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◆本ページは、地理・自然等に関する茨城方言をまとめたものです。他県の方言の収集も合わせて開始しました。

標準語 茨城弁 解説・他県の方言
あかつち、赤土、関東ローム層、赤土の畑 あがちぢ
あがちち
あがっ
あがっ
あかっ
あがっろぐ
あかっろく
あがっーろぐ
あがっーろく
あかっーろく
あがのっ
あがのっ
あがーろぐ
あかーろく
広辞苑に『あかのっ(火山灰土壌の一。腐植にとぼしく、黄褐色。茨城県を中心に栃木・埼玉などに見られる。腐植の多いものは黒のっぽ。)が掲載されている。
あかのっ:栃木・埼玉・神奈川。
あかほや:九州。
★『土』:裏の垣根外(くねそと)さ、土はかたで赤っうろくだが、掃溜(はきだめ)みっしら掘つ込んで置いた處(ところ)だから、其(そ)れが出たと見えんのさ:裏の垣根の外に、土は全くの赤土だが、ゴミをしっかり掘って入れて置いたところだから、それが生えて来たらしいのさ。
あさやけ、朝焼け あさひやげ
あさやげ
あさにじ:長野。
あまだれ、雨だれ あまんだれ あまんだれ:ツララ:長野。
あまんだれ:軒:静岡。
あまんだれ:山梨。
ぬきんだれ:静岡。
あまのがわ、天の川 あまごーら:壱岐。
あまのわら:新潟。
あまんかーら:鹿児島。
かーら:静岡。
てんがーら:沖縄。
あめ、雨 あみ:雨。
おしめり:雨。
おでんきあめ:照雨・天気雨。
きつねのごしー:天気雨。狐の嫁入り。
きりあめ:霧雨。
ざぶり:夕立・長雨。
じぶり:本降り・長雨。
あめ:南西の風を伴って降ったり止んだりする雨:神奈川。
いっさんぶり:にわか雨:神奈川。
うれー:にわか雨:静岡。
おてんきあめ:天気雨:神奈川。
かざそーべー:にわかあめ:神奈川。
きつねあめ:天気雨:神奈川。
きつねのしゅー:天気雨:神奈川。
きつねのよめどり:天気雨:神奈川。
きりす:霧雨:神奈川。
きりぶり:霧雨:神奈川。
こあめ:小雨:神奈川。
こすあめ:小糠雨:神奈川。
さくずあめ:霧雨:宮城。
ざぶり:強く降る雨:神奈川。
しのだてぶり:大雨の降る様:神奈川。
しのをつくあめ:大雨:神奈川。
じぶり:本降り・連続的に降る雨。
ときばれ:降ったり止んだりする雨:神奈川。
ならいあめ:東風のときに降る雨:神奈川。
にじっより:天気雨:神奈川。
にわかあめ:天気雨:神奈川。
ひあたりあめ:天気雨:神奈川。
たりあめ:天気雨:神奈川。
ひとさばらい:一雨:神奈川。
ひなたあめ:天気雨:神奈川。
ふっかけ:風を伴った雨:神奈川。
わたくしあめ:一地域だけに降る雨:神奈川。辞書に『私雨:不意に降る村雨。かぎられた小地域に降るにわか雨。麓は晴れて山上にばかり降る雨。有馬・鈴鹿・箱根などの山地でいう。』とある。
あられ、霰 あらり あらあめ:富山。
あらね:長野。
ゆち:鹿児島。
あれち、荒地、開墾地 あらぐ
あらく:広辞苑に『(関東・東北地方で) 荒地。また、新しく開いた畑や山畑。動詞として、開墾する意にも用いる。』とある。
あてば:栃木。
あんたれす、アンタレス よめいりぼし 広辞苑に『(「火星の対抗者」の意のギリシア語から) 夏の宵に南天に見える蠍座(サソリザ)の首星。中国では大火または火と称した。極大光度一・○等の変光星。赤色巨星の代表。』とある。
あきんどぼし:アンタレスと両側の二つを挟んだ三つの星:千葉。
いなづま、稲妻 いなっかり
いなっびがり
いなびがり
いなかり
おひかり:雷:群馬・埼玉。
おひかり:稲妻:宮城・群馬。
ひかいもん:鹿児島。
ふでー:沖縄。
ほでり:岩手。
いりえ、入り江 いりー
いりこ
いりこ:千葉。
いりわだ:岡山。
いわ、岩 ゆわ いわがっとー:岩:高知。
いわす:岩:長野・岐阜。
いわた:徳島・愛媛。
ゆわ:神奈川。
うろこぐも、鱗雲 こげら こげら
がけ、崖 あかばっけ・あかばっけー:赤土の崖:県広域。
あかばっち:赤土の崖:−。
いわっぱげ:断崖:久慈郡
がげ:東関東方言
がげかま:崖:笠間郡
がげっけー:崖:筑波郡
がげっちょ:崖:土浦。
がげっ:久慈郡他
がげ:崖:東茨城郡・新治郡・稲敷郡
がげまま:崖:真壁郡
がけんとー:崖:久慈郡・那珂郡
がっけ:崖:猿島郡
(がん(岸)):崖。
がんげ:崖
がんけ:崖、断崖:久慈郡・北茨城市・高萩・日立市・那珂郡・勝田市・東茨城郡・新治郡・石岡市・行方郡
がんけ:崖が崩れてうろになっている部分・岩穴:東茨城郡
がんけ:海岸
かんけ:横穴、岩穴:鹿島郡
がんけっ:崖:那珂郡
きし:崖:北茨城市
くろばっけ:黒土の崖:行方郡
じゃく:山崩れ
さがおち:山崩れ:多賀郡
さがこげ:山崩れの場所:久慈郡・行方郡
ざっかげ:絶壁:久慈郡・笠間市・筑波郡・稲敷郡・行方郡
じゃおぢ:がけ崩れ:那珂郡・東茨城郡。
じゃこげ:がけ崩れ。
じゃかこげ:がけ崩れ。
じゃぶけ:がけ崩れ:久慈郡
すなばっけ:砂質の崖:行方郡。
はけ:関東・東北方言
ばっかい:北茨城市・稲敷郡。
ばっけ:関東・東北方言。
ばっち:旧新治郡。
びゃく:山崩れ
まま:古語:久慈郡・高萩市・那珂郡。
ままかげ:土手:常陸太田市。
ままっか:崖:久慈郡・那珂郡・東茨城郡・西茨城郡・新治郡。
ままっこ:県広域(常磐線沿線を除く)。
ままったれ:傾斜地:猿島郡。
崖の土浦での一般的な呼称は『がげ』であるが、その他『がげっちょ・がげっがある。中には『がんげ・がんけ・がっけ・ばっけ』と言う人もいた。関東地方の一部には『びゃく』というところもある。
『広辞苑』には『ばっけ』が掲載され、関東から東北にかけての方言とある。『はけ』とも呼ばれる。『ばっけ』の語源は、アイヌ語の『頭・突端』の意味という説がある。県下では、久慈郡で岩壁のことを『いわっぱげと言う。
『民俗』では、『岩っ禿』と当てているのは面白い。崩れて禿になった岩壁の意味である。『あすこのやまっちゃってー』などと言う。『剥ぐ・禿る(はげる)』には『表面を剥き取る・表面がむけ離れる』意味がある。一方『掃く・刷く』には、『祓(ハラ)い除く』意味である。古語には、『禿(はげ)』は無く、『掃く・剥ぐ』しかない。そうなると、現代語の『がけ』とは、『外力によって掃かれたあるいは剥がされた処』の意味で『欠け』に通ずるのではないだろうか。
標準語では、『がけ』は古くは『かけ』(懸けの意味が有力とされる)と言い『きりぎし』とも呼んだ。『きし』とも言う。語源説は、@懸けの意味、A削懸け(きりがけ)の意味、B欠け、C岸険の音、等がある。
『釈名』には『岸険(がけ):きしたかくけわしき所を云。音也、訓にあらず。古歌にほきぢとよめるもがけ也。はふかき也。と通ず。きはきし也、ふかきし也、下を略す。今も筑紫にはほきと云。』とある。
古い言葉に『くえ・そば・そわ・潰(つえ)・まま』があるが、『くえ・つえ』『そば・そわ』はルーツが異なるようである。残念なのは『称呼』に崖に関する情報がほとんど無いことである。
『俚言』によれば江戸時代には『がけ』と呼んでおり、田舎では古くは『かけ』と呼んだと言う。『懸岸』という言葉があるので『懸け』の義としている。
『語源辞典』には、(古くはかけ)@カケ(懸)の義、Aキリガケ(削懸)の略か、Bカケ(欠)の義、Cカタカケ(片闕)の反、Dガケ(岸険)の音 とあるが、@が有力とされる。
現代標準語を中心に考えれば、崖の『かけ』(懸け)が『はけ』となり、さらに促音化・濁音化して『ばっけ』となったと考えるのが自然と思われる。貝原益軒は崖は岸険の音読みとしているが、『がんげ・がんけ』はさらに近い。また『ほき』とも言う。九州では穴が開くことを『ほげた』と言うので『ほき』は穴の開いたところに意味の可能性が高い。しかし、『はけ』『ほき』ハ行音とカ行音の組み合わせなのである。また『はけ』『かけ』は音通することから、『はけ』『かけ』『ほき』は同源の可能性が高い。
ここで、県内でよく古い言葉を残す地域の『ばっかい』(明治の茨城方言)が無視できない。牡蠣のことである。あのごつごつした貝殻を崖に例えてもおかしくないのではないか。実際『ばっかい』が関東流に訛れば『ばっけい・ばっけ』となってもなんら不思議は無い。
全国の方言を考えると主に険しくそばだった所の意味の@『かけ』『ほき』、A『そば・そわ』、B『きし、きりぎし』、崩れたところの意味のC『くえ・つえ・なぎ』、洞窟に関係があるD『ほら』、語源の不明なE『まま』、に分けられよう。また特殊なものとして『座(くら)』(台の意味)の流れもあるようである。常陸太田市には『黒磯ばっけ』なる絶壁の景勝地がある。県内ではこれを『黒磯抜景』と当てている。『抜景』とは抜きん出た風景の意味と思われる。読者からこれについて中国語の『瀑景』すなわち滝のある眺めに由来するのではないかとの指摘があったがこれも古く遡ればあり得ない話でもない。また、『八景』(一地方の八つの景勝)にも何らかの関係があるかもしれない。崖のある土地は景勝地が多いからである。関東では『金沢八景』、関西では『近江八景』が有名である。上方落語の『地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)』では『はっけい』『ばっけい』と読ませているのも興味深い。
ところでこれらの推論を曖昧な根拠まで広めている理由は、日本語の起源は、古来からあった和語が基点にあるはずなのに、現代日本語の大半が漢字の伝来以降、漢字に意味を頼るようになってしまったことに、大きな矛盾を感じるからで、日本語の語源を漢字を介して説明することは、自己矛盾に陥ることを、著名な語源辞典自体が説明できてしていないからである。
ネットサイト『時評亭季節の風景−「崖」方言(1〜15)』に膨大な数の崖方言に関する情報が掲載されている。『「崖(ガケ)」は代表的な地形表現語の一つです。「崖」を表わす方言は、全国で相当な種類があり、本節では、これらの方言の語源を検討してきました。これまでの検討結果をまとめると、「崖」方言は大別して三種類に分かれると言えそうです。
 まず、第一の種類は、「カまたはガ」を語頭にもつ方言で、「ガケクラ」「カケゴ」「ガケス」「ガケックラ」「ガケッチョ」…など50種以上が方言辞書に採録されています。筆者は、この一群の方言の元となった縄文語(アイヌ祖語)は「カケ=ka−ke=上面・(〜の)所」であろうと推定します。
 古いヤマト言葉では「崖」を清音で「カケ」と言っていたという語源辞書の説明は、「ka−ke」語源説を支援する一つの材料です。現在の「崖」は「ka−ke(縄文語)→カケ(古語)→ガケ(現代語)」の経過を辿って変化してきたと言えそうです。
 第二の種類は、「タまたはダ」を語頭にもつ方言で、「タキ」「ダキ」「タキマッコ」「タキンゴー」など数種が知られています。これらに対して筆者は縄文語(アイヌ祖語)「タキ=ta−ke=切る(切れた)・所」が語源であろうと推定します。
 現在の標準語では、「タキ」に「滝」の字を当てて、崖から水流が落ちているところと理解するのが通例ですが、改めて考えてみれば、「滝」は崖があって初めて成り立つ地形であり「タキ=崖」であったとしても大きな矛盾はありません。「崖(ガケ)」の方言として「タキ=ta−ke=切る(切れた)・所」が残されていることは、元来「タキ=崖」であったものが近世になって水流を伴う崖「滝」に特化して使われるようになった可能性を示しているのでしょう。
 第三の種類は、「ハまたはパまたはバ」を語頭にもつ方言で、「ハケ」「ハケタ」「ハケット」「バッケ」など二十数種が知られています。これらに対して筆者は縄文語(アイヌ祖語)「ハッケ=pa−ke=出崎の突端の崖」が語源であろうと推定します。
 以上の分析を受け入れると、つぎの疑問が浮上します。三種類の語源はどのような関係にあるものか。初めから独立して存在していたものなのか、それとも古い語源から出発し発音が変化して他の言葉が語源らしい位置を獲得したのか、どの言葉が古くどの言葉が新しいのか。
 これらの疑問に答える材料は今のところありません。しかし、初めから三つの語源「ka−ke」「ta−ke」「pa−ke」がそれぞれ独立に存在していたと断定することも早計でしょう。今後、発音変化の詳細な追跡によって、語源同士の関連が明らかになるかも知れません。』等優れた解説がある。
時評亭季節の風景−「崖」方言(1〜15)』では、音を重視し、大きく三つのルーツに分けているが、『崖』とは何かという定義を日本人がどれだけ正しく理解しているかは疑わしいから、初音だけで区分するのはどうかと思われ、その組み合わせによる発生のバリエーションはもっと多いのではないかと思われる。
尚、以下の鼻濁音表現は推定である。また、ネットサイト『時評亭季節の風景−「崖」方言(1〜15)』は、地名と併記しているので、その識別が困難なため、以下の方言には、地名が含まれていると考えられるが、語源由来を考えるとき、恐らく大きな間違いはないだろうと考えそのまま転記した。
あかっ:赤土の崖:神奈川。
あかまま:赤土の崖:神奈川。
いわ:長崎。
いわまこ:愛知。
うた:海岸の崖。
うつろ:大分。
うつろあな:洞穴:島根。
うと:大分。
おーくどれ:大きな崖:神奈川。・かえ:壁:熊本県芦北郡。
がえん:崖・絶壁:千葉夷隅郡。
かくら:絶壁:青森三戸郡。
:絶壁:青森三戸郡。
がくら:絶壁:新潟東蒲原郡。
がけくら:絶壁:奈良吉野郡・和歌山東牟婁郡。
かけ:崖・絶壁:三重一志郡。
がけす:崖・絶壁:岐阜県飛騨。 
がけっくら:絶壁:奈良吉野郡・和歌山東牟婁郡。
がけっちょ:崖・絶壁:静岡賀茂郡・愛知北設楽郡・三重・大阪泉北郡・奈良・和歌山。
がけっちょー:崖・絶壁:広島三次市・広島双三郡。
がっけと:崖・絶壁:埼玉秩父郡・岐阜郡上郡・愛知東三河・島根飯石郡・島根大原郡・広島高田郡。
がけっ:崖・絶壁:山形。
がけぱた:崖・絶壁:山形。
がけっ:崖・絶壁:山形西村山郡。
がけっ:崖・絶壁:青森西津軽郡・福島石城郡・栃木。
がけつら:崖・絶壁:愛知八名郡。
がけと:崖・絶壁:愛知南知多郡・京都北部。
がけばた:崖・絶壁:愛知豊橋市。
がけはな:崖・絶壁:愛知北設楽郡。
がけはば:崖・絶壁:富山東礪波郡。
がけ:崖・絶壁:山形西村山郡・山形南村山郡。
がけ:崖・絶壁:山形。
がけぶつ:崖・絶壁:山形。
がけ:崖・絶壁:山形。
がけら:崖・絶壁:福井敦賀郡・福井坂井郡・兵庫出石郡。
がけらっば:崖・絶壁:千葉千葉郡。
がけらっ:崖・絶壁:千葉千葉郡。
がけわら:崖・絶壁:山形東村山郡・山形西田川郡。
がけんちょ:崖・絶壁:三重阿山郡。
がけんと:崖・絶壁:京都北部。
がけんとー:崖・絶壁:茨城久慈郡。
がけんどー:崖・絶壁:静岡子笠郡・静岡安倍郡。
がけんぼち:崖・絶壁:静岡引佐郡。
かて:崖:和歌山。
かべ:崖:富山・岐阜飛騨・滋賀高島郡。
がらん:崖:千葉夷隅郡。
がらんど:崖:新潟東蒲原郡・長野東筑摩郡。
からんびし:崖:新潟西頸城郡。
がれ:崖:山梨南巨摩郡・静岡。
がれ:静岡。
かれ:山梨南巨摩郡。
がんきょー:絶壁:鳥取八頭郡・岡山苫田郡。
がん:崖:兵庫赤穂郡。
がんくつわら:絶壁:山形西田川郡。
がんくは:絶壁:山形最上郡。
がんくへ:絶壁:山形最上郡。
がんくら:絶壁:岩手和賀郡・秋田県・山形県・福島南会津郡・新潟県・岐阜大野郡・兵庫美方郡・奈良吉野郡。
がんくれ:絶壁:山形村山。
がん:崖:兵庫赤穂郡。
がんけくら:絶壁:秋田雄勝郡。
がんけら:絶壁:岩手和賀郡・兵庫県但馬。
がんせき:崖:愛知北設楽郡。
きし:京都。
きしのはら:三重。
きったて:切り立った崖:神奈川。
きってとおし:長崎。
きり:鳥取。
くえ:崖・がけ崩れ(西日本の古語):崩え・潰え。
くら:山形・奈良。
くらっ:奈良。
げし:島根。
ここ:長野。
さー:沖縄。
さがっ:神奈川。
さくずれ:崖:宮城。
じゃく・じゃくおぢ:がけ崩れ:茨城県北・県南の一部。
だいやびん:大きな崖:山梨南巨摩郡。
たかぎし:崖:熊本県北部。『たか【高岸】:高く切り立った所。絶壁。また、高くそびえ立つ川岸。』は標準語であるが、九州には鼻濁音が無い。
だき:崖・絶壁・絶つ所:徳島那賀郡・愛媛・高知幡多郡・長崎北松浦郡・大分。
たき:崖・絶つ所:愛媛青島・島根鹿足郡(岩のがけ)・島根益田市(岩のがけ)・岡山川上郡・山口阿武郡(海岸の絶壁)・徳島・高知(また、岩のがけ)・長崎対馬・長崎壱岐島・熊本。
たきまっこ:崖・絶壁・絶つ所・(〜の)奥:高知土佐郡。
だけ:小豆島・岡山・山口・長崎・大分。
つえ:崖・山崩れ(西日本の古語):崩え・潰え。
つるおー:山脈連互の処:長野。
どて:神奈川。
どてくむ:崖が崩れる:神奈川。
どてくずれ:がけ崩れ:神奈川。
:山の崩れた場所・谷・崖:山梨・静岡。『薙』。『俚言』には甲斐の方言とある。
くみ:山崩れ:静岡。
ぬけしょ:がけ崩れの場所:群馬。・ぱけ:出崎の突端の崖:北海道東部。
はけ:崖:群馬多野郡・埼玉秩父郡・東京八王子・神奈川津久井郡・富山射水郡・山梨北都留郡。
はけた:崖:東京八王子・神奈川津久井郡。
はけっと:崖:埼玉秩父郡。
:崖:三重阿山郡。
:崖:静岡川根。
ばっかい:崖:茨城稲敷郡。
ばっかけ:崖:山形最上郡。
ばっけ:崖:茨城・千葉山武郡・千葉印旛郡。
はっけ:崖:青森三戸郡。
ばば:崖:徳島三好郡。
はば:崖:群馬多野郡・富山砺波・山梨・長野・岐阜恵那郡・岐阜飛騨・島根那賀郡。
はばっかけ:崖:山梨。
はばっくら:崖:長野長野市・長野下水内郡。
はばっつぁき:崖:群馬多野郡。
はばっと:崖:埼玉秩父郡。
はばっ:崖:埼玉秩父郡。
はぶ:断崖:岩手県九戸郡・秋田仙北郡・秋田鹿角郡。
はぶかげ:断崖:秋田仙北郡。
はぶかけ:断崖:秋田鹿角郡。
はま:崖:山梨。
はべ:断崖:奈良宇智郡。
はんかげ:崖:青森津軽。
んた:崖:鹿児島喜界島。
はんた:崖:沖縄首里。
はんぶ:断崖:秋田鹿角郡。
はんかげ:断崖:秋田。
びゃぐ:土崩れ:千葉県
びゃく:土砂が崩れること:千葉・東京多摩。
びゃく:神奈川。
びゃくくむ・びゃくでる・びゃくになる:崖が崩れる:神奈川。
びょーぶ:屏風のように切り立った崖:神奈川。
べんのー:壁面1片の処:長野。
ほき:大分・佐賀・鹿児島:辞書掲載語。山家集にもある。
ぼら:千葉。
ぼらっけ:千葉。
ぼらっこ:千葉。
ぼっけら:千葉。
ぼっけ:千葉。
まこ:岩・崖:静岡・愛知。
まま:岩手・秋田・宮城・山形・福島・茨城・千葉・栃木・神奈川・八丈島・新潟・長野・静岡・愛知。
まま:赤土の崖が崩れたところ:神奈川。
ままくむ:崖が崩れる:神奈川。
ままっかけ:崖が崩れて切り立った断崖:神奈川。
ままね:崖の裾:神奈川。
ままね:石垣:静岡。
ままんど:崖になっているところ:神奈川。
まみ:山形。
やま:神奈川。
やまぬけ:がけ崩れ:群馬。
かげろう、陽炎 あい:福岡。
りさ:秋田・岐阜。
かぜ、風 いなさ:南東風。地域により若干方向が異なる。辰巳風。
いなさかぜ:南東風。
いなさのおいこみ:急に強くなる南風。
いなさのもちこし:日中から翌朝まで続く南風。
うしとら:北東風。
うしとらかぜ:北東の風。
おき:北東風。沖から吹いてくる風。
おき:北東風。沖から吹いてくる風。
おきぢ:北東風。
おきこぢ:北東風。
おーにし:強い西風。
おーにしかぜ:強い西風。
かーしば:北東の季節風。
かわしば:南風の後の強い北西風。
きたげ:北風。北よりの風。
きた:北から北北東の風。『北東風(きたこち)』の意味。
きたならい・きたなれー:北・西・東に偏った風。
きたま:北北西、北北東の風。
しかだ:東北東の風。
しかま:東北東の風。北東方向の風浪。
しもかぜ:東風。
しもて:東風。川風。
たかのかぜ:陸か海に吹く風。北西の風。
だし:陸から沖に吹く風。出しの風。
たづみ:南東の風:辰巳。
たづみかぜ:強い南東の風・強い南風。
たでげーし:短時間に方向が変わる強い風。
つかさ:強い西風:北茨城市:阜(つかさ)の意味。
てっ:北西の強風:北茨城市。
ならい・ならいかぜ・なれー・なれーっぎ・なれーのてっ:冬の太平洋側の季節風。北西の風。東日本共通の訛りとする辞書がある。冬に山並みに沿って吹く風。冬の強い風。
なれーかぜ:北東の風。
にし:西風。
にしーし:西風が急に北東風に変わること。
にし:西風。
にしなれー:西北西の風。
にしのつかさ:西の強風。
にしま:北北西の風。
にしやま:西南西の風:北茨城市・那珂湊市。
にしやまぜ:西よりの風:久慈郡。
ばい:南西の風:北茨城市。
ばがかぜ:南風:新治郡。
しならい:東北東・東南東の風。
ふじにし:南西の風・西南西の風。
ふじみなみ:南西の風。
ほらかぜ:春一番。
まかた:北西風・北風。
:北風。
:東風。
まんこち:真東の風。
まんひ:真東の風。
みなみ:南風。
みなみのや:南風。
やまぬげる:北西の季節風で山の稜線の雲がなくなること。
やませ:南風。北東風。
やまぜ:南西風。
ゆーひ:夕方吹く東風:真壁郡。
ゆぎむがい:冬に吹く南風。
:宵から早朝にかけて吹く南風。
わいたり:突風。突風による波浪。
わな:うねりはあるが無風の状態。
当時の土浦での発音を強調すれば『かーぜ』『かんずぇ』『かんっずぇ』となる。『か』は空気を一気に吐き出す発音である。その理由は曖昧で鼻にに抜ける発音のために、普通に発音すると聞き取れないことと、古い時代の『くゎ』の発音の名残の可能性もある。またその結果、『か』が『かん』となり、その際一旦息が詰まったあとで『ぜ』が発音されるので促音化したような音になる。これは、方言地図でも見事に表されており、茨城と福島に特に顕著である。さらに北になると『じぇ』となる。
古語でで間接的に風を表す語は、『け・し・せ・ち・て』がある。北風は『しもけ』、南風は『かみけ』と言う。
以下、地名等を含む方言は除外した。
あおざー:東の暴風:静岡。
あいのかぜ:北東風:日本海沿岸。『東風・鮎の風』。
あいのかぜ:東風:新潟以南。
あいのかぜ:南西風:富山・鳥取。
あいのかぜ:南東風・南風:鳥取・島根。
あおぎた:五月ごろ吹く強い北風:神奈川。
あかんぼー:土を舞い上げる突風:神奈川。
あかんぼならい:1〜2月に土を舞い上げて空を赤くする風・北北東風:神奈川。
あかんぼーならい:三月ごろ北の空が真っ赤になって吹く突風:神奈川。春一番と思われる。
あめかぜ:湿気を含んだ風:神奈川。
いなさ:南東風:神奈川・静岡。
いなさっかぜ:いなさ:神奈川。
いなさのかぜ:北東風:千葉。
いなさみなみ・いなさもの:南東風:神奈川。
いなせ:東風:千葉。
いぬいかんだち:北西風:神奈川。
おーから:強い北風:静岡。『大空風・大乾風』の意味か。
おき:南風・沖風:神奈川。
おーならい:強風:神奈川。
きたがぜ:北風:千葉。
きた:北東風:神奈川。
きたこーち:北東風:千葉。
うしとら・うしとらかぜ・うしとらのかぜ:北東風:千葉。
うどにし:冬の強い西風:愛媛。
うのせ:東風:愛知。
うまばえ:南風:鹿児島。
うめ:春の東風:岡山。
えなさ:いなさ:千葉。
えぬえ:北東風:千葉。
おーから:強い北風:静岡。
おーならい:強い北東風:静岡。
おーにし:強い西風:静岡。
かざいき:風の状態:神奈川。
かわむらならい・ひらんなれー:南西風:八丈島。
くろっ:曇りの日の凪:神奈川。
:北西風:神奈川。広辞苑に『(関東から東海道にかけての海村で) 主に北西の高所から吹きおろす風。東北地方の一部でもいう。』とある。
ならい:北西風:神奈川。
なれー:真冬の寒風:神奈川。
にし:西風:神奈川。
にし:南西風:静岡。
べっと:北西風:神奈川。
よー:西風:静岡。
りかぜ:南風:長崎五島。
さんかち:冬の強い北西風:神奈川。
しおて:冬に降る小さな雹・冬の北風:神奈川。
したかぜ:南西風:神奈川。
した:南風・沖風:神奈川。
したけ:南東風:群馬。
したよーき:西風が吹く前の凪:神奈川。
したっけ:暖かい南風:神奈川。
しもかぜ:北よりの東風:千葉。
しも:丑の方向の風・北東風:佐渡島。
たいこーみなみ:夏に連続して吹く南風:神奈川。
だいばら:東風:神奈川。
たかこち:南東の風:静岡。
だし・だしかぜ:船を出すのに便利な風の意で陸地から海に向かって吹く風:静岡。
だし:西北風:静岡。
たづみ・たづみかぜ・たづみっかぜ:北東風:千葉。
たつみ:南東風・北東風・イナサの暴風:神奈川。
つなみかぜ:東風:埼玉・群馬。
てっーにし:冬に西風:千葉。
といて:西風:滋賀。
どくならい:北東風:静岡。
どーごし:東から南に変わる強風:神奈川。
とさ:南西風:三重。
どらみなみ:立春後初めて吹く南風:神奈川。
:夏の南寄りの風:千葉・静岡・伊豆諸島など。辞書掲載語。
:南西風:静岡。
・な:無風:千葉。
ならい:神奈川。辞書には『冬の強い風。三陸から熊野灘に至る海岸でいう。方位は地域により異なる。ならい風。』とある。
ならい:西風:静岡。
ならい:東北風:静岡。
ならいちけ:雨を伴った北風・春先に吹く風:神奈川。
ならいつけ:北から吹く微風・またその風の吹く天候:神奈川。
なれー:北東風:千葉。
なれー:北西風:千葉。
なれー:冬の季節風・北風:神奈川。
にあ:真西の風:静岡。
にし:西風:神奈川。
にしおい:西風:神奈川。
にしならえ:北西風:千葉。
にしのおむかえかぜ:西風が吹く前に一時的に吹く南東の風:神奈川。
にしべっとー:台風が来る前の雨を伴った強い北西風。
にや:西風:静岡。
はえ:みなみかぜ・おだやかな順風:島根・山口・愛媛・福岡・大分・佐賀・宮崎・熊本・鹿児島。『南風』と書く。辞書掲載語。
はえ:西南風:静岡。
はちゃま:北西風:静岡。
ふぇ:沖縄。
ふぉのかじ:沖縄。
:北西風:東京(江戸)神奈川。『俚諺』には『江戸にては西北の風をと云。また、ムカテを云。』とある。
はまぞい:西南風:静岡。
ばらさ:雨を伴う南風:神奈川。
ひいっ:朝から吹いて夕方おさまる風:神奈川。
しならい・こーむなれー・ひらならい・ひらんならい:北東風:八丈島。
ひつじさる:南西風:千葉。
ふじ・ふじみなみ・ふじみなみのかぜ:南西風:千葉。
しかぜ:東風:千葉。
べっとー:北西風:神奈川。
ろく:西風:神奈川。
まじ:南風:岡山・広島・高知・大分。
まぜ:南西風:静岡。
まぜ:南風:愛知・三重・和歌山・徳島。
まどー:南西風:静岡。
みなみ:南風:神奈川。
みなみがぜ:南風:千葉。
みなみちけ:四月ごろ吹く蒸し暑い風:神奈川。
むがえかぜ・むがいかぜ:向かい風:千葉。
もやっらし:靄を吹き払う春の西風:神奈川。
やまじ:南西風:広島・愛媛・大分。
やませ:北西風:神奈川。広辞苑に『山背:(山背風の略)@山を越して吹く風。フェーンの性質をもち乾燥している。A三陸から青森・秋田・山形の海岸地方で吹く初夏の冷たい北東風。霧や小雨を伴い、しばしば冷害の原因となる。』とある。
やませ・やまで:春に南から吹く柔らかい風:神奈川。
やまでえし:北からの強風:神奈川。
ゆーひ:東風:千葉。
よいな:夕凪:神奈川。
よーいれ:午後から吹く南風:神奈川。
よこた:西風:神奈川。
:夜に挽く東風:神奈川。
よーじおて:冬の夕方に吹く北風:神奈川。『しおて』は小雪や雹を言う。
よつならい:夜と朝の10時頃に吹く冬の北風:神奈川。
よーどろな:夕凪:神奈川。
らっ:秋冬に吹く暴風:静岡。
わいた:東北の強風:和歌山・愛媛・高知。
わいた:突風:広島。
わかにし:稲穂が実る頃吹く西風・秋の南西の風:神奈川。
カノープス めらぼし 広辞苑に『竜骨座(リユウコツザ)の首星。淡黄色で光度マイナス○・七等。南極星。老人星。寿星。』とある。
かみなり、かみなりもよう、雷、雷模様 おし:県広域。夕立・通り雨も指す。
おしれさま:県広域。夕立・通り雨も指す。
かだち:東茨城郡。入道雲や雷模様・雷獣を指すこともある。
かみなさま:筑波郡。
かみなっさま:県広域。
かみなっさん:−
みなっしゃま:旧久慈郡。
かみなり:県広域。
かみなりさま:県広域。
かみなりさん:県北の一部。
かんだぢ:濁音化。
かんだち
かんなり
かんなりさん:東茨城郡。
ごろさま:県広域。代表語。幼児語としても使われる。
ごろごろさま:県広域。代表語。幼児語としても使われる。
:県広域。代表語。
らい:近世語。県南の一部。埼玉・群馬・東京の一部でも使われる。
らいさま:県広域。代表語。
らいさん:県広域。
れー:久慈郡。
れぁーさま:古い発音。
れーさま:県全域。代表語。
れーさん:水戸市付近。
(雷が落ちる)
かみなりおさりなさる/茨城・栃木の一部
かみなり/栃木・埼玉東部が中心。茨城北部。変則的な分布
かみなりおぢる/茨城・福島
かみなりおっこぢる/茨城の一部・千葉北部
(その他)
たづみらいさま:辰巳の方角から来る雷。急に来る。
にっこーらいさま:日光の方角から来る雷。
ほっきょぐらい:北から来る雷。
広辞苑には、『:(神鳴の意)@雲と雲との間、雲と地表との間に生ずる放電現象。また、これに伴う音。積乱雲の内部に発生した電位差によって生ずる。雷雲の生ずる原因によって熱雷・界雷・渦雷などに分ける。いかずち。A雷神。雲の上にいて、虎の皮の褌をしめ太鼓を打ち、へそをとるという。かみなりさま。かみ。なるかみ。B口やかましく責めること。がみがみいうこと。また、その人。』とある。
方言地図によると、全国的に偏って存在する方言が多く、このような例は珍しい。
おかみ:山梨。
おーかみ:石川。
おかだち:宮城。
おかだち:にわか雨:山形・福島。
おかんだち:埼玉・山梨・長野・山梨。
おかんなり:山梨。
おなり:高知。
おれさま:宮城。
からなり:雨の降らない雷:神奈川。
かんだち:神奈川。
かんだちよーき:雷雨の来そうな天候:神奈川。
かんない:鹿児島。
かんないさま:鹿児島。
かんなり:富山・岐阜北部・島根。
かんなりさん:新潟。
ごろごろさま:幼児語:神奈川。
ごろごろさん:幼児語:神奈川。
でーめき:長崎。
どんどろ:岡山。
どんどろけ:鳥取。
れかんだち:夕方のように暗くなって鳴る雷:神奈川。
よーだち:愛知・兵庫北部。
よだち:兵庫南部。
よーだっつぁま:神奈川。
らい:埼玉・群馬・東京。
らいさま:関東では、茨城・栃木を中心にして群馬・埼玉・東京・千葉の一部で使われる。東北では福島・岩手に顕著に使われる。また青森・宮城の一部・山形東部でも使われる。
れさま:青森・秋田(東部)・岩手・宮城・福島。
かみなりぐも、雷雲、入道雲 かみなり
にーどーぐも
ふっかげ
らいさま
らいさん
おに:神奈川。
かんだち:神奈川。
たち:神奈川。
たっか:神奈川。
たっかん:神奈川。
たな:神奈川。
ゆーだち:神奈川。
らいも・らいさま:千葉。
がんぺき、岸壁 いわたき:熊本。
いわがんけ:断崖:宮城。
いわ:岩石のそそりたった場所:奈良・鹿児島。
そば(岨):絶壁
そわ(岨):絶壁
きた、北 『北』の語源は様々である。日の出る方向に向かって左の方向の意味とされる。十二支では子(ね)の方向。決定的な説は無い。
うら:静岡。
きんせい、金星 あげのみょーどー
れぼし
よあげぼし
よふけのみょーじょー
よふけぼし
おーぼし:兵庫・大分。
くさむら、草叢 くさぼっち:古河市。
くさぼっけ:古河市。
:那珂郡・行方郡。
近世語では『ぐろ』((クロの転) 物を積み重ねた所。また草木の密生した所をもいう。)。
あれち:神奈川。
るっしょ:奈良。
うどす:高知。
がさ:奈良。
がさっか:埼玉。
がさっ:奈良。
かぶたっこ:神奈川。
かぶつ:神奈川。
かぶら:神奈川。
くさっ:埼玉。
くさば:神奈川。
くさばこ:東京多摩・神奈川。
くさばっこ:埼玉・東京多摩・神奈川。
くさったけ:神奈川。
くさっ:千葉・神奈川。
くさはら:神奈川。
くさぼこ:神奈川。
くさぼっか:神奈川。
くさぼっけ:千葉。
くさぼっこ:東京多摩・神奈川。
くさぼーぼー:神奈川。
くさやぶ:千葉。
くさやま:千葉・神奈川。
くさばっこ:埼玉。
ごさっかぶ:神奈川。
ごとくさ:神奈川。
ざっそーち:神奈川。
ぼさ:千葉・神奈川。
ぼさかぶ:神奈川。
ぼさっか:埼玉・栃木・神奈川。
ぼさっかち:静岡。
ぼさっかぶ:神奈川。
ぼさっかぶら:神奈川。
ぼさっこ:栃木。
ぼさやぶ:千葉・神奈川。
ぼさっかぶ:千葉。
やぶさっか:埼玉。
やぶっさか:神奈川。
やぼっさ:神奈川。
くぼち、窪地、窪み くぼ
くぼた
くぼたま
くぼたみ
くぼっこ
くぼった
くぼったみ
『た』は『にてある』に由来する接尾語で性状を示す。『み』は場所を表す接尾語。
くぼっこ:神奈川。
くぼった:神奈川。
くぼったま:神奈川。
くぼったまり:窪地に水のたまったところ:神奈川。
くぼったみ:神奈川。
くぼっため:神奈川。
くぼっと:群馬。
くも、雲 うき:ノコギリ雲。
うげ:時雨雲
かずさにーどー・かずさにゅーどー:南方に出る入道雲。
からすねご・からすねこ:空が黒雲で暗くなること。雷模様。
くもふだ:雲が多いこと。
たぢ:入道雲。
ちょーちょ・ちょーちょー:ちぎれて舞い上がる雲。
わけ:夕立雲。
いかとり:入道雲。
いれ:東から西に動く雲:神奈川。
いわ:入道雲:奈良。
いわたて:入道雲:大分・長崎。
だし:東方または東南へ移動する雲:群馬。
わたし:細長い雲:神奈川。
にかい:二段になったレンズ雲:神奈川。
くもり、曇り くもり だらけてんき:長野。
くろつち、黒土 くろちぢ
くろのっ
くろのっ
こうずい、洪水 かーまし:増水の意味。 みず:洪水・大水:千葉。
おーみず:神奈川。
かーまし:栃木・長野。
かわあれ:神奈川。
しけ:神奈川。
でみず:神奈川。
みずあまし:山形。
みずで:神奈川。
こおり、氷 :青森・岩手・秋田・山形・福井。
っこ:秋田。
:青森。
しかま:青森。
:秋田・山形・岩手。
:秋田。
しもがね:鹿児島。
ばん:板状の氷:佐渡島。
こみち、小道 しょーじ
しょうじ
せこ
せごみぢ
せごみち
せど
せと
『称呼』によると『小路(こうぢ)。京都にて称す。江戸にて横丁(よこてう)といふ(但式部小路(しきぶこうち)・藪小路(やぶこうち・浮世小路(うきよしょうち)なと呼有)。大阪及伊勢松坂にて小路(しゃうぢ)と云。勢州山田にて世古(せこ)と云。辻子(づし)。京にていふ。江戸大阪ともにろぢといふ。』とある。
うまいれ:長野。
さんりょう、山稜 てっ:長野。『天峰』の意味か。
とっ:長野。『突峰』の意味か。
しっち、湿地、深田、沼田 あーら:深田。
いげだ:深田。
うだり:山林の間の湿地。
ぬかだ:深田。
ぬがた:深田。
ぬがり:深田。
ぬがりだ:深田。
やら:沼田。
やーら:沼田。
やーらっ:沼田。
やわら:沼田。
『にた』とも言う。地名に多く『下仁田』がある。
うだ:泥田:愛知。
うたりった:湿地の田:長野。
ふけ:湿地:静岡・和歌山。
ふけ:深田:新潟・島根・大分。
むた:九州。
やち:湿地:東北・千葉・新潟・長野。
しもばしら、霜柱 『霜柱』に当たる茨城方言は以下の通りである。今までのところ『下り気』『立ち氷(ひ)』の二つの意味があると考えているが、さらなるデータが必要である。
おりぎ:県広域。
おりき:県広域。
おりーぎ:真壁郡。
おりけ:県広域。
おりげ:県広域。
おりっけ:東茨城郡・下館市。
たっ:猿島郡。
たっ:古河市・猿島郡。
たっぺが:古河市。
広辞苑には『霜柱寒冬、土中の水分が地表にしみ出てきて凍結し、細い柱状群となって上方に成長するもの。この際、多くは表土を押し上げる。関東地方の赤土に顕著。』とある。また、『たちひ【立ち氷】:下から立った氷。氷柱。』とある。
霜柱は低温で湿度が高く、毛細管現象が起き易い土に限定され、世界的にも珍しい現象とされる。
(霜柱)
うったつ:愛知。
うったら:静岡。
さっ:静岡。
:新潟。
ばしら:宮城。『氷の柱』の意味。
しもざ:神奈川。
しもたっ:神奈川。
しもだっ:神奈川。
しゃっ:静岡。
せんねっ:神奈川。
せんぼんーり:静岡。
たちーり:静岡・愛知・山口。
たっ:神奈川。
たっょー:神奈川。
たっ:埼玉・神奈川。
たっ:神奈川。
たっ:神奈川。
てっ:神奈川。
しゃめん、けいしゃち、斜面、傾斜地、 そべったら
そべったれ
たてっこ:急な斜面。
はば:斜面:長野。
ひらっこ:緩い斜面:長野。
すいせい、彗星 ほーぎぼし ほーぎぼし:千葉。
すばる、スバル、昴 くよーのほし:スバル。『九曜星』とは『日・月・火・水・木・金・土の七曜星に羅ご(ラゴ)・計都(ケイト)の二星を加えた称。もと仏経から出て、陰陽家ではこれを人の生年に配当して、その運命・吉凶を判断する。九曜。』の意味。
むづら
むづらぼし
昴を『六連星』(むつらぼし)と呼ぶのは比較的知られている。
かたまりぼし:神奈川。
つとぼし:千葉。
むつらさま:千葉。
むづらぼし:千葉。
ろくちょんぼし:千葉。
たいふう、台風 『時化』は暴風雨のことだから、狭義の台風を呼んでもおかしくはない。
しけ:神奈川。
しけどき:台風の季節:神奈川。
たいよう、太陽 おでんと
おでんとさま
おでんとさん
ひもっさま:静岡。
たき、滝 たぎ 古名『たる、たるみ、たろ』。
うてみず:沖縄。
たに、谷 :静岡。
谷あいの窪んだ土地 やぢ
やち
やちか
やちこ
やちった
やちっべ
やちっ
やちっぼ
やちっ
やぢっ
やぢっ
やぢと
やちべ
やっちゃら
やづ
やつ
やづあい
やつあい
やづあわい
やつわ

(谷あいの窪んだ土地にある田)
いつんぼ:真壁郡。
やづだ
やつだ
やつった
辞書には関東地方の方言で『谷(やつ)』と書かれている。 茨城では『谷津』と書く。もともとはアイヌ語の『ヤチ』(湿地)に由来すると言う。
全国的には『谷地(やち)』『谷戸(やと)』。『津』は水のあるところ、『戸』は切れ目のこととしても理解できる。『所』『処』も『と』と読む。『門・戸(と)』は同義である。『処』は『か・く・こ・しょ』と読む。『窓』は『間戸(まと)』の意味とも言われる。長野の山の窪んだ場所は『きれっと』と言う。『切処・切戸』(きれと)と当てられる。特に大きなものは『だいきれっと』と呼ぶ。千葉でもは『谷津』と書く。神奈川では『やつ、やと』と言い『谷』と当てられることが多い。
『か』『く』『こ』『つ』『ち』『と』は場所を示す和語とも思われる。現代語の『とこ』は『と』『こ』の重語であろう。辞書では『ところ』が『とこ』に転じたとあるが『ろ』は現代語の『ら』に当たり、『辺り:等』の意味であることは間違いないだろう。
『称呼』には、『相州鎌倉及上総邊にて、やつと呼(扇か谷(オウギガヤツ)か谷等なり)。江戸近邊にてと唱ふ(渋谷瀬田谷等也)。』とある。
やち:湿地:東北・千葉・新潟・長野。
やつ:千葉・神奈川。
やと:神奈川。
(谷あいの窪んだ土地にある田)
辞書には『谷津田』と表現されている。全国的には『谷戸田』。東日本を中心に『谷地田』(やちだ)という言い方もある。いずれも辞書に掲載されている。
潮流・潮の満ち干・波 だしさが:沖に向かって南下する潮流:出し逆。
だししさがしお:出し逆潮。
だししお:西から東に流れる潮流・沖へ流れる潮流。
ちょうじょう、頂上、山頂 でっちょー
てっちょー
てんちょー
建築用語に『てんば』がある。上端を意味する言葉で、『天端』の意味。
てっこ:福島・長野。
てっちょー:新潟・福島。
てっちょーら:神奈川。
てっちょーらく:神奈川。
てっ:長野・山梨・静岡。
てんけ:青森。
てんけつ:奈良・鳥取・香川。
てんこ:石川・和歌山・香川
てんこつ:岐阜・奈良・香川。
てんつじ:岡山・香川・大分。
てんば:奈良。
てん:千葉・大分。
てんぼく:滋賀。
てんみね:山形・新潟
どん:愛媛・佐賀・大分。
とんけ:香川。
とんこ:静岡。
とんぼ:富山・石川
やまのおー:京都・鳥取。
やまのつじ:島根・香川。
つき、月 おつぎさん
つぎ
おつきょおさま:山梨。『お月夜様』の意味と思われる。
つつ:鹿児島。
つっどん:鹿児島。
つつみ、ていぼう、堤、堤防 つづみ いけ:堤防・堤:熊本。
つむじかぜ、旋風 たつかぜ
つむちかぜ
『つじかぜ、せんぷう、つむじかぜ』とも言う。『つむじ』と『つじ』は同源。
うじんまき:大風:鹿児島。
・つむじかぜ:静岡。
ちじまき:熊本。
ちりまき:熊本・大分・鹿児島。
つじかぜ:香川・大分・熊本。
つちまいかぜ:大分。
つむじ:埼玉。
つむりかぜ:秋田。
てんかぜ:大阪・大分・香川。
どーめんかぜ:熊本。
まいかぜ:大阪・大分・熊本。『舞風』。
まいまいかぜ:愛知・三重・広島・山口。
まきかぜ:岩手・島根・山口・熊本。
まわりかぜ:岩手・秋田・熊本。
つゆ、梅雨 にーばい
にゅうばい
うめし:鹿児島。
しとしとあめ:神奈川。
ついじ:神奈川。
ついり:神奈川。
ながし:四国・九州・鹿児島。
にゅうばい:東国語。
にゅーべー:神奈川。
つらら、ツララ あまんぼ・あまんぼー:県北部一帯。
あまんぼろ・あまん:東茨城郡。
あめんぼ:県下広域・関東・山梨・栃木。
あめんぼー:県下広域。
あめんぼろ:東茨城郡。
くらら:潮来市付近。
ぼー:常陸太田市・西茨城郡
りすぼー:常陸太田市
りっこ:那珂郡
りんこ:久慈郡
りんぼ・さりんぼー:県北・県西部
んぼ・さんぼー:県下広域(南部・南東部を除く)
さんりこっこ:久慈郡。
さんんぼ:−
さん:久慈郡・東茨城郡
:県北部一帯・北相馬郡・稲敷郡。東北系方言。
:高萩市
んぼ:県北部一帯・東茨城郡
しゃんぼ:久慈郡
しだれ:−
しなんぼ・しなんぼー:−。
しのーり:ひたちなか市。
じらんぼ:−
:県北部。東北系方言。
:県北部。
んぼー:県北部。
すだれ:東茨城郡。
ずらりんぼー:新治郡
たらら:行方郡。
ちらら:鹿島郡
ちららんぼ・ちらりんぼ:−
ちろりん:新治郡・土浦市
ちろりんぼ:−
ちんちろ:−
ちんちろりん:新治郡。
つだら:稲敷郡。
つたら:稲敷郡・行方郡・鹿島郡。
つたらんぼー:東茨城郡・鹿島郡。
つたれ:行方郡。
つだれ:−。
つっとろ:−。
つっとーろ:稲敷郡。
つづら:県北部。
つつら:東茨城郡
つづらん:−。
つづらんぼ:東茨城郡。
つと:−
つとら:旧行方郡
つとる:−
つとろ:県南部
つーとろ:稲敷郡。
つーとーろ:旧稲敷郡
つらしぼ:茨城郡
つらしんぼ:−。
つらぼんぼ:−
つらら:県央・県南東部。今では標準語だが古くは関西の言葉。
つららぼ:東茨城郡
つららりんぼ:−。
つららん:−
つららんぼ:東茨城郡・新治郡
つららんぼー:県央部。
つらりんぼー:東茨城郡
つらんぼ:−
つる:−
つるしんぼ:那珂湊市
つるら:−
つるる:県南部。
つるろ:県南部。
つろろ:旧新治郡
つろんぼー:北相馬郡付近。
とろろ:神栖市。
ーとろ:日立市
びーとろ:常陸太田市
びーどろ:県北部・東茨城郡・西茨城郡
ーとろろ:−
ーとろろ:−
ーひょろろ:−
ひょろろ:−
りょー:−
びろーど:那珂郡
びんどろ:東茨城郡
ぼーーり:日立市付近。
ぼんーり:北茨城市。
一般に『つらら』と言えば、垂れ下がった氷を指すが、辞書では『@氷、A垂れ下がった氷』とある。
氷柱(ツララ)は古語では『垂氷』(たるひ)であり、現代語のルーツは、『垂氷』ではない。別名『あめんぼう・たれんぼう』とも言う。
『称呼』では、『越後:かなこり、奥の津軽:、奥の南部:だへう(だひょう:堕氷)、仙臺(仙台):たるひ、会津・信州:ほ(を)り、西国及近江邊:ほだれ、下総:とろろう、下野(栃木):ぼう 伊勢白子:かな、出羽最上:ぼんだら』とある。
『俚言』には『(氷):つらら。』が紹介され、『称呼』の一部が書かれている。江戸時代には、氷(ひ)が訛って『す』が使われていたことになる。
『方言学概論』には『たるひ(つらら):東北(青森を除く)・新潟・石川・福井・大分・佐賀・長崎・熊本。訛多く二十九に達する。要するに、第二音がラリルレロと変じ、第三音が、シ・ス・キ・ビ・ベ・ペ・ミ・ム・メ等と変ずるのである。』とある。
『語源辞典』では、『@つらつら(滑滑)、A滑らかで光沢のある様を形容したもの、B連なる義、C連垂の義。』とある。
あまだれ:福井・長野。
あまんだれ:長野。
あまんぼー:神奈川。
あめんぼ:神奈川。
あめんぼー:千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・山梨。
うったつ:静岡。
おったつ:長野。
おんだら:熊本。
がら:秋田。
きだら:広島。氷垂れを思わせる。
こおりんぼ:群馬。
こーりんぼ:神奈川。
こーりんぼー:神奈川。
ごろんぼー:埼玉。
こん:福井。
さい:島根。
:栃木県。
:千葉。
ーり:千葉・愛媛。
りんぼ:福島。
んぼ:福島・栃木。
:北海道・東北全県・茨城。
んぼー:群馬。
:秋田。
すがま:青森。
:福島・長野。
ーり:福島。
:福島。
せんろっ:静岡。
たっょー:神奈川。
たっ:神奈川。
たらんぼ:千葉。
たるし:宮城。
たるひ:岩手・秋田・宮城・山形・福島・佐渡・新潟・石川・福井・大分・佐賀・長崎・熊本。古語。
たれひ:福島。
たろひ:岩手。
たんたるき:石川。
たらんぼ:千葉。
たらんぼー:神奈川。
たろっ:秋田。
ちろりん:広島。
ちょろきん:熊本。
ちんらりん:京都。
つづら:神奈川・静岡・三重。
つららんぼー:神奈川。
つるしんぼ:神奈川。
つるしんぼー:神奈川。
つるり:神奈川。
つるりん:神奈川。
つるる:神奈川。
つるるんぼ:神奈川。
つるろ:神奈川。
つろろ:神奈川。
とろこ:千葉。
とろろ:千葉。
なんじょー:福井・滋賀・島根・広島。
ふんだんだらすけ:佐渡島。
ぼーだら:山形・石川・福井。
ほだれ:滋賀・大分・熊本。
ほーだれ:福井。
ぼんだら:山形。
 以上を良く眺めると、@天の棒又は雨の棒または天坊・雨坊、A下がり棒(下がり坊)、B氷(しが・すが)、C垂れ(しだれ)又は氷垂れ(氷が垂れ下がったもの)、Dずらっと並んだ棒またはならび坊・連なった棒または連なり坊、E筒状のものまたは筒等(筒の複数形)、吊るし棒または吊るし坊、Fビードロに例えたもの、G棒状の氷、H標準語のつららの流れ等の意味と思われる。中には『つたれ・つだれ』のように解けてしずくが垂れるのを『唾垂れ』(唾が垂れるすなわちよだれ)の意味ではないかと思われるものもある。いずれも表現豊かなもので、標準語のつららの方が意味不明の言葉に感じてしまう。
ていぼうのうちがわ、堤防の内側、堤防の内側の平地 『内原』とは地名や名前に多くある。
うちはら:堤防の内側:岡山。
てんこう、天候 いでもり:地面が凍りそうな寒さの曇り。
おかさめ:月のかさ
おでんき:晴れ
くもおいるる:雨の兆しがあること。
:月が下がる(西より)とき嵩をかぶること。雨が降る。
てんき:晴れ
のぼり:@月が上がる(東寄り)とき嵩をかぶること。雨は降らない。A太陽が午前中に嵩をかぶること。
やーらもよー:空が雨模様になること。荒れ模様が訛ったと考えられる。
あねこてんき:はっきりしない天気:秋田。
あませーねー・あませーなし・あませない:終日雨が降る様:神奈川。
あめし:終日雨が降る様:神奈川。
かん:ひでり:神奈川。
しゅーて・しゅーてびより・しゅーてよーき:小雪が降る寒い天候:神奈川。
しぐれっ:曇っていて肌寒い天候:神奈川。
てりかんばつ:ひでり:神奈川。
てりにゅーばい:空梅雨:神奈川。
てりみなみ:夏に南風が吹く好天気:神奈川。
てんきのぶっけり:快晴の翌日旧に雨が降ること:神奈川。
てん:晴天:神奈川。
どーらんじけ:春先に西風が吹いて時化になること:神奈川。
:春に風がなくて暖かい日和:神奈川。
:霧・地上を這うような霧・夏の霧:神奈川。
:霧:神奈川。
ひおーて:雲が太陽の日差しを遮った状態が続くこと:神奈川。
みなみよーき:台風気味で蒸し暑く湿気の負い天気・南風の吹く温かい日和:神奈川。
えし:快晴の翌日旧に雨が降ること:神奈川。
ひよりじけ:晴れているのに強い風が吹くこと:神奈川。
ふっこし:風が二三日続くこと:神奈川。
もやっより:曇った日:神奈川。
やーら:冬の小春日和の状態:神奈川。
ゆきばやて:吹雪:神奈川。
天体 かずさのおしょーぼし:シリウス。
かにまなく:蟹座α・β星。
がにまなぐ:蟹座2星。
さんのほし:小熊座γ星。
にのほし:小熊座β星:行方郡。
ばんのほし:小熊座二星。
めらぼし:竜骨座カノープス:別称/南極星。老人星。寿星。
あたさん:太陽:島根。
あとと:月:秋田・山形。
あなたさま:太陽:岩手・新潟・三重・島根・香川。
いんかい:七夕星:熊本。
おごっしゃま:星:群馬。
おわずらい:日食・月食:愛知・広島。
てーだ:太陽:沖縄。
どて、土手 どで 『手』には手のように突き出ているものの意味があり、多く人が支え等のために添えたものを言う。
ずべ:鹿児島。
はば:新潟・長野・山梨。
はま:神奈川。
ぼた:愛知・静岡。
やな:土手の斜面:神奈川。
どろ、泥 でろ 『泥』は『でい』と読む。現代では複合語で使われるが古くは単独で『でい』が使われた。『ろ』は接尾語か。
でろ:青森・秋田・宮城・福島・千葉・佐渡島。
でろんこ:千葉。
どべ:東北・北陸・佐渡島・中国・四国地方など。辞書掲載語
どろんこ:千葉。
べと:佐渡島・北陸・長野・静岡・福井・愛知。
べろ:長野・静岡・島根。
ながれぼし、流れ星、流星 ほしくそ:県広域。 流星を『婚星・夜這星(よばいぼし)』、隕石を『星屎(ほしくそ)』と言うのは知られている。
おれぼし:流れ星:長崎。
てんび:流れ星:和歌山。
よばいぼし:東京多摩・山梨・静岡・奈良・大阪・岡山・徳島・愛媛・大分・長崎・宮崎。
なだれ、雪崩 古語『なぜ』。斜面を示す古語は『なぞえ』
広辞苑によると『傾れ・雪崩』は『@斜めに傾くこと。傾斜した所。AA(「頽れ」とも書く) 陶器の釉(ウワグスリ)が肩から流れ下がっているもの。やきなだれ。B(「雪崩」と書く) 斜面の積雪が崩れ落ちる現象。表層雪崩と底雪崩とがある。』の意味。辞書には無いが『な』自体に『斜め』の意味があったらしい。雪崩は『斜め垂れ』の意味である。
なで:青森・岩手・山形・福島・群馬・新潟・富山・長野。
やわ:新潟。
ゆきおし:長野。
ゆきなで:長野。
わぼー:長野。『雪の上崩れ』の意味で現代では表層雪崩を言う。
にじ、虹 なべづる
のじ
のーじ
『称呼』には『にじ:東国の小児のじと云。尾張の商人なべづるといふ。西国にていうじと云。「万葉」にぬじのすとも詠り(西国にていうじと云は夕虹の略語か。)。』とある。
広辞苑に『雨あがりなどに、太陽と反対側の空中に見える七色の円弧状の帯。大気中に浮遊している水滴に日光があたり光の分散を生じたもの。外側に赤、内側に紫色の見える主虹のほかに、その外側に離れて色の順を逆にする副虹が見える。のじ。ぬじ。』とある。
ぢし:鹿児島。
なないろ:千葉。
なべづる:愛知。
にし:鹿児島。
ぬじ:千葉。
ぬーじ:伊豆大島・沖縄。
ねじ:千葉・佐渡島・静岡。
ねーじ:静岡。
のぎ:秋田。
のじ:東北全域・関東全域(東京以外)・新潟・長野・山梨・静岡。
みょーじ:三重・和歌山・愛媛・大分。
むーじ:沖縄。
ゆみはりどん:鹿児島。
にしび、西日 つのよこっ:九月の西からの強い日差し:神奈川。
よこっ:西からの強い日差し:神奈川。
ぬかるみ、泥濘 ぐじゃぐじゃ
ぐしゃため
あまんどろ:ぬかるみの泥:神奈川。
がちゃめき:青森・秋田。『ぐちゃぐちゃ』の名詞形。
ぐしゃ:神奈川。
ぐしゃため:長野。
ぐしゃったーまり:神奈川。
ぐしゃりだま:静岡。
こだきゃ:岩手。
じるたんぼ:徳島・愛媛。
ぬかっちゃり:静岡。
びしゃら:水溜り:山梨。
びちゃっこ:福島。
びっきゃこ:福島。
びっちゃ:福島。
ぬま、沼 のま どんぼ:静岡。
のま:福島・神奈川・八丈島・静岡。
ねんど、粘土 かばちち
かべつち
かべちぢ
かべど
かべと
かへとち
かべっと
かべとぢ
かべとちぢ
へなちぢ
へなちち
へなつち
いわつち:大阪・大分。
かべつち:山形・群馬・新潟・香川。
かまつち:長野・富山・岐阜・大分・熊本・鹿児島。
べと:静岡。
ひあですせいだん、ヒアデス星団 牡牛座アルファ星(アルデバラン)の付近に散在する星から成る散開星団。
つりねぼし:千葉。
ひかげ、日陰 こさ:『木陰・木障』。
東日本限定の方言としている辞書と、標準語扱いしている辞書がある。
『呼称』には『日南(ひなた):野州栃木にててるみといふ。日陰をてるくみといふ(中略)。東国にて樹陰をこさといふは木(こ)さはりの略語にや。又為家卿の歌に「こさふかはくもりもぞするみちのくのゑぞには見せし秋の夜の月」と詠し給いしは 蝦夷人の術に胡沙吹といふ事の有よし也。』とある。
ひかげの土地、日陰の土地 こさ:『木陰・木障』
こさだ:日陰の田。
『木陰・木障』は東日本限定の方言としている辞書と、標準語扱いしている辞書がある。
いんじ:三重。『陰地』の意味か。
うて:島根。『内手』の意味か。
こさっ:神奈川。
ひがし、東 うら:静岡。使用地域は不明。伊豆半島西岸で使われるか、西を『おもて』と呼ぶ地域で使われたと考えられる。宗教に根ざした言葉か。
ひょう、雹 おんじゃく:広島。
しおて:正月頃降る小さい雹:神奈川。
ひよ:静岡。
ひより、日和 おひがら
おひより
ひがら
ひより
広辞苑に『日和:@空模様。天候。特に、よい天候。晴天。また、ある事をするのにふさわしい天候。A事のなりゆき。くもゆき。』とある。
ひなみ:富山・石川・愛媛。
ふち、淵 『ふち』に当てられる漢字は『淵・縁』がある。
うちほげ:大分。
ふぶき、吹雪 ふぶぎ あなもとめ:粉吹雪:福井。
ふき:東北各地。
ぶっこし:群馬。
ゆきじまき:徳島。
ゆきずり:鳥取・島根。
ぼうふうう、暴風雨 あらし しばて:長野。
しばてる:長野。
ほくとしちせい、北斗七星 しちょーのほし:七曜星・七曜の星。
ななづぼし
ななよぼし
ひしゃぐぼし
『北斗・北斗星・七つの星・七つ星』。
きたのななつぼし:和歌山。
さかやのますさん:熊本。
しちょーせー:千葉。
ななつぼし:千葉。
ほっきょくせい、北極星 いぢのほし:北極星。
ねのほし:子の星・北極星の異称。
ねぼし:北極星。
ひとづぼし:北極星。標準語では宵の明星・明けの明星を言う。
めあてぼし:北極星。
うみなりぼし:岩手。
おーぼし:和歌山。
きたのいっちょぼし:長崎。
きたのねのほし:静岡・広島・長崎。
きたのひとつぼし:静岡・三重・長崎。
にぬふぁぶし:沖縄。
水溜り っちゃんこ がちゃめき:青森・秋田。『ぐちゃぐちゃ』の名詞形。
どんぶち:静岡。
びちゃっこ:福島。
びっきゃこ:福島。
びっちゃ:福島。
みつぼし、三ツ星(オリオン座) さんじゃぐぼし
さんだいしさま
さんだいしさん
さんだいしょーぐん
さんだいしょーさま
さんだいぼしさま
さんちょー
さんでーしさま・
さんでっしさま
さんぼし
しゃぐぼし
しゃくぼし
さんちょーぼし:千葉。
さんちょんぼし:千葉。
みぞれ、霙 みぞり あめゆき:青森・岩手・愛媛。
しおてっき・しおてもよー:霙の降りそうな天候:神奈川。
しおてよーき:小雪がぱらつく天候:神奈川。
しゅーて・しゅーてびより・しゅーてよーき:小雪が降る寒い天候:神奈川。
しょーて:神奈川。
みそたれ:京都・大阪・兵庫・鳥取。
みそて:長野。
みぞてき:長野。
みぞら:長野。
ゆきかたり:岩手。
ゆきじとれ:山口・長崎。
みなみ、南 『南』の決定的語言説は無い。諸説がある。
しかし、日本の生活環境を考えると、より南側に移り住む傾向があったと思われ、『水がある場所』の『みなるみ』すなわち『みなみ』が有力なのではないか。ちなみに、『海』は、元『大海』なのではないか。
南十字星 はいむるぶし:沖縄。
やぶ、藪 がさかぶ:西部・南部。
がさやぶ:県広域。
がしゃっ:那珂郡。
ごさっかぶ:県周辺域。
ごんこ:新治郡。
ぶさっかぶ:東茨城郡・水海道市・岩井市。
ぼさ:県全域。
ぼさか:県広域。
ぼさっか:県広域。
ぼさかぶ:県広域。
ぼさっかぶ:県広域。
ぼさっけ:県北部。
ぼさっこ:県広域。
ぼさぼさ:東茨城郡。
ぼさやぶ:県広域。
ぼーさやぶ:那珂郡。
ぼち:東茨城郡。
ぼら:笠間市・西茨城郡・新治郡。
ぼらか:石岡市。
やずっこ:多賀郡:『藪っこ』の意味と思われる。
やぶか:県周辺域。
やぶかー:土浦市・県周辺域。
やぶすこ:県北部。
すこ:久慈郡。
やぶっか:県周辺域。
やぶっから:新治郡。
やぶっこ:県周辺域。
(関連語)
こさやぶ:日陰の藪
おーぼさ:大きな藪
ささっかぶ:竹薮。
たげ:竹薮。
たげやま:竹林・竹薮。
ぼさやま:手の行き届かない山林。
辞書には『弥生(やふ)』の意味とある。土浦市内の代表語は、がさやぶ・ごさっかぶ・ぼさ・ぼさか・ぼさっか・ぼさかぶ・ぼさっかぶ・ぼさっこ・ぼさやぶ・やぶか・やぶっか』等がある。
茨城では『やぶ』も『くさむら』も使いながら、藪に該当する方言は沢山あるが、草叢に当たる方言がほとんど無いのは不思議である。これは、草叢はむしろ家畜類の餌が得られる貴重な場所であるのに対して、藪はそれ自体が何も生まず邪魔になる存在だから、それを卑しむ心が様々な藪を表す方言を生んだのではないだろうか。これはどうやら全国的にも言えることのようである。
うずそ:高知。
がさ:奈良。
ごそ:高知。
がさやぶ:千葉。
がらがらやぼ:神奈川。
ずるも:静岡。
ぼしゃ:静岡。
ぼさ:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・神奈川・山梨・静岡・愛知・岡山。神奈川では草叢も言う。
ぼさ:粗朶:神奈川。
ぼさぶち:夜、密会している男女のじゃまをすること・草叢を叩いて中に居る生物を追い出すこと:神奈川。
ぼそ・ぼそろ:大分。
ぼさっか:神奈川。
ぼさっかぶ:千葉・神奈川。
ぼさっかぶら:神奈川。
ぼさっこ:栃木。
ぼさやぶ:千葉。
ぼさやぶ:小さな藪:神奈川。
ぼたっかじゅー:静岡。
ぼたっくね:静岡。
ぼさやま:藪山:神奈川。
もだ:岩手・宮城・福島。
やね:山口・福岡・大分。
やぶから:青森・岩手・秋田・山形。
やぶっさか:神奈川。
やぶっちゃ:静岡。
やぼ:鹿児島。
やぼっさ:神奈川。
やまびこ、山彦 あまのじゃく:秋田・富山。群馬・静岡では反響を言う。
やまなり:静岡。
やまのこぞー:静岡。
やまんぼ:栃木・岐阜。
ゆうがた、夕方 くれ
くれかだ
れがだ

れかだ
ひくれ
れっかだ
ひのくれ
ひのくれがだ
ひのくれ
ひのくれかだ
ゆーがだ
ゆー
ゆーかだ
ゆーくれ
ゆー
ゆーくれがだ
ゆーくれ
ゆーくれかだ
けそめき:長野。『暮れ染め』の意味とされる。
ゆうだち、しぐれ、夕立、時雨、通り雨 いーだち:県央・県西部。
おし:県広域。雷も指す。
おしれさま:県広域。雷も指す。
おふかげ・おふかけ・おふっかげ:県北部。
おふかげあめ:−
おーゆーだち:結城市付近。
かだちあめ:久慈郡。
ざぶり:神栖市。
:県南部。
れあめ:石岡市・龍ヶ崎市付近。
にやがーめ:土浦市。県全域(推定)。
にわかあめ:県内散在。
にわがーめ:土浦市。県全域(推定)。
ふっかげ:県全域。
ふっかけ:県全域。
ふっかげあめ・ふっかけあめ:県全域。
ふっかげぶり:−。
ゆーだぢ:県全域。
ゆうだち:県全域。
ゆだち:新治郡。
らいあめ:筑波郡付近。
れーあめ:日立市付近。
れーさまあめ:北茨城市。
広辞苑には、『夕立:(一説に、天から降ることをタツといい、雷神が斎場に降臨することとする)@夕方、風・波などの起り立つこと。風雅夏「―の風にわかれて行く雲に」A夕方、急に曇って来て激しく降る大粒の雨。夏の夕方に多く、発達した積乱雲によって起り、雷を伴いやすい。白雨。夕立の雨。季・夏。李花集「―はみかさとりあへず過ぎぬれど」』『時雨:(「過ぐる」から出た語で、通り雨の意)@秋の末から冬の初め頃に、降ったりやんだりする雨。季・冬。万八「時待ちてふりし―の雨止みぬ」A比喩的に、涙を流すこと。「袖の―」B一しきり続くもののたとえ。「蝉―」C小督局(コゴウノツボネ)の用いた琴の名。D本阿弥光悦作の名物茶碗の名。E時雨羹(シグレカン)の略。F時雨饅頭(シグレマンジユウ)の略。』とある。
以下の方言から、『夕』と『夜』は実は同源だった可能性がある事が解る。
かんだちあめ:青森・岩手(顕著)・秋田。
さだち:徳島・高知・長崎・熊本・鹿児島。
にわかあめ:青森・秋田。
むらさめ:能登(石川)。
よだち・近畿。
よーだち:新潟・群馬・神奈川・長野・静岡・東海・山陰。
よーだっつぁま:神奈川。
ゆうぐれ、夕暮れ、日暮れ
ひくれ
ひのくれ
ひのくれがだ
ひのくれ
れやま
ゆーまずみ:漁師用語。
ゆーまずめ:漁師用語。
ゆーまずみ:静岡。
ゆーるし:静岡・佐賀。
よいまずめ:静岡。
よさ:石川・三重。
よーまずめ:静岡。
よのいりもと:宮崎・鹿児島。
ゆうやけ、夕焼け ゆーやげ よーやけ:神奈川・長野。
雪解け水 ゆぎしろ・ゆぎしろみず:山形。『雪代・雪代水』。本来は『雪汁・雪汁水』。
ようすいろ、みぞ、おがわ、用水路、溝、小川
みいこ
みよ
みよこ
いで:奈良・和歌山・兵庫・中国・四国・大分・宮崎。
いみぞ:静岡・愛知。
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
 お気づきの点やご指摘等がありましたら、『茨城弁投稿』と書いてお気軽にここにメール下さい。他地域・他県との関係情報もお知らせください。訛の変遷が解かるような投稿は積極的に掲載致します。