昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。印:新編常陸国誌掲載語。印:茨城方言民俗語辞典掲載語。印:茨城弁今昔掲載語。印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。印:日本方言辞典掲載語。浪花聞書掲載語。印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例
(す) (1)す【洲・州】
水流に運ばれた土砂が堆積して、河川・湖海の水面上に現れた所。砂洲(サス)。
(2)す【砂・沙】
すなの意か。
(3)す【素】
@ありのまま。
A何物も伴わないこと。
B(他の語の上に付けて)軽蔑の意をこめて、ただの、みすぼらしい、などの意を表す語。
C程度のはなはだしいことを示す語。
(4)す【巣・栖】
@鳥・獣・虫などがこもりすむ所。
A(比喩的に) 人が住みつく所。
Bひそむ所。かくれが。
Cクモの網
(5)す【酢・醋・酸】
(6)す【簀】
(7)【鬆】
・大根・牛蒡(ゴボウ)などの心(シン)に多くの細い孔を生じた部分。
・鋳物を造る際、溶融状態の金属が鋳型に流し込まれ、冷却して収縮するとき、金属内部に生ずることのある空洞部分。
(8)す【簾】
「すだれ」に同じ。
(9)す【馬尾】
(10)す【子】
(11)す【守】
(12)す【須】
(13)す【数】
(14)す【為】
・自サ変:する。
・他サ変:する
(15)す:助動
1)(活用は四段型) 奈良時代のみに使われた。
@(動詞の未然形につき) 尊敬・親愛を表す。…なさる。…していらっしゃる。
A「寝(ヌ)」「着る」「見る」などの動詞につく場合、音韻変化をおこして、「寝(ナ)す」「着(ケ)す」「見(メ)す」という形になる。
2)(活用は下二段型) 四段・ナ変・ラ変活用動詞の未然形につく。主にかな文学系に用いられた。→さす→しむ。
@使役を表す。…させる。…せる。
A中世の武者詞で、他者が自分に対してしかける動作を許容・放任する形で、受身に代えて用いる。…に任せる。…れる。
B尊敬を表す語と共に用いて尊敬の意を強める。
C謙譲を表す語と共に用いて謙譲の意を強める。
(16)す【候】:助動:サウラフ(候)の略サウのさらに転じたもの。閑吟集「嵐では無げに―よの」
(17)す:助詞(終助詞) :現代語の「さ」に当る。
(18)す【主】:接尾(上方語) 氏名・称呼の下につけて、尊敬の意を表す。
(19)ず:「す」の濁音。舌端を前硬口蓋に寄せて発する有声摩擦子音〔z〕と母音〔u〕との結合した音節。〔zu〕 鎌倉時代まで「づ」と区別があったが、以後混同し始め、現在一般には「づ」「ず」の区別はない。
(20)ず【図】
(呉音)
1)えがいた形。え。絵画。
2)様子。光景。
3)地図。
4)〔数〕面・線・点などの或る集合から成る形。
5)〔心〕紙面に描かれた図形を見るとき図形に当る部分が他の領域に比べて浮き上がって見える場合、前者を図(図柄)、後者を地(地面ジヅラ)という。
6)思うつぼ。たくらみ。はかりごと。おあつらえむきの情況。
7)〔音〕十二律の各音階の正しい調子を表したもの。徒然草「当寺の楽は、よく―をしらべあはせ」
(20)ず【豆】
(21)ず【事】
(22)ず【徒】:律の五刑の一。今の懲役刑。一年から三年まで半年ごとの五等級とする。流(ル)より軽く、杖(ジヨウ)より重い。徒刑。徒罪。
(23)ず【頭】
(呉音) かしら。あたま。こうべ。
(24)ず【出】:自下二:「いづ」の約。
(25)ず:助動:(「むとす」の転「むず」「うず」が更に転じたもの) 意志または推量を表す。
(26)ず:助動:(活用は特殊型) 動詞および或る種の助動詞の未然形に接続して確信のある打消を表す。…ない。未然形「な」・連用形「に」・連体形「ぬ」・已然形「ね」という一連の活用系列があり、この方が古い活用系列であったと推定されている。古典語の「ず」は、この連用形「に」に「す」がついて成立したものといわれる。奈良時代、連用形「に」は「知る」「かつ」「飽く」などの動詞に限り接続。(平安時代には「言へば得(エ)に」の慣用句の形としてだけ残った) 「ずあり」から補助活用「ざり」の系列ができた。口語では、連用形「ず」の中止法「ずに」、終止形「ずとも」、「ぬ(ん)」、「ねば」などが慣用的に用いられてはいるが、別に「ない」がどの用法も備えて広く用いられている。
青物市場 『市』の意味。『集覧:真』。


すー
ダイコン・ゴボウ等の芯にある隙間 『鬆』(す)。
:静岡。
すかり:群馬・神奈川。

ずー
『ど・どう』がさらに訛ったものと考えられる。
『称呼』には『竹瓮(たつべ:魚をとる具也):近江にてたつめといふ。河内にてぢんどうといふ。四国にてうゑと云。武州にてどうと云。江戸の北いなかにてどうと云物に似て 少し別なる物をごしうけと云。其形椀をふせたるに似たり。いにしへの椀をがうしといひければ合子魚器(がうしうけ)とやいひつらん。今は詞ちぢみてごしうけとよぶ也。』とある。
ずー:千葉。
『集覧:無記載』。『ぶ』が訛ったと考えられる。
くせ、弱点 北茨城市の方言。『地(じ)』(うまれつきの性質。もちまえ。)の意味だとすれば東北系の方言。

ずっこ
繭を作る前に頭が透明になったカイコ。熟蚕。 ずー:群馬。
(ず) 節も曲がりも無い棒 神奈川。
(す) 船を数える単位、艘 鹿児島。
(すー) 仕え従う人。あるじ。主人。 沖縄。『主(す)』。
ず〜
す〜
【接頭】種々の語に付いて、並みのことでない、程度が一通りでないの意を表す。 多く『図』『頭』が当てられる。現代では『ずぬける』『図太い』がある。似た接頭語に『ど』があるが、この場合はののしる気持ちが込められる。しかし『ず』も『ど』ももともとは同源と考えられる。辞書の表現にも関わらず現代語には用例が少ない。
茨城方言では、『ずいがい』『ずのぼせる』『ずはずれで』『ずだまる』等がある。
『俚言』には『:(中略)又物をあしくいふ詞にづくろいつぶといづおうへいなどあり。』とある。古くはいずれの言葉にもつけたと思われるが、時代の変遷に伴って少なくなってしまったと考えられる。
清音形は現代では利用例が少ない。『素』と当てられ、『素敵・素晴らしい』などがある。
す〜:千葉・神奈川。
すてれっ:千葉。『てっつ』は茨城・千葉・東京都大島で使われる。
すかってー:堅い:神奈川。
すでっけー:大きい:神奈川。
すっ:お転婆:神奈川。
すっんでく・すっんやろー:悪戯者:神奈川。
すばか:愚か者神奈川。
〜す 【助動】〜させる 使役の助動詞。現代語の『せる』の古形。
日本語の使役の助動詞は、『す』『さす』(文語)『せる』『させる』(口語)があり未然形の動詞につく。『す』『さす』は文語と定義されているが今でも日常語の中で使われる。これが動詞の活用の種類と組み合わされる。さらに使役受身形は、『れる』『られる』(口語)でそれとの組み合わせとなる。『す』『さす』『せる』『させる』の未然形は括弧『せ』『させ』に集約されるので、そのまま単純に組み合わせると、『せれる』『せられる』『させれる』『させられる』となる。例えば動詞『書く』の未然形は『書か』だから『書かせれる』『書かせられる』『書かさせれる』『書かさせられる』となる。ただし、『れる』は『(活用は下一段型) 五段・サ変の未然形(さ)に接続』と言う制約があるので、『書かされる』『書かせられる』『書かさせられる』となり、『られる』には『(活用は下一段型) 上一段・下一段・カ変・サ変の動詞、助動詞「せる・させる」の未然形に接続。(口語のサ変は「さ」に「れる」が接する形の方が多い)』の制約があるのが『書かされる』『書かせられる』『書かさせられる』が成立する。
あいづやらすんだらおらやんね:あいつに遣らせるなら俺は遣らない。
〜す 【助動】〜です 候(さうろう)→さう→す。
広辞苑に『:【助動】サウラフ(候)の略サウのさらに転じたもの。閑吟集「嵐では無げに―よの」』。
標準語世界でも若い人や大学の体育会系サークル等で使われる。現代標準語をベースにするといわゆる『で』無し言葉となる。
この言葉は長塚節の『土』の茨城弁には全く無かった一方で、古典落語には良く出て来る言い回し。広辞苑に『【候】:サウラフ(候)の略サウのさらに転じたもの。閑吟集「嵐では無げに―よの」』とある。
今では東北方言に良く残る。また濁音化した用例もある。これはやや強調した表現のようで『ぞ』にも思われる。
〜す: 秋田・山形・宮城。
〜す:〜ですか:宮城。語尾を上げる。
〜ず:秋田・山形。
〜ずー:山形。
〜す:〜でしょう:宮城。
〜すや:〜ですって?:宮城。
いくのす:行くのです:岩手。
なしてす:どうしてです:岩手。
そーすか:そうですか。
やったんすか:遣ったんですか。
〜す 【助】〜さ 実質的に前項と同じルーツの言葉とみられる。
広辞苑に『:【終助詞】現代語の「さ」に当る。浮世風呂四「自然とおとなしくなるからじやまにもならねへ―」』とあり、大辞林に『:【間投助】〔近世江戸語〕文末(まれに文中)にあって、軽い確認の気持ちを表す。「かういい心持ちに酔つたところを湯へ入つて醒すは惜しいもんだ―/滑稽本・浮世風呂 4」「はて湯のふりで稽古に行つて―、銅壺の湯で手拭をしめして帰(けえ)る人のやうにやあいくめえ―/滑稽本・素人狂言紋切形」』とある。
現代語の『さ』は近世からすでに使われていたが、この終助詞『す』に終助詞『わ』がついた『すわ』が訛ったとも考えられる。
茨城では訛って『し』が使われることが多い。東北では今でも使われている。
〜す:岩手・宮城。
いつくるす:いつ来ます?:岩手。
どこぁいてぇす:どこが痛いです?:岩手。
★『四十八癖』:けふは仕方がねへえす
おはようす
(〜ず、〜ずら 【助動】@〜しよう(意志・勧誘)、A〜だろう 長野・山梨・静岡・愛知四県限定の言葉。やや古い表現の『〜(しよう)ぞ』が近い。
『ず』は勧誘の助動詞で主に長野で、『ずら』は推測の助動詞で長野・山梨・静岡で使われる。『ず』の変形したと考えられる『ざー、ざーい』もある。『だら』『ずら』が変化したか、『にてあるらむ』意味とも考えられる。山梨に中間形の『どぅら』がある。
『ずら』は広辞苑に『(助動詞「らむ」「〜うず」に接続した語「〜うずらむ」の省略された形) 推量・疑問の意を表す。〜だろう。』とある。『うず』は@予想、A推量・想像、B意志・決定の助動詞『むず』の変化したもの。このことから『ず』『むず』が変化したものと見られる。この説明は解り難いが、『う』は現代でも使われる意志・決意・推量・命令・勧誘等の助動詞『う』(当然・適当・仮想・可能性の意味は現代ではない)と同じであるから、近世に多く使われた『いこうぞ:行こうよ、しようぞ:しようよ、やろうぞ:遣ろうよ』の『うぞ』『うず』は同じだと考えれば解りやすい。
現代では珍しい言葉と認識されやすいが、この『ず』は『だ』に近い。『〜ずら』は『〜であらむ・〜にてあらむ』に近い。すなわち、ステレオタイプの関東方言の『〜ですだ・〜ですら』と同じである。また、古い言い方に『〜だだ』があるが、現代では『〜だのだ・〜たのだ・〜だんだ・〜たんだ』である。『〜なりにてある・〜たりにてある』意味なのだろう
地域によって、意志・決意・推量・命令・勧誘の意味のうち特定の意味で使われているのは、複数の意味を持つと誤解されやすいからだろう。
さて、一般に現代東日本の典型的な意志・決意・推量・勧誘の助動詞は『べい・べえ』である。れでは、『ずら』『べい・べえ』の関係はどうなのだろう。『べい・べえ』は江戸時代の江戸で使われていたから、一般に新しい言葉が古い言葉を駆逐すると考えると、最初に『〜うずらむ』が東国に伝わり、その後中部地方では『ずら』『だら』『ず』等に変化した後、『べい・べえ』が伝わり、東国に浸透したと見られる。
大学受験の浪人時代に予備校の国語の先生が、『ず』は、否定の助動詞ではなく、推量・疑問の助動詞だと教えられた事は記憶に新しい。
〜ざー:勧誘・意志の助動詞・〜しよう:長野・山梨・静岡。元『〜ずら』か。
〜ざーい:勧誘・意志の助動詞・〜しよう:山梨。『〜ずあらん』の意味か。
〜しょ:〜だろう:静岡。
〜ず:勧誘の助動詞・〜しよう:長野・山梨・静岡。動詞の未然形につく。きかずか:聞こうか:山梨。断定の助動詞。いかず:行こう:静岡。いってこず:行って来よう:静岡。
〜ず:〜だろう:長野・山梨。
〜ずー:勧誘の助動詞・〜しよう:長野・山梨。動詞の未然形につく。
〜ずか:推測の助動詞・〜だろうか:長野。動詞の未然形につく。あらずか:あるだろうか:長野。
〜ずら:推測の助動詞・〜だろう:長野・山梨・静岡。いくらずら:幾らだろう:静岡。『うずらむ・うず・むず』
〜ざー:〜しよう:静岡。かーざー:食おう:静岡。かいらざー:帰ろう:静岡。
〜ずら〜よ・〜だ:長野。いーずら:良いよ:長野。
〜ずらー〜よ・〜だ:長野。『うずらむ・うず・むず』
〜ずらか:だろうか:山梨。
〜だず:〜だろう:長野。
〜だぢ:〜だ(断定を強調):長野。
〜だら・〜だらー:推測の助動詞・〜だろう:長野・静岡・愛知。『にてあるらむ・であるらむ』。
〜だらか:〜だろうか:静岡。
〜だらず:〜だろう:長野。
〜だらに:〜だろうに:静岡。
〜つら:〜だろう:静岡。どーしつら:どうしたのだろう。
〜どぅら:推測の助動詞・〜だろう:山梨。『ぞあらむ』。
〜なんず:〜しなかっただろう:長野。
〜ら:〜だろう:山梨・静岡。元『〜ずら』か。
〜らず:〜しよう:長野。
(〜ず 【複】〜だそうだ 青森方言。
茨城方言の『どぅ、ど』に当たる。
〜ず:〜みたい:沖縄。
あるず:あるそうだ:青森。
すー
すう
【動】(臭いを)嗅ぐ マイナーな方言だが、方言地図では全国に4箇所存在し、そのうちの一つが茨城にある。方言と言うより、『空気を吸う』意味に準じた言い方だろう。
〜ずあ 【助】〜ずば 茨城方言ではなく江戸言葉である。『〜ずは』。さらに訛って『ざ』とも言う。
やらずあなるまい
いかずあなるまい
しずあなるまい
こしらえずあなるまい
(ずあら) 【形】真新しい様 神奈川。
ずあらぐ 【副】乱暴に、手荒に、乱雑に 『図が荒く』の意味か。
ざーく:沢山:静岡。
ずあらっ 【形】乱暴な様、手荒な様、乱雑な様 ざらっ:大まかな人:神奈川。
すあらっ:山梨。
すある 【動】座る
すい 風呂、入浴 『素湯』あるいは『水風呂』の意味か?。『素湯』とは『白湯』(さゆ)と同じ意味で、水を沸かした風呂。
すい 酢の物 『酢和え』が訛ったと考えられる。真壁郡の方言。ただし、古い言葉に形容詞の『酸い』がある。
すい:すっぱい:大阪。
すい すしえど:山形。
すぃ 標準語の『し』に当たる発音 英語の『si』に近い。
ずぃ 標準語の『じ』に当たる発音 英語の『zi』に近い。『di』と発音することもある。『じぇ』『でぃえ』とも聞こえることが有る。口蓋化しない『i』音。日本語ではかつて『じ』と『ぢ』は識別されていたがその名残か。東北弁の『じ』は『ず』に近いが、それより標準語に近い。。標準語の『じ』を発音する時より舌の位置が僅かに奥にあり、かつ口の中の空間を広くして発音する。さらに米国語に近い鼻に抜ける発音である。
今でも高齢者の発音に残る。
ずぃーかいでみろ:字を書いて見なさい。
ずぃーぶん:随分。
かんずぃ:漢字・感じ。
ずぃーはぢ:十八。
(〜ずい・〜ずり) 【助】〜まで、〜へ 鹿児島。
『〜ぞに、〜ぞへ』。
(すいあさって・すえあさって) やのあさって 神奈川。
四日後を『しあさって』と言うのは東日本に顕著な言い方。
すいが 西瓜 また、方言地図では、濁音発音するのは千葉・茨城と東北に限定されることが報告されている。一方、北陸から東北の日本海側では『すいぐわ』と呼ばれるという。
ずいがい 【形】体格が大きい、甚だしく大きい 『ずいかい』意味。
すいがん
すいかん
西瓜 『冬瓜』『とうん・とうと発音するなら、『西瓜』『すいん・すいと発音しても良さそうだが、標準語では何故かそうは言わない。『集覧:北』。『すいかん』は神奈川・三重県でも使われる。
『称呼』には『冬瓜:かもうり(とうは):畿内及中国北陸道或は上総にて、かもうりといふ。東国にて、とうといふ。東国にては、とうとはねてよび(下略)』とある。
『すいくわ』が転じたものと考えられる。
この言葉は茨城方言でも最も注目されて良い言葉のはずである。
現代語のスイカは『西瓜・水瓜』と当てられる。『水瓜』は和流の当て字だろう。本来は、『西瓜』である。広辞苑には『(スイは「西」の唐音) ウリ科の一年生果菜。アフリカ中部原産とされ、わが国には一六〜一七世紀に渡来したという。蔓性で雌雄同株。球形・俵形などの大形果実をつけ、果肉は淡紅・紅・黄・クリーム色などで水分多く甘味がある。夏の生果として食用。種子も食用。多くの品種があり、今はほとんど一代雑種。三倍体によるタネナシスイカもある。季語 ・秋。毛吹草四「蓮芋・ボブラ」』とある。
ところで、中国のかつての首都『西安』は、『しいあん・せいあん。さいあん。』などといわれた。今では、『せいあん』が一般的らしい。
いずれ、茨城方言の本流が何かを論じられる時代が来ると思われるが、果たして、『スイカ』は『すいがん』となるのだろうか。少なくとも何故『すいがん』と言うのか、歴史的な解明を期待したい。
すいがん:山形。
すいかん:神奈川。
ずいき 芋茎、サトイモの茎、芋がら 一般には上方語である。
:神奈川。
さき:埼玉。
ずいぎ:宮城。
(すいぎい) 追い剥ぎ 鹿児島。
すいきょ ものずき。好事。好奇心。 『酔狂・粋狂』。
すいくさい
すいくせー
【形】饐え臭い、饐えた臭いがする 『饐え臭い』という言葉は辞書には無い。日本書紀に『すえりくさる』があるという。
しくせ:宮城。
すいくち 丸太材の細い方の切り口 『末口』。建築専門用語。
(すいこー) 怠け者 静岡。
すいしじー
すいしじゅー
@すえのすえまでつづくこと。ゆくすえながいさま。A最後。 『末始終』。
@・すえしじゅー:東京。
すいしろ 風呂 『据風呂』。北茨城市の方言。すいふろ→すいひろすいしろと変化したと考えられる。ただし『据えし呂』の意味かもしれない。
しーっしょ:宮城。
すいしょ:宮城。
すいしろ:福島。
すいふろ:東京武蔵村山・山梨。
すいほろ:神奈川。
すしろ:福島。
すーしろ:福島。
すっしょ:宮城。
すよろ:山梨。
すいしろこ 風呂桶 北茨城市の方言。
すぃすぃ 寿司 英語の『sisi』の発音。
すす:福島。
すぃすぃ:福島。
すいたい 【形】体が大きい 『集覧:稲』。『すいかい』意味。『素』にも程度が甚だしい意味がある。『素早い、素ばしこい』。
すいだらしー 【形】@感じがいい、好ましい、A好きになったらしい 『好いたらしい』。
@・すいたらしー:東京。
すいずい 恋愛、恋愛結婚 『好き添い』の意味。
すいーちょ
すいちょ
すいちょむし
ウマオイムシ
すいづげる
すいつける
【動】据え付ける すつける・すづげる:宮城。
すいでる 【複】@饐えている、A空いている @★ごあんすいでっと:ご飯が饐えてるよ。
A★ぜーぶんすいでんなやあ:随分空いてるなあ。
すいでる 【複】好いてる 『好いてる』はれっきとした標準語だが最近はとんと聞かなくなった。『好く』はどうやら死語になってしまったようである。
あいづはきっとちーちゃんすいでっと:あいつはきっと知恵ちゃんを好きだよ。
すいっちょばな ホトケノザ どこでも見られる野草。
すいっちょ
すいっちょむし
すいっちょめ
すいっちょん
ウマオイムシ 『すいっちょ』は標準語の俗語。童謡『虫の声』では『すいっちょん』と呼ばれている。
すいっちょ:埼玉。
すいっちょ:キリギリス:群馬。
すいっちょん:埼玉。
すいっちょん:キリギリス:群馬・神奈川。
(すいっー) 【形動】鋤間もなく物と物がはまりあう様 神奈川。『す』は程度のはなはだしい意味の接頭語の『素』。
すいっ タニシ汁 『集覧:無記載』。『吸い物』の茨城弁らしい表現。
稲敷郡では『タニシ』を『すいっと言う。
すいで 叉手網 『叉手・小網』。北茨城市の方言。
すいどう 給水施設、給水の蛇口 古い標準語。
(すいとくじする) 逃げること 東京三鷹。
広辞苑に『ずいとくじ【随徳寺】:(ずいとそのままにする意を寺の名めかしていった語)後の事など構わずに跡をくらますこと。』とある。
(すいどん) 水門 静岡。
ずいに そのまま直ぐに逃げること 『ずり逃げ』『ずる逃げ』に意味が訛ったと思っていたら、古い標準語。『明和・安永(1764-1781)頃に流行する』とある。
すいにゆく 風呂に行く 『集覧:猿』。茨城方言集覧には『すひにゆく』と表現され、意味を『素湯に行く』とある。
『素湯』とは『白湯』(さゆ)と同じ意味で、水を沸かした風呂。
すいはく 漏斗の一種。酒を樽に移すもの。 すいかん:栃木。
すいはく:漏斗類全般:栃木・群馬。
(すいばん) 流し、水屋 神奈川。
広辞苑に『水盤:陶製・鉄製・木製などの浅い器。中に水をはって花を生(イ)け、または盆石などを置く。水盆(スイボン)。』とある。
すいひろ
すいふろ
風呂 『水風呂』(すいふろ)・『据え風呂』。正確には『桶の下部が釜になった、水から沸かす形式の風呂』を言う。それ以前はカマドの大釜で湯を沸かし風呂桶に移して使った。『集覧:多』。
『すいひろ』は単に訛っただけでなく、『水所』の意味も感じられる。順行同化とも見られる。
おすいほろ:静岡。
しーっしょ:宮城。
すいしょ:宮城。
すいしろ:福島。
すいひろ:静岡。
すいふろ:東京武蔵村山・長野・山梨・静岡。
すいほろ:神奈川・静岡。
すいろけ:静岡。
すしろ:福島。
すーしろ:福島。
すっしょ:宮城・福島。
すよろ:山梨。
すいひろこ 風呂桶 『水風呂桶、据え風呂桶』の意味。
すいふろこ:神奈川。『こは『桶』のこと。
すいほろけ:神奈川。
ずいぶ 【副】随分
すいふろもご
すいふろもこ
婚家に入っても落ち着かない婿 せーふるもこさん:家になつかない婿:栃木。
せーふろもこ:出るの入るのと大騒ぎする婿:群馬。
(ずいぶんにゃー) 【副】随分に 静岡。
(すいべる) 【動】滑る 静岡。
(ずいや) 料理屋 鹿児島。
すいやせん 【慣】すみません 他人に何かを尋ねる時の言葉。『すみません』『すいません』。実際の発音は『しーやしん』との中間。
すいらすいら 【副】すいすい
◆▲すいる 【動】@▲(ご飯などが)すえる(饐える)A(お灸を)すえる、B物を据える、C吸える @『饐える』。『集覧:真』。標準語が訛ったのではなく『饐ゆる』が訛ったと思われる。
しる:宮城。
しれる:福島。
すいる:栃木・群馬・埼玉。
すしぇる:山形。
すれる:山形・秋田・宮城・福島。
AB『据える』『据ゆ』。
すいる:群馬。
C『吸える』。
すいる:群馬。
すいる 【動】@添える、A仲間に入れる、B口に入れる、C(器に)入れる、D(言葉を添える)言う 『添える』→せえるすえるすいる
『据える』(@場所をきめて人をとどまらせる。居させる。すわらせる。竹取「かぐや姫―・ゑむには…うるはしき屋を造り給ひて」。源須磨「若君…とて膝に―・ゑ給へる御気色忍び難げなり」。「客を上座に―・える」A一定の地位につける。源紅葉賀「坊にも―・ゑ奉らずなりにしを」。「大臣に―・える」「妻の座に―・える」B人を置いて番をさせる。)そのものであることも否定できない。
A・すえる:神奈川。
C・すいる:群馬。
Eその他。
すえる:神仏に供える:静岡。
すいる 【動】吸える
すうぇる 【動】据える 『うぇ』はweと発音する。古語の『ゑ』音。『すゑる』。
すいる:群馬。
きーすうぇる:お灸を据える。
(数詞) 古くは、いぢ(いーぢ、いぢー)、に(にー)、さん(さーん、さんー)、し(しー)、ご(ごー)、ろぐ(ろーぐ、ろぐー)、なな・ひぢ(ひーぢ、ひぢー)、はぢ(はーぢ、はぢー)、きー(きゅー、く、くー)、と(とー)、じーいぢ、じーに、じーさん、じーし、じーご、じーろぐ、じーひぢ、じーはぢ、じーく、にじー、にじいぢ、にじに、にじさん、にじし、にじご、にじろぐ、にじひぢ、にじはぢ、にじく(にじくー)、さんじー、−−−と数えた。長音の使い分けはリズムによる。標準語の十の発音は、例えば『二十個』は『にじっこ』となり、何故かNHKアナウンサーの発音に近い言い回しになる。ラジオ体操の掛け声は、『いぢにーさんしー』『おっちにーさんしー』『おいぢにーさんしー』となる。
(ずうずうべん) ずうずう弁 広辞苑には『東北人特有の鼻にかかる発音のしかた。東北弁。』とある。これは、茨城弁の特徴でもあり、訛りのきつい人を『あいざーずーずーびんしどくてぃやー』などと言った。
ずうたい
ずーだい
図体 清音なら標準語。響きが良く無いせいかあまり耳にしなくなった。
すえくち 丸太材の細い方の切口 『末口』。林業・建築の専門用語。昔は小屋組みに丸太材をしばしば使ったので、その際丸太材の寸法を指定する時に末口の径を明示した。現代ではログハウスでもなければ丸太材を使う事はほとんどない。
すえしじゅう 【副】将来ずっと、末永く 『末始終』。
(すえつ) 月末 佐渡島。
(すえでき) 遅くなって成長すること 神奈川。
すえふろ 風呂 やや古い標準語の『据え風呂』。正確には『桶の下部が釜になった、水から沸かす形式の風呂』を言う。
すえる 【動】@添える、加える、A仲間に入れる、B口に入れる、C(器に)入れる、御(言葉を添える)言う 添える→せえるすえる。オールマイティの単語。意味は標準語とほぼ同じ。『オ行音』が『ウ行音』に変わった典型例。
A・すえる:群馬・埼玉。
『据える』(@場所をきめて人をとどまらせる。居させる。すわらせる。竹取「かぐや姫―・ゑむには…うるはしき屋を造り給ひて」。源須磨「若君…とて膝に―・ゑ給へる御気色忍び難げなり」。「客を上座に―・える」A一定の地位につける。源紅葉賀「坊にも―・ゑ奉らずなりにしを」。「大臣に―・える」「妻の座に―・える」B人を置いて番をさせる。)そのものであることも否定できない。
すか
すーが
すーか
【慣】そうか 古い言い方。
すか (くじなどが)外れること、あてが外れること 標準語。広辞苑には『あてがはずれること。見当ちがい。はずれ。へま。すかまた。』とある。上方語とされる。
語源辞典には『透かす』の語幹に由来し、透き・空隙の意に由来するとある。参考説に、『@類義語にスカタン(スコタンとも)・スコマタがあり、前者は上方語、後者は江戸後とみられる。A弓で、的を射損なう様をスカスカというが関係があるか。』とある。私の記憶には『すこまた』は無い。
私見ではあるがこの説明にはもっと詳しい説明がないと理解することができない。はずれることと透き・空隙の関係が解らないからである。むしろ江戸時代に頭語が流行ったことを考えると『滓(かす)』げ転じたと考えると随分すっきりする。スカタンが上方語だとしてスコマタが江戸語だとしたら、スコマタは、スカタンの『タン』タンをひっくり返して『スカンタ→スカムタ→スコマタ』と転じてもおかしくはない。
また茨城方言には『かすたれ』がある。くそたれの糞が滓になった言葉とも言える。この『かすたれ』がの『かす』が『すか』になれば『すかたれ』になる。まさに『すかたん』に結びつく。
橘正一の『方言学概論』では、『すか』の最東領が山梨の『すかをくれる』としているが、茨城にもあるから、是正しなければならない。
すか:静岡・愛知・大阪・和歌山・神戸・鳥取・島根・山口・岡山・福岡。
すかをくれる:騙す:山梨。
このくじはぜーんぶすかだねーのが:このくじは全部外れじゃないのか。
□すか @川べりの土地、A海岸の砂浜 @旧稲敷郡。『すかっとも言う。
A旧多賀郡。万葉集の時代からある東国語。
広辞苑には『川水・海水などによって生じた砂地。砂丘。浜すか。万一四「―辺に立てる貌(カオ)が花」』とある。
現代でも地名の多くに『須賀』が使われる。
『俗語』には『いっしき:国々に一色と書ていっしきといふ地名多かり。こは東国にて海川の入りこみたる砂地をすかといへり。すは州、かは岡の加にて陸(をか)と云に同じ。是に准(ふ)るに、入州陸(いりすか)の義なるを、世俗の急語に唱へて、いつしきとはひつめたるならん。苗字にあるも、さる地より出た名なり。』とある。
(す :岩手。
:薄氷:宮城。
:岩手・秋田。
〜すか 【複】〜ですか 『候か』の意味。
茨城では、ほとんど『そーすか』の形で使われるが、東北では様々な言い方で使われる。
〜すか:岩手・宮城。
〜すかや:宮城。
いかすか:行きましょうか:静岡。元『いかずか』か。
いくすか:行きますか:岩手。
いかなぇすか:行きませんか:岩手。
【動】雌雄がつるむ。交尾する。 『番う』。
あく
あく
【複】ゴボウやダイコンの中に空隙がある意味 『鬆(す)が開く』意味。
あだる 【動】狙いが当たる 『図が当たる』意味。標準語では通常『図に当たる』と言う。名詞形では『図星』。
すかい 【形】酸っぱい 標準語の『すかんぽ・すかんぼう』の存在を無視できない。『すっぱい』ことを古くは『すかい』と言っていたのではないかと思わせる。しかし古語辞典には無い。
すかい:東北全県・茨城・千葉・栃木・新潟・長野。
すかっ:福島。
すけ:東北・岩手・山形・福島。
すけー:東北・岩手・山形・福島。
すっかい:岩手。
すっかえ:山形。
すっこい:江戸。
つがい(番) :栃木。
い・す・す:藁の穂先を結んで、稲束を作る簡易な縄:神奈川。
いなわ:桑の木を縛る縄:神奈川。
いどむし
いとむし
クスサンの幼虫 『すが糸虫』の意味。広辞苑に『すが糸:生糸一本を、撚(ヨリ)をかけず、そのままに用いる糸。白髪糸。』とある。
すかきめる 【動】知らない振りをする
すかくー 【動】騙される、当てが外れる 『すかを食う』。
すかをくー:静岡。
すかくれる 【動】騙す 『すかをくれる』意味。
すかをくれる:静岡。
すかさねー 【複】抜け目が無い 『すかさず』の流れ。
すかさない:群馬。
すかしっ 音の出ないおなら 標準語。
すかしっ:東京。
つしべ:鹿児島。
すかしべー 音の出ないおなら すえらべ:山形。
すかしやね 土蔵で、屋根と本体の間に隙間を設けた屋根 『透かし屋根』の意味。今で言えば屋根裏通気。
すかす 【動】@◆気取る、すましこむ、A言いくるめて騙す、慰めなだめる、おだてる、B間を空ける、C音を立てずに屁をする @俗語。
すかす:東京。
つかす:山形。
A『賺す』。
BC『透かす・空かす』。
すかす 【接】しかし
すかすか 【副】@緩いこと、間があいていること、A切れ味の良い様、B(仕事等を)どんどんやる様 標準語。
@の意味は現役。
すかんすかん:神奈川。
A今やあまり使われない。
B今やあまり使われない。
すかすか:静岡。すかすか食べる:どんどん食べる。
すかせる 【動】好きにさせる
すかたん @失敗、騙されること、A間抜け 今ではあまり聞かれなくなった言葉。原型は『すか』か。
『すこたん』
辞書には『あてのはずれること。だまされること。また、間違い。見当違い。まぬけな、見当違いのことをした人をののしっていうのにも用いる。すこたん。すかまた。』とある。古語辞典には近世上方語とある。
私の記憶の中にあるのは当時のテレビ番組を通じて得られたものかどうかは不明である。
@は単独で『すか』とも言った。
すかたん:間違い:滋賀・大阪。
すかたん:失敗:奈良。
すかたん:当て外れ:三重。
すかたんくう:失敗する:石川。
すかたんくう:待ちぼうけを食う・騙される:愛知。
すかたんくう:当てが外れる:兵庫。
すかたんくらう:当てが外れる:和歌山。
すかたんくわせる:出し抜く:福岡。
すかたんをくう:当てが外れる:鳥取。
すかちんこく:予想外の目に会う:三重。
A・すかたん:馬鹿:大阪。
すかたんやろ 間抜け野郎
(すかってー) 【形】頑固な様 神奈川。
すかっと @すっきりして心地よいさま、Aあざやかに物を切るさま @は現役だがAはあまり使わなくなった。
Bその他。
すかっと:整然と・すっきりと:宮城。=『しかっと』
すかっ
すか
すかーん
スイバ、イタドリ 『スカンポ』。
すかっ:酸っぱい:福島。
すかない
すかねー
【複】好かない、好きになれない、気に入らない すかない:静岡。
すかなえ:山形。
すかね:宮城。
すかねー:宮城。
すかねごだ:嫌だ事:宮城。
すかんたらしー:静岡。
(すら) 身一つ 神奈川。
〜す 【接尾】@ 始めから終りまで、Aついでに、途中で @★よすがら・よもすがら:一晩中。
A★みぢす:道の途中で。
〜すから 【助】〜(だ)から、〜(した)から 『す【候】:サウラフ(候)の略サウのさらに転じたもの。閑吟集「嵐では無げに―よの」』に『から』がついたと考えられる。関西方言の『さかい』にも通ずる。
らいる 【複】すがり付かれる
すかり 獲物を入れる網袋、網状の魚籠 今では釣り用語。『集覧:多・稲』。『すがり』とも言う。
すかり:静岡。
クモの巣 東茨城郡・稲敷郡の方言。『すがり・すかり』(網類)の意味が転じたもの。
アシナガバチ 久慈郡の方言。東北ではクロスズメバチまたジバチを言う。古い言葉の『する』は広辞苑に『@ジガバチの古称。美女の細腰にたとえる。Aジバチの異称。すがれ。Bアブの異称。C鹿の異称。』とある。
:蜂:岩手・宮城・福島。
:蟻:宮崎・福岡・長崎。
:アブ:青森。
すかる 【動】(網)を編む 『すがり・すかり』(網類)の動詞形。稲敷郡の方言。
(すれ) 【複】寝なさい 長野。
れる 【動】@盛りを過ぎて衰える、A草木が枯れる 古い標準語。『尽れる、末枯れる』。
@・:季節外れ:神奈川。
:収穫期が来ても未成熟な農作物:山形・神奈川。
れる:果実が熟しすぎる:神奈川。
A・れる:宮城・静岡・岐阜。
わりー 【複】情況が良く無い、様子が悪い 『図が悪い』意味。『図』には、『狙いどころ・たくらみ・企画・計画・様子・光景』等の意味がある。
【動】(動物が)交尾する 標準語の『縋る(すがる)』は縋り付く意味で、それが交尾するに転じたものだろう。アブ類を『すがる・すがり』というのと同じ。あるいは『番う』(つがう)・『連る・鎖る・綴る』(つがる)が転じた可能性もある。
また、『挿ぐ』『挿げる』の擬似自動詞形とも考えられる。
:虫が集る:宮城。
:群馬・埼玉。
たげる:山形。
(すかんすかん) 【形動】すかすか 神奈川湯河原。
すかん 【形動】きわめて貧乏なこと。また、その人。 『素寒貧』。
すかんぼ
▽すかん
すかん
スイバ、イタドリ すかんぼー:スイバ:群馬。
ずき
すぎ
ずーぎ
ずーぎー
サトイモの茎 『集覧:北』。『ずいき』の転。
ずき 『集覧:無記載』。ゆき→りきずきと変化したと考えられる。茨城ではではヤ行音がラ行音に変化したり、ラ行音がダ行音(ザ行音)に変化することがある。
すき 隙間、合間 『透き・隙』。油断の意味では今でもよく使われる。
すぎ 【形動】好き すぎ:青森・宮城。
かー 杉皮 すぎっか:神奈川。
すぎっかー:神奈川。
すぎきれ
すぎきれー
好き嫌い すぎきれ:青森。
すぎぐなる
すきぐなる
すぎんなる
【動】好きになる
すきぐない
すぎぐねー
【複】好きではない 『新方言』には『スキクナイ 「すきではない」;首都圏の若者に急にひろがったが,テレビ番組で使われたためか;今は全国各地の若者に知られている;東京付近の青年層使用率約30%(1994);「好き」の意味が形容詞的だから,形容詞の活用を採用した;テレビ番組から広がったという説もある;1982年の流行語(1988);群馬の大学生の40%近くが使い,「流行語」と意識(1988);伊豆半島中年以下(1990)』とある。
すぎずい
すきずい
すきずぎ
すぎぞい
すきぞい
すきそい
すきとすき
恋愛、恋愛結婚 『好き付き』『好き添い』『好き好き』の意味。
『付き添い』から『好き添い』が生まれ変化したと思われる。
すきすき 【形動】すかすか
すぎずぎ 【形動】好き好き すぎずぎ:青森。
すぎだ
すきだ
【連体】好きな すぎだおに:好きなように:青森。
(すきたい) 【複】好きだ 明らかに熊本言葉であるが、古い茨城弁では『すきたい、すきたや、すきたよ』と言ってもおかしくはない。実際に古くは使われていた。
すぎだぶん
すきだぶん
好きな分
すぎだら
すきだら
【複】好きなら
ずぎっと 【副】ずきりと
すぎっと
すきっと
【副】すかっと、すっきり
すぎっ
すきっ
空いている歯 すきっ:埼玉。
杉の葉 :宮城・神奈川。
すぎっ すきっ腹 濁音化。
すぎっ:宮城。
すっ:鹿児島。
すきでる 【動】隙間ができている 『空きている』。
(すきの) 勝手のし放題 神奈川。
のぎ 杉の木 すんのき:鹿児島。
(すきのすったら・すきのすったらたー) 勝手のし放題 神奈川。『好きの好き太郎』の意味か。
のみでっ 標準語では一般に『杉鉄砲』と言う。『ゆーのみでっー』よりかなり小型の鉄砲。まだ青い頃杉の実(雄花)を使う。基本的な作りは『ゆーのみでっー』と同じだが小さいのでなかなか良いものができない。緩すぎると飛ばないし、きついと筒先が直ぐ割れてしまう。玉が当たるとびしりと痛い。杉の独特の匂いも魅力。夏の遊び。
べーし
べやし
杉林 『杉生やし』の意味。
べー:神奈川。『杉生え』。
すぎぶすぎ
すぎぶすき
すぎふずぎ
好き嫌い 『好き不好き(すきぶすき)』なら古い標準語。鳥取では『うきすき』と言う。
すぎぶだ
すきぶだ
敷き板 五右衛門風呂の底の敷き板。
すぎぶどん
すぎとん
すきとん
敷布団 『しきとん』
敷くを『すく』と言うのは三つのルーツが考えられる。@『敷く』がそのまま訛った、A『据える』、B上代古語では『桟敷』を『さずき』と言ったことから、『敷く』を『すく』と言った可能性である。Bは、単独での使用例は辞書には無い。Aは古語では『据う』(ワ下二)である。終止形はあまり使われないから、連用形の『据ゑて』なら古語そのままである。
すきぶとん:埼玉。
すぎほーだい
すぎほーでー
好き放題
◎すきま ひま。てすき。いとま。 近世語。『隙間・透き間』。
すきみ 【古】覗き見 『透き見』。標準語だが死語。
(ずきむき) 【複】わき目も振らず 東京三鷹。
すきもの 敷物 八丈方言共通語。
(すやったが) 【複】終わりましたか 福島。
やま 杉林
ずぎーり
ずぎりずぎり
ずぎんずぎん
【副】ずきずき
すぎる
すきる
【動】@口の中が荒れる、A間が開いている 『透く・空く』(欠けてまばらになる。内部のものが少なくなる。)意味。
実際には終止形で使うことは少なく、口語で最も良く使われるのは、連用形・連体形である。『すぎやす・すぎでっから・すぎでる・すぎっから』が最も使われる。このことから、最も良く使われる連用形の文語の『透きて』、を基本形として、終止形が『すぎる』に変化したのではないかと思われる。
同様に変化したと考えられる言葉に『うぎる』(浮く)がある。
すびる:乾いて縮む:山形。
(する) 【動】死ぬ 古語『過ぐ』『過ぎる』。万葉集にもある言葉。
:秋田・宮城・栃木・福島・茨城・山梨。ガ行五段活用で変化する。
しにゅり:奄美大島。
しむ:神奈川。
:秋田・新潟。万葉集にもある言葉。
:宮城。古語『過ぐ』。
すんだ:死んだ:青森。
:壱岐。
ずぎんと 【副】ずきずき
すぎんなる 【動】好きになる
ずぐ
すく
根性、気力 滑稽本『旧観帖』に『ずくがない:物をする根気や気力がない。』がある。
『尽』(ずく)は、現代では『力ずく』などのように接尾語でしか使われない。『〜ずくし』もある。もともとは『尽くす』『尽く』(@つきるようにする。なくする。空しくする。Aあるかぎりを出す。Bきわめる。C終るまで精一杯する。はたす。D他のもののために努力する。尽力する。E(動詞の連用形について) すっかり…する。…しきる。)のうちCDの名詞表現で現代では消えてしまった可能性がある。『ずぐ』は水戸市、『すく』は那珂郡の方言。
『軸』または『尽』(ずく)の意味。ただし、『尽』(ずく)は用法が限られ、『軸』が相応しい。
おーずく:気力がなくなること:長野。
おんずくなし:馬鹿:福島。
こずく:細々とした仕事を骨惜しみせずする気力:長野。
じぐ:茨城。
じく:茨城・山梨。
じく:力・器用:鹿児島。
じくたれもん:怠け者:島根。
じぐなし:意気地なし:青森。
じくなし:臆病者・意気地なし:青森・秋田・岩手・群馬・埼玉・神奈川。
じくなし:だらしの無い者・無精者・怠け者:神奈川・山梨・大分。
じくぬけ:意気地なし:神奈川。
じち:山梨。じくじきじちと変化したか。
ずぐ:青森・秋田。
ずく:やる気・根気・元気・まめさ:長野・山梨。
ずく:長野・山梨。
ずくない:取り得が無い:山形。
ずくーこかす:やる気がなくさぼっている:山梨。
ずくだれ:意気地なし:福島。
ずくたれ:意気地なし:岩手・岐阜。
すくたれ:見っとも無い様:佐賀。
ずくなし:役立たず・怠け者・無精者:山形・長野・静岡・岐阜。
ずくなし:意気地なし:青森・岩手・秋田・山形・福島・佐渡島・新潟・石川・福井・長野・山梨・大分・佐賀・長崎・熊本。
ずくなし:不器用者:山形・新潟。
ずくなし:無気力者:佐渡島。
ずくなし:怠け者:長野・静岡・岐阜。
ずくなし:無精者:長野・静岡。
すくなし:怠け者:静岡。
ずぐね:意気地なし:青森・秋田。
ずくーやむ:やる気がなくさぼっている:山梨。
ずなし:怠け者:宮崎。
ずんだれ:無気力者:鹿児島。
すぐ
すく
【動】敷く 『集覧:真』。典型的な東北系の訛。
これには三つのルーツが考えられる。@『敷く』がそのまま訛った場合と、A『据える』、B上代古語では『桟敷』を『さずき』と言ったことから、『敷く』を『すく』と言った可能性である。Bは、単独での使用例は辞書には無い。Aは古語では『据う』(ワ下二)である。終止形はあまり使われないから、連用形の『据ゑて』ならまさに古語そのままである。また、『据える』の古形は『すう』転じて『すゆ』である。
すく:福島・栃木・群馬・埼玉・神奈川・八丈島。
ふとんすいで!:布団敷いて!。
すぐ
すく
【動】@髪の毛をとかす、A髪の毛を薄くする、B耕す、C風が通り抜ける @『梳く』。
A『剥く』。
B『鋤く』。
C『透く』。現代では京都に残る。
(す 【動】死ぬ 宮城。
すくう 【動】巣を作る 『巣くう』。都会生活ではなかなか使う事が無い言葉。
さる 【動】縋る(すがる) 『集覧:久』。旧久慈郡には同じ意味の『しくさる(縋る)がある。単なる訛りと考えられる。『縋る(すがる)』の擬似自動詞形の『すさる』を介して生まれた方言と考えられる。
△す @真直ぐな道、A近道 標準語だが死語。『直路』。
A・:神奈川・静岡。
Bその他。
:山梨・静岡。
:細い道・小路:神奈川。
【動】過ごす 標準語だが死語。
:東京。
【動】物を提げること 『集覧:久』。単に『下ぐ・提げる』が訛ったものと考えられる。
ずぐずぐ 【副】ずぼずぼ、びしょぬれの様 『ずぶずぶ』。
ずくぬれ:びしょ濡れ:東京。
(すぐだまる) 【動】うずくまる 宮城。
(すくだむ・すくたむ) 【動】すくむ 神奈川。
(すくたら) 作物の根もとや家畜小屋に敷く藁 東京多摩。『敷藁』。
(すくたら) 【形動】何やかやと言いたい放題に言う様 神奈川。『直(すく)』+『たら』の意味か。
(すくちなもの) おもしろい人、どこか抜けているけど人間味ある人 沖縄。
っている 【複】澄んでいる 単なる訛りと考えられる。
すぐっと
すくっと
【副】するっと
すくっと

【副】直ぐに 『直ぐと』。
:青森。
そーたすとやってははいす:そんなに直ぐに遣っては早や過ぎるだろう。
くったあどすどかげだらはらいだぐなんのにきまってっ:食べた後すぐに走ったらお腹が痛くなるのに決まってるでしょう。
ずぐっと 【形動・副】ずんぐり ずこっとした:宮城。
すくなくても 【副】少なくとも
すぐなぐも
すくなくも
【副】少なくとも
ずぐぬれ 【形動】ずぶ濡れ ・ずくぬれ:東京・奈良。
すぐね
すぐねー
すくねー
【形】少ない すくにゃー:静岡。
すぐね:青森。
すくね:鹿児島。
すくねー:静岡。
すっなか:鹿児島。
すっね:鹿児島。
ずくねる 【動】すねる ずくねる:むずかる:秋田・宮城・長野。
ずくねる:我意を張る:長野。
ずくねる:怠る:岩手。
ずくねる:ふざける:福島。
ぞくねる:我意を張る:長野。
すくばる
すくまる
【動】すくむ 古い標準語。『竦る』。
ずぐだまる:縮こまる:青森・秋田。
すぐだまる:宮城。
すくだまる:青森。
すくだむ・すくたむ:神奈川。
ずくばる 【動】うずくまる、かがむ 『蹲る』(つくばる)『蹲う』の転か。『竦まる(すくまる)』(身がちぢんで動かない。)と同源とも考えられる。『ま』と『ば』は音通する。
すくだまる:岩手・新潟・長野。
すくばる:愛媛。
すくばる:うつむく:和歌山・長崎。
すくばる:こわばる:山口・高知。
すっくばる:平伏する:神奈川。
すぐぼ
▲●すくぼ
@籾殻、Aゴミ 『集覧:北・稲・行・猿』。『すくも』の転。
@・すくべ:静岡。
すくぼ:栃木。
まに 【副】すぐに 『直ぐの』『間』の意味。
しんまに:福島。
そんまに:宮城。
ずぐまる 【動】うずくまる、かがむ 『蹲る』(つくばる)。
ずくまる:山形。
みぢ 近道 『直道』(すぐみち)【古】の濁音化。
〜ずぐめに 【助】〜のくせに 標準語では『ずくめ』はその物事だけある意味だが、『〜ずくめなのに』の意味で短縮化されたと思われる。
ずぐむ
■▲△▽ずくむ
【動】うずくまる、かがむ 『集覧:猿』。=『こむ』
『蹲る』(つくばる)『蹲う』(つくばう)の転か。『竦む(すくむ)』『竦まる(すくまる)』(身がちぢんで動かない。)と同源とも考えられる。
すぐだまる:山形。
すくだまる:岩手・新潟・長野。
ずくむ:おじける:神奈川。
ずくむ:弱ってへこたれる・うずくまる:山梨。
すくもる:和歌山。
ずくる:山形。
ずぐむっくり
ずくむっくり
ずんぐりむっくり ずくべー:背が低く太い様:山梨。
△▽すくも 籾殻 『集覧:北』。
標準語では『すくも:藻屑。一説に、葦・萱などの枯れたものとも葦の根ともいう。もみがら・もみぬかや泥炭をいう地方もある。すくど。』(広辞苑)。『すくも部屋』(もみがらを入れる納屋の一室)という言葉もあり、方言というより古い言葉。那珂郡では大豆の殻を指す。
すくも:千葉・神奈川・静岡。
すくも:ゴミ:神奈川。
すも:千葉。
△▽す 【動】@多くの中から選ぶ、選り抜く、A扱(こ)く、しごく、扱き取る 『選る』。
@標準語だが、今では単独では用いず、『選りすぐる』と言う。秋田では『間引く』意味で使う。正確には『選る』と『間引く』は逆であるが、野菜などは間引いたものを食料にもしたから混乱して使われたのだろう。
A・:静岡。
わらをす:藁の薄い葉の部分をかきとる:埼玉。
★選り藁。
(すくるる) 【動】痺れる 鹿児島。
□▽すけ
すけます
大型の鮭 『鮭・須介』。広辞苑に『すけ:鮭(サケ)や鱒(マス)の大きいもの。新編常陸国誌三「鮭の大なるを佐介乃須介といひ、鱒の大なるを麻須乃須介といふ」』とある。常陸風土記にもある。『すけます』とも言う。常陸の言葉が古い標準語に残る例である。
すけ 『なごすけ』の略とされる。昭和30年代は、『恋人(彼女)』を『すけ』と言った。
すけ:色っぽい娘:神奈川。
すけ 結い 『助』の意味。
すけ:無報酬でする手伝い:神奈川。
すけあい・すけっこ:助け合い:神奈川。
ずけ
ずーげ
ずーけ
『集覧:那・水・東・行』。
筌は『ど・どう』とも言うことから、『ど筌、どう筌』と二重に表現したものが訛ったと思われる。
ずーげ:千葉。
ずーけ:千葉。
ずー:竹筒の筌:千葉。
びんずー:ガラス製の筌:千葉。
(すけ) 程、様 静岡。富士山のすけな擂鉢。
〜すけ 【助】@〜(だ)って、〜らしい、〜だそうだ、A〜(した)ところ、〜(した)ら、〜(する)から @〜てえかい・〜てかい(関東方言)→〜てがい〜てげー・〜てけー〜てげ・〜てけ〜ちげ・〜ちけ〜しけ・すけと変化したと考えられる。
〜すげが・〜すけが:〜なんだって?。
〜すけど:〜だそうだ。
やったすけど:遣ったってよ。
じーちゃんゆーにはちじゅうらさいったっすけどなんにもながったっちゅーど:お爺さんが言うには土浦いったそうだけれど何にも無かったそうだよ。
A『す』は中世からある終助詞で、現代語の『さ』に当たる。『け』は過去を表す古語の『き』の流れと考えられる。または、軽い確認の気持ちを表す江戸時代の間投助詞『す』『けれ』が短縮化した『け』(〜したら)の可能性がある。
〜さか:和歌山。
〜さかい:山形・富山・石川・福井・滋賀・京都・大阪・三重・奈良・淡路島・香川・徳島。近世上方語。辞書掲載語。
〜さがえ:山形・茨城。
〜さかえ:茨城。
〜さけ:山形・佐渡島・長野・石川・福井・滋賀・京都・三重・奈良・和歌山・兵庫。辞書掲載語。
〜さけー:山形・長野・京都・和歌山・兵庫。
〜しけ:青森・山形・新潟・兵庫。
〜しけー:兵庫。
〜じゃけー:広島。
〜すか:新潟。
〜すかい:岩手・新潟。
〜すかに:奈良。『さかいに』。
〜すがら:茨城。
〜すけ:北海道・青森・岩手・茨城・新潟・長野。
〜すけー:新潟・広島。
〜すけぁー:岐阜。
〜たがすて:宮城。『〜(し)たるからして』。としょったがすて:年をとったから。
〜だはんで:青森。『〜だからして』。
〜っけ:新潟。
〜はかい:兵庫。
〜はげ:秋田・山形。
〜はけ:山形。
〜はけー:山形・京都。
〜はで:青森。
〜はんで:青森・岩手。
〜やさかい:三重。『や』+『さかい』。『〜だから』。
【形】凄い 俗語。『すえ、すんえ』
:群馬・東京・神奈川。
〜すけが 【助】〜だって? 『〜しけが』
〜すけ 【助】@〜(する)そうだが、A〜(した)ところが @=『〜しけ・〜ちけ
いしゃさま・がんだねーがっちぇ・ゆったすけ・ふんとがやー:医者が癌じゃないかって言ったそうだが本当かい。
A★のらさいったすけだんもいねがったど:野良に行ったところ誰も居なかったよ。
〜すけがら 【助】〜だそうだから
がっ 【複】凄いでしょう
ずげずげ 【副】ずけずけ
ずげっと 【副】ずけずけと、ぐさりと、無遠慮に物を言う様 ずけり:東京。
がいる
げーる
【動】差し替える 『挿げ替える』。標準語では『挿げる』はあまり使わなくなった。
すけなー
すけない
【形】少ない 『すけない』なら江戸言葉。
すけない:神奈川・静岡。
すけな
すけねー
絞り込みじゃんけんの掛け言葉またはその方法 大人数でじゃんけんをする時、2種類に絞ってその少ない方を勝ちとして勝者を早く決める方法。『少な勝ち』の意味。ちなみち現在の横浜市内の子供達は『多い勝ち』で選んでいるという。明らかに『少な勝ち』の方が賢い。
すげねー
すけねー
【形】少ない 『すけない』なら江戸時代の言葉。
すけねー:八丈島・山梨。
ねー 【形】すげない、愛想がない、つれない :青森。
なえ:山形。
:心細い・寂しい:福島。
(すけべにんん) オランダにある地名 正しくは『Scheveningen』。日本では銀座に同名の飲食店がある。ちなみにイタリアの家庭料理店は『タベルナ(Taverna)』と呼ばれる。
すげる
▽すける
【動】【文】助ける 『助ける(すける)』。清音ならあまり使われなくなった標準語。現代語の『助ける』は『手助ける』意味。一方『手助け』という言葉もある。
しける:青森。
すける:岩手・宮城・埼玉・群馬・東京・山梨・静岡。
〜(して)すける 【動】〜して助ける、〜してもらう、一緒に〜してもらう 『〜して助ける』意味。=『〜(して)つける』。茨城では単独で用いることは少なく他の動詞と複合語となる。
〜(して)すける:宮城。
いってすける:一緒に行ってもらう。
もってすける:持ってもらう。
やってすける:遣ってもらう。
△▽す 【動】さしこむ、はめこむ 『挿げる』。あまり使われなくなった標準語。『挿げ替える』(取り替える)という言葉もある。
くす:刺す:長野。
:東京多摩。
カヤで作った俵 『す』とは『簀』(@篠竹・葦または割竹であらく編んだむしろ。A葭簀(ヨシズ)の略。B簀子(スノコ)。)で『ご』は『籠』だろう。またヌマガヤやクサヨシを指す地域があるのは、材料名に転じたものだろう。久慈郡・高萩素では炭俵を『すだーら』と呼ぶ。
:茅・藁で編んだ俵:神奈川。
すみす:炭俵:青森・宮城。
すご
すこ
【代】そこ すこ:鹿児島。
すんすごだ:直ぐそこだ。
すご
すこ
△◇すこい 【形】ずるい 『こすい』の倒語。
広辞苑に『(関東・中部・近畿地方などで) 悪がしこい。狡猾である。こすい。ずこい。』とある。
ずこい:群馬。
すこい:福島・山梨・静岡・福井・奈良・和歌山・大阪・兵庫・岡山。
すこえ:すばしっこい:山形。
すけー:静岡。
どすこい:奈良。
(すい) 【副】すごく 標準口語。辞書掲載語。『凄い』の連用形を副詞として使っているとある。当時の茨城では使っていなかった言葉で、違和感があった。標準語世界でいつ頃から使われるようになったかは定かでは無いが、少なくとも戦後の新語であろう。
がっ 【動】すごいだろう 茨城弁の新しい言い回し。=『すげがっ・すげーがっ
(すごき) 女の腰帯の一。一幅(ヒトハバ)の布を適当の長さに切り、しごいて用いる帯。抱え帯。 鹿児島。
『扱き帯』。
ずごげる 【動】ずっこける
すこしも 【副】わずかでも、すこしでも やや古い標準語。『少しも』。
『土』★先刻(さっき)もおつうが揣(さす)ってやんべなんていふもんだから少しもやってくろって云(ゆ)つた處(ところ)だよ:さっきもおつうが、さすってやろうなんて言うものだから、少しでもやって頂戴って言ったところだよ。
(すす) 【動】養う。生計をたてる。 『過ごす』。近世語。
:東京。
すこすこ 【副】@すかすか、A簡単に、B性交の様
すこたん @失敗、騙されること、A間抜け あまり聞かれなくなった標準語。=『すかたん』
辞書には『あてのはずれること。だまされること。また、間違い。見当違い。まぬけな、見当違いのことをした人をののしっていうのにも用いる。すかまた。』とある。
当時は、花札の『赤タン・青タン』同様に、『スカ』+『タン』のイメージで使った。
『浮世風呂』『浮世床』にもある言葉。『すこたん』は江戸言葉で上方の『すかたん』が訛ったものとされる。
@は単独で『すか』とも言った。
すこたん:狡猾:静岡。
すこたんくう:失敗する:石川。
すことんをくう:当てにしている台を取られて尻餅をつく:岡山。
すこたんやろ 間抜け野郎
すこっし
すこーっし
【形動】少し
すごっずづ
すこっずづ
すこっつづ
すこっつ
【副】少しずつ すこっつづ:宮城。
ずごっと 【副】ずんぐりと ずこっとした:ずんぐりとした:宮城。
すこっと
すこんと
すっこんと
【副】するりと、すっぽり
(スコップとシャベル) 東西対立語。関西ではスコップが小さく、関東ではシャベルが小さいとされる。
広辞苑には『スコップ【schop オランダ】:粉・土砂などをすくい上げ、また混和するのに使う、匙形(サジガタ)の鋤(スキ)。シャベル。掬鋤(スクイグワ)。』『シャベル【shovel】砂・砂利・粘土など軟らかい土質を掘削し、すくうのに用いる道具。匙(サジ)型鉄製で、木柄をつけたもの。シャブル。ショベル。スコップ。』とある。
すこでんと 【副】沢山、大量に
すこんく 【流】英語のskunk負けのことで完封のこと 当時の流行語。
(〜すさい) 【複】〜しなさい 動詞『す』の連用形『し』が訛った『す』に助動詞『さる』の命令形『さい』がついたもの。茨城では『〜しせえ』。
〜すさい:宮城。
◎すさましい 【形動】すさまじい 鎌倉・室町時代には、清音・濁音両方が使われていた。それ以前は清音ではないかと推測されている。
△☆ずし 屋根裏、屋根裏の物置き場 『厨子』。『つし』とも呼ばれる。『厨子』は西日本の言葉らしい。
あま:天井:八丈島。
あま:富山・愛媛。
あまだ:島根・広島。
あまだな:静岡。
あまだな:囲炉裏の上の棚:山口。
あまや:山形。
おーずし:竹のスノコ天井:神奈川。
おーだな:屋根裏の最上階で貯蔵所や産室などに使う場所:神奈川。
ずし:千葉・静岡・長野。
ずし:スノコを貼った天井:神奈川。
ずす:静岡。
ずり:天井:長野。
たか:二階(板敷きの無い物):長野。『日高』の略か。
たな:神奈川。
たな:埼玉・群馬。『棚木』の意味と思われる。
のりてんじょー:スノコを貼った天井:神奈川。
るす:天井の物置:静岡。
(ずし) 雑炊 鹿児島。東北弁似た響がある。
◎すじ 血統、血縁 『筋』。
(すし) @寿司、A馴れ過ぎていること。生意気。粋(スイ)。いき。気の通ったこと。 @当時の『すし』『おすし』と言えば、太巻き寿司を指し、稲荷寿司は『あぶらずし』と呼んだ。生魚は大変貴重なもので、『無塩ざかな』などと呼ばれ、刺身で食べるのがあたりまえで、危険な皮付きのカツオが好んで食された。私も皮付きのカツオは大好きだった。いわゆる江戸前寿司や生寿司が口に出来るようになったのは、昭和40年代後半だったと記憶している。
A・すす:いたずらもの:神奈川。
すす:いたずらもの:神奈川。
(すし・ずせ) 鹿児島。
(すーじぐゎー) 路地、脇道 沖縄。
すじけー 【形動】斜めの様 『筋交い・筋違い』。
すじちいる
すじちーる
【動】(首などの)筋を痛める
すじばる 【動】@(顔やからだの)筋が張り出す、A我を通す 『筋張る』。
@の意味では特に肉などが繊維質で堅い場合に使う。
すじはる 【動】我を通す
すじみし
すじみぢ
血統、血縁、ルーツ 『筋』の道の意味。
◎すじめ @線、A血統、血縁、ルーツ、Bすじみち。条理。 『筋目』。
@・すっめ:鹿児島。
A★筋目正しい。
すじょー
すじょ
【形動】素直、性格が良いこと 『性』が『素』である意味。
すーしん 終身
ずす 留守 『集覧:無記載』。古代語の可能性がある。
じゅす:八丈島。
ずしばん:留守番:鹿児島。
ずす:八丈島・静岡。
ずすばん:留守番:鹿児島。
ずず
すず
『集覧:猿』。明治時代の茨城弁はかなりの『ずーずー弁』だったことを裏付ける訛り。
すず 徳利 『錫』(錫で作った徳利に似た口の細い酒器)。 『集覧:多』。
おみきすず:御神酒徳利:神奈川。
すず:宮城・静岡。
◎ずず
ずずこ
◎ずず
◎ずずだま
数珠、数珠玉 古い標準語。今では使う人は少ない。
ずず:千葉。
(すす・すすみ) 悪戯者 神奈川。
すす:なまいき・あらっぽい:静岡。
すーすー(すうすう) 【副】@すやすやと(寝る)様、A隙間風が入る様、つうつう、B(車などが)すいすい走る様 Bは方言と思っていたが辞書掲載されている。★すーすーすっとおもったらあまどがあいでっ:すうすうすると思ったら雨戸が開いてるだろうが。
ずーずー
ずーずーと
【副】図々しく 『集覧:多』。
(すずいし) 鹿児島。
(すずき) 鹿児島。
(すすきざら) 灯油を盛って火をともすのに用いる小さい皿。 鹿児島。
『油皿』。
すすぎっ ススキの穂 『すすきつ穂』の意味。
すすきっ:東京。
すすぐる
すすげる
【動】煤がついて黒くなる、古くなる 『煤ける』(すすける)。
(すずこ) 筋子 埼玉。
ずすこい 【形】図々しい
ずずしー
ずぅずぅしー
【形】図々しい 『ず』は標準語よりやや短く発音する。
ずんずらし:神奈川。
ずーずっかしー
ずずっこい
ずずっけー
ずーずっこしー
【形】図々しい、ずるい
すすっこい 【形】狡賢い 稲敷郡・鹿行地域。『鋭い』(すすどい)。
すすっと 【副】素早く移動する様、つつっと
ずーずど
ずーずーと
【副】図々しく 『集覧:多』。
△▽☆すすどい
すすでー
【形】@すばやい、A▲狡賢い、抜け目が無い 『集覧:北』。標準語だが死語。『鋭い』(すすどい)。
単に『鋭い』意味で使う地域が全国に散在する。稲敷郡から鹿行地域にかけては『すすっこい』と言う。
@・すすどい:静岡。
A・すすがみ:悪戯者:神奈川。
すすっけー:神奈川。
すすでー:経済的に抜け目が無い・ずるい:神奈川・静岡。
すすどい:しっかりしている:東京多摩。
すすどい:東京・神奈川・静岡。
すすらー:すぐに悪戯する者:神奈川。
Bその他。
すすどい:凶悪な様:東京。
すすどい (細い)煙突 『煤』を出す『樋状のもの』の意味だろう。五右衛門風呂等の細い煙突を指した。
すずなり 果実などが神楽鈴(カグラスズ)のように、多くむらがって房をなすこと。ふさなり。 『鈴生り』。
ずずねー 【形】物憂い、だるい、元気が無い 『術なし』(しかたがない。せつない。つらい。)『切ない』意味が考えられる。
じちなし:手先の不器用な者・怠け者:山梨。『術なし(ずちなし)』(なんともしようがない。困りはてたことだ。術(スベ)なし。)
じちもねえ:気力が無い:山梨。
じちんねえ:意気地がない:山梨。
▲●すずねめ スズメ 『集覧:久・多』。スズメは古くは、『すすみ、すすめ、すずみ』とも言ったという。
スズメの語源は様々な説がある。@スズは鳴き声でメは群れの略、Aすずろむれ(漫ろ群れ)、Bスズは笹に通じ小さい意味か、メは鳥を指す、Cおどりながら進む意味、Dチュンチュンと鳴く小鳥の総称 等がある。確かに鳥の名称には『スズメ・ツバメ(ツバクロメ)・カモメ』等があるが、『すずねめ』を考えると、『鈴音め』なのではないかと考えてしまう。しかも、この方言は茨城でも最も古い言葉を残す北部方言でもある。
八丈島でも一部の人たちはスズメを『すず』と呼ぶと言う。
すずみ:鹿児島。
すすはぎ
すすはだぎ
すすはれー
大掃除 『煤掃き』。『煤払い』。12月13日の行事。
すすなぜ:群馬。
すすはぎ:煤払い:宮城。
すすはき:神奈川・静岡。神奈川では、作業が終わるとすすはきだんすすはきもちを作った。
すそはき:静岡。
すずむ 【動】沈む 『集覧:猿』。
すずむ:福島。
すずめいろどき
すずめいろじぶん
夕暮。日暮時。たそがれどき。 『雀色時』。近世語。
(すずめっこにはりをたてる) 【複】いじめる 神奈川。
すずめのー @稲叢、A小型の稲叢 A小型の稲叢を指すのは勝田市のみ。=『わらぼっち』
すずめのしょんべんた
すずめのしょーべんたこ
◎すずめのしょーべんた
すずめのたま
すずめの
すずめのふい
すずめのぼち
すずめのぼっち
すずめのまぐら
ずずめのみず
すずめぼぢ
すずめぼっち
イラガの繭 標準語でも『スズメの小便桶(たご)』『雀の田子・雀の甕』と呼ばれる。羽化した後、繭の上に穴が開き、あたかも小さな小便桶のように見えるからだろう。
イラガは毒があり刺す毛虫の代表で繭は卵のように硬い。幼虫は小さいのにいかにも毒があり、当時は屋敷内の柿や桃の木にしばしば見かけた。刺されると痒いだけでなく大きく腫れた。イラガの幼虫を指す場合もある。『スズメの壷』とも呼ばれる。
長野では『すずめのまくら』と呼ぶが、これは現在ではスズメノテッポウの別称である。イラガの幼虫は『イラムシ』という。
すずめのす 子供などの髪の毛がくしゃくしゃになっている様子
すずめる 【動】沈める 単なる訛り。
すすーら
すすーり
【副】素早く移動する様、つつっと
(すすらー) 直ぐに悪戯をする人 神奈川。
すすらこい
すすらっこい
【動】狡賢い 『鋭い』(すすどい)の転。=『しすらこい』。県南東部の方言。
すする 【動】めん類・茶などを吸いこむように口に入れる、鼻汁を吸いこむ 『啜る』(すする)。最近は『お茶を啜る』とはまず言わない。
すずろ 【形動】漫ろ
すずろありぐ
すずろあるぐ
【動】漫ろ歩く 『漫ろ(すずろ)歩く(ありく)』。
すそ
すそっ
すそっ
紫蘇 『集覧:北』。典型的な東北訛り。しかし『すそっは県南部の新治郡・筑波郡・北相馬郡の方言で、単に東北の影響とも言いがたい。
ずぞーさま
ずぞーさん
地蔵様 『集覧:猿』。
すそゆ 馬の足を洗うお湯 ★『土』さうしちゃ馬の裾湯(すそゆ)沸えてねえって云(ゆ)っちゃ家族(うち)の者こと追ひ出してなあ
すそらっいる 【動】とぼける 『そそらっい』の動詞形。『漫ろ』の転。岩井・八郷・行方の方言。
すーだ〜
すーた〜
【連体】そんな〜 古い茨城弁では、イ行音・オ行音がウ行音に変わることがしばしばあった。
すーたの:そんなの。
すーたごど:そんなこと。
ずたい
すだい
【副】極めて大きな様 『集覧:久・稲』。『図体』『図大』の転か。
☆ずだい 【副】@生来、A全く、Bひどい様 江戸時代の言葉。
広辞苑には、『(ドダイ(土台)の転か)@元来。生れつき。根無草「―気の短い旦那殿」A(多く打消の語を伴って) 全然。少しも。』とある。
『俚言』では『ずぶたい』も掲載され『ずぶ体』としている。
A・ずだい:大体・およそ・非常に・からっきし・少しも:静岡。
ずだいこたい:全く・まるで:静岡。
ずだげる
ずたける
【動】ずばぬける 『ず長ける』意味。
すーだごど
すーたごど
そんな事
すたこら 【副】さっさと =『すたこらさっさ』。やや古い標準語。
ずだっと 【副】どっしりと
すだに
すだに
すたに
すだり
ダニ 『集覧:北』。
『俚言』には『だにほぢ(石見・出雲)、すだり(水戸)、ふっつぶ(肥前)』とある。
ずだぶぐろ
ずたぶくろ
ずだぼぐろ
かます等の大きめな袋類 『頭陀袋』(ずだぶくろ)。
もともとは僧侶が使っていた袋を指した。死者が出た場合はお決まりの死に装束に加え、小さな頭陀袋に三途の川を渡る渡し銭として小銭を入れる習慣があった。
ずだぶぐろ:宮城。
ずーだま 数珠球
(すーだもんだ) 議論などが、さんざんもめること。もんちゃく。 神奈川。『擦った揉んだ・すった揉んだ』。
ずだまる 【動】黙る ずだまる:栃木。
(すだらもねー) 【複】下らない 神奈川。『しだらなし』か。
ちなみに広辞苑に『首陀羅(すだら・しゅーどら:インドの四種姓(ヴァルナ)制で、最下位に置かれた隷属民。ヒンドゥー法典によれば、その義務は上位の三ヴァルナに奉仕することにある。農民や牧畜民などが含まれる。』とある。
ずだらもない:下らない・他愛もない:静岡。
すだれ ツララ 東茨城郡の方言。『氷垂れ』『垂れ』の意味。
すだれる 【動】垂れ下がる 『集覧:真』。『垂れる・枝垂れる(しだれる)』。
ずづー 頭痛 ずつ:鹿児島。
□すっ〜 【接頭】 『擦り』『剃り』の音便または『素』の意味の強調語。標準語では利用例が少ない。茨城方言の場合『引き』が訛ったものもある。
〜ずづ 【助】〜ずつ 副助詞。
すっおとす 【動】剃り落とす
(ずっか) 【形動】損も得も無い、差し引きゼロ 神奈川横須賀。
広辞苑に『ずって:相殺(ソウサイ)すること。帳消しにすること。』がある。
(ずっか) お互い 静岡。
すっが
すっか
【慣】そうか、するかい? 古い言い方。
すっかすっか:そうかそうか。
ああすっか:ああそうか。
〜すっが
〜すっか
〜すっかー
【助】〜するかい?、〜しようか 〜すっが::鹿児島。
■▲●□△▽すっかい 【形】酸っぱい 『集覧:多』。もともとは『すっこい』だったと推測している。東北では『すっかい・すけ・すけー』と言う。茨城県下でも北部で『すかい』と言う。
標準語の『すかんぽ・すかんぼう』の存在を無視できない。『すっぱい』を古くは『すかい』と言っていたのではないかと思わせる。しかし古語辞典には無い。
すかい:東北全県・茨城・千葉・栃木・新潟・長野。
すけ:東北・岩手・山形・福島。
すけー:東北・岩手・山形・福島。
すっかい:岩手・福島。
すっかえ:山形。
すっこい:江戸。
(すっかける) 【動】挑む、からかう 宮城。
すっがすが
すっかすか
【形動】@すっからかん、A空っぽな様 『すっかすか』は辞書には無い。
すっかじる 【動】擦りむく
すっがっが
すっかっか
【形動】すっからかん、空っぽな様 『すっがすが、すっかすかがさらに訛ったもの。
おめにいやれでがっこにいったらきょしつんながすっかっかだっだど:貴方に言われて学校に言ったら教室の中は空っぽだったよ。
すっがっ
すっかっ
【形】ちょっと酸っぱい
すっかどする 【複】すかっとする、爽快になる
すっがまー
すっかまー
すっがまう
すっかまう
【動】構う すっかまわん:ほったらかす:山梨。
すっかまねー 【形】構わない すっかまわねー:群馬・埼玉。
すっかまる 【動】(木等に)つかまる
すっから 【形動】すっかり、すっきり すったい:鹿児島。
すっがらが
すっからか
【形動】すっからかん、空っぽな様 なにがかんがいはねーがあだまんながすっがらがだ:何か考えは無いかい−頭の中空っぽだ。
(すっからこい) 【形】けちでずるい 福島。
すっからし 擦れっ枯らし 『集覧:真』。
(すっかり) 【形動】手応えの無いこと 神奈川。
すっかりする 【複】すっかり良くなる、全快する 『すっきりする』意味か。
すっかど:すっかり:宮城。
すっがる
すっかる
【動】すれ違う 『擦れ』『交う』。
すっがんがん
すっかんかん
【形動】すっからかん、空っぽな様 すっかんかん:軽い様:鹿児島。
すっがん
すっかん
【形動】素寒貧(すかんぴん) すっかん:埼玉。
すっかん
すっかん
すっかんぼ
すっかん
スイバ、イタドリ 『すかんぽ』。土手に生える植物で、切り口を吸うと酸っぱい。
すかんぼー:スイバ:群馬。
すっかんぼ:スイバ:群馬。
ずづぎ 頭突き 濁音化。
(ずっきー・ずばつ・ずんばい) 【副】沢山、一杯 鹿児島。
ずっきく 【副】むっつり
ずっきもっき 【形動】威張る様 『集覧:猿』。
ずっきもっき:わきめもふらず:東京三鷹。
すっきら 【形動】すっきり すっきら:すっかり:山梨。
ずっきら 【副】ずきずき
すっきり 【副】ちょうど、ぴったり
ずっきり
ずっきん
ずっきんずっきん
【副】ずきずき、ずきんずきん
すっきんなる 【複】する気になる、やる気になる
ずづぐ 【動】頭突きをする 標準語には動詞形が無い。
ずっく
ずっく
ズックで作った 広辞苑に『ズック:【doek オランダ】@麻または綿の太撚糸で地を厚く平織にした織地。多くインドから産出。テント・靴・鞄・帆などに用いる。Aズックで作った靴。』とある。
当時のズックは男用の黒と女用の赤しか無かった。底が薄くて冬はそれこそ地面からいつも離していないと冷たくてたまらなかった。今の子供たちの靴底は比較にならないほど厚いため、かえって偏平足が増えていると言う。家の中のスリッパはあまり厚いものは使わない方が良いらしい。
ずっく:埼玉。
(すっくばる) 【動】ひれふす 神奈川。
ずっくら
ずっくり
【形動】ずんぐり
すづくろう 【動】巣を作る 『巣繕う』の意味。
すづくろ:米に虫が入って塊りになっているさま:千葉。『巣繕い』の意味。
すづぐる
すづくる
すーつくる
【動】巣を作る
すっけ
◆●すっけー
【形】酸っぱい 東北系方言。『俚言』には『すっけい:出羽にてすつはいを云。』とある。
すっけ:青森。
すっけー:福島。
〜すっけ 【複】〜するかい
ずっけー 【形】ずるい すっけー:神奈川。
すっ 【副】程度が甚だしい様 新しい言い回し。当時は『ものすぐ』が一般的。
(すっけん びり 宮城。原型は『尻っけつ坊』か。
すっこ 【複】すること 多くは幼児語。
すっこ:宮城。
すっこい
ずっこい
すっこすい
【形】ずるい、狡猾な、こすい 『集覧:多』。=『すこい、ずるっこい』。二つのルーツのある言葉。
『すっこい』『こすい』の倒語。『ずっこい』『ずこい』の転。『すっこすい』は接頭語『すっ』+『こすい』。
ずこい:群馬。
ずっこい:宮城・栃木・山梨。
すっこい:東京三鷹・神奈川。
すったま:腕白:神奈川。
すってこ:いたずら:神奈川。
ずっこがす 【動】ずり落とす 『ずっこける』の他動詞形。
すっこかす:ずり落とす・こっそり抜き取る:神奈川。
ずりこかす:神奈川。
(すっこくる) 【動】擦り剥く 宮城。
ずっこげる 【動】@ゆるんでずりおちる。ずるっこける。Aはめをはずす。また、とんまで的外れな言動をする。 『ずっこける』なら標準語。
ずっこげる:千葉銚子。
すっこける:抜ける・滑り落ちる:静岡。
すっこする 【動】擦り剥く 『擦りこする』意味。
すっこくる:宮城。
すっごど
すっこど
すっこと
【複】すること 『やっこど』。『すっこと』は俗語。
すっごぬげる
すっこぬげる
【動】引っこ抜ける すっこぬける:静岡。
すっごぬぐ
すっこぬぐ
【動】引っこ抜く
(ずっこびっこ) 【形動】ちょうど 福島。
すっごまる
すっこまる
【動】はまる、落ちる 『うんのまる』
☆すっこむ 【動】【古】引っ込む 標準語。喧嘩腰の言葉』。
すっこむ:東京。
すっこんでろ:引っ込んでろ。
すっこむ 【動】擦りこむ
すっごろ
すっころ
【動】転がる
すっころって
すっころ
【動】急いで行く 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
すっごろ
すっころ
【動】転げる
すっころばす 【動】転ばす 『素っ転ぶ』の他動詞形。
すっころばす:千葉銚子。
すっころばる 【動】転ぶ 『素っ転ぶ』の擬似自動詞形。
すっころばる:東京青梅。
すっごろぶ
すっころぶ
【動】勢い良く転ぶ 『素っ転ぶ』。掲載していない辞書があることから俗語として扱われていると考えられる。『素っ』は当て字で元は『突っ転ぶ』と思われる。
『新方言』には『スッコロブ 「転ぶ」;関東各地や福島県北部の若者が使用。』とある。
すっころぶ:福島・埼玉・東京青梅。
すっころんで 【動】急いで行く 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
すっこんすっこん 【形動】性交の様
(すっさらし・ずっさらしか) 【形】放埒な様 鹿児島。
すっす
すっすど
すっすすっす
すっすすっすど
【副】さっさと、すいすい すっすどやっちぇ:さっさと遣ってしまいなさい。
すっすすっすいんけや:すいすい歩いて行ったよ。
すっだ〜
すった〜
すっだな〜
すったな〜
【連体】そんな〜 古い茨城弁では、イ行音・オ行音がウ行音に変わることがしばしばあった。そんな→そったすった
すっけん:長野。茨城では『そんけーな』に当たる。
すったい 体、図体 『肢体』。
すったが
すったか
すったがすったが
すったかすったが
【副】さっさと、すたすた 『さっさか・さっさかさっさか』
すったかた:岩手。
すったかする:せっせと働く。
すったぐる
すったくる
【動】@引っ手繰る、A▲擦りむく Aは『擦りまくる』意味。『集覧:新』。
すっだぐれ
すったぐれ
すったくれ
@つまらないものを罵る言葉、A▲すれっからし @『へったくれ』。『擦れまくれ』の意味。
あじもすったぐれもねー:味も素っ気もない。
A『擦れまくれ』の意味。茨城方言集覧では旧久慈郡の方言で『生意気のこと』とある。
すっだごど
すったごど
【複】そんなこと すったごど:福島。
すっだちっど
すったちっと
【複・形動】そんな僅か すったちっとがー:そんなに少しなの。
すっだに〜
すったに〜
【連用】そんなに
すったま 腕白 神奈川。
すっだま
すったま
【動】驚く 『おったまる』
すっだら〜
すったら〜
【連体】そんな〜 『そったら〜』
すっだらがす
すったらがす
【動】ほったらかす
(すったらたー) 勝手のし放題 神奈川。
すっちゃす 【動】磨り潰す 『擦り潰す(つやす)』意味。
(すっちょーない) 【形動】無愛想 静岡。
すっちょんちょん 【形動】おっちょこちょい
〜ずっつ 【助】〜ずつ 副助詞。
(ずっつく) 【形動】ずんぐり 神奈川。
すっつぐ
すっつく
【動】引っ付く 『吸い付く』か。
すっつける 【動】擦り付ける 『吸い付ける』。
(すっつと) 【複】するというと、そうすると 宮城。原型は『するっつーと』か。江戸言葉では『するってえと』
(ずっている) 【複】間が抜けている 神奈川。
すってかがる 【動】手出しする、反抗する、口を出す
すってかげる
すってかける
【動】手出しする、反抗する 『集覧:久』。集覧には『事を言ひ懸くること』とある。
すってごてん
すってこてん
【形動】すってんてん すってこ:いたずら:神奈川。
すってっじょー
すってっちょー
すってっ
すってんしょー
頂上、てっぺん 『集覧:久』。北アルプスに『大天井岳(おてんしょうだけ)』がある。天頂と天井はルーツは同じと考えられる。
すってな 【動】転ぶ 『すって投げられる』意味。
ずづでなし 怠け者 真壁郡。『術無い(ずつない・じゅつない)』((ズチナシの転) 処置のしようがない。苦しい。)の流れ。
すってぼっけー 捨て鉢 本来は『ほったらかし』の意味。
すってる 【動】捨てる 変則的な訛。
すってっちぇ:捨てちゃいなさい。
すっでんごろりん
すってんころりん
【副】滑って転ぶ様 『すってんころり』。
すってんじょー 天井
〜すっど
〜すっと
【助】@〜すると〜、A〜するぞ @東京下町では『すんと』と言う。
そーすっと、そすと:そうすると。
A・〜すっど:鹿児島。
〜すっと:宮城。
すっど
すっと
【接】すると 『新方言』には『スット:すると。栃木茨城から群馬の若年層へ進出。』とある。
ずーっと 【副】ずんずん、どんどん ずるっ:残らず・すべて:鹿児島。
こんだげこやしまげばいまにずーっとほぎでくっかんな:これだけ肥しを撒けばそのうちずんずん成長するからね。
すっど
すっと
【動】鋭く尖る
すっどげる
すっとげる
【動】@溶ける、A解ける
すっとごどっこい ののしっていう語。馬鹿野郎の類。 すっとこどっこい:東京。
すっとぶ 【動】@勢いよく飛ぶ。飛び出る。A急に消えてなくなる。消滅する。 『素っ飛ぶ』。
すっとぶ:東京・静岡。
すっとばす 【動】飛ばす、(車を)飛ばす、(途中を)抜かす
すっとびあるぐ 【動】飛び歩く すっとびあるく:群馬。
すっとぼげ
すっとぼけ
間抜け 『素とぼけ』の意味。
すっとぼげる 【動】とぼける 清音なら俗語。
すっとぼける:埼玉。
すっとぼげでしどしてるふりしてんだねーど:とぼけて仕事をしている振りするんじゃないぞ。
すっとも 【副】ちょっとも、少しも やや古い標準語の『そっとも』の転。
(すっとらおもい) 【複】予想以上に重い 神奈川。
すっとろげ
すっとろけ
@ぬかるみ、A解けてしまったこと(もの)、Bとぼけた人
すっどろげる
すっとろげる
すっとろける
【動】@溶ける、A(道などが)ぐしゃぐしゃになる、Bとぼける
すっとんすっとん 【副】わき目もふらずどんどんゆくさま 『すたすた』。
すっとんきょ 間抜け 『素っ頓狂』。
すっとんきょ:埼玉・神奈川。
すっとんきょー:東京。
☆△◇ずつない
ずづねー
ずつねー
【形】切ない、辛い、やるせない、不快な様 『集覧:久・多・稲』。『術無い(じつない・ずつない)』(仕方がない。困る。切ない。)。
茨城では主に『ものうい、だるい、元気が無い』の意味。
現代語の『切に』(しきりに。ねんごろに。せつに。また、どうしても。ぜひ。)は古くは『せちに』と言った。竹取物語にもある言葉である。
『集覧』では『心身何となく嫌気のすること。』とある。
『俚言』には『今、常陸の辺にて不快をずつないといふ。』とある。すでに江戸時代にも古い言葉として意識され、常陸には残っていたことになる。
『聞書』では浪花言葉で『づつない:術ないか江戸でいふせつない也。気がづつないはきのどく也。』とある。
『広辞苑』には『術無い(ずつない・じゅつない):((ズチナシの転) 処置のしようがない。苦しい。)。』とありさらに『ずちなし(術無し):形ク:(ズチは「術」の字音) なんともしようがない。困りはてたことだ。術(スベ)なし。』とある。名詞形の『術無し』は『はたらきのない者。無能者。』の意味。
これらから、現代語の『切ない』は『術無し』に由来することが考えられる。
じちなし:意気地なし・不器用者・無精者:神奈川。
じちなし:手先の不器用な者・怠け者:山梨。
じちねー:山梨。
じちもない・じちゃーねー・じちゃくちゃない・じっちもねー:だらしがない・つまらない:神奈川。
じちもねー・じちんねー:気力も無い:山梨。
じつなし:怠け者:神奈川。
ずつない:窮屈な:滋賀。
ずつない:栃木・長野・岐阜・三重・奈良・大阪・岡山・徳島・愛媛・大分・宮崎:苦しい。
ずつない:鬱陶しい:茨城・静岡。
ずつない:気持ち悪い:大分。
ずつない:だらしない:神奈川。
ずづなし:横着する様:神奈川。
ずつなし:偏屈者・横着者・怠け者・だらしが無い人・仕事が嫌いで座って暮らす人・面倒くさがり:神奈川。
ずつなし:意気地なし:静岡。
ずっなか:鬱陶しい:鹿児島。
ずっね:鬱陶しい:鹿児島。
ずつねー:だらしがない:神奈川。
(すつの) 【副】少なく 鹿児島。『少のう』が訛ったと考えられる。
〜すっ 【助】〜すれば
すっいすた 【動】失敗した 30年後半に『す』が『し』に変わって行く。
すっ 【動】剥がす
すっぱがれる 【動】剥がれる
すっぱぐれる 【動】逸れる、連れから離れる、迷子になる
すっ 【動】色があせる
すっこい 【形】@酸っぱい、A◆狡賢い @『酸っぱい』。
A『すばしっこい』の転か。
すっこすい
すっしこい
【形】狡賢い すっやえ:すばしっこい:山形。
すっだが
すっだか
素っ裸 ただし当時の土浦では『真っ裸』の方がメジャーだった。
すっだぎ 子供が勉強をしないで遊ぶこと 当時の子供達は、雨戸の開け閉めや風呂焚き、炊事の際のカツオブシを削る作業はノルマで、田植えやその他の作業も良く手伝わされた。その代わり塾はソロバン・習字・オルガン程度しかなく学習塾はせいぜい英語塾程度だったので、子供達は学校から帰るとあがりはなの上にランドセルを『すっだいで』(放り投げて)ベーゴマ、メンコ、かくれんぼ等の遊びに明け暮れた。日が暮れた頃は秋刀魚の臭いに釣られて帰った。秋刀魚は頭からしっぽまで(骨し)食べさせられた。
すっだぐ 【動】叩く、叩き落す、放り投げる すったき:箕や筵等についた穀物のくず:神奈川。
すっっちょ 罵倒言葉 近世語の『すっぱらげっちょ:口論の際、興奮して相手のことを罵倒する時に使う表現。意味はない。』『すっぺらげっちょ、すっからべっちょ』の転。意味は無いとされるが、そんな言葉があるはずは無い。
この言葉の意味を暗示する茨城方言に『すっらー』がある。『酔っ払い返っている奴』の意味とも思われる。
現代標準語の感覚からは意味がなかなか見えないが馬鹿なことを素のまま言うの意味ではないかと思われる。
すっだげやろー 罵倒言葉 『素開け遣ろう』意味。
すっだげる 【動】何もかも丸裸の様 『素開ける』意味。
すっ 後っ跳ね しっね』がさらに訛ったもの。典型的な東北方言。
しりっぱね→しっすっ
すっ:岩手・宮城・福島。
すっらー 【動】酔っ払う 『集覧:西』。『酔払う』の意味だろう。
すっ 【副】@▲さっぱり、Aすっかり、Bすぱっと、すっきり 『集覧:多・北・西・猿・真』。
@A古い標準語。
すっ:鹿児島。
すっ:すっかり:静岡。
あーだにいろいろゆってきたのにさいぎんはすっりだ:あんなに色々言って来たのに最近はさっぱりだ。
B標準語。
すっ 【副】すっぽり
(すっょーこく) 【動】努力する 神奈川。
(すっん・すっんでく・すっんやろー) お転婆・いたずらっ子 神奈川。
ずっ 【動】(水に)漬かる様り、とっぷり ずっ:岩手。
すっ
すっ
【複】しよう 『しっ・やっ
すっ:宮城。
すっ:宮城。
すっ
すっ
@失敗、A◆▲酸っぱい A『集覧:西』。
すっゃー:静岡。
すっ:神奈川。
すっ @しばしば、Aすべて マイナー方言。
(すっおこう) 【複】手こずる 神奈川。
すっぺが 【動】剥がす
すっーすた 【動】失敗した
すっったこっった
すっったのおっったーの
すっったのこっったーの
すっったのこーろんだの
【慣】つまらないことを騒ぎ立てる様、つべこべ言う様、なんだかんだ 『つべつべ、つべらこべら』
つっったこっったつっったのこったの・つっったーのこったーの』
現代語の『つべこべ』の原型とも考えられる。
茨城県に限らないかなり広域の訛。『滑ったの転んだの』の意味か。多く、頭に『やれ』がつく。
こっは『でしゃばり、小生意気、おしゃま、ひょうきん』の意味もある。
『語源辞典』には『つべこべ』の語源は、『@ツベツベを強めるためにめに下半を同脚韻語と入れ替えたもの。またスベスベ(滑々)の義か。またツベカベの訛か。Aツブコブ(粒瘤)の転か。』とある。
『浮世』(P26)に『茶屋だの、女郎屋だの、滑ったは転んだはと、内外(うちそと)の物入りが増(つよ)くなる。』とある。
『俚言』には『すべったのころんだの』が掲載されている。
すったのこったの:福島。
すっったおっった:福島。
すっったこっった:福島。
すっったのおっったの:宮城。
たのこたの:宮城。
すっ 【複】@しようって、Aするだろうよ 元『するべしぞ』。茨城では勧誘の意味が薄れているが、千葉銚子には残っている。
すっ:しようよ:千葉。
すっどもー 【複】しようと思う すっどもって:しようと思って:宮城。
すっ 【副】頻繁に 『集覧:行』。訛りに訛った言葉。
すっ:千葉。
すっ 【動】@(池などに)落ちる、A滑る @『滑り入る』の転だろう。
A・すっ::福島。
ずっ @筒、A聴覚障害者 @『づっ
A『づっ
すっ 筒袖 『集覧:多』。『筒っぽ』の転。
つつっつっすっ
すっ:福島・神奈川。
すっ:栃木・八丈島・長野・静岡。
すっ:藁靴:長野。
すっ:福島。
すっ:八丈島。
んじょー:藁靴:長野。
みそふみ:藁靴:長野。
ずっ 頭瘡、あばた 『集覧:猿』。『頭疱』の意味。
すっ 【形】酸っぱい すっ:静岡。
すっがし
すっかし
約束をまもらず放っておくこと
すっがす 【動】すっぽかす、騙す 『おっらがす』
すっかめし 味の無い飯 『集覧:行』。
『俚言』に『すっぱう飯:湯にても汁にてもかけぬ飯を云。』とある。
ほーめし:おかずの無い飯:山梨。
すっ
すっげやろー
ぼけ、馬鹿 『すぼけ』。
すっーだつ・すっらだつ:たたずむ・ぼうっと立つ:神奈川
すっげる 【動】とぼける
(すっーだつ・すっらだつ) 【動】たたずむ、ぼうっと立つ 神奈川。
すっっとぐ
すっどく
【動】放っておく 『ほっっとぐ』
すっ 【動】放り投げる すっ:山梨。
すっぬぐ
すっほぬく
【動】@騙す、出し抜く、Aすっぽかす、B引き抜く @『集覧:北』。『すっぱ抜く』。
A『すっぽりと抜く』意味。
B『すっぽりと抜く』意味。標準語には名詞形の『すっぽ抜け』しかない。
すっぬげ すっぽりと抜けること。全く忘れること。 『すっぽ抜け』。
すっーぬけ:神奈川。
すっぬげる 【動】すっぽりと抜ける、すっかり忘れる
すっはん
すっはんてん
すっばんてん
筒袖
ずっ 素潜り 稲敷郡。=『ずんぶくぐり』
◎すっーめし おかずの無い飯 近世語。
『俚言』に『すっう飯:湯にても汁にてもかけぬ飯を云。』とある。
『すっう』とは『修法(しゅほう・すほう・ずほう):密教で、加持祈祷などの法。壇を設け、本尊を請じ、真言を唱え、手に印を結び、心に本尊を観じて行う。祈願の目的によって修行の形式を異にし、息災・増益・降伏・敬愛などに分類され、本尊も異なる。密法。秘法。』に由来するか。
すっろめし:神奈川。
ほーめし:おかずの無い飯:山梨。
すっらがす 【動】すっぽかす 『捨て放る』の擬似他動詞形。
すっらかす:神奈川。
(すっらだつ) 【動】一人ぽつねんと立つ 神奈川。
すっりな 【動】放り投げる 『ほっりなる』。『捨て放り投げる』。
ずっ 【副】すっぽり、どっぷり
すっりん
すっろりん
無一文 『集覧:猿』。標準語には、類似語に【形動・名】『すっぺらぽん』、【副】『すっぽり』がある。
すっ 【動】放る、捨てる 『ほっる』。『捨て放る』意味だろう。
すっ:埼玉・東京多摩・神奈川。
すっーる:東京西部。
ずっ 聴覚障害者 久慈郡。正しくは『づっる』
すっろぐ
すっろく
【動】叱り付ける 『集覧:北』。
すっんすっ 【形動】すぽすぽ
ずーてー 図体 江戸言葉。
ずーてー:神奈川。
〜すて 【複】〜して 古語の流れ。現代語の『する』の活用形は特殊形である。
〜すて:八丈島。
ずでー 【副】全く、全然、少しも 『ずだい』。『土台』が訛ったとされる。
ずで:群馬・山梨。
ずでー:群馬・長野。
ずーで:長野。
ずでー 【形】大きい
すであみ すくい網の一種 『叉手網』。久慈郡。
(すでい) 【副】既に 鹿児島。
ずでがい
ずでげー
【形】大きい 『ずでかい』は、標準語の口語言葉。=『ずでっかい』
すてかげる 【動】誘う、ちょっかいを出す 北茨城市。『仕掛ける』意味か。
すでぎもない
すてぎもない
すてきもない
すてぎもねー
すてきもねー
【形】@とてつもない、A不相応だ、B普通ではない 『ふてぎもねー』。当時日常的に使われた言葉。
『素敵・素的』(すてき)は当て字で『程度や分量がはなはだしい様』で辞書掲載されている。『出来すぎ(できすぎ)』の倒語と言われる。明治に入ってから現代の『すばらしい』意味に限定されるようになる(日本語源大辞典)。そうなれば、『すてきもな・し』の意味になる。同様の言い方は標準語には、『せわしない/せわしい、とんでもない/とんだ、まんべんなく/まんべんに、極まりない/極まる』等があるが事例が少ない。この場合の『〜なし』は元『〜なるや』か。
茨城では、感嘆の意味の終助詞『〜な、〜なあ、〜ね、〜ねえ』に当たる方言として、『〜ない・〜なえ』がある。原型は『〜なや』だったと考えられる。
中里介山の小説『大菩薩峠』に『昔、上(うえ)つ方(がた)に、すてきもない淫乱の後家さんがあって、死んでから後、墓地を掘り返して見たら、黄色い水がだらだらと棺の内外に流れて始末におえなかったと、古今著聞集という本に書いてあるとやら。』とある。
楠山正雄の諸国物語『長い名』に『「ちょうにん、ちょうにん、ちょうじゅうろう、まんまる入道(にゅうどう)、ひら入道(にゅうどう)、−中略−お茶(ちゃ)がすんだら三遍(べん)回(まわ)って煙草(たばこ)に庄助(しょうすけ)。」という、すてきもない長(なが)い名前(なまえ)をつけました。』。
佐々木味津三の『右門捕物帖/へび使い小町』に『まこと、伝六太鼓もたたきようによってはすてきもない音の出るときがあるとみえて、いかさまいぶかしい一通を目の前にさし出したものでしたから』とある。辞書にも慣用句辞典にも無い言葉だが、『程度の甚だしい』意味なら古い標準語である。
すてきもない:静岡。
すてきもねー:素敵な:山梨。
すてぎもなぐいがい:とてつもなく大きい。
おれにはすてぎもねーよめだ:俺には分不相応の嫁だ。
そーたにすてぎもなぐやるもんだねー:そんなに無理にやるもんじゃない。
すてくされ
すてっくされ
不貞腐れること
すてくされる
すてっくされる
【動】不貞腐れる
ずでげー 【形】大きい ずでっけー・すでっけー:神奈川。
(すてっこー) 強情な様 佐渡島。
すてっちぇ
すてっちぇー
【複】捨ててしまえ
すてっちょ 頂上、てっぺん
ずでっと 【副】@どっしりと座る様子、A(勢い良く)転ぶ様 『すてんと』が訛ったと思ったら、辞書にはAと同じ意味の『ずでんどう』『ずでいどう』があり、古い言葉が残ったものと思われる。
すてっ 【形】ずば抜けて大きい様 『すてっづ』は千葉北部方言の『すてれっづ』『てっづ』と明らかに深い関係があると考えられる。
『鉄鉢』(てっぱつ)とは『@〔仏〕応器(オウキ)に同じ。A兜の鉢の鉄製のもの。金鉢(カナバチ)。』のことだが何か関係があるのだろうか。
すてっ:静岡。
すてっ:千葉銚子。
すてっ:神奈川。
すてばち:静岡。
すてっ てっぺん、頂上 『てっぺん』を強調したもの。
すってんでん:神奈川。
すってん:神奈川・
すてっ:神奈川・静岡。
すてん:宮城。
すとっ:静岡。
(すててんこ) 片足跳び 北海道・青森・岩手・秋田・宮崎。
すてね 不貞寝
(すてねこ) 放蕩娘、密売女 佐渡島。
すてばぢ 捨て鉢、自暴自棄 濁音化。
すてばっけ
すてばっち
すてばっつけ
捨て鉢、自暴自棄 『集覧:猿』。似た語形に『うっちゃりぼっけ』(ほったらかし)がある。
すでばで
すてばて
捨て鉢、自暴自棄 茨城方言集覧では旧西茨城郡の方言で『手を付けられないほどの悪人』の意味とある。『捨て果つ』(捨ててしまう。全く捨てる。)の名詞形と考えられる。
『俚言』には『棄はて』がある。
すでばでる
すてばでる
すてはでる
【動】全部捨てる 『捨て果つ』に意味を託した言葉。
すてー 頂上、てっぺん 『集覧:久』。
古い標準語の『素天辺(すてっぺん)』は『最初、のっけ』の意味だが、同じルーツの言葉と思われる。
すてぼっかい ほったらかし 『集覧:西』。
『俚言』には『ほっかい:「和訓栞」俗語ほっかいつぶてぼっかいにすてたなとと云。渤海の音なり。愚按、大渤海と云諺も是なるべし。』とあり、江戸時代の『渤海に捨てる』という慣用句に由来すると考えられる。
すてぼっけ
すてぼっけー
すってぼっけー
@◆ほったらかし、A捨て鉢 『うっちゃりぼっけ』
本来は@の意味、転じてAの意味。『今昔』では『自然の成り行きでかまわない』の意味としている。
(すでもこんにゃくでもくえねー) したたか者を形容することば 神奈川。
(すでもねー) 【複】愚にもつかない、問題にならない 神奈川。
すでる 【動】捨てる 単なる濁音化だがこれを使う茨城人はかなりの高齢者の部類に入るだろう。
すでる:萎む:静岡。
すてれよ 当時のステレオの意味 レコードプレーヤーの略語として、左右異なる音が出た時期の呼称。ほぼビートルズ時代と重なる。時代を遡って順に呼び名を挙げると、蓄音機(ちぐおんき:78回転時代のプレーヤー)→プレーヤー(れーあー、れーやー昭和40年頃で、プラスチック製の赤いソノシートが主流だった時代の呼び名。LPの代表として33回転に変わる。当時のプレーヤーは78回転の機能を備えていた)→ステレオ(すてれよ:左右のスピーカーが単純に分かれたステレオ。れーやーの発売間後も無く普及。シングル型のドーナッツ版が普及する。ヨーロッパでは昭和30年前半(1957)年頃からステレオ化された。針はサファイアが主流。東芝のLPレコード製品は古くから赤版として定評があった)→セパレートプレーヤー(れーとれーあー、昭和40〜45年頃がピークで左右のスピーカーが自由に配置できるステレオで家具調のものが流行った。LP30cm版が全盛になる。針は人工のダイヤモンド針が主流になる。)→ラジカセ→ウォークマン→デジタルウォークマン→オーディオプレーヤー。大半がメーカーの売りの呼称が茨城弁に訛った。当時は、ラッパ型蓄音機がどこの家にもあり、鉄針の変わりに自分で竹を削って竹針を作り楽しんだ時代だった。我が家にも一山ほどのカーボン製の78回転レコードがあったが、扱いが雑だと簡単に割れてしまった。宝のようなものだった。
(すてんから) 最初から 神奈川。
『始点から』の意味か。
すてんしょ
すてんしょん
『集覧:西』。『すてんしょ』は単なる訛りとして辞書掲載されている。
すてんしょ:栃木・神奈川。
すてんと 【副】滑って転ぶ様 『すってんと』。『すってんころり』。
ずでんど
ずでんと
ずてんと
【副】@どっしりと座る様子、A(勢い良く)転ぶ様、B沢山 A『すてんと』が訛ったと思ったら、辞書には『ずでんどう』『ずでいどう』があり、古い言葉が残ったものと思われる。
『俚言』にも『すてんどう・すていどう・つていどう・すていどう』がある。
〜すと 【助】〜すると 八丈方言では『あきしけのすと』(秋時化がすると:秋の時化になると)がある。
そすと:そうすると。
すとづ
すとつ
すとっつ
一つ
すどっかい
すどっけー
そのままで物を交換すること 『素取替え』の意味と思われる。これはいずれの辞書にも無い。『すどっけー』は横浜市緑区川向町で採取された言葉でもある。
ずどっと
ずどんと
【副】沢山 ずど:【副】非常に:岡山。
(ストロー) プラスチック製のストローが出回る前は、大麦の穂の柄を使ってストロー代わりにした。大麦の収穫の時母親が何十本も作ってくれたものである。中学校になってから、ストローとは英語で藁や麦藁を指すのを知った。
(ストローゼリー) 当時駄菓子屋で売っていたゼリー。試験管のような容器にゼリーが入っていて、ストローで掻き出して食べた。白とピンクのミックス色のタイプは途中で味が変わった。
(ずな) 鹿児島。複合語で濁音化する言葉が、単独でも濁音化するのは茨城にもある。
□△ずない
ずねー
【形】@大きい、A過分だ、不相応だ、B途方もない、C並はずれている、素晴らしい 『集覧:久・多・那』。=『ずもない』
『図無い(近世・中世語)』(途方もない、並はずれている)。
『称呼』によれば、『大いなる事を五畿内近国共にゑらいといひ、又いかいと云。(中略)又いかいは、いかいものといふ時は大成事、いかい事と唱ふる時は多き事也。諸国の通称にや。四国にていかいと云は、いかいお世話、いかいご苦労などと云事のみつかふ。是も大いなる義なり。古には大なるをいかといひしと見えたり。貝原篤信は、いかいといふはいかめしいの略語ともいへり。伊豆駿河邊には、いかいとも又がんかうともいふ。上野にて野風と云、陸奥にてでっかいと云(いかいの轉語か)。仙臺にてをかると云、がいとも云(関東すべていふか)。又づないと云。安房上総及遠江信濃越後にてでこといふ。越後にては、大きし小さしといふをでこしのこしといふ。西国及四国にてふといと云。』とある。この記録は茨城県人にとっては感慨深いものがある。茨城ではかつて大きいことを『でごい・でこい』と言ったのは、周辺地域から影響を受けたのだろう。
@・ずない:大きい:山形・宮城・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・神奈川・長野・山梨・静岡・奈良・岡山。
ずない:頑強な様:群馬・神奈川・山梨・静岡。
ずない:忍耐強い:長野。
ずない:強い・強情な・壮健な・悪戯者・利口者・温和者:静岡。
ずなぇー:大きい:福島。
ずなし:山形。格助詞『に』が付くことが多い。
ずなし:強い:静岡。
ずねー:大きい:福島。
ずんない:強い:静岡。
C・ずない:偉い:岩手・神奈川。
ずない:子供の利口なこと:岩手。
ずなっこい:勝気な様:神奈川。
ずねー:生意気な:長野。
ずねぁー:気が強い:静岡。
ずんね:偉い:宮城。
★『土』:身體(からだ)の割にしちゃ圖(づ)無(ね)えな:体の大きさの割りに並外れているな(角川文庫版では単に大きいという注釈をしている)。
ずなぐ
ずねぐ
【副】過分に、不相応に、途方もなく、並はずれて 『図無い(近世・中世語)』(途方もない、並はずれている)の連用形。
すなこっこ アリジゴク 県下では『うしこたっこ』がメジャー。姿から牛の角を意識した方言が多いが、この訛りは恐らく土浦地域の中でも限られた方言であろう。『砂の子』の意味ではないかと思われる。
(ずなずなしー) 【形】きつそうな様 神奈川。『図無い(近世・中世語)』(途方もない、並はずれている)の流れか。
すなぢ すり鉢
すなっぼごり
すなっごり
砂埃 すなっこり:群馬。
すなはだぎ
すなたき
旅行の慰労会 辞書では『砂払い:千葉県で、旅、殊に伊勢参宮から戻った祝い。』とある。
すなはたき:千葉。
すなばぢ
すなはぢ
▲●すなはち
すり鉢 『集覧:多』。=『しのはち』
標準語の『砂鉢(すなばち)』は、@粗製の浅い鉢、さはち、A華道で、花を挿すために砂を盛った鉄器または木器の大形水盤(広辞苑)とある。『汁盤(しるのはち)』の意味もあり得る。中国から伝わったので『支那鉢』説もある。
すなはち:山形・茨城・静岡・長野。
すのはち:静岡。
すなばっけ 砂地の崖 『ばっけ』は関東から東北にかけて使われる崖を意味する方言。『はけ』とも言う。
◎すなはらい
すなはれー
@コンニャク、A冬にコンニャクを食べること 『砂払い』。
すなはらい 旅行の慰労会 辞書では『砂払い:千葉県で、旅、殊に伊勢参宮から戻った祝い。』。
すなむ
すなも
すなも
シマドジョウ、ホトケドジョウ、カマツカ 標準語では『カマツカ』を指し、別名『スナムグリ・スナモグリ』ともいう。姿が似ているので間違えて使ったものだろう。
すなめ 砂質の土地 『め』は場所を表す接尾語『み』の転。
すなら
すんなら
【接】それなら、【感】さようなら 『そんなら』の転。
すねからし すれっからし
(すぬい) モズク 沖縄。
ずぬげで 【副】飛びぬけて、図抜けて 濁音化。
ずぬげる 【動】抜ける、図抜ける 濁音化。
ずねー 【形】@途方も無い、A並外れた様 『図無し、図無い』(方図の無い者。突飛な者。横着者。)。
長塚節の『土』にも出て来る。県下では一般に『ずもねー』が使われる。
ずね:福島。
ずねー:強い・丈夫・大きい・太い:神奈川。
ずねー:強力な・強い・暴れん坊の:山梨。
ずねー:強い:静岡。
ずんね:福島。
すねきず 前科者
□すねくさ 痒疹性湿疹、雁瘡 『臑瘡』。
すねぐれる
すねくれる
【動】拗ねる、ひねくれる 『拗ね』『くれる』意味。
すねっぱぎ
すねっ
すねっ
すねぱぎ
すね 『脛(すね)』+『脛(はぎ)』(膝から下)の転。『集覧:新』。すねっぱぎは古い標準語。
すねっ:群馬。
すねんぼー:静岡。
すねっ ひねくれ者 すねっこくり:静岡。
すねりこんぼ 辛うじて作ったもの、無理算段 『集覧:久』。『ねじれた棍棒』の意味。
(『すねる』と『ひねる』) 【動】−
ずのごっちょー
ずのこっちょー
愚の骨頂、この上なく愚かなこと
すのごの あれこれ、つべこべ 『四の五の』。
◆■ずのぼせ 図に乗る人、思い上がった人、転じて小ばか
ずのぼせる
ずのぼる
ずんのぼせる
ずんのぼる
【動】いい気になる、図に乗る、自惚れる 『集覧:真』。
ずば
すば
ボラの稚魚、スズキの稚魚 ボラの稚魚は『スバシリ』。スズキの稚魚は『セイゴ・フッコ』。
古語の『楚・杪(すばえ・すわえ・すはゑ):木の枝や幹から細く長くのびた若い小枝。しもと。』(素生えの意味か)の流れと見られる。
(すば) 沖縄そば。小麦粉に灰汁を入れてつくる麺。 沖縄。辞書掲載語。『そば』の転。沖縄ではオ段音がウ段に変化する。
〜すば 【助】〜すれば 『〜せば』が訛ったもの。
(すばう) 【動】這う 鹿児島。
すばえー 【形】素早い すばえ:鹿児島。
すばやか:鹿児島。
(すばか) 愚か者 神奈川。『素馬鹿』『薄馬鹿』の意味か。
(すばくらもの) 意気地なし 神奈川。
古語の『楚・杪(すばえ・すわえ・すはゑ):木の枝や幹から細く長くのびた若い小枝。しもと。』(素生えの意味か)の流れと見られる。
ずばくら:うそつき・そらっとぼけ・いいかげん:静岡。
ずばぐれる 【動】しらばっくれる 訛りに訛った鹿島郡の方言。
すばごみ:あくびすること:千葉。
(すばくれる) 【動】ずるける、怠ける 静岡。
◎すばこ 婦人病 広辞苑に『寸白(すばく):婦人病の総称。すばこ。白帯下(ハクタイゲ)。しらち。』。
すばこ:脛の静脈が浮き出る病気・下肢静脈瘤:群馬。
すばしっけー 【形】すばしっこい 連母音変形。
じびしか:鹿児島。
すばす
レンコンを軽く茹でたものを薄く切り酢につけたもの。 サラダ感覚で食べられる。なるべく小さな『まごぱす』を使い、『鷹の爪』を加えるのがこつ。『すはす』という地域もある。
【副】@物をたやすく続けざまに切るさま。すわすわ。Aタバコを続けて吸うさま。 最近はあまり聞かない言葉。
すばらく:おしゃべり:神奈川。
すばすば 【副】物を飲んだり吸ったりするさま。 『すが訛った茨城方言としか思っていなかった言葉。
ずはずれ
すばずれ
普通とは違ったさま。なみはずれ。ずぬけ。 『図外れ』。
ずは:岩手・山形。格助詞『に』が付くことが多い。
すばぢ 蜂の巣 『巣蜂』の意味。
っと 【副】しっかり、見事に 『すっぱり』。
ずばぬげる
ずばぬける
【動】ずぬける 『集覧:猿』。この『ずば』は辞書では漢字が当てられていない。接頭語と考えられるが他に用例が無い不思議な言葉。『図(頭)をば抜ける』意味なのだろうか。
(ずばらー) 【副】大層 静岡。
(すばらく) おしゃべり 神奈川。
□すばらしー 【形】素晴らしい 古語にはなく近世に生まれた言葉。『国誌』に方言扱いされているのは、当時の新語と考えられる。古くは『ひどい。とんでもない。』意味があった。
すばらしー:抜け目ない・少し欲張りな:宮城。
すばらしー:えらい(甚だ盛なる意):静岡。
(すばる) 【動】はにかむ 静岡。
(すばる) 【動】座る 静岡・鹿児島。
(すび) 術(すべ) 静岡。
すびぎ ニワトリの毛を抜くとき湯にひたさずそのままむしり取ること 『素引き』の意味。土浦市の方言。
すびぐ 【動】(腫れが)引く すびく:痛む:福岡・大分。
すびる:神奈川・山梨・静岡。
すびる:乾いて縮む:山形。
すびぁー 【複】しようよ、するだろう 『集覧:猿』。元『すべえや』
(すびて) 酢の物 静岡。
ずぶ 篭、魚籠 『集覧:久・鹿』。茨城弁には『笊』を酒豪に例えるが、これは『篭・魚籠』を『ずぶ』(酔っ払い)に例えたか?。
△ずぶ 泥酔、泥酔した人、酔っ払い 『ずぶろく』の略。
ずぶ:愛知。
ずぶ 【副】全く、まるっきり 古い標準語。『集覧:久・鹿』。今では『ずぶの素人』に残されているだけである。
ずぶ:山形・静岡。
ずぶきり:宮城。
ずぶくたい:尋常でない:静岡。
ずぶたい:極めて:静岡。
ずぶ
ずーぶ
ずーぶん
【形動】@随分、A十分、B▲丁度 当時の中高齢者の言葉。県北部では『ずべ』とも言った。『集覧:久・鹿』。前項の古い標準語の意味をやや転じて使っていると思われる。@現代でも80歳代の人達の発音は、『ずーぶん』に近い。
@A標準語の『随分』と『十分』は同源で、当て字ではないかと思わせる言葉。副詞の『ずぶ』は無視できない言葉。
ずっ:沢山:青森。
ずんばり:沢山:青森。
BAの意味が転じたと考えられる。
(ずぶくたい) 【形】一通りでない 静岡。
すぶこ @下着を着ないで着物を着ること、A手ぶら @=『つぶこ』
(ずぶたい) 【副】最も。きわめて。この上なく。 静岡。『極』の意味という。
ずぶっと
ずぶんと
【副】ざぶりと
ずぶっとい
ずーぶっとい
ずぶでー
ずぶどい
とい
ずぶとい
【形】図太い 『集覧:久・西』。
ずぶてー:群馬。江戸言葉。
ずぶとい:ずるい:静岡。
ずぶどえ:山形。
ずぶとっこい:ずるい:静岡。
すぶら @下着を着ないで着物を着ること、A手ぶら
ずぶろぐ
△▽☆ずぶろく
泥酔、泥酔した人、酔っ払い 人名化した『ずぶ六』。『集覧:真』。
ずぶろく茨城・長野。
すべ
すべー
【複】@しよう、Aするだろう 『しべ』
@・すべー:群馬。
ずべ @全く、A丁度、十分、B魚篭 『集覧:久』。
@は古い標準語の『ずぶ』の転。
A随分・十分の転。
Bは『ずぶ』がさらに訛ったもの。
◎ずべ 不良少女 『ずべ公』。『ずべら』に由来すると言う。
ずべ:だらしがない・好色:東京。
ずべ:身なりや態度が卑しい人:群馬。
〜す 【複】〜だろう 『候』の転じた『す』がついたもの。広辞苑に『す【候】:サウラフ(候)の略サウのさらに転じたもの。閑吟集「嵐では無げに―よの」』とある。
〜す:宮城。
すべぐる
すべくる
【動】滑る すべくる:群馬。
ずべこー 不良少女 『ずべ公』。『ずべ』は『ずべら』に由来すると言う。
ずべこー:埼玉。
(すべたあま) 婦女子 長野。明治の長野方言である。
ずべだら
ずべたら
【形動】残らず、全部、一面の転 『すべからく』『全て』の転か。『集覧:久』。
ずべたら・すべたら・すべったら:全部・多く:神奈川。
すべたら:やたらに・むやみに:山梨。
◎すべっこい 【形】すべすべしている、滑らか やや古い標準語。
すべっこい:東京・山梨。
すべらっこい:静岡。
◎すべったころんだ
すべっただのころんだだの
すべったのころんだの
【慣】つまらないことを騒ぎ立てる様、つべこべ言う様 標準語。『滑った転んだ』。現代語の『つべこべ』の原型とも考えられる。
『浮世』(P26)に『茶屋だの、女郎屋だの、滑ったは転んだはと、内外(うちそと)の物入りが増(つよ)くなる。』とある。
『俚言』には『すべったのころんだの』が掲載されている。
すべったのころんだの:埼玉。
◎ずべら ずぼら 辞書掲載語だが一般には『ずぼら』
すべたら:だらしない様:静岡。
ずべら:東京多摩・神奈川。
すべら:福島・静岡。
すぼら:静岡。
すべらが
すべらか
【形動】滑らか すべらか:長野。
すべらがす 【動】(口を)滑らす すべからす:栃木。音位転倒か。
すべる 【動】怠ける 『そべる:横になる。ねそべる。』が訛ったものか。
(すべる) 【動】片付ける 宮城。
【動】滑る
ずぼげ ぼけ、馬鹿 濁音化。『すぼけ』。
すぼけ:稲や麦の生長が急に悪くなること:神奈川。
すぼけ:ぼんやり・ばか・まぬけ:静岡。
ずぼげる 【動】惚ける
【副】物が容易に抜けたり、はまったりするさま。また、その音。すぽん。
ずぼずぼ @【副】物が容易に抜けたり、はまったりするさま、A【形動】びしょぬれの様 @は標準語。
(すぼすぼしー) 【形】寒々しい 神奈川湯河原。
(すぼっけもん) 強情者、向こう見ず 鹿児島。
『ぼっけもん』とも言う。『す』は強調語と思われる。『ぼっけ』は『物怪、勿怪』の意味か。
ずぼっと 【副】@すっぽり、Aずぶりと ずぼる:雪の中に足がはまる:石川。『ごぼる』とも言う。
つぼっとした:坪のように底が深い:宮城。
ずぼぬれ ずぶぬれ
☆すぼむ 【動】@末が次第に狭く細くなる。すぼまる。A(花が)窄む、縮む。B衰える。ゆるむ。 標準語。方言だと思っている人が多い。普通花は『萎む(しぼむ)』だが、『窄む(すぼむ)』は縮む意味。『つぼむ・すばる・すぼる・すまる』もある。
すぼめる 【動】すぼむようにする。 『窄める』。
うっせーな、くぢすぼめろ:うるさいなあ、口をつぐんで。
すま
すまこ
平安末期の『山家集』にも使われる。広辞苑には『スミの訛。』とある。隅は『角』とも当てられる。『端(つま)』という言葉がある。『へり。きわ。はし。』の意味である。建物の長手方向の端部は『妻』とを言う。『詰め』には『物の端。きわ。特に、橋のたもと。』の意味がある。茨城では『つみ・つみっこ』という方言がある。
『すみ・すま』は古語辞典には無く、『端(つま)』『褄(つま)』はある。すなわち現代語の『隅』は、むしろ『つま』から『すま』を経て『すみ』になったのではないかと考えられる。
すま:山形・群馬・神奈川・山梨・静岡。神奈川では『墨』をも指す。
すまこ:山形・宮城。
すんまこ:山形。
すまーこく 【動】さぼる 『ひまーこく』。『集覧:那』。
すましてる 【動】澄ましてる、気取っている 標準語。
すましんぼ すましや
すます 【動】気取る 『澄ます』。
すます 【動】洗いきよめる。洗いすすぐ。 『澄ます』。
すまだ むきだしになっている股。また、内もも。 『素股』。
すまっかだ
すまっかど
◆■▲すまっこ
『すみ』の転。『すま』は古い標準語で隅が訛ったとされる。。=『すみっこ』。『集覧:新・猿』。『すまっこ』は広域方言。
『すまっかだ』は『隅つ方』の意味か。
『すまっかど』は『隅つ角』の意味。
『すまっこ』は『隅つ処』『すまつ処』の意味だろう。『つ』は格助詞『の』と同じ。
すまっこ:青森・宮城・福島・群馬・東京多摩・神奈川・山梨・静岡。
すまっこー:静岡。
すんまこ:山形。
すまふ 底が四角形の笊 『すま』は『隅・角』の意味。『畚(ふご)』とは『@もっこ、魚篭』のこと。『角畚(ふご)』の意味。
すまぶり @鶏の巣などに置く陶製の卵、巣守り卵、A売れ残りの娘 『集覧:北』。『守る』は古くは『まぶる・まぼる』と発音した。
@『巣守り』の意味。もともとは、鶏に産卵を教えるために巣箱や鳥屋に置いた卵のこと。その後陶器の擬似卵が使われる。
Aいつまでも巣に残るので、売れ残りの娘をも意味した。宮城では宴会の席などで最後まで酒を飲んでいる人を言う。
すまぶりたま 鶏の巣などに置く陶製の卵、巣守り卵
すまほ
すまぼこ
すまほ
すまほこ
底が四角形の笊 『集覧:行』。『角畚(ふご)』の意味。
すみ 電池、ライターの着火芯 もともとは『灯心(とうしん)』を『とうしみ』と言い『しみ』が訛って『すみ』と言うようになったと思われる。
すみ:青森。
すみこ 隅、隅の方 すますまこ・すみこすまっこ・すみっこ
すみずかり
すみすかり
すみすかれ
郷土料理の一種 2月の初午の日に作る。
もともとは、『すみつかり、すむつかり』と呼ばれたとされ、『すむつかり』は一説には『酢憤』と当てられるが真偽は不明。
広辞苑には『すむつかり:おろし大根に炒大豆を加え、酢醤油をかけた郷土料理の一種。今では、栃木県地方などに「しもつかれ」の名で遺され、さらに、塩鮭の頭・大根・人参・酒粕などを加えて煮た料理。初午(ハツウマ)の嘉例に道祖神に捧げ、また自家の食用とする。』とされる。
(すみす 炭俵 宮城。
:茅・藁で編んだ俵:神奈川。
だーら:茨城。
すみす:青森。
すみちゃし 炭の粉 『炭潰し』の意味か『炭つ端:炭の端』の意味。
すみづかり
▽☆すみつかり
すみつかれ
郷土料理の一種 2月の初午の日に作る。
もともとは、『すみつかり、すむつかり』と呼ばれたとされ、『すむつかり』は一説には『酢憤』と当てられるが真偽は不明。
広辞苑には『すむつかり:おろし大根に炒大豆を加え、酢醤油をかけた郷土料理の一種。今では、栃木県地方などに「しもつかれ」の名で遺され、さらに、塩鮭の頭・大根・人参・酒粕などを加えて煮た料理。初午(ハツウマ)の嘉例に道祖神に捧げ、また自家の食用とする。』とされる。
すみっこ 隅、隅の方 『集覧:多』。『隅っこ』。
辞書掲載されているが俗語とも言える。原型は『隅つ処』と考えられる。
すみっこ:群馬・東京・神奈川・静岡。
すみどーふ 高野豆腐 『凍み豆腐』。他に『凍り豆腐。凝(コゴリ)豆腐。』とも呼ばれる。
すみとり 炭を小出しに入れておく器。木製または竹製が多い。すみいれ。すみかご。 『炭取・炭斗』。
今では生活の中から消えてしまった生活用品。
すんとい:鹿児島。
すみびづ 火鉢、角火鉢 辞書には『炭櫃(すみびつ)』は無く、枕草子にも出て来る『炭櫃(すびつ)』(いろり。炉。一説に、角火ばち。:広辞苑)がある。
単に炭を入れる櫃と考えれば何のことは無いのだが、不思議である。
すみーれ 炭を小出しに入れておく器。木製または竹製が多い。すみいれ。すみかご。
すむ 素潜り 『潜る』意味の『むぐる』は辞書掲載語。
すむし
すむしめ
シミ ウールやシルクの衣服を好んで食い荒らす虫。サナギは小さな繭状の巣を作り、羽化したあと、沢山の巣のようなものが残るからだろう。『しみむし・きららむし』とも言う。『巣虫』の意味か『しみむし』が訛ったと思われる。
すむじ 旋毛 高萩市・東茨城郡の方言。
すむしかい
すむしかいり
すむじかり
すむすかいり
すむずかり
郷土料理の一種 2月の初午の日に作る。
もともとは、『すみつかり、すむつかり』と呼ばれたとされ、『すむつかり』は『酢憤』と当てられる。
広辞苑には『すむつかり:おろし大根に炒大豆を加え、酢醤油をかけた郷土料理の一種。今では、栃木県地方などに「しもつかれ」の名で遺され、さらに、塩鮭の頭・大根・人参・酒粕などを加えて煮た料理。初午(ハツウマ)の嘉例に道祖神に捧げ、また自家の食用とする。』とされる。
すめ
すめー
住まい すめ:鹿児島。
すめー:群馬。
〜すめ
〜すめー
【助】〜しないだろう、しまい(しないように) 『しまい・すまい』。
〜すめー:群馬。
(ずめくる・ずめる) 【動】滑る 鹿児島。
すめる 【動】滑る
(相撲) 相撲の起源は古代の神事に由来するとされる。近世以降大相撲が生まれ、スポーツ興行としての位置付けに変化した。
相撲に似た格闘技は、トルコのヤールギュレシ、モンゴルのブフ、中国のシュワイジャオ、朝鮮のシルム、沖縄のシマ等があり、シルクロードに沿って分布することから、古代イスラエルの神事が起源であるという説がある。
古代イスラエルでは、相撲で使う清めの塩と同じように、塩には清めたり、力を貰う道具として使われたという。また、土俵は円形であるが、古代イスラエルでは円は先生なる場所を意味したという。
相撲の行司が、試合鼓舞する言葉は『はっけよい』『よいはっけよい』だが語源は良く解かっていない。ヘブライ語で『ヨイ』とは、『やっつけよ』、『はっけ』とは『投げつけよ』の意味と言う。おまけに、『ノコッタ』とは『投げたぞ・遣ったぞ』の意味という。
さらに、イスラエルの神は『アシラ』と言い、古代のインド神の『阿修羅:〔仏〕(梵語 Asura) 古代インドの神の一族。後にはインドラ神(帝釈天)など天上の神々に戦いを挑む悪神とされる。仏教では天竜八部衆の一として仏法の守護神とされる一方、六道の一として人間以下の存在とされる。絶えず闘争を好み、地下や海底にすむという。アスラ。修羅。非天。
無酒神。』にも逆説的に通じる。
『アシラ』が家を守る神としての、柱の象徴になったと考えても不思議は無い。
すも:鹿児島。
すもちかい
すもっかい
すもつかり
郷土料理の一種 2月の初午の日に作る。
もともとは、『すみつかり、すむつかり』と呼ばれたとされ、『すむつかり』は『酢憤』と当てられる。
広辞苑には『すむつかり:おろし大根に炒大豆を加え、酢醤油をかけた郷土料理の一種。今では、栃木県地方などに「しもつかれ」の名で遺され、さらに、塩鮭の頭・大根・人参・酒粕などを加えて煮た料理。初午(ハツウマ)の嘉例に道祖神に捧げ、また自家の食用とする。』とされる。
すもどり 用を足せなくて返ってくること 『素戻り』。
すもどり:山梨。
すもどり
すもとり
すもーどり
すもーっとり
相撲取り、関取 すもとい:鹿児島。
すもーとり
すもーとり
すもどりばな
すもとりばな
◆●▽すもーとりばな
すもーばな
スミレ 短縮化。『すもうとりばな・すもうとりぐさ』は、タチツボスミレの異称。花の形状が相撲取りのように太った人間に似ているからか、花の茎を使って、互いに絡ませ引っ張り合って切れた方が負けになる子供の遊びに由来するのだろうか。似た名称に『すもーさ・すもーとりさ』がありオオバコを指す地域がある。
すもーとり:山形・新潟・千葉・静岡・愛知・滋賀・三重・大阪・和歌山・山口。
すもとりばな:北海道・福島・神奈川・京都・四国・九州。
すもーとりばな:東京多摩。
ずもない
ずもねー
【複】過分だ、不相応だ、途方もない、並はずれている 標準語の『図無い』『図が無い』の転。
ずんね:偉い:宮城。
ずもなぐ 【副】過分に、不相応に、途方もなく、並はずれて
(すもん) 吸い物 鹿児島。
(すもん) 焼酎の滓 鹿児島。
■▲すもんも すもも 『集覧:新』。
(すや) 鶏の巣 静岡。『巣屋』の意味か。
(〜すや) 【複】〜ですって 宮城。『候や』の意味か。
(すやす) 【動】怠る 神奈川。
(ずやる) 【複】怠けて遅らせる、一時送り引き延ばす ずやる:山形・佐渡島・山梨。
すーゆー そう言う 昭和30年代は、『そう』は『すう』に近い発音をしていた。『ああすっか』は、『ああそうか』の意味になるのと同様。
ずら 面(つら)、杜漏、粗略でぬけおちの多いこと もともとは『杜漏』の意味だったと思われるが、『面』と混乱して使っていた。
(〜ずら) 【複】それどころではない 関東方言と信濃方言を結ぶ言葉。ここでの『ずら』は『面』がが原型ではないかと思われるがどうやら違うらしい。
そんなずらーねー・そんなずらじゃーねー:それどころではない:群馬。
すら 空、空(書いたものを見ないこと) 語源辞典には『空』の語源の一つは『間隙の意のスの転ソに、語尾ラをつけたもの。』とある。
すら:栃木・埼玉。
すら:嘘:山梨・静岡。
すら:嘘:山口・福岡・大分・佐賀・長崎・種子島。
すらつかい:嘘つき:静岡。
すらっ:嘘:静岡。
すらっ:嘘:静岡。
すらまん:嘘:静岡。
てんすら:山口。 
すら
すらー
【複】するよ する→するわするすらー
すらー:静岡。
んだらばおれがすらー:それなら俺がやるよ。
すら
すらー
それは すらいーな:それは良いな。
(〜ずら) 【複】〜だろう 長野・山梨・静岡。元『〜うずらむ』。中部地方に残る古語。いくらずら:幾らだろう。
〜ずらい 【助】〜ずらい、〜にくい 標準語。=『〜ずれー』
ずらがす 【動】@ずらす、A誤魔化す
(すらかす) 【動】過ごす 鹿児島。
(すらっかい) 【副】沢山 静岡。
ずらっと
ずらーっと
【副】何度も、ずっと これに『毎回』の意味が加わる。
ずらっと:青森。
ずらっと
ずらーっと
【副】ずらりと 『集覧:多』。『ずらりと』。
ずらり 【形動】平滑な様、滑らか 『集覧:久・水』。『つるり』の転。
(すり) 乱暴で腕白な子 神奈川。
(ずり) 沖縄地方で、遊女のこと。女郎。一七世紀から那覇に遊郭が設けられ、ここに集められた。 沖縄。『尾類』と書く。『じゅり』
ずりー 【形】ずるい ずりー:千葉・群馬・神奈川・山梨。
すりー:神奈川。
ずーり 草履
ずーりむし ワラジムシ
ずりおぢる
ずりおちる
【動】ずり落ちる
すりがいる
ずりかえる
すりかえる
【動】交換する 『集覧:久・真』。『摩り替える』の意味の変化。
すりき
すりこぼー
すりこんぼー
すりぼー
すりんぼ
擂粉木 『めりぼー』
すいこっ:鹿児島。
すりぼー:静岡。
ずりこがす 【動】滑り落とす ずりこかす:神奈川。
(すりこやろー) 男を罵る言葉 東京。
広辞苑には『擂粉木・摺子木:@僧侶をののしっていう語。転じて、一般に人をののしっていう語。傾城買二筋道「このすりこぎめら」。A(使用するに従って短くなることから) 進歩せずにかえって退歩する人を嘲っていう語。』とあるから、江戸の俗語と考えられる。
ずりこげる
ずりさ
【動】ずり落ちる ずりこげる:神奈川。
(すりこむ) 【動】へつらって機嫌をとる。ごまをする。 東京。『摺り込む・摩り込む』。近世語。
すりち
すりち
【動】擦れ違う 古い標準語。『摺り違う』。
すりち 擦れ違い 古い標準語。『摺り違い』。
すりちいる
すりちえる
【動】取り違える、間違って解釈する この『すり』は『為る』と考えられる。
(すりてん) 狡猾者 静岡。
すりはち
するはち
すり鉢 他にしのばち・しのはぢ・しのはち』と言う。『国誌』の解説では『汁盤(しるのはち)』の意味とある。東北では『汁』と『する』と言う。
すいばち:鹿児島。
〜すりゃ
〜すりゃー
【接】〜すれば 標準語の俗語。
この言葉は、仮定の接続助詞『ば』の古形『は』が残ったと考えられる。
すれは→すれやすりや→すりゃ・すりゃー
〜すりゃー:神奈川。
ずりびぐ
すりびぐ
すりびく
【動】引きずる 倒語。
すりびげる 【動】擦り切れる
すりまぢ
すりまぢ
【動】取り違える、間違って解釈する この『すり』は『為る』と考えられる。
ずりむげる 【動】擦りむける
ずりむぐ 【動】擦りむく
ずりむげ 擦りむけること
ずーりむし ワラジムシ
する 【動】する この『する』は、昭和30年代まで使われていたもので『さ行1段活用』だった。同じ意味の方言『しる』より、こちらの方がメジャーだった。『すない・すねえ』、『すて』、『する』、『する』、『すれば』、『すろ』、『すっとなる。しかし、TVの普及と共に次第に消えていった。何故このような事が起こったかは、もともと『し』の発音が『す』に近かったことによると思われる。
する 【動】知る 昭和30年代の言葉で、その後『しる』と発音されるようになる。★おらすんね:俺は知らない。
する 【動】@物と物とを力をこめて触れ合わす。こする。A擂鉢・石臼などに入れて、すりつぶして細かにくだく。B費やす。使いなくす。C(「掏る」と書く) 人の身につけている金品を直接ひそかに盗みとる。 『する【摩る・擦る・磨る・擂る』。
B・する:東京。
◆■▲する 【動】剃る(そる) 『集覧:水・新』。辞書には標準語の訛りとして掲載されている。遊ぶを『あすぶ』と言うのは江戸言葉なのでこれも江戸の訛りと考えられる。
実際は、『そ』が無声音化するために『す』と言うようになったと見られる。関西では無声音化はしない。
する:群馬・東京・神奈川・山梨。
すり:髭剃り。
☆ずる @【動】引き摺る、位置がずれる、A【名】ずるいこと、狡猾なこと @辞書にはあるが、多くは高齢者が使う。神奈川では荷車の後ろに付けたブレーキの棒を『ずりぼー』と言う。
ずる:山形・群馬・山梨。
A東北特に宮城では、『ずる』が『ずら』に訛る。これは、もともと『ずるは』で格助詞が隠されていると思われる。一方、『杜漏(ずろう)』の流れの可能性もある。
ずら:嘘:宮城。
ずらこがす:ずるをする:宮城。『こかす』には騙す意味がある。『ずるをこかす』意味。
ずらっとすて:知らない振りをして:宮城。
ずらもん:いい加減な人:宮城。。
(ずる) 静岡。
する 【動】費やす。使いなくす。 『摩る・擦る・磨る・擂る』。かつては良く使われた言葉。子供が駄菓子屋のくじに外れた場合も使った。
◎ずるい 【形】@だらしが無い、Aのろい 茨城では新治郡に残る。
標準語の『狡い』には『しまりがない。ふしだらである。』の意味がある。
@古い標準語。
ずるい:だらしない:山梨・滋賀・和歌山。
ずるい:緩い:東京多摩・神奈川・静岡・岐阜。
A・ずるい:遅い:群馬・千葉・長野・鳥取。
ずるえ:怠惰:山形。
(ずるい) 【形】柔らかい 静岡。泥などの場合に使うという。
ずるがす 【動】誤魔化す
ずるげもの 怠け者
ずるげる
ずるける
【動】@ずるをする、怠ける、Aずれる、緩む 『ずるける』。やや古い標準語の濁音化。
@・ずるける:東京多摩。
ずるこ
ずるっこ
ずる、横着、怠けること
ずるごい
ずるこい
ずるけー
【形】ずるい ずるこい:宮城。
ずるごげる
ずるこげる
【動】ずり落ちる 『ずれる』+『転ける(こける)』。標準語では『ずるっこける』だが、土浦ではずるをする意味はなかった。
〜するごったら 【複】〜するならば、〜するようなら この場合の『ごったら』は『如くあらば』の意味ともとれる。
〜するごって:宮城。
ずるごみ
ずるこみ
@割り込むこと、Aずるをすること 『ずるい』『込み』。『ずるこみ』なら標準語としても意味は通じる。
『新方言』には『ズルコミ 「割り込み」;東京付近の最近の新方言;ずるい割り込みの仕方だから,こう名付けたのだろう;ヨコハイリは全国的に使われるが,ズルコミは使用地域が東京付近に限られているようだ;千葉県各地。』とある。
ずるごむ 【動】@割り込む、Aずるをする 『ずるい』『込む』。『ずるこむ』なら標準語としても意味は通じる。
ずるこんべー 緩み 新治郡・稲敷郡。弛んでいる人を人名化したことは間違いないだろう。『ずるこ兵衛』の意味と思われる。
◆▲するし おしるし、証拠、あかし、▲目標 『おするし』。『集覧:西』。
するし:印:神奈川・静岡。
ひるし:青森。
(するしー) 【形】涼しい 静岡。
◆■▲するす @■磨り臼、A籾摺り、米の脱穀、■米の収穫後の庭仕事 『集覧:多・鹿』。
『するす』は『擦り臼』のことで辞書掲載語。広辞苑には『籾摺(モミスリ)用の臼。上下二個の円筒形の臼で、上臼を回転させて両臼の間で籾を摺り、籾殻を取り去る。古くは木製。後には、竹または木で上下の臼の外囲を作り、強粘土に食塩をまぜて詰め、両臼の摩擦面に樫製の歯を植えつけたものが現れ、これを土臼・唐臼(トウウス)とも呼ぶ。すりす。するす。』とある。もともとは籾摺りの臼を指したが、籾摺りの行為を指すようになったと考えられる。機械化が進み脱穀作業全体の代名詞になっていた。作業全体は、脱穀(稲こき)→乾燥→籾摺り(籾殻と玄米の分離)という順番である。乾燥は、庭にまず藁を敷いた上で筵を敷き、筵2枚あたり一斗五升笊1つ分の籾を配り、籾を筵から零れないように広げ、籾返し、取り込みとなる。間も無く仮設的な乾燥機が普及し時間短縮と品質の安定に寄与した。

電動脱穀機
電動脱穀機は、脱穀・籾摺り(籾殻と玄米の分離)に加えて『あいめ』(えめ)(くず米:だいたい薄緑色をしている)まで分離してくれる優れものであった。この機械を動かすためには一抱えもある強力な電動モーターを使い、巾10cm近いベルトで動力を伝えた。電動ファンで最終的に玄米が選り分けられる際、粉砕された籾殻・ゴミ・ほこりが沢山舞い上がったので住まいの雨戸は閉切りにした。作業の際は完全防備にしないと後で大変な目に会うので涼しくなった時期なのに汗だくの作業だった。藁束を入れると『ざー』という脱穀の音がしたあと籾殻の出口にある蓋が『ばたんばたん』という音をたてた。
30年代後半になると俵の代わりに布袋が使われるようになり作業は格段に楽になった。最初の脱穀作業は男の仕事で、脱穀の際に下にどんどんたまる玄米を袋に入れるのは、主婦か子供の仕事だった。脱穀の音は周辺まで良く聞こえて秋口の風物詩になっていた。
藁は、しばらく天日乾燥させた後、余剰分は『まで屋』に保管し必要なだけ綺麗に摺って再度天日干しし、筵(むしろ)や縄の材料にした。
 昭和30年代前半は、どこの民族博物館にもある手動の農具を使っていた。脱穀は『千歯こき』、籾摺りは『磨り臼』、籾殻と玄米の分離は篩いに似た『箕』(み)を使った。
30年代後半になるとそれらの道具が屋敷内のいずれかに無造作に置かれていたが、そのうち、『千歯こき』だけは稲藁の屑をしごいて筵や縄の材料にする道具としてしばらく現役時代が続いた。残念ながら減反政策の一方、土浦地域はレンコン栽培に極めて適した土壌であったことから、40年代に入ると稲田がどんどん少なくなり、今はほぼ100%レンコン畑になってしまった。
するす:福島・群馬。
★『土』:今年は赤(あか)も夥多(しっかり)だが磨臼(するす)の切れ方もどういうもんだか悪(わり)いんだよ:今年は赤米も沢山入っているが、籾摺りの籾の離れがどういうものか悪いんだよ。
ずるすけ ずるい奴、怠け者 標準語扱いしてもおかしくない言葉。『ずる助』。
ずるさく:山梨。『する作』。
ずるすけ:ずるい奴:青森。
するすひぎ
するすひき
するすまーし
するすみき
籾摺り、磨り臼を使った米の脱穀 するすびぎ:宮城。
ずるずる 【形動】(服等が)大きすぎて合わない様、だぶだぶ、ゆるゆる 標準語では、時間軸を含め、行為のだらし無さを意味する。
ずるずる:盛んな様:静岡。
ずるずるしてる:着物の着方がだらしない。
(「ずるずる」と「ゆるゆる」) 『J』音は、西欧では『Y』音と通じ、どうやら、『J』音は『Y』音の濁音形と認識されている可能性がある。
一方、日本語での『ザ行』音と『ヤ行』の共通性はあり得ないと思いがちだがそうでもない。
広辞苑に『ずるずる:@物をひきずって行くさま。また、すべるさま。Aしまりのないさま。長びいて遂にそのままになるさま。』に対して『ゆるゆる:@いそがないさま。Aくつろいださま。のびのび。らくらく。B柔らかになるさま。ゆるくなるさま。C穏やかなさま。ゆったり。』とある。『滑る』場合は『つるつる』だから、『ず』や『ゆ』には、ゆったりとした様が込められているらしい。
(するする) 【形動】つるつる 神奈川。
ずるずるべったり 【形動】@動作が鈍い様、ゆっくり、A計画性が無いさま、ずるずる 標準語では『長びいて無為にその状態が続くこと』の意味。
@・ずるずるべったり:だらしなく続ける様:静岡。
ずるずるべったり:ゆっくり:奈良。
A・ずんだれ:しまりが無い様:鹿児島。
するだ 【複】するのだ するだ:神奈川。
(ずるたん) 怠惰 静岡。
(ずるっから 【形動】緩く縛った様 神奈川。
ずるっこい
ずるっけー
【形】狡賢い、ずるい ずるっけー:群馬。
ずるっこい:群馬。
ずるっこぐ 【複】怠ける 『ずるを放く』意味。
ずるっこげ 崖、山の崩れたところ
ずるっごげる
ずるっこげる
【動】ずり落ちる
するっちーど
するっつーど
するってーど
【複】そうすると 元『(そう)すると言うと』。
すっつと:宮城。
するってーと:東京。江戸言葉。
ずるってる 【複】ゆるゆるになっている
ずるっと 【副】@ずるりと、するすると、Aだらしなく、B▲ずっと、度々 『集覧:久』。
するっと 【副】滑らかに滑る様
(するっ 怠け者 鹿児島。
するでー 【形】鋭い 俗語。
すで:鹿児島。
すどか:鹿児島。
ずるに
ずるーに
【副】ずっと、度々 『集覧:久』。『ずるーり』がさらに訛ったのではないかと思われる。
〜するにいー 【複】〜するのに都合がいい 古語的な表現。現代では『〜するのにいい』と言う。
〜するにいー:宮城。
ずるに そのまま直ぐに逃げること 古い標準語の『ずいにげ』(明和・安永(1764-1781)頃に流行)が訛って残ったと考えられる
〜するばって 【助】〜するから、〜しても 『〜やるばって』
ずるびぎ
ずるびき
ずる休み、途中で学校をひけること 『ひき』は『はや引き』の『引き』と同じ意味。『ずる引き』の意味。曖昧な記憶だが確かその当時は、具合が悪くて途中で家に帰ることを『途中退校』と言ったと思う。今は学校を辞めることは『退学』だが『途中退校』は辞書掲載されていない。
ずるびき
ずる
かまあげうどん おず・おずー・おずーずー・おずる:麺類の総称:神奈川。
ずーずー:麺類の幼児語:神奈川。
ずるびきうどん:千葉県野田市。
するびぐ
するびく
【動】引きずる 倒語。
じょろびく:神奈川。
するびく:福島。
するびる:福島。
ずるぶく:山形。
するべ
するべー
【複】@しよう、Aするだろう 『すべし・するべし』。
するべー:青森・埼玉。
ずるむぐ 【動】擦りむく
ずるむげ 擦りむけること ずるむげあがちんこ:擦りむけた赤いちんこ
ずるむげる 【動】擦りむける
ずるーり
ずるーりずるり
【形動】無駄な状態が長く続く様、動作が鈍い様、ずるずる
ずるりびったり
ずるりったり
ずるりべったり
ずるーりべったり
ずるるったり
【形動】動作が鈍い様、ずるずる 『ずるずるべったり』。
ずるりべったり:福島。
ずるんこずるんこ 【形動】ずるずる ずるんこずるんこ:神奈川横須賀。
すれ 【代】それ
(ずれ) 【複】@行け、進め、A退け、Bしろ 長野。@『ずりでろ』とも言う。
ずれー 【形】ずるい ずれー:群馬。
(ずれー) 【副】とても 神奈川。
〜ずれー 【助】〜ずらい、〜にくい
すれぁ
すれや
【代】それは すれやいーな:それは良いな。
すれっからし
すれっ
【形動】擦れからし 江戸時代には『擦り枯らし』(すりからし・すりがらし)と言った。
すれっからし:群馬・東京・神奈川。
ずろ 粗略でぬけおちの多いこと 『杜漏』の意味。
『ずろ』は当時良く使われた。子供がしばしば言われた言葉である。親が怒って『なんだそのずろは!』は慣用句もであった。
ずら:群馬。そんな呑気な事を言ってるずらじゃねえ。そんなずらあねえ。そんなずらじゃあねえ。『桐生の方言』によると『それどころでは』と解説されているが、『杜漏』の意味の可能性が高い。もともと『ずらふ』と表記されていたのではないか。
ずろー:東京・静岡。
ずろーへ:横着:福島。
ずろやみ:怠惰者:佐渡島。
そーたずろでいいのが:そんな妙な格好で良いのかい。
ずろす
ずろーす
ズロース 『drawers』の日本語英語。
ずろすけ 駄目な人、ずるい人 『ずるすけ』とは本来意味が異なるが、混同されることが多かった。
(すわ) 鹿児島。
(すわ) 【感】 この言葉は子供の時から不思議な言葉だった。日常語では聞いたことがなかったからである。
広辞苑には『@突然声をかけて相手に気づかせるようなとき発する声。そら。さあ。更級「―稲荷(イナリ)より賜はるしるしの杉よ、とて」A突然の出来事に驚いたり、あらためて気づいたりしたとき発する声。あっ。平家四「―奴(キヤツ)を手延べにしてたばかられぬるは」。「―一大事」』とある。
なるほど、今になって見れは、この場合の『さ』は『然』らしい。すなわち『然は』すなわち『さあ』であり『それは』『そら』『そりゃ』でもある。現代では、この種の言葉は特に漫画などを通じて革命的に変わり、咳を『ごほん』などと表現するのは少なくなった。この場合の『すわ』も言わば、慣用表現の言葉だったと言えるだろう。
(ずん) 【動】滑る、ずる 神奈川。
(すん) 鹿児島。
すん〜 【指代】その〜 『そん〜』が訛ったもの。
すんな・すんた:そんな。
すんで:それで。
すんとぎ:その時。すんなら:そうなら。
ずん〜 【接頭】種々の語に付いて、並みのことでない、程度が一通りでないの意を表す。 本来は『ず』。
すん 【形動】沢山 『集覧:久』。古い標準語の『すんがり』は『すらりと伸びたさま、細く高いさま』で、現代語の『すんなり』に当たる。
(ずんり) 【副】突然、いきなり 福島。
すんかん わずかな時間で 『寸間・寸閑』。『瞬間』の意味と間違って使っていたと記憶する。訛りのように聞こえるので使われなくなったのだろう。
すん
すん
僅かな隙間、僅かな時間 『寸隙』(すんげき)。長野では直ぐにを『すんけ』と言う。
ずんぎずんぎ 【副】ずきずき
ずん 輪切り 『寸切』。死語。
ずん:木製の煙草入れ:長野。広辞苑には『寸切茶入れの一。棗(ナツメ)の形で頭をまっすぐに断ち切ったもの。頭切(ズンギリ)。』とある。
ずん 【副】ばっさりと切る、輪切りにする
ずん
ずん
【形動】ずんぐり 『集覧:猿』。
じんぐり・ずくんぼー:背が低い人:神奈川。
ずんずく:静岡。
ずん 順番 『順繰り』。
すん 【副】直ぐに、突然
ずんりけーす 【複】紙などを何度も折り返す
◆■ずんりもっくり
ずんりもっこり
【形動】ずんぐりむっくり 『ずくむっくり』『ずむっくり』と言う地域がある。
すん 【形】凄い(すごい) 俗語。
すんこぐ わずかな時間。寸刻。瞬時。 『寸刻』。
すんこぐたりともゆだんしてはなんね:僅かな時間でも油断してはならない。
すんころ 程よい長さ 『寸頃』。
ずんさん 祖父 『集覧:新』。
このようないわゆるずーずー弁は他にも沢山掲載されている。当時の言葉はかなり東北弁に似ていたことが解る。
すんし さしさわり、異議、ぬけめ、欠点 古い標準語の『寸志』(不服、難点)。茨城方言集覧では旧新治郡の方言で『故障』(ゆえさわり)の意味とある。
すんじ わずかな時間。寸刻。瞬時。 『寸時』。
すんしー 【形】涼しい
すんしね
すんしねー
【複】抜け目が無い 『寸志』(不服、難点)ない意味。
あいづはすんしねー:あいつは抜け目無い。
(すんじゃー) 【複】それでは 静岡。
すんじょ
すんじょー
素性 当時の高齢者言葉。
あそごのうぢのむすめはすんじょーがえーがんな:あそこの家の娘は性質が良いからね。
すんしをいう 【複】不服を言う 『国誌』には『強いて意趣を宣ぶるを云う』とある。
ずんず 【副】どんどん、ずんずん 死語。
すんずしー 【形】涼しい 当時の高齢者言葉。
(ずんずらし) 【形】ひどくずるい 神奈川。
すんする 【動】損する
すんすご
すんそご
【複】直ぐそこ 『寸其処』の意味の可能性もある。
すんすん 【副】@つんつんAどんどん、すいすい 広辞苑では『@すげないさま。つれなくあたるさま。つんつん。浄、国性爺「賢女立てして―とすげなき御身が心を表し」、Aとどこおりなく、すらすらとなされるさま。』とある。
ずんずん 【副】どんどん 広辞苑には『@早くはかどるさま。「雪が―積もる」、Aずきずきと痛むさま。B重いもののひびくさま』とある。最近あまり聞かれなくなった。
★『土』:さあ、何卒(どうぞ)ずんずん干(ほ)しておくんなせえね
(ずんだ) どんぐり 福島。
(すんた) ぬた。ぬたあえ。ぬたなます。かきあえ。 鹿児島。『酢饅』の意味。
〜すんだい
〜すんだや
【複】〜するんだい 『すんだや』は古形と考えられる。標準語では使われない。
すんだね
すんだねー
【複】するんじゃない、してはいけません 否定命令。『やんだねー』の方がメジャー。
ずんだまる 【動】黙る
すんだら 【接】それなら、【感】さようなら 『そんなら』の転。
(ずんだれ) 怠け者 鹿児島。
すんちった
すんちゃった
【複】済んでしまった、済んじゃった 比較的新しい言い回し。標準語では『済んじゃった』。
すんづまり 幅に比べて丈が足りないさま、ずんぐりした様 『寸詰まり』。『寸』は『丈』の意味。
すんづまる 【動】つまる、短かくなること 『寸』+『詰まる』の転。名詞形は辞書掲載語。
すんでっとご 住んでいる所
すんでに 【副】もう少しのところで、すんでのところで 『既に』の訛りとされる。今では明らかに東北方言の特徴でもある。死語。
すんでに:静岡。
そのすんでにしんちった:もうすこしのところで死んでしまった。
すんでね
すんでねー
【複】してはいけません 東北弁の言い回し。30年代の言葉。
すんでのごどで
すんでのことで
【複】もう少しのところで 『既の事』。死語。
すんでのごんで:もう少しのところで:山形。
すんでのとごろで
すんでのところで
【複】もう少しのところで、すんでのところで
すんではねーど 【複】するんじゃないぞ 『するではないぞ』の意味。
すんでねーど:宮城。
すんでん 【複】もう少しのところ 『既に』。当時は、『寸前』の意味でも使った。
やるすんでんだったど:する寸前だったよ。
すんでんどご
すんでんとご
【複】すんでのところで 『既の事』。
すんでんに 【副】もう少しのところに 『すんでに』。当時は、『寸前に』の意味でも使った。
すんでんどご 住んでいる所 『すんでんとこ』なら東京方言。
ずんどー 太くてくびれのない様、太って不恰好な体型 『寸胴』。標準語。料理の鍋にも『ずんどう』がある。
ずんど:東京。
ずんどん:神奈川。
すんと
すーんと
【副】@すました様、つんと、Aすっきりした様、すっと 当時は、何か気に入らないことがあると『すーん』と言って拒否した。
ずんど
ずんと
ずーんと
【副】@程度の差が甚だしい様、抜きん出て、ずっと、A物事を勢いよく突然にするさま。また、手ばやくたやすくするさま。 標準語だが死語。『集覧:行』。茨城方言集覧では『沢山のこと』とある。当時は良く使われたが、次第に使われなくなった。
東京でも高齢者は『ずんと』を使う。
@・ずんど:山形・島根。
(すんどー) 道、通り 静岡。
すんとぎ その時
すんど 木を筒状にしたもの 『寸胴切り』。『集覧:真』。
ずんど:東京。
すんとする
すーんとする
【複】すましている、つんとする
すんとも 【副】ちょっとも、少しも やや古い標準語の『そっとも』か『一寸とも』の転か。あるいは、『うんともすんとも』の『すんとも』か?。
すんな
すんない
すんなよ
【複】するな 俗語。関西では『すな』。
すんな:宮城。
すんなな:するなよな。
ずんない
ずんねー
【複】過分だ、不相応だ、途方もない、並はずれている 撥音便。標準語の『図無い』【古】は、『途方もない、並はずれている』意味だが、土浦では多くは悪い意味で使われる。
ずんない:大きい:宮城・福島。
ずんない:強い:静岡。
ずんね:大きい:福島。
ずんなぐ 【副】過分に、不相応に、途方もなく、並はずれて
すんなぐなんね
すんなげなんね
【複】しないといけない
◆▲すんなべる 【動】躓く、滑って転ぶ、つんのめる 『すんのめる』。『集覧:新』。
すなべる:岩手・新潟。
すんなめる 【動】躓く、滑って転ぶ 『滑る』(なめる)の強調形。
すなめずる:山形。
すんなら 【接】それなら、【感】さようなら 近世語。『そんなら』の転。
すんに 【副】直ぐに
(ずんに) 【副】順に 静岡。東北方言のように見える。
ずんぬげ 図抜けていること、抜け落ちること
ずんぬげで 【副】図抜けて、抜け落ちて
ずんぬげる 【動】擦り抜ける、図抜ける
すんぬげる 【動】擦り抜ける すんぬける:静岡。
すんね 【動】知らない 昭和30年代の言葉。次第に『しんね』に変わっていった。
☆すんのひま 【形動】すぐに
ずんのぼせ 図に乗る人
ずんのぼせる 【動】いい気になる、図に乗る
ずんのぼる 【動】いい気になる、図に乗る
すんのま 【形動】すぐに 『寸の間』。
ずんのめる
すんのめる
【動】躓く、滑って転ぶ 『つんのめる』
ずんのる 【動】図に乗る、調子にのってつけあがる
(すんば・すんばー) 臆病 静岡。
(ずんびく) 【動】様子を伺う 東京三鷹。
すんびょーこぐ 【動】一生懸命頑張る すっょーこく:骨を折る:神奈川。
ずんぶく カラスの行水 『ざぶりと水を浴びる・ざぶりと潜る』意味。古語では『潜る』を『くくる・くぐる』と言う。川などに落ちる様や潜る様を『ずぶり』とも言う。
ずんぶんく
ずんぼく
素潜り、すっぽりと水にもぐること 『ずぶ』+『くぐり』。古語では『潜る』を『くくる・くぐる』と言う。
ずぶく:山形・宮城。
ずんぶんく:水に潜ること:栃木。
ずんむ:身を潜める:福島。
ずんぶど 【副】ずぶりと、ざぶりと
ずんぶら
ずんぶり
【副】川などに落ちる様、ずぶりと、ざんぶり ずんぶらと:静岡。
ずんぼり:落とし穴:群馬。
★『土』:足(あし)もとが本當(ほんたう)ぢやねえからずんぶらのめっちやったもんでさ。
すんぶん 新聞 『集覧:無記載』。当時の高齢者の言葉。茨城のイ段音は口蓋化しないため、『し』が『す』に聞こえることがある。東北方言と同じ。
ずんぶん 【副】随分 当時の高齢者の言葉。
ずんばい・ずんばー:沢山:鹿児島。
すんべ
すんべー
【複】@しよう、Aするだろう 『すべし・するべし』。
@・すんべー:東京青梅。
そーすんべー:そうしよう:東京青梅。
ずんべらぼ 【形動】のっぺらぼう 『ずべら坊・ずんべら坊』。
ずんべらぼー:節も曲がりも無い真っ直ぐな棒・抑揚の無い話の様:神奈川。
すん @手順。計画。予想。A有様。模様。 『寸法』。
すん:東京。
すんま 【形動】すぐの様 『寸の間』の転か。『寸間』(すんかん)。『直ぐの』『間』の意味の可能性もある。
また『すまに:【副】(多く「手もすまに」の形で) すきもなく。休まず。忙しく。万八「我が手も―春の野に抜けるつばなそ」』という古い言葉がある。
しんまに:直ぐに:福島。
すんま:宮城・秋田・新潟。
そま:岩手・山形・宮城。
そんま:東北(青森以外)・新潟・石川・福井・大分・福岡・佐賀・長崎・熊本。
そんまな:宮城。格助詞が一体になったと見られる。
そんまに:直ぐに:宮城。
そんまま:宮城。
そんまんそこ:直ぐそこ:福岡。
ふんま:新潟。
いますんまにくっから:もう間も無くで来るから。
すんまにおわっしゃーよ:直ぐに終わらせてしまうよ。
すんまい 【形動】直ぐ前 『寸前』を『すんまえ』と読んだ可能性もある。
すんません 【慣】済みません 撥音便。俗語。
すんまに 【副】すぐに しんまに:福島。
そんまに:宮城。
(すんみ) 【副】少しも 静岡。
(すんみし) 【副】少し 静岡。
すんめー 【形動】直ぐ前 『寸前』を『すんまえ』と読んだ可能性もある。
〜すんめ
〜すんめー
【助】〜しないだろう、しまい(しないように) 『すまい』が訛ったもの。
にどどすんめよ:二度としないだろうよ。
はーそーたごどすんめどおもってだんだけんとー、うっかりやっちゃったんだいなー:もう、そんなことしまいと思っていたんだけれど、うっかりやっちゃったんだよねえ。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
 お気づきの点やご指摘等がありましたら、『茨城弁投稿』と書いてお気軽にここにメール下さい。他地域・他県との関係情報もお知らせください。訛の変遷が解かるような投稿は積極的に掲載致します。