昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆本ページは、人を表す言葉に関する茨城方言をまとめたものです。他県の方言の収集も合わせて開始しました。
尚、本ページでは家族を中心にした個々を示す言葉に限定し、家族そのものやや親類・その他風俗に関る方言は風俗文化・建築・生活に含めました。
 全国方言を集めると膨大なものになるため、関東を中心に、準じて東北方言を集めてあります。まだまだ作業中です。
標準語 茨城弁 解説・他県の方言
赤ん坊 やや:広辞苑に『やや【稚】(「ややこ」の略) あかご。みどりご。嬰児。』とある。
わたし、ぼく、おれ、私、僕、俺 あだい:若年層の女言葉。
あたい:若年層の女言葉。
あだし:主に女言葉。
あちし:若年層の女言葉。
あでー
うら
おい
おえら
おっら
おら:己。
おり
おれ:男女共通。
おれら:複数形。または『俺なんか』
おら:本来は『俺は』の意味。
おん

わー
わい
わが
わーき
わだい:主に女言葉。
わたい:主に女言葉。
わたえ:主に女言葉。
わだし:主に女言葉。
わだっし:主に女言葉。
わたっし:主に女言葉。
わちき:主に女言葉。
わちし:主に女言葉。
わっき:主に女言葉。
わっち
わっちー
わっし
わで
わでー
わてー
われ
茨城では、江戸時代の庶民の慣習が今も残っている。上下も男女の関係も関係なく、一人称は『おれ』が最も多用される。
日本語の一人称の代表語は、『我・吾(あ、わ)』であるが、『己(おの)』もある。『あ、わ』『お』も人称代名詞の根源的なものと思われ、『己(おの)』は『我が・吾が』に通じ、体言が隠された『お前の』の意味の可能性が高い。『我(われ)』は、『我等』とも思われる。『俺』は『己等』を思わせる。『おら』((一人称) おれ。おいら。)が『己』と当てられたのもうなずける。
一方、時代劇等で良く聞く『わらわ』は広辞苑に『わらわ(妾・私):(「わらは(童)」と同源) 武家時代、女が自分のことをへりくだっていう語。わたし。』とある。その他職人言葉に『あっし』がある。
自称を示す茨城方言の基本は、『吾・我』にあり、標準語のルーツをそのままうけついでいることは間違いない。
:福島。
あし:静岡。
あたい:埼玉・群馬・東京・神奈川・山梨・鹿児島。若年層の女言葉。広辞苑には、『下町や花柳界などの婦女子または小児の使う一人称。』とある。
あたき:愛媛・福岡。
あたし:鹿児島。
あたや:私は:鹿児島。
あだん:鳥取・島根。
あい:八丈島。
あこ:和歌山。
あし:静岡。
あち:静岡。
あっし:東京。職人言葉。古代には、一人称と二人称が混乱していたから、その名残と思われる。古形は『吾つ士』か。
あて:京都・兵庫・高知。
あてー:神奈川。女言葉。
:奈良。
いんだ:鹿児島。
いんどー:大分。
うち:女・子供の一人称:北陸・近畿・中国・四国・大分・長崎・熊本。
うら:佐渡島・山梨・静岡・和歌山・福井。
うーら:佐渡島。
うらっちゃ:石川。
うらま:広島。
えら:山形。
:千葉。
おい:秋田・三重・大阪・鹿児島
おいどん:熊本。
おいら:静岡。
おえら:宮城。
おたい:三重。
おっ:福岡。
おっどん:熊本。
おどま:長崎。
おら:青森・秋田・山形・宮城・佐渡島・静岡。
おーら:佐渡島。
おらー:青森・宮城・神奈川・静岡。
おらっち:神奈川。
おらっちゃ:神奈川。
おらら:山形。
おれ:宮城・山形・福島・山梨。
おれぁ:秋田。
こっち:山形。
こーと:静岡。『此方人』が訛ったか。
めんめ:奈良。
わー:青森。
わし:千葉・静岡・佐渡島。
わしゃ:青森。
わぜ:和歌山。
わたき:和歌山・愛媛。
わだぐし:宮城。
わち:神奈川。
わっき:岡山。
わっし:神奈川。
わっち:主に女言葉:長野・和歌山。
わっち:神奈川・静岡。
わて:近畿。
わーらー:佐渡島。
わんでら:福井。
私は おら
おらー
あっちゃー:静岡。
うな:佐渡島。
うなー:佐渡島。
うらー:山梨・静岡。
うんだ:鹿児島。
うんどま:鹿児島。
おらん:私が:静岡。
おりゃー:静岡。
わーやー:八丈島。
わしゃー:神奈川。
われら、わたしたち、おれら、おれたち、私達、我等、俺達 おえら
おっら
おれら
わっら
あっちら:静岡。
うらー:静岡。
うらいら:山梨。
うらち:佐渡島。
うらま:島根。
うらら:山梨・福井。
うらんとー:神奈川。
うんだー:山梨。
うんだらんど:鹿児島。
おいなんか:神奈川。
おっどん:鹿児島。
おら:福島。
おらだち:佐渡島。
おらち:佐渡島。
おらちゃ:佐渡島。
おらっち:神奈川・佐渡島。
おらっちゃー:私達は:佐渡島。
おらづれ:山形。
おらほ・おらほー:神奈川。
おらんづ:神奈川。
おれだっけぁ:青森。
おれら:福島。
おれんなか:神奈川。
こちと:山形。
わしども:佐渡島。
わしやんら:佐渡島。
わしら:佐渡島。
わしらん:私たちの:静岡。
わたしら:青森。
わーなんか:青森。
わたしのいえ、私の家 おらい
おらえ
おら
おら
おら
おら
おら
おらぢ
あたいげえ:鹿児島。
あたいげん:私の家の:鹿児島。
うちんち:神奈川。
うら:神奈川。
うんだがえ:鹿児島。
おな:神奈川。
おらっち:神奈川。
おらーとこ:私の家・私の所:神奈川。
おら:神奈川。
おれぁい:福島。
おらほ・おらほー:私の方:神奈川。
おらんち:神奈川。
おれっち:神奈川。
おれんうち:神奈川。
おれんち:神奈川。
わたしんち:神奈川。
わーらっち:神奈川。
私:関連語 うんどがつ:私のもの:鹿児島。
うんどんがれ:私の家:鹿児島。
おれ:私のもの:神奈川。
こちとら:自分:神奈川。
わしょ:私を:神奈川。
あなた・おまえ、貴方・お前 あんさん:古い標準語。『我の様』の意味か、それとも『兄さん』の意味か。青森・新潟では『おまえ』の意味で使われる。
いし:丁寧語。近世語。同義語の繰り返し。
いっしゃ
いっしゃー
いぬ
うー
うす:『いし』が訛ったと考えられる。
うすら:『いし等』の意味と思われる。
うな。広辞苑に『うな:(ウヌ(汝)ハの約) 汝は。おのれは。浄、今宮「―よく身を打たせたなあ。覚えて居ろ」』とある。
うなー
うの
うら
うんだ:稲敷郡。
うんら
おぬし『御主』。
おまん:時代劇でも耳にする言葉。『おまはん』(もと大阪の遊里語)が訛ったもの。
おめ:代表語。『御前』。
おめー:代表語。『御前』。
おめーやー
おら
きこ:丁寧語。『貴公』の意味。
きこう:貴公。丁寧語。
きさま
そんだ。『そなた』。
そんた。『そなた』。
てめー:罵倒語。逆行同化語。
にし:『主』の意味。
にしや
にしゃ
にしゃー
ぬし:『主』の意味。
のし:『主』の意味。
われ・『我・吾』。
茨城では、江戸時代の庶民の慣習が今も残っている。上下も男女の関係も関係なく、二人称はおめ、おめえ』が最も多用される。
『お前』は、もともとは『御前』で高貴な人を指すす言葉でもあった。
『己(おの)』は二人称としても使われた。
古くは、『汝(な)』とも『汝(い)』とも言い、『し』と同源とされる。
茨城方言の感嘆詞『なよ、なーよ』は、『お前よ』の意味ともとれる。
現代では『われ』は1人称だが、古くは2人称でもあった。日本語の歴史では、古くは1・2人称が同一だったが、向かい合った人は、指差して区別したのであろうか。
現代の『貴方』は、古くは『彼方』とも書き、『彼方(あなた):@自分や相手から遠い所。あちら。Aある所からむこう。あちら。B規準とする時からむこう。特に、以前。まえかた。』の意味であったから、『あちら』の意味が、現代の『そちら』になったと見られる。
あいて:奈良・三重・和歌山。
あこ:高知。
:福井・愛媛。
あさん:佐賀。
あじゃ:三重・和歌山。
あじょ:三重。
あの:奈良。
あや:和歌山。
あよ:三重。
あせ:三重・和歌山。
あっこ:鹿児島。
あなっつぁん:福岡。
あれ:和歌山。
あんだ:山形・福島。
あんた:福島。
:青森。
いし:千葉・佐渡島。
いな:富山・石川・三重。
いろ:あなた:北海道・青森・奈良・広島。
:青森・秋田。
:青森。
うーし:大分。
うし:和歌山。
うな:山形・宮城・福島・新潟・鹿児島。
うぬ:山形・福島・東京・神奈川・八丈島・山梨・静岡。
うぬし:神奈川・静岡。
うの:福島。
うのれ:佐渡島。
うら:静岡・京都・島根・広島。
うん:鹿児島。
うん:青森。
うんじゅ:沖縄。
おうち:長崎。
おしー:静岡。
おそのみ:宮城。
おぬ:神奈川。
おぬし:佐渡島・静岡。
おのし:佐渡島。
おのれ::罵倒する時に使う:佐渡島。
おはん:鹿児島。
おまい:東京・鹿児島。
おまい:最上級の言い方:八丈島。
おまえ:山形。
おまえ・おまや:目上に言う:香川。
おまえさま:山形。
おまえた:静岡。
おまっちゃ:神奈川。
おまはん:神奈川・静岡・鹿児島。
おまん:山梨・静岡・高知。
おまんさー:鹿児島。
おみ:卑称:山形。
おみ:山梨・佐渡島。
おみゃー:静岡・広島。
おみょーはん:静岡。
おみんな:山梨。
おめー:最上級の言い方:八丈島。
おめー:目上に使う:長野。
おめー:福島・神奈川・静岡・兵庫。
おめぁ:秋田。
おめさん:山形・新潟・神奈川。
おめーさん:福島・神奈川。
おめぁーさん:福島。
おんし:佐渡島・静岡。
おんしゃ:佐渡島。
おんつー:静岡。
:青森。
かーたん:福岡。
きさま:卑称:山形・福島・神奈川・佐渡島。
きさん:秋田。『貴様』。
くさん:宮城。『貴様』。
そんた:静岡。『そなた』。
そんだー:千葉。『そなた』。
そんな:静岡。
しなだ:福島。丁寧語。
てまい:山梨。
てめー:静岡。
てめぇー:静岡。
:青森。
なれ:けんか腰の言い方。八丈島。
なれ:高知。古語。『汝:同等以下の相手を指す語。なんじ。おまえ。』
にさ:宮城。
にし:宮城・山形・福島・神奈川・鹿児島。
にしゃ:福島。
にっしゃー:福島。
ぬし:神奈川。
ぬしゃ:福島。
のし:佐渡島・静岡・兵庫・鳥取・島根。
ふんた:静岡。
ふんたー:静岡。
やー:神奈川。
やさん:佐賀。
やど:鹿児島。
やら:秋田。
やろー:卑称:宮城。
よい:愛媛。
らー:沖縄。
わい:神奈川・佐渡島・鹿児島。本来は九州地方の方言
:福島・大分・福岡・佐賀。
わさん:佐賀・熊本。
わじ:佐渡島。
わじょ:三重・宮崎。
わぜ:山形・三重。
わっこ:鹿児島。目下に言う。
わっち:鹿児島。
わっちゃ:鹿児島。
わね:山形・沖縄。
わり:富山・石川・岐阜・大分・長崎・宮崎・熊本。
わりゃ:静岡。
わねぁ:秋田。
われ:年少者に使う:山形。
われ:罵倒する時に使う:佐渡島。
われ:千葉・静岡。
われぁ:秋田。
わん:静岡。
:青森。『うぬが』の意味。
んな:秋田。茨城で言えば『おめな』
んめぁ:秋田。
お前が おめ おんが:鹿児島。
お前は いっしゃ
いっしゃー
うな
うなー
おめーやー
にしや
にしゃ
にしゃー
うな:山形・宮城・福島・新潟・鹿児島。
うなー:神奈川。
うんしゃ:佐渡島。
うんどま:鹿児島。
おみゃー:静岡・広島。
おんしゃ:佐渡島。
にしゃ:福島。
ぬしゃー:神奈川。
わゃー:静岡。
わりゃー:神奈川・静岡。
あなた達、お前達 あんだら
いしか
いしら
うぬーの
うぬら
うのら
うのれ
おめら:複数形。または『お前なんか』。
おめーら:複数形。『御前等』。または『お前なんか』。
あーたっち:静岡。
あんたっち:静岡。
いんら:三重。
うえら:長野。卑下する語。
うぇーら:神奈川・静岡。
うぇらー:神奈川。
うなち:佐渡島。
うなんだ:岩手。
びら:秋田。『汝が輩』(うぬがばら:ながばら)。
うぬら:神奈川・静岡。
うのれだち:佐渡島。
うわゃーらー:静岡。
うんら:静岡。『うぬら』
えら:長野。卑下する語。
おぬしら:神奈川。
おのっらち:佐渡島。
おまいち:静岡。
おまいっち:静岡。
おまえかだ:山形。
おまえだぢ:山形。
おまえだち:青森。
おまっち:静岡。
おまんた:新潟。
おまんたち:鹿児島。
おみかだ:卑称:山形。
おみたち:佐渡島。
おみら:卑称:山形。
おみら:三重。
おみんな:山梨。
おめー:佐渡島。
おめーたち:佐渡島。
おめっち:神奈川。
おめーっち:神奈川・静岡。
おめーなんか:神奈川。
おめーら:神奈川。
おめらほー:神奈川。
おめんとー:山梨。
おんし:静岡。
おんしゃ:佐渡島。
おんだち:佐渡島。
きさまだち:佐渡島。
きさまら:卑称:宮城。
こなさん:佐渡島。『此方様』。
こんさん:佐渡島。『此方様』。
そなっちょー:長野。卑下する語。
てめぇーちゃー:静岡。
てめっち:神奈川。
てめっちゃ:神奈川。
てめーら:神奈川。
なんど:青森。
にしら:宮城・山形。
ぬしら:お前達は:神奈川。
ふんたしゅー:静岡。
わいだち:佐渡島。
わいどん:大分・鹿児島。
わいら:岩手・群馬・神奈川・佐渡島・長野・山梨・静岡・三重・奈良・岡山。
わいらー:神奈川・静岡。
わえらー:静岡。
わじだち:佐渡島。
わつだち:佐渡島。
わゃーら:静岡。
われら:年少者に使う:山形。
わんだ:長野。卑下する語。
わんどー:大分。
わんら:長野。
んど:青森。
お前達は おめら
おめーら
おまいっちゃー:静岡。
おんたちゃ:鹿児島。
おまえのいえ、お前の家 おめ
おめ
おめ
おめげー
おめない
おめなえ
おめねー
おめらい
あんたぁー:福島。
おまっち:神奈川。
おめーた:神奈川。
おめたほー:お前の方:神奈川。
おめら:神奈川。
おめんち:神奈川。
おめんとこ:お前の家・お前の所:神奈川。
おめーんとこ:お前の家・お前の所:神奈川。
おんのえ:鹿児島。
わいんち:神奈川。
わらい:長野。
われんとこ:神奈川。
お前:関連語 わりょー:お前を:神奈川。
としより、年寄り、老人 じち
としょり
とっしょり
とっしょり:宮城・福島。
とっしょりすだづ:年寄り達:宮城。
年をとった男、老爺 じじー じんじー:静岡。
老女、老婆 ばばー おんば:神奈川。
ばーさ:静岡。
ばっば:静岡。
そうそふ、曽祖父 いがいじっち
おーおじさん
おーおじーさん
おーおじちゃん
おじーさん
おーじーさん
おーじーちゃん
おーじっち
としょりじーさん
としょりじーつぁま
としょりじっつぁま
とっしーじー:鹿児島種子島。
ひーじー:神奈川。
ひねじー:神奈川。
ほっ:宮城。
じじ:青森。
そうそぼ、曽祖母 おばーさん
おーばーさん
としょりおばさん
としょりばーさん
ひーばー:神奈川。
ほっ:宮城。
ばば:青森。
祖父母
そふ・おじいちゃん、祖父・お爺さん いかい:稲敷郡限定。
おじいさん
おじさま
おじさん
おじぢゃん
おじちゃん
おじつぁ
おじつぁん
おじっちゃん
おじっつぁん:水戸市。
おじん
おじんさま
おじんじ
おじんつぁま
おじんつぁん
おちさん
おちちゃん
おっちゃん
おんじさま
おんじさん
じう
じーさー:稲敷郡。
じさま
じーさま
じーさん
じーぢゃ
じーちゃ
じーぢゃん
じーちゃん
じーつぁま
じーつぁん
じさま
じーじ:幼児語。
じじー:罵倒語。
じっさま
じっじさん
じっち:幼児語。
じっちー
じっちさま
じっちさん
じっちちゃん
じっちゃー
じっちゃま
じっちやん:稲敷郡。
じっちゃん
じっち
じーやん
じちゃん
じっつぁま:稲敷郡。
ちっつぁー
じーや:稲敷郡。
『じじ』。祖父は古くは『おじ』『おほじ』とも言った。語言説に@『おほじ』を略して重ねたもの、A『おほちち』の上略『ちち』の濁音化、B『ぢぢ(父)』の義 がある。
また『年取った男を親しんでいう称。おきな。』を『老翁(おじ)』とも言う。
どうやら、日本語では、濁音化することで、大きなこと・老齢であることを示す傾向があるらしい。
・ちち→じじ。
・はは→ばば。
あま:岩手。
いーやー:香川。
うめー:沖縄。
おきな:神奈川。『翁』は男の老人を言う。
おじー:神奈川・静岡。
おじさん:佐渡島。
おじっさ:静岡。
おじんちゃ:福島。
おじんつぁ:秋田・福島。
おじんつぁん:宮城。
おじんつぉん:山形。
じさま:秋田・福島。
じさん:鹿児島。
じー:佐渡島。
じーさん:佐渡島。
じじ:青森。
じーたく:男の年寄り:山梨。
じっさま:秋田。
じっち:福島。
じーや:神奈川。
じやん:佐渡島。
じーやん:福島。
じんじー:神奈川・静岡。
じんつぁ:岩手。
じんつぁー:福島。
じんつぁま:栃木。
ずんつぁ:山形。
ずんつぁん:宮城。
ずさ:秋田。
ずさま:山形・福島。
ちんじょ:鹿児島。
のの:福井。
まんま:岩手。
そぼ、おばあちゃん、祖母、お婆ちゃん あーちゃん
いんきょ
おばあさん
ばっ
ばっやん
ばーやん
おばー
おばさー
おばさま
おばーさん
おばさん
おばちゃん
おばつぁ
おばやん
おばんさま
おばんさん
おばんちゃん
おばんつぁん
おばんば
ばさま
ばーさま
ばーさん
ばーさま
ばーぢゃ
ばーぢゃん
ばーちゃん
ばっちゃ
ばっちゃん
ばーつぁ
ばーつぁん
ばっつぁ
ばっつぁん
ばっ:幼児語。
ばっやん:稲敷郡。
ばーば:幼児語。
ばばー:蔑称。
ばんつぁ
ばんつぁま
ばんつぁん
『ばば』。語源は、@『おほば』を略して重ねたもの、A『母』の濁音化 がある。
あや:鹿児島。
うま:沖縄。
うみ:沖縄。
うめー:沖縄。
うんば:長崎・鹿児島。
しほ:鹿児島。
おばー:神奈川・静岡。
おばっつぁ:秋田。
おばはん:秋田。
おばや:宮城。
おばんさま:山形。
おばんそん:山形。
おばんちゃ:福島。
おばんつぁ:秋田。
おばんつぁん:宮城。
ばー:福島・佐渡島・長野。
ばーさ:福島。
はーさ:福島。
ばさま:山形・福島。
ばさん:鹿児島。
ばーさん:佐渡島。
ばーたく:女の年寄り:山梨。
ばっつぁ:秋田。
ばっば:静岡。
ばっ:福島。
ばっやん:福島。
ばば:青森。
ばばー:長野。
ばばさん:佐渡島。
ばばはん:秋田。
はーめー:沖縄。
ばやん:佐渡島。
ばんさま:秋田・宮城。
ばんつぁ:山形。
ばんば:神奈川。
ひねおばーちゃん:夫の祖母:神奈川。
ばー:静岡。
しうと・しゅうと、舅 しーと しゅと:鹿児島。
しうとめ、しゅうとめ、姑 しーと
しーとおっかさん
しーとおふくろ
しーとかがさま
しーとばーさま
しーとはは
しーとめ
両親、父母 おやじかが:山形。
ふうふ、夫婦 めおど 広辞苑に『めおと【女夫・妻夫・夫婦】:妻と夫。ふうふ。みょうと。』とある。
うば:宮城。
だい:静岡。
みと:鹿児島。
みゅと:鹿児島。
めと:鹿児島。
ちちおや、おとうさん、父、父親、お父さん あっさー
あにー
おちゃん
おっちゃ
おっちゃー
おっちゃま
おっちゃん
おっどー
おっとー
おっど
おっと
おどー
おどーさん
おどーぢゃん
おとちゃん
おどっさま
おとっちゃん
おどっつぁ
おとっつぁ
おどっつぁー
おどっつぁま
おどっつぁん
じゃっちゃー
だった:幼児語。
ちゃいや
ちゃん
ちゃんやー
つぁー
とー
とーぢゃ
とーぢゃん
とうちゃん
とーつぁん
とっちゃん
とっつぁ
とっつぁー:稲敷郡。
とっつぁま:稲敷郡。
とっつぁん
やーじ
やーじき
『父』のルーツは和語の『ち』とされる。祖父は古くは『おほぢ』と言い、叔父と並んで『ち』が語基とされる。近世語の『ちゃん』は、『ちやん』が転じた可能性がある。
『父』の別の流れに『とと』がある。また中間形に『てて』がある。歴史的には『ち』『ちち』『てて』『とと』の順番で現れた。
『ち』の重複語が『ちち』になったとされる。『ちち』の濁音形が『ぢぢ』、『はは』の濁音形が『ばば』となったとされる。
『ち』は現代語の『地』や『乳』『血』にも通じ、古代の和語では根源的なものを『ち』と言ったのではないかと思わせる。
ドラマ『子連れ狼』で有名になった『ちゃん』は、『ちやん』(=父様)なのだろう。
『称呼』には『ちち:大和にてあんのうと称す。播磨邊より四国にてててらと云。ながさきにてちゃんと云。肥前佐賀にて別当といふ。越前にてののといふ。父をててと称し、ととと呼ふは、諸国の通称也。【萬集】及ひ【宇治拾遺】等にてててと見えたり。(中略)また上総にて祖母を崇めてののと称し、越前にて父をののと呼は、極老の剃髪せしなどをののといひならはしたる物ならん。小児に対して如来如如と略語し、如如転してののとなりたる物か。但し古代よりの詞なる歟しらず。』とある。ちなみに『のの・ののさま』は広辞苑に『@(幼児語) 神仏・日月など、すべて尊崇するものの称。ののさん。のんのさま。A愚かで子供のような人をあざけっていう語。』とある。
あじゃ:青森・秋田。
あちゃ:秋田。
あや:青森・岩手。
うま:三重・奈良。
おちゃん:静岡。
おっちゃん:神奈川。
おっとー:神奈川。
おっとさん:神奈川。
おっとちゃん:神奈川。
おど:山形。
おとー:神奈川。
おとーさ:静岡。
おとさまんす:秋田。
おどさん:秋田。
おとったん:静岡。
おとっちゃん:秋田・静岡。
おどっつぁ:山形。
おとっつぁー:福島。
おどっつぁま:山形。
おとっつぁん:東京・神奈川・八丈島・佐渡島・静岡。時代劇でも耳にする。
おどっつぉん:山形。
おどはん:秋田。
おや:父親:宮城。
おやん:親父:鹿児島。
たーりー:沖縄。
だん:佐渡島。
だんさん:佐渡島。
だんな:静岡。
だんやん:佐渡島。
ちぇ:鹿児島。
ちぇちぇ:鹿児島。
ちぇちょ:鹿児島。
ちしょ:鹿児島。
ちちょ:鹿児島。
ちゃーさん:福島。
ちゃちゃ:幼児語:岩手。
ちゃちゃ:佐渡島。
ちゃーちゃ:福島。
ちゃーちゃー:福島。
ちゃっちゃ:福島。
ちゃっちゃー:福島。
ちゃん:福島・神奈川・佐渡島・静岡。
ちゃんちゃ:神奈川。
ちゃんぢょ:鹿児島。
ぢょん:鹿児島。
つぁつぁ:山形・新潟・福島。
つぁーつゃ:福島。
つっつぁ:石川・岐阜。
つとさん:熊本。
てーさん:鳥取・熊本。
てちょ:鹿児島。
てて:宮城。
ててら:中国。
てと:鹿児島。
とさん:佐渡島。
とーさん:神奈川。
とっさ:静岡。
とっさん:佐渡島。
とーちゃん:神奈川。
とっち:長野。
とっちゃ:青森・岩手。
とっちゃん:神奈川・鹿児島。
とっつぁ:秋田。
とっつぁま:三人称:神奈川。
とっつぁん:福島・佐渡島。
とっと:神奈川。
とっと:静岡。
どどさま:秋田。
とーやー:静岡。幼児語。
とやん:佐渡島。
なんな:静岡。幼児語。
のの:徳島。
ばっ:鹿児島。
びしょ:鹿児島。
まー:山形・福島・富山・石川。
むま:沖縄。
せたいぬし、かちょう、世帯主、家長/三人称 おどっつぁま
おやじ
おんたい
おんたいしょ
しんしょもぢ
いで:秋田。
おとさまんす:秋田。
おやさん:町人・庄屋・富豪等の戸主:佐渡島。
おやじ:佐渡島。
ていしゅ、しゅじん、だんな、夫、亭主、主人、旦那/二人称 いーのやづ
うぢのやづ
えーのやづ
おらいのやづ
おらえのやづ
おらのやづ
おっちゃま
おまいさん:妻が亭主を呼ぶ呼称。
てーし
ととー
とどー
やどろぐ
日本語の夫を表す言葉は数多くある。方言でも同様である。
うぢ:山形。
おとこし:静岡。
おやじー:神奈川。
おまいさん:妻が亭主を呼ぶ呼称:東京。
おらーどご:山形。
ごて:宮城・福島・栃木・千葉・長野・岐阜・新潟・石川・福井・大分・宮崎・熊本・長崎。
ごてー:長野・静岡。
ごてさま:宮城。
だなさん:宮城。
ちぇす:鹿児島。
ちゃん:神奈川。
ちゃんちゃ:神奈川。
つれ:神奈川。
つれえー神奈川。
:岩手。
てし:鹿児島。
てーし:神奈川。
てす:鹿児島。
てて:秋田・奈良。
とっさ:長野・静岡・奈良。
とっさん:静岡。
とっと:神奈川。
とっとー:静岡。
とのじょ:鹿児島。
とのぞ:鹿児島。
やど:埼玉・長野・愛知・鹿児島。
わがえのひと:八丈島。
おとこやもめ、男鰥 おどごやもめ 広辞苑に『妻に死別あるいは生別して再婚しないでいる男。やもお。おのこやもめ。』とある。
やまめおんじょ:鹿児島。
はは、ははおや、おかあさん、母、母親、お母さん/二人称 あーちゃん
あっか
あーやん:幼児語。
おかーぢゃん
おかちゃん
おがっつぁ
おがっつぁん
おっか
おっかー
おっかさま
おっかさん
おっかちゃん
おっかはん
おっかめ:謙遜語・罵倒語。
おっかーん
おっかはん
おっかやま
おっかやん
がー
がが
かがー:罵倒語。
がーさん
かーぢゃ
かーちゃま
かーちゃら
かーぢゃん
かーちゃん
がっが
かーつぁら:複数。
かーつぁん
かっちゃん
かっつぁ
かっつぁま
かっつぁん
がーや
かーや
かーやー
かーやん
がんが
語源辞典によれば、『母』は『ぱぱ→ふぁふぁ→ふぁわ→はわ』と変化したとされ、『はわ』は中世で広く使われたとある。
日本語の変遷は表記の歴史とも深く関わり、『はわ』は『はは』と発音された可能性があるとされる。また逆もあったという。江戸時代の辞書の『日葡辞書』には『Fafa』『faua』が併記されているが、表記は『はわ』の方が多いと言う。
英語の『パパ・ママ』と奇妙な一致があるが、一児を育てた親として記録を思い起こすと、『ぱ』『ま』は乳幼児にとってもっとも発音しやすいことは間違いなく、『ぱぱ』も『まま』も1歳前に言った言葉である。1歳前にわが子は唾液で風船を作る事を知った時、一緒に言葉が添えられた。『まーまー』である。
どうやら、『パパ・ママ』は、言語の歴史が作った言葉ではなく、乳幼児が発音し易い言葉に由来する可能性が高い。日本語では『母』は『ぱぱ→ふぁふぁ→ふぁわ→はわ』と変化したが、英語の『father・mother』や『the』はどうやら日本語の『様』と関係がありそうだと考えると実に面白い。また、『saint』(聖)と『様』の関係、英語自体の、『sir』と『saint』の関係を調べると面白いだろう。
古語『おも』。上代東国語は『あも』
『あ』で始まる言葉は『吾が』が訛ったと考えられる。『混効験集』にあむ(百姓の妻)がある。
尚、ハングルでは母を『オミ』、父を『アビ』と言う。
あじまー:奄美大島・沖縄。
あじゃ:青森・秋田。
あこ:鹿児島。
あだ:山形。
あちゃ:青森・三重。
あーちゃん:東京・神奈川。
あっか:山形・福島・栃木。
あっ:青森・沖縄石垣島の士族。
あば:青森・岩手・秋田・山形・新潟・石川・福井・高知・壱岐・鹿児島・沖縄。
:青森。
あは:秋田。
あばん
あひー:長崎・壱岐。
あぶ:沖縄八重山。
あふぁ:岩手・秋田。
あぼ:鹿児島。
:鹿児島。
あほ:熊本・鹿児島。
あぼあ:沖縄八重山諸島波照間島。
あぼん:鹿児島。
:鹿児島。
あま
あむ
あも
あや:北海道・青森・秋田・山形・新潟。
あやー:沖縄。
あやん:佐渡。
あんね:長崎。
あんま:富山・福井・高知・沖縄。
あんまー:沖縄。
いね:石川。
うね:新潟。
うま:山形・三重・奈良・長崎・鹿児島・沖縄。
うまい:岩手・佐渡・新潟・静岡。
うまえー:静岡。
うまやい:静岡。
うめ:静岡・滋賀。
うめー:新潟。
うめーやい:静岡。
うも:大分。
うんにょ:鹿児島。
うんば:伊豆七島・富山・奈良。
うんま:八丈島。
うんまい:静岡。
うんめえ:千葉。
うんめぇー:静岡。幼児語。
おかー:神奈川・静岡。
おかーさ:静岡。
おかかさん:和歌山。
おがさん:秋田・宮城。
おかしゃま:長崎。
おかっさん:山梨。
おがな:幼児語:岩手。
おがはん:秋田。
おっか:神奈川。
おっかー:福島・神奈川。
おっかあー:静岡。
おっかぁー:福島。
おっかさん:神奈川。
おっかちゃー:福島。
おっかあーちゃん:静岡。
おっかちゃん:神奈川。
おっかやん:福島。
おっちゃー:静岡。幼児語。
がが:青森・山形・宮城・福島・新潟。
かが:青森・山形。
かがー:山形・福島。
かか:佐渡島。
かかー:長野・鹿児島。
かがさ:山形。
ががさま:秋田。
かかさま:神奈川。
ががちゃ:山形。
かーさ:静岡。
かさん:鹿児島。
かーたれ:神奈川。
かーちゃん:福島・神奈川。
かっかー:神奈川。
かっかさま:神奈川。
かっちゃん:宮城。
がーま:宮城。
かーや:神奈川。
さやん:鹿児島。
じゃじゃ:幼児語:岩手。
ちゃちゃ:鹿児島。
ちゃーちゃん:神奈川。
ちゃん:鹿児島。
ちゃんちゃん:鹿児島。
なー:高知。
なな:山形・高知。
にぇにょ:鹿児島。
ねにょ:鹿児島。
ねょ:鹿児島。
ふかま:静岡。
やーやー:石川。
つま、妻、家内、女房/二人称 いーのやづ
うぢのやづ
えーのやづ
おらいのやづ
おらえのやづ
おらのやづ
かがー
かかー
かがら:複数又は曖昧に妻を指す。
かがーら:複数又は曖昧に妻を指す。
かーちゃま
かーちゃら:複数又は曖昧に妻を指す。
かーつぁら:複数又は曖昧に妻を指す。
かねー:家内。
くかー
あいし:新潟・富山。
あば:青森・岩手・山形・鳥取。
いのし:新潟。
うぢ:宮城。
うちかた:熊本・宮崎・鹿児島。
うっかた:鹿児島。
えーのやつ:八丈島。
おかた:福島・静岡。
おっか:神奈川。
おめ:鹿児島。
おらーどご:宮城。
おんなし:静岡。
がか:宮城。
かが:青森。
かか:佐渡島。
かかー:福島・神奈川。
かかさん:静岡。
かっか:神奈川。
かっかー:神奈川。
けね:鹿児島。
つれ:神奈川。
つれえー神奈川。
なな:山形・高知。
にゃーぼ:静岡。
やーやー:富山。
よめじょ:鹿児島。
おくさま、おくさん、奥様、奥さん、お上さん/三人称 おっか
おっかー
おっかさま
おっかさん
かーぢゃん
かーちゃん
かーつぁん
かっつぁま
おかた
おがださま
おかたさま
しんしょもち
茨城では尊敬語や謙譲語が無いので、妻を著す言葉はそのままこれに当てはまる。
あねさ:長野。
うちかた:熊本・宮崎・鹿児島。『内方』。
おあねざん:商家の奥様:宮城。
おかた:青森・岩手・宮城・山形・福島・栃木・佐渡島・長野・山梨・静岡・富山・宮崎・鹿児島。
おかっさん:山梨。
おかっちゃん:鹿児島。
おかっつぁー:鹿児島。
おかっつぁん:鹿児島。
おかみさん:商家の女主人:佐渡島。
おごりそん・おごりっさま:山形。
おっか:鹿児島。
おっさん:鹿児島。
がか:宮城。
かか:佐渡島。
がかさま:宮城。
かかやん:佐渡島・静岡。
がーさま:宮城。
かっさー:鹿児島。
かやん:佐渡島。
こじゅさー:鹿児島。『小主様』。
こじゅさん:鹿児島。
こゆさん:鹿児島。
ねーさま:静岡。
しゅふ、主婦 おがさまんす:秋田。
おばんし:神奈川。
おんなし:神奈川。
としうえのつま、年上の妻、姉さん女房 めます いがいまし:福岡。『飯匙増』の意味という。
へら:青森・岩手・秋田・宮城。『箆』の意味。
ごさい、後妻 あどいり
あど
あどせー
うわなり。古語。
とーらー
とーらい
とーらえ
とーらいさま
とーれー
とーれーおっか
とーれーさま
にどめ
あと:神奈川。
あとっーり:神奈川。
あとめ:神奈川。
ずれ:島根。
ごけいり:神奈川。
ちやもらえ:福島。
にざい:神奈川。
にどめ:神奈川。
にばんざ:神奈川。
のちぞえ:神奈川。
わーない:沖縄。『うわなり』の転。
後家、未亡人、やもめ ごげ ごけばばー:神奈川。
やまめ:鹿児島。
めかけ、妾 めかげ 広辞苑に『めかけ:(目を掛ける意) 正妻のほかに養って愛する女。てかけ。側室。』とある。
あしかけ:島根。
かかえおんな:宮城。
かかえおな:宮城。
うば、乳母 古称『まま・めのと』
ばあ:奈良。
ばあや:千葉・石川。
ばっ:福島。
ばばあ:江戸。『浮世風呂』掲載語。
ばーやん:大阪。
ばんば:石川・長崎。
ばんばな:佐賀。
ばんやん:長崎。
まま:愛知。
ままー:愛知。
ままさ:愛知。
まんま:島根。
おじ・おじさん、叔父・叔父さん あにー
うんつぁ
うんつぁー
おじやん
おちさん
おーっつぁん
おっつぁん
おんざ
おんさー
おんざん
おんじ
おんじー
おんじさま
おんじさん
おんぢゃん
おんちゃん
おんつぁー:稲敷郡。
おんつぁま
おんつぁん
おんつあん
広辞苑に『小父・小父さん:(主に年少者が)よその年配の男性を親しんで呼ぶ語。』『老翁:年取った男を親しんでいう称。おきな。皇極紀「羚羊(カマシシ)の―」』『伯父・叔父:父・母の兄弟。また、おばの夫。父・母の兄には「伯父」、弟には「叔父」と書く。(東北・中部地方などで) 次男以下の男。おんじ。』『祖父:(「おほぢ」の略) 父・母の父。そふ。』とある。『おじき』とも言う
どうやら『じ』とは男の年配者を指すらしい。『婆:ば』は女の年配者である。
二人称では『おんつぁま、おんつぁん、おんちゃん』等。『おじさん、おじちゃん』は、祖父の二人称に使われるので、当時は、『おんつぁん』が一般的だった。三人称では『おんつぁま、おんつぁん、おんちゃん、おんじ(古い)、おじさん、おじ』が使われ、『おじ』が一般的だった。その家の慣習により異なることが多かった。
いーやー:大分。
おじきさん:静岡。
おじさま:山形。
おじぼえ:山形。
おじやん:群馬。
おずさま:山形。
おずさん:秋田。
おち:静岡。
おちさ:山形・静岡。
おちさん:八丈島。
おつさ:山形。
おっさん:佐渡島。
おっしゃん:福島。
おつっさ:静岡。
おんじ:神奈川。
おんじー:神奈川・長野。
おんちゃ:岩手。
おんつぁ:秋田・山形。
おんつぁー:福島。
おんつぁま:山形・栃木。
おんつぁん:秋田・宮城・福島。
じーちゃん:幼児語:神奈川。
じぢょ:鹿児島。
じっちゃ:秋田。
じんじ:神奈川。
おば・おばさん、叔母、叔母さん あねー
おばさー:稲敷郡。
おばさま
おばっつぁま
おばんちゃん
おんば
おんばさま
おんばさん
おんばちゃん
おんばや
おんばやま
おんばやん
ばっちゃん
広辞苑に『小母:(主に年少者が) よその年配の女性を親しんで呼ぶ語。』『老婆・姥:(「おほば」の略) 年取った女。おうな。ろうば。ばば。』『伯母・叔母:@父・母の姉妹。また、おじの妻。父・母の姉には「伯母」、妹には「叔母」と書く。A(東北・関東・中部地方などで) 妹。次女以下。B(北陸地方・西日本で) 独身の女。』とある。
『婆:ば』は女の年配者である。
日常的な二人称は、『おばさん』が一般的だが、祖母の『おばさん、おばちゃん』と混乱するため名前+『おばさん』で呼ぶ方が多かった、。三人称は『おば』か、実の叔母の場合は名前+『おばさん』、他人の場合は屋号+『おばさん』で呼ばれた。叔父の呼び方からすれば、『おばっつぁま、ばっちゃん、おんば』が考えられるがほとんど聞かれなかった。その家の慣習により異なることが多かった。
『語源』によれば、@をはは(小母)、をは(小母)、をばば(小母)、Aおそ(恐)るるはは(母)の類か、B母に比べてやや疎いことから『うとはは』の反 とある。
尚、同じ音韻の『伯母・叔母・御母』は祖母の意味である。
あねさん:秋田。
あば:石川・鳥取・岡山・高知。
あばちゃん:福島。
うばぢゃ:秋田。
おばさ:山形・静岡。
おばちゃ:秋田。
おばやん:山梨。
おんば:叔母・独身の叔母・独身の女・独身の叔母・老女:神奈川。
おんばー:叔母・独身の叔母・独身の女・30以上で独身の女・年配で独身の女・一生独身の女:神奈川。
おんばー:山梨。
ばーちゃん:幼児語:神奈川。
ばっち:鹿児島。
ばばさ:秋田。
ばばちゃ:秋田。
ばんば:神奈川。
わー:沖縄。
んばちゃ:秋田。
おじさん/子供が年配の男を指さす言い方。 おじさん
おじちゃん:幼児語。
『小父さん』。
おいやん:和歌山。
おとな、大人 うふっちゅ:沖縄。
家督を継ぐもの、後継者 あどいせぎ
あどとり
あととり
あどめ
いせぎ
いはいもぢ
いはいもち
いへーもぢ
そーりょー
むごとり:跡取り娘
もごとり:跡取り娘
あと:神奈川。
あととり:神奈川。
いせき:神奈川。
せち:神奈川。
せな:神奈川。
そーりょー:東京・神奈川。
そーりょーいせき:跡取り息子:神奈川。
そーりょーむすめ:跡取り娘:神奈川。
むことり:跡取り娘:神奈川。
むことりむすめ:跡取り娘:神奈川。
きょうだい、兄弟、兄弟姉妹 うとぅじゃぶら:兄弟姉妹:与論島。
きょで:青森・鹿児島。
きょーでー:神奈川。
ちょーだい:青森。
しまい、姉妹
あに・にいさん、兄・兄さん あにさま
あにさん
あんさん
あんぢゃ
あんちゃん
あんに
あんにー
あんにさん
あんにゃー
あんにゃん
いなー
おあにさ
せな
せな
せーな
せなさま
『語源辞典』によると、『兄』の語源説は様々有るが、『姉(あね)から分派した語』がもっともしっくり来る。
この場合の『あ』は、『我・吾』であろう。二人称の『吾が兄』が『あに』として残ったと見られる。また『吾が姉』は『あね』と変化したと見られる。
あいご:鹿児島。
あいさ:新潟・長野。
あちゃ:青森。
あにー:神奈川。
あにーよ:鹿児島。
あにいま:長野。
あにさ:長野。
あにょ:鹿児島。
あねつぁ:秋田。
あのん:鹿児島。
あんさま:秋田。
あぼ:九州。
あや:秋田・山形・高知。
あんかん:佐渡島。
あんさ:山形。
あんさまんす:秋田。
あんさん:佐渡島・鹿児島。
あんじ:鹿児島。
あんじょ:鹿児島。
あんぞ:鹿児島。
あんちゃ:秋田・静岡。
あんちゃー:福島。
あんちゃん:埼玉・東京多摩・神奈川・佐渡島。
あんつぁ:秋田。
あんつぁま:福島。
あんにー:静岡。
あんにゃ:福島・静岡。
あんにゃさん:福島。
あんや:福島。
あんやー:静岡。
あんやん:佐渡島。
あんーやん:佐渡島。
いーやー:愛媛。
おあんつぁん:宮城。
でーでー:福島。
いろせ:神奈川。「いろ」は同母の意の接頭語。
うによ:鹿児島。幼児語。
うんな:福島。
えせ:神奈川。
おあんつぁん:宮城。
おやかた:青森・岩手・秋田・宮城・福島・岡山・徳島・愛媛・高知・大分・福岡・佐賀・長崎。
しーじゃ:沖縄。
せな:福島・栃木・東京・神奈川。
せーな:福島。
せな:群馬・埼玉・神奈川。
せなー:息子・跡取り:千葉。
だいだい:福島。
なー:千葉。
なかぜ・なかぜー・なかぜな:長子と末子の間の男の子:神奈川。
なかっせ:長子と末子の間の男の子:長野・神奈川。
なかっせー・なかっつぇ・なかっつぇー:長子と末子の間の男の子:神奈川。
なんな:千葉。
にー:神奈川・静岡。
にーさ:静岡。
にーにー:沖縄。
にーこー:神奈川。
にーやー:神奈川・静岡。
ばぼー:長崎・佐賀。
まんま:富山。
わねべら:山形。
あにたち、兄達 あんちゃら
あんちゃんら
あね・ねえさん、姉・姉さん あね
あねー
あねさま
あねさん
あんね
あんねー
いろね:『常陸風土記』にある上代語。「いろ」は同母の意の接頭語。同母の弟から見た兄、妹から見た姉。
おあねさん
ねー
ねーちゃん
ねーぢゃ
ねーやん
『語源辞典』によると、『姉』の語源説は様々有るが、『男女を区別するのにニとネの音を用いた。』がもっともしっくり来る。
この場合の『あ』は、『我・吾』であろう。一人称の『吾が姉(ねい)』が『あね』として残ったと見られる。
現代日本語では、誰の姉かを明らかにする言い方はあまり無いが、英語と同じように『』に似た言い方をしていたと見られる。
古語に『吾妹子:わぎもこ』がある。さらに古形は『吾妹:わぎも』で『男性が女性を親しんで呼ぶ語。』の意味である。現代語で解釈すれば『吾が妹』『吾が妹子』の意味である。
:鹿児島奄美大島。
あだ:秋田。
あっちゃ:秋田。
あに:鹿児島。
あにぇ:鹿児島。
あにやん:佐渡島。
あにょ:鹿児島。
あねい:佐渡島。
あねご:神奈川:二人称。
あねさ:山形。
あねさー:福島。
あねさん:佐渡島。
あねちゃ:秋田。
あねっつぁ:秋田。
あねやん:佐渡島。
あま:三重。
あやん:鹿児島。
あんじょ:鹿児島。
あんにゃん:鹿児島。
あんね:宮城・福島・埼玉・神奈川・八丈島。
あんねー:福島・群馬・神奈川・静岡。
あんま:石川。
いね:三重・和歌山。
いーやー:大分・福岡。
いんまー:鹿児島。
うんね:鹿児島。
ねー:神奈川・静岡。
ねーさ:静岡。
ねーちぇん:神奈川。
ねーちゃん:神奈川。
ねーや:静岡。『姉や:下働きの女性などを呼ぶ語。また、その女性。』。
ねやん:佐渡島。
おとうと、弟 おじ
おじー
おどーど
おとつ:鹿児島。
おとづ:鹿児島。
おどつ:鹿児島。
おんさーま:秋田。
おんじ:青森。
おんじぼ:神奈川。
おんず:青森。
いもうと、妹 いもーど
いろと:『常陸風土記』にある上代語。いろど・いろと:いろおとに変化した形。「いろ」は同母の意の接頭語。同母の兄から見た弟、姉から見た妹。
おば
おばー
えもーど
あば:新潟。
いもこ:神奈川。
いもち:鹿児島。
いもつ:鹿児島。
いもと:鹿児島。
うとと:奄美大島。
こじょ:静岡。
ちょうなん、長男 あどっとり
あどとり
あととり
あどとりむすこ
いーとり
いはいもぢ
いはいもち
いへーもぢ
うぢとり
うちとり
かがり
かかり
そーりょ
そーりょむすこ
ちょーなんぼ
むすこ
よとり
わかて
あだ:岩手。
あんこ:青森・岩手・宮城。
あんにや:新潟。
いせき:千葉・静岡。『遺蹟』。
うー:大分。『初子』か。
おー:静岡。
おーせな:神奈川。
おーぜな:神奈川。
おーぜな:神奈川。
すよ:鹿児島。
せな:神奈川。
せなー:息子・跡取り:千葉。
せな:神奈川。
そーりょー:東京・神奈川。
そーりょーむすこ:東京。
ちょうじょ、長女 あね
あねー
あねっこ
そーりょ
そーりょむすめ
いせき:千葉・静岡。『遺蹟』。
おーね:神奈川。
そーりょー:東京・神奈川。
そーりょーむすめ:東京・神奈川。
じなん、次男 じなんぼ
のせな
いんきょ:和歌山。
もしかあんにや:新潟。
じなんいか、次男以下 おじ
おじー
おんさー
おんじ
おんじー
おんぢゃん:独り者の場合。
しゃで
しゃでー
しゃてー
しゃーてー
しゃでっこ
しゃでーっこ
おじ:青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・石川・岐阜・奈良・三重。多く、長男の子から見た弟を言う。
おじー:千葉。
おんじ:岩手・新潟・神奈川。
しゃで:山形・宮城・福島。
しゃでー:福島。
しゃてー:栃木・神奈川。
しゃでっこ:宮城。
やつめ:青森。
じじょいか、次女以下 おば
おばー
うば:秋田。
おば:青森・岩手・秋田・山形・千葉・神奈川・新潟・富山・石川・岐阜・島根隠岐・岡山・長崎。多く、長男の子から見た妹を言う。
おんば:埼玉・神奈川。
さんなん、三男 さんなんぼ なげおんじ:青森。
すえっこ、末っ子、末子 しめーっこ
すいっこ
ばっち
まっしゃ
『弟・乙』『弟子・乙子』とも言う。
おじごんぼ:新潟。
おしめーこ:神奈川。
おと:静岡・大阪。
おとっこ:静岡。
かすおじ:新潟。
ごんぼおじ:新潟。
しったれ:鹿児島。
しっれー:神奈川。
きり:青森。
しっっこ:青森。
しまいっこ:神奈川。
しめっこ:神奈川。
しめーっこ:埼玉・東京青梅・神奈川。
しめーっれー:神奈川。
しめれー:神奈川。
すえっれー:神奈川。
たねっこ:神奈川。
つるったぐり:新潟。
ばっち:秋田・宮城・福島・千葉・栃木・八丈島。
ばっつ:山形・宮城。
ひっれー:神奈川。
まっしゃ:神奈川。
みそ:福井。
すえむすめ、末娘 うばこ:青森。
としより、年寄り としょり
としょーり
おんじょ:鹿児島。
としょり:青森・秋田。
としょーり:秋田・山形。
こども、子供 がぎ
ことも
こわっ
わっ:15〜6歳の子供。
あち:新潟・石川。
いで:新潟。
うず:長野。
うね:鹿児島。
おこさん・おこっさん:小僧:一年少の僧。子供の僧。A商店で使われている年少の男店員。B年少の男子をあなどっていう語。:佐渡島。
がき:福島。
こど:鹿児島。
こどん:鹿児島。
ころも:鹿児島。
こんぼー:静岡。
ぶこ:佐渡島。
ぼこ:佐渡島。
ぼこさん:佐渡島。
やらび:沖縄。
わらし:東北。
こどもたち、子供達 がぎら
がぎめら
がぎゃど:青森。
しせいじ、私生児 よげーこ
よげっこ
よげーっこ
以下、ほとんど神奈川方言だが、これは神奈川に私生児が多いためではなく、文献調査の手法によるものだろう。
いたずらっこ:神奈川。
いぼっこ:静岡。
うきよ:滋賀。
おやなしっこ:神奈川。
かー:島根。
かくしこ:神奈川。
かくしっこ:神奈川。
そそ:神奈川。
そそっこ:神奈川。
そそーっこ:神奈川。
ちゃんねーこ:神奈川。
つじおっこ:神奈川。
つぼっこ:静岡。広辞苑に『つぼっこ:(ツボはツチボ(土穂)の訛。東海・中部地方で) 私生児。穂拾い子。』とある。
ててなしっこ:神奈川。
ててなしこ:岩手。
てんどご:鹿児島。
どらっこ:神奈川。
ないしょっこ:神奈川。
ねーしょっこ:神奈川。
ひあわえっこ:神奈川。
ひかっこ:神奈川。
ひかもん:神奈川。
ひややっこ:神奈川。
ほひろいご:九州。
みしけご:鹿児島。
よけっこ:神奈川。
よべご:鹿児島。
わたしっこ:神奈川。
あかんぼう、赤ん坊 あが
あがっこ
あがんぼ
おどめ
あか:佐渡島・山梨。俗語。
あかっこ:神奈川。
あかっ:神奈川。
あこ:和歌山・鳥取・島根。『吾子』。島根では産婆を『あこばば』と言う。
あっかー:静岡。
:三重・長崎・佐賀。
がご:岐阜・長崎。
いん:静岡。
うだれ:山口。
うば:福島。
おと:福島。
こぼ:わが子:長野。
こんぶ:鹿児島。
こんぼ:わが子:長野。
こんぼこ:他人の子:長野。
ちぼ:長野。
ぢゃさん:鹿児島。
にかっこ:長野。明治の方言。この場合の『にか』『に』は『土・丹(に)』((赤土で染めた)赤色。)と考えられる。長野にも形容詞の連体表現に『〜か』があったことになる。
びっき:青森。
ぼこ:他人の子:長野。
やぼ:宮崎。
やや:福島・長野・東京(江戸)愛知・近畿(三重を除く)・鳥取・島根・広島・愛知・高知。『ややこ』の転。
ややこ
ややっこ:福島。
やんこさん:鹿児島。
むすこ、息子
むすめ、娘 あまっこ
むすめっこ
あんまー:静岡。
いと:京都・大阪・奈良・和歌山・兵庫。
こびー:長野。
びー:長野。
びく:山梨。
ねねー:静岡。
めらし:青森・秋田・岩手・山形。
めらび:鹿児島奄美大島。
めんちゃー:静岡。
おじょうさん、お嬢さん、乙女 じょー
じょーちゃん
いとさん:近畿・四国・宮崎。
いとはん:山梨・滋賀京都・大阪・和歌山・兵庫・徳島。
いとやん:大阪・京都・徳島。
おご:鹿児島。
おごいさー:鹿児島。
おごさん:武家の娘:宮城。
おごじょ:鹿児島。
ごゆさん:鹿児島。
いとこ、従兄弟 いどご
おい、甥 うえ:鹿児島。
めい、姪
ふうふ、夫婦 いのせ
むこ、婿 むご
むごさま
もご
もごさま
いせき:山梨。『遺蹟』。
むこんどん:静岡。『婿殿』。
もこ:神奈川。
よめ、嫁 あねさん
よめ
よめっこ
よめさま
おあねーさん:兄嫁:神奈川。
よめ:宮城・神奈川。
よめこ:神奈川。
よめっこ:静岡。
めっこ:神奈川。
おとこ、男 おどご
おどごめ:卑下した言葉。
やろ
やろー
びきどぅん:沖縄。
やろ
おとこたち、男達 おどごら
年配の男
どくしんのおとこ、独身の男 おんじーさん おんじ:神奈川。
おんじー:神奈川。
げなん、下男 現代では失われた言葉。
あんのー:佐渡島。
おとこどん:静岡。
げじょ、下女 現代では失われた言葉。
おんなどん:静岡。
ねー:静岡。
おんな、女 あま:卑下した言葉。
あまちょ:卑下した言葉。
あまっこ:卑下した言葉。
あまっちょ:卑下した言葉。
おんなめ:卑下した言葉。
方言地図を見ると実に面白いことが解る。女を示す古い言葉の『おなご』の分布が明快に分かれていることである。『おなご』を使わないのは関東から岐阜までの一帯。新潟は県中央部で真っ二つに分かれる。古地図を見るとその謎が解けるかもしれない。何故このように東北と近畿以西に集中するのかは方言地図でも明快な答えは得られていない。
あま:福島・静岡。卑下した言葉。
あまっちょ:群馬。卑下した言葉。
あまっちょー:静岡。卑下した言葉。
こびー:長野。
びたい:東北・岩手・福島。
びー:長野。
びく:山梨。
びくっちょ:女の罵倒語:山梨。
びで:宮城。
めなっ:福島。
めろ:福島。
めろー:静岡。『女郎』。罵倒語。
めんかー:静岡。罵倒語。
めんつー:静岡。
おんなたち、女達 おんなら おなめら:鹿児島。
老女 :鹿児島。
年配の女 おばさん おばさま:山形。
わかいおんな、若い女 あまっこ あんま:石川。
どくしんのおんな、独身の女 あば:新潟・石川。
おば:新潟・石川・和歌山・島根隠岐・長崎。
おんば:神奈川。
おんばー:神奈川。
めかけ、妾 かごいもん
めがげ
かかえおな:宮城。
かかえおんな:宮城。
かこいもの:神奈川。
かこいもん:神奈川。
かれおめ:鹿児島。
てかけ:神奈川。
はなっかけ:神奈川。
めか:神奈川。
れこ:神奈川。江戸時代に流行った隠語。
じょちゅう、女中、げじょ、下女 『女中』『下女』は現代語では消えてしまった。
あね:佐渡島。
おんなどん:静岡。
ねー:静岡。
おとこのこ、男の子 おどごご
おどごこ
やろ
やろこ
やろこめ
やろっこ
やろめら:男の子達。
あま:長崎。
いんのこ:長崎。
こぞー:静岡。
こんぼー:静岡。
ぼんず:青森。
やっこ:岩手・長野。
やろ:神奈川。
やろこ:山形・福島。
やろさま:神奈川。
やろっこ:宮城・群馬・神奈川。
やろっ:神奈川。
わろ:石川。
おんなのこ、女の子 あまめがぎ:卑下した言葉。
おんなこ
おんなっこ
こめろ
こめろう
むすめっこ
めらっこ
『女郎』『小女郎』。
広辞苑に『比丘(びく):女子をいやしめていう語。』とある。
あか:山形・愛知。
:鹿児島奄美大島。
あまっこ:小娘:静岡。
うちこ:高知。
がー:石川。
びー:静岡。
びくたー:静岡。
びくため:侮る言葉:静岡。
びった:青森。
びで:宮城。
びでっこ:宮城。
めらし:青森・秋田。
めらべ:八丈島。『女童』の意味だろう。
めろ:福島。
めろこ:宮城・福島。
めろっこ:福島。
れいじょう、令嬢 じょー 広辞苑に『令嬢:他人の娘の尊敬語。令愛。』とある。
さまさん:佐渡島。
ようし、養子 いわしっこ:新潟。
かれ、彼、あいつ あいづ:彼奴。
あのやづ:彼の奴の意味。
あれ
やづ:奴。
やろめ:野郎奴。
男女の区別は無い。現代語の『彼奴(あいつ)』は『あやつ』が転じた。
あい:彼:三重・香川・島根・鹿児島。
あえづ:山形。
あなえろ:山形。
あなえろー:山形。
あれ:宮城。
あんかって:あいつ:神奈川。
あんちきしょー・あんつくしょー:あいつ:神奈川。
あんなえろ:山形。
えぁづ:あいつ:秋田。
われ:静岡。
かのじょ、彼女 同上。 あのひと:山形。
あの人、あいつ あいづ
あのしと
あれ
あんしと
やづ
あれ:山形。
あえづ:山形。
あのえろー:卑称:山形。
あのし:鹿児島。
あんかって:あいつ:神奈川。
あんし:鹿児島。
えづ:鹿児島。
おっこ:鹿児島。
あの人達、あいつら あいづら:複数形。
あいら:あの人たち。かれら。あいつら。
あれら
あんしとら
やろめら:複数形。野郎奴等。
あいどん:鹿児島。
あいら:静岡。
あえづら:山形・宮城。
あんやつどん:鹿児島。
あんわろどん:鹿児島。
その人、そいつ そいづ
そのしと
それ
そんしと
さえづ:山形。
そえづ:山形。
そなえろ:卑称:山形。
そなえろー:卑称:山形。
そのえろー:卑称:山形。
そやつ。『其奴』。
その人達、そいつら そいづら
そのしとら
それら
そんしとら
そいつら:佐渡島。
そえづら:山形・宮城。
この人。こいつ こいづ
このしと
このやづ
これ
こんしと
こなえろ:卑称:山形。
こなえろー:卑称:山形。
こなさん:佐渡島。
このえろー:卑称:山形。
このかだ:山形。丁寧語。
このご:山形。丁寧語。
こやつ。『此奴』。
こんかって:この人:神奈川。
こんた:佐渡島。
こんと:鹿児島。
こんなえろ:卑称:山形。
こんやち:鹿児島。
こんやっ:鹿児島。
こんわろ:鹿児島。
この人達、こいつら このしとら
これら
こんしとら
かえづ:山形。
こえづ:山形。
このえろー:卑称:山形。
どの人、どいつ どいづ
どのしと
どれ
どんしと
どえづ:山形。
どえつ:山形。
どの人達、どいつら どいづら
どのしとら
どんしとら
どえづら:山形。
どなえろ:卑称:山形。
どなえろー:卑称:山形。
どのえろー:卑称:山形。
だれ だい
だん
だぁ:青森。
だぁー:青森。
でぁー:青森。
でぁーつ:青森。
あのかた、あの人 あのさー:鹿児島。
あのさま:鹿児島。
あれ あい
あいづ
あれ
あい:鹿児島。
あれ:青森。
あれら あいづら あいつべら:青森。
それ そい
そいづ
それ
そい:鹿児島。
それら そいづら
そいら
これ こい
これ
こい:鹿児島。
これら こいら
どれ どい
どれ
どれら どいら
あっち あいろ
あっち
あちぅ:青森。
あちゃ:青森。
あっちゃ:青森。
あつら:福島。
こっち こっち
こっぢゃ
こっちゃ
『聞書』によれば、江戸では『こっち』、浪花では『こっちゃ』とある。
宮城でも茨城でも使われることから、江戸以前は全国的な言葉だったとも考えられる。また民謡でも『こちゃこい』は有名で、『こちをや』が残ったと考えられる。
こちぅ:青森。
こちゃ:青森。
こっちゃ:青森・秋田・宮城・福島。
あちこち、あっちこっち あいろこいろ
そっち そっち
そっちゃ
そちぅ:青森。
そちゃ:青森。
そっちゃ:青森・秋田・福島。
どっち どっち どち:青森。
どちぅ:青森。
どちゃ:青森。
どっちゃ:青森。
あそこ あすく
あすくんとご
あすくんとし
あすご
あすこ
あそご
あつく
あれ
あーれ
あーれん
あこ:青森。
あーこ:静岡。
あずく:福島。
あすく:東京都青梅市。
あずぐ:宮城。
あずく:宮城。
あすこ:東京・神奈川。
あそご:山形・宮城。
あっこ:新潟・長野・静岡。
あーれ:福島。
あんとこ:静岡。
そこ そご そご:山形・宮城。
そのあたり、そこいら、そこら、その辺、そこら辺 そのあだり
そごいら
そごえら
そごら
そごらあだり
そごらへん
そごえら:山形・宮城。
そごら:山形。
ここ こご こご:山形・宮城。
このあたり、ここいら、ここら、この辺、ここら辺 このあだり
こごいら
こごえら
こごら
こごらあだり
こごらへん
こごえら:山形・宮城。
こごら:山形・宮城。
どこ どご どご:山形・宮城。
どのあたり、そこいら、どこら、どの辺、どこら辺 どのあだり
どごいら
どごえら
どごら
どごらあだり
どごらへん
どごえら:山形・宮城。
どごら:山形・宮城。
そのた、その他 おかさん:地主や親方の奥さん。
おっつぁん:烏帽子子が烏帽子親を呼ぶ言い方。
おやぶん:烏帽子子が烏帽子親を呼ぶ言い方。
おんじーさん:男やもめ
しーとさま:嫁の実家。
いぼ:五女:三重。
(敬称) :多く長音形の形をとる。もともとは『上』だったと考えられる。『姉』を『姉え』、『せな』を『せなあ』と言うのも同じと考えられる。
:貴の意味。
:『兄じゃ:兄じゃ人、兄である人。兄様。』の名残か。
:『さま』の短縮形か。
さー:『さま』の変形か。
ざん:『兄じゃ:兄じゃ人、兄である人。兄様。』の名残か。
さま
さん
ぢゃ(じゃ):『兄じゃ』があるがもともとは敬称ではなかったようである。『兄じゃ人、兄である人。兄様。』。
ちゃ:『じゃ』の清音形。
ちゃー:『じゃ』の清音形の長音化。
ちゃま:俗語では使われる。
ぢゃん:『じゃ』につながる言葉。
ちゃん
ちやん『じっちやん』などと言うことから原型は『やん』と考えられる。
つぁ『さ』が促音化によって訛った形。
つぁー『さー』が促音化によって訛った形。
つぁま:『さま』が促音化によって訛った形。
つぁん:『さん』が促音化によって訛った形。江戸下町言葉でもある。『はっつぁん』
つあん:事例は少ない。
どん:主に屋号に使われる。
はん:主に関西の言葉。
:『爺や・婆や』が原型か。
やー:『爺や・婆や』が原型か。
やま
やん:標準語圏でも愛称などで使われることがある。無国籍言葉。調べると長野あたりの方言らしい。
茨城で使われる敬称は左記の通り。
もともとは『さま』でそれから『さん』が生まれたようである。現代語の『ちゃん』は、『さま』『さん』が促音化した言葉に付く時に生まれた『つぁま・つぁん』を介しながら、『兄じゃ』の影響を受けて生まれたと考えられる。茨城方言に残る濁音形の『ぢゃ・ぢゃん』はその名残と考えられる。
また、『さま』が詰まって『さ』、江戸時代に江戸周辺で広く使われた『つぁま・つぁん』は、東北では『つぁ』に詰まる。『はん』は一般に関西の言葉と認識されているが、目下、東北では秋田、関東では茨城のほか神奈川にも見つかった。
あん:神奈川。
:山形・静岡。
さー:青森・静岡。
さまぁー:青森。
さまんす:秋田。
さら:静岡。
さんす:秋田。
さんち:様達:静岡。
じょーろ:様:静岡。女性の敬称。
ちー:名前に付ける・さげすむ言い方:神奈川。
ちー:静岡。
ちゃ:秋田。
ちゃー:青森。
ちゃー:達:静岡。
ちょー:静岡。
ちん:達:静岡。
ちーん:名前に付ける・さげすむ言い方:神奈川。
つぁ:秋田。
つぁん:秋田。
どん:佐渡島・静岡・鹿児島。
のじ:神奈川。江戸語。
のん:鹿児島。
はん:秋田・山形・神奈川・静岡。
まー:静岡。
:同等・目下の人に使う卑称。標準語・茨城では、問いかけの助詞である。
やー:青森。
やん:神奈川・佐渡島。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
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