昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。印:新編常陸国誌掲載語。印:茨城方言民俗語辞典掲載語。印:茨城弁今昔掲載語。印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。印:日本方言辞典掲載語。浪花聞書掲載語。印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例

とー
雨戸 単音形は八丈方言共通語。
当時の雨戸は框に横桟を一尺ピッチで流し、それに縁甲板を縦張りしたもので、風雨が強いと中にかなりの雨水が滲みこんだ。
とー
(とー) 沖縄。『とぅー』とも言う。『戸・門』の意味か。
広辞苑に『門中(となか):瀬戸の中。海峡の中。』とある。
たなか:島と島の間:奄美大島。
:灘:長崎五島。
となか:海の上・海の中:山口・愛媛・宮崎。
とや:灘:長崎五島。
とー 尊敬の接頭語『お』がつけば『おとう』になる。
とー:長野。
とー 一族、同属 『党・統』。
茨城では、足跡を指す『あしこ、あしと、あしっこ、あしっと』がある。』。『と』とは『跡』と当てられる古い言葉。
現代では複合語としてしか使われないが、『万六−九二六 山部赤人』に『やすみしし わご大君は み吉野の 秋津の小野の 野の上には 跡見すゑ置きて み山には 射目立て渡し 朝狩に 鹿猪踏み起こし 夕狩に 鳥踏み立て
 馬並めて み狩そ立たす 春の茂野に』とあり万葉集の時代には単独で使われた。
:動物の足跡:栃木・愛知。
度、程度、程 ・度が過ぎる。
どをわぎまいろ:程々にしなさい。
(ど) 鹿児島。
○どー どじょうを捕獲する細長い竹製の漁具 魚一般を捕獲する漁具は『筌』(うけ)。
広辞苑には『:ウナギ・ドジョウ・エビなどを捕る漁具。割竹を編んで円筒状・円錐状に作り、口部には返しをつけ、魚が入りやすく出ることができないようにし、餌を入れて水底に沈めるもの。どううけ筌(セン)。』とある。形状から『胴』の意味だろう。。
『称呼』には『竹瓮(たつべ:魚をとる具也):近江にてたつめといふ。河内にてぢんどうといふ。四国にてうゑと云。武州にてどうと云。江戸の北いなかにてどうと云物に似て 少し別なる物をごしうけと云。其形椀をふせたるに似たり。いにしへの椀をがうしといひければ合子魚器(がうしうけ)とやいひつらん。今は詞ちぢみてごしうけとよぶ也。』とある。
広辞苑に『たつべ【竹瓮】:@水底に沈めて魚類を捕える円い小籠。沈む時は口が開き、引き揚げる時は口が閉じるようにしたもの。たつめ。筌。A@に似てわらで作り、一対をなし、物を入れ、てんびん棒でかつぐもの。たつぼう。』とある。
:筌:青森。
どー:筌:山形。
どー:桶:宮城・三重。
もじり:静岡。
どー 川の堰 『洞』の意味か。堰の水を流す門を『どーもん』と言った記憶があるが文献には無い。
かわど:川の水を採取できるようにした場所:山形。
:『渡』。
どー:用水路の堰き板:神奈川。
どう:川の合流点。『渡』。
どーどー:堰から水の流れ落ちるところ:神奈川。
どーのくち:用水の取り入れ口:神奈川。
どやい:川の堰:静岡。
どんど:川の堰:長野。
どんどん:堰から水の流れ落ちるところ・川の瀬の浅いところ・小川に堰を作り洗い場にしたところ:神奈川。
どんどん:堰をなして水の落ちるところ:静岡。
ちなみに、江戸城の外堀の一部に大きな溜池があって、現代では溜池の地名に残っているが、現在の特許庁前交差点附近に堰を造って水をせき止めたが、流れ落ちる水の音がとても大きいため、『赤坂のドンドン』と呼ばれたという(旅の記録: 旅の記録 江戸城外濠「溜池」跡)。
標準語の『ど・どう』は『(渡か) 沢や谷が合流する地点。どう。』のこと。また『と【渡】
:@(水を)わたること。わたすこと。Aわたし場。B物を他人の手に移すこと。わたすこと。』とある。
さわんど(沢渡):川の合流地点。各地の地名に残る。『沢の渡』の意味か。
どー:川の合流地点:長野。『渡』の意味か。
どあい:山峡の平地:静岡。群馬にも地名として『土合』がある。
どえー・どえっこ:狭い谷間:神奈川。
どー 背筋や腹。体躯。胴体。 『胴』。
どー
どーどー
幼児語。
どどんま:山形。
どー 【代】どこ どー:千葉。
すったやざぁどーにもねー。:そんな奴はどこにもいない。

どう
【複】どのように 『如何』。古語には『どう』は無い。広辞苑には『どう【如何】:どのように。』とある。
これは、『如何風』(どふ)の意味ではないかと思われるが辞書には無い。
〜とー 【助動】〜(し)てほしい、〜(し)なさい 【助動】〜(し)なさい。〜(し)てほしい。
軽い命令を示す。『ぞ』に似ているがは主格にあり、この場合は対象格にある。『さあ買った買ったあ』の言い方に似ている。願望を表す助動詞『たし』が音便化したと見られる。
『さあ買った買ったあ』の言い方に似ている。八丈方言共通語。
願望を表す助動詞『たし』が音便化したと見られる。
かっとー:買って頂戴。
きとー:来て頂戴。
はいぐすっとー:早くしなさい。
★『土』:今(いま)直(す)に饂飩(うどん)饗(ふるま)ってよこすとう:今すぐにうどんを食べさせてちょうだい。
〜ど 【助】〜と 格助詞・並立助詞・接続助詞。
〜ど:秋田・宮城。
おめどおれ:お前と俺。
おめどこまっから:お前が行くと困るから。
〜ど
〜どー
◎〜と
〜とー
〜どぅ
〜どぅー
〜とぅ
〜とぅー
【助】@〜て、〜(だっ)て、A〜だそうだ 格助詞。
普通は濁音形だが、即音便に続く場合は清音形になることが多い。
『と』は、標準語では接続助詞としてしか使われないが、口語では『さ』を伴って終助詞的に使われることがある。これは、後ろの言葉が略されていると思われる。しかし、今や死語である。
@・〜ど:青森・岩手。
〜どぇ:岩手。
〜どす:岩手。
あるど:あるって?:青森。
なんぼだど・なんぼだどす:いくらだって?:岩手。
なんだど:なんだと!。
★『土』:ねえ、お茶(ちや)沸(わ)いたとう:お姉さん。お茶が沸いたって。
★『土』:櫛(くし)なんざ持(も)ってゐねえぞはあ、それよりゃあ、歸(けえ)って(かき)の木(き)のざく股(また)でも見(み)た方(はう)がえゝと。
注)前項の『ど・と』とはルーツが異なる。ところで、『やったどや』は普通『遣ったぞ』の意味になり、『やったどよ』は『遣ったそうだ』の意味になる。これは、『や』も『よ』も本来は同じ意味だが、『や』の方が強調する意味合いが強いためと考えられる。また一つの言い方が二つの意味になることがある。例えば『いったんだど』は、@行ったんだぞ、A行ったんだそうだ の意味がある。同じ識別は、イントネーションの違いによって行う。
いったんだど:行ったんだぞ。
・223334
A指示・引用の格助詞。昔話などで良く使われる。上代には『と言う』は『といふ』であり訛って『とふ』と言った。
いったんだど:行ったんだそうだ。
・224441
んだど:そうなんだって。
ちゃんときーでっと:ちゃんと聞いてるって。
りょこーにいったんだど:旅行に行ったんだって。
なんだど:なんだって?(何て言ってるって?)
注)茨城人は前項の言葉と意味をしっかり区別して使っているが、文字にすると識別できないものが多い。
〜ど
〜と
【助】 間投助詞。
清音形なら標準語にもある助詞。古くは『どう』とも言った。標準語では利用範囲が限られるが茨城弁ではかつてはオールマイティに使われていた。『しっかりと』『じっくりと』等。形容動詞や形容詞の連用形に付く。テレビの影響か、早い時期に無くなって行く。
特に形容動詞(状態を示す名詞)につく場合はかつてはほとんど付けて使われたが、標準語ではそのまま副詞的に使われ『と』は付かないことが多い。
広辞苑では形容動詞の定義が無く名詞として扱っているが、今では辞書の多くが副詞として定義している。
まっとゆっくりとしてげばいのに:もっとゆっくりして行けばいいのに。。
よぐと〜:良く。
わるぐと〜:悪く。
はいぐと〜:早く。
はいぐとがら〜:早くから。
おそぐと〜:遅く。
〜ど
〜と
【助】 接続助詞。
助動詞の『だ・た』の語法に似る。
やるど・やっと:遣ると。
〜ど 【助】〜ても 接続助詞。逆接の既定条件を示す。
〜ど
〜どー
〜と
〜とー
〜どぅ
〜どぅー
【助】〜ぞ、〜よ 終助詞。
自分の発言を強調する。茨城方言では、多くは濁音の『〜ど』を使い、『〜(している)ぞ』の表現で促音形に続く場合は清音形の『〜と』が使われる。動詞に付く場合は多く促音便を伴う。即音便の場合は清音のことことが多い。単独で古語表現すれば、『〜にてある』で現代語では『〜である』意味である。
『ぞ』は奈良時代には『そ』だったと言われる。現代語の『ぞ』に当たる言葉としての『と』は、上代からある東国方言と辞書に明記されている。同じ意味の茨城方言の『つぉ』『そ』に由来すると思われる。
茨城方言は、係りの語法を含め反語の『や』を現代に残す方言と言える。
ちなみの古語の『ど』は広辞苑に『:助詞(接続助詞) 活用語の已然形につく。(平安時代には歌や和文脈で多用され、室町時代には文語化した)@逆接の既定条件を示す。現実の事態を上の句に示し、相反する結果の下の句を導く。けれど。A下の句の現実の事態に対して相反する条件を仮定する。たとい…ても。…する場合でも。』とある。
この方言のうち『〜どぅ・〜どぅー』が特に気になる。さらに『〜どぅら・〜どぅらー』もある。広辞苑には『づ:「つ」の濁音。鎌倉時代まで舌尖有声破裂音〔du〕であったが、後に舌尖有声破裂摩擦音〔dzu〕となり、室町末期には「ず」〔zu〕と混同し始め、現在一般には「づ」「ず」の区別はない。』とある。すると、長野・山梨・静岡・愛知四県限定の助動詞〜ず、〜ずらに繋がる。『ずら』は広辞苑に『(助動詞「らむ」「〜うず」に接続した語「〜うずらむ」の省略された形) 推量・疑問の意を表す。〜だろう。』とある。『うず』は@予想、A推量・想像、B意志・決定の助動詞『むず』の変化したもの。茨城ではこのうちのB意志の意味を残しながら、鎌倉時代まで遡る発音が残ったと見られる。
『俚言』には『もさ:(中略)或は猛者の音なり。愚按坂東もさとは、今関東べえといふが如し。又もさは今、どさあといふが如し。とさあとは音のなまりたるを云なり。今も助語のもさといふ言をつけていふ也。何だもさ何たもさあなど云。』とあり、とさあはもともとはどさあであったことになる。
以下の事例は見かけ上は標準語の『よ』に置き換えられるが『よ』が変化した訳では無い。とりわけ『と』は九州に集中するが、これは促音化によって『ぞ』が変化したと見られる。ちなみに茨城には『つぉ』と言う言い方がある。
茨城では、〜ぞ〜ど、促音化した動詞に付く場合は、〜ぞ(〜そ)〜つぉ〜と と変化したと見られる。
〜そ:徳島・長崎。
〜そい:新潟。『ぞ』の古形『え』に詠嘆の終助詞『い、え』がついた『そい、そえ』。
〜せ:関西。
〜で:関西。
〜ど:宮城・群馬・東京武蔵村山・神奈川・山梨・三重・兵庫・宮崎・鹿児島。『いっちゃーど・かったりーど・しょっいど・そーにしるだーど』:神奈川。『おーとやど』:三重。:行くよ:山梨。茨城では『おーどだど』となる。『冷や汁も出来ちょっど』:宮崎。かえろど:帰るぞ:鹿児島。
〜どー:静岡。
〜どい:兵庫。『どや』が原型と見られる。
〜と:宮城・栃木・和歌山・大分・福岡・佐賀・長崎・宮崎・熊本・鹿児島。『流し飾りは見ごたえありすとー』(流し飾りは見応えがありますぞ):宮城。『席をとっとっと』(席を取っているぞ):福岡。『走り合いっこしよったとよ』(かけっこをしていたぞよ:かけっこをしていたよ):佐賀。『まじないがあっとですよ』(まじないがあるぞですよ:まじないがあるのですよ):鹿児島。よかと:いいよ。わるかと:悪いよ。
〜どー:山梨・静岡。
〜とぅー:和歌山。『なんにもなかっとぅー』。茨城には『〜どぅ』がある
〜とえ:愛媛。『え』は強調の終助詞。
〜とたい:熊本。現代語に無理に訳せば『〜ぞだよ』か。
やったど:やったぞ。
いったど:行ったぞ。
かまねどやー:構わないよ。
やってっと:やってるぞ。
さぎにいってっと:先に行ってるじ。
りょこーにいったんだど:旅行に行ったんだぞ。
ど〜
どん〜
【接頭】 『ど』は、辞書には『@(近世以来、関西で)ののしり卑しめる意を表す。Aその程度が強いことを表す。』(広辞苑)とある。形容詞や名詞につけてののしる意味を強調する。標準語にもあるが茨城弁では多用する。古くは『どう』(辞書掲載)で、『ど』に変わって行く。近世語。オールマイティ。『奴』の意味だろう、別の意味の『ど』(例えば図)が」あるので注意を要する。今で言えば『超』だろう。
どちっちぇー:超小さい。
どんでげー:どでかい。
どきん:超近眼。
〜ど
〜どー
〜と
〜とー
【接尾】〜する人、〜手 名詞や動詞に付いて『〜(する )人』の意味。古語に『旅人(たびと)』がある。
〜と:青森・秋田・佐賀・熊本。
たべと:行商人:青森・秋田。
うりと:売り手。
かいと:買い手。
かづ:担ぎ手。
きと・きとー:来る人。
くいとー:食べる人。
やりと:やり手。
よめのもらいともあんめ:嫁に貰う人もあるまい。
どーあい 引き分け 『同合い』と思われる。
どーあい 農閑期
どあお 真っ青
どあおい 【形】青すぎる、
どあが 真っ赤
どあがい 【形】赤すぎる、
(とあみ) 広辞苑に『とあみ【投網】:被網(カブセアミ)の一。円錐形で、上部に手綱、下部に沈子をつけたもの。手綱を手にし、水中に投げ広げ、網が水底に到達した後、徐々に手綱で引き寄せて網をすぼめ、魚を水中から引き揚げる。主に淡水魚または浅海魚を捕るのに用いる。うちあみ。とうあみ。なげあみ。』『とりあみ【鳥網】:木の枝などに張って鳥を捕える網。となみ。とあみ。』とある。
投網は漢語なのか和語なのか解らなくなるが、別に『唐網』があり、『唐網』『投網』と同じとされる。
とい
とーい
灯油 『集覧:無記載久』。かつては『桐油』のこと。
とーえ:静岡。
(とい) 鹿児島。
どい
どい
どえ
【指代】どれ どい:鹿児島。
どい
どーい
どえ
どーえ
どゆ
どーゆ
【複】どう言う 『如何故』の意味。『如何』は、現代では『どう』と読まれるが、『どう』自体が『ど故』に由来すると考えられる。関西でも『どーいこっちゃ』などと言う。
ちっとこせでみだんだっけどいなもんだっ。:ちょっと作ってみたんだけれどどんなものだろう。
どいこった・どーいこった?。:どういう事だい。
どーいだ〜・どーいた〜:どういった〜・どんな〜。
★『土』そんだ俺(お)ら嫁樣の衣物(きもの)どういんだか見てえもんだな。:そうだけど私は嫁様の着物がどんなものか見たいものだな。
〜どい
〜どえ
【助】@〜ぞ、A〜よ 『〜どや』。『ぞや、ぞい、ぞえ』。
@・〜ぞい:福島。
〜ぞえ:福島。
〜で:関西。
〜どい:兵庫。
(といあっけ) 【複】取り扱い 鹿児島。
どいがい
どいかい
どいげー
どいけー
【形】ものすごく大きい、でっかい 強調を示す『ど』に『いかい』がついた『どいかい』である。『でかい・でっかい』の語源とされる。
どえらい:静岡。
といがげる
といかげる
といかける
【動】問いかける 『集覧:久』。
集覧には『反問を放つ意』とある。『問う』には『罪を問いただす。詰問する。罪を負わせてせめる。』意味がある。
(といくん) 【動】取り込む 鹿児島。
(といけ・とえけ) 手桶 静岡。
(といけし) 取り消し 鹿児島。
(といざかな) 饗膳(キヨウゼン)で、吸物と共に先ず出す取肴。古くは、熨斗鮑(ノシアワビ)・昆布・勝栗の類。のちには、味を甘く煮た魚肉をきんとん・かまぼこ・卵焼・寄物などと盛り合せたもの。くちとり。くちとりもの。 鹿児島。
『取り肴』『口取』『口取肴』。
どいた
どいたー
どいたどいた
どいたどいたー
【慣】退いて! 時代劇でも聞かれる。相撲の『のこったのこった』と同じ語法。
といだ 戸板 広辞苑に『といた【戸板】:雨戸の板。特に、これをはずして人や物を載せて運んだりする場合にいう。』とある。
どいだ
どーいだ
どいた
どーいた
【複】どんな、どういった 茨城方言では、標準語の助詞『な』を『だ・た』と言うことが多い。『どんな』は更に訛って『どーだ、どーた』と言う。これは『如何にてある』の『にてある』を標準語では『なる』の流れを受け、茨城では『たる』の流れを残したと言える。
この言葉に限っては標準語との接点が見える。ところが『どういった、こういった、そういった』は広辞苑には無く『言う・云う・謂う:(まれに擬態語に付いて) そのような状態が目立つ。「ぬらりくらりと―・った態度」』のみ記載がある。これは動詞表現に捉われた解釈であり、『故たる、様たる』意味もあり得ると思われる。すなわち、『どの故たる、どの様たる』意味である。
茨城とはるかに離れた高知に全く同じ言葉があるのは、偶然ではなかろう。
ちなみに、『如何(いか)』と『どう』にはかなりのギャップがある。現代国語辞典では、『どう』は『如何』と当てられるが、その中間形が無い。もしかすると、江戸時代に『如何』を『じょか』と呼んだのだろうか。
どーいた:高知。
どーいたら:どうしたら:高知。
どーいだしやんして
どーいたしやんして
【複】どういたしまして
(といたつっ) 【動】取り立てる 鹿児島。『取り立つる』。
どいづ 【代】誰、どれ、【固名】ドイツ 濁音化。
どいづ:宮城。
どいづにいったなどごのどいづだ。よーろっのどいづだよ。んだねくてーだーれいったんだがきーでんだどー。あー、ほらおれだよ。:ドイツに行ったのはどこのどいつだ?。−ヨーロッパのドイツだよ。−そうじゃなくて誰が行ったのか聞いているんだよ。−ああ、それは僕だよ。
(といつっ) 取次ぎ 鹿児島。
〜どいで
〜といて
【助】〜しておいて、〜といて おーれがせっかぐやっどいだのにおっちゃぶしたのはだーれなんだっ。:僕がせっかくやっておいたのに壊したのは誰だろう。
どーいで 【副】@道理で、Aどうして A・どーいて:高知。
どいな
どーいな
【複】どんな、どういうような 古い言葉に『其のいな』(そのような)がある。このことから『どのいな』もあったと考えられる。『い』は『様』なのか『故』『謂』『由』なのか不明。
この言葉は格助詞の無い形と考えられる。
どいな:宮城。
どないな:関西。
どいに
どーいに
【複】どういうように 関西には『どないに』が残る。
どいなぐ:宮城。
どいの
どーいの
【複】どういうもの(人)
(といひっ) 取引 鹿児島。
どいふ
どーいーふ
どーいーふー
【複】どういうふう(に、な) どいふだ?:どんな感じ?。
どいも 【複】どれも どいも:鹿児島。
どいもけん:鹿児島。
◇といや 問屋 古い標準語。訛って『とんや』になる。『聞書』によれば『とんや』は江戸言葉である。
どいよ
どーいーよ
どーいーよー
【複】どういうふう(に、な) どいよにやったらいーんだがわがんね。:どういう風にしたらいいのか解らない。
どいよになったってもおらしんねー:どういうようになっても俺は知らない。
どーいら
どーえら
どのあたり、どこいら
といらい
とえらい
【形】@非常にえらい。また、たいそう大きい。Aひどい。とんでもない。 『集覧:猿』。
『ど偉い』。
茨城らしい清音化とイとエの混乱。茨城方言集覧では『いらいと言ふこと』とある。
どえらい:神奈川・静岡。
どえれー:神奈川。
(といれっとー) トイレットペーパーなる言葉ができたのはいつ頃だったろう。オイルショックの時はすでに使っていたので、昭和40年代後半だったような気がする。当時は浄化槽が普及しいわゆる『ぽっとん便所』が駆逐された時代だった。紙が水に溶けることが不思議でならなかった。
当時は紙が高価だったのか節約していたのか解からないが、もっぱら新聞紙や週刊誌を用いた。トイレの『落とし紙(おどしみ)』(落し紙)もそれらを使っていた。
『落し紙』の語源は定かではないが、当時の便所は巨大な甕を地面に埋めたものだったから、状態によってはによっては、排便の際『お釣り』が来たから前もって紙を撒いてから行為に至った。。
新聞紙を丁度良い大きさに切る仕事はだいたい子供の仕事だった。つるつるの広告紙(今で言えばちらし)は誰もが敬遠するので下の方に溜まる。稀に補給するのを怠るとつるつるの広告紙だけが残ることがある。その場合は十分に揉んでくしゃくしゃにして使った。いわゆる『しぼ』の入った鼻紙は40年代後半になってやっと使うようになった。
どーいんだ
どーいんでー
どーゆんだ
どーゆーんだ
どーゆんでー
どーゆーんでー
【複】@どう言うんだ?、Aどんな物(者)だ?  どうゆーでー:どうしたの・どういうことだ・なんで・なにがあった:長野。
(とうー) 【感】相手がしてる事を止めるとき言う言葉 沖縄。
(どぅー) 沖縄。
〜どぅ 【助】@〜ぞ、A〜だそうだ 『〜ど』と同じ。当時流行ったフランスの女性歌手が歌った歌の歌詞に『せーちいせいどぅ』(茨城弁では背が小さいぞの意味)というのがあった。英語のDoに近い発音。
@★んだどぅー:そうだよ。
A・〜ず:青森。
〜とぅ
〜とぅー
【複】〜ちゅう、〜つう、〜という、〜ていう フーテンの寅さんが時々口にする言葉。『〜ていう』が訛ったと考えられる。
ところが広辞苑に『とう・とふ』((「と言ふ」の約) 「ちふ」「てふ」と同じ意。万五「さよひめが領巾(ヒレ)振りき―君まつら山」)がある。何と万葉の時代からある言葉の流れだった。
『〜にていふ』と言う言葉は、『〜て言う』『〜と言う』を介して、明治以降『〜ていう』『〜とぅいう』を介して『〜ちゅう』という俗語を生んだと言える。それから、『〜つう』が生まれたのは間違いない。『何だと言って居るんだ』が『なんだっつんだ』に変化し、茨城的な『なんだっちんだ』になっても何ら不思議はない。
逆に、茨城方言の感覚は、極めて自然なもので、関東方言の感覚を素直に受け継いでいると考えられる。
うっせーとぅいってんだよ、うっせーとぅってんだよ、うっせーっちゅってんだよ、うっせーっちってんだよ:うるさいと言ってんだよ。
〜どぅいー
〜どぅえー
【助】〜ぞ 『〜どや』がさらに訛ったもの。古い言葉の『〜ぞや・〜ぞい・〜ぞえ』にあたる。
〜どぅーが 【複】〜どうか ゆったがどぅーがしんね:言ったかどうかうか知らない。
(どぅかってぃー) 自分勝手 沖縄。
(東西対立語) 東西対立語とは、言い換えれば本州方言が大きく東西に分かれる場合の代表的な言葉を指す。
西国方言は東国方言に比べ古語の影響を多く残すが、現代の西国方言は古語を母体として独自に進化したと考えられる。東国方言は古語の影響を受けながらもともとあった東国語の影響を受け西国とは別の進化をしたと考えられる。、
茨城方言は基本的に東日本方言に属するがまれに西日本方言と一致することがある。以下は代表語だけを示す。また、古語や古語に由来するもの俗語も方言として取り扱った。
一方、一般に東西対立語とされる言葉の一部には、東北と九州に共通の方言があり、そのような言葉が存続する背景には、もともと古代には共通の日本語があり、その後時代と共に変化した可能性をうかがわせる。
標準語 東日本 西日本 茨城
明るい あかるい あかい あがるい
幾ら いくら なんぼ いぐら
なんぼ
居る いる おる いる
おる(尊敬語)
うろこ こけ
こけら
うろこ うろご
こげ
こげら
有難う ありがとう おおきに あん
おーぎに
恐ろしい おっかない おとろしい おっかね
おっとろしー
おととい おととい おとつい おどづい
おどどい
おどどぅい
薬指 くすりゆび
古語:ななしのおよび
べにさしゆび
べにつけゆび
くすりいび
形容詞の連用形のウ音便 あこう:赤く
かるう:軽く
しろう:白く
あがぐ
かるぐ
しろぐ
塩辛い 塩辛い
しょっぱい
辛い しょっ
断定の助動詞(〜だ) 〜だ 〜じゃ
〜や
〜だ
〜ちゃ
〜(し)ている 〜でいる
〜ている
〜でる
〜てる
〜とる 〜でる
動詞のウ音便 買った こうた かっだ
中指 なかゆび たかたかゆび
なかたかゆび
ながいび
茄子 ナス ナスビ ナス
否定の助動詞 〜ない
〜ぬ

〜ねー
〜せん
〜へん

〜ん
〜ね
〜ねー
命令の助動詞(〜ろ、〜よ) 〜ろ
〜よ
〜や
〜よ
〜ろ
〜ろい
〜ろや

〜ろよ
やおら やおら よーら やおら
よーら

国語調査委員会が明治39年(1906年)に発表した『口語法調査報告書』には、以下の表がある。東部・西部は、中央構造線を境にした東日本・西日本の意味である。茨城の欄は当サイトで加えたものである。
東部 西部 茨城
受けよう 受けう うげよう
うげべ
うげっ
うげっへ
来よう・きよう 来う きよう
きべ
きっ
きっへ
くべ
くっ
くっへ
くるべ
くんべ

こよう
為よう せう しべ
しっ

しっへ
しんべ

しよう
すべ
すっ

すっへ
するべ
すんべ
行かない 行かぬ ない

ねー

注)『が』は濁音・鼻濁音。
行かなかった 行かなんだ ながった
注)『が』は濁音・鼻濁音。『〜なんだ』は江戸では使われていた。
行かないで 行かいで ないで
ねで
ねーで

注)『が』は濁音・鼻濁音。
行かなければ 行かねば なぐば
なぐれ
なぐれば
なげ
なげば
なげれ
なげれば
ねげ
ねげば
ねげれ
ねげれ
ねっけ
ねっけれ

注)『が』は濁音・鼻濁音。
見ろ 見よ、みい
みー
みろ
花だ 花ぢゃ、花や はなだ
拂った 拂うた はらった
読ました 読ませた よました
よませだ
寒く 寒う さむぐ
注)『おさむーござんす』等では『寒う』を使う事がある。
(どぅし) 友達、同士 沖縄。
(とぅじ) 沖縄。
『どうして』『なぜ・なんで』 【複】疑問詞 茨城では、『なんで』がかつて全盛であった。
何故か『どうして』は使われなかった。
どぅーした 【慣】どうした
(とぅすい) 年寄り 沖縄。
どぅーだ 【慣】どうだ、どうだい
(とぅち) 時、時間 沖縄。
(とぅーたんやー) トタン屋根の家 沖縄。
(どぅーちゅいむにー・どぅーちゅーむにー) 独り言 沖縄。
〜とぅったって 【接】〜と言ったって 『つったって』
(どぅぬやー) 自宅 沖縄。
(とぅびーらー) ゴキブリ 沖縄。
(東北方言の特徴) 東北方言の特徴は概ね茨城方言の特徴と一致する。ただし、以下の点が異なる。
@単音化。
単音化の傾向は茨城にもあるが、東北では著しい。特に青森で顕著である。
A上方の影響が著しい助動詞・助詞表現
東北方言のうち特に上方の影響が著しい青森・秋田・山形では、茨城にはあまりない上方の助動詞・助詞表現がある。
Bサ行音がハ行音に変化する。
サ行音がハ行音に変化する。特に『せ』は『へ』に変化する。特に青森で著しい。これも上方方言に近い。
Cイ段音がウ段音に変化する傾向がある
イ段音がウ段音に変化する傾向がある。特に『し』が『す』に『じ』が『ず』に『ち』が『つ』変化する傾向がある。茨城でもわずかにその傾向があるが、特に青森で著しい。これらは日本語の口蓋化した言葉が、口蓋化しない音に収束しているものであり必然性の高いものとも言える。これは発音する側だけではなく聞く側にとっても同様である。『き』が『ち』に変化するのも同様の原理と言われ、東北方言と琉球方言にも見られ、茨城の一部の方言にもある現象である。
具体的には、東北方言の『し』は英語発音の『si』すなわち『すぃ』、『じ』は『zi』、『ち』は『ti』に近いため、標準語発音の仮名で表現する場合は、どうしても異なった文字で表さないと表現できないことに由来する。厳密には、日本語の仮名では表現できないものなのであるが、これは、特に東北方言に著しい傾向がある。『き』が『ち』聞こえるのも同様の理由とされる。ちなみに茨城のタクシー運転手の『六十キロ』は標準語話者には『ろぐじっちろ』に聞こえると言われる。
Dラ行音を嫌う。
動詞の活用部のラ行音は、茨城でも嫌われ、九州等にも同じ傾向があるが、東北でもその傾向があり、特に青森では著しい。
E『〜めかす、〜めく・〜める』。
動詞表現のうち『〜めかす、〜めく・〜める』の表現が著しい。また、『〜ふ・〜う』が『〜る』となることが多い。これは、現代の標準語が形成される過程を残しているとも言えよう。
F東北方言に影響した茨城方言。
東北方言は、方言学者の分類では、大きく二つに分けられ、青森・秋田・山形方言と、岩手・宮城・福島方言に分類されているが、個別の言葉には僅かな差こそあっても東西の識別は見当たらず、助詞・助動詞表現を中心に分けられたと考えられる。
さらに興味深いのは、江戸初期に国替えになった佐竹氏の存在である。佐竹氏は、平安期から常陸北部をまとめた権力者で、戦国時代にようやく常陸国を制定したが、関が原の戦いで東西郡に対する所属の意志が曖昧だったことから、江戸幕府成立後、厳封国替えされ秋田藩の外様大名となった。今でも佐竹氏は秋田・茨城の双方からかつての殿様と認識され、このような事例は極めて稀とされる。当然であるが、もとからあった秋田方言が全て佐竹氏が属した常陸方言に塗り替えられたとは言いがたいが、その後の秋田方言の成立に茨城方言が大きく影響したのは間違いないと思われる。もし、秋田方言と茨城方言を一対一で比較検証したら極めて興味深い結論がでるであろう。
(どぅーまんぎる) 【動】びっくりする 沖縄。
〜どぅや
〜どぅやー
【助】〜ぞ やや古い標準語の『ぞや』の転。
えったどぅや:行ったぞ。
〜どぅら
〜どぅらー
@〜(し)たよ、A〜(し)たよ俺は @『ぞ』に詠嘆の助動詞『らむ』が付いたものか。
〜だら:八丈島。
〜どぅらー:沖縄。
A本来は@の意味であったものが、誤解して使われていると考えられる。
やったのが?やったどぅらー?:終わったの?−終わったよ俺は!。
(とぅんたっちー) 中腰 沖縄。
とーえ 【形】遠い とあか:鹿児島。
とえ:鹿児島。
とーえ:岐阜。
とえー:神奈川。
(とーえ) 灯油 静岡。
どえれー 【形】@非常にえらい。また、たいそう大きい。Aひどい。とんでもない。 A・どえれー:神奈川。
でーれー:岡山。
どえりゃー・どえれぁー:愛知。
どれぁー:岡山。
〜どおら
〜どおらー
【複】@〜(し)たよ、A〜(し)たよ俺は 『お』が略されて聞こえる事もある。
@『ぞ』に詠嘆の助動詞『らむ』が付いたものか。
A本来は@の意味であったものが、誤解して使われていると考えられる。
やったどおらー・やったどらー:俺は遣ったよ。
〜どおめ
〜どおめー
【複】〜(した)ぞ 『おめ』は『お前』の意味。標準語に適当な表現が見つからない。『お』が略されて聞こえる事もある。
ゆったどおめー・ゆったどめー:遣ったよ。
やや古い標準語。『咎、科』。今や日常生活では使われない。当時の土浦では、『所為(せい)』と同じ頻度で使われた。
:青森。
ひとのとにしんだねー:人のせいにするんじゃない。
とーが
とーか
@狐、A白狐 『集覧:北』。
『稲荷』の音読み。
広辞苑・大辞林には無い。広辞林には掲載され、『@とうか(稲荷):稲荷の神。Aキツネの異称。』とある。現代日常語ではこのような差異が現れることは無いが、古い文献の取り扱いに対する考え方の違いなのであろう。
『称呼』には『きつね:関西にて昼はきつね、夜はよるのとのと呼ふ。西国にてはよるのひとといふ。又関西にてはすべてけつねとよぶ也。又歌にはきつとも詠し。「詩経」にはくつねと訓たり。又東国にてはは昼はきつね、夜はとうかと呼。常陸の国にては白狐をとうかといふ。是は世俗きつねを稲荷の神使なりといふ。故に稲荷の二字を音にとなへてとうかと称するなるべし。』とある。
『俚言』には『たうか』が記載されている。
@清音なら標準語。
とが:千葉。
とーが:千葉。
とーか:千葉。
とー 唐鍬 とー:神奈川。
どーが @どこか、Aどうか
(とーか・とわか) 【形】遠い 鹿児島。
〜どが 【助】@〜(したん)だって、A〜とか @広辞苑に『(格助詞「と」に副助詞「か」の付いたもの。多く、「言う」「聞く」などを伴う) 内容が不確かである意を表す。「うまくいった―いうことだ」「結婚した―」』とある。
〜どが:岩手。
いったどが:行ったんだって:岩手。
りょこーにいったんだどが?:旅行に行ったんだって?。
A例示する意味。
〜どがい
〜とがい
【助】@〜(し)ておくよ、A〜(する)んだって? @は『〜とぐあ・〜とぐわ』より強い意志が入る。『〜とぐわい・〜とぐわや』の転。
おれやっとがい。:俺がやっておくよ。A『〜(する)とかや、〜(する)とかい』の意味。
おめやっとがい?。:お前がやるんだって?。
がす
かす
【動】尖らす、尖らせる
がる
かる
【動】尖っている
とかき
とがぎぼ
とかきぼー
升に盛った穀類を、升の縁なみに平らにならす短い棒。ますかき。かいならし。 『斗掻・概(とかき)』。
とかきぼー 戸締りに用いる棒、突っ支い棒 『集覧:久』。
『戸支い棒』の意味。

【動】尖らす、尖らせる
げる
◆▲ける
【動】尖らす、尖らせる 『集覧:鹿』。
どがこが
どーがこが
どーがこーが
【副】何とか、かろうじて、どうこう、どうにかこうにか 『俗語』によれば『兎角:とかう・とうかう・どうかこうか・どうもこうも』とあり、『どうかこうか』がありその流れの言葉であることが解る。
どがこが:青森。
どーがこーが:秋田。
どがこがすっと
どーがこがすっと
どーがこーがすっと
【副】ややもすると、どうこうすると
(とかさ・とけさ) 鶏冠 静岡。
どがしたが
どーがしたが
どーがしたげ
どーがしたのが
どがしたのげ
【複】どうかしたの?、どうかしたのかい?
とがす 【動】溶かす、(髪の毛を)解かす
(とかす) 【動】倒れる 鹿児島。
どがす
とがす
どかす
【動】退かす 濁音化。比較的新しい言い回し。『いしゃらす・いしゃらがす』の方が古い。
どがされ
どがっしゃい
どかっしゃい
どがっしゃれ
どかっしゃれ
【慣】退きなさい 『集覧:西』。
広辞苑には『:助動詞「しゃる」の命令形「しゃれ」「しゃい」に、次に「せえ」に、さらに「し」と転化したもの。四段活用の動詞の未然形に促音「つ」の伴った形に接続する。「しゃる」の表した尊敬の意はなくなり、ほぼ対等の相手への命令を表す。いろは文庫「さあさあ七助、咄しは置いてもう一盃呑まつし」』とある。
どぐされ・どさばれ・どぶされ:寝ろ:神奈川。
(とーかち)

米寿、八十八歳の祝い

沖縄。
どがっと 【副】@重いものが落ちる様、どかっと、A沢山の様、どっさり、B重々しく座る様、とっかり 『どかっと』。
どがどが 【形動】どかどか どがどが:山形。
【形動】尖った様
(とな) 【形動】可憐な様 長野。
どーがな
どーがに
【副】どうにか 本来は『どうか』で格助詞がついたもの。
どーかな:福島。
どー
どーかね
ブランコ 『集覧:稲』。
『鞦韆』(ぶらんこ)。
とかまいる
□△とかまえる
【動】捕まえる 『集覧:真』。
『取っ捕まえる』が訛ったか。
とかまえる:福島・栃木。
とくまえる:福島・徳島・長崎。
とこまえる:高知・大分。
とがまる
かまる
【動】捕まる まる:栃木。
とがむ 【動】掴む 『集覧:西』。
【動】@怪我する、A傷つく、B膿む、C痛む 『咎む(とがむ)』。辞書によっては古語扱いしているものがある。
とがめる 【動】捕まえる
・とめる 【動】@怪我する、A傷つく、B膿む、C痛む 『咎める(とがめる)』には『傷等を刺激して、さらに悪くなる。痛む。』意味がある。
辞書によっては古語扱いしているものがある。
現代では『気が咎める。』に残る。
B・める:埼玉・東京多摩。
★『土』此(こ)の肉刺(まめ)はとめめえか。:このまめは膿まないだろうか。
とーかめ キツネ 『稲荷』の音読み+接尾語『め』。
らし

とん
口を尖らすこと、不満顔 つの:長野・山口。
つのっくち:群馬。
とがりぐち:群馬。
らがす 【動】尖らす、尖らかす
・とらがる 【動】尖っている
らげる 【動】尖らせる
(とらくち) おしゃべり 神奈川。
◆●らし トウガラシ 方言地図によれば、偏りはあるものの全国にある。関東では、茨城・栃木・群馬・千葉にある。
らしとんぼ 赤とんぼ 唐辛子は別名『南蛮』と言うことから北部では『なんばんとんぼ』と言う。
どがーり 【副】@重いものが落ちる様、どかっと、A沢山の様、どっさり、B重々しく座る様、とっかり @『どかっと』・『どかり』。
わりー 【形】程度が良く無い、遣りすぎの様 『度が悪い』意味。
どがん @【擬音】どかん(爆発音)、A果物を荒らす鳥を脅かす装置、B土管、ヒューム管
どがんと
どかんと
【副】@重いものが落ちる様、どかっと、A▲沢山の様、どっさり、B重々しく座る様、とっかり 『集覧:新』。
どーんぼ ブランコ 石岡市・筑波郡の方言。
どーんぼー
とーんぼー
@ツチカブリ、Aシバシメジ、Bツキヨタケ 『どーがん』は『道観』(どうかん:仏教の道の種類)に由来すると思われ、転じて僧を示し、幼形が僧に似ているため例えたのではないかと考えられる。
B一説に『どうがん坊』という人がツキヨタケを食べて死んだからと言う。
とーかんや 10月10日を言う。 広辞苑に『とおかんや【十日夜】:一○月一○日の夜。東日本で、この日、刈入れが終って田の神が山へ帰るとして祭る。西日本の亥子(イノコ)とともに重要な農村行事。』とある。
だいこんのとしとり:群馬。
とうかんや:(10月10日に中に里芋の茎を入れてわらずとを作り、子供たちはそれであちこちの地面を叩いて「とーかんやのぼーたもち、なまでもいいからもってこい」と叫んで回る。家では夕方ぼたもちを作って食べる。「もぐら打ち」と言う地方もある。
とげ :青森・秋田。
とん:秋田。
通夜 静岡。
広辞苑に『とぎ【伽】:@相手をつとめること。つれづれをなぐさめること。A夜のつれづれなどに、そばにいて話の相手をすること。また、その人。B寝所に侍ること。また、その人。C看病すること。また、その人。D伽衆の略。』とあり、『よとぎ【夜伽】』の略と思われる。
とぎ @時、A行為の経験 @・とぎ:青森。
・とき:群馬。
そんとぎやどーしたんだ:その時どうしたの?。
A・とき:群馬。
どー 上着と襦袢との間に着る綿入れの防寒用の衣服 『胴着・胴衣』。関東語であるが、沖縄その他に『どーぶく』があるから、防寒具としての『胴に着る服』の意味が東西に分かれたのであろう。
どー:袖無しで綿入れの防寒着・半袖の綿入れで腰までの長さの防寒着・漁にでるときに着る綿入れの着物:神奈川。
どっちゃ:漁にでるときに着る綿入れの着物:神奈川。
どーぶぐ:岩手・山形。『胴服』。
どーぶく:岩手・山形・宮城・富山・岐阜・福井・滋賀・三重・兵庫・鳥取・広島・高知・沖縄。『胴服』。羽織を言う。綿入れか入れか否かの差がある。
どんぶく:宮城・京都。『胴服』。
どんぼく:袖無し羽織:京都。・兵庫。
ろーぶく:大分。
(とーき) 当分 静岡。『当期』か。
とぎあい
ときあい
頃合、時折、場合 『時合い』の意味。『頃合』とほぼ同じ意味。
ときあいに:時々に・たまに:静岡。
ときえーてに:山梨。
とぎあいとぎあい
ときあいときあい
【形動】ケースバイケース、その時その時
〜(した)どぎある
〜(した)とぎある
〜(した)ときある
【助】〜(した)ことある この『時』は、過去に行なった幅のある時間のイメージで、概ね経験とか時期のの意味である。『頃合』とほぼ同じ意味。東北方言共通。
これは、一見方言に思われるが、格助詞『が』をつければ、『一度だけ行った時がある』等のように、文法上も問題は無い。近年は、多く『事』が使われるが、時期を意味する和語そのもので、言い換えれば、時間とその行為を示す微妙なニュアンスを示す言葉でもある。
〜どぎある:岩手。
〜ときある:群馬。
おめそったごどしたどぎあっか:お前はそんなことをしたことあるかい。
とぎおそし 【複】手遅れである 『時遅し』。かつては日常語として使われた言葉。
(とす) 痩せた人 静岡。
とぎす
とぎすでがら
【複】時間が経って、時間が経ってから 『時過ぎて』。
日本語はかつては漢文がそうであったように無くても意味が通じる助詞は省かれた。と言うより助詞が未発達であったとも言える。現代では助詞を省くことは日常語寄りとされ、文語やビジネス世界では省くことはできなくなった。
とぎす:山形。
とぎだま
とぎたま
【副】ときたま、時々
とぎたら
ときたら
【副】ときたま、時々 『時とやら』。
どぎづぐ
どぎつく
【動】びくびくする、びくつく
どぎつくまなご @きょろきょろする目、A驚いた時の目
とぎでもねー
ときでもねー
【副】時期外れ、とき外れ とぎでもねーころになにやってんだ:時期外れになにやってんだい。
@とげ、A尖った様 だらげ:刺だらけ。
とぎどぎ
ときとき
@その時その時、その季節その季節、A時々 @の意味は現代標準語では殆ど使われない。
とーぎとーぎ:山形。
A『とーぎどぎ・とーぎどーぎ』などとも言う。
とぎに 【副】まれに、時には、【接】ところで 濁音化
とぎはずれ 時期はずれ
△とーきび トウモロコシ 標準語。
とうきび:福島・新潟・石川・兵庫。

まき
【副】うろたえる様、あたふた 『集覧:行』。

▲●とー
◎とーきみ
とー
トウモロコシ 『集覧:久・多・水』。
東関東から東北南部に分布する。『黍・稷』(きび)は古くは、『きみ』と発音した。万葉集にもある。『とうきみ』の意味。
ただし『トウキビ』はトウモロコシの別称だが、『モロコシ・コウリャン』の別称でもある。『俚言』には『とうもろこしとうきび(東国)、とうきみ(筑前・加賀)、なんばんきび(奥州)。』とある。
さらに『とうきび(京):もろこしきび(東国)、たかきび(四国)、たちきび(津軽)、こきび(肥前)、ほきび(加賀)、きみ(中国)、きび(越後)』とあるがこれは『モロコシ』のことである。
:山形。
とーきび:静岡。
とー:山形・宮城・福島。
とーぎみ:八丈島。
ときゃぐ いつも来る客 『渡客』。
ときゃく:静岡。
(ときゃーねー) 【形】だらしない 神奈川。
どぎょ
どぎょー
度胸
とぎよ 時世 やや古い標準語の濁音化。
◎とー チョウセンブナ 『闘魚』。
とーぎょ
とーきょ
東京 おーどどいのにぢよーびにー、とーぎょのういのどーぶづいんにえっできたどー。んでよー、さるやまんどごにえったらよ、さるめらきーきーうっさくておめはー。いさやんなってかいであんだけんとー、たーまたまー、いっがいみがんもっでだがらー、ぶんなでやったらよーろごぶよりはいぐぶっとりあいのけぃんかやってんだわ。
とーぎょかじだ
とーきょーかじだ
【複】尻(の穴)が痒い 尻は『いど・おいど』とも言う。『いど・おいど』は茨城では『江戸・お江戸』と同じ発音になるから、自然に江戸に例えたものが、東京に変わったものと見られる。これは、茨城でも古くは『いど・おいど』を使っていた証になるかも知れない。痒い事を火事に例えたのか、別の理由があるかは不明である。あるいは、かつて『痒い』を『かじー』と言っていた可能性を思わせる。
茨城では『痒い』を『かりー』とも言う一方、ラ行音がダ行音に変わる傾向があるからである。すなわち、田舎言葉の『御居処が痒いだ。』が、『御居処がかじーだ。』と表現され『お江戸が火事だ。』即ち『東京が火事だ。』に変化した可能性を思わせる。
どーきょーさま 男根を表す石棒
どぎょだめし
どぎょーだめし
度胸試し どぎょーだめす:宮城。
(どきょっいー) 【複】度胸が良い 神奈川。
どぎょなし
どぎょーなし
臆病者 どきゃーねー::神奈川。
どぎょーなす:宮城。
どぎょーぶんぬぐ
どぎょーぶんぬげる
【複】驚く 『きもったまぶんぬぐ・きもったまぶんぬげる』
とぎより 時折
【動】削る 広域の訛。『研ぎ切る』意味か。
いんづとったが。:エンピツ削ったか。
どきーろ 【形】黄色そのもの
ときわろのくに 常世の国 『国誌』では別に『常磐国』としている。『常磐』とは『とこいはの約。@永久不変なこと。A松・杉など、木の葉の常に緑色で色をかえないこと。』の意味。『ろ』は広辞苑に『接尾:名詞につけて口調を整え、また、親愛の意を表す。上代東国方言に多い。』とある。
『民俗』では『ときはろのくに』としている。
(どーきん) 雑巾 静岡。
とぎんとぎん 【形動】尖った様
〜どぐ
〜とぐ
【助】〜しておく
どぐ どぐ:青森。
からだにどぐだど:体に良くないよ。
(どく) 鹿児島。
(とく) 豆腐 鹿児島。
とぐ 【動】髪の毛を整える 濁音化。『解く』。
【動】エンピツを削る、尖らす 『研ぐ・磨ぐ』意味。
いんづと:鉛筆削り。
どぐ 【動】退く 濁音化。
新しい言い回し。当時は『のぐ』(退く)『いしゃる』が主流だった。
〜とぐあ 【助】〜しておくよ 『〜(し)ておくわ』が転じたもの。
とー 唐鍬
どぐいぢ
どくいち
どくくさ
ヘビイチゴの別称 実際食べて試したことがある。毒は無い。
とぐい
とぐえ
得意
馬の細引きもしくは馬の手綱に用いる麻の綱
(どされ) @【複】寝ろ、A【感】罵倒語 神奈川。=『どさばれ・どぶされ』
(どくすっーに) 【複】ろくすっぽう 鹿児島。
とくせ 利益、得 真壁郡。
とくせー:沢山・豊か:群馬。『息災』が訛ったか。
とくせ 悪い癖、障り 『毒の精』の意味か。

どくそ
糞を卑しめて言う言葉。
どくそ:埼玉。
どー
どん:埼玉。
家の入り口 『戸口』。
:神奈川。
とで:神奈川。
とぐっと
とぐと
とくと
【副】よくよく。念を入れて。つらつら。とっくりと。じっくりと。 『篤と』。
標準語では前向きな意味だが、茨城では『よくよく、全く、ほとほと』の意味で否定的な意味で使う事もある。
とくと:全く:宮城。 
どぐどぐ 【副】液体が溢れ出す様 『どくどく』。
とぐとぐ
とくとく
【副】よくよく 『篤篤』あるいは『篤と』の意味か。
とくとく:秋田。
とぐとぐやだ:全く嫌だ。
(どくな) 【複】真面目な 鹿児島。『碌な』。
どーみせ 嫁入り道具の披露
(どーや) 古物商 東京。
広辞苑には『どう【道具屋】:@古道具類を商う店。また、その人。A道具屋節の略。上方浄瑠璃の一派。大坂の道具屋吉左衛門が語り出し、寛文・延宝(16611681)頃を盛りとする。播磨節を多く襲用したという。』とある。
茨城では、当時『ふるどうや』と言った。
どぐもみ 川魚漁の一種、辛皮(カラカワ)流しの別称 『毒揉み』。
調合した毒を川に流し魚が浮き上がってきたところを捕まえる。広辞苑には『辛皮流し:谷川などに、山椒の皮汁を流して魚をとる漁法。ねながし。なめうち。毒揉み。』とある。
(どくらかす) 【動】殴る 神奈川。
(どーれ) かたまり 静岡。『土塊』を誤読したと考えられる。
ろい 【形】真っ黒、どす黒い ろい:山形。
ろかぐ 【複】その場所に腰を落ち着けてなかなか動こうとしないさま、とぐろを巻く とぐろを『繋く・構く』。
どろかく:くだを巻く・不平を言う・からむ:長野。
ろまぐ 【複】その場所に腰を落ち着けてなかなか動こうとしないさま、とぐろを巻く 『塒を巻く(とぐろをまく)』。
〜とぐわ 【助】〜しておくよ 『〜しておくわ』が転じたもの。
とげ
とげー
時計 とき:鹿児島。
とげ:青森。
魚の骨 標準語。
いぎ:広島・山口。
:近畿。
いぎぼたん:バラの花:島根・山口。
いげ:刺・いばら・ばら:九州。
いげぼたん:バラ:九州。
以上はすべて『毬(いが)』に通ずる。
(とーけ) 手桶 静岡。
どげ
どーげ
【複】どうですか 『どうかや、どうかい、どうかえ』。
どけ 【複】退け 『集覧:久』。
明治期には、『のけ』が使われ『どけ』は、当時の新語または俗語だった可能性がある。
どげ 【動】どきなさい 命令形。標準語の影響を受けた新しい言い回し。本来は『いしゃれ』
【連用】どのよう、どう 現代語の格助詞『の』は古くは、『が』『な』が使われた。下記事例を見る限り、近畿地域では『な』が趨勢を示し、中国・四国以西で『が』が使われている。調べると、『が』の方が古く、『な』は助動詞『なり』から生まれたようである。
『何が様』(どがよう)あるいは『何気』の意味。
これによれば、上代は『が』で、全国に流布したが、その後、近畿地方では『な』に変化し、その周辺域に『が』が残ったと見られる。
どが:島根。『どがなかいね』(どうだかいね:どうだね)。
どがしこ:どれだけ:佐賀。
どがん:どのように:佐賀・熊本。
どがんしゅーでんなか:どうしようもない:佐賀。
どぎゃー:広島。
どぎゃん:どのように:佐賀・熊本。
どげ:鳥取・島根・福岡・大分・宮崎。
どげー:鳥取・大分。
どげん:どのように:宮崎。
どない:関西。『何な様、何な故』。
注)中国・四国九州は鼻濁音がない。
〜どげ
〜ど
〜と
【助動】〜(し))ておけ、〜(し)とけ 『〜(し)ておけ』の転。
やんねどげよ。:やらないでおいてよ。
かまねどよ。:お構いなく(構わないでください)。
どげ
どげー
【複】どこへ 逆行同化。
どけ:鹿児島。
どけー:群馬・東京・神奈川・山梨。江戸言葉。
どけーにも:どこにも・どんなことをしても:神奈川。
〜どげ
〜どげー
〜とげ
〜とげー
〜とけ
〜とけー
【複】〜(の)ところへ、〜(の)とこへ 逆行同化。格助詞が隠れてしまっている。
〜とけー:静岡。
どーげ 竹製の漁具、うけ、うえ、うえやな、もじ 略して『どう』とも言う。『胴筌』の意味。
どげーが 【複】どこかに、どこかへ 『どこへか』。逆行同化。
どげす 【動】退かす 30年代後半の言葉。茨城弁には『どく』という言葉はなかったので『どかす』の影響だと思われる。『退き返す』意味か。


ーた

ーな
【連体】どのような 『何が様な』(どがような)あるいは『何気な』『何が故な』の意味か。
どないな:関西。
えな:山形。
どがん:佐賀・熊本。
どぎゃん:佐賀・熊本。
どげな:鳥取・鹿児島。
どげん:どんな・どのように:鹿児島。どげんこと:どんな事。
どないな:関西。
だづ
だつ
たつ
【動】@とげが立つ。Aいらだつ。かどだつ。とげとげしくなる。 『刺立つ』『刺が立つ』。
どげぢ
◎どけち
ものすごくけちな様
つきまなこ 肝を潰して眼をむき出した様 『集覧:無記載』。

ーに
【副】どのように 『何が様に』(どがように)あるいは『何気な』の意味。茨城では類似の言葉で文献にあるのは、ー・そーに・そーに』だけである。
どけーにも:どんなことをしても:神奈川。
どないに:関西。
どがん:佐賀・熊本。
どぎゃん:佐賀・熊本。
どんないに:静岡。
どんねーに:神奈川。
俗語。
:東京。
(どけーにも) 【複】どこにも 神奈川。
どげもん
どーげもん
おどけ者、ひょうき者 『道化者』。
どげーら
どげーらへん
【複】どの辺り 『どこいら』。逆行同化。
どけーら:東京武蔵村山・山梨。
どけーらへん:東京青梅。
どーけらへん:東京青梅。
どげらがす
どげらす
【動】退かす 『いしゃらがす』
どーげる 【動】おどける 古い標準語の『道化る』の濁音化。『戯ける(おどける)』は、『お道化る』に由来するとされる。
どげる 【動】退く、退かす 新しい言い方。=『いしゃらす』
どける:静岡。
とげる 【動】液体になる、どろどろになる、下痢をする 『溶ける』。
おめー、そーたにこーりみずなめったら、はらとげっちゃーど:あのさあ、そんなに冷たい水を飲んだら下痢しちゃうよ。
【動】尖らす 『との他動詞形。
(どげん) 【複】どのように 鹿児島。
どげんこと:ごんな事:鹿児島。
どげんゆー:どんな:鹿児島。
どげんある:どんな:鹿児島。
とご @苗床、Aベーゴマをする台 Aベーゴマをする台は、金属製のバケツまたは一斗升に帆布でできた男物の前掛けを被せて強く張った後、積荷用のロープできつく縛って作った。一斗五升笊は大きくて良いのだが、適当な布が見当たらず、もともと柔らかいのできつく締まらないため、初心者用だった。プロ仕様はやや小さくて完璧な張り具合になる一斗升である。ぴんと張った後手で少し抑えると理想的な『床』(とこ)に仕上がる。勿論勝負が長くなると少しずつ弛んで来て勝負がつきにくくなるので締め直す。僅かな弛みを維持することで、ベーゴマが載り易くなるだけでなく、勝負がつき易くなるのである。
とご タタミ 『畳床』の略。標準語では『@畳を敷いた床の間。A畳表を張る畳の芯(しん)。藁(わら)などを重ねて縫い締めて作る。』を指す。清音形なら福島・埼玉で使われる。
(どこ、どれどんな) 【代】 広辞苑に『どこ』は『何所・何処((イドコの約) 場所・所在・位置をはっきり定めずに表し、または問うのに使う語。』、『どれ』は『代(イヅレの転) いくつかのうちから、これと特定できない物または事を指す語。不定・疑問を表す。その素性・性質がはっきりしない時には「なに」を使う。また、人には「だれ」、時には「いつ」、場所には「どこ」、数量には「いくつ」「いくら」を使うのが、現代語の原則。@いずれ。どちら。Aどこ。Bだれ。C(あとに「でも」「より」などを伴う) 考えうる範囲内の任意の物または事。』とあるが、説明不足のような気がする。『どこ』は『いずこ』とも言う。
そこで『いずこ』と『いずれ』の共通語である『いず』は古語では『いづ』と書き、現代語の『何』に相当する。
どー
とー
@道具、A銅壺(どうこ)、Bおおきなブリキの筒、薫炭を作る時の煙突、C大きな桶 @梯子とは『橋渡すものの小さなもの』とも言えるが、そのような解説は辞書には無い。意味が解説されているだけで語源が解説されていないからである。『語源辞典』では『はし』は解説されているが、『ご』の解説が曖昧である。『ご』とは、toolを意味するのではないかと思われるが辞書には無い。
一方、逆行同化によって『道具を』が変化したとも考えられる。
どー:青森・神奈川・長野・山梨・静岡。
どん:長野・静岡。
A湯沸し用の金属製大型容器。
どーこ:18リットル入りの石油缶:山梨。
B・どーこ:ブリキ製の大きな箱・石油缶:埼玉。
C『称呼』には、江戸時代の常陸国で『とうと呼んだとある。『香取』にも掲載。
どご
どこ
とご
@所、場所、箇所、Aぐらい。ほど。分 清音なら標準語。
@現代では、『所(とこ)』は『所・処(ところ)』が短縮化されたとされている。しかし、上代東国語の『:【接尾】名詞につけて口調を整え、また、親愛の意を表す。上代東国方言に多い。万一四「かの子―と寝ずやなりなむ」「筑波嶺(ツクハネ)の嶺―に霞ゐ」』は無視できない。上方では確かに『ところ』だったのかもしれないが、『所・処(と)』も『処(こ)』も場所を示す古い言葉でもある。
そうなれば、『所・処(と)』と『処(こ)』が合わさって『とこ』が生まれ、接尾語の『ろ』がくっついたのではないか。
一方、接尾語『等(ら)』も無視できない。『等(ら)』は普通、複数を示す他に、物を曖昧に差す意味の他、上代東国方言の『ろ』と同じ『親愛の意を表す。ろ。』の意味がある。
『途』も議論に加えなければならない。行く道・行為のとある場所を示す言葉である。これには、もしかしたら時間軸の意味も入るのかもしれないが、もともとは、場所を表す和語であったのではないかと思われる。
結論を言えば、和語では、場所を示す言葉は、『所・処(と)』であり、『処(こ)』であったろう。それに複数を示す他に、物を曖昧に差し、親愛の意を表す『ら・ろ』となってもおかしくはない。
現代でも、『許多(そこら)』が使われる。古語では、『そこら:【名】@あまた。たくさん。ここら。A【副】甚だ。』。
あんだんどこさいくから:貴方のところへ行くから:宮城。
どご:東北。
とこ:静岡。
そごんどごなんとがなんめーが:そこんところを何とかならないだろうか。
今やってっとごだっな。:今やってるとこだよ。
A広辞苑には『ところ:(数量表現にガがついた形を受け) そのくらいの数量・分量・値段。「百文が―損した」』とある。現代では『一万円のところを八千円で』のように使われる。
せーんどごもらーべ:千円分貰おう。
(〜どご・〜どこ) 【助】〜のことを、〜を 秋田・宮城。茨城方言を介した倒語か。
茨城では、多く『〜ごど』と言う。茨城で『〜どご』を使う時は、家や場所・地域を指す。
ひとんどこを:人の事を。
(倒語:逆さ言葉) 倒語とは、いわゆる逆さ言葉のことで隠語に多い。茨城弁では決して多くはないが、訛の一現象でもある。以下は標準語での倒語の例。多くは江戸時代に遡り当時の流行だったという。また現在では芸能人の世界に見られる。別の言い方で『音位転換・音位転倒。』がある。辞書には『〔metathesis〕語の内部で子音が入れかわる現象。「あらたし」が「あたらし」となる類。』とある。
あたらしい:『あらたし』の倒語。
がさ入れ:『がさ』は『探す』の倒語。警察用語。
ぐれる:ハマグリの貝殻を使った『貝合わせ』遊びで、貝の裏に『はま』『ぐり』と書いておきそれが『ぐり』『はま』となって食い違うことから『ぐりはま』→『ぐれはま』→『ぐれる』になったという。
験を担ぐ:この『験』は、もともと縁起のことで『ぎえん』が『げん』になったと言われる。
しす:寿司。芸能業界語。
しょば:場所。
しょばだい:場所代。
だらしない:『しだらない』の倒語。『しだら』は『ふしだら』の語幹。
ダフ屋:ダフはもともと『札』のことでチケットのこと。
でか:明治時代に刑事が着ていた『角袖』を『くそでか』と言いそれが詰まった。
とうしろう:素人。
どさ回り:『佐渡』。
どや:宿。
どや:日雇い労務者などが利用する簡易旅館の多数集まっている地域。『宿街』の意味。
ねた:種。原材料の意味。
ひーこー:コーヒー。
しゃる:フランス語のシャッポが逆転したものでもともとは脱帽が転じて駄目になる意味に使われる。
夫婦(めおと):おとめ(夫妻・夫婦)の倒語。
モク:煙草の煙を昔『クモ(雲の意味)』と言いそれが逆転した。
れそ:それ。江戸言葉。
わいは:ハワイ。芸能業界語。
わでん:電話。
わゆび:指輪
どご 【代】何処、どこ どご:東北・山形。
★『土』:さうだごっさらよなあ、そりゃさうとおめえさん何處(どこ)だね:この場合の『どこ』は出身地を聞いている。
どごー 【複】どこを 清音形ならら八丈方言にもある。
とごあ
とごあいわい
とこあ
病気が全快して、または産後の体が回復して寝床を片付けること、快気祝い 『床上げ』。
(とこい) 鹿児島。
(〜とこい) 【複】〜ところだ 鹿児島。原型は『〜とこや・〜とこよ』か。
どごいが
どごへが
どごにが
【複】どこかに、どこかへ 『どこへか』『どこにか』。
せーふどごいがやっちった。:財布をどこかに置いて解らなくなってしまった。
どごいいぐだ
どごいぐだ
【慣】どこに行くの? 所属不明の典型的な田舎言葉。
どごいも 【複】どこにも
どごいら
どごいらあだり
どごいらへん
【代】どのあたり、どのへん 俗語の『何所いら』濁音化。本来は『どこやらのあたり』。
どこいら:東京青梅。
どごいやら 【複】どこへやら
とごいり
とごいれ
@寝ること、A初夜 『床入り』。
どごが 【代】どこか 濁音化。
〜どごが
〜どこか
【助】〜どころか 近世江戸語。
〜どごか:青森。
〜どこか:青森。
どごがい 【慣】どこかに・どこかへ
とご 畳替え 『畳床』(建築用語)+『替え』なので短縮形。
どごがい
どごがえ
どごがさ
【複】どこかに、どこかへ
どごがが
どごかが
どごっかが
【複】どこかに、どこへか 『どこかにか』の意味。
なづやすみだっちゅのにこどもつれでどごかがはいったんだっ。:夏休みだっていうのに(まさか)子供を連れてどこかには行ったんだろう。
どごががは
どごかがは
どごっかがは
【複】どこかには。 『どこかにかは』の意味。
だれでもどごががはわりーどごあっと:誰でもどこかは悪いところがあるぞ。
どごかご 【複】そこらじゅう、あちこち 『何処彼処』(どこかしこ)の意味。
どごかごに 【複】何処にも、そこらじゅうに、ところかまわず 『何処彼処に』(どこかしこに)の意味。
どごしか
どごがにが
【複】どこかに 『何処彼処かに』(どこかしこかに)の意味。
どごかしこ 【複】あちこち、どこにもかしこにも 『何処彼処』(どこかしこ)の意味。
どごこごに 【複】あちこちに
どごさ 【複】何処に どごさいんべ:どこに行こうか。
どごさいんだ 【複】何処に行くんだい?
どごさが 【複】どこへか、どこにか すてでねーんだがらどごさがにはあるよ:捨てていないんだからどこかにはあるよ。
どごいがいっちったいはーきっと:どこかへ行っちゃったよ、もう。
どごさでもつってーろ
どごでさもつっでーろ
【慣】どこにでも行ってしまえ
どごさもかごさも 【複】何処にも、そこらじゅうに、ところかまわず どごさもかぐさも:宮城。
(とこさん) 仏壇 静岡。
〜どごし
〜どこし
【慣】多く下に否定の語を伴って、とてもその程度ではない意味を強めるのにいう。〜どころ 多く『それ』と組み合わせて『それどごし・それどこし』(それどこ・それどころ)と言う。
広辞苑に『【間投助詞】:「上の語を強く指示してその意味を強め、また、語調を整える。奈良時代の文献に最も多く見え、以後は用法が次第に局限されて衰退する。平安時代以後は「しぞ」「しも」「しか」などのように係助詞と結合して用いられるか、条件句中に用いられるか、「折しも」「定めし」などの熟語の中に残るにとどまった。鎌倉時代以後に盛んに用いられた「ばし」も、「をばしも」の略で「し」が他の助詞と結合して残った例である。』とある。
すなわち、この『し』は、現代語では『しか』として残り、奈良時代にあった『し』が辛うじて残ったと考えられる。その理由として、『し』が無くとも意味は変わらないことが挙げられる。
それどごしだねー:それどころじゃない。
(とこしょー) 【副】度々 静岡。
どこーじん 土公神(どこうじん・どくじん) 『荒神』(こうじん)は、カマドの神様だが、土公神は、春はカマド、夏は門、秋は井戸、冬は庭にいて、その期間にその場所を犯すとたたりがあると言われる。
どーこす 【動】度を超す
どごぞ 【連語】不特定の場所(どこを強調した語) 濁音化。
どごぞのしとだがわがんね:どこの人だか解らない。
どごそご 【代】どこそこ、【副】あっちこっち
どごだかんだ
どごだのかにだの
どごだのかんだの
【複】どこが良いとかあそこが良いとか 『何処だ彼だ』の意味。
どごだっつごどなぐ 【複】どこともなく どごだじゃなぐ:山形。
どごだづなぐ:体中:宮城。
どごだりかごだり
どごだりかんだり
@どこが良いとかあそこが良いとか、A所構わない様、あちこち   『何処だの彼処だの』の意味。
A・どごだりかぐだり:宮城。
どこぢゅーくに 【複】何という国 『国誌』には『どこぢうくに』と表現されている。現代なら『どごっちゅーくに』である。
とこっ 【形動】ときどき 筑波郡。
どごでかったんでー
どこでかったんでー
【複】どこで買ったんだい 『でい、でえ』なら『だい』が訛った江戸言葉。
どごどご 【副】どかどか
とごどご
とごどごに
【副】ところどころに 省略形。
とごとご 【副】幼児の歩く様、とことこ 濁音化。
とごとごあるぎ:ちょこちょこと歩くこと。
どごどもなく 【副】なんとなく 『どことなく』。
とごとる 【動】布団を敷く 『床を取る』。
とごとる:宮城。
とる:宮城。
とごどん
とごとん
【副】最後の最後まで、徹底的に 『とことん』。
どごな 【複】@何処だ、Aどこの
どごなが
どごなか
【指代】どこか、どこだか 『何処な処』『何処なるか』。
どごなりど 【複】どこへなりと
どごに 【複】どこに
どごにいったの 【複】どこに行ったの 標準語では一律に『4111113』のイントネーションだが、問責する場合は『4111111』の言い方をする。茨城ではニュアンスによりイントネーションがさらに微妙に変わる。
どごにいったの:優しく問う言い方。
1222224
どごにいったの:ややいぶかしげに問う言い方。
1333331
どごにいったの:問責する言い方。
4444441
どーごにいったのー:問責する言い方。
133333331
どーごにいったのー:強く問責する言い方。
444444441
どごにいんのがな
どごにいんだっ
【複】どこに居るのかなあ、どこに居るんだろう
どごにが
どごにか
【指代】どこかに、どこへか 古い標準語の濁音化。
とごにつく 【複】寝る、病気で寝込む 『床に就く』。
どごにも 【複】何処にも どこっちゃ:愛媛。『どこにてや行かん』の後部略。
どごにもかごにも
どごにもこごにも
どごもかも
どごもこも
【複】何処にも、そこらじゅうに、どこもかしこも、どこもかも、ところかまわず 『何処にも彼処にも』の意味。
どごにもかごにも:福島。
どごもかごも:山形。
どごのか 【指代】どこか 『何処の処』。清音なら古い標準語。
どこのか:八丈島。
おれのぼーしはどごのかだ:俺の帽子はどこだ。
どごのかがらとんできたんだよきっと:きっと、どこからか飛んで来たんだよ。
どごのかの 【複】どこかの おめはどごのかのひとだ:お前はどこの人だい。
どごのだれさまだ 【慣】どこ出身の何て言う人だい、出身はどこで名前は何て言うんだい
どごのでだ
どごのひとだ
【慣】出身はどこだい、どこの生れだい
どごのまぐにも 【慣】どこの会合にも、どこにでも =『なんのまぐにも』。『まぐ』は『幕』の意味で会合や様々な機会を意味する。
とごば 床屋 『床場』(とこば)。
清音ならやや古い標準語。
とこば:群馬・東京・山梨。
とごばん 墓穴を掘る人またはその役 『床番』の意味。土浦では通常は棺を担ぐ『六道・陸尺』が穴を掘る。
あなほり:埼玉。
あなばん:埼玉・群馬・神奈川。
あなや:神奈川。
だいやく:墓穴を掘る役:神奈川。
つぼほり:墓穴を掘ること:神奈川。
とこばん:埼玉・群馬。
ねどばん:神奈川。
めどばん:神奈川。
どこほじもねー
とこほーじもない
とごほーじもねー
どこほじゃもねー
【形】際限が無い、きりが無い、途方も無い 『集覧:那』。
『何所方量(どこほうりょう)も無い』。『どこほうじもない』とも言う。
どごほどもねー 【形】際限が無い、きりが無い、途方も無い
とごほり 墓穴を掘ること とこほり:墓穴を掘る人:埼玉。
とこほり:群馬。
(とこまえ) 床の間 宮城。
どごやかや
どごやかんや
どごやらかにやら
どごやらかんやら
【副】あちこち、あっちだこっちだ
どごやら 【副】@どこか。Aどことなく。なんとなく。 濁音化。『どこへやあるらめ』の流れと思われる。
〜どごらー
〜とごらー
〜とこら
【複】〜(した)ところは、〜(した)様子は、〜(の)所は 逆行同化。
おめんどごらーなにつぐってんだ:お前の所は何を作っているんだい。。
★『土』:おつはそんだ頭髮(あたま)てかてか光(ひか)らかせた處(とこ)ら善(よ)く成(な)っちゃったっけぞ
どごらあだり 【複】どのあたり、どこら辺 『何所ら辺り』。
どごらが
どこらか  
【複】どこか 『何所らか』。
あーれ、おらてねどごらがにあったんだいなあ:あれえ、俺の手ぬぐいがどこかに有ったんだよなあ。
★『土』何處(どこ)らか歩いて来たと見えて足埃だらけだと:どこか歩いて来たと見えて足が埃だらけだと。
とごらどごら ところどころ
どごらへん    【複】どのあたり 『何所ら辺』。
〜どごれ
〜とごれ
【複】〜(し)ておくれ 〜とこれ:栃木。
とごろ 所、処、ところ
とごろが
とごろか
とごろっが
とごろっか
とごろっかー
【形動】@ところどころ、Aいいかげんなこと、Bだいたい 『とこ』は場所を示し、『らか』『やすらか』の『らか』と同じ接尾語だろう。『ら』は、語幹ではなく活用語である可能性もある。
@は、全部きちんと遣るのではなく所々遣る様が転じていい加減の意味になったと考えられる。
ABの場合は、『心がどの場所にあるか解らない、ところどころに心がある状態』意味ではないかと思われる。一箇所に専念するのではなく、あちこちやる意味だろう。
とごろかやってはだめだっ:いいかげんやっては駄目でしょう。
とごろぎっちょんちょん 【流】『ところが』を強めた言葉 『ぎっちょんちょん』は当時の流行語。調べると江戸時代まで遡るらしい。『らーめちゃん(まーるちゃん)たらぎっちょんちょんでぱいのぱいのぱい』。
とごろっこ
ところっこ
【形動】@ところどころ、Aいいかげんなこと 『とごろか』
(ところてん押し) 今のようにビニルパックに汁と辛子がセットになって販売されている時代と異なり、当時のところてんは、駄菓子屋の店頭に水に浸けて置いてあった時代だった。ところてん押しに四角い棒状に切ったぐにゃぐにゃのところてんを器用に差し込んで押し棒で押すと見事にところてんができあがる。夏の楽しみの一つだった。
とごろとごろ
とごろっとごろ
とごろっごろ
【副】ところどころ
(ところとっち・ところっし) 【複】あちいこっち、とりとめなく、気まぐれに 神奈川。
とごろまだら
ところまっかー
とごろまんだら
【形動】@ところどころ、まだらに、Aいいかげんなこと、Bだいたい 『所斑(ところまだら)』(@所々まだらになっていること。むらなこと。A所々を略すること。行き渡らないこと。)が転じたと考えられる。
@・ところまんざら:東京三鷹。
ところまんだら:埼玉。
(とろめる) 【動】言いくるめる 東京三鷹。
どごをどーしたんだが 【複】何をどうしたんだか、何故か どこをどうしたんだか:群馬。
どこんじょー 青丹 『土紺青』の意味か。
〜とごんだ 【複】〜ところだ 当時の高齢者言葉。一般には『〜とごだ』
とごんで 【接】ところで 当時の高齢者言葉。一般には『〜とごろで』。清音の『とこんで』は江戸言葉にありそうだが、今のところ見つかっていない。
とごんでよー、おめ、はーいがっ:お前さあ、もう良いだろう。
〜どごんなしょ
〜とごんなせ
【複】〜(し)ておくれなさい
どさ
どーさ
【複】どこへ どさ:どこに行くの?:青森。
どさ:秋田。
とーざ しばらくの間。当分。当面。 『当座』。古い標準語。落語に良く出て来る。日常語では高齢者しか使わない。
★『土』:其(そ)の位(くれえ)なくっちや仕(し)ゃうねえもの、俺(お)ら此處(ここ)へ來(き)た當座(たうざ)にゃ病氣(びゃうき)ん時(とき)でもからっき挽割麥(ひきわり)ばかしの飯(めし)なんぞおん出(だ)されて、俺(お)ら隨分(ずいぶん)辛(つれ)え目(め)に逢(あ)ったんだよ、こんでさうえこた、忘(わす)らんねえもんだかんな:その位無くちゃしょうがない。俺は、ここへ来てしばらくの間は、病気の時でも、ほとんど碾割り麦だけの飯なぞ出されて、俺は随分辛い目に会ったんだよ。これで、そういう事は忘れられないものだからなあ。
どーざー
とーぞー
納豆に切干大根を切り混ぜたもの 『集覧:無記載』。
現在では『そぼろ納豆』と呼ぶ。
◎とーざい
◎とーさい
@生れてから1年未満のこと。またその年。生まれて1年未満の子、生まれて1年未満の家畜の子。A今年。 『当歳』。
どさい
どさいく
どーさいく
【慣】何処へ行く? 『集覧:行』。『ぐ』は濁音・鼻濁音。
どさ:青森。
とさいくる
とさにくる
【動】頭に来る 『鶏冠に来る』。現代の若者の間でしばしば短縮語が流行っているが、これはそれと同じ現象。
とーざいこ 生れてから1年未満のこと。またその年。生まれて1年未満の子。生まれて1年未満の家畜の子。 『当歳児』。
(東西対立語) 日本語は、大きく東西に分けられる。方言区分でも本州を二分する考え方がある。そのため『東西対立語』なる言葉がある。
東西語が対立するように様々な差異があることは『浪花聞書』に良く描かれている。
また、現代標準語の命令形の送り言葉は五段活用には無く、上一段・下一段・サ変では『ろ・よ』が使われ、文語では送り言葉が無いか『よ』が使われた。助動詞『無い』は東日本で発達し、関西では『ぬ(ず)』が変化した言葉が使われる。終助詞・間等助詞・感嘆詞の『ね』は関西では圧倒的に『な』が使われる。関東で使う『な』粗野な印象を持たれる。はここで、東西の対立言葉を考えると、文語は関西系で、現代語は関東形という図式が見えて来る。
この視点からも現代日本の標準語は、関東言葉である図式が見えて来る。
とーざいっこ 生れてから1年未満のこと。またその年。生まれて1年未満の子。生まれて1年未満の家畜の子。 『当歳児』。
とーざいとって
とーさいとって〜
【複】【古】今年〜(歳) 時代劇などでは耳にする。古い標準語。
どざいもん 水死体 江戸時代の力士の『土左衛門』の肌が白くて肥大だったことが転じたと言われる。当時の言い伝えでは、水死体は、男は下向きで女は上向きだと聞かされた。
とさが 鶏冠 とかさ:静岡。倒語か。
とけさ:静岡。
とさが:千葉。
とさがいくる
とさがにくる
【動】頭に来る 濁音化。『鶏冠に来る』。
とさかいくる:群馬。
どさくさ 取り込んで騒々しいさま。混雑。 『集覧:真』。
望ましく無い言葉とされたものと思われる。ただし現代では『どさくさする』という言い方は聞かない。
とーざしの 目先の必要だけをみたすこと。一時しのぎ。 『当座凌ぎ』。今では高齢者しか使わない。
とーさす 【動】通す、刺す
(どーさどーさ) 【複】とうてい。どうしてどうして。 静岡。
とざな 戸棚 『集覧:稲』。
『ざ』と『だ』は音通する。
(どさばれ) @【複】寝ろ、A【感】罵倒語 神奈川。=『どぐされ・どぶされ』
とーさる 【動】@通る、通れる、通される、A刺さる、刺せる、刺される 文語や古語の流れでありながらそれが訛ったと考えられる。
@★とーさっか:通れるかい。
とーさっちゃ:通された。
どさっと 【副】@沢山、Aどすんと @『どさと』の転だが標準語。
どさーり 【副】どすんと
(どじ) 凶暴、酒乱 長野。
どじをこねる:動詞。
とーし
とーしとーし
【副】始終、いつも、たびたび 『通し』。
とーし:山形・福島・埼玉・静岡。
△とーし 大型の篩 茨城では万石通しも指す。
とーし:山形・埼玉・東京多摩・神奈川・長野・富山・静岡・愛知・奈良・兵庫。
ゆる:山形。
(冬至) 冬至は一般に柚湯に入る習慣がある。土浦ではさらにコンニャクのおでんとカボチャを食べる風習があった。その時コンニャクを食べることは『すなはらい』(砂払い)と言い、胃腸につまった砂をコンニャクが払ってくれると信じられた。
(どじ) 『土地』の意味か。
@宮城・長野・山梨では『土間、庭』を言う。
A千葉・神奈川・熊本では『土地、地面』を言う。
(どし) 友人 『同志』『同心』の意味か。
かたいどし:佐賀。
どし:佐渡・島根・九州全域・沖縄。
どしんか:仲間同士の喧嘩:山梨。
どーしん:山口。
(どーしい) 【複】どうしよう 静岡。
としいぐ
としいく
【動】歳をとる 『年が行く』。『年行く』は俗語としてでも使う。『年行ってるね』。
類似語に『年寄る』がある。また古い言葉に『年が入る』がある。『よ』と『い』は音通し『よる』も『いる』もルーツは同じだろう。
としいく:山形。
年が行ってるね
としおどご その年の干支に当る男または厄年の男 『年男』。
としおもせ 大晦日
としおり 年寄り
としおる 【動】年寄る 『年を追う』が訛ったか。
としかさ 年嵩、年齢、年長 やや古い標準語。
としかっこ 年恰好、大体の年齢、見た目の年齢 短縮化。
としみさま 年神。歳徳神。 もともとは『暦注の一。その年の福徳をつかさどる神。この神の在る方角を明(アキ)の方または恵方(エホウ)といい、万事に吉とする。としとくさん。』である。多く正月の神様を言う。
としみさま:神奈川。
としみさま 節分の福の神 通常は正月の神様を指す。手野町では節分に迎える福の神を指した。
(どじくじ) 解からずや 神奈川。
とじぐる 【動】閉じる
とじぐる 【動】縫い合わせる とじくりもの:衣類や布の破れたもの・ほつれたものを縫い合わせる針仕事:神奈川。
とじくる:神奈川。
とじる:神奈川。
(どしくねる) 【動】すねる 静岡。
どーじぎ
どーづぎ
基礎工事の割栗石をタコで固めること 『たごつき』
としくらー 【動】年齢が嵩む、年寄る 『歳を食う』。
としくらい 老人、年齢 『年食らい』の意味。
とじぐる 【動】綴じる、括る 『綴じ括る』意味か。
とじくる:綴る・繋ぎ合せる・小修理する・布の裂け目を縫い合わせる:神奈川。
としくれ @年の暮れ、A老人、B年齢(年位)
としーもねー 【複】年甲斐も無い 江戸言葉と考えられる。
としーもねー:神奈川。
としーもなぐ:年甲斐も無く。
(どしこ・どすこ) 【複】どれほど、幾ら 鹿児島。
◎としこし @大晦日、大晦日の夜、A節分、節分の夜 標準語だがAの意味はすっかりすたれた。
@・としこし:群馬。
A・としこし:群馬。
としこーばい 歳具合、年齢 『歳頃合』が訛ったか、『歳頃映え』の意味か。
(どしこばっかり) 【複】どれほど、何ほど位 鹿児島。
(どしせん・どーしぜん) 【複】どうしても 鹿児島。
どした
どしたー
どしたい
どーしたい
どしたえ
どーしたえ
どしたが
どーしたが
どしたがい
どーしたがい
どしたがや
どーしたがや
どしたがよ
どーしたがよ
どしたげ
どーしたげ
どしたや
どーしたや
どしたよ
どーしたよ
【複】@どうしたの、A挨拶言葉、どうだい @『どしたい、どーしたい』は江戸落語にも出て来る。原型は『どうしたや、どうしたかや』
★『土』:どうしたえ、口寄(くちよせ)一(ひと)っやって見(み)ねえかえ
A茨城では相手の行為に対して言う。ちょっとした挨拶言葉として使われる。親しい間柄の挨拶代わりの言葉としても使われる。
どしたっけ
どーしたっけ
どーしたっけー
【複】@どうしたの、A挨拶言葉、どうだい @標準語では、『どうしたんだっけ』の意味で自分の行為や双方一緒に行った行為に対して言うが、茨城では相手の行為に対して言う。この言い方は、婉曲的な言い方になる。
★『土』:どうしたっけ、昨日(きのふ)の豆(まめ)はそんでもたんと收穫(と)れた割合(わりええ)だっけ
A茨城では相手の行為に対して言う。ちょっとした挨拶言葉として使われる。親しい間柄の挨拶代わりの言葉としても使われる。
どしたもんだがな
どーしたもんだがなー
どーしたもんだっなー
どーしたもんだべなー
どーしたもんだんべな
【複】どうしたら良いだろうなあ すでに標準語の『どうしたものだろうねえ・どうしたものでしょうねえ』も古い言い回しとなっている。
どーしたりこーしたり 【複】ああしたりこうしたり、どうこう
どしたんで
どしたんでー
【複】どうしたんだい
どしたんべ
どーしたんべ
【複】@どうしただろう、Aどうしたらいいだろう、Bどうだろう ★『土』:そんじゃ細かく刻(きざ)んだらどうしたんべ:それじゃあ細かく刻んだらどうだろう。
(どしちぇん・としちぇん・どしてん・としてん) 【複】どうしても、是非とも 鹿児島。
どーしっか 【複】どうしようか
どしっと 【副】どしんと 重いものが落ちたり、ひっくり返ったりする場合の言葉。
(としっれー) 年増、ハイミス 山梨。
この方言は『年増』を『年拾い』と言っているのであって、詩的な表現である。
どーしっ 【複】@どうしよう、Aどうするんだろう
どしっ
どーしっ
@僧侶、A坊主頭、B品の無い男 『導師坊』。
どしてー
どーしてー
【慣】どうした、その後どうだい 標準語のアクセントだと『どうした?』(4114)となるが、『どーしてー』(22241)というアクセントで始めて茨城弁になる、長塚節の『土』にも同様の言い回しが出て来る。原型は『どうしたや・どうしたえ』。
★『土』:どうしてえ
とーしで
とーして
とーしとーし
【副】@続けて、始終、A度々 『集覧:稲』。
@の『通して』は標準語。『通しで』とも言う。
★『土』:與吉(よきち)らたえしたもんだな、始終(とほして)もらってな
Aは意味がやや転じたもの。
どしても
どーしても
どーしてもこーしても
【副】必ず、何があっても(必ず) 標準語の『どうしても』は否定的な意味合いを形を伴いこのような使い方は無い。
どしてんこしてん:宮崎。
★『土』反で四俵なんざどうしてもとれべと思つてんのよ:反当たり四俵は、何があってもとれるだろうと思ってるのよ
としとり @大晦日、A節分 広辞苑に『年取り:@年をとること。年齢が加わること。A除夜または節分のこと。また、そのときに行う儀式。』とある。
@当時は、年越し蕎麦を『としとりそば』と言った。大晦日を年取りと呼ぶ理由は、もともとは年越し(正月にはすべての人が一斉に歳を取る)の儀式を指しているためと考えられる。『大年・大歳』とも言う。
としとり:岩手・青森・静岡。
A節分を『年取り』と呼ぶ理由はよく解らない。
おとしとり:長野。
としとり:群馬・山梨。
としとりおどご その年の干支に当る男または厄年の男 『年取り男』の意味。『年男』。
としとる 【動】@歳を取る、A新年を迎える 『年取る』。
としなー
としなわ
注連縄(しめなわ) 『年縄』。
としなもん
としのもん
高齢者 としなもん:鹿児島・宮崎。
どじなる 【動】怒鳴る 『じなる』の強調形。
どしなる:福島・栃木。
とーしに 【副】@続けて、始終、A度々 『通しにて』が現代の『通して』『通しで』に訛ってもおかしくはない。またこの『とーしに』も自然ななりゆきである。
どーじに 【副】一緒に 『同時』なのか『同士』かは不明。新治郡・筑波郡・稲敷郡・北相馬郡では『どーし』と言う。
『士』は呉音では『じ』とも読むから、『同士』にの意味とも言える。
どーしに 【副】一緒に 今でも『すき者同士』などと言う。『同士にて』の意味だろう。
古語の『にて』は近世に解体され、『に』『て、で』に変化したようである。
どし:連れ・仲間:東京大島・島根。
どーしに:静岡。
★『土』:歩(ある)かせちや濟(す)まねえから同志(どうし)に土浦(つちうら)まで汽船(じようき)で乘(の)つ着(つ)けたんだ
★『土』:毎日(まいんち)同士(どうし)にたべちや居(ゐ)んだがなあに齒(は)せえ丈夫(ぢゃうぶ)なら粗剛(こうえ)ったって管(かま)やしねえ:毎日一緒に食べては居るんだが、なあに、歯さえ丈夫なら硬くても構いはしないが。
★『土』:俺(お)らまあだ、ちった有(あ)ったんだっけ、煙草入(たぶこれ)と同志(どうし)に燒(や)えっちゃったから
どーしにい
○☆どーしにいく
【動】@▲同伴する、一緒に行く、A何をしに行く? @『同士として行く』意味。江戸時代の東国語。
『称呼』には『他と連立行を東国にて同志に行(どうしにいく)といふ(一所にいかふともいふ)。播磨にてつんのふて行(つんのうていく)と云。また誘われて行を尾州にてをこづらるると云。又いざかつせ(いざかっせ)と云も人を誘詞也。日本紀に誘(をこづる)と有。又いざかっせは いざは發語也。さそふ也。東国にて「さ・御出(をいで)」「さ・いかう」と云詞にあたる「いざ」とも又「さ」とばかりも唱ふる也。「いぬる」はかへる也。「いなふ」は帰らん也。「いんで」は帰りて也。如此の詞は諸国かそへ盡(つく)しかたし。』とある。
どーしん:一緒に:八丈島。茨城でもかつて『どーしん』と言ったと考えられる。『同心』にも通じる。
どーしにいくべー 【複】一緒に行こう 『集覧:真』。
(としのばん) 大晦日 『年の暮れ』と同じ意味。
実際『年の暮れ』は『歳暮(さいぼ・せいぼ)・歳晩(としのくれ・年末・せいぼ)』とも言う。この言葉は由緒がありながら標準語にならなかったと見られる。
茨城にあってもおかしくはないが文献には無い。
としのばん:宮崎・鹿児島。『年の晩』の意味。
としや:山形・新潟。『年の夜』の意味か。
(としばい) 年長 佐渡島。
年延え:@年齢のほど。としごろ。年配。A年をとっていること。また、そのさま。』がある。またマ行音とバ行音は音通するから『年増』と同源かもしれない。
(としぶ) その年の豊作の出来 静岡。『年分』の意味か。
どーしべ
どーしべー
【複】@どうしよう、Aどうするだろう A・どーしべー:静岡。
どしぼ
どしぼー
@僧侶、A坊主頭、B品の無い男 『導師坊』。
(どじま) 畳表付きの下駄 静岡。
としまめ 節分の豆
としめ
とーしめ
【複】戸を閉めること、戸締り 《戸を閉める役目は子供が多いので専務戸締役(としめやぐ)だっな?。》
どーしもねー 【複】どうしようもない
(どしゃーかける) 【複】高圧的に出て励ます 神奈川。
『びしゃかげる』
としやぐ 年齢に応じた役目 標準語の『年役』は『老年であるため、経験に富んだものとして物事の取扱いを任せられること。老年の者の責務として勤める役。年寄役。』の意味。
としやみ 老衰病 『年病み』。
としやみ:静岡。
としやみくらっちったらしゃーんめな:老衰になったらしょうがないだろう。
どじょういん インゲンマメの一種 関東地方での呼称。=『なりくろ』
△どしょうぼね @ど根性、性根、A背骨 『土性骨』。背骨が変化した言葉とされる。
どきょっねがいー:度胸が有る:神奈川。
どしょうぼね:宮城・静岡・愛媛・三重・和歌山。
どしょっ:背骨:千葉・岐阜。他人のそれを強調またはののしって言う。
どじょーだる ドジョウを獲る竹製の漁具、筌 俗称『どう』
どじょっぴげ ドジョウ髭
どじょーぶぢ @夜、松をたいてかがり火にし、やすでドジョウをとること、Aドジョウヤスでドジョウを捕ること
どじょーめ ドジョウ どじょーめ:八丈島。
どーしょもねー 【複】どうしようもない どーしょもねー:群馬。
としょり
としょーり
年寄り 必然性のある訛り。日本語のイ段音には『y音』が存在し、さらに『よ』にも『y』があるから、『しよ』が『しょ』になる傾向がある。
としょり:青森・秋田。
としょーり:秋田・山形・群馬・山梨。
としよりおじさん
としょりおじさん
としよりじーさん
としょりじーさん
としよりじーちゃん
曽祖父 とっしいーじー:鹿児島県種子島。
としよりおばさん
としょりおばさん
としよりばーさん
としょりばーさん
としよりばーちゃん
曾祖母
としょった 【形】年取った 『年寄った』意味。
どーしょもね
どーしょもねー
どーしよーもね
どーしよーもねー
【複】どうしようもない
としょる
としよる
【動】歳をとる、老いる 『年寄る』。
としょる:青森・宮城。
とじる 【動】茹でる、茹でた麺を湯で温めなおす
どじる
とじる
【動】@閉じる、A縫い合わせる 『集覧:行』。
A・とじる:山梨。
どーしる 【複】どうする
とーじん
とーじんぼ
筒袖襦袢 『集覧:新』。
和服の基本は合わせだから、突き付けの服が唐から伝わったことを思わせる。
たとーじん:紺木綿の筒袖の農作業衣:神奈川。
とーじん:筒袖の仕事着:神奈川。
とーじんじばん:筒袖の仕事着:神奈川。
とーじんももひき:筒袖の半纏を着たときにはく股引:神奈川。
とーじんでづくり:長崎。
(とーしん) 灯芯 『灯炭(とうしみ)』とも言う。炎や明かりの芯や電池を茨城では『すみ』というのはどうやら『しみ』から来ている。
どじん アフリカの土人、黒人 『土人』には『@その土地に生れ住む人。土着の人。土民。A未開の土着人。軽侮の意を含んで使われた。』の意味がある。
あまり良い言葉ではないが、当時は黒人=土人だった。アメリカでも最近はNigroではなくAfro american(アフリカ生まれのアメリカ人)と呼ぶそうである。時代はどんどん変わって行く。
どーしんだ
どーしんだいどーしんだが
どーしんだげ
どーしんだや
どーしんだよ
どーしんでー
【複】どうするんだい
□どす 癩病、癩病患者 近世語。『天刑病』とも言う。
どす:山形・宮城・福島・長野。
どす:人を侮る言葉:佐渡島。
どーす:岩手・山形。
どすっ:癩病患者:長野。
◎とす 吐く 古い言葉の『吐す』。建築用語では蛇口や水の吐き出し口を『吐水口』と言う。
とす:静岡。
(〜どす) 【助動】〜だって、〜ですって 岩手。疑問形。『〜と候』の意味か。
(〜どす、〜どすえ) 【助動】〜です 京言葉。『え』は強調の接尾語。一般には『です』が訛ったとされる
『あります。ございます。』の意味の助動詞『おす』は、広辞苑には『おす:江戸吉原松葉屋から始まった遊女詞。あります。ございます。』とあ。『どす』『でおす』が転じたと見られる。
類義語に格助詞が覗かれた、『御座す・在す(おわす):(上代に多く使われた「います」に代って、平安時代になって多く使われるようになった語。活用は四段・下二段とする説もある)@(尊敬の意を含む動詞として用いる)1)「居り」の尊敬語。いらっしゃる。おいでになる。竹取「われ朝ごと夕ごとに見る竹の中に―・するにて知りぬ」2)「あり」の尊敬語。おありになる。土佐「ほしきものぞ―・すらむ」3)「来(ク)」の尊敬語。源花宴「―・せねば口惜しう物の映えなしとおぼして」3)「行く」の尊敬語。A(助動詞的に用いて)1)動詞の連用形にそえて、その動作の継続および結果の存続を表すとともに、その動作の主体に対する尊敬の意をそえる。2)形容詞の連用形、または体言に助詞「に」「と」の付いた形にそえて状態を表し、その状態にある主体に対する尊敬の意をそえる。』がある。
どすあがい 【形】濁った赤い色 清音なら標準語。
どーすいば
どーすば
どーすりば
【複】どうすれば
(〜どすか) 【複】〜のですか 岩手。=『〜のすか』
他の岩手方言からすると、『〜と言うのですか』の意味か。『〜と候か』の意味か。
どすだごど
どすだまね
度を超したこと、度が過ぎたこと
どす 【副】度を超して、度が過ぎて
どす 【複】度を超す、度が過ぎる
(どーずく) 【動】弄ぶ 静岡。
どす 【形】どすぐろい 『集覧:多』。
どーすっけ
どーすっけな
どーすっけよ
【複】どうするの 婉曲的な言い回し。
どーすっけな:宮城。そのまま標準語に直すと『どうするかいな』となり、何故か関西弁になってしまう。これは終助詞『な』の存在が重要である。
どーすっこどもなんね 【複】どうしようもない 『どうする事も成らぬ』意味だが、これ自体が古い標準語である
どーすっぢが
どーすっちが
【複】どうするって?
どすっと 【副】どしんと、どすんと 重いものが落ちたり、ひっくり返ったりする場合の言葉。
どーすっ 【複】どうしよう どーしっ:福島。
どーすど
どーすっと
【複】どうすると、どうすれば、どうするの どーすどあーなんだ:どうするとああなるんだい。
どーすば 【複】どうすれば 当時の代表的な言い方。
どーすばまんてんとれんだが:どうすれば満点取れるんだろうか。
どーすばいー 【複】どうすればいい
どーすべ
どーすべー
【複】どうしよう 近世以降の東国方言。
どーすべ:埼玉。
どーすべー:群馬。
どーすべなー:どうしようかなあ。
どーすべが:どうしようか。
とーすみ 灯心 『集覧:猿』。『灯心(とうしみ)』の転。広辞苑には『(シミは字音シンのンをミと表記したもの。古くはトウジミとも)』とある。
神奈川でも使われる。八丈島では古語そのまま『とうしみ』と言う。
とうしん→とうじみ・とうしみ→とうすみ
『呼称』には『灯心をとうしみと云時は和訓和名と成。たとへば芭蕉をはせを、文をふみ、紫苑をしをにと云類也。是音を和語に用る例也。』とある。これによれば、和語の表記をそのまま音読みしたものが標準語となっているものがあることが解る。
とーすみ:神奈川・静岡。
どーすもなんね
どーしもなんね
【複】どうしようもない
どーすもんだが
どーすんもんだが
【複】どうするものだか
どすーり 【副】どしんと 重いものが落ちたり、ひっくり返ったりする場合の言葉。
とーする 【複】通す
どずるす 籾摺りの道具、唐臼 『土擦り臼』の意味か。『土臼』(どうす)。関東圏の農村専門用語。
『擦臼(するす)』なら辞書掲載されている。唐臼は広辞苑に『籾摺(モミスリ)用の臼。上下二個の円筒形の臼で、上臼を回転させて両臼の間で籾を摺り、籾殻を取り去る。古くは木製。後には、竹または木で上下の臼の外囲を作り、強粘土に食塩をまぜて詰め、両臼の摩擦面に樫製の歯を植えつけたものが現れ、これを土臼・唐臼(トウウス)とも呼ぶ。すりす。するす。』とある。
一方臼は『穀物を白(シラ)げ、またはつき砕いて粉とし、または餅をつくなどに用いる器。搗臼(ツキウス)・挽臼(ヒキウス)・磨臼(スリウス)など。』とあり、唐臼を『土擦臼』と呼ぶことに何ら不思議は無い。
どーすんだ
どーすんだー
どーすんだい
どーすんだえ
どーすんだや
どーすんだやー
どーすんだよ
どーすんだよー
どーすんでー
どーすんの
どーすんのー
【複】どうするんだ、どうするんだい、どうするの いくつかは標準語の口語・俗語。標準語では一般に『ど』が高く発音されるが、時に低く発音する人もいる。標準語の場合でもさらにいくつかあるがバリエーションは少ない。
一つ一つ比較すると、標準語と茨城弁の境界が曖昧な部分もある。
どーすんだ
11113):淡々と問う場合。
44441):強く問責する場合。
なーんだよおめ、そーたごど、いーづまでやってんだ。こーれがらどーすんだ。
どーすんだー
111133):淡々と問う場合。
444441):強く問責する場合。
どーすんだい
どーすんだえ
どーすんだや
111113):淡々と問う場合。
444441):強く問責する場合。
どーすんだやー
1111133):淡々と問う場合。
1111141):ややいぶかしげに問う場合や相手を思い図って問う場合。
4444441):強く問責する場合。
どーすんだよ
111131
444441
どーすんだよー
1111141):ややいぶかしげに問う場合や相手を思い図って問う場合。
(4444441):強く問責する場合。
どーすんでー
111133):淡々と問う場合。
444441):強く問責する場合。
どーすんの
11113):淡々と問う場合。
44441):強く問責する場合。
どーすんのー
111133):淡々と問う場合。
444441):強く問責する場合。
(どーせ) 【感】どうぞ 神奈川。『ぞ』の古形は『そ』。『どうそや・どうそえ』の意味か。
とーぜー 当年、その年 『当歳』。
とーぜーとっではだぢ:当歳とって二十歳。
どーせこせ
どーせこーせ
どーせーこーせー
【副】結局、むしろ、どうやっても、何をしても、何にせよ 『集覧:真』。
『どうせよこうせよ、どうしてもこうしても』の意味。
どーし・どーしか:どうせ:山形。
どーしこーし:山形。
どーせこーせ:福島。
(どーせすか) 【複】どうしようか 静岡。『す』は本来濁音のはずだから誤植か。
『どーせずら』か。
どーせっつんだ
どーせーっつんだ
【複】どうしろって言うんだ
どーせば
どーせーば
どうすれば 当時の高齢者言葉。
どーせば:埼玉。
どーせばいー:どうすればいい。
とーせる 【複】通すことができる、通せる あいざーとーせめ:あいつは通せないだろう。
(とぜん) 退屈 『徒然草』の『徒然』の音読みである。辞書には『なすこともなく退屈なこと。つれづれなこと。』とある。このような古い言葉は東北や九州に残る典型である。
とじぇね:秋田。
とじぇん:秋田。
とじん:宮城。
とじんなか:寂しい:長崎・熊本・鹿児島。
とじんね:宮崎。
とぜだ:寂しい:秋田。
とぜて:山形。
とぜない:福岡。
とぜねー:大分。
とぜねぁ:秋田。
とぜん:岩手・秋田・宮城・山形・福島。
とぜん:寂しい:秋田。
とぜん:空腹:静岡。
とぜんだ:秋田。
とぜんな:宮城。
とぜんない:寂しい:青森・秋田・高知・大分。
とぜんなか:寂しい:福岡・長崎・熊本・鹿児島。
とーぜんなか:寂しい:佐賀。
とぜんね:寂しい:宮崎・鹿児島。
とぜんねー:寂しい:福岡。
とんじねぁ:秋田。
とーせんば
とーせんばんば
とーせんぼ
とおせんぼう とーさんぼんぼ:佐渡島。
とーせばんばん:山形。
とーせんばっこ:群馬・東京多摩・神奈川・山梨。
とーせんぼっこ:神奈川。
とーせんまい:静岡。
(どそく・どーそく) ロウソク どーそく:八丈島・静岡・鹿児島。
特にアメリカ英語では、t音がr音に近くなったりする現象と逆である。
とそご
とそこ
『突底』の意味。
(どーぞー・どーぞする・どーぞーする) 【複】遣りそこないをする 神奈川。
とそらっ 形動】@上の空の様、またはその人、Aいい加減な様、またはその人 『そそらっ
どだ
どだい
【慣】どうだ 東北弁のような言い回し。
△どだい 【副】もともと。はじめから。そもそも。 『土台』。
どだい:新潟・奈良・大阪。
どーだ
どーた
【代】どんな 標準語の場合、『な』は、指示代名詞の他、形容詞、形容動詞につけて連体詞に変える助詞の流れと考えられる。標準語では『それだのに』程度しか残されていない。広辞苑には『(いわゆるナリ活用形容動詞の語尾とされるものは、この助動詞と認めて差支えない) 主に体言に接続する。活用語につく場合には間に「の」を挟むことが多いが、未然形・仮定形ではじかにつくことが多い。』とある。ただし『どういった』が訛った可能性もある。
どた:青森。
どーだ:福島。
どーだに:どんなに。
どーたな:どんな。
それはどーたなやづだってできねー:それはどんな人だって出来ない。
どーたに:どんなに。
どーだが 【慣】@どうだか、Aどうにか
どーだがな
どーだがや
どーだがよ
【慣】どうだかねえ、どうだかなあ どーだかよー:東京多摩。
どだ
どだ
長靴 『どた靴』(重くて不恰好な靴、登山靴)なら標準語。
どだぐれ でぶ
どーだこーだ
どーたこーた
【副】どうだのこうだの、あれこれ
どだすた @【形動】忙しくてばたばたする様、A【名】もめごと
どだっいり
どだっーり
どたばいり
土足のまま囲炉裏に当たること 『どた靴で入る』意味。
どだっ
どーだっ
どーだっ
【複】どうだろう 『集覧:新』。
明治時代から変わらない茨城方言。
とたでる
とーたでる
【動】戸をしめる 『戸を立てる』。
どだどだ 【形動】@暴れる様、騒がしい様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様 『どたばた』『どたどた』。
@A・どだどだ:山形。
どーだな
どーたな
【連体】どんな 『何にてある』。
どだな:山形。
どーだなごどやったってでぎやしね:どんな事をしたって出来はしない。
どーだに
どーたに
【連用】どんなに どだい:山形。関西の『どない』に当たる。
どんねーに:神奈川。
どうだのこうだの 【副】あれこれ 俗語。
どーたのこーたの 【副】あれこれ 茨城方言が清音形なのは古語の名残。
どだま
どたま
『どあたま』の訛った『どたま』。一般に関西言葉とされる。
どたま:群馬。
どだばだ 【形動】@暴れる様、騒がしい様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様 『とたばた』。
@A・どだばだ:山形。
どだべ 大鰹 『集覧:無記載』。
『どた兵衛・どた平』。どたどたと暴れる様を人名化したと考えられる。
どた:肥えているもの:静岡。
どーだべ 【複】どうだろう 茨城では古い言葉に当たる。
どーだべー:福島。
どーだんべー:福島。古くは『とーたんべー』
どーだや
どーだよ
【複】どうだい 『どうだい』の古形。
どーたら
どうたら
【連体】どんな、あれこれ、どうとやら
どーだらこーだら
どうたらこうたら
【副】あれこれ 俗語。『どうとやらこうとやら』の意味と考えられる。
どーだりこーだり 【副】あれこれ どんだりこんだり:いい加減:青森。
とたん 空米相場 『集覧:新』。
辞書には、もとペルシア語で、ポルトガル語から転訛したとある。
とたん:栃木。
どだんどだん
どだんばだん
【形動】@騒がしい様、暴れる様、A足音が大きい様 どだんどだん:山形。
どだんばだん:山形。
どだんべ
どーだんべ
【複】どうだろう 東国語。
とぢーあそび 道草
とぢーいり
とぢーーり
途中で戻ること
とぢーがら 【複】途中で 幕末の史記には『途中より帰る』が良く使われた。
とちゅうがら:途中で:山形。
とちくるー 【慣】@騒ぎ立てる、A非常に苦しむ 『とちぐるう・どちぐるう』には『判断を誤る』意味がある。
類義語に『とちる:@舞台で、うろたえてせりふ・しぐさをまちがえる。A転じて、やりそこなう。へまをやる。まごつく。』がある。
とちめく:あわてふためく。』『とちめんぼう【栃麺棒】:@栃麺をのばす棒。A(「とちめく坊」の意とも、栃麺を造るには、早くしなければよく延びないので、急いで棒を使うことからともいう) あわてること。うろたえること。また、あわてもの。浄、神霊矢口渡「延びた鼻毛の―、振廻してぞ出て行く」』がある。
『とち』は辞書には無いが、広辞苑に『どち:@仲間。友だち。A【接尾】同類のものをまとめていう。たち。ども。どうし。』とある。
@・とちるう:群馬。
A・どぢるー:群馬。
Bその他。
どぢくる:まごまごする・分けのわからぬことを言う:静岡。
とちくるう 【動】ふざける。ざれあう。なれたわむれる。 本来『とちるう・どちるう』だが、現代語では多く『とちくるう』と言う。
とちるー:静岡。
どーちごだね
どーちーごだねー
どーちごどねー
どーっちごどねー
【形】大したこと無い 『どうということはない』『どうってことはない』意味。
とぢっこ 土地の子 『土地っ子』。
とちっこ:東京。
どぢっ
どぢっ
どぢっ
どぢっべら
どぢびら
地面、地べた
とぢねんぼー
とちねんぼー
栃の実 『集覧:新』。
この語源を考えると『どんぐり』とは何だろうと考えてしまう。、
とぢーはん
とちーはん
中途半端 考えて見れば『中途』も『途中』も同じ意味である。
とぢめんぼーかいす
とちめんぼーかいす
とぢめんぼーかえす
とちめんぼーまーす
【慣】忙しくする、あわてふためく 『集覧:行』。
『栃麺棒を返す』。集覧では『とじめんぼーかえす』とある。
広辞苑には『とちめんぼう【栃麺棒】@栃麺をのばす棒。A(「とちめく坊」の意とも、栃麺を造るには、早くしなければよく延びないので、急いで棒を使うことからともいう) あわてること。うろたえること。また、あわてもの。浄、神霊矢口渡「延びた鼻毛の―、振廻してぞ出て行く」』とある。
広辞苑には『とちめく:自四:あわてふためく。天草本伊曾保「顔うち赤めて―・く』とある。
以下各地の類似語を示す。
とちめん:あわてること:滋賀。
とちめんぼう:面食らうこと:鳥取・広島・山口・長崎。
どち:あわてふためく:香川。
とちける:うろたえる:滋賀・福井。
とちばち:駆け回る様:愛媛。
どちまう:忙しくする:滋賀。
どちまずく:あわてる:三重。
とちまなこ:どんぐり目:長野。
とちめん:あわてること:滋賀。
とちれる:あわてる:三重・兵庫・山口・福岡・大分。
どっちゃまく:うろたえる:福島。
とっちん:あわて者:奈良。
『栃麺棒』とは広辞苑に『@栃麺をのばす棒。A(「とちめく坊」の意とも、栃麺を造るには、早くしなければよく延びないので、急いで棒を使うことからともいう) あわてること。うろたえること。また、あわてもの。』とある。また古い言葉の『とちめく』は『あわてふためく。』意味。どうやら舞台でうろたえてせりふ・しぐさをまちがえる意味の『とちる』をルーツにした『とちり面』と『栃麺』をルーツにした言葉であることが解る。あるいは両者を掛けたことも考えられる。
とーぢゃ
とーぢゃん
お父さん
どちやぎ
どちやき
灰の上等で餅を焼くこと 『集覧:稲』。
『土地焼き』の意味。
(とちゃーま) 女性への悪口、あまりのこと 神奈川。
どぢらさんですか? 【複】どちらさまですか 土浦の生活では日常生活で知らない人はまず会うことはない。しかし稀に始めて会う人に丁寧語として使う。
どぢる
とぢる
【動】とちる、失敗する
とちる 【動】溶いた卵で煮物などの材料をまとめる 『綴じる』。
(とちわるさ) 子供などの悪戯 神奈川。
□とっ〜 【接頭】− 『取り』の音便または強調語。
(とっう) 唐、中国 沖縄。
とーつぁ
とーつぁん
とっつぁ
とっつぁん
お父さん
とっか 『集覧:無記載』。
『とっこ』がさらに訛ったもの。
どっか ウド 『集覧:久』。
『獨活(どっかつ)』の転。
どづか
どっか
竹馬 『集覧:無記載』。
『どっか』は方言地図に掲載され、千葉県境付近(現稲敷市付近)にプロットされている。
とっ 唐鍬 『集覧:多』。=『とん
茨城方言集覧の初版では『とつと書かれているが、他の方言を考えると『とっと思われる。
ただしもともとは『唐つ鍬、唐の鍬』で各々とっ』『とんに訛ったと見る」こともできる。
どっが
△どっか
【代】どこか どっか:群馬・神奈川長野・・山梨。俗語。
(〜どっか) 【複】〜なのか、〜ですか 岩手。=『〜どすか』
関西では一般に『〜でっか』と言う。
どっがい
どっかい
【複】どこかに、どこかへ
とっかい
とっかえ
交換 とっかえ:山形。
とっかえに:引き換えに:東京。
とっかいこ
とっかいっこ
とっかえこ
取り替えっこ 『集覧:真』。
『俚言』には『とっかへこう』が掲載されている。
とっかいこ:埼玉。
とっかいっこー:静岡。
とっかえこ:宮城。
とっきゃいこー:静岡。
とっかいす
とっかえす
【動】取り返す とっかえす:山形・埼玉。
とっかいに 【複】@代わりに、A取替えしに @・とっかえに:東京。
とっかいひっかい 【複】 あれこれと、いろいろにかえてみること。 『取っ換え引っ換え』。
とっかいひっかい:静岡。
とっかえばっかえ:山形。『取替え履き替え』。
とっかえひっかえ:東京。
とっかりひっかり:神奈川・静岡。
とっかいぼー 戸締りに用いる棒、突っ支い棒
とっかいる 【動】取り替える 『取っ替える』
どっかが 【複】どこへか、どこか どっかがにやっちった:どこかにやって(置いて)しまった。
どっかがさ 【複】どこかに
どっかがかっか
どっかがかにか
どっかがかんか
【複】どこかに とにかぐどっかがかっかにおいだのはまぢげーねーんだ:とにかく、どこかに置いたのは間違い無いんだ。
どっかがかんかにあっ:どこかには有るだろうよ。
どっかがに
どっかがにか
【複】どこかに
どっかがる
とっかがる
とっかかる
【動】取り掛かる とっかかる:群馬・埼玉・神奈川。
とっかげひっかげ 【複】次々と続けて 『取っ掛け取っ掛け』。
とっがごむ
とっかごむ
【動】取り囲む
どっがさ
どっかさ
【複】どこかに、どっかに 『どごがさ』
『新方言』には『ドッカサ :どこかに。山形県庄内地方ではもとはドサガ。若い世代ではドッカという形を取り入れ、また方向を示す助詞を最後にするという共通語の語順は受け入れたが,助詞のサの形は保った(1994)。』とある。
どっがさか
どっかさか
【複】どこかに、どこか
どっがさがに
どっかさかに
【複】どこかに
どっかさがにか
どっがさがにか
どっがさがんか
【複】どこかに どっかさがにかはあるよ:どこかには有るよ。
とっかさる 【動】入れ替わる、取って代わる 『取り替える』の擬似自動詞形。
とっかす 【動】取り返す とっかす:福島。
とっかっちゃってる 【動】入れ替わってしまっている
とっかってる 【動】入れ替わっている
どっがど
どっがと
【形動】堂々とする様、鷹揚に座る様 『どっかと』。
どっがに
どっかに
どっがにが
どっかにが
どっがへ
どっかへ
どっがえが
どっかへが
【複】どこかに、どこかへ
とっかまさる 【動】とっ捕まる 『集覧:稲』。
『とっつかまさる』がさらに訛ったもの。
とっかまる 【動】とっ捕まる
とっかめる 【動】とっ捕まえる とくまえる:福島・徳島・長崎。
とっかめぇーる:静岡。
どっから 【複】どこから 俗語。
どっからもかっからも:どこからも:山形。
〜とっがら
〜とっから
【複】〜(の)時から
どっがり
どっかり
【形動】堂々とする様、鷹揚に座る様 どっかりこんと:神奈川。
(とっかりばんこ) かわりばんこ 東京多摩・神奈川。
とっかる
とっかーる
【動】入れ替わる 『とっける』の自動詞形。
とっかりばんこ:代り番こ:東京多摩・神奈川。
(とっかる) 【動】縋り付く 静岡。
どーづぎ
どーつき
基礎工事の割栗石をタコで固めること、地固め、タコ 『胴突き』と思っていたらもともとは『土突き』だと言われる。『集覧:猿』。
どーづき:群馬。
どーつき:神奈川。
どんぢ:タコ:鹿児島。
どんつき:秋田・山形・宮城・三重。
どんやつき:群馬。
どっき 悪気 『毒気(どっき、どっけ)』。
どっきまけする:圧倒される:福島。単に『度胸負けする』の意味か。
(とっき) 慌て者 岩手・秋田・宮城。
どっきし
どっきり
どこまで 稲敷郡。
とっきーし
とっきーしゅ
とっきゅーし
特級酒
とっきーでぃんしゃ
とっきーでんしゃ
特急電車
とっきっ
とつきとーば
子供が誕生後十ヶ月以内に歯が生えたときに行われる。十ヶ月以内に歯が生えること。忌まれる。 主に県南部。
この場合子供を捨て拾い親に拾ってもらう。
とっきめ 取り決め
とっきめる 【動】決める、取り決める
どっきょーさま 男根を表す石棒
とっきりとる 【動】取れるだけ取る
とっきる 【動】取りつくす、取り切る
とづぐ
△とづく
とつく
【動】届く 『届く』の古形『とずく、とづく』の清音化・濁音化。清音形は古形。
『俚言』によると江戸時代には『とつぐ』とも言ったという。
とづく:神奈川・長野・静岡。
とづける:届ける:福島。
おみやとづいだ?:お土産届きましたか。
どづぐ
△どづく
どつく
どーづぐ
どーづく
【動】激しく突く、たたく 『胴突く(どうづく)』『ど突く(どづく・どつく)』。
『聞書』には『どうづく』が掲載されている。
今では関西を中心にどつくが使われる。
どんづぐ:青森。
どづく:北陸・群馬・神奈川・近畿。
どーづく:群馬・東京多摩・神奈川・長野・山梨・静岡。
とーづく:神奈川。
(どーづく) 【動】弄ぶ 静岡。
とづ 【動】嫁ぐ
(とっくい・とっくいびん) 徳利 鹿児島。
とっぐがら 【副】かなり前から
どっぐち
どっくち
毒舌、悪口 『毒口』(どくぐち)。
(とっぐち) 棒の端にトビのくちばしのような鉄製の鉤(カギ)をつけたもの。消防士や人足が物をひっかけて運んだり壊したりするのに用いる具。とび。 鹿児島。
『鳶口』。
とっくとっく 【副】@かなり前、Aとくと、じっくりと @『とっくのとっく』の転。
A繰り返し言葉による強調表現。
★長塚節の『芋掘り』の一節:とっくどっくいった。此のお袋が今日まで家内に風波を起さないのはおとなしく我慢をして居るからなので、嘗ては怨みがましいことをいったことは無かつたのである。
とっぐど
とっくと
【副】じっくりと、よくよく 『篤と(とくと・とっくと)』。 標準語では前向きな意味だが、茨城では『よくよく、全く、ほとほと』の意味で否定的な意味で使う事もある。
とっくと:山形。
とっくと:全く:宮城。
とっけと:静岡。
とっくのけっく 【形動】とっくに 『とっくの結句』の意味。
とっくのとーが 【慣】とっくに行なった様、随分前の様、とっくのとう 『とっくのとう』をもじって『とっくの十日』とした慣用句。
とっくのまに
とっくのまーに
とっくのむがしに
【複】とっくに
(とっくばむ・とっこばむ) 【動】しゃがむ 神奈川。
どーつぐばり
どーつくばり
業突く張り、強突く張り どーつくばり:山梨。
とっくみ 喧嘩
とっくむ 【動】@喧嘩する、A取り組む
どっくむ 【動】飲む、飲み込む 『どっくんどっくん』(ごくごく)飲む意味だろう。関東方言か?。
どっくむ:群馬。
とっくら 【副】とっくり、とくと とっくり:静岡。
とっくり タートルネックセーター 『徳利襟』(とっくりえり)の短縮形。
とっくりそで:巻き袖:神奈川。
とっくりいす
とっくりかいす
とっくるいす
【動】@取り返す、Aひっくり返す 『が』は濁音・鼻濁音。
A・とっくりかえす:青森・山形。
とっくりーし
とっくるーし
【動】繰り返し 『げ』は濁音・鼻濁音。
とっくるけーし:神奈川。
とっくりーしひっくりーし
とっくるーしひっくるーし
【副】とっかえひっかえ、入れ替わり立ち代り 『げ』は濁音・鼻濁音。
とっくるけーしひっくるけーし:群馬。
とっくりいす
とっくりーす
とっくりけーす
とっくるーす
とっくるけーす
【動】@取り返す、Aひっくり返す 『げ』は濁音・鼻濁音。
@★『土』:幾(いく)ら勤(つと)めたって途中(とちう)で厭(や)だからなんて出(で)っちめえば、借(か)りた丈(だけ)の給金(きふきん)はみんな取(と)っくる返(け)えされんのよ。
A『俚言』『とちくりかへす』があり『とち狂ふ』との関係をうかがわせる。
とっくりいる
とっくりーる
とっくるーる
【動】@元に戻る、Aひっくり返る、B入れ替わる 『げ』は濁音・鼻濁音。
A・とくらがる:青森。
とっくらがる:青森。
とっくりかえる:青森・秋田・山形。
(とっく 握り拳 鹿児島。
どっくんどっくん 【副】@ごくごく、Aどきどき
どっけ 毒気、悪気 『毒気(どくけ・どくき)』。
とっけぁーす 【動】取り返す
とっけぁーる
とっけぇーる
【動】取り替える 『集覧:新』。
◆■とっけーこ 取り替えっこ、取り替えること
とっけーし @取り返すこと、A鶏糞
とっけし 鶏糞
とっけーしとる 【動】損したことを後で取り返す
とっけしっけ
とっけーしっけー
とっけしひっけし
とっけーしひっけーし
【副】とっかえひっかえ とっかりばん:群馬。
とっかりひっかり:神奈川。
とっけしっこ 奪い合い とっけすくら:宮城。
とっけす
とっけーす
【動】取り返す、取り戻す とけす:ひっくりかえす:秋田。
とっけす:宮城。
★『土』:其(その)甘藷(さつま)取(と)つ返(けえ)しっちまあから。
とっけす 【動】取り消す
どっけづ
とっけづ
びり
どっけづ 大きな尻、出っ張った尻
とっけっこ
とっけーっこ
取り替えっこ、取り替えること とっけっこ:宮城・群馬。
とっけーひっけー 取っ換え引っ換え とっけーひっけー:神奈川。
どっけむし イラガの幼虫 『毒毛虫』の意味。
(とっけもの) 福引等で得た景品 宮城。
とっけらがる 【動】取り替わってる
とっけらげる 【動】取り替える
とっけらさる 【動】取り替えられる
とづげる
とづける
とつける
【動】届ける 『届く』の古形『とずく、とづく』の流れ。清音形は古形。
とづける:福島。
(とつける) 【動】取り当てる 宮城。
どっげる
どっける
【動】退ける
とっける
とっけーる
【動】取り替える、交換する 『取り替える』。
とっける:青森・岩手・宮城。
とっけーる:千葉・埼玉・群馬・神奈川・山梨。
(とっげんね・とっけんね) 【複】とんでもない 鹿児島。
とっこ 幼児語。
とっこ:宮城。
(とっこ) 本気にすること、まじめにとって怒ること 東京。近世語。
若干の意味のずれがあるが、広辞苑に『とっこ:詐欺(サギ)。かたり。盗人。「とっこの皮」とも。』、大辞林に『とっこに取る:相手を脅したり困らせたりするための口実にする。「お力の仕方が憎くらしさに思ひあまつて言つた事を、とっこに取って出てゆけとまでは/にごりえ(一葉)」』とある。
どっこ 【代】どこ 『集覧:久』。
茨城方言集覧では『何処の家といふこと』とある。
どっこ:青折・福島・八丈島・島根。
どっこい 【感】相手の行動などをさえぎり止める時に発する語 昔は良く使われた言葉。
どっこいすっこい 【形動】互角な様、どっこいどっこい
とっこしろー
とっこしくろー
取り越し苦労
とっこす 【動】@通り越す、過ぎる、A追い越す @・とっこす:宮城・福島。
A・とっこす:宮城・千葉・栃木・群馬。
どっこす 【動】度を超す
とっことっこ 【副】歩くさま、とことこ
(とっこばむ) 【動】しゃがむ 神奈川。
とっこむ 【動】布団・洗濯物などを取り込むこと 『取り込む』。
とっこむ:群馬。
(どっさい) 【副】どっさり 鹿児島。
とっさぎ 突き出た先端。とがった端。突端。 『突先』。
とっさわる 【動】差し障る
とっさま
とっさん
▲夫、父 『集覧:久』。
当時の高齢者言葉。
とっさ:長野・奈良。
とっしょり 年寄り とっしょり:宮城・福島。
とっしょりすだづ:年寄り達:宮城。
どっしら 【形動】@どっしり、A▲沢山 A『集覧:行』。
どっしり:静岡。
どっしりど 【副】どっしりと どっしりど:東北。
(とっそく) 【副】早速 佐渡島。
とっそご 『突底』の意味。
どった 【複】どうした
どっだ〜
どった〜
【連体】どんな〜 どったな:どんな。
どったに:どんなに。どったら:どんな・どんなに。
どったらすんだ:どうするんだい。
どったらもんがすぎだ:どんなものが好きだい?。   
どったが 【複】@どうした?、Aどこへか、Bどこか @=『どーしたが』
Aは変則的な訛。『どごさが』がさらに訛った。
B=『どっかが』
とったがみだが
◎とったかみたか
【慣】すぐさま、あっという間 標準語の慣用句『取ったか見たか』。
とったかみたか:金を取ったが見ただけですぐ無くなってしまうこと:群馬。
とったかみたか:浪費癖の有る人:神奈川。
どったげ 【複】どれだけ
どったごだねー
どったごどねー
どーったごどねー
どってごどねー
【複】たいした事ない どってことねー:東京。
とったし 【複】取って加えること 『取り足し』の意味。
★『土』:味噌(みそ)でも何(なん)でもさうえ理由(わけ)ぢゃこっちのおとっつあん好(す)きなやうに搗(つ)かせることにしてな、大豆(でえづ)はそれとったしすっから行(や)る積(つもり)にせえなりゃ譯(わけ)ねえ噺(はなし)だな
どったすった 【形動】@忙しくてばたばたする様、Aもめごと
どっだどっだ
どったどった
【形動】@暴れる様、A足音が大きい様、
どったって
とったって
【複】どうやっても 『どうしたって』の意味。
とったって 【複】と言ったって
どっだな
どったな
どーったな
【連体】どんな
どったの 【複】@どんなもの、Aどうしたの Aは幼児語または茶化した言い方。
どっだばっだ
どったばった
【形動】@暴れる様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様
どっだら
どったら
どーったら
【連体】どんな、どうとやら
どったらこったら 【複】あれこれ、どうとやらこうとやら 俗語と考えられる。
どったらごどねー
どーったらごどねー
【複】大した事無い
どったり 【副】@どっさり、A亡くなる様、B▲【名】死ぬこと、ばったり @・どったり:岩手。
B『集覧:多』。
とっだん
とったん
つき出たはし。とっぱな。 『突端』。
どったんだ 【複】@どうしたんだ、Aどんなのだい
どっだんばっだん
どったんばったん
【形動】@暴れる様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様 『どたばた』。
どっぢ 【代】どっち 『何方』。
どっちが 【複】どちらか、どっちか 『が』は濁音。
けんかしたのはどっちががわりーんだなくてどっちもわりーんだ:喧嘩したのは、とちらかが悪いのではなくてどっちも悪いんだ。
どっちがっか:どちらか。
どっちか
どっちかー
どっち
どっち
【形動】どちら側、とっち側 『が』『か』は『処』。『どっちか』は標準語では『どちらか・いずれか』の意味。
とっちいる 【動】取り違える とっちえる:群馬・東京。
どっちがかっか
どっちががっちが
どっちがかっちが
【複】どちらか、どっちか
どっち
どっちかし
【形動】どちらの端、どちちら側、どちらの方 『どっち河岸』の意味か、『どっちが端』が訛ったか。
こごまでくっとどっちつおいんだがわがんね:ここまで来るとどっち側が強いのか解らない。
とっちさる 【動】(髪の毛などが)絡まる、取り変わる
どっちがだ
どっちかだ
どっちかた
どっちっかた
【複】どちら側、どちらの方 あいづはどっちがだのみがだになんのがわがんめ:あいつはどっち側の味方になるのか解んないだろう。
どっちがっちど
どっちがっちーど
どっちがっちゅど
どっちがっちゅーど
どっちがっつど
どっちがっつーど
【複】どちらかと言うと
とっちかめる 【動】とっ捉まえる
とっち 【動】取り違える、取り変わる
どっちがる 【動】座る 『ちがる』の強調形。=『ぶっちがる』
どっち
どっち
どっちくぢ
どっちくち
【複】どっち側、どっちの入口
とっち
とっちーる
【動】取り違える 『げ』は鼻濁音。
とっちーる:群馬。
とっちーる:神奈川・山梨。
どっちごだねー
どっちごだーねー
どっちごどねー
どっーちごどねー
どーっちゅごどねー
【複】大したこと無い、どうってことない 江戸言葉では『どうってえこたあねえ』
どっちっか
どっちっかー
どっちっかわ
どちら側
どっちづら どちら面、どっちの見方
どっちな 【複】どっちの おめはどっちなほーいーんだ?:お前はどっちの方が良いんだい?。
どっちにせ
どっちにせー
【副】どっちにしても 『どちらにせよ』。
とっちばる 【動】縛る とちばる:渋いものを食べたときに口を閉じる:青森。
とっちばる:山梨。
どっち
どっちっ
どちら面、とちら側
どっちぼーる ドッジボール 方言かと思っていたら、NHKアナウンサーもそう発音していた。和製英語で標準語の中の訛。
とっぢみぢ
どっちみっち
【副】どっちみち、いずれにしても 本来は『どのみち』
とっちめる 【動】こらしめる 『集覧:真』。
標準語。『取って締める』が転じた『取っちめる』
とっちべる:締める:青森。
とっちめる:群馬・東京・静岡。
どっちむぎ
どっちむげ
どっち向き、どっち向け、何に相応しいかということ
どっちもどっち 【形動】双方同じ程度、どっちつかず どっちもどっこい:甲乙なし:静岡。  
どっちもどっち:静岡。
どっちゃ
とっちゃ
【代】どっち 『集覧:西』。
『どちら』が訛ったもの。
どっちゃ:青森・秋田・福島・香川。
(とっちゃかっちゃこい) 養蚕の盛んだった群馬の機織の音を表した方言。機織の音は、横糸を叩いて締める『ばったん』(通常二回)と縦糸を交差させた後、横糸を通す船のような器具(ひ。さす。さい。シャトル)を縦糸の間を通す時にする音の『くるくる、するする、つるつる、きりきり、きききき、』等である。
してみると、この方言はどちらかと言うと音を例えたと言うより、縦糸が交差する毎に『杼』が言ったり来たりすることの例えのように思える。即ち『取って変わっては来い』の意味である。
とっちゃ 【動】取り上げる 『取り下げる』が原型と思われる。
とっちゃっちぇ:取り上げてしまえ。
どっちゃづがず
どっちゃつかず
どちら付かず、どっちつかず どっちゃづがず:山形。
どちゃづがず:山形。
とっちゃなもぢ 練った小麦粉をちぎって茹で、醤油や砂糖をつけたり汁に入れて食べるもの。水団。 いびだん:神奈川。
りだん:神奈川。
つみいれだん:神奈川。
とっちゃな:群馬。
とっちゃなだん:神奈川。
とってな:青森。
りだん:神奈川。
にだん:特に煮て食べる場合:神奈川。
ひっつみ:青森。
へらへらだん:神奈川。
どっちゃにしても どっちにしても
とっちゃらがす 【動】取り散らかす
とっちゃらげる 【動】取り散らかっている
どっちゃり 【副】@どっさり、沢山、Aでんと座る様子 @・どっしり:静岡。
とっちゃん 父、お父さん とっちゃ:青森。
とっちゃん:宮城。
とっちゃんこぞー:子供のくせに大人のような顔をしている子:山梨。
とっちゃんぼーや:子供のくせに大人のような顔をしている子:東京。
どっちらがす
とっちらがす
【動】取り散らかす 『取り散らかす』。
とっちらかす:栃木・群馬・神奈川・山梨。
とっちらがる
とっちらかる
【動】@取り散らかる、A混乱する 『取り散らかる』。
とっちらかる:山梨。
どっちらげ
どっちらけ
白けた様、興ざめ 俗語。
どっちらけ:群馬。
どっちらげる
どっちらける
【動】白ける、興ざめする 俗語。
どっちり
とっちり
【副】@沢山、どっさり、Aどっしり 『集覧:西』。
@・どっちり:秋田・福井。
とっちんばったん 【形動】@暴れる様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様 『どたばた』。
とっつ 一つ
とっつぁいる
とっつぁえる
【動】@取り押さえる、A仲裁する @『取り障える』意味。
A『取り捌く』。
とっつぁぎ
とっつぁき
先端、頂上 『集覧:真』。『突先(とっさき)』。
とっつぁぎ:千葉銚子。
とっつぁぐ 【動】裂く 『取り裂く』意味。
(とっつぁぐ) 【動】仲裁する 福島。『取り捌く』。
とっつぁげる 【動】裂ける
とっつぁ 【動】取り下げる
とっつぁばぐ 【動】懲らしめる 『取り裁く』。
とっつぁばく:仲裁する:埼玉。
とっつぁま
とっつぁん
父親の呼称 江戸期の言葉と思われる。東京では『大人でありながら、容貌やしぐさに子供っぽい一面のある人。』を『とっつぁんぼうや』と言うが、もともとは『とっちゃんぼうや』のこと。
とっつぁま:福島。
とっつぁん:年配の男:東京。
どっつぁる
どっつぁーる
【動】座る
とっつぁる 【動】取り去る
とっつぃまーる 【動】@取り押さえて回る、A仲裁して回る
とっつぃる
とっつぃーる
とっつぇーる
【動】@取り押さえる、A仲裁する 『取り障える(さえる)』意味。
A・とっせーる:神奈川。
とっつえる:埼玉。
とっつぉご 『とっ』は強調の接頭語。もともとは『突』だったか?。『突先』(類)。
どっつぉご:山形。
とっつかまいる
□とっつかまえる
【動】取っ捕まえる とっつかまえる:静岡。
とっつがまさる
とっつかまさる
【動】とっ捕まる、掴まる
とっつがまる
とっつかまる
【動】とっ捕まる 濁音化。『取っ捕まる』。
この場合の『つ』は有母音でしっかり発音する。
とっつがめる
とっつがめーる
◆■とっつかめーる
【動】とっ捕まえる、掴める 『取っ捕まえる』。
とつかまえる:佐渡島。
とつかめる:青森。
とっつかめる:群馬・埼玉。
とっつかめーる:神奈川・山梨。江戸言葉。
とっつがる 【動】@取り付く、A始まる、取り掛かる 『つ』は有声音でしっかり発音する。
@・とっかる:縋り付く:静岡。
とっつがれる
とっつかれる
【動】取り憑かれる 濁音形の場合、『つ』は有声音でしっかり発音する。
★『土』:そんなことゆつて、今(いま)出(で)た佛(ほとけ)のことをおめえ等(ら)、とっつかれっから見(み)ろよ。
とっつぎ
とっつき
@取っ付き、とっつき、最初の、A最初に接した印象 『とっつき』なら標準語。『取付き』。濁音の場合の『つ』は有声音でしっかり発音する。
@・とっつき:群馬・東京。
A・とっつき:静岡。
とっつぎにぐい 【複】見た目の印象が悪い 『取っ付きにくい』。『つ』は有声音でしっかり発音する。
とっつきにくい:群馬。
どっつぎまなぐ
どっつきまなぐ
驚いた時の目 『取り付く』には『@組みつく、A憑(ヨ)りつく、たたりつく、のりうつる』意味がある。濁音形の場合、『つ』は有声音でしっかり発音する。
とっつぎわるい
とっつぎわりー
とっつぎわれー
【複】見た目の印象が悪い
とっつぐ
□とっつく
【動】@始める、A取り付く、B追いつく、C組みかかる、飛びつく、D取り憑く、E仲裁する @ACD清音形なら標準語。
@・とっつく:東京・山梨・静岡。
A・とっかる:縋り付く:静岡。
とっつく:東京。
C・とっつく:東京。
D・とっつく:東京。
どっつぐ 【動】激しく突く、たたく
とっつけ
とっつけー
取っ付き、とっつき、最初 『取っ付き』。
とっつけ:最近:山梨。
とっつげる
とっつける
【動】取り付ける とつけもの:福引等の景品:宮城。
とつける:取り当てる:宮城。
とっつける:群馬。
とっつげひっつげ 【副】@取ったり付けたり、Aひっきりなしに
〜どっつったって 【助】〜と言ったって 『〜ぞとて言ったって』。
おれやんだどっつったってだーれもしんよーしめ:おれがやるぞって言ったって誰も信用しないだろう。
どっつぶす
とっつぶす
【動】取り潰す、潰す
とっつらまる 【動】とっ捉まる 『集覧:行』。
とっつらめる
とっつらめーる
【動】とっ捉まえる 『取っ捉まえる』。
どっつわる 【動】座る
どっつん 米のポップコーン
〜どって
〜とって
【助】〜(した)と言って、〜と言って 『集覧:稲』。
『〜(ぞ)とて』。
〜どって:秋田・山梨。
〜とって:神奈川・山梨。するとってでていった:すると言って出て行った。
〜どで:〜だから・〜から:山梨。
なんだどってー:何だって言ってるんだい。
はいぐくろどってそごにいんだわ:早く頂戴と言ってそこに居るんだよ。
そごにいんだどってがんばっでっつぉ:そこに居るんだって聞かないかないんだよ(主張しているぞ)。
〜どって 【助】〜だぞと、〜ぞと 古い言い回し。『〜ぞとて』。
・どって:だからといって・いかにもらしく:福島。
〜とって:神奈川・山梨。いくとって:勿論行くよ:神奈川。
おれはおれどってやんだ:俺は俺らしくやるんだ(俺は俺ぞって遣るんだ)。
どーってごだねー
どーってごどねー
【複】大したこと無い、どうってこと無い
〜どってったって 【助】〜と言ったって
どってな 【連体】どんな
とってな 水団 とってな:青森。
どっても
どーっても
【副】どうしても
とってもねー 【形】考えもつかない、とてつもない、とんでもない 『とっけもない』。
どってんばったん 【形動】@暴れる様、A足音が大きい様、Bあわてふためく様 『どたばた』。
とっと
とっとー
@魚、A鶏、B鳥 幼児言葉。
@・どっと:宮城。
A・とっとこ:栃木・新潟。
B・とっと:佐渡島。
どっと 【副】@物や人が倒れる様、A人や物などが急に多く押し寄せるさま。B大勢が一度に声をあげるさま。C病気が急に重くなり寝こむさま。 古くは『どうど・どうと』と言い、それが促音化したと考えられる。擬態語・擬音語と思われる。
@ABは現代でも良く使われるが、Cはあまり使われない。『どっと寝る』。
著名辞書をいくつか調べると意味が微妙に異なっている。
現代では『どうど・どうと』は使われず、促音化した言葉が標準語化している。
とっどぎ
とっとぎ
【複】@後日の用意にと大切にしまっておくこと。また、そのもの。A晴着。 濁音化。『取っとき』。
@・おとっとき:群馬・山梨。
とっとき:群馬。
A・とっとき:群馬。
とっどぐ
とっとぐ
【動】取って置く、取っとく 濁音化。
とっとく:山梨・静岡。
とっとご
とっとごとっとご
【副】さっさと、てくてく、とっとと 2回繰り返すこともある。
とっとごあるぎ:さっさと歩くこと。
とっとこっこ 幼児言葉。
とっとこ:栃木・新潟。
◎どっとしない 【複】感心しない、ぞっとしない やや古い標準語。
どっとしない:山形。
(とっどっ) 時々 鹿児島。
とづとづと
とつとつと
【副】口篭もりながら話す様
とっとっと 【副】とっとと 『集覧:真』。
『疾っ疾と』。
とっとど 【副】とっとと 『疾っ疾と』。
とっとまり 示し、終わり 動詞形に『取り止る』(@とまる。とどまる。Aしっかり定まる。まとまる。)がある。
とっとまり:群馬。
とっとまりつかねー:示しがつかない。
とっとまりね:きりがない。
とっとめ @魚、A鶏、B鳥 幼児言葉。
A・とーとーめ:八丈島。
(とっとろとー) 気がつかない人、おっちょこちょいな人 沖縄。
とっぱが 【動】剥がす、取り返す 『取り』『剥がす』。茨城弁で特に多い複合動詞の典型例。
とっばくる
とっぱぐ
とっぱぐれる
とっぱご
【動】@取り損なう、Aタイミングを失う、B▲失敗する 『集覧:久』。
『取り逸る』。
@・とっぱぐ:福島。
Cその他。
とっぱぐれる:落ちる:青森。
とっじまる
とっちまる
【動】始まる とっちまり:始まり:福島。
とっじめ
とっちめ
最初 『突端・突鼻』。
とっじめる
とっちめる
【動】始める
(とーっしり・とーしり) 遠方まで外出すること、子供や犬・猫などが普段遊び歩く範囲よりも意外に遠くまで遊びに出ること 神奈川。茨城にあってもおかしくはない方言。
とーっしり:東京。
とっずし 失敗、過失 とっずし:山形。
□とっずす 【動】@取り外す、A(足を)踏み抜く、B(当てが)外れる、C失敗する 『取っ外す』。
@・とっずす:山形・群馬・山梨。
とっすっ 軽率なこと、おっちょこちょい 『あたふた』が訛ったあっすっと『突飛』が混ざったような言葉。
とっずれ @(町の)外れ、A外れ、不良品、B失敗 @標準語。『突外れ』。
とっずれ:山形。
B・とっずれ:新潟。
とっずれる 【動】@外れる、A(足を)踏み抜く、B(当てが)外れる、C失敗する
とっどぅす
とっどす
【動】@取り外す、A(足を)踏み抜く、B(当てが)外れる、C失敗する 『集覧:北』。『とっぱずす』が訛ったもの。・とっどす:茨城・千葉。
とっ @突端、A物事の初め やや古い標準語の『突端・突鼻』。『とっし』とも言う。
@・とっ:東京多摩・静岡。
A・とっ:東京。
とっやす 【動】子供をあやす 『囃す』(はやす)。
どーっ わき腹 『胴腹』の意味。
どっ:宮城。
どんばら:大阪・三重・広島・愛媛・佐賀。
とっらー
□とっらう
【動】取り払う、撤去する とっらう:群馬。
とっられる 【動】取り払われる、撤去される
とっ 【慣】(子供の遊びで)取った
(とっ 誕生日 群馬。
『当り日』の意味か。
どっ 【動】気が引ける、怖気づく
とっくりん 【形動】おっちょこちょい、向こう見ず 江戸時代には軽率な者を『とひょうもの』と言ったので、それに由来すると考えられる。
ちょちょら・ちょっ:おっちょこちょい:群馬。
とっき:慌て者:岩手・秋田・宮城。
とってくれ:乱暴者:千葉。
とっびすっか
とっすっか
軽率なこと、おっちょこちょい 『集覧:東』。
『あたふた』が訛ったあっすっと『突飛』が混ざったような言葉。
とっづもねー
とっでもねー
とっもねー
【形】思いも寄らない 『突飛もな・い』意味。
とっけもない:長野。近世語。
とっゃぐ 【形動】数え切れない様、大量の様 『十百』の意味。
(とっゃくにんも) 十人も百人も 東京。
とっゃぐまん 【形動】数え切れない様、大量の様 『十百万』の意味。『十千万(とちまん)』とも言う。
とっょーし 調子はずれなこと。とほうもないこと。度はずれなこと。突飛。 『突拍子』。
とっょーし:静岡。
とっょーしもねー 【複】考えもつかない、とんでもない 『突拍子も無い』。江戸言葉。
江戸時代には『とひょうもない』と言った。軽率な者を『とひょうもの』とも言う。『途方も無い』と同源か。
『聞書』には『とょうもない』が掲載されている。
とっょーしもない:東京・静岡。
とっょーしもなし:神奈川。
とっょーしもねー:群馬。
どひょーし:とっぴなこと:山形。『とひょう』。
どひょーしもない:福井。
とっょーしもねーこと:突拍子も無い事:神奈川。
とっょこりん 【形動】@おっちょこちょい、軽率な人、向こう見ず、間抜け、Aこっけいなこと(人)、冗談 江戸時代には軽率な者を『とひょうもの』と言ったので、それに由来すると考えられる。
(どっんじり・どっんじり・ろっんじり) 最後の決心 神奈川。
どっんちゃん 瓢石(ふくべいし)、目印の石、標石 『集覧:新』。
徳島では瓶を『とっん』と言う。
『称呼』によれば、『どびん:薩摩にてちょかと云。同国ちょか村にてこれをやく。ちょかはもと琉球国の地名なり。其所人薩摩に来りてはしめて制るゆへにちょかと名づく。又常陸及出雲或い四国にてどひんと ひ の字を清て唱う。出雲常陸などにてはどびんとなづくるは牛馬の睾丸(きんたま)也。四国にては人の睾丸の大なるをいふとぞ。武蔵の国にて春のたはむれにすなる実曳の親縄といふ物のしるしにつくる物を胴ぷぐり(どっぐり)又どっなどといふも意なるべし。』とある。
ここで、『胴ふぐり』とは『宝引・福引などの綱の先につけるもの。昔は木槌または橙(ダイダイ)などを用いた。』のこと。
どっんめめず 大きなミミズ 土浦市の方言であるが、記憶が無い。
とっぐろ 戸袋、雨戸の収納場所 窓の性能が上がって西洋では『よろい戸』が無くなり日本では雨戸がなくなりつつある。そのため戸袋も少なくなってきた。
◆▲どっ
とっ
【副】どっぷり、びっしょり どっ:神奈川。
どっふら
とっ
【副】どっぷり、びっしょり 『集覧:北』。
(どっぶり) 【形動】腫れた様
とっ 【副】びっちり、きっちり 『集覧:西』。
茨城方言集覧では『器物のよくはまること』とある。
どっ 度胸 真壁郡・新治郡の方言。
とっ 【複】@取ろう、A取るだろう
とっ 【形】不良っぽい、きざで生意気なこと、とっぽい 連母音変形。
とっぺが
とっぺげ
とっぺげーす
【動】取り返す 『取り』『剥がす(はがす・げがす)』と『取り返す』、さらに『とっす』が混ざり合った言葉。
とっ 【複】取るらしい、取るだろうから 『集覧:北』。
とっ 【動】取り返す、押さえて取る、取り押さえる 『取り圧す』意味。
とっ
とっーす
【動】子供をあやす 『取り圧す』より『取り囃す(とりはやす)』の方がぴったり合いそう。
とっーす:山梨。
とっずる 【動】削る、奪い取る
とっづもねー
とっつもねー
【形】考えもつかない、とてつもない、とんでもない 『集覧:行・真』。
『突飛図無い』意味か。『図無い』は『途方もない。並はずれている。』の意味。
とっつもない:宮城・新潟。
とっづもなぐいがいど:とてつもなく大きいよ。
とっもない
とっもねー
【複】考えもつかない、とてつもない 『集覧:行』。
『突飛もな・し』の意味。
『称呼』には『あとかたもなしといふ事を関西関東共にとてつもないと云。下野にてとっいもないと云。遠州にてしやうくもないと云。(中略)。又江戸にてとっけもないといふは転語なるべし。』とある。
どっ
どっーる
【動】(池などに)はまること、入る 『どっ』は意味を持たない強調の接頭語。
なんだがー、ゆーろっのおんがぐにーどっるこんちぇーどっつーきょぐがあるらしーど。おっかねーなー。そーたのきーだらでーもぐだげでおぢごんじゃーよなー。なーにたのしーんだっ:なんか、ヨーロッパの音楽に『どっるこんちぇーど』(二重協奏曲)という曲があるらしいよ。怖いわね。そんな曲を聴いたら題目だけで落ち込んじゃうよね。何が楽しいんでしょうね。
どつぼ 野壺 『土壷』(素焼きの壷)の意味と思われる。辞書に掲載されていない俗語と考えられる。上大津地区では、屋敷内に一次貯留する場所を設け、発酵させてから畑に撒くようになっていたが、中には、畑に大型の木桶や壷を埋めてそこを発酵させる場所にしているところもあった。
横浜市内の我が家の近くは、市街化調整区域になっていて田畑が多く、とある畑にはコンクリート製の野壷が放置されているところがある。落下事故を防止するためか、やや浅めで半分庇に覆われている。勿論今は使われていない。
野壷は最初は大型の木製の桶、次に焼き物の壷、そしてコンクリート製の溜めになり、その後衰退したと考えられる。
どつぼにはまる:野壺に落ちる、失敗する。
とっ 【形】きざで生意気な様、不良っぽい 茨城では、主に『不良っぽい』の意味で使われる。
すたれつつある俗語。現代では使う人が少なくなったため茨城では今では方言だと思う人が多い。また他県でも同様であるようだ。昭和辺りまでは比較的広く使われたが、今では耳慣れない言葉になっているらしい。
明治期には『ずる賢い・抜け目がない』の意味だったという。香具師・的屋言葉から来たと言う説がある。
広辞苑には『とっい:(俗語) 気障(キザ)で生意気である。』、大辞林に『とっい:きざで不良じみているさまを俗にいう語。』、大辞泉では『抜け目がない。ずるい。』、三省堂国語辞典第5版では、『おっちょこちょい。間が抜けている』とある。解釈が異なるのは、想定した時代が異なるためと思われ、現代でも微妙に異なる使い方がされていると思われる。
開高健は『パニック』で『雪がとけてみたら木がまる裸になってたんでびっくりしたなんてトッことをヌケヌケ書いている。』と書いている。またサザンオールスターズの歌『イエローマン〜星の王子様〜』でも使われている。この種の俗語はわざわざ辞書を調べて使う人はいないから、その場の雰囲気に応じて使われ、微妙なニュアンスの相異が生じるのは避けられないと思われる。
語源は『太っぽい』だという説があるらしい。
とっ:格好いい・冴えてる:東京。
とっぽがいる
とっぽがえる
【動】躓き倒れる、宙返りする 『集覧:稲』。
『とんぼがえる』意味。
どつんぼ 聞いてて聞かない人 罵倒語。『超つんぼ』の意味。
どで @土手、A崖 @濁音化の代表語。
どてっ::土手:神奈川。
A『手』とはいったいどういう意味だろう。『山手・山の手』の『手』は『それに近い場所や方向・方角』を指す。一方『土手』の『手』の意味で最も近いのは、『人体の手のように突き出ているもの』が最も近い。すなわち、『土手』とは『土が手のように突き出たもの』言い換えれば崖に限りなく近い。ということになる。
『称呼』によれば江戸時代には土手を『土堤』と当てていたことが解る。『上総及信濃にてままといふ。』とあり、当時の上総・信濃では土手と崖を混用していたことになる。
それでは、『崖』と『土手』の違いは、『崖』は土や岩がむき出しになっているのに対して、『土手』は草木が生い茂っているイメージが大きい。そうなると、『崖』の方が『土手』より勾配がきつく、多く草木が生えにくい場所ということになる。
そこで、辞書を調べると、次のようになる。
土手:つつみ。堤防。築地。(広辞苑)。@土を小高く積み上げた堤。水や風を防ぐ堤防。A敵の侵入を防ぐため、城の周りに設けた土の堤。築地(ついじ)。土居(どい)。(大辞林)
崖:(「懸(カケ)」の意か) 山や岸などの、けわしくそばだった所。きりぎし。日葡「カケ」。(広辞苑)。山・海岸などの、険しく切り立ったようになっている所。(大辞林)
これによると、『土手』とは人工的に作った斜面で『崖』とは、自然にできた険しい斜面ということになる。
現代の都市部の崖や土手ははコンクリートや間知石にとってかわった。今や、『土手』と『崖』の区別がなくなり、緑を伴った斜面は新たに『擁壁』という言葉で無機物で覆われた壁になってしまった。
『手』には、『蔓を絡ませるために立てる竹や木。』の意味があるものの、『土手』は本来『土堤』ではあるまいか。
現代語の土手は、一般に『つつみ。堤防。築地(ツイジ)。』を指し、崖と土手の境界の定義は明らかではない。古くは、土手と崖は同義だった可能性が高い。
@・どい:静岡・三重・山口。『土居』と当てられるが本来は『土井』ではあるまいか。
どで:千葉。
どてっくね:静岡。
どてっ:神奈川。
A・どて:神奈川。
どてくむ:崖が崩れる:神奈川。
どてくずれ:がけ崩れ:神奈川。
どで
どて
畦、くろ 明らかに『土手』の意味である。方言地図によれば、関東圏では茨城・栃木・群馬北部・東京に分布し、さらに全国に散在することから古い言葉と思われる。
どて:茨城・栃木・群馬北部・東京。
とーて 遠方 『遠方』の意味。
『ちかて』の対語。標準語になれなかった言葉の一つだろう。
(どて) 魚肉の大きな切り身 東京。
広辞苑に『どて【土手】:カツオ・ブリ・マグロなどの大魚の大きな背の切身。刺身にする部分。』とある。
(どて) 太った女 佐渡島。
どでー
どーで
どーでー
【副】土台、そもそも、どうせ 『どうで』は広辞苑に『「どうせ」に同じ。浄、曾根崎「―女房にや持ちやさんすまい」』とある。近世語。
ずで:思った以上に:山梨。あいたぁづでわからんじん:あいつは思った以上にわからない人だ:山梨。
どでー:長野・神奈川。
どーで:まるで:東京多摩。
どーで:とても:静岡。
どーで:どっちにしても:静岡。
★『土』俺(お)ら見てえな婆(ばばあ)はどうで此(こ)れから嫁にでも行くあてあんじゃなし:俺みたいなばばあは、そもそもこれから嫁に行く当てがあるわけじゃ無し。★『土』どうで俺(お)ら餘計者(よけいもの)だ、居やしねえからええや、幾ら持ってたって構やしねえ:どうせ、俺は余計者だ。。居ないから良いや。いくらくら持ってったって構いやしない。
とーでー 【副】到底
とーでー 【形】尊い
どーでー 【複】どうだい 江戸言葉。元『どうだや』。
どーで:ごめん下さい:山口。
どーでー:埼玉・山梨・静岡。
どんでー:青森。
〜どで
〜とで
〜とて
【助】@〜と言って、A〜と思って、B〜としてと、C(下に打消または反語を伴い) 〜しても、D(体言について)〜だけあって。〜なので。〜であるから。だって 『〜とて』。
★『土』:燒餅(やきもち)燒(や)くとて手(て)を燒(や)いてえ、其(そ)の手(て)でお釋迦(しやか)の團子(だんご)捏(こ)ねたあ。
どでか
どでかー
どでっか
どでっこ
土手の辺り、土手の斜面 『か』は『処』または『側』で『土手になっている場所』の意味。
どでがい 【形】どでかい どでかい:静岡。俗語。
どでこない:静岡。
とてかいる
とてかえる
【動】引き返す 『集覧:久』。
『取って返す』。
どーでがし
どーでがして
【副】道理で 本来は、『どーんでがして』(道理でございまして)。
どーでか:神奈川。
どーでがして 【副】何とかして
どでがす
どでかす
【動】しでかす、やらかす 『でかす』を強調した言葉。
とんでもねーごどどでがしやがって:とんでもないことをやかしやがって。
どでかぼちゃ
◆どてかぼちゃ
どてかぶちゃ
馬鹿、できそこない 『土手かぼちゃ』。
土手になったかぼちゃは、甘いことが例えになっていると言う。
(どてかーる) 【動】ひっくり返る 静岡。
(とーてき) 【副】立ち所に・即座に 東京多摩。
どできん
どてきん
【固名】大判焼き、甘太郎焼き、お焼き、土手焼き、太鼓焼き、金鍔(きんつば)焼き 今川焼きの一種。土浦名産の大判焼きの商品名『どてきん』
土浦では単に『あまたろう、きんつば』とも言った。
広辞苑に『金鍔焼:水でこねた小麦粉を薄くのばして小豆餡(アズキアン)を包み、刀の鍔のように円く(或いは四角に)平たくし、油をひいた金属板の上で焼いた菓子。文化・文政(18041830)の頃江戸で流行。きんつば。』とある。
『どてきん』は『土手で売ってる』説があるらしい。しかし、鋳物の鉄板を『土手』に例えた可能性もあろう。
どでげー 【形】どでかい
どーてごどねー
どーてことねー
【複】大したこと無い、どうってこと無い
とてぞ
とてぞー
山栗の立ち枯れ 『集覧:多』。
語源不詳。
とでづ
とてつ
すじみち、道理、途方 『途轍』。
ちゃーんとでづをふんでやんねーどだいだど:きちんと筋道を立てて道を立ててやらないと駄目だよ。
どでっと 【副】どてんと、どでんと 重いものが落ちたり、ひっくり返ったりする場合の言葉。
どでっ 土手の端、土手の縁、土手に面したところ どでっ:山形。
どてっはら @わき腹、どてっぱら、A【形動】満腹の様、十分な様 『集覧:新』。
@土手っ腹。
A『ど』『出腹』の意味か。
どでっ @土手の斜面、A■わき腹、どてっぱら @『土手まま』の意味が訛ったと考えられるので、この茨城方言ももともとは『土手まま』だった可能性がある。
どてっ:土手の斜面や土手:神奈川。
A清音ならは標準語。
いーや、やめにえさかせっどおもってこやにへーったらどでっらおつのでつづがれでいーだがったのなんのって:いやあ、ヤギに餌を食べさせようと思って小屋に入ったら、わき腹をツノで突付かれて痛かったのなんのって。
どでっ
どでっ
どでぶぢ
どで
土手の縁、土手に面したところ どてっ:土手の側面:神奈川。
とでづもない
とでづもねー
とてつもねー
【複】とてつもない、とんでもない 『途轍も無い』。
てんこつもない:山形。『天骨もない』。
とでづさっかえもなえ:山形。
どでっーもない:岐阜。
とてつもない:東京。
とでづもなえ:山形。
とてつもねー:群馬。
どでどで 【副】太った人が歩く様
どでぬげ 堤防の決壊、またはその場所
どでのういのいんのくそ
どてのうえのいんのくそ
【慣】気位の高いい人をののしる言葉 『集覧:真』。
『土手の上の犬の糞』の意味。いくら土手の上にあっても所詮イヌの糞はイヌの糞だという揶揄するもの。
とでばしゃ
とてばしゃ
トテ馬車、乗合馬車 とってばしゃ:鉄道馬車:福島。
どでばだ 土手の端、土手の縁、土手に面したところ
どではら @土手の斜面、A◆わき腹、どてっぱら A『どてっぱら』。
どではら
とではら
【形動】満腹の様、十分な様 『集覧:久』。
集覧には『飽迄ト云フ意』とあるが、『民俗』では、満腹と解釈されている。また、新たに『とでわら』(あくまで)が加えられている。
太鼓腹(太鼓の胴のようにふくれた腹。)を言い換えて鼓(つづみ)腹とし、鼓(つづみ)をさらに堤(つつみ)そして土手にに言い換えて、『土手腹』(どてはら)としたものと思われる。これは、あまりに出来すぎた言い方なので、江戸時代の洒落言葉とも思われる。
どではら:福島。
とでも
とーでも
【副】とても 濁音化。
『とでもとでも』、『とーでもとでも』と繰り返したり、『とーでも』と延ばしたりと、情況に応じて使い分ける。
どーで:静岡。
どーでもかんでも
どーでもこーでも
【副】何でもかでも、是非、どうでもこうでも、何があっても どーぢぇんこーぢぇん:鹿児島。
どーでも:山梨。
どーでんこーでん:鹿児島。
とでもだね
とでもだねー
とーでもだね
とーでもだねー
【複】とてもじゃない とでもだねーけどやってらんにぇ:とてもじゃないけどやってられない。
とーでもとでも 【副】とても 強調形。
どーでもなぐ 【複】理由も無く、なんとなく
とでもねー
とーでもねー
【複】@思いがけない、常識では考えられない、Aけしからん、理屈に合わない 古い言葉の『途でもない』(とんでもない)の流れと思われる。
どでら
どてら
綿入れ丹前 濁音化。『どてら』は江戸言葉と言われる。
どてら:綿入れの着物:神奈川。
どてらばんてん:子供を背負ったときに着る半纏:神奈川。
どでらっきょ 罵倒語 『土手ラッキョウ』の意味。『土手かぼちゃ』と同じ表現。
(どてる) 【動】茶碗の底に甘酒の粕が残る 神奈川。『土手』の動詞形か。
とでーる 【動】途絶える
どでん
どーでん
どーてん
混乱した様 『動転』。清音形は現代語では文語である。
どってん:動転:青森・秋田。
どでした:びっくりした:岩手。
どです:びっくりする:秋田。
どでる:驚く:宮城。
どーでん:びっくりすること:青森・岩手・宮城。『転動・顛動(てんどう)』とも言う。
どーてん:びっくりすること:宮城。
どでんした:びっくりした:岩手・秋田。
どでんしねー:驚かない・影響されない:宮城。
どでんす:驚く:青森。
どでんする:驚く:宮城。
きがどーでんしてだんだっなー:心が混乱していたんだろうなあ。
びっくりどーでんだ:驚いた。
とど
◆▽とと
@魚、A鳥、B鶏 幼児言葉。
@・どど:宮城。
とど:山形。
とと:静岡。
とーと:静岡。
ととー:静岡。
B・とっこ:宮城。
とてこ:山形。
ととこ:宮城。
(とと) 上流の人が下流の男子を呼ぶ呼称 佐渡島。
とどー
ととー
父、夫 『とどー』『かがー』は対語。時代劇に出て来る『とと(さま)』『かか(さま)』の流れ。当時はすでに高齢者言葉で、やや侮蔑をこめた意味で使われた。
(とーど) 作男、雇い男 佐渡島。『田男』と当てられるという。
(どど) 【副】たびたび 『度々』。死語。
どど:神奈川。
どーど
とーど
どーどー
@◆馬、A【感】馬を制止する時の掛け声 @幼児語。
どーど:千葉・神奈川・長野。
どーどー:長野・静岡。
どーどん:千葉。
A現代標準語では単に『どう』。
(どどー) 土蔵 静岡。
◎とーど
とーと
とーどー
とーとー
【副】ついに、結局、最後に 現代語の『到頭』。到頭は当て字。
古くは『とうどう』とも発音されたという。県内では『始終』の意味で使う地域がある。
『とうと・とうど』は辞書に『@全く。すっかり。Aちょうど。ぴたりと。しっかりと。B気楽に。ゆったりと。C(下に否定の語を伴って) すこしも。全然。』とあり現代語の『とんと』と@Cが同じ意味であるが、この方言とは異なる。
現代語の『どっと』の古形にあたる『どうど・どうと』と合わせると何がなにやら解らなくなる。類似語に当時使われた『疾くに』が変化した『疾うに』(すでに。はやく。さきに。)、『疾く疾く』(大いそぎで。今すぐに。)、『篤と(とくと)』(よくよく。念を入れて。つらつら。とっくりと。)、『とくとく』(水・しずくなど、液体のしたたり落ちるさま。酒を注ぐ様。)、『とうとう』がある。『とっくのとうに』という言葉があるように『疾うに』は和語に当て字した可能性が高い。
『俚言』には『度々:とど。訓にも呼へり』があり、県内では『始終』の意味で使う地域があるのは、江戸言葉の流れがのこったと考えられる。
『俗語』には『とうど:終にと云やうの所を、とうど死んだ、とうど出来(でかし)たなど云。とうとほとほとの訛りなるべし。「万葉三」に(中略)言の意は邊々(ほとりほとりにて、其近き邊まで危うく至る意なり。これを後世音便にほとんどと唱へ×したるを、其を又とうどとは訛りたるなり。又按に、俚語に物の果終をとうどう死んだなどいひ、又終のとぢめの事をとどのつまりといふは、止の塞の意なり。人を殺すにとどめを刺すといふに合わせてしるべし。』とあり、この茨城方言は江戸言葉を現代に伝えていることになる。
『聞書』には江戸で『とうとう』、浪花で『とうどう』と言ったとある。
さて『とうとう』に関わる日本語は数え切れないほどある。現代では、@遂に、A水がよどみなく流れる様、文語でB等々、等しか使われない。
『浮世』(P26)に『大明神、御親父の身の脂を結局(とうと)なくして了った。』とある。
とーど:宮城・栃木。
とーと:栃木。
とーとー
とーとーとーとと
【感】ニワトリを呼び寄せる掛け声。 『俚言』には『とと々々』とある。
とーとーとーとと:宮城。
とーどい 【形】尊い
どーどがして 【副】何とかして
とどがす 【動】届かせる 使役形。
とどがねー 【複】行き届かない 標準語の『届く』には『世話や注意が十分に行き渡る、行き届く』意味がある。
とどがる 【動】届く 可能形。
とどぐ 【動】@届く、A(人が)到着する A・とどく:福島。
ととくい
とと
幼児の盆の窪に剃り残す毛 『集覧:西』。神奈川では子供が火の中に落ちても荒神様がそれをつかんで助けてくれると言われる。
おぼけ:神奈川。
ちちん:神奈川。
ととっけば:神奈川。
びんちょっこ:神奈川。
むずっこ:神奈川。
むずねっこ:神奈川。
もずっこ:神奈川。
とどげ 死亡通知と葬式の日取りを伝える人
とどげる 【動】届ける 濁音化。
(どーとーしー) 【形】もったいない 神奈川。『尊し』の意味か。
どどっ 青っ洟 どどっ:千葉銚子。
どどのつまり
◎とどのつまり
とどのつもり
とどのつまり、結局 第1音が濁音化する珍しい例。『とど』は成長したボラの名称。
どどのみ
どーどのみ
どどみ
桑の実 久慈郡では『どどのみ・どーどのみ』と呼ばれる。この方言は桑を古くは『どど』と呼んだ可能性を示唆している。標準語とは語源の異なる言葉と考えられる。
普通は『どどめ』と言う。このような現象は標準語にもあり、クサボケは『しどみ・しどめ』と呼ばれる。
どどみいろ
どどみーろ
桑の実色、黒っぽい青紫色(内出血の皮膚の色)、プール後の唇の色、汚い色 『どどめいろ』が訛ったと考えられる。
どどみいろ:群馬・東京多摩地域。
とどめ
ととめ
魚、鳥、鶏 幼児言葉。
△▽どどめ
とどめ
桑の実 『集覧:猿』。『どどめ』は広辞林に、関東地方の方言として掲載されている。また大辞林にも(関東地方で)『熟した桑の実』とある。
現代ではほぼ死滅した言葉と考えられる。
かばら:千葉。
かみず:山梨
かめんどー・かめんど:神奈川西部。
かん:新潟。
くあぐみ・くわぐみ:茨城。
くわご:山形。
ぐど:葡萄:福井・石川。
ぐぬみ:神奈川。
くろんぼ:大分。
くわいち・くわどどめ・くわどめ・くわめど:神奈川。
くわさ:愛媛。
くわふ:徳島。
どどのみ・どーどのみ:茨城久慈郡
どどめ:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野。
めど:長野。
(とーとーめー) 先祖代々の位牌。一門の長の証。 沖縄。
どどめいろ
どどめーろ
黒っぽい青紫色(内出血の皮膚の色)、プール後の唇の色、汚い色 『ぶんどいろ』
幼い頃、母親に聞いたところ、桑の実を『どどめ』というのでそう呼ぶと聞いた。大辞林には『どどめいろ』は『暗紫色』と解説されている。
ところで、とある茨城弁のネットサイトには『土留めに桑の木を植えたからどどめいろとは桑の実色。』『土留めの柵として桑の木を使ったからどどめいろとは桑の実色。』等の話が中には誇らかに断定的に唱えられているが、論理に飛躍があり、音韻が一致するがための俗説と考えるべきであり、桑の実をどどめと言うことから桑の実のような色と考えるべきである。その前に桑の木そものものを『どどめ』と言わなければならないがそのような方言は無い。ネット情報は十分注意しなければならないものの一つ。
2012年のウィキペディアには『どどめ色(ドドメ色、土留色)とは、その名前は知られているが正確な定義のない色。人や地方によって解釈が異なるものである。以下にその例を挙げる。
「どどめ」とは、埼玉県や群馬県の一部で古くから使われている方言であり、「桑の実」の事を指す。それが転じて桑の実のような色として使われる。ただ、桑の実は熟すにつれて赤色から黒紫色へと変化するため、人によって意味する色が異なる原因にもなっている。
土木業界において土留め(どどめ、又はつちどめ)と言うものがある。掘削途中で周りの土が中に崩れてこないように「土留め」という処置を施すが、その際に木材の板を使う事が多く、その板が施工中に泥水を吸収して少し汚くなり、その汚くなった土留め板の色のことを「どどめ色」と言う。なお、その木材に桑の木の板が使われることもあり、上記の桑の実の色との関連性も考えられるが、詳細は不明である。
俗に黒ずんだ女性器の色をドドメ色と表現することがある。女性器は、年齢を重ねることでメラニン色素が沈着し徐々に紫色になり、黒ずんでゆく。その過程が桑の実の色の変化と似ていることから、「どどめ色」という言葉が定着したとする説がある。
このようにさまざまな説があるが、説によって色のニュアンスは微妙に異なり、明確な色は定義されていない。上記に挙げた三説の共通点としては「桑」が挙げられるので、何らかの形で「桑」が関係している可能性は高いと言えよう。また、慣用句としては「汚い」「古い」「異常」「腐っている」といったネガティブな意味合いで用いられる。』と解説されている。
2012年12月、NHKの番組『NHKバラエティー生活笑百科』で関西でも古くは使われていた事が判明した。具体的な色は不明であるが。
また別のサイトでは『匿名リサーチ2000X File No.0930「どどめ色の正体を追え!」(北関東の人には常識かもしれないけど)
「どどめ色」
その語感の破壊力故にネガティヴな比喩表現として多く用いられる色名。
しかし、それがどんな色なのか、御存知の方はどれだけいるだろうか。
早速何人かの友人にリサーチを試みたところ
「うんこ色」
「絵の具を全部混ぜたときの色」
「きちゃない色」

など一定しない。
大型書店で片っ端から色名事典を検索したが、どどめ色が載った書物はなかった。
「奇妙な名前の色たち」(福田邦夫著・青娥書房刊)という脈のありそうな本も発見したが、この本にもどどめ色は載っていなかった。
(ちなみにこの本で、古来日本には「糞色(ばばいろ)」という色名が正式にあったことが判明。にごった黄色というからこのフォントの色が近いだろう)
そもそも「どどめ」とはいったい何なのであろうか
まずそこからリサーチを再開。
国語辞典を調べたり広辞苑を調べたりインターネットセクションで管野美穂_(今いないって)に検索させたりしたところ、いくつかの有力な手掛かりを入手した。
なんと「どどめ」とは桑の実、あるいはガマズミの実の別名であるというのだ。
クワはクワ科、ガマズミはスイカズラ科の植物で、ともに小さな果実をつける。そしてその果実の色は、どちらも黒み、または赤みがかかった紫色である。
関東北部では特に熟しきって黒っぽくなった桑の実を指して「どどめ」と呼ぶという。
熟したクワの実
画像提供・天文と科学のページ様
ガマズミの実
画像提供・BotanicalGarden様
つまり「どどめ色」とは、熟しきった桑の実のような黒紫、または赤紫を指した色名である可能性が高い。
さらに「どどめ」を漢字に直すと「土留め」つまり土砂崩れを防ぐための堤防を指す。この土留めに植える木の中にクワの木があり、それが特徴的な紫の実をつけるので桑の実色→どどめ色となったと考えられるのだ。
我々はこの「どどめ色」=「桑の実色」という仮定をもとに再び色名事典を検索した。
そしてついに、「マルベリー」という色があることを発見。
マルベリー(mulberry)=桑の実 である。
そのカラーバランスは文献によって少しづつ異なっているが、代表的なものを紹介する。
どどめ色(mulberry)のいろいろ
C70 M85 Y50 K34
出典・「色の名前事典」(福田邦夫著、主婦の友社刊)
C100 M100 Y70 K40
出典・「ヨーロッパの伝統色」(日本色彩研究所・福田邦夫著、読売新聞社刊)
C80 M100 Y20 K50
出典・「ザ・カラー 色と配色の事典」(渋川育由・高橋ユミ著、河出書房新社刊)
各カラーサンプルはCMYKカラー(=シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の表記に従った。
汚い色、ネガティヴな色の代名詞として親しまれ(蔑まれ?)てきた
「どどめ色」。
その正体は熟した桑の実からイメージされた深く美しい紫色であった。
和田君「いやあ、『人生どどめ色』ってのも悪くないですねえ」
チーフ「君の場合『人生ババ色』が近いんじゃないの?」
ぶぉーん ぶぉーん ぶぉーん ぶぉーん
ぱららららららららららららららららららららららららら・・・・・・・
(すごい速さでスタッフロール流れる)
おしまい。
P.S. 画像を提供して下さった「天文と科学のページ」、「BotanicalGarden」の各管理者様に深謝いたします。
どどめいろ:栃木・埼玉。
どどめぐ
とどめぐ
とどめく
【動】とどろく、がやがやと騒ぎ立てる、どよめく 古い言葉の『轟く』(とどめく・どどめく)。
どどめき:滝つぼ:秋田・岩手。
とどめき:川の高低差があって溝などが合流して音を立てて流れ落ちる所:佐渡島。
どどろ:雷:広島・三重・山口。
とどろ:滝:高知。
現代語の『とどろく』は擬音語であることは間違いないだろう。
どーどもなぐ 【副】理由も無く、何となく 『とど』とは成長したボラの称だが、別に『限度、ぎりぎりのところ』の意味がある、消えてしまった理由は『とんでもない』や『程度』との競合のためだろう。
どーどもねー 【形】理由も無い、なんて事無い どどもなえ:何でもない:青森。
(とどらない) 【形】乱雑な、取り乱した様 宮城。
とどろつぐ
とどろつく
とどろっく
【動】狼狽する、怖気づく、あわてる 『集覧:猿』。
万葉集の時代に遡る古い言葉の『轟(とどろ)』は『とどろくさま。音のひびきわたるさま。』の意味。
ととろづく:群馬。
とどろと:あわてて:宮城。
〜どな
〜どなー
【助】@〜ぞよ、〜よね、A〜(した)そうだ @標準語に直訳すると『〜ぞな』
夏目漱石の『ぼっちゃん』に描かれた愛媛弁の『ぞなもし』は、茨城方言に訳せば『〜どなはー』で、標準語では『〜ぞ、もう』の意味である。
〜ぞな:香川。
〜ぞね:高知。
あんころは、いげーじゃーぼまんじーがあったどなー:あのころはでかい葬式饅頭があったよなあ。
なんだどな:何なの?。
A昔話にある『〜とな』
とーないこ 子馬、当歳の馬 那珂郡。
どーな 胸当て・ズボン・靴が一続きになったゴム製の衣服 『胴長』。
どな:青森。
どーな お盆の前の墓掃除 『墓薙』(はかなぎ)のこと。『堂薙ぎ』の意味か。各戸から一人以上出て共同で掃除する。8月6日または7日に行なわれる。
どな
どなれー
どなくれ
どなくれー
どなっくれー
【副】どのくらい、どの程度
◆■とーなす
とーなすかぼちゃ
カボチャ 『唐茄子・蕃南瓜』。
広辞苑によると『とうなす:@東京地方で、南瓜(カボチヤ)類の総称。Aカボチャの一品種。果体は長く瓢箪形を呈し、表面は平滑または瘤質をなすもの。京都付近に栽培。カラウリ。』とあり、関東圏だけの呼称ではないことが解る。
となす:青森。
とーなす:茨城東部と千葉・神奈川の一部を除き関東に集中する(方言地図)。
どなふに
どなふーに
どなよに
どなよーに
【複】どんなに
となん
となん
となんなえ
となんのえ
となんね
となんねー
隣の家 隣の家→となりえ→となん
隣の家→となりのえ→となんのえ→となんなえ→となんね
どーに 何処に
△とーに 【副】とっくに、早くに とーに:長野。
(とにあれ・とにやれ) 【副】とにかく 静岡。
どーぬぎ 堰の水門を開けること 『どー』は『洞』の意味と思われる。
どー:用水路の堰板:神奈川
どーのくち:用水路の取り入れ口:神奈川。
とにかぐに 【副】とにかく 清音なら近世語。
どにのる 【動】図に乗る、つけあがる 当時は『度に乗る』イメージで使っていた。
(とね) 峠、山稜、尾根 佐渡島。
とーね
とーねっこ
とーねめ
とーねんこ
子馬、当歳の馬 『集覧:久』。
集覧では旧多賀郡の方言で『たうね』が記載され、『当歳の馬』の意味とある。『当年』『当年子』の意味。那珂郡では『とーないこ』と言う。
とーね:岩手・山形・福島・茨城・栃木・群馬・神奈川・長野・山梨・静岡・大分・宮崎。
とーねこ:山形。
とねっこ:福島。
とーねっこ:神奈川。
とのくぢ 玄関、戸口 とのぐぢ:山形。
とのぐづ:宮城。
どの
どのれー
どのくれ
どのけ
【複】どのくらい、どの程度 どのっけ:宮城。
とのご 砥の粉 砥石を切り出す際出る粉末。白木の汚れ止めに使う。
とのさまーる
とのさまーろ
トノサマガエル
どのっくれー 【複】どのくらい、どの程度 どのっけ:宮城。
★『土』:桶(をけ)さ入(せ)えた儘(まゝ)で蓋(ふた)したっ切(きり)藏(しま)って置(お)くから、わしゃどのっ位(くれえ)あるもんだか見(み)もしねえが:桶に入れて蓋をしたきりしまって置いたから、私はどの位あるものか見てもいないが。
どのっ 盆の窪 高萩市の方言。
幼児が囲炉裏に落ちかかったときお釜様がこれを引っ張って助けてくれるという言い伝えがある。
訛りに訛った言葉だが茨城方言らしい。
□とのばら あなた様 『殿原』。鹿島郡に残る古い言葉。
広辞苑には『身分の高い人々、また男性一般に対する尊敬語。とのたち。』とある。
どのみぢ 【副】どのみち、どっちみち、いずれにしても、結局 『どのみち』も最近あまり聞かなくなった。
(どのる) 【動】落ち着く。治る。 福島。
茨城の類似語は『どんのる』で、『図に乗る、つけあがる』の意味である。
どのーる:寝転ぶ:千葉。
どば
◎どは
土葉、タバコの茎の一番下に生える葉 タバコ栽培専門用語。
◆▲△▽○とは 屋外 『集覧:無記載』。
この『は』は『端』と考えられ、『外端』の意味。
『称呼』には『外の事を 四国にてあだと云。常陸及奥州にてはとはと云。上総房州にてとでといふ。日本紀に外(あだし)と有(上世の語にや)。とはとはそとのはしといふ意×。はしはなともいふ也。』とある。『とは』『とで』も江戸時代の言葉がそのまま残っていることになる。
とで:千葉・神奈川。使われなくなった標準語『外出』。
とは:福島・茨城・栃木。
(〜とは) 【複】〜よりは 福井の方言。
『雪食べるんとはぼーだら(つらら)のほーがよっぽどうまい』などと言う。
これはちょっとした言い回しの問題で、『〜こととは』または『〜こととは(違って)』の意味ではないかと思われる。
方言の意味の解釈は、しばしばこのようなことが発生する。現代語でも人によってしばしば略語を使うから注意がいる。
とば @苫、A小屋の簡単な屋根、Bウミウ猟用の小屋 『集覧:久』。北茨城市・下館市・取手市・鹿島郡。
広辞苑に『苫・篷(とま・とば):菅(スゲ)や茅(カヤ)を菰(コモ)のように編み、和船の上部や小家屋を覆うのに用いるもの。』とある。
@・とば:静岡。
A・とば:麦藁で編んだ庇で作物の覆いにするもの・簡易な雨宿りの小屋・藁で編んだ小屋の囲い:神奈川。
とば:船にかぶせる茅むしろ:静岡。 
Cその他。
とば:庇:神奈川。
とば @着物、A身なり、B普段着、漁師が仕事を休むこと、C晴れ着、D屋根職人の符牒の一つで着物を言う @北茨城市・水海道市・稲敷郡。宮城県。
A北茨城市・水海道市・稲敷郡。
B北茨城市。
C水海道市。
D筑波郡。
どば @賭博場、賭場、A森林内で一時木材を集積しておく場所 『土場』。
A・どば:神奈川。
どば @雉鳩、A家鳩 広辞苑には『いえばと【家鳩】:カワラバトの変種で、家禽(カキン)化したもの。伝書鳩はその改良種。人家・社寺などに多い。どばと。』とある。
@本来、家畜化した家鳩に対して言うのが『土鳩』だが、価値観の相違によって生まれた方言と考えられる。
A・どば:家鳩:千葉・群馬。キジバト以外の鳩を言う。
Bその他。
どば:バッタ:千葉。
とば
とば
とば
とばくち
家の出入り口、戸口 『とばくち』の短縮形または濁音化。『戸端口』の意味か。『とぼくち・とぼち・とまくち・とんぼち』とも言う。『苫・篷』(とま、とば)は、『菅(スゲ)や茅(カヤ)を菰(コモ)のように編み、和船の上部や小家屋を覆うのに用いるもの。』を指す。
一方、窓は古くは『狭間』とも言い、窓の語源は、『間戸、間門』等の意味の説がある。『戸、門』(と)はもともと同じ意味で囲われたものを表す。
とば:端・縁・広く突き出したものの先端:神奈川。
とばくち:栃木・埼玉・東京・神奈川。
とば:群馬・神奈川。
とば:家の外回り:静岡。
とばっくち:神奈川・山梨。
とぶぐち:群馬。
とぶ:門口:静岡。
とむち:神奈川。
とも:神奈川。
ともち:神奈川。
どは
どはうち
どはつき
地固め 県西・県南部。
(どーば) 袖無し半纏 静岡。『胴羽織』の略か。
〜どは
〜とは
【助】〜と 『は』の発音は『わ』。
この場合の『と』は接続助詞のうち『用言の終止形について、動作と動作とが引きつづいて起ること』の意味。『は』は、他ととりたたて区別する場合の格助詞。標準語では、『これを遣らないとはこまったものだ。』などと言う。微妙なニュアンスが方言にはあり標準語にはない典型例。
八丈島では『とは』が仮定の意味の『たら』の意味で使われるが実質的に同じ用法である。
〜とわ:宮城。はいぐすねど、バスくっとわ:早くしないとバスが来るよ。
やんねどはしゃーんめ:遣らないとしょうがないだろう。
〜どは 【助】〜とは 『と』の強調形。この場合の『と』は共同の意味を示す格助詞のうち動作・作用の敵対者を表すもの。濁音化。
おめどはいねー:お前とは行かない。
〜どはー
〜とはー
【助】〜ともう 『と』の強調形。この場合の『と』は動作と動作とが引きつづいて起ること、あるいは習慣的に起ることを表す接続助詞。
(とはい) 【形】遠い 長野。
(どばえる・どべーる) 【動】雑草などが生い茂る 神奈川。『ど』は接頭語か。
(とはごっ) 戯言 鹿児島。
とばしり しぶき。飛沫。 『迸り』。転じて『とばっちり』となる。
とばしる 【動】飛び散る、ほとばしる あまり使われなくなった標準語。『迸る』。
(とーばしる) 【動】遠くに向かって走る 神奈川。『先走る』と同じ表現だが標準語には無い。
(とばす) 【動】子を失う 神奈川。
万葉集にもある言葉。『飛ばす:失う。なくす。死なせる。』。
どはずれ @全くの外れ、A並外れ、度が過ぎること Aは標準語。『度外れ』。
どはずれ:静岡。
どはずれで
どはずれて
どはずれに
【複】並外れて、度が過ぎて
どはずれる 【動】@全く外れる、A並外れる、度が過ぎる Aは標準語。『度外れる』。
どはぢ 【動】素焼きの大きな皿 どはち:千葉。
どばちん 雉鳩
とばっくぢ
とばっくち
入口 『とばくち』ならやや古い標準語。『とばつくち』。
とば:群馬。
とばっくち:群馬・神奈川。
どばど
どばどめ
雉鳩 『土鳩』は標準語では『家鳩』を指す。私の土浦での記憶では、家鳩を指したがここでは『民俗』の例を紹介した。
広辞苑には『いえばと【家鳩】:カワラバトの変種で、家禽(カキン)化したもの。伝書鳩はその改良種。人家・社寺などに多い。どばと。』とある。
H.Hiraizumi's Birding Page 【野鳥辞典】』によると、『土鳩』(雌雄同色。灰黒色をしているものが多いが、色彩は様々)と『雉鳩』(雌雄同色で、全体にぶどう色っぽい灰色をしている。翼は茶色と黒の鱗模様があり、首に青と白の縞模様がある。目と足は赤い。尾は黒っぽく、先は白い。)は異なる。
どうやら、『土鳩』と『家鳩』の呼称は家畜化したものの呼称であり、『雉鳩』は野生の鳩として認識していたらしい。
とばっちり とばちり、まきぞえ 標準語。もともとは『迸り』(とばしり)。『とばちり』を経て出来た言葉。
とばまい
とばめー
@懐具合、金回り、景気、A上等な服を着ていること 北茨城市・那珂郡。
(とばむ) 【動】しゃがむ、かがむ 静岡。
とばらがす
とばらす
【動】走る 『飛ぶ』の擬似使役形。もともとは乗馬の際に使ったと見られる。=『はしらがす』
飛ぶの擬似使役形『とばらす』とばらかすとばらがす
とばらかす:神奈川。
とんばらかす:静岡。
とんぶらかす:静岡。
(とび) 草葺屋根の棟の両端 神奈川。『火』の文字を刻み火伏せとしたという。
とびあってよろこぶ 【動】有頂天になる
(とびあり) 突飛な言動をすること、向こう見ずな人、調子者、ひょうきん 『飛上り』。『浪花聞書』には『飛上り者:ひょうきんものなり』とある。もとは上方語だったが、『浮世風呂』にも使われている。
とびあ:向こう見ず:山形。
とびやっか:お転婆:神奈川。
とびあり 羽蟻
とびあるぐ 【動】@飛んで方々を歩く。A方々を歩きまわる。いそがしく歩きまわる。 『飛び歩く』。
とびいり 不意に参加すること
とびくさ
とびじらみ
とびづかみ
とびつかみ
とびつかり
とびっかり
とびつかれ
とびつかれー
◆▲とんびつかり
とんびじらみ
@服や動物の毛に付着する種を持つ植物、付着動物型植物、A藪虱(ヤブジラミ) 『集覧:真』。
@『イノコヅチ』等。
とびつかみ:静岡。
とびつかり 泥棒 結城郡・稲敷郡。
とびぐりだす 【動】飛び出す 『飛び繰り出す』意味。『飛び出す』より強調された意味。連続する意味を伴う。
とびぐりでる 【動】飛び出る 『飛び繰り出る』意味。『飛び出る』より強調された意味。連続する意味を伴う。
とびくりでる:(目が)飛び出る:神奈川。
とびつかる 【動】飛び掛る
(とびっちょ・とびっちょー) 小さな用水路 静岡。
とびまーる 【動】@飛んでぐるぐるまわる。はねまわる。かけまわる。A方々をめぐり歩く。B奔走する。 『飛び回る』。
とびたくる:疾走する:長野。
(とーびゃく) 天保銭 佐渡島。
広辞苑に『とうびゃく【当百】:当百銭の略。』『とうびゃくせん【当百銭】:(百文に通用する意) 天保(テンポウ)銭の俗称。』とある。ちなみに『てんぽうせん【天保銭】:天保通宝の俗称。天保六年(一八三五)以降鋳造の楕円形の銅銭。裏面には「当百」の文字を記す。一枚を百文(実際には八○文)に通用したが、明治以後は八厘となり、明治二四年(一八九一)廃止。当百銭。百文銭。A(一銭に満たない意から) 時勢におくれた人や知能が少々足りない人をあざけっていう語。B旧陸軍大学校卒業の軍人が佩用した徽章の俗称。形が@に似るからいう。』ともある。
とーびゃく:知能が少々足りない人:佐渡島。
(どひゅ・どへ) 土俵 鹿児島。
とひょーしもない 【複】とんでもない。度はずれである。 『とひょうもない』
どひょーし:とっぴなこと:山形。『とひょう』。
(とーびーらー) ゴキブリ 沖縄。
(とーびーるー) オタマジャクシ 沖縄。
どびん 土瓶、急須 料理名(どびんむし)だけに残った標準語。
□○◇どひん
土瓶 『集覧:新』。
土瓶の古い呼称。広辞苑には『湯茶をわかすのに用いる陶製の容器。側面に注ぎ口があって、多く上部につるを懸けたもの。どひん。』とある。
『称呼』には『どびん:薩摩にてちょかと云。同国ちょか村にてこれをやく。ちょかはもと琉球国の地名なり。其所人薩摩に来りてはしめて制るゆへにちょかと名づく。又常陸及出雲或い四国にてどひんと ひ の字を清て唱う。出雲常陸などにてはどびんとなづくるは牛馬の睾丸(きんたま)也。四国にては人の睾丸の大なるをいふとぞ。武蔵の国にて春のたはむれにすなる実曳の親縄といふ物のしるしにつくる物を胴ぷぐり(どっぐり)又どっなどといふも意なるべし。』とある。
『聞書』によれば、『どん』とも言ったという。
どしん:福島。
どひん:福島。
:大阪。
どびん 牛馬の睾丸 注ぎ口を陰茎、土瓶の本体を睾丸の形に例えたか。
『称呼』には『出雲常陸などにてはどびんとなづくるは牛馬の睾丸(きんたま)也。四国にては人の睾丸の大なるをいふとぞ。』とある。
どびんこわし
どびんむし
△どびんわり
エダシャクトリ 『土瓶割り』(エダシャクトリの別称)。
どびんおとし:尺取虫:群馬。
どびんわり:愛知・兵庫。
▽どぶ 下水溝 『溝』。今ではすっかり聞かなくなったことば。
とぶ 【動】急いでいく、早く走る これは方言ではない。歩くより走る方が早く、さらに飛ぶ方が早いからである。詩的な表現でもあり、『飛ぶ』には『走る。急いで行く。』の意味がある。江戸時代の飛脚もある。
とびっくら:かけっこ:長野。
とびっこ:かけっこ:山梨。
とぶ:早く走る:福島・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・静岡。
とぶ:急いでいく:長崎。
どぶがー
どぶ
どぶのような汚水の流れる小さな川 『溝川』。
どぶっかわ:東京。元『溝つ川』か。
とーふかす おから 『豆腐殻』(とうふがら)。
とふかす:青森。
とーふかす:山形。
どぶ ベンケイガニ 幼い頃、生活排水の『みいこ』の中で一度見かけたことがある。かなり大きいもので、巾は10センチほどもどあった。
どぶぎ 瓦の下地に泥を使って葺くこと 『土葺き』の意味。
どぶぐれ
どぶくれ
水ぶくれ どぶくれる:顔がむくむ:神奈川。
とぶぐろ
くろ
戸袋、雨戸の収納場所 濁音化・清音化。
泉鏡花の『朝湯』に書かれた『戸袋』に『とぷくろ』のルビが打たれているから、茨城だけの方言だとは言いがたく古くは広く使われていたと見られる。
とっくら:鹿児島。
とばこ:静岡。
とぶくら:神奈川。
とぼくら:静岡。
とぶげる 【動】とぼける
どぶざげ
どぶろぐ
濁り酒 『濁醪・濁酒(どぶろく)』(にごりざけ。もろみざけ。だくしゅ。しろうま。)のこと。
おほ:青森。
どぶざけ:新潟・山口・長崎。
どんべ:青森。
どぶさらい
どぶされー
排水溝の清掃 連母音変形がなければ立派な標準語だが死語に近い
『俚言』によると江戸時代には、乞食が笊等で溝の中の銭等を拾うことを京では『みぞさらい』、江戸では『どぶさらい』と言ったという。
どぶさらい:下水掃除人:東京。
(どぶされ) @【複】寝ろ、A【感】罵倒語 神奈川。=『どぐされ・どさばれ』
@接頭語『ど』+『臥され』か。
A『どぶ攫い』の意味か。
とーぶし 赤米 『唐法師』(からぼうし)・『大唐米』(たいとうまい)のこと。今や古代米が『健康食』として注目されているが、当時はそれが混じると米の価値が激減した。
どぶじる アンコウ鍋 茨城料理の定番。ただし県北部だけである。
どぶじる 下水
どぶす ひどく器量の良く無い女性、超ぶす 『ど』+『ぶす』。ところで『ぶす』の語源は2つあり、@附子説:トリカブトの根を『付子(ぶし)』または『附子(ぶす)』と呼びそれを口にすると神経系が麻痺し無表情になるため、『トリカブトの根を口にした無表情な女』の意味。A不助説:『助』とは隠語で女性や情婦を指し、女では無い意味だと言われている。茨城弁でも『ぶすくれ』(ふてくされ、無愛想)、『ぶすくれる』(すねる、ふてくされる、怒って黙り込む)、『ぶすたれる』(嫌がる、文句を言う)等があるが、女性に限ったの意味合いは無い。
(どぶす) 【動】眠る、寝る、酔って寝る 神奈川。
接頭語『ど』+『伏す』の意味か。
どぶた
深田 半濁音形は茨城らしい訛り。
どぶた:埼玉。
どふた:千葉。
どべた:深田:長野。
どーふだ 新盆の家で寺からもらうお札
どぶだめ
どぶため
どぶ、水溜り 類似語を重ねたもの。
どぶため・どぶだめ:炊事場から出た排水をためておくところ:神奈川。
どーぶぢ 壁の下地材 『胴縁』(どうぶち)は建築用語で、多くは壁仕上げの下地材を指す。一般に横材を指すが特に区別して『縦胴縁』と言う場合がある。転じて竹垣の横材も指した。最近は、胴縁を使わず直接柱や間柱にボード類を貼ることが多くなった。
どーぶぢ 新盆の家でお寺からもらったお札をお堂や地蔵に貼り歩くこと 『堂打ち』の意味。
どぶちる 下水 『どぶ汁』の意味。この場合は施設としての下水ではなく、そのよごれた水を指していると思われる。
どぶづげ
△どぶづけ
どぶつけ
糠みそ漬け 『集覧:真』。
訛って『どぼづけ』と言うことがある。
どぶづけ:千葉・東京都三宅島・静岡・三重・和歌山・香川。
どぶつけ:八丈島。
(どぶづけ) 溶融亜鉛の槽に主に鉄材を浸し鍍金すること。 建築専門用語。今でもあたりまえに使われる。鍍金槽を『溝(どぶ)』と言う。
どぶっこ どぶ
どぶった 深田 どぶった:神奈川。
どぶっと 【副】どぶんと、どぼんと
どぶっとい
どぶどい
どぶでー
【形】図太い、ひどく太い、ずうずうしい どぶっとい:三重・徳島。
(とーふや) 手野町唯一の豆腐専門店 『十二屋』と書く。大正6年創業の由緒ある店。R354とR118の交差点にあり、付近には今泉飯店、魚芳(魚屋)、港屋洋品店のほか、簡易郵便局や理容サロンもある、手野の銀座である。またこの交差点には手野で唯一の信号がある。
定番の油揚げとがんもどきの他、豆腐ハンバーグやおからコロッケ等のここにしか無いものも販売されている。
豆腐は、日常的に食されていたほか冠婚葬祭には不可欠な食材でもあった。いわゆる『冷奴』は当時は『奴豆腐』と言い、一人前は一斤、なみなみと醤油をかけて食べるのが通例だった。当時は絹漉し豆腐を食べる人は少なく、この『十二屋』の木綿豆腐は歯ごたえがあって、大豆の香りが強く残った豆腐だったから、その後土浦を離れてから食した豆腐はまずいものだった。
とぶらい
とぶれー
葬式、法事 『弔い』。
おとぶれー:神奈川。
とぶれー:神奈川。
とぼらい:静岡。
とーぶんうぢ
とーぶんちー
【形動】当分の間
どへ 駄目な人
どべ びり 『どんびり』の転。全く同じ方言が関西にある。広辞苑掲載語(どべ:(中部地方などで) 最下位。びり。)。
どっけ:山形・福島。
どっ:青森・宮城。
どっ:尻:香川。
どべ:青森・福島。
(どへ) 座敷 静岡。
(どべこ) 穴。窪み。 福島。『土凹』の意味か。
どべだ
どべた
@土の上、A超下手 @『土』『面』の意味。
どべた:福島。
どべちゃ ぶす
とべづもねー 【複】考えもつかない、とてつもない 『途方も無い』『突拍子も無い』が訛ったものと考えられる。あるいは『特筆』の意味か。
どべどべ 【副】@酒などを注ぐ様、Aざぶざぶ @『どくどく』。
A『どぶどぶ』。
どべどべ:ぬかるみ:岐阜・長崎。
だべ:泥:広島。
とぼ
とぼー
@雨戸、A戸、B入口 『集覧:久・稲』。
『とぼくち』の短縮化。
@・とぼ:栃木。
A・とぼー:栃木・千葉。
B入口の意味があるのは『戸傍』の意味と思われる。『とばくち・とぼくち・とぼち・とまくち・とんぼち』とも言う。
とぼ:群馬・神奈川。
とぼー:千葉・埼玉・群馬・八丈島・新潟。
とぼくら:神奈川。
とむちごと:神奈川。
とんぼー:神奈川。
どーぼ @僧侶、A坊主頭の人 『集覧:稲』。『堂坊』の意味か?。
とぼ
◆とぼ
とぼーくち
■▲とぼくち
@入口、A戸口 『集覧:新』。
『とばくち・とぼくち・とぼち・とまくち・とんぼち』なら古い標準語。
とばくち:東京。
とぶ:静岡。
とぶ:宮城。
とぼ:宮城・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・山梨・静岡。
とぼー:群馬。
とぼくち:宮城・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・山梨・静岡。
とぼとう:奈良。
とま:長野・山梨。
とまっくち:群馬。
ともくち:神奈川。
ともちごと:神奈川。
とんぶ:屋敷への入り口:神奈川。
とんぼ:福島・東京多摩・神奈川・静岡。
とんぼくち:神奈川。
とんぼー:神奈川。
とんぼ:屋敷への入り口:神奈川。
とぼぐろ
とぼくろ
戸袋 とぼくら:静岡。
とぼげ ぼんやりしている人、とぼけている人、ふざけた奴
とぼげ
とぼけ
おいぼれること。おいぼれた人。 『集覧:真』。
とぼげあま 女を指す罵倒語、ふざけた女
とぼげやろ
とぼげやろー
【複】ふざけた野郎 侮蔑の言葉。『とぼけた野郎』の意味。『すっとぼげやろ・すっとぼげやろー』とも言う。
標準語では『とぼけもの【恍け者】:@老いぼれた人。Aぼんやりした人。うっかりした人。Bしらばくれる人。Cとぼけた風をして滑稽な言動をする人』がある。
なにゆってんだこのとぼげやろ:何言ってんだい、こいつは!。
ける 【動】とぼける 半濁音化。祖母がよく使っていた訛。
とぼす 【動】灯す とぼす:山梨・鹿児島。
◆■とほーずもねー 【形】途方も無い 『途方』と『野放図』をミックスしたような不思議な訛。
とぼたでる 【動】雨戸を閉める
とぼつぐ
とぼつく
つく
【動】途方にくれる、しょげる 濁音化。
とぼつく:心中にこだわりがあり態度がはっきりしない:東京。
どぼどぼ 【形動】酒などを注ぐ様 『どぶどぶ』。
【形動】とぼとぼ :山形。
:山形。
(とぼとぼー) 夕暮れ 神奈川。
『とっぷり』あるいは『灯る』にちなんだ名詞形か。
(とぼとぼのころ) 夕暮れ時 神奈川。
『とっぷり』あるいは『灯る』にちなんだ名詞形か。
とぼる 【動】灯る とぼる:長野。
△☆とほんと 【副】ぼんやり
(とほんね) 【形】途方も無い 鹿児島。
どーまぎ 旅行などの時、金銭などを入れ、腹に巻きつける細長い袋。 『胴巻き』。
(どまぎるる・どまぐるる・どんぎろめをする) 【動】戸惑う 鹿児島。
(どまくら) 櫓枕 静岡。
(どーまえ) 大きな声 神奈川。
どまっが
どまっか
【形動】まっかっか 『超真っ赤』。
その他:どみどり:超緑、どあおい:超青い がある。
どまっきーろ
どまっきゅーろ
【形動】黄色 『超黄色』の意味。
どまづぐ
どまづく
△▽どまつく
とまづく
どまどまする
【動】戸惑う 『集覧:水・新』。
どまつく:青森・岩手・宮城・福島・山梨。
とまよえ:方向を見失うこと:山形。
どまつく 【動】慌てる
とまりそめ 結婚まで間がある時、嫁が嫁ぎ先で泊まること。
とまる 【動】固定される 『止める』の自動詞形。
とまる:妊娠する:神奈川。種が留まった意味か、月経が止まった意味か。
なんだおめ、このくちゃんととまってねーべな:お前なあ、この釘はちゃんと固定されてないぞ。
とまれ
とまーれ
【複】ともあれ、ともかく ともあーり:神奈川。
どーまれこーまれ 【複】何があっても、いかにしても、どんなふうにしても、いずれにしても、どうなっても 近世語。『どうもあれこうもあれ』。
『称呼』には『いかやうにもといふを、伊予にてどうばりと云。土佐にてはどうまれかうまれなといふ。按に土佐にてどうまれかうまれと云はどうもあれかうもあれなり。予州にていふどうばりは是もどうまれの転語也。東国にてなでうあでうなどいふはいかやうなといふ意也。「紫日記」になでう女のまなぶみとあり。』とある。
とまーり:ともあれ:神奈川。
どまんじ
どまんじー
土を盛りあげた墓、塚 『土饅頭』。
とみ
とーみ
唐箕(とうみ) 籾摺りしたものを玄米と籾殻を分ける道具。当時はすでに電動ファンの風力を利用していた。それ以前は手動の唐箕を使っていた。
とあおり:静岡。『唐煽り』。
とみ:宮城・群馬。
とーみ
とーみー
とみ
◆■●□▽とーみ
とーむ
とーむるぐし
とーめ
とーもろごし
トウモロコシ 『集覧:真』。
標準語の『とうむぎ(唐麦)』はジュズダマのこと。音位転倒の例。
とうきび→とーとーみ
とみ:宮城。
とーみ:宮城・福島・東関東・群馬。
とーむ:栃木・群馬。
とーみぢ 回り道 『遠道』。
どみどり 緑そのもの
とむがし 百年前 『十昔』の意味。『一昔』は概ね十年前のこと。
じゅーむかし:神奈川。
(とむね・とむねをつく) 【複】びっくりする。どきっとする。 東京。『と胸・と胸を衝く』。『と』は強意の接頭語。『胸を突く』とも言う。
とむらい
とむれー
葬式、法事 『弔い』。
おとむれー:神奈川。
とむれー:群馬。
とーめ 遠視 『遠目』。
とーめ 望遠鏡 標準語だが死語。
(とーめね) 静岡。
△どめく 【動】どよめく。がやがやと騒ぐ。 江戸時代の言葉。県下では東茨城郡・竜ヶ崎市に残る。
どめく:高知・山口・長崎。
とーめぐ 【動】遠のく、遠くにある、遠くなる とんめく:神奈川。
ぜーぶんとーめーだどごがらきたなや:随分遠いところから来たねえ。
(とめくいもあわん・とめくいもなか) 【複】辻褄が合わない 鹿児島。
どめぐら 見ても見ない人 『超めくら』の意味。
『俚言』には『土めくら:音訓ともにいふ。盲人を罵ていふなり。』とある。
とめどねー
とめどもねー
とめどごろもねー
【複】際限ない、いつまでも限りなく 『とめどない』『とめどもない』『とめどころもない』。
とめどねー:宮城。
(とめーる) 【動】気絶する 長野。
(ども) おいぼれること。おいぼれた人。 鹿児島。
『老耄』。
どーも 【慣】どうも 『どーもくん』はNHK−BSのマスコットでもあるが、茨城人は挨拶代わりに良く使う。『どうもどうも』は標準語世界でも使われるが、『せっかぐどーも』『どーもせっかぐ』『かいってどーも』『どーもかいって』『いやどーも』等は茨城弁の慣用語。
〜ども
〜とも
【助】たとえ〜しても、〜けれども、〜ても 古い接続助詞。
古語の『ど』は広辞苑に『ど:助詞(接続助詞) 活用語の已然形につく。(平安時代には歌や和文脈で多用され、室町時代には文語化した)@逆接の既定条件を示す。現実の事態を上の句に示し、相反する結果の下の句を導く。けれど。A下の句の現実の事態に対して相反する条件を仮定する。たとい…ても。…する場合でも。』とある。
広辞苑に『ども:助詞(接続助詞) 接続助詞「ど」に係助詞「も」の添ったもの。活用語の已然形につく。(平安時代は漢文訓読文に多く用いられた。江戸時代は前期上方語までに見え、口語では「…といえども」のように一部が文章語に残るのみ)@逆接の既定条件を示す。「ども」の受ける句が確定した事実で、それを条件としながら、結果がその条件から予想されるのと反対になることを示す。…けれども。A下の句の現実の事態に対して相反する(あるいは不定の)条件を仮定する。たとい…しても。であっても。』『とも:否定の意を受け、下の「よろしい」「差支えがない」などの意の語を省略する。』とある。
現代でも口語で『行けども行けども』などが残る。
古形は『ど』である。
『ども、とも』の意味は今でも誰もが知っている。耳では聞けば解かるが、日常語として使うことは少ない。
代名詞に続く場合は『ばってん』と同様、直接付くのは九州だけである。動詞に続く場合東北・島根・鹿児島では終止形に付くが、富山・隠岐・長崎では已然形に付く。茨城では、終止形・已然形双方に付く。
〜ども:青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・静岡・島根・佐賀・長崎・宮崎・熊本・鹿児島。
〜どん:長崎・鹿児島。
やんねどもやんなくともいーよ:遣らなくても良いよ。
みーねどもそごにあっから:見えないけれどそこにあるから。
★『土』:厭(や)だなんていった位(くれえ)ひでえとも立金(たてきん)しなくつちゃなんねえから:嫌だなんて言ったら、たとえ酷くても、借りた金を返さなければならないから。
〜ども 【助】〜とも、〜よ 古い接続助詞の利用法が変化したもの。否定形を伴わない。単なる濁音化。
『〜どもや』の使用例の方が多い。
いーどもやー:いいとも。
んだどもやー:そうだよ。
(〜ども) 【助】〜など 静岡。
ともあし 後ろ足
どーもあん
どーもあんとさん
どーもあんとござんした
【慣】どうも有難う
ともかぐ 【副】@〜はさておき。〜は別として。A何にせよ。とにかく。 『兎も角』。古形は『ともあれかくもあれ』。その後『とまれかくまれ』となり、現代語では『ともかくも』が使われる。その過程『ともこうも・ともこも』も生まれたがこの流れは絶えている。『も』が略され『ともかく』が使われることが多い。類義語の『兎や角』は『とやあらんかくやあらん』である。方言同様、標準語の変遷も支脈を生みながら簡略化の道を辿って来たことが解る。
どもぐり どもり
どもぐる 【動】どもる どもくる:神奈川。
ともしい 【形】乏しい 使われなくなった標準語。『乏しい・羨しい』。
とーも
とーもごし
トウモロコシ
どーもしばらぐ
どーもしばらぐぶり
【慣】 標準語に訳すと『やあ、久しぶり』。
どーもせっかぐ 【慣】労をおしまずにしてくれた行為に対する礼の言葉。多くその成果が得られなかった時に使う。 『せっかくどーも』。折角して下さったのに残念でしたと言うニュアンスを含む。
どーもたいへんでした 【慣】礼の言葉 『お手数かけて有難うございました』の意味。単に『たいへんでした』とも言う。標準語に近く僅かにずれのある表現。
どーもな
どーもね
【慣】@今日は。さようなら。A有難う。 @挨拶言葉。『どーも』に対して丁寧な表現。
んだらばどーもな:それじゃあさようなら。
んではどーもだな。しんずれーすっ。おらはーけーっと。:それでは、さよならだね。俺はもう帰るよ。
A・どーもない:福島。
どもなぐ 【副】甚だしく、分不相応に 『ずもなぐ』
どもなぐくーがらはらくじぐんだど:必要以上に食べるから腹を壊すんだぞ。
どーもなんだなやー
どーもなんだねー
【慣】焦点をぼかす時の慣用句 『どうもなんだねえ』。現代標準語に訳すと『なんて言うか』。=『どうもあれだねえ』『どうもそうだねえ』。
若い人は使わない。
どーもなんね 【複】どうにもならない どもなね:青森。
どもねー 【形】甚だしい様、分不相応の様 『図無い』あるいは『度を失う』意味。度を失って無い意味。
とものしー 葬式の会葬者 『供の衆』の意味。
どーもはー どうやら 『どうやらもう』の意味。
〜どもや 【複】〜とも 当然だという意味が入る。『〜とも+や』の意味。『いーげ?』と聞かれて『いーどもや』と答える言い回しで使われた。
■▲ともらい
ともれー
とむらい、葬式 『集覧:西』。
おともらい:東京。
とぼらい:静岡。
ともれー:静岡。
(どーもん) @ほらあなの入口。また、そこに設けた門戸。A向うまで貫通するほらあな。 『洞門』。
どーもん:トンネル:福島。
(とーもん) 田圃 静岡。語源の『田面』を思わせる言葉。
どもんも ブランコ 『鞦韆』(ぶらんこ)。『集覧:真』。
とや 鳥小屋 『鳥屋、塒』。古い標準語。
◆■とや @鶏等の羽毛が抜け替わること、A商売上売れ行きの悪い2月と8月を二・八のとやと言う。 @標準語の『鳥屋入り・鳥屋籠り』は、『タカが羽の抜けかわる間、巣の中にこもっていること』を言う。『とやがえり』とも言う。
とや:神奈川。
A売れ行きの悪い月を巣篭もりに例えたと思われる。
とーや
とうや
頭屋、当屋 茨城では『胴元』を言う場合がある。『とーもど』と言う地域もある
『頭屋』は、広辞苑に『部落の祭礼の神事宿。また、その家の主人。古くは世襲であったが、限られた家だけで交替しているところが多い。一般に、寄合の世話役にもいう。当屋。』とある。将門記では『当家』と当てられている。『屋』と『家』は同源だから当然だろう。
関連する標準語には『胴元・筒元』(@ばくちなどの親。賭場を主催している者。采(サイ)の筒を振る意から起ったという。どうおや。貸元。A転じて、しめくくりをする人。もとじめ。
)があるがどうやら『胴』『頭』も同源のようである。
昭和30年代の土浦市上大津地区では、夏祭りの子供用の御輿は、交代制で村の各戸が自らの倉に保管した。『頭屋』である。
茨城では『頭屋』の関連語が数多くある。今ではすっかり無くなってしまったと考えられるが、文献には数多く残っている。以下はその一部である。
とー:頭屋。統の意味をも思わせる。
とーもど:頭屋。
どーや:胴元。
とーやうげ:頭屋の引継ぎ。
〜どや
〜どやー
〜とや
〜とやー
【助】@【助】@〜ぞよ、〜よね、A〜(した)そうだ、〜(する・した)よ 『〜どい・〜でや』
『〜ぞや』が訛ったもの。清音の場合は促音を伴った動詞に接続する。
@★ほれはおれのだどや:それは俺のだよ。★おおわらいにいったんだどや:大洗に行ったんだって。
A★おらやっとやー:俺はやるぞ。
どやがす 【動】どやす 『どやす』に対し働きかける意味の他動詞形を表現した言葉である。
どやかす:声をかけて殴る:静岡。
どやぎ 瀬戸物、陶器 標準語の『土焼』は素焼きの意味。
どやき:陶器:鹿児島。
どーや 農繁期 『頭屋』に由来するとしか考えられない。
とーやぐ センブリ 日常の整腸剤の代表のセンブリは『千振り』または『当薬』と当てられる。また、センブリの茎根を乾かしたものを『当薬』と言う。山地に生えるリンドウの一種にトウヤクリンドウがあるが、『当薬竜胆』と当てられる。
とーやく:青森・静岡。
△どやく 【動】大声で騒ぐ。わめく。どなる。 近世語。『怒を焼く』意味か。
とーやぐとり センブリを採取すること 『当薬採り』。
どやぐや
△どやくや
どさくさ 清音ならやや古い標準語。
『どさくさ』とは『どうさこうさ』の意味とも思われ、どやくやは『どうやこうや』の意味か、動詞『どやく』の関連語だろう。
どやぐやま 【副】どさくさ紛れ 清音なら古い標準語。『どやくやまれ』
どやしつける 【動】強く叱る、強く殴る 標準語。
どやしつける:群馬。
とやす 【動】殴る 『集覧:行・真』。
清音化。集覧初版には『叩くこと、又恐喝する意』とある。『民俗』では消えてしまっており、改訂版で無くなったものと見られる。
△どやす 【動】@なぐる、Aどなりつける やや古い標準語。現代では主に関西で使われる。この手の言葉は必ずと言っていいほど漢字が当てられていない。明治の文豪達が敬遠した言葉なのだろうか。『やす』は『為す』を思わせ『怒やす』意味か。近世語に『どやく』がある。その他動詞形か。
広辞苑には『どやす:他五:@打つ。なぐる。膝栗毛五「ヱヽけたいなやつじや。のうてん―いてこまそかい」Aどなりつける。』とある。
@・どやす:東京多摩・長野・静岡。
A・どやす:叱る:静岡。
Bその他。
どやす:どうする:青森。どやして:どうして。どやせば・どやへば:どうすれば。
どやって どうやって 短縮化。
あやってーこやってーどやんだ:ああやってこうやってどうやるんだい。
(富山の薬売り) 専用の薬箱がどの家にもあった。毎年必ずやって来て無くなった薬を補充し、古くなった薬を交換してくれた。そのとき三色の紙風船がもらえるので楽しみだった。
どやもの 無頼漢 『集覧:真』。
『どら者』が訛ったとは考えにくい。『宿者』の倒語。現代では『どや街』がある。ただし放送禁止用語である。
〜どやら
〜とやら
【複】〜とか 昔懐かしい『〜とやら』の表現。
『〜とやら』は『〜といふにあるらめ』の意味ではないだろうか。
なんだどやらゆってっと:何か言ってるよ。
なんだどやら:何だって?。
どーやらこーやら 【副】何とか、かろうじて、どうこう、どうにかこうにか
どゆ
どーゆ
【複】どういう 『ゆ』は『故』の意味か。
どゆた・どーゆた:どういった。
どゆな・どーゆな:どんな。
どゆに・どーゆに:どういうように。
どゆの・どーゆの:どういうもの(人)。
どゆよ・どーゆよ:どういう様。
どゆこった
どーゆこった
どーゆーこった
【複】どういうことだい? 『どぅゅーごった』
当時の茨城弁を現代語の表記をベースにースにテクニカルな表現をするとこうなる。関西弁では『どういうこっちゃ』となる。
どのようなうな故に「
□▽とよ 『集覧:久』。古い言葉。
昭和40年代の東京都内の住宅設計図でも見たことがある。
とよ:群馬・東京・神奈川・山梨・静岡。
とよ:樋のように真っ直ぐ流れる瀬:神奈川。
どーよ
どーよー
【複】どうだい ぞんざいな言い方。
どーよー:元気ですか:和歌山。
〜どよ
〜とよ
【助】@【助】@〜ぞよ、〜よね、A〜(した)そうだ、〜(する・した)よ 『〜ぞよ』とほぼ同じ意味。
『〜どや・〜とや』と実質的に同じであるが、語法は若干異なる。
@実際は、終助詞『だ』を伴うが、用例は極めて少ない。かつてはかなり使われたが、現代ではほとんど聞かない。
A『〜どよ』『〜とよ』では語法が異なる。
やんだどよ:遣るんだって。
やっとよ:遣るんだって。
B終助詞『だ』を伴う。
あいざーやんだどよ:あいつは遣るんだって。
はーたべっとよ:もう食べるんだって。
どようさぶろう 夏の土用に入った日から三日目。この日快晴ならば豊年、降雨ならば凶年とする。
どようやすみ 夏の仕事休み
どよどよ 【副】どやどや
どーよーま
どーよーまくれ
度量の無いこと、心の狭いこと 『集覧:多』。
『度量紛れ』の意味と考えられる。
どよむ
どよめく
どよめぐ
【動】音が鳴り響く、どやどやする 『響動む、響動めく』。『どよむ』は、あまり聞かなくなった標準語。中古以前は『とよむ』
▽どら 道楽者、遊び人、放蕩 やや古い標準語。『道楽』『のら』。野良猫を『どら猫』と言うのと同じ。『道楽』は当て字と考えられる。
どら:野合:静岡。
どら:姦通:東京大島。
どら:駆け落ち:神奈川。
どらうち:放蕩者:青森・岩手・秋田。
『称呼』には『法外なる物を関東にてだうらくと云。大阪にてどろばうと云。薩摩にて没落と云。東国にていふどうらくは堕落の転語にや。又どろぼうとは東国にては盗賊を云。おもふにだらく変してだうらくといひ、又だうらくと云詞ちぢみてどらとなりたる歟。但葬礼の時、其の鉦をうつもの故に、どらをうつは人の終わりなりといふ意にや。』とある。
どら
どーら
【感】どれ、どうれ どら:八丈島・鹿児島。
どら!おれみでやっ:どれ!俺が見てやろう。
〜どら
〜どーら
〜どらー
【助】@〜(し)たよ、A〜(し)たよ俺は @類似の断定の表現は、『だ』覧の(断定の表現)項を参照。
『である』に詠嘆の助動詞『らむ』が付いたものか、あるいは『ぞらむ』の意味か。
〜だら:八丈島。
〜どぅらー:沖縄。
A『〜ぞ俺は』を意味する『〜どおら』が変化したか、本来は@の意味であったものが、誤解して使われていると考えられる。
やったのが?やったどらー?:遣ったの?−遣ったよ俺は!。
とーらー
◆■▲△▽とーらい
とーらえ
とーらいさま
とーれー
とーれーおっか
とーれーさま
後妻 『集覧:久・多・水』。
後から『到来』した人。
とーらい:茨城・千葉・埼玉。
とーらいもの:到来者:東京。
とーらいもの:貰い物:東京。『到来物』。
とらいる 【複】取られる
(とらうま) 心的外傷 『トラウマ』は、大辞林で新語扱いされ比較的新しい言葉である。ドイツ語の『trauma』に由来する。
とら 刈り方がへたなため頭髪が不揃いで虎の毛のようにまだらに見えること。また、その頭。 『虎刈り』。
今では先端のファッションの一つになった。
ぼら:神奈川。
どーらぐもん 道楽者、遊び人 どらくもん:鹿児島。
どら どらごえ、太くて低い声 『どら声』。
とらごろ ヨシノボリ、ビリンゴ
とらせる 【動】与える、やる
とーらせんぼ とおせんぼ とーらせんぼ:神奈川。
どらなんばー (車の)土浦ナンバー 茨城弁の俗語のようなもの。
とらばさみ 獣類を捕獲する用具 『虎挟み』。
とらばさみ:静岡。
どらぶづ
とらぶづ
とらぶつ
【動】余計な金を使う、浪費する 『集覧:北』。
『どらを打つ』なら標準語。『金尽く』を『鉦撞く』にもじり、『銅鑼打つ』(どらうつ)とかけたしゃれともいう。標準語の意味は『放蕩して財産をつかいはたす』だが土浦ではやや軽易な意味で使われる。
どらうち:放蕩者:青森・岩手・秋田。
どらぶつ:駆け落ちする:神奈川。
どらほど 【副】どれほど ★『土』の中に描かれた向日葵を見たシーン:此(こ)れまあ朝つら凉しい内に見たらどら程ええこったかよ:これはまあ、朝っぱらの涼しいうちに見たらどれほど良いことだかねえ。
どらむすこ 放蕩する息子、どら 『道楽息子』の短縮形。=『のらむすこ』
とらまいる
とらまえる
とらめる
とらめーる
【動】@捕まえる、A把握する @『捕まえる』(とらまえる)。辞書には『「とらえる」と「つかまえる」との混交した語)』とある。現代語では主に関西で使われる。八丈方言でも『とらめーきて』(捕まえてきて)という言い方がある。
とらまえる:静岡。
とらめる:長野。
◎どらもの
◎どらもん
放蕩をする者。道楽者。 『どら者』。やや古い標準語。
とらる 【動】盗まれる ★『土』盜(と)らつた上に恁(か)うして暇潰して:盗まれた上にこうして時間がかかって。
とられっちゃった
とられっちった
【複】取られちゃった、盗まれちゃった ★長塚節『芋掘り』の一節:ゆんべ褞袍盜(と)られっちぁったといふんだ:夕べ、ドテラを盗まれちゃったと言うんだがね。
とり 収穫、収益 『取り』。標準語の類似の意味は『江戸時代、田畑屋敷に対する貢租を収納すること。収穫高に対する率で、免(メン)と実質的には同義。』である。漢語の趨勢に負けた言葉である。
とり:熊本。
そんでとりはいぐらだ:それで収益はいくらなの。
どり 【指代】どれ 当時の高齢者言葉。
どりいーんだっ:どれが良いんだろう。
とーり
とーりう
棟梁 当時の高齢者言葉。
とーりゅー:群馬。
(とーりー) 【形】遠い 静岡。
とりあー 【動】かかりあう。相手にする。 『取り合う』。
とりあ
とりあおや
とりあばーさま
とりあばーさん
とりあばさま
◎とりあばば
産婆 『とりあげ婆』。『とりあうば』とも言う。
ごぜんぼ:鹿児島。
くばば:青森。
とりあ:神奈川。
とりあおや:神奈川。
とりあばーさん:神奈川。
とりあばば:神奈川。
とーりあめ 通り雨、しばらく降って直ぐ晴れてしまう雨 死語となった標準語。『ふっかげ』とも言った。
とーりいん
とーりえん
とーれん
縁側、土間にある縁側 『通り縁』の意味。
とーりえん:愛知。
とりいれ 収穫 標準語。
とり:熊本。
とりうぢぼー 鳥打帽子 濁音化。
(とりえ) 鳥居 神奈川・静岡。
とりおい どんど焼き 『集覧:新』。
集覧には『左義長のこと』とあり、明治時代には、どんど焼きはまだ新しい言葉だったのかも知れない。
とーりおぐり
とーりおくり
とーりゅおぐり
建て前の後、棟梁を家まで送ること。 『棟梁送り』の意味。
おくりこみ:神奈川。
とーりゅー:棟梁:群馬。
(とりおどし) 稲田の鳥を追い払う表裏が赤白テープでよじってあるもの、僅かな風にでも早い動きをする 標準語では、この他案山子や鳴子、空砲を指す。土浦では、今でも梨畑で空砲が使われている。鳥の被害を防ぐものの言葉は全国に様々にあり、主にその方法によって様々な方言があるが、方言と言うより民族文化語と言うべきであろう。
□とりうたう 【複】鶏が鳴く
とーりがる 【動】通りかかる
とりくさる 【動】こんがらかる
とりくら
とりくろ
とりっくら
◆とりっこ
とりっころ
とりころ
取りっ競、奪い合い 『取り競べ』。
とりっくら:群馬。
◆▲とりけーし
とりっけし
とりっけーし
とりけーし
鳥の糞 『集覧:新』。
とりっけし:埼玉。
とりげす
とりげーす
【動】@取り消す、A取り返す とりげす:青森。
とりげっこ
とりげーっこ
とりけっこ
とりけーっこ
取り替えっこ
とりげる
とりげーる
【動】取り替える とりける:片付ける:青森。
とりげっか、とりげーっか?:取り替える?。
とりごむ 【動】用事が一時に集まって多忙である。また、出来事などでごたごたしている。 『取り込む』。
とりごろ
とり
とりころ
とりごん
とり
農作物を収穫する最も良い時期 『きりころ』。『取り頃』の意味。
とりさいる 【動】@取り押さえる、A仲裁する 『取り障える(さえる)』意味。
とーりすじ 幹線道路、表通り 『通り筋』。
とーりす:山形。
とりだが 収入金額 『取高』。
とりだか:東京。
とりちらす
とりちらかす
【動】散らかす 『取り散らす』『取り散らかす』。
とりっぱぐ 【動】取りそこなう 『取り』+『逸る』。
とりっぱぐ:群馬。
とりっぱぐ 取りそこない 『取り』+『逸れ』。
とりっぱぐれる 【動】取りそこなう 『取り』+『逸れる』。
とりどごろ 長所、取り得 『取り所』。
とりなす 【動】うまく扱う、とりつくろう あまり使われなくなりつつある標準語。
とりなす:東京。
とりのご 鳥の子紙 襖用の代表的な紙。『とりのこ』なら標準語。
とーりばだ
とーりっ
とーりっ
通り端、道路に面した場所
とりはやす 【動】座をうまくとりもつ
とりぶぢ 鳥を撃つこと
とりへび 蛇の一種 『国誌』によると江戸末期にすでに廃れた言葉という。
とりほい 1月14日の鳥追いのの火祭り。 『鳥追い』の意味。
とりまぢ 1月14日の鳥追いのの火祭り。 『鳥祭り』の意味。
とりまぜ
とりまで
とりまでのとしこし
とりまとい
とりまどめ
とりまどめしょーがづ
とりまどめどし
1月14日の鳥追いのの火祭り。 動詞の『までる』は『@片付ける、しまう、まとめる、A混ぜる』意味なので、この方言は『とりまとめ』の意味。
とりめ @鳥、A鶏、B繭玉につけるキジの形をした飾り @・とりめ:八丈島。
とりもぢ
とりもぢやぐ
接待役 とりもち:精進払いの進行役・婚礼の宴席の取り持ち役:神奈川。
とりもちやく:葬式の進行役:神奈川。
とりもぢ
とりもっち
モチノキ 広辞苑に『黐の木:モチノキ科の常緑高木。高さ一○メートルに達する。西日本に自生し、また庭木として栽培。葉は厚くて光沢があり、長楕円形。春、小形淡黄緑色の小花を開き、球形赤色の核果を結ぶ。材は堅く緻密で、印材または挽物用。樹皮から鳥黐を製する。クロガネモチ・ヒメモチなど近縁種がある。モチ。トリモチノキ。冬青(トウセイ)。』とある。
とりもづ 【動】もてなす、世話する 濁音化。『取り持つ』。
□とーりもの @通り魔、A通者@『通り物』。
A『通り者』。
広辞苑には『世間一般にその名の知られている者。人情・世情の機微に通じた者。粋な人。通人(ツウジン)。転じて、放蕩者。道楽者。』とある。
どりゃ
どりや
【感】どら
とりやいず 【副】とりあえず
(とーりゃんせ) 通りなさい 童謡に歌われた『とおりゃんせ』は、元『とおりありなされ』であるはずで、『とおりあれ』という言い方もあった。
『とおりゃんせ』の原型は、『とおりありなされ』と考えられ、日本語の名詞に対して動詞の発生のルーツを仄めかせる。即ち初めに名詞があり、後に動詞が生まれたのではないかと思われる。
すなわち、とおりゃんせとは、とおりありなされ=通る(名詞?)+あり・やり(動詞化)+なされ(為すの命令形)の三つの要素でできていると思われる。
つまり、日本語の動詞は名詞が原型としてあり、それに助動詞を加えて、さらに、助詞として、使役・尊敬・意志・勧誘の助詞が生まれたと考えられる。
類似の意味で『とーしゃんせ』がある。元は、『通しありあれ』『通しやりやれ』と思われる。
これをべーすにすると現代語の数々の言葉は、変化する。
とーらっしゃい:通りなさい。
とーらっしょ・とーらっせ:通りなさい・お通り下さい。
とーりゅー
とーりょ
棟梁 とーりゅー:群馬。
(〜とる) 【複】〜ている、〜てる 東西対立語の一つ。
東日本では『〜ている・〜てる』。
〜ちょる:鹿児島。
〜ついとる:続いている:香川。
〜とー:兵庫・長崎・広島・徳島・佐賀。
〜とくれる:〜てくれる:岐阜。
〜とりん:〜しているの:石川。
〜とる:兵庫・徳島・長崎・長崎。
〜とるでー:〜ているぜ、〜ているよ。
〜とんで:〜ているよ。
どれ 【代】どれ、誰 『何れ』(どれ)。『何れ』(いづれ)が訛ったとされる。現代語では、物を指すことが大半だが、かつては人をも指した。調べると、さらに古くは場所(どこ)も指したと言う。
こいづらのうぢどれやったがゆってみろ:こいつ等の中で誰が遣ったか言いなさい。
どれ
どーれ
【感】さあ(動作を始めようとしたり、人の注意を促すときに発する言葉) これは、標準語の中であまり使わなくなりつつある言葉だが、逆に茨城弁では『さあ』は使われない。
どーれ、やっか:さあ、やろうか。
とれー 【形】とろい とれー:神奈川。秤の量がやや不足すること:神奈川。
とれあぎ 収穫期 『秋』は、広辞苑に『穀物の収穫の時期。一代男二「折しも麦も―のなかば」』とある。
あき群馬・愛知・岐阜・富山・高知。
どれがどんじゃがぜんぜんわがんね
どれがどんだがぜんぜんわがんね
【慣】どれがどれか全然解らない
とれげる 【動】取り違える、取り替える 『とっちげる』『とりげえる』の転が偶然一致したものと思われる。変則的な訛り。
どれ
どれくれ
どれくれー
【副】どの位、どの程度
どれだげ
どれたけ
【複】どれだけ
どれだら 【複】どれなら
どれだり 【代】何でも 『どれなり』の意味。
こんながだらどれだりでもいーど:この中ならどれでも良いよ。
どれどれ 【代】どれか、どれとどれ、誰か、誰と誰 古い標準語。
どれどれわりーっちわげではねーど:特にどれかが悪いという訳では無いよ。
おめはどれどれいーんだ:お前はどれとどれが良いんだい。
(どれにしようかな) 【慣】子供がものを選ぶ時の掛け声 『どれにしよおかな、天の神様のゆうとおり』。さらに長くなって、『どれにしよおかな、天の神様のゆう通り、鉄砲撃ってばんばんばん、もひとつおまけにばんばんばん』。
とれは 収穫量 『は』は『束、把』(たば)で『穫れ把』の意味だろう。
どれや
どーれや
【感】思いたって事をする時に発する語。いざ。いで。どら。 『どれ』。
どれら どれ 『どれ』の複数形。本来あるべき言葉だが現代標準語では使われない。
とれーる 【動】@捕まえる、A取られる @『捕らえる』。
A・とれーる:静岡。
とれいくる:取りに来る:静岡。
(どーろー) 道路 長野。
とろい 【形】@にぶい、愚かだ、間がぬけている、A火などの勢いが弱い、B角度が緩い @A標準語。
おたるい:馬鹿:長野。
とろい:静岡。
とろこい:徳島・高知。
どろ:怠け者:京都・大阪。
B茨城方言。
Cその他。
とろい:遅い:山梨。
(どろいどろい) 【形動】どろどろ 鹿児島。
とろいも とろろ芋、山芋
とろくさ
とろくた
【副】のんびりした様
どろぐしゃ
どろくしゃ
【形動】泥だらけの様、ぬかるむ様
どーろぐじん
△▽どーろくじん
どーろぐじんさま
道陸神、道祖神 昔、テレビで『どうそじん』と言うのが不思議だった。
どうろくじん:茨城・栃木・千葉・神奈川・山梨。
とろくせー 【形】動きの鈍い様、まだるっこい様、馬鹿 『とろくさい』。
おんとーろく:ぼんやり:東京三鷹。
どろぐちゃ
どろくちゃ
【形動】泥だらけの様、ぬかるむ様
(どろつま・どろつめ・どろりて・どろだん・どろだん・どろっけー・どろてんぼー) 【形動】泥だらけの様 神奈川。
とろくに
とろっくに
【副】しょっちゅう、いつも、むやみに 『集覧:稲・真・猿』。 古い言葉の『とろっぴき・とろびき』の流れか。あるいは『十のうち六つ』の意味か。
とろくに:宮城。東北系方言と思われるが、珍しく県南部にだけ残る方言。
とろく:沢山・非常に:高知。
とろくたい:福島。
とろっと:岩手・宮城。
(どーろくへーろく) 【形動】似たり寄ったり 神奈川。
(どろぐら) 土蔵 鹿児島。
どろけー 子供の遊びの一種 全国的には『けーどろ(警察と泥棒)』。
どろけー:千葉銚子・神奈川。
どろけー 【形動】どろんこ
とろげる
とろける
【動】@溶ける、Aうっとりする @★れーぞーこがら、なんだやとろげできたどー。
おめのあだまはとろげでんだねーのがー:お前の頭はおかしいんじゃないの。
Bその他。
とれる:酔いつぶれる:青森。
とろける:曇る:静岡。
どろこね
どろっこね
子供の泥遊び どろっこね:山梨。
どろじん 子供の遊びの一種 全国的には『けーどろ(警察と泥棒)』。ここでの『じん』は『じんさ』(巡査)の短縮形。
どろず @膾(なます)、A味噌に酢を加えたもので鯉こくを食べる時に使う、酢味噌 @膾(なます)の意味のどろ酢なら全国的にある。
どろた
どろたんぼ
ぬかるみ、どろ状になった田んぼ
どろだらぐ
どろだらげ
泥だらけ
どーろっきわ 道路際
どろっく
どろっこ
どろっけ
泥、どろんこ 『集覧:猿』。
茨城では、撥音より促音の方法が新しい傾向があり、『どろんこ』が『どろっこ』になった可能性が高い。
どろつま・どろつめ・どろりて・どろだん・どろだん・どろっけー:神奈川。
とろっと 【副】居眠りしている状態、とろりと とろっとする:居眠りする:東京。
とろっと 【副】どろどろした様、液状のものが出てくるさま、とろりと
どろっと 【副】どろりと
どーろっ 道端
(とろっ 頭の回転の遅い人 神奈川。人名化した『とろ八』か。
どろっ:最下位・最後・どんけつ:宮城。
とろっび
とろっ
とろっ
◎とろっょー
とろっびょーし
△とろっょーし
とろっ
とろっ
とろょー
とろ
とろ
【副】しょっちゅう、いつも、たびたび 『集覧:北・新』。
古い言葉の『とろっぴき・とろびき』『とろっぴゃう・とろっ拍子(ぴゃうし)』も古い文献にある。
日本語源大辞典に『とろっぴき・とろびき』『間断なく』の意味とある。『とろ』は『とろい・とろける』の語幹、『ひき』は『引き続き』の意味とある。
無理やり解釈すれば『常日(じょうじつ)』(つねの日。ひごろ。ふだんの日。平日。平生。)が訛ったとも推測されるが、逆も言える。
筑波郡には、『とこっし』と言う言葉があるが、意味は『ときどき』である。これは、同源の可能性があり、一回に集中する意味に対して、じっくりと何回も行動することをゆっくりとした様の『とろとろ』に準じて生まれた言葉と思われる。『とろっょーし』は『とろとろとした拍子』の意味を思わせる。
『方言学概論』には『とろ(始終・絶えず):東北全県・茨城・千葉・群馬・神奈川・新潟・長野・静岡。』とある。
だらに:群馬。『ざらに:むやみに』。
だらっ:群馬。
だらっょーし:神奈川。
とこしょー:静岡。
とっょーし:静岡。
とろっ:神奈川。
とろっょー:神奈川。
とろっょーし:福島・埼玉・神奈川・長野。
とろっょーず:神奈川。
とろっょーど:神奈川。
とろっ:秋田・岩手・宮城・福島。
とろっ:福島。
とろっ:栃木・神奈川。
とろっと:岩手。
とろびゅー:群馬。
とろ:東北全県・茨城・千葉・群馬・神奈川・新潟・長野・静岡。
とろ:宮城。
とろ:宮城。
とろ:ずっと・長い間:宮城。
★長塚節『芋掘り』の一節:おらあまあ獨りで心配なんだよ。眠つても眠れねえこととろっ日(び)だよ:俺はもう一人で心配なんだよ。眠っても眠れないのがいつもなんだよ。
★『土』:嚊(かゝあ)とろつ催促(せえそく)に行(い)き/\したんだ、無(な)くっちゃ遣(や)らんねえからって喧嘩(けんくわ)吹(ふ)っ掛(かけ)るっちんだから嚊(かゝあ)も忌々敷(えめえし)って居(ゐ)た先(さき)が不法(ふはふ)なんだから駄目(だめ)でさね。
とろっ
とろっとろっ
【副】ときどき 前項の意味が転じたもの。
どーろっ 道路際
(とろっき・どろっき・とろっき) 【形動】泥酔の様 これは当時の土浦で話された言葉ではないが、参考に掲載した。
とろっ
とろっ
【形】とろい、鈍い 『とろい』+『ぽい』で標準語の俗語としても良い。
とろっち・とろっー・とろんぼー:鈍い人:神奈川。
とろっ:神奈川。
(とろっーし) 【形動】頭割り 神奈川。
どろでっ
どろでんびん
【形動】泥だらけ どろてんぼー:神奈川。
とろとろ 【形動】@液状の様、よだれ等を流す様、A火の勢いが弱い様、B眠気がさすさま、うっとりとする様、C
ゆっくりとしたさま、たらたら
@・とろとろ:宮城。
A★はじめとろとろなかぱっぱ
B・とろとろ:宮城。
C・とろとろ:徳島。
Dその他。
とろとろ:ぶつぶつ不平を言うさま:徳島。
とろ 淀み 『集覧:久』。
『瀞場』の意味だろう。
とろかる
とろびぐ
とろびく
とろびげる
とろける
とろびる
【動】布が擦り切れて穴があく寸前の状態になる 『うすめれる』
あまり使われなくなった標準語の『とろっぺき・どろっぺき』(酔って正体を無くすこと)と関係があるかもしれないが、綻びる(ほころびる)が訛ったものだろう。半濁音形は土浦市右籾町から嫁いで来た祖母がよく使った言葉。他サイトにあるのは、私の投稿による。
綻びる(ほころびる)→ほころびける→とろびける→とろけるとろかる?。
どろひぢぼ 泥まみれの様、どろんこ 『泥八坊』の意味。
とろひょー 【動】しょっちゅう、いつも 『集覧:真・稲・猿』。古い言葉の『とろっぴき・とろびき』の流れ。
『とろっょーし』がさらに訛ったと思われる。
どろぶちけ 泥まみれの様、どろんこ 岩井市の方言。
どろへぢぼ
どろへちま
泥まみれの様、どろんこ 『集覧:猿』。『泥八坊』の意味。
似た表現に『まっくろへぢんぼ』(真っ黒け)がある。
どろべった
どろべったり
【形動】どろだらけ どーべた:沼田:宮城。
どろべった:群馬。
どろぼー
どろぼー
どろぼーじらみ
どろぼーめ
服や動物の毛に付着する種を持つ植物、付着動物型植物 どろぼー:イノコズチ:千葉・群馬。
(泥棒と警察) 子供の遊びの一つ 『どろけー』『けーどろ』『探偵ごっこ』とも呼んだ。全国的にある遊び。手錠など無いので泥棒は藁縄で縛った。
どろぼーとんぼ カトリヤンマ
とろみ 『国誌』によれば明治時代でもすでに使われなくなったとある。接尾語『み』は場所を表す。
とろむ 【動】@弛む、解ける、Aのろのろする、B食べ物等がとろとろになる 『瀞む』の意味が転じたと思われる。
とろむ:解ける:栃木・佐賀。
とろむ:ゆるくなる・のろくなる・にものなどがトロトロする:静岡。
とろんぼ:瀞:神奈川。
とろーり
とろーりとろーり
【副】とろとろ
とろろ
とろろじる
ヤマイモを擦り下ろした食べ物 土浦では通常『とろろ』と言う。
(とろんける) 【動】眠気づく 神奈川。
どろんけん 【形動】泥酔した様 『集覧:新』。
全国的にある訛。オランダ語の『dronke』に由来するという。横浜言葉。
どろんけん:神奈川。
とろんこ
とろんことろんこ
【形動】@ぼんやり、Aだらだら 『集覧:北』。
オランダ語の『dronk』に由来するという説もある。
@・とろんこ:酒に酔ったときのとろんとした目:東京。
とろんける:眠気づく:神奈川。
どろんどろん 【副】泥だらけの様、どろどろした様
(とろんぼー) 頭の鈍い人 神奈川。
どわすれる 【動】度忘れする
(どーわれ) 【複】どうあれ 静岡。『どうあれ』の『うあ』が『わ』になるのは必然性のある訛り。
とをたでる 【動】(雨)戸を閉める
(とん・とんとん) 男の子の美称 佐渡島。
どん 【形動】にぶい様。のろい様。 『鈍』。
どん〜 【連体】どの〜 撥音便。標準口語。
どんくれもらった?:どれくらい貰った?
どん〜 【接頭】 強調の接頭語。標準語にもあるが、茨城弁では多用される。もともとは近世関西方言の『ど、どう』である。
〜どん 敬称。殿。 今では屋号に残るが、かつては敬称として使われた。
〜どん:静岡・鹿児島。
(〜どん) 【助】〜ども。 鹿児島。接続助詞。
とん
とんか
竹馬 『集覧:稲』。
とん 唐鍬 とー:神奈川。
とん:埼玉・神奈川・静岡。
とん:利鍬・つるはし:山梨。
どんかい
とんかい
ブランコ 『集覧:猿』。
『鞦韆』(ぶらんこ)。
どん 【形動】法外、論外
とん
とん
【動】尖らす
とんがす
とんかす
とんがせる
とんかせる
とんげる
とんける
とん
とんせる
【動】尖らす、尖らせる
とんがる
とんかる
【動】尖っている
どんかす びり、どんじり
とんかぢ
とんかち
金槌 標準俗語。
とんかぢあだま
とんかぢやろー
金槌頭、石頭、頑固 とんかちあたま:埼玉。
とんかちやろー:埼玉。
とんっちょ 尖ったもの、尖った場所 とんっちょ:群馬。
どん 【形動】法外、論外 『集覧:新』。
『どんい』の古形。
『論外』の訛り。『ろ』を『ど』と発音する例は他多にもある。
どん ブランコ 『鞦韆』(ぶらんこ)。
どん 【形胴】中身が空っぽの様 『胴殻(どうがら・どんがら)』(肉をとり去ったあとに残った鳥獣の骨。がら。)の転。
(どんらいし) 大石 静岡。
とんらがす
とん
【動】尖らす、(棒などの)先を尖らす 『尖がらかす(とんがらかす)』なら標準語。
とんらがす:宮城。
とんらかす:静岡。
とんがらかす:鹿児島。
とんらがる
とん
【動】尖っている、怒る(口を尖らす) 『尖がらかる(とんがらかる)』なら標準語。
とん:尖る:福島。
とんらげる
とん
【動】尖らせる、、怒る(口を尖らす) くぢとんらげでなんかもんくあんのが:口を尖らせて、何か文句があるのかい
◆●とんらし 唐辛子 らし:全国に遍在・関東全域。
とんらし:群馬・埼玉・神奈川・静岡。
なんばん:全国的にはかなり偏っており、関東周辺にループ状に広がる。関東では茨城県北部と群馬・神奈川の西部に限られる。
とんらしとんぼ
とんらしどんぼ
赤とんぼ
とんらす 【動】尖らす とんらす:群馬・山梨・静岡。
どんらやろー 身体をののしる言葉 『胴殻(どうがら・どんがら)』、当時は中身が空っぽのような意味で使っていた。標準語では『肉を取り去ったあとの骨、がら』。
(どんからば・どんからん) 【接】だけれども 鹿児島。
とん 尖っているものや場所 なぜか辞書不掲載。
どんがり:鹿児島。
とん 【動】@尖る、A怒る @・とん:群馬・東京。
A・とん:群馬・東京・神奈川。
とん
どんんぼ
とんんぼ
ブランコ 『集覧:新』。『鞦韆』(ぶらんこ)。
どーんずん:山梨。
とんきょ
とんきょう
だしぬけに調子はずれなことを言う(する)様、間が抜けて調子はずれな事を言う(する)様 『集覧:行』。
最近あまり聞かなくなった標準語。『頓狂・頓興』。
とんきょー:ひょうきん:静岡。
どんくせー 【形】間抜け、のろま 『鈍臭い』。
テレビの影響による新語
どん
どんりぼんぼ
ドングリ 『団栗』。
広辞苑には『(トチグリ(橡栗)の転か) カシやクヌギ・ナラなどの果実の俗称。椀状の殻斗(カクト)があり、果実の下半を包む。』とある。ドングリの語源は@栃栗(トチグリ)、A団栗(ダングリ)、B独楽(コマ)の古名のツムグリ 等の諸説があると言う。
どんらい
どんくらい
どん
どんれー
どんくれ
どんくれー
どんけ
どんけー
どんけん
【副】どの位、どの程度 『どんらい・どんくらい』なら俗語。
どんかい:静岡。
どんくらい:東京青梅。
どんき:青森。
どんけん:東京青梅。
どんけ びり、どんじり
どん
どんけー
どんぇー
どん
どんんぼ
ブランコ 『集覧:猿』。
『鞦韆』(ぶらんこ)。
どんけづ
どんけつ
とんけつ
びり、どんじり 『どんけつ』は広辞苑に掲載され、『(西日本、茨城・愛知県などで) 最後。最下位。びり。どべ。』とある。広辞苑にあるとすれば、かなり古くからある言葉と考えられ、関東では茨城に顕著に残ったと考えられる。
とんらす
とん
【動】尖らす、(棒などの)先を尖らす
とんこ
とんこめ
どんこめ
とんこんま
子馬、当歳の子 『集覧:久』。
とんこ:福島。
どん
どんこ
腋芽が養分を蓄えて球状となったもの、むかご 『集覧:久』。
『零余子』(むかご・ぬかご)。
どん 論語 『集覧:無記載』。
(とんこ) 頂上 静岡。
どんこー
どんこーれっしゃ
普通列車 『鈍行』『鈍行列車』。
(どんざ) 襤褸(ボロ)のこと。また、古い布を重ねて刺子(サシコ)にした着物。どんた。どんぎり。(広辞苑) 『方言学概論』では一括して『東北(秋田以外)・千葉・八丈島・佐渡・静岡・石川・福井・三重・和歌山・兵庫・山口・香川・愛媛・高知・九州(宮崎不明)にあり、意味は所により色々だが、襤褸を刺し子にした仕事着の意味が元だろう。』とある。
どんざ:仕事着:岩手・宮城・福島・千葉・静岡・山口・高知。
どんざ:襤褸:八丈島。
どんざ:どてら・掻巻:静岡・和歌山・大阪・鹿児島。
どんだ:どてら:静岡。
とんさま
どーんじ
どーんじぇ
【副】@道理で、Aどうして
(とんじかなる) 【動】(糸が)絡まる 静岡。
どんじき ブランコ 『鞦韆』(ぶらんこ)。
どーんじどーんじ
どーんじぇどーんじぇ
【副】@道理で道理で、Aどうしてどうして あーたごどゆってでもどーんじぇどーんじぇ、わりーひとだねーんだ
どんじゃ 【複】どうだ、どれだ
どーんじゃ 【複】@当たり前だ、Aどうだい? @『道理じゃ』の意味。
とんじゃぐ
とんじゃく
頓着、心にかける 『頓着』は清音発音(とんちゃく)が一般的。
とんじゃく:秋田。
とんじゃぐする 【複・動】心にかける、気にする 『頓着する(とんじゃくする)』なら標準語だが、否定形で使うことの方が多い、また『頓着』は清音発音(とんちゃく)が一般的である。
どんじゃげ
どんじゃけ
どんだげ
【副】どの位、どの程度、どれだけ はー、どんじゃげしんーしたんだがわがんねくれだがんなや:もう、どれだけ心配したことか。
どーんじ
どーんじぇ
【副】@道理で、Aどうして @★どーんじおがしーどもった:道理でおかしいと思った。
A★どーんじぇやー、おらほのほーかづべやー:どうして、うちの方(のチームが)勝つだろうよ。
△▽どんじり びり 『どん尻』。
づんじり:鹿児島。
どんじい:鹿児島。
どんじり:静岡。
とんずら 犯罪を犯して逃げること 俗語。
とんする 【動】捨てる 幼児語。北相馬郡の方言。『ぽい』が訛ったもの。
ぽいする→んするとんする
どんせんがんせん 【形動】優柔不断 『集覧:猿』。『どうしよう、いかにしよう』の意味。
とんだ (「飛んだ」で、飛び離れている意か)【連体】@普通とちがった。風変りな。A思いがけなく重大な。思いもよらない。たいへんな。とんでもない。B(逆説的に) 重大そうに見えるが、実は何ということはない。【副】C非常に。思いがけなく() A・とんだ:山形・群馬・東京。
B・とんだこと:いたみいった挨拶を受けた時の返事「どういたしまして」という程の意:東京。
★『土』どうしておめえ、此(こ)の秤(はかり)なんざあ檢査(けんさ)したばかりだもの一分(ぶ)でも此(こ)の通(とお)り跳(は)ねたり垂(た)れたりして、どうして飛(と)んだ噺(はなし)だ:どうしてあんた、この秤なんて検査したばかりだもの、一分(の長さを動かしても)でもほら、この通り、跳ねたり垂れたりするのに、どうして(あんた)、何と言うことは無い。
とんだ 【複】取るんだ はいぐとんだど、なー:早く取るんだよ、ね。
どんだ 【複】@どうだ、Aどれだ、誰だ A★いま、うっせっちったのはどんだ:今、うるさいって言ったのはどいつだ。
どんだ〜
どんた〜
【連体】どんな そんではどんたごどやってもむりだいな、きっとたぶんおそらぐ:それでは恐らくどんなことをやっても無理だね。
(どんだい) 【形動】ぞんざい 静岡。
(どんだえる) 【動】ふざける 静岡。
どんたぐ @女郎買い、A繭を入れる麻袋、B(休日) @:Bの意味が転じた方言だろう。
どんたく:山形。
A『頭陀袋』が訛ったと考えられる。
B現代では、博多どんたくに代表される言葉。『どんたく』とは、オランダ語の『zondag』(日曜日。転じて、休日。)に由来すると言われる。古い標準語に『半ドン:午後が休みの日。土曜日。』がある。もともとは『半ドンタク』だと言う。
どんたく:日曜・休日:宮城・三重・徳島・長崎。
どんたく:鳥打帽:島根・大分。
どんたく:綿入れ半纏:三重。『道服』が訛ったとされる。
どんたくぼー:鳥打帽:大分。
どんたくぼーし:鳥打帽:大分。
どんたぐれ
どんたくれ
愚か者、馬鹿 近世語。
『洒落本・船頭部屋』に『いい子のふりはよしにしや、どんたくれめ。』とある。
どんたくり:放蕩者:佐渡島。
どんだげ
どんたげ
どんだけ
【複】どれだけ 『どんだけ』は俗語。
とんだごった
とんだこった
とんだこったい
【慣】とんだことだ、とんでもないことだ 『とんだこった・とんだこったい』は関東方言。
とんだごど
とんだこと
とんだこと、大変なこと、とんでもないこと、意外なこと 濁音化。
とんだごどでござんした:とんだことでございました。
とんだごってしたねー:大変でしたねえ。
とんだごんだ
とんだこんだ
【慣】とんだことだ、とんでもないことだ 『とんだこんだ』は関東方言。
とんだす 【動】取り出す とんだす:山梨・静岡。
どんたな 【連体】どんな
とんだめさらー 【複】【動】酷い目に合う この『さらう』は、『さらる』(される)の転じたものと思われる
とんだめつぐ
とんだめつく
【動】酷い目に合う どんだめついだなや:酷い目に合ったね。
とんだもねー 【複】とんでもない
とんだもんぐ とんだこと、大変なこと、とんでもないこと、意外なこと 本来は『とんだ文句』の意味か。
とんだもんだ 【複】とんでもないものだ、とんでもない奴だ いーもんけーだちがらうるしがってだらとんだもんだ:良い物を呉れたってから、嬉しがっていたら、とんでもないものだ。
あんだどー、おめ、いづまでそーたごどゆってんだー、とんだもんだなー:何だって、お前、何時までそんあこと言ってるんだい。とんでもない奴だ。
とんだもんなー 【複】取るんだものねえ
とんちき 頓痴気、馬鹿、間抜け、のろま 『頓痴気』(擬人名「頓吉(トンキチ)」の転)。=『とんちきやろう』。罵倒語。もとは上方語とされる。『頓痴気』は江戸の明和期の流行語だったと言う。『頓敵・頓的』と同源か。
とんちき:静岡・和歌山。
とんちきめ:静岡。
どんちきしょー 【感】こんちくしょう 『鈍畜生』の意味か。『どの畜生が遣る。:どいつが遣る(誰も遣らない意味)。』が詰まって『どの畜生』が転じたとも考えられる。
とんちきりん
とんちくりん
とんちくれん
頓痴気、馬鹿、間抜け、のろま、おっちょこちょい 『へんちきりん』と『とんちき』が混じったような訛。            
どんちゃん 【副】そわそわ 『集覧:新・水』。
集覧では『心落ち着かぬこと』とある。近世語。広辞苑には『心が乱れて落ちつかないさま。』とある。
どんちゃんさー どんちゃん騒ぎ とんちゃんさー:埼玉。
とんちょこりん おてんば
(とんちん) 袖無し、ちゃんちゃんこ 静岡。
とんつぁん 父親
とんつかない 【複】届かない 『集覧:猿』。
どんつぎ
とんづき
突き当たり、▲突端 『集覧:稲』。
どんつき ブランコ 『鞦韆』(ぶらんこ)。
どーんづき:静岡。
どんづぐ
どんつぐ
△どんつく
【形動】【名】はたらきのにぶいこと。愚鈍なこと。また、そのような人。 『鈍付(どんつく)』なら古い標準語。その他『うんつく・んたろう(ん太郎)・んつく』がある。
うんつく:長野。
どんつく:東京多摩・神奈川・山梨・三重・広島・岡山。
とんつく:長野。
んつく:長野。
とんつく 【動】届く
どんづぐ 【動】不平不満を言う 江戸言葉の『ぼんつく』の転と思われる。
どんつくまなく
とんつくまなぐ
とんつくまなご
とんつくまなこ
@きょろきょろする目、A驚いた時の目 『集覧:多』。=『どぎつくまなご』
どんづまり
どんづめ
突き当たり、奥、終わり 標準語。
つっかけ:福島。
とっかけ:福島。
どんづまり:群馬。
どんづまり:ひっくり返し・裏返し・逆:神奈川。
とんで
とんでとんで
とんでも
とんでもとんでも
とんでもや
とんでや
【複】とんでもない
どーんで 【副】道理で どーでか:神奈川。
どんで:どうせ・どうも:青森。
とんでいる 【動】飛んで入る、突然参加する
どんでいし どんでん返し
どーんでがして 【副】何とかして 『どうにてかして』の意味。
(とんてき) 思慮のない軽はずみなこと。ひょうきんなこと。また、その人。転じて、まぬけなこと。また、その人。 『頓敵・頓的』。『頓痴気』と同源か。
とんてき:粗忽・粗忽者:青森・秋田・山形。
とんてき:突飛な言動をすること・向こう見ずな人・ひょうきん:山形。
とんてき:馬鹿者:新潟。
とんてき:軽率:長野。
とんてき:お転婆:愛知。
とんてつ:軽率・粗忽:佐渡。
とんとけ:粗忽・粗忽者:青森。
とんでぐ
とんで
【動】勢い良く走って行く 『飛んで行く』。
とんでく:山梨。
とんでごさら
とんでごっさら
とんでごっすら
【複】@どうりで、なるほど、Aとんでもない 全く異なる二つの意味がある。語尾の『ごっさら』は『事であろう』の意味か古語の俗語の流れで、『事すあるらむ』の意味か。単に『ごす』(御座います)に接尾語の『ら』が付いたか。『ござらむ・ござらん』の意味も考えられる。
@『道理で』の意味の『どーんで』が清音化・短縮化したと思われる。
A『ごす』(御座います)に接尾語の『ら』が付いたか。『ござらむ・ござらん』の意味も考えられる。
とんてづもねー 【複】とんでもない 『途轍も無い』。
どんてな 【連体】どんな 『どの体な』の意味。
(とんでもない) もともとは東国語で、『途でもない( とでもない)』の撥音便形とされる。古くは@思いがけない、常識では考えられない、Aけしからん、理屈に合わない意味で、現在の様にB相手の言うことを強く否定する意味が加わったのは明治後半とされる。
現在、丁寧語としてしばしば使われる『とんでもございません』は実は間違いで『とんでもないことでございます。』が正しいのだが、生きている言葉は簡単には止められない。
とんでもないです
とんでもないですよ
【感】どういたしまして 標準語世界でもお礼の返答として『とんでもない』は使われるが、『とんでもないです』は、『やったです』と言うのと同じで用言が連続していて文法的におかしい語法なので正確には方言とはいえない。『とんでもないことです』『とんでもないことでございます』が正しい。
とんでもね
とんでもねー
【複】とんでもない かからんなか:鹿児島。
かからんね:鹿児島。
とんでもはっ
とんでもはっんあるいてじっ
【慣】とんでもない 当時の流行語、昭和20年代の米国進駐軍の片言の日本語から生まれたとされる。『never happen』の意味。
(とんでもふ 強情っ張り 千葉・神奈川。木更津の民話に『とんでもふ:家(うち)の方の、高石しょう三郎っていう人だけんど、その弟さんと二人、海岸で沖を見ていたのね。すると、水の上に白いもんが見えたんだよ。一人は、鴎(かもめ)だっていうし、片一方はふぐだってね、兄弟ではっか(強情っばり)したんだって。で、じやあ、なんだかんだっていなって、そば行ってみろってわけで、行ったらね、鳥が飛んだから「ほらみろ、鴎だ」っていったら「ばか、飛んでもふぐだ」って。』がある。
どんでんーし
どんでんけーし
どんでん返し
どんと 【副】どっしり座る様 『でんと』。
どんと
どーんと
【副】@十分に。どっさり。A手ごたえあるものがぶつかるさま。 @・どんと:静岡。
★どんと来い。
とんど 【副】全く、まるで、てんで、少しも、どうしても
とんど
どんと
どんど焼き 現代語の『どんど焼き』は、現代に残る他の言葉からすると違和感があり、地方語にそのルーツがあることが明らかである。
本来は『どんと焼き』『どんどん焼き』が正しいと考えられる。
神奈川でも『どんど焼き』と言う。この手の言葉のルーツは茨城に間違いなく残っている。横瀬夜雨の『田舎の新春』には『鳥追ひの晩には、その年の定まつた番の家へ豆腐一丁と餅とを運ぶ。當番の家ではそれで田樂をつくる。里芋のも。土間の眞ん中に穴をほつて、楮殼を惜し氣なくどん/\焚く。その周圍の莚に圓陣をつくり頬を眞赤にする。字(あざ)全部の子供たちは聲をはりあげて、今夜あどこの鳥追ひだ鎌倉の鳥追ひだ 名はなんと追ひ申す ゑのしし鹿のしし 追はれ申して わあほい と合唱する。鎌倉時代の鳥追ひの遺風なのだ。さてその火であぶつて食ふ田樂が、いかにうまかつたかは想像以外だ。』とある。
鳥追いの儀式は、広辞苑に『@(作物を荒らす)鳥を追い払うこと。また、鳥おどし。A農村行事の一。正月一四日の晩と一五日の朝との二回、害鳥を追い払う歌をうたい、若者らが、ささら・槌・杓子・棒などを打って家々を回るもの。B「たたき」の別称。C江戸時代、女太夫(オンナダユウ)と称する女芸人が新年に衣服を新しくし、菅笠に代えて編笠をかぶり、三味線を弾き、鳥追歌を唄いながら門付けしたもの。D能の一。「鳥追舟」に同じ。』とある。
どんど どんど焼き、どんど焼きの際に作る小屋
(とんとする) 【複】転ぶ 神奈川。幼児語。
どんどび
とんとび
鳥追いの儀式、どんど焼き どんとさい:宮城。
どんどや どんど焼き、どんど焼きの際に作る小屋
どんどやぎ
どんとやぎ
どんど焼き どんどやき:群馬・静岡。
どんどろやき:野火:福島。
どんどやま どんど焼き、どんど焼きの際に作る小屋
どんどろ 【副】@どんどん、Aどろどろ どんどろやき:野火:福島。
どんどん どんど焼き、どんど焼きの際に作る小屋
どんどんび どんど焼き どんどんび:どんどん盛大に燃やす火:山梨。
(とんとんぶき) 板葺屋根 神奈川。擬音語と思われる。英語では『wooden single』。
どんどんめ
どんどろめ
【形動】堂々巡り どんどんめ:群馬。
どんどんや どんど焼き、どんど焼きの際に作る小屋
どんどんやぎ 1月14日の火祭り 『どんど焼き』。
どんどろやき:野火:福島。
どんどんやき:群馬・東京・神奈川。
(どんどんやき) 太鼓焼き、巴焼き、今川焼き 東京。『どんどん焼き』
とんな 思いがけない、急な、不思議な 『とんだ』。
とんな:山形・岩手・宮城・山形・福島。
とんな 【複】取るな とんな:静岡。俗語。
とんない 【複】取らない、撮らない 『集覧:行』。
俗語。
(どんないに) 【複】どのように 静岡。関西方言の影響か。
どんなが ど真ん中
とんなごった 思いがけないことだ、急なことだ 『とんだ事だ』。ただし『頓なこと』(急なこと)の可能性もある
とんなごって 思いがけないことで、急なことで 『とんだ事で』。ただし『頓なこと』(急なこと)の可能性もある、
とんなごってしたね:急なことでしたね(不幸があった場合の慣用句)。
とんなごど
とんなこと
思いがけないこと 『とんだ事』。
とんなごど
とんなこと
急なこと 『頓なこと』(急なこと)。
とんに
とんにぇー
とんにゃい
とんにゃえ
【複】取らない、取れない
とんに 【複】取りに とに:青森。
とんにい
とんに
【複】取りに行く 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
とんにぐ 豚肉 古い言葉の『豚肉』(とんにく)の濁音化。何故か牛肉は『うしにく』とは言わない。
とんぬげる 【動】通り抜ける とんぬげる:宮城。
とんのげる:宮城。
とんね
とんねえ
【複】取らない、取れない 俗語。江戸言葉。
(どんねーに) 【複】どんなに 神奈川。
とんのぐ 【動】遠のく とんのく:神奈川。
どんのぐぼ
どんのくぼ
とんのくぼ
盆の窪。後頭部の窪んだところ。 常陸・下野言葉。『ぼんのくど。ぼのくぼ。』とも言う。
『どんのくど』は江戸時代の滑稽本『浮世風呂』に出てくる近世語で『めめずのとげを、頭のどんのくどへふんづら抜いたつけ。』とある。
『俚言』には『どんのくぼ:下野にてぼんのくぼをいふ。』とある。
とんのげる 【動】取り除ける、取って他に移す とのげる:岩手・宮城。
とんのける:山梨。
とんのご 砥の粉
どんのごぶ
どんのこぶ
どんのごぼ
◆▼どんのこぼ
どんのっくぼ
盆の窪 『集覧:久・新』。当時、大人たちが様々な言い方をしていたので混乱したことを覚えている。
『どんのくど』は江戸時代の滑稽本『浮世風呂』に出てくる近世語で『めめずのとげを、頭のどんのくどへふんづら抜いたつけ。』とある。
どんのる 【動】図に乗る、つけあがる
△▽どんば
とんば
トンボ 『集覧:真』。『とんば』はトンボの語源とされる言葉。
どんば:山形・福島・栃木。
とんは
▲▼とん
@おっちょこちょい、A酒店で立ち飲み食いすること、B茶碗酒、Bいたずら、無駄なさま 『集覧:北』。
『とんち』がさらに訛ったもの。
『国誌』には『とんは:いたつらなと云うに同し』とある。『徒』には『@用事がないこと。ひま。A無益。無用。役に立たぬこと。つまらぬこと。Bむなしいさま。特に、死ぬさま。C(「悪戯」と書く) 無益でわるいたわむれ。わるふざけ。わるさ。C男女の私通。不義。』の意味がある。『頓馬(とんま)』と同源と考えられる。
どんばいる 【動】陥る、落ちる。つんのめる。 『集覧:行』。
『どん』は強調の接頭語。
どん @戦争、A 鈍い人 @は『どんぱち』の濁音化。
Aは『鈍』な人を転じて人名化した『鈍八』の意味。
とん
▲▼とん
冷酒を茶碗で飲むこと(人) 『集覧:無記載』。とんでもない人を人名化した『とん八』の意味か。
『常磐沿線』には、@一升の酒をコップ八杯に盛ったものの説、A鉄鉢(てっぱつ)に注いで飲んだ説が紹介されている。『てっづ』は大きなものを指す言葉でもある。
『日本言語地図』では、稲敷郡の方言。
▲▼どんばらい @終わり、A最後、Bびり 『集覧:多』。茨城方言集覧では『終末のこと』とある。
『どん』は卑下する接頭語で『どん払い』の意味。
@・どっとはらい:青森。
どっとはれ:青森。
どんどはれ:岩手。
どんばり
どんばりぼー
▲▼とんばりぼー
六尺棒 『集覧:多』。
『日本方言大辞典』では『戸張棒』と当てている。
とんばり:戸締り:福島。
とんばりぼー:福島。
(どんぱん節) 日本語の擬音・擬態表現がそのまま民謡になってしまったような代表的なもの。北海道の『ソウラン節』とともに、日本人の心の風景をなす民謡でもある。
ネットサイトのどんぱんぶしには、「ドンドンパンパン〜」の歌いだしで始まる「ドンパン節」は、全国的にも有名ですが、その元唄は“円満造じいさん”と人々に親しまれていた本町豊川の大工さんの作で、その名をとって「円満造甚句」と言われています。 明治元年に生まれた円満造じいさんは、本名を高橋市蔵といい、大工は16歳で一人前、18歳の時にはさし物から彫刻にまで手を伸ばす器用さで、特に彫刻においては、神社仏閣に多くの優れた作品を残しました。この円満造さんは、元来歌好きで、棟上げや祝いの酒席で即興詩人ぶりを発揮し人々の評判になりました。そのころの即興の歌というと秋田甚句が多かったのですが、彼はこの歌が「まどろっこしく退屈だし三味線にのりにくい」と言っては、いろいろな工夫を凝らしだしました。そんなある日の夕方、仕事をしながらヒョイと表を見ると、西の方へとぼとぼ歩いていく色白の娘が目に付き、彼は即座に「あね、どござ行ぐただ一人日が暮れるとぎ…」と歌いかけたといいます。調子は、秋田甚句のおはやしの横笛のフシをもとに、合いの手唄を独立させて作りました。歌詞はいっぺんに出来上がったのではなく、詩情がわき、興がのるごとに加えられていきました。この歌が「円満造甚句」と呼ばれるようになりました。 そして、昭和10年頃になって、民謡編曲家の故黒沢三一氏がその「円満造甚句」を大衆向きに変えたのが、今のドンパン節です。円満造甚句は、彼の孫にあたる高橋大文さんが、踊りは豊川小学校の児童が受け継ぎ、伝承しています。
とんび @唐鍬の一種、A袖なしの綿入れ @=『たげほりまんの』。『とうぐわ』が訛ってはしばしば『とんと呼ばれ、それが訛ったか?。竹の子掘りの他特に地面が固い場所で使う。
とび:埼玉。
A・とんびそで:巻き袖:神奈川。
どんしゃ
どんしゃり
全く一致するさま。全くその通りであるさま。 本来は『どんぴしゃり』。現代ではむしろ『どんぴしゃ』ということの方が多い。当時の茨城では『どんぴしゃり』であり、『どんぴしゃ』は新語として生まれたものである。
とんびじらみ @服や動物の毛に付着する種を持つ植物、付着動物型植物、A藪虱(ヤブジラミ) 真壁郡・行方郡。
▲▼とんびくりん
とんくりん
▲▼とんびくれん
とんくれん
とんこりん
とんこれん
とんょくりん
とんょくれん
とんょごりん
とんょこりん
とんょこれ
とんょこれん
【形動】@おっちょこちょい、軽率な人、向こう見ず、間抜け、Aこっけいなこと(人)、冗談 『集覧:新』。
『日本方言大辞典』では、旧稲敷郡の方言。
江戸時代には軽率な者を『とひょうもの』と言ったので、それに由来すると考えられる。県北にはょんょこり・ょんょこりん』がある。
『び』『ぴ』『ぴょ』、『く』『こ』『ご』、『りん』『れん』『れ』等の組み合わせてバリエーションはいくらでもできそうである。これらの大半が権威ある文献にあること自体が奇跡に近い。こんなことは茨城方言にしか無いだろう。ここまで訛り、原型を留めずさらに余りにもバリエーションが多いのは興味深いが、意思疎通の障害になる可能性があり、廃れるのは間違いないだろう。
@・ちょちょら・ちょっ:おっちょこちょい:群馬。
とんょくりん・とんくりん・とんょくりんどー:山梨。
A・とんょくりん:千葉。
のんょこ:千葉。
とんびつかり @服や動物の毛に付着する種を持つ植物、付着動物型植物、A藪虱(ヤブジラミ)
どんびゃくしょう 農家を卑下した呼び方 『どびゃくしょう』とも言う。『ど・どん』は接頭語。
どんびり びり 『どんじり』
どっ:宮城。
どろっ:宮城。
とんぶ トンボ とんぶ:神奈川。
どんぶ:千葉。
(どんぶち) 水溜り 静岡。
(どんぶら) 深い水溜り 長野。
(とんぶら) ブランコ 静岡。
(どんぶり) 腹掛けの腹部にある物入れ 神奈川。
広辞苑には『丼:更紗(サラサ)・緞子(ドンス)などで作った、金などを入れる大きな袋。若い遊び人などが好んで用いた。』とある。
どんべ
どんべー
馬鹿、間抜け 人名化した『鈍兵衛』の意味か、『暢兵衛』か。何故か『民俗』には掲載されていない。
どんべ:不細工な・太っている:青森。
どんべ:岩手・富山。
どんぼーず:東京多摩。
どんぼーす:神奈川。
どんべる
どんべーる
【動】つんのめる、前へ勢いよく倒れる 鹿島・行方地区。=『どんばいる』
『どん』は強調の接頭語。
とんぼ @雨戸、A入り口、玄関 『集覧:久』。
別に『とばくち・とぼくち・とぼち・とまくち・とんぼち』とも言う。
どうやら、古くは入り口とは民家のような小さな建物の入り口については言わなかったらしい。
いずれも『戸の傍』すなわち『戸の傍ら』の意味と思われる。
@・とんぼ:栃木。
A・しもとんぼー:勝手口:神奈川。
とんぶ:神奈川。
とんぼ:福島・栃木・神奈川・新潟。
とんぼー:神奈川。
とんぼ:宮城・福島・栃木・東京多摩・神奈川・山梨・静岡。
とんぼくち:福島・神奈川。
とんぼー:神奈川。
とんぼ @タンポポ、Aカエデの実 @タンポポの穂が風に飛ぶことから、『飛び穂』の意味と考えられる。
とんぼ:三重。
A県西部。
どんぼ トンボ 『集覧:新』。=『とんぶ』。第1音が濁音化する珍しい例。
だーぶり:岩手。
だぶり:青森・秋田。
だんぶ:青森・秋田。
だんぶり:青森・秋田・岩手。
だんぼ:新潟・富山・石川。
どんば:山形・福島・栃木。
どんぶ:埼玉。
とんぶ:埼玉・神奈川。
とん:神奈川。
どんぼ:岩手・埼玉。
とん:神奈川。
(どんぼ) 静岡。
とんぼいる
とんぼえる
とんぼーる
【動】@躓き倒れる、宙返りする、A目的地に着いて、すぐ引き返す とんぼえり:ひっくり返し・裏返し・逆:神奈川。
とんぼ カタバミ、スベリヒユ、セイヨウフウチョウソウ、ツメクサ 種が弾けて飛ぶので『飛び穂草』の意味と考えられる。
とんぼ:カタバミ:千葉・群馬・静岡・福井。
(とんぼちでない) 【複】外出しない、戸口を出ない 神奈川。『とんぼち』は『戸口・出口』の意味の標準語。
(どんぼーす) うっかり者、忘れん坊、まぬけ 神奈川。
どんぼーず:覚えが悪い:東京多摩。
とんぼーす:山梨。
とんぼのちち タンポポの茎から出る白い汁 とんぼのちち:埼玉。
とんま 間抜け、馬鹿 すっかり聞かなくなった標準語。当時のテレビ番組の『とんま天狗』が懐かしい。
とんま:静岡。
(とんまう) 【動】捕まえる 静岡。
どんまーま ブランコ 『集覧:久』。
『鞦韆』(ぶらんこ)。
とんむりぐし
とんむるぐし
とんもごし
とんもごろし
とんもろぐし
とんもろごし
▲●とんもろこし
トーモロコシ 『集覧:西』。
方言地図によれば、『とんもろこし』は北関東を除いた関東方言。
とんもろごし:千葉銚子。
とんもろこし:北関東を除いた関東方言。
(どんや) 【形】大きい 静岡。
どんよーさんよ
どんよーさんよー
ブランコ 『集覧:新』。
『鞦韆』(ぶらんこ)。ブランコを漕ぐ際の囃し言葉に由来するか。
さんよーどん:子供の囃し言葉:山形。三要和尚に由来するとされる。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
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