昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。印:新編常陸国誌掲載語。印:茨城方言民俗語辞典掲載語。印:茨城弁今昔掲載語。印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。印:日本方言辞典掲載語。浪花聞書掲載語。印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例
(く) 方言理解のための必須用語。(広辞苑)。
1)く【処】
(スミカ(住処)のカ、ミヤコ(都)のコと同源) 他の語の下につき、場所の意を表す。記中「いづ―の蟹」
2)く【垢】:(呉音。漢音はコウ)
@あか。ものについたけがれ。「無―」「―衣(コウイ)」
A〔仏〕煩悩(ボンノウ)。
3)く【消】:【自下二】(上代では「きゆ」より多く用いられるが、未然・連用・終止形のみ) 消える。万五「早くな散りそ雪は消(ケ)ぬとも」。万一七「立山(タチヤマ)の雪し消(ク)らしもく
4)く【接尾】:(ク語法、または、いわゆるカ行延言の語尾) 活用語についてそれを体言化する語。四段活用・ラ行変格活用の語には未然形に(言はく・有らく)、カ行変格活用・サ行変格活用・ナ行変格活用・上二段活用・下二段活用の語には終止形に、上一段活用の語には未然形または連用形に「らく」が接続するといわれて来た。しかし、これは活用語の連体形に「事」「所」を意味するアクという名詞が付着して成立したもの。音韻変化の結果、「く」の直前の、連体形の末尾の母音が動詞的活用の語ではア段となる。形容詞的活用の語では、「きあく」の母音がつづまって「けく」の形になる(「寒けく」「悲しけく」)。過去の助動詞「き」には、その連体形「し」にそのまま「く」が接続する(「思へりしく」)。
@活用語を体言化して、…こと、…ところの意を表し、主語・目的語などとなる。万七「わが背子をいづく行かめとさき竹のそがひに寝し―今し悔しも」。万五「梅の花散ら―はいづく」
A(「言う」「思う」などの動詞に付き、会話文などの前に用いられて) …ことには、の意を表す。万五「梅の花夢(イメ)に語ら―みやびたる花とあれ思(モ)ふ酒に浮べこそ」
B(助詞「に」を伴って副詞的修飾語となり) …なのに、の意を表す。万一「み吉野の山のあらしの寒け―にはたやこよひもわがひとり寝む」
C(文の終りに用いて) 詠嘆の意を表す。万一九「あしひきの山の黄葉(モミチ)にしづくあひて散らむ山道を君が越えま―」。万一七「庭に降る雪は千重敷く然(シカ)のみに思ひて君を吾(ア)が待たな―に」
(ぐ) @具、A愚 @広辞苑には『@そなわること。そなえもつこと。そろっていること。Aうつわ。器物。また、手段。Bくわしいこと。つぶさに。ことこまかに。Cつれそうこと。また、その人。配偶。D貴人のお相手をする者。また、供の者。E汁や五目ずしなどの中にまぜ合わせるたね。F各種の顔料(ガンリヨウ)に胡粉(ゴフン)を加え、色調を明るく、また、不透明にしたものをいう。墨に胡粉をまぜたものを具墨という類。G衣服・器具などを数えるのに用いる語。二つ以上のものがそろって完備するものをいう。そろい。』とある。
A広辞苑には『@おろかなこと。くだらないこと。A自分または自分に関する物事についてへりくだっていう語。』とある。
方言を読み解くためには、これらが必ず必要になる。
くー 苦、苦しみ
くー 【動】食う 標準語と異なり平坦に発音する。
かー:静岡。
:青森・山形。
くー:閉じる:山形。『食う』意味とされる。めおくー・くちおくー
くー 【感】@おい!、さあ、ほら、Aくそっ!、ちぇっ! ちょっとこづいて注意を喚起する時や失敗した時等の感嘆詞。=『こー』
〜ぐ
【助】〜行く 『行く』の短縮形。濁音の場合もある。清音の場合は標準語にも同様の変形様式がある。鼻濁音の発音は古語の『往ぬ』との関係を思わせる。
あるって:歩いて行く。
はしって:走って行く。
たべで:食べていく。
よって:寄っていく。
〜ぐ 【助】〜して置く 『置く』の短縮形。濁音化。標準語にも同様の変形様式がある。
やっとぐ:やって置く。
かっとぐ:買っておく。
くあ 鍬、桑
くあいり
くあいれ
くあいわい
仕事始め(鍬入れ) 1月11日の儀式。広辞苑に『鍬入れ:農家で正月の吉日に、吉方(エホウ)に当る畑に初めて鍬を入れ、餅または米を供えて祝うこと。田打正月。鍬初め。』とある。
くぁえし 鶏糞 『返し』。『集覧:新』。古い時代の発音『くわへし』が残ったものと思われる。今でも茨城県内の高齢者の『か行音』は独特である。
くあかげ
くあかけ
蚕に桑の葉を与えること 『桑掛け』の意味。
くあしら 農作業の長 『鍬頭』の意味。
くあ クワガタムシ
くあかっきり
くあきり
桑の葉の収穫 枝ごとまとめて収穫する。
くあ @桑の葉をとった枝、Aカイコに葉が食べられて葉の無くなった枝、B鍬の柄 @『桑柄』。
A『桑殻』。
B『鍬柄』。
くあかり 桑切り専用の鎌
くあぐ 【動】銜える(くわえる)
ぐあぐ 【形動】途方も無い 茨城方言集覧では旧猿島郡の方言で『ぐはぐ』と表現されている。『五悪(ごあく)』(@〔仏〕五戒にそむくこと。殺生(セツシヨウ)・偸盗(チユウトウ)・邪淫・妄語・飲酒の五悪事。A仁・義・礼・智・信の五常にそむくこと。)の意味かあるいは『愚薄』か。
くあぐみ 桑の実
くあこぎ 桑の葉を扱き取る道具またはその行為 『桑扱き』の意味。
くあつる
くあっつる
鍬の柄
くあっ
くあ
桑の葉 おくっとり:桑の葉摘み:神奈川。
くぁね
くぁねー
くぁーねー
【複】食べない
くあれる 【複】挟まれる
(くい) 鹿児島。
くいいー 【形動】食べ易い 『くいー』に聞こえた方は茨城弁を理解するのは難しいかもしれない。反対語は『くいずれー』、『くいにぐい』
(くいかえ) 繰替え 鹿児島。
くいがり 食費 『食べる掛かり』の意味。
(くいき) 食事の支度 福島。
くい 食べかけ 『が』は濁音・鼻濁音。
くい
くいかし
くい
くいかす
食べ残し くいかす:宮城。
くいわりー 【形】(家畜等が)餌を十分に食べない様 標準口語でも使われる。
(くいかん) 食べ物を欲しがってしつこくねだる人 神奈川。
くいぎれない
くいぎんね
くいぎんに
くいぎんいにぇ
【複】食べきれない
ぐいぐい 【副】ぐんぐん、どんどん 『集覧:新』。
くいこ
くいこー
婦人会の一つ。婦人方が定期的に集まり会食すること。 『供養講』の意味。1月16日と7月16日は『大斎日』で、古くは念仏講が行なわれた。正確には閻魔様の縁日と言われる。『土浦市史・民俗編』では、手野・田村地域での呼び名とされている。手野では1月8日、田村では2月15日で、村内七観音巡りをした。
くいこじゃす 【動】食べ散らかす
くい
くいどぎ
食べ頃
くいざがり
くいざかり
食べ盛り
くいさし くいかけ、食べ残し 『食い止し』。
くいじはる 【動】食い意地が張る、欲張って食べる 短縮化。単独で『くいじ』と言う地域がある。
くいしん
くいしん
食いしん坊 『集覧:久』。茨城弁らしい半濁音化。
くいかん・くいしんぼ・くいぞー・くいたりんぼ・くいたしんぼー・くいてぼ・くいてーぼー:神奈川。
くらいじー・くれーじ・くれーしんぼー・くれーすかしー・くれーつかし・くれーてぼ・くれーぬき・くれーぬけ・くれてーぼー・くれてぼー・くれてんぼ:神奈川。
くいする 【動】@後悔する、A苦にする @・くいする:山形。
(くいぞー・くいどー) 静岡。
〜ぐいだ
〜くいだ
【複】〜(して)くれた
くいだい @【名】飲食費、A【複】食べたい @『食い』+『代』。
くいだぐね
くいだぐねー
【複】食べたくない
くいだす 【動】食べ始める 標準語には無い組み合わせだが意味は通じる。
くいたでる 【動】(食べ物を)平らげる
くいちゃし くいかけ、食べ残し これは当時の高齢者が使った言葉。『ちゃし』は『燃え止し』の『止し』と同じ意味。
くいぢゃす
くいぢゃらがす
くいぢゃらかす
くいぢゃらす
くいちらがす
くいっちらがす
【動】食い散らかす くいっちらかす:山梨。
〜ぐいっか
〜くいっか
〜ぐいっけ
〜くいっけ
【複】〜(して)くれるかい
くいづがる
くいつかる
【動】噛み付かれる
くいつける 【動】食べなれている 『食い』+『付ける』。標準語には無い組み合わせだが意味は通じる。
くいつける:宮城。
くいっぱぐ
くいっぱご
【動】食べそこなう、食いっぱぐれる
くいっぱぐ 食べ損なうこと くいっぱぐ:神奈川。
くいっぱぐれる 【動】食べそこなう
くいっ
くいっぼ
くいんぼ
『杭』+『ぼ』の転訛。
くいっ:(叩かれないと用をたさないことから)能無し・馬鹿:長野。
くいで
くいて
食べ甲斐
くいでー
くいてー
【動】食べたい くいっち:福島。
くいない 【複】食えない
くいないひと 死人 『食えない人』の意味。戊の日に麦を撒くと死人がでると言われる。
くいぬぐ 【動】食べ物を平らげる
くいぬげ
くいぬけ
食いしん坊、大食漢 『食ひ抜く』の名詞形。
くいぬげ:福島。
くいは
くいは
【動】食べそこなう、食いっぱぐれる
くいひしれる 【動】食いつぶされる 辞書には無いが古い言葉と思われる。『拉ぐ(ひしぐ)』は『潰す』の意味。
くいひしょれる:神奈川。
くいねー @食えない、A悔いは無い 江戸言葉では『食べなよ』の意味。
@・かえねぁー:岩手。
くいぶぢ 食事代 濁音化。『食い扶持』。
くいぶち:山梨。
くいほーげる 【動】食べたいだけ食べる くいほーけ・くいほーけー:食べ放題:神奈川。
くいじゃす 【動】食べ散らかす 『くいこじゃす』の転か。
(くいま) 鹿児島。
くいや 【複】くれよ 『呉れる』の命令形。
くいや 【複】食べなさいよ 『食う』の命令形。
くうぇーわやい:鳥取。この方言には『食べたらどう』のニュアンスが感じられる。『食わばや』『食ひをはや』。
くいやーせ 、一緒に食べると害になるもの 『食い合わせ』。今風に言えば『食べ合わせ』。江戸言葉の『くいやわせ・くいやあせ』の流れ。
くいよ
くいよー
【複】くれよ 『集覧:久』。『呉れる』の命令形。
当時の土浦地域の代表的な言い方は、『くいや・くいよ・くんしょ・くんちょ』(親しい間柄で)、『くんさい・くんせー・くんせや・くんせよ・くんなせー・おくんなさい・おくんなせー・おくんなんしょ・おくんなせえ・くなんしょ・くんつぁい・くんつぇー』(主に丁寧語)等があった。いずれも使う人の立場や年代、性別等によって使い分けられた。おくんなさい・おくんなせえは典型的な江戸言葉である。
R音を嫌う傾向は全国各地にあり、この例の場合鹿児島でも『兄さん、かー花買っくいやはんか(くれませんか)。ずんばい(たくさん)買っくいやった(くれました)』(ふるさと)似た言い方をする。『くいやはんか』は『呉れありさらぬか』、『くいやった』は『呉れありたり』の意味。
くいよ:福島。
くよー:静岡。
おんにもくいよ:僕にも頂戴よ。
くいよ 【複】食べなさいよ 『食う』の命令形。
くいない:群馬。原型は『食いなよ』で江戸では『くいねえ』
ぐいら
ぐいり
【副】ぐいっと、急に ぐいら:岩手・宮城・福島・栃木・群馬。
ごえら:山形。
◆●くいりょー 食い扶持、食料、食料用の米 古い標準語。『食(い)料』。
くいる
くえる
【動】くれる 単純転訛。
『新方言』には『クイル (物をもらう意味の)「くれる」;山形県庄内地方の若い世代が,もともとのクエルという言い方をやめて採用した;母音間のエがイと認知されるようになったため(井上1994);』『クエル (物をもらう意味の)「くれる」;山形県庄内南端の若い世代が,もともとのクレルという言い方をやめて採用(地平p.109);しかしすぐに次のケルが普及した;』とある。
くいる:群馬。
やっちくいだが?:遣ってくれたかい?。★おんつぁまきてやっといでくいだよ:叔父が来て遣ってくれたよ。
くいんぼ 『杭の棒』の意味。
くいぞー:静岡。
くいどー:静岡。
くー 【動】食べる 『食べる』は、もともとは『食う』が正しい言い方で、『食べる』は目上の人からいただく意味の『賜ぶ(たぶ)』に由来するという。今は、『食う』はやや卑しい言い方で、昔の『食べる』に相当するのは『いただく』である。
ぐうぇー 具合 『うぇ』はweと発音する。
くうぇーる 【動】@加える、A銜える 『うぇ』はweと発音する。
@は八丈方言共通語。
ぐうすか 【擬音】【副】ぐうぐう(寝る様)
ぐぇー 【形動】沢山 『げー』。『集覧:多』。古い標準語の『我意』には『がいな』『がいに』(大層な、はなはだしい)の流れ。
『民俗』では何故か『ぐぃー』と表現している。
ぐえー
ぐぇー
具合 連母音変形。
ぐえー:群馬・山梨。
ぐわ:静岡。
くぇー 【動】食え 『食う』の命令形。
くうぇーわやい:鳥取。『食うをばや』。
くえやれ:山梨。本来は尊敬・丁寧語。『くえあれ』
ぐえーいー
ぐぇーいー
【複】具合が良い、調子が良い
くぇつぁー 【動】ひどく騒ぐ 『くぇ』の発音は『kuwe』。
〜ぐえだ
〜くえだ
【複】〜(して)くれた
△くえる 【動】崩れる、壊れる 『崩える・潰える・壊える』。
名詞形の『くえ』は、崖を意味する。
くえる:奈良。
くーえる:塞ぐ:山形。
ずえる:京都以西
くゆる:和歌山・九州。
(くえる・くへる・くべる・くやす・ける) 【動】塞ぐ 東北全県・八丈島・新潟。
くえーる
くぇーる
【動】@加える、A銜える 『くぇ』の発音は『kuwe』。
ぐえーわりー
ぐぇーわりー
【複】具合が悪い、調子が悪い ぐえわれ:宮城。
くぇんぼ 『集覧:猿』。『杭の棒』の意味。
(くーが) 沖縄。
くーが 【複】食べるかい、食べようか くが:食べよう:鹿児島。
ぐーいー 【複】割り切れること、きりがいいこと 『ぐう』は『偶』であろう。
ぐーいー:群馬。
(くに) 沖縄。古語『黄金(くがね)』。
がら 【助】〜して行くから 短縮形、『ぐ』は濁音・鼻濁音。
くぎ
くき 『岫』。高萩市に残る言葉。広辞苑に『岫:山の洞穴のあるところ。山の洞穴。また、山頂。万五「夕の―に霧結び」』とある。
ぐぎっと
ぐきっと
【副】(足などを)挫く様、捻挫する様、ぎくっと 『ぐきっと』なら標準口語。このような擬態語はしばしば辞書掲載されていないことが多い。
ぐぎっとする
ぐきっとする
【動】挫く、捻挫する
くーきでぶ 肥満者をあざける言葉 俗語。標準語では『水太り』が近い。『空気でぶ:空気で膨らんだようなでぶ』の意味。
ねっき
ぶぢ
釘を使ったねっき 五寸釘を使う。
くーく @▲栗、A薬 幼児語。『集覧:多』。
ぐーぐー 【副】ぐいぐいと、どんどん
(ぐーぐーじゃくじゃく) 【形動】態度がはっきりせずいい加減な様、何も考えない様 神奈川。神奈川でもカ行音の濁音化がある。
『空空寂寂』( 煩悩(ボンノウ)・執着なく無我・無心であるさま。)。
ぐぐっと 【副】ぐいぐいと 俗語。
なー カヤツリグサを使って綯った縄 『莎草縄』。『クグ』『イヌクグ』(莎草、磚子苗)は『カヤツリグサ』の別名。『ぐ』は濁音のこともある。
まる 【動】かがまる 古い標準語の『屈まる』(くぐまる)。
くぐむ
くくむ
【動】口の中に入れて保つ、口に含む 古い標準語の『銜む・含む』(くくむ)の流れ。
くぐめる
くくめる
【動】口の中に含ませる 『銜める・哺める』(くくめる)。
もる 【動】口ごもる 古い標準語の『くぐもる』。さらに古くは『くくもる』と言ったという。
らげる 【動】こんがらかる :糸がもつれる:神奈川。
らせる 【動】(器の中などを)水に浸す 『潜らせる』。現代では料理用語等でしか聞かない。
くぐり 結末をつけること、しめし、しめくくり 『括り』の濁音化。
くぐりむぐり
りむ
【副】ほうほうの態で逃げる様 『高句麗蒙古』(こくりもくり)。
くぐる
【動】締める、縛る 『括る』。
(くる) 【動】糸がもつれる、こんがらかる 神奈川。=る』
【動】水やお湯につかる 『潜る』。
広辞苑には『@物のすきまをすりぬける。体をかがめて、物の下を過ぎる。A水にもぐる。かずく。Bおしはかる。C困難や危険の中を切り抜ける。すきに乗じて事をする。』とあり、Bの意味。現代語ではほとんど使われない。古形『くくる』
くけ 絎台(くけだい)、着物などを仕立てる際、布地がたるまないように一端を吊っておく台、絎け縫い用の台 標準語。
くけでー 絎台(くけだい) くけで:宮城。
ぐげっかい 【形】道がぬかるんでいる様 『ぐじゃっかい』がさらに訛ったもの。
くげる
くける
【動】縫い目が表に見えないように縫う。くけ縫いをする。 『絎ける』。
近年では服を自前で作る人はプロでもないといなくなったので死語である。
くける:神奈川・静岡。
ふける:静岡。
◆▲ 体調が良く無い、だるい、重苦しい 仏教用語の『苦患』(苦しみなやむこと)が転じたものだろう。『集覧:猿・久』。
:茨城・千葉・栃木・埼玉・東京三鷹・神奈川・長野。
んさった・くんしあった:辛かった:神奈川。
んだ:大儀だ・苦労だ:神奈川。
くーごどやる 【複】炊事をする 『食う事』ではなく、『供事をする』の意味と思われる。
もる 【動】口ごもる 古い標準語の『口籠る』。
くさ 湿疹 古い標準語。『瘡』。
くさ:福島・神奈川。
くさい 【形】うさんくさい、嫌な 『臭い』。ほぼ標準語。
くさい 【形】怠惰な 稲敷郡の方言。
くさい:茨城・三重。
〜くさい 【助】〜の傾向がある、〜のようである 標準語。茨城弁では多用する傾向がある。
くさかりば 家畜の餌用に用意してあった共用の草刈り場
くさかりか 目の粗い背負い籠
くさかぎ
くさけずり
雑草を掻くように削り取ること、またはその農具 『草掻き』『草削り』。
◎くさきり 初めて田畑を開いたもの、草分け 『草切り』。
(くさ 【動】塞ぐ 長野。
くさくさ 【副】不愉快な様、くしゃくしゃ
くさ
くさくさ
【形動】物事の品数・種類の多いさま。いろいろ。さまざま。 『種種』。
(くさし) 面倒くさがりや 福島。
くさす 【動】けなす、くさらす 『腐す』。やや古い標準語。
くさする 【動】怠ける 『ものぐさする』意味。
くさだら 『だら』は一般に人糞肥料を指す東北・関東・中部地方・熊本県の方言である。草を卑下して呼んだ言葉と考えられる。
★『土』:おや/\まあ能(よ)く斯(か)うなあ、何處(どこ)にも草(くさ)だら一(ひと)つなくって、見(み)ても晴々(せえ/\)とする樣(やう)だ
くさづ 草津 くさづ:群馬。一見東北方言の影響にも見えるが、定かではない。
くさっば
くさっ
くさっ
『集覧:新』。『草葉』(くさば)。『くさっば』は、促音化の過渡期の言葉と思われわれ、その後『くさっに移行して行く。その意味で、この促音便の後の濁音の存在は貴重な文献記録である。
くさっ:草叢:埼玉。
くさっ 草の生えた平地、草地、荒れた畑 『草原』(くさはら)の意味だが標準語より規模が小さいものも指す。
くさっ:千葉・神奈川。
くさったけ:神奈川。
くさはら:神奈川。
くさっ 湿疹 『瘡』(くさ)。『ぽ』は接尾語。
くさ:福島・神奈川。
くさっ:福島・栃木。
ひつ:神奈川。
くさひぎ 草取り、草むしり 清音ならやや古い標準語。『草引き』。
くさぶい 草笛 田舎の生活は子供達にとっては天国である。一年を通じて様々な遊びがあり、草笛は初夏の雑草や若葉を使った騒音発生の遊びである。
草笛の材料は@スズメノテッポウの穂を抜いたところを吹くもの、A笹類の新芽を巻きなおして吹くもの、Bスズメノエンドウの莢を使うもの、C若葉を丸めて一方を軽く潰して使うもの、D若葉をそのまま唇に当てて吹くもの 等がある。
くさぼ
くさぼー
生臭な人 『生臭坊主』の短縮形と思われる。
くさぼー
くさぼーぼー
草が生い乱れているさま、草だらけ 一般に『ぼうぼう』は『茫茫、蓬蓬』と当てられる。しかし、もともとは『生う』意味だったろう。
くさぼっけ
くさぼっち
草むら くさばこ:東京多摩・神奈川。
くさばっか:群馬。
くさばっこ:埼玉・群馬・東京多摩・神奈川。
くさぶぐ:山形。
くさぶぐやら:山形。
くさぼこ:神奈川。
くさぼっか:神奈川。
くさぼっけ:千葉。
くさぼっこ:東京多摩・神奈川。
くさぼーぼー:神奈川。
くさやぶ:千葉。
くさやま:神奈川。
そーれー:長野。『草莱(そうらい)』の転。
(くさみちゅん) 【動】怒る 沖縄。
くさむし カメムシ
くさめ くしゃみ 『くしゃみ』の古形。狂言では『くっさめ』と言う。『徒然草』に『鼻ひたる時、かくなじなわねば死ぬるなり。』とあり、もともとは、くしゃみをした時のまじないの言葉で『糞食らえ』の意味だっただったという。鎌倉末期の言葉である。それ以前は『はなひる』である。
くしゃめ:静岡。
くっしゃみ:静岡。
くさもしり
くさもじり
くさむじり
草むしり、雑草とり
くさやね 藁や萱で葺いた屋根 標準語。
くさやぶ 草むら 『草藪』。
くさらがす 【動】腐らす 濁音化。
くされらがす:宮城。
(くさらし・くさらしか・くっさらし・くっせらしか) 【形】しゃらくさい 鹿児島。
◆▲●△くさる 【動】濡れる 古い標準語。『腐る』。『集覧:新』。
くさる:山形・福島・茨城・千葉・栃木・群馬・長野・新潟・岐阜・愛知・鳥取・島根・高知。
くさる 【動】@腐る。A気が沈む。めいる。がっかりする。 『腐る』。
@・くっさっ:鹿児島。
けっさる:鹿児島。
(くさる) 【動】つながりあう。つなぎ合せる。つづり合せる。続く。 『鏈る』。
くさる:鹿児島。
(ぐざる) 【動】駄々をこねる 神奈川。
ぐざる:叱責する:長野。
〜くさる 【助】@だらだらと〜をする、A余計なことをしやがる 主に関西弁だと言われている言葉。『鏈る』の複合語か。
くされ〜 【接頭】ののしる意を表す語 くされしんしょー:僅かな財産:宮城。
くされわらし:可愛げのない子供:青森。
くされあま 女性に対する罵倒語 宇治拾遺物語に『くさり女』がある。
くされがぎ 出来の悪い子供 罵倒語。
くされけ
くされっけ
【形動】腐りかけている様
くされけつぐ
くされけつく
【動】腐りかける
くされつぐ 【動】@男女が馴れ合うこと、A意固地になる @『腐れ付く』。
A清音形辞書には無いが、『俗語』に掲載されている。
(くされてど) 拙い裁縫 宮城。
◆■くされやろー 男を罵倒する言葉 くされやろ:宮城。
くされる 【動】【文】腐る 標準語の口語ではまず使われない。
(くざんちゅ) コザの人 沖縄。
◆■□△▽ぐし 家の棟、棟木 広辞苑に『ぐし:(東北・北関東で) 家の棟。うぐし。おごし。うぐす。』とある。
他の文献を調べると古くは中部から九州まで分布する。
『うしばり【牛梁】:日本民家で、桁行(けたゆき)方向に入れた太い梁。柱上に渡し、小屋梁を中間で支える。うし。牛曳(うしひき)。牛曳梁。』(大辞泉)があるように、民家の棟は、漏水し易いため何層もある大きな棟瓦や茅棟を設けたから、牛梁のうち棟に設けた梁は最も荷重が重く、『大牛・御牛』が訛って『ぐし』となったか。
いぐし:静岡。
うむし:静岡。
うむす:静岡。
おぐし:千葉・神奈川。
おごし:千葉。
おむし:神奈川。
おもし:神奈川。
ぐし:岩手・山形・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・神奈川・新潟・富山・石川・長野・山梨・岐阜・愛知・福岡。埼玉では藁葺き屋根の棟を指す。
ぐし:桁の上:長野。
ぐしあげ:棟上:群馬。
ぐしこぼし:藁・茅葺屋根の葺き替え:群馬。
ぐしまるき:棟上:岩手。『「ぐし」を包むもの』の意味か。
ぐしもち:屋根の葺き替のときに搗く餅:群馬。
とめ:千葉。
みね:千葉・岐阜・広島。
ぐし 萱葺き屋根 『集覧:新』。
ぐし:かやぶき屋根の軒:青森。

【助】〜ごと 上代上方語の『共(ぐち)』(〜ごと)が訛ったものと思われる。双六の『五四(ぐし)』(双六で賽(サイ)を二つ使う時、五と四の目が出ること。)に由来するという説もある。近世には、『〜ぐるみ、〜ぐるめ』と言った。現代では『身包み』が残る。
これは、近世またはそれ以前の言葉と見られる。
:茨城・千葉・栃木・奈良・長崎。
〜まし:群馬・長野。
〜まずら:岩手。
〜むんつけら:青森。
ねっこしひっこぬいだっ:ねっこごと引き抜いたでしょう。
はごしもっしゃった:箱毎燃やしちゃった。
〜くし 【助】(金銭に対して)たった〜 『〜きり』が訛ったものだろう。
いぢまーいんくしではなっとぐできねー:たった一万円では納得できない。=『〜きし』。
(くじかった・ぐじかてーに・ぐじっかてーに) 【副】熱心に、むやみに 神奈川。
くじぐ 【動】@折って傷つける、曲げて砕く。A挫く、捻挫する、B勢いを押える、弱らせる、C腹を壊す 『くじく』なら標準語。筋力の弱い幼年時代は良く足首を挫くが関節が柔らかいので、直ぐに直ってしまう。
くずく:静岡。
Cは方言。
ぐじぐじ 【形動】@はっきりしない様、拗ねている様、Aのろまな様ぐずぐず、B鼻水が多く出る様 @・ぐじぐじ:山梨。
B辞書には無いがよく使われる。
くじぐる
◆■くじくる
【動】ほじくる、くじる くじくる:千葉・静岡。
くじ 【動】くすぐる くじってー:くすぐったい:神奈川。
くじくる:静岡。
ぐじゅ:静岡。
くしけずる 【動】(髪の毛)を解かす 古い言葉の『梳る』(くしけずる)そのもの。
ぐしだげ 萱葺き屋根の棟を抑える竹の半割 『棟竹』の意味。
ぐじっかい 【形】道がぬかるんでいる様 『ぐじゃっかい』がさらに訛ったもの。
ぐしまぢ
ぐしまづり
建て前(上棟式)のお祝い 『棟祭り』の意味。
ぐしもぢ 建て前(上棟式)の時に撒く餅 ぐしもち:群馬。群馬では切り餅を使う。
ぐしもち:屋根の葺き替のときに搗く餅:群馬。
しゃ 【助】〜ごと、〜も一緒に 『〜し』がさらに訛ったもの。
おめしゃくんだっ:お前も一緒に来るんだろう。
きたのはおめしゃが。しゃーねーな:一緒に来たのはお前か。しょうがないな。
ぐじゃ ばか、どじ、間抜け、出来損ない、でたらめ、いい加減 『愚者』を連想させる訛。=『ごじゃ』
ぐじゃ:あばた:広島。
ぐじゃぐじゃ 【形】【形動】@(道などが)ぐちゃぐちゃ、Aくどくど 『ぐじゃぐじゃ』を含め、繰り返し言葉のカ行音(濁音)にに続いて、サ行・タ行音が続くあり得る擬態語・擬音語をまとめた。広辞苑にあるものは解説を引用した。茨城方言は擬態語・擬音語の天才だと思っていたが、過去には数え切れない擬態語・擬音語があったのに、標準語世界では消えてしまいっ茨城では大らかに残っているというのが、実態のようだ。
一方、カ行やタ行音の擬態語・擬音語はめりはりが大きいものが多いようだ。
がさがさ:@かわいたものが触れ合って発する、「かさかさ」よりは大きい音。また、器の中に物が一杯に詰ってないさま。「やぶを―とかきわけて捜す」A表面がなめらかでないさま。また、うるおいがないさま。「―の肌」A荒々しく粗雑なさま。がさつなさま。「―した性格」
かさかさ:@枯葉・紙など薄くてかわいたものが触れ合って発する軽い音。「―と落葉を踏む」A表面がかわいて水気のなくなったさま。ひからびて、うるおいのないさま。「―のパン」「―の声」
がしがし:口やかましく責めたてるさま。狂、石神「何かにつけて―と小言を申すによつて」。
がじゃがじゃ:@堅く細かい物の触れ合う音。がさがさ。A物事をさわがしく言い立てるさま。
かしゃかしゃ:乾いた物の触れ合う音。かさかさ。
かすかす:@果物などの、水分が乏しく味のないさま。Aすれすれのさま。「―のところで間に合う」
がちゃがちゃ:@うるさく物の触れ合う音。「鎖を―させる」Aやかましく言いたてるさま。「―言うな」B(秩序を失って) 入り乱れているさま。めちゃめちゃ。「こわして―にする」Cクツワムシの俗称。
がぢがぢ:がちがち。
がちがち:@堅いもののふれあう音。また、物がかたいさま。「―に凍る」Aふるえおののくさま。歯の根の合わないさま。「寒くて―ふるえる」B貪欲なさま。ゆとりがないさま。
かちかち:@堅い物の烈しく当って発する音。「火打石を―と打つ」A連続的に鳴るかたい音。「時計が―と動く」B非常に堅いさま。また、極度に緊張するさま。頑固で融通がきかないさま。こちこち。「―に凍る」「―になってしくじる」「彼の頭は―だ」C(幼児語) 拍子木(ヒヨウシギ)。
がづがづ・がつがつ:@甚だしく食物などをほしがるさま。また、むさぼり食うさま。「空腹で―している」A貪欲に物事を行うさま。むやみに欲ばるさま。「お金に―する」
かつかつ:@堅い物の触れる音。「馬蹄―」A互いにうちあう音。Bやっと。どうやら。ぎりぎり。「―間に合う」
ぎしぎし:@ものを無理に押し詰めるさま。また、ものが大きくすれ合って立てる音。「―詰め込む」「マストが―ときしむ」Aもの言いに遠慮・容赦のないさま。つけつけ言うさま。
ぎぢぎぢ・ぎちぎち:@物が触れてきしむ音。A物事が円滑に行かないさま。ぎくしゃく。B物がつまって隙間のないさま。
きちきち:@固く小さい物の触れて発する音。A物のつまってきしむ音。B物がつまってすきまのないさま。「―のズボン」C数量や時間に余裕がなく、限界すれすれのさま。ぎりぎり。「時間―」D行為が規則正しく厳密なさま。きちんきちん。「―と金を送る」
ぎづぎづ、ぎつぎつ、きつきつ:】(服などが)きついこと、きちきち、ぎちぎち
ぐじぐじ:ぐずぐず。くどくど。
ぐじゃぐじゃ:@水分が多く柔らかで形のまとまらないさま。ぐちゃぐちゃ。「雨で道が―になる」Aくどくどと不平不満を述べ立てるさま。「―言うな」
ぐしゃぐしゃ:形が乱れるさま。「雪どけの―道」「車が―につぶれた」
くしゃくしゃ:@物事の混乱して秩序のないさま。紙や布などがもまれて皺(シワ)のよったさま。くちゃくちゃ。「髪が―になる」A気分が冴(サ)えずふさぎこむさま。くさくさ。
ぐちゃぐちゃ:@水分が多く柔らかでまとまらないさま。「―のぬかるみ」A乱れてめちゃくちゃになるさま。「順番を―にする」Bとりとめもなくしゃべるさま。
くちゃくちゃ:@紙や布などがもまれて皺(シワ)のよったさま。物事の混乱したさま。「―に書く」A食物などを噛(カ)む音。「―食べるな」
ぐじゅぐじゅ(辞書不掲載):ひどく濡れるさま。
ぐちゅぐちゅ(辞書不掲載):ひどく濡れるさま。
くちゅくちゅ(辞書不掲載):口をゆすぐ様。
くしゅくしゅ(辞書不掲載):物事の混乱して秩序のないさま。紙や布などがもまれて皺(シワ)のよったさま。くちゃくちゃ。
ぐじょぐじょ(辞書不掲載):ひどく濡れるさま。
ぐしょぐしょ:ひどく濡れるさま。
ぐちょぐちょ(辞書不掲載):ぐしょぐしょ。
げじげじ:相手をさげすんで笑う様
げすげすし:甚だげすな感じがする。甚だいやしい。
けそけそ:恥じずに平然たるさま。
げたげた:大声で下品に笑うさま。
けたけた:軽薄に笑うさま。
けぢけぢ・けちけち:@細かいことを口うるさく言うさま。伎、浮名横櫛「男は外を歩くのが商売だ。そんなに―いふなへ」Aけちなさま。
けつけつ:決決。水の流れるさま。
ごじゃごじゃ:非常に混雑しているさま。
ごじゃごじゃ(辞書不掲載):ぐずぐず。くどくど。
ごしゃごしゃ:ものをかきまぜるさま。物の集まって混雑するさま。ごちゃごちゃ。ごたごた。)がある。
ごそごそ:質のあらい物が触れて出る音。また、そういう音を立てて何事かをしているさま。日葡「ナワ(縄)ヲシゴシャクゴソゴソトナウテ」。「―捜しまわる」
こそこそ:@知られないように内証(ナイシヨ)でするさま。こっそり。愚管抄七「にくみもするすぢの―とうせぬる上は」。「かげで―と悪さをする」A気づかないほどしずかな音のするさま。今昔二七「此の板―として入ぬ」Bくすぐるさま。狂、子盗人「ちとすかしませう、―、―」
ごだごだ・ごたごた:@種々の物が乱雑に入り混じったさま。ごちゃごちゃ。「―した町並」Aもめごとのあるさま。もめごと。ごたくさ。ごた。「家に―が起きる」B〓がらくた。
こぢこぢ・こちこち:@物がこりかたまって堅くなったさま。また、人が頑固なさま。非常に緊張しているさま。かちかち。こちんこちん。「―の頭」「優勝を目前にして―になる」A固い物を叩いた時に発する音。こつこつ。時計の刻む音。
ごちゃごちゃ:種々のものが乱雑に入りまじっているさま。秩序のないさま。
こちゃこちゃ:こまかい物が入りまじって混雑するさま。
こちょこちょ(辞書不掲載):くすぐる様。古くは『こそこそ』。
ごづごづ・ごつごつ:@角ばってしなやかでないさま。無骨なさま。「―した手」A咳(セキ)などをする音。浄、重井筒「―咳(セ)いてくる音す」B堅いものが触れ合って出る音。
こつこつ:堅い物がふれあって出る音。戸などをたたく音、靴音など。
ぐんじゃぐんじゃすーほど:たくさん:島根出雲市。量があまりに多いので混乱する様を言うのだろう。
ぐじゃぐじゃみぢ:ぬかるんでぐちゃぐちゃの道。
けんどがぐじゃぐじゃだ:道路がぐちゃぐちゃだ。
ぐじゃぐじゃ
ぐしゃため
@泥濘(ぬかるみ)、A湿地 ぬかるんだ状態は標準語でも『ぐじゃぐじゃ』と言う。
@・ぐしゃ:神奈川。
ぐしゃため:長野。
ぐしゃったーまり:神奈川。
ぐしゃりだま:静岡。
Bその他。
ぐしゃりった:湿田:神奈川。
ぐじゃげる 【動】駄目になる、目茶目茶になる 『ごじゃげる』。『ぐじゃぐじゃになる』の意味。
ぐじゃっかい
ぐじゃっこ
ぐじゃっけ
ぐじゃっけー
ぐしゃっけー
ぐしゃったみ
ぐしゃったれ
ぐしゃみき
@泥濘(ぬかるみ)、A湿地 @・くじゃ:静岡。
ぐじゃっこ:栃木。
ぐじゃっかい
ぐじゃっこい
【形】道がぬかるんでいる様
ぐじゃっ ばか、どじ、間抜け、出来損ない、でたらめ、いい加減 『ごじゃっ。熊本民謡『おてもやん』に出て来る意味は『不細工、あばた顔』だがどこか共通点がありそうだ。
ぐしゃんぼ:道理のわからない人:山梨。
ぐしょー:馬鹿:群馬。
くしゃめ くしゃみ 狂言では『くっさめ』と言う。
くしゃめ:静岡。
くっしゃみ:静岡。
(ぐしゃり) 【形動】ぐったりした様 神奈川。広辞苑に『ぐしゃり:もろく押しつぶされるさま。ぐしゃっ。』とある。
ぐじゃる
ぐしゃる
【動】@ぬかるむ、A駄目になる、B駄々を捏ねる @・ぐしゃりった:湿田:神奈川。
ぐしゃってる:ぬかるんでいる:静岡。
くしゃりったま:泥濘:静岡。
ぐしゃる:山梨・静岡。
ごちゃる:長野。
ねたる:長野。
のたる:長野。
B・ぐざる:神奈川。
ぐしゅぐしゅ 【副】@ぶつぶつ言う様、A紙がくしゃくしゃになる様 古い標準語の『ぐしぐし』が訛ったもの。
ぐじゅぐじゅ 【形動】鼻水が多く出る様、ぐずぐず
くじゅ 【動】くすぐる 『こする』
くじってー:くすぐったい:神奈川。
ぐじゅったい:静岡。
ぐじゅ:静岡。
ぐしょぬれ ずぶ濡れ 『ぐしょ濡れ』。
じら
しら
じり
しり
【助】〜ごと 近世語の『共(ぐち)』(〜ごと)。
『〜し』より古い言い回し。
しり:山形。ねむしり:ねこそぎ。
じら:福島。
ちら:新潟。
ぢら:福島。
〜まずら:秋田。
△▽くじる 【動】中のものをえぐる、ほじくる 標準語。『抉る』。竹取物語の時代から使われる言葉。
くじる:千葉・静岡・広島・大分・鹿児島。
くじる:挫く:群馬。
くず @落ち葉、A枯れ枝 方言ともいえない言葉。薪に対して、燃料としての落ち葉や枯れ枝は屑といわれても仕方が無い。
@・くず:埼玉・神奈川。
くずかき:落ち葉掻き:神奈川。。
□▽くず 常陸国茨城郡に土着の先住民。 『国栖・国樔・国巣』。
広辞苑には『@古く大和国吉野郡の山奥にあったと伝える村落。また、その村民。他村落と交通せず、在来の古俗を保持して、奈良・平安時代には宮中の節会に参加、贄(ニエ)を献じ、笛を奏し、口鼓を打って風俗歌(フゾクウタ)を奏することが例となっていた。A常陸(ヒタチ)国茨城郡に土着の先住民。B能の一。大海人皇子(オオアマノオウジ)が大友皇子に追われて吉野に遁れ、吉野川の漁夫に助けられ、蔵王権現の祝福を受ける。』とある。
Aは『新編常陸国誌』に掲載されている。
(くず) 去年 沖縄。古語『こぞ』の訛り。沖縄ではオ段がウ段に変化する。
(くーす) 古酒(年代物の泡盛) 沖縄。
(くすい・ぐすい) 鹿児島。
くずいる
くずえる
【動】崩れる ラ行音を嫌う茨城弁と思い勝ちだが、中には『くーえる』と言っていた人の記憶があり、調べると『壊える(くえる)』(崩れる)という古い標準語があることが解った。
くずく:壊す・折る:静岡。
(くずいれ) ゴミ箱 『屑入れ』。何故か広辞苑には無い。古くはゴミも屑も『ゴミ屑』とも言った。どうやら収容するものの形状により言葉が分かれているようである。
くずいれ:かまどのそばにある小枝入れ:神奈川。昔は屑と言えども、最終的に利用された。現代では多くゴミとして焼却されるようになったが、次第にリサイクルされるようになっている。
ぐーすかぐーすか
ぐうすかぐうすか
【擬音】【副】ぐうぐう(寝る様) 俗語。
くずかす
くずっかす
@ゴミ、不要物、A役に立たない人 『屑(くず)滓(かす)』の意味。
(くする) 【動】刺さる 静岡。『が』は濁音か鼻濁音か不明。
くず 焚き木、落ち葉 『屑木』の意味。『集覧:猿』。
(くずく) 【動】挫く 静岡。明治の静岡方言だが、東北方言的である。
くす 【動】突き通す 静岡。『が』は濁音か鼻濁音か不明。
くす:刺す:静岡。
ぐずぐず
ぐーずぐーず
【形動】@のろまなさま、しまりが無い様、Aぼろぼろに砕けた様、Bぶつぶつ不平を言うさま 『愚図愚図』。
@・ぐずらぐずら:神奈川。
ぐずんぐずん:神奈川。
B・ずぐもぐ:山形。
★『土』:酷(ひ)でえ阿魔(あま)だ、夕飯(ゆふめし)も何(なに)も仕(し)やうありやしねえなんてな、獨(ひと)りでぐうづぐうづ云(ゆ)ってな、そんで與吉(よきち)こと何遍(なんべん)も迎(むけえ)に遣(や)ってな、さうすっとあの與吉(よきち)の野郎(やらう)また、今(いま)直(す)に饂飩(うどん)饗(ふるま)ってよこすとう、なんてのたくりのたくり歸(けえ)って來(く)んだ
ぐずぐず 【形動】ひどく濡れたさま、ぐしょぐしょ ぐすぐす:神奈川。
ぐすったい
くずったい
くすってー
くすったい
【形】くすぐったい くすって:宮城。
くっつたい:宮城。
くっつたえ:山形。
ぐす
くず
【動】くすぐる くす:宮城・山形。
くず:静岡。
くずくる:静岡。
くつ:山形。
くつ:神奈川。
くっつ:山形。
くす
■▲くすくる
【動】@修繕する、A衣服をつくろう @古語の『こそくる』の転。『くすぐる』とは東北地方を中心として使われる『修繕する』意味の方言。『集覧:鹿・水』。
『土浦市史・民俗編』では『かやぶき屋根の修繕に用いることが多い』とある。
くすぐる:青森・岩手・山形・福島・千葉。
くしくる:秋田。
こぞくる:東京多摩。
A@の意味の拡大。
くそ:千葉。
くすぐり かやぶき屋根の修繕、補修すつこと
ぐずごねる
ぐずこねる
ぐずたれる
ぐったれる
【動】@ぐずる、だだをこねる、不満を言う、Aぐずぐずする 『愚図』+『捏ねる』『垂れる』。
ぐずーこく:山梨。
ぐずーこねる:山梨。
(くすし) 医者 沖縄。古語『薬師・医』。
(ぐすーじ) お祝い 沖縄。
くずっき 焚き木、落ち葉 『屑木』の意味。
くずつぐ 【動】ぐずる、だだをこねる、不満を言う、ぐずぐずする 『愚図つく』。
くずっ 葛の葉 くずば・くずふじ:静岡。
ぐずっ
ぐつっ
愚図 『集覧:久』。
ぐずねる
くずねる
【動】ぐずる、だだをこねる、不満を言う ぐずぬく:下を向く:山口・愛媛・大分。
ぐずめく:小言を言う:青森。
くずねる
■▲▽くすねる
【動】こっそり盗む 『集覧:北』。教育上望ましくない言葉として位置付けられたのだろう。
くす:長野。
くずねる:山形。
(くすねる) 【動】@すねる、A隠す 神奈川。
くすぶったい
くすぶってー
【形】焦げ臭い 著名辞書には掲載されていない。
くすびっちゃー:山梨。
◆●くすぶりくさい
くすぶりくせー
くすぼりくせー
【形】焦げ臭い
☆くすぼる 【動】くすぶる くすぼる:東京。
くすもる:京都。
ぐずまぐ
ぐずまく
【動】ぐずる、だだをこねる、不満を言う 『愚図巻く・撒く』か。
ぐずまぐ:宮城。
ぐずまく:福島・福井・奈良。
ぐずめく:秋田。
ぐずらめく:宮城。
ぐずむず
ぐずもず
【副】ぐずぐず、不平を言う様
くすむ 【動】すくむ、動けなくなる 倒語か。標準語の『くすむ』は『@まじめくさる。Aじみによそおう。さえない色を呈する。黒ずむ。色調が沈んで落ち着いている。A目立たぬ存在となる。』の意味。
くすむ:呆然とする:岩手。
くすむ:しょんぼりする:和歌山。
くずむ:行き詰る:秋田。
くすめる 【動】@こっそり盗む、くすねる、Aすくめる Aは倒語。
(くずや) 茅(カヤ)・わらなどで屋根を葺(フ)いた家。くさや。かやや。 佐渡島。『葛屋』。
ぐずーら
ぐーずら
【副】力を入れる様、ぐいと 擬態語。
★『土』:ぐうづら蔓(つる)引(ひ)っこ拔(ぬ)いて打棄(うっちゃ)って。
ぐずらぐずら
ぐずらむずら
ぐずらもぐら
ぐずらもずら
【副】ぐずぐず、不平を言う様 『ぐずりぐずり』の転。
ぐずっかぐずっか:群馬。
ぐずらぐずら:宮城・神奈川。
ぐずんぐずん:ぐずぐず・緩んでいる様:神奈川。
ぐずらもずら:秋田・宮城・福島。
くすりいび
くすりえび
薬指 くすりいび:広域方言。
くすりえび:関東・長野に散在。新潟に顕著。
ぐずりぐずり 【副】@ぐずぐず、A愚図る様、はっきりしない様 やや古い標準語。
@・ぐずっかぐずっか:群馬。
ぐする 【動】ぐずぐず言う、駄々をこねる 清音化。
ぐずる 【動】ぐずぐず言う、駄々をこねる 標準語。茨城ではもっぱら赤ん坊を対象に使った。
ぐずる:ねだる:静岡。
ぐずろべ
ぐずろべえ
ぐずろーべー
愚図、愚図な人 古い慣用句の『愚図郎兵衛』。類義語に『愚図郎左衛門・愚図六・鈍作(のろさく)』がある。
ぐずろ:熊本。
ぐつろ:分からず屋:熊本。
△▽くせ @つわり、A作物の病気、B吐き気 @・くせ:山形・宮城・福島。
くしぇけ:秋田。
くせけ:秋田。
A・くせ:群馬・東京多摩・神奈川・長野。
Cその他。
くしぇ:妊娠:山形。
くせ:妊娠:山形。
くせ:生理:青森。
くせ フケ 日立市・常陸太田市付近限定の方言。全国でもここだけしかない言葉。『瘡』(かさ)が訛ったと見られる。
くせー 【形】@臭い、Aうさんくさい、B嫌な 俗語。
@・くさか:鹿児島。
くせ:鹿児島。
くせー:神奈川。
〜くせー 【助】〜の傾向がある、〜のようである
〜くせして 【慣】〜のくせに 俗語。
『新方言』には『クセシテ 「〜くせに」;「知ってるクセシテ教えてくれない」のような言い方は,東京付近で高年層44%,青年層81%と増加中;都外から流入したらしい。』とある。
くせらしか:大人びた・生意気な
こどものくせしてこっだごど:子供のくせに生意気だこと。
くぜづ 不平不満 くぜつ:こごと・不平:静岡。
広辞苑に『くぜつ【口舌・口説】:@おしゃべり。弁舌。A言い争うこと。いさかい。B嫉妬による男女の間の言い争い。痴話げんか。』とある。
くせっけ @つわり、A癖のある真直ぐでない毛 @・くしぇけ・くせけ:秋田。
Aは標準語。『癖毛』。
くせやみ つわり
ぐぜる
■▲△▽くぜる
【動】@しゃべりまくる、A言い争いをする、B▲鳥がさえずる 『口舌る、口説る』。『集覧:久・水』。ほぼ死語となった標準語。
A・ぐざる:泣く:神奈川・山梨・岐阜。
ぐぜる:小言を言う:青森・岩手・三宅島・大分・熊本・長崎。
くぜる:文句をいう・苦情をいう・ぶつぶついう:静岡。
くぜくる:文句を言う:青森。
ぐぜごつ:文句:鹿児島。
くぜこと:文句:佐賀・鹿児島。
くぜつ:文句・不平:徳島・山口。『口舌・口説(くぜつ・くぜち)』(おしゃべり。弁舌。言い争うこと。いさかい。)が転じたものだろう。
ぐぜり:良くしゃべること:神奈川。辞書には名詞形は無い。ただし大辞林に『舌り:鳥の完全なさえずりではなく、弱く小声で鳴くもの。しばしば、他の種の鳥の声に似て、さえずりの時期以外に聞かれる。』とある。
ぐせる:言いぐさを言う・理に合わないことを言う・素直でない:山梨。
くせる:叱る:群馬・埼玉。
ぐでる:文句をいう・苦情をいう・ぶつぶついう:静岡。
B・ぐざる:長野。
ぐぜる:栃木。
くぜる:宮城・埼玉・東京多摩・神奈川・長野・山梨・静岡。
Cその他。
ぐざる:駄々をこねる:神奈川。
(くせる) 【動】曲がる、反る 鹿児島。
くせわるい
くせわりー
【形】意地悪、妙なことをする様、欠点がある様 『癖が悪い』。
(くぞ) 長野。
くそ〜 【接頭】 標準語にもあるやや下品な接頭語。茨城弁でも様々な言葉に使われる。
くそっ〜 【接頭】 標準語にもあるやや下品な接頭語。
くそいじ 強情 くそいじ:意地っ張り:福島。
くそいじはる:強情を張る。
くそいばり ひどく威張ること くそいばり:神奈川。
くそえばり:神奈川。
くそいばる 【動】ひどく威張る くそいばりをする:ひどく威張る:神奈川。
くそいばる:神奈川。
くそえばる:神奈川。
(くそうず) 石油 『臭水』。辞書には『(クサミズの音便) 石油の古称。』とある。
くそーず:新潟・長野。
くそおがしー 【形】ちゃんちゃらおかしい
くそおげ 肥え桶 『糞桶』。
くそおもでー 【形】やたらに重たい くそりー:群馬。
くそいる
くそえる
くそーる
ツチガエル
くそがぎ 生意気な子供 濁音化。
(くそかきぼー) 不潔な人 神奈川。
くそがらいがい 【形】やたらに体格が大きい 卑下する意味を含む。
くそかわい 【動】あまりに可愛がること
くそくれ
くそくれー
くそっくれー
【慣】糞でも食らえ くそっくれー:神奈川。
くそくれー
くそっくれー
【形】ひどく暗い くそっくれー:東京青梅。
くそたーげ 馬鹿野郎 『糞戯け』(くそたわけ)の転。
くそだーけ:岐阜。
くそだーげ 糞だらけ
くそたらし
くそったらし
くそったれ
くそたれ、おんこたれ、しょんべんたーれ 罵倒言葉 続けて言う。
くそたれやろー 【慣】罵倒語 『糞垂れ』。
(くそっかわ) @表面にある皮。表皮。A物の表面をおおうもの。 静岡。『上皮』。
くそっかわい 可愛がりすぎること
くそっかわい 【動】あまりに可愛がること
(くそっくれー) 未明 神奈川。
くそったぐれ
くそったぐれやろー
【慣】罵倒語
くそったーげ 馬鹿野郎 『糞戯け』(くそたわけ)の転。
くそだーけ:岐阜。
くそってーねー 【複】【形動】くそ丁寧、丁寧すぎること 連母音変形。
くそってーねー:群馬。
くそっ おおきな恥 くそっ:埼玉。
くそどきょ
くそどぎょー
並みはずれてずぶとい度胸 『糞度胸』。
くそにも 【副】全く
(くそねぼー) 朝寝坊 神奈川。
くそのたしにもなんねー
くそのやぐにもただねー
【形】何の役にも立たない 『くその役にも立たない』。
くそのま
くそま
【形動】まぐれ、偶然うまくいったこと
くそばが
くそばがやろー
馬鹿 罵倒語。
くそばった ツチバッタ
くそばーにする 【動】馬鹿にする
くそばーりゆー 【動】頭に来ることばかり言う
くそぶぐろ @胃腸、A人体 『糞袋』。
くそべー キンバエ、ハエ 『糞蠅』はキンバエの別称。
くそへび マムシ 広域方言。
くそへび:岩手・秋田・山形・福島・東京都大島・静岡・愛知・長野。
くそぼねおる 【複】無駄な労力をかける 『糞骨を折る』。
くそぼね:無益な骨折り:神奈川。
くそぼねおる:神奈川。
くそぼりくせー 【形】焦げ臭い、くすぶったい
くそぼる 【動】くすぶる
(くそまる) 【複】大便をする 沖縄。『糞放る』。
くすまゆん:沖縄。
くそむし ウジ 『糞虫』。
くそむすび 一回目の結びに対して同じように結ぶ結び方 簡単に解けないのでそう呼んだ。『本結び』の場合は、二回目は逆の結び方をするので解くのが簡単である
くそもみそもいっしょだっ 【複】【慣】良い物と悪いものが解からないのと一緒だ 『味噌も糞も一緒』。
くそもみそもなぐ 【複】糞味噌に、全く駄目だと言わんばかりに 本来『価値の有無を見分けられず同等に扱う様。味噌も糞も一緒』の意味。茨城弁の方が本来の意味の形を残している例。
くそんばい
くそんべー
コウカアブ、キンバエ 『糞蠅』はキンバエの別称。
ぐだ 【形動】くどくどしい様 古い標準語の濁音化。『くだ』は近世語でそれだけで『くどくどしいこと・様』を意味する。
くーだ 【複】食べるんだ、食べなさい はいぐくーだ:早く食べなさい。
〜くだい
〜くだーい
【助】(〜して)下さい 『くだはい』が訛ったもの。サ行音がハ行音になるのは、現代では関西と東北西部方言の特徴でもある。
〜くだい:群馬・静岡。
くだぎ
くだき
くたぎ
『集覧:新・鹿』。語源不詳。=『きたげ』。@『汚い』(きた・くた)『液汁』(き)、A『芥』(くた)『液汁』(き)、B『舌』(した)『液汁』(き)のうち、Aが最も可能性が高いと思われる。東北南部では『したき』と言う。
くだぐ 【動】両替する 小さくする意味で『砕く』の濁音化。
くだぐ:青森。
くだくだ 【形動】くどいこと、くどくどと 古い標準語。
くだくだ:群馬。
ぐだぐだ
ぐったぐた
【形動】@くどいこと、くどくどと、A疲れた様、B汗だくの様 濁音化・促音便。
@現代標準語で『くだくだ』を使うのは小説の中だけであろう。現代ではぐだぐだまたは『くどくど』のの方が良く使われる。ただしぐだぐだは辞書には無い。ちなみに『下らない』という言葉は江戸時代の物の流通ルートから生れた言葉とされているが、『下らない』を重ねた説は、過去の著名な文書にはない。
ほぼ同じ意味の『くどくど』は、『くだくだ』が転じたのか、『口説き口説き』が訛ったかどうかは、私の手元の資料にはない。
ぐだぐだ:群馬。
A・ぐだぐだ:だらだら:山形。
ぐだぐだ
ぐったぐった
【形動】十分に煮る様 ごだごだ:山形。
ぐたぐた
くたくた
【形動】@疲れた様、A十分に煮る様、ぐつぐつ、B物の形がくずれた様、よれよれ ★『土』:かんぜん捻(より)くたくたして云(い)ふこと聽(き)かねえや:かんぜより(こより)がよれよれで言う事を聞かないよ。
くだくだしい 【形】くどい 語源は、諸説あるが『くだ』を『砕く』にあるという説と『管』にあるとしている。
くーだぐねー 【複】食いたくない 単純転訛。30年代の言葉。
くだぐね:宮城。
くだげ
くだけ
くたげ
くたけ
『集覧:那』。
くたけ:福島・茨城・千葉。
◎△▽くたす 【動】@腐らす、A汚す、B▲◎△けなす、責める、叱る 『腐す(くたす・くさす)』。『集覧:多』。
Bくただめづげる:山形。
くたしつける:叱り付ける。
Cその他。
くたす:死ぬ:岩手。
くーだす 【動】食べ始める
くだせー 【複】下さい 時代劇でもよく耳にする江戸言葉。
ぐだっこ 愚痴
ぐだっと 【副】ぐたっと、ぐったり ぐだっと:青森。
〜くだはい 【助】(〜して)下さい サ行音がハ行音になるのは、現代では関西と東北西部方言の特徴でもある。
〜くだい:静岡。
〜くだーい:群馬。
〜くだっしょ:福島。
〜たいま:石川。
くたばる 【動】@疲労困憊の状態になる、弱る、A▲死ぬ 標準語では『草臥れる(くたびれる)』。『くたぶれる』の転。
@幼い頃使ったら、父親が怪訝な顔をしたことを覚えている。
くたばる:寝る:島根・愛媛。
くたばる:学校を休む:福岡。
A『集覧:新』。
ぐたばる:福島。
くたばる:岩手・山形・福島・長野。
〜くだはる 【助】下さる 近世語で侠客などが用いたとある。サ行音がハ行音になるのは、現代では関西と東北西部方言の特徴でもある。
動詞『下す』に、動詞『す』の未然形『せ』+助動詞『らる』:『せらる』の変化した『さる』が訛った『はる』がついたとも言える。『はる』は広域で使われる。
くだはる:岐阜。
〜くだる:山形。
くだれる:岐阜。
〜たいよ:〜て下さいよ:千葉。『〜てはいよ』がさらに訛ったもの。
〜てはいよ・〜ちはいよ・〜ちゃいよ・はいよ:下さいよ:熊本。
〜はる:山形・富山・福井・岐阜・三重・滋賀・京都・大阪・奈良・長崎。動詞『す』の未然形『せ』+助動詞『らる』:『せらる』の変化した『さる』が訛ったもの。
〜くだはれ 【助】(〜して)下さい テレビドラマ水戸黄門で光圀が田舎爺に扮したとき使われた言葉。上方では『くなはれ』
〜くだはれ:富山。
くたびった
くたびっちゃ
【複】疲れた、くたびれた
くたびる 【動】疲れる 標準語の文語。
くたびっちゃっ:くたびれたろう。
くたびった・くたびっちゃ・くたびっちゃよ:疲れたよ。
くたぶれる 【動】疲れる 標準語。
『草臥れる(くたびれる)』の転。茨城ではあまり使われず、『こわい』の方がメジャー。
くたぶれる:群馬・東京・東京西部・静岡。
くだまぎ
くだまき
クツワムシ クツワムシの異名。『集覧:久』。高知では『ウマオイムシ』を言う。
広辞苑には『管巻:(鳴く声が糸車を繰る音に似ているからいう) クツワムシの異称。また、同じキリギリス科のウマオイ・ヤブキリを指すこともある。くだむし。いときり。いとくり。』とある。
くだむし:和歌山。
ぐだまぐ
くだまぐ
【動】管を巻く、悪口を言う 短縮化・濁音化。『くだ』には見識が狭い意味があり『管を巻く(酒に酔ったりしてくどくど言う)』は標準語。
管を巻く→くだまく→くだまぐぐだまぐ
ぐだめぐ・ぐだめく:青森。『巻く』の連用形『巻いて』が『めーて』となりそれによって生まれた形式と見られる。
ぐだまいでんだねー:悪口を言うんじゃない。
くだもん 果物
ぐーだら ぐうたら
◆▲△▽くだら
くうだら
【副】▲わがまま、不平、文句 『集覧:新』。
『くだ』は近世語でそれだけで『くどくどしいこと・様』を意味する。『ら』は副詞を形成する接尾語か。
ぐーだらべー
ぐーたらべー
ぐーたろべー
ぐうたら 『ぐうたら兵衛』。いつもぐうぐうと寝ている『ぐう太郎兵衛』の意味だろう。
ぐーたらべー:東京・静岡。
ぐーたらぼー:愚図・ひ弱い人:神奈川。
ぐーたらでー:愚図・意気地なし:神奈川。
ぐんだれ:無精者:神奈川。
〜ぐたり
〜くたり
【複】〜かったり、〜であったり なんだやー。そおたんではだいだやー。とぎどぎで、いがくたりちーさくたりでは、しんらいされねどやー。:何だって?。そんなのでは駄目だよ。時によって大きかったり小さかったりでは信頼されないね。
はすは、あがくたりではだいで、しろくてふとってないどだいだね。いろしろぐないとね。:レンコンは赤かったりしては駄目で、色が白くて太っていないと駄目だね。
くたりくたり 【副】@くどいこと、くどくどと、A疲れた様、B汗だくの様
くたる 【動】へたる、弱る、萎れる
くだる 【動】@雨・雪が降る、A天気が下り坂になる、B下痢をする、C下りる 『下る・降る』。
@今や使われなくなった標準語。
Aは標準語には無い。
B使われなくなりつつある標準語。
くたれる 【動】へたる、弱る、萎れる
くたんくたん 【形動】疲れた様、こなごな、ずたずた 『くたくた』。
くたんとなる 【動】落胆する、ぐったりする 『くたっとなる』。
くたんとなる:青森。
くぢ 口、たぐい、種類 濁音化。
くち:群馬。
おれもやりたぐねーくぢだ:俺もやりたくないたぐいだ。
ぐち @甘やかすこと、Aこの上ないこと、最高 いずれも『愚痴』(〔仏〕理非の区別のつかないおろかさ。)の流れ。
@・ぐち:宮城。
ぐちにそだでだ:甘やかして育てた。
A★甘いものがぐちに好きだ
△◇〜

ぢり
【助】〜ごと 近世語の『共(ぐち)』(〜ごと)そのもの。=『〜し』
『聞書』には、浪花で『ぐち』と言い、江戸では『ごと』と言ったとある。
:愛知・滋賀・三重・奈良。
〜むんつけら:青森。
くぢ
くぢー
△くちー
【形】@満腹の様、Aきつい、苦しい いずれも、『く』には『苦』を伴い現代語の『苦しい』につながる言葉と思われる。
@満腹の意味の『くちい』は死語となった標準語。『腹がくちくなる』。
くぢー:山形。
くちー:山形・宮城・長野・関東・東京・東京多摩・静岡。
くちる:満腹になる:栃木。
Aきつい意味は辞書には無いが、満腹を意味するのは、もともと苦しい意味があったと思われる。
くぢー:山形。
くちー:群馬。
〜くぢ 【助】〜ばかり、〜きり
くぢあぎ
くぢあげ
始まり 『口開け』。
くぢあがす 【動】物を言わせる 『口を開かす』。
くぢあげる 【動】@(入れ物等の)口を開ける、A傷口が開く 濁音化。
くぢあます 【動】言いすぎる くちあます:悪口を言う・生意気なことを言う:福島。
くぢあんべ 口按配、味加減 濁音化・連母音変形。30年代の言葉。
くぢいれ @口添え。口出し。A周旋。 『口入れ』。
くぢいれる 【動】口をさしはさむ 『口を入れる』。
くぢおし 【形】口惜しい 濁音化。
くぢおぐ 【動】話を一旦休める 『口を置く』。
くちおかず:休み無くしゃべる:福島。
くぢきけない
くちきけない
【複】物を言えない、話せない 標準語では『意外な事態にどうして良いか分からなくなる』意味。
くちか 申し入れ、文句、不平
くちかがり
くちかかり
声が掛かること、申し入れ
くぢかがる
くちかかる
【動】声が掛かる、申し入れがある
くちかげ
くちかけ
縁談等の申し入れ 『口を掛ける』の名詞形。
くぢかげる
くちかげる
【動】声を掛ける、申し入れをする 『口を掛ける』。
くちかける:長崎。
くぢたづ 【複】多弁である 標準語には無い表現。『弁が立つ』とも言う。
くぢだめ
くちだめ
縁談の約束 標準語では『@他言をとめること。くちどめ。A口約束。』を指す。
くちため:神奈川。
くちため:結納:栃木。
くぢがなめこい
くちなめこい
くちなめけー
くぢなめっこい
くちなめっこい
くぢなめっけー
くちがなめっけー
【形】口がうまい
くちへらない
くぢへらねー
くちへらねえ
くぢへんねー
【複】口が達者で負け惜しみや理屈を言いつのる。へらず口をきく。 『口が減らない』。
くぢむすい
くちむすい
くぢむそい
くちむそい
くぢむせー
くちむせー
【複】余計なことを言う、言う事が卑しい、口が悪い 茨城方言集覧では旧水戸市の方言で『言はずともよきことなどを言ふこと』とある。『むそい』とは、『@長持ちする、食べ物の減り方が遅いこと、使い出がある。A汚い、むさくるしい、卑しい』の意味でAの意味なら『むさい』が転じたもの。
くぢ
くちかる
口が軽いこと 『口軽』。
くぢきぎ
くぢきき
くちきき
縁談などの口利き役 濁音化。意味限定。『口利き』。
くちきき:神奈川。
くぢきぐ
くぢきく
くちきく
【動】物を言う 省略・濁音化。
そーたくぢきーだらとーちゃんにおごられっと:そんな言い方をしたらお父さんに怒られるよ。
くぢだね
くぢだねー
くぢたねー
くぢきたねー
【複】【形動】@言葉づかいがきたない。A食い意地がはっている。 濁音化・連母音変形。『口汚い』。Aの意味は現代では死語。
A・くちたねー:群馬。
くぢぎりいっ
くぢりいっ
くぢきりいっ
くちきりいっ
器や袋にに物を口まで一杯に入れるさま 『口切り一杯』。
くぢぐなる
くちぐなる
【複】満腹する くちくなる:静岡。
くぢ
くぢゅ
【動】くすぐる くちゅ:宮城。
くぢだい
くぢごだえ
口答え
(くちごーしょ) 口達者な人 神奈川。『口巧者』。
くぢさだめ
くちさだめ
婚約 『口を定める』意味。
くぢしゃべる
くちしゃべる
【動】無駄口を言う 『口しゃべる』意味。
『口に出してしゃべる』すなわち『言いふらす』の意味を伴い、『口が滑る』のイメージもある。
くぢだし
くちだし
膿を出すために針等で出し口を作ること
(くちっじけ・くちっじけもの・くちっりけ) おしゃべり 神奈川。辞書には『くちはじ【口恥】:食い意地が張っていたり言葉をつつしまなかったりすることから恥をかくこと。』がある。
くちっじけ:不穏:東京三鷹。
くぢっ 口の端、口の周り
くぢっぶり
くぢっ
口振り
くぢつぶる 【動】黙る
くぢっ
くぢべだ
@口の端、口の周り、A口下手
くぢつむる 【動】黙る
くぢたづ 【複】【形動】口がうまい 『口が立つ』は俗語。本来は『弁が立つ』。
くちたづ:口を利く:山形。
くづたづ:宮城。
くぢとり 酒やお茶に添える食べ物 清音ならやや古い標準語。『口取』。
くぢな
くちな
くちなー
くちなわ
ヘビの総称、マムシ 『くちなわ』(口縄:ヘビの古称)。一説には近世大阪語とされる。
くぢはさみ 口を挟むこと
くぢばし @嘴、A口をきくこと、口のきき方 @・くぢばし:千葉。
A『口端』の意味。
くぢばしな 【形】おせっかいな様、おしゃべり 『嘴』には『口をきくこと。ことば。もの言い。』の意味がある。
くぢばしみじけー
くぢばしみちけー
【形】言葉が足らない
くぢばだ
くちばだ
くちばた
くち
口の端、口の周り 『口端』の意味。
広辞苑に『くちは【口端】:「くちのは」に同じ。』『くちのは【口の端】:ことばのはしばし。口さき。』とあり、標準語に
ならなかった由緒あることばとる思われる。
くちばた:唇:長野・山梨・静岡。
くぢばぢあだる 【動】悪口がたたって罰が当たる
くぢはばてー
くぢはばってー
【副】【形】【形動】口幅ったい 濁音化+連母音変形。
くちっじけ:口幅ったい人:東京三鷹。
くちはべってー:群馬。
くぢはっ 気合をかけること、激しい口調で奮い立たせること、発破 『口発破』の意味。
くちはばめー
くぢはび
▲●くちはび
□くちはみ
くちばみ
くっぢゃび
くっちゃび
くちゃへび
▲●くそへび
マムシ 『口食み』(くちはみ)が転じたもの。茨城方言集覧では『くちはび』(旧鹿島郡)、『くちはばめー』(旧久慈郡)、『くっちゃび』(旧新治郡)、『くそへび』(旧稲敷郡)とある。沖縄のハブも『食む』に由来すると考えられる。
『称呼』には『まむし:西国にてひらと呼。筑前にてはめと云。土佐にてはみくつはみと云。上総上州にてくちはみと云。是和名はみ也。』とある。
you tube-茨城方言−クチハビの話
くつはび:宮城。
(くちびしょ) 食いしん坊、いつも口を動かしている人 神奈川。
くぢびら
くぢびる
くぢびろ
くちびろ
くぢべら
くちべる
くぢべろ
◆▲●くちべろ
『集覧:行・北』。
標準語の『くちびる』とは妙な言葉である。考えれば誰もが『口の縁』あるいはるいは『口のヘラ』ではないかと推測するだろう。調べると著名な語言説も概ね一致している。現代語の『くちびる』は語源からするとかなり訛ったもので、『くちべり』『くちべら』が正しいとも言えよう。
うらへら:口先のみの事:神奈川・富山・山口。
うらへら:見え透いた嘘:埼玉。
くちばた:長野・山梨・静岡。
くちべた:静岡。
くちびら:東北・北陸・近畿北部。
くちびろ:関東・神奈川・八丈島・近畿南部・中国・四国。
くちべら:東北・北陸・静岡・近畿北部。
くちべり:神奈川。
くちべろ:福島・関東・東京・神奈川・静岡・近畿南部・中国・四国。
くちべろ:舌:愛媛。
くっつば:舌:長崎。
すば:九州南部。
つば:九州北部・中部。
くぢふぐ 【動】口を聞く、吹聴する 『口を吹く』の意味。
くぢふさぎ @口をふさぐこと。口止め。A客に出す料理をへりくだっていう語。口よごし。 『口塞ぎ』。
(く・くゐ) 鹿児島。
くぢぶり 口振り
くぢぶん 食べる分、分け前
くぢべだ @口の周り、A口下手
くぢへんじ
△▽くちへんじ
口答え ここでの『へんじ』は『返し事』の意味で『口返答』と同じ。
くちへんじ:愛媛・高知・岡山・福岡。
くぢへんとー 口答え 濁音化。『口返答』。
くちへんとー:群馬・静岡。
くぢぼそ
くちぼそ
モツゴ 『おぼそ』とも言う。
(くちぼっけ) 口数の少ない人 神奈川。
くぢほどでもねー 【形】口だけ達者でで大したこと無い様、口ほどでもない
くぢま 口の悪い人 くちま:憎まれ口を言うこと:静岡。
くぢまね 口真似
くぢまめ 口達者 『口忠実』。
くぢむすい
くちむすい
くぢむそい
くちむそい
【複】余計なことを言う、言う事が卑しい、口が悪い
(くちゃーえれー) 【複】おしゃべりだ 神奈川。
くちゃくちゃ 【形動】(紙などが)皺だらけのこと、くしゃくしゃ、噛む時の音 あまり使われなくなった標準語。『集覧:真』。集覧では『くちやくちや』と表現されている。普通は、『くしゃくしゃ』と言う。
くちゃくちゃ:いびつな様:神奈川。
くちゃくちゃになる:いびつになる:神奈川。
くちゃむ:くちゃくちゃにする:神奈川。
ぐぢゃぐれる 【動】ぐちやぐちゃに散らかる
くぢゃげる 【動】(入れ物等の)口を開ける、傷口が開く 濁音化+連母音変形。
ぐぢゃげる 【動】駄目になる、頭が混乱する、ぐちゃぐちゃになる ほーてーしぎのもんだいといでだらとじーでぐぢゃげちった:方程式の問題を解いていたら途中で解らなくなってしまった。
くちゃす 【動】噛み潰す 『食い潰す(つやす)』。
くぢやっかい 迷惑 『口で厄介をかけること』。
ぐちゃっかい 【形】道がぬかるむ様 『集覧:久』。集覧では『ぐちやっかい』と表現されている。
くちゃはめ
くちゃび
くちゃへび
くちゃめ
マムシ 『口食み』(くちはみ・くちへみ)が転じたもの。
くちゃめ:千葉。
くぢやりいれる
くちやりいれる
【動】差し出口を言う、口出しする、横槍を入れる 本来は『口を割りいれる』意味だが、『口槍を入れる』のイメージでも使った。。
くちょー @【複】下さい。A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『集覧:久・那』。=『くんちょー』が詰まったもの。
くぢょーきぐ 【複】@ものを言う。しゃべる。Aとりなす。仲裁する。A紹介する。周旋する。 『口を利く』。
A・くちょーきく:山梨。
くぢょーし 【形】口惜しい、悔しい くちょーしー:山梨。
くぢよせ @接吻、Aいたこに霊魂を呼び出してもらい話を聞くこと
〜くぢり 【助】〜ばかり、〜きり やや古い標準語『けちりん』の転とも言え、上代上方語の『〜ぐち』の転ともいえる。。
くぢろん
くちろん
口論 濁音化。
くぢわり
◆■▲くちわり
@▲悪口を言うこと、悪口を言う人、A【形】口が悪い 『口悪』(くちわる)。『集覧:新・行』。『集覧』の解説には『むつかしきこと』とあるが、『民俗』の引用では意味が変化している。
くぢわりいれる 【動】@悪口を言う、A横槍を入れる 『くちやりいれる』
『口を割り入れる』『口悪を入れる』意味。
くぢをおぐ 【動】話を一旦休める 『口を置く』意味。=『ひとぐぢおぐ』
くぢをきぐ
くちをきく
【動】物を言う 最近はあまり聞かなくなった。今は、単に『言う』と言うことが多い。
くぢをたづ 【動】他言しない、飲食しない 慣用句の『口に絶つ(くちにたつ)』は『 @あることを、決して話さない。喋らない。Aある特定の物を決して飲食しない。』の意味。
くちん 手前勝手
くづ
(くつ・くび) 鹿児島。
くっ! 【感】ちぇっ! 独り言の場合は、無母音で発音されることもある。『かっ!』と同じ。この手の言葉は方言か否かの識別は難しい。アニメ等の世界では特に進んでいる。昔から『けっ!』が有った。
原型は『くそっ!』か。
くっ〜 【接頭】 『食い』の音便または強調語。『食い』の音便は標準語には無い。関東方言の中に僅かに強調表現としての言葉がある。
くっか 【複】来るか
くっかぐ
くっかく
【動】歯で割ること、歯で切る、噛み切る 『食い欠く』。
くっかげる 【動】@割れる、欠ける、A食べ掛ける
くづかげ
くっかげ
靴ばき、地下足袋 くつかけに相当する文字は『沓掛』(靴を掛ける意味)で地名や名前にある。下駄を履くことを『下駄がけ』と言うのと同じように靴を履くことを『靴掛け』と言った。
くっかげ 食べかけ、食べ残し
くつか 屑篭 茨城らしい清音化。
くっかじぐ
くっかじく
【動】齧る(かじる)、食いつく
くっかじぐる 【動】齧る(かじる)、聞きかじる 強調形または『聞く』+『齧る』の転訛。
くっかじる 【動】齧る(かじる)、聞きかじる 強調形または『聞く』+『齧る』の転訛。
かっかじる:山梨。
ちっとくっかじったれーでしってっりすんな:少し齧った位で知ったかぶりするな。 
くっかす 貧乏、貧窮 『かつかつ』が訛ったものだろう。
くつがる 【動】くっ付く 『くっつがるの短縮形。
くすがる:刺さる:静岡・愛知・岐阜。
くつかる:山形。
◆■▲くっきる 【動】@歯で切る、噛み切る、A食べきる 『食い切る』。『集覧:東』。
@・くっきる:千葉野田・群馬。
ぐっぐ
くっく
幼児言葉。
くっく:宮城。
ぐっぐど
ぐっくと
【副】ぐんぐん、ぐいぐい、どんどん 『集覧:新』。
ぐっぐぐっぐ
ぐっくぐっく
【副】力を入れる様子、ぎゅっと 『ぐいぐい』。
ぐっぐっと 【副】力を入れる様子、ぎゅっと 『ぐいぐい』。=『ぎっぎっと』
(くつる) 【動】くすぐる 神奈川。『真っ直ぐ』を『まっつぐ』と言うのと同じ江戸言葉か。
くつったい:宮城。
くっけーす 【動】噛み潰す 『食い崩す(くやす)』の意味。『崩す(くやす)』は『くずれるようにする。くずす。砕きこわす。』の意味。
くっける 【動】銜える、くわえる 『銜える』の強調形か『食い銜える』意味。
くっつまく:新潟。
このいどちょっとくっけでくろや:この糸ちょっと銜えててちょうだい。
くづげる
くつげる
【動】くっ付ける くつける:宮城・埼玉。
くつける:突き刺す:岐阜。
くっける
くっけーる
【動】縫い目が表に見えないように縫う、くけ縫いをする 『絎ける(くける)』なら標準語。
くっこ くつこ 『口籠(くつこ):(牛馬などがかみついたり、作物を食べたりするのを防ぐために、口にはめる籠。鉄または藁縄で作る。くちのこ。)』(大辞林)。『集覧:稲』。
くっこったら 【複】来ることになったら、来るなら くっこったら:宮城。
くっさい 【動】〜下さい
くっさく 【動】食いちぎる 『食い裂く』。
(くっさらす) 【動】剥き出す 静岡。
っしゃ 【助】〜ごと、〜も一緒に しら』
くっしゃべり おしゃべり 『集覧:稲』。
くっしゃべる 【動】喋る 『語源大辞典』には『喧語』(さへぐ)が転じて現代の喋くるとなりさらに喋るとなったとある。さへぐ→しゃべくる→しゃべる と変化したという説があることから、もともとは『くっさべる』であったのではないかと推測される。
ただし茨城には『くちしゃべる』がある。『口に出してしゃべる』すなわち『言いふらす』の意味を伴い、『口が滑る』のイメージもある。
ぐっしゃら
ぐっしゃり
【形動】@ぐっしょり、A沢山
くっすり 【形動】沢山、たっぷり、ごっそり
ぐっする 【動】駄々を捏ねる、ぐずる
くっせー 【形】臭い 俗語。
(〜)くっせ
(〜)くっせー
【助】(〜して)下さい
〜ぐった
〜くった
【複】〜(して)くれた
(〜)くっだい
(〜)くったい
【助】(〜して)下さい くんたい:静岡。
くっだいな:駄菓子屋などで子供がかける呼び声。下さいな。
くっだいよ・くったいよ:下さいよ。頂戴よ。      
くったがる 【動】食い下がる、文句を言う 『食い集る』意味。
くった 【動】噛み切る くった:宮城・山梨。
ぐったぐた
ぐったぐった
【副】@疲れた様、A十分に煮る様、ぐつぐつ、ぐたぐた 促音化が関東方言の特徴だがこれは、茨城方言がさらに促音化が顕著であることを示す例。
くったきーしねー
くったっきしねー
【複】食べた気がしない くったそらしね:福島。
くったそらね:福島。
くったっけすね:宮城。
くづたび
くつたび
くったび
靴下、地下足袋 『靴足袋』(足袋のようにつま先が二つに割れた靴下)。
くったび:靴下:宮城。
くったらがす 【動】@垂らす、A漏らす @・くったらかす:神奈川。
くったらす 【動】@垂らす、A漏らす @・くったらす:千葉・神奈川。
くったれる 【動】@怠ける、A垂れる、漏らす
ぐったれる 【動】@ぐずる、だだをこねる、不満を言う、Aぐずぐずする 『愚図を垂れる』意味。
くっち 【代】こっち 茨城弁らしい段の変化と思っていたら実は古語に『こち』が転じた『くち』(こちら。当方。わたくし。)がある。狂言『釣女・釣針』に出て来る。その流れかどうかは不明だが、江戸時代には多くの訛りがあったことが推測される。
くっちー 【形】@満腹の様、Aきつい、苦しい 『くちい』。『集覧:稲・行』。
@・くっちー:山形。
くっちぇー:福島。
A・くっちー:山形。
〜ぐっち
〜くっち
〜ぐっちぇ
〜くっちぇ
【複】〜(して)くれて @『新方言』には『クッチ 「くれて」;福島県の方言では,クッチェ,クンニェのように,標準語に本来なかった発音/tje/, /nje/を使っていたが,若い人はチ,ニのように標準語にある発音を使うようになった(講座);新日;→クンニ,キランニ』とある。
くっちー
くっちぇー
【複】食べちゃえ
くっちぇー 【動】食べたい くいっち:福島。
くっち 【動】噛み切る 『食いちぎる』。
くっち:八丈島。
くっちこーよ 【複】食べて来いよ
くっちめる 【動】@こらしめる、A手や指を強く挟むこと
くっちゃ 【複】くれた おいにくっちゃど:俺にくれたぞ。
〜くっちゃ 【複】〜(して)ちょうだい 『くっちょ』がさらに訛ったもの。
〜ぐっちゃ
〜くっちゃ
【複】〜(して)くれた あんちゃんはなんでもやってくっちゃがんな:兄さんは何でもやってくれたからな。
やっちくっちゃらいーけんとな:遣ってくれたら良いけれどな。
〜ぐっちゃ
〜くっちゃ
【複】〜(しな)くては 通常は『〜くちゃ』。動詞の否定形の連用形に付けて使う。
ぐっちゃ 【形】【形動】@ぬかるみ、A汗だくの様 @・ぐっちゃ:山梨・静岡。
くっちゃい 【動】食べたい くいっち:福島。
くっちゃいでー
【複】食べてしまいたい
くっちゃがねー
くっちゃぐねー
【複】@食べたくない、Aあげたくない このような、茨城方言の重要単語が、税金を使って編纂された諸々の方言書に欠け落ちているのは残念である。
@食いたくは無い。
A呉れたくは無い。
くっちゃくねー:福島。
くっちゃがす 【動】食い散らかす
くっちゃがれる 【動】食い裂かれる
くっちゃぐ 【動】噛み潰す、噛み裂く くっちゃく:埼玉。
くっちゃぐ:(目を)閉じる:山梨。
ぐっちゃぐちゃ 【形動】@滅茶苦茶、A汗だくの様 Aの意味で『ぐちゃぐちゃ』なら準標準語。
くっちゃぐる 【動】噛み潰す 多くは、やや侮蔑の意味を含んで食べることを指す言葉。
いづまでもくっちゃぐってんだねー:いつまでも食べているんじゃない。
ぐっちゃげる 【動】ぐちゃぐちゃになる
くっちゃし 特に背の高い『タカベエ』や『ラッパ』を使って相手のコマの上から落として、相手を外に弾き出す方法。 土浦方言の『がっちゃ』に相当すると思われる。
□△くっちゃす
くっちやす
【動】@食い散らかす、A▲噛み潰す @『散らかす』の転訛+強調形。
A『食いつやす』意味。『つやす』は古い標準語で『潰す』意味。『集覧:真』。
くっちゃす:福島・茨城・栃木。
★『土』毎日(まいにち)苦蟲(にがむし)喰(く)っ潰(ちゃ)したような面(つら)つきばかしされたんぢや厭(や)んなっちまあぞ、本当(ほんとう)に:毎日苦虫を食いつぶしたような顔ばかりされたんじゃあ嫌になってしまうぞ、本当に。
くっちゃぁねくっちゃぁね
くっちゃねくっちゃね
【複】食べては寝て
◆▲くっちゃび マムシ 『口食み』(くちはみ)が転じたもの。
くっちゃぶす 【動】噛み潰す 『食い』+『潰す』。
くっちゃぶる 【動】@食べる、くちゃくちゃと噛む、しゃぶる、A目をつぶる @『しゃぶる』の転+強調形。
くっちゃぶる:宮城・群馬・神奈川・山梨。
Aは『つぶる』の変形。
くちゃむ:神奈川。
くっちゃぐる:宮城。
くっちゃぶる:茨城・埼玉。
くっちゃむ:神奈川。
くっちゃべり おしゃべり、無駄話 くっちゃべり:神奈川。
◆■くっちゃべる 【動】べらべらとしゃべる、話をする、無駄話をする、駄弁る(だべる) 『しゃべる』の強調形+転訛。関東一円から東北に分布する典型的な東国方言。『口しゃべる』意味か。『くっしゃべる』がさらに訛ったもの。
くちゃべる:秋田・岩手・千葉。
くっちゃべる:宮城・福島・栃木・群馬・埼玉・東京三鷹・東京多摩・神奈川・長野・山梨。
くっちゃぼる 【動】目をつぶる
くっちゃらがす
くっちゃらかす
【動】食べ散らかす、散らかす 『食い』『散らかす』の促音便+濁音化。
くっちゃらがっ
くっちゃらがっ
くっちゃらがっ
【複】頂戴 直訳すれば『呉れたらいいだろう』の意味。元『くれだらいがっ。』で、さらに訛ったもの。『呉れたら良かるべし』。
くっちゃらがっ:福島。
ぐっちゃり 【副】@沢山、Aべったり、びっしょり
くっちゃる 【動】食べ散らかす、くちゃくちゃ食べる 食べる様を侮蔑する言葉。『うっちゃる』の音韻の影響を受けたと思われる。
くっちやる 【動】@食べてやる、A呉れてやる、あげる A・くっちやる:福島。
くっちょ 【複】買い物の呼びかけ、ちょうだい
くっちょーし
くっちょーしー
【形】口惜しい
ぐっちょり 【副】ぐっしょり、びっしょり
くっちょーーれん 自分に都合良く言うこと、手前味噌 『集覧:新』。語源不詳。『口調練』の意味か。
くっちらがし
くっちらかし
食べ散らかすこと
くっちらがす
くっちらかす
【動】食べ散らかす 『食い』『散らかす』の促音便+濁音化。
くっちらがす:千葉銚子。
くっちらねー
くっちりもしねー
【複】知りもしない 『くっ』は意味を持たない強調の接頭語。
くっちる 【動】知る くっちりもしねーで:知りもしないで。
くっちらねー:全く知らない。
くっつぁ 【複】くれた 『くっちゃ』
くっつぁぐ 【動】裂く
くっつぁげる 【動】裂ける
くっつぁばぐ 【動】引き裂く、裂く、掻き集める
くっつぁー
くっつぁわ
【動】騒ぐ かっつぁわがさらに訛ったもの。
くっつぁべる 【動】喋りまくる
くっつぁめる 【動】冷める、色があせる くっつぁめる:群馬。
くっつい 【形】くどくどしい、くだくだしい、くどい、きつい 『くどくどしい、くだくだしい』自体があまり聞かなくなった。『集覧:稲』。
くっついで 【動】付いて行く 強調形+濁音化。
くっつがさる
くっつかさる
【動】@くっ付いている、A一緒にいる くっつかさってる:くっ付いている。
くっつがる
くっつかる
【動】@くっつく、貼り付く、(男女が)くっつく、A付き従う 『くっ付く』の擬似自動詞形。
@・くつかる:宮城。
くっつかる:栃木。
くっつがってねー:くっ付いてない。
★『土』:さうしたらくっつかったんだ
A★『土』:俺(お)ら爺(ぢい)と火(ひい)あたってたんだ、さうしたらくっつかったんだ
くっつがる
くっつかる
【動】火が付く
くっつがれる
くっつかれる
【動】(犬などに)噛み付かれる 『喰いつかれる』の促音便+濁音化。
くっつかれる:静岡。
くっつがれる 【動】付き纏われる 『くっ付かれる』。
(くっつがれる) 【動】疲れる 神奈川。『くっ』は接頭語。『が』は濁音か鼻濁音かは不明。
くっつぎ
くっつぎあい
恋愛結婚 くっつきあい:神奈川。
くっつきえー:神奈川。
くっつぎはんべー クビキリバッタ クビキリバッタは噛み付くと首が切れても離さない。
一方、『アナグモ・勘平(カンペイ)・サムライグモ・ツチグモ・ツナグモ・ズボズボ・ネヌケ・ハラキリグモ・フクログモ』の別名がある、ジグモは形状の他に自分の腹を自分で切ってしまう理不尽さが名前の一部になっている。
そのことから、茨城でははらきり・はらきりくぼ・はらきりも・はらきりかんべー・はらきりさしち・はらきりむし』などと呼ぶ。『かんべー』は、『早野勘平』を指していると思われる。広辞苑に『仮名手本忠臣蔵中の人物。赤穂浪士の一人萱野三平に擬す。お軽の夫で、誤って舅を殺したと思い、自害する。』とある。『勘平』である。あるいは『噛む』を人名化して『噛みべい』としたものかも知れない。『助兵衛』はもと『好き兵衛』だと言うのと同じである。
『くっつぎ』とは『くっつぐ』(食い付く・噛み付く)の名詞形で茨城弁で噛み付いて結局は死んでしまう様を、をこの『早野勘平』になぞらえた可能性があり、元は『くっつぎかんべー』だったかも知れない。あるいは『食いついて噛む』(「噛む」の古形は「食む(はむ)」)事を人名になぞらえて、『噛み付きはみ兵衛』としたのかも知れない。
くっつぐ
くっつく
【動】@くっつく、貼り付く、(男女が)くっつく、A火が付く、火が燃え移る、B付き従う 『くっ付く』。
@・くつぐ:青森。
くっつぐ:山形。
くっつく:群馬・東京・神奈川。
A★ひーくっついだがー:火は付いたかい。
B・くっつく:東京。
おれにくっついでこーよ:俺について来いよ
くっつぐ
くっつく
【動】噛み付く 『食いつく』。
くちゃがる:岩手。
くつぐ:青森。
くっつぐ:青森・千葉銚子。
くっつく:埼玉・神奈川・山梨・静岡。
くっつがれる:噛まれる。
くっつ 【動】(目を)つぶる 『つぶる』の転訛+強調形。『集覧:久』。
くちゃ:栃木。
くつずす:群馬。
くっつげる 【動】くっ付ける 濁音化。
くつげる:山形・
くつける:宮城・埼玉。
くつける:突き刺す:岐阜。
くっつげる:山形。
くっつぶす 【動】噛み潰す 『食い潰す』意味。
くっつぶす:埼玉・群馬・東京多摩。
◆■くっつぶる 【動】(目を)つぶる 『おっつぶる』。関東方言。『崩(くや)しつぶる』意味か。
くっつぶす:埼玉・神奈川。
くっつぶる:千葉・群馬。
くづっ 靴べら 促音便+半濁音化。『靴つ箆』。
くつっ:群馬。
ぐづっ
ぐつっ
愚図な人 『集覧:久』。
くっつまる 【動】挟まる
くっつめる 【動】挟む
ぐっつら
◆▲△☆ぐっつり
【副】@ぐっすり、A▲△☆ぐっしょり 『集覧:新』。
@『ぐっつり』『俚言』掲載語。関東方言とある。『真っ直ぐ』を『まっつと言うのと同じ。
Bその他。
ぐっついとん:何とも・何も:鹿児島。
くっつらさる
くっつるさる
【動】くっ付いている、一緒にいる 『くっ』は語調を整えながら強調する接頭語+『連さる』『吊るさる』意味。
くっつらさってる:くっ付いている。
くってー 【形】くどい、ずるい 『くどい』や『人を食った』意味があるようである。
ぐっと
ぐーっと
【副】@ずっと、はるかに、Aぐいっと
くっとがら
くっとっがら
【副】来る早々 『来る時から』の転。
くっとばす 【動】殴る、殴り飛ばす
くっとろい 【形】とろい、のろい
くつね 二人で寝ること、添い寝 『集覧:猿』。語源不詳。
(くつば) 轡・銜・馬銜 鹿児島。
広辞苑には『(口輪の意)馬の口に含ませておく金属製の具。手綱をつけて馬を御するのに用いる。近世は多く鏡板の円の中に十文字を入れた形のものを用いた。くつばみ。くくみ。』とある。
くっぱぐ
くっぱご
くっずす
【動】食べ損なう 『食い逸る』『食い外す』。辞書には何故か『食いっぱぐれ』の動詞形はないが口語では使われる。
くっさまる 【動】挟まる、(歯に)挟まる
くっらう 【動】取り除く、追い払う 『払う』の強調語。
くっ 【複】来るだろう 実際の会話では、さらに終助詞またはその複合語『か、が、がー、ー、がな、がなー、な、なー、がなや、がなーや、な、なー、なーや、がや、がよな、がよなー、がや・がやー、がよ、がよー、よ、よー、ど、どー、どな、どなや、どなよ、どや、どーや、どよ、どーよ、どよな、な、なー、なや、なーや、なよ、なよー、なーよ、に、にー、によ、によー、のに、ね、ねー、や、やー、やな、やね、やーね、やねー、よ、よー、よな、よなー、よね、よねー』等が加わることが多い。
くっか・くっが・くっがー・くっがな・くっがなー・くっがなや・くっがなーや・くっがや・くっがよな・くっがよなー・くっがや・くっがやー・:来るだろうか。
くっがや・くっがやー・くっがよ・くっがよー:来るはずないよ。反語の流れ。
くっぺが・くっぺが:来るだろうが。
くっぺがな・くっぺがなー・くっぺがな・くっぺがなや・くっぺがなーや・くっぺがよ・くっぺがよー:来るだろうがね。
くっど・くっどー・くっどな・くっどなや・くっどなよ・くっどや・くっどーや・くっどよ・くっどーよ・くっどよな・くっな・くっなー・くっなや・くっなーや・くっなよ・・くっなよー・くっなーよ:@来るだろうよ、A来るらしい、来るそうだ。@は尻上がり、Aは尻下がり。
くっに・くっにー・くっによ・くっによー・くっのに:来るだろうに。
くっね・くっねー:来るだろうね。
くっや・くっやー・くっやな・くっやね・くっやーね・くっやねー・くっよ・くっよー・くっよな・くっよなー・くっよね・くっよねー:来るだろう。
くっ
くっ
くっ
くっ
【複】来るだろうよ くっ
くっ 【複】@来るだろうよ、A来るらしい、来るそうだ
くづべら 靴べら
くっがす 【動】食べたままにする、食べ散らかす 『食い』『ほかす』意味。
ぐつる 【動】ぐずぐず言う、駄々をこねる、すねる 『愚図る』。清音化。『集覧:真』。
くつれる 【動】崩れる 清音化。
ぐつろべ 愚図、愚図な人 『集覧:稲』。古い慣用句の『愚図郎兵衛』。
□くつわや 遊女屋の異称。 『轡屋・忘八屋』。
(くで) 静岡。
◆▲くでー
くてー
【形】@(問題などが)難しい、A(味が)しつこい、濃い、どぎつい、Bしつこい、長くて鬱陶しい、くどくどしい 『集覧:新・行』。
B・くでー:埼玉・群馬・東京多摩・神奈川。
ぐで
ぐでー
【形動】愚かな様 『愚体』。『集覧:猿』。
辞書には掲載されていないが『ぐてい』『ぐたい』なら標準語の連語と考えられる。
ぐで:不条理:東京三鷹。
ぐで:糸が絡んだ様:山梨。
ぐでなし:意気地なし・ざれごと:埼玉。『愚体な・し』か。
ぐでなし:不条理:東京三鷹。
〜ぐで
〜くで
【複】 形容詞の連用形に格助詞『で』がついたもの。標準語では『遠くで』などと言うが『高い・安い』の場合は使われない。
『新方言』には『ヤスクデ:安く。鹿児島市で「安くで譲って下さい」「高くで買います」など。広告でもみるというから、地方共通語(1995)。』とある。
この場合の『で』は古語の『にて』だから、この場合の古語に相当するのは、『安きにて』である。ところが、『遠きにて、遠くにて』が使われるように、『安きにて、安くにて』もあり得る。ネット検索すると、『安きにて』は無く、『安くにて』はかなりヒットする。『安くで』は『安くにて』に変わる現代的語法と考えられる。ただし、この表現を使うのは、関西に偏りが見られるようである。
たがぐでかーされだ:高く買わされた。
ぐでぐで 【副】【形動】泥酔している様子、べろんべろん、べろべろ
ぐでだら
ぐでーだら
@愚かな様、Aくどくど言う様 @『愚体』の意味か?。
A『口舌る、口説る』(ぐぜる、くぜる)の流れか?。
〜ぐでも
〜くでも
〜くても
【助】(前後文と合わせて)もし〜にでも 形容詞の連用形に接続する。古語や古い標準語との関係が深いと考えられるが未調査。普通清音の『でも・ても』の場合は動詞に接続し、形容詞にに接続する場合は『〜とも』になると理解していたが『遅くでも、早くでも』以外にいくらでもヒットするのが不思議だ。『早くても・遅くても』は方言と思っていたが、この時代はそうでは無いらしい。ちなみに『早くても』をNET検索すると30万件近くヒットする。私の標準語の認識違いが今ごろになって暴露されたのだろうか。
★『土』わし居なくでも成つちや子奴等(こめら)仕やうがあせんから:私がもし居なくなったら、子供達が可哀想で仕方がありませんから。
ぐでもねー 【複】おろかな様 ぐでなし:意気地なし・ざれごと:埼玉。『愚体な・し』か。
ぐでなし:ろくでなし:東京多摩。
ぐでなし:不条理:東京三鷹。
ぐてなし:ろくでなし:東京多摩。
ぐでる 【動】間違う 『ぐれる』の転訛または『愚体』の動詞形?。
くでる 【動】鳥がさえずる 古い標準語の『口舌る、口説る』(ぐぜる、くぜる)の転。『集覧:那』。栃木・埼玉。
ぐでる 【動】十分に煮える 十分に煮えることを『ぐずぐず言う』ことから、それが訛ったものと思われる。静岡では道がぬかるむ意味。
ぐでる
くでる
【動】ぐずぐず言う、駄々をこねる、騒ぐ 古い標準語の『口舌る、口説る』(ぐぜる、くぜる)の転。
ぐでる:喋る:山梨。
くでる 【動】〜(に)くれる
ぐでんぐでん 【副】【形動】泥酔している様子、べろんべろん、べろべろ 『ぐでぐで、へべれけ』。
ぐでんぐでん:ぐだぐだ:神奈川。
ぐでんと 【副】@どっかり、Aぐっすり A・ぐじぇんと:山形。
□▽◇くど 竈、かまっくど もともとはカマドの後ろにつけた煙出しの穴の意味。転じて竃を指す。
現代では死語となった『焼べる(くべる)』の古形は『くぶ』である。音韻からは、現代語の『加える』『組む』や『込める』が近い。日本語の『く』を語幹にした動詞は、例えば『括る』『来る』『食う』『繰る』等、物と物が近づく意味合いが強いようだ。
くづ:島根・山口。
くど:竃の簡易なもの:岩手。
くど:宮城・山形・福島・神奈川・山梨・静岡。
くど:囲炉裏:神奈川。『火をくべる場所』の意味をイメージした言葉とも言える。日を扱う場所としての比喩語と思われる。
くどば:愛媛。
したくど:土間に掘られた火燃し場:神奈川。
くど くどい事 古い標準語。
くーど 【複】食べるぞ くど:食べよう:鹿児島。
ぐーと
ぐーっと
【副】ずっと あっさりした訛だが、恐らく他県には無い訛。
《ぐーっとやればGOODだっ。ちーがな?》
△▽くどい
くどいー
【形】@(問題などが)難しい、A(味が)しつこい、濃い、どぎつい、Bしつこい、長くて鬱陶しい、くどくどしい 『集覧:新・行』。標準語の『くどい』には『(問題などが)難しい』意味はない。
@茨城特有の方言だと長く信じていたが実は広域方言である。
くずい:福島。
くどい:岩手・茨城・栃木・埼玉・愛知・京都・兵庫・徳島・愛媛。
くどい:険しい:京都。
A『くどい』なら標準語。
B『くどい』なら標準語。
くどえ:山形。
Cその他。
くどい:しょっぱい:石川。
くどぎ 愚痴 『口説く』の名詞形。
くどきぎ
くどきき
くどくどと聞き込む人 『くど』『聞き』。
ぐどん:わからずや:東京多摩。『愚鈍』の人名化。
くどん:くどい人:神奈川。
くどぐ
くどく
【動】@不平を言う、嘆く、くどくど言う、A愚痴を言う 死語に近い標準語。標準語では、説き迫る意味が主。『集覧:新』。
A・くどく:宮城・神奈川。
くどる:叱る:山口。
くどぐ @【名】功徳、【動】A問題を解く、B(糸などを)解す A★むつかしくてくどげね:難しくて解けない。
☆ぐどぐど 【副】ぐずぐず、くどくど 方言と思っていたら実は古い言葉。『俚言』掲載語。
くどくるしー 【形】難しく考える様、堅苦しい 『くどい』と『苦しい』の合成語か?。良く使われた言葉。
くどくらしい:執拗な・くどい:宮城。
くどげる 【動】壊れる、外れる、解ける
くどっくるしー 【形】難しく考える様、堅苦しい 『くど』と『苦しい』の合成語か?。
くどこい
くどっこい
くどっけー
【形】@(問題などが)難しい、A(味が)しつこい、B長くて鬱陶しい @『くど』+『こい』。
A『くど』『濃い』。
Bは@Aを合わせた意味拡大。
くどん:くどい人:神奈川。
くどっ 葛の葉 『集覧:西』。『くずっがさらに訛ったもの。
くどっ 【形】@(問題などが)難しい、A(味が)しつこい、B長くて鬱陶しい A・くどっ:静岡。
くどれる 【動】崩れる くどてる:静岡。
くどれる:山梨。
ぐどれる:山口。
(くどんち) 口やかましく小言を言う人、くどくど言う事 神奈川。『愚鈍』を人名化したものか。
くどん:分からず屋:東京多摩。
(くなへ) 【複】下さい 宮城。田舎言葉の『くんなせえ』が訛ったもの。
(〜)くなんしょ
(〜)くなんせ
(〜)くなんせー
【助】(〜して)下さい 丁寧語。原型は『(お)くれなさい』『(お)くんなせえ』。江戸言葉では『おくんなんす・おくんねんす・おくんねんしょ』が使われた。『くんなさい』が訛ったもの。
(〜)くなんしょ:福島。
(〜)くなんせ:岩手。
◆▲くに
くにき
くの
クヌギ 『集覧:西』。
〜ぐに
〜くに
【助】〜に 形容詞の連用形を伴う。標準語では『遅くに、早くに』等でしか使われない。
いまっといがぐになったらかってやっ:もっと大きくなったら買ってあげるよ。
〜ぐにでも
〜くにでも
【助】(前後文と合わせて)もし〜にでも 形容詞の連用形に接続する。標準語では『遅くにでも、早くにでも』等でしか使われない。『〜ぐでも、〜くでも』と合わせて古語との関係が深いと考えられるが未調査。『土』の時代の『〜ぐでも、〜くでも』に『に』が加わったのは、標準語の影響と思われる。
あがぐにでもそめどげ:赤い色にでも染めておきなさい。
おれいなぐにでもなったらどーすんだ:俺が居なくなったらどうするんだい。
ぐにげる
ぐにけーる
【動】間違う、頭が混乱する 古語に『愚に返る』(おろかになる・愚痴になる)がある。
くにする 【複】苦にする 標準語。
くいする:山形。
くにしる:山形。
くにする:群馬。
くになる 【複】ある物事が負担に思われる。重荷に感じられる。 『苦になる』。
くにゃくにゃ 【形動】@ぐにゃぐにゃ、柔らかい様、簡単に曲がる様、A態度がはっきりしない様 @は標準語。
くにやむ 【動】心配する 『気に病む』か『苦に病む』か?。
くにやむ:山梨。
ぐにゅっと
くにゅっと
【副】柔らかでしっかりしない様、な様、折れ曲がる様、ぐにゃり
(くぬあわり) 悲しみ 沖縄。
くぬやる
くぬやろ
【慣】この野郎 俗語としても使われる。このやろう→このやろ→こねやろ→くぬやろ→くんにゃろ・こんにゃろ
くぬひゃー:沖縄。
■▲△▽☆くね
くねし
生垣、地境、くね垣 『集覧:久・那・水』。近世語。『茨城方言集覧』では『垣または籠』とある。
『くね竹』は垣根に使う竹のこと。東北・静岡では屋敷林を『居久根(いね)』と呼ぶ。辞書には相応する漢字は示されていないが、『久根』は当て字のようで『垣・柵(くべ)』又は『垣根』が転じたものとされる。『垣根(かいね)』とも言う。『俚諺』では国と同義としている。
『くね』は長塚節の『土』にも出て来る。
『曲がり角』を『まりくね』とも言うがこの場合の『くね』はルーツが異なるとされる。
エアコンが普及していなかった当時は、家々の北や西側には5〜6mもある生垣を設けた家が多かった。冬は筑波下ろしを避け、夏は西日を防ぐ生活の知恵であった。しかし、様々な生活設備が充実した今、通風や光を求めて多くの生垣が無くなりつつある。
『くね』とは、永く生きている根だとすれば、『久根』は言い得て妙である。
いき:屋敷林:神奈川。
いけ:屋敷林:神奈川。
:屋敷林:東北・宮城・静岡。
:静岡。『生き久根』の意味か。
うちやしき:屋敷林:神奈川。
:宮城・福島・千葉。
かこい:屋敷林:神奈川。『囲い』。
かこいぎ:屋敷林:神奈川。『囲い木』。
かざい:屋敷林:神奈川。
かざよけ:屋敷林:神奈川。『風除け』。
かまえ:屋敷林:神奈川。『構え』。
かめー:屋敷林:神奈川。
かりこみ:屋敷林:神奈川。
くね:岩手・山形・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京多摩・神奈川・八丈島・新潟・長野・山梨・静岡。
くね:山の根:佐渡島。
くねっこ:赤ん坊:千葉。『籠の子』の意味か。
しせき:屋敷林:神奈川・静岡。広辞苑に『(関東地方でいう。「四壁林」の訛か) 屋敷の周囲の防風林。しへい。』とある。
しゅせき:屋敷林:神奈川。
しょせき:屋敷林:神奈川。
せせき:屋敷林:神奈川。
くね 竹薮
くねる 【動】@折れまがる。Aひがむ。すねる。 標準語。
@よじる、捻る、捻挫する意味でも使う。
くーねる 【動】壊れる 『集覧:北』。単に『崩れる』『壊れる』が訛ったか、古語の『くえる(崩える・潰える・壊える)』の流れ。
(くーねんじん) むやみに慎重な人 神奈川。
くの 【代】この 『集覧:久』。茨城弁特有の言葉遊びの結果の訛りと思っていたら明治期からの訛りだったことが判明した。
辞書には『この:すらすら言えない時にはさむ、つなぎの語。また、相手を叱る時の強めの語。「―親不孝者」』とある。
くのやろー:このやろう。
(くーばー) クーバー蜘蛛 沖縄。
くばい 【形】沢山の様 『ぐわぐ』の形容詞形か。
ぐはぐ
くはぐ
【形動】途方も無い 『五悪(ごあく)』(@〔仏〕五戒にそむくこと。殺生(セツシヨウ)・偸盗(チユウトウ)・邪淫・妄語・飲酒の五悪事。A仁・義・礼・智・信の五常にそむくこと。)の意味かあるいは『愚薄』か。
ぐはぐ:千葉・群馬。
くびかかり
くびかがり
くびかげ
くびかけ
@首吊り、A衣服で首が苦しくなること、B赤ん坊を背負った時、紐が外れて首にかかった状態 『首掛かり』『首掛け』。
@・くびかかり:東北・埼玉・群馬。
くびくくり:東京。
くびくび 【副】ぐびぐび 『集覧:新』。酒を飲む時の擬音語。清音化。
くびた 『くびたま』の短縮形か。東北方言。
くびた:宮城。
:青森・宮城。
くびった:福島。
くびたま
くびったま
標準語
くびったま:群馬・東京・静岡。
くびっかがり
くびっかげ
くびっくぐり
くびっつり
@首吊り、A衣服で首が苦しくなること、B赤ん坊を背負った時、紐が外れて首にかかった状態 『首掛かり』『首掛け』『首縊り』『首吊り』。
@・くびくくり:東京。
くびっこ:埼玉。
(くびっちょ) 獣を獲る罠 長野。
くびっつら
くびっつり
◆□くびっつる
くびつら
くびつり
くびづる
くびつる
首筋、くびねっこ、首っ玉 多く促音便を伴う。『つら』は『蔓』(つる)の古形で筋状のものを示すことから、筋肉や筋を意味している。
くびっつね:千葉。
くびつな:あご:群馬。
くびっつり:襟:静岡。
くびつる:福島。
くびっ 手元から放さず使うこと 濁音化。『首っ引き』。
くびっ 首の周り 『首縁』の意味。
くびねっこ 首根っこ 標準語。
くびねっこ:群馬。
くびねっこつがんでっとばしてやれ:首を掴んで殴って遣れ。
くびまぎ マフラー、襟巻き 清音なら古い標準語。
ぐびりぐびり
くびりくびり
【副】ぐびぐび、ちびりちびり 酒を飲む時の擬音語。『集覧:新』。
くびり
くびりわら
藁しべを取り除いた藁、すぐりわら 『括り藁』の意味。
くびる 【動】@握る、くくる、縛る、A首をしめて殺す 『括る』『縊る』。古い標準語。
@・きびる:鹿児島。
くびる:山梨・静岡・鹿児島。
くぶる:鹿児島。
くびれ:藁などの束:長野。『括る』の名詞形。
こびる:鹿児島。
(ぐぶりーさびら) 【感】失礼します 沖縄。『ご無礼候ふ(さぶらふ)』の意味か。
□ぐひん 天狗 『狗賓』。
(くふ) 【動】閉じる 宮城。
(くーぶ) 昆布 沖縄。
(くふぁちぶる) 石頭 沖縄。
(くぶしみ) コブシメ 沖縄。
くべ くべること 『くべる』の名詞形。
くべ
くべー
【複】来るだろう 当時の高齢者言葉。
くべー:福島・群馬。
くべる
くべーる
【動】銜える(くわえる)
■▲くべる 【動】(薪などを)入れて燃やす 『集覧:久』。
標準語の死語。生活の変化により失われてしまいつつある言葉の典型。辞書では『焼べる』と当てているが、もともとは『加える』=『足す』意味ではなかったのではないかと思う。さらに遡れば『突っ込む』『口に突っ込む:くえーる』だったのではないかと推測される。
きべる:佐渡島。
くべる:群馬・東京多摩・神奈川・山梨・長野・静岡。
くべる・く:塞ぐ:青森。
まぎぐべる:薪を燃やす。
ふろくべる:風呂を炊く。
くべる 【動】配る
(くへる) 【動】穴を塞ぐ 宮城。『銜える・啣える』意味か。
▲▽くぼ @凹んだところ、A窪地 『集覧:久』。『凹・窪』。標準語には女性性器の意味も加わるがほとんど死語
@・くぼ:山野の谷になったところ:静岡。
くぼ 地名、屋号 我が家の東隣の家の屋号は『くぼ』と言い古くから『久保』と当てられている。そのままの意味も考えられるが、『くぼ』とは『窪』『窪地』の意味だから、マイナーな事実を縁起を担いで同音の縁起の良い『久保』と当てたのではないか。
2009年になって初めて、登記簿によって示された我が故郷の土地の表記は、手野町字久保東であることが解かった。
戸籍の住所とも異なり、郵便物の住居表示とも異なる。どうしてこのようになってしまうかは、明らかに、戸籍と税務行政と郵便行政とがばらばらに管理されているからである。
日本ではIT社会に習って国民の背番号制度が古くから主張されているが、今だ実現できていない。
▲●くぼ
くぼめ
クモ 『集覧:久』。音通現象の代表語。
『朝のクモは縁起が良いので殺してはならない。夜のクモは縁起が悪いので殺しても良い。』としばしば母親に聞かされた。『くぼめ』は茨城県北にしか無い。
くぼ:青森・秋田・栃木北西・茨城県北・福島南部・静岡の一部・日本海沿岸部(東北西部・新潟北部・富山・石川・福井・静岡・京都北部・兵庫北部)。
くぼい
くぼえ
犬の遠吠え 『集覧:多』。『狗吠え』の意味か?。
くぼえる:泣く:東京多摩。
くぼい クモの巣 茨城県北部の方言。くもの糸は古くは『蜘糸』(い)と言った。
くぼかり カマキリ
くぼた
くぼたま
くぼたみ
くぼっこ
くぼった
くぼったみ
くぼみ、凹んだ場所、窪地 『谷津田(やつだ)』に面した窪地の畑を指してそう呼んでいた。窪んだ場所を指して『へこたみ』とも言う。この『み』は、『低み(低い所)』、『高み(高い所)』と同じ意味の場所を表す接尾語と考えられる。『た』は『にてある』に由来する接尾語で性状を示す。
くぼたま:山形。
くぼみたま:山形。
くぼたみ:山形。
くぼっこ:神奈川。
くぼった:神奈川。
くぼった:湿田:神奈川。
くぼったま:群馬・神奈川・山梨。
くぼったまり:窪地に水のたまったところ:神奈川。
くぼったみ:神奈川・山梨。
くぼっため:神奈川。
くぼっと:群馬。
くぼっこ クモの子
くぼったま
くぼったまり
水溜り くぼったまり:神奈川。
くぼね 首根っこ、首の骨 『首根』のことだが『窪根』の意味の可能性もある。
くぼのい
くぼのい
くぼのい
くぼのいず
くぼのえず
くぼのす
クモの巣 『集覧:多』。=くものいり・くものえず』。茨城県北部の方言。
こぶのえ:福岡・長崎・熊本・宮崎・鹿児島。『クモの家』か。
こぶのやね:宮崎・鹿児島。『クモの屋根』か。
(くぼまかす) 【動】凹ます 静岡。
くぼます 【動】@へこむようにする。A相手をやりこめる。へこませる。 『へこませる』と同義。
くぼませる 【動】@へこむようにする。A相手をやりこめる。へこませる。 『へこませる』と同義。
くぼまる 【動】@周囲が高く中央が低くなる。へこむ。Aうずくまる。しゃがむ。 『凹まる・窪まる』。
現代ではせいぜい『くぼんでいる』しか使われない。
(くぼむ) 【動】一部分が落ちこんで低くなる。へこむ。 『凹む・窪む』。
くぼめ クモ
くぼんめ 奥目 『凹目・窪目(くぼめ)』。
えどまなく:大きくくぼんだ目:青森。
くま 曲阿、欠点 標準語。
(くま) 【代】ここ 沖縄。
◆▲くまぜ 熊手 『集覧:猿』。だ行音がザ行音になることがある。
くまぜ:神奈川・山梨・静岡。
くまん:神奈川。
くまづ
くまつ
顛末、結果 『句末』(句の終わりの部分)の転。
くまづ
くまつ
12月29日に正月用の松を山に取りにいったり、門松を立てること。忌まれる。 『九松』。『苦待つ』に通ずるといわれるため。
(くまんかい) 【複】こっちへ 沖縄。
くまんばぢ @スズメバチ、Aクマバチ その当時すでに『クマンバチ』と『スズメバチ』の区別は知っていたが、そう呼んでいた。クロオオアリの別名を『熊蟻』と言うように日本では『強く荒く恐ろしいさま、また、大きい意を表す語。』に『熊』の接頭語をつける。
『クマンバチ』は正式には『クマバチ』『クマのハチ』が訛ったものだろう。大型の花蜂で捕まえたりしない限り攻撃性は無い。
A・くまんばち:静岡。
くみあいんて
くみあいんてー
くみえーんてー
組合の人
くみうぢ 組内。同じ隣組の中。 当時は、江戸時代からの組講が残り、村内がいくつかの組に分かれていた。組は番号を付けて『3番組』などと呼んだ。長(おさ)は『組長』である。
くみえー 組合 古い発音は『くみえに近い。
くみえーうぢ
くみえーうち
組合内
くみかい
くみけ
くみっけ
掻い掘り、川干し 『汲み掻き』の意味。
□くみしら 組頭 広辞苑には『組頭:@江戸時代、名主(ナヌシ)をたすけて村の事務を取り扱った者。筆頭。年寄。長(オサ)百姓。A五人組・町火消の長。』とある。
ぐみにょー 【動】惑う、迷う 茨城方言集覧では『ぐみにゑふ』と表現されている。『集覧:真』。『ぐれる』の流れか。
くみぬげ
くみはずし
くみはずれ
くみひんじず
くみへんじず
くみへんぜず
仲間外れ 『組抜け』『組外し』『組外れ』。
『くみひんじず・くみへんじず・くみへんぜず』は『組に編せず』の意味。
くみぬけ:群馬。
くみはずれ:島根・広島・愛媛・大分。
くみしゃぐ
くみびしゃぐ
肥びしゃく
くみよび 結婚式の後、隣組を招いて行う披露。 『あどふき』
くみる
くみーる
【動】@込み入る、A心配する 30年代前半の言葉。
くまる:こんがらかる:青森。
(ぐみる) 【動】沈む 静岡。
くむ 【動】交換する 『組む』意味のうち、協力したり交差させる意味が転じたと思われる。
くみっこ:交換:山梨。
くむ:山梨・長野。
すっくみ・そっくみ:総交換:山梨。
(くむ・くる) 【動】(崖が)崩れる 神奈川全域。
『崩ゆ(くゆ)』の活用部が変化したものと思われる。神奈川県西部で『くる』という地域が有る。
くんだ:崩れた:静岡。
くんば:山の崩れたところ:静岡。元『くみ場』か。
(くむ) 上代東国方言。
(くむい) 沖縄。古語由来の方言。
くむべー 【複】@(水等を)汲もう、A食べよう、飲もう
(くめーゆく) 【動】酌みに行く 静岡。
明治の静岡方言だが、飲み水は、井戸に酌みに行く時代の言葉である。元『酌みへ行く』か。
くめん @くふう。算段。A特に、金の算段。金策。B身上(シンシヨウ)。かねまわり。身代。 茨城で使うのは@Aの意味。
B・くめん:家の財産:静岡。
(ぐも) 蜘蛛 静岡。
個別の名称の『〜ぐも』が単体の呼称に影響したと見られる。
くもぢ
くもち
@12月29日に餅をつくこと。忌まれる。A9のつく日につく餅。忌まれる。 『九餅』の意味。『苦持ち』に通ずるといわれる。
@・くもち・くんちもち:神奈川。
くもあみ
☆くものあみ
くもの巣 全国方言。ただし『くものあみ』は紀友則の歌にも歌われている。
くもねー 【複】なしとげるのに苦労しない。たやすい。 『苦もない』。
くものいくものえ
くものえず
くもの巣 県北独特の方言。
くもの巣は『くものあみ』(クモの網)とも、『くものい』(蜘蛛の網)とも『いかき』(蜘蛛網)とも言う。籠や笊は『いかき』(笊籬)ということから、編んだものを示す古い言葉である。
くもの糸や巣は、単に『い』(蜘糸)とも呼んだ。『い』は単に『網』とも書き糸を示す。
『いり』は、『蜘糸』を『繋く・構く(かく)』あるいは『架ける・掛ける・懸ける』すなわち『網掛け・網懸け・網架け』の意味なのだろうか。『蜘蛛網』(いかき)に通ずる言葉。あるいはり』は『縢り』(かがり)か。
『い』に当てられた漢字が多いのが気に掛かる。『い』は遡ればいずれも当て字の可能性があり本来は『家』の意味なのかもしれない。『クモの家』『クモの家処』『クモの家巣』『クモの巣』とするとすっきりする。そうなると、は『家掛け・家懸け・家架け』か、あるいは『蜘蛛の家処』の意味で『り』は接尾語の可能性もある。
『東雅』でも『くものい』の『い』は家の意味だとしている。
『日本方言大辞典』では、東北と島根県隠岐島では『いき』と言う。
『方言地図』によると東京と埼玉南部に『あず、あじ』が集中している。『あ』とは『網』のことである。そうなれば、『ず・じ』は『巣』と考えられる。
あず・あじ:東京・埼玉南部。
いかき
:東北・島根県隠岐島。
:くもの巣・くもの糸:茨城・熊本。
くもいず:群馬。クモの糸も指す。
くものあみ
くものい
くものえ:熊本。
くものえ:岐阜。
くものえず:宮城・福島・栃木。
くものやぢ:長野。
くものへばり:愛媛。
くもはで:千葉。
こぶのえ:福岡・長崎・熊本・宮崎・鹿児島。『クモの家』か。
こぶのやね:宮崎・鹿児島。 『クモの屋根』か。
くもふだ 空に雲が多いこと 辞書には東北・東関東で『たくさん。十分。』を『ふだ』と言うとある。
くもめ クモ 八丈方言共通語。方言地図では鉾田市付近のみしか無いが、調査時期が遅いためであり、『民俗』には広域にある。
くもやげ 夕焼け 『雲焼け』の意味。古い標準語かと思ったが辞書不掲載。
くもやけ:秋田・岩手。
くもりび
くもりっ
曇りの日 『曇り日』は辞書に無い。
くーもん 食べ物 くもん:鹿児島。
(くやーれ) 【複】食べなさい 長野。『くいやがれ』。
(くやしり) 悔しがる人 宮城。『くやしがりや』なら意味が解かる。
(くやす) 【動】崩す、固まりをくずす 古い標準語。茨城弁では複合語で使われる。
くやす:閉じる:秋田。
くやす:壊す:京都・愛媛・九州・鹿児島。
くんだ:崩れた:静岡。
くやみ @葬式、A香典、B後悔 B標準語。
くやん:鹿児島。
くやみいし 香典返し
くゆらす 【動】くすぶらせる、煙をたてるくすぶらせる。 『燻らす』。
いやす:長野。
くゆらせる 【動】くすぶらせる、煙をたてる 『燻らせる』。
くゆる 【動】@くすぶる、A煙や臭いが立ち上る 『燻る』。
くよーこー 婦人会の一つ。方が定期的に集まり会食すること。 『供養講』の意味。安産祈願の会とされる。
(くら) 蔵、倉、庫 『くら』が意味する言葉には他に『座、鞍、競、窟』がある。
2008年に関東で最も古いとされる民家に行った話をした時、15歳の息子が『倉ってなに?』という返答があった。親として『倉』の意味も教えてなかったことを反省しなければいけないと思った。確かにかに都市部では『倉』は少ない。
『座』と『鞍』は関係が深いと思われるが、語源辞典によれば、『倉』とは@納め置くことを言う『座』の義、A置くの義、Bおくら(置き座)、Cおくむろたな(置室棚)の義、C内部が暗いことから、D内部が暗いことから、E岩窟の義 とある。
一方、『暮らす』はもともとは『暗す』(暗くする。曇らす。)だとされる。生きることがいかに大変だったことかを、日本語の歴史が示している。
私にとっての倉とは、幼い頃は、いたずらや何か悪いことをしたときの、お仕置きの場所でしかなかった。悪さをすると、必ず倉に閉じ込められた。倉の中は入り口の戸からわずかに漏れる光しかなく、かび臭いところだった。一方では『倉』とは夏祭りの子供御輿を納めた場所で、収穫した籾を貯蔵する部屋でもあった。
現代で言う『倉』とは、冷蔵庫なのかもしれない。
くらや:静岡。  
くら 造り酒屋 県内広域。
くら 墓穴 『御蔵入り』が転じたと思われる。
(くら) 苗床 静岡。『座』。
(くら) ごまかし 静岡。
(くらー) スズメ 沖縄。
いたくら:奈良・三重・和歌山・徳島。
〜くら 【助】『競(くら)べ』の転じたもので競い遊ぶ意味 『〜こ』の古形。標準語だが死語。
くら
くらー
【助】来るよ 『来るわ』が訛ったもの。『くらー』は江戸語。
俺が行ってくらあな
おれがもってくら:俺が持って来るよ。
くらー 【動】@食う、A(酒を)飲む、B(拳骨で)たたかれる、(肘鉄砲で)打たれる 『食らう』。
@・くらう:神奈川。
くらえ:食べろ:神奈川。
くらいおぎ 朝薄暗い時に起きること 『暗い起き』の意味。
〜くらいきり
〜くらいっきり
〜くらいしか、〜程度しか
〜くらい
〜くら
〜くらっくれ
〜位、〜程度 二重表現。『〜の程度位』の意味
くらいごむ 【動】やっかいな事をしょいこむ 『食らい込む』。
くらいこむ:食い込む・身上をつぶす:神奈川。
くらいたぐる
くらいたくる
【動】食べまくる、飲みまくる 『たくる』には『皮をむく。まくる。たくしあげる。』の意味があり、間接的に『〜(し)まくる』意味に使われているものと思われる。
くらいたぐれ
くらいたくれ
のん兵衛 『集覧:行』。『食らいまくる』意味。
くらいだおれ:愛媛では『』と言う。
くらいどーれ:怠け者:宮崎・熊本。
くらいつぐ 【動】食らい付く くらがる:群がる:神奈川。
(くらいつぶし) 穀潰し、怠け者の大食い 静岡。
くらいぬげ
くらいぬけ
大食漢 『食らい抜け』。近世語。何故神奈川に様々な方言があるのかは不明である。
くらいぬけ:三宅島・静岡・岐阜・和歌山・大阪。
くらいじー・くれーじ・くれーしんぼー・くれーすかしー・くれーつかし・くれーてぼ・くれーぬき・くれーぬけ・くれてーぼー・くれてぼー・くれてんぼ:神奈川。
くらいのてーど @地位、A数量の程度 二重表現。
(くらえ) 【複】食べろ 神奈川。『糞食らえ』などと言うが、単独で使うのは聞かない。
(くらがい) 弁当 昔は弁当の器として貝を使った由来か、それとも『食らう貝』の意味か。広辞苑によると『かい』には『殻』の意味がある。『食らう殻』の意味だろう。
くらがい:竹の曲げ物弁当:福岡。
くらがい:飯櫃:壱岐。
くら:秋田。
くらげ:弁当箱:大分。
くらいる
くらーる
【動】@方向を変える、A職を変えること 『鞍替え』の動詞化。
くらかえり:とんぼ返り:岩手・宮城。
くらんけり:宙返り・でんぐり返し:宮城。
ぐらがす
◆■△▽ぐらかす
【動】だます、ごまかす 『ぐらす』(だます、ごまかす、はぐらかす)の使役形。
私が実際に使った経験では、『ぐらぐらさせる』『揺り動かす』ニュアンスで使った。
現代でも『ぐる』とは『(悪だくみなどの)仲間。共謀者。』の意味で使われるが、英語由来では無い。
『はぐらかす』とは『逸れさせる』ことで、『まぎれさせる、失わせる』意味である。つまり、『ぐらかす』とは、対象に対して異なる事をさせる意味である。『ぐれる』にも通じる。
ぐらかす:岩手・静岡。
ぐらがされる:騙される。
(くらる) 【動】群がる 神奈川。
ぐらぐら 【形動】揺れ動いて安定しないさま ぐらぐら:ぶらぶら・怠ける様:神奈川。
あっちいぐらぐらこっちいぐらぐら:思い悩んで決められない様子。
〜くら
〜くられー
〜くらくれ
〜くらくれー
〜くらっくれー
〜くらい、〜程度、ほど 『程度位』。
『〜のような人程』。
『広辞苑』には『くらい:(副助詞。グライとも) 体言、活用語の連体形、格助詞などについて、大体の程度・分量の基準・範囲を表す。ほど。ばかり。だけ。浄、今宮「なまなか茶漬―なら、いつそ戻つて寝てくれふ」。いろは文庫「人目の多い廓のうちを連れ出して来た―だものを」。「彼に―言えばいいのに」』。
そんくらくれでぎっ:そのくらい出来るだろう。
おめはそんくられのおどごだったが:お前は、その程度の男だったのか。
そーたごどくらくれじぶんでやればいがっ:そんな事くらい自分でやったら良いだろう
〜くられしか
〜くられーしか
〜くらくれしか
〜くらくれーしか
〜くらいしか、〜程度しか 『〜の程度位しか』。
ひゃぐいんくらくれーしかねーのが:百円程度しか無いのか
ぐらげる
ぐらげーる
ぐらける
【動】@間違う、A頭が混乱する 『ぐらす』(だます、ごまかす、はぐらかす)の擬似自動詞形。
茨城方言集覧の旧稲敷郡・猿島郡の方言『ぐらっかえす』(混雑する)と意味が近いのは面白い。『ぐらぐらとひっくり返る』ような意味なのだろう。
くらさい
くらーさい
くらせー
くらーせー
【複】下さい 『下さい』が訛ったとも、『くれる』の使役形・命令形ともとれる。
くらせー:群馬。
くらっさん:静岡。
くらっしゃい:静岡。
くらされる 【動】暮らせる
ぐらされる 【動】だまされる、ごまかされる 『集覧:久』。『ぐらす』の受身形。
(ぐらし・ぐらしか・ぐらっか) 【形】あわれむべきさま。かわいそうなさま。 鹿児島。
ぐらしゃら
ぐらっしゃら
仕事をいい加減にやる様、しっかりしていない様、考えがはっきりしない様、ぐらぐら 『集覧:真・猿』。
くらしつげる 【動】食らわす、(拳骨で)たたく、(肘鉄砲を)打つ 『食らわせつける』意味。
くらしつける:福島。
くらす
くらーす
【動】食らわす、(拳骨で)たたく、(肘鉄砲を)打つ 相撲界の隠語にも残っている古い言葉。『食らわす』の転。
くらす:けなす:神奈川。
くらす:長野。
くらす:遣ろう:静岡。いじめてくらす:苛めてやろう:静岡。
くらする:鹿児島。
くるう:叱る:鹿児島。
くらす 【動】経つ、月日を送る 今の標準語では『生活する』意味に特化して、時間が経過する使いかたはしなくなってきている。
『暮らす』とは『食って為す』意味ともとれる。
◎ぐらす
くらす
【動】だます、ごまかす、はぐらかす 濁音形は古い標準語。
ぐらす:茨城稲敷郡・静岡。
ぐらす:怠ける:山形・神奈川。
くらすげる
くらすける
【動】食らわす、(拳骨で)たたく、(肘鉄砲を)打つ 『食らわし付ける』意味。
『くらしつげる』がさらに訛ったもの。清音形は東北から新潟にかけての広域方言。
くらすける:山形・福島・佐渡島・新潟。
くらすみ 隅の方、端っこ くらすみ:青森。
くらすん:暗闇:鹿児島。
くらせる
くらーせる
【動】@食らわす、▲(拳骨で)たたく、(肘鉄砲を)打つ、A食べさせる 『集覧:久・那』。『食らわせる』。
@・くらせる:青森・秋田・長野・静岡。
くらーせる:山梨。
くらせーる:静岡。
A・くらせる:青森・秋田。
くらーせる:山梨。
ぐらせる 【動】だます、ごまかす、はぐらかす
くらそばいる
くらそべーる
【動】@甘ったれる、A甘え戯れる、B悪ふざけする 『戯える(そばえる)』は死語となった標準語で、『じゃれる、甘える』意味。
B・くらいそばえる:ふざける:山梨。
ぐらちゃら 【副】仕事をいい加減にやる様、しっかりしていない様、考えがはっきりしない様、ぐらぐら ぐらす:怠ける:神奈川。
くらつぉばいる
くらつぉべる
くらつぉべーる
【動】甘ったれる、甘え戯れる、悪ふざけする 『戯える(そばえる)』は死語となった標準語で、『じゃれる、甘える』意味。
ぐらっかいす
ぐらっかえす
ぐらっけーす
【動】混雑する、ごったがえす 『集覧:稲・猿』。
ぐらづぐ 【動】ぐらつく
くらつげる
くらつける
【動】食らわす、(拳骨で)たたく、(肘鉄砲を)打つ 『食らわしつける』。
くらすける:山形。
くらつける:山形・福島。
くらっしつける:福島。
ぐらっしゃら 【副】仕事をいい加減にやる様、しっかりしていない様、考えがはっきりしない様、ぐらぐら
〜くらっしょ
〜くらっせ
【助】〜下さい くらっさん:静岡。
くらっしゃい:新潟・静岡。
くんらっしゃい:下さい:静岡。
くらっそばいる
くらっそべる
くらっそべーる
くらっつぉばいる
くらっつぉべる
くらっつぉべーる
【動】甘ったれる、甘え戯れる、悪ふざけする 『戯える(そばえる)』は死語となった標準語で、『じゃれる、甘える』意味。
くらいそばえる:ふざける:山梨。
くらった 【動】失敗した 『失敗食らった』とも言う。標準語には無い表現。『集覧:真』。
ぐらっちゃら 【副】仕事をいい加減にやる様、しっかりしていない様、考えがはっきりしない様、ぐらぐら
ぐらっつぐ 【動】ぐらつく
くらっつげる
くらっつける
【動】食らわす、(拳骨で)たたく、(肘鉄砲を)打つ 『食らわしつける』。
くらっつける:ぶるける:長野。
ぐらっと
くらっと
【副】目が回る様、揺れる様 『ぐらりと』。
(くらっと) 【副】垂れ下がる様、ぶらりと 鹿児島。
くらっばいる
くらっばぇる
【動】甘え戯れる、うるさく戯れる 『集覧:無記載』。意味は『喧(やかま)しき戯れること』とある。『くれそべる、くれそべーる』『くらっつぉばいる』を経てさらに訛ったと考えられる。
くらべっこ 競争する遊び、比べる遊び 標準語のはずだが辞書には無い。
くらほーし 倉庫の管理人 『蔵法師』。
『国誌』には解説が無いが広辞苑によると『くらぼうし:江戸時代、本所・深川の町人の倉庫付近に家居し、倉庫・借家を預かり管理した使用人。』とある。
くらます 【動】@暗くする。A見えないようにする。分らなくする。ごまかす。 『暗ます・晦ます』。現代日常語では、殆ど使われない。『目を晦ます』『後を晦ます』等犯罪用語に残る。
くらます・くらむ:急ぐ:神奈川。
くらーめ 【複】狂うことは無いだろう、当てが外れることは無いだろう、大丈夫だろう 『狂わないだろう』。
(くらめき) 暗がり 神奈川。古語に『暗め(日が暮れて暗くなる時分。夕暮。)』がある。
くらめぐ
くらめる
【動】@目眩めく、ふらふらする、A目が眩む @『めくるめく(目眩めく)』の語源になった『眩めく』(くらめく)の転。
(くらや) 静岡。
くられる
くらーれる
【動】食わされる、叱られる くらえる:青森・岩手。
くられる:青森。
くるわれる:岩手・山形。
ぐらんぐらん 【形動】ぐらぐら ぐらんぐらん:意思がはっきりしない様・ふらふら:神奈川。
くらんけーり とんぼ返り、宙返り
ぐらんど グラウンド
【助】〜ごと
くりかぶちゃ
◎くりかぼちゃ
栗のようにほくほくしたカボチャ 『クリカボチャ』とは西洋カボチャのこと。
ぐりぐり
くりくり
【複】丸い様
ぐりぐり (体にできる)しこり、リンパ腺炎 状態表現。標準語。
ぐりぐり:東京。
くりくりあだま くりくり坊主 くりくりあたま:神奈川。
ぐりぐりぼーず:神奈川。
つんつるてん:神奈川。
にゅーたん:神奈川。
ぐりぐりまぎ
ぐりぐりまき
帯等をぐるぐる巻いて端部を縛らず挟み込むだけの結び方
くりむし
くりけむし
シラガタロウ、クスサンの幼虫、栗毛虫 くりのきばばー:東京多摩。
★長塚節『栗毛虫』:ヘエーかう二つに裂いて酢で引き出すんでがす。ヘエー背中ンとこに糸あるんでがす。なんでも釣糸にすると強えなんて、せんの頃は言ひ言ひしっけなあに誰だって取れあんすともせ
ぐりげる
ぐりげーる
【動】間違う、頭が混乱する 『ぐらげる』がさらに訛ったものだろう。
くりけんま 栗毛の馬
くりこ 栗で作った粉 『栗粉』の意味。
(クリスマスケーキ) クリスマスにケーキを食べる風習は、当時すでに定着化していた。事前に買うと高いので、売れ残ったものを買うのが定番だった。買って来ると直ぐ食べるわけでは無く、必ず仏壇に供えられる。そのため、有り難くない線香の匂いが付いてしまうのだが、それでも子供たちは食べる時を首を長くして待っていた。時々クリームの山が一つ二つ無くなっていることがあったのは私が舐めたでである。
くりっと 【形動】(目が)くりくり
ぐりっと 【副】@丸いものの表面が剥ける様、皮を剥く様、A捻る様 ぐりっと:ことごとく・そっくり・根こそぎ:青森。
ぐれっと:ことごとく・そっくり・根こそぎ:青森。
くりゃ
くりゃー
【複】来れば 『行きゃ』『すりゃ』などと同じ言い方。
くりゃーいー:群馬。
(くりゃーせん) 【複】呉れない 静岡。『呉れはせぬ・呉れやせぬ』。
茨城なら『くれやせん』
(くりょー) 【複】下さい 静岡。元『呉れよ』か。
くりまーす 【動】都合をつけて、やりくりする。 『繰り回す』。
ぐる
◆▲△▽ぐるた
ぐるたんぼー
短い丸太 『集覧:猿』。『ぐるり』の語幹またはそれに『太』がついたもの。現代現代語の『ぐる』(仲間。共謀者。)との関係を思わせる。
ぐる:ひとかたまり:神奈川。
ぐるた:茨城・埼玉。
ぐるた:樽:江戸方言。
ぐるてんぼう:江戸方言。
(くる) 【動】崩れる 神奈川。=『くむ』
『崩ゆ(くゆ)』。
(くるー) 【動】戯れる 静岡。『狂う』には『羽目をはずしてふざける。』意味がある。
〜ぐる
〜くる
【複】動詞の複合語を作る助動詞的な複合語 広辞苑には『繰る:(他五)@細長いものを引き寄せる。また、引き寄せて物にまきとる。たぐる。綿繰り車にかけて綿花の種子を取り去る。A順々に送りやる。つまぐる。B順々に数える。C書物などのページを順にめくっていく。D(演劇用語) 俳優が脳裡で台詞(セリフ)の順序をつけて次第に繰り出すのにいう。』とある。
『〜切る』との共通性も見られる。
くるあめ 【複】狂うことは無いだろう、当てが外れることは無いだろう、大丈夫だろう 『狂わないだろう』。
(くるう) 【動】叱る 大分・佐賀・鹿児島。『食らう』意味か。
くられる:叱られる:岩手。
くる:宮崎・鹿児島。
くるー:羽目をはずしてふざける:静岡。
くるっく:腹が立つ:宮城。
くるわれる:叱られる:山形。
くるぼー
ぐるきぼー
豆類の脱穀のための道具、殻竿(からざお) 『くるり棒』。
ぐるぐる 【副】ぐるりと
ぐるぐるまぎ
ぐるぐるまき
帯等をぐるぐる巻いて端部を縛らず挟み込むだけの結び方 清音形は俗語と言っても良い。
ぐるぐるまき:神奈川。
くるします 【動】苦しませる 《今年もクルシマスツリーの仕度で随分苦しめられだわ》。
くるすみ 隅の方、端っこ
ぐるたんぐるたん
ぐるったんぐるったん
【副】物が回る様、ぐるぐる ぐるんこぐるんこ:栃木。
(くるづく) 【動】うつむく 鹿児島。
ぐるっと 【副】ぐるりと、辺り全部、くるりと 促音便。標準語。
ぐりっと:すっかり:青森・秋田。
くるっと
くるんと
【副】@ものが回る様、Aものが方向を変える様、B目がくりくりと大きい様、C丸いものの表面が剥ける様、Dものをまとめる様 促音便。『くるりと』。今の標準語ではかなり使用範囲が限られるようになってきている。
@ADは良く使われるが、Bは標準語では『くりくり』を使う場合が多い。茨城や栃木ではしばしば『くるっと』を使う。『OK牧場』をトレードマークにした、ガッツ石松は栃木県出身だが、数年前のNHK出演の時も茨城と同じ語法を使っていた。
くる 踝(くるぶし) 半濁音化。
くるぼし 踝(くるぶし) 標準語ではこのほか『くろぶし、つぶぶし、つぶなぎ』とも言う。行方郡の方言。
くりこぼし:愛知。
ぐるまーし 持ち回り
(くるまなもち) 車の付いた長持 今で言えば、車輪の付いたスーツケースに当たるだろう。
くるまる 【動】からまる 『包まる』意味なら標準語。
くるみ (「くるみ蒲団」の略) 幼児用の抱きぶとん。おくるみ。 かけきもの:神奈川。
ひっかけきもの:神奈川。
るみ 【助】@〜ごと、A〜まみれ、〜だらけ @標準語。
らみ:宮城。
〜まずら:宮城。
A・つま・つめ・りて・るた:神奈川。
〜くるま:青森・秋田。
くるむ 包み巻きこむ。包む。 標準語だが『つつむ』を使うことが多くなった。『集覧:新』。
くるめぐ
くるめる
【動】@目眩めく、ふらふらする、A目が眩む 『めくるめく(目眩めく)』の『眩めく』の転。
くるめる 【動】@巻き包む。包み巻く。からめる。A一つにくくる。一つにまとめる。B巧みにあざむく。まるめこむ。 『包める』。標準語。『包む』(くるむ)という言い方が、どうしてすたれそうになっているかは興味深い。
A・くるめる:薪にするため立ち木を一定の長さに切りそろえる:神奈川。
ぐるり 周囲、周り、あたり やや古い標準語。
ぐりー:神奈川・山梨。
ぐるい:神奈川・山梨・鹿児島。
ぐるった:長野。
ぐるり:静岡。
ぐるり
くるり
関節 『枢(くる・くるる)』とは広辞苑に『@戸を開閉するために装置した、とぼそ。くろろ。A戸の桟。さる。B回転装置の心棒。枢軸。』の意味で『くる』にはもともと回転の意味があるようである。殻竿(からざお)に由来するか。
くるり:千葉・埼玉。
くるり:くるぶし:福島・群馬。。
くるり
くるりんぼー
豆類の脱穀のための道具、殻竿(からざお)、穂打棒 『くるり棒』。=『ふりうぢぼー
『称呼』には『からざほ(からざを:穀をうつの具也):京にてまひと云。東国にてぐるりと云。越後にてひりばいと云。中国及四国にてからざほ(からざを)と云。肥後にてぶりこと云。』とある。
くるり:千葉。
くるりばったん:福島。
くるりぼー:東京多摩。
ぐるりまーり 【副】周り全部、あたり一面 『ぐるり(周り)まわり(回り』(似た言葉の繰り返し)の転。
ぐるりむっくり
ぐるりっもっかい
ぐるりもっくり
ぐるりもっけ
【副】周り全部、あたり一面 『むっくり・もっかい・もっくり・もっけ』は語源不詳。
『勿怪(もっけ)』は『@異変。災害。不幸。A思いもうけぬこと。意外。』の意味だが、『蒙古高句麗(むくりこくり・もくりこくり・こくりむくり)』も類似の『@元寇の時、蒙古・高麗軍が日本を襲ったことを、「蒙古高句麗の鬼が来る」といって怖れたことから、転じて子供の泣くのをとめるのに、「むくりこくり、鬼が来る」とおどす風習となったという。おそろしいもののたとえ。A無理・非道なさま。(広辞苑)』があるが関連は見出せない。
ぐるりもっけー:福島。
ぐるわ 【副】周り全部、あたり一面 『くるわ:曲輪・郭・廓』(城・砦など、一定の区域の周囲に築いた土や石のかこい。)。
ぐりわ:周り:宮城。
ぐる:村落:山口。
ぐるい:周り:群馬。
ぐるかえ:周り:岩手。
ぐるさ:周り:京都。
ぐるでんど:近所:山梨。
ぐれ 気違い 広辞苑には『ぐれ:(「ぐれはま」の略) 物事のくいちがうこと。ぐりはま。浄、新版歌祭文「―の来ぬ内サアござんせと」』とある。
くれ
くれー
【形】黒い 連母音変形。『くれー』は江戸言葉だろう。
くれ:鹿児島。
くれー:群馬・神奈川・静岡。
くろか:鹿児島。
★『土』:俺(お)ら家(ぢ)ぢや元日(ぐわんじつ)にや闇(くれ)えに起(お)きて、蓑(みの)着(き)て、圍爐裏端(ゐろりばた)で芋(いも)燒(や)えてくふ縁起(えん)なんだ、俺(お)ら家(ぢ)の奴等(やつら)外聞(げえぶん)惡(わり)いから厭(や)だなんて吐(ぬ)かしやっから、俺(お)れ、何(なん)だとう汝(わ)っ等(ら)、厭(や)だっちんだら厭(や)だって今(いま)一遍(ん)云(ゆ)つて見(み)ろ、俺(お)れ目玉(めだま)の黒(くれ)え内(うち)やさうはえねえぞっちんだから、いや本當(ほんたう)に俺(お)ら聽(き)かねえだから
この中の『闇(くれ)え』とは『暮合』で夕方の意味である。
くれ
くれー
【形】暗い 連母音変形。『くれえ』は江戸言葉だろう。現代では俗語に生きている。
くれ:鹿児島。
くれー:宮城・千葉・群馬。
くれぁ:岩手。
〜ぐれ
〜ぐれー

れー
〜くれ
〜くれー
【助】【古】〜(し)たらば 〜げれ・〜げれー・〜けれ・〜けれー』
『位』と古語助詞の『けれ』は識別不能である。古語の『位』は『くらゑ』であったからである。
副助詞『くらい: 体言、活用語の連体形、格助詞などについて、大体の程度・分量の基準・範囲を表す。ほど。ばかり。だけ。浄、今宮「なまなか茶漬―なら、いつそ戻つて寝てくれふ」。いろは文庫「人目の多い廓のうちを連れ出して来た―だものを」。「彼に―言え
ばいいのに(広辞苑)』を仮定の助動詞として使っていると考えられる。長塚節は『土』の中で『位』と当てている。『〜くれーだら・〜くれーなら』の『だら・なら』が省かれたかたち。
類似表現に『ものなら(物なら):(モノに指定の助動詞ナリの未然形のついたもの)(連体形について) 仮定の条件を表す。また、不可能と思われる前提や、「う」「よう」を受
けて重大な結果をもたらす場合の前提につかう。…なら。「そんなことしよう―大変なことになる」』がある。
〜くれ:栃木。
あさおきたっくれだれもいながった:朝起きたら誰も居なかった。
そーたごどやったくれー、てーへんなごどになっつぉ:そんなこと遣ったら大変なことになるぞ。
はいぐおぎなぐれ:早く起きなければ。
ごじにかいったぐれおごらいだ:5時に帰ったら怒られた。
★『土』:厭(や)だなんていった位(くれえ)ひでえとも立金(たてきん)しなくつちゃなんねえから:嫌だなんて言ったら、たとえ酷くても、借りた金を返さなければならないから。
〜くれ 【接尾】水や餌を与えること 高齢者言葉。『〜を呉れること』の意味。古い俗語とも言える。
この言葉を考えると、『呉れる』『食らう』は同源であることは間違いない。
みずくれ:水遣り。
えさくれ:餌遣り。
〜ぐれ
〜ぐれー

れー
〜くれ
〜くれー
【助】〜頃、〜位 れー:群馬。
〜くれー:群馬。
5時くれにはけ:5時ぐらいには帰るだろう。
ごじにかいったれでではおごらいね:5時に帰ったくらいでは怒られない。
くれー
くれあい
くれえー
日暮れ、日暮れ頃 やや古い標準語の『暮れ合い』。
くれやい:山梨。
★『土』:俺(お)ら家(ぢ)ぢや元日(ぐわんじつ)にや闇(くれ)えに起(お)きて、蓑(みの)着(き)て
くれあるぐ 【動】配って歩く
くれいじはる
くれーじはる
【動】食い意地が張る、欲張って食べる 『食らい意地が張る』意味。
くれじ:出し惜しむ:山梨。
〜ぐれだら
だら
〜くだら
【助】@〜した位なら、〜の程度なら、A〜したなら 『〜だら』と発音する人もいた。
くれおん クレヨン 単純転訛。
〜くれーきり
〜くれーっきり
〜くらいしか、〜程度しか 『〜くらいきり』がさらに訛ったもの。
〜くれ
〜くれれー
〜くれくれ
〜くれくれー
〜くれっくれー
〜くらい、〜程度 『位ぐらい』の意味。直訳すれば『程度くらい』の意味。
〜くれれしか
〜くれれーしか
〜くれくれしか
〜くれくれーしか
〜くらいしか、〜程度しか おんにゃそーたごどくれれしかでぎねー:俺にはそんな事くらいしか出来ない。
くれがだ 暮れ方、夕方 くれ。『くれがた(暮れ方)』。濁音化。
くれぐなる 【動】暗くなる 古い言い回し。濁音化+単純転訛。
くれぐなる:宮城。
〜くれ
〜くれー
【助】〜の程度 『〜(くらい)ぐらい』。
ぐれげ
ぐれげーる
【動】間違える、くらくらする 『ぐれる』+『返る』の転訛。
くれしー 嫁又は婿を出す側の結婚式 『呉れ祝儀』の意味。=『だししー。当時は、婿と嫁の双方の家で結婚式を執り行うのが普通だった。
くれごしゅー:山梨。
くれーじはる 【動】食い意地が張る、欲張って食べる くらいじー・くらいしんぼ・くれーじ・くれーしんぼー・くれーすかしー・くれーつかし・くれてぼー・くれーてぼ・くれてーぼー・くれてんぼ・くれーぬき・くれーぬけ:食いしん坊:神奈川。
(くれずに) 【複】あげるから 静岡。古語由来の方言。元『くれずらに』
くれーづぐ
くれーづく
【動】食らい付く
くれそべる
くれそべーる
くれーそべーる
【動】甘ったれる、甘え戯れる、悪ふざけする 古い言葉の『戯える(そばえる)』の複合語。
くらいそばいる:山梨。
くらいそばえる:山梨。
くれそべーる:はにかむ:神奈川。
くれーそべーる:山梨。
くれっつべる:神奈川。
★長塚節『芋掘り』の一節:きさのあま奴が、ねんとし大寶へ行く癖にはやくでもけえればいゝのに、若い衆とでもくれえそべえて居やがるんだんべ:きさって女は毎年大実に行くくせに早く帰れば良いのに、若い男と甘えてじゃれあっていやがるんだろう。
〜ぐれーた
れーた
〜くれーた
【助】〜程度の、〜位の 『〜位にてある』意味。
そおたぐれーたもんおれだってもってっとー:その程度の物なら俺だって持ってるぞ。
このれーたのはだれだってもって:この程度のものは誰だって持ってるだろうよ。
くれだくれ
くれだけれ
【複】あげたなら、あげたら いぬめにくれだけれ、わんちってくぇーでった:犬にあげたら、ワンって言って銜えて行った。
〜くれだくれ
〜くれーだくれ
〜くれだけれ
〜くれーだけれ
【複】〜くらいだから そんくれーだくれ、まぢーなぐかづべや:そのくらいだから、間違いなく勝つだろう。
くれだくれーだら 【複】@もらったなら、Aあげたなら、あげた物なら 直訳すると『呉れた位なら』の意味。
(くれだまし) くれると言ったのにくれないこと 神奈川。
れだら
れーだら
〜くれだら
〜くれーだら
【複】@〜位なら、Aもし〜したなら @・〜くさいなら:静岡。
そんくれーだらいがっ:それくらいなら良いだろう。
A★そーたごどやったくれーだらきかねがんな:もしそんなことしたならば許さないよ。
〜くれだら 【複】@呉れたなら、Aあげたなら おめにくれだらおれにもくれっか:お前にあげたなら俺にもくれるかい。
くれっか
くれっけ
【複】@もらえるかい?、Aあげようか? 『呉れる』には『@相手が自分に物等を呉れる、A(自分が相手に)物をあたえる。呉れてやる。』の意味があるが現代標準語ではAの意味では使われない。
@★これくれっか?:これもらえる?。
A・くれずか:山梨。元『呉れうずらむ・呉れずらか』か。
くれすか:静岡。元『呉れ候か・呉れやすか』か。
くれっか:山梨・静岡。
おめにこれくれっか:お前にこれをあげようか。
〜くれっか
〜くれっけ
〜くれっけー
【複】@〜(して)くれるかい、〜(して)もらえるかい?、A〜(して)あげようか? @★くれでくれっか:もらえる?。
やってくれっけ:やってもらえる?。
A★おめにくれでくれっか:お前にあげようか。
くれっかだ 暮れ方、夕方 促音便+濁音化。
くれっから 【複】@もらえるから、Aあげるから くれっから:群馬。
くれーづぐ 【動】食らい付く くれーつく:神奈川。江戸言葉。
〜くれっけ 【複】〜(して)もらった ちゃーんとやってくれっけわ:ちゃんと遣ってくれたよ。
れった
〜ぐれった
〜くれった
【助】〜程度の、〜位の こーたぐれったもんではつかいもんになんねな:この程度のものでは使い物にならないな。
そったぐれったもんでいーよ:そんな程度のもので良いよ。
そんれったもなひゃぐいんなもしねーべな:その程度のものは、100円分の価値も無いだろうが。
くれっ
くれっへ
【複】@貰えるだろう、呉れるだろう、Aあげよう
〜くれーでぎる
〜っくれーでぎる
【複】〜くらいできる
くれでくれる 【動】貰う、くれてやる くれてくれー:下さい・あげなさい:群馬。
くれてくれる:群馬。
くれでだす 【動】くれてやる
くれでやる 【動】くれてやる 濁音化。
〜くれな
〜くれや
〜くれよ
【複】〜(して)くれ 丁寧な意味は無い。転じて『くんな』とも言うがこれは江戸言葉。
くれやれ:下さい:福島。近世語。
〜くれーにでぎる
〜っくれーにでぎる
【複】〜くらいに出来る、〜と同じくらいにできる
くれーぬげ 大食漢 『食らい抜け』。
くらいじー:神奈川。
くれーじ:神奈川。
くれーしんぼー:神奈川。
くれーすかしー:神奈川。
くれーつかし:神奈川。
くれーてぼ:神奈川。
くれーぬき:神奈川。
くれーぬけ:神奈川。
くれてぼー:神奈川。
くれてーぼー:神奈川。
くれてんぼ:神奈川。
くれのせ 年の瀬 『年の暮れの瀬戸際』の意味。
〜ぐれば
〜くれば
@〜(した)ら、A〜(しな)ければ
くれべ
くれべー
【複】@貰えるだろう、呉れるだろう、Aあげよう 当時の高齢者言葉。東国方言。
くれべー:群馬・山梨。
ぐれまーり 【副】周り全部
くれまーる 【動】配って回る 『呉れて回る』。
ぐれまーる 【動】@目が廻る、A仕事をしないでぶらぶらする
ぐれもん 不良者、はぐれ者、乞食 『ぐれ者』。
ぐれやど @ぐれ者を宿泊させる宿、A木賃宿 『ぐれ宿』。『集覧:稲・那』。
〜くれや
〜くれよ
【複】〜(して)下さい 『や・よ』は強調の終助詞だが、元は動詞『あれ』が訛った『やれ』だった可能性もある。
くりぇー:下さい:静岡。
くれやせん 【複】呉れません くりゃーせん:静岡。
(くれやれ) 【複】呉れなさい、あげなさい 群馬。
『やれ』は『あれ』が訛ったもので『〜なされ』の意味。
くれる 【動】@呉れる(くれる)、(物を)もらう、A(物を)あげる、B(金などに目が)くらむ @Aは今では、口語でしか使われない言葉。しかも相手に与える意味は廃れた。英語の『give』とほぼ同じ。
@標準語(文語)。当時は、『あげる』意味でごく自然に使っていたが、次第に相手を見下げた『くれてやる』意味で使うようになり、貰う意味に特化していく。標準語でも今では連語で使われることが多く、『やってくれる?』とは言っても『これ、私にくれませんか』はあまりに言わないようになった。
活用形は、くんね・くんない・くれっ、くれやす・くらさい・くれで、くれる、くれっとぎ、くれんだら・くろば、くれろ
おける:もらう:山梨。接頭語のついた『おくれる』が訛ったと考えられる。
くれる:山形。
それくれっからもってったらいがっ:それあげるから持っていったらどう?。
おれにくんねが:俺に呉れないかい。
やってくれよ
A標準語では死語。
くるっ:鹿児島。
くれる:山形・福島・千葉野田・東京・神奈川・山梨・岐阜・佐賀・長崎・熊本・宮崎・鹿児島・沖縄。
あまりきかなえがら、ただえでくっぢゃ:あまり聞かないかららただで上げた:山形。
くれでやる:あげる:山形。
くれたんべ:あげたでしょう:東京青梅。
いしにくれべー:お前に遣ろう。
みずくれやんねげばかれっちゃーべ:水を遣らないと枯れてしまうよ。
B『昏れる、眩れる』と書く場合の『目がくらむ』使い方も最近はあまり聞かなくなった。
くれる:東京。
かねにめくれでみさげーのねーやづだ:金に目がくらんで見境の無い奴だ
◆■▲ぐれる 【動】@非行に走る、A勘違いする、B見込みが外れる、C本来と異なる、ずれる、D■▲迷う、E計算を間違える 『集覧:新・那・久』。
標準語では、『@不良になる、A見込みがが外れる』意味だがいずれもほぼ類似の意味。
昔、ハマグリの貝殻を使った『貝合わせ』遊びで、貝の裏に『はま』『ぐり』と書いておきそれが『ぐり』『はま』となって食い違うことから『ぐりはま』→『ぐれはま』→『ぐれる』になったというのが一説。また『まぐれる』の転とも。
@・ぎれる:山形。
ぐれたや:不浪人:群馬。
C・ぐれっ:嘘:群馬。
ぐれる:山形。
★『土』:おとっつあは酩酊(よつら)ったってそんなに顛倒(ぐれ)なけりゃよかつなあ:お父さんは酔っ払ったってそんなに変にならなければ良いのになあ。
くーれる 【動】@▲壊れる、A舌等がざらざらになる 『集覧:筑』。単に『崩れる』『壊れる』が訛ったか、古語の『くえる(崩える・潰える・壊える)』の流れ。
〜ぐれる
〜くれる
【動】〜(し)まくる 『〜たれる、〜たくれる』。多くはあまり良く無い意味の動詞に使われる、『呉れる・暮れる・昏れる・眩れる・暗れる』意味で、常時行なう意味や徹底的にすること。
〜くれる:〜する:神奈川。
くれろ 【助】@ちょうだい、A〜(して)ちょうだい 江戸言葉。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』に『さうすると最っとくれろといやぁがったんで』とある。『くれらむ』が訛ったか。
くれろくんろくろ
活用形は『くんない・くんねー、くれやす・くれで・くれっから・くれっと、くれる、くれっとぎ、くれんだら・くれろば・くろば、くれろ・くろ・くんろ』
『俚言』には『是見てくれろ。』があるが解説が無い。
『称呼』には『予考るに見よといふことを、東国にて見ろと云。又聞けよ置けよといふを、きけろ をけろと云類ひ 古く云ならはしたる詞にや。』とあり江戸時代の東国語の表現。
@・くれろ:福島・神奈川。
くれろば 【複】くれれば 近世語。
くれろば:東京西部。
〜くれろば 【複】〜してくれれば 近世語。
〜くれろば:東京青梅。
・くろ  『あぜ』とも言う。田は『代(しろ)』とも言う。『しろ』に対して縁を『くろ』と言ったのだろうか。
 古代語の色彩語は、『しろ、くろ、あか、あお』であったとされる。
 『あぜ』の語源は諸説ある。語源辞典によると畦の意味の言葉は『あ』『くろ』『あぜ』の順で文献に現れるとある。
 古語では『あ』である。『あぜ』は主に中部・北陸・以西九州に分布するのに対して、『くろ』は関東以北及び九州の一部に見られることから、『くろ』『あぜ』より古いとされる。『あ』は『網』を思わせる。畦は、遠く離れればまさに『網』である。『あぜ』は『網し瀬』を思わせる。また『あぜ』は『あかの瀬』をも思わせる。
 茨城ではもっぱら『くろ』であったが、田圃は茨城・千葉で『あが・あか』と言う。他の言葉を考慮すると、『足処』すなわち足を入れる場所にも思える。
 それに対して『くろ』とは、『小路』の説があるが、行き交う場所すなわち『来路』の意味ともとれる。
 本来的な意味からすれば、『しろ』は陽であり、城にも通ずる。『くろ』は陰であり暗いに通ずる。倉は『しろ』に対する『くろ』の意味ともとれる。『あか』は明・暖に通じ、『あお』は冷に通じ、恐れ多い『大:おお』にも通ずる。
 様々な情報の中で、『くろ』とは、稲を作る本来的な場所を示す『しろ』『あか』に対して、その反語としての『くろ』ではあるまいか。全くの推測ではあるが、検地帳は紙が赤くて、黒ずみを使って区画を作ったからかも知れない。あるいは、地がもし白であったとしても、畦を示す黒い線を『くろ』と言い、余白の田圃の部分は白いわけだから、『しろ』と呼んでもおかしくはない。現代では『代』と当てられる。
 また、日本画は、シルエットを墨で線を描き、色を添える塗り絵に近い技法が一般的だった。そのため、物の縁を黒と呼んでもおかしくはない。
 さらに、田んぼの土は泥状で黒いからそのまま『くろ』と呼んだのかも知れない。
 日本語は、漢字が伝来した以降、雅語あるいは和語に漢字を当てた。その頃は、今と異なり様々な和語が存在したろうから、その作業はその後の日本語を形成する責任ある仕事だったろうが、その時の誤解が残した名残かも知れない。
くろ:千葉・神奈川。
くろ 端、側 茨城方言集覧では稲敷郡の方言で『側のこと』とある。『畔(くろ)』と同源の言葉。
日本画は、シルエットを墨で線を描き、色を添える塗り絵に近い技法が一般的だった。そのため、物の縁を『黒』と呼んでもおかしくはない。
くろ:山梨・静岡。
くろー
◆■くろ
くろー
くろい
くろえ
くろな
くろや
くろよ
【複】ちょうだい、呉れ 近世語の『くれろ』が詰まったものか。『くれらむ』が訛ったか、さらに、訛った『くれろ』が訛ったか。
水戸黄門の『控え居(お)ろ』と同じ語法。東京西部でも使われるので関東方言とも言える。
原型の『くろ』には隠れた『む』が存在し、もともとは、『:助動(活用は不完全な四段型) @奈良時代に「まくほし」「まく惜し」、平安時代に「まほし」「ま憂し」として用いられた「ま(く)」は、この「む」の名詞形という。平安時代以後、発音にしたがって「ん」とも書く。「ん」は室町時代以後「う」に転じ(江戸前期の上方語には「ん」が残る)、江戸時代以後、四段活用以外の動詞に付く場合には「よう」の形が生じた。動詞・助動詞の未然形に付いて時に関係なく非現実あるいは不確実な事実に関する話し手の想像・意志を表す。』に由来し、現代では『くれ(む)』の意味に例えられる。
他方、『い』は、命令・疑問・断定など種々の文の終りについて語勢を添える終助詞。『や』から『え』を経て、または『よ』から変化したとされる。感動その他の語勢を添える(広辞苑)。現代標準語では『〜かい』(軽い疑問・強い反対)を除き死語になってしまった。フーテンの寅さんが時々『そうだいな』と言う『い』と同じ。
現代語ではほとんど使われなくなって来ている。
長塚節の『土』ではしばしば『え』が使われる。京都の舞妓さんが使う『そうどすえ』が今に残る。
土浦では単独で用いることは少なく、多く終助詞が付く。やや古い言い回し。『〜くれっか』の方が柔らかい表現でメジャーな言い方。『くろよくろな・くろや』。土浦市上大津地域では多く近世語の『くれろ』が使われた。長塚節の『土』の時代には『〜くろえ』と言っていた。
くれろくんろくろ
くろ:千葉・神奈川・八丈島・新潟。八丈方言では『しぼーかって、くろごん、うしめい、いって、いこんて』(牛の草を刈ってくるように、牛をひいていくから:芝を刈って来る事と、牛に言って)」のような言い方になる。
くりょー:山梨。
くろ:神奈川。
くろー:東京青梅・神奈川。
くろー:来なさい:静岡。
あいづははいぐくろどってうっせんだわ:あいつは早くくれって言ってうるさいんだ。
おれにくろよ:私に下さいよ。
それくろや:それちょうだい。
★『土』:汝(わ)りや、何くろっちんでえ:お前は何をくれって言うんだい。
★『土』:先やつてくろえ:先に食べてちょうだい。
★『土』:棺桶(かんおけ)へ入れてくろうよ:棺おけに入れてくれよ。
★長塚節『芋掘り』の一節そんぢや任せべえ。兼こと連れて來てくろ
★長塚節『太十と其犬』:埋めてやってくろえ
★土浦の民話:にたにた地蔵:松林寺の地蔵様よ、頼むがらにたにたしねえでくろ
くろかぎ
くろかげ
くろつけ
くろよせ
畔かけ、畔に泥を塗る作業 『田の畔かけ』。
二つの意味がある。畔を掻く意味と掛ける意味である。もともとあった田の畦に単に掛ければ良いと思い勝ちだが、実際は何度も塗って、掻く感じに近い。
『民俗』のよれば、『くろつけ』と呼ぶのは、土浦市と新治郡桜村に限られ、圧倒的に『くろかげ』という地域が多い。
くろけずり:畦作りの前にに雑草を刈ること:神奈川。
くろつけ:埼玉。
くろっけ:神奈川。
くろき
くるき
@皮を削らぬ丸木の材木。皮つきの木。A木を三○センチメートルぐらいの長さに切り、竈(カマド)で蒸し黒くして薪としたもの。B黒檀の別称。C針葉樹および針葉樹林のこと。 『黒木』。茨城では、主に@『製材前の皮付きの木』の意味で使われる。
C・くろき:常緑樹:山梨。
くろくも
くろ
黒色の雲、暗雲 『黒雲』。
現代語では『くろぐも』が正しいと思うが何故か辞書には無い。死語となってしまい、古い言い方だけが辞書掲載されているのであろう。
△くろ 玄米 『黒米・玄米』(くろごめ)。
くろ:千葉・島根・鹿児島。
くろざけー
くろさけー
田のくろ 畦を境として意識した言葉。
◎くろずみ
くろっけし
黒色でやわらかい炭 『黒炭』。(反)『白炭』。
(くろで) 黒潮 静岡。解説では『黒瀬』とある。
くろぢ @内出血、A腫物から出る黒い血 @・くろじむ:内出血の紫斑ができたところ:静岡。
くろずみ:内出血したところ:静岡。
A清音なら死語となった標準語。『黒血』。
Bその他。
くろち:青あざ:宮城。
くろっ 【形】黒っぽい くろっ:神奈川。
ぐーろっ
くろっべー
愚図 『集覧:久』。『愚陋(ぐろう)』(愚かで卑しいこと(さま)。愚劣。)の転じた『愚陋兵衛』の意味。
くろっ 黒斑病にかかった麦の穂、くろんぼう 『黒穂』。
くろんぼ:静岡。
◆●くろっ
くろぼし
ほくろ くるぼし:新潟。
くろっ:宮城。
くろぼし:宮城・山形・福島。
くろぼし:そばかす:宮城。
くろなじみ @内出血による痣、A痣、黒痣 東関東方言。内出血による痣は最初は赤く次第に青黒くなる。
@・くろなじみ:栃木。
くろなす:青あざ:福島。
A・くろなじみ:痣:福島・茨城・栃木・千葉。
くろなじみ:黒痣:福島。
くろねー
くろーねー
【複】苦労しない、難しくない、心配ない くらね:心配ない:栃木。『苦労(くらふ)なし』。
◎くろのっ
◎くろのっ
@黒土、A黒土の痩せ地 @・くろのっ:群馬・神奈川。
〜くろば 【助】〜してくれれば、〜してくれば、〜したら 『〜くれろば』の短縮形。
おめやってくろばいーんだいな:お前がやってくれれば良いんだよね。
いってくろばだ:行ってみての話だ。
▲●○☆くろぶし
くろぼし
くろんぼし
くるぶし 『集覧:新』。現代では『くるぶし』が使われる。『つぶぶし、つぶなぎ』とも言う。『くろぶし』は県西部に残る。くろぼしは鹿島郡・古河市の方言。
『称呼』によると江戸時代には『くろぶし』が代表語だったことが解る。『くろぶし(つぶし):長崎にてとりのこぶしといふ。播磨にてつくるぶしと云。遠江にてうちめぬきそとめぬきと云。三河にてくろこぶしと云。仙台にてたたみいぼと云。上総にてうちいしなごそとていしなといふ。』とある。
『俚言』には『くるぶし:今くろぶしと云。』とある。
これらから、江戸時代以前は『くるぶし』で江戸時代に一旦『くろぶし』に変わった後、明治になって『くるぶし』が共通語となったことになる。ちなみに『くる』とは『枢』のことで『回転装置の心棒。枢軸。』を意味する。
くりこぼし:愛知。
くろこぶし:宮城・静岡・愛知・岐阜。
くろぶし:東京・静岡。
くろぼし:群馬。
くろーぶるまい 葬式で手伝ってくれた近隣の人にご馳走をすること 古くはそうしていたと思うが、当時は『きぢばらい』と一緒にしていたと記憶する。
くろまだ
くろまた
田のくろをまたいで田植えをすること
くろむ 【動】黒くなる 対語『しらむ』。
くろめ 黒ずみ 『黒め』。クヌギ・ナラノキなどを土釜(どがま)で焼き、窯の中で自然に消火させた軟らかい木炭。どがまずみ。やわらかずみ。(大辞林)。『集覧:多』。
くろめ 瞳。 『黒目・黒眼』。
□くろもじ クロモジ 『黒文字』。
広辞苑には『クスノキ科の落葉低木。高さ二メートル余。樹皮は帯緑黒色で黒斑があり、それを文字に見たてたのが名の由来という。葉は長楕円形。雌雄異株。春、葉に先だって淡黄色の花を多数、散形につける。果実は小球形で、黒熟。材は香気をもち小楊枝や箸を製する。』とある。
くろもじ:ツマヨウジ:東京。
くろんぼ
くろんぼー
@黒斑病にかかった麦の穂、A色の黒い人を、あざけりまたは親しみの気持をこめて呼ぶ語。B皮膚の色の黒い人種の俗称。黒人。C日焼けして色の黒い人。 @・くろんぼ:埼玉。
(〜ぐわー) 【接尾】可愛らしく表現する時に語尾に付ける(「小」と書く) 沖縄。
くわいり 仕事始め(鍬入れ) 茨城県生まれの詩人横瀬夜雨の小品『田舎の新春』の第2項は『鍬入り』と表現されている。
その中で『四日は鍬入り、即ち農のはじめだ。畑に入る式をする。大豆と賽の目にきつた餅と昆布とを四方の隅をひねりあげた和紙の器にいれて、畑へ持つてゆき、鍬で一寸麥畑をさくつて門松の一枝を挿しし、そこへ供へる。畑に供へるのだが、その時大聲をあげて、からあす、からすからすと山の烏を呼ぶ。』とある。私はその光景を目にしたことは無いが、話を聞いたかすかな記憶があるだけである。
日本語の動詞をから生まれた名詞には、自動詞表現と他動詞表現の二つがある。この違いは主体をどこにおくかによって異なる。『鍬入り』とは、主体が土にある表現と考えられる。『仰向け』を『仰向き』と言うのにも似ている。
くわいれしょー:群馬。
くわいる 【動】虫に刺される 『食われる』の単純転訛。
かんめにくわいちゃってかいくてしょー:蚊に刺されてしまって痒くてしょうがない。
くわいる 【動】くわえる、銜える 『銜える』。単純転訛。
□くわいわい 界隈 江戸末期にはまだ古い発音が残っていたことが解る。その当時の江戸では廃れていたのだろう。
(くわえ) クワイ 静岡。
くわかげ
くわかけ
蚕に鍬の葉を与えること ある程度大きくなった蚕には、葉のついた桑の枝をそのまま、蚕に掛けた。民族語。
くわしら 農作業の長 『鍬頭』の意味。
くわしら:栃木。
くわ
くわ
クワガタムシ
くわかっきり 桑の葉の収穫
(くゎくゎら) サルトリイバラ 鹿児島。
広辞苑に『ユリ科の落葉小低木。高さ二〜三メートル。茎は細く他物にもたれて伸び、節ごとに曲り、強い角質のとげをもつ。葉は円形ないし楕円形で基部に二本の巻鬚(マキヒゲ)がある。初夏、黄緑色の小花を球状に多数つけ、雌雄異株。エンドウ大の赤い液果を結び、それを花材とする。山帰来。カカラ。』とある。
くわれる 【動】噛み付かれる 『が』は濁音・鼻濁音。当時はよく使った言葉。重要単語。
くわぐ
くわ
【動】銜える(くわえる)、噛み付く 『銜える』の転訛か。当時はよく使った言葉。重要単語。『食う』の変形としての現代語の『銜える』があるあるようにその変形か?。
いぬめにくわがれでいでーめにあった:犬にかまれて痛い目に会った。
ぐわぐ 【形動】途方も無い 茨城方言集覧では旧猿島郡の方言で『ぐはぐ』と表現されている。『民俗』では『ぐあぐ』と表現されている。『五悪(ごあく)』(@〔仏〕五戒にそむくこと。殺生(セツシヨウ)・偸盗(チユウトウ)・邪淫・妄語・飲酒の五悪事。A仁・義・礼・智・信の五常にそむくこと。)の意味かあるいは『愚薄』か。
くわぐみ 桑の実 くわご:福島。
くわ 【動】銜える(くわえる) 『銜える』の転訛か。『げ』は濁音・鼻濁音。当時はよく使った言葉。重要単語。語源不詳。『食う』の変形としての現代語の『銜える』があるあるようにその変形か?。
いぬめくづをくわできた:犬が靴を銜えて来た。『げ』は濁音・鼻濁音。
くわされる 【動】騙される 『集覧:新』。『食わされる』。
(〜ぐわしー) 【接尾】〜ぽい、〜のまね、〜の振りをする 沖縄。
(くしん) 菓子 鹿児島。
(ぐっさいする) 【動】落胆する 鹿児島。
くわっしょ
くわっせ
くわっせー
【複】お食べなさい 『せい・せえ』は、文語の『為』(す)の命令形。もともとは「しゃる」で尊敬の意があったが、現代では無くなった。促音化した動詞に付くことが多い。
〜せー・〜せいは元『せや・せよ』
くわっしょ:福島。
くわっせー:千葉銚子。
くわんせ:福島。
(くわっちー) ごちそう 沖縄。
(くわっちーさびたん) 【感】ごちそうさまでした 沖縄。『食べて候ふ(さぶらふ)にてあり』の意味か。
(くわっちーさびら) 【感】いただきます 沖縄。『食べて候ふ(さぶらふ)らにてあり』の意味か。
くわっ
くわ
桑の葉 くわっ:群馬。
くわでんぼー:桑の枝:東京多摩。
くわつる
くわっつる
鍬の柄 くわがら:山形。
(くわで・くわでんぼ・くわでんぼー) 燃料にする桑の枝 神奈川。
くわでんぼー:桑の枝。
くわばだげ
くわばだけ
桑畑 くわばだげ:千葉。
くわばだけ:千葉。
くわばら:神奈川。
(ぐゆる) 【動】壊す 鹿児島。
くわる 【動】虫に刺される、食われる かんめにくわっちゃ:蚊に食われた。
くわれる 【動】虫に刺される 標準語。
くわれる:山梨。
かんめにくわれだ:蚊に刺された。
(くわんくわん) 口の周りに食べ物がべたべたついている様 神奈川。
元興寺 『国誌』には『ぐはんち』と表現されている。
(ぐんたれえ) あばら家 鹿児島。
(ぐんたれもん) くずれもの 鹿児島。
(ぐん) 刺青 鹿児島。
(ぐん) グミ 鹿児島。
くん〜 【接頭】 『汲む・組む』の音便または強調語。
(くんつ) 九月 静岡。
ぐんぐん 【副】ぐいぐい、どんどん 『集覧:真』。
ぐんけ 子供の釘打ち遊び
(〜)くんさい 【動】【助】下さい 撥音便。丁寧語。中世の古い標準語。本来は『下され』。『くなされ』を経て変化したと見られる。
くんされ:福島。
くんたい:静岡。
くんざっしょ @【動】【助】下さい、A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『集覧:鹿』。『くださっせ』がさらに訛ったもの。
くんさる 【動】下さる 中世の古い標準語。『呉れならす』。
(〜)くんしゃい 【動】【助】下さい
(くんしゃく) @ふすべやくこと。A苦しめなやますこと。B勢いの盛んなたとえ。熏灼。 『薫灼』。
くんじゃく:生意気:栃木。
くんしゃぐ
くんしゃく
字義をときあかすこと 『訓釈』。
(〜)くんしょ
(〜)くんしょー
【動】【助】下さい
くんじょゆー 【動】でしゃばる
(くんじょう) @君主。君。A勲功を賞して賜る勲状。Bいぶしむすこと。 @君上。
A勲状。
B燻蒸。は今でも日常的に使われる。『燻蒸剤』
ぐんじょいろ 群青色 短縮形。
(〜)くんせー 【動】【助】下さい
くんせやー @【動】【助】下さい、A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『集覧:稲』。『くんさいや』が訛ったもの。
(〜くんず) 【複】〜下さい 群馬。
むず:【助動】(活用は不完全なサ変型) 助動詞ムに助詞トおよび動詞スの結合したムトスの転。室町時代「んず」「うず」の形で盛んに用いられた。@話し手の予想を表す。…だろう。Aまさに…しそうだという切迫した予想を表す。B一般的な推量・想像を表す。…だろう。C話し手の意志・決意を表す。…しよう。D適当・当然を表す。…すればよい。当然…すべきである。』とある。
くんだす 【動】@吐き出す、舌を出す、A汲み出す、B▲食べ始める @『食って出す』意味か?。
A『汲み出す』。
B『食い出す』。『集覧:稲』。
(くんたっち いーぐわぁー) うんこすわり 沖縄。
くんだねー 【複】来るんじゃない 禁止言葉。
くんだまり くんだり
くんだり 場末 標準語。『下り』の転。
(ぐんだれ) 無精者 神奈川。
くんたん 薫炭 籾殻を炭化させたもので酸性土を中和するのに用いる。肥料のひとつ。薫炭作りは、まずトタン板に穴を開けることから始まる。それを直径20cm程度の円筒形の柱にして針金で固定する。地面に立て、小枝や乾燥した杉の葉等をその廻りに積んで火をつける。ある程度火種ができたら籾殻をその筒の廻りに円錐状になるように蒔くとあとは待つばかり。
子供にとっては薫炭作りのおまけがあった。薫炭は中央から次第に炭化して行く。丁度その境界あたりの籾殻の中に僅かに残った米がポップコーンのように爆発して食べられるようになるのである。自家製『ばぐだん』である。ただ、薫炭がすっかり出来上がったころは、爆弾も全て黒焦げになってしまうので、タイミングが大事。爆裂した米を素早く見計らって、小枝で払い落す必要があった。
秋は子供にとっても収穫の時で、この他に、柿取り、キノコ取り、椎の実取り、そしてコオロギ取りが楽しみだった。
くんちぇー
くんちゃい
▲くんちゃりまし
くんちょ
くんちょー
@【複】下さい。A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『集覧:行』。
メジャーではない言い方。どちらかというとかなり親しい関係の中で使われる茶化した言い方。当時の新方言だろうと思っていたが、茨城方言集覧に『くちょー』がある。『くれて頂戴』の短縮形。
『くんちゃりまし』は江戸の遊里言葉。
『俚言』には『くんつぁんせう(くんつぁんしょう):下さいといふこと。』があることから、江戸時代の俗語が残ったとも考えられる。福島に類似方言が残る。
茨城方言は、関東では異端と思われているが、異端の要因の一つには、江戸言葉を長く後世に残しているという事が要因であろう。
@・くんちゃい:福島。
くんちゃんしょ:福島。
くんちぇー:福島。
くんちなす 9月9日に食べるナス 9月9日は『重陽:(陽の数である九が重なる意) 五節句の一。陰暦九月九日で、中国では登高という丘に登る行楽の行事がある。わが国では奈良時代より宮中で観菊の宴が催された。菊の節句。九月の節句。重九。(広辞苑)』と言う。
また、『御九日:九月九日のこと。また、その日に行う祭。おくんち。』とも言う。『三九日:九月の九日・一九日・二九日。民間で大切な日とする。さんくにち。』もある。
おくんち:お祭り・祝日:山梨。
くんちまづり 9月9日・19日・29日の行事 赤飯や小豆飯をを作り、ナスを入れたけんちん汁を食べる。
くんつぁい
くんつぇ
くんつぇー
くんつぉー
@【複】下さい。A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『くんさい』の再転訛。丁寧語。『集覧:鹿』。集覧では『くんっあい』と表記されているが、これは発音不可能と考えられる。
『俚言』には『くんつぁんせう(くんつぁんしょう):下さいといふこと。』があることから、江戸時代の俗語が残ったと考えられる。
ぐんどーまーり
ぐんどーまわり
ぐんどめ
ぐんどーめ
ぐるぐるまわること 『集覧:行』。集覧では『回転すること』とある。何かのお堂をぐるぐる回ることに由来すると思われる。塔の露盤上にある心柱上部の装飾に『九輪』がある。『宝輪』とも言う。また別に『相輪:塔の最上層の屋頂に載せた装飾物。露盤・伏鉢・請花(ウケバナ)・さつ管(サツカン)、さつ管に積み重ねられた九輪(クリン)・水煙(スイエン)・竜車・宝珠から成る。金属製・石製などがあり、インドの仏塔(ストゥーパ)に起源するとされる。九輪。輪相。』がある。また『屈輪(ぐり):堆朱(ツイシユ)などの模様の唐草または渦のような形の称。ぐりん。ぐりぐり。』もある。県内には『ぐるんどめーり』という地域がある。
ぎりんどまわり:神奈川。
くんどんいわ 石炭 高萩市。
(くんな) 【複】くれ、下さい 東京三鷹。江戸言葉。
〜くない:宮城。
くんな:神奈川。
くんない:埼玉・静岡。
くんの:静岡。
くんない 【複】くれない くんない:静岡。
〜くんない 【複】〜(して)くれない?、〜(して)下さい くらっしゃい:静岡。
くんない:静岡。
くんね:静岡。
くんの:静岡。
くんれ:静岡。
くんなくともいー
くんなくてもいー
【複】貰わなくてもいい 『くれなくともいい』の撥音便。
くんなこー 反対者 稲敷郡。
くんなせー
くんなんしょ
くんなんせ
くんなんせー
【複】〜下さい 丁寧語。『くんなさい』が訛ったもの。接頭語『お』がつくことも多い。『くんなはい』とも言うが現代では主に関西で使われる。
通常形は『くんな』
『送る』とはもと、@死体を墓地に持っていく、A暮らす・過ごす、意味だが、古代語としての『くる』があって変化したと見られる。『繰る』には『繰る:@細長いものを引き寄せる。また、引き寄せて物にまきとる。たぐる。B綿繰り車にかけて綿花の種子を取り去る。C順々に送りやる。つまぐる。D順々に数える。D書物などのページを順にめくっていく。E(演劇用語) 俳優が脳裡で台詞(セリフ)の順序をつけて次第に繰り出すのにいう。』の意味がある。
『呉れる』の古語は『呉る』。『呉る』は『』に通じ、相手方や遠方から人や物が至る目の前や手元に至る意味の『くる』で、『来る』は古くは『く』であった。
日本語は、間違いなく、アフリカに生まれた人類の祖先が、ヨーロッパ・中央アジアを経て、さらに中国・韓国を経て伝わったであろうし、人類そのものや人類文化の最終到達地であったろう。その意味で、人類の祖先がきづき上げた言葉こそ、日本語に残っているのではないかをいう発想が生まれる。
さらにアメリカの先住民であるインディアンは遺伝学的に日本人に近い。
くないん:宮城。
くなへ:宮城。
くんな:神奈川。
くんなせー:新潟。
くんなな:神奈川。
くんなって:山梨。
くんなはれ:兵庫。
くんなんしょ:福島・群馬。
ぐんなら 【副】【形動】力のぬけたさま、勢いの衰えたさま、ぐんなり 『ぐんなり』の転。
ぐんなり 【副】【形動】力のぬけたさま、勢いの衰えたさま 標準語だが一般には『げんなり』が使われる。『集覧:真』。
『俚言』によれば江戸時代の俗語でもある。
くんなる 【動】苦になる。重荷に感じる。 撥音便。
くなんなえ:構わない:山形。
くんなる:群馬。
こしいでーのくんなってでぎながった:腰が痛いのが苦になってできなかった。
こーたんだらくんなんねー:これなら苦にならない。
くんに
くんにぇ
くんにぇー
くんにゃい
【複】呉れない 撥音便+『ない』の転訛。
けんに:あげない・やらない:福島。
くんにぇ
くんにぇー
くんにゃ
くんにゃい
@【複】下さい。A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『集覧:那・水』。東北系方言。いずれも依頼したり譲り受ける時の言葉。現代の茨城弁に通ずる一方、その他の地方の方言と重なる言葉もある。『呉れな』の意味。江戸言葉の『くんな・くんねえ』の転。
くんにぇが
くんにぇーが
くんにが
くんにがい
くんにがや
くんにがよ
くんにゃいが
【複】呉れないか くんにがい:福島。
◆■ぐんにゃら
◆■☆ぐんにゃり
【副】【形動】力のぬけたさま、勢いの衰えたさま、ぐんなり ぐんにゃり:しおれてだめになる様・力を落とす様:静岡。
くんにゃら
くんにゃら
くんにやら
くんにゃり
【形動】柔らかい様、くにゃくにゃ 『集覧:稲』。
くんにょい 栗のイガ 東茨城郡。
くんにょぎ 栗の木 東茨城郡。
くんね
くんねえ
【動】【助】@くれない、与えない、納めない、A〜してくれない? 撥音便+連母音変形の短縮形。江戸言葉の『くんねえ』には別の意味があり、『呉れてちょうだい』の意味である。その場合は『くれなや、くれなよ』が転じた『くれな+え』が訛ったもの。
@・くんねー:群馬。
おめ、このにおよんでくみさなんにもくんねげれ、れーねんははぢぶだな。:お前はね、この期に及んで、五人組に何も納めない限り、来年は村八分だね。
なんにもくんねがった:何もくれなかった。
A現代の口語では『くんない?』と言う。終助詞『か』を伴うことが多い。
どうしてやってくんないの
くんねー:群馬。
くんねーか・くんねーよ:神奈川。
くんねーが:頂戴よ(くれないかい)。
くんねが
くんねか
くんねーが
くんねげ
くんねーげ
くんねえか
くんねえが
くんねえげ
くんねえけ
【動】くれないか 『くんねえか』は由緒ある江戸言葉だが、今では俗語であり、あまり響きの良い言葉とはされない。
『げ・け』は、終助詞で、原型は『かや・かよ』『かい・かえ』を介して生まれたもの。
くれんけ:山梨。原型は『くれぬけ』と考えられ古語に近い。
◆■▲くんのむ 【動】飲む、飲み込む 『食い飲む』『汲み飲む』意味か?。『集覧:新』。東北では使われないので関東を中心とした方言と見られる。
ぐのみ:鵜呑み:長野。
くんのむ:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京多摩・神奈川・長野・山梨・静岡。
くんべ 【複】@▲(水等を)汲もう、A来るだろう、B▲食べよう、飲もう 古い言い方。『集覧:西』。
(くんらい) 【形】暗い 静岡。
(くんらっしゃい) 【複】下さい 静岡。元『呉れらっしゃい』か。
(〜)くんろ @【動】【助】下さい、A【感】駄菓子屋の呼びかけ言葉 『くれろ』の撥音便。=『くろ』『くれらむ』が訛ったか。
@・くんろ:栃木・群馬・神奈川。
くんろい・くんろよー:神奈川。
(くんろい) 【形】黒い 静岡。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。
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