昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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 茨城方言の特徴は、茨城方言の特徴欄に詳しく紹介しています。ただし、生の発音までは表現できていません。
 また、近年では標準語化が促進し、生粋の茨城方言を語る人は、かなりの高齢者に限られます。高齢者も標準語の波を受けています。
 そこで、このページでは、古き時代の茨城方言を実験的に体験していただくプログラムを作りました。
 このページを訪れた方は、是非声に出してみて下さい。

 さあ、実験してみましょう。

■実験1『土浦』

『茨城』の発音のバリエーションはあまり多くないのですが、『土浦』の発音は驚くほど多いのです。『つちうら』を標準語の原型とすると、つぢうら、つぢゅうら、つぢーら、つちゅうら、つちーらとなる。さらに『つ』は『ち』に近い発音になることが多いので、ちぢうら、ちぢゅうら、ちぢーら、ちちうら、ちちゅうら、ちちーらとなります。標準語読みで正確に発音してしまうと、とたんに茨城人ではないことがばれてしまいます。実際の茨城人の発音はかなり異なるのです。

◆まず、茨城弁は東北弁系なので、標準語のようにはっきり発音することはありません。口元の筋肉の緊張をできるだけほぐして、発音しましょう。
濁音型:『つぢうら、つぢゅうら、つぢーら、ちぢうら、ちぢゅうら、ちぢーら』
清音型:『つちゅうら、つちーら、ちちうら、ちちゅうら、ちちーら』

◆全ての音がすこし鼻に抜けるようにしてみて下さい。そう、『東八郎』風にです。もう1回、
濁音型:『つぢうら、つぢゅうら、つぢーら、ちぢうら、ちぢゅうら、ちぢーら』
清音型:『つちゅうら、つちーら、ちちうら、ちちゅうら、ちちーら』

◆最後に、濁音型、清音型に分けて各々の発音が同じに聞こえるように筋肉を調整しましょう。
濁音型:『つぢうら、つぢゅうら、つぢーら、ちぢうら、ちぢゅうら、ちぢーら』
清音型:『つちゅうら、つちーら、ちちうら、ちちゅうら、ちちーら』

 もし、上記の言葉が、濁音・清音の二つに分けて、2種類の『土浦』発音ができたら、貴方は、原始の茨城弁を発音できたことになります。それが当時の生粋の茨城弁と言って良いでしょう。


■実験2 『おっちょこちょい』

『おっちょこちょい』は、現代茨城では、基本的に標準語と同じですが、かつては、随分訛っていました。

◆濁音化
まず、濁音形の『おっちょごちょい』があります。『ちょ』の発音はやや強めに発音します。唾が出る位にしてみて下さい。
読んで見ましょう。
おっちょごちょい

◆ウ段音に収束
次に、ウ段音に収束する傾向があるので、『おっちゅぐちゅい』と聞こえます。極端に表現すれば『うっちゅぐちゅい』とも聞こえるのです。
読んで見ましょう。『お』を『う』に近づけて発音して下さい。
おっちゅぐちゅい、うっちゅぐちゅい

◆直音化
直音化傾向があるので、『おっちぐちゅい、おっちごちゅい、うっちぐちゅい、うっちごちゅい』と聞こえます。
続けて読んで見ましょう。
おっちゅぐちゅい、うっちゅぐちゅい
おっちぐちゅい、おっちごちゅい、うっちぐちゅい、うっちごちゅい


◆さらなる直音化
高齢者などはさらに直音化して、『おっちぐちー、うっちぐちー』となります。ただし、完全な直音になるわけではなく、僅かに拗音を残して発音してみて下さい。それが茨城県の標準的発音です。
おっちぐちー、うっちぐちー



茨城方言の発音上の主な傾向は上記の通りで、これらの傾向がもとになって伝言ゲームを繰り返し、茨城方言が発生する大きな要因を作ったと言えます。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
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