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◆本ページは、動物等に関する茨城方言をまとめたものです。他県の方言の収集も合わせて開始しました。

標準語 茨城弁 備考・他県の方言
あいさ、アイサ あい:カワアイサ。
あいさ:ウミアイサ・カワアイサ。
あいさ:ウミアイサ・カワアイサ。
かこー:ミコアイサ。
広辞苑に『秋沙:(「あきさ」の転) カモ目カモ科アイサ属の鳥の総称。体はカモに比べて細長く、くちばしは細く、縁に鋸歯状の突起が並ぶ。遊泳・潜行に巧妙。カワアイサ・ウミアイサ・ミコアイサなどがある。アイサガモ。』とある。
あおじ、アオジ あおしとど
しっとと
広辞苑に『蒿雀:スズメ目ホオジロ科の小鳥。背は緑褐色、腹は黄色に灰褐色の縦斑がある。湿った林にすみ、鳴き声はホオジロに似る。青鵐(アオシトド)。』とある。
あかげら、アカゲラ あがふんどし:筑波郡。
きーただぎ
ふんどしかげ
広辞苑に『赤啄木鳥:キツツキの一種。ほぼツグミ大。背面に白と黒との斑があって、下腹赤く、雄は後頭に赤斑がある。樹の幹に孔をあけて中の昆虫を食う。日本で最も普通のキツツキ。本州・北海道などに分布。』よある。
あかしょうびん、アカショウビン あまいどり
ぐのかねつき
しょーびんどり
:筑波郡。ひいろこまどりの略。
まめころばし
みずいどり
広辞苑に『赤翡翠:カワセミの一種。大きさはツグミぐらい。背は朱色、腰は瑠璃色、腹面は黄褐色、嘴は長大で赤色。渓流の近くの広葉樹林にすみ、蛙・昆虫などを好んで食う。日本・中国・ジャワなどに分布。梅雨時によく鳴くので、雨乞鳥・水恋鳥ともいう。鳴き声から、キョロロ。ミヤマショウビン。』とある。
あかはら、アカハラ あがはらちょーま
あがばらめ
きつねどり
このはいし
広辞苑に『赤腹:スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。背面は茶褐色、胸と両脇は美しい狐色。山地の森林に繁殖。声がよい。樺太・北海道・本州にすみ、冬に四国・九州・台湾に移る。』とある。
あかっ:千葉。
かやはきどり:千葉。
あひる、アヒル 広辞苑に『家鴨・鶩:カモ目カモ科の家禽。マガモの飼養品種で、種類が多い。肉や卵をとり、羽毛は羽ぶとんに使用。』とある。
あひい:鹿児島。
あへる:鹿児島。
がーな:宮古島。
いかる、イカル まめくいどり
まめくち
まめまーし
まめわり
広辞苑に『斑鳩・鵤:スズメ目アトリ科の鳥。大きさはムクドリぐらい。頭・風切羽・尾羽は金属光沢ある黒色で、その他は灰色。翼に白斑があり、くちばしは太くて黄色。山地に多い。マメマワシ。マメウマシ。マメコロガシ。三光鳥。いかるが。』とある。
『三光鳥:@(鳴き声が「月日星ツキヒホシほいほい」と聞えるから名づける) スズメ目ヒタキ科カササギヒタキ亜科の鳥。雄は紫黒色で、腹は白く尾は極めて長く優美。雌は背面が栗色。山地の暗い密林中にすむ夏鳥。サンコウ。Aイカルの別称。』もある。
これらから、イカルとサンコウチョウは同一の種類と考えられていたことが解る。
いたち、イタチ、鼬 あが:赤毛のイタチ。
いだぢ
いたちっこ
いだぢめ
はな
はなろいだぢ
はなろめ
はなじろ
はりねいたち
イタチの異称は『とます・とまこ・とまい・とま』
えだぢ:千葉。
づっと・づっとー:長野。
とます:鹿児島。
ゆた:鹿児島。
ゆたて:鹿児島。
いもり、イモリ、井守 あがはら
あが
あか
あがばらめ
えもり
広辞苑に『井守:サンショウウオの一種。日本固有の動物。四肢短く、尾は大きく扁平で、遊泳に適する。本州・四国・九州の淡水にすむ。体は黒褐色、腹は全体赤色で黒い斑点がある。また、広義にはイモリ科の両生類の総称で、イボイモリ・サラマンドラなど、世界に約四○種。アカハラ。イモラ。』とある。
えもり:長野。
なけんべす:鹿児島。
なけんべっそ:鹿児島。
なっべそ:鹿児島。
いぬ、犬 いっこ
いっころ
いぬめ
いぬこ
いぬごろ
いぬころ
いの
いのころ
いのっころ
いるめ
えぬ
えぬころ
わんわ:幼児語。
わんわん:幼児語。
おどごいぬ:雄犬。
おんないぬ:雌犬。
広辞苑に『犬・狗:ネコ目(食肉類)イヌ科の哺乳類。よく人になれ、嗅覚と聴覚が発達し、狩猟用・番用・軍用・警察用・労役用・愛玩用として広く飼養される家畜。品種も日本在来の日本犬(秋田犬・柴犬など)のほか、グレーハウンド・ボルゾイ・ポインター・セッター・スパニエル・ボクサー・コリー・シェパード・テリア・マルチーズ・ブルドッグなど多く、大きさ・毛色・形もさまざまである。』とある。
いっこ:福島。
えぬ:千葉。
がんが:静岡。幼児語。
がんがー:静岡。幼児語。
がんがん:静岡。幼児語。
わーわー:佐渡島。幼児語。
わんわ:千葉。幼児語。
(関連語)
かめえぬ:洋犬:千葉。
やろえぬ:雄犬:千葉。
いのしし、イノシシ、猪 おひんよーこんこちこんこち:イノシシの鳴き声
しし
しらいぼー:灰色のノイノシシ。
ももしし
ももんじ
広辞苑に『猪:ウシ目イノシシ科(広くはペッカリー科を含む)の哺乳類の総称。また、その一種。体は太く、頸は短く、吻が突出している。わが国産のものは頭胴長約一・二メートル、尾長二○センチメートル。ヨーロッパ中南部からアジア東部の山野に生息する。背面に黒褐色の剛毛があり、背筋の毛は長い。犬歯は口外に突出。山中に生息、夜間、田野に出て食を求め、冬はかやを集めて眠る。仔は背面に白縦線があるので瓜坊(ウリボウ)・瓜子ともいう。豚の原種。しし。い。ふすい。いのこ。野猪(ヤチヨ)。』とある。
いの:滋賀・兵庫。
いのこ:岡山。
うむざ:沖縄。
うりぼー:子:神奈川。
えのしし:千葉。
しし:千葉・神奈川。
いもり、イモリ あがはら
あが
あか
あがらめ
広辞苑には『井守:サンショウウオの一種。日本固有の動物。四肢短く、尾は大きく扁平で、遊泳に適する。本州・四国・九州の淡水にすむ。体は黒褐色、腹は全体赤色で黒い斑点がある。また、広義にはイモリ科の両生類の総称で、イボイモリ・サラマンドラなど、世界に約四○種。アカハラ。イモラ。』とある。
えもり:神奈川。
がんちょめ:神奈川。
ししゃむし:鹿児島。
ちしゃむし:鹿児島。
う、鵜 らす
らす
広辞苑に『鵜:ペリカン目ウ科の水鳥の総称。頸は細長く全身黒色。海岸・湖沼付近に群棲し、巧みに潜水して魚を捕食する。世界各地に約三○種が分布し、日本にはウミウ・カワウ・ヒメウなど。鵜飼に用いるのはウミウ。』とある。
うかか:岐阜。
らす:福島・千葉。
うのとり:岩手・東京大島・愛知・鹿児島。
うぐいす、ウグイス おこいす
ぢゃーぢゃめ
ぢゃっち
ぢゃっちゃ:ウグイスの幼名。
ちゃっちゃっ:猿島郡。
ぢゃっちゃめ:ウグイスの幼名。
ほーほけきょ
ほけきょー
ほけっきょめ
広辞苑に『鶯:スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科の鳥。小形で、大きさはスズメぐらい。背面褐緑色、下面白く、白色の眉斑がある。低山帯から高山帯の低木林に至るまで繁殖し、冬は低地に移り、市街地にも現れる。さえずりの声が殊によい。別名、春鳥・春告(ハルツゲ)鳥・花見鳥・歌詠(ウタヨミ)鳥・経読(キヨウヨミ)鳥・匂鳥・人来(ヒトク)鳥・百千(モモチ)鳥など。』とある。
現代語の代表語は、『ウグイス』一つであるが、別名とされる呼称は、明治になって標準語が定められ、また学術語が定義された時に定められたものだと考えられ、それ以前は様々な呼称で豊かに呼ばれていた時代が羨ましい。
『語源』には、『@鳴声から名となる。Aウグヒは鳴声、スは鳥の名に付く接尾語。Bウクは奥、ヒスはは出ず。奥出ずの意。Cウはフ(生)の転。スは巣。茂みに巣を作る鳥。D愛食巣または愛作巣の意からか。E卯の方に巣をくう鳥か。陽気を好む鳥。』とあり参考に『@末尾のスについては、カラス・キギス(雉の古名)など、鳥名に多いものであり、鳥名であることを表すものであろう。Aウグイスの鳴声はホーホケキョ・ヒトクヒトクなどと聴き取られ、「経読み鳥」「人来鳥」は鳴声に由来する異名である。』とある。
尚、広辞苑に『ささなき【小鳴き・笹鳴き】:冬に、鶯の鳴声がまだ調わず舌鼓を打つように鳴くこと。また、その鳴く声。』とある。幼名の呼称はこの『小鳴き・笹鳴き』に由来すると考えられる。神奈川・静岡では『ちゃっちゃ』と言い、茨城では『 ぢゃっちゃ・ぢゃっちゃめ』となるのが面白い。
うぐえす:鹿児島。
えす:千葉。
ーす:静岡。
ゆす:長野。
うごえす:鹿児島。
えす:千葉。
うみいす:静岡。
うむいす:静岡。
いす:長野。
ろす:長野。
おむいす:静岡。
おもいす:長野。
おもえす:長野。
おもひす:長野。
おもよす:長野・静岡。
おもろす:長野。
ちゃっちゃ:ウグイス:神奈川。
ちゃっちゃ:ウグイスの幼名:神奈川・静岡。
ばかっちょ:鳴かないウグイス、ウグイス:神奈川。
うさぎ、兎 うさ
おさ
ょんょん:幼児語。
広辞苑に『兎:(「う」は兎のこと、「さぎ」は兎の意の梵語「舎舎迦(ササカ)」の転とする説と朝鮮語起源とする説とがある) ウサギ目の哺乳類の総称。耳の長いウサギ科と耳が小さく、小形のナキウサギ科とに大別。ウサギ科はオーストラリア・ニュー‐ジーランド・南アメリカ南部を除く全世界に分布するが、以前いなかった地域にも移入されて野生化している。わが国には北海道にユキウサギ、それ以外の地域にノウサギがいる。また、家畜としてカイウサギを飼育。耳長く、前脚短く後脚は長い。上唇は欠けていわゆる兎唇(トシン)状、長いひげがある。行動は敏捷・活発で、繁殖力はすこぶる大。肉は食用、毛は筆につくる。おさぎ。』とある。
うさ:千葉。
うさごろ:鹿児島。
うさん:鹿児島。
うさんごろ:鹿児島。

(関連語)
ょんょん:子ウサギ:幼児語:千葉。
ごまうさ:毛が胡麻模様の兎:神奈川。
うし、牛 うしねんこ
うしねんぼ
うしねんぼー
うしめ
うしんべーこ
うせ
べご
べーご
べーこ
もー:幼児語。
もーめ:幼児語。
もーも:幼児語。
もーもめ:幼児語。
うしねんぼー:群馬・静岡・愛知。
うしもーもー:神奈川。幼児語。
うしんべ:神奈川。
うしんべー:神奈川・山梨・静岡。
うしんぼ:神奈川。
うしんぼー:神奈川。
うす:青森。
さす:神奈川。
べぶ:鹿児島。幼児語。
べーべ:兵庫・鳥取・広島・大分・長崎。
べこ:東北・福島・新潟・栃木。
ぼー:佐渡島。
ぼーぼー:静岡。幼児語。
めっ:山形。幼児語。
もー:神奈川。
もーも:千葉。幼児語。
もーもー:千葉。幼児語。
もーや:神奈川。
もーん:静岡。幼児語。
(関連語)
なす:牛の子宮:神奈川。
うずら、ウズラ ウズラは広辞苑に『鶉:キジ目キジ科の鳥。尾短く、全体赤褐色で黄白色の縦斑と黒斑とがある。草原にすむ。肉・卵は美味、また鳴き声の観賞のために人家に飼う。ヨーロッパ・アジアに分布。』とある。
土浦の農家ではウズラの生産農家がある。畜舎の近くはかなり煩い。
現代の我が家は港北ニュータウンの北西の端にあって、今でも稲の香りを旬に感じることができる。
港北ニュータウンは、開発以前は、茨城県土浦市のはずれの地域より、明らかに、恵まれなかった田舎だっただろう。
2009年4月、横浜市都筑区の都筑中央公園を散歩していたら、ウズラのツガイを見かけた。調べると、ウヅラはツガイにならないらしいが、この写真を見ると頬の色が異なり、ペアではないだろうか。

茨城は、今では関東では田舎の代表的な県として扱われるが、田舎として扱われる理由は明解ではなく、今では、田舎だからこそ自慢できる時代になった。
一方、神奈川では各地に素晴らしい田舎を持っている。今でも、蛍が生息している地域がある。寺家ふるさと村は、川崎市と横浜市の境にあるが、もしかしたら、茨城の田舎より田舎である。
うま、馬 うま
うまめ:土浦市。
おんま:幼児語。
こんま
どー:稲敷郡。
どーどー:北茨城市。
とーど・どーど・どーどー:幼児語。
どーんま:幼児語。
まめ
まーめ:猿島郡・新治郡。
んま:県全域。
んまめ:県北部・県西部・土浦市。
(関連語)
そま:死んだ馬、死んだ馬の肉。関東方言。
まーらいば:馬洗い場。
単に『ま』とも言う。
うまっこ:神奈川。
うんま:福島・千葉・神奈川・静岡・鹿児島。
おま:静岡。馬の訛り。辞書掲載語。
おんま:千葉・東京。幼児語。
おんまどーどー:幼児語:神奈川。
だだ:幼児語:鹿児島。
どーど:千葉・神奈川・長野。幼児語。
どーどー:長野・静岡。幼児語。
どーどん:千葉。幼児語。
:千葉。
まー:千葉。
わーわ:福島。
んま:千葉・神奈川。

(関連語)
そま:死んだ馬:神奈川。
にじろ:ひずめの上部が白い馬:神奈川。
のっこ:野馬:千葉。
ぼっこんま:役に立たなくなった馬:神奈川。
やき:丈が四尺八寸ある馬:神奈川。
おうし、牡牛・雄牛 おうし
ゅう:県北。
おす:関東から名古屋
おとこうじ:東日本。
ゅー:鉾田。牡牛の音読みか。
やろーうし:県南。
方言地図を見ると、面白いことが解る。『おとこうじ』(東日本一帯の方言)、『おすうし』(関東・東海)、『おす』(関東から名古屋)、『ぼゅー』(鉾田付近)、『やろーうし』(茨城県南から千葉県全域)、『おゅう』(県北の一部)。
 これらから、牛を『うじ』と読んだ地域があることが解る。私もかすかな記憶がある。
 牡牛は、オス牛とも言った。転じてゅう』とも言い『ぼゅー』に訛ったものだろう。
近世語に『特牛;こってい・こといのうし・こというし・こっていうし・こっていうじ(重荷を負う牡牛。強健な牡牛。)』がある。
うすうし:神奈川。
うな:岐阜・大阪。
おとこうし:神奈川。
おぼちゃうし:鹿児島。
ごって・こってうし:長野。
こーてー・こてい・こてーめ:八丈島。
こってい:佐渡島。
こてー:静岡。
こてうし:神奈川。
こでべご:山形。『こで』は『健児(こんでい)』の説あり。
べここ:宮城。
ぼっこー:静岡。
やろうし:千葉。
やろーうし:千葉。
やろっこうし:千葉。
おうま、牡馬・雄馬 おうま
おどごうま
おとこうま
おとこめ
おんま
こま
こまうま
ぞーやり
そーやり
ちちうま
ちちうま
ぼば:高萩市。牡馬の音読み
(関連語)
たねこま:種馬。
馬を指す『おうま』の存在が紛らわしい。
標準語となった『牡馬・雄馬(おうま)』は、近畿・四国にしかなく、現代標準語の不思議さを感じる。『男』は動物には使ってはいけないということになったのだろうか?。もっとも『おうま』は辞書にあるだけで、日常生活で聞く事は無い。『こま』はまさに『駒』と考えられるが、今では雄馬を指す言葉ではない。『おま』とも言う。辞書には、類似の言葉として『雑役』(ぞうやく:雑役馬)がある。
『俚言』には『関東の田舎にて牝馬を雑役といふ。』とあり、牡牝が逆転している。
おとこうま:全国。
おどごうま:千葉。
おどごんま:千葉。
おどこんま:千葉。
こぞっこ:千葉。
こま:全国。
ぼー:千葉。牡の音読み。
まる:静岡。
やろうま:千葉。
やろんま:千葉。
(関連語)
おだて:種馬:千葉。
オオカミ、狼 おーがみ 広辞苑に『【狼】:(大神の意)ネコ目(食肉類)イヌ科の哺乳類。頭胴長約一〜一・五メートル、尾長三五〜五五センチメートル。毛色は灰色から茶色。イヌの原種と考えられ、体形はシェパードに似る。かつては北半球に広く分布、西ヨーロッパ・中国の大部分、日本などでは絶滅。家族単位の集団で生活する。シカなどの大形獣のほか、ネズミなど小動物も食べる。日本本土産は小形系でヤマイヌとも呼ばれたが、一九○五年奈良県を最後に姿を消し、大形の北海道産(別称エゾオオカミ)もその一○年ほど前に絶滅。』とある。
おいぬ:岩手・宮城・神奈川。
おいぬさま:神奈川。
おいの:青森・岩手・新潟。
おーいん:新潟・福井。
おーがみ:千葉。
おーがめ:千葉。
おーかめ:静岡。
おーかめさま:神奈川。
オオジュリン やーらすずめ
よしわらすずめ
標準語の『葦原雀・吉原雀』はヨシキリの異名である。
オオヨシキリ ぎょぎょし
けけす
やーらすずめ
よしきり
よしきりすずめ
オオルリ るり
るりちょー
るりどり
オシドリ かしどり:静岡。
オタマジャクシ (総称)
あたまだいじん:岩井市。
あたまだえじん:『地図』。
おかまこん:東茨城郡。
おかまこん:東茨城郡。
おきけーるこんぼ:勝田市。
おくげるこんぼ:東茨城郡。
おだま:県内広域。
おたま:県内広域。
おたまこん:那珂郡・東茨城郡。
おだまこんぼ:東茨城郡。
おたまこんぼ:県西央部:『地図』。
おだまこんぼぢ:那珂郡・水戸市・鹿島郡。
おたまこんぼぢ:県東央部:『地図』。
おたまこん:東茨城郡。
おたまこん:勝田市。
おだまじゃぐし:土浦市。
おたまじゃくし:県内広域。
かいるこんぶ:高萩市・東茨城郡・行方郡。
かいるこん:県広域。
かいるこんぼ:県広域。
かいるこんぼー:県広域。
かいるこん:東茨城郡。
かいろこんぼ:東茨城郡。
かいろこん:鹿島郡。
かえるこんぼ:『地図』。
かえるのこ:『地図』。県南西部。
けぁーけこんぼ:常陸太田市。
けぁーけこん:那珂郡。
けぁーけこんぼ:常陸太田市。
けーるこん:県広域。
けーるこんぼ:県広域。
けーるこんぼー:県広域。
けーるこんぼぢ:『地図』。
けーるこん:東茨城郡・鹿島郡。
けーるこん:東茨城郡。
けーるっこ:県広域。
けーろ:稲敷郡。
けーろこじょ:行方郡。
けーろこん:常陸太田市・那珂郡・東茨城郡・行方郡。
けーろこんぼ:那珂郡・新治郡。
けーるこんぼぢ:『地図』。
けーろこん:鹿島郡。
けーろこんちこ:鹿島郡。
げろっこ:『地図』。
けーろっこ:結城市・猿島郡・岩井市。
げーろっこ:稲敷郡。
げんるこ:『地図』。
げん:真壁郡・北相馬郡。
ことこんべ
ことこんぼ:那珂郡。
ことこん:久慈郡・那珂郡。
ごろこ:真壁郡・新治郡・稲敷郡。
ごろこめ:新治郡。
ごろた:岩井市・筑波郡・稲敷郡。
ごろっこ:新治郡・筑波郡・稲敷郡・竜ヶ崎市・北相馬郡。
ごろった:稲敷郡。
しゃもじ:県広域。
たま:稲敷郡。。
ばばすい:西茨城郡・真壁郡。
ばばすえ:『地図』。
ばばすこ:西茨城郡・真壁郡。
ばばちき:西茨城郡。
(その他)
おだまーる・おだまーろ・おたまーろ:足の出たオタマジャクシ。
ぎんょっこ:足が出る前のオタマジャクシ:ギバチの子の意味。
けーるこ:カエルの卵。
けーるっこ:足の出たオタマジャクシ。
ごろこのたま・ごろたのたま:カエルの卵。
ばばすこのたま:カエルの卵。
方言地図では、『おたまこんぼ』は県西央部、『おたまこんぼじ』は県東央部で紹介されている。多くは『おたま』をルーツとする方言と思われる。
その他、『カエルの子』を意味する方言としてかえるのこ・けーるっこ・かえるこんぼ・けーるこんぼ・けーるこんぼじ・けーろこんぼじ・げろっこ』がある。『ぼ』は『坊』の意味であり、『じ』はもともと『ち』で愛称を示す接尾語である。
一方マイナー方言として『あたまだえじん・げんろ・げんるこ・ごろこ・ごろっこ・ごろた・たまし・ばばすえ・ばばすこ』等がある。『あたまだえじん』は、大きな頭を例えて『頭大尽』の意味だろう。『源五郎(げんごろう)』は標準語ではフナや虫の名前にもなっているが、茨城ではさらにオタマジャクシやカブトムシの幼虫にも使われているのが面白い。『ごろこ・ごろっこ・ごろた』はごろごろしているからだろうか。『ばば』は古い幼児語で大便や汚いものを言うことから、泥を『ばば』に例えて『ばば吸い』と言ったのだろうか?
『俚言』には『かいるこかいら(南部)、たな(播磨)、夕やくし(江戸)、ぎやるこ(越前)。』とある。また当時は『おたましゃくし』(幼児語)と清音だったとされる。
『民俗』に掲載された方言は、方言地図とは微妙に異なるが概して同じである。
あまこ:長野。
あまっこ:山梨。
おかめどじょー:山梨・長野。
おぎょろたま:新潟。
おたふくじょじょ:千葉。
おたま:山形・福島・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・新潟・長野・静岡・岐阜・愛知・鳥取。
おたま:愛知・岐阜。
おたまきんじょー・おたまこ・おたまじゃっこ・おたまじょっこ:神奈川。
おたまっこ:神奈川・静岡。
おたまっちょ:静岡。
おたまどじょー・おたまんじゃくし:神奈川。
おたまんげろ:栃木。
おふく:大分。
おんばく・おんばくしょ:神奈川。
がいこだま:奈良。
がいら:秋田・岩手・宮崎。
がいる:和歌山・高知・大分。
がいる:三重・奈良・和歌山・島根。
かいろ:宮城・大分。
がいろぼーず:新潟。
かえるこ:佐渡島。
がえら:宮城。
かえるんご:群馬。
かえろんご:群馬。
がばらっちょ:静岡。
がーら:奈良。
がり:岐阜。
がーる:愛媛。
かんたて:石川。
げぁらぐ:秋田。
:鹿児島。
げー:鹿児島。
げご:鹿児島。
げーご:鹿児島。
げのこ:鹿児島。
げーのこ:鹿児島。
げーろくど:山形。
ごも:鹿児島。
ごろこ:千葉。
ごろた:千葉。
ごろっこ:千葉。
じょんごろまん:千葉。
だいろ:長野。
たな:福井。『田の子』の意味か。
:三重。
たんころ:岐阜・奈良。『田の子ろ』の意味か。
だんだんぶくろ:佐渡島。
だんぶくろ:新潟。
だんふぐろ:佐渡島。
だんふくろ:佐渡島。
ちょんごろ:愛知。
つぶつぶ:長野。
でーろ:長野。
どどんこぶ:愛知。
どぼ:三重。
どん:愛知。
どんどこん:神奈川。
ばくどじょー:静岡。
ふっりどじょー:千葉。
オナガ いな
おなどり
ぎー
オナガドリ 広辞苑に『長尾鶏:鶏の一品種。日本固有の珍種。雄の尾羽の一部は抜けかわらずに長く伸び、八メートルに達するものがある。止箱(トメバコ)という箱に入れて飼育し、尾羽の切れるのを防ぐ。白藤・褐色・黒・白の四種がある。高知県産。特別天然記念物。ナガオドリ。オナガドリ。サザナミ。』とある。
ぎゃーぎゃー:山梨。
おもだか、オモダカ いもだか
カイツブリ かんーる
きなかも
きんき
きんきぢ
きんきち
きんきぢめ
きんきちめ
けんけつめ
みずも
ちょ
っち
っちょ
ちょ
っちょ
広辞苑には『カイツブリ目カイツブリ科の水鳥。名称は「掻いつ潜りつ」を略したものという説がある。大きさはハトぐらい。夏羽は背面暗褐色、喉・頸側は栗赤色、腹部は白色。冬羽は色が淡い。趾(アシユビ)の両側に膜がついていて蹼(ミズカキ)の働きをする。湖沼・河川などに極めて普通。巧みに潜水して小魚を捕食。巣は折枝・蘆葦・水草などで水上に造り、「鳰(ニオ)の浮巣」と呼ばれる。また、広くはカイツブリ目の水鳥の総称。世界に約二○種。すべて淡水域に生息するが秋冬には海岸にすむものもある。カイツムリ。ニオ。一丁潜(ムグ)り。八丁潜り(ハッチョウムグリ)。息長鳥(シナガドリ)。』とある。
『称呼』には『かいつぶり(是和歌に詠するにほとり也。俗にいよめといふ。):畿内及中国東武共にかいつぶりといふ。上総にてみほといふ。長崎にてはにほといふ。土佐国にていちつぶりいよめといふ。遠州にてめうちんといふ。東国にてってう、武の神奈川にてでってうむってうといふ。上州かはぐるまといふ。信州にてめうないと云。駿河にてひやうたんごといふ。仙台にてかはきじといふ。』とある。
うよめ:長野・岐阜。
みお:千葉。
けつんぼ:鹿児島。
みょーちん:静岡。『にお【鳰】』。
っちょ:千葉。
カエル (総称)
かいりめ:−。
がいる:東茨城郡・古河市・北相馬郡・行方郡。
かいる:土浦市。江戸時代の江戸ではタガメを『かいるははさみ』と呼んだことから江戸でも『かいる』と言ったと推測される。辞書掲載語。
かいるどん:那珂郡・水戸市。
かいるめ:笠間市・西茨城郡・土浦市。
がいろ:古河市・猿島郡・稲敷郡・鹿島郡。
かいろ:古河市・石岡市・鹿島郡。
かいろめ:東茨城郡。
がえる:『方言地図』。
がえろ:『方言地図』。
かえろ:『方言地図』。
げぁーる:旧新治郡・旧稲敷郡。
けぁーる:常陸太田市・那珂郡・東茨城郡。
けぁやーる:稲敷郡。
げげめ:那珂郡・勝田市。
げっけ:真壁郡・新治郡。
けやーる:猿島郡・新治郡・稲敷郡。
けやーろ:猿島郡・新治郡。
げる:県広域。『方言地図』。
げーる:勝田市・猿島郡・新治郡・稲敷郡・竜ヶ崎市・北相馬郡。『方言地図』。
けーる:県全域。『方言地図』。
けーるめ:県全域。
けーろ:県広域。
げろ:古河市。
げーろ:県広域。
げーろめ:那珂郡・東茨城郡。『方言地図』。
けーろめ
もっけー:多賀郡。

(トノサマガエル)
とのさまーる
とのさまーろ
(ヒキガエル)
いぼ
いぼいる
いぼいるめ
いぼーる
いぼーろ
おかまえる
おがまいる
おかまさまのつかい
がまがまがえる
くそーる:小型のヒキガエル
しょぐよーいる・しょぐよーーる
どまんいろ
なんこぶ:古河市。
はたたんーろ:鹿島郡。
ばったいる:真壁郡・岩井市・新治郡。
ばったえろ:旧新治郡。
ばったえる:筑波郡。
ばったーる:水海道市・岩井市。:
ばった:猿島郡。・ひくいる
ひくえる:真壁郡付近。

(ツチガエル)
いぼいろ
いぼいるめ
いぼーる
いぼーろ
いぼんーろ
くそーる
くそーろ
くそんーろ

(アカガエル)
あがーる
あがーろ
あかんいる
あかんーろ
あかんびき

(カジカガエル)
あぶらっこ:久慈郡。
かじかめ
かーなのかーず
かーばちこ:キヌカジカ
かわず
さら
さらかちか
ばかちょ
ばかっちょ
ばかっちょー
ぼっかじ

(アマガエル・アオガエル)
あおいる
あおーる
あおーろ
あまんじゃぐいる:大きなアオガエル。
あまかーず
あまーる
あまーろ
あま
しょんべんーる
しょんべんーろ

(その他)
けーるこ:カエルの卵。
『蛙・蛤・蝦』。広辞苑には『カエル目(無尾類)の両生類の総称。変態し、幼生はオタマジャクシ。体は短く、胴と頭が直接つながり、尾はない。後肢は大きく、指に水かきをもち、跳躍や泳ぎに適する。体長は約一センチメートルから大きなものでは三○センチメートルに達する。皮膚は湿り、色は多彩、種によっては変色する。ほとんど水中生活するもの、産卵習性など、生活はきわめて多様。鳴嚢をもち、良い声で鳴くものもある。多くは肉食で、舌で小動物を捕食。食用にしたり、南米産の数種の皮膚からは矢毒をとる。世界に二千五百種以上が分布。古来、人間生活に近い存在で、田や雨の神とする地域もある。かわず。』とある。
ヒキガエルに代表される『ひき』という言葉はもともとカエルを意味する言葉らしい。本草啓蒙ではヒキガエルの別称とある。子供達が遣りそうな遊びといえば、大きく力のあるヒキガエルに物を結んで引かせたことも考えうる。

(総称)
『称呼』には『かはづ(かへる):仙台にてびっきと云。西国にてびきと云。唐津にてたんなんびきと云。土佐にてびきおんびきしやくたらうなどと云。』とある。
『本草啓蒙』には『かいる(京):かいる(佐渡)、えったがへる(大和)、いかったかへる(北近江)、こっといかへる(周防)、へんとかへる(讃岐)、こじきひき(土佐)、くそかへる(備前)、びき(西国)、びっき(仙台)、かっと(能登)』とある。
全国にある蛙の方言を見ると、『びき・ひき・びっき』が注目される。日本の中央部には少なく圧倒的に南北の端に多くある方言である。『ひき』はヒキガエルの古称だが、虫を捕獲する時に長い舌で引く様子をもって『引き』としたのではないか。高知の『ひきっと・ひきんど』は『引く人』の意味に違いない。
あたびー:沖縄。
あたびきゃー:沖縄。
あたびちゃー:沖縄。
あっ:鹿児島。
あっ:鹿児島。
あっ:鹿児島。
あっ:鹿児島。
あっ:鹿児島。
あっどん:鹿児島。
あま:宮崎・鹿児島。
うば:大分。
おんばく:鹿児島。
おんびき:高知。
がいがい:静岡・愛知・岐阜。幼児語。
がいこがいこ:福島。
がえらんご:山形。
がいる:静岡。
かいる:埼玉・静岡。
がいろ:静岡。
かいろ:静岡。
がいろっちょ:静岡。
がえる:青森・福島・埼玉・静岡。
かえるんぼ:埼玉。
がえろ:静岡。 
かえろ:埼玉。
かぇーろ:静岡。
がーず:山梨。
がーた:徳島。
がっとー:石川。
かわず:埼玉。
きぇーろ:静岡。
ぎゃーる:福井。
きゃーる:静岡・岡山。
きゃーろ:静岡。
きーるばーさん:静岡。
げる:福島・千葉・新潟・山梨・兵庫・岡山(茨城・神奈川はわずか)。
げーる:岩手・福島・千葉・神奈川・新潟・山梨・静岡・兵庫・岡山(茨城・神奈川はわずか)。
けーる:福島・茨城・千葉・群馬・神奈川・静岡・兵庫・島根・岡山(宮城・新潟はわずか)。
けーるこ:福島。
げーろ:埼玉・神奈川・長野・静岡。北アルプスの表銀座コースの途中に『蛙岩(げーろいわ)』がある。
けーろ:神奈川。
ごと:神奈川・長野・和歌山・徳島。
ことことかえる:山口。
ごんぜ:鹿児島。
さんたぐお:鹿児島。
たんくびき:福岡。
どざっ:鹿児島。
どば:愛媛。
どんく:長崎。
どんこ:鹿児島。
どんこどん:鹿児島。
どんこびっ:鹿児島。
どんす:長野・岐阜。
どんびき:富山・長野・岐阜。
っくり:静岡。
びき:青森・岩手・宮城・岐阜・奈良・三重・和歌山・愛媛・徳島・九州全域・奄美大島。
ひき:和歌山・兵庫・鳥取・岡山・広島・山口・高知・鹿児島。
ひきく:長野。
びきたろ:大分・宮崎。
びきづ:鹿児島。
ひきっと:高知。
びきゃ:奄美大島。
ひきんど:高知。
びく:富山五箇山。
びしる:岩手。
びーちゃー:奄美諸島喜界島
びっき:青森・岩手・秋田・宮城・山形・栃木・新潟・岐阜・愛媛・滋賀・三重・奈良・和歌山・九州・奄美大島。
びっきゃ:奄美大島。
びっきょ:鹿児島。
びった:鹿児島。
べっき:山形。
もっけ:青森・秋田。
わっく:佐賀・熊本。

(トノサマガエル)/別称:金線蛙。
あおーろ:東京。
おにわくどー:熊本。
かみさまえる:奈良。
かみしもーろ:長野。
かんのしえる:島根。
さんんとび:静岡。
とのかえる:香川。

(ヒキガエル)別称:ヒキ・ガマ・ガマガエル・イボガエル。古称谷蟆(たにぐく)。
いぼえる:埼玉。
いぼた:埼玉・長野。
いぼった:長野。
うしわくどー:熊本。
えぼえる:埼玉。
おかまえる:関東。
おこびき:三重。
おーさまえる:埼玉・千葉。
おーしきばっくり:神奈川。
おどらん:愛媛。
おばどんく:宮崎。
おひき:群馬・神奈川。
おーひき:栃木・埼玉・神奈川・山梨。
おーひきおしき:埼玉。
おーひきえる:神奈川。
おひき:神奈川。
おひきーる:神奈川。
おーひきーる:神奈川。
おーひきーろ:神奈川。
おひきーろ:埼玉。
おーひきばっくり:神奈川。
おーひきばんばー:神奈川。
・:神奈川。
おーひきべっとー:埼玉・群馬。
おひきべっとー:群馬。
おやじおんびき:愛媛。
おろろんびき:香川。
おんじょーこ:長崎。
おんば:愛媛。
おんばく:神奈川。
おんばくえる:神奈川。
おんびき:奈良・和歌山・兵庫・広島・四国・大分
おんわくど:熊本。
がば:神奈川。
がま:埼玉・神奈川。
がまえる:神奈川。
かまばく:大分。
かまもり:愛媛。
がんたく:群馬。
くそえる:神奈川。
けーる:神奈川。
けーろ:神奈川。
ーろ:神奈川。
ごえもん:鹿児島。
ごっとろ:神奈川。
ごっとろばんばー:ヒキガエルの雌:神奈川。
ごとー:神奈川。
ごとーば:神奈川。
ごとーばんばー:ヒキガエルの雌:神奈川。
ごとべ:神奈川。
ごとべー:神奈川。
ごとーべ:神奈川。
ごとーべー:神奈川。
ごとら:神奈川。
ごとろ:神奈川。
ごとろっ:神奈川。
・:神奈川。
ごとろばんばー:ヒキガエルの雌:神奈川。
ごろた:静岡。
さこべ:岐阜。
しっく:神奈川。
たかすとびき:鹿児島。
たかせろびき:鹿児島。
つちえる:神奈川。
つちがま:神奈川。
どーさい:岐阜。
どぶしろ:静岡。
どんかち:鹿児島。
どんく:長野・福井・宮崎・熊本。
どんこ:鹿児島。
どんびき:神奈川・岐阜・富山・長野・福井・鳥取・広島・山口・香川・高知。
ばくえる:神奈川。
ばくど:神奈川。
ばくどえる:神奈川。
ばくとん:神奈川。
ばくどん:神奈川。
ばくら:神奈川。
はたばばー:静岡。
ばっくら:神奈川。
ばっくり:神奈川。
ばっけーる:神奈川。
ばっける:神奈川。
ばっこ:神奈川。
びき:青森・岩手・静岡・岐阜・奈良・徳島・愛媛。
ひき:神奈川。
ひきーる:神奈川。
ひきーろ:神奈川。
ひきだ:長野。
ひきばー:静岡。
ひきんだー:静岡。
ひきんばー:静岡。
ひきんばんばー:静岡。
ひこた:静岡。
ひこんすけ:静岡。
びっき:岩手・山形。
ふくいろ:静岡。
ふくだびっき:宮城。
ふくのかみさん:静岡。
ふくばー:静岡。
べっとー:群馬。
ぼたえる:神奈川。
もっけ:秋田。
もっけぁ:秋田。
わくづ:鹿児島。
わくど:鹿児島。
わくどー:鹿児島。
(ツチガエル)別称:イボガエル・ババガエル。
いぼーる:神奈川。
げーろ:神奈川。
えぼえる:神奈川。
えぼーる:神奈川。
どぶしろ:静岡。
どろびき:和歌山。

(アカガエル)
『本草啓蒙』には『やまがへるあかがへる(京)、うづらひき(伊予・土佐)、ほとけびき(筑前・肥前)、あかがま(越前)、あかひき(土佐・大隈)、はたけどり(伊勢)、本草の山蛙なり。』とある。別称:山蛙。
あかんじー:神奈川。
あかんがえる:群馬。

(カジカガエル)別称:カジカ

(アマガエル・アオガエル)別称:ニホンアマガエル・あまごいむし・あまごいびき・あまびき。
『称呼』には『又一種小さく青色にして木竹の枝に棲ものを、関東及畿内にてあまがへると云。九州にてほとけびきあまびきといふ。唐津にてはあをびきと云。』とある。
あおかわず:福井。
あおびき:岡山・山口・徳島・高知・九州。
あおびっき:宮城。
あおびっち:宮城。
あまがき:鹿児島。
あまがちがえる:群馬。
あまがっ:鹿児島。
あまーる:神奈川。
あまーろ:神奈川。
あま:長野。
あまびき:鹿児島。
あんまいいる:静岡。
あんまえる:静岡。
このはえる・このはかえる:京都。
(その他)
ぎゃらご:カエルの卵:宮城。
ごろた:カエルの卵:神奈川。
ずずこ:ヒキガエルの卵:神奈川。
わっどら:大きなカエル:鹿児島。
カケス かしどり
ぎーぎめ
ぎゃーぎゃー
さーらす
広辞苑に『かけす【懸巣】:スズメ目カラス科の鳥。ハトよりやや小形。全体ぶどう色で翼に白と藍との美しい斑があり、頭には黒色の縦斑がある。尾は黒い。他の動物の音声や物音をまねることが巧み。森林に群棲し、繁殖には、つがいの他にヘルパーがつくことがある。カシの実を好んで食ったり貯蔵したりするのでカシドリとも。ヨーロッパ・アジアに広く分布。』とある。
がっち:静岡。
カササギ
カタツムリ、蝸牛
かいつぶろ:神栖市付近
かだっつぶり:土浦市。
かだっつむり:土浦市。
かだつぶり:土浦市。
かたつぶり
かだつむり:土浦市。
かたつんぶり
かだつむじ:筑波郡。
ぜんぜんむし:東茨城郡。
だいぶろ:古河市。
だいぼろ:県西部。
だいぼーろ:古河市。
つのべこ:−。
つぶり:東茨城郡。
つぼろ:東茨城郡・新治郡。
でーぶる:猿島郡。
でーぼろ:古河市。
でーろ・でーろー:県北部。
でんでん:土浦市。
でんでんつぶろ:那珂郡・東茨城郡。
でんでんむ:那珂郡。
でんでんむし
でんでんむしむし:県西部
でんべろこ:県北部
ないぼろ:県西部
ないぼろむし:猿島郡。
なめく:久慈郡・猿島郡・稲敷郡。
なめくじり:久慈郡・猿島郡・稲敷郡。
なめくち:久慈郡・猿島郡・稲敷郡他。
なめっこじ:久慈郡・東茨城郡。
なめりじ:久慈郡・新治郡・稲敷郡他。
ねーばろ:真壁郡。
ねーぶる:結城市・猿島郡・筑波郡。
ねーぶるつぶし:真壁郡。
ねーぶるつぶろ:真壁郡・筑波郡。
ねーぶろつぼろ:下館市。
ねーぼろ:真壁郡・下館市。
ねーぼろつぼろ:真壁郡。
べーこ:旧久慈郡・旧他が郡。
まいにーくじろ:那珂郡。
まいぼちつぶろ:新治郡。
まいぼろ:−。江戸時代の方言。
まいぼろつぶろ:県西部
まいぼろつぼろ:東茨城郡・新治郡・稲敷郡・鹿島郡。
まいまいくじら:那珂郡・東茨城郡。
まいまいくじろ:那珂郡・東茨城郡。
まいまいつぶ:県北海岸部
まいまいつぶろ:県全域
まいまいつぼり:東茨城郡。
まいまいつぼろ:県内広域。
まいまいつんぼろ:古河市。
めこぼろ:真壁郡。
めーつぶろ:真壁郡。
めーつぼろ:真壁郡・行方郡。
めーぶろ:稲敷郡・行方郡。
めーぶろつぶろ:真壁郡・新治郡。
めーぼるつぼる:稲敷郡・行方郡。
めーぼろ:県周辺部広域。
めーぼろつぶろ:西茨城郡・真壁郡。
めーぼろつぼろ:東茨城郡・西茨城郡・新治郡・鹿島郡。
めーぼろむし:猿島郡。
めーめー:久慈郡。
めーめーくじ:県北部
めーめーくじら:東茨城郡。
めーめーくじろ:県北部
めーめっくじろ:東茨城郡。
めーめっつぼろ:西茨城郡。
めめつぶろ:県東部沿岸
めーめーつぶろ:勝田市・東茨城郡・笠間市・結城市・稲敷郡・鹿島郡。
めーめーつぼろ:東茨城郡。
めーめーめ:−
土浦では、『でんでんむし・でんでんむしむし・でんでん・かだつむり・かだつぶり・まいまいつぶろ・まいまいつぼろ』が代表語。『でろでろむし』と呼んだ記憶もある。  
『蝸牛』。
広辞苑には『マイマイ目の陸生有肺類巻貝の一群の総称。オナジマイマイ・ウスカワマイマイ・ナミマイマイ・ミスジマイマイなど種類が多い。五〜六階から成る螺旋(ラセン)形の殻があり、大部分は右巻。頭部に二対の触角を具え、長い方の先端にある眼で明暗を判別する。雌雄同体、卵生。湿気の多い時、または夜、樹や草にはいあがって若葉などを食う。でんでんむし。ででむし。まいまい。まいまいつぶろ。』とある。
カタツムリの『かた』は『笠』で『つむり』は巻貝を意味する『つぶ、つぶり、つぶろ』と同じ意味であるとされる。
カタツムリの異称は『カタツブリ・デンデンムシ・デデムシ・マイマイ・マイマイツブリ・マイマイツブラ、マイマイツブロ・マイツブリ』がある。
『でんでんむし』の語源は子供が『出よ出よ』と呼びかけることに由来するとされる。
『かた』は『硬い』の語幹、『つぶり・つむり』は頭、『まいまい』は『巻き巻き』、『つぶら・つぶろ』は、頭の意味か、巻貝を指す『つぶ』に接尾語がついた言葉と考えられる。また『つぶろ』とは丸い意味でもある。『ろ』は上代東国方言の接尾語で『等』に同じでケラの『ら』と通ずる。
『称呼』によれば、江戸時代には『でんでんむし』は関西言葉だった。当時の常陸国の呼称は『まいぼろ』である。
『俚言』には『ささ葉うし:蝸牛。』とある。さらに『ででむし:京師にて本草の蝸牛をいふ。江戸にてまいまいつぶりといふ。古名かたつぶり也。にでぶし・でつぼろ(伊予)、でごな(伊勢・津)、でばの(同・桑名)、でいでい(同・松坂)、でんでんこぼし(大和)、でんでんむし(四国・肥前)、でのむし(九州)、でんからむし(能登)、でんぼうくら(相模)』とある。さらに『まいまい:蝸牛。ででむしともいふ。又まいまいつぶろとも云(江戸)。「本草啓蒙」まえまえ(筑前)、まいまい(遠江・越前・周防・美作・備後)、かさばちまいまい(駿河)、ででむし(京)、でぶし(伊予)、でごな(津)、でいでい(松坂)、でんでんこぼし(大和)、でんでんむし(讃岐・阿波・備前)、でのむし(四国・九州)、でんぼうらく(相模)、やまだにし(隅田川邊)、まいぼろ(常陸)、おほぼろ(下野)、へびの手枕(仙台)、だいだい虫(出雲)、もうい(石見)、でんがら虫(能登)、くわへひやう(大隈)、つんなん(琉球)、本草の蝸牛古名かたつむりなり。』。とある。
 以上を眺めて見ると『まいまいつぶろ』を除けば、常磐線沿線の水戸以南はほぼ方言の欠落区域になっていることが解る。基本形は、『まいまいつぶろ』の変形かまたは、さらにそれが転じた『まいぼろ』が基本形になっている。また、周辺部に行くほど訛りが大きくなる傾向が読み取れる。
いえかずき:石川。
いえかるい:大分。
いえもち:滋賀。
えーしょいむし:長野。
おほぼろ:栃木。江戸時代の方言。
かいかいくじり:富山。
かいかいつぶり:富山。
がいがいむし:三重。
かいかづき:富山・石川。
かいちょんぼり:富山。
かいつぶれ:富山・石川。
かいぼぼ:富山。
かいむし:富山。
かきみな:鹿児島。
かさつぶり:秋田。
かさつぶれ:秋田。
かさんまい:静岡。
かーさんまい:神奈川・静岡。
かさんまぇー:静岡。
かーさんめ:神奈川。
かーさんめー:神奈川。
かしゃっ:静岡。
かたつんぶり:佐渡島。
かっみな:鹿児島。
かなつぶれ:秋田。
しじむし:鹿児島。
ぜんぜんからも:石川。
だいだいむし:島根・鳥取。
だいろ:山形・福島・中部。
たいろ:山形・福島・中部。
だえろ:山形。
だえろだえろ:山形。
たつぼ:千葉。
たまくら:岩手・宮城。巻貝を『つぶ』と言うのに似ている。茨城で丸いものを『たまころ』と言うのと同じ。
たんまくら:宮城。
ちちまた:石川。
ちぢみな:鹿児島。
らめ:宮崎・熊本・鹿児島。
つっだめ:長崎。
つーなめくじ:鹿児島。
つのべこ:青森。
つのんだいろ:埼玉・群馬。
つぶらめ:熊本・鹿児島。
つぼろ:埼玉。
つめつめごんご:石川。
つろー:富山。
つんりじょ:熊本。
つんなめ:種子島。
つんぶり:京都。
でぁいろ:福島。
でこな:三重。
でーそんぼー:群馬。
てーてーむし:佐渡島。
でーぼろ:栃木。
ででー:山口。
ででむし:京都・兵庫・徳島。
でーろん:群馬。
でんでんがらむし:富山。
でんでんだいろ:埼玉。
でんでんむし:神奈川・静岡。
でんぶらこ:神奈川。
でんべすこ:神奈川。
でんべらこ:神奈川。
でんぼうくら:神奈川。江戸時代の方言。
でんぼうらく:神奈川。江戸時代の方言。
でんぼのこ:神奈川。
でんろ:埼玉。
なめこーじ:神奈川。
なめっくじ:神奈川。
なめらっくじ:神奈川。
ばいこ:京都。巻貝の一種にバイガイがある。『巻き』と『ばい』は音通する。
ぼんでーろ:千葉。
まいまい:神奈川・山梨・静岡・中国・福岡。
まいまいず:埼玉。
まいまいつぶり:神奈川。
まいまいつぶろ:東京・神奈川。
まいまいつむり:神奈川。
まいまいどん:静岡。
まぇーまぇー:静岡。
まじまじ:神奈川。『まいまい』が訛ったと考えられる。
まーまい:静岡。
まーめ:鳥取。
みおとっけー:神奈川。
みなくじ:宮崎。
むなむしか:鹿児島。
むなむしけ:鹿児島。
めおと:神奈川。
めーめー:神奈川・愛知。
めめくじ:神奈川。
めーめーくじ:神奈川。
めーめーこーじ:神奈川。
めめこじ:神奈川。
めーめーこじ:神奈川。
めーめーじっこ:神奈川。
めーめーじょっこ:神奈川。
めーめーず:神奈川。
めーめーずか:神奈川。
めーめーっくじ:神奈川。
めーめーつのだし:神奈川。
めーめーつのだせ:神奈川。
めーめーつぶら:神奈川。
めーめーつぶり:神奈川。
めーめーつぶろ:神奈川。
めーめーつむじ:神奈川。
めーめーつむり:神奈川。
めーめーわらじ:神奈川。
めんめつぶろ:神奈川。
めんめんつぶろ:神奈川。
もいもい:島根・長崎。
もろもろ:島根。
やぶつぼ:愛媛。
やましだたみ:八丈島。
やみな:鹿児島。
やーりぼし:神奈川。
やまけんけん:神奈川。
やりだし:神奈川。
ゆだれくいみな:鹿児島。
カッコウ かっ
かっーどり
かっどり
かっんどり
かんこどり
かんこーどり
たねまぎどり
んどり
みずひきどり
むしくい
むだっちょ
よぶこどり
かっぱ、河童 広辞苑に『河童:(カハワッパの約)想像上の動物。水陸両生、形は四〜五歳の子供のようで、顔は虎に似、くちばしはとがり、身にうろこや甲羅があり、毛髪は少なく、頭上に凹みがあって、少量の水を容れる。その水のある間は陸上でも力強く、他の動物を水中に引き入れて血を吸う。河郎。河伯(カハク)。河太郎。旅の人。かわっぱ。』とある。
さらに『みずち【蛟】:(古くはミツチと清音。ミは水、ツは助詞、チは霊で、水の霊の意) 想像上の動物。蛇に似て角と四脚とを持ち、毒気を吐いて人を害するという。』がある。さらに『みずし・めどし』とも言う。
いどぬき:徳島。
しまたろ:奈良。
いんがらぼし:和歌山。
かーかんば:長野。
かーすっ:静岡。
がーたろ:和歌山・兵庫・大分・長崎。
かーたろー:山梨。
カッパ:アイヌ語。
がーっ:九州。
かーっ:静岡。
かーてん:神奈川。
かー:宮城。
がらっ:鹿児島。
かーらんべ:長野・岐阜・静岡・愛知。
がーろ:鹿児島。
かわたん:河童。
かわっ:神奈川。
がん:鹿児島。
ニンツチ:アイヌ語。
へぢころ:鹿児島。
みずし:石川。
みっつどん:鹿児島。
ミンツチ:アイヌ語。
めどち:青森。
わっ:愛知。
カメ、亀 かめめ がめ:秋田。
かめめ:八丈島。
かめんじょー:静岡。
かめんど:静岡。
がんめのこー:静岡。
すんべ:小亀:静岡。
とかめ:鹿児島。
どんがめ:鹿児島。
カモ類 あおくび:マガモの雄。
あおっくび:カモの雄。
おし:オシドリ。
おな:オナガガモ。
かし:オシドリ。
くろっくび:マガモ。
さく:ヨシガモ。
ほん:マガモ。
よし:ヨシガモ。
よし:カルガモ。
カモメ
かー

ばばかもめ:セグロカモメ。
いわしどり:長崎。
かおめ:静岡。
かくめ:鹿児島。
:青森・秋田・神奈川・佐渡島・新潟・静岡・高知。
かっめ:鹿児島。
かんめ:鹿児島。
ごめ:青森。
しろかもめ:神奈川。
ちあら:カモメ科アジサシ:神奈川。
ちゃらかもめ:カモメ科アジサシ:神奈川。
はまねこ::神奈川。
ばんばーかもめ:年老いて汚れて汚くなったカモメ:神奈川。
カラス おさんらす:ガラガラ鳴くカラス。
かーかーめ
がーがめ
がーがーめ
からすめ
ひす
がらさー:沖縄。
からすめ:八丈島。
カルガモ かる
がる
かるめ
ほん
よし
カワウソ、獺 かーす
かほす
かおす:神奈川。
かーす:静岡。
かわおそ:千葉。
みずえだぢ:千葉。
カワセミ かーすずめ
きんきんどり
しょーびん
しょーびんどり
ひすい
あおじ:広島。
おひょろひょろ:アカショウビン:神奈川。
かーせみ:千葉。
かーびし:鹿児島。
かわしっちー:鹿児島。
かわひっし:鹿児島。
ひょーびん:千葉。
みずくいどり:アカショウビン:神奈川。
るり:山形。
カワラヒワ 広辞苑に『川原鶸:スズメ目アトリ科の鳥。小形で、スズメぐらい。体は暗褐色で尾と翼にある黄色の斑が目立つ。川原や村落周辺に多数現れる。東アジアに分布、繁殖。』とある。
おたねっくい:長野。
キクイタダキ きくいち
きくぼし:菊帽子の意味。日本で最も小さな鳥で頭が黄色い。。標準語名は菊頂の意味。茨城方言の方がずっと解り易い。
広辞苑に『きくいただき【菊戴】:スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科の鳥。きわめて小形。体の背面は大体暗緑色で、雄の頭頂は橙黄色、菊花に似る。亜高山帯の針葉樹林で繁殖し、秋から春にかけてシジュウカラなどの群に混じって人里近くにも来る。』とある。
たんしょい:静岡。
キジ きじめ
けんけん
けんけんどり
けんけんめ
広辞苑には『雉・雉子:キジ目キジ科の鳥。雄は顔が裸出し赤色。頸・胸・下面全体は暗緑色。背面の色彩は甚だ複雑美麗。脚に距(ケヅメ)を有し、尾は長く多数の黒帯がある。雌は淡褐色で、黒斑があり、尾は短い。低木林や草原にすむ。日本特産。一九四七年国鳥に指定。今日では、大陸産で白い首輪のあるものと同種に扱う。古称きぎす・きぎし。また広くはキジ科の鳥のうち、雌雄異色で尾の長い大形のものをいう。アジアにのみ産し、約五○種。なお、キジ目には、キジ科(ウズラ・シャコ・ヤマウズラ)・ライチョウ科・シチメンチョウ科・ホロホロチョウ科・ツカツクリ科などがあり、地上性の雑食性鳥類。』とある。
私の父親は『けーん』と鳴くのがキジだと言っていた。私の耳には『こーっけけ』と聞こえた。土浦の実家の西側の針葉樹の山林にキジが住み着いていて、針葉樹に木霊すその鳴き声は、鳥の鳴き声には聞こえず、何か金属を擦るような音に聞こえた。
けじ:神奈川。
キジバト あさばど
すけじょーほいけ:キジバトの鳴き声:鹿島郡。
どでーっ
どでー
どで
どでっ
どでっ
どでっ
どで
どば
どばちん
のばど
どり
ててっ:神奈川。
ででっ:山鳩:神奈川。
キツツキ きーただぎ
きづづぎ
きづつき
広辞苑に『啄木鳥:キツツキ目キツツキ科の鳥の総称。四本の趾(アシユビ)中二本は前に、二本は後ろに向かい、鋭い鉤爪(カギヅメ)があって樹幹にとまるのに適し、尾羽は堅くとがっていて、これを幹に当て、体を支えながら巧みに幹をよじる。嘴(クチバシ)は鋭く、舌の先には逆向きの鉤があり、幹に穴をあけて中の昆虫を掘り出して食べる。巣は幹を掘って作った洞穴中にある。森林にすみ、世界に約二一○種。普通雄は頭が赤く雌は赤くない。なおキツツキ目は、キツツキ科のほかに、ゴシキドリ・ミツオシエ・オオハシ・キリハシなど熱帯産の諸科を含む。テラツツキ。ケラ。キタタキ。タクボク。』とある。
きつくじい:鹿児島。
きっくじり:栃木。
きったたき:埼玉。
きづづぎ:千葉。
きづつき:千葉・神奈川。
きつづき:千葉。
きつっぎ:千葉。
きっつぎ:千葉。
きっつき:神奈川。
けら:神奈川・山梨・静岡。
けらたたき:神奈川。
けらつつき:神奈川・佐渡島。
けらっとー:静岡。
けらっ・けらっ:長野。
けらど:山梨。
けらどり・けらほっき・けらほっけ:神奈川。
けらほっつき:静岡。
つつきどり:三宅島。
つみだどり:神奈川。
てらこっき:奈良。
てらつつき:青森・岩手・宮城。
とちこかし:和歌山。
キツネ、狐 いづな:飯綱。飯綱使いが用いる想像上の小動物。狐の仲間とされる。
おとか
おとーか
がいがめ
きづね
けんけん
けんけんめ
こんこ
こんこめ
こんこん
こんこんぎつね
こんこんさま
とーか:広辞林に掲載され、『とうか(稲荷):稲荷の神。Aキツネの異称。』とある。茨城では白狐も指す。
とーかめ
『称呼』には『きつね:関西にて昼はきつね、夜はよるのとのと呼ふ。西国にてはよるのひとといふ。又関西にてはすべてけつねとよぶ也。又歌にはきつとも詠し。「詩経」にはくつねと訓たり。又東国にてはは昼はきつね、夜はとうかと呼。常陸の国にては白狐をとうかといふ。是は世俗きつねを稲荷の神使なりといふ。故に稲荷の二字を音にとなへてとうかと称するなるべし。』とある。
『俚言』には『たうか』が記載されている。
おとか:栃木。
きっね:鹿児島。
きんこ:静岡。
きんね:鹿児島。
けつね:青森・秋田・神奈川・静岡。
こんこん:幼児語:千葉・長野。
こんこんさん:幼児語:神奈川。
こんちき:神奈川。
やこ:鹿児島。『野狐』。
よもんさん:静岡。
クイナ あまし
いどり
んどり
かんかんどり:栃木。
きーな:千葉。
くえな:千葉。
くろどい:鹿児島。
ゴイサギ かしわさ
ごい
ごいっつぁ
ぼいさぎ:サンカノゴイ。ゴイサギの一種。

らす
らすめ
よご
よごさ
よたか
よどり
よん
よん
こくさっ:神奈川。
ばかさ:神奈川。
らす:神奈川。
子犬 いっこ
いっころ
いぬこ
いぬごろ
いぬころ
いぬっこ
いぬっころ
いんこめ
えぬ
えぬころ
えぬっころ
ちんこ
ちんころ
ちんころめ
ちんちん
いっこ:福島。
いぬころ:長野。
いぬっころ:神奈川。
いのこ:長野。
いんこーこー:福岡。
えぬころ:千葉。
えのこ:長野。
えのころ:京都・大分。
えんのこ:山梨。
えんころ:山梨。
えんのこ:山梨・静岡・山梨。
えんまる:山梨。
ちんころ:長野。
ととこ:広島・山口。
とめ:広島。
子牛 うしこ
うしころ
うしっこ
うしっころ
うしのこ
うしのこども
こども
ころ
べーごめ
べーこめ
べごめ
(当歳・当歳児)
とざい
とーざい
とざいこ
とーざいこ
とぜ
とーぜー
とぜこ
とーぜーっこ
とね
とーねー
とんこ
とんこめ
一般に動植物を示す方言は、地域によって様々に変化する。バリエーションも多い。方言地図で子牛を調査した結果もその傾向を示している。関東圏は基本的に『こうし』で、茨城県も同じであるが、それ以外の言葉を列挙してみる。
 単に『牛の子』の意味のものと『当歳・当歳児(とうざいご)』の意味の二つに分かれることが解る。『当歳・当歳児(とうざいご)』は広辞苑に『生れたその年。また、その年の生れであること。』とある。
うしころ:千葉。
うしっころ:千葉・神奈川。
うしんころ:千葉。
こーじっこ:静岡。
こてー:八丈島。
こめ:八丈島。
ころ:千葉・神奈川。
べー:静岡・三重・大分・宮崎。
べここ:宮城。
べーべ:兵庫・鳥取・広島・大分・長崎。
べーぼ:長野・長崎。
べべ:山口・香川・大分・福岡・長崎。
ぼい:大分・長崎。
めーのこ:島根・徳島・愛媛。
(当歳・当歳児)

(関連語)
おーっ:生後半年以上:神奈川。
ちゅーっ:生後半年以上:神奈川。
子馬 方言地図に掲載されている茨城県下の方言は以下の通り。
『馬の子』の意味の他は子牛と同じ『当歳・当歳児(とうざいご)』の意味である。
いな
こどもうま
こま
こまめ
こんま
ぼっち:雄の子馬。
(当歳・当歳児)
とざい
とーざい
とーさいこ
とーさいっこ
とーざいめ
とぜ
とーぜー
とぜこ
とーぜーっこ
とーないこ
とね
とーね
とーねー
とーねっこ
とーねめ
とーねんこ
とんこ
とんこめ
あーほ:岩手。
うまんころ:千葉。
おろ:鹿児島。
おろんこ:宮崎。
こぼ・こぼー:神奈川。
ころんま:千葉。
こんこ::神奈川。
こんぼー:神奈川。
こんま:千葉・神奈川。
ちゃっけうま:千葉。
まうこ:千葉。これは不自然な表現で本来は『うまこ』ではないかと思われる。
んまのこ・んまのこんぼ:神奈川。
(当歳・当歳児)
広辞苑に『当歳:生れたその年。また、その年の生れであること。日葡「タウザイコ(当歳児)」』とある。
ころんま:当歳児:神奈川。
とーざい:静岡。
とーさい:神奈川。
とーざい:神奈川。
とーぜっこ:千葉。
とーでっこ:千葉。
とーね:岩手・山形・福島・茨城・栃木・群馬・神奈川・長野・山梨・静岡・大分・宮崎。
とーねこ:山形。
とねっこ:福島。
とーねっこ:神奈川。
コウモリ、蝙蝠 こーもりこ
こーもりこっこ
こーもりめ
こんもり
こんもりこっこ
こんもりめ
ねずみのばげだやづ
広辞苑には『蝙蝠:(カワホリの転)コウモリ目(翼手類)の哺乳類の総称。前肢の指が長くのび、その間に飛膜があって翼に変形していて、哺乳類で唯一よく飛ぶ。昼は暗い所に潜み、日暮に活動する。アブラコウモリ・キクガシラコウモリなど。蚊食い鳥。へんぷく。天鼠。』とある。『ねずみのばげだやづ』は随分ふざけた言い方と思われるが『天鼠』と言う言葉がある通り理にかなった言葉である。
古形は『かはほり・かほふり・かはぼり』である。その後中古から中世にかけてハ行転呼によって『かわぼり』、オ段とウ段の交替による『かわぶり』、バ行からマ行への変化による『かわもり』、かわ→かうの変化による『かうぼり・かうぶり・かうもり』に変化した。中世から近世にかけて『かうもり』から『こうもり』に変化した。語源は@カハホリの音便転、カホフリの転カハホリの変化した語、A蚊を好むことから蚊をホリ(欲)する義、カモリ(蚊守)の義、Bカハヤ(厠)モリの義 とある。
かーとり:宮古島。
かーぶり:福島。
かもり:青森。
こもい:鹿児島。
こもり:青森。
とりこーぶり:静岡。
よたか:岩手。
コジュケイ きんけー:錦鶏の意味。
こじけ
こじけー
こじっけー
ちょちょんべ
ちょっとこい
広辞苑には『小綬鶏:キジ目キジ科の鳥。チャボほどの大きさで、形はウズラに似る。背は褐色、腹は黄褐色で、胸は灰色。中国南部の原産で、日本各地に野生化。「ちょっとこい」とかん高く鳴く。』とある。

当時の土浦の里山には、どこにでもいた。『ちょっとこい』と呼ぶのは鳴き声に由来するのは間違いないが、実際に「ちょっとこーい」と鳴くのは後半で、最初は、『ききっ、ききっ、ききっ』と繰り返した後、間もなく「ちょっとこーい」の『こ』は、喉を震わせるので『ごろごろ・ぐるぐる』とも聞こえ、私の耳には『People great』もしくは、『ぴっぽーごろーり』と聞こえる。
ことり、小鳥 こどり
ちんちん
ちんちんめ
ちんちん:静岡。幼児語。
子猫 ねごこ
ねここ
ねごっこ
ねごっころ
ねこご:千葉。
ねこっこ:千葉。
ねごっこ:宮城。
子豚 ぶだころ ころ:神奈川。
:生まれた子供のうち特に小さいもの:千葉。
こまどり、コマドリ、駒鳥 こま うまおい:岩手。
サギ、鷺 さぎゃー:沖縄。
いで
いん:沖言葉。
えて
えてこー
さるめ
やいん
やいんぼー
やえんぼ
やえんぼー
やまのおっさん
やまのおんつぁん
広辞苑には『猿:(和訓栞に「獣中に智のまさりたる義なるべし」とある。またアイヌ語に、猿をサロ・サルウシという)サル目(霊長類)のヒト以外の哺乳類の総称。特に、ニホンザルをいうこともある。』とある。
:三重。
いっけん:静岡。
えて:千葉・神奈川。
えてこー:千葉・神奈川。
えてもの:神奈川・静岡。
えてんぼー:神奈川。
おんつぁま:福島。
さい:鹿児島。
さっどん:鹿児島。
まし:青森・岩手。
やえぼー:千葉。
やえんぼ:神奈川。
やえんぼー:神奈川。
やまのあに:秋田・山形・三重。
やまのおじ:山形。
やまのおんつぁ:山形。
やまのおんつぁん:福島。
やまのひと:福島・岡山・宮崎。
やまのわかいし:神奈川。
よも:熊本・鹿児島。
よもざる:鹿児島。
サンコウチョウ おな
おなどり
さんこもへーじほいほい:猿島郡。
ほいほいどり
広辞苑に『三光鳥:@(鳴き声が「月日星ツキヒホシほいほい」と聞えるから名づける) スズメ目ヒタキ科カササギヒタキ亜科の鳥。雄は紫黒色で、腹は白く尾は極めて長く優美。雌は背面が栗色。山地の暗い密林中にすむ夏鳥。サンコウ。Aイカルの別称。』とある。
別名『イカル:マメマワシ。マメウマシ。マメコロガシ。三光鳥。いかるが。』。
これらから、イカルとサンコウチョウは同一の種類と考えられていたことが解る。
さんごどり:鹿児島。
シカ、鹿 しし:神奈川。
シギ、鴫・鷸
シジュウカラ しじーがら
しじっから
んちょーちょ
んつっつめ
んつめ
広辞苑には『四十雀:スズメ目シジュウカラ科の鳥。小形で、頭頂・のどなどは黒、背は緑黄、頬と胸腹とは白。胸腹の中央に縦の黒色帯が一本ある。わが国の林地の鳥の代表。欧亜大陸に広く分布。』とある。
標準語としての『シジュウカラ』の語源は、諸説ある。
すんずんから:鹿児島。
ジョウビタキ おんこい
きーかたかため
きっかだ
ぎっかだ
きっかたこ
きっかため
ぐっかた
しょうやさま:久慈郡。
ひーかた
ひーかっか
ひたき
ひーっかたかた
ひっかた
ひはたき
ひんかた
ひんかっか
へっかだ
へっかだばが
もんつき
もんつきぎっかだ
もんつきぐっかだ
もんつきばかっちょ
もんつきばかっちょー
もんたき
広辞苑に『尉鶲:スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。小形で、スズメぐらい。冬、野原・田・畑などに多く、美しい。黒い翼に大きな白斑があるので俗にモンツキドリともいい、また、人を恐れないのでバカビタキなどと呼ぶ。馬鹿鳥。』とある。
ばかすかし:栃木。
ひかっか:ヒタキ:千葉。
もんつき:群馬・神奈川。
もんつきどり:神奈川。
もんつきばかったらし:群馬。
もんつきばかっちょ:神奈川。
スズメ ごろすず
じっちぐら
じゃっち
じゃっちくら
じゃっじゃ
じゃっじゃめ
すずねめ
ちゅんちゅん
ちゅんちゅんめ
ちんちん
ちんちんめ
にわすず
ぬぎば
ぬきば
ぬぎばすずめ
のぎば
のぎばめ
へそくろ
ほんすずめ
ますず
ますずめ
むらすずめ:ニュウナイスズメ。
やすずめ:ニュウナイスズメ。
わだりすずめ:ニュウナイスズメ。
スズメは古くは、『すすみ、すすめ、すずみ』とも言ったという。
スズメの語源は様々な説がある。@スズは鳴き声でメは群れの略、Aすずろむれ(漫ろ群れ)、Bスズは笹に通じ小さい意味か、メは鳥を指す、Cおどりながら進む意味、Dチュンチュンと鳴く小鳥の総称 等がある。
しかし、鳥類の呼称の末尾には『め』を伴うことが多いことから、泣き声が鈴の音に似ていることから『鈴め』とした可能性もあろう。
いんどーらー:鹿児島。
じゃっちくら:千葉。
すじめ:神奈川。
すず:八丈島。
すずみ:鹿児島。
ちーちー:長野。幼児語。『ちゅうちゅう』。
ちぢくろ:千葉
ちゅんちゅん:神奈川・静岡。幼児語。
ちんち:千葉。
ぬぎば:千葉。
ぬきば:千葉。
のきば:千葉。
ふぐら:千葉。
ふくら:千葉。
ますずめ:神奈川。
よもの:福島・埼玉・群馬・長野。
セキレイ いしただぎ:セキレイの総称、セグロセキレイ、キセキレイ。
おさん:セキレイ・セグロセキレイは全国に『おさん』と呼ぶところが散在する。『おさん』とは、『御爨』で江戸で飯炊き女を言う。
おさん
かーせきり
かわせみ
きっかた
きんきんどり
しょーびん
せきり
せきりー
せきりめ
せきんめ
ひこーきどり:セグロセキレイ。
びんずびんず:セキレイ・セグロセキレイ。
まぎ:セキレイ・セグロセキレイ。
まぎどり:セキレイ・セグロセキレイ・ハクセキレイ。
『鶺鴒』。
広辞苑には『スズメ目セキレイ科に属する小鳥の総称。羽色は黒白・黄色などで、長い尾を上下に振る習性がある。多く水辺にすみ、セグロセキレイ・ハクセキレイ・キセキレイ・イワミセキレイ(これは尾を左右に振る)などがある。いしくなぎ。いしたたき。かわらすずめ。にわくなぶり。とつぎおしえどり。つつなわせどり。』とある。
いしくな:長野。
いしたたい:鹿児島。
いしたたき:セキレイの総称:神奈川・鹿児島。
いわたたき:神奈川。
うしこな:長野。
おさん:セキレイ科の鳥:神奈川。
おしょーでん:栃木。
おちん:セキレイ科の鳥:神奈川。
おっふり:セキレイ科の鳥:神奈川。
おふり:富山・奈良。
おみよ・おみよでんぼふり・おみよでんぼふれ:セキレイ科の鳥:神奈川。
からすずめ:秋田。
かわせきりん・かわせきれー・かわせきれん:セキレイ科の鳥:神奈川。
くろせきれい:セグロセキレイ:神奈川。
けきちん:セキレイ科の鳥:神奈川。
けつふり:セキレイ科の鳥:神奈川。
こめつき:セキレイ科の鳥:神奈川。
しいたたき:鹿児島。
しきり:福島。
しったたい:鹿児島。
しったたき:鹿児島。
しっふりどり:セキレイ科の鳥:神奈川。
しょーびん:アカショービン:神奈川。
しりふり・しりふりどり:セキレイ科の鳥:神奈川。
せきどり・せきり・せきれん:セキレイ科の鳥:神奈川。
せきれ:千葉・神奈川。
ちきちん:神奈川・山梨。
ちちん:神奈川・長野・山梨。
ちちん:神奈川。
ちゃっちゃてきてき:神奈川。
つつんどり:山梨。
つべたたき:愛媛。
てきてき:セキレイ科の鳥:神奈川。
はまちんどり:セキレイ科の鳥:神奈川。
ひんくた:千葉。
びんびく・:セキレイ科の鳥:神奈川。
むぎまぎどり:千葉。
むぎまきどり:セキレイ科の鳥:千葉・神奈川・静岡・愛知。
をばふり:八丈島。
たてがみ、鬣 しだ
した
しだのけ
しだんけ
たで
いな:広島。
うまぬかん:馬のたてがみ:沖縄。
とり:岩手。
タヌキ たぬぎ
たぬぎめ
たのき
まみ
むじな
もじな
広辞苑に『たぬき【狸・貍】:@イヌ科の哺乳類。頭胴長五○〜六○センチメートル、尾長一五センチメートル。山地・草原に穴を作って巣とし、家族で生活する。毛色は普通は茶褐色で、四肢は黒。毛皮を防寒用・鞴(フイゴウ)用とし、毛は毛筆に用いる。雑食性。アナグマと混同され両者共にムジナ・マミと言われる。たのき。』『むじな【狢・貉】:@アナグマの異称。A混同して、タヌキをムジナと呼ぶこともある。』とある。
たのき:神奈川・静岡。
だんざ:鹿児島。
とんちぼー:佐渡島。漁師の忌み言葉。
ばんぶく:長野。
ぼんさん:大分。
まみ:神奈川。本来はアナグマのこと。
むいな:アナグマ:佐渡島。
もしな:神奈川。
もじな:神奈川・静岡。
やまのあにさん:佐渡島。漁師の忌み言葉。
やまのもの:佐渡島。漁師の忌み言葉。
タマシギ ほいほいどり
んどり
ぼんぼんどり
ぼんぼんどりめ
んどりめ
んめ
やーらんぼ
やーらんぼーめ
やーらんぼめ
ツグミ かぶれ
ちょうま
ちょま
ちょーまめ
ちょんまめ
ーどり
広辞苑に『つぐみ【鶫・鶫】:スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。背面は大体黒褐色で栗色を混じ、顔は黄白色で眼の部分に黒斑がある。シベリア中部・東部で繁殖し、秋、大群をなして日本に渡来する。昔、かすみ網で大量に捕獲、食用にされた。なお、ツグミ亜科の鳥は、主として林地の地表で昆虫を採食する小鳥で、全長一○〜三五センチメートル。世界に約三百種。日本には約二○種が分布。特に、そのうち全長二○センチメートル以上の鳥をツグミと汎称。アカハラ・クロハラ・シロハラ・アカコッコ・マミジロ・マミチャジナイ・クロツグミ・トラツグミなど。チョウマ。ツムギ。』とある。
かっか:静岡。
:宮城・栃木・群馬。
つぐし:鹿児島。
つーめ:長野。
つんぐし:鹿児島。
つんげし:鹿児島。
ツバメ つば
つばくら
つばくらめ
つんば
つんばくら
つんばくろ
つばぐろ
つばくろ
つばくろめ
(その他のツバメ)
おやまつばめ:アマツバメ
やまつばめ:アマツバメ・イワツバメ。
とっくりつばめ:コシアカツバメ。
ツバメの古形は『ツバクラ、ツバクラメ、ツバクロ』。長野には有名な燕岳(つばくろだけ)がある。
『ろ』は上代東国方言の接尾語で『等』に同じでケラの『ら』と通ずる。この場合の『ら、ろ』も同様の接尾語だろう。江戸時代には『ツバクラメ』は古語となり、『ツバメ、ツバクラ、ツバクロ』が主流だった。平安末期の辞書『色葉字類抄』では『つはめ、つはくろめ』とある。ツバメの語源には、『唾』と関連付けた語言説は無いが、ツバメは泥で巣を作るところから、『唾』接尾語『め』がついたとも考えられ、『ツバクラ、ツバクラメ、ツバクロ』は『唾子等』『唾子等』ともとれる。
つばくら:福島・千葉・佐渡島・静岡。
つばぐろ:千葉。
つばくろ:千葉・神奈川・長野・静岡。
つばさ:広島・福岡・佐賀・長崎。
つんばくら:静岡。
つんばくろ:静岡。
ひー:京都・鳥取・島根・兵庫・岡山。
てん、貂・黄鼬 :鹿児島。
どうぶつ、動物 おひんよ:雌鹿。
きねずみ:リス。
ささ:アナグマ。
よなっこ:ネズミ等の小さい動物。
県下の主な動物の方言は以下の通り(雄馬・牝馬・牡牛・牝牛・鳥・ヘビ・トカゲ・カエル・オタマジャクシ・カタツムリ・ナメクジ・カブトムシ・クワガタムシ・コガネムシ・カナブン・ゴミムシ・カメムシ・トンボ・セミ・バッタ・コオロギ・カマキリ・チョウ・ハチ・アリ・アリジゴク・ガ・スズメガの蛹・アブ・ハエ・カ・クモ・魚類・淡水・海産物等については個別の覧を設けた。魚類を除き、淡水海水動物を含める。)。一部、掲載語以外のものもつけ加えている付け加えている。
あおしか:カモシカ:山梨。
あおしし:東北・新潟。
いわしか:カモシカ:神奈川。
らい:アホウドリ:九州。
トカゲ (総称)
おかまっちょ:北相馬郡。
おかまっちょー:北相馬郡。
おかまちょろ:稲敷郡・北相馬郡。
おかまっちょろ:−
おかまへび:北相馬郡。
みちょろ:那珂郡・北相馬郡。
みっちょろ:那珂郡・北相馬郡。
かなちょろ:久慈郡・東茨城郡。
かなちょろへび:−
かなへび:県全域。
かなへびかんたろー:北茨城市。
かまっちょ:県西部。
かまきっちょ:古河市。
かまっちょう:新治郡。
かまきり:真壁郡・古河市・岩井市。
かまっちょ:猿島郡。
かまちょ:稲敷郡・鹿島郡。
かまちょろ:稲敷郡・北相馬郡・鹿島郡。
かまちょろへび:−
かまへび:県広域。
かんたろへび:那珂湊市・東茨城郡。
くそへび:北茨城市。
どぐへび:常陸太田市・行方郡。
(種類別)
あおとか:トカゲの子供。
おしゃらぐかなへび:青く光るトカゲ(トカゲ科のニホントカゲ)
しまかなへび:青くて縞のあるトカゲ。
どぐとか:青いトカゲ。
『蜥蜴・石竜子』。別名『石竜(セキリヨウ)、かがみそ。かがみっちょ。』(広辞苑)。
土浦では『かみっちょ・かみっちょろ・かなへび』が代表語である。トカゲは大きくカナヘビ科とトカゲ科に別れる。ウロコが光るのはトカゲ科のものである。また、茨城では、カナヘビとトカゲを区別せずトカゲという。カマキリと混同があるのは、トカゲ・カマキリ共『かまぎっちょう・かまぎっちょ』と呼ばれたためである。
『新方言』には『カマギッチョ 「かまきり」;埼玉県東部で戦前には「かまきり」を老人がトカケと呼んでいたが少年層がカマギッチョに変えた時期があった(長谷川1967);老人は「とかげ」をカマギッチョと言っていたから、「とかげ」と「かまきり」の区別を保ちつつ,完全な共通語形を採用しなかったわけ』とある。
『称呼』では、『とかけ:畿内にてとかけ、東国にてかなへびかまぎってう、相模にてかまきり、西国にてとかぎり、大和にてとかき、江戸にて:とかげとけの字を濁りてよぶ。』とある。現代では、分類学上トカゲとカナヘビは区分されているが、合わせて俗称をトカゲと言う。またさらに、『 かまきり(別名いほじり):江戸にてかまぎってう、江戸田舎にてはいとりむし、信濃にてかわみそ、相模にていぼしりいぼくひ、奥州にていぼむし、津軽にていぼさし、肥前にてかまきりてうらい、と云。』とあるり、トカゲとカマキリを同じ呼称で呼んでいた歴史がうかがえる。そのため、トガゲがカマキリの呼称と同じ地域がある。県南・県西部であるから、より江戸の影響を受けたのだろう。
カマキリの呼称には疣を食わせたとしか思えない言葉がある。トカゲの方言にも一部同じような方言があり、カマキリとトカゲの呼称の混乱の原因になったのではないかと思われる。
いぼきり:長野。
いぼくい:千葉。カマキリの呼称に類似した言葉。
えもじり:神奈川。カマキリの呼称に類似した言葉。
おきり:和歌山。
おばー:愛媛。
おんば:高知。
おんばく:千葉・鹿児島。
おんばじょろ:高知。
かなちちょ:宮城。
っちょ:埼玉。
びっちょ:山梨。
みっちょ:東京多摩・神奈川・静岡。
みっちょー:神奈川・静岡。
かなびっちょー:山梨。
かまきち:千葉。
かまっちょ:栃木・埼玉・神奈川。
かまっちょう:栃木・群馬・埼玉・千葉・静岡。近世江戸語。
かまきり:埼玉・千葉・静岡。
かまちく:千葉銚子。
かまちこ:千葉。
かまんちょ:千葉。
かーめっちょ:静岡。
かんち:神奈川。
かんなっちょ:宮城。
ぞーりきり:岡山。
たけんぼ:長野。
ちょろちょろへび:埼玉。
とか:山口・大分・福岡・長崎・熊本。
け・とかっちょ・とかっちょー・とかんぼ:神奈川。
とかけ:静岡。
とっか:静岡。
みっちょ:埼玉。
へびのかっか:神奈川。

(種類別)
みっちょ:カナヘビ:埼玉。
からんきょ:カナヘビ:福島。
かなびっちょー:カナヘビ:山梨。
かんなっちょ:カナヘビ:宮城。
かんなっちょ:カナヘビ:宮城。
鶏冠 とさが とかさ:静岡。
びく:山形。
トラツグミ ぐどり
よなぎどり
鳥・禽 あおきつつき:アオゲラ。
あおごま:コルリ。
あおさぎ:サギの総称・チュウサギ・チュウダイサギ。
うそどり:ウソ。
おーあひる:ガチョウ
おーさ:アオサギ
おどろぎ:ウズラ
おな:ヤマドリ
おなどり:エナガ・サンショウクイ
おやますずめ:ハギマシコ
かーこー:カワウ
:ウミネコ
かしぎ:コシギ
かしら:カシラダカ
かーすずめ:ウミスズメ・カワガラス
かーひ:ムナグロ
かやも:セッカ
くそらす:ハシブトガラス
くものすどり:セッカ
くろうそ:ウソ
くろどり:バン
けけし:オオヨシキリ。鳴き声に由来する。別名『ギョウギョウシ』と言う。
ける:ケリ・タゲリ
けろりだか:チュウヒ・クマタカ
けんかどり:シャモ。
:ヒガラ
ごじーから:エナガ
こたか:ハヤブサ。
このはいし:シロハラ。
ころひわ:カワラヒワ。
ささどり:ヤマドリ。
さしばだか:サシバ
じー:鵜の雄
じし:オオジシギ。
ちんちん:小鳥。
:コガラ。
ひそ:ヒシクイ。
ふいっこ:ヒヨコ。
ぶだし:ヤマシギ。
んどり:クイナ、ヒクイナ・タマシギ・カッコウ・ツツドリ・アオバズク・。
ぼんぼんどり:サンカノゴイ、タマシギ。
んどりめ:ツツドリ、タマシギ。八丈島ではアオバズクを指す。
まめずく:シメ。
まめはじき:マミチャジナイ。
むな:ダイゼン。
やまらめ:ヤマガラ。
やますずめ:ホオジロ・ハギマシコ。
あかちん:ホオジロ:三重・和歌山。
うんだみー:ウズラ:鹿児島。
かやむり・かやも:セッカ:八丈島。
めんちょー:七面鳥:千葉。
ひょっとー:ホオジロ:神奈川。
めーじろ:メジロ:千葉。
とんび、トンビ、鳶 とんび 本来は『とび』。
とっくろ:鹿児島。
とーひ:宮城。
とんび:福島・静岡。
もんじ:鹿児島。
ナメクジ、蛞蝓尾 いえなし:県広域。
いなし:県広域。
いなしめ:県広域。
おがってくじら:古河市。
かーしめ:新治郡。
だいぶろ:古河市。
だいぼろ:古河市・猿島郡。
だいろ:−。
つんぼろ:古河市。
なめ:−。
なめくじら:県広域。
なめくじり:稲敷郡。
なめくち:県広域。
なめっくじ:土浦市。
なめっくじら:土浦市。
なめっこじ:久慈郡・東茨城郡。
なめら:高萩市・古河市。
なめりじ:県広域。
のろしき:下妻市。
のろっ:水戸市。
のろっぎめ:水戸市。
のろはぎ:県北部。
のろはぎめ:水戸市・東茨城郡。
のろひき:−。
のろひきむし:那珂郡。
はだかでーろ:古河市。
はだかないぶる:猿島郡。
はだがなめくじ:県広域。
はだがねーぼろ:結城市。
はがだまいぼろ:真壁郡・岩井市・新治郡。
はだがまめくじ:那珂郡。
はだがめーぶろ:新治郡。
はだかめーぼろ:東茨城郡・水海道市・新治郡・土浦市・稲敷郡・竜ヶ崎市・北相馬郡。
まいぼろ:土浦市他県広域。
まいまっくじ:久慈郡・東茨城郡。
まめくじ:県北部。
まめくじら:那珂郡・稲敷郡。
まめくじり:那珂郡。
まめくち:久慈郡。
めーぶろ:結城市・筑波郡・北相馬郡。
めーめーくじ:県北。
めーめーじじー:久慈郡。
めーぼろ:県広域。
やまだご:真壁郡。
れなしめ:東茨城郡・西茨城郡。
れねしめ:東茨城郡。
『蛞蝓』。
広辞苑には『マイマイ目(柄眼ヘイガン類)の有肺類。陸生の巻貝でカタツムリ・キセルガイに近縁であるが、貝殻は全く退化している。体長約六センチメートル、淡褐色で三条の暗褐色の帯がある。頭部に長短二対の触角があって、長い方の先端に眼をもち、これに触れれば収縮。腹面全体の伸縮によって徐々に歩き、這った跡に粘液の筋を残す。雌雄同体。暗湿所にすみ、草食性で野菜などを害する。日本に広く分布。近縁種にヤマナメクジ・コウラナメクジなどがある。なめくじり。新撰字鏡八「蜒、奈女久地」』とある。
方言地図には茨城県下の方言として以下の言葉が掲載されている。
『いえなし、だいろ、なめ、なめくじらなめくじり、なめら、のろひき、はだかめーぼろ、まいぼろ、めーぼろ』
カタツムリと同じじ名前の場合があるほか、『いえなし、はだかめーぼろ』はカタツムリのように殻が無いことを言い換えている方言。『なめ、なめら、のろひき』はぬるぬるしたていることを指した方言。
『称呼』には『なめくじり:常陸にてはだかまいぼろ、越後にて山なまこと云。山中には大さ五六寸許のもの有と也。』とある。
『本草和名』には『奈女久知』と表現されている。
『俚言』には『なめくぢ:「本草啓蒙」なめくぢ(周防讃岐仙台)、なめくど(美作)、なめたれ(出雲)、へり(越後)、たいろう(信濃)、めやめやつぶり(肥後)、はだかまいぼろ(常陸)、本草の蛞蝓和名抄のなめぐち也。』とある。
えなし:栃木・千葉
おじょらさま:福岡。
おひめさん:静岡・愛知。
なべこじき:八丈島。
なべこじきめ:八丈島。
なべこちき:八丈島。
なめぐじら:山形。
なめくじら:埼玉・神奈川・静岡。
なめぐじり:山形。
なめくじり;青森・宮城・石川・京都・広島・徳島・福岡。
なめぞ:佐渡島。
なめたら:神奈川。
なめっくじ:埼玉・神奈川。
なめら:神奈川。
なめらくじ:宮城。
なめらっくじ:埼玉・神奈川。
なめらっくじら:埼玉。
はだかなめくじ:熊本。
まめくじ:静岡・鹿児島。
まめくじら:静岡・京都・大阪・和歌山・福岡。
まめくじり:鹿児島。
めんめんくじら:神奈川。
じじーめ:オンドリ。
じーめ:雄の鶏・おんどり。
とっか:幼児語。
とっこ:幼児語。
とっと:幼児語。
とっとー:幼児語。
とっとめ:幼児語。
とーとー・とーとーとーとと:ニワトリを呼び寄せる掛け声。
にあどり
にあとり
にあっとり
にやっとり
にやどり
にやとり
にゃーどり
にわっどり
にわっとり
にわどり
ばば:メンドリ。
ばばー:メンドリ。
ばーめ:メンドリ。
(関連語)
さが:鶏冠。
さか:鶏冠。
:雛:幼児語。
ひよこめ:雛:幼児語。
ひよっこ:雛:幼児語。
ひょっこ:雛:幼児語。
ひよっこめ:雛:幼児語。
おんかー:オンドリ:静岡。
おんどー:オンドリ:静岡。
けけろ:佐渡島。
こっこ:ニワトリの幼児語:神奈川。
じんじ・じんじとり:ニワトリの雄:神奈川。
ちゅーっ:成長中のニワトリ:神奈川。
とけさ:鶏冠:神奈川。
とっと:幼児語:千葉。
とと:長野。幼児語。
とーと:ニワトリの幼児語:神奈川。
にわきじ:長野。
にわっとり:千葉・神奈川。
ばんば:ニワトリの雌:神奈川。
ばんばー:年老いたニワトリ:神奈川。
(関連語)
けん:鶏冠:佐渡島。
さが:鶏冠:千葉。
ざか:鶏冠:千葉。
さか:鶏冠:茨城南部・千葉北部・埼玉・東京。
:雛:幼児語:千葉。
:雛:幼児語:千葉。
ひょーな:雛:静岡・山梨・山梨・神奈川。
ひょーなっこ:雛:千葉。
おしゃます
かいかい
にゃーご:幼児語。
にゃーこ:幼児語。
にゃんこ:幼児語。
にゃんこめ:幼児語。
にゃーにゃ:幼児語。
にゃーにゃー:幼児語。
にゃんにゃ:幼児語。
にゃんにゃん:幼児語。
ねご
ねごめ
ねこめ
みー
みーこ
(関連語)
あがとら:赤い虎猫。
がんど:野良猫、泥棒猫。
がんどねご:野良猫、泥棒猫。
がんどめ:野良猫、泥棒猫。
みげ:三毛猫。
みげねご:三毛猫。
(猫の呼び方)
みー
みーみー
みーみーみーみみ
幼児語では『ねんねこ』と言う。
たーた:幼児語:長野。
ちゃこ:秋田・山形。
ちゃちゃ:秋田(幼児語)。
ちゃっこ:秋田。
ちゃっちゃ:秋田。
ちゃっ:青森・秋田。
チャベ:アイヌ語。日本語起源とされる。
ちゃべ:秋田(幼児語)山形。
ちゃめ:山形。
ちゃんこ:千葉。
ちゃん:千葉。
ちょい:長野。
ちょこ:新潟。
ぢょこぢょこ:新潟。
ちょっこ:山形。
ちょ:千葉。
ちょんちょん:新潟(幼児語)。
にぇこ:鹿児島。
にゃご:幼児語:千葉。
にゃにゃ:幼児語:千葉。
にゃーにゃ:幼児語:千葉・長野。
にゃん:幼児語:鹿児島。
にゃんこ:幼児語:宮城・千葉。
にゃんにゃ:幼児語:宮城千葉。
:鹿児島。
ねご:千葉。
ねこめ:栃木・八丈島。
まい:熊本。
まや:沖縄。
まやー:沖縄。
まゆ:沖縄。
まをー:熊本。
まん:鹿児島。幼児語。『魔』か。
みー:幼児語:高知。
みき:三毛猫:静岡。
みゃーみゃー:熊本。
みゃを:熊本。
みゃん:熊本。
みゃんみゃん:猫の鳴き声:熊本。
めー:沖縄。
メコ:アイヌ語。日本語起源とされる。
(関連語)
からすねご:黒猫:千葉。
からすねこ:黒猫:神奈川。
きじねこ:キジバトのような色をした三毛猫:神奈川。
ごろねこ:野良猫:神奈川。
こんぼねこ:しっぽの短い猫:神奈川。
ほーたれねこ・ほーれねこ:野良猫:神奈川。
みきねこ:千葉。
みけ:千葉。
みけねご:千葉。
(猫の呼び方)
ちゃーちゃちゃちゃ:秋田・山形。
ちょちょ:新潟。
ちょま:静岡。
ちょまやちょまや:静岡。
ちょんちょん:熊本。
ネズミ、鼠 きょーと:ハツカネズミ。
きょーどー:ハツカネズミ。
きょーどねずみ:ハツカネズミ。
きょーとねずみ:ハツカネズミ、小さいネズミ。
きょーどめ:ハツカネズミ。
ちーち
ちーちー
ちーちめ
ちーちーめ
よなっこ:ネズミ等の小さい動物。
よなねずみ:ハツカネズミ。
『鼠』。
広辞苑には『広くはネズミ目(齧歯類)のネズミ亜目、またリス亜目のホリネズミ、さらにモグラ目のトガリネズミを含む小形哺乳類の総称。二百以上の属、約千八百種を含み、種数としては哺乳類の約三分の一。そのうちネズミ亜目ネズミ科はカヤネズミ・クマネズミ・アカネズミ・ハツカネズミなどの属を含む。普通はドブネズミ・クマネズミなどのイエネズミをいう。』とある。
ネズミの語源は諸説あるが、@根住・根棲の義(大言海)、A不寝部の義。ミはノミ(蚤)、セミ(蝉)のミと同じで、物の多いことを言うムラの転(俚言集覧)、B人が寝たあとに出ることからネイツミ(寝出見)(名言通)、Cヌスミの転(日本釈名) 等がある。古事記では根棲と考えていたことをうかがわせる一節がある。ちなみに古形は『鼠(ね)』、十二支では『子(ね)』と言い、甲子(きのえね)は干支の最初にあるものだが、同時に『甲子大黒』(ネズミを大黒の使者と見なして、甲子の日に大黒天を祀ること。)の略でもあり、ネズミを大黒天と同一とみなす風習がある。『大黒天』は『七福神の一。頭巾をかぶり、左肩に大きな袋を負い、右手に打出の小槌を持ち、米俵を踏まえる。わが国の大国主命と習合して民間信仰に浸透、「えびす」と共に台所などに祀られるに至る。』(広辞苑)とある。
『称呼』には『ねずみ:関西にてよめよめがきみといふ。上野にてよるのものよめおふくむすめなといふ。東国にもよめとよぶ所多し。遠江国には年始にばかりよめとよぶ。其角か発句に「明くる夜も(の)ほのかにうれしよめがきみ」。嵯峨往去来が曰 「除夜より元朝かけて、鼠の事を嫁か君 と云にや。」。本説はしらずとぞ 野坡か云。娵(よめ)が君は春氣にてねずみの事なり。今按に年の始には萬の事祝詞を述侍る物にしあれば寝起と云へる詞を忌憚て いねつむ いねあぐるなど唱ふるたぐひ数多有。鼠も寝のひびきはべれば、嫁か君とよぶにてやあらん。又春氣といふ時は春三月のことなれはいかが有べきか。尚説有。ここに略す。』とある。『其角』とは『宝井其角』のこと。『野坡』とは『志太野坡』のこと。
『嫁が君』は鼠の別称で、特に正月三が日の忌詞として使われた。
あまのひと:八丈島。
いなっちょ・いなっちょねずみ:ハツカネズミ:千葉。家に居る者の意味か。
うえのあねさま:福島。天井裏に居るからだろう。
うやんつ:沖縄。
おふくろ:大分。
かーきー:鹿児島。
こんしり:ハツカネズミ・子ネズミ:神奈川。
ちゅーた:千葉。
ちゅーたねずみ:千葉。
ちゅーちゅ:幼児語:千葉。
ちゅーちゅー:静岡。幼児語。
てっのあねさま:福島。
とちがらねずみ:ハツカネズミ:佐渡島。
ねず:千葉。
ねずん:鹿児島。
よのむし:群馬。
よむし:群馬。
よめ:群馬。
よめきみ:宮城・群馬。
よめ:岩手・宮城・愛知。
よめご:群馬。
よめごさん:大分。
よめごぜ:京都。
よめごどの:八丈島。正月の祝い言葉。
よめどの:八丈島。
よもこどの:八丈島。
よめさ:富山。
よめさま:長野。
よめさん:長野・兵庫。
よめじょ:熊本。
よめじょーさん:島根。
よめっこ:長野。
よめどの:八丈島。
ノスリ おんこだか
まんくそたか
そたか・まそったか:神奈川。
野良猫、泥棒猫 がんど
がんどー
がんどねご
がんどーねご
がんどーねこ
がんどめ
がんどーめ
どらねご
のら
のらねご
いたりねこ:群馬。
うせまる:富山。
ハト はど
どば:キジバト。
どばちん:キジバト。・どばど:キジバト。
どばどめ:キジバト。
私の土浦での記憶では『どば』に関る一連の言葉は家鳩を指したが、ここでは『民俗』の事例に従った。ただし、辞書にもあるように家鳩の別称は『土鳩』である。土浦では標準語同様家鳩を指していたため、『土浦の方言』にも掲載されなかったと見られる。ちなみに、千葉では、『どば』は家鳩を指す。
ででっ:神奈川。
てでっっほ:キジバト:岩手。
どば:家鳩:千葉。
はど:千葉。
ひな、ヒナ、雛 ひよこ
ひよっこ
ひょっこ
うぶどり:幼い雛:大分。
ちんや:静岡。
ひよ:静岡。
ひょっこ:神奈川。
ひょーな:神奈川・山梨・静岡。
ょんこ:山梨。
へーな:静岡。
ヒバリ しばり
ひばりめ
ひばる
ひばるめ
広辞苑に『ひばり【雲雀・告天子】:スズメ目ヒバリ科の小鳥。スズメよりやや大きく、背面は黄褐色の地に黒褐色の斑がある。腹部は白く、後趾の爪は非常に長い。日本各地の畑地・草原などに巣をつくり、空中高くのぼってさえずる。鳴き声は「一升貸して二斗取る、利取る、利取る」などと聞きなす。籠鳥として古くから飼育される。』とある。
茨城と熊本の県鳥でもある。春先のさえずりとその飛び様は今でも記憶にある。
茨城と静岡にある『ひばる』は、『日がが晴る』意味とも思われ、好天の時にさえずる鳥の意味か。語源辞典でも同様の説が有力である。
いんちろ:岡山。
しょくり:鹿児島。
しょくれ:鹿児島。
ちんちなー:沖縄。
ひばる:静岡。
ひよこ、ヒヨコ、雛 。幼児語。
ひよこめ
ひよっこめ
:千葉。幼児語。
ひよ:静岡。
:千葉。幼児語。
ひょっこ:山形・福島・埼玉・神奈川。
ひょーな:長野・静岡・山梨・神奈川。
ひょーなっこ:千葉。
ふよこ:佐渡島。
へーな:静岡。
ヒヨドリ きーきめ
くす
ひーす
ーす
びーす
ーすけ
広辞苑に『鵯・白頭鳥:スズメ目ヒヨドリ科の鳥。大きさはツグミぐらい。大部分青灰色で、頭の羽毛は柳葉状に立ち、耳羽は栗色。山地の樹林に繁殖し、秋、群をなして人里に移る。波状に飛ぶ。鳴き声は「ひいよひいよ」とやかましい。日本に広く分布。ヒヨ。ヒエドリ。』とある。
ひーさ:静岡。
ひょーす:神奈川。
ひよまんご:鹿児島。
ほしな:千葉。
ほしなっき:千葉。
フクロウ (総称)
ごろすけ
ころすけ
ごろっちほーほー
ごろっとほーこ
ころっとほーこ
ずく:ずく(つく)はミミズクの別称。
でれすけでんべ
でれすけでんべー
でれすけほーほめ
ねごどり
ねこどり
ねごどりばっ
ねこんどり
ふくろ
ぶるすくぶーぼー
ほくろ
ほーくろー
ほーごーどり
ほーこどり
ほごどり
ほころ
ほーすこー
ほーほー

ほーほーどり
ーどり
ーっーっどり
ほーほーどりめ
ほーほーめ
ほーほめ
ぼろすけ
ほろすけ
ほろすけごーほー
ほろすけどり
ほろすけほー
ほろすけほーこー
ほろすけほーほー
ほろすけぼめ
ほろすけめ
みみずく
みみつく
よたか
よんどり

(アオバズク)
ちきしょー

ほいほいどり
ほーほーどりめ
ほろすけ
ほろすけほーほー
んどり

(コノハズク)
ずく:ずく(つく)はミミズクの別称。
ほろすけ

(オオコノハズク)
ーどり
ほーほーどりめ


(ミミズク)
ごへー
ごーへー

(フクロウの鳴き声)
ごろすけぼーこ ごろすけぼーこ:フクロウの鳴き声。/これは下館市の方言だが、当時、土浦でも山鳩の鳴き声フクロウの鳴き声と聞かされていた。
ごろっごろっ
でれすけでんべー
でれすけほーほー
ばばー ばばー:フクロウの鳴き声(土浦市)。実際は山鳩の鳴き声。
ぼろすけ:ミミズク
ほろすけほいと
ほろすけほーほー
ほろすけほーほーほろすけどーする

広辞苑には『ふくろう【梟】:フクロウ目フクロウ科の鳥。大きさはカラスぐらい。顔は灰白色、額は褐色。背面・下面共に灰白色の地に褐色の縦斑があり、下面の方が著しく白っぽい。森の繁みや木の洞にすみ、夜出てノネズミなどを捕えて食う。フクロウ目は世界に約一四○種、日本には一○種が分布。そのうち、特にミミズクとの対比で耳羽のないものをフクロウと総称するが、分類学上の区別ではない。母喰鳥。』『みみずく【木菟・角鴟】:フクロウ目フクロウ科の鳥のうち、頭側に長い羽毛(いわゆる「耳」)を持つものの総称。ワシミミズク・オオコノハズクなど。ずく。』とあり、分類学上は同種らしい。鷲と鷹の区別は大形のものを鷲と言うのに似ている。
『称呼』には『ふくろふ:常陸国にてねこ鳥と称す(この鳥よく鼠を取るによりてかくなづくるにや)。上総にてよごうと呼。伊勢白子にて鳥追といふ。「擧白集」に「のりすけおけ」と鳴く。をのれが毛衣の料にやと有。又俗に、「夜明なば巣つくらう」とも、又片田舎の人は、「五郎七ほうこう」と鳴く共、薩摩国の人は、「此月とつくわう」となくといへり。』とある。
『俚言』には『ふくろふ:「本草啓蒙」ふくろ(常陸)、よづく(出雲)、ふるつく(阿波)、ふりつき(讃岐)、本草の梟和名抄のさけ又ふくろふ也。その鳴くこと俗にのりすりおけと聞ゆれは翌日晴、のりとりおけと聞ゆれは翌日雨と云。』とある。
(総称)
うっつどり:鹿児島。
おくんぼ:静岡。
おほ:岩手。
おーほ:岩手。
おろしけ:岩手。
きどじゆ:鹿児島。
このすけどっく:鹿児島。
このつききとじゅ:鹿児島。
このつききのじゅ:鹿児島。
このつきとっく:鹿児島。
ごろしち:静岡。
ごろすけ:神奈川・静岡。
ごろっちょ:神奈川・静岡。
ごろっちょー:山梨。
ちくく:沖縄。
ちくくる:沖縄。
づぐ:千葉。
つく:千葉。
つくぐる:沖縄。
つくほー:沖縄。
つくめ:八丈島。
てちっ:神奈川。
とくぼ:広島。
とっく:鹿児島。
とっどり:長野。
ねこどり:千葉。
のりつけほーせ:新潟・富山・福井。
ふくどり:兵庫。
ふくゆ:鹿児島。
ふぐろ:千葉。
ふくろく:福井・滋賀。
ふくろずく:栃木。
ぼーずっこい:神奈川。
ほーつく・ほーつこー・ほっつく:神奈川。
ほっこ・ほっこー:神奈川。
ほーほどり:神奈川。
ほーほーどり:千葉・埼玉・静岡・香川・大分。
まめまきどり:神奈川。
ふるつく:奈良・和歌山・山口・徳島。
ぼーず:大分。
:愛知。
ほろすけ:群馬・三重。
ぼんぼんどり:埼玉・静岡。
よずく:島根・大分。
よたか:島根。

(アオバズク)
んどりめ:八丈島。

(コノハズク)

(オオコノハズク)
ーどり
ほーほーどりめ

(ミミズク)
広辞苑に『木菟・角鴟:フクロウ目フクロウ科の鳥のうち、頭側に長い羽毛(いわゆる「耳」)を持つものの総称。ワシミミズク・オオコノハズクなど。ずく。』とある。
うまおい:大分。
くおっくおどい:鹿児島。
ごろいち:神奈川。
ごろしち
ごろすけ
ごろひち
ふくろ:神奈川。
ふくろー:神奈川。
ほーしんぼー:神奈川。
ぼすか:神奈川。
ぼーすか:神奈川。
ぼーずこい:神奈川。
ぼすっか:神奈川。
ぼーすっこい:神奈川。
ぼーずっこい:神奈川。
ほーつく:神奈川。
ーつく:神奈川。
ほーつくほー:神奈川。
ほーつこー:神奈川。
ほーとくぼ:神奈川。
ほっこ:神奈川。
ほっ:神奈川。
ほーほ:神奈川。
ほーほー:神奈川。
ほーほーどり:神奈川。
ほーほどり:神奈川。
ぼろすけ:福島・栃木・神奈川。
みじく:静岡。
みずく:東京多摩・神奈川。
みみずく:栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川。
みみんじく:神奈川。
みみんじゃく:神奈川・静岡。
めんずく:静岡。
よしか:鹿児島。
よたか:兵庫・大分。
このうち『ぼろすけ』は茨城・栃木・福島の一部にまとまっている。『襤褸助』の意味だろう。『ねこどり』は茨城県特有の方言である。『ほーほーどり』は数はすくないものの全国に広がる。『みみずく』は、栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川に広がっている。
ぶた、豚 ぶーこ:幼児語。
ぶーこめ:幼児語。
ぶだ
ぶだめ
ぶーぶ:幼児語。
ぶーぶー:幼児語。
ぶだ:千葉。
ぶーぶ:幼児語:千葉。
ぶーぶー:幼児語:千葉。
ヘビ、蛇 (総称)/古名くちなわ・ながむし・かがち。
くぢな
くちな
くちなー:県北を除く地域。
くちなわ
しーび・鹿島郡。
しびめ:猿島郡。 
ずよずよ:稲敷郡。
ひび:県広域。
ひーび
ひびめ:猿島郡。
へーび:県南部。
へーびー
へびめ:県全域(推定)。
へんめ:県全域。マムシの古形『はみ』に『め』がついたものか。
やまうな:東茨城郡。

(アオダイショウ)
あおだい:稲敷郡。
あおでーしょ:土浦市。
あおでーしょー:土浦市・鹿島郡。
うんむし:尾の切れたアオダイショウ
おさかぶ:久慈郡・高萩市・多賀郡。
おーさかぼー・おーざかぼー:久慈郡・那珂郡・東茨城郡。
おつか:尾の切れたアオダイショウ。
おっかいしょ:尾の切れたアオダイショウ。
おつかいへび:尾の切れたアオダイショウ。
さかぼめ:尾の切れたアオダイショウ。
かみさまのおつかい:尾の切れたアオダイショウ。
かみさまのつかいへび:尾の切れたアオダイショウ。
かみさまのつかい:尾の切れたアオダイショウ。
かみさまのつかいへび:尾の切れたアオダイショウ。
かみさまひも:尾の切れたアオダイショウ。
かみのつかい:尾の切れたアオダイショウ。
ごせんぞさま:尾の切れたアオダイショウ
じんじゃのおつかい:尾の切れたアオダイショウ。
ずくらんぼ:尾の切れたアオダイショウ。
つかいへび:尾の切れたアオダイショウ。
つけーしめ:尾の切れたアオダイショウ。
ぬし:尾の切れたアオダイショウ・家の中に入ってくるヘビ。。
はつかへび:筑波郡。
ぶちきり:尾の切れたアオダイショウ。打ち切れの意味。
べんてんさまのこずかいっこ:尾の切れたアオダイショウ。
まもり:尾の切れたアオダイショウ。
まもりへび:尾の切れたアオダイショウ。

(ヤマカガシ)
あがか:水戸市。
あがかし:常陸太田市。
あが:水戸市。
あずきへび:猿島郡。
じも:猿島郡。
やまか:岩井市。
やまか:県南部・土浦市。。
やまか:岩井市・土浦市。
やま:県全域・土浦市。
やまかぢ:真壁郡・下妻市・結城郡・新治郡・土浦市。
やまかーぢ:土浦市。
やま:赤みがかった大きなヘビ:高萩市。
やま:東茨城郡・西茨城郡・真壁郡。
やまっか:結城郡。

(マムシ)/古名くちばみ・たちひ・はみ。
くそへび:北茨城市・常陸太田市・稲敷郡。
くぢな
くちなー:県北を除く地域。
くちなわ
くぢはび:県全域。
くちはび:県全域。
くちはばめー:久慈郡。
くちはばめーる:久慈郡。
くちはみ:水戸市。
くちばみ:久慈郡。
くぢへび:東茨城郡。
くちゃはめ:鹿島郡。
ぐぢゃへび:東茨城郡・鹿島郡。
くちゃへび:県北を除く地域。
くちゃび:県南部。
ぐちゃめ:稲敷郡。
くっちゃび:県南部。
(シマヘビ)
あかしま:目の赤いシマヘビ・腹の赤いシマヘビ。
くろしま:縞の黒いシマヘビ
なめり

(ジムグリ)/別名アズキヘビ・ツチムグリ
じどーし:県北部。
じも:県全域。
しむり:東茨城郡・稲敷郡。
ずしむ:久慈郡。
ずんむ:久慈郡。
つちも:取手市。
(ヒバカリ)
いっとき
いわへび:久慈郡。
くそくちなー:水戸市。
じどー:勝田市。
じどーし:那珂郡・勝田市・東茨城郡。
ひひてひな:久慈郡・那珂郡。
ゆわへび:久慈郡。

(その他)
いわへび:小型のヘビ。
うかばみ:大蛇。
しらへび:シロヘビ。
やまも:ヘビの一種。ジムグリか。取手市。

『蛇』。関東圏でヘビと言えば、アオダイショウ・ヤマカガシ・シマヘビ・マムシの四種である。
広辞苑には『(ヘミの転) トカゲ目ヘビ亜目の爬虫類の総称。爬虫類のなかで最も特殊な体形をもつ。すなわち体は円筒形で細長く、小鱗で瓦状に覆われ、肢と肢帯がないが、原始的なメクラヘビやボア類には後肢の痕跡がある。舌は細長く、先端は二分。小動物や鳥、鳥の卵を食う。有毒のものと無毒のものとがある。世界の熱帯・亜熱帯を中心に、メクラヘビ・ニシキヘビ(ボア・オオヘビ)・ヘビ(ナミヘビ)・クサリヘビ・コブラ・ミズヘビ・イトヘビ・ユウダなど一三科約二千七百種が分布。不吉なもの、執念深いものとして嫌われるが、神やその使いとするところも多い。古名、くちなわ・なむし・かち。』とある。
物を噛むことは古語では『食む』(はむ)と言う。今でも使われる。一方沖縄の毒蛇は『ハブ』である。現代語の噛むと、草を食むと、沖縄のハブと、現代語のヘビは関係があるのだろうか。
『語源辞典』には@ハヘムシ(延虫)の約、Aハヒムシ(這虫)の義、Bハヒ(匍)の義、Cハムの義か、Dフセムシの反、Eヘビの訛(加賀訛)、F朝鮮語peiyamと同原、とある。どうやら、『食う虫』と『這う虫』の二つの説に分かれているようである。
(総称)
おーむし:島根。
おかうなぎ:群馬・大分。
おかうな:山梨。
おっけー:群馬。
からせび:鹿児島。
からむし:鹿児島。
くちゃめ:千葉銚子。
せび:青森。
むし:埼玉・静岡。
なぶさ:青森・岩手・長野。
ひび:神奈川。
ひーばー:沖縄。
ひーび:埼玉。
へいび:静岡。
へーび:青森・埼玉・神奈川・静岡。
へべ:秋田・神奈川・静岡・鹿児島。
へーべ:静岡。
やむし:広島・山口。

(アオダイショウ)
広辞苑には『青大将:ヘビの一種。全長一〜二メートル。背面は暗褐緑色、四条の縦線がある。無毒で、餌はネズミ・小鳥など。鳥の卵を呑むことが多く、背骨の一部に卵殻をこわす下突起が発達し、食道の中に突出。日本全国に分布。黄頷蛇(おおがんだ)。』とある。
方言を見ると、『あお』は『おほ』に通ずる図式が見える。『あお』とは空を意味し、地に対して上に位置するものである。また、『覆ふ』にも通ずる。今でも『仰向け』などと言う。
あおさかぶ:宮城。
あおだち:長野。
あおなぶさ:青森。
あおのろし:東北。
あおらち:富山・長野。
あおろし:佐渡島。
あおだいしょ:神奈川。
あおでーしゃ:神奈川。
あおでーしょ:神奈川。
あおでーしょー:神奈川。
あおでんしゃ:神奈川。
あおらち:長野。
えへび:熊本。
えわたし:熊本。
おーこへび:山口・熊本。
おさかぶ:茨城。
おーさかぼー:茨城。
おーなじ:沖縄。
かいとまる:奈良。
かんさまへーぶ:富山。
なぶさ:青森・岩手・長野。
ねずみとり:家に住み着いたヘビやアオダイショウ:中国・四国・九州。

(ヤマカガシ)
広辞苑には『赤楝蛇・山楝蛇:ヘビの一種。中形で、全長約七○〜一二○センチメートル、水辺に普通で、背面はオリーブ色、黒斑が多く、体側には紅色の斑点がある。上顎の奥に毒腺がある。奥歯は長く、毒牙の機能をもち、深く咬まれると、腫れたり血が止まらないこともあり、時に致命的。また、頸部にも毒腺がある。本州以南、朝鮮南部・中国・台湾に分布。』とある。
私の子供の頃は毒蛇とは認識されておらず、平気で手で捕まえて遊んでいた。
噛まれて死亡事故が起きたのは1972年だそうで、今でも毒の成分が解明されていないため、血清が完成出来ていないという。試作品はあると言う。
ヤマカガシに噛まれて死亡する事例が少ないのは、奥歯で噛まれることが少ないことと、もともと歯に毒を注入する機構がなく、毒は歯茎の腺から染み出て来るものなので、深く噛まれて毒が患部に滲みる必用があるからだという。
数年前に寺家ふるさと村で見かけたが、近づくと直ぐに薮の中に姿を消した。
やまたれ:鹿児島。

(マムシ)
広辞苑には『蝮:(「真虫」の意) ヘビの一種。体長約六○センチメートル。有毒。頭は三角形またはスプーン形、頸は細く、全身暗灰色か赤褐色(赤蝮と俗称)で黒褐色の銭形斑が多い。目と鼻にある孔器で、餌とする小動物の体温を感知する。卵胎生。日本各地に分布し、古来強壮剤として用いる。なお、クサリヘビ科マムシ属は、十数種が東南アジア・ヨーロッパ・北米・中米に分布。古名、くちばみ・たちひ・はみ。』とある。
『称呼』には『まむし:西国にてひらぐちと呼。筑前にてはめと云。土佐にてはみくつはみと云。上総上州にてくちはみと云。是和名はみ也。』とある。
茨城では、マムシの『いぎみ』(生きている体、生きたままの肉)は万病に効くとされる。『5月・8月』『5月・8月・11月』は、『ごはっそー』と言う。『五・八・霜』に由来するという。また、5月と8月にはマムシが子を生むので、その時期はマムシに噛まれると命を失うと言われる。
マムシは、昔から民間療法の特効薬とされ、焼酎に漬けて薬とした歴史がある。
マムシは卵胎生で、8〜10月に5〜15頭の幼蛇を2〜3年に1度産むとされるから、茨城の民間伝承は大きな間違いは無いようである。
マムシのうち特に赤いものを『赤マムシ』と言うが特に成分は異ならないとされる。
マムシは、当時の日常生活の中で、決して他のヘビ類に比べて珍しいものではなかったが、その毒性の一方では民間療法のニーズから高価で取引されたことから、どこの家でも焼酎付けのマムシが二瓶や三瓶を保存していたのである。
私が始めてマムシに出会って、その怖さを知ったのは、小学校の高学年の時であった。
マムシの攻撃性は、アオダイショウやヤマカガシやシマヘビとは全く異なり、鎌首を上げて攻撃してくることやトグロを巻く習性が特別であった。
現代では、ヤマカガシが特に特別扱いされやているが、マムシは、今でも人間の生活に近いところに生息している。
くそへび:静岡。
くちはび:栃木。
くつはび:宮城。
どくへび:埼玉。
はび:千葉・三重・奈良・和歌山。
ひらくち:福岡・大分・佐賀・長崎・熊本。

(シマヘビ)
広辞苑には『縞蛇:ヘビの一種。大きいものは全長一・五メートル以上。無毒。体色は茶褐色または黄褐色。背面に四本の縦すじがある。腹面は黄色。わが国固有で全土に分布。薬用にする。全身黒色のものをカラスヘビという。』とある。
『俚言』には『からすへび(京):からすくちなわ(京)、うしくちなわ(大和本草)、つちむぐり(佐渡)、すぐろへび(安房)』とある。シマヘビの黒化したもの。
茨城では、ヘビで食えるものと言えば、シマヘビと言われていた。恐らく戦時中の食糧難の時代の経験が残ったと思われる。
からすへび:神奈川。
なめら:神奈川。
なめり:静岡。
(ジムグリ)
広辞苑には『地潜り:ヘビの一種。大きいものは一メートルに達し、鱗片に竜骨がなく滑らか。体の背面は小豆色または黄褐色。面は赤褐色で黒斑が多い。頭上および背面には不規則な黒斑がある。ネズミ・ヒミズ・モグラなどを捕食。日本全土に分布。アズキヘビ。ツチムグリ。』とある。
幼蛇は赤く、老成すると斑点が消え、薄い黄褐色(グレーに近い)になる。
2007年夏、那須朝日岳で、黒い斑点のある真っ赤なヘビを見た。30cm程度の大きさだったので、ジムグリの幼蛇に違いない。
じも:神奈川。
ひなから:神奈川。俗説で毒があるとされたヒバカリと間違えられて、噛まれると『日半ら(半日)』で死ぬとされたのだろう。

(ヒバカリ)
広辞苑には『日計・竹根蛇:ヘビの一種。全長約五○センチメートル。背面は暗褐色、腹面は白色で側方に黒点がある。有毒とされ、名も咬(カ)まれればその日ばかりで死ぬ意というが、実際は無毒。本州以南に分布。』とある。別名『こくちばみ』
『称呼』には『又一種俗にひばかりと云有。土佐にて日みずと云。小くしく錦色なるもの也。人是にささるる時は、日を見る間もなく死すと云心にて、日みずと云と也。』とある。
『俚言』には『ひばかり:「本草啓蒙」くそへび(津軽)、くそくちなわ(水戸)』とある。
(その他)
『俚言』には『をかばみ:蟒蛇也。常にうはばみと云。所によりてうかばみと云。』とある。
『称呼』には『うはばみ:出雲にてじゃばみと云。北国にてをかばみと云。(常陸国人もをかばみと云。)』とある。()内は俚言集覧の引用文で追加されているもの。
ホオジロ いっつけーじょー
(鳴き声)
いっつけーじょーししめくろ
いっつけーじょーじじめじろ
いっつけーじょーちちめくろ
いっつけーじょーつかまつる
いっつけーじょーひのよーじん
広辞苑に『頬白:スズメ目ホオジロ科の鳥。背面は大体栗褐色で、胸腹部は淡褐色、顔は黒色で頬が白い。わが国の林縁から開けた場所に最も普通。鳴き声は「一筆啓上仕り候」と聞えるという。』とある。
別名『しとど』。古形『しとと』
しとと:栃木。
すとど:福島。
ホトトギス おったがしょ
おったがしょー
おったかた
おったったかたしょ
おったんたがしょ
おってんたかしょ
てっんかげ
てっんかげだ
てっんかげだが
てっんかげだがほとと:ホトトギスの鳴き声。
ほっと
よぶこどり
広辞苑に『杜鵑・霍公鳥・時鳥・子規・杜宇・不如帰・沓手鳥・蜀魂:(鳴き声による名か。スは鳥を表す接尾語)カッコウ目カッコウ科の鳥。カッコウに酷似するが小形。山地の樹林にすみ、自らは巣を作らず、ウグイスなどの巣に産卵し、抱卵・育雛を委ねる。鳴き声は極めて顕著で「てっぺんかけたか」「ほっちょんかけたか」などと聞え、昼夜ともに鳴く。夏鳥。古来、日本の文学、特に和歌に現れ、あやなしどり・くつてどり・うづきどり・しでのたおさ・たまむかえどり・夕影鳥・夜直鳥(ヨタダドリ)などの名がある。』。
実際には『きょ』『きょん』『ちょ』『ちょん』と聞こえる声を4〜6回繰り返す。抑揚があるためか『かけたか』『てっぺんかけたか』のように聞こえるのは確かである。『ほととぎす』とも聞こえる。『不如帰』と当てられるのは故事によるものとされるが、『帰るに如かず』と鳴いているからとも言われる。
私の耳には『きょっきょっきょきょきょ』『ちょっちょちょちょちょちょ』と聞こえる。
おとっとこいし:長野。
おとっとこよし:長野。
ほっちょっちょー:静岡。
ほととげす:鹿児島。
ほんぞんかけたか:佐渡島。
ほんぞんどり:佐渡島。
三毛猫 みげねご さんけねこ:宮城。
ミサゴ びしゃご:鹿児島。
ミソサザイ きっかため
じっちめ
じゃっち
じゃっちめ
じゃっちゃめ
みそく
みそこ
みそささ
みそっく
みそっくり
みそっこ
みそっこ
みそっこどり
みそっちょ
みそっちょー
みそなめじゃっじゃ:結城市。
『鷦鷯』。
広辞苑には『スズメ目ミソサザイ科の鳥。非常に小さく、翼長約五センチメートル。背面は焦茶色。腹面は淡色で所々に細かい黒褐色の横斑がある。山間の水辺に多く、挙動は敏捷で、昆虫類を捕食する。一夫多妻。鳴き声が良い。なおミソサザイ科は、新世界に約六○種、旧世界には一種だけ。』とある。
『和名抄』には『みそさざい:下野郷雀部佐々井部とあればみそはミソハギのみそにて、小ひさき事。さざいは雀の事と見えたり。味噌の義にあらず。』とある。
『称呼』には『みそさざい:上古さざき:奥州にてみそぬすみ。仙台にてみそく。下野にてみそつぐと呼。西国にてはみそつ鳥と云。(下略)』とある。
『本草啓蒙』には『みそさざいささい(京)、みそばへ・みすく(仙台)、みそっちやう(周防)、みそちやう(薩摩)、せんねん(長門)、(中略)和名抄のたくみどりなり。一種よしはらすずめ一名げら・をげら(仙台筑前四国)、よしどり(加賀)、よしきりどり(水戸・江戸)、ぎやうぎやうじ(西国・四国・越中)、ぎよぎよし(筑前肥前)、ここちん(播磨)、けけし(若狭)、むぎららし(出雲)、むぎからし(土佐)、けけす(阿波丹波)、からからじ(仙台南部)』とある。
じゃっちゃ:千葉。
ちんちんどり:青森・岐阜。
ばかっちょ・ばかっちょー:神奈川。
みそく:岩手・山形・栃木・山口。
みそささえ:千葉。
みそさぜー:千葉。
みぞすちょ:静岡。
みそっこ:長野。
みそっち:鹿児島。
みそっちょ:千葉・神奈川・長野・山梨・静岡・広島・山口。
みそっちょー:神奈川・静岡。
めそっちょ:鹿児島。
ムクドリ くそもず
ふくらすずめ(脹雀・福良雀):ムクドリ。標準語では『肥えふくれた雀の子。また、寒気のため全身の羽毛をふくらませた雀。』を言う。
もぐどり
もくどり
むくぎ:鹿児島。
ムササビ のぶすま:江戸時代の畿内で使われた言葉が何故か茨城に残る。
ばんどり
ももん:栃木・埼玉・神奈川・長野・山梨・静岡。モモンガとムササビは異なる。
めうし、牝牛 うし
うなめ
おなめ
おんなうし
おんなめ
めす
めすうし
めすのうしめ
別称『うなめ。うなみ。おなめ。めうじ』
広辞苑に『うな』とは『猪の牝。牝牛をもいう。うなめ。』ちある。また『おな』とは、『(ヲンナの約) 娘。妻にもいう。』とある。すなわち、『女』に『め』がついた言葉である。繰り返し言葉で『女妻』の意味と考えるのは動物では考えにくい。長野では牡鹿をも指す。
古語『ことひ』
あまうし:千葉。
うな:岐阜・大阪
うなめ:千葉・長野・奈良・和歌山・四国。
うの:長崎・佐賀・福岡。
おなめ:神奈川・長野・静岡。
おなめうし:神奈川。
おんなうし:千葉・神奈川。
おんな:八丈島。
ごって:鹿児島。
こって:鹿児島。
こってうし:鹿児島。
こてい:八丈島。
ばし:岡山・広島。
めうじ:佐渡島。
めたうし:鹿児島。
めっか:岩手。
めな:熊本・鹿児島。
めらうし:鹿児島。
(関連語)
かも:年老いた牝牛:神奈川。
めうま、牝馬・雌馬 めんま 辞書には、類似の言葉として『雑役』(ぞうやく:雑役馬)がある。
『俚言』には『関東の田舎にて牝馬を雑役といふ。』とあ。
あまうま:千葉。
あまんま:千葉。
おんなうま:千葉。
おんなんま:千葉。
ぞーやく:岩手・秋田・山形・福島・佐渡島・北陸中部地方全域・高知・対馬・鹿児島。
ぞんやく:静岡。
どーやく:佐渡島・新潟・長野・静岡・島根。
だんま:鹿児島。
ひん:千葉。
ほーら:佐渡島。
めじろ、メジロ、目白 すーみなー:沖縄。
ちゃっちゃ:メジロの幼児期:静岡。
はなし:鹿児島。蜜を吸うため。
はなす:鹿児島。蜜を吸うため。
めすいぬ、雌犬 おんないぬ あまえぬ:千葉。
めた:秋田・新潟。
めーた:神奈川・静岡。
めっか:秋田。
めんどり、雌鳥 めんかー:静岡。
めんこ:静岡。
めんこー:静岡。
モグラ :県内広域。
らもぢ:県内広域。
らもち:県内広域。
:県北部。
ろめ:県北部。
らめ:県内広域。
らもぢ:県内広域。
:県北部。
:県北部。
『集覧:猿』。『土竜』。
広辞苑には『広くは哺乳綱モグラ目(食虫類)、またそのうちモグラ科の総称。十数属約三○種を含み、わが国には四属六種がいる。代表的な種は東日本ではアズマモグラ、西日本ではコウベモグラで、前者は頭胴長一○〜一六センチメートル余り。後者はそれよりはやや大きい。毛色は黒褐色。手は外を向いて、手のひらは大きく、頑丈。眼は退化している。地中にトンネルを作り、ミミズや昆虫の幼虫を食べ、土を隆起させ、農作物に害を与える。ら。うら。もらもち。うろもち。田鼠(デンソ)。』とある。茨城弁が、現代語の古形をよく残している言葉の典型例。
『称呼』によると江戸時代の代表語は『うろもち』だったことが解る。『ろもち:京にてろもち、東武にてらもち、西国にて、中国にてろもち、四国にてらもち、遠江にてらもち、大和及伊賀伊勢にてろもち、越後にて土龍(どりゅう)といふ。』とあり現代標準語は江戸時代の西国言葉が採用されたことになる。
『新撰字鏡』には『むくろもち』があるが辞書には無い。
『本草啓蒙』には『らう(江戸・水戸)、らもち(薩摩・備後・仙台)、むくこ(出雲)、むくろもち(加賀・越中)、むぐろ(出雲・佐渡)、ろもち(備前)、(三河・周防)、らもち(豊後)、(筑前)、もくろ(出雲)、(阿波・大和・伊賀・伊勢)、らもち(美濃)、らもち(四国)、をんろもち(讃岐)、いくらもち(遠江)、どりう(近江・越後)。』とある。
『大言海』には、『ウゴロモチの転のモグラモチの約。ウゴロモチは動詞「ウ(穿)グルモツ」の名詞形で土中を行けば、土穿げて上に持ち上がる意か』とある。類似の方言は、秋田・山形・新潟・富山・愛知・三重・山口・大分にある。
『もぐら』とは『盛り倉』の意味とも思われ、『うごろ』『うぐら』即ち『穿ち倉』の意味とも思われ、モグラが作った盛り上げた土を、モグラの家すなわち倉の意味では無いだろうか。その持ち主こそ、『むらもち』と呼んだのではないだろうか。
土龍以外は全て元の言葉が一つだったと考えられる珍しい例である。
:静岡。
らもち:静岡。
:静岡。
らもち:四国。
しでねずみ:佐渡島。
つちねずみ:長野。モグラは『土鼠』とも書く。
:千葉・神奈川。
らもぢ:千葉。
むくらもち:千葉。
むくろ:佐渡島。
らもぢ:千葉。
らもち:神奈川。
もくらもち:鹿児島。
ももら:山梨。
モズ きっきめ
もーず
もずめ
もーずめ
もんき
もんきめ
もんきゃ
もんず
もんずめ
広辞苑に『もず【百舌・鵙】:スズメ目モズ科の鳥。ヒバリ大で尾が長い。雄は頭部は栗色で目を通る黒斑があり、背・腰は灰褐色、下面は中央白色、他は赤褐色。雌の下面には横斑が多い。日本・中国北部で繁殖し、北方のものは冬は南へ渡る。昆虫・蛙などを捕食。他種の鳥や動物の鳴声をよくまねる。秋から冬には雌雄別々になわばりを張り、その宣言として、高い梢などで鋭い声で鳴き、それを「モズの高鳴き」という。「モズの速贄(ハヤニエ)」を作るのは有名。なおモズ科は世界に約八○種、わが国には五種が分布。アカモズ・チゴモズ・オオモズなど。伯労。』とある。
からかじ:八丈島。
からかじめ:八丈島。
きっちょもー:鹿児島。
むず:神奈川・静岡。
むずき:神奈川。
むどきち:山梨。
もーず:静岡。
もすぎつ:鹿児島。
もすぎっちょ:鹿児島。
もずっき:神奈川。
もずめ:鹿児島。
もんき:福島・千葉。
もんず:千葉。
百舌の速贄 ほしか
もずのいげにい
もずのくいもの
もーずのくいもの
もずのたーら
もずのひっかげ
もんずのいさ
もんずのくいもの
もんずのひぼし
辞書には『(モズの捧げる初物の供物の意) モズが秋に虫などを捕えて、餌として木の枝に貫いておくもの。翌春、他の鳥の餌に供されてしまうのでいう。』とある。
やもり、ヤモリ、守宮 2008年3月16日の夜、我が家にヤモリが来た。土浦でもめったにお目にかかれなかったので驚いた。体長は10cmほど。サイパンで生活した時に夜のパートナーとしていつもちょろちょろしていたヤモリは、目が茶色でちょっと鋭かったが、今度のヤモリは目が黒く大きく調べると間違いなくニホンヤモリである。体色はベージュ色。
よしきり、ヨシキリ 広辞苑に『葦切・葦雀:スズメ目ヒタキ科ウグイス亜科の鳥の一群。オオヨシキリ・コヨシキリの二種がある。オオヨシキリはウグイスに似て大形。背面は淡褐色で、黄白色の不明瞭な眉斑があり、下面は黄白色。葦原にすみ、鳴き声が「ぎょぎょし」と聞えるので俳人は行々子(ギヨウギヨウシ)という。ユーラシア大陸に広く分布。コヨシキリはオオヨシキリに類似するが、大きさは約三分の二で、色彩は褐色に富む。水辺から離れた葦原や高原に多い。東アジアに分布。両種共に冬は南方に渡る。葦原雀。』とある。『けけし』とも言う。
きゃきゃす・静岡。
ヨタカ よたかどり
よたがどり
よたがめ
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
 お気づきの点やご指摘等がありましたら、『茨城弁投稿』と書いてお気軽にここにメール下さい。他地域・他県との関係情報もお知らせください。訛の変遷が解かるような投稿は積極的に掲載致します。