だろう。
ててっけ 【複】連れて行け 『集覧:筑』。
(ててっびょー) あわて者 佐渡島。
ででっ
でてっ
ででっ
ででっ
てでっ
ででー
ででーっ
でてっ
山鳩、鳩、キジバト 土浦では幼児語だが、他地域ではそうではないようである。
ででっ:山梨。
ででっ:ハトの鳴き声:栃木。
(ててっやろー) あまり利口で無い男 神奈川。『手鉄砲』の意味か。
でーでーてー DDT 当時のシラミ駆除剤。農薬の代表。今は使用が禁止されている。
〜ででで
〜てでで
〜てでーで
【助】〜(し)ていて 俗語?の『〜てていて』に当たる。
不思議な言い方だと感じるが八丈方言に『ひろってでいて』がある。『でいて』は解説には『できて(deki te)』とある。
『てて』の本来の意味が『ていて』に由来することを忘れ、『て』の意味で捉えて重複表現になったものと見られる。
いぢんちべんきょーやっででであぎっちゃったよ。:一日勉強やっていて飽きちゃった。
てれびみででできこえながった:テレビを見ていて聞こえなかった。
おらいづーもこーふにやってででー、こんでいーがどおもってだんだいな:俺は、いつもこんな風にやっていて、これで良いんだろうかと思って痛んだよね。
ででで 【複】出ていて あんとぎゃでででいながった:あの時は出ていて居なかった。
でででだ
ででーでだ
【動】出ていた 直訳すると『出ててた』。
〜でででは
〜てででは
〜てでーでは
【助】〜(し)ていては
でででる 【動】出ている 直訳すると『出てている』意味。
あー、とーちゃんだらでででっと:ああ、父さんなら出ているよ。
でーでもかんでも 【複】誰でも 直訳すると『だれでも彼でも』。
〜ででも 【助】〜によってでも 標準語の俗語。
はだぎででもだいっちぇ:ハタキを使ってでも叩いてしまえ。なんででもいーど:何を使っても良いよ。
なんででも:どうしても。
〜ででも
〜てでも
【助】〜(し)ていても さげやってでもいーど:酒を飲んでいても良いよ。
〜ででもなんでも 【助】〜か何かで 直訳すると『〜によってでもなんでも』。
ぼーででもなんでもだいっちぇー。:棒か何かで引っ叩いてしまえ。
ででろ
ででーろ
【複】出ていなさい、出ていろ そどにででろ:外に出ていなさい。
〜ででろ
〜てでろ
〜てでーろ
【複】〜(し)ていろ 直訳すると『〜してていろ』。
いづまでもやってでろ:何時までも遣ってろ。
すわってーでろよ。:座って居なさい。
〜てーど
〜てーと
【複】〜と言うと 【複】〜と言うと。江戸言葉。
てーとー 対等
でど
でどご
でどこ
@出身地、生家、出て来た場所、物の産地、A出口、出入り口 『出処』。
@・でど:青森・神奈川・山梨。
でど:実家:静岡。
A・でど:入り口:青森。
でと:出口:群馬。
(てど) 手わざ 宮城。『手取り:糸などを器械にかけないで、手で繰り取ること。』に由来すると言う。
てーど 力量
でーどご
でーどこ
でーどごろ
でーどころ
台所 関東から東北にかけてのお勝手の呼称。古くは『でぁーどご』。『でえどこ』は江戸言葉。
『でー』とは『台』であり、食べ物を載せる台の意味である。江戸時代の将軍の正室は『御台所』と呼ばれた。
あれやしめどこい:鹿児島。
でーどご:青森。
でーどこ:埼玉・神奈川・八丈島。江戸言葉か。
でーどこー:神奈川。
でーどころ:神奈川・八丈島。
でんどご:青森。
(てーとに) 【副】本当に 神奈川。
(てーとばか) 愚か者 神奈川。
でどぼ 出口 『出』+『とぼ』
でーどみせ
でーどーみせ
大道店、露天 連母音変形。
てーどもねー 【形】分不相応、遣りすぎな様 てしょづらすね:(子供などが)まとわりついてうるさい:宮城。
てそずらすい:すぐに触りたがる・手が早い:宮城。
てどなし:不器用・へたくそ:宮城。
てーどわるい
てーどわりー
【動】出来が良く無い てんどわり:不器用:岩手。
(てなさみ) 博打 東京。『手慰み』。単に『慰み』とも言う。
これは『なぐさみにするちょっとした遊び。てすさび。』の意味もあるが古い言葉のようである。現代語で言えば『手慰め』でなければならないからである。
〜でなぐなるまで 【複】〜ではなくなるまで
◆▲てな
てなん
世話、丹精、手を尽くすこと、手入れ、介護 『集覧:真』。
標準語には『手長』(@宮中または貴人の家で、饗宴などの時、御膳を次の間まで運び、給仕の者に渡す役。おてなが。A給仕。仲居。)(広辞苑)があり意味が異なる。確かに茨城にはウ音便は皆無である。そうなれば、『手の護』の意味か。
てこ:山形。
てなが:田地の世話人:佐渡島。
てな:栃木。
てなん:群馬。
てん:群馬。
てん:群馬。
◆■でーなし 【形動】台無し 『でえなし』は江戸言葉。
でいなし:長野。
てなづこい
てなつこい
てなづっこい
てなつっこい
【形】人が良い、付き合いやすい 『集覧:猿』。『手懐ける』の形容詞形か。『手になづく』傾向がある意味か。
(てなむ) 【動】伴う 鹿児島。
(てなもんやさんどさ) 1962年〜1968年に放送されたテレビ番組。藤田まことと白木みのるが演じた当時の人気番組だった。
たまに吉本の『平三平』が出てきて、弱った膝を叩いて直す芸は、当時は随分受けた。
藤田まことは2010年2月18日に他界した。関西生まれだとばかり思っていたが、調べると東京生まれだったという。
(でに・でね・でん) 静岡。
てにおいねー 【複】手に負えない ておえね:東京多摩。
てにゃこにゃ:東京三鷹。
てにゃわん:宮崎。
てにおは てにをは、初歩、格助詞を中心にした文章の書き方
でーにぢさま 大日如来、大日様
(てにゃこにゃ) 【形動】お手上げの様 東京三鷹。
てぬぎ 手抜き 濁音化。
てぬぎ:青森。
てぬ
てぬ
てぬ
手ぬぐい てに:神奈川。
てぬ:青森・秋田・神奈川。
てぬ:神奈川。
てぬ:宮城。
てぬ:青森・神奈川。
てぬ:静岡。
★『土』:俺(お)ら其(そ)の手拭(てぬ)被(かぶ)ってこっち向(む)いてる姐樣(あねさま)こと寄(よ)せて見(み)てえもんだな。
でね 『集覧:無記載』。
でに:静岡。
でね:静岡。
〜でねー 【助】〜でない、〜ではない 『〜だねー』より古い。東北弁の言い回しと同じ。
てーね 【形動】丁寧 てね:鹿児島。
てねあ 田植えを終えること、またはその祝い 『手苗上げ』の意味。家ごとに行なう。
てねあもぢ 田植えが終わった時につく餅 『手苗上げ餅』の意味。
〜でねーが
〜でねーか
〜でねーがい
〜でねーかい
〜でねーがや
〜でねーかや
〜でねーがよ
〜でねーかよ
【助】〜ではないか、〜ではないの 終助詞が付く場合は強調語。
〜でねぐなるまで〜 【複】〜ではなくなるまで、出なくなるまで 東北弁の言い回し。
◆▲てね
てね
手ぬぐい 『集覧:北・稲・猿』。当時の手ぬぐいは、さらし生地であまり汗を吸わなかった。タオルが出てきていずれ駆逐されてしまう。
てね:長野。
てね:八丈島。
てね:長野。
てね:福島。
てねげ:鹿児島。
てね:埼玉・神奈川・八丈島・山梨。
てね:八丈島。
てね:長野。
ちょのぎ:鹿児島。
★『土』:おつう、手拭(てね)解(と)えて見ねえか:おつう、手ぬぐいを解いて見ないかい。
★『土』:俺(お)らさうだ手拭(てね)なんざあ被(かぶ)ったこたねえよ
てのいない
てのいねー
【複】手に負えない 『集覧:稲』。『てにおいない』がさらに訛ったもの。あるいは、古くは『手ないない』(手がいない)だったのかも知れない。
ての
ての
ての
ての
ての
手ぬぐい 『てのい』は古い標準語(辞書掲載語)。『集覧:多・筑』。
『手をぬぐう』意味と『手でぬぐう』意味が混在したとも見られる。
『のう』という言い方は『万二○「涙を―・ひ咽(ムセ)ひつつ」』にも見られる。
かつては『ぬう』『のう』があったが、現代では『ぬう』が選ばれて標準語になったことになる。
ちぇにぎ:鹿児島。
ちぇねげ:鹿児島。
ちぇにぎ:鹿児島。
ちぇのげ:鹿児島。
ちょのぎ:鹿児島。
ちょのげ:鹿児島。
ちょんげ:鹿児島。
てぬげ:鹿児島。
てのぎ:鹿児島。
ての:神奈川・静岡。
ての:東京。
てのげ:鹿児島。
ての:秋田・福島・神奈川。
ての:山梨・静岡。
てのけ:福島。
ての:福島・埼玉・東京・神奈川・静岡。
てのこい:福島。
ての:福島・埼玉。
てる:神奈川。
てれ:福島・神奈川。
てれ:神奈川。
てんてん:東京。幼児語と思われる。
てのくぼ
てんのくぼ
手のひらを少し曲げた時にできる窪み 『手の窪』。
おてのくぼ:手のひら:群馬。
おてのくぼ:手のひらのくぼみ:神奈川。
(てのこっ 手のつけようが無いこと 神奈川。
(てのこっすった) 【複】てこずった 神奈川。
(手野の坂道) 『手野』とは茨城県土浦市の町名の一つで、近年の町村合併以前は最後に土浦市に合併された町(村・部落)である。現代では『手野町』と書くが、『てのまぢ』と発音する。
霞ヶ浦(西浦)は、北側の石岡を西端とするものと土浦を西端とする二股になっているが、『手野』は土浦を西端とする側の北岸の西の端にあり、かつて霞ヶ浦が海の一部であった頃の高さ20〜30mの河岸段丘の斜面に張り付いたような細長い集落である。東に向かうと、田村・沖宿・牛渡・田伏に至る。田伏まで行くと段差はかなり小さくなり斜面も緩くなる。村落を結ぶ東西の道は平坦だが、南北の道は全て坂道で、中にはかなりの勾配の道がある。
『手野』の語源は定かでない。『手』にはもともと『蔓植物等を絡ませる竹等の支柱』の意味がある。何故『手の野』と言ったかは、『手』は『堤』に通じるのではないか。
『手野』の地名は、ネットで調べると東日本では茨城だけで、西日本の兵庫・福岡・佐賀・大分・熊本にあり、特に九州に偏在する。類似の地名に宮城の見手野原がある。
では 家の出入り口 『集覧:久』。『出端』の意味か。
でば 出刃包丁 でば:埼玉。
でば:小刀:静岡。
でーんば:青森。
でば 出るべき場所・場面 『出場』。
〜てば
〜てーば
【複】〜するならば 標準口語では死語となった言葉。完了の助動詞『つ』の未然形『て』に『ば』のついたもの。『〜にてあらば』の意味か。
〜てば:〜と言ったのに:東京三鷹。
おめやるってばしゃーねー:お前がやるのなら仕方が無い。
〜てば
〜てーば
【複】〜するって、〜たら 『〜と言えば』が転じたもので単音形なら標準語。多く促音を伴う。茨城では『〜ちば』の方がメジャー。
〜でば:宮城。
〜てば:宮城。標準語と異なり促音を伴わず、また意味はむしろ『よ』に近い。よくできましたてば:良く出来ましたよ。
〜てば:東京三鷹・静岡。
〜てはいよ 【複】〜て下さいよ 動詞『す』の未然形『せ』+助動詞『らる』:『せらる』の変化した『さる』の転じた『はる』の命令形。
〜たいよ:〜て下さいよ:千葉。『〜てはいよ』がさらに訛ったもの。促音化した動詞に付く。
〜てはいよ・〜ちはいよ・〜ちゃいよ・はいよ:下さいよ:熊本。
〜はる:山形・富山・福井・岐阜・三重・滋賀・京都・大阪・奈良・長崎。
でーばがり 台秤 濁音化・連母音変形。当時の農家の必需品。重量物を測る秤。今のヘルスメーターに似ているがメーター部分は台から突出した首の部分にあった。体重を量る際も利用した。
では 【複】出そこなう 標準語と考えられる。『出逸る』。
てばしっこい 【形】すばしっこい 『手捷い(てばしこい)』。促音便。近世には『てばし・てばしこし・てばしかし』と言った。
てばしっこい:東京・静岡。
でばしゃる 【動】でしゃばる 音位転倒か。県内広域で使われる。
(でばじゃれる) 【動】悪ふざけをする 神奈川。
てはずれ 手遅れ、不手際
ではずれ 町や村のはずれ あまり使わなくなった標準語。『出外れ』。
ではずれ:静岡。
ではずれる 【動】町等の中心から外れる あまり使わなくなった標準語。『出外れる』。
てばだぎ
てばたき
拍手 『てばたき(手拍)』なら辞書掲載されているが、今の標準語では漢語化が進み殆ど使われない。
てばだぎ:宮城。
てばたき:栃木・埼玉。
てばたき:得も損も無し:群馬。
てばたき:てぶら:群馬。
てばたき:一文無し:神奈川。
てーばっく ティーバッグ 《何?!?、Tバックをティーカップに入れちゃうの?!?》
(てばっーなし) 経済のやりくりの下手な人 神奈川。
でばど

でばーど
でばーと
デパート
てばなかむ 【動】手鼻をかむ、鼻汁をかむのに手で鼻をつまみ強い鼻息で鼻汁をふき出すこと 準標準語。短縮形。『てばな(手鼻)』は手で鼻をかむこと。
つかんばな:手鼻:宮城。
でばぼーぢょ 出刃包丁 でばぼいぢょ:宮城。
でばり 外出前に縫い物をすること。忌まれる。 『出針』の意味。国語辞典にも慣用句辞典にも無い。
でばり:群馬・神奈川。
◎てばる 【動】手に余る、もてあます 『手張る』。
でばる:静岡。
でばる 【動】@出っ張る、A出張する 『出張る』。やや古い標準語。
ではる:出っ張る:青森・山形。
ではる:出かける:宮城。
(ではる) 【動】出る 青森。ではれ:出なさい。
でび おでこが出ていること、またはその人 『出額』の短縮化。
でっび:山形。
でび:おでこ:宮城。
でんび:山形。
でび 日雇い、臨時雇い、日雇いが働く日 『集覧:真』。『出日』の意味。
てび 田の仕切り、畦 那珂郡。もともとは『手樋(てび)』(灌漑用水路)で、意味が転じたと考えられる。
てび:田植えのとき田の中に作られた仮の水路:神奈川。
てび:栃木・千葉・神奈川。
でひ 【副】是非 でひ:静岡。
てびげーる
けーる
【動】手控える 連母音変形。
てびしゃ
しゃ
手づかみ 『ひしゃぎ』は『拉げる(ひしゃぐ)』(押し潰す)の転と考えられるがかなり意味が異なる。『手柄杓(てびしゃく)』が転じたものか?。
しゃぐ
しゃく
木製の小さなヒシャク。『手柄杓(てびしゃく)』なら標準語。
てびしゃく:神奈川。
でびづ いびつ
たい
てー
おでこが出ていること、またはその人 『出額』。山形ではおでこを『でんび』と言う。
でぶたい:静岡。
でぶちん:静岡。
でほーだい:静岡。
(てびち) 豚足の煮付け 沖縄。=『あしてびち』
とごろ ふところ、ふところ手
でびにっとー 日雇いの日当
(てびょーらむ) 空手 佐渡島。
△▽でーぶ
でーぶん
【副】大分 『でーぶ』は 江戸言葉。
『浮世』(P15)には『大分(でへぶ)ご機嫌だっけね。』とある。
でーぶ:神奈川。
でーぼー:青森。
てんぶ:愛媛・大分。
(てーふぁー) お調子者 沖縄。
てふぎ

てぶぎん
てふきん
ハンカチ 『手拭き』(手を拭く布)・『手布巾』の意味。
でーふぐ
でーふく
でーふくもぢ
大福、大福餅

でぶぐれ
でぶくれ
くれ
ちゃん
でぶ、太っている人 30年代の言葉。『でぶ』の語源は、江戸期の『でっぷり』『でぶでぶ』や明治以降で『Double chin(二重あご)』が『でぶちん』になったことが有力とされている。
当時の子供の連想歌を無理やり記憶の底から思い出してくっつけてみた。誰かから聞いたものを自分で作ったりもしていたので、いくつかのバージョンがあった。『滑る』がキーワードデ始まる。
でぶでぶ百貫でぶ 電車にひかれてぺっちゃんこ ぺっちゃんこは煎餅 煎餅は丸い 丸いは月 月は白い 白いは兎 兎は跳ねる 跳ねるは蚤 蚤は赤い 赤いはほうづき ほうづきはなる なるはおなら おならは臭い 臭いはうんこ うんこは黄色い 黄色いはバナナ バナナは滑る 滑るは親父の禿げ頭
というのがあった。
 もうひとつ『光る』がキーワードで
でぶでぶ百貫でぶ 電車にひかれてぺっちゃんこ ぺっちゃんこは煎餅 煎餅は丸い まるいは地球 地球は青い 青いは海 海は深い 深いは地獄 地獄は怖い 怖いはおばけ おばけは消える 消えるは電気 電気は光る 光はおやじのはげ頭
というのがあった。
 この他にもヘビやカエル、キュウリも出てきたような記憶があるがはっきりしない。
でぶぐれる 【動】太る 30年代の言葉。
てぶぐろ
くろ
手袋 泉鏡花の『露肆』第1章に『同《おな》じ色《いろ》の腕《うで》までの手袋《てぷくろ》を嵌《は》めた手《て》に』とある。
てぶぐろ:青森。
てぶくろ ふところ手
てぶぐろかげる
くろかげる
てぶぐろはぐ
【動】手袋をはめる 古くは刀剣を身に着けることを『佩く(はく)』と言った。古い標準語の意味がわずかに拡大されて使われていると言って良いだろう。
くろかげだが:手袋をはめたかい。
でぶげる 【動】太る 30年代の言葉。
てぶし

てふし
@手、腕、A手並み、腕前 やや古い標準語の『手節』(てぶし)。
でぶしょう 出不精、出嫌い 標準語。
《幼い頃は、太っている人は外に出たがらないので『でぶ症』なのだと信じて疑わなかった。》
でぶそぐ
でぶそく
@外に出るのが不足していること、こもり勝ちなこと、A定まった会合や共同作業に出ないこと、Bその場合の違約金や代償とした酒等 『出不足』の意味。
B全国的にある村の罰則。
でぶそく・でふそく:神奈川。
てぶぢ 手打ちの蕎麦やうどん 八丈島では手打ちそばを『てぶちそば』と言う。
でぶちん 【名】太った人、【形】太っている様、でぶっちょ あーたでぶちんみだごどね。:あんなでぶ見たこと無い。
でーぶづ 大仏 でーぶつ:福島。
てぶつくり
てぶづくれ
てぶっくれ
◆▲てぶづぐろ
□てぶつくろ
てぶつころ
ふところ手 『手ふところ』の意味。『集覧:多・新』。筑波郡。
でぶっち 【名】太った人、【形】太っている、でぶっちょ
でぶってー 【形】@太っている、Aおでこ A『出額(でびたい)』。
でぶでぶ 【形動】肥えている様 標準語。
てぶどごろ
てぶところ
とごろ
てふとごろ
てふとごろ
ふところ手 『手』『ふところ』。
★『土』:此(こ)んだから知(し)らねえもな俺(お)れ手懷(てぶところ)してっと、如何(どう)したんでえなんて聞(き)くから俺(お)らかういに腫(はれ)っちやって痛(いた)くってしやうねえんだなんて、そろうっと出(だ)して見(み)せっと、成(な)る程(ほど)こりゃ痛(いた)かんべえなんて魂消(たま)らあな。
てぶり 手ぶら 古い標準語。『手振り』。
でぶる 【動】太る 標準語には動詞形はない。
てぶろ 手ぶら、素手 『集覧:北』。
でべ
でべー
【複】@出よう、行こう、A出るだろう 『でっ。典型的東国語。
はーでべ:もう出よう。
でへーり 出入り でへーり:神奈川。
でへーりぐぢ:出入り口。
てーへん 【形動】大変 江戸ことばの代表。『てえへんだいてえへんだい』
てへん:宮城。
てーへん:群馬・東京・神奈川。
てーへんだほど 【副】大変な程
てーへんだごどでぎる
てーへんなごどでぎる
【複】大変な事が起きる
てーへんだごどになる
てーへんなごどになる
【複】大変な事になる 『たいへんなごどになる』
てーへんだね 【複】 物を貰ったときにお礼の意味で言う言葉。『大変有難う』の『有難う』を省略しているものと思われる。
◎でほ 稲が穂を出すこと 『出穂』。江戸時代にもあった呼称。一般には『しゅっすい』と呼ぶ。
てーほ
てーほー
@大砲、A大嘘 江戸言葉と考えられる。
鉄砲や大砲を傘に着せるのは、時代遅れで嘘つきの意味になたのであろう。
A・てーほ:宮城。
てーほかだり:大法螺吹き:宮城。
でぼかい
でぼげ
でぼけー
祝い事、酒宴、祝酒 『出ほかい・出ほがい』。『ほげ』は『寿ひ・祝ひ・賀ひ(ほかい・ほがい)』が訛ったもの。
でぼけーさげ 祭りや祝いに出かける前に飲む酒
でほげる
でほーげる
【動】@出っ放しになる、A出しっぱなしになる 『出』『惚ける・耄ける』。
てぼっけ
てぼっけー
手ぶら てぼっけ:不器用:青森。
てぼこ:不器用:山形。
てぼろけ:山形・岩手・宮城。
でほで
でほでー
でほーでー
【形動】@出放題、Aでまかせ、勝手に言うこと、B(水などを)出しっぱなしにすること @ ・でほ:静岡。
A・でふ:嘘:山形・福島。
でほ:嘘:福島・長野・静岡。
でほーでいー:東京多摩。
でほーでー:埼玉・神奈川。
Cその他。
でほで・でほーでー:甚だしく:宮城。
でほーで:非常にたくさん・えらく:長野。
でほで:道理で:宮城。
でぼでぼ 【形動】太った様 『でっぷり』。
でほらぐ
でほらく
でほーらぐ
■▲△▽でほーらく
でまかせ、言いたい放題 『法楽』『放楽』は慰みや楽しみのことで『前に出るのが楽しい』意味が転じただろう。『集覧:真』。
でふらごふら:岩手。
でぼら:うそ:神奈川。『駄法螺』。
でほーらく:うそ・ほら:福島・群馬・埼玉・神奈川。
でほらく:神奈川。
でほらく:畑に他のものが自然に生えたもの:神奈川。
てぼる
てぼろ
手ぶら 『集覧:北・稲』。
てぼのけ:宮城。
てぼろかえ:山形。
てぼろけ:山形・岩手・宮城。
てぼーろ
てんぼろ
てんぼーろ
うっかり手から物を落すこと
てぼろ
てぼろする
【動】うっかり落す てぼろっちゃー:うっかり物を落としてしまう。
てまい 腕前、技量、手並み 『手前』。
てまいいー
てまいいー
【複】腕前が良い、技量がある、手並みが良い 『手前が良い』。
(てまえ) 過日 佐渡島。
(てまえかん) 自分だけの勘にたよって、自分の都合のよいように思いこむこと。ひとりよがり。また、その癖の人。 東京。『手前勘』。近世語。
てまくそ 手間 あすごのやまはてまくそばがりかがりゃっからよーぐかんえでやれよ。:あそこの林は手間ばかりかかるからよく考えてやりなさいよ。
てまーし 準備すること、根回し 『手回し』。
てまかがり
てまっかがり
手間が掛かること、面倒なこと 『手間』+『掛かり』。青森・秋田では『てまだれ』と言う。
てまっさい:時間つぶし:静岡。
てーまづ
てーまつ
松明 江戸言葉。
てまつ:鹿児島。
てーまつ:神奈川。
△▽てまどり
てまとり
@日当、日銭、A手伝い、雇い人、人足、B手間のかかること 近世語の『手間取り(てまとり)』は『手間賃をもらって働く事(人)』。
A・てまどり:青森・秋田・宮城・山形。
ひでまどり:日雇い:神奈川。
B・てまだれ:手をかける:青森・秋田。
てまだれくせ:面倒くさい・手間が掛かる:青森。
てまどる
てまとる
【動】@日銭を稼ぐ、A手間が掛かる @・てまとる:青森。
Aで濁音形なら標準語。
でまなぐ
でまなく
@出目、A蓮の実 『集覧:新』。『出眼(でまなこ)』の意味。
てまなし
てまねー
簡単な様、手間がかからない様
てまぶづ
てまぶっこむ
【動】手間をかける
◎てまめ 労をいとわずに働くこと。物事を面倒がらずにすること。 『手実』。
てまめ:神奈川。
でまる 離婚した女 『香取』にも掲載。
(てまるちょーちん) 丸形の弓張提灯。てまる。 神奈川。
『手丸提灯(てまるぢょうちん)』。
てまん
てまん
代掻き用の鍬 『手馬鍬』の意味。
てまんざい 手真似 『集覧:無記載』。
でみず 河川の氾濫 やや古い標準語。『出水』の訓読み。
でみず:千葉。
でみず 湧き水
てみず 餅を搗く時、捏取(コネドリ)が、手に水をつけてしめりを施すこと。また、その水。 『手水』。
でみせ @支店、A露天
てむがー 【動】手向かう、逆らう
てむげー 手向かい てむけ:鹿児島。
でむ
でむらす
【動】(小便や大便を)漏らす
(てむすび) 結納、婚約、樽入れ 群馬。
てめ
てめー
てーめー
【代】おまえ、あなた 『手前』。見下して言う場合に使う。『てめえ』は汚い標準語だが江戸言葉でもある。もともとは一人称でもある。
てめー:福島・埼玉・群馬・東京・神奈川。
てめぇー:静岡。
てめ
てめー
手前。前日。 てめ:青森。
でめ 奪うこと、詐欺 『集覧:久』。
『手目(てめ)』とは『ばくちで、いかさまをすること。転じて、人目をくらますこと。ごまかし。いんちき。』のこと。慣用句に『手目を上げる』(ごまかし・いんちきの証拠をつかむ)がある。
てめーって 手前勝手 てめーって:神奈川。
てめーかん 独り善がり 『手前勘』。
てまえかん:東京。
でめきん 金魚の出目金に例えて目が大きく出ている人 このでめきんやろ
てめーら 【代】おまえ等 『手前等』。俗語。汚い標準語だが江戸言葉でもある。もともとは一人称でもある。
てめぇーちゃー:静岡。
〜でも 【複】 場所を表す格助詞『で』に列挙を示す系助詞『も』がついたもの。不定称の指示語について全面的は肯定を示す。『土』表現は文法的には間違いではないが、標準語ではあまり使われない。
〜でん:福岡・佐賀・長崎。
★『土』:何處(どこ)でも眞白だよ:どこも真っ白だよ。
〜でも 【複】 事情・状態を表す格助詞『で』に列挙を示す系助詞『も』がついたもの。列挙する語法を受けて複数ある対象の一つを指して言う言い方。広辞苑には『@物事をきびしく限定せず、軽く大体を指すのに用いる。A物事の一部分を仮に取り上げて、他の部分をも暗示する。』とある。
現代標準語では名詞に付けて使うことはあるが用言に付けるのは少ない。江戸時代の滑稽本などに見られる。
ねごでもきたんだっ:猫でも来たんだろうか。体言形。
生酔いでも程があったもんだ(浮世風呂:P51)。用言形。現代では『酔っ払いにも程がある』。
寝てでも居ることと思った(浮世風呂:P51)。用言形。
ねででもいだんだっ:寝たりしていたんだろう。用言形。
★『土』:わし居(ゐ)なくでも成(な)つちゃ子奴等(こめら)仕(し)やうがあせんから、助(たす)かれるもんならわしもはあ。用言形。類似の言い方に『見たくでもない』がある。
〜でもあっか 【複】〜じゃあないだろう、〜でもないぞ、〜だ そーたごどすんのはおめでもあっか:そんなことをするのは、お前じゃ無いだろう(お前だろう)。
〜でもあんめ 【複】〜じゃあないだろう、〜でもしないぞ、〜だ なーにやってんだ、ばがでもあんめ:何やってんの、(そんなこと)馬鹿でもしないよ。
てもちけー じっとしていないで手を動かしていること
てもぢない
てもぢねー
【形】手持ち無沙汰 広辞苑には『てもちなし【手持無し】:形ク:なすべきことがなく恰好がつかない。間(マ)が悪い。』とある。
てもちない:宮城。
でもどり
でもどりおんな
離縁した女 たびーり:栃木。
てーもねー 【形】@大したこと無い、下らない、Aむやみな様、やたらにする様、むしょうにする様 @『他愛もない』。
てーもねー:山梨。
A『体もない』『手もない』意味。
〜でもやっか 【複】〜でも遣ろうか、〜でもあげようか さげでもやっか:酒でも飲もうか。
〜でもやっか
〜でもやっかや
〜でもやんね
〜でもやんめ
【複】〜でもしないぞ
でーもん @寺社の入り口の大門、A大きな家がら、大家 @・でーもん:神奈川。
〜てやー 【複】〜と言えば 『〜て言やあ』。
〜てやー:静岡。
〜でや 【助】〜では 『〜にてありにては』の流れ。現代語の格助詞『は』は『や』に音通する。現代語の『じゃ、じゃあ』の原型と考えられる。
あーたんでやしゃーんめな:あれではしょうがないだろう。
そんでやだいだ:それでは駄目だ。
おめでやしゃーねー:お前はしょうがない。
ほーでやねー:そうではない・そうじゃない。
〜でや
〜でやー
〜でゃ
〜でゃー
【助】〜ぞ、〜だよ、〜よ、〜だって 『〜にてあるぞよ』。
『〜どやー』
現代語の『だ』のルーツである『じゃ』の原型と考えられる。広辞苑に『であ:【助動】「である」の転。室町時代の天草本に多く見え、のちの「ぢゃ」や「だ」に移る過渡的な形。』とある。
関西でも『ええで』(良いぞ)などと言う。
方言表現の代表語として、『いいだ、ええだ』があるから、『あ』と『や』は音通しているとると考えられる。
『であ』が何故『じゃ』『だ』となったかは、二つのルーツが考えられる。
まず、『じゃ』は、格助詞『の』を介した言葉が重要である。『いいのじゃ、やるのじゃ』即ち単に『好いのである、遣るのである』意味である。『だ』は、『である』が単に約まった場合と、『である』にさらに助詞の『や』がついたとも考えられる。そのことから、すでに変化した『だ』に単に『や』が付いたとも考えられる。
『だ』は『ぞ』『ど』に通じ、日本語の表現では、形容動詞表現の『たる』と混合して、現代に至っていると思われる。
〜じゃ:青森・富山・鳥取・山口・岡山等。
じゃっどがい:そうですか:鹿児島。『であるぞかえ』。
じゃねー:そうだね・だね:宮崎。『であるねえ』。
〜じゃひ:〜です:宮崎。『じゃい』。
〜じゃもん:〜だもの:広島。
〜じょ:兵庫・徳島。『じゃよ』。
〜でゃ:岩手。いてぇでぁ:痛いよ。
あるんだじゃ:あるんです:青森。
やんべーじゃー:やろうじゃないか:神奈川。この場合は終止形に『じゃ』がつく特殊な形。関西の『や』に近い。
〜でゃ:秋田。
なんでや:どう致しまして。反語が残る言い方。『何にてや(あるらめ)』。
やるしかねーでやー:やるしかないぞ。
やっちったんでやー:やっちゃったんだって。
〜てーや 【複】@〜だそうだ、A〜と言うのは 『と言へり』が訛った『てえや』があるように、これは『と言ふや』の意味。八丈方言共通語。
『てーい』『てーゆ』『てゆー』『ちゅう』に繋がる言葉。
茨城では、一般にさらに訛って『ちは、ちーは、〜ちや、〜ちーや』と言う方が多い。
でゃご
でゃーご
大根 でぇーこ:東京多摩。
でゃーこん:静岡・広島。
〜でやす 【助】〜です、〜であります 丁寧語。
〜でやすのー:〜ですねえ。
でやいこけぇー 【慣】沢山食べなさい 『集覧:稲』。
〜でやしまい
〜でやしめー
〜てやしめー
〜てやーしめー
【複】〜(し)てはしまい、〜(し)てはいるまい ★『土』見(み)てやあしめえな:見てはいないだろうしな。
でーやっても 【副】どうやっても、どうしても
〜でやない
〜でやーない
〜でゃない
〜でゃーない
〜でやねー
〜でやーねー
〜でゃねー
〜でゃーねー
【複】〜じゃない 現代標準語の原型。
そーでゃーない:青森。
でゃーふく 大福
でーやま 台地の林 当該地域は、霞ヶ浦の湖岸段丘の斜面を中心に定住化した地域で、段丘の上部は畑と林(やま)で構成されていた。そのため、台地の林をそう呼んでいた。=『やま』
〜でやんしょ
〜でやんしょー
【助動】〜でしょう 丁寧語。近世語。
〜でやんす 【助動】〜です、〜であります 丁寧語。近世語。
〜でやんすべー 【助動】〜でしょう
てやんで
てやんでー
【複】何を言いやがるんだい 江戸言葉。『何て言いやがるんだい』の略語と考えられる。
てやんでー:東京。
〜てゆーがよ 【複】〜というかさ 〜てゆーかよー:高知。これは方言というより若者言葉。
(デューディリジェンス) 不動産の証券化 ウィキペディアには、『投資やM&Aなどの取引に際して行われる対象企業についての調査活動をいう。「デューデリジェンス」とも表記される。口頭では「デューディリ」や「デューデリ」と略称するのが通常で、文章では「DD」と略称することもある。法務、財務、ビジネス、人事、環境といったさまざまな観点から、調査が実施される。また土地建物の詳細調査なども、デューディリジェンス業務とよばれ法的調査などは土地建物の状況を把握する不動産状況調査、権利関係を把握する法的調査に加えてマーケティングを把握する経済調査を行い、対象敷地の鑑定評価の前提条件とする。』とある。
この考え方はアメリカのサブプライムローンの基礎となり、また、自動車業界でも採用された。遂に2008年のリーマンショックに繋がる。
日本でも、2000年前後から話題になり、自社ビルを証券化した企業が相次いだ。
蓋を開けてみると、鑑定評価の妥当性の問題だけでなく、投資と保証が盥回しされる金融商品のため、そのリスクが全く解からないものになってしまったと言う。
でよ
でよー
【接】でね、でさあ
(でよー) 好まぬ事 静岡。訳には『だよう』とあるが、意味不明。広辞苑に『だよう【惰容】:なまけてだらしのないすがた。』があるので二重表現か。文例に『でよー好かない人だ』がある。
〜でよ
〜でよー
【助】〜でね、〜でさ 西日本の場合は、語法が異なり多く動詞の終止形につく。また、『〜からよ』のニュアンスがある。以下『ふるさと』による。
・信じとるでよ:愛知。
・まるげる(転がる)でよ:山口。
・こまい(小さい)時からな、ここよーお薬買いに来たんでよ、なー:徳島。
んでよー:それでね。それでさ。
おめだがらゆったんでよー、あいづだらゆわねー:お前だから言ったんで、あいつなら言わない。
てよげ 手桶 てよけ:静岡。
てよーけ:静岡。
てよんの ちょうな 『手斧』。広辞苑には『ちょうな:(テヲノがテウノと転じ、さらに訛ったもの) 大工道具の一。平鑿(ヒラノミ)を大きくしたような身に、直角に柄をつけた鍬形の斧。斧で削った後を平らにするのに用いる。ちょんな。』とある。
茨城方言に標準語の語源が残る貴重な例。広島・大分では『ておき』と言う。
〜でら
〜てら
〜てらー
【助】〜してるわ 〜ているわ→〜てらあ〜てら。辞書には『「ているは」の転。話し言葉でのくだけた言い方。上に来る語によって「でら」ともなる』とあるが多くは撥音便を伴った動詞に付く場合を指していると思われる。茨城弁では、撥音便を問わず濁音形も使われる。概ね東日本で使われる。
東北から新潟にかけては、語法が異なり、『〜ていらる』がさらに訛ったと思われる。
・浴びでらった:青森。
・しょってらの重てべなー:青森。
・耳で聞こえてたから分かってらったの:岩手。
・死ぬまで来る気になって頑張ってらずは:秋田。
・こんなに一生懸命かがってらので、ボーナス上げでもらうよーに言うてくれー:新潟。
まーだやっでら:まだやってるよ。
あすんでら:遊んでるよ。
〜てら
〜てーら
【助】〜の連中、〜の人達 『手合い』+『等(ら)』の転と思われる。
あんてら・あんてーら:あの連中。
てーら 【形動】平ら 江戸言葉。
てぇーら:東京多摩。
てーら:群馬・東京青梅・神奈川・山梨。
ていら:長野。
てーろ:東京青梅。
てーらー 耕運機の商品名、テーラー 上位機種に当たる。また、英語の『tiller』(耕作者・ 農夫・耕作機)由来の言葉でもある。
てーらーかったがらてーらんすんのかんたんだ:テーラー買ったから平らにするのが簡単だ。
でらい 【形】大きい 『どえらい』が訛ったか?。『集覧:真』。
てーらいっょーし 【形動】何もかも一緒にしてしまうこと、ごちゃまぜ、同じ遣り方を続けること 『平ら』+『一拍子』。1本調子。
でらいる
でらえる
【動】出られる r音の欠落。
『新方言』には『デライネ 「出られない(状況可能)」;山形県庄内の若い世代で;語源はデラレナイ;レのr脱落の形で,以前はデラエネと発音されていたが,連母音でアエがアイに変化してできた(1994);→オヨガイネ』とある。
〜てらいる
〜てらえる
【複】〜ておられる 〜てりゃーす:〜ていらっしゃる:愛知。
てーらが
てーらか
【形動】@高低のないさま、凹凸のないさま、A安らかなさま。平和なさま、B平穏無事なさま。 『平らか』。
おでーらがにおねがいしやすねがいしやす:御手柔らかにお願いします。
なんだこれー、てーらがになっていめな:何これ、平らになってないぞ。
てらきる 【複】上前をはねる 『てら』は『寺銭』のこと。
てらきり:変わり者:神奈川。
(でらっかけ) 【形動】粗末な様 神奈川。
てらてら 【形動】@きらきら、Aつるつる @・でらでら:青森。
Bその他。
てらてらする:ご機嫌を取る:山梨。
てらにきる 【複】除外する、つまはじきにする てらにきる:誇示する:神奈川。
てーらにする 【動】足をくずす、楽にする、平らにする
てーらめる 【動】平らにする 『平らめる』意味。『たいらげる』(平らにする)の変形と考えられる。
◆■てらをきる 【複】上前をはねる 『てら』は『寺銭』のこと。相撲界の隠語としても残っている古い言葉。時代劇でも聞かれる。
◎てらん 手で持てるように把手をつけた小さいランプ 『手ランプ』。
でーらん 台付きのランプ 『台ランプ』。
てりあめ 天気雨 標準語。
てりあめ:千葉。
〜てりーがら
〜てーりがら
〜てーりーがら
【助】〜と言うから 古語の『〜てえり(〜と言へり)』(〜と言っっているから)+『から』が訛ったもの。『言う』を『りう・りー』と言うルーツがここにある。
てりつゆ
てりにーばい
てりにーべー
空梅雨 梅雨を『にゅうばい』と言うのは東国語。
〜てーりば
〜てりーば
〜てーりーば
【助】〜て言えば 古語の『〜てえり(〜と言へり)』(〜と言っているから)+『ば』が訛ったもの。
てりゅうだん 手投げ弾 『手榴弾』のこと。『しゅりゅうだん』とも言う。NHKでは『手投げ弾』と言うが広辞苑には何故か記載が無い。
でる 【動】金が掛かる ★『土』:さうでがすか、わしやまた大變(たいへん)出(で)んだとばかし思(おも)ってあんした
(でる) 【動】崩れる 神奈川。『出る』には『発生する』の意味がある。
きゅうようでる:急用が発生する:宮城。
びゃくでる:崖が崩れる:神奈川。
でーる 【動】@出る、A出来る A・でた:出来た:福島。
でる:岩手・宮城・福島・山梨。辞書掲載語。『出得る』意味と考えられる。
てーる 【動】絶える
◆▲でれ
でれきしょ
◆■でれくそ
でれくされ
だらしが無い人、でれでれしている人、色香に迷いやすい人駄目な人、ろくでなし 『でれでれ』の転。『集覧:稲・猿』。
てれさく:山口。
(てれ) 連れ 鹿児島。
でれこぐ 【動】怠ける、気を抜く、ぼやぼやする まーだでれこいでんな:また怠けているね。
でれごじゃ 罵倒語、だらしがなく駄目な人
でれごみ
でれこみ
でれでれすること、怠けること、ろくでなし 『集覧:北』。
でれごむ
でれこむ
【動】怠ける、気を抜く、ぼやぼやする 『でれ込む』意味。
そーたでれごんでなーにやってんだおめー:そんなに怠けてお前は何やってんの。
《日本デレゴム?》。
でれすげ
◆▲△▽でれすけ
@色香に迷いやすい人(男)、Aだらしが無い人(男)、しまりが無い人(男)、Bでれでれしている人(男)、C▲駄目な人、ろくでなし 『でれ助』。『集覧:多・稲・猿』。
この言葉は、茨城県人の大半が方言だと思っている。
広辞苑には『でれすけ【でれ助】:女色に溺れやすい男を人名めかして言う語。でれでれする男。』とある。このように標準語世界では絶えてしまった言葉が、茨城では今でも使っているものが少なくない。『でれでれ』は広辞苑に『動作や態度にしまりがないさま。特に、異性に心を奪われてだらしないさまにいう。』とある。
『茨城のことば』では、『デレは太鼓の音「テレツクテン」のテレにスケを付けて人名化したテレスケ→でれすけ。遊興ざんまいに暮らし。身上を潰すような愚か者のこと。でれこみとも言う。』とある。
動詞形に『でれごむ』もある。
てれさく:山口。
でれすげ:栃木。
でれすけ:福島・千葉銚子・東京・栃木・熊本。
でれすけあま
でれあま
女相手の罵倒語、駄目な女
でれすけきしょ
でれすけちきしょ
でれすけやろ
でれすけやろー
でれやろ
でれやろめ
@色香に迷いやすい人、Aだらしが無い人、Bでれでれしている人、C駄目な人、ろくでなし 罵倒語。擬人化した『でれ助畜生・でれ助野郎』の意味。
でれすけでんべー @馬鹿、Aフクロウ Aはフクロウの鳴き声に由来するとされるが、実際は、キジバトの鳴き声である。フクロウにとっては随分迷惑な話である。
でれちきしょ
でれちきしょー
@色香に迷いやすい人、Aだらしが無い人、Bでれでれしている人、C駄目な人、ろくでなしだめなこと 罵倒語。
でれっきぼー ダルマストーブの火掻き棒 『デレッキ棒』。
今でも火葬場のお骨の掻き出し棒として現役で使われているという。オランダ語の『dreg』説が最も有力なようである。寒さの厳しい北海道では長く石炭を使って来た関係で方言(『でれっき』『でれき』)として残っているのだろう。生活様式の変遷によって、無くなりつつある言葉の一つ。辞書に掲載されていないのは、寒冷地限定の言葉のためか?。
でれっき:北海道。
でれづぐ
でれつく
【動】でれでれする 『でれつく』なら古い標準語。
でれっと
でれーっと
【副】@だらしない様、Aぼんやり、男性の、B女性に甘くだらしなく振舞うさま A・でれりぼーっと:東京。
てれっと 【副】だらだらと てれっと:ぼんやりと:熊本。
でれでる 【動】でれでれしている
てれてれ 【副】だらだらと
でれでれ 【副】動作や態度にしまりがないさま。特に、異性に心を奪われてだらしないさまにいう。
〜てーれば
〜てえーれば
【助】〜と言っているから。されば。 古い標準語の『〜てえれば』そのものと言える。
『釈名』には『ていればといへればと云意を略せり。』とある。
てれぼー 恥かしがる事 てれぼー:静岡。
解説に『相対する人に対して恥ずかしく又骨折り損の境遇に陥りし事』とある。
でれもさ
でれもさやろ
でれもさやろー
だらしが無い人 『もさ』とは古い言葉で、『@関東者をののしっていう語。ことばの終りに「もさ」とつける所からいう。A転じて田舎者。やぼくさい人。』(広辞苑)。@は『申さん』の意味と思われる。
『俚言』には『もさ:(中略)或は猛者の音なり。愚按坂東もさとは、今関東べえといふが如し。又もさは今、どさあといふが如し。とさあとは音のなまりたるを云なり。今も助語のもさといふ言をつけていふ也。何だもさ何たもさあなど云。』とある。
(でれりぼーっと) 【副】無意識な様、ぼんやりするさま 東京。東京にこんな方言があったとは驚きである。
でれる 【動】でれでれする 古い標準語。
あいざーいづーもでれでっから:あいつはいつもでれでれしてるから。
てれる 【動】だらだらする、怠ける 『集覧:稲』。清音化。集覧には『手持ち無沙汰の様を云う』とある。副詞形の『てれてれ』から生まれたと見られる。現代語の『だらだら』に当たる。
広辞苑に『てれる【照れる】:(恥かしくて顔が赤くほてる意) はにかむ。きまり悪がる。』とある。
てれる:見劣りする:静岡。解説に『善き物と比べて一方の価値無き事。人につきても言ふ。』とある。標準語の意味に近い。
(手練と外連) 広辞苑に『手練(てれん):いつわりごまかすこと。人をあやつる手段・技巧。手管(テクダ)。』、『外連(けれん):@演劇演出用語。見た目本位の、俗受けをねらった演出・演技。早替り・宙乗り・水芸の類。Aはったり。ごまかし。』とある。
現代日常語ではうっかりすると混乱して使ってしまいそうな言葉である。
両方とも怪しい言葉である。双方にごまかす意味がある。特に『外連』は当て字の可能性が高い。『衒い(てらい)』(てらうこと。ひけらかすこと。)という言葉もある。『衒う(てらう)』は、もとは『照らふ』の意味である。
語源辞典には、『手練:@テウレン(調練)の転、Aシュレン(手練)の誤読か。』とあり、『外連』の解説は無い。一方『外連味(けれんみ):俗受けをねらったいやらしさ。はったり。ごまかし。』がある。
八丈島では、嘘つきを『てれんつき、てれんもの』と言う。
てれんくらん
てれんこ
てれんこてれんこ
でれんこでれんこ
てれんこてれんこ
てれんてれん
【副】だらだらと 『たらたら・でれでれ』の転。
てれんこ:宮城。
てれんこてれんこ:群馬・埼玉。
でれんでれん:神奈川。
てれんてぐだ 手練手管、いつわりごまかすこと、人をあやつる手段・技巧 濁音化。
◆▲でろ 『集覧:多』。『泥』は『でい』と読む。現代では複合語で使われるが古くは単独で『でい』が使われた。『ろ』は接尾語か。
でろ:青森・秋田・宮城・福島・千葉・佐渡島・静岡。
でろんこ:千葉。
どべ:東北・北陸・佐渡島・中国・四国地方など。辞書掲載語
どろんこ:千葉。
べと:佐渡島・長野。
べろ:長野・静岡・島根。
でろ
でろよ
【複】来なさい 標準語か方言か解らない言葉。『前に出なさい』という意味。やや、隠語の雰囲気がある。八丈島でも使われえる。
こっちーでろよ:こっちに来いよ。
でーろ
でーろー
カタツムリ 茨城県の北部と福島・栃木・群馬・長野・新潟に分布。『出ろ』の意味と思われる。『でんでんむし』の語源は子供が『出よ出よ』と呼びかけることに由来するとされる。
八丈島ではナメクジを『だえろめ』と言う。逆音便か。
広辞苑に『だいろ:(山形・福島県・中部地方などで) かたつむり。たいろ。』とある。
でろっけ
でろっけー
でろでっ
【形動】泥だらけ、どろんこ でろっけ・でろっけー』は県内広域、『でろでっん』は行方郡。
でろまぶた:岐阜。『まぶた』は『塗る(まぶる)』の名詞形か。
でろっと 【形動】どろりと てろっと:バターなどを塗る様:岩手。
てろてろ 【形動】とろとろした様、鈍い様、火が弱い様 『とろとろ』。
でろでろ 【副】泥だらけの様、どろどろした様
でろでろ
でろでろむし
でんでんむし でんでんむしの歌を『でろでろむしむしかたつむり−−−』と歌った記憶によるもの。実際、福島では『だえろ』『だぇろだぇろ』と呼ぶと言う。これは語源である『出よ出よ虫』とも一致する。
でろでろびん
でろでんびん
でろぼちけー
でろんけ
【形動】泥だらけ、どろんこ 語源不詳。『でろでんびん』は県内広域、『でろぼちけー』は東茨城郡、『でろんけ』は那珂郡。
でろまぶれ:宮城。
どろてんぼー:神奈川。
どろぼっかい:神奈川。
(〜てろん) 【複】〜とか、〜とやら 鹿児島。なんてろんかんてろん:なんとかかんとか。
でろんでろん 【形動】@泥だらけの様、どろどろした様、A泥酔した様
◆■てわすら いたずら 『手』+『悪さ』。音位転倒の例。
てわさ:宮城。
てわすら:福島・栃木。
てわしら:宮城・福島。
てわっさ:福島。
てーわん 台湾 でぇーわん:福島。
てをぶづ
てをぶつ
【動】仕事を手伝わせる 『集覧:北』。
でん 方法、仕方 『伝』。古い標準語。次第に『手』に変わって行く。
でん:東京。
(〜でん・〜ぢぇん) 【助】〜で 係助詞。
でんいす 【動】ひっくり返す、倒す
でんいる
でんえる
【動】でんぐりがえる、ひっくりかえる 『集覧:西』。
でんーる:静岡。
てん 手を頻繁に動かすこと 『集覧:北』。
(てんけ) 【副】始めに 静岡。『端掛け』の意味か。
でん 【動】ひっくり返す、倒す
てんかてんか 【副】てかてか
(てんかばれ) 日本晴れ 東京。
『天下晴れて:誰にはばかるところなく。公然と。』という言葉があるが関係があるのだろうか。もっとも『日本晴れ』という言葉も不思議ではある。
◎てんから 【副】最初から 『はなっから』
広辞苑には『(「天から」の意。多く下に打消または否定的意味の語を伴う) 最初から。あたまから。てんで。』とある。
てん:最初・初め:新潟・埼玉・東京三鷹・東京多摩・静岡。
てん:東京三鷹・東京多摩。
てんから:群馬・東京・神奈川・静岡。
てんきに:神奈川。
てんきり:静岡。
てんづけ:埼玉・神奈川・長野・新潟・東京大島。
てんつけ:神奈川。
(でんら) 誇張 神奈川。
(〜てんから) 【複】〜(し)てるから これは茨城弁ではなく東京弁で、高齢者がしばしば使うもの。大正12年生まれの義理の叔母に合うたびに数回聞かされる。昭和3年生まれの義母は、『そんなことやってんからいけないのよ。』などと言う。昔はそんなはそんな言い方はしなかったが、近年若い頃使った言葉と思われる言葉が多く聞かれるようになった。
この言葉は、東京方言と茨城方言を微妙に分けるものである。
あるいは、『行く』を『いと言う茨城方言のルーツはこれなのかも知れないし、逆かもしれない。
あたし、先に寄ってんからさ。
そんなこと遣ってんからいけないのよ。
〜でんがら
〜てんがら
【複】〜(し)て行くから 『〜てから』がさらに訛ったもの。
★『土』:おつう支度(したく)して見(み)ろ、俺(おれ)連(つ)れてんから。
(でんらまい) 出かけても気になって戻ること 神奈川。
てんからもん 変わり者 『天から(変な)もの』の意味。広辞苑に『てんから【副】:(「天から」の意。多く下に打消または否定的意味の語を伴う) 最初から。あたまから。てんで。』とあり、『あいつはてんでだね』などと言うのと同じように体言が略されたものと見られる。
てんがなもん:利口者:鹿児島。
てんがらもん:不良・利口者:鹿児島。
てんくらもん:静岡。
(でんる) 【動】勃起する 神奈川。
(でんる・でんーる) 【動】ひっくり返る 静岡。
でんんもぢ 4人で人の手足を持って運ぶ方法
てんき 晴れ 辞書にはあるが、最近は、一般に『いい天気・良いお天気』。と言う。
てんき:千葉。
お天気で何よりです
今日は天気だ
◎てんきあめ 照り雨、太陽が出ているのに降る雨 標準語。
てんきあめ:群馬。
(てんきに) 【副】急に 神奈川。
(てんきに) 【副】一番先に 静岡。
てんきみる 【複】天候の関係で体の一部が痛んだり調子が悪くなること
てんきもよー 天候、空模様 てんきもよー:千葉。
でん
でんょっ
馬鹿、阿呆 県西部で使われ、土浦では聞かない。
最澄の諡号を『伝教・伝教大師』と言うが関係があるのかも知れない。
でんきんばしら 電信柱、電柱 全国的に偏在する方言。これは方言というより『電気の柱』が訛ったのだろう。
でんきんばしら:青森・福島・神奈川・山梨。
てん ヤマイモやオニドコロの実を使ったった子供の遊び
てんうり 詳細不詳。カラスウリのことか。
(てんぐかき・てんごーかき) 癩病患者 佐渡島。
てんかくし 神隠し
てんさま 高慢な人 『天狗になる』は標準語。
てん ヤツデ てん:埼玉・群馬・千葉。
てん:埼玉。
てん
てんばな
@天狗鼻、A高い鼻
てん
てんばな
ヤマイモやオニドコロの実を鼻の上に貼る子供の遊び
てんのうぢわ
てんのうちわ
てんのはうぢわ
てん
ヤツデ 『テングノウチワ』は、ヤツデの別称。
てんのこしかげ
てんのこしかけ
@三叉の枝、Aサルノコシカケ
(てんらまんら) 虚言、妄語 東京多摩。
らま【手暗目暗】:はっきりした見込みのないこと。あやふやなこと。前後の思慮のないこと。いいかげんなさま。』から生まれたと見られる。
でんいす
でんりかいす
【動】でんぐりがえす、ひっくりかえす 『が』は濁音・鼻濁音。
でんいり
でんえり
でんりかえり
@でんぐりがえし、Aひっくりかえし
でんいる
でんいる
でんえる
でんりかいる
でんくりかえる
【動】でんぐりがえる、ひっくりかえる 『集覧:多・稲』。『が』は濁音・鼻濁音。
でんらかえる:福島。
でんらけーる:神奈川。
でんりかえる:福島。
でんくりかえる:福島。
でん
でんりけー
仰向け 『集覧:稲』。『げ』は濁音・鼻濁音。
でんーし @でんぐりがえし、前転、Aひっくりかえし 『げ』は濁音・鼻濁音。
@・でんーし:群馬。
A・でんりけーし:神奈川。
でんるけーし:神奈川。
でんーす 【動】でんぐりがえす、ひっくりかえる 『げ』は濁音・鼻濁音。
でんりけーす:神奈川。
でんーり
でんりけーり
でんぐりがえし、前転、ひっくりかえし、宙返り 『げ』は濁音・鼻濁音。
でんーる
でんりけーる
【動】でんぐりがえる、ひっくりかえる 『げ』は濁音・鼻濁音。
でんりけーる:群馬・神奈川。
でんりこ 仰向け 幼児語。
(でんりすわる) 【動】胡坐をかいてどっかと座る 神奈川。
でん 【動】でんぐりがえる でん:福島。
でん
でんーす
【動】でんぐりがえす、ひっくりかえる 『げ』は濁音・鼻濁音。
でん
でんーる
【動】でんぐりがえる、ひっくりかえる 『げ』は濁音・鼻濁音。
でんるま
てんるま
てんるまい
肩車 広域方言。方言地図によると、東京・埼玉の一部の地域で『かたぐるま』と言い、その周辺の関東の大半の地域では『てんるま』、関東の一部(千葉が多い)とさらにその周辺地域では『かたうま』が分布している。また、『てんるま』は愛知や山陰地方にも飛び地のように分布し、『かたぐるま』よりはるかに使用地域が広い。尚近畿地方では『かたくま』(辞書掲載語)と呼ばれる。また辞書掲載語の『肩駒』は京都・兵庫にわずかにあるだけである。『くびのり・くびこのり』は東北に集中する。『くびうま』は長野・岐阜・高知に集中的に分布する珍しい『でんでんるま』は茨城の一部のほか、福島北部・愛知西部の限られた地域で使われる。
『天車』なのか『手車』なのかは不明である。
かたくま:近畿。
てんるま:福島・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・新潟・長野・静岡・愛知・鳥取・島根・岡山・広島・宮崎。
てん
てん
手ぬぐい 『集覧:那』。
ちぇのげ:鹿児島。
ちぇんげ:鹿児島。
てんげ:鹿児島。
でん
でんーす
【動】でんぐりがえす、ひっくりかえす、転がす 『でんぐりがえす』。
ほのみーはそごらあだりにでんげしとげ:その箕はそのあたりにひっくり返して置きなさい。
でんらがす
でんらす
でんるがす
でんるげす
【動】でんぐりがえす、ひっくりかえす、転がす でんらかす:静岡。
でん
でんーる
でんーる
でんれげる
でんれげーる
でんろかえる
でんーる
でんろげーる
【動】でんぐりかえる、ひっくりかえる 『転』+『返る』。『集覧:多・稲』。
でんーる:静岡。でんーった:倒れた:静岡。
でん:群馬。
なんだおめー。のぎばにバナナのかーなんちょうっちゃってはだいだどー。ばーちゃんでんっちゃーべな。:なにこれ(なんだいお前は)。軒先にバナナの皮なんか捨てては駄目だよ。お婆ちゃんがひっくりかえっちゃうだろうが。
(△てんこ) 一番上、頂上、てっぺん 『天こ』。
主に西日本で使われる。てんこ盛り(山盛り)の『てんこ』。広辞苑に『てんこ【天こ】:(西日本などで) 頂上。てっぺん。てんこつ。てっこ。』とある。
てっこ:福島・長野。
てっ:長野・山梨・静岡。
てんけ:青森。
てんけつ:奈良・鳥取・香川。
てんこ:静岡・石川・和歌山・香川。
てんこー:佐渡島・静岡。
てんこつ:岐阜・奈良・香川。
てんこら:佐渡島。
てんつじ:岡山・香川・大分。
てんば:奈良。ちなみに、建築用語に『てんば』がある。上端を意味する言葉で、『天端』の意味と考えられる。
てん:千葉・大分。
てんぼく:滋賀。
てんみね:山形・新潟。
どん:愛媛・佐賀・大分。
とんけ:香川。
とんこ:静岡。
とんぼ:富山・石川。
でんこ
てんこ
『集覧:那』。
てんこ 筒袖襦袢 『集覧:無記載』。
(てんける) 【動】倒れる 静岡。
てんさま 天狗 てん:静岡。
てん:静岡。
てん:自慢する人:神奈川。
てんーさん:静岡。
てんはん:威張る人:神奈川。
てんこしゃんこ 互い違い、反対、逆さま てんこしゃんこ:食い違い・行き違い・だめ:東京。
でん
でんーし
外方に張り出して造った格子。面格子。 『出格子』。
(てんこしもね) 【形】とんでもない 鹿児島。
てんこもり 山盛り 『天こ盛り』。
てっこもり:群馬。
てんこもり:岩手・群馬・東京多摩・神奈川・山梨。
(てんころみ) 樫の実 静岡。
(でんこん) レンコン 鹿児島。
てんじぐ
□てんじく
『天竺』。
おでんじぐ:山形。
てんじぐ:山形。
てんじく:福島・神奈川・佐渡島・山梨・静岡。
てんじく:頂上:福島。
てんじゅく:神奈川。
てんずく:静岡。
きょーはてんじぐもよーわりーな:今日は天気が悪いな。
てんじさま
てんじんさま
天満宮様 『天神宮様』の意味。
てんしゃば 停車場、駅 『集覧:多』。英語由来の方言と考えられる。『すてんしょ』は単なる訛りとして辞書掲載されている。
すてんしゃば:福島。
てんしゃば:福島。
でんしゃみぢ 線路 『きしゃみぢ』
てんじょ 天井 てっ:宮城。
てんじょ:山形・鹿児島。
てんじょ
てんじょー
上、上の方、高いところ てっ:福島。
てっ:山形。
てんじょー:岩手・宮城。
てん:千葉・大分。
てん:山形。
てん:山形。
ねごめだらほどげさまのてんじょーにいっとー:猫なら仏壇の上に居るよ。
△てんじょー 空、天 『天上』。
てんじょー:福島・千葉・群馬・静岡。
てんじょっつら しらんぷり 『天井面』の意味。しらんぷりする時に天井の方を見ることによる。
てんじょっつら:群馬。
てんじょーとーらし
てんじょーとんらし
タカノツメ 果実が上を向いているためそう呼ぶ。ソラマメは莢が空を向いていることからそう呼ばれるのと同じ。
てんじんこ 天神講 短縮形。1月25日、菅原道真を祭る子供の習字のおまつり。当番の家に子供達が集まり、書初め用の縦長の和紙に『天満天神宮』と書いて篠竹にぶら下げ、天神様に奉納した。夜の食事は各々が持参した米を使ってはお決まりのカレーライスが振舞われた。その後が肝試しの時間。当時はまともに街灯など無かったので、月齢が小さな時はどこでも暗がりがあった。提灯が無ければいつどぶにはまるか解らなかった。高学年の子供達は本当は自分も怖いのに、低学年の子供達をはやしたてて暗いところに行かせたり連れて行ったりしたが、泣き出す者が続出して自分もほっとすることになる。
てんじんまち:群馬。
でんしんばしら
でんしんぼー
電柱、電信柱 やや古い標準語。
(てんじんぼー) 天秤棒 静岡。
訛りの図式としてはかなり珍しいものである。明治の静岡方言ではあるが、江戸時代に培われた方言は、相当酷いものだったと思わせる。
『茨城方言収覧』では、ここまで変則的な方言は多くは無い。
でんしんひょー 伝染病 『集覧:多』。
てんす お手玉 『天蚕糸』(てぐす・てぐすいと)が訛ったと思われる。『集覧:北』。
◎〜でんす
◎〜でーんす
【助動】〜です やや古い標準語。辞書には近世語で『でえんす』の転とある。『〜でやんす』がルーツの可能性もある。
てんすいだ
てんすいば
雨水だけに頼る田 『天水田(てんすいでん)』。『天水場』は辞書掲載語で関東の言葉とある。
でんすだんす ばらばら、ちぐはぐ でんつだんつ:山形。
〜でーんすべー 【助動】〜でしょう 江戸語。『でえんすべえ』。
(てんずら) 【副】最初から、はじめから 静岡。
(てんずらしー) 【形】すぐに手を出してふざける様 神奈川。
〜でんだ
〜てんだ
【助】〜ているんだ しばらぐたばごやめでんだ。:しばらくタバコを止めているんだ。
てんだー
てんだう
【動】手伝う てんだう:山梨・静岡。
(てんだい) 手伝い 静岡。元『手つ代』か。
〜てんだら 【複】〜(し)てるなら、〜(し)ているのなら 今ではあまり使われなくなった標準語。
完了の助動詞『た』の仮定形。ガ・ナ・バ・マの各行の五段活用の動詞に付く時に限って『だ』になる。仮定形が撥音便になる動詞に付く様である。かんだら:噛んだら、よんだら:読んだら、んだら:屈んだら、こばんだら:拒んだら。
いづまでもやってんだらきがねがんな:何時までも遣ってるなら許さないからね。
でんち
でんちー
でんちゅー
懐中電灯 かいちゅーでんち
部分としての電池が総体を示す方言とも考えられる。
でんち:青森。
でんちー 電柱
てんちく 『天竺』。『集覧:真』。
(でんちく) 電気蓄音機、今のレコードプレーヤー 標準語。手回し時代の後、電気式になった時の呼称。死語。
てんちさま 天皇 『天子様』の意味。
(てんちぶき) 石油缶の上下の四角い部分を切り取って魚の鱗のように葺いた屋根 神奈川。
でんちゅー 菓子の一種 『圓柱』。詳細不詳。
でんちゅー 短い櫓 『集覧:無記載』。
てんちょー 一番上、頂上 『天頂』。死語となった標準語。当時の高齢者言葉。
でんづぐだんづぐ
でんつくだんつく
てんつくだんつく
でんつだんつ
てんつだんつ
てんつんたんつん
ばらばら、ちぐはぐ 『集覧:多』。茨城方言集覧では『一長一短にして不整なる意』とある。
別に『ちがある。。『ちぐはぐ』の『ちぐ』は『値遇』(出合うこと、めぐりあうこと)、『はぐ』は『反遇(はぐれる)』で、出会ったりはぐれたりする様が転じたとされる他、一揃いの『一具が逸れる(はぐれる)』意味が転じたとする説もある。この方言は、『値遇反遇』『ちうたんう』と読んだことに由来するのではないかと思われる。
広辞苑に『てんつくてん:囃子(ハヤシ)の太鼓の音。転じて、芝居の異称。でんつくでん。』とあり、囃しの太鼓の打ち方がばばばらの様子に例えたか。
てんつ・てん:嘘:山形。
でんづだんづ:岩手。
てんづけ
◆▲てんつけ
【副】最初から、はじめから 『手付け』『天付け』の意味。『集覧:猿』。広域方言。
てんづけ:埼玉・東京都大島・新潟・長野・山梨。
てんつるつん
■▲てんつるてん
てんつるん
つんつるてん、着物の丈が短いこと 『集覧:真』。『てんつるてん』は広辞苑に掲載されている。さらに『禿げ』の意味もある。
てんつるてん:神奈川。
てんて @手、A手拭い 幼児語。
@・てんて:神奈川。
てんてん:神奈川。
A・てんて:神奈川・長野。
てんてこ:長野。
てんてん:東京・神奈川。
てんで 【副】全く、もとから、最初から 標準語。『集覧:北・猿』。『集覧』では『最初からと云うこと』とある。当時の土浦では『まるきり、まるっきり』がメジャー。
てんで:群馬・神奈川。
〜でんで
〜てんで
【助】〜というので あいづがやだっでんでーおめにたのむんだよ。:あいつが嫌だと言うのでお前に頼んでいるんだよ。
でんできた 【複】出て来た
てんでこ
てんでっこ
【副】別々にすること、一人一人 てんでっこ:神奈川。
てんでごまい
てんてごまい
てんてこ舞い 『てんてこ』は太鼓の音の意味で、太鼓に合わせて踊る様を言う。
ちんちろみゃー:慌てふためくさま:佐賀。
てんてんめー:山梨。
てんてこまーす
てんてごまる
てんでこまる
【複】てんてこ舞いになる ちんちろみゃー:佐賀。九州は茨城同様『て』を『ち』と発音する。
てんでてんで 【副】てんでに、手に手に、別々に 八丈方言共通語。
てんでに 【副】めいめいに。思い思いに。各自に。てんでんに。 てんで:静岡。
てんでに:東京・山梨・静岡。
でんでぼし できもの
でんでる 【動】@出来ている、A出ている
◆▲てんでん
てんでんに
【副】てんでに、別々に 『集覧:新・猿』。死語。『手に手に』。
てんでん:群馬・神奈川・静岡。
てんでんに:青森・宮城・東京神奈川・山梨。
きょーはみんななでこのやまのぼっくをほっくりげしてもらーがらてんでんしのでやってくろ。:今日は皆でこの林の切り株を掘り返してもらうから、それぞれでやってちょうだい。
でんでん デンデンムシ 『でんでんむし』の語源は子供が『出よ出よ』と呼びかけることに由来するとされる。
でんでん 【副】全然 でんでん:和歌山。
でんでんだいだ:全然駄目だ。
(てんてん) 【副】急いで 静岡。元『とんとん』か。
◆▲てんでんこ
てんてんご
【副】てんでに、手に手に、別々に 『手に手に』→『てんでに』+『こ』。『集覧:久』。
『俚言』には『面々こう面々こくら也。面々こっことも云。又てんてんこっことも云。』とある。
てんでっこー:静岡。
てんでんこ:宮城・群馬・埼玉・神奈川・山梨。
てんでんしの 各々で困難を乗り切ること、ばらばらでやること
でんでんつぶろ
でんでんつぼろ
カタツムリ 『集覧:真』。『まいまいつぶろ』と『でんでんむし』の合成語。歴史のある言葉。
てんでばらばら
てんでんばらばら
【副】てんでに、手に手に、別々に
(でんでんまーり・でんでんまわり) ぐるぐる回ること 神奈川。
でんでんむし カタツムリ もともとは『でで虫』で『出よ出よ虫』が語源という。幼い頃『でろでろむし』とも呼んだ記憶がある。実際、県下で『でーろ』と呼ぶ地域がある。『でんでんむし』は茨城の一部では方言と思われているのが面白い。
『称呼』によれば、江戸時代には『でんでんむし』は関西言葉だった。
私が以前住んでいたマンションの庭には大型種が良く見られた。タヌキが住み着くようなマンションだったので当然だと思うが、今になっていざ探してみると公園でさえなかなか見付からない。当時は、家々の垣根にいくらでも見かけた。5分もあれば、10〜20匹は捕まえられた。できるだけ大きいものを捕まえて『とくろ』の下に並べて競争させる遊びをした。あまりに鈍いのとなかなか真直ぐは進まないため、子供にはとても待っていられない。しばらく別の遊びをして戻って来ると、『とくろ』の板にぬめぬめした筋が残っていて、あるものは途中で殻に篭っていたり、あるものは落ちて殻が割れていたり、行方不明者も続出して、とても遊びにならない遊びだった。
子供のデンデンムシは小さく可愛いものだった。見えるか見えないか位小さな角だが、大人のデンデンムシと同じく長くなったり短くなったりを繰り返しながら、ちゃんと動くのが良く見えた。
てんと
てんとー
てんとさま
◎てんとーさま
てんとさん
太陽 『集覧:西』。『天道』『天道様』。
でんと 【副】どっさり、沢山 『どんと』。
でーんと 【副】どっしりと座る様 『でんと』。
でん:山形。
でん:山形。
でんとする:どっしりと座る:宮城。
ねっこり:山形。
てんとーだまし
てんとうむしだまし
テントウムシそっくりの害虫の別称 ニジューヤホシテントウ等。
てんどーまーり
てんとまーり
右回り 『天道回り』の意味。
てんどりばいどり
てんどりべーどり
奪い合い 『手に取り奪い取り』の意味。
▽△てんない
てんねー
【複】手が無い、仕方が無い 『集覧:稲』。
でんな 【動】ひっくり返る 栃木でも使われる。『転がり投ぐる』意味。
(てんに) 【副】真っ先に 静岡。
元『てんと:@(下に打消の語を伴って) とんと。まるで。全く。狂、釣女「―聞えぬ」A(打消と対応することなく) このうえなく。ずんと。浄、手習鑑「名ばかり聞いて逢うたは今、―御器量」』と思われる。
てんねぇーいな 【複】手が無い、仕方が無い 『てねーやな』がさらに訛ったもの。『集覧:北』。
でんね
でんね
【動】寝る 『転がり寝る』意味。
てんのさま
てんのーさま
てんのんさま
@御輿の総称、A八坂神社 『天王様』の意味。
『常陸国誌』には『国中都会ノ地凡テ祇園牛頭天王ノ祭礼アリ。コレヲ天王祭と云。』とある。さらに詳しい説明があるがここではちなみに『ごずてんのう【牛頭天王】:〔仏〕もとインドの祇園精舎の守護神とも、薬師如来の垂迹(スイジヤク)ともいわれる。除疫神として、京都祇園社(八坂神社)などに祀(マツ)る。頭上に牛の頭を持つ忿怒相に表される。』とある。
茨城では、八坂神社に祀る牛頭天王から、八坂神社や御輿を『天王様』と呼んだと見られる。
@・てんのーさま:天王様の祭りのとき出る御輿:神奈川。
てんのーさま @ホトケノザ、Aヒメジオン、Bゲンノショウコ 『てんのーさま』とは神輿を指す。
ホトケノザは、その名の通りだが、豪華な繰り返し構造が神輿に例えられているのはさほど不思議は無い。
ヒメジオンとゲンノショウコが何故同じように呼ばれるかは解らない。神輿の添え木と言えば榊と決まっていたが、昔は盆の添え花と言えば野の花だったから、祇園祭りの神輿にヒメジオンとゲンノショウコを添えた風習の名残とも考えられなくもない。
ゲンノショウコは地域によっては『げんのしょう』と呼ぶ地域があるが『証拠』と『証』はほぼ同じ意味だから方言とは言えないかもしれない。
でんのまる
でんのめる
【動】転がり落ちる、躓き転ぶ 『転』+『のまる』。『のめる』。
てんば 上端、上部のこと 『天端』。建築専門用語でもある。
群馬では石段の上段を言い、長野では梢の先端を言う。
てん @植物の一番上の葉、タバコの一番上の葉、A上端、上部のこと
てんば @鬼ごっこの時、鬼に近寄ってその手を打つこと、Aおてんば 稲敷郡・行方郡。
広辞苑に『転婆(てんば):(「転婆」は当て字)@騒々しくてつつしみのない女。でしゃばり女。おてんば。Aそそっかしいこと。軽はずみ。また、そういう人。男女ともにいう。B親不孝なこと。また、そういう人。男女ともにいう。』とある。
てんば:おしゃべり:大分・熊本。
てんばら:いたずら:岐阜。
てんべー:いたずら:長崎。
でん 田畑 濁音化。
あんではでんだてばなっしゃーどや。:あれでは田畑を手放してしまうぞ。
てん でんばだ:宮城。
てんばだ:宮城。
てんばた:岩手・宮城・福島。
てんばみち 土手の上の道 古河市。『天端道』の意味。
てんびぎ
てんびき
てん
手引き 『集覧:真』。
てんびんばがり 棹ばかり
てんびんぼー 両端に荷をかけ中央を肩に当ててになう棒。おうご。 『天秤棒』。
てんびらぼー:静岡。
でんぶ 【形動】沢山 『大分』または『随分』が訛ったもの。『集覧:無記載』。『料理の量が多いこと』とある。
てんぶぐろ 床脇の最上部に設けた袋戸棚。また、天井に接して造られた戸棚。
(てんす) 沖縄。
(でんぶら) 太い事 静岡。
〜でんべ
〜てんべ
(〜てん
【助】@〜(して)見よう、A(して)行こう、B〜(して)いるだろう 古い言葉に『〜てむ』『〜てん(平安時代以降)』がある。完了の助動詞ツの未然形テに推量の助動詞ムのついた語。『@強い意志を表す。てしまおう。しよう。A確実な推量を表す。きっと〜するであろう。〜するに違いない。B可能性を推量する意を表す。〜することができるだろう。』(広辞苑)。
すなわち、『〜てんべし』の意味で、実は古い由緒ある言葉の流れを受けた言葉とも言える。
@『〜てみっ(〜(し)て見よう)がさらに訛ったもの。
んだらいってんべ:じゃあ行って見よう。
★『土』:そんじゃ此の醤油掛けてんべな:それじゃあこの醤油を掛けて見るよ。
★『土』:どうした、彼奴等(あいつら)こと寄(よ)せてんべぢやねえか:どうする、あいつ等のことを口寄せしてみようじゃないか。
★『土』:おつこと出(だ)してんべぢゃねえか:おつぎを(口寄せで)出して見ようじゃないか。
A『〜ていんべ』(〜(し)て行こう)がさらに訛ったもの。
さぎにやってんべが:先に遣って行こうか。
B土浦ではマイナーな言い方。
いまんやってんべ:今頃遣ってるだろう。
でんべろこ カタツムリ 県北部の方言。
てんぼのこ:神奈川。
■▲てんぼ
◎てんぼう
片腕 『集覧:多』。『手棒(てぼう・てんぼう)』(指や手首のない人)。野口英世が幼い時、『てんぼう』といわれたのは誰でも知っている。
てぼっこ:山形。
てんば:群馬。
てんぼ:片腕の人:宮城。
(てんぼー・てんぼけ・てんぼおけ) 片手桶 静岡。
『手棒』『手棒桶』の意味。
でんほ 稲敷郡。『香取』掲載語。『出穂』の意味か。
こんぼー:埼玉。
こんぼーず:埼玉。
でんぼ・でんほ:千葉。
でんぼー:静岡。
でんぼー:竹の子:鹿児島。
(でんぼう) 伝法 広辞苑に『(デンポウとも)@仏法を師から弟子に伝えること。A(江戸浅草伝法院の下男などが、寺の威光をたのんでしたからいう) 無銭で芝居や見世物などを見物すること。また、その人。B悪ずれして乱暴な言行をすること。また、その人。無頼漢。ならずもの。Cいなせな態度。特に女が勇み肌をまねること。』とある。
でんぼ:でたらめ:群馬。
でんぼー:でたらめ:群馬。
でんぼち・でんぼー:味覚の無い人・大食いの人:神奈川。
てんぼーこき:嘘つき:佐渡島。
でんぼはだ:でしゃばり:神奈川。『伝法肌』(粗暴な気質。いさみはだ。)。
でんぼはだのひと:でしゃばり:神奈川。
でんぼーろく:出放題:山梨。
(てんうせん) 知能が少々足りない人をあざけっていう語。 広辞苑に『天保銭:@天保通宝の俗称。天保六年(一八三五)以降鋳造の楕円形の銅銭。裏面には「当百」の文字を記す。一枚を百文(実際には八○文)に通用したが、明治以後は八厘となり、明治二四年(一八九一)廃止。当百銭。百文銭。A(一銭に満たない意から) 時勢におくれた人や知能が少々足りない人をあざけっていう語。』とある。
明治の長野で方言と意識された言葉。
てんなし ケンポナシ
◆▲てんまり @まり、Aボール全般 『手毬』の転、
@茨城方言集覧では、旧多賀郡・猿島郡の方言で『手毬』の意味とされている。
てんまり:宮城・山形・福島。
てんまる:山形。
まる:秋田。
まろ:秋田。
でんむ
てんむ
でんむ
てんむ
【動】(小便や大便が)漏れる 変則的な方言。『でん』は単なる強調語で『むす』(漏らす)との連語と考える場合と、『出る』+『むす』の変形したものの二つが考えられる。考えているうちに漏れそうな気がしてくる。
でんむ:全面的にこぼしてしまう:福島。
でんむぐる
でんむくる
てんむぐる
【動】ひっくり返る、▲船が転覆する 『集覧:無記載』。
でんむぐれる 【動】甘えて拗ねる 『転がりながら拗ねる』意味か。
でんむぐれる:福島。
てんもぐぢゃーん 茶碗 『天目・天目茶碗』(茶の湯に用いる抹茶茶碗の一種。)。
『称呼』には『茶碗:北国及中国西国四国或は常陸にててんもくと云。』とある。
(てんやもの、てんやもん) 飲食店から取り寄せる食事 茨城では、『みせや(店屋・見世屋)』とは言っても『てんや(店屋)』とは言わなかった。
(てんやわんや) (「てんでん」(手に手に、各自勝手に、の意)と「わや」「わやく」(無茶苦茶の意)との二語が結合してできた語) われがちに騒ぎ立てるさま。互いに先を争って混乱するさま。てんでんがって。 不思議な言葉なので広辞苑の解説を転記した。
(てんよ) ところてん 宮城。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
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