昔の茨城弁集
昭和35年〜45年頃の茨城弁集
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あ い う え お か き く け こ さ し す せ そ た ち つ て と な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ ま み む め も や ゆ よ ら り る れ ろ わ を ん
◆印:『土浦の方言・続土浦の方言』掲載語。■印:『土浦市史・民族編』掲載語。▲印:『茨城方言集覧』掲載語。□印:新編常陸国誌掲載語。◎印:茨城方言民俗語辞典掲載語。▽印:茨城弁今昔掲載語。○印:物類称呼掲載語。●印:『国立国語研究所・日本語情報資料館・電子資料館・日本言語地図・方言文法全国地図』掲載語。▼印:日本方言大辞典掲載語。△印:日本方言辞典掲載語。◇浪花聞書掲載語。☆印:俚言集覧掲載語。★印:使用例とその標準語訳。黒太文字:標準語。
茨城弁 標準語訳 備考・解説・使用例
(お) 五十音のア行音の第5音 茨城では多く『ウ段音』に変化する。逆に『オ段音』が『ウ段音』に変化する。視点を変えれば茨城のウ段音とエ段音は似た発音をする傾向があるとも言える。
★おっこ:億劫。
▲▽お
◎おー
手杵の一種 手杵は一般に中央に柄があるものを言うが、ここでは、端部に柄があるものを言う。豆類の脱穀などに用いる。茨城方言集覧では『を』で表現されている。『集覧:新・稲』。
『称呼』には『杵(きね):出羽にてうちぎといふ。下総にてをといふ。腰の細き杵を関西にてかちぎねと云(かちは搗也。搗栗(かちぐり)と云もおなしこころ也。)。東国にててぎねと云。上総にてきぎといふ(婚礼に用る手杵に鶴亀やうのもやうを粉を以って書くことあり。)。』とある。
▽お 山の稜線、尾根 『峰・丘』。現代で使われるのは、奈良・徳島・京都・島根。『尾』の意味。
現代語の『尾根』は重複語にも思われる。
◎おー 親友 稲敷郡。『亜父 』(父についで尊敬する人。父のごとく尊ぶ人。)の意味が転じたか。
・おー 【動】�@被う、�A負う �A・うう:鹿児島。
・お
・おー
【感】�@おい、おーい、�Aよう �@は呼びかけの言葉。『おう』ではなくぶっきらぼうに発音する。呼びかける距離が長くなると長音になるのは標準語と同じ。
・いぇー:神奈川。
・お:神奈川。
・おー:青森・神奈川。
★おー、かーぢゃん:おい、母さん。
�Aは親しい中の挨拶言葉。標準口語でも使われるが発音は『おう』。
・お
・おー
【感】ああ 標準語の文語と同じだが口語では使われない。英語でも『Oh』だが、茨城では平坦に発音する。
★おーあづいごど:ああ、暑いこと。
★おいでっ・おーいでー:あっ、痛っ・ああ痛い。
★おーやだごど:ああ、嫌だこと。
・お
・おー
【感】ええ、はい 『応』。古代の和語では『をを』と言った。今でも使われる。
・おー:青森・神奈川。
・おっさ:千葉木更津。『おうさ』が促音化したものだろう。
・おーな:神奈川。
・おーよ・おーよー:神奈川。
★おーだ・おーよ:そうだ。
・おー 【感】そう。そのように。それほど。そんなに。 『ほー』のh音の脱落か。『応』(承知すること。)そのものともいえる。
★おーだよ:そうだよ。
★おーがなー:そうかなあ。
・おー
・おお
【副】すごく 『大』の意味。標準語でもあるが、茨城では使用範囲が広い。感嘆詞の『おお』との混乱とも思われる言葉もある。
・うう:鹿児島。
★ひとにおーしんぺーかげでこまったやろだ:ひとにすごく心配かけて困った野郎だ。
★いまなんじだどもってんだやー。こんだのおめ、たいふーはよ、はんぱだねーどー。あーよ。なーよ。いがいどー。たんぼのせぎみにったらがっぺよー。−あー。たいふーなんちゃ、いまだらてーしたごどあんめー。むがしはよー、すーぐにてーでんしたけんとー、おめはー、いまだらでーじぶだど。おらいは、あるみさっしにふぐそーがらすだがんなやー。−おめ。そーたごどゆったって、たいふーの風にぶんまぐらいだら、ハスのはっぱーぼろぼろになっちって、しーかぐにえーきょーすっと。
・〜お 【助】〜を 曖昧に発音される。今では、この発音は標準語とされる。NHKの放送を注意深く聴くと、確かに『お』と発音している。
★これおあすこにもってげばいーんだっぺ:これをあそこに持っていけば良いんだろう。
・〜お
・〜おー
・〜おん
【助】〜よ ・〜お:宮城。
・〜ほ:山口。
・いがねお:行かないよ:宮城。
・いったつお:行ったというよ(そうだ)。
・きったお:着たよ:宮城。
・くっぺお:来るだろうよ:宮城。
・んだべお:そうだろうよ:宮城。
★ゆったお:言ったよ。
★いぐお:行くよ。
・おあいだ 【複】終わりだ 古い標準語の『御間(おあいだ)』は、『不用になること、また、そのために暇になること』(大辞林)とある。
▲おあいばせもーし 【慣】ご足労いただきました 『集覧:多』。=『あいばせやんした』。 
・おあいんなさい
・おあいんなせー
・おあいんなんしょ
【慣】お入りなさい ・おあいなんしょ:いらっしゃい:福島。
・おあがんなさい
・おあがんなさいよ
・おあがんなせー
・おあがんなってくなんしょ
▲おあがんなんしょ
・おあげなんしょ
【複】【慣】�@上に上がって下さい。�A召し上がって下さい。 �@『うい』(座敷)に上がってもらうときの言葉。『集覧:稲・新』。
�Aご飯等を召し上がっていただく時の言葉。
・おあがんなって:山梨。
・おあげんせ:岩手。
・おあんなえ:宮城。
★『土』:お茶(ちや)おあがんなせえね。
�B夕方のすれ違いざまの挨拶(仕事を終えて上がる意味)。
・おあがんなさいまし:千葉。
・おーあぐ 【形動】ごまかし騙すこと 『枉惑・横惑(おうわく)』。
・おーあぐと
・おーあぐにん
�@ごまかし騙す人、�A大悪人、大悪党 �@『枉惑・横惑(おうわく)』『人』。
●おあし 【古】おかね 『御足』。標準語の女言葉だが死語。落語などで耳にする。
◎おーあし 泥田に入る時につかう板製の大形の足駄。 『大足』。
・おーあし:静岡。
・おーあせかぐ
・おーあせながす
・おーあせぶんながす
【動】びしょびしょに汗をかく 標準語では『大汗を流す』。
・おあづーござんしたねー
・おあづーござんしたよー
【慣】暑かったですねえ 丁寧語。
・おあづーござんすねー
・おあづーござんすよー
【慣】暑いですねえ 丁寧語。
★『土』:お暑(あつ)うござんすねどうも。
◎おあにさ 兄 那珂郡。
(おあねさん) おかみさん(商家の主婦) 宮城。
◎おーあば 帆引き網漁で使う袋網につける木製の浮き 『大網端』の意味。
広辞苑に『網端・浮子:漁網の縁辺部につけ、水面に浮せる浮き。木・ガラス・プラスチックで、中空の球・樽形など。』とある。
・おあよ
・おあよー
・おあよーござんす
【感】おはよう、おはようございます h音の脱落。
・おーあらー
・おーあらわ
【形動】おおわらわ −
・おーあらし
・おーあれ
大嵐、暴風雨 30年代暴風雨は全て『大嵐』だったのだろう。
・おあん お椀 −
(おあんつぁん) お兄さん 宮城。
(おあんなえ) 【感】(食べ物を)お上がりなさい 宮城。『お上がりなよ』『おあがんない』。
◎おい �@お湯、�A風呂 �@・おい:秋田。
�A★おいわいでっか?:お風呂沸いてるかい?。
《風呂を沸かしたのは何かのお祝いでっか?!?》。
△おい 俺、私 一般には西国方言と解釈されている。茨城では使用頻度は少ないがr音を嫌う傾向があるためと思われる。標準語でもかつては『俺等』が『おいら』に訛った。
『新方言』には『オイ 「おれ」;山形県庄内地方の若い世代;oreのrの脱落のあとエがイに統合されてオイになった(1994);山形県三川町の中学男子の60%近くが使用(1996)』とある。
・お:新潟。
・おい:秋田・宮城・三重・大阪・鹿児島。
・おい:お前:長野・福井・大阪。
・おいどん:鹿児島。
★おいにもくいよ:俺にもくれよ。
(おい・おん) 鬼 鹿児島。
△おい 【感】はい 源氏物語にも出てくる承諾の感嘆詞。曖昧に発音するので、『うい・おえ』とも聞こえる。
・おい:埼玉。
・おいね・おいねまた:そうだ:石川。
・おいのれ:そうだ:福井。
・おいや:そうだ:福井。
・おいよ:茨城。
(おいー) 【形】お宜しい 宮城。
(おいー・おいーえれ・おいーくれ) 【複】来なさい 静岡。
・おーい 【感】呼びかけの言葉 やや古いが映画『ハムナプトラ2』の気球からの呼び掛け言葉に出てくる。欧米人の呼び掛けは一般に『ヘイ』である。
そう考えると、山での呼びかけ言葉は日本語では訛って『やっほー』だが、欧米では本来は『山での呼び声。互いの所在を明らかにし、或いは歓喜を表すときに発する。ヤッホー【yo-ho】山での呼び声。互いの所在を明らかにし、或いは歓喜を表すときに発する。』である。
■おいあげ 田植え時期に休日をとる風習、または、その日仕事をする者がいた場合は若い衆が追い立てること 『追い上げ』の意味。=『のどめ』。土浦市内ではその他、『月六斎・おこと・野上げ・野良どめ斎日・笠どめ』等と呼ぶ。
『月六斎』とは月六回休む意味。村全部が休む日を決めて、若い人達が前夜から太鼓で知らせ、当日朝も太鼓で知らせた上で働いている人たちがいたら『ほーい、ほーい』と怒鳴り歩いたと言われる。
・おいかぎぼー
・おいかげぼー
お風呂のお湯を混ぜる棒 『お湯掻き棒』の意味。船の『櫂(かい)』の小型のようなもの。
・おいがま �@湯沸し釜
�A据え風呂に付属する湯を沸かす釜
�B据え風呂
『お湯釜』。
�@当時は、ご飯釜とお湯釜、煮釜が別々に使われた。お湯釜は大釜である。
◎おーいぎ �@ため息、◎大きくつく息、�A大雪 �@『大息』(ほっと大きくつく息。嘆息する時つく息。ふといき。)。
・おいきた 【慣】快く承知したときに言う言葉 下町言葉や時代劇でも聞かれる。
■おいこ
◎おいっこ
甥 −
・おいこぐる 【動】追いまくる、追い立てる、追い払う 広辞苑に『こくる:(動詞の連用形について) 激しいさまで、または完全にその動作をする意をあらわす。』とある。
・おいこくる:静岡・愛媛。
(おいしー) 【形】可笑しい 静岡。
(おいしき) 法会(ホウエ)の儀式。特に、日蓮宗で宗祖の忌日(一○月一三日)に営む法会。おえしき。 東京。『御会式』。
数は多くは無いが東京でも『え』を『い』と発音する方言がある。江戸言葉と見られる。
・おーいじゃげっこどー 【慣】ああ!頭に来ること! −
・おいずり 譲り受けたもの、遺品、形見分け 『お譲り』。
・おいそれど 【副】おいそれと 濁音化。
・おいそれそっど 【副】おいそれと −
・おいそれもの
・おいそれもん
調子の良い人、軽薄な人 『おいそれ者』。久慈郡では『浮気者』を言う。
・おいそれもの:東京。
・おいだ
・おいた
・おえだ
【慣】終わった 『終えた』。
・おいだ
▲おいた
□おいたおいた
・おえだ
【感】失敗した時の言葉 『集覧:新』。
標準語で『しまった』と言うのと同じ。
・おいたぐる 【動】追いまくる ・おいたくる:追いかける:山梨。
(おいたみをかける) 【慣】お物入りをかける 宮城。
◎おいたれる 【動】長泣きする 東茨城郡。『吠え垂れる』意味。原型は『ほいたれる』(泣きじゃくる)。泣くことを『吠える』というのは古い言葉。現代でも『吠え面をかく』が残る。
・おいつぎ 湯次、湯桶 『湯次・湯注』(注口(ツギグチ)と柄のついた漆器。湯・酒をつぐのに用いる。ゆつぎ。)。現代では蕎麦湯の器として残る。
●おーゆーだち 夕立 結城市付近の方言。
・おいちょかぶ 花札賭博の一種 『おいちょ』とは『八』の異称。
◆おいちょばな タチツボスミレ 『おいちょ』とは『おいちょかぶ』がある通り『八』を意味し、花びらの形が八の字に似ているからだろう。
・おいづ 【代】そいつ −
・おーいで
・おーいでー
【複】ああ痛い ★『土』:聽(き)かねえと此(これ)で切つてやんぞ、赤まんまが出るぞおゝ痛(いて)え:聞かないとこれで切ってやるぞ、血が出るぞ、ああ痛い。
・おいてぎぼー
▲おいできぼー
�@置いてきぼり、置いてけぼり、�A無職者 『集覧:猿』。
・おいでぐべ
・おいでぐべや
・おいでぐべよ
・おいでんべ
・おいでんべや
・おいでんべよ
【複】置いて行こう 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
・おいでぐべや:宮城。
・おいでこ
・おいでこー
・おいでこーや
・おいでこーよ
【複】置いて来い ・おいてこー:山梨。
・おーいでーごどー 【複】痛いじゃないか! −
・おいでなはい 【複】おいでなさい、いらっしゃい 丁寧語。『〜なはる』は近世江戸語。
・おいでなさいまし:群馬。
・おいでなはった 【複】おいでなさった、いらっしゃった 丁寧語。『〜なはる』は近世江戸語。
・おいでなはった:熊本。
・おいでました:静岡。明治の静岡の言葉。文法上の間違いは無い。近世語か。
▲おいでなはりやんした 【複】おいでなさいました 『集覧:多』。丁寧語。近世江戸語。
・おいでなさりゃした:福島。
・おいでなはる
・〜(して)おいでなはる
【複】おいでなさる、〜なさる この表現を使ったのはせいぜい大正生まれまでの世代で、その後はせいぜい、嫌味を含めた『しやがった』の意味に変わって行く。
・〜おえだる:山形。
▲おいでなんしょ
・おいでんなんしょ
【複】お出でなさい 『集覧:稲・西』。丁寧語。もともとは遊里語の『なんす』。
・おいでなんしょ:長野。
・おいでる:いらっしゃる:長野。『御出でる』。
・おいなんよ:長野。
・おいび:長野。
(おいでました) 【複】お出でなさいました 静岡。『お出で座した』。
(おいど) 尻。 『御居処・御尻』『居処』。婦人語。『居』は『座る』意味。女房詞の可能性があるとされる。
『醒睡笑:咄本(ハナシボン)。八巻八冊。安楽庵策伝作。作者が幼年時代から聞いていた笑話・奇談などを京都所司代板倉重宗の所望によって、一六二三年(元和九)、滑稽味を加えて書き下したもの。寛永(1624�1644)年間に抄出本(略本)三冊を刊行。』に『そちは何とてわがゐどころを聞いたぞ。』(広辞苑)がある。この『ゐどころ』は尻と居所を兼ねていると言われる(橘正一)。
茨城では尻(の穴)が痒いことを『東京が火事だ。』と言う。尻は『いど・おいど』とも言う。『いど・おいど』は茨城では『江戸・お江戸』と同じ発音になるから、自然に江戸に例えたものが、東京に変わったものと見られる。これは、茨城でも古くは『いど・おいど』を使っていた証になるかも知れない。痒い事を火事に例えたのか、別の理由があるかは不明である。あるいは、かつて『痒い』を『かじー』と言っていた可能性を思わせる。茨城では『痒い』を『かりー』とも言う一方、ラ行音がダ行音に変わる傾向があるからである。すなわち、田舎言葉の『御居処が痒いだ。』が、『御居処がかじーだ。』と表現され『お江戸が火事だ。』即ち『東京が火事だ。』に変化した可能性を思わせる。
さらに、茨城の便所を指す言葉に『にほんばし』がある。『二本橋』の意味である。『だらつぼ・こいだめ』に板を二本渡したようになっていたことからそう呼ばれた。神奈川でも使われ、古くは広く使われた言葉と見られる。神奈川では別に『にしきだて』とも言う。同じ意味と考えられる。
・おいど:埼玉・東京(江戸)・富山・岐阜・福井・石川・近畿全域・中国全域・香川・愛媛・大分。
・いどす:高知。
・おいなー
◆△おいなわ
背負い籠に付けた縄 『負い縄』。
・おいなわ:牛の手綱:奈良・和歌山。『追縄』か。
・おいなわ:牛馬の手綱:神奈川。『追縄』か。
▲△おいない 【複】�@手に負えない、▲失敗した、困った、�Aいけない、駄目だ 『集覧:無記載』。『負へない・負えない』。
�A・おいない:山形・関東・東京。
◎おいぬぎ �@草分け、�A生え抜き �A・おいぬき:神奈川。
・おいぬさま 年中行事の一つ 名前だけで具体的な行事の内容は覚えていない。全国的には『お犬祭り』のようだ。狼から家畜を守ることを願った行事。古い標準語の『おいぬ様』は狼を指す。
・おいぬ:狼:岩手・宮城・神奈川。
・おいの:狼:青森・岩手・新潟。
・おーいん:狼:新潟・福井。
・おーかめさま:狼:神奈川。
・おいね
◎おいねー
【複】�@手に負えない、失敗した、困った、�Aいけない、駄目だ、困る 『負えない』。『い』を綺麗に発音すると千葉弁になってしまう。茨城では『おえねー』との中間の発音。
・おいねー:神奈川。
・おえなえ:山形。
・おえねー:東京多摩。
★てにおいね:手に負えない。
★やってはおいねど:しては駄目だよ。
◎おいのご
・おいのこ
亥の子、10月10日の収穫の祝いの行事 『お亥の子』の意味。『亥の子餅』と言って餅を搗くところもある。『十日夜』(とおかんや)のこと。
昭和30年代の後半までと記憶しているが、子供達が縄の先端に『いぼくたま』を作り回り家々を回って庭の地面を叩き、お捻りをもらったりご馳走を食べた。
・おいのめー �@俺の前、�A風呂に入る前 −
◎おいぱか 田仕事の先頭に続く人 −
・おいはぎ 通行人をおどかして衣類や持物などを奪うこと。また、それをする者。 『追剥』。
◎おいはん 夕ご飯 『お夕飯』。おゆうはん→おゆはん→おいはん。この場合のゆの発音は茨城人でないと難しい。30年代の言葉。次第に『ゆうはん』『ゆうごはん』に変わって行く。
・おいはん:栃木・群馬・静岡。
●おーいび 親指 小指を小さな指と解釈したら親指は大指となる。実際『大指』は辞書掲載語で今では死語となってしまった。
・おいび:和歌山。
◎おいびすさん クジラ 沖言葉。
・おいや
・おーいや
◆おいやー
・おいやまー
◆おいやよー
・おーえや
【感】それはそれは、おや 思いがけないことに驚いた時に使う。『おいや』。現代語の『おや』は、今や文語的な響きがある。これは、さらに古くは二つのふたつの感嘆詞『おお』『やあ』を重ねた言葉か。
★『土』:おおえや、たえしたもんだね、此(こ)れ鹽(しほ)だんべけまあ、見(み)てえたって見(み)らっるもんぢやねえよ。
・おいやい お祝い −
◎おいやら 【代】私達 県北部。原型は『おいら等』と考えられる。
・おいよ 【感】なんだい、ああ良いよ −
・おいらいさま
・おいらいさん
偉い人、えらぶっている人 =『おえらいさま』。
・おいらっしょ
・おいらっせ
【慣】いらっしゃい −
(おいらんいも) 甘藷の中の白いもの、南京芋 (見掛けは綺麗で味が良くない例え) 東京。
◆おいらんばな ニチニチソウ、ヒガンバナ 『花魁花(おいらんばな)』は一般には『西洋風蝶草(セイヨウフウチョウソウ)』(クレオメ)を指す。
◆おいり 日没 『お入り』。
▲おいりなさい 【複】寝なさい 『集覧:無記載』。『(寝床に)お入りなさい』の意味。
・おいる 【動】終える =『おやす』。《年をとる意味ではない》。
・おいる:群馬・長野。
◎おいる 【動】生える 『生える(おえる)』(はえのびる。生長する)の転。
・おいる:山梨・静岡。
△おいる 【動】�@失敗する、しそこなう、�A駄目になる、壊れる �@稲敷郡の方言。
�A水海道市・取手市の方言。
いずれも『瘁ゆ』(妖気などで苦しむ。病み疲れる。悩む。)が転じたとしか考えられない言葉。
・おえーる:壊れる・腐る・駄目になる:山梨。
�B・おいる:降りる:鹿児島。
・おいんと
・おえんと
【副】座るさま、でんと 幼児語。
標準語では『えんこ:(幼児語) 尻をつき、足を投げ出してすわること。』。
・おいんとする
・おえんとする
【動】座る 幼児語。
・おう 【感】 親しい仲での呼びかけ。または応答の言葉。
(おうこ・おうご) 天秤棒 『朸』。
・おこ:鹿児島。
・おうぢ
・おうち
他人の家、相手の家 ・おうち:東京。
・おーうっとしー 【複】ああ鬱陶しい 『おー』は感嘆詞。英語の『Oh』に当たる。勿論標準語と同じ『ああ』も使われる。
・おっとしー:鬱陶しい:静岡。明治の静岡弁。単なる段の変化と短縮化とも思われるが、感嘆詞が含まれている可能性もある。
(おうつり) 贈物を入れてきた器などに、返礼の気持をあらわすため入れて返す紙。 東京。『移り・移り紙』。
・おえ 座敷、客間、居間 建築の教科書にある主に民家の部屋の呼称のひとつ。『お上』の意味。
方言というより、民俗語であり、間取りや生活習慣の違いによって生まれた言葉と言える。
・おえ:座敷:京都・岡山・広島。
・おえ:客間:秋田・愛知。
・おえ:居間:秋田・長野。
・おえ:大広間:富山。
・おえ:茶の間:石川。
・おえ:台所:石川・京都。
・おえ:表の間:広島。
・おえ:玄関:長野。
・おえ:本家:長野・岐阜。
・おーえ:座敷:静岡・愛知。
・おーえ:台所:静岡。
・おーえ:奥の間:岐阜。
・おーえ:納戸:愛知・岐阜。
・おーえ:茶の間:愛知。
・おーえ:居間:長野・愛知・長崎。
・おーえ:客間:愛知。
・おえのま:床の間:長野。
・おーえ 【形】多い ・おうぇー:神奈川。
(おーえー) 殴り合いの喧嘩 沖縄。
■おえでなんしょ 【複】おいでなさい −
・おえね
・おえねー
【複】いけない、してはならない、困る、手に負えない 『負えない』。
・おえねー:困った:東京多摩。
・おーえばり 大威張り ★『土』:どうしたもんだ、大威張(おほえばり)して。
▲△おえびすさん クジラ 『集覧:無記載』。『いびすさま』(恵比寿様)とも呼ばれる。『沖言葉:海上で使うことを忌む言葉。転じて、その代りに用いる言葉。蛇を「ながもの」、鯨を「えびす」という類。』の一つで方言ではなく、言わば業界用語である。
・おいべっさま:恵比寿様:長野。
・おいべっさん:恵比寿様:群馬。
・おえびすさん:佐渡島。
・およべっさん:恵比寿:神奈川。
・およべっすさん:恵比寿:神奈川。
・おーえや 【感】おや、おやおや 現代語の『おや』は、今や文語的な響きがある。これは、元『おいや』でさらに古くは二つのふたつの感嘆詞『おお』『やあ』を重ねた言葉か。
★『土』:おおえや、たえしたもんだね、此(こ)れ鹽(しほ)だんべけまあ、見(み)てえたって見(み)らっるもんぢやねえよ。
□おえら おれら。われら。おれ。主に男性が用いる語。 『己等』(おいら)。
・おえる 【動】�@生える、�A終える、終わる �@『生える(おえる)』(はえのびる。生長する)。
・おえる:青森・岩手・宮城・福島・富山・長崎・佐賀。
�A・おえる:静岡。
�Bその他。
以下、壊れたり破れたりする事は物の命が終わった意味として使っているのだろう。
・おえる:壊れる:山梨。
・おえる:破れる:静岡。
・おえーる:壊れる・腐る:山梨。
(おえんそ) 味噌 『塩酢・塩噌』。
岩手・宮城。
(おえん) 【複】いけない、負えない 静岡。『負えぬ』。
東日本では江戸時代に『ない』を専用し、『ぬ』が消えてしまったが、愛知に近い静岡に残ったと見られる。
ただし、昭和30年代の茨城では細々と残っていたのも確かである。
・おえんと 【副】座るさま、でんと 幼児語。標準語では『えんこ:(幼児語) 尻をつき、足を投げ出してすわること。』。
・おえんとする 【動】座る 幼児語。=『えんとする』。
・おーおげぎょ 【流】 当時流行ったテレビ番組で、突然ウグイスの鳴き声が聞こえてくるものがあった。それを茨城弁で言うとこうなってしまう。
●おーおじさん
●おーおじーさん
・おーおじちゃん
曽祖父 −
・おーおっかねー 【形】すごく恐い −
(おーおーとした) 【形】ゆったりとした 宮城。『汪汪』は『水の広く深いさま。転じて、度量の広いさま。』の意味である。
・おーおばちゃん
・おーおばさん
曾祖母 −
・おーおもでー 【形】すごく重い −
・おおづもり おおよその見積り。 『大積り』。
・おーどご �@大きな構えの家、�Aおもだった人、大きな勢力のある人 『大所』(おおどこ・おおどころ)。
・おおふう 大風(おおふう)、尊大なさま 標準語だが死語。=『大柄(おおへい)』。『大仰(おおぎょう)』。
・おおみず 洪水 辞書掲載語だが今は使われない。なぞなぞに『上は大水、下は大火事』(お風呂)、『上は大火事、下は大水』(ランプ)というのがあったが、今の子供には理解できないだろう。=『かーまし』。
・おおみず:千葉。
■おーおもで
■おーおもて
孫分家から見た本家の呼称、総本家 −
□おおやまもり 朝廷が所有する山の番人。 『大山守』。
・おおわずらい 大病 『大患い』。若い人は使わない標準語。
・おがー
◆おかー
お母さん 清音形は神奈川でも使われるので関東方言と考えられる。
・おが〜
・おか〜
かたわら。局外。当事者以外の立場。 『傍、岡』。単独でも使われるが接頭語的にも使われる。『岡目、岡焼き、岡惚れ』等。辞書に用例が少ないためなのかあまり使われないようになっている。茨城では『おがぐぢ・おがさーぎ・おがっぱり・おがまーり』が代表的。もしかしたら『外・他』と当てていたらもっと使われたのかも知れない。
・おかうまや:母屋内の馬屋:神奈川。
・おかさべり:余計なおしゃべり:青森・秋田。
・おかせわ:おせっかい:青森。
・おかゆ:浴槽外の湯:神奈川。
・おが �@【名】他、�A【助】〜しか、〜ほか 『外・他』。h音の脱落。
▲△おーか 【形動】�@▲△貴重な様、�A恐ろしいもの �@『集覧:稲』。『応化(おうけ・おうげ)』(〔仏〕(オウケとも) 仏・菩薩が衆生を救うためにいろいろに姿をかえて出現すること。応現。応作。)の意味か。『大価』の意味か。
�A稲敷郡では『恐ろしいもの』の意味もある。『殃禍』(わざわい。災難。)『横禍』(不慮の災難。)のことか。
◎おーか カエデ −
・おーが
△おーか
【複】多くは、あまり 『くは』が約まって『か』となったもの。江戸言葉と言っても良い。
・うえ:多い:鹿児島。
・うか:多い:鹿児島。
・うかむん・うかもん:沢山:鹿児島。
・うけ:鹿児島。
・うぐつ:沢山:鹿児島。
・うごつ:沢山:鹿児島。
・おーか:群馬・奈良。
★あんましおーがねーよにしてくろよ:あまり多くないようにしてね。
◎おーが
・おーがー
大きな川 『大川』『大河』の意味
◎おーが 犂の一種 『大鍬』の意味と思われる。
・おーが
・おーがー
【複】そうか =『ほーがー』。
◎おがい
▲おかい
おかゆ 『集覧:久』。『粥』を『かい』と言うのは標準語の中の訛りでもある。イ音便化したものである。
・おかい:東京・神奈川・山梨。
・かい:鹿児島。
・おーがい 【複】そうかい =『ほーがい』。
・おーがい 【形】途方も無い 『法外』の転か。
・おがいし
・おかいし
お返し物 『お返し』。
・おかいし:東京。
・おかいちょ 陰門 東日本を中心に比較的広く分布している。語源説は様々である。めったに開かないので『開帳』とする説や、貝に由来する説がある。
・おがいる 【動】置かれる −
▲おかか 鰹節 『集覧:多』。
(おかかぶち・おかかぶつ) 飯事 宮城。『おかか打ち』の意味か。
◎おがぐぢ
▽おかぐち
回りの噂、脇から口を出すこと、差し出口 『おか』は『傍、岡』(おか)。
▲おかげ 連続した田んぼのうちの最上部の田 『集覧:無記載』。
◎おがげじ
・おかげじ
▲おかけじ
掛軸 『お掛字』の意味。『集覧:多』。
・おかけじ:神奈川。
・おかげんなる 【動】腰を掛けなさる、座りなさる 丁寧語。
・おかげってくなんせ:岩手。
★おかげんなってくんしょ:お座り下さい。
・おがこ ノコギリ屑 『大鋸粉』の意味。
◆おーがご 目の荒い大籠 =『がしゃっぱかご』。
・おがさ 月の暈 ・おがさ・おかさ:千葉。
(おかさがる) 【動】嵩張る 神奈川。『お嵩がある』意味か。。
◎おがさーぎ
■おかざわぎ
・おがさわぎ
関係無い人が騒ぎたてること 『おか』は『傍、岡』(おか)。
・おがさーら 小笠原 八丈方言共通語。江戸言葉と考えられる。
・おがざり
◎おかざり
�@神棚に飾る注連縄、�A正月の松飾などの飾り物、�B鏡餅、�C繭玉 広辞苑には『御飾り:�@神仏の前の飾り付け、また、そなえ物。特に鏡餅。�A正月のしめかざり。』とある。
・おかざり:ぼろの着物・一部が裂けて垂れ下がった着物:神奈川。
・おびらめ:ぼろの着物:神奈川。
・おがさん
・おがーさん
お母さん 茨城方言の基本語と思われるが、何故か著名書籍には無い。
・おがさん:宮城。
◎おかさん 地主や親方の奥さん −
・おがし 落雁 当時、『お菓子』と言えば落雁を指した。
・おがし
◎おがしー
【形】�@可笑しい、�Aおかしく思う、変だ、�B◎恥ずかしい 単音形は強調語。
�@濁音化。
・おかつい:宮城。
�A・ゆかしー:宮城。
�B古くは『お粗末である。みすぼらしい。』意味があったことに由来すると思われる。
『新方言』には『オカシイ 「はずかしい,きまりが悪い」;元はヲーサ;奄美で1960年代の子どもが使用(1987)』とある。
・おかしー:千葉・東京多摩・九州。
★おらおがしーがらいがね:俺は恥ずかしいから行かない。
・おがしない
・おがしーない
・おがしなや
・おがしーなや
【形】可笑しいな、可笑しいなあ 単音形は強調語。原型は『おかしなや』。
・おかしない:静岡。
・おがしげ 【形動】おかしい様 古語の『をかし気』。さらに『風情ありげ』の意味がある。
・おがしげたごど
・おがしげだごど
【複】�@おかしな事、妙な事、�Aつじつまが合わない事 『可笑しげ』『た』(な)『事』。
・おがしや 菓子屋 ・かっしゃ:福島。
(おがす) 【動】大きくする、育てる 宮城。
『穂を起きさせる』意味か。
・おがす:芽を出させる・植物を大きくさせる:山形・岩手。
・おかせる:教える:静岡。
・おかせーる:教え得る:静岡。
・ほかす:芽を出させる・植物を大きくさせる:埼玉。
・おーかぜ
・おおかぜ
大風、強い風 『大風』。
最近は『大雨』は降っても『大風』が吹くとは言わなくなった。テレビの影響は大きい。
◎おがせぎなさい
◆おがせぎなせー
◎おがせぎなしょ
◎おがせぎなんしょ
【慣】野良で遅くまで仕事をしている人の近くを通った時の挨拶言葉 『お稼ぎなさい』。
(おかせる) 【動】教える 静岡。元『教えかせる』か。
(おかせーる) 【動】教えうる 静岡。
(おかぞ) 御数 長野。
◎おがだ
▲△おかた
奥さん 『集覧:稲・多』。
時代劇に『おかたさま』が良く出て来る。地方に残った近世語。
・おがだ:山形・宮城。山形では妻をも言いまた卑下する言葉でもある。
・おかた:青森・岩手・宮城・山形・福島・栃木・佐渡・新潟・富山・長野・山梨・静岡・山口・大分・宮崎・鹿児島。
・おかた:花嫁:山梨。
・おかたと:宮城。
・おかたよび:婚礼:山梨。
▲おかだ 高いところにある乾いた田んぼ 『集覧:稲』。陸田(おかだ)。
・おかだち 雷、夕立、雷模様、雷獣 『お神立』の意味。
・おがたび
◎おかたび
職人などが履く足袋 ・おかたび:家の中ではく足袋:神奈川。
◎おかちゃん
・おがーぢゃん
・おがーちゃん
お母さん ・おがちゃん:宮城。
◎おかぢん
◆▲おかちん
餅 女房言葉。『集覧:西』。餅を『あんも』と呼ぶのも茨城に残っているのと同じ。
女房言葉とは、室町時代に宮中に使える女房達が使い始め、後に江戸の将軍家に使える女房達から町家の女達にも伝わったとされる。
・おかちん:東京・京都。
(おかつい) 【形】おかしい 宮城。
(おかっかない) 【形】恐ろしい 静岡。
◎おがっげ
◆●おがっけ
▲おかつけ
▽おかっけ
◎おがっげとり
お手玉 『集覧:新』。那珂湊市の方言に貝の一種を示す『かっけ』がある。『お欠け』の意味か。
・がいき:宮城。
・ざっき:埼玉。
◎おがっさーぎ
◎おがっつぁーぎ
◆おがっつぁわぎ
関係無い人が騒ぎたてること 『おか』は『傍、岡』(おか)で『傍目(おかめ)』(はた目)、『岡惚れ』(接したことのない人や他人の恋人を傍から恋い慕うこと)等の『おか』と同じ。
・おがっつぁ
・おがっつぁん
△おかっつぁん
お母さん、奥さん、主婦 『お方さん』(奥さん)。
・おかっさま:奥さん・主婦・妻:山梨・岐阜・石川・山口・大分・長崎・熊本・鹿児島。
・おかっつぁん:奥さん:福島・石川・福井・福岡・長崎。
・おがっで
・おがって
◎おがってば
お勝手、台所 『お勝手』。今も昔も変わらない言葉。『台所』は様々な台類が置かれる場所の意味。不思議なのは『勝手口』はあっても『台所口』がないこと。
◎おがってくじら ナメクジ 古河市。当時の生活環境を髣髴とさせる言葉。我が家の流しは当時としてはかなり先進的なもので、人研ぎ(テラゾー:大理石や石灰岩の砕石をセメントでかため、表面を研磨した人造大理石。建築用。テラッツォ。)でできていたが、
・おがってやる 【動】炊事をする −
・おーがーっばだ
・おーがーっぱだ
大きな川の縁 『大川端』の意味。
・おがっぱ
・おがっぱあだま
前髪を切り下げ、後髪を襟元で切りそろえた少女向きの断髪。おかっぱあたま。 『御河童』。当時の女の子の典型的な髪型。男の子は『坊ちゃん刈り』。
・おかっぱ:お転婆:神奈川。
・おがっぱらい 取り合ってもらえないこと、門前払い 半濁音は濁音で発音されることがある。
・おがっぱらい
・おかっぱらい
物事の終わり −
◆おがっぱり 関係無い人が騒ぎたてること 『おか』+『張り』。『おか』は『傍、岡』(おか)で『傍目(おかめ)』(はた目)、『岡惚れ』(接したことのない人や他人の恋人を傍から恋い慕うこと)等の『おか』と同じ。半濁音は濁音で発音されることがある。
・おがっぽれ
◎おかっぽれ
人の愛人やつきあいもない者にわきからひそかに恋すること。おかっぽれ。 『岡惚れ』。
(おかど) おかず 山梨。
(おかない) 【形】怖い、おっかない 宮城。
現代語のルーツを連想させる方言。『憶はなし』だとすれば意味が逆である。『憶なや』の意味か。
◎おがなーしろ 畑に作る苗代 『陸苗代』。
・おかなえ:神奈川。
・おかぶせ:神奈川。
・おがば
◆おかば
谷津田(やつだ)に面した少し高い場所の水田 『岡場』の意味と考えられる。
・おかがた:畑作地帯:神奈川。
・おかば:畑作地帯:神奈川。
・おがぶ
▲おかぶ
◆おがぼ
陸稲 『集覧:猿』。
広辞苑に『おかぼ【陸稲】:畑地に栽培する稲。生育中、水稲ほど多量の水を要しないが、水稲より収量少なく品質も劣る。』とある。
『陸稲』は当て字と見られ、『陸穂』の意味かもしれない。
一般に多くもち米を言う。
・おかぶ:埼玉・神奈川・静岡。
・おがぶ 得意なこと 『御株』。
□おかぶ コガモ 那珂郡の方言。
(おかふぃーぐるま) 蒸気機関車 沖縄。
『岡火車』の意味と言う。標準語では『陸蒸気』。古代の『ひ』の発音は『ふぃ』であったと言う。
◎おかぶね
▲おかふね
馬 『集覧:無記載』。
『岡船』の意味と思われる。機関車を『岡蒸気』と呼ぶのに似ている。
(おかべ) 豆腐 東京。『御壁』。女房言葉。
◎おがぼかり 陸稲の刈りいれ −
・おがぼこぎ
◎おがぼこき
陸稲の脱穀 −
・おがま �@釜、�A男色、尻 濁音化。
�@辞書によると『尻』の意味と男色またはその相手の少年を指す。
・おがま
●おかま
ガマガエル(ヒキガエル)、カマドウマ 江戸時代、ガマはカマと言った。
・おがま
△おかま
財産、身代、身上 標準語では『かまど』に当たる。清音形は標準語としても良いと思われる。
・おかま:宮城・石巻・新潟・静岡。
◎おーがま 味噌用の大豆を煮たり、大量にもち米を蒸したりするときに使う特大の釜 『大釜』。=『お湯釜』。
当時の多くのカマドは、横座に近い方から風呂の水焚き用の大釜、米焚き用の中釜、小釜または茶釜の3〜4連のカマド構成になっていた。味噌や醤油を作る時や豚に食わせる芋などは、大釜を使って煮た。風呂焚きは古くは大釜で湯を沸かし、そのお湯を風呂桶に移して使ったと聞いているが、我が家は、1909年(明治42年)の上大津地区の大火の後に、風呂を改装していわゆる当時の最新の水から風呂を沸かす『水風呂・据え風呂』になっていたので大釜を使う頻度は激減していた。
・おーがまい
・おーがまえ
�@屋敷等の構えが大きいこと、�A式典の規模が大きいこと �@・おーがまえ:東京。
・おがまい
・おかまい
相手になることの丁寧な言い方。特に、客に対するもてなし。 『御構い』。
(おかまい) 江戸時代の刑罰の一。追放。 東京。『御構い』。
◎おがまおぎる 【複】裕福になる −
◎おがまおごす
・おかまおごす
■▲おかまおこす
【複】�@▲生計を立てる、�A■財産を作る、身代をおこす 慣用句に『御釜を興す』((かまどを築きあげる意から) 財産を作る。身代をおこす。)がある。。標準語の慣用句に『御釜が割れる』(夫婦別れをする)もある。
�@『集覧:稲』。
�A・おかまをおこす:東京。
�Bその他。
・かまけす:破産する:秋田。
・かまどけし:破産:青森。
・かまどけす:破産する:青森・岩手。
・かまどもづ:�@結婚する・�A既婚者:青森。
・かまどをわける:分家する:神奈川。
◎おがまがいる
▲●△おかまがえる
◎おがまげーる
◎おがまげーろ
ガマガエル(ヒキガエル) 『集覧:水』。江戸時代、ガマはカマと言った。
・おかまがえる:関東。
・おがまさま
◎おかまさま
◎おかまさん
�@竈の神様、荒神様、�A正月14日を言う、産正月に門付けに来る人、�C台所にある神様、�D尾の切れた青大将、家に入ってくるヘビ 『お釜様』。
�@東日本での呼称。広辞苑には『東日本で、竈(カマド)の神。火の神・荒神ともされ、台所に祀る。』。『荒神様』は広辞苑では『�@三宝荒神(サンボウコウジン)の略。竈(カマド)の神。�Aかげにいてそれぞれの人を保護すると信じられていた神。�B西日本で祀(マツ)る屋敷神。同族祭祀のことが多い。』とある。竈は古くはかまと言ったとされる。そうなればなればかまどの『ど』は場所を『処(と)』が濁音化したことが考えられる。広辞苑にも『「ど」は場所を意味する語』とある。
竈の脇には必ずすすだらけの『お釜様』が祭ってあった。我が家では、棚状になっていて、御幣がかざってあった。祭り方は土浦市内でも異なり、ましてや県下となると様々である。方言の分化の図式と似ている。さらに神様そのものが、火伏せの神様、女神で炊事の神様、縁結びの神様、農業の神様、神々をつかさどる神様、等々がある。
土浦では、一般に田植えの終わりに刈り取った稲を供えた。中には36本の稲を供えるところもあるという。この神様はいつでも36歳でそれにちなんでいる。佐渡島で竈を『おかまさん』と呼ぶのは、竈を指す『へつひ・へっつひ』は元『「竈(ヘ)つ霊(ヒ)』で竈の神様を指した事の名残だろう。
・おかまさま:群馬。
・おかまさま:囲炉裏にいる神:神奈川。
★『土』:「おとっつぁん、お竈樣(かまさま)忘(わす)れたっけべな」
女房(にようばう)は竈(かまど)から飯(めし)の釜(かま)を卸(おろ)して布巾(ふきん)を手(て)にした儘(まゝ)いつた。
「さうだつけな、ほんに」
亭主(ていしゆ)はいきなり一本(ぽん)の徳利(とくり)を手(て)にして土間(どま)へおりた。竈(かまど)の上(うへ)の煤(すゝ)けた小(ちひ)さな神棚(かみだな)へは田(た)から提(さ)げて來(き)た一把(は)の苗(なへ)が載(の)せてあつた。彼(かれ)は其(その)苗束(なへたば)へ徳利(とくり)から少(すこ)し酒(さけ)を注(つ)いだ。
�A久慈郡。
・おがまさん:正月の神様:宮城。
�B勝田市。
�C勝田市。
�D東茨城郡。
■おかまさまのすすはらい 12月23日を言う。 −
・おーがまし 増水、洪水 −
▲△おかまちょろ トカゲ 『集覧:北』。『かまちょろ』がさらに訛ったもの。
◆おがまない 田植えが終わったときにかまどに供える苗 『お釜苗』の意味。
・おがまのこしかげ
◆おかまのこしかけ
サルノコシカケ 『おがま・おかま』はカエルのこと。
◎おかまのついたぢ 旧7月1日を言う。 死者の魂を地上に返すため閻魔様が地獄の蓋を開けると言われる。
▲△おかまへび トカゲ 『集覧:北』。『カナヘビ』が訛ったものか。
◆おがまーり
・おかまーり
■おかまわり
�@田植えの際の補助的な仕事またはその仕事役、�A補助的な仕事またはその仕事役、�Bやたらに世話を焼く人 �@�Aこの『おが』は、田んぼに対して畔等を指し、水の中に対して水の外を『岡』と呼んだものと思われる。ただし標準語の『傍・岡』(かたわら。局外。)もほぼ似た意味がある。標準語で『岡』と当てたのは、そのような経緯があると思われる。
�B『傍・岡』(かたわら。局外。)
□おかみ 大蛇 古語。
◎おかみさま 奥様、地主や商店の夫人 『御上さん』。
・おがみたおす 【動】拝み倒す、嘆願する 標準語。
・おがみったおす 【動】拝み倒す、嘆願する ・おがみったおす:群馬。
●△おがみむし �@△カマキリ、�Aショウリョウバッタ 比較的広域の方言。
�@・おがみ・おがみおじ:奈良。
・おがみっちょ:群馬。
・おがみむし:栃木・群馬。
◎おがみや 祈祷師 ・おがみや:神奈川。
・おがむ 【動】頼む 古い標準語。『拝む』。
◎おがめ
▲おかめ
・おかめちんこ
◎おがめつら
おかめに似た女、女を罵る言葉 『集覧:真』。『おかめちんこ』は、『おかちめんこ』の誤り。ネットで調べると今でもそんな間違いが多いらしい。音位転倒の例。
・おがめもしねーで
・おがめぇもしねーで
【複】お構いもしないで 客を送る時の挨拶言葉。
・おがめひょっとご おかしな顔を罵る言葉、三枚目 『おかめ』は女性、『ひょっとこ』は男性を各々罵倒する言葉。
◎おがもの
・おがもん
猟師以外の陸上で生活する人 ・おかもん:神奈川。
◆おがもぢ
◎おかもち
�@畑で栽培したもち米またはそれで作った餅、�A畑で作った米 私の記憶によれば、陸稲はもち米に適していると聞いた。
◎おがももしき
・おがもんぴぎ
◆おがもんぴき
◎おがもんぺき
男性用の畑の作業衣、野袴、ふんごみ(踏籠袴) 『陸股引』の意味。
・おかももひき:神奈川。
・おがやぎ はたで焼もちを焼くこと 『傍焼き・岡焼き』。
◎おがゆっぱら �@病気で粥ばかり食べていること、�Aお粥ばかりで力が出ないこと −
▲▼おがらす 鵜 『集覧:多』。『うがらす』がさらに訛ったもの。
(おからみ) 香辛料 『辛み・辛味』。
・おがーり お代り これは、テレビの影響を受けた方言。
・おがりしやんす
・おがりもーしやす
【複】他人の家の庭を通るとき等の挨拶言葉 −
■おがりや 祭りの時、神輿を安置する仮宮 『お仮屋』。『仮屋』には『御旅所:神社の祭礼に、神輿(シンヨ)が本宮から渡御して仮にとどまる所。おたびのみや。みこしやど。おたびどころ。』の意味がある。
・おかりや:神奈川。
・おたび:神奈川。
(おがる) 【動】成長する、大きくなる 茨城では『ほぎる』に当たる。
・おがりこじける:成長しそこなう:宮城。
・おがる:北海道・岩手・宮城・福島。
・おがるーござんした 【慣】膳を下げる時の言葉 −
・おーがれすぐながれ 【複】多かれ少なかれ、いずれにしても ・だいしょー:島根。
(おかれぶし) �@三味線にあわせて唄う俗歌。�A浪花節 静岡。『浮かれ節』。
広辞苑に『なにわぶし【浪花節】:多く軍書・講釈・物語・演劇・文芸作品を材料とし、節調を加えた語り物。三味線を伴奏として独演する。もと説経祭文(セツキヨウサイモン)から転化したもので、初めは、うかれ節・ちょぼくれ・ちょんがれ節などと呼ばれた。江戸末期大坂から始まり、浪花伊助を祖と伝えるが、盛んになったのは明治以後で、桃中軒雲右衛門の功が大きい。浪曲。』とある。
1963年(昭和39年)、一節太郎の『浪曲子守唄』が流行った。
◎おがろ
▲▼△おかろ
箱火鉢、長火鉢 『集覧:多』。東北方言。
・おかろ:宮城。
・おきろ:山形。 
▼おかわさび 西洋わさび −
・おがん
・おかん
棺 『お棺(かん)』。いずれも棺を示す標準語に『お』をつけたものだが、標準語世界では濁音形を聞くことはまずない。
◎おーがん
・おーかん
広い道路、街道 『往還』は『ゆききする道。街道。』の意味。清音なら標準語。=『けんどー』。
また当時は『〜往還』『〜循環』と称した往復バスがあった。
・おーがん:栃木。
・おーかん:群馬。
◆おがんじ
▼おかんじ
・おがんじめ
▼おかんじめ
◆▽おがんじん
▲▼△おかんじん
◎おかんじんさん
◎おがんじんぼー
▼おかんじんぼー
・おがんじんめ
▼おかんじんめ
乞食、今のホームレス 『集覧:稲・北・西』。30年代の言葉。
古くは乞食僧が大事にされ、昭和30年代には托鉢の僧が時々家々を回っていた。現代では、人家を回って物乞いする昔から言う乞食は見かけなくなり、ホームレスに取って代わった。
『願人坊主』(がんにんぼう・がんにん)とは、江戸時代に市中を回って門付け(万歳・厄払い・人形回し・門説経その他)を行なったり、人に代わって祈願やみそぎをした乞食僧を言う。また、『勧進』(かんじん)は乞食の別称である。
『俚言』には『願人(がんにん):法師の乞食に願人といふものを一説におもへらく(下略)』とある。このことから茨城方言の『おがんじん』に関連した一連の方言は『願人(がんにん)』をルーツとし、『勧進』の影響を受けた方言と考えられる。さらに、いずれの言葉にも接頭語の『お』をつけているのは、古い時代の乞食層を大事にした文化が茨城に受け継がれていると思われる。
 当時の乞食は、各々の家を回って食べ物を貰って歩いた。中には古着や金を与え、風呂まで入れてあげる人もいた。女乞食もいた。今のホームレスは殆どが繁華街のゴミを糧としていると言うから『物貰い(ものもらい)』は死語になってしまった。
当時の上大津地域にしばしばやって来たのは『たげうぢ』と称する髭だらけの乞食だった。年齢はすでに60を越してしていたろう。しわがれ声の上に豪快に笑うおじさんだった。今、都心で見かけるホームレスとは異なり、身なりもまあまあで、体臭が臭いと思った記憶は無い。聞いた話では手元にいつも英語の辞書を持っていて、かつて東大を受験したが、失敗して乞食になったというような噂も流れた。ある時、祖母が『たげうぢめがー、あんまりかーいっそーだがらー、ふろでもいれでやっかどもってよー。』と言い出した。父親は猛反対したが、気の強い祖母は、野良にでかけた隙を見計らって、ついに『たげうぢ』を風呂に入れてしまった。
これには後日談がある。『いーんやー、たげうぢのふろではたまげだわ。あどで、ふろみだらばよー、あーががたまってっこどたまってっこどー。ごいもんぶろいっぺーにぼったらやぎたらしたみでだったわ。あんでは、たいじーがえっかんめもへっちったっぺなやー。あんましきったねんで、すーぐ、ぶんぬいちったけんとがなーや。』と、これにはいささか脚色があるが、とんでもない垢の量だったと祖母が自慢げに話をした。
風呂に入る時間帯は一番眠い時間帯で、夕食を食べると7時半頃には眠くなる。7時半の鉄腕アトムはいくら眠くても見たが、その後の8時のサンセット77通りを見る頃は、『いめごごぢ』(夢心地)だった。二日も風呂に入らないのは、しばしばだったから、私には風呂嫌いのレッテルが張られた。本当は、風呂が嫌いなのではなく、眠かっただけなのに。私は、その風呂の跡は目撃していないが、しばらく風呂に入るのが嫌だと言う口実になった。
当時の私は、『たげうぢ』は、そのまま『たげうぢ』だと信じて疑わなかった。言い換えれば、乞食=『たげうぢ』だった。しかし、実は『たげうぢ』は、竹内あるいは武内という苗字なのだと解ったのは、随分後のことである。以下、全国の方言。標準語を含む。死語となった標準語の中に茨城で使うものもあるが、圧倒的に多いのは『勧進』系の方言である。
茨城では丁寧の接頭語『お』を使うのは稀だが乞食僧に対してはとりわけ敬意を表していた事が解る。
・いんた:長崎。『穢多』が訛ったか。
・おえどこ:秋田。
・おごも:茨城。
・おこも:お薦。
・おこもさん:お薦さん。
・おこんじ:神奈川。
・おもらい:神奈川。
・おもらいさん:神奈川。
・かんじ:島根。
・かんじー:静岡。
・かんじゅ:島根。
・かんじん:勧進:千葉・新潟・静岡・島根・九州。勧進は子守唄にも歌われ、寄進を求めて諸国を周った尊いお坊さんでもある。
・かんじんぼー:静岡。
・がんにん:茨城。
・きらく:千葉。
・こもかぶり:薦被り。
・こもつるし:−
・こんじー:静岡。
・こんじい:愛知。
・こんじき:長野・静岡。
・こんじん:静岡。
・ぜんもん:富山・九州。
・どいもん:福岡。
・どーしん:乞食坊主:佐渡島。
・どーしん:長野。
・びやどん:熊本。
・へんど:四国。『遍路』。
・へーとー:−
・へんどにん:宮崎。
・ほいた:島根。
・ほいど:陪堂・乞児・乞食。一説に祝人(ほぎ人)。
・ほいと:陪堂・乞児・乞食。
・ほいとう:陪堂・乞児・乞食。
・ほえど:岩手。
・ものごい:物乞い。
・ものもらい:物貰い。
・やっこ:秋田。
・るんぺん:ドイツ語に由来する。
・おがんだぢ
△おかんだち
雷 『神立』(かんだち)。
・おかんだち:埼玉・群馬・山梨・長野。
▲▼おかんちめ
◎おがんちん
▼おかんちん
乞食、今のホームレス 『集覧:稲・北・西』。
・おがんに
・おがんにぇ
【複】置けない =『おがんね』。
★どごさもおがんにど:何処にも置けないぞ。
(おかんのし) 神主 山梨。
・おーがんばだ
・おーがんぱだ
道路端 『往還端』の意味。地域によっては幅の大きな用水路を言うことがある。
半濁音は濁音で発音されることがある。
・おーがんまし
◎おーかんまし
・おーがんまーし
◎おーかんまーし
増水、洪水 『大川増し』の意味。
現代語の『増水』は和語では『川増し』と思われるが、何故か辞書には無いので、『大掻き回し』の可能性もある。
◆おぎ
▲▽おき
▲おきく
赤くおこった炭火、火種 『集覧:新』。『燠』『熾』(おき)。『おき火』とも言う。
『く』は『紅』の意味か。家庭の熱源が電気なら死語。ガス、灯油なら『種火』しか無くなってしまう。もともと赤くおこった炭火や薪などの燃えさしを言う。
・おぎ:宮城。
・おき:神奈川。
・おきゆるり:土間に置いてある大型の火鉢:神奈川。
◎おき お気に入り 『民俗』では『お気』と当てられている。
上代語の『き』は女の子の呼称でもある。
・おぎ �@沖、�A奥 本来は『奥』で、沖は『奥辺』が訛ったと思われる。『沖山(おきやま)』という苗字がある。
広辞苑に『おき【沖・澳】:�@海・湖などで、岸から遠く離れた所。�A田畑・原野の開けた遠い所。』とある。
�A・おき:神奈川・静岡。
・おきやま:奥山:神奈川。
(おーぎ) 囲炉裏で自在鍵を吊るす魚型の木 群馬。 『いおぎ』。
『こぶな』とも言う。『魚木』の意味だが辞書には無い。
・おきー お灸 −
(おきあがり・おきゃーがり) 初めての漁を終えての祝・ふるまい 静岡。
・おぎかぎ �@火掻き、�A十能 『燠掻き』。日常生活から消えてしまった道具。
�@・かぎっこ:神奈川。
●おぎえば 【複】起きれば −
▲おきかき 漁師が船に乗るのを逃れること 『集覧:無記載』。
・おぎがげ おきしな。おきぬけ。 『起き掛け』。
◎おきぎ
▲おきげ
北東風、沖から吹いてくる風 『集覧:稲』。
・おき:南風:高知。
・おき:東風:岩手。
・おき:東南の方向:静岡・愛知。
・おきげ:南風または南風によって生じる暖かい陽気:神奈川。
▲おぎげ
・おきげ
朝目覚めた時 『集覧:稲』。
『げ』は『晩げ』の『げ』に同じで、時間を表す言葉。
・おぎころび
・おきころび
・おぎっころび
浮き沈み、失敗したり成功したりすること 『起き転び』の意味。
★『土』:陸稻(をかぼ)とも云(い)はんねえもんだな、以前(めえかた)と違(ちが)って今(いま)の時世(ときよ)ぢゃさうだからこんで場所(ばしょ)によっちゃ、百姓(ひゃくしやう)にもたえした起(お)き轉(ころ)びがあるのよなあ。
◎おぎざらし
・おぎざり
おきざり、おいてきぼり −
・おぎじぐ − 上大津地区の東の外れにある『沖宿町』(おきじゅくちょう)のこと。当時は『おぎじぐまぢ』とも言った。
かつての東京では大半の人が『新宿』を『しんじく』と発音していたと言われる。江戸言葉と見られる。標準語で拗音が直音化するのは『十』が促音化した場合に見られる。
・おぎちゃん
◆■おきちゃん
学校で先生に特に目をかけられる女の子、■お気に入り 『良きちゃん』が訛ったとも思われるが、上代語の『き』は女の子の呼称でもある。
・おきっちゃん:気違いじみた言動をする人:山梨。
◆おぎづげ 結婚式の花嫁の身の回りの世話役 『お着付役』の意味。
◎おきつげ
◎おきつげさま
◎おきつげさん
◎おきつげばーさま
◎おきつげばーさん
嫁入りの時、嫁に付き添い、1〜7日程度婿の家に滞在し、嫁の身の回りの世話をする婦人 −
◎おぎっぱな 起きてすぐ、起き抜け、起き掛け 『起き端』の意味。
・おきっぺ:山梨。
★おぎっぱながらうっせーなやー。
・おぎなー 沖縄 沖縄は江戸時代初期に島津氏の征伐を受けて日本の属国となったが、正式に日本の一部になったのは明治初期である。
地元では『うちなー』である。沖縄方言は間違いなく日本語に近い言葉であるが、ヨーロッパの言語の感覚からすれば、別の国の言葉とも言える。
沖縄方言は日本の三大(四大)方言の一つであり、最大の特徴は、日本語の五段音が三段音になることである。変則形もあるが総じて『あいうえお』が『あいういう』となる。三段である。
茨城方言でも似た傾向があり、『い』と『え』の区別が付かないことや、ウ段とオ段はしばしば入れ替わる。
もともと縄とは『なは』と発音された。また『なは』とは沖縄本島の言葉に残り、平地につけられた固有名詞が各地に残ったとされ、現代の『那覇』は間違いなく当て字であろう。
ところで『なは』とは何かということになる。
・おぎなんしょ 【複】起きてください。 丁寧語。近世語『起きなんせ。』が訛ったもの。
・おきなーれ:静岡。元『おきなはれ』。
◎おーぎに �@【感】有難う、◎どうも、�Aそうかい、◎なるほど 『大きに』とはもともと、『(文語オホキナリの連用形から)非常に。大いに。迷惑なことを非難し、また皮肉にいう時にも使う。』の意味で室町時代以降の言葉であるが、現代では『有難う』の意味で主に関西で使われる。
�@清音の場合、一般に関西弁である。『おおきにありがとう』の略とされる。『どうも』の意味で使われるのはそれを裏付ける。
・おーきに:北海道・青森・岩手・秋田・山形・新潟・千葉・静岡・福井・岐阜・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・和歌山・岡山・高知・大分。
・おーきんよー:山梨。
�A『有難う』の意味のほかに『非常に。大いに。迷惑なことを非難し、また皮肉にいう時にも使う。「―お世話だ」』があるがやや意味が遠い。『そうかね』が訛りに訛ったものと思われる。
�Bその他。
・おーきに:はなはだ・たいそう:群馬。これは、語源を現代に伝える言葉である。
◆おぎぬげ 起きてすぐ、起き抜け、起き掛け 『起き抜け』。
・おきおくり:福島・栃木・群馬。『起き起き』。
・おきぬけ:東京・静岡。
(おきのこんぶ・おっきゃがいこんぼ・おっのこんぶ) 起上り小法師 鹿児島。
◎おぎむぐじり
◎おぎむぐり
◆おぎむぐれ
■おきむくれ
▲▽おきむくり
◎おぎもぐじり
◎おぎもぐり
【副】起き掛け 『集覧:稲・新・水』。『起き剥れ』(おきむくれ)の意味。富山・奈良では『起き起き(おきおき)』と言うがこれは古い言葉。
ここにある茨城方言は、目が覚めた時の日本語表現の根幹を残していると思われる。
・おきおくり:福島・栃木・群馬。
・おぎむぐれ:福島。
・おぎゃぐ お客 ・おちゃく:青森。
●おきーやぐ 【動】お灸を据える 『お灸を焼く』という言い方は全国に偏在する。
・おぎゃぐあすび
・おぎゃっこ
・おぎゃぐっこ
ままごと −
◎おぎゃくさま
▽
おきゃくさま
月経 広域方言。
・おきゃく:広島。
・おきゃくさん:神奈川・和歌山・香川・島根・宮崎。
・おぎゃぐさん
・おぎゃくさん
お客さん −
・おぎゃぐにいぐ 【複】呼ばれて行く、客として出向く 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
・おきゃくにいぐ:群馬。
・おぎやせー
・おぎらっしゃい
・おぎらっしょ
・おぎらっせー
・おぎんしゃい
【複】起きなさい ・おかせぁい:福島。
・おぎゃん
■おきゃん
おてんば 清音なら死語となった標準語。
・おきゃん:東京。
・おきゃん:はすっぱな女:神奈川。
・おぎゅーすいる 【複】お灸を据える、こらしめる ★しゃーねーなー。あーたんではおぎゅーすいるしかあんめーなー。:しょうがないねえ。あんなでは、お灸を据えるしかないだろうねえ。
・おーぎょー
・おおぎょう
【形動】�@規模が大きいこと。大じかけ。�A(「大仰」「大業」とも書く) おおげさであるさま。誇大。 『大行・大形』。
・おぎらっか 【複】起きられるかい 自発・可能・尊敬・受身の助動詞『らる』が促音化したと見られる。。
◆おぎり
▲▽
おきり
赤くおこった炭火、火種、熾火 『集覧:鹿・筑・那・水』。『燠』『熾』(おき)の転。『り』があるのは『熾きる』意味の擬似名詞形として使っているか『おきび』が転じたと考えられる。
・おきい:鹿児島。
・おきり:千葉・静岡。
・おぎり
・おきり
起きること −
・おぎる 【動】(炭火が)おこる、熾きる 清音ならやや古い標準語。『熾きる』。ただし現代標準語では通常『おこる』を使う。
★ひーおぎでっか?:炭の火おきた?。
・おーぎれー
・おーきれー
【形】大嫌い −
・おぎんぎょ
・おぎんぎょさま
・おぎんぎょさん
人形 『に』と『ぎ』は音通する。
(おきんぴら) 短気 神奈川。
広辞苑に『金平・公平:�@金平浄瑠璃の主人公の名。坂田金時の子で、剛勇無双、いろいろな功績をたてる。また、この
名を冠して、強いもの、丈夫なもの、立派なものの意を表す。�A男のように意地強くたけだけしい女。』とある。
・おぐ �@奥、�A奥座敷、�B成長が遅いこと、奥手 �@・おっく:鹿児島。
�A・おく:神奈川。
・おく:隠居夫婦の部屋:神奈川。
・おく:神奈川。
・おぐ 【動】置く ・うぇく:鹿児島。
・おぐ 【動】作業を終わらせる 『(鍬を、鎌を)置く』の短縮形。
(おく) 【動】計算する 宮城。『置く』には『(算木などを置き並べて)占い・計算をする。』意味がある。
・おく:東北。
・おーぐ 【副】おおく、随分、そんなに 『多く』の意味。
・おーく:群馬。
(おくー・おくっせー・おくーやー) 【複】下さい 静岡。動詞の活用部を失った珍しい方言。
・おぐいね 遅らせて作った稲、晩稲(おくて) 『奥稲』の意味。
★『土』:さうら此(こ)れ掛(か)けて、此(こ)れが晩稻(おくいね)の花(はな)だ。
(おくうくう) 何事も意に介しないこと 山梨。『空空(何もないさま。むなしいさま。)』に接頭語『お』がついたものと見られる。
・おぐす 【動】先方からこちらへ送って来る、寄越す 古語の『遣す・致す』(おくす)。
★おぐしてよごす:送って寄越す。
・おぐせをとる 【動】気後れする、怖気ずく 『おくせ』は『臆する』の擬似名詞形と考えられる。
・おこべー・おこべーや:はずかしがりや・臆病者:神奈川。
★長塚節『芋掘り』の一節:戲談いってらそんなことにゃおくせは取らねえんだぞおらなんざあ:戯言を言うなあ、そんな事に怖気ずいたりしないぞ俺は。
・おぐせる 【動】気後れする、怖気ずく 『臆する』。
・おくせる:山梨。
・おーぐぢあいで
・おーぐぢあげで
【複】大きな口を開けて、遠慮もなく 遠慮も無くご馳走を食べる様を言った。
・おーぐちあいて:群馬。
★むしばがあっかどうがみでやっからくぢあいでみろ!:虫歯があるかどうか見てあげるから口を開けてみて!。
・おぐったれ �@駄目な人、�A成長の遅れている子供、�B遅刻ばかりする人 −
・おぐて 奥手、成長の遅い子 濁音化。
・おーぐに 【副】非常に。大いに。迷惑なことを非難し、また皮肉にいう時にも使う。 関西の『おーきに』に繋がる言葉。
『大きに』とはもともと、『(文語オホキナリの連用形から)非常に。大いに。迷惑なことを非難し、また皮肉にいう時にも使う。』とある。
・おぐどら
◎おくどら
中年になってから始まった道楽 −
◎おぐびょーたがり 【形動】臆病者 『臆病集り』の意味。
『俚言』によれば『臆病たかり』は江戸言葉だったようである。
・おくびょーたかり:宮城・福島・静岡。
・おぐまんさま
・おぐまんじんじゃ
熊野神社 『熊野』『熊野神社』の意味。
・おくまんさま:群馬。
《信仰すると億万のお金が−−−?》。
・おーぐまんばぢ
・おーくまんばぢ
オオスズメバチ −
・おぐみ
▲おくみ
柄杓、汲む容器、杓子 『集覧:多』。『お汲み』の意味。
・おぐめ 普通の人より奥にくぼんでいる目。くぼ目。 『奥目』。
・おぐめん 気おくれした顔色・様子 『臆面』。
・おくめんする:はにかむ:神奈川。
★おぐめんもしねーで・おぐめんもせず:気後れせず。
◎おぐやみ
・おくやみ
◎おぐやみごど
不幸、葬式 『お悔み』の意味。
・おーぐらい
◎おーぐれー
大食漢 −
・おぐらがす 【動】遅らせる 古い言葉。『後らかす』。
・おくらかす:群馬。
・おぐらす
・おぐらせる
【動】遅らす、遅らせる −
(おくらぶち) 囲炉裏端、炉辺 静岡。
・おーぐらやみ
・おーくらやみ
真っ暗 ・でゃーぐらやん:長崎。
・おぐり
・おぐーり
△おくり
�@奥、�A山の奥 『奥』+『裏』の意味か。『内裏(だいり)』の類義語か、『奥入り』の意味と考えられる。
�@・おくり:群馬・埼玉。
�Bその他。
・おごりそん・おごりっさま:奥様:山形。
(おくり) 死者を送る事・葬式 静岡。古語『送り:葬送』。
・おくりぜん:葬式・法事に参加しなかった人に届ける膳:静岡。広辞苑に『おくり‐ぜん【送り膳】:饗応の際、欠席した客に膳の料理を送りとどけること。また、その料理。』とある。
・おぐりぎおん
・おぐりぎょーん
◆おくりぎょーん
夏祭り(祇園祭)の3日目 『あがりぎおん』とも言う。
◆おぐりと 送る人 −
・おぐりもん 贈り物 ・おくいもん:鹿児島。
◆おぐる 【動】奢る、ただであげる ★おぐれ:奢れ。
・おぐる 【動】�@移す、移動する、送る、�A人を行かせる、人と一緒に行く、送る、�B怒る、�C(火が)付く、�D病気になる、�E症状が悪化する �@�A濁音化。清音なら古い標準語で、もともと有った語法と思われる。
★おぐってくる:見送る。
�C『熾る』。
�D�E『起こる』。
・おーぐれー 大食漢 何故か『大食らい』は辞書に無い。
・うぐれ:鹿児島。
・おーぐれー:神奈川。
◆おぐれ
・おーぐーれ
【動】�@下さい、�A駄菓子屋の呼びかけ言葉、下さいな 当時東京から来た親戚の女の子が『ちょうだいな・くださいな』と言うのを聞いたとき、『何でちぢーらはこーたに訛ってんだっぺ』とつくづく感じたものである。
�@・おくー:静岡。
・おくっせー:静岡。
・おくーやー:静岡。
・おくれ・おくれー:神奈川。
�A・うってくれ:茨城。児童語。
・うってくろ:茨城。児童語。
・おーくーらい:福島。
・おぐんなさい:茨城。
・おくんなんしょ:茨城。
・おごれ:茨城。
・おこんな:茨城。
・おごんなんしょ:茨城。
・かーべー:買うよ:茨城。児童語。
・かーべよ:買うよ:茨城。児童語。
・かーよー:買うよ:茨城。児童語。
・かー:買う:茨城。
・かーだ:買う:茨城。児童語。
・おぐれ 【複】奢ってくれ −
◎おーくれ 年の暮れ 稲敷郡。
・おぐれる 【動】くれる、頂く −
▲□おくれる 【動】泣く 『集覧:無記載』。『お』『眩れる』(涙で曇って見えなくなる)意味か?。『後れる・遅れる』には『気おくれする。自信をなくし、しりごみする。』の意味がある。
◎おーぐろ
◎おーくろ
大きな畔 岩井市。
(おくわ) 御強 静岡。
・おぐんなさい
・おくんなさい
◆おぐんなせー
・おくんなせー
・おくんなはい
【複】下さい 時代劇で耳にする『おくれなさい』の訛ったもの。丁寧語。『おくんなせえやし』などとも言う。さらに訛って『おくんなはい』がある。原型は『おくんなはれ』であろう。これは現代でも関西で使われる。近世の滑稽本等に見られる。茨城でも古くは『なさい』を『なはい』と言った。
さらに終助詞『な』『や』『よ』が付くことがある。
・おくんな:静岡。古い俗語。
・おくんなさい:静岡。
・おくんないんし:静岡。
・おくんなさいんし:静岡。
・おくんなせー:静岡。
・おくんなって:山梨。
★『土』何卒(どうぞ)ずんずん干しておくんなせえね:どうぞどんどん飲み干して下さいな。
★『土』また溜(た)めて置いておくんなせえ:また(卵を)ためて置いて下さい。
・おぐんなんしょ
◎おくんなんしょ
・おぐんなせー
・おぐんなんせ
【複】�@下さい、�A駄菓子屋の呼びかけ言葉 �@・おくんなしょ:神奈川。
・おくんなんし:長野。
・おくんなんしょ:長野。
◆おぐんぼ �@発育が遅れている子供、�A年をとってから生まれた子供 −
◆おげ 漁具の一つ、底の無い笊のようなもの、主として浅瀬や初夏の田んぼに入り込んだフナ等を閉じ込めて捕獲する。 『おっかぶせ』用の底の無い笊。『筌』(うえ・うけ)の転か。全国的には、『ど、せん、ふせご、たつべ、もんどり、うえやな』(大辞林)等があるという。
桶にも通ずる言葉。桶(をけ)は『麻(を)を績ぐ器(笥)』の意味。『筌』は『魚筌』の意味と言う。
・おげー
・おっげー
�@余計、�A【慣】OK、�B【複】そうかい −
◎おげ
◆おげー
・おげい
お粥 『お粥』が直接『おげい』になったとは考えにくく、『おかい』を中間に挟んで、『おげい』になったと思われる。
・おけー:神奈川・山梨。
◎おーけー 【形】恐ろしい 稲敷郡。『大怪』の意味と思われる。
・おげぇし
・おげーし
・おけーし
�@お返し物、�Aおつり 『お返し』。当時の『おつり』は、『ぽっとん便所』の跳ね返りの方がメジャーだった。
・おけーし:山梨。
・おげーこさま
◎おけーこさま
カイコ ・おけーこ:神奈川。
◎おーげだ 田下駄 久慈郡。
・おげちか 【形動】間近な様 『お期近』の意味。
◎おげちかまーる
▲おけちかまーる
【動】間近になる、順番が回って来る 『集覧:新』。『期近』の動詞化。
・おげづ 尻 主に女言葉。清音形は東京でも使われる。
(おけつにめぐすり) 【慣】見当違いなことをすること 山梨。
▲おげっこ 手桶、小桶 『集覧:北』。
(おけっちゃ) 【複】止めなさい 長野。
・おげねー 【複】状態を保つことができない。 標準語の『いつまでもおいとけない』等と言う場合の『置く』の意味と同じ。
・おーげなえ:粗悪で減り目の見える様:山形。
★がまんがおげねー:我慢できない。
★はーはらへっておひるまでおげねー:もう、お腹が空いて昼まで我慢できない。
★『土』:今日(けふ)は若(わけ)え衆等(しら)行(い)くと思(おも)ってはあ、夜(よる)まで置(お)けねえんだな。
◎おげはぐ
◎おげーはぐ
■▲△おけーはく
・おげやく
・おけやく
お世辞、媚びへつらう様 『軽薄』(お世辞)の意味。『集覧:水・新』。
県西部になるとさらに訛って『おげやく』となる。これには中間形の『おぎやく』『おげあく』があると思われるが分権には無い。
・おげはぐ:宮城。
・おけーはく:宮城・福島・茨城・群馬・山梨。
・おけーひゃく:山梨。
★おげはぐする:へつらう。
◎おげら
・おげらさん
◎おけらさん
・おげらめ
◎おけらめ
ケラ(昆虫) 『螻蛄・螻』。男の子達はどっちのちんちんが大きいかをケラに尋ね、ケラは腕を開いてその大きさを診断してくれるという遊びを良くやった。ケラは夏の夜に明かりを目指して飛んできた。ケラの泣き声は夏の夜の通奏低音だが、当時はミミズが鳴いていると聞かされた。
・おげら
・おけら
すってんてん ケラが手を広げている様子がすってんてんになった様子に似ているためだろう。『おけら』なら標準語だが死語になりつつある。
・おけら:埼玉・東京。
(おけら) 愚か者 神奈川。
広辞苑に『おけら:(職人の隠語) ばか・間抜け・阿房(アホウ)などの意。』とある。
・おげーり
・おけーり
【慣】お帰り 清音形なら江戸言葉。
・おげーる
・おげぇる
【動】�@くれる、頂く、�A遅れる �@『くれる』の転。
・おーけんとー 大雑把に見当をつけること 『大見当』の意味。
・おーけん:神奈川・山梨・静岡。
◎おご
▲△おこ
◎おこー
餡、あんこ 『集覧:稲』。
・おこ:福島・茨城。福島では菓子も指す。
◎おご
△▽おこ
カイコ 『御蚕』の意味。
カイコは万葉集には単に『蚕(こ)』とあり、日本書紀に『養蚕』を『こかひ』と訓され語源は『飼い蚕』が有力である。従って、『おこ』『おこさま』は、万葉集の時代の言葉の流れである。
・おこ:福島・群馬・神奈川・長野。
(おこ・おこう) 味噌 ・おこ:鹿児島。
(おーご) 第一子 静岡。
◎おごいす
▲おこいす
ウグイス 『集覧:多・北』。
ウグイスの語源は諸説あるが、『す』は、他の鳥にもあるように鳥を示す接尾語とされる。�@鳴き声から生まれたまれたとする説や�A
奥出ずの義とする説等がある。鳴き声が美しいことから『お声』+『す』の意味だとしたら『おこいす』は語源を伝える方言ということになる。
・おごこいす:福島。
◎おごご
◎おごーご
・おこーご
・おこーこ
漬物、お新香 『お香香』が訛ったもの。
・おごご:宮城・福島。
・おごこ:岩手。
・おこーこ:群馬・東京。
◆おごさま
▲▽おこさま
◎おごさん
蚕(カイコ) 『御蚕様』の意味。『集覧:鹿・稲・新』。
土浦はかつて蚕の産地だったが、大変な手間がかかるのと、他にも様々な穀物や果物が取れるため次第に無くなって行った。
蚕を育てる期間は、土間だけでなく『までや』(物置小屋)、2階を初め、座敷のタタミまでを上げて場所を作り、寝る場所も無くなるほどで、桑の葉の独特の臭いが家の中に溢れ、鍬の上族前の蚕の葉を食べる音は『ぶつぶつ』と家中に鳴り響いた。
・おごさま:山形。
・おこさま:岩手・宮城・山形・茨城・千葉・栃木・埼玉・埼玉・群馬・東京多摩・神奈川・富山・長野・岐阜・静岡・島根。
・おこさん:神奈川。
(おこさらまんち) お子さまランチ これは茨城弁ではない。たまたま私の甥が子供の時に言葉の順番を間違えてそう言っていたのだが、青森県の一部でそう言う訛りがあるそうだ。訛りとは、耳から入った言葉が少しずつ変異して行く過程の中で生まれるものだと判断される良い例。
(おごさん) 武家の娘 宮城。『御寮・御料』の意味か。
(おこじする) 【複】意地悪する 神奈川。
・おーごじゃ 駄目な者、駄目なこと(物)、出来そこない、でたらめ、いい加減 『ごじゃ』の強調形。
・おこしゃ:物心がついて生意気になった幼児・差し出がましい人:神奈川。
・おこしゃっぺー:幼児が物心ついて生意気になっていること:神奈川。
・おーごじゃやろー 駄目な者、出来そこない、いい加減な人 −
・おーごしらい 大作り −
◎おごしん
◎おごーしん
◎おごしんさま
・おごーしんさま
庚申様 『お庚申』『お庚申様』。
単独で『庚申様』を言うばあいは標準語発音なのに『お』が付くと濁音化する。これは、茨城方言の特徴そのままで、二音以降の『カ行音・タ行音』が濁音化する典型例である。
◎おごしん
◎おごーしん
◎おごしんこ
・おごしんこー
◎おごしんさま
・おごーしんさま
庚申講 庚申講の催しは、庚申の日の夜に当番の家に集まってとり行われる。祭壇に掛軸を掛けて線香をあげた。酒とご馳走でお祭りする。世間話や決め事を行ってお開きになる。手野ではでは毎月行なわれた。農家にとっては重要なコミュニケーションの場でもあった。
◎おごしんこ
◎おごしんごっこ
◎おこーしんこっこ
ままごと 幼児語。
・おごしんりょーり
◎おごーしんりょーり
庚申講で作る精進料理 −
・おごす
・おこす
【動】�@掘り起こす、�A(芋類を)収穫する 農村限定の言葉と思われる。
�A★『土』:此(こ)れでどの位(くれえ)殖(ふ)えるものだと思(おも)ったら一っ株(かぶ)で一升(しよう)位(ぐれえ)ずづも起(おこ)せるよ。
・おごす
◇おこす
【動】寄こす 広辞苑には『遣す・致す(おこす):【他下二】(室町時代以降、四段にも活用) 先方からこちらへ送って来る。よこす。拾遺雑春「こち吹かば匂―・せよ梅の花」。狂、二人袴「その袴をぬいでこれへ―・さしめ」』とある。
『聞書』には、『寄こせ』の意味の『いくせ、おこせ』がある。江戸時代には浪花言葉だったとされる。
・おこす:静岡。
・おごせる 【動】自己の才能・権勢などに得意になる、贅沢をする 『奢り』+助動詞『す』。
・おごせる:自己の才能・権勢などに得意になる:長野。
・おごだ
・おごた
炬燵 −
▲おごちょる 【動】折る 『集覧:新・東』。
◎おごちょれる 【動】折れる −
(おこつく) 【動】こだわらない 東京。
広辞苑に『おこづく:�@調子づいて振舞う。得意そうにする。�Aばかばかしがる。�B風采が上がらない。�Cりきむ。�Dずきずき痛む。病気がひどくなる。』とある。
◎おごっそー
・おーごっそー
ご馳走 ・おごっさん:ご馳走様:山梨。
・おごっそー:神奈川・長野・山梨。
・おごった
▲おーごった
大事だ 『ご』は濁音・鼻濁音。良く使われる。『集覧:新・多』。
《大変なので怒っている?》。
◎おーごった 【複】大半 本来は『大事は』の意味。
・おごった
・おーごった
【複】怒った ★あんちゃんごどちんとばがしからがったらよー、いーんやおーごったおごったー:兄さんのことを、ちょっとばかりからかったらさ、いやあ、怒った怒った。
▲おごっちゃった 【複】怒ってしまった これは、茨城方言収覧に残されたまぎれもない茨城の言葉である。近世語にはこの言葉は無く間違いなく明治以降の言葉である。
正確には『おごっちゃつた』『おこっちやつた』とある。明治期にはまだ、格助詞の『つ』が残っていたと考えられる。
広辞苑には、『つ:【助詞】�@(格助詞) 体言と体言との所属の関係を表す。「の」に比較すると用法が狭く、多く場所を示す名詞の下につく。「天―神」「目(マ)―毛」「はじめ―方(カタ)」�A(接続助詞) 助動詞「つ」の転用。動詞の連用形につく。(1)(「…つ…つ」の形で) …たり…たり。太平記六「追つ―返し―同士軍をぞしたりける」。浄、天網島「抜け―隠れ―なされても」(2)(二つの動作・作用が同時に行われる時に、従属的な方の動作・作用につける) …ながら。方丈記「苦しむ時は休め―、まめなれば使ふ」(3)…たりなどして。浄、淀鯉「作病起して振つて見―、色々飽かるる工面して」』とある。
NHKの『気になる言葉』に『赤い靴履いてた女の子 異人さんに連れられて行っちゃった〜♪おなじみの童謡『赤い靴』です。この“行っちゃった”という言い方について、違和感があるとお便りをいただきました。「行っちゃった」はもともと、「行ってしまった」という完了の言葉が変化したものですね。実はこの「〜ちゃった」は、東京周辺の県で使われ、その後東京に入ってきた東京の方言と言われています。童謡『赤い靴』の野口雨情は茨城県の出身で、大正時代に上京したので「ちゃった」に親しんでいたのかもしれませんね。さて、東京の方言には“下町ことば”と“山の手ことば”があります。国語学者の田中章夫さんによるとまず、周辺の県で使われていた「しちまった」が、明治時代の初め頃に東京に入ってきて、下町に根付いたのではないかと言っています。確かに、明治18から19年に書かれた坪内逍遙【当世書生気質】にも「なくなツちまつてー」と出てきます。そしてこの「しちまった」が「しちゃった」に変化して、周辺の県から入り、今度は東京山の手ことばの、特に若い人の間で明治30年頃に広まっていったそうです。しかし、昭和になると山の手だけでなく、広く「しちゃった」が使われるようになりました。昭和49年の国立国語研究所が東京で調査した結果をみると、年輩の方も半数近くが「しちゃった」を使っていて、若者だけでなく、幅広い年齢層に使われていたことが分かります。確かに、話し言葉なので、公の場などでは似つかわしくないかもしれませんが、「ちゃった」も一つの方言だったのですね。東京の方言としてなじみ深い言葉でもあるのです。』とある。
この言葉の震源地は間違いなく茨城だろう。その後茨城では、さらに進化して『しちった』に変化する。
◎おーごっつぉ ご馳走、豪勢な料理 『ご馳走』を『ごっつぉ』と言うのは相撲界の隠語でもあり、茨城に受け継がれている。
・おごっつぉー:群馬・神奈川。
◎おこっぺ �@でしゃばり、小生意気、�Aおしゃま、おませ、�Bひょうきん 主として子供を相手に用いる。広域方言なので『骨灰、粉灰(こっぱい)』(面倒で骨が折れること)の訛りと思われる。田井信之氏は、『こうへる(功経)の下略こうへの転』としている。
別に『小童』が訛ったとする説がある。こわらは→こわっぱ→こわっぺ→こっぺ。ただしこの場合の中間形は文献には存在しない。
�@・おこっぺー:お転婆:神奈川。
・こっぺのしんだ:生意気な:長崎。
�A・おこっぺ:茨城・神奈川。
・おこっぺー:おませ:神奈川・山梨。
・こっぺー:山形・福島・新潟・千葉・神奈川・山梨・静岡・三重・福井・岡山・愛媛・長崎。半濁音は濁音で発音されることがある。
・こっぺちょる:ませている:岐阜・愛知。
・しゃらこっぺー:神奈川。
�B・こっぺ:子供が可愛い様:千葉。
�C・こっぺこぎ:おしゃれな人:秋田。
・おごづる 【動】怠る、怠ける ・おこつる:神奈川・山梨。
◎おごでる 【動】落っこちる −
■◆おごど
■おこど
■▲△▽おこと
◎おこどのひ
仕事休み、▲休日、年中行事、4月8日のの仏祭 『御事(おこと)』。一般には仕事始めや仕事納めの行事を指す。『斎日』。『集覧:真』。
・おこと:茨城・栃木。
▲おーこーと 4月8日の仏祭 『集覧:無記載』。『御事(おこと)』。ヒアリングの際にはっきり聞こえるように言ったのではないかと思われる。
・おごど
・おーごど
■▽おーごと
大事(おおごと)、大変なこと 『大事』。良く使われる言葉。茨城方言の場合は『ご』は濁音・鼻濁音。
・おーごど:山形。
★そおたごどんなったらおーごどだど:そんな事になったら大変だぞ。
・おーごどする 【複】�@苦労する、�A失敗する、�B大変なことになる 『ご』は濁音・鼻濁音。
�@・おーごどした:苦労した:山形。
・おーごどしてゆった:苦労して言った:山形。
・おーごどする:福島。
�A★おーごどしたなや:失敗したねえ。
�B・おーごどする:福島。
�Cその他。
・おーもどしる:後悔する・悔やむ・落胆する:福島。
▲おこどの 蚕(カイコ) 『集覧:稲』。福島では『おこどのさま』と言う。
◎おごどのもぢ
■おことのもち
◎おごどのまづり
■おことのまつり
六歳の子供の祝の祭り 2月8日に行なわれた。念仏衆に煮しめや草もちを届けた。
『土浦市史・民俗編』には、上大津地区から今泉にかけての呼び名とある。
辞書によると、『御事始め』は『古く東国で、陰暦二月八日に農事を始めることを祝って行なった行事。』とある。
(おこな) 餡 静岡。
(おこないさま) 家に祀られる神 広辞苑に『おこない様:岩手・山形県で家に祀られる神。形は「おしらさま」に似るが起源は別らしい。「おごないさま」「おくないさま」とも。』とある。『御宮内様』とされる。
◎おごふ
◎おごーふ
神様に供える餅・こわ飯等 『護符・御符・御封』。
標準語では『(ゴフウとも) 神仏が加護して種々の厄難から逃れさせるという札。紙に真言密呪や神仏の名・像などを書いたもので、肌身につけ、また、飲んだり、壁に貼りつけたりしておく。まもりふだ。護身符。護摩札。おふだ。』(広辞苑)。
・おごっく:神奈川。
(おこべー・おこべー) 恥ずかしがりや 神奈川。
◎おごまおごす
▲おこまおこす
【動】�@▲生計を立てる、�A裕福になる 『御釜を興す』((かまどを築きあげる意から) 財産を作る。身代をおこす。)。
�@『集覧:新・水』。
・おーごみ
◎おーごみ
大混雑 『大混み』の意味。
・おーごむ 【動】大混雑する −
(おこめとおめこ) 【複】 関西の人たちが、関東に移住したとき、『まず最初に気になる看板』の一つに『おこめ』があるという。
◎おごも
□おこも
乞食僧、乞食 『御薦』。
◆おごや �@小さな祠、�A集会所 『小屋』に『お』をつけたもの。
・おごやすこ 子安講 『お子安講』。月待ち講の一つ。十九夜講の別称。
・おごら 【代】そこら −
・おごらいだ
・おごらえだ
【複】怒られた −
◆おごらいる
・おごらえる
【動】怒られる ・おこらいる:群馬・神奈川。
★おごらいちった:怒られちゃった。
・おごらがす 【動】怒らせる ・おごらがす:青森。
・おごらじゅー 【副】そこらじゅう −
・おごらせる 【動】怒らせる −
・おごらった
・おごらっちゃ
【複】怒られた ・おこらっちゃ:福島。
▲おごらっちゃった 【複】怒られちゃった 『集覧:北』。
・おごられっと
・おーごられっと
【複】怒られるぞ −
・おごり 熱病 広辞苑に『瘧:間欠熱の一。隔日または毎日一定時間に発熱する病で、多くはマラリアを指す。わらわやみ。』とある。
・おこれ:鹿児島。
・おごりぎる 【動】怒りに怒る、怒りまくる −
(おこいざめ) 寝汗 鹿児島。
◆おごりっぽ
■おこりっぽ
◆おごりぼ
▲おこりぽ
・おごりぼお
◆おごりんぼ
・おごりんぼー
怒りんぼう 半濁音は濁音で発音されることがある。『集覧:稲・新・水』。
・おごいばち:暴れん坊:鹿児島。
・おこりんぼけつかき:神奈川。
★汝(わ)っ等(ら)おとつゝあは怒(おこ)りっ坊(ぽ)だから:お前のお父さんは怒りん坊だから。
◎おごりぼちょーちょ �@アゲハチョウ、�Aジャコウアゲハ、�Bカラスアゲハ 成虫は、大きな目玉を持ち、幼虫は触ると威嚇して匂いとともに角を出すからだろう。
◎おごりほーろぎ 熱病をまじないで治すこと 『おごり』は『瘧』のこと。『ほーろぎ』の動詞形は『ほーろぐ』で『たたき払う、振るい落す』の意味。
・おごる 【動】�@怒る、叱る、�A(火が)付く、�B病気になる、�C症状が悪化する、�D発生する �@・おごる:青森・岩手・山形。
�A『熾る』。
�B�C『起こる』。
・おごる:症状が悪化する:秋田。
�D・おごる:八丈島。
・おごる 【動】奢る、ただであげる 標準語。
・おーごる 【動】怒る 長音化による強調。
◎おごれ 【動】おくれ 駄菓子屋の呼びかけにも使われた。
・おーごーれ 【慣】頂戴な 駄菓子屋に行った時の掛け声。
▲おごろ 唖、言語障害者 『集覧:鹿・稲・多・新・久・行』。
◆おごわ
◆おごわめし
・おぐわ
・おぐわめし
赤飯、強飯 ・おくわ:静岡。
・おごわ:宮城。
・おこわめし:山梨。
・おーこわい
・おーこうぇー
【複】�@ああ疲れた、�Aああ怖い −
▲おこん 【形動】ウコン色 『集覧:北』。
・おこん:ウコン:秋田。
・おこんこい:黄色い:宮城。
(おこんがい) 【形】恐ろしい 静岡。
(おこんじょ) へそ曲がり 神奈川。
(おこんじょー) 意地が悪いこと 群馬。
◆おごんたけ
◆おごんたけ
アンズタケ(コモタケ) 『うごんたけ』がさらに訛ったもの。
▲〜おこんな
・〜おごんなさい
◎〜おごんなんしょ
【助】おくれなさい 『集覧:久』。
◆▲●▽おさ 水田の区画 『集覧:新』。
辞書掲載語だが、方言地図では茨城・栃木に分布している。『まち』とも言う。耕地整理は『おさなおし』と言う。
・おさ:静岡。
▲△おーざ
・おーさ
【形動】�@大雑把、�A△沢山 『集覧:稲・新』。
◎おーざ 結婚式の披露宴をする部屋 民族語。『大座』の意味。
・おさい おかず 『お菜』。
・おさい:東京・山梨。
・おさがーせ お騒がせ 音位転倒の代表。
◎おーさがとび 縄跳びの一種、逆立ちをして片方の足が縄をまたぐ飛び方 『大阪跳び』なのか『大逆跳び』かは不明。『名古屋跳び』があるところを考えると、『大逆跳び』を『大阪跳び』に間違えて、対して『名古屋跳び』が生まれたか。
▲△おさかぶ
▲おーさがぼー
△おーさかぼー
青大将 『集覧:久』。
・おさかぶ:福島・茨城。
・おーさかぼー:福島・茨城。
・おーなじ:沖縄。
(おさがり) 衣服などで兄や姉から譲り受けたもの 標準語。
当時はまだまだ生活水準が低かったので、『お下がり』は当たり前だった。下着までお下がりの場合もがあった。少子化の今では死語であろう。
・おさーがせ
・おさがわせ
お騒がせ 『毎度、おさがわせ致します。』とは、おなじみのちり紙交換車のアナウンスだが、これは言語学でしばしば話題になる音位転倒の事例である。
▲☆おさぎ ウサギ 『集覧:多』。
辞書掲載語。東国方言とある。万葉集にもある言葉。
広辞苑に『うさぎ:(「う」は兎のこと、「さぎ」は兎の意の梵語「舎舎迦(ササカ)」の転とする説と朝鮮語起源とする説とがある) ウサギ目の哺乳類の総称。耳の長いウサギ科と耳が小さく、小形のナキウサギ科とに大別。ウサギ科はオーストラリア・ニュー‐ジーランド・南アメリカ南部を除く全世界に分布するが、以前いなかった地域にも移入されて野生化している。わが国には北海道にユキウサギ、それ以外の地域にノウサギがいる。また、家畜としてカイウサギを飼育。耳長く、前脚短く後脚は長い。上唇は欠けていわゆる兎唇(トシン)状、長いひげがある。行動は敏捷・活発で、繁殖力はすこぶる大。肉は食用、毛は筆につくる。おさぎ。』とある。 
・おーさーぎ 大騒ぎ、大きな話題、手間取ること、苦労すること 騒ぎが無くても大きな話題になれば使った。
・おーさーぎ:群馬・八丈島。
・おーさぎする
・おーさーぎする
【動】大騒ぎする、手間取る、苦労する −
(おさきっぱしり) でしゃばり 神奈川。
・おざぐ
◎おざく
【動】吐く 県北部の方言。=『おだく』。
・おさぐ
・おさぐ
【動】押さえる 『押し下ぐ』意味か。
・おさぐ:山形。
◆おさご 神仏に供える米のおひねり 『お散米』。正しくは『散供(さんぐ):神仏の前に銭・花・米などをまき散らして供養すること。散銭・散華(サンゲ)・散米など。』(広辞苑)。
・おささる 【動】押してある 『押す』の自発形。
・おささる:栃木。
・おささる
・おさーさる
【動】教えられる −
(おさっさ) おっちょこちょい 山梨。
広辞苑に『おさおさ【副】�@きちんと。ちゃんと。�A(下に打消の語を伴って) ほとんど。全く。ろくに。』とあるが関係は見出せない。
◎おーざっぱ 【副】沢山 『大束(おおたば)』か。
・おさなおし 耕地整理 −
・おざなみ 【形動】人並みの様 標準語の『御座形、御座成り』(おざなり)とは、その場限りの言動のことで、間接的に手を抜く意味があるが、この場合は『御座並』の意味。
・おざなみ:宮城。
◆おさなり 水田の形、水田の区画 『おさ』の『成り(なり)』の意味で古い標準語と考えられる。
◆▽おーざに 【副】�@大雑把に、�A◆▽沢山 �@は『大束(おおたば)』(大雑把の意味)の転か。
�Aは『おーだに』(そんなに)の転か。
・おざぬぐ 【動】�@出し抜く、嘘をつく、�A先を越す 『欺く』(あざむく)が訛ったか。『おだぬぐ』がさらに訛ったか、あるいは『御座抜く』意味か?。
(おざぶ) 麺類全般・冷や麦・素麺 長野。
▲おさまいる
□△おさまえる
【動】�@押さえる、抑える、�A▲捕まえる 『集覧:多』。学校の先生は授業で『捉える・把握する』意味でも使った。
『治める・修める・納める・収める』(統治する・乱れているものを平定する)が転じたと考えられる。あるいは、『捕まえる』と言う言葉に習って生まれたか。
・おさまえる:福島・茨城・千葉野田・栃木・埼玉・群馬・神奈川。
・おさまる:掴まる:長野。 
△▽おさめ お終い、収穫 『お終い』が訛ったと思い勝ちだが標準語。『仕事納め』(類)。
◆▽おさめ 年貢、税金 『納め物』がつまったと考えられる。
・おさめ:宮城・静岡。
◆■おさめーる 【動】押さえる、抑える、捕まえる 『おさまえる』がさらに訛ったもの。
・おさめる:福島。
・おさめーる:東京青梅・神奈川。
◆おさる
◆おさーる
▲おさーある
・おさわる
【動】教わる 『集覧:鹿・北』。『おさーる』は典型的な江戸言葉である。他動詞形は『教ゆ、おしふ』。
現代語形の『教わる(おそわる)』は本来は『おしへられる』である。
・おさしる:静岡。
・おさる:栃木・群馬。
・おさーる:神奈川・山梨・静岡。
・おさってねー:教わってない:東京青梅。
・おさわる:山梨。
・おすかる:静岡。
・おすわる:東京。
★『土』機教(はたをさ)れじやよかんべな:機織を教えられるんじゃあ良いだろうね。
(おざら) 小麦粉で作った茹で麺。汁をつけて食べるタイプのうどん。 山梨。
◎おさんぐー
◎おさんげ
◎おさんご
神仏に供える米、米のおひねり 『お散供』(おさんぐ)。
辞書には『洗米(せんまい):神仏などに供えるために、洗ってきれいにした米。あらいよね。かしよね。』、『饌米(せんめい):神に供える洗米。供米(クマイ)。』がある。
正しくは『散供(さんぐ):神仏の前に銭・花・米などをまき散らして供養すること。散銭・散華(サンゲ)・散米など。』(広辞苑)。
・おさん:神奈川。
・おさんぐ:神奈川。
・おさんご:神奈川。
(おざんざ) うどん 長野。
◎おさんせん 【古】お賽銭 お『散銭』。『賽銭』の方が新しい。
・おさんせに:山梨。古語の可能性がある。
■おさんどん �@炊事をする人、女中、�A炊事 『お爨どん』。
(おさんば) 【感】さようなら 静岡。『おさらば』。
◎おし 重石(おもし)、漬物石 古い標準語の『押し、圧し』。
・おし:千葉・神奈川。
・おし
・おーし
【感】�@決意を表す語。�A同意・承諾を表す語。�Bなぐさめの語。�C命令を強める語 『よし』。h音の脱落。
広辞苑に『おし:(歴史的かなづかいヲシとも) 先払いの者が通行人を制止して発する声。枕二三「警蹕(ケイヒチ)など―といふ声聞ゆるも」』がある。
◎おじ
◆▲おじー
�@次男以下、�A弟 『集覧:稲・新』。
�@・おじ:青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・石川・岐阜・奈良・三重。多く、長男の子から見た弟を言う。辞書掲載語。
・おじー・おじっぽー:千葉。
�A・おじろく:京都。
◎おしー 味噌汁、お汁 古河市の方言。古くからある関東言葉の可能性が高い。
『食(し)』には食べ物の意味がある。そうなれば、『汁』とは『食露』の意味か。身近な言葉の『汁』の語源は諸説あり、定説が無い。
・おし:埼玉・神奈川・静岡。
・おしー:茨城・栃木・群馬・神奈川・静岡。
・おしけ:鹿児島。
・おすけ:鹿児島。
▽おーじ 垣根に当てる横材の竹 −
◎おーじ アブラゼミ 下館市。
◇おーし 言語障害者、唖 古くは『おうし・おふし』と言った。
・おーし:八丈島・静岡
◎おーし 雌のセミ −
・おーしー 奥州 ・おーしー:青森。
◎おじ
◎おじー
次男以下 ・おじ:青森・岩手・秋田・山形・新潟・富山・石川・岐阜・奈良・三重。多く、長男の子から見た弟を言う。
・おじー:千葉。
・おんじ:岩手・新潟・神奈川。
・しゃで:山形・宮城・福島。
・しゃでー:福島。
・しゃてー:栃木・神奈川。
・しゃでっこ:宮城。
・やつめ:青森。
◆▲おじー 叔父 『集覧:稲・新』。
◎おじー
◎おじーばご
◎おじーばぢ
重箱 茨城方言の直音化は、旧カナ使いの読みの流れに加え、長音をそのまま伸ばす傾向に由来すると考えられる。
じふばこ→じひばこ→じーばこ
器類はしばしば『ばぢ・ばち』『ぼぢ・ぼち』等と言う。
△おしー 【形】欲しい やや古い標準語。『欲しい』と『惜しい』は同源と考えられる。古語に『惜し』は無い。
・おしー:神奈川・静岡。
(おしえでけさいん) 【複】教えてください 宮城。丁寧語。普通は『おしえてくれろ』だろう。
『教えてくれさらん』『教えてくれされ』の意味か。
・おしおし 【感】よしよし h音の脱落。
(おじおじ) 恐れるさま。恐る恐る。 『怖じ怖じ』と当てられる。同義語に『おずおず、おどおど』があるので『怖じ怖じ』は当て字だろう。
・おじ:怖い:鹿児島。
・おしおしする 【動】�@漬物を押す、�A何度も押す �@・おしおしする:神奈川。
◎おーしおまーり 大潮 北茨城市・那珂湊市。
◎おーじが アブラゼミ 真壁郡。
・おしかがる 【動】もたせかける、よりかかる 濁音化。
◆おじがみ
▲おじかみ
◆おじがみさま
・おじがみさん
氏神、氏神様 『集覧:新』。
『う』段音と『お』段音の交代は、関東では茨城だけではないことが判明した。
・おじがみさん:山梨。
◎おじがみまづり
◎おじがんまづり
氏神の祭り −
◎おしかり 稲妻 『お光』の意味。
◆▲おしがる 【動】惜しがる、▲欲しがる 『集覧:行』。
・おじぎ �@挨拶すること、�A辞退 �@現代標準語では主に頭を下げる意味だが、茨城弁では挨拶の意味あいが大きい。『お時宜』の意味と考えられる。
・おじぎ:福島・群馬。
�Aは標準語の古い表現。『御辞儀』。
▲□おじき 伯父 『集覧:多・水』。『伯父貴・叔父貴』。
・おじき:東京。 
◎おしき 搗きたての餅を中に入れて延ばす大型の箱 本来は『折敷:四方に折りまわした縁をつけた、へぎ製の角盆または隅切盆。食器や神饌をのせるのに用いる。足打折敷・角切(スミキリ)折敷・そば折敷・山折敷・縁高(フチダカ)折敷・かんなかけ折敷など種類も多い。』。
・おしき:膳:鹿児島。
(おしきずり) だらしがない人 神奈川。『お引摺り』。
(おしきせ) 毎日二合なら二合ときまっている晩酌の酒 東京。
・おしきせ:晩酌:山梨。
・おしきた 【感】他に対して直ちに応諾する時の語、よしきた h音の脱落。
・おしきり 押し切り 標準語。牛や馬の飼い葉を刻む用具。当時すでに進化した道具になっていて一般には『藁切り機』細長い鉈のような切断部分を上げると回転軸が回転して藁が送り出されるしくみでリズミカルな音がした。時間が来て作業を始めると牛が『まーせん棒』までもの欲しそうに寄って来た。=『がぢゃんこ』。
・おしぎり:千葉。
・おじくそ 臆病者、弱虫、怖がりや、小心者 この方言は、関東では茨城西部と千葉の一部(東部)に残る。ネットによれば関西弁とされ、関西の三重・四国の徳島にもあり、和歌山では『おじくそたれ』とも言う。
現代では動詞の『怖気付く』しか使われないが、古くは『怖じる』(びくびくおそれる。こわがる。ひるむ。)があり文語では『怖づ』と言った。
語源は、動詞『怖じる』から生まれた卑下する名詞形と考えられ、現代の分布域から考えると、古くは東西に広く使われた言葉だったが時代の経過と床に次第に使われなくなり、散在的に残ったと見られる。
・おしくら
・おしっくら
押し競べ。 現代語では『押し競饅頭』が残る。
◎おしくらおに
◎おしくろ
◎おしころ
・おしっころ
押し競饅頭。押し競べ。 −
・おしぐらがす
・おしくらがす
【動】押しまくる、押し付ける ・おしからかす:山梨。
・おしぐる
・おしくる
【動】押しまくる、押し付ける ・おしくる:群馬・鹿児島。
・おすくる:鹿児島。
★うらがらおしぐっとつんのめっちまーど:後ろから押すと転んじゃうよ。
●おしぐれ
◎おしぐれさま
雷、夕立、通り雨 −
・おーしけ 大嵐、暴風雨 『大時化』。
・おじげづぐ 【動】怖気づく −
・おじげる 【動】怖ける、びくびくする、怖がる 濁音化。
・おしこぐる
・おしこくる
【動】押しまくる ・おしこくる:群馬・東京・長野。
▲おしこげない 【複】人が一杯で混雑する様 『集覧:稲』。『押しまくれない』意味。
◆おーしごど 骨の折れる仕事 濁音化。
△▽おしこみ �@押し入れ、�A強盗 古い標準語。
�A『おしこみ強盗』とも言う。
・おしこみへしこみ 【複】何度も押して 『押し込み圧し込み』の意味。
・おしごむ
◆おしこむ
【動】�@無理に押し入れる、�A談判に行く(押し入る) �@の清音形は標準語。
●おじさま
■●おじさん
■おじちゃん
■おちちゃん
祖父 祖父は古くは『おじ』と言い『おほじ』がつまったもの。これらの方言はその名残と考えられる。『おじいさん』とはあまり言わない。
●おじーさん
■●おーじーさん
・おーじーちゃん
●おーじっち
曽祖父 『大爺さん』の意味。
・おしし �@獅子舞、�A獅子舞の面 標準語の口語と言って良いだろう。
◎おしし 埋葬前の墓前祭の際棺を担いで回る際の中心となる備えで笹竹を4本立てたもの。葬列とともに墓まで持ち込み墓に立てる。 =『ししだけ』。
(おじしこ) 深山 鹿児島。
◎おじず ジュズダマ、数珠 『数珠』は『じゅじゅ、ずず』とも発音する。
◎おしぜみ メスのセミ 『唖蝉』の意味。
・おしたぐる 【動】徹底的に押す、押しまくる、押し通す −
◆おしたし �@お浸し、�A醤油 �@『ひ』と『し』の混同。江戸言葉。
・おしたし:群馬。
�A『おしたじ』。
・おしたし:東京。
・おしたじ 醤油 『御下地(醤油)』は死語となった標準語。
土浦は、古くは野田・銚子と並んで関東の三大名醸地であった。また、昭和30年代の農家では各戸で自前の醤油を作るのが当たり前だった。村毎に大きなレンガの煙突があった。神大津地区では、真鍋の田圃の中に大きな醸造所があった。
『おしたじ』はその昔『おひたじ』(お常陸)だったとする説がある。また『むらさき』は『紫峰筑波』に由来すると言われる。
・おしたじ:東京。
・おしたし:東京。
・おしだし 人中へ出た時の姿、恰幅 『押し出し』。古い標準語。
・おしだし:山形。
・おしたら
・おーしたら
【接】そしたら 『ほしたら』のh音の脱落。
・おじぢゃん
・おじちゃん
・おじつぁ
・おじつぁん
・おじっちゃん
・おじっつぁん
お爺さん、祖父 祖父は古くは『おじ』と言い『おほじ』がつまったもの。これらの方言はその名残と考えられる。『おじいさん』とはあまり言わない。
・おじちゃん:栃木。
◎おーしーつく
◆おーしーつくつく
ツクツクボウシ −
□おしつけ 【副】やがて。程なく。まもなく。おっつけ。 『押し付け』。通常は『追っ付け』と言うがれっきとした辞書掲載語である。狂言でも使われることから近世語のようである。
◆おしづまる
◆おしつまる
【動】�@差し迫る、�A年の瀬が近くなる、押し迫る 『押し詰まる』。
・おしーで 【複】教えて 清音なら八丈方言。
・おしていく 【動】無理に行く、強いて行く 『押して行く』。
『俚言』掲載語。辞書に無いのが不思議な言葉。『押す』には『強いてする。障害をおしきってそのまま事を進める。無理をしのんでする。』の意味がある。
◎おしとぎ 米をそのまま潰して粉にして作った団子、粢餅 『お粢』。標準語。『しんこ餅』とも言う。
『うぢがみまづり』の時に作って供える。
・おしとぎ:群馬。
・おしーどさま
・おしーどさん
・おしゅーどさま
・おしゅーどさん
舅(しゅうと) 『舅』(しうと)。
◎おしとづ
▲△おしとつ
◎おしとづとり
◎おしとつとり
お手玉 『集覧:水』。
・おいっこ:埼玉。
・おしと:埼玉。
・おしとつ:茨城・栃木。
・およっこ:埼玉。
☆おしな 田の中の小道、畦 『俚言』掲載語。『おーな』に対する言葉か。『お子畷』の意味か。
(おしなこ) お雛様 宮城。
『お雛』が『おしな』と江戸風に訛り、それに東北弁に特徴的な接尾語『こ』が付いたもの。『おしなこ』という言い方もあるだろう。
◎おしなご
◎おしなごとり
◎おしなっこ
◎おしなんことり
お手玉 お手玉は、広辞苑では『小豆などを小さな布袋に入れて縫いくるんだおもちゃ。幾個かを投げ上げて受けたり拾ったりして遊ぶ。主として少女の遊戯。』とある。
お手玉とオハジキの方言には共通語がある理由は、もともとお手玉の原型は、オハジキに近かったとされる。お手玉は奈良時代に大陸から伝わり、当時は、『石投・石子(いしなご)』『石などり』がそれで、『女児の遊戯。石をまいて、その中の一つを空中に投げあげ、落ちて来る前に、下の石を拾って、ともにつかみとり、早く拾い尽すことを競うもの。いしなどり。いしなんご。なないし。手石。』と広辞苑に解説されている。江戸時代以前は貝や石を使っており、お手玉とおはじきは同じ材料を使っていたようである。江戸時代に現在のような形になり、遊び方が分化したのではないかと考えられる。
『俗語』によれば『なんご』は江戸時代の俗語である。
別に『何個』と言う遊びがある。『(ナンゴとも) 遊戯の一種。碁石・小石または細かに折った杉箸などを握って差し出し、人にその数をあてさせるもの。』とある。
『称呼』には『石投(いしなご):江戸にて手玉といふ。東国にて石なんご又なつこともいふ。信州軽井沢邊にてはんねいばなと云。出羽にてだまと云。越前にてななつごと云。伊勢にてをのせと云。中国及薩摩にて石なごといふ。』とある。当時の代表語は石投(いしなご)であり現代のお手玉は単に江戸限定の方言だったことになる。
『石投・石子(いしなご)』(いしなどり。いしなんご。なないし。手石。)『何個』
☆おしのひとこえ 権威者・有力者などの、衆人を威圧する一言。 『鶴の一声』と同じ意味。
『俚言』によれば、鶴を唖に置き換えたのだという。ただしこの言葉は辞書にも慣用句辞典にもない。
(おしーばち) 食べ物を強いて勧める事 山梨。
関西系の方言と見られるが、接頭語『お』+『強い鉢』と思われ、『鉢』は古くは『�@(梵語 patra  鉢多羅の略。応器・応量器と訳す) 僧尼が日常所持する食器。托鉢のとき持参
する。鉄鉢(テツパツ)・瓦鉢(ガハツ)などがある。はちのこ。�A皿よりは深くすぼみ、碗(ワン)よりは浅く開き、食物・水などを入れる容器。』の意味で使われた。
茨城でも、食べ物の器類の複合語に『はち・ばち』が使われる。
・おーいばち:十分以上に与えられること:静岡。
・おしー:群馬。
・しーばち:佐渡・京都。
・おじはぢや
◎おじーはぢや
◎おじーはぢやさま
�@十八夜講、�A月見の十八夜 9月18日に行う。
◎おじーはぢやだんご 9月18日の月見だんご 県下には餅を搗く地域がありそこでは『おじーはぢやのもぢ、おじーはぢやもぢ』などと言う。
■おしぷぐ
◆おしぼぐ
◎おしぼぐだげ
◎おしぼご
かやぶき屋根の茅を押さえる竹 広辞苑に『矛竹:(神奈川・長野県などで) 草葺屋根の葺草を押えるために用いる竹または木。押矛(オシボコ)。うしほこ。』とある。
◎おしぶぢ 杉皮葺きの杉皮や壁材を押さえる竹 建築の専門用語『押し縁』。
・おしぶち:神奈川。
・おしぶち:嫌疑をかけ白状させること:神奈川。
(おじぶっさま) 仏壇 静岡。
広辞苑に『じぶつ【持仏】:守り本尊として朝夕にその人が礼拝する仏。本堂のほかに私堂に安置し、また身につける。念持仏。』とある。
・おしへし 何度も押すこと 『押し圧し』の意味。『押し圧す・押っ圧す』の名詞形。
◎おじぼ 次男以下 ・おじっぽー:千葉。
(おしまい) 化粧 東京。
東京に残った近世語。広辞苑に『仕舞:(「身じまい」の意で) 化粧。おつくり。』とある。
・おしまいちゃんちゃん 終わり 幼児語。
・おします
◆おしまーす
【動】�@くずぐずする、�A役目を押し付けあう、�Bてこずる、ごたつく、�C世の中のことに対処する、�D強く押す、強く回す 『押し回す』(�@「まわす」を強めていう語。 �A生活をしてゆく。世の中のことに対処する。:大辞林)。
広辞苑には名詞形の『押し回し:才があって役に立つこと。また、顔がきくこと。』がある。
�C『おしまわす』なら標準語。
・おしまわされる:人の言いなりになる:神奈川。
★『土』:目(め)も見(め)えねえのにさうだに押廻(おしまは)すなえ。:目も見えないのにそんなに、あれこれするなよ。
★あいづあーおしまーしがきぐがんな:あいつは、物事の対処がうまいからな。
・おしめ 『しめ』は『しめし(湿布)』の略、赤ん坊の股に当て、大小便の汚れを受ける布や紙、おむつ 『おむつ』は古語の『襁褓(むつき)』に接頭語『お』が付き『き』が略された語とある。『むつき』は、現在使われている意味とほぼ同じで、赤ん坊に着せる肌着やふんどしなどの意味で、平安時代から用いられていたと言う。むつきの語源は、『身(む)』『助詞「つ」』『着(き)』とする説や、『睦衣(むつきぬ)』『紐付(ひもつき)』など諸説あるが、正確な語源は未詳とされる。『おしめ』の方が解り易い。
・おすめ:宮城。
・おしめー お終い 江戸言葉の『おしめえ』。
・おしめー:群馬・神奈川・山梨。江戸言葉。
・おしんめー:山梨。
(おしめーなって ) 【複】仕事をおしまいにしたらどうですか? 山梨。
原型は『おしめえになって(おくんなせえ)』と思われ、江戸言葉のひとつと思われる。原型に『おしめえになっておくんなせえ』『おしめえんなっておくんなせえ』が有るだろう。
▽おしめり お湿り、ほどよい雨 標準語。
・おしめり:東京多摩・山梨。
★いーおしめりだごどねー・いーおしめりだなやー・いーおしめりだねえ・いーおしめりですねー:雨の日の挨拶。
◎おーじも 大量に下りた霜 −
▽おじや 雑炊 やや古い標準語。近世女性語。
・おじや:群馬・神奈川・山梨。
(おしや) 水、冷や飯 東京。典型的な江戸方言。
・おしゃいる 【動】押さえる −
・おしゃが
■おしゃか
造りそこない、不良品 『御釈迦』。
・おしゃか:頭からずぶ濡れになること・銭を使い果たすこと:神奈川。
・おしゃがさま お釈迦様 濁音化。
・おしゃぐ 酒を注ぐこと 『御酌』。
(おしゃくし) 顎がしゃくれていること。 山梨。
・おしゃぐする 【動】酒を注ぐ −
・おしゃじ 匙、スプーン 標準語だが今では使う人は少ない。
(おしゃべくり・おしゃんべくり・おしゃんべり) おしゃべり 神奈川。
◎おじゃま 【形動】おしゃま −
◎おしゃます 猫 明治初期に流行った『猫じゃ猫じゃとおしゃますが 猫が 猫が杖ついて 絞りの浴衣で 来るものか』という唄に由来する洒落言葉である。
・おじゃまぐぢ 余計な言葉、お節介 流行語の濁音化。
△おじゃみ お手玉 関東以西・九州まで。茨城・埼玉・神奈川・八丈島・山梨・富山・岐阜・静岡・愛知・福井・大阪・奈良・島根・兵庫・広島・山口・四国全県・大分・宮崎・熊本。
県下では那珂郡・真壁郡・新治郡・稲敷郡。東北には無い珍しい例。
◎おじゃらがす 【動】からかう。 『戯かす』。
◆おしゃらぐ
■▲▽おしゃらく
お洒落 濁音化。『集覧:鹿・稲・多・北』。
古い標準語の『おしゃらく』(御洒落)。下賎の遊女の意味もある。広辞苑には『(もと、関東の女の言葉) おしゃれ。浮世風呂二「黒油でもなすつてもう一ぺんおしゃらくをする気だものを」』とある。
近世の浮世絵画家『写楽』は『おしゃらく』(御洒落)を意識したのだろう。
『俚言』によれば水戸では『手弱女(たわやめ)』( たわやかな女。なよなよとした女。)を指したとされる。
・おしゃ:長野。
・おしゃらく:宮城・神奈川。
・おしゃらく:遊女:静岡。
・しゃれこ:福島。
県下では、他の名詞について様々な言葉を作る。
・おしゃらぐかなへび:蒼く光るカナヘビ。
・おしゃらぐぐみ:娘組。
・おしゃらぐけむし:イラガの幼虫。
・おしゃらぐどり:アカゲラ。
・おしゃらぐどんか:センバハゼ・ビリンゴ。
・おしゃらぐとんぼ:ハグロトンボ。イチチンボ。
・おしゃらぐゆり:オニユリ。
・おしゃらとんぼ:イトトンボ。
◎おしゃらぐたなご
◎おしゃらぐにがた
◎おしゃらぐぶな
・おしゃらぐべだ
◆おしゃらぐべた
◎おしゃらぐめ
◎おしゃらぐめだ
繁殖期に鮮やかな色になったタナゴの雄、タナゴの雄 −
・おしゃらぐっこ
・おしゃらぐや
お洒落な人 −
◎おしゃらでー
▲おしゃらであー
タコマクラ(ウニの仲間) 『集覧:無記載』。『お洒落台』の意味か。
◎おじゃり
▽おしゃり
カイコの御舎利病 『御舎利』『御舎利病』。
(おじゃる) 【動】�@「在る」「居る」「来る」「行く」の尊敬語。�A「〜である」の丁寧な言い方。 『御出である』が訛ったとされる。
・おじゃった:いらっしゃった:鹿児島。
・おじゃったんせ:いらっしゃいませ:鹿児島。
・おしゃれっこ
・おしゃれや
お洒落な人 ・おしゃれっこ:福島。
・おじゃん 【形動】途中でだめになる様、不成功の様 鎮火の時の半鐘の音に由来する。標準語。
(おじゃんか) きかん坊 神奈川。
・おしゃんこ 正座 幼児語。
・おしゃんこ:かしこまる事・すわる事:静岡。
▲おじゃんになる 【複】途中でだめになる 『集覧:新』。明治時代には方言と解釈された事になる。
・おーじょ 打開策が見つからず苦労すること、観念すること 『往生』。
・おしょーい 醤油 ・おしょい:群馬。
・おーしょーがづ 正月 『小正月』の対語。『大正月』は、今や、日常生活では使うことは稀になった。
・おーしょーがつ:群馬。
◎おしょーがづ
▲おしょーがつ
◎おしょーがづさま
門松 『集覧:多』。県北部。
広辞苑に『門松:新年に、歳神を迎える依代(ヨリシロ)として家々の門口に立てて飾る松。松飾り。飾り松。立て松。』とある。
◎おしょーがづさま 正月の神様 県北部。
・おしょがっつぁん:宮城。
◎おしょーがづさまおぐり
◎おしょーがづつぁまおぐり
1月14(15)日の火祭り 県北部。
◎おしょーがづさまむがい 12月28日に門松用の松をとりに行くこと 県北部。
・おしょーぎ お仕置き ・おしょーき:神奈川。
(おしょこ) 細い竹 埼玉。
(おじょこ) 子供の生意気な又は大人びた態度・言葉 長野。
◆おしょこなり 身支度、格好 『しこたれ』と同じ意味。『お』+『しこ』+『成り』の意味か。
・しょんなり:静岡。
・おーじょーこぐ
・おーじょする
【動】苦労する、てこずる、観念する 『往生する』。
(おしょさん) 師匠 東京。
(おしょーし) 【形】【形動】�@気の毒な様、�A滑稽な様、(�B恥ずかしい) 名詞形の『笑止』には、『恥かしく思うこと』の意味があるのに、形容詞形は辞書では方言として扱われている。
『俚言』には『しやうし:越後にて恥ずかしいこと。』とあり、江戸時代にすでに方言と認識されていた言葉である。
・おしょし:岩手・秋田。
・おしょしー:東北・宮城・長野。
・おしょーし:気の毒:静岡。
・おしょーしー:恥ずかしい:神奈川・長野。
・おしょしがり:恥ずかしがり:宮城。
・おしょす:岩手。
・おしょすい:岩手・宮城。
・おしょすがる:恥ずかしがる:宮城。
・しょし:青森・秋田。
・しょしー:青森。
・しょーし:恥:千葉・新潟。
・しょーし:東北全県・千葉・新潟・長野・静岡・淡路島・隠岐・高知。
・しょーしー:山形・福島・千葉・群馬・新潟・静岡・三宅島・長野。
・しょーしがる:恥ずかしがる:山形。
・しょす:岩手。山形・福島・千葉・群馬・新潟・静岡・三宅島・長野。
・しょすい:宮城。『笑止』(�@気の毒なこと。�A滑稽なこと。�B恥かしく思うこと。)を起源とした方言。
(おじょーぞ) お世辞 山梨。格助詞『を』を含んだ『お上手を』が訛ったと考えられる。
◆おしょたれ 身支度、格好 『しこたれ』と同じ意味。
(おしょっぱ) お転婆 神奈川。
◆おしょーばんやぐ 結婚式の接待役 標準語の『相伴』は、逆に『饗宴の座に正客に陪席して同じく饗応を受けること。また、その人。転じて、他人に便乗してその利益を受けること。もてなしを受ける』意味。
・おしょーばん:神奈川。
(おじょーもん) 未婚の若い娘 山梨。
(おじょーろ) 朝寝坊 神奈川。
・おしょる 【動】折る 『押し折る』意味。
青森・岩手・秋田・宮城・山形・福島・千葉・栃木・長野・福井・愛知・淡路島・大分・福岡・長崎・熊本・鹿児島。
◎おじょんこ (物事の)上手な子、良い子 =『じょんこ』。県南部。
◎おじょんこ
◎おじょんじょ
◎おじょんじょこ
お手玉 県北部。県南部では草履を『じょんじょ・じょんじょこ』と言う。
・おしらがす 【動】押しのける ・おしらかす:山梨。
・おしらげる 【動】押しのける
(おしらさま・おしらさん) 蚕 静岡。
広辞苑に『おしらさま【おしら様】:東北地方の民間で信仰する養蚕の神。男女一対の桑の木の偶像で、馬頭のもの、烏帽子を被った
ものなどがある。いたこ(巫女)が祭る。「おしらかみ」「おしらぼとけ」とも。』『おしらこう【おしら講】:関東の養蚕地で、蚕の神を祭る行事。女ばかりの会合で、多く正月に行われる。蚕日待(カイコビマチ)。』とある。
ちなみにネットサイトの「津軽のことば」その149(au用)に以下の解説がある。『「お」と「さま」をとれば、「しら」が問題の焦点となる。あるいは、真理は近きにありで、「白」が本元かも知れない。白・姫・雛・蚕・絹・養蚕の神・巫女、並びに仏教渡来以前の、神に奉仕せる女、そして「いたこ」等々。そんなところから、「語源」も、その「いわれ」も導き出すことが出来るのではないか。』と締めくくっている。
・おかいこさま:神奈川。
・おかいこさん:神奈川。
・おけーこ:神奈川。
・おけーこさん:神奈川。
・おこさま:神奈川。
・おこさん・おこはん:神奈川。
・おしなさま:養蚕の神:青森。
・おしら:蚕:山梨。
・おしらあそび。正月十六日、おしら様の祭日に、「いたこ」と称する巫女が……儀式をいう。
・おしらがみ。古くは全国的に民間で祀った神の名。何神かは、不動尊説、馬娘神説、盲巫山女説、北方神説、アイヌ神説などあり、何れとも決しがたい。紳体は……。
・おしらさま:養蚕の神:青森・神奈川・群馬県多野郡。
・おしらさま:蚕:埼玉・神奈川・山梨・静岡。
・おしらさん:静岡。
・おひめさん:蚕:神奈川・静岡。
・おひらさま:男女二体の偶像の神:岩手県。
・おぼこさん:山梨。
・きぬがささま:養蚕の神:群馬県勢多郡。
・けーこ:神奈川。
・けこじょ:鹿児島。
・しゃーかみ:養蚕の神:八丈島。
・ひめこさん:静岡。
・ひめっこ:静岡
・ぼぼさま:長野。
・ぼぼーさま:長野。
『おしらさま』は広辞苑では東北に限定しているが、東日本の方言と見られる。
『おしらさま』に代表される言葉は竈の神様を指す『御釜様(おかまさま)』によく似ている。
大阪を代表する、物を指す接尾語『ちゃん』とは異なり、東国の『様』ははるかに威厳があるニュアンスを残していると考えられる。
◆おしる 汁、味噌汁 やや古い標準語。
(おしる) お昼 東京・神奈川。典型的な江戸言葉。
・おじる 【動】怖じる ・おじー:鹿児島。
・おしーる 【動】教える 自動詞形は『教ゆ、おしふ』。現代語形の『教える』は本来は『おしふる』で、この方言は古形の流れ。
・おしぇる:宮城。
・おしる:宮城。
★おれにもおしーろよ:僕にも教えてよ。
★あんちゃんがおしーっからおめはあすんででいーど:兄さんが教えるからお前は遊んでていいよ。
・おしるくみ おたま −
・おしるのみ 汁の具、味噌汁の具 『お汁の実』。『汁の実』なら『俚言』掲載語。
◎おしるわん 汁物を盛る椀。 標準語世界ではあまり使われない。
・おしれー お白粉 江戸言葉。
・おしれ:神奈川。
・おしれー
・おしろこ お汁粉 ・おしろこ:東京。
(おしわんぼ) けちん坊 神奈川。『お吝ん坊』。
・おしん 汁、味噌汁 当時の高齢者言葉。『おしー』とも言う。
・おじんぎ 挨拶 『お辞儀』。当時の高齢者の言葉。
・おじんぎ:神奈川・山梨。
・おじんちゃま
◆おじんつぁま
▲おじんつぁん
お爺さん 『集覧:稲・東・西・真』。
・おじんちゃ:福島。
・おじんつぁん:宮城。
◎おーしんつく
◎おーしんつくつく
ツクツクボウシ ・おーしん:群馬。
・おーしんちくちく:栃木。
◎おじんどん 財産家 筑波郡。『御臣殿』の意味。=『だいじんどん』。
・おしんのみ
・おすんのみ
汁の具、味噌汁の具 『お汁の実』。
◎おしんぼ
◎おーしんぼ
言語障害者 『唖の坊』の意味。
(おしんめー) 注連飾り 山梨。
(おす) 【副】遅く ・鹿児島。
『遅う』が訛ったか。
(〜おす) 【助動】あります。ございます。 今では京都に残るが本来は『どす』のはずである。広辞苑には『江戸吉原松葉屋から始まった遊女詞。あります。ございます。通言総籬(ツウゲンソウマガキ)「うれしう―・す」』とあり、京都に移入されたと見られる。
江戸の遊郭言葉は出身地が解からない様独自に作られた言葉とされるが、今でもその名残があるのは興味深い。『どす』は『でおす』が転じたと見られる。
確かにこの言葉は『おわす』でも『ごわす』でもなく、『あす、あんす』『やす、やんす』でもなく『がんす』でも『おます』でもない。敢て言えば『ごす・ごっす』に当たる空白を埋めたとも思える。当時の江戸の遊郭商人達が需要(田舎女ではなく都会の女を求める需要が多かったと考えられる)に応じたの努力が伺える。
江戸の遊郭言葉は、江戸時代に中央から発信した政策的・意図的な言葉で、それが今に残っていることは興味深い。
(おーず・おーぞ) 【副】あまり、そんなり 群馬。
語源は『おおぞう』と見られるが意味が変化している。『大図をば』の意味か。
(おーず・おーずっぱち) 【副】凡そ 山梨。
広辞苑に『おおぞう:(オホは「大」か。ゾウは仮名遣不明。一説にオホザフ(大雑)からとも) おおかた。通りいっぺん。おおざっぱ。』とある。
・おすい 【形】遅い −
▲△おずい 【形】�@恐ろしい�A強情だ、�B悪賢い、こすい、�C□賢い、�Dませている 『おぞい』の転。古語の『悍し(おずし)』(強情で勝気である。おぞましい。)の流れ。『集覧:稲・西』。
・おすがら 【接】そうしてから、だから ★長塚節『芋掘り』の一節:おすがら内の土藏ん所(と)け置いたの今朝盜まったんだか何んだかねえんだ:そうしてから家の土蔵のところへ置いたのが今朝盗まれたのかどうか無いんだ。
・おすける 【動】押し付ける ・おすける:千葉。
・おーすっと 【接】そうすると −
(おずね・おずる) 山続き 静岡。
(おすば) (女の子などの)はにかみや 神奈川。
さらに『意気地なし』を『すばくらもの』と言う。茨城では『ボラの稚魚、スズキの稚魚』を『ずば・すば』と言う。『お』は接頭語と考えられる。古語の『楚・杪(すばえ・すわえ・すはゑ):木の枝や幹から細く長くのびた若い小枝。しもと。』(素生えの意味か)の流れと見られる。
・おすんば:内気・小心:静岡。
(おすべり) 薄縁 神奈川。
◎おすまし 味噌を濾した汁。すまし汁。 −
(おずむ・おづむ) 【動】目覚める ・鹿児島。
(おずる) うどん 静岡。『お』は接頭語。
・おする 味噌汁 昭和30年代後半から『おしる』に変化して行った。
◎おするし �@おしるし、証拠、あかし、�A贈り物、心づけ �A・おするす:宮城。
・おせー
・おーせー
【形】遅い ・おし:鹿児島。
・おすか:鹿児島。
・おせ:鹿児島。
・おせー:山梨。
(おせ) 大人 鹿児島。『長老衆』の意味の説あり。
・おーぜ 【形動】大勢 ・おーず:群馬。
・おーぜーまんぜー:神奈川。
・おーぞ:群馬。
◎おせ
◆おせー
おかず、惣菜 『お添え』または『お菜』。
『おかず』は沢山取り揃えることから『お数』の意味だと言う。次第に『おがず』に変わって行く。
・おかど:山梨。
・おせー:神奈川・山梨。
・おせーさん:群馬。
・おそい:山梨。
・おぜー 【形】�@悪賢い、こすい、�A賢い、�B強情だ、ませている、�C恐ろしい 『おぞい』。
�@・おぜー:神奈川。
・おでー:静岡。
・ちおぜー:栃木。『血または気がおぞい』意味か。
�C・おぜ:鹿児島。
・おぜー:島根・大分・宮崎・熊本。
・おぜもん:恐ろしいもの:鹿児島。
・おぞか:鹿児島。
�Dその他。
・おぜー:弱い:静岡。
・おぜー:粗末・粗悪:静岡。
・おせおせになる 【複】仕事が次々に重なって延び延びになる、期限が目前に迫る 『押せ押せになる』。
・おせーがす
・おせーごむ
【動】教え込む ・おせーこと:他人のことを内密に告げ口すること:静岡。
(おせくち) 告げ口 宮城。『教え口』の意味と思われる。
(おせさえ) 【複】教えなさい 宮城。
『教えされ』『教えさい』。茨城方言風に言えば『おせーっせー』だが文献には無い。
・おせーじ
・おせち
お世辞 −
・おせーじいー
・おせーじもん
・おせーじゆい
お世辞を言う人 ・おせじがいー:神奈川。
・おせじのいーひと:神奈川。
・おねーら:神奈川。
・おせじもん:東京。
・おせーじもん:神奈川。
・せじもん:神奈川。『世辞者:世辞の巧みな人。』。
■おせち 軽薄 『世知・世智』は『けちなこと。勘定高いこと。』、『切』は『特にはなはだしいこと。また、さし迫ったこと。しきり。ひたすら。ねんごろ。』なので『急く』の名詞形か。土浦市の方言なので『お世辞』が訛って『おせち』となり、お世辞を言う人を指して言ったとしか考えられない。
◆おせっけー お節介 江戸言葉。
・おせっけー:神奈川。
・おせーつげる
・おせーつける
【複】【動】押さえつける ・おせーつける:神奈川。
・おせっこする 【複】【動】一緒に勉強する、教えあう 30年代の言葉。
・おせーっぺ
・おせーべ
・おせーべー
【複】遅いだろう 茨城では本来は『おそがっぺー』。
左記は分布の偏りはあるものの千葉県各地で使われる。このうち『おせーっぺ』が特に千葉方言的である。
・おせーどぐ 【複】【動】�@押さえて置く、�A教えておく 『ぐ』は鼻濁音の場合もある。
・おさーとく:神奈川。
◆△おーぜみ アブラゼミ =『ぎーとる』。
『大蝉』は明治期の小説にも出て来る。
・おーぜみ:秋田・埼玉・群馬・神奈川・静岡・岡山。
・おーぜみ:ミンミンゼミ:宮城・千葉。
(おせもち) 背の高い人を褒める言葉 宮城。『お背持ち』の意味。
(おせらしい) 【形】大人しい ・鹿児島。
◎おせる
◆▲おせーる
【動】�@教える、�A押さえる 『集覧:北・真』。=『おしーる』。
�@『おせえる』は江戸言葉である。
・おしぇる:宮城。
・おせいる:八丈島。
・おせる:宮城・福島。
・おせーる:群馬・東京・神奈川・山梨・静岡。
・おそゆる:鹿児島。
★よぐおせでもらーべ:良く教えてもらおう。
★だいにもおせね:誰にも教えない。
★おめ、おせろっちゃなんだ。おんにもおせろよ:お前、オセロってなんだい。俺にも教えろよ。
�A・おしゃんでる:押さえてる:福島。
・おせーる:神奈川・山梨。
・おぜん 食事、食べ物を載せる台 『お膳』。古い標準語。
★おぜんがでできた:お膳が出て来た。
★はーおぜんにすっぺ:もうご飯にしよう。
◆おせんどばばー 春欄 −
▼△おそ〜 【接頭】形容詞について、その傾向があること。薄〜。 薄→うそ→おそ。東北系の方言。
神奈川では『薄縁』を『おすべり』という地域がある。
・おそ〜:山形・宮城。
・おそこちたね:薄汚い:宮城。
・おそりこー:小利口:山形。
・おそあがり 数え八歳で小学校に入学すること。 『遅上がり』。
・おそあし ゆっくり歩くこと 古い標準語の『遅足』。
・おそあまい
・おそあめー
【形】味が薄く甘くない 『うそ甘い』。
▲□▼△おぞい 【形】�@恐ろしい�A強情だ、�B悪賢い、こすい、�C□賢い、�Dませている 『悍い』。死語となった標準語。『集覧:新・筑・北』。=『おずい』。
古語の『悍し(おぞし・おずし)』は『�@恐ろしい。�A強烈で強情である。�Bわる賢い。ずるい。』意味。賢い意味やませている意味はは標準語には無いが�Bの意味が僅かに転じたのだろう。『おぞましい』と同源。
茨城では�B�C�Dの意味で使われる。
『称呼』によれば、江戸時代から使われた言葉で、『をぞいとは尾州・奥羽邊にて物のあしき事也。然るに駿河わたりより武蔵上野邊迄物事かしこき事に云ならはせり。』とある。
この言葉は現代の若者言葉の『うざい』に間違いなく繋がっている。
�@恐ろしい。
・うぞい:残酷な:石川。
・おぞい:宮城・滋賀・三重・島根・愛媛。
・おぞい:大きい:宮城・三重。
・おぞい:忙しい:兵庫・岡山。
・おぞい:残酷な:石川・福井。
・おそがい:岐阜。
・おぞげ:おそれる心・おじけ:佐渡島。『』(おぞけ)。
�A強情だ。
・おぜー:
・おぞい:
�B悪賢い。
・おぜー:神奈川・長野。
・おぞい:長野・茨城・神奈川・山梨・鳥取。
・おぞい:たちが悪い:静岡。
・おぞい:悪い:北陸・中部。
・おぞい:けちな:岐阜。
・おぞっこい:神奈川。
・おでー:山梨。
・おどい:神奈川・山梨。
�C賢い。
・うぞい:宮城。
・おぜー:群馬・埼玉・島根。
・おぞい:山形・関東・神奈川・新潟・京都・広島・愛媛。
・おぞっこい:神奈川。
�Dませている。
・おぞい:秋田・山形
�Eその他。
・うぞい:粗悪な:富山・石川。
・おぞい:粗末ですぐにだめになる様:長野。
・おぞい:悪い・良くない:佐渡島。
・おぞい:弱弱しい・気力が無い:静岡・長野。
・おぞい:粗末・粗悪:静岡。
・おぞきゃー:凄い:静岡。
・おぞけ:おじけ・恐ろしい感じ:静岡。『怖気』。
・おでー:こすい:静岡。
・おぞい 【形】遅い 『鈍い』。『鈍し(おぞし)』((オソ(遅)シの転。近世・近代に用いられた) のろい。にぶい。)。これは昭和30年代に使われた言葉である。『悍い』が早くから廃れたのは、この『鈍い』との競合のためだろう。
・おぜー:神奈川。
(おぞおぞする) 【動】怖がる 神奈川。『おじおじする』『怖ず怖ずする』意味か。
『おぞ』を語幹とする言葉に『怖気』『怖気立つ』『怖気付く』がある。
・おそがげ 【複】遅れること 『遅い』+『駆ける』。
・おそがけ:東京。
・おそがっぺー
・おそがんべー
【複】遅いだろう 原型は『遅かるべし』。
千葉では『が』は清音である
・おそぐなりやした
・おそぐなりやんした
【慣】遅くなりました ・おそなおりました:神奈川。『おそうなりおりました』。
・おそなわる:遅くなる:東京。
・おそぐに 【複】遅い時間に、遅い時機に、最近 清音なら標準口語。辞書不掲載。遅いこと=最近のこと。
★あそごのおぐさんはおそぐになぐなって、いーやだんなはかーいそーだでやー:あそこの奥さんは、最近亡くなって、いやー旦那は可哀想だよなー。
◆おぞぐねえ 【形】素直でない 『おぞい』の否定形だとすると意味が異なる。『おぞけ』(おそれる心、おじけ)なら怖がらない意味で素直でない意味に転じたのだろうか。『悍い』が早くから無くなった一方、『称呼』にもあるように武蔵や下野で使われた『賢い』意味が残り否定形だけが残ったのかもしれない。
◆おぞぐる
◎おぞくる
【動】木や竹の枝を切る、切ってつめる、切って束ねる 土浦市・稲敷郡・行方郡の方言。関東方言である。現代語の『殺ぐ・削ぐ』は古くは清音だったというから『尾削ぐ』意味か。
・おぞくる:切りそろえる:東京多摩・神奈川。
・おどくる:切りそろえる:神奈川。
◎おそげーぶんわるい 【形】外聞が悪い 『おそ』は接頭語。
・おぞげづぐ
・おずげづく
【動】怖気付く、おじけづく 『おぞけづく』ならやや古い標準語。
・おぞげる 【動】怖ける 名詞形の『怖気』(おぞけ)ならやや古い標準語。
◎おそこそ 【副】�@いろいろ、あれこれ、�A多分 �@は『あちこち』の意味と思われる。
『土』★俺(お)ら其處さ入(え)れてえと思つて、おそこそ聞いて見たんだが借りんのにや保證人無くつちゃ駄目だっちから。
◎おそこわい 【形】ひどく疲れた様、無駄に疲れた様 『おそ』は接頭語。本来は、何となく疲れた意味のはずが強調語となっている。
・おそーしぎ 葬式 丁寧語。
・おそすぎ:宮城。
◎おそそらへんじ 生返事 『おそ』は接頭語。
・おそっけー
・おそっちー
・おそっぽい
◎おそーっぽい
【形】遅い ・おそっぱめ:遅い時間に:山梨。
(おそっさま) お祖師 東京。
◎おそっちぐなる 【複】【動】涼しくなる −
◎おそっちござんす 【複】涼しくなりましたねえ −
◎おそてり 薄曇り −
・おそない
・おすない
お供え 毎朝、家の中の各所に祭られた神様等(仏様、神様、氏神様、お釜様、七福神等)に小さな器に添えたご飯と水をお供えした。
★おそないもぢ:お供え餅。
▼おぞーない 【形】�@恐ろしい、怖い、�A非凡だ、すごい、並外れている 稲敷郡の方言。『悍い』。
(おそなおりました) 【複】遅くなりました 神奈川。オソナワル 遅くなる 「こみあっていまして、ついおそなわりました」
(おそなわりました) 【複】遅くなりました 東京。古語の流れ。
広辞苑に『おそなわる【遅なわる】:遅れる。遅くなる。遅参する。』とある。
・おそねー
・おすねー
お供え ・おそねー:供え餅・鏡餅:群馬・神奈川。
(おそのみ) あなた、ご自分 宮城。『御其の身』の意味と言う。
▲おそべりなさい 【複】寝なさい 『集覧:無記載』。『そべる(横になる。ねそべる。)』は古い言葉。現代語では『寝そべる』に残っている。
・おそべりなし:長野。
◎おそべりなんしょ 【複】横になってゆっくりして下さい。
▲▼おそーまい 【形】味が薄く甘くない 『集覧:稲』。『うそ甘い』『薄甘い』。
・おそまづでござんした
・おすまづでした
・おすまづさまでした
・おそまづでした
・おそまづさまでした
・おそまづでごぜーやした
【複】【慣】お粗末でした 食事が終わった時、客が帰るときなどの客への挨拶、決り文句になっていた。
・おそーそさまでした:客が帰るときなどの客への挨拶:東京。『お早々様』の意味か。
・おそまつさま:東京。
△おそめ △�@人形、�A人形につける名前 �@・おそめ:千葉。
□おそれもうす 【感】他人の家を訪問した時、帰る時の挨拶言葉 古語。『国誌』には『おそれまをす』と表現されている。
・おぞろしー 【形】おそろしい 『おぞし』と『おそろしい』のミックスか?。
(おそろしー) 【形】大きい 静岡。
・おそわる 【動】教えられる。教えを受ける。知らせてもらう。 『教わる』。
・おさわる:群馬。
・おすわる:東京。
◎おそんちくなりやした
◎おそんちくなりやーした
▲おそんちゅくなりやーした
【複】�@▲夕方の挨拶(遅くなりました)、�Aお涼しくしくなりました 『集覧:新』。『集覧』と『茨城方言民族語辞典』では意味が分かれている。
◆▲▽おだ 稲架 『集覧:稲・新』。
広辞苑には『おだ:(茨城・千葉県で) 稲架。おだかけ。その脚となる二本の立木を「おだあし」という。』とある。
『おだ』は『小田』と書き、田んぼを意味する。
・おだ:茨城・千葉。
★おだーしぼー:稲架の脚部分。
★おだぎ・おだばり・おだむね:稲架の横架材。
★おだがげ:刈り取った稲を田んぼで稲架に掛ける作業。
■おだ �@薪木、粗朶、�A■淡水魚漁の一つ、�B網干し場 �@古河市。
�A県南部。木枠に粗朶を入れて魚を誘き寄せる。
�B新治郡。
(おた) 冗談・でたらめ 静岡。
・おーだ
・おーた
【代】そんな そんな→そーた→ほーた→おーた。
・おーだ 【感】�@そうだ、�A解った �@そうだ→ほーだ→おーだ。
�A『応だ』。
・おーだ 【形動】大雑把 『おおだっぱ』の転。
(おだー) 気炎 神奈川。
◎おだあげる 【動】�@気炎をあげる、�A集まって談笑する 『おだをあげる』なら古い標準語。
『おだ』は『小田原評定』(いつまでたっても結論の出ない会議・相談)に由来するとされる。結城郡ではまとまりのない話を『おだわら(小田原)』と言う。本家の神奈川では『おだをあげる』は変化してしまっている。
・おだあげる:いばる・酒を飲んで威張る:神奈川。
・おだーあげる:いばる・自慢話をする:神奈川。
・おだーあげる:酒の座などで言いたい放題のことをいい気勢を上げること:山梨。
・おーだーあげる:いばる・気炎を上げる・酒に酔って威張る:神奈川。
・おだまく:いばる:神奈川。
・おだをあげる:千葉・埼玉・群馬・新潟・静岡。
・おだをほーる:誇大なことを言う:神奈川。
・おーだをあげる:声を出して威張る:神奈川。
・おでをあげる:いばる:神奈川。
・おーでをあげる:いばる:神奈川。
・おどあげる:いばる:神奈川。
・おどをあげる:いばる:神奈川。
・おーどをあげる:いばる・気炎を上げる神奈川。
・おーどーをあげる:神奈川。
・おどーあげる:大きいことを言う:山梨。
◎おだあし �@稲架、�A稲架の支柱 広辞苑掲載語
�@・おだあし:千葉。
・おだあしぼー 稲架の支柱 −
◎おだい
◎おだいや
台所 広辞苑に『御台:(御台盤の略)�@食膳。�A(女房詞) 飯。ごはん。狂、岡太夫「白飯(ハクハン)山とは白い―の事」』、『台屋:遊郭で料理の品を調える家。しだしや。台の物屋。』とある。『香取』にも掲載。
(おだい) 財産家 静岡。『お大尽』の略か。
・おだいが
・おだいか
【形動】穏やか 『おだいか』は『穏やか』の古形。『おだひか』。
・おだいじなさい
・おだいじんなさい
・おだいじんなせー
【感】お大事に −
(おだいじもない) 【感】有難う 静岡。『大事ない:(「ない」は甚だしいの意) この上もなく大切である。立派である。』の意味か。
◎おだいじん
・おだいじんさま
【古】金持ち 『お大尽(だいじん)』。裕福な家を指して『だいじんどん、でえじんどん』とも言った。
・おだい:静岡。
・おだおだ 【副】おたおた ・おだおだ:神奈川。
・おたがい 【形動】気ぐらいが高く、尊大である ・おたかい:神奈川。
◎おだがげ
◆おだがけ
◆おだかげ
�@稲架、�A稲架に稲を掛ける作業 広辞苑に『おだ:(茨城・千葉県で) 稲架。おだかけ。その脚となる二本の立木を「おだあし」という。』とある。
�@・おだがけ:千葉。
・おだかけ:神奈川。
◎おだぎ �@稲架、�A稲架の支柱 『小田木』の意味。
・おだぐ
◆おだく
【動】吐く 県内にはさらになまって『おざく』と言う地域がある。標準語と照合できない言葉。
『だぐ、だく』とは『吐く』の可能性が高い。すなわち『つはく【唾く】:つばをはく。』に由来するのではないか。
『喉につかえる、むせる、吐きそうになる』を茨城では『のざく、のぜーる、のぞいる』と言う。
・えだぐ:吐きそうになる・えずく:山形。
・おたき:反吐:静岡・八丈島。
・おたきあげ:吐いたもの:神奈川。
・おだく:神奈川。
・おたく:長野・静岡・岐阜。
・おーだくさん 【副】沢山 『大沢山』の意味。
・おだげー お互い ・おたげー:群馬。江戸言葉。
・おだげーこ お互い様 −
・おだげーさま
・おだげぇさま
お互い様 −
・おだげーに
・おっだげぇに
【副】お互いに、お互い様に −
・おだげっこ
・おだげえっこ
お互い様 −
・おだげる 【動】ふざける 『おどける』の転。
・おたごど
・おーだごど
・おーたごど
【複】そんなこと −
▲おたし
△おだしー
・おだーしー
【形】大人しい、穏やかな様 古語の『穏し(おだし・おだいし)』。『集覧:北』。
・おだしー:宮城・茨城・千葉・神奈川。
▲おだしー 馬鹿 『集覧:猿』。『穏し(おだし・おだいし)』の意味の転。
◆おだーし �@稲架、�A稲架の支柱 『小田脚』の意味。
◆おだーしぼー 稲架の支柱 『小田脚棒』の意味。
◎おたた 妻 広辞苑に『御母様(おたあさま):(対屋タイノヤにいることから) 母の尊敬語。宮中、貴族公家、賀茂の神官、本願寺両家の家庭で用いる。おたたさま。』とある。
(おただあれ) 誰にでも馴れやすい人。 山梨。
(おだぢ・おたち) 酒や飯を強いること 辞書掲載語。東北。宮城の民謡に『御立ち酒』がある。
『御立ち』は本来『�@出立すること、また、来客の帰ることの尊敬語。�A出立(デタチ)の膳。』の意味だが次第に変化したと見られる。
・おしいばち:山梨・愛知。
・おたち:東北・新潟・長野。
・おたち:十分に食べること:宮城。
(おたちない) 【形】直ぐなくなる様 神奈川。
(おだちもの) おどけもの 宮城。
(おだつばしら) 大黒柱 静岡。
・おだづ 【動】はしゃぐ、調子にのる 標準語の『煽つ』(おだつ)は、煽てる(おだてる)意味だが、他の訛形を考えると自動詞形としての『煽つ』(おだつ:はしゃぐ、調子にのる)があって、その他動詞形としての煽てる(おだてる:喜ばせる)があると考えると理解し易い。
・おだづ:岩手・宮城・福島。
・おだつ:ふざける:宮城・福島。
・おたつ:不恰好の結び方:山梨。
・おだづな:ふざけるな:岩手。
・おだづなよ:ふざけるなよ:宮城。
・おだづもっこ:お調子者:宮城。
・おだる:北海道。
(おたっこない) 【形】子供っぽい 長野。
・おーだっぱ 大雑把 半濁音は濁音で発音されることがある。『大束(おおたば)』(大雑把と同じ意味)または『大雑把』が転じたと思われる。
・おーぞく:長野。『おおぞう』。
・おーだっぱ:山梨。
(おだてころべーる) 【動】おだてあげる 神奈川。『煽て包める』意味か。
・おだでにのる 【複】調子に乗る、おだてに乗る −
◆おだでもっこ おだて、そそのかし 古い慣用句に『煽て(おだて)ともっこには乗りたくない』(昔はもっこに死刑囚を乗せて運搬したため、おだてともっこに乗せられてはいけないという戒め)がありそれが転じたものだろう。
・おだ:山形。おだにのった:煽てられた。
・おだちもっこ:福島。
・おだじる:山形。おだじるくわしぇる:煽てる。
・おだづもっこ:お調子者:宮城。
・おだてもっこにのる:おだてられる:神奈川。
・おーたな 【複】【連体】そんな −
・おーたに 【複】【連用】そんなに −
・おーだに 【複】�@そんなに、�A大雑把に −
◎おだぬぐ
△おだぬく
◎おだーぬぐ
▲おだーぬく
【動】出し抜く、嘘をつく、先を越す 『集覧:真』。『集覧』では『虚言を吐く』と解説されている。
茨城・千葉限定なので稲架と関係があると思われる。また『おだをあげる』(気炎を上げる)に対する対語の可能性も有る。
・おだぬく:千葉。
■おだのみじーくや 妊婦が十九夜講の人達に頼んで、安産の念仏を唱えてもらうこと −
・おだのもーし
・おだのもーす
・おだのもーします
・おだのーもーしやす
・おだのもーしやす
・おだのんもーす
・おだのんもーしやす
【複】【慣】【古】お願いします、ごめんください 訪問時の挨拶言葉。古い言い回し。『お頼み申し上げます』。
京都でも挨拶言葉として『よろしおたのもーします』が使われる。
・おーたば
・おーだば
【形動】おおざっばな様、偉そうな様、はでにふるまう様 『大束(おおたば)』なら標準語。
◆おだばり
◆おだむね
稲架の横架材 土浦市。
■おだはり 稲架 『おだ張り』の意味。土浦市・新治郡。
・おだふぐ
・おだふく
▲おたふく
・おだふぐおんな
顔立ちの悪い女、女をののしる言葉 『阿多福』(おたふく)。『集覧:多・真』。 
◎おだふく
・おだふぐまめ
◆おだふくまめ
ソラマメ 一般にはソラマメの大きなものを『おたふく豆』と言う。
・おだま
●△▽おたま
・おだまっこ
◎おたまっこ
オタマジャクシ 『方言地図』には、茨城県下に『おたまっこ』はないが、福島と長野に特に顕著で、少ないながらも関東の大半の県にある。『民族』には掲載されている。
・おだまこ:福島。
・おだまっこ:福島。
・おだまげーる
・おだまげーろ
足の生えたオタマジャクシ −
●おたまこんぼ
◎おたまこんぽ
●おだまこんぼぢ
◎おだまこんぼち
◎おたまこんぽち
◎おたまこんぽつ
オタマジャクシ 土浦地区ではあまり聞かなかった訛。主に県北部方言だが、『おたまこんぽち』は鹿島郡でも使われる。『おたま子坊』『おたま子法師』の意味。
・おだましゃぐし おたま、オタマジャクシ −
・おためごがし
・おためごかし
・おためこがし
表面は相手のためになるように見せかけて、実は自分の利益をはかること。 『御為倒し』(おためごかし)。
・おためごかし:東京。
▲おだや �@▲台所、�A食事をする部屋、居間、茶の間、囲炉裏のある部屋 『集覧:稲・行』。
『御台屋』の意味だろう。『御台』とは『御台盤』の略で『食膳。(女房詞) 飯。ごはん。』のこと。
◎おだゆい 稲架 『おだ結い』の意味。
(おたら) 意気地なし 神奈川。
・おだーら 小田原 『おだはら』の名残か。
・おだーら:静岡。
・おだる 【動】格好が悪い 『劣る』意味。
・おだる:壊す:福島。
・おだれ 尾垂れ、鼻隠し板 標準語。建築用語では小便器下の石を『汚垂石』(おだれいし)と言う。
・おだれ:軒:山梨。
・おだれ:庇・軒下:静岡。
・おだれ:庇:関西。
□おだれした 庇の先端の下、軒下 『尾垂れ下』の意味。辞書には無いが方言とも言い難い。
・おだれる 【動】底に落ちる、成り下がる −
(おーたわらい) 大笑い 山梨。
■△おだをあげる 【動】気炎を上げる、威勢の良いことを言う 古い標準語。この『おだ』は『小田原評定』(いつまでたっても結論の出ない会議・相談)に由来するとされる。
・おだをあげる::千葉・埼玉・群馬・新潟。
(おーたわらい) 大笑い、馬鹿笑い 山梨。
(おたんか) 我儘 静岡。
『啖呵:(「弾呵」の転訛か。維摩居士ユイマコジが十六羅漢や四大菩薩を閉口させた故事) 勢い鋭く歯切れのよい言葉。江戸っ子弁でまくし立てること。』に由来するか。
・おだんごなす
・おたんこなす
馬鹿、のろま、まぬけ 清音なら標準語。『おたんちん』の転。気が付けば『のろま』もあまり聞かなくなった。
・おたんこなす:福島・神奈川。
・おだんちん
・おたんちん
馬鹿、のろま、まぬけ 死語となりつつある標準語。
・おたんちん:神奈川。
(おち) 乳母 静岡。『御乳・御乳人』。
▲□おーち �@▲□唖、�Aセミの雌 『集覧:水』。=『うーち』。『おうし』。
�@・おーち:福島。
◎おーち 【形】痛い 『おお、痛い』の単なる訛りとも言えるが、笑いや悲しみの表現が万国共通であるように、痛みの表現である『おお、おー』に『ち』が付いたものだろう。言葉の発生のルーツを思わせ、英語の『ouch』の感覚と同じである。
その意味で日本語の『あっと』『おっと』は原始的な言葉なのかもしれない。熱いを『あち、あっち、あっちー』などと言うのは、実に自然な表現である。痛い場合も誰もが自然に『ouch』に近い言い方をしている。『おーち』の『お』は『あ』でも『い』でも『う』でも『え』でも『お』でもなく、まさに痛みを表現する人間の叫び声である。
・おーぢ
・おーち
お宅、貴方の家 主に子供に対して使う。
・おぢおぢしてらんねー 【複】おちおちしていられない ・おちおちしてらんねー:群馬。江戸言葉。
◆おぢがみ
◆おぢがみさま
■おちがみさま
氏神様 『おじがみ、おじがみさま』。
▲▼おーちかやれ 【感】驚いた時などの言葉 『ほんとかい、あれは』『ほんきかい、あれは』の意味か。『集覧:無記載』。古語に『復ち返る・変若ち返る(おちかえる)』(�@もとにかえる。くりかえす。更級「山里のこの暁も―・る音も」�A若返る。)があるが関連は見出せない。
・おぢーぎん
・おちーぎん
・おぢーげん
・おちーげん
お中元 東北弁系の訛り。
・おぢくぢ
・おぢっくぢ
�@降り口、�A蛇口 −
◎おーちぐぬぎ
・おーちぐぬぎやろ
大うそつき −
◎おちご
◎おちごばな
オキナグサ 単に訛ったか、『稚児』『稚児花』の意味。
■おちさん 叔父 『父』のルーツは和語の『ち』とされる。祖父は古くは『おほぢ』と言い、叔父と並んで『ち』が語基とされることから、この方言は古代語の流れの言葉の可能性がある。
・おちさ:山形。
・おちさん:八丈島。
・おつさ:山形。
・おぢずる 【動】ずり落ちる −
◎おーちぜみ セミの雌 『唖蝉』。
▲おーちだけ 垣根に当てる横材の竹 『集覧:真』。『押し竹』の意味。
・おぢづぎ
・おぢつぎ
・おぢつき
落ち着き ★あそごのそーりょむすごは、おぢづぎねーがんなー、あよ:あそこの、長男は、落ち着きが無いからなあ。
◎おぢづき
結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われるうどん 筑波郡。標準語の『おちつき』は、『宿屋などに着いてまず飲食する物。』のこと。
・おちつき:食事時間前に一時的に空腹を押さえるため少量の飲食をすること:群馬。
・おちつき:神奈川。
◎おぢづきあめ 結婚式の日の雨 県北部。
◎おぢづぎおばさん 結婚式のとき花嫁の世話をする人 −
◎おぢづぎうどん
・おぢつきうどん
■おちづきうどん
結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われるうどん 『おちづきうどん』は変則的な濁音形。
・おちつきのおそば:神奈川。
◎おぢづぎすいもの
・おぢつきすいもの
■おちづきすいもの
�@結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われる吸い物、�A花嫁を迎えに行った婿方一行に振舞われる吸い物 『おちづきすいもの』は変則的な濁音形。
・おちつきもち:結婚式に着席してまず出される餅の入った吸い物:神奈川。
◎おぢづぎのおぢゃ 結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われるお茶 勝田市。
◎おぢづぎのちゃか 結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われる茶菓子 那珂郡。
◆おぢづぎぼだもぢ
・おぢつきぼだもぢ
◎おちつきぼたもち
結婚式に婿や嫁の緊張を解すぼた餅 ・おちつきのぼたもち・すわりぼたもち・ぶっさりぼたもち・ぶっつぁりぼたもち・ぶっつわりぼたもち:結婚式で着席するとまず出されるぼた餅:神奈川。
・おちつきぼたもち:産後三日目に作るぼた餅:神奈川。
◎おぢづぎもぢ �@結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われる餅の吸い物、�A結婚式で花嫁一行が到着したときに振舞われる餅の吸い物 �@県北部。
�A県全域。
・おぢづぐ
・おぢつぐ
・おぢつく
【動】落ち着く −
◎おぢつけさま
◎おぢつけばーさま
結婚式のとき花嫁の世話をする人 −
◎おちっぱ 落ち葉 −
・おぢのご
◎おちのこ
簡単なこと、お茶の子 濁音化・直音化。
■おぢばかぎ 落ち葉攫い 『落ち葉掻き』の意味。
・おぢばされー 落ち葉攫い −
・おぢまぐぢ
・おぢまっくぢ
入口、玄関 『降り場口』の意味。
◆おぢゃ お茶 典型的な濁音化。
ただし雑炊の意味の『おじや』は『(婦人語。「じや」は煮える音) 雑炊(ゾウスイ)。』とあり、『おぢゃ』は『じや』の延長の可能性が高い。
・おぢゃ:青森・秋田。
・おちゃっこ:福島。おちゃっこすっぺ:お茶にしよう。
★おぢゃにすっぺ・おぢゃんすっぺ:お茶にしよう。
◎おぢゃ 午後の間食 ・おぢゃ:午前10時ごろの間食:神奈川。神奈川でも濁音化する場合があることを示している言葉。
・おーぢゃ
▲おーちや
大団扇、団扇(うちわ) 『集覧:猿』。
・うちわ→おちわ→おーちゃ
・おぢゃあがらっせ
・おぢゃあがらっせよ
・おぢゃおあがんなんしょ
【慣】お茶をおあがりになって下さい −
◎おぢゃうげ
▲おちゃうけ
◎おぢゃおげ
お茶請け、お茶菓子 『集覧:稲』。
・おちゃおけ:埼玉・東京・神奈川。
《お茶を桶で飲むの?!?》。
・おちゃぞっぺー:煮物や漬物のお茶請け:神奈川。
・ちゃぞっぺ:神奈川。
・おぢゃがし お茶菓子 当時のお茶菓子は、必ずと言っていいほど大き目の丸い漆器に入れてあった。しかし中身は煎餅かか花林糖(かりんとう)ぐらいだったので、カステラや羊羹が手に入ったらとびきり上等のお菓子になった。
・おぢゃがす:宮城。
・おちゃぐゎし:宮城。
・おぢゃがす
・おぢゃかす
茶滓、茶殻 −
・おーぢゃぐ
・おーちゃぐ
すべきことをしないこと、横着 濁音化。『国誌』には『わうちゃく』とある。
・おだく:鹿児島。
・おーぢゃぐする
・おーちゃぐする
【動】怠ける、横着する 良く使われた言葉。
・おーぢゃぐもの
・おーちゃぐもの
・おーぢゃぐもん
・おーちゃぐもん
怠け者、横着者 −
▲おちゃごむし アオバカゲロウ 『集覧:真』。
・おぢゃだい
・おぢゃでー
�@心づけ、�A茶盆 �@『茶代』(茶店などで休んだ時、茶の代として払う金銭。茶料。旅館・飲食店などで、宿泊料・飲食代以外に心づけとして与える金銭。チップ。)。
�A『茶台』(客に茶をすすめる時などに茶碗をのせる台。脚のあるもの、鍔(ツバ)のあるもの、平たいものなどがある。)。
・ちゃで:鹿児島。
・おぢゃだし �@急須、�Aお茶を振舞うこと �@『茶出し』。
�A・おぢゃごど:山形。
・おぢゃっかす 茶滓、茶殻 −
・おぢゃつぎ 急須 『お茶注ぎ』の意味。
・おぢゃづげ
・おぢゃつけ
・おちゃつけ
�@お茶漬け、�A冷や飯、�B昼食 −
・おぢゃっば
◎おぢゃっぱ
・おちゃっぱ
お茶の葉 −
◎おぢゃっぴ
▲おちゃっぴ
口達者な女の子 『集覧:北』。『おちゃっぴい』。
・おちゃぴー:埼玉。
・おちゃっぴー:東京・神奈川・静岡。
・おぢゃでもいがっぺ
・おぢゃでもどーだっぺ
・おぢゃいがっぺ
【慣】お茶でもいかが −
・おぢゃでもんでげな
・おぢゃのんでげな
【慣】お茶でも上がってくださいな 『げ』は濁音・鼻濁音。
(おちゃとー) 仏前に供える茶 静岡。
広辞苑に『ちゃとう【茶湯】:茶を煎じ出した湯。仏前に供える。おちゃとう。』とある。
・おぢゃどぎ 午後3時 ・おちゃどき:午前10時:千葉。
・おちゃごろ・おちゃどき・ちゃごろ・ちゃじぶん・ちゃどき・ちゃどぎ:千葉。
◎おぢゃのぎ お茶の木 −
・おぢゃのご
◎おぢゃのこ
▲おちゃのこ
�@【名】お茶菓子、朝食前の簡単な食事や茶菓子、�A【形動】▲簡単な様 『集覧:新』。
・おちゃのこ:朝食:静岡。
・おぢゃのごさいさい
・おちゃのこさいさい
・おちゃのこさいさいへのかっぱ
【複】【形動】たやすくできること 『御茶の子さいさい』。『お茶の子』とは、朝食前の簡単な食事や茶菓子のこと。
ただし、茨城では『屁の河童(へのかっぱ)』と合わせて使われることが多かった。
・おちゃのこさいさい:静岡。
◎おぢゃのみ �@お茶の実、�Aお茶を飲むこと
◆おぢゃぼぢ 茶壷 『ぼぢ』は『鉢』の意味。ほぼ1年分を収容する大型の壺。
・おぢゃぼん 茶器をのせる盆 『茶盆』。
・しおけぼん:鹿児島。
・おぢゃやすみ 間食 ・おちゃやすみ:神奈川。
・おぢゃやる 【動】お茶にする ★おぢゃやっか:お茶にしようか。
★おぢゃやってく:お茶を飲む。
★おぢゃやっぺ:お茶にしよう。
・おぢゃらがし からかう事、茶化すこと、ふざけること −
◎おぢゃらがす
・おちゃらがす
【動】からかう、ちゃかす、ふざける 濁音化。『おちゃらかす』。
・おちゃらかす:静岡。
・おちゃらぐ
・おちゃらげ
・おちゃらけ
からかう事、茶化すこと、ふざけること ・おたら・おちゃらけ:意気地なし:神奈川。
・おたらけ:愚か者:神奈川。
・おちゃらげる
・おちゃらける
【動】ふざける、でたらめを言う 『ちゃらける』。
・おちゃらける:他人の言うことをまともに聞かないで馬鹿にする・からかう:神奈川。
(おちゃらちゃら) その場だけの甘い言葉 東京多摩。
・おぢゃわん お茶碗 −
・おぢゃんしっぺ
・おぢゃんしべ
・おぢゃんすっぺ
・おぢゃんすっへ
・おぢゃんすべ
・おぢゃんすへ
【複】【慣】お茶にしましょう、一休みしましょう =『おぢゃにすっぺ』の撥音便。半濁音は濁音で発音されることがある。
・おちゃっこすっぺ:福島。
・おちゆ お汁、味噌汁 −
(おちゅばい) お世辞 静岡。
・おぢょーしもん
・おちょーしもん
お調子者 ・おちょーしもん:群馬・神奈川。
・おぢょぐる
・おぢょくる
【動】からかう 清音なら東京でもしばしば使う。もともとは関西弁。TVが生んだ共通語と考えられる。
・おちょくる:静岡。
(おちょっか) 悪戯好きな子供 神奈川。
(おちょっかい・おちょっけ・おちょっぺ・おちょび) でしゃばり 神奈川。
・おちょご 差していた傘が風にあおられて柄と反対の方向に開いた形になること これは微かな記憶によるが、敢えて掲載した。
・おちょこ:東京。
形を『猪口』に例えたものか。近世語かどうかは確認できていない。
『猪口』は近世には『ちょく』と言った。
(おちょてる) 【動】落ちる 山梨。
(おちょとす) 【動】落とす 山梨。
(おちょーばい) お世辞、へつらい 静岡。
・おちゅばい:静岡。
・ちょーべー:山梨。
(おちょーばいつかい) お世辞を使う人 神奈川。
・おぢょぼぐぢ
・おちょぼぐぢ
・おちょぼぐち
�@小さな口、�A気取った小さな口 標準語には�@の意味しか無い。
�A・おちょぼぐち:静岡。
(おちょーも) 生意気な男 神奈川。
(おちょんべ) お世辞 群馬。
・おちょべ:長野。
◆●おぢる(おじる)
▲●△▽おちる
【動】(車等を)降りる 『集覧:多・西・水』。
『集覧』には『鳥などのおるること。』とある。東北系の訛。方言地図によると、茨城県下では太平洋側に分布し西部・南部にはない。土浦は丁度境界線付近にある。東北でも日本海側では使われないことから、漁師言葉である可能性がある。土浦ではあまり聞かなかった。茨城では濁音形が多く使われる。『降りる』の転。『り』の濁音形として『ぢ』になったか『落ち入る』意味か。
落下する場合は、『おっこぢる・おっこでる・つこぢる・つこでる』と言う。
『おぢるしとがしんでからのってください。』、すなわち『落ちる人が死んでから乗って下さい。』とは茨城方言を語る時の有名な台詞でもある。正しくは『降りる人が済んでから乗って下さい。』である。
福島ではこの他動詞形として『おどす』(下ろす)がありどうやらr音がd音に変化したと見られる。
古語では『落ちる』は『おつ』で、『降りる』は『おる』である。東北方言の『おづる』は古語由来と考えられる。『おつ』が『落ちる』に変化したプロセスには、『つ』が無声音で発音された可能性や、もともと『落ち居る』『落ち入る』意味の、状態を示す言葉や、落ちて入る意味をへてあった可能性がある。実際、茨城には『おっぺる・おっぺーる』(池などに)はまること、入る)即ち、『落ち居る』『落ち入る』意味である。次項の『うちゃゆる・うっちゃゆる』もそれを思わせる方言である。 
・おぢる:青森・岩手北部・山形・宮城・福島・千葉・新潟東部・熊本。おぢろ:降りろ:福島。
・おちる:青森東部・秋田北部・岩手・宮城・福島・千葉北東部。
・おづる:宮城・山形。
・おんぢる:石川北部。
◆おぢる 【動】落ちる、(色等が)落ちる・あせる ・うちゃゆる:長崎・佐賀。
・うっちゃゆる:長崎・鹿児島。
・おづる:山形。
・おぢーる 【動】陥る 『落ち入る』とも書く。
・おぢわ
▲おちわ
�@ウチワ、�A内輪 『集覧:北』。段の変化。茨城ではウ段がオ段に変化することが多い。
�@丁寧語としての『おウチワ』が訛ったと見られる。
・おちわ:神奈川・静岡。
◎おぢんぼ 乳房 『ちんぼ、ちんぼー』とも言う。『乳房』の誤読か。子供の陰茎の『ちんぽ』は、もともとは『珍宝』(ちんぼう・ちんぽう)とする説がある。鎌倉時代には『ちうぼう』(古今著聞集)と言ったというから、大事な場所の代名詞としても使われた可能性がある。
◎おーちんぼ 唖、セミの雌 −
□おっ〜 【接頭】 主として動詞に用い、強調する意味がある。『押す』『追い』『折り』の促音形のこともある。標準語でも使われる。特に関東から東北で多用する。
・おっ〜:神奈川。
・おづ しゃれて気がきいていること。味なこと。 『乙』。
・おづ:山形。
・おづー:山形。
・おづい
・おつい
お汁 ・おつい:群馬。
・おづいだぢ
◆おついだぢ
一日 −
・おっが
◆おっか
■おっかー
�@お母さん(二人称)、�A妻(二・三人称)、�B母親(三人称) 『阿母(おっかあ)』。
�@・おっか:山形・福島・神奈川。
・おっかー:福島・群馬・東京・神奈川。
★『土』:おつかあ、寒(さむ)かなかったか、俺(お)ら知(し)らねえで居(ゐ)た。
�A・おっか:山形・福島・神奈川。
・おっかー:群馬・東京。
★うぢのおっかはおっかねーど:家の母ちゃんは恐いよ。
�B・おっかー:東京。
★『土』おっかが無くなつて困んな汝(われ)ばかしじゃねえんだから:母親が親がいなくなって困るのはお前ばかりじゃないんだから。
�Cその他。
・おっか:老女の卑称:山形。
(おっか) 借金 鹿児島。
(おーづか) 大きな足 山梨。『大束』の意味か。
◎おっかー 【動】支う、ささえにする 『おっ』+『支う』。
・おっかう:長野・山梨・静岡。
・おっかって:当てて:静岡。
・おっかっとぐ:ささえておく:山形。
★おだーしぼーおっかったら稲刈りやっぺ:小田脚棒を立てたら稲刈りしよう。
(おっか・おったか・おっぱか・おび・おぶたか) 【形】重い ・鹿児島。原型は『おもたか』(重たかり)と考えられる。
・おっかい 【形】怖い 幼児語。
古い言い回し。『おっこわい』の転か『おっ怪』の意味も考えられる。
・おかい・おけ・おこんおこん:山形。
・おっか:新潟。
・おっかい:山形・神奈川・山梨・大阪。
・おっかい:危ない:静岡。
・おづがい 買い物、使者 『御使い』。
長野伊那谷では夕方以降の挨拶を『おつかいでごわした』と言う。
・おづがいだで
・おつかいだで
他人に頼んで用立てしてもらうころ 濁音化。=『つかいたて』。やや古い言葉。
・おづがいもの
・おづがいもん
贈り物 『御使い物』。
・おっかいる
▼おっかえる
【動】倒れる、転ぶ ・おっかえる:青森。
◆おっかがる
■▲おっかかる
【動】�@寄りかかる、�A被さる 清音の『押っ掛かる』は聞かなくなった標準語。『集覧:西』。
�@・うっかかる:長野。
・うつかる:長野。
・おっかがる:岩手・宮城。
・おっかかる:岩手・群馬・神奈川。
★『土』:うむ、枕(まくら)おっかかるやうに成(な)ったからええこたええに。
・おっかがる 【動】怖がる 『おっかながる』の転。
・おっがぐ
◆おっかぐ
■▲おっかく
【動】�@折る、�A割る、壊す 『折り』+『欠く』。関東方言。『集覧:無記載』。
連用形は『おっかいで・おっけーで』となる。古形は『欠く』。
�@・おっかぐ:引っ掻く:千葉。
・おっかく:栃木・群馬・埼玉。
�A『井戸の周りのお茶碗欠いたのだーれ』。
・おっかく:千葉野田・群馬・長野。
★ちゃわんおっかいちゃった:茶碗割っちゃった。
★『土』:姉(ねえ)は大(え)かくおっ缺(け)えちゃ厭(や)だぞう。
おっかいて→おっけーて。
★『土』:ええからガラスでもおっ缺(か)かねえやうにしろえ、此方(こっち)のおっかさまに怒(おこ)られっから。
◎おっかげ 【副】続いて、おっかけ −
・おっかげ 割れ物、破片 −
・おっかげしっかげ
◆おっかげひっかげ
【副】引き続き、後から付いて行く様 『おっかけひっかけ』。
・おっかげっこ 鬼ごっこ =『つかみおに』。
・おっかけっこ:埼玉・静岡。動詞形に『追っ掛ける』があるが、
◆おっかげる
□おっかける
【動】�@折れる、�A割れる、�B壊れる、�C寄り掛ける、�D被せる �@�A�Bは『欠ける』に強調の接頭語がついたもの。『割れる』意味の『おっかげる』は2010年正月に帰省先で聞いた。
�@・おっかける:福島・栃木・群馬・東京。
◆おっかげる
□おっかける
【動】追い掛ける 『追っ掛ける』。俗語。
現代語では『追いかける』と言うことが多いが促音形もある。八丈方言では動詞の活用形は殆ど一律に促音形であるが茨城もほとんど同じである。
・おっかげる:宮城。
・おっかける:福島・群馬・東京・静岡。
・おっがさま
◆おっかさま
�@お母さん、�A奥さん 3人称。
★『土』:そりゃそうとおっかさまに其儘(そっくり)だなあ。こつちのおっかさま自分(じぶん)でも商(あきねえ)してっから記憶(おべえ)がええやな。
・おっかさまら お母さん方、奥さん方 ★『土』:おっか樣等(さまら)もこっちへ来(こ)うな、一杯(いつぺえ)やれな。
■おっかさん 【古】お母さん 標準語。大正から昭和初期生まれの年齢層の言葉。今では演歌の中でもなければ聞かれない。
江戸時代には『おかたさま、おかかさま、おっかあ、おっかさん』等が使われ、平安時代の言葉の『北の方』に由来すると言われる。
・おっかさん:神奈川。
・おっかちゃん:神奈川。
・おっかやん:福島。
(おっかじく) 【動】傷める 群馬。
広辞苑には『おっかじめる:押しつける。いためつける。』がある。
・おっかじめる:押さえつける・押しつぶす:群馬。
・おっがしー
・おっかしー
【形】可笑しい 『可笑しい(おかしい)』の促音形。
・おっかしー:群馬。
◎おっかす
・おっかーす
【動】�@壊す、�A崩す 『おっこわす』または古い標準語の『崩す(くやす)』の流れを汲む訛りと考えられる。
�@・おっかす:神奈川。
・おっかせる 【動】食わせる −
・おっがぢゃん
◆おっかちゃん
・おっかつぁん
お母さん ・おっかちゃん:神奈川。
・おつかつ
・おっつかっつ
【形動】ほとんど差が無い様、同時の様 近年ではまず聞かない言葉。『かつかつ』の類義語。広辞苑大辞林では『乙甲』と当てている。
・おっつかっつ:神奈川。
●おっかない 【形】恐ろしい、こわい 『おおけなし』(恐れ多い、分不相応)を語源として『おっけなし』『おっかなし』と転じたのが有力とされる。ここで『なし』は『無い』ではなく形容詞を形勢する接尾語であることは『おっかなびっくり』という言葉があるので解る。最近の若い人は『おっかない』を使わなくなってきたようである。
・おかない:宮城。
・おこない:青森。
・おっかない:北海道・青森・岩手・秋田・宮城・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・静岡・愛知。
・おっかなえ:山形。
・おかっかない:静岡。
・おっかなおっかな 【形動】こわごわ、おそるおそる ・おっかなおっかな:山形。
・おっかなかぜふかす
・おっかなかぜふかせる
【動】脅す ・おっかなかぜふかせる:宮城。
◆おっかながねー 【複】おっかなくはない、怖くはない ・おっかなかねー:怖くない:山梨。
・おっかながり 臆病者 −
・おっかながる 【動】恐がる やや古い標準語。
・おっかながる:群馬。
・おっかなびっくり 【形動】こわごわ、おそるおそる やや古い標準語。
・おっかなびっくり:東京・山梨。
・おっがね
◎おっかね
■●おっかねー
【形】恐い、おっかない 『おっかねえ』なら江戸下町言葉で落語にしばしば出て来る。
・おっかね:岩手・宮城・福島。
・おっかねー:宮城・山形・福島・東京・神奈川・山梨・静岡。
古い言葉に『きょうとい』がある。近世初期に『気疎し』(けうとし)から生まれたとされる。これは日本語表記の読みとのずれによって生まれた誤読とも言える。
・きょーてー:鳥取・広島。
・きょーとい:鳥取。
・ちょーてー:広島。
・おっかねえほど 【複・形動】恐ろしいほどの様、甚だしい様 −
・おっかぶさる 【動】被さる、覆い被さる、かばう 標準語。『押っ被さる』。
・おっかぶさる:群馬。
◆おっかぶせ 漁法のひとつ 5月の田植えに向かって、予め『田うない』をすると、そこに水がたまり、霞ヶ浦から上がって来た20〜30cm程度の鮒や鯉が泥塊の間に静かにしている時期がある。それを狙って、底の抜けた(抜いた)バケツや笊をかぶせて逃げ場をなくして小魚を捕った。今ではこんな漁法では魚はとれない。
・おっかぶせる 【動】�@勢い良く被る、�Aなすりつける 標準語。『押っ被せる』。
・おっかぶせる:群馬・山梨。
・おっかぶる 【動】�@勢い良く被る、�A責任をとる、被る 辞書には無いが標準語と考えられる。
・おっかまー
・おっかまぁ
・おっかまる
【動】構う −
・おーづがみ 大掴み ・おーづ:大体・大概・大抵・概算:山形。
◎おっかめ �@自分の妻を謙遜して言う言葉、�A他人の妻を卑下して言うことば −
・おっかめら 卑下して奥様方を言う言葉 −
(おつかれなって ・おつかれさんで) 【感】晩の挨拶 山梨。
標準語に非常に近く『御座いましょう』『御座います』が略されたと思われる。『今日は』に似ている略語である。
長野や山梨は一部の独特な表現を除き標準語に近いのは、戦国時代から、強い勢力を持った武田氏の存在は無視できない。土地の統治・政治体制の中で中央との密接な結びつきがあったために、茨城よりはるかに交流が深かったからとしか説明のつけようがない。
・おつかいでございます:こんばんは:長野。
・おつかれー:こんばんは:長野。
・おっかる 【動】�@載る、掛かる、�A被せる、�B支える �@=『いっかる』。
・おっかる:載せる:静岡。
�A=『いっける』。
・おっかる:静岡。
�B=『おっかー』。
・おっかる:たてかける:静岡。
・おっかれ 壊れたもの −あてる、のせる、たてかける、かぶせる
▼おっかれる 【動】壊れる ・おっかれる:長野。
◆おづがわりー
◆おづがわるい
◆おつがわるい
◎おづわり
◎おづわるい
【形】恥ずかしい 標準語の『乙』は『しゃれて気がきいていること。味なこと。』の意味。
・おづぎ 次 −
(おつぎ) ウツギ 神奈川。
・おづぎさま
・おづきさま
・おつぎさま
お月様 ・おづぎさま:山形・千葉。
・おつぎさま:千葉。
・おつきょさま・おつきょーさま:千葉。『お月夜様』の意味。『月夜』は『つくよ』とも言った。
・おづぎみさま 月見 濁音化。
◎おっきょる 【動】折る 『押し切り折る』意味。
・おっきょる:福島。
◆■おっきる 【動】切る、折る 『押し切る』『折り切る』意味。
▲おっきれる 【動】�@折れる、�A▲切れる 『集覧:新・稲』。
▲おつく
◎おっく
�@▲葉、�A茶 『集覧:真』。
・おっく
▲おっくー
億劫 『集覧:稲』。何故明治期の茨城で『億劫』が望ましくない言葉として選ばれたのだろうか。その理由は、『億劫』は本来『おっこう』と発音されていたからだろう。
・おっくいる
・おっくえる
【動】壊れる 単に『壊れる』のラ行音を嫌ったものではなく、古い標準語の『壊える(くえる)』の流れを汲む訛りと思われる。
◆おっくかげる
◆おっくーかげる
【動】面倒をかける −
・おっくがる 【動】億劫がる ・おっくーがり:無精者:神奈川。
・おっくーがる:山梨。
◆おっくぐる
■おっくくる
【動】�@◆■縛る、�A■捕まえてくくる 『括る』。
◆おっくぐる
■▲おっくくる
【動】�@◆■▲追い返す、追い出す、�A縛る、ひっくくる �@『集覧:久』。集覧では『追い退くること』の意味とある。『追い』+『こくる』。
�A『押し括る』意味か。
◎おっくぐる 【動】潜る −
・おっくじぐ
・おっくじく
【動】挫く、捻挫する、折る ・おっくじく:群馬。
★あしっくびおっくじーちゃった(おっくじっちゃった):足首を捻挫しちゃった。
・おっくじぎ
・おっくじげ
◎おっくじけ
捻挫 −
▲▽おっくす 【動】�@▲壊す、打ち破る、�A崩す �@は『おっこす』の転。『集覧:西・北』。
『俚言』には『こはす:ハはワと呼。こぼつに同し。こぼつの転なるべし。こふすともいふ。』とある。ここで『こぼつ』とは、『毀つ』(こぼつ・こほつ)である。もともとは『おっこふす』だったと考えられる。すなわち、江戸言葉の流れということになる。
�Aは古い標準語の『崩す(くやす)』の転
・おっくずす 【動】崩す −
◎おっくらい でまかせ 水海道市。
・おっくらがす 【動】�@壊す、�A騙す 語源がいくつかあることば。�@『壊す』場合は『おっくれる』の他動詞形、�A『騙す』場合は『くらがす』の強調形。
�A・おっくらがす:山梨。
・おっくらがいし
・おっくらげーし
・おっくらがいしひっくらがいし
・おっくらげーしひっくらげーし
【副】繰り返すこと、ひっくり返すこと −
・おっくらがいす
・おっくらがえす
◎おっくらげーす
・おっくらげす
【動】ひっくり返す、送り返す、打ち倒す 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・おっくらがいる
・おっくらがえる
・おっくらげーる
・おっくらげる
【動】ひっくり返る、横になる、寝る 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・おーづぐり
・おーつくり
�@大規模に土地を耕作すること。�A刺身などを大きく厚く作ること。�B体格の大きいこと。 『大作り』。
★おめみだがー、あよ。こんだなとなりのよめさまのかお。いーやはーおーづぐりでー、めだまもはなもくぢもいやいがいごどいがいいごどー:お前見たかい、ねえ。今度の隣のお嫁さんの顔を。いやもう大作りで、目も鼻も口もまあ大きいこと大きいこと。
・おっくりがいし
◎おっくりげーし
・おっくりがいしひっくりがいし
・おっくりがえしひっくりがえし
・おっくりげーしひっくりげーし
【副】繰り返すこと、ひっくり返すこと 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。原型は『繰り返し引っ繰り返し』で、接頭語の『おっ』が付いたもの。
・おっくりがいす
・おっくりがえす
▲おっくりかえす
・おっくりげーす
・おっくりげーす
・おっくりげす
【動】ひっくり返す、送り返す、▲打ち倒す 『集覧:新』。『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・おっくりげす:宮城。
◎おっくりがいる
・おっくりがえる
・おっくりげーる
・おっくりげる
【動】ひっくり返る、横になる、寝る 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・おっくりかえる:岩手。
◎おづくる 【動】責める 東茨城郡・稲敷郡。
◎おづくる 【動】(枝を)切る、つめる −
・おっくるがいし
・おっくるげーし
ひっくり返すこと 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・おっくるがいしひっくるがいし
・おっくるげーしひっくるげーし
・おっくるげーしとっくるげーし
【副】繰り返し 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。原型は『繰り返し引っ繰り返し』で、接頭語の『おっ』が付いたもの。
・おっくるげーしひっくるげーし:千葉銚子。
・おっくるけしひっくるけし:群馬。
・おっくるけーしとっくるけーし:神奈川。
◎おっくるがいす
・おっくるがえす
◎おっくるげーす
◎おっくるげす
【動】ひっくり返す、送り返す、打ち倒す 『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・おっくるけす:群馬。
・おっくるけーす:引き返す:神奈川。
◎おっくるがいる
▲おっくるかえる
◎おっくるげーる
・おっくるげる
【動】ひっくり返る、横になる、寝る 『集覧:稲・新・北』。『が・げ』は濁音・鼻濁音。清音のこともある。
・うっくるけーる:埼玉。
・おっくるまる 【動】くるまる −
・おっくるめる 【動】くるめる、くるめこむ、騙しこむ 『押し包める』『覆い包める』意味。
・おっくれ 壊れているもの 『おっ』+『壊れ』。
▼おっくれる 【動】壊れる 『おっ』+『壊れる』。
・おづげ
・おつけ
小遣い、遣い物 『お遣い』。
・おづげ:宮城。
・おづげ
◆おづけ
・おつげ
▲おっけ
◆■おつけ
味噌汁 『集覧:筑・真・多・新』。
広辞苑に『御付(女房詞。本膳に付け添える意)�@吸物の汁。�Aみそ汁。おみおつけ。�B麺類のつけ汁。』とある。ほぼ死語になった標準語である。
・おしけ:鹿児島。
・おすけ:鹿児島。
・おづげ:秋田・山形・宮城。
・おづけ:福島。
・おつけ:福島・群馬・東京・神奈川・佐渡島。
・おっつけ:静岡。
・おっけ
▼おっけー
�@【名】お化け、�A【形】▼怖い 幼児語。=『おっかい』。『おっ怪』と考えればわかり易い。
�@『怪』に強の接頭語としての『おっ』がついたと思われる。
�A『おお、怖い』→おおっこわい→おおこわ→おっこわい→おっかい→おっけえ→おっけと転じたと考えるのが自然と思われるが、古い標準語の『おっけなし』(怖い)の語幹がそのまま残ったとも考えられる。
・おかい・おけ・おこんおこん:山形。
・おっか:新潟。
・おっかい:山形・大阪。
・おっけやみ:驚いて気病みする事:静岡。
(おっけ) 【副】公然と 東京。
広辞苑に『おっかいはれた【おっかい晴れた】:(「おっかい」の語源は未詳) おおっぴらな。誰に遠慮する所ない。公然たる。』『おっけはれて【おっけ晴れて】:おおっぴらに。公然と。』とある。
・おづげー
・おつけー
買い物、使者 『御使い』。
◎おっけぁーす 【動】�@ひっくり返す、�A押し倒す −
・おっけえし �@追い返し、�Aお返し、�B折り返し、�Cひっくり返し、裏返し −
・おっけがる 【動】おっかながる −
・おっけーぐ 【動】折る、割る、壊す 『おっかぐ』がさらに訛ったもの。
★『土』姉(ねえ)は大(え)かくおっ缺(け)えちゃ厭(や)だぞう:奥さん、大きく割っては嫌だぞう。
◎おっけーし �@追い返し、�Aお返し、�B折り返し、�Cひっくり返し、裏返し −
▼おっけす
◆おっけーす
【動】�@▼追い返す、�Aひっくり返す、裏返す、�B折り返す、�C送り返す、返す、�D消す、�E子供を間引く �@・おっけす:群馬。
・おっけーす:群馬・神奈川。
�C・おっけーす:神奈川。
�D・おっけす:群馬。
◎おつけだんご 水団 ・おつけもち:雑煮:福島。
・おつけもち:味噌汁で作ったすいとん:群馬。
(おつけなって) 【感】タバコをお吸いになって(下さい) 山梨。
日本方言の多様化を生んだのは、状態表現の助動詞『たり・なり』が始めにあるのは間違いない。
この方言の原型は、『お点けになりてあれ』であろう。現代では、命令形で『たれ』が残るのは関西だけである。
・おつけのみ みそ汁の具 −
・おづげーもん
・おつけーもん
贈り物 『御使い物』。
・おっげーる
・おっけーる
【動】倒れる 『おっ』+『返る』。
・おっげる
▼おっける
【動】�@▼載せる、�A置く、�B押し付ける �@=『いっける』。
�A『置けり』を連想させる訛。
・おっける:福島。
�B『押っ付ける』が訛ったもの。
★『土』:そんなこと云(い)ふとおっけて遣(や)っから。
・おっける
・おっけーる
【動】倒れる、転ぶ (『おっ』+『返る』)の転と考えられる。
・おっける:岩手。
◆おっこ
▼おっこー
億劫 当時の高齢者が使った古い言葉。祖母がしばしば『おっこでおっこで』と言っていた。『億劫(おっくう)』は、『おっこう』が転じたものである。
『億劫(おっこう)』とはもともと『�@(仏教用語)一劫の一億倍。極めて長い時間。永遠。�A数え切れないほどの数。』の意味である。
明治末期の『集覧』では、『おっくう』が望ましくない言葉として選ばれた一方、現代の『日本方言大辞典』では『おっこう』が方言扱いされているのが面白い。
・おっこー:すごい・ひどい:長野。仏教用語の意味に近い。
・おっこー:面倒:静岡。
(おっこ) お菓子 山梨。
・おっこいる
・おっこえる
【動】追い越す 『追い越える』意味。
・おっこえる:群馬。
・おっこうぇー
・おっこえー
【形】怖い −
◆おっこかげる
◆おっこーかげる
【動】面倒を掛ける 『億劫を掛ける』意味。
・おっこがる
・おっこーがる
【動】億劫がる −
・おっごぐる
◆おっこぐる
■おっこくる
【動】�@◆縛る、�A捕まえてくくる、�B■追い払う、追いまくる、追い出す、�C押しまくる �@�A『括る』。
�B『追い』+『こくる』。
・おっこぐる:投げ遣る:山形。
・おっこくる:群馬・神奈川・山梨。
�C『おしこぐる』の転。
・おっこくる:群馬。群馬では『先延ばしにする』の意味もある。
◎おっこげる 【動】落ちる 『落ち転ける・転け落ちる』意味。
・おっこじゃす 【動】壊す 『押し抉り潰す』意味。『じゃす』は『潰す(つやす)』で、『費やす』に当たる。。
□おっこじょる 【動】折る −
・おっこじる 【動】抉る、くじる −
・おっごす
◆おっこす
▼おっこーす
【動】�@▼壊す、�A崩す �@は『壊す』の転。『おっ』は強調の接頭語。
『俚言』には『こはす:ハはワと呼。こぼつに同し。こぼつの転なるべし。こふすともいふ。』とある。ここで『こぼつ』とは、『毀つ』(こぼつ・こほつ)である。もともとは『おっこふす』だったと考えられる。すなわち、江戸言葉の流れということになる。
・おっこーす:群馬。
�Aは古い標準語の『崩す(くやす)』の転。
・おっごす
・おっこす
【動】追い越す ・おっこえる:群馬。
・おっこす:群馬・神奈川。
(おっこずめる) 【動】隅に押しやる 山梨。『押し』『偏める(こずめる)』。
・おっこする 【動】擦る −
(おっこち) 情夫、情人 長野・静岡。
標準語の『おちこち』は『おちこち【遠近・彼方此方】�@遠い所と近い所。あちらこちら。ここかしこ。�A将来と現在。』の意味。
・おっごぢる
◆●おっこぢる
■▲おっこちる
【動】落っこちる 濁音化。『おっこちる(落ちるの俗語)』(広辞苑には関東地方の言葉と記載されている。)。
それにしても『おっこちる』という言葉は不思議な言葉である。調べると『おっこち』(恋に落ちること・恋人・情人)という言葉があった。しかし『おちこち』(遠近・彼方此方)との関係は見出せない。一説には『落ち落ちる』が転じたとされる。
茨城では落ちるを『つこぢる・つこちる』とも言う。そうなれば『おっこちる』とは『押し突き落ちる』『落ち突き落ちる』意味か。また同じ意味の『おっこる』がある。『落ち来る』が訛ったものである。そうなれば『おっこちる』とは『落ち来つる』意味しか考えられない。
一昨日を表す現代標準語の『おととい』は、もと『ヲチツヒ(遠つ日)』だから、『おっこちる』は、『落ち来居る』『落ち来落ちる』『落ち来陥る』意味か。そのため、『陥る』は本来は『落ち入る』意味かもしれない。
・おっこぢる:千葉銚子。
・おっこちる:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・静岡。
・おっこった:落っこちた:静岡。
・おった:落ちた:長野。 
・ほこちる:福島。
・おっこってる 【動】落ちている 標準語の俗語。最近60代の調布の親類が使うのを耳にした。
★おっこってきた:落ちてきた。
・おっごでる
◆おっこでる
▲▼おっこてる
【動】落っこちる 『集覧:新・北』。標準語の『落っこちる』の原型ではないかと思わせる言葉。
『落ち来たる・落ち来にてある』意味か。
・おっこてる:山梨。
・おっごどす
◆■おっこどす
・おっことす
【動】落っことす 『おっことす』(広辞苑には関東地方の言葉と記載されている。)。
『落ち来落とす』意味か。茨城では落とすを『つこどす』とも言う。『突き落とす』が訛ったものである。そうなれば『おっこちる』とは『押し突き落ちる』の意味か。また落ちる意味の『おっこる』がある。『落ち来る』が訛ったものである。そうなれば『おっことす』とは『落ち来て落とす』の意味か。
・おちょとす:山梨。
・おっこどす:千葉銚子。
・おっことす:東京。
・おっごぼす
・おっこぼす
【動】零す 関東方言。『落ち零す』意味か。
・おっこぼす:神奈川・山梨。
・おっこぼれる 【動】零れる 『落ちこぼれる』意味か。現代の『落ち零れ』に繋がる。
・おっごまる
▲△おっこまる
【動】�@困る、�A▲△疲れる、�B病気になる、�C落ちる、�Dはまり込む �@『困る』の強調形か『落ち込む』の擬似自動詞形。
�A『集覧:無記載』。
疲労困憊して寝込み、動けない様。茨城では疲れる意味の言葉に他に『こわい』『びだまる』がある。疲れの程度が異なり、『こわい』は通常の疲れを意味し、『びだまる』は疲れて歩いたり出来ない状態を言う。『困る』か、『落ち込む』の擬似自動詞形と考えられる。
�C�D『落ちる、はまり込む』場合は『込める』の転と思われる。広辞苑には『困る』『(近世以後使われるようになった語。「込まる」からか)』とある。茨城北部から西部に分布する。=『ぶっこまる』。
・おっごむ
◎おっこむ
【動】�@押し込む、�A取り込む、�B無理に入る。おしいる。攻め込む。怒鳴り込む。�C強盗に入る。 �@『押っ込む』なら標準語。
・おっこむ:福島・神奈川。
�A『おっ』『込む』。
・おっこむ:宮城・福島・神奈川。
�B・おっこむ:山梨。
�C『押し込む』。
・おっごめる
・おっこめる
【動】押し込める 『押す』と『込める』の連語の可能性がある。=『ぶっこめる』。
・おっごらしょ
・おっこらしょ
・おっこらしょっと
【副】よっこいしょ、どっこいしょ −
・おっごる
■▼おっこる
【動】落ちる、落っこちる 『おっこちる』なら標準語。連用形の『おっこって』なら標準語の口語で使われるので清音の場合終止形だけが訛っていることになる。『落ち来る』『落ち来よる』意味も考えられる。
・おっこる:栃木
★そーたたがいどごにあがっとおっこるよー:そんな高いところに上がると落っこちるよ。
・おっごる
・おっこる
【動】怒る −
・おっごれ
・おっこれ
壊れたもの −
・おっごれる
▼おっこれる
【動】壊れる 古い標準語の『壊える(くえる)』の流れを汲む訛りと思われる。
◎おっころがいる
・おっごろがる
◆おっころがる
【動】ひっくり返る、転がる、横になる、寝る 『折り転がる』『落ち転がる』意味。
・おっごろげる
◆おっころげる
・おっころげーる
【動】ひっくり返る、転げる、横になる、寝る 『落ち転げる』意味。
・おっごろす
◆おっころす
【動】殺す、死に別れる −
◎おっころばしもぢ 一升餅、転ばし餅 『ころばせもち』。現代語で言えば『押し転ばせ餅』。子供の満1歳の誕生月(迎え月)に一升餅を背負わせるもので全国的にある風習。今は次第に無くなりつつあると言う。
・おっごろばす
◆おっころばす
【動】押し転ばす、押し倒す ・おっころばす:福島。
・おっごろばる
◆おっころばる
【動】転ぶ、倒れる ・おっころばる:神奈川。
・おっごろぶ
◎おっころぶ
【動】転ぶ、倒れる ・おっころぶ:福島・東京武蔵村山・神奈川・山梨・静岡。
・おっころんだー:倒れた:静岡。
・おっこわい 【形】怖い −
・おっごわす
◆□▼おっこわす
【動】壊す 『押し壊す』の意味か単なる強調表現と思われる。
・おっこわす:群馬・長野。
▼おっこわれる 【動】壊れる ・おっこわれる:群馬・長野。
◎おっさげる 【動】破ける、裂ける −
・おっさげる 【動】提げる −
▼おっさらー 【動】追い払う −
◎おっさる
・おっさーる
【動】�@教わる、�A押される、�Bおっしゃる、�C叱る −
▼おっされる 【動】叱られる 結城郡の方言。東北から中国・四国まで類似の方言がある。関東圏では『おっつぁれる』が代表語。単に『押される』が訛ったと思われる。
▲おっさん �@僧侶、�A年配の男 �@『和尚さん』(おしょうさん)・『お師さん』が訛ったもの。『集覧:多』。『集覧』の表現は『おつさん』。
・おーさま:静岡。
・おっさま:群馬・長野・静岡。
・おっさん:宮城・神奈川・長野・静岡。
・おっしゃん:群馬・長野。
・おっしょー:先生:山形。『お師匠さん』。
・おぼっさん:静岡。
�A・おっさん:首都圏・佐渡島。
�Bその他。
・おっさん:叔父:佐渡島。
・おっしゃん:叔父:長野。 
・おっしー 【形】惜しい −
◎おっしゃ
・おっしゃい
押し合い −
・おっしゃいおっしゃいおっしゃいな 石岡市の囃子言葉 『おっしゃい、おっしゃい、おっしゃいな、おっしゃいバケツが十三文、安いともったら、底抜けだ。』と言う。
◎おっしゃす 【動】壊す、潰す 『押し潰す(つやす)』が訛ったもの。
◎おっしゃま 僧侶、師匠 『和尚さん』(おしょうさん)・『お師さん』が訛ったもの。
□おっしゃる 【動】仰せられる 『仰しゃる』。江戸時代に方言と認識された言葉。当時の新語と考えられる。
・おっせー 【形】遅い −
◎おっせる 【動】教える −
・おっそい 【形】遅い −
・おっそさまでした
・おっそさんでした
【複】お粗末様でした −
・おっそろしー 【形】恐ろしい 俗語と見られる。
・おっそろしー:非常に・すごい:東京。
・おっそわげ お裾分け −
(おった) 【複】落ちた 新潟・長野・静岡。
・おったおらがす
・おったーらがす
【動】倒す ・おっとかす:倒れる:鹿児島。
・おったぎる 【動】�@勢い良く切る、�A煮えたぎる �@ぶったぎる(打った切る)の転。
�A『滾る(たぎる)』(湧き上がる、煮え立つ)。
・おったぎれる 【動】勢い良く切れる −
・おったーす
▲おったうす
◆□おったおす
【動】押し倒す 『集覧:無記載』。十返舎一九の『東海道中膝栗毛』にも出て来る『おったふす』の流れ。
・おったぐる 【動】�@ひったくる、ふんだくる、、�A追いまくる、�B追い払う �@清音なら標準語。『押っ手繰る』。=『ぶったくる』。
�A『追い』『たくる』意味。茨城の『たくる』は『しまくる』意味がある。
�B『追い』『たくる』意味。茨城の『たくる』は『無理やりする』意味がある。
・おったぐる:福島。
・おったぐる 【動】手繰る 『おっ』『手繰る』。
(おったける) 【動】押し付ける 神奈川。
◆おったす 【動】�@取り出す、�A差し出す、あげる、�B別のところに置く、�C捨てる、�D加える、足す �@�A�B�C『出す』。=『ぶったす』。
★はやぐおったせ:早く寄越せ。
★おったせ:よこせ。
�D『足す』
・おっただぐ
▼おったたく
【動】叩く −
・おったづ
・おったつ
【動】�@立つ、�A建つ、�B勃起する 『押っ立つ』。
�@・おったつ:立つ:山梨・静岡。
�B ほぼ『筋などが強く張る。硬直する。』意味。△秋田・岩手ではくたびれることを『おったつ』と言う。足や体がが棒のようになり曲がらない状態を指すと考えられる。『こわい』と同じ。
◆おったでなごーど 既に結婚が決まったカップルに依頼された仲人 茨城弁は、極端に強調する言葉だと言われることを証明するような方言。今なら普通の事だが当時は仲人同士がまず婚姻の話を進めることから始まったのでそう呼ばれる。
・おもてのなこーど:神奈川。
◆おったでる
□おったてる
【動】�@建てる、�A立てる、�B勃起させる、�C追い立てる 濁音化。
�@�A�B『押っ立てる』。
・おったでる:千葉。
・おったてる:群馬。
★『土』:毎日暮(まいひぐれ)ぢやねえけ徳利(とっくり)おっ立(た)てゝんな。
�C『追っ立てる』。
・おったてる:群馬。
・おっだぬぐ
▲▼おったぬく
【動】�@出し抜く、嘘をつく、先を越す、�A▲▼除名する �@『おだをあげる』の『おだ』(いつまでたっても結論の出ない会議・相談/小田原評定)を抜く意味か。
�A茨城方言集覧では旧稲敷郡の方言で『除名する、村八分にする』意味とある。
◆おったまげる 【動】驚く、びっくりする 今では、俗っぽく方言に近いが、辞書にはきちんと掲載されている。
・おったまげる:群馬。
▼おったまる 【動】たまる −
・おっためる 【動】ためる −
▲おったら
・おったらもん
【形動・名】もったいないもの、惜しいもの 『可惜物』(あたらもの)。『集覧:久』。
・おっち
◎おっちー
お汁、味噌汁 『おつゆ』の転。
・おっしー:静岡。
▲▼おっち �@唖、�A雌の蝉 『集覧:稲・西・真』。広域方言。古語『おふし』。
�@・おっち:東北全県・茨城・栃木・群馬・新潟・長野。
・おっつ:秋田・山形。
▲おっちー �@【感】▲ああ痛い!、�A【名】川の合流場所 『集覧:無記載』。
(おっちー) 【形】美しい 静岡。
・おっちかげ
・おっちがげ
・おっちかげごはん
ご飯に味噌汁をかけたもの =『しるかげめし』。
・おっぢがる
・おっちがる
【動】座る、地面にどっかりと座る 『いっちがる』がさらに訛ったもの。
・おっちぎる 【動】勢い良く切る、千切る −
・おっちぐちー
・おっちぐちゅい
・おっちごちゅい
・おっちごちょい
・おっちゅぐちゅい
・おっちょごちょい
【形動】おっちょこちょい 『おっちょこちょい』は、茨城では、基本的に標準語と同じであるが、まず、濁音形の『おっちょごちょい』がある。
次に、ウ段音に収束する傾向があるので、『おっちゅぐちゅい』と聞こえる。極端に表現すれば『うっちゅぐちゅい』とも聞こえる。
さらに、直音化傾向があるので、『おっちぐちゅい、おっちごちゅい、うっちぐちゅい、うっちごちゅい』と聞こえる。
高齢者などはさらに直音化して、『おっちぐちー、うっちぐちー』となる。
以上は、極端な表現だが、オ段を少しウ段に近づけ、拗音を曖昧にすると紛れも無い茨城方言になる。
・おっちくみ おたま −
◎おっちげー 【形動】逆さ、さ、間違いのさま、違えた様 古い言葉の『違える・交える』の流れ。
・おっちげる
・おっちげーる
【動】間違える、違える 古い言葉の『違える・交える』の流れ。
・おっちばる 【動】縛る ・おっちばる:埼玉。
・おっちぬ 【動】死ぬ 大辞林に掲載。口語の中で使われる。もともと方言だったものが、標準語化したか?。
・うっちぐ:山梨。
・うっちぬ:埼玉・神奈川・静岡。元『打ち死ぬ』か。
・おっちぬ:埼玉・東京武蔵村山・神奈川。
・おっちむ:群馬。
・おっちんじもー:死んでしまう:群馬。
・おっちねる 【動】ひねる、つねる、ねじる −
◎おっちぶす
・おっちゅぶす
【動】�@押し潰す、押し倒す、�A壊す、�B堕胎する −
◆■▲▼おっちめる 【動】�@▲とっちめる、こらしめる、�A押さえつける、�B締めつける �@『とっちめる』の転=『ぶっちめる』。『集覧:稲・新・多』。
・おっちめる:栃木。
�A『押さえ締める』。
�B『おっ』『締める』。
◎おっちゃがむ 【動】しゃがむ −
・おっちゃぐ 【動】裂く、破く −
・おっちゃげる 【動】裂ける、破ける(やぶける) −
◆▲▼おっちゃす 【動】�@押し潰す、�A壊す、�B破る、�C▲▼追い出す �@�A古い標準語の『潰す(つやす)』の転。『押しつやす』意味。現代語では自動詞形の『費える・弊える・潰える』(ついえる)が残る。
・おっちゃす:千葉・栃木。
★かったばがりにおっちゃっしゃってはいがんめ:買って直ぐ壊してしまってはいけないよ。
�B押しつぶす意味が『破る』に変化したもの。
『潰す(つやす)』という言葉が方言に残っているのは日本でもさほど多くはない。
�C『集覧:新』。
▲おっちやす 【動】�@押し潰す、�A壊す 『おっちゃす』の古形。古い標準語の『潰す(つやす)』の転。『集覧:西』。
・おっちゃっしゃー 【動】�@押し潰してしまう、�A壊してしまう ★そーたのいんねがらおっちゃっしぇー:そんなの要らないから壊しちゃえ。
・おっちゃばぐ
▼おっちゃばく
・おっちゃぶぐ
・おっちゃぶく
【動】裂く、破く 『落っこちる』に似た訛り形だが、この場合の『おっち』は、『打ち』が訛ったものだろうか。『打ち裂き捌く』『打ち裂き破く』あるいは強調形の『おっ』+『裂き捌く』『裂き破く』と考えられる。
・おっちゃぶげる 【動】裂ける、破ける −
◆▲▼おっちゃぶす
◎おっちゃぼす
【動】�@▲▼押し潰す、押し倒す、�A壊す、�B▼堕胎する 『集覧:稲』。『押し潰す』。『ちゃぶす』は『つぶす』と『つやす』の混交語にも思われる。
・おっちゃぶる 【動】壊す、破く 『ちゃぶる』は『潰れる』の転。
・おっちゃぶれる 【動】壊れる、潰れる 『ちゃぶれる』の強調形。
・おっちゃべぐる
・おっちゃべくる
【動】しゃべくる −
・おっちゃべる 【動】しゃべる、無駄話する =『くっちゃべる』。
◎おっちゃま お父さん、亭主 −
◆おっちゃらがす
■おっちゃらかす
【動】�@散らかす、�A放って置く、�B冷やかす、ちゃかす、�Cどかす、�D壊す �@『おっ』『散らかす』の意味。
�A『ほっちゃらがす』の転。
・おっちゃらがす:福島。
・おっちゃらかす:山梨。
�B『ちゃらかす』。
�C『うっちゃる』の転。
�D『おっちゃす』の他動詞形。
・おっちゃらげる 【動】�@散らかっている、�Aばらばらになる壊れる −
◎おっちゃらす 【動】�@どかす、散らす、�A放って置く −
◆▲おっちゃる 【動】�@▲捨てる、放る、�A折る �@『うっちゃる』が訛ったもの。『集覧:稲』。
�A『おっちょる』が訛ったものだろう。
・おっちゃれ 壊れている物、出来そこない −
◆▼おっちゃれる 【動】壊れる 古い標準語の『潰す(つやす)』『潰える(ついえる)』の転。
★おっちゃれっちったものいーぐらみでだってなおんねどはー:壊れたものをいくら見ていたって直らないよ、もう。
▲おっちゃん お父さん 明治期の茨城弁。『集覧:鹿・新・筑・多・西・久』。『おとう』は、江戸期の父親を指す言葉であることを誰でも知っている。明治末期の国定教科書で父親を『おとうさん』、母親を『おかあさん』と呼ぶよう指導される前の言葉。
・おっちゃん:神奈川。
◎おっちょーくむものいーぢのこ 子供の組み分けのじゃんけん 奇数は『雄蝶』、偶数は『雌蝶』に例えたと思われる。『雄蝶組む者一(の組)の子。』の意味。
・おっちょごちょい
・おっちょごちょいのちょい
ちょこちょこしていて考えの浅いこと。軽薄。また、そういう人。 『おっちょこちょい』は、明治初期に流行った『猫じゃ猫じゃとおしゃますが 猫が 猫が杖ついて 絞りの浴衣で 来るものか』という唄は別名『おっちょこちょい節』とも言い、その囃し言葉の『おっちょこちょいのちょい』に由来すると言われる。
◎おっちょす 【動】折る 『おっちゃす』が訛ったか、『折り裂き潰す(つやす)』『押し押す』意味か。
(おっちょてる・おっちょる) 【動】落ちる 静岡。
・おっちょめっちょ 雄蝶雌蝶 −
◆▲□おっちょる 【動】折る 『集覧:鹿・新・稲・多・北』。『折り裂き折る』『押し折る』意味か。元『打ち折る』か。
・おっちょる:宮城・千葉野田。
(おっちょーる) 【動】落ちる 静岡。元『打ち落ちる』か。
◎おっちょれる 【動】折れる 『折り折れる』『打ち折れる』『押し折れる』意味か。 元『打ち折れる』か。
・おっちょれる:宮城・八丈島。
★『土』:柄(え)が折(を)っちょれねえうちは動(いご)きっこねえか。
★『土』:怪我(けが)っちゃ過(えゝまち)だから、わし等(ら)も下駄(げた)穿(は)きながらひょえっと轉(ころ)がった丈(だけ)で手(て)っ首(くび)折(をっちっ)れたんだなんて。
◆おっちらがす
・おっちらかす
【動】�@散らかす、�A追い散らす =『かっちらがす』・『しっちらがす』。
�@『おっ』は強調の接頭語。
・おっつらがす:宮城。
・おっちらげる 【動】�@散らかる、�A白ける −
(おっちり) 【形動】落ち着いている様 静岡。『落ち居る』の名詞形と見られる。
◎おっちる 【動】落ちる −
・おっちーる 【動】強いる −
◎おっちんぼ
◎おっちんぼー
唖 『唖坊』の意味。
・おっつぁぐ 【動】裂く、破く(やぶく) ★そーたこきたねふぐおっつぁいっちぇ:そんな、薄汚い複は破いてしまいなさい。
◆おっつぁげる 【動】裂ける、破ける(やぶける) −
・おっつぁげる 【動】引き下げる、押し下げる −
・おっつぁす 【動】潰す、壊す 古い標準語の『潰す(つやす)』の転。
・おっつぁぶぐ 【動】破く
・おっつぁぶげる 【動】破ける
・おっつぁぶす 【動】潰す、壊す 古い言い回し。『ちゃぶす』の原型。
・おっつぁめる 【動】冷める、色があせる ★おらはー、よいがおっつぁめちったどやー:俺はもう、酔いが醒めちゃったぞ。
・おっつぁれる 【動】潰れる、壊れる 古い言い回し。古い標準語の『潰す(つやす)』の転。
・おっつぁれる:叱られる:栃木・群馬・埼玉。この場合は『押し潰される』意味が転じたと思われる。
◆おっつぁわぎ 騒ぎ立てること 『大騒ぎ』。
・おっつぁわぐ 【動】騒ぎ立てる ★みんなしておっつぁわいでなんにがあったのがー:皆で騒いで何かあったの?。
◎おっつぁん �@叔父、�Aおじさん、�B烏帽子子が烏帽子親を呼ぶ言い方 −
・おづづい 一昨日 語源は『落ちつ日』。『おとつい』に変化した後、関東では『おととい』となった。
・おっつぇる
・おっつぇーる
【動】押し付ける 『押し添える』意味。
・おっつぉい 【形】�@遅い、�A強い −
(おっつかっつ) 【形動】ほぼ同じ様 神奈川。
『追いつ追われつ』を受けた『追いつ駆けつ』『追いつ勝ちつ』の意味か。
・おっつかっつ:やっと・大体均等:静岡。
・おっつがない
▲おっつかぬ
・おっつがねー
【複】帳尻が合わない、追いつかない 『集覧:稲』。
明治の茨城には『』が残っていた証である。
・おっつがめる
・おっつがめーる
【動】捕まえる ・おつかめる:宮城。
◆おっつがる 【動】�@くっつく、�Aそばに寄る、�B座る、地面にどっかりと座る 『付ける』は他動詞下1段活用だが、茨城弁では1段活用の自動詞になっている。
�@・おつかる:押し付けてある:長野。
★おっつがってねえ:くっ付いてない。
�A・おつかる:宮城。
★そーたおめ、おっつがんだねーよ:お前、そんなに寄るんじゃないよ。
�Bいづまでおっつがってねーで、はいぐしごどしろな
◆おっつぐ
□おっつく
【動】�@追いつく、近づく、�A帳尻が合う、�B仕事が予定通り出来上がる 『集覧:稲』。『追っ付く』。現代ではあまり聞かれない。明治期の標準語化政策の成果か。
�@・えっつく:鹿児島。
・おっかづぐ:山形。『かっつぐ』にさらに接頭語が付いたと見られる。
・おっつく:群馬・東京・山梨。
・おっとづく:神奈川。
★まちっとでおっつぐべ:もう少しで追いつくよ。
・おっつぐ
・おっつく
落ち着く ・おっつく東京。
・おっつくねる 【動】無造作に重ねる、捏ね上げて作る 『おっ』+『捏ねる』。
・おっつくばる 【動】座る、かがむ 『おっ』『蹲る(つくばる)』(うずくまる、かがむ、しゃがむ)。
・おっつけでーぐ 図面でなく現場に合わせて作ってしまう大工。 あまり良い意味ではない。
・おっつけでーく:群馬。江戸言葉。
・おっつけばんじょー:神奈川。『番匠』は大工のこと。
・おっつげ
・おっつけ
【副】間も無く 清音形は江戸言葉。
・おっつけ:山形・群馬・山梨・静岡。
◎おっつげる
▲□おっつける
【動】�@くっつける、�A添える、�B結婚させる、�C押し付ける、押さえつける �@�A�B『おっ付ける』。これは今でも良く使われる。
・おっつげる:近づける・よせる・呼び込む:千葉。
・おっつける:東京・山梨。
�C『押し付ける』。『集覧:西』。現代ではあまり使われないが相撲に『おっつけ』が生きている。
・おつける:宮城・長野。
・おっつける:青森・東京・神奈川。
・おっつごまる
・おっつごまる
・おっつぐまる
・おっつぐまる
【動】押し詰めてある、押し詰まる、押し迫る −
・おっつごめる
・おっつごめる
・おっつぐめる
・おっつぐめる
【動】押して突っ込む −
◎おっつぶす 【動】�@潰す、�A押し潰す �@『おっ潰す』。
�A『押し潰す』。辞書に無いのが不思議な言葉。
・おっつぶる 【動】(目を)つぶる =『くっつぶる』。
・おっつぶれ �@潰れること、�A潰れたもの、�B中止になること ・おっつぶれ:行事などが中止になること:神奈川。
◎おっつぶれる 【動】潰れる、中止になる ・おっつぶれる:埼玉。
・おっつぼまる 【動】押し詰めてある、陰でで密かに様子を見る −
◆▼おっつまり �@行き止まり、余裕が無い様、差し迫ること、�A結局、�B年の瀬、大晦日 �B『大詰り』の意味か、または『おっつもり』がさらに訛ったか。
・おっつまる 【動】行き止まる、差し迫る、近くなる ・おっちまる:年の瀬になる:神奈川。
・おっつまる:前の人の距離が詰まる:神奈川。
◎おつづみ 包み金 『お包み』。
△おっつめ �@年の瀬、�A大晦日、�B忙しい時 『大詰め』。
�@�A・おっつめ:群馬・神奈川・山梨。
・せっき:神奈川。『責付』の意味か。
�B・おっつめ:神奈川。
▼おっつめる 【動】詰める、押し詰める −
▲おっつもり �@行き止まり、余裕が無い様、差し迫ること、�A終局、�B▲大晦日、�C最後の酒 �B『集覧:無記載』。
標準語の『御積り』は、『酒席で、その酌限りでおしまいにすること。またその酒』。
江戸下町言葉の『おつもり』は、銚子の酒が無くなる意味。
・おごっつい:栃木。
・おっつまり:茨城。
・おっつめ:茨城・群馬・神奈川。
・おっつもり:茨城。
・おーつもご:愛知・高知・山口。
・おーつもごり:京都・岡山・島根。
・おーどし:茨城。
・おーとし:富山・長野・大分。
・おーとし:節分:静岡・三重・長崎。
・おーとしまめ・節分の豆まきの豆:三重。
・おーどしとり:茨城。
・おもっせー:埼玉・神奈川・長野・山梨・静岡・滋賀。
・おもっせーそば・おもっつぃそば:年越し蕎麦:茨城。
・おもつぃ:茨城。
・おーつもごり:京都・岡山・島根。
・おんぞめ:神奈川。
・こもっせ:正月14日:茨城。
・としとり:大晦日・節分:標準語。
・としまめ・節分の豆まきの豆:標準語。
◎おっつもり 【副】おおよそ、だいたい 『積り:前以ての計算。みつもり。』の意味。
・おっつもり:神奈川。
・おっつるむ 【動】つるむ ・おっつるんむ:神奈川。
・おってぎぼり
・おってけぼり
置いてきぼり −
◎おっでる
▲おってる
【動】落ちる 『集覧:北・久』。
▲▼おっと
▼おっとー
▲おとと
酒 幼児語。『お屠蘇』(おとそ)。『集覧:稲・新』。
・おっと:山形・福島・茨城・千葉・栃木・埼玉・神奈川・長野・山梨・静岡・岡山・愛姫・高知。
・おとと:岩手・岐阜・滋賀。
・おっど
・おっと
・おっどう
・おっとー
�@お父さん、�A夫 �@は三人称で明治から大正生まれの人が使っていた。濁音化、夫とお父さんが実はもとは一緒であったのではないかと思わせる言葉。実際調べてみると予測通り『夫』は『男人:男または男の既婚者』(おひと)が語源だそうである。
・おっとー:神奈川。
・おっどい
▼おっとい
一昨日 ・おってー:静岡。
・おっといな:群馬。格助詞を含んだ表現と見られる。
・おっとおし
・おっとし
連続して、ずっと あまり使われなくなった標準語。
・おっとぐ 【動】放って置く h音の脱落。
★ひとんごどはおっといでくれよ:人のことは放っといてよ。
・おっとごどっこい すっとこどっこい、馬鹿野郎 『おっとどっこい』の意味で使う場合は方言というより間違い言葉。
・おっどさん
・おっとさん
�@お父さん、�A主人 �@・おっとさん:神奈川。
・おっどし
・おっとし
一昨年 ・おっどし:千葉。
・おっとし:群馬・神奈川。
◎おっとちゃん お父さん ・おっとちゃん:神奈川。
・おっとどぐ 【動】�@届く、�A追いつく �A・おっとづく:神奈川。
▲おっとな 大人 『集覧:多』。 
◎おっとばされる 【動】追い払われる、追い駆けられる、左遷される −
◆■▲□おっとばす 【動】�@追い払う、左遷する、�A追い駆ける、�B突き飛ばす �@『追い飛ばす』。
・うぇとばかす:鹿児島。
・うとばかす:鹿児島。
・おっとばす:千葉・栃木・群馬。
�A『追い跳ばす』。『集覧:稲・新・西・真』。
・おっとばす:群馬・東京。
�B『押し飛ばす』。
・おっとばす:福島・神奈川。
・おっとぼげる 【動】とぼける =『すっとぼげる』。
・おっとまがせ
・おっとまかせ
【感】気軽に承諾する意を表す語、よしきた ・おっとまかせ:東京。
◆▼おっとまり 【形動】�@突き当たり、行き止まり、�A(村の)はずれ、�Bびてい骨 『止り』。
�@・おくづまり:神奈川。
�Cその他。
・おっとまり:終わり:群馬。
・おっとまる 【動】�@止まる、�A(鳥等)が止まる、�B泊まる −
・おっとられる 【動】取られる、盗られる 『押っ取る』の受身形。
・おっとられる:山梨。
・おっとる 【動】無理に取る 『押っ取る』。あまりつかわれなくなった標準語。慣用句に『押っ取り刀で駆けつける』がある。
・おっとっ:鹿児島。
・おっとりっこ:取り合い:山梨。
・おっとる:山梨・鹿児島。
・おっとろしー 【動】恐ろしい、おどろおどろしい 古語の『驚し(おどろし)』と同源。『おとろし』形の方言は、『方言学概論』によると富山・石川が東限とあり、この茨城方言はテレビや漫画などを通じて広まったと見られる。
・うとるしゃ:沖縄。
・おっそろしー:東京。
・おっとろし:京都。
・おっとろしー:大分。
・おとろし:近畿・中国・四国全域・九州(熊本を除く)。
・おとろしー:富山・石川・近畿・中国・四国全域・九州(熊本を除く)。
・おとろしか:鹿児島。
・おとろしや:沖縄。
◆おっとん 布団 幼児語。新しい言葉。テレビの影響か?。
・おっとんきょ 【形動】素っ頓狂、間抜け ・おっとんきょー:群馬。
▲おつない
◎おっない
【形】恐ろしい 『集覧:西』。『乙なし』(奇なこと、異なこと、風変りなこと)の意味と思われる。
(おづね・おづる) 山続き、山脈 静岡。『尾つ根』『尾弦』の意味か。
▲おっぱい 【形】塩辛い 『集覧:無記載』。=『塩っぱい』。si音が脱落したものと思われる。
・おっばがす
・おっぱがす
【動】剥がす −
・おっばがれる
・おっぱがれる
【動】剥がれる −
・おっばぐ
◆おっぱぐ
【動】剥ぐ −
・おっぱぐす 【動】見捨てる、手放す、仲間からはずす ・おっぱぐす:山形。
◎おっぱぐる 【動】勝負事で相手を負かす −
・おっばぐれる
・おっぱぐれる
【動】逸れる、連れから離れる、迷子になる ・おっぱぐれる:山形・福島。
・おっばげる
・おっぱげる
【動】剥げる、(色が)あせる、 ・おっぱけ:駄目:神奈川。
・おっばさまる
・おっぱさまる
【動】挟まる −
・おっばさみ
・おっぱさみ
竹棒の先を二つに割り棒を挟んで柿等をもぎり取る道具 ・くっぱさみ:埼玉。
・わっぱさみ:神奈川。
・おっばさむ
・おっぱさむ
【動】挟む ・おっかさむ:山梨。
・おっぱさむ:埼玉。
・おっばじ
◆おっぱじ
�@恥、�A端、先端、�Bはずれ 『恥』『端』の強調語。
・おーっばじ
・おーっぱじ
大きな恥 −
◆おっぱじぐ
◆■▲おっぱじく
◎おっぱーじぐ
【動】�@■▲弾く、�A計算する、�Bそろばんをはじく 半濁音は濁音で発音されることがある。『集覧:稲』。
・おっばじまり
・おっぱじまり
始まり −
・おっばじまる
◎おっぱじまる
【動】始まる −
・おっばじめ
・おっぱじめ
初め −
・おっばじめる
◆おっぱじめる
【動】始める 半濁音形なら標準語の俗語。
・おっぱじめる:群馬・山梨。
・おっばしよる
・おっぱしょる
【動】端折る、省く =『はしょる』。半濁音は濁音で発音されることがある。
・おっばしる
■▲おっぱしる
【動】走る 『集覧:新』。『打ち走る』か。
・うっぱしる:山梨。『打ち走る』か。
・うっぱす:山梨。『打ち馳す』か。
・おっぱしる:埼玉・東京多摩・神奈川。
・おっばずがしー
・おっぱずがしー
【形】恥ずかしい −
・おっばずす
◆おっぱずす
【動】�@当てを外す、�A取り外す �A・おっぱずす:埼玉・群馬。
・おっばずれ
◆おっぱずれ
�@外れること、�A当てが外れること、�B抽選に漏れること、�C受験に落ちること、�D村はずれ −
・おっばずれる
◎おっぱずれる
【動】�@外れる、�A当てが外れる、�B抽選に漏れる、�C受験に落ちる −
◎おっぱだぎ �@器等の中身を空にすること、�A商品等を処分すること、使い果たすこと、�B賭け事等で負けてなにもなくなること、すかんぴん �@★ふぐろおっぱだいですてっちぇ:袋を空にして捨ててしまえ。
�A★ざいさんぜんぶおっぱだぎだーおら:俺は、財産を全部使い果たしたよ。
�B・おっぱたき:千葉。
�Cその他。
・おっぱたき:末っ子:埼玉。
・おっぱたき:おてんば:長野。
・おっぱたき:箕や筵等についた穀物のくず:神奈川。
・おっばだぐ
◆おっぱだぐ
■おっぱたく
【動】�@叩く、�A叩いて捨てる、�B器の中の食べ物を捨てる �@・おっぱたく:群馬。
・おっばなす
■おっぱなす
【動】�@放す、逃がす、手を離す 『追っ放す』。江戸初期の『日葡辞書』にもある言葉。
江戸時代には一般に使われていたが、その後標準語圏では消えてしまい、東北を中心に残ったと見られる。
・おっぱなす:宮城・山形・福島。
・おっばなれる
・おっぱなれる
【動】�@離れる、�A逃げられる −
・おっばねる
・おっぱねる
【動】�@取り除く、�A別にする 『撥ねる(はねる)』(弾き飛ばす)が転じたと考えられる。
�A・おっぱねる:別にする:東京多摩。
・おっぱまる 【動】�@落ちこむ。�Aかかわって身動きできなくなる。�B計略にひっかかる。だまされる。�C女色に溺れる。惑う。�Dしっくりと合う。ぴったりとはいる。�Eあてはまる。適当する。 『填る・嵌る』の強調語。『おっ』は元『打ち』(接頭語:その意を強め、または音調をととのえる。)と考えられる。
・おっぱむ 【動】食べる 『食む』の強調語。
・おっばめる
◆▲おっぱめる
【動】�@▲嵌める、�A騙す、陥れる �@『集覧:東』。
・おっぱめる:Hする:千葉銚子。
・おっぱめる:山梨。
�A・おっぱめる:群馬。
★『土』:博勞(ばくらう)なんちい奴等(やつら)は泥棒根性(どろぼうこんじやう)無(な)くっちや出來(でき)ね商賣(しやうべえ)だな、嘘(ちく)らっぽう打(ぶ)んぬいて、兼等(かねら)汝(わ)りゃ、俺(お)れことせえおっ嵌(ぱ)める積(つもり)しやがつて。
・おっぱらー
□おっぱらう
【動】追い払う ・おっぱらい:薪:静岡。『折り払い』の意味か。
・おっぱらう:東京・山梨。
・おっぱれー:終わり:神奈川。
・おっぱろう:山梨。
・おっぺ:全部無くなること:神奈川。
・おっばる
◆▲おっぱる
【動】�@貼る、�A気を張る、頑張る、�B▲打つ、叩く 『集覧:筑・北』。
�@・おっぱる:千葉野田。
�A・おどれーおっぱる:極度に驚く:神奈川。
◎おっぴぐ
▲おっぴく
【動】�@引く、引っ張る、�A▲挽く 『集覧:久』。受身形は『おっぴがれる』。
・おっぴく:押し潰す・やりこめる:千葉。
(おっぴさん ) ひいばあさん、ひいじいさんの総称 宮城。
この場合の『ぴ』は『陳ねる』の意味である。
・おっぴしごむ
・おっぴしこむ
【動】押し込む 『おっぺしこむ』が更に訛ったものだがこちらの方が使用頻度は高い。半濁音は濁音で発音されることがある。
・おっぴす 【動】押し込む 『おっぺす』が訛ったもの。
・おっぴしゃがれる 【動】潰される −
◎おっびしゃぐ
◆■おっぴしゃぐ
▲おっぴしゃく
【動】押し潰す、へこます 『集覧:無記載』。『押し拉ぐ』。
・おっぴしゃぐ:栃木。
・おっぴしゃげる 【動】潰れる 『げ』は鼻濁音。
・おっぴやがす
◎おっひゃかす
【動】冷やかす、からかう −
・おっびやす
◆おっぴやす
【動】�@冷やす、�A(食器などを)水に浸けておく、浸す、�B肝を冷やす −
・おっびらぎ
◆おっぴらぎ
・おっぴらき
�@ 戸等が開いた状態、�A手のひらをひろげた状態、転じて五の数字、�B公然の状態、�Cお手上げ、�D終わり 『押し開き』。
�A・おっぴらき:神奈川。
�C・おっぴらき:東京。
�D『お開き』。
・おっぴらき:東京。
・おっびらぐ
◆おっぴらぐ
・おっぴらく
【動】�@勢い良く開く、�A公然とする 『押し開く』。
�@・おっぴらく:東京。
�A・おっぴらく:東京。
・おっぴらげ
◎おっぴろげ
�@ 戸等が開いた状態、�A手のひらをひろげた状態、転じて五の数字、�B公然の状態、�Cお手上げ 『げ』は鼻濁音。
◎おっぴらげる 【動】広げる 『げ』は濁音・鼻濁音。『開ける(ひらける)』なら標準語。
・おっぴらげる:東京青梅。
・おっびる
・おっぴる
【動】おならをする、ウンチをする 『放る』(ひる)の転。
・おっびろい
・おっぴろい
【形】広い −
・おっびろがる
・おっぴろがる
【動】広がる −
・おっびろげる
・おっぴろげる
【動】広げる 半濁音形なら標準語。
・おっぴろげる:千葉・東京青梅・山梨。
・おっびろげ
◆おっぴろげ
【形動】隠さず明るいこと、開けっぴろげ −
・おっぷさぐ 【動】塞ぐ −
・おっぶさる
・おっぷさる
【動】�@背負われる、おんぶされる、�A伏せる、腹ばいになる �A・おっぷさる:山梨。
・おっぷす 【動】押し伏せる 自動詞のこともある。
・おっぷす:群馬。
・おっぶせる
・おっぷせる
【動】押し伏せる 『押っ伏せる』(強いて伏させる。ねじふせる。)。
・おっぷせる:東京・山梨。
・おっぷたぐ
・おっぷてぐ
【動】塞ぐ 『塞ぐ』(ふたぐ)の転。
★『土』:そんぢゃ、藁か萱でおっ塞(ぷて)えたんでもあんびや。
・おっぶりまーす
・おっぷりまーす
【動】振り回す ・おっぷる:強く振る:山梨。
・おっぶるー
・おっぷるー
【動】ふるいに掛ける −
(おっぺ) 全部無くなる事 神奈川。
・おっべがす
◆おっぺがす
◎おっぺーがす
【動】剥がす 『剥がす』。半濁音は濁音で発音されることがある。
・おっべげーす
・おっぺげーす
【動】ひっくり返す 『おっぺす』+『けーす』。土浦で使う人はやや少ない。半濁音は濁音で発音されることがある。
▲△おーっぺし 大飯ぐらい 『集覧:新』。この場合の『ぺし』は『減す・拆す』(へす)の名詞形と思われる。
○おっぺしあんどん 提灯 『押し潰し行灯』の意味。
『称呼』には『てうちん:仙台にてひぶくろ、常陸にてをっぺしあんどんともいふ。日向にてへこといふ。』とある。
・おっぺしごむ
◆おっぺしこむ
【動】押し込む 『押し圧し込む』意味。半濁音は濁音で発音されることがある。
・おっぺしこむ:栃木・神奈川。
・おっぺしつける:押さえつける:神奈川。
・おっぺせーる:押さえつける:神奈川。『押し圧さえる』。
・おっぺしゃる 【動】潰れる 原型は『押し圧しやらる』か。
(おっぺしゃんこ) ぺしゃんこ 神奈川。
原型は『押し圧しやらる事。』か。標準語では『ぺしゃんこ・ぺちゃんこ』とも言う。現代では『ぺちゃんこ』の方が主流だろう。
茨城では、文献には残っていないが、『ぺちゃんこ』を強調した言葉として昔はあったのではないかと思われる。
・おっぺしゃんこ:顔のよくない女:静岡。
◆■▲おっぺしょる 【動】圧し折る 『押っ圧折る』。『集覧:西』。原型は『押し圧し折る』か。
『国誌』には『おっほしょーる』がある。
・おっぴしょく:埼玉。
・おっぴしょる:神奈川。『死ぬ』意味もある。
・おっぴしょーる:東京・神奈川。
・おっぺしょる:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・埼玉・東京・神奈川・新潟・長野・山梨。
・おっぺしょーる:神奈川。
・おっぺせーる:神奈川。
・おっぽしょる:長野。
・おぴしょる:神奈川。
・ひっぺしょる:長野。
◆■▲おっぺす 【動】�@押す、�A押し潰す 『押っ圧す』。『集覧:稲・新・多・北』。原型は『押し圧す』か。
・おっぺす:千葉・埼玉・群馬・東京多摩・神奈川・佐渡島・山梨。
・おっぺーす:東京。
・おっぺずる 【動】削る 『削る』の古形はは『剥る(へずる、へつる)』。
建築専門用語でコンクリートなどを削ることを『はつる』と言う。
・おっべらす
◆▲おっぺらす
【動】減らす 『集覧:多』。
▲おっぺりなさい 【複】寝なさい 『集覧:稲』。『(寝床に)お入りなさい』の意味。
・おっぺる
・おっぺーる
【動】(池などに)はまること、入る 『入る』の転、半濁音は濁音で発音されることがある。
・おっぺる:宮城。
・おっぼ
◎おっぽ
尾 半濁音形なら標準語。『尾っぽ』。
・おっぱ:青森・佐渡島。
・おっぽ:群馬・東京・長野・静岡。
・おっぽがす
・おっぽかす
【動】放って置く、約束を破る 『放下す』の強調形。
・おっぽかす:栃木。
・おっぽじぐる
・おっぽじくる
【動】ほじくる ・おっぽくじる:神奈川。音位転倒。
・おっぽじくる:神奈川。
□おっほしょーる 【動】圧し折る 『押し圧し折る』。
・おっぽじる 【動】ほじる ・おっぽじる:神奈川。
・おっぽっどぐ
・おっぽっとぐ
・おっぽっとく
【動】放って置く ・おっぽっどぐ:千葉銚子。
・おっぽっとく:群馬・神奈川。
◎おーっぽら 大嘘 −
・おっぼらがす
◎おっぽらがす
【動】放って置く、約束を破る ・おっぽらかす:群馬。
・おっぽーらかす:神奈川。
◎おっぽり 沼 −
・おっぼりごむ
・おっぽりごむ
・おっぽりこむ
【動】放り込む ・おっぽりこむ:東京・神奈川。
・おっぼりだす
・おっぽりだす
【動】放り出す やや古い標準語。『押っ放り出す』『押し放り出す』。
・おっぷりだす:群馬。
・おっぽりだす:群馬・東京。
・おっぼる
◆おっぽる
【動】放る、投げる 半濁音形ならやや古い標準語。元『ほっぽる』と考えられる。日本語の変遷には、文中のハ行音がア行音に変化した歴史がある。
・おっぷる:群馬。
・おっぽる:千葉・群馬・東京多摩・神奈川。
・おっぽーる:神奈川。原型に近い言い方だが辞書には無い。
・おっぼれ
◆▲おっぽれ
�@大雨でできた穴、�A増水したり堰が破れた時に水が溢れた深い場所 『大きく掘られたところ』の意味。『集覧:北』。
・おっぽれ・おんまし・ふけーとご:淵:千葉。
・おっぽれる 【動】穴が開く、穿れる −
・おっぽろがす 【動】放って置く −
△おっぽろく
・おっぼろす
・おっぽろす
【動】�@捨てる、ほうり投げる、�A無くす、�Bほったらかす �@★おっぽろっちぇ・おっぽろっしぇ:捨ててしまえ。
�A△宮城。
★ぜんこおっぽろっしゃった・ぜんこおっぽろっちゃった:お金を無くしちゃった。
(おっぽろげ) できそこない、なりそこない 福島。『げ』は濁音か鼻濁音かは不明。
◎おつまり 大晦日 ・おつまり:お茶請け・ごちそう・つまみ・おかず:長野。
(おつもり) 酒席の終わり 埼玉・東京・長野。
広辞苑に『御積り:酒席で、その酌(シヤク)限りでおしまいにすること。また、その酒。』とある。
◎おーつもり あらまし、おおよその様 『大積り』(おおづもり)。濁音化。
・おづや
・おづーや
通夜 −
◎おづゆ
・おつゆ
汁、味噌汁 濁音化。広辞苑に『おつゆ【御汁】:(婦人語) 汁または清汁(スマシジル)。』とある。
・おつゆ:汁・普通は味噌汁に対して澄まし汁を指し煮物の煮汁もいう:東京。
◎おづよ
・おつよ
汁、味噌汁 30年代の言葉。『ゆ』を『よ』と発音するのは東北弁の特徴でもある。
しかし、関東圏でもかつて『樋』を『とよ』と言っていたがこれは辞書掲載語である。
日本語の変遷の歴史の中で終助詞『や・よ』が『い・え』に変化したことが解っている。
・おつよ:宮城・福島・長野。
◎おっら 【代】�@俺、�A俺たち 促音便後のラ行音は、標準語や英語には無いがイタリア語にはある。
・おーづら �@大きな顔、�A傲慢な様 『大面』。
・おーづら:千葉・長野。
・おーづら:膨れ面:静岡。
・おーづらさげる
・おーづらする
【動】尊大な態度をする、大きな顔をする 『大面を下げる』。
・おづり �@おつり、�A汲み取り式便所のおつり 濁音化。汲み取り式がほとんど無くなった今、トイレのおつりは死語になりつつある。
・おつり:山梨。
◎おでー
▲おでい
連続した田んぼのうちの一番下の田 『集覧:無記載』。
・おーであげる
・おーでをあげる
【複】はばからずに事をする 本来は『大手を振る』。以下の神奈川の方言は『おだをあげる』と一部混乱しながら『いばる』意味で使われる。
・おだあげる:神奈川。
・おだーあげる:神奈川。
・おーだーあげる:神奈川。
・おだまく:神奈川。『いばる』意味のみ。
・おーだをあげる:神奈川。
・おでをあげる:神奈川。『いばる』意味のみ。
・おーでをあげる:神奈川。『いばる』意味のみ。
・おどあげる:神奈川。『いばる』意味のみ。
・おどをあげる:神奈川。『いばる』意味のみ。
・おーどをあげる:神奈川。
・おーどーをあげる:神奈川。『いばる』意味のみ。
◎おでおでしてらんねー 【複】おちおちしていられない −
◆おでこ 釣りで一匹も釣れないこと 『木偶』が訛ったか。
(おてこ) 助手、手伝い 山梨。
標準語では『御手子(大名の抱えた火消し人足。)』『手子(てこ)・手子の衆・梃の衆(てこのしゅう):梃を使って働く人びと。土工・石工など、下働きの労役者。手子。梃の者。』がある。
◆おでーしさま 大師様 −
(おでしゃ) でしゃばり 神奈川。
◎おでーじん
◎おでーじんつぁま
裕福な家 『お大尽』。
・おでーじん:山梨。
(おです) でしゃばり 神奈川。
・おでしょ
◎おでしょー
・おてしょ
・おてしょー
小皿、手塩皿 『御手塩(おてしょ)』。元『手塩皿』。
・おてし:神奈川。
・おてしお:東京。辞書には無いが原型と見られる。
・おてしょ:群馬・東京・神奈川・長野。
・おでだま
・おでだまつぎ
◎おでだまつき
●おてだまつき
●おてだまどり
お手玉遊び 方言地図によると『おてだまどり』は全国に散在するが関東圏では東部に集中する。『おてだまつき』は茨城県下では西部に、他県では東北・長野・滋賀県に集中している。『手玉に取る』という言葉があるように、いずれも古い言葉と考えられる。
・おでづだい
・おでっでー
・おでってー
お手伝い ・おでって:宮城。
・おでっぱ
◎おてっぱ
おてんば −
(おてっぱいとる) 【動】追従する 宮城。
・おーでっぽーぶづ 【慣】大口をたたく、でまかせを言う −
・おでます 【動】出てていかれる、出てこられる 辞書には名詞形しか無い。
(おてもと) 箸 『称呼』には『箸:豊州にてをてもとと云。又食盤を俗に膳といふ。然とも膳は飯食を兼備ふるの惣称也。又俗に折敷(をしき)は食机(をしき)にていにしへ食ををしといひし也。』とある。ここで『折敷』とは『四方に折りまわした縁をつけた、へぎ製の角盆または隅切盆。食器や神饌をのせるのに用いる。足打折敷・角切(スミキリ)折敷・そば折敷・山折敷・縁高(フチダカ)折敷・かんなかけ折敷など種類も多い。』とある。
◎おでーや 台所 −
◎おでやる 【動】雷が鳴る 『お出でなさる』意味。
・おでら 寺 濁音化。
◎おでらさま
◎おでらさん
�@寺、�A寺の住職、僧侶 標準語には寺の意味は無い。
�A・おでらさま:山形。
・おでーらに
・おてーらに
【副】足をくずして 『平らに』。
・おたいらに:山梨。
・おでーらに:宮城。
・おーでれ
・おーでれすけ
・おーでれやろ
罵倒語、全く駄目な人 −
・おでれづ お世辞、へつらい 『でれつく』が訛ったか?。
・おーでをあげる
・おーてをあげる
【慣】大手を振る −
(おでん) − 広辞苑には『(「でん」は田楽デンガクの略)�@木芽(キノメ)田楽。�A(煮込田楽の略) 蒟蒻(コンニヤク)・豆腐・八頭(ヤツガシラ)・はんぺん・つみれなどを醤油味で煮込んだ料理。関東焚き。』とある。
いわゆる煮物として、練り物を煮物として使ったことは、昭和30年代の土浦の記憶には無い。
・おでんき
・おてんき
�@晴れ、�A気が変わり易い人 �@=『いーおでんき』。
�A・おてんき:東京。
・おでんきあめ 天気雨、照り雨 −
・おでんきぐさ
◎おてんきぐさ
スベリヒユ −
・おでんきび 晴れの日 −
・おでんきもよー 空模様 −
・おでんきもん
・おでんきや
気が変わり易い人 『御天気屋』。
・おてんき:東京。
・おてんきや:気が変わり易い人:東京。
・おてんきや:相手に調子を合わせる人:神奈川。
・おでんぐさま 高慢な人 濁音化。
・おてんぐさま:群馬。
・おてんご:神奈川。
(おてんくり) 【動】体をぐらぐらさせて歩く 神奈川。
▲おでんこ 裸 『集覧:無記載』。『尻丸出し』の意味。接頭語『お』+『臀』+接尾語『こ』。
(おてんご・おてんごー) 自慢する人、いばること 神奈川。
(おてんしょうだけ) 大天井岳 長野県にある山の名称の一つ。通称『表銀座コース』と呼ばれる中房温泉からから燕岳を経由して槍ヶ岳に至る縦走コースの途中にある山で、標高2922mある。北アルプスの初心者コースにある瘤のような山で、目標の山とされることは無い。さらにコースは頂上を通らず巻き道になっているからさらに存在感が薄い。
言語としては興味深い山名だが、ウィキペディアには『「だいてんじょうだけ」と呼ぶ人もある。山名は「御天上」・「御天所」からきている。これには、「二ノ俣谷を詰めた最高所」という意味がある。松本城の天守閣に似ることから「おてんしゅかく」が「おてんしょう」に転訛したのではという命名説が一般的だ。』とある。なるほどそうだったのかと思わせる。
(おてんぞーばん・おてんど・おてんどー・おてんどーばん) 料理番、料理の手伝いをする人 神奈川。
・おてんぞー:料理をすること:神奈川
(おてんたら) おべっか、お世辞を使う人、おもねりへつらうこと 神奈川・群馬・長野・山梨・静岡。
(おてんたらもの・おてんたらもん) お世辞を使う人 神奈川。
(おてんちゃん) お転婆 神奈川。
・おでんたら:静岡。
・おでんてん
・おてんてん
頭 幼児語。『天天』。
・おでんとさま
▲おてんとさま
・おてんとーさま
◎おでんとさん
太陽 『お天道様』。『集覧:新・多・水』。
・おでんとさま:千葉。
・おてんとさま:福島・千葉・神奈川。
・おてんとーさま:千葉・神奈川。
・おでんとさん:宮城。
・おてんとさん:埼玉・群馬。
・おてんとーさん:埼玉・神奈川。
・おーでんのさま 夏祭りに使う大人用の神輿 『大天王様』の意味。
・おでんば
・おでんぱ
◎おてんぱ
おてんば 濁音化・清音化。
・いなば:鹿児島。
・おてんちゃん:神奈川。
・おでんたら:静岡。
・おはちかん:神奈川。
(おてんば・おてんばな) 上がり口 静岡。
◎おでんべったら
◎おでんべったり
◎おでんべろ
コンニャクの田楽 −
・おど
・おと
�@音、�A声 �Aの意味で清音の場合埼玉・岐阜・新潟でも使われる。
▲おど
◎おどー
お父さん、父親 『集覧:北』。
・おど:青森・山形。
・おとー:神奈川。
◎おどー 御堂 神輿が入っている御堂を指す。
・おーど
・おーどぐぢ
家の入り口の大きな戸 『大戸』。
当時の民家の玄関の戸は、概ね一間巾の片引戸で錠前は猿鉤が多かった。
蔵の施錠は人が居ないことから、ずっしりと重い鋳物の和錠を使い、鍵が使われた。
現代では錠前はドアに内臓されているが、当時は南京錠のように締まり部分を錠前で間接的に繋ぎ、繋いだ錠前の締まりの固定を鍵を使って施開錠した。
・おーど:庭:静岡。
・おーど:静岡。
・おーどあげる
・おーどをあげる
【動】問題・課題を打ち破る 主に、『〜(した)つもりで、〜(した)つもりになって』などと言う。
もともと城門の戸も指したと考えられ。城門を開ける意味だろう。
▲おとか
☆おとーかさま
狐 『お稲荷』の意味。『集覧:稲』。
・おとか:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・栃木・群馬。
・おとーか:埼玉・群馬。
・おとかん:長野。
・おどがす 【動】驚かす、脅す 濁音化。『脅かす・嚇かす』。
・おどかす:群馬・静岡。
◎おとぎ 年寄りがお堂に集まり鉦や太鼓をたたいて念仏をとなえる行事。 猿島郡。『御伽』の意味。
◎おどき 60歳以上の老婆の会。不定期に集まり混ぜご飯などを食べる。 鹿島郡。
広辞苑に『お斎(おとき:食すべき時の意)�@仏家で、午前中にとる食事。午後は食しないと戒律で定めている。斎食。時食。�A肉食しないこと。精進(シヨウジン)料理。�B寺で出す食事。また、法要その他仏事の参会者に出す食事。�C法要。仏事。』とある。
・おとき:故人を弔うこと:神奈川。
・おときまい:命日に寺に納める米:神奈川。
◎おとぎし 念仏衆 県南部。『御伽衆』の意味。
(おどきゃーがる) 【複】驚いていやがる 静岡。
・おどげ ふざけること、冗談 濁音化。
・おどげ:山形・宮城・福島。
・おどけでない:普通ではない:宮城。
・おどげない:容易ではない:福島。
・おどげ
・おどげー
あご 『頤(おとがい)』。
・おどがい:山形。
・おとがい:東北全県・千葉・長野・山梨・大阪・奈良。
・おとがい:鳥取・島根・広島・山口・大分・沖縄。
・おとぎゃー:八丈島。
・おどげ:宮城・福島。
・おどげ:喉仏:青森。
・おどげー:宮城。
(おどけかーる) 【動】驚きかえる 静岡。
(おとけさん) 仏様 静岡。
(おどけす) 【複】驚くだろう 静岡。
◎おどげっこ
◆おどけっこ
【動】ふざけ合い −
・おどげづら おどけた顔 −
(おどけでない・おどけでねー・おどげでねー) 【複】とても、予想以上に、びっくりすぐらい、大抵のことではない 宮城。
『おどけるどころか並大抵ではない』のニュアンスか。
◎おどげる
▲おどける
【動】ふざけたり冗談をいう 『おどける』の濁音化。『集覧:稲・新・多』。
・おどげる:福島。
(おどける) 【動】驚く 長野・静岡。
・おどげんだねーよ
・おどげんでぃやねーよ
・おどげんでねーよ
【慣】ふざけんじゃねーよ −
◆おどご
・おどごご
・おどごこ
男、男児、下男 『おとこ』の古形は『をのこ』である。男の子の古語は『をのこご』。
千葉大学の金田章弘先生がネット公開されている八丈方言資料の中にある民話『てごめ』を聞くと、解説文では『おのこご』とある言葉が、何回聞いても『おどごご』と聞こえる部分がある。これから、『おのこ』が『おとこ』に変化した理由がうなずける。
茨城方言の『おどごご・おどごこ』は、『おのこご』と間違いなく繋がっていると思われる。
・おっこ:鹿児島。
・おどご:宮城。
・おとこ:お転婆:静岡。
・おどごわらし:男児:青森。
◎おどごおんな 男のような女 ・おどごおなご:青森。
・おとこおんな:婚期をすぎても結婚しない女:群馬。
・おどごし
・おどごしー
・おどごしゅう
男達 『男衆(おとこしゅう)』。神奈川でも『おとこし、おとこしゅ』が使われる。これは辞書掲載語で近世語と思われる。東京都青梅市・多摩地域でも『おとこし』が使われる。
日本語は、古くは人を意味する接尾語として『し』『しゅ』『しゅう』があり、それに、各々の立場等によって『氏』『士』『司』『師』『師』、『主』『守』『手』、『主』『衆』『囚』『宗』などの漢字を当てた意味が見えて来る。『主』を『しゅ』『しゅう』と発音するのは辞書にある。
これに対して、茨城方言の接尾語『め』の存在は極めて解り易い。すなわち人間以外の生き物に接尾語『め』を使うのである。
・おとこし:群馬・東京多摩・神奈川・山梨。
・おとこしゅ:神奈川・佐渡島。
・おとこしょ:長野。
・おとこどん:神奈川。
◎おどごぜみ 蝉の雄 −
・おどごだで 男伊達、男の面目を押し通すこと 濁音化。男女の平等性が叫ばれる昨今、へたをするとセクハラになってしまうので、使われなくなりつつある。
・おどごだでら(に) 【複】男のくせに、男なのに相応しくない意味を込めた慣用句 濁音化。
◎おどごたんば 雄のトンボ −
・おとごっこ
◎おどごっこ
・おとこっこ
男の子 男の子の古語は『をのこご』。
★『土』:男(をとこ)っ子持っちゃ心配(しんぺえ)さねえ。
・おどごっぶり
◎おどごっぷり
男としての容貌 『男振り・男っ振り』。
・おとこっぷり:東京。美男も指す。
・おどごっぶりいー
・おどごっぷりいー
【複】【形動】美男 −
・おどごてー
・おどごのてー
・おどごんて
・おどごんてー
男 −
・おどごてーら
・おどごのてーら
・おどごんてーら
男達 −
◎おどごとび 縄跳びの飛び方の一つ、垂直に跳ねる飛び方 −
◎おどごのせっく 5月の節句 −
◎おどごばば
◎おどごばばー
おてんば −
・おどごびでる 【動】(女が)男のようだ 『男を帯びている』意味。
・おどごびる 【動】(女が)男のように振舞う 『男を帯びる』意味。
・おどごまづ 男松、雄松、黒松 −
◎おどごめ �@男、�A雄(オス)、�B雄牛 �@卑下した言い方。
◎おどごめら 男達 卑下した言い方。
◎おどごら 男達 −
・おーどごろ 【古】金持ち、偉い人 濁音化。『大所』。
・おーどころ:群馬。
▲おどされる 【複】叱られる 『集覧:稲』。意味のずれがある。
・おどさん
・おどーさん
お父さん 二人称・三人称。標準語化が進んでも濁音はなかなか捨てられないらしい。最近も耳にした言葉。
・おとさまんす:秋田。
・おどさん:秋田。
(オート三輪) − 当時の上大津地域では、1950年代は、トヨタのトヨペットクラウンに代表される高級乗用車ハイヤーの代表車種で、お嫁さんは必ず黒塗りのハイヤーで嫁ぎ先に向かった。
一方、庶民の足は、馬から耕運機やバイクにに変わり、また、オート三輪が重宝された。初期のオート三輪は、バイクを単に三輪車にして覆いをつけたような代物で、ハンドルは、バイクと同じだった。当時のオート三輪は、設計に欠陥があり、バランスをくずしてあちこちで横転しているのをよく見かけた。
当時の農家は、基本的に自給自足だったが、池田内閣の所得倍増計画があり、商品作物の作付けが奨励され、農業の構造が変わっていった。
そのようななかで、農村の生活のニーズが変わり、それをすばやくキャッチし、オート三輪で村を回って行商する人が居た。駄菓子屋・酒屋・豆腐屋・魚屋・呉服屋・洋服屋等ではまかなえないものを供給してくれたのであろう。子供達は駄菓子屋で済んだから彼の車は必要なかった。
彼はその後間もなく人身事故を起こし、間もなく姿を消した。
・おーどし
・おーとし
・おーどしとり
大晦日 『大年・大歳:大みそか。また、大みそかの夜。大年(おおとし)』。『大年越し』とも言う。
『俚言』には『大歳:除夜をいふ。』とある。
・おーとし:節分:山梨。
◎おどし
▽おとし
雑種のニワトリ 真壁郡・結城郡・筑波郡・新治郡・稲敷郡。
・おどしがみ 落とし紙、トイレの紙、浅草紙、清め紙 『ぽっとん便所』用なので死語になりつつある。
・おーどしくー
・おーとしくー
【動】年を食う、高齢になる 多くは罵倒言葉。
・おーどしくらー
・おーとしくらー
【動】年をとる、高齢になる 多くは罵倒言葉。
・おーどしぐらい
・おーとしぐらい
・おーどしとり
・おーとしとり
老人、年寄り 多くは罵倒言葉。
・おどしなー 注連縄(しめなわ) 『年縄』。
・おどしぶだ
・おどしぷた
落し蓋 −
・おどしやぐ 年齢に応じた役目 『お年役』。
・おとしやく:東京。
▲おどす 【動】叱る 『集覧:稲』。古い言葉の『落とす』(おちいらせる。攻めとる。問いつめて自白させる。自分の意に従わせる。なびかせる。)の流れか、単に『威す・脅す』(�@恐れさせる。おびやかす。こわがらせる。�A驚かせる。びっくりさせる。)の意味が転じたか。
・おどす:群馬。
◎おどす 【動】牛馬を死なせる 古い言葉の『落とす』(鳥獣などを殺す。)。
・おどす 【動】落とす 濁音化。
・おどす:下ろす・降ろす・降車させる
・おどづい
・おどつい
・おとつい
・おどづえ
一昨日 『おとつひ』は万葉集にもある古い言葉。『遠つ日(をとつひ)』の意味。当時の茨城ではやや奇異に聞こえたが使う人がいた。今では主に関西地方に残り、江戸では訛って『おととい』となった。ただし、『浮世風呂』には『おとつひ』が見られる。
昭和2年調布生まれの義母も『おとつい』と言う。
・おどつい:千葉銚子。
・おとつい:千葉・埼玉・群馬・東京・神奈川・佐渡・愛知・近畿・中国・四国。
・おとつぇ:千葉。
・おどっつぁ
・おとっつぁ
◎おどっつぁー
◆おどっつぁま
◆おどっつぁん
■おとっつぁん
お父さん 大正から昭和初期生まれの人が使っていた。
・おどっつぁ:山形。
・おどっつぁま:山形・福島。
・おとっつぁん:東京・神奈川・八丈島・佐渡島。時代劇でも耳にする。
・おどっつぉん:山形。
▲▽おとで
◆おどでー
◎おとて
・おとてー
一昨日 『集覧:真』。
・おって:鹿児島。
・おってー:静岡。
・おってな:長野。
・おっとい:静岡。
・おとちぇ:鹿児島。
・おどで:福島・千葉。
・おどでー:福島。
・おとて:千葉・神奈川・鹿児島。
・おとてー:青森・福島・神奈川・静岡。江戸言葉か。
・おどでな・おとてな:宮城。
◎おどでのばん
・おどでーのばん
・おどでんばん
・おどでーんばん
一昨晩 ・おとてのばん:千葉。
・おとてんばん:千葉。
・おどど
・おとと
�@魚、�A鶏 幼児語。
�@・おとと:静岡。
▲おとと 酒 幼児語。『お屠蘇』(おとそ)。『集覧:稲・新』。
・おどど
・おどーど
弟 『おとと』は中世からある言葉。
・おどぅどぅい
◆おどどい
・おどとい
・おとどい
・おどどぅい
・おどどえ
・おととえ
・おどっとい
一昨日 語源は『落ちつ日』。
・おどどい:千葉。
・おとどい:千葉。
・おどどえ:千葉。
・おととえ:千葉。
・きのーのあとのひ:静岡。
・おどぅどぅし
・おどどし
・おどどぅし
・おどとし
・おとどし
・おどっとし
一昨年 ・おっとし:神奈川。
・おどどし:千葉。
・おとどし:千葉。
▲おとな 作男の頭領 『集覧:北』。上代語の『女房などの頭に立つ人』。
(おどな) 【複】よこしまな様 鹿児島。
『横道な』の意味か。
▲おとなー 産婦 『弟・乙(おと)』(子供を示す)+『な』(人を表す語に付いて親愛の意を添える接尾語。上代東国方言。)の意味。『集覧:久』。
・おどなおどなする 【複】子供等が大人びている 古語に『大人大人し』(おとなおとなし)がある。
◎おどなし
▼おとなし
�@出産、�A▼妊婦 『弟・乙(おと)』(子供を示す)+『成し』。久慈郡の方言。栃木・福島でも使われる。
『日本方言大辞典』では『弟成』と当てている。
・おどなしー 【形】大人しい 濁音化。
・おっなしか:鹿児島。
・おどなり
▼おとなり
物音 『音鳴り』の意味。雷を『神鳴』と言うのと同じなので、方言とも言い難い。
▲▼△おとねもり 子守り 『集覧:多』。『弟・乙寝守り』の意味かまたは、『おどめもり』『おとのもり』がさらに訛ったか?。
『日本方言大辞典』では、『弟の守り』と解説されている。
・おどのもり
▲おとのもり
子守り 『集覧:多』。『弟・乙(おと)』(子供を示す)の『守り』。
『日本方言大辞典』では、『弟の守り』と解説されている。
・おーどべー
・おーとべー
オートバイ −
・おどぼね 声 『音骨』の濁音化。
・おとぼね:山梨。
・おどましー
・おとましい
【形】疎ましい、いとわしい、いまいましい 古い標準語の濁音化。『疎ましい(おとましい)』。標準語でもウ段音とオ段音の混乱がある例。
・おとまし:痛ましい:静岡。
▼おどむ 【動】澱む、沈殿する 近世語。名詞形は『澱み(おどみ)』。近松作品にも出て来る。
・おぞみ:沈殿物:神奈川。
・おぞむ:沈殿する:神奈川。
・おどみ:水のよどみ:神奈川。
・おどむ:東京・神奈川・静岡。
・こどむ:静岡・宮崎。
(おとむじり) 母親が妊娠している時子供が不機嫌になること 宮城。『弟捩り』の意味と言う。
・おどむらい
・おとむらい
・おどむれー
・おとむれー
葬式 『お弔い』。
・おとむらい:茨城・千葉・栃木・埼玉・群馬・東京・神奈川・長野・山梨・静岡・愛知・福井・鳥取・山口・高知・大分。
(おとめ) 灯明 鹿児島。
『明』は『めい』と読むと『(呉音はミョウ)�@あかるいこと。はっきり見えること。�A理のあきらかで疑いのないこと。また、事理を弁別する知力。�Bあきらかにすること。はっきりさせること。�C夜があけること。また、次の日・年。�Dこの世。現実の世界。�E〔仏〕:みょう(明)』、『みょう』と読むと『�@(煩悩の闇を破るからいう) 智慧(チエ)。�A真言(シンゴン)の別名。』の意味。
◆おどめ
■□▼△▽おとめ
�@□△赤ちゃん、赤ん坊、�A▼子供 =『あがんぼ』。『乙奴』の意味。
今でも使われる。乳飲み子は『おどめ・おとめ』と言う。土浦では普通『おとめ』とは発音しない。
辞書によると『弟・乙(おと)』『弟子・乙子(おとご)』の意味の一つに『いちばん末の子』と言う意味がある。『おと』は『乙女』の『おと』と同じで幼い意味で、それが赤ん坊の意味に転じたと考えられる。福島方言にも『おど・おと』(赤ん坊)があり、それに茨城特有の『め』が付いたと考えられる。
万葉集にある『手児(てご・てこ)』は、『�@幼児。赤んぼう。�A少女。おとめ。』の意味だが『俚言』によると江戸時代には『末子』の意味で使ったとある。八丈島では三女を『てごめ』と言う。
『弟・乙(おと)』は広辞苑では『(「落す」「劣る」のオトと同源)�@【名】同性の年下のきょうだい。おとうと、また、いもうと。記上「其の―木の花のさくや姫」兄(エ)。2)いちばん末の子。おとご。3)「乙娘」「乙御前」から出た娘の通名。狂、枕物狂「其ややではなうて、ややが妹に―というて有るは」4)狂言面の一。若い醜女の面だが、瓢の神・蛤の精などにも用いる。�A【接頭】1)「末」「次」「幼い」などの意を表す。2)「愛らしい」「美しい」などの意を表す。』とある。
しかし、赤ん坊を『おどめ・おとめ』と言うのは東北を含めても茨城以外には無いだろう。
・おど・おと:福島。
・おとむじり:母親が妊娠しているとき子供が不機嫌なこと:宮城。
・おとめ:福島南部・千葉北部。
★おらげのおどめはよ、よるうっせーけんとがよ、おめらげでは、ちゃんとちぢやってんのがや。おめらげのおどめなんちゃ、うっせーばがりだっぺな。
・おどめなし
▼おとめなし
出産 『日本方言大辞典』では『弟成』の意味とある。『おとなし』が原型。
・おどめなす 【複】出産する、子供を生む 『子を成す』。
・どめのもうり
◆おどめもり

・おどめもーり
子守り −
◎おどもり
・おどもーり
▲△おともり
・おどもりさん
子守り 『集覧:稲』。この訛はかつて茨城でも赤ん坊のことを『おど・おと』とも呼んでいた証しでもある。
・おどもり:栃木。
・おともり:栃木・群馬。
(おどむん・おどもん・おろもん) 正しい道にはずれた者こと。よこしまな者。よこしま者 鹿児島。
『横道者』の意味。
・おどらす
・おどらせる
【動】�@踊らせる、�A意のままにあやつる、�Aわくわくする、�B飛び降りる 『躍らす・踊らす』。
★おめ、ひとんごどおどらせでいーどおもってんのがー:あなたねえ、人を躍らせて良いと思っているのかい。
(おどり) 利息の重なる事、月にまたがる利息計算でその月の利子が重なる事 東京。借金をする制度や文化は地方には無かったので、東京に残ったと見られる。
広辞苑に『おどり【踊り・躍り】:江戸時代の高利貸の一で、利子を二重にとること。返済期日を二五日頃とし、これにおくれた場合、月末までの数日で一ヵ月の利子を加算する。』とある。
・おどりおぎる 【動】はっと目が覚める 辞書にないのが不思議な言葉。方言地図によると『目が覚める』意味で『おどろく』を使うのは、岩手全域・青森東部・和歌山・四国全域・広島・山口・大分となっている。『踊り起く』が訛った可能性もあるだろう。
・おどーりなさい
・おどーりなせー
・おどーんなさい
・おどーんなせー
【複】お通り下さい 『お通りなされ』。
・おどんない:宮城。
(おどれーおっぱる・おどれーひっぱる) 【動】驚き慌てる 神奈川。
・おどれーだ
・おどろいだ
【複】驚いた 茨城では『おったまげだ・たまげだ』がメジャー。
・おどれーた:神奈川。江戸言葉。
(おどれーる) 【動】驚く 神奈川。茨城ではこの終止形を使うのは聞かない。
(おどろ) 竹の枝 静岡。
□おどろきはんべえやはんのねんぶつ 驚いて狼狽する様 『驚き半兵衛夜半の念仏』。水戸に伝わる故事に由来する。
◎おとろく 【動】驚く 茨城弁では第二音以降の『カ行・だ行音』が濁音化するという原則がある。
この場合は、前音が無声音と意識されたため、清音化されたと思われる。
(おどろく) 【動】�@驚く、�A目が覚める �@茨城県下では『たまげる』がメジャー。方言地図によれば、使わないとする地域が全国に散在する。関東圏では、茨城県に最も顕著で、次いで栃木があり、群馬・埼玉の一部には使わない地域がある。
�A古語では『我に帰る、目が覚める』の意味。
・おどろく:岩手・紀伊半島南部・広島・鳥取・山口・四国全域・大分。
・おどかる:青森。
(おどろし) 【形】恐ろしい 広辞苑に『驚し:驚くべきさまである。仰山(ギヨウサン)なさまである。おどろおどろし。』とある。
・おどろす 【動】おどかす かすかな記憶にある言葉。
(おとんとーい) 【形】反応が鈍い 山梨。
◆▲▼●おーな 広い畔道 かつて村の区画は『大字』(おおあざ)でその大字の区画には広い道路があったはずである。大字は『大名』(おおな)とも呼び、大字を形勢する道路を『おおな』と呼んでもおかしくは無い。『集覧:稲・新』。
『日本方言大辞典』では、『な』は『畷(なわて)』の転かとある。
・あな:あぜ道:神奈川。
・あな:畑の回り:千葉・神奈川。
・あなあげ:畑の周辺の傾斜面を削り上げること:神奈川。
・あなかり:畑の周辺の傾斜面の草を刈ること:神奈川。
・あなまき:畑の周辺に本作とは別に豆などを蒔く事:神奈川。
・あなまわし:畑の周辺の特別なうない方:神奈川。
・おな:青森・岩手。
・おーな:茨城・千葉・栃木・群馬。ほぼ利根川に沿って分布することから、利根川の水運との関係が深いと思われる。
・おーな:往来・道・作業中の畦道:神奈川。
・おーなー 大縄 ・おーな:神奈川。
・おーな 【感】そうなの、なるほど 『応なり』。
・おーな:神奈川。
・おなー 【動】耕す、うなう 『耡う』。
・おなう:静岡。
□おなかいりょー 公領 『国誌』では『御菜買料』又は『仲居』としている。
▲おながら ▲キサゴ 『集覧:新』。『お何個遊びの殻』の意味。
◎おながら �@お手玉、�Aおはじき 『お何個遊びの殻』の意味。
◎おなぐら おはじき 石岡市。『お何個遊びの殻』の意味。
▲◇おなぎ ウナギ 『集覧:多』。古語では『むなご』。
・おなぎ:静岡。 
◎おなこーじ ハナアブの幼虫 中里介山の『大菩薩峠』に『まあいやな、幾千万とない真白な女子蛆(おなごうじ)! おばさんの身体が、そっくりと真白な女子蛆になってしまいましたよ――まあ、あとからあとからあの通り、蛆がうずうずとして頭を出しています。』とある。
・うなごじ:ウジ:長野・岐阜。
・うなごーじ:ウジ:東京多摩。
・おながむし:宮崎。
◎おなごじめ ハナアブの幼虫、ウジムシ 『俚言』には『うじ:うじおかみさげむし(京都)、うながじ(島根)、しりけのうじ(島根)、おなごせ(福岡)、おながむし(奈良)』とある。
・ごじ:ウジ:長野・三重。
・ごーじ:ウジ:群馬・長野。
◎おなごっさま 仲人 −
▲おなごどり 尾長鳥 『集覧:北』。段の変化。
▼おーなさら
▼おーなさろ
【副】�@わざわざ、つとめて、故意に、わざと、�Aいまさら 『俚言』には『おふなおふな:随分。』とある。
辞書に『おおなおおな:(「あふなあふな」と同語とする説もある)�@軽々しく。うっかり。�Aあっさりと。簡単に。』、『あふなあふな・おうなおうな:身分相応に。それぞれの分際で。(「おほなおほな」と同語としたり、「あぶなあぶな」であるとしたりする説がある) 』があり関係があると思われる。
�@・おなおな:新潟・愛知
・おーなおーな:関東。
・おなさら:長野・愛知。
・おーなさら:千葉・大島。
・おなと:新潟・愛知。
・おーなと:山梨。
・おなし 【名】【形】【連体】同じ 清音化。
『おなし』は標準語世界でも使う人がいるが辞書には無い。八丈島でも使われる。近世以前は『同じ』を『おなし』と表記した。『おんなし』とも言う。
一方、日本語の品詞区分は、極めてわかりにくい。この言葉の場合、形容動詞とすれば、一律に理解できるのに、現代語の定義ではなぜかそうはなっていない。
・おなし:八丈島・山梨・静岡。
・おなしこん:同じこと:静岡。
・おなじた
・おなした
・おなじな
・おなしな
【連体】同じ、【複】同じだ 茨城方言は、標準語の形容動詞の表現を忠実に現代に残しているといえる。『なり・たり』がそのまま残っている。『たる』『なる』の『る』がが消えた表現と思われる。
ただし、『な』には昔話の慣用表現にもあるように『だ』より、伝聞の意味が強い。
・おなじゆた
・おなじゆな
・おなしゆな
・おなじよた
・おなしよた
・おなじよーた
・おなしよーた
・おなじよった
・おなしよった
・おなじよな
・おなしよな
【形】同じような 『故』と『様』は同源であることを思わせる。
・おーなだ 薪割り、斧 −
◎おなち 【名】【形】【連体】同じ −
(おーなと) 【副】わざと 山梨。
・おなべ 夜なべ 死語となった標準語。
・おなべ:山梨・静岡。
・おなべしごど 夜なべの仕事 濁音化。
・おなべしごと:山梨。
●△おなめ 牝牛(雌牛) 『うな』とは、広辞苑に『猪の牝。牝牛をもいう。うなめ。』である。また『おな』とは、『(ヲンナの約) 娘。妻にもいう。』とある。すなわち、『女』に『め』がついた言葉である。繰り返し言葉で『女妻』の意味と考えるのは動物では考えにくい。
広辞苑には『うなめ:牝牛のこと。うなみ。おなめ。日葡「ウナメ。即ち、メウジ」』とある。
茨城では、『�@女の人、�A雌(メス)、�B雌牛』を『おんなめ』とも言う。
『物類呼称』を著した越谷吾山が言う、常陸言葉の接尾語の『め』は、古代の言葉であるという説はうなずける。
・うな:岐阜・大阪。
・うなめ:千葉・奈良・和歌山・四国。長野。
・うなめ:牡鹿:長野。
・うの:長崎・佐賀・福岡。
・おなべ:長野・岐阜・愛知・三重・和歌山・京都・中国・大分・宮崎・熊本。三重・和歌山・京都・徳島。
・おなめ:茨城・長野・静岡。
・おなめら:女の子:鹿児島。
◆●おなんこ �@おはじき、おはじき遊びの一つ、�Aお手玉 �@『お何個』。広辞苑には、『遊戯の一種。碁石・小石または細かに折った杉箸などを握って差し出し、人にその数をあてさせるもの。』とある。�Aの場合は茨城方言。
・おに〜 鬼〜 代名詞につけて、罵倒するのは標準語でも同じ。また、主に昆虫類でとりわけ大きなものの接頭語として用いられる。
★おにばばー:おばあさんの罵倒語。
★おにむし:カブトムシ。
★おにやんま:日本最大のトンボ。
▲おーに 俺に 『集覧:真』。『おんに』がさらに訛ったもの。
△おーにし
・おーにしかぜ
西よりの強風 1909年(明治42年)2月11日、上大津地区は折からの大西風で西端で発生した火事が瞬く間に全村に広がり、殆どの家が全焼した。その後多くの家が瓦葺に変った。
・おーにし:静岡・大分。
△おにば 八重歯 やや古い標準語。般若の面に通ずるのかもしれない。
・おにっぱ:埼玉。
・おにっぱ:生まれたときに生えている歯:群馬。
・おにば 生後六ケ月ころに生える歯:群馬。
・おにば:静岡・兵庫・広島。
・おにばが
◆おにばか
稲刈りで最初に刈り始める場所、その行為 『ばか』は『捗』(はか)の濁音形。『御土』(おに)、『御荷』(おに)、『畝捗』か。茨城弁の集大成である『民俗』では何故か省かれている。
◆△▽おにむし �@カブトムシ、�Aクワガタムシ 県下では『クワガタムシ』を『おにむし』と呼ぶ地域があり、土浦でもそう呼ぶことがある。
著名文献の多くが『鬼虫』と当てているが、『鬼』には、『伝説上の山男、巨人や異種族の者。』の意味が転じて『大きな虫』を意味すると考えられる。
『称呼』には『かぶとむし:江戸にてかぶとむしという。伊勢にてやどをかと云。大和にてつのむしと云。』とある。
『俚言』には『鬼:物の堅牢なるを鬼ダンベイなど云。又物の名に鬼あざみ、鬼蓮、鬼百合などいふ。「東雅」大なるをうまといひオニといふ。小なるを姫といふ。非なるを犬といひまたからすと云。』『鬼むし:仙台にてカブトムシをいふ。又、奥州地にてはこがねむしをもいふ。』とある。
�@・おにむし:宮城・栃木・茨城・群馬・新潟・奈良。
�A・おにむし:宮城・栃木。
�B・おにむし:コガネムシ:岩手。
・おにむし:甲虫一般:福島。
・おにめ 鬼 ・おにめ:八丈島。
◆おにんこ おにぎり おにぎり→おにぎりっこ→おにぎっこ→おにんこ。
・おにぎし:神奈川。
・おにんにょ
・おにんにょさん
人形 『に』と『ぎ』はしばしば混乱した。発音が似ていたためと思われる。
(おーぬく) 【動】仰向く 神奈川。
・おぬし お前、お主 茨城では昭和40年代までつかっていたであろう。ただし、50年代に鳥取出身の下宿の同居人は、『おぬし』を連発した。
・おのし:東京都大島・福井・三重。
(おね) 尾根 尾根をスタートに、広辞苑を使って言葉のチェーンスタディをしてみる。太字は和語と思われるものである。
・尾根:谷と谷との間の山地突起部の連続。山の峰つづき。山の稜線。峰(お)。
・峰(お):山のいただきのとがった所。山頂。ね。
・根:峰・嶺・根:みね。山のいただき。
・嶺:峰・嶺:山のいただきのとがった所。山頂。ね。
・山頂:山のいただき。山のてっぺん。頂上。山巓(サンテン):山のいただき。山頂。
・頂上:いただき。てっぺん。絶頂。
・頂く:頭にのせる。また、頭上高くに位置させる。高くささげる。
・天辺(てっぺん):いただき。頂上。
・頂(いただき):ものの一番高いところ。あたま。山頂など。
・尾(お):山の裾の延びた所
・稜(りょう・そば):物のかど
・岨(そば):そわ
・岨(そわ):山の切り立った斜面。がけ。きりぎし。そば。
・崖(がけ):(「懸(カケ)」の意か) 山や岸などの、けわしくそばだった所。きりぎし。
・切り岸(きりぎし):切り立てたようなけわしいがけ。断崖。絶壁。
・断崖:きりたっているけわしいがけ。きりぎし。
・絶壁:けわしく切り立ったがけ。
・壁(かべ):登山で、直立した岩壁。
・畝・畦(うね):�@畑に作物を植えつけるため、間隔をおいて土を高く盛り上げ、筋をなした所。�A山脈・波などの小高く連なったところ。

 以上いつのまにか尾根が壁になってしまい、壁にぶちあたってしまったが、これを眺めると、漢語は実に便利だと思う一方、ぶっきらぼうで、詩情に乏しい。一方古い和語は、実にシンプルで、その後、漢語の影響を受けたのか、複合的に使われていった様子がうかがえる。このの感覚は、茨城や東北弁にある様々な接尾語が生まれた感覚にも似ている。
一方、畝には尾根の意味があることを考えると畝と尾根は同源の可能性がある。
以下類似語の各県方言。
・うな:山の峰:千葉。
・うな:畝:愛知。
・おーね:山頂:静岡。
(おーねだくみ・おーねだくり) �@大きな企て、�Aわざと重いものを持つこと 神奈川。
・おねーちゃん �@姉、�A若い女性、女の子 �@は俗語。
◎おーねに
▲△おーねーに
【副】沢山 『集覧:久』。『そんなに(沢山)』の意味。
◆■おねーどし 同い年 ・おねーどし:東京・神奈川。江戸言葉。
◆おねげー お願い 時代劇や古典落語でしばしば耳にする言葉。
(おねーら) お世辞を使う人 神奈川。
(おねり) 山車 静岡。
・おねんぎょ
・おねんにょ
人形 『に』と『ぎ』はしばしば混乱した。発音が似ていたためと思われる。
(おねんげーし) 仕返し 山梨。
・おぬごり
・おぬごりさま
・おのごり
・おのごりさま
居残り −
・おのつから 自ずから ・おのつから:秋田。
・おの 私、自分 『己』。
・おの:東京。
▲おのぼれ 自惚れ 『集覧:猿』。『己惚れ』。『己』は、古語では二人称も指す。
・おのぼれる 【動】自惚れる −
(おのんき) 晴天 静岡。
■△おば
◆▲おばー
�@次女以下、�A妹 『集覧:稲・新』。勿論叔母の意味もある。�@・おば:青森・岩手・秋田・山形・千葉・神奈川・新潟・富山・石川・岐阜・島根隠岐・岡山・長崎。多く、長男の子から見た妹を言う。広辞苑掲載語。
・おばー:千葉。
�A・おば:山形・新潟・島根。
�Bその他。
・おば: 独身の女:北陸地方・西日本。
・おばー:祖母:神奈川・静岡。
(おはいやる・おへえやる) 【動】日が沈む 山梨。『お入りある・お入りやる』。
『お入りなさる』意味。
・おはいりんなっていがっせ
・おはいんなっていがっせ
・おはいんなってがっせ
・おはいんなんしょ
【慣】中にお入り下さい −
・おーばがさんたろー 大馬鹿三太郎、できの悪い子供(人) 辞書には掲載されていないが、清音なら標準俗語と思われる。『三太郎』(間抜け・あほう)なら辞書掲載。同類の言葉の繰り返しか。
当時の馬鹿者の代名詞は『大馬鹿三太郎』だった。
(おはがね) 勝気で気の良く回る女性 神奈川。
(おばく) 麦飯 静岡。
・おばぐるま 乳母車 全国に散在する方言。
◆おはぐろのき ハンノキ ハンノキはタンニンが多く昔はおはぐろを作ったと聞く。県下では『おはぐろぼんぼん』と呼ぶところがあると言う。
◎おばげ
・おーばげ
▲おばけ
・おーばけ
【形動】大馬鹿、ぐず 『おお惚け』または『おお馬鹿』の転。『集覧:新』。
・おーばげやろー 大馬鹿野郎 −
・おばさる 【動】負んぶされる −
■おばさん お婆さん、祖母 最も代表的な呼称。
◎おはじぎ
◎おはじぎぐさ
◎おはじぎだま◎おはじこ
◎
おはじっこ

◎おはじぎぐさ
◎おはじぎだま
◎おはじこ
◎おはじっこ
ジュズダマ お手玉の原型は、オハジキに近かったことを裏付けるような方言。
△おはしん 裁縫 『お把針』(おはしん)。
・おはしん:岩手・群馬・山梨。
◎おばすてやま 姥捨て山 −
◆おはぢ 御櫃(おひつ)、飯櫃 『お鉢』。
清音形なら近世江戸語。多くはサワラを使いスギのこともあった。夏季は饐え易いので竹製のものを用いた。
寿司職人の世界では飯櫃を『しゃりばち』と言う。
・おはちざる・おはちざーる:夏用の竹で編んだ飯櫃:神奈川。
(おはちかん) お転婆 神奈川。
◎おはちき オハジキ −
・おばぢゃん
◎おばちゃん
■おばーちゃん
・おばつぁ
・おばつぁん
・おばっつぁ
・おばっつぁん
お婆さん、祖母 茨城弁特有の鼻に抜ける発音のために、本人は『おばつぁ』と言っているつもりなのに『おばんつぁん』と聞こえる場合がある。
『祖母(そぼ)』の古称の『おほば』が転じて『おば』の流れ。同様に年を取った女である『姥、御婆』(老婆の意味)を『おば』と言った。
(おはつ・おはつー) 仏前にそなえるご飯 静岡。そのまま『御初』の意味であろう。
茨城では、昔は、朝焚いたご飯とお茶を毎日毎朝仏壇と神棚に供える風習があった。
(おはなしかたり) 談話 宮城。
(おはにあわない) 【慣】しっくりしない 神奈川。
『歯に合う』(かむことができる。その人に適する。気にあう。)の否定形の丁寧語。。
(おばね) 峰の連なり 静岡・九州。辞書掲載語。
■おはまいり
◎おはまおぢ
◎おはまおり
祭りの時神輿を担いで霞ヶ浦の湖水に入ること、湖水で洗うこと −
▲△おはば
◆▽おーはば
【名・形動】おおっぴらな様(人)、公然の様 『幅(はば)』には『はぶり、威勢、勢力』の意味があり、『羽振りがよい』意味がおおっぴらの意味に転じたと思われる。『集覧:新』。
・おはば:福島・茨城。
・おはば:出すぎた行為・我がままにふるまうこと:静岡。
(おばぶ) 冷や麦の上に具が乗った食べ物 長野。
(おばや) 婆や 宮城。
・おはよござんす
・おはよーござんす
【感】おはようございます 主として男言葉。夜の挨拶を考えると『おはよーがす・おはよーがんす』があってしかるべきだが何故かそうは言わない。
・おはよがす:宮城。
・おはよござんすよー
・おはよーござんすよー
【感】おはようございます 主として女言葉。
□おはらさかずき 中椀のふた。中蓋。ちゅうがさ。 −
・おはよーす
・おはよーっす
【感】おはようございます 江戸言葉か。職人などが良く使う。
◆おはり 針仕事、裁縫 やや古い標準語。
・おはり:神奈川。
★『土』:おつう、汝(われ)も此(こ)れからお針(はり)にいけっかんな。
◆おはりこ
◎おはりっこ
お針子、雇われて針仕事をする女 やや古い標準語。
▲おばん �@夜、�A【感】こんばんは 『集覧:稲』。
�A岩手・宮城。
(おはんがく) お転婆 静岡。
広辞苑に『板額:�@鎌倉時代の勇婦。越後の豪族城資盛の姨(オバ)。一二○一年(建仁一)資盛が幕府に抗して越後に挙兵したとき、自ら陣頭に立って敢闘したが遂に敵に捕えられた。後に甲斐の浅利義遠の妻。�A体格がたくましくて顔の醜い女をあざけっていう語。』とある。
◎おばんかだ
・おばんかだー
・おばんかた
夕刻から夕ご飯を食べて落ち着いた頃までの時間、夕方、宵 =『ばんげ』。季節によって異なるが、概ね夜9時あたりまでを指す。標準語では『ばんがた』と発音する。
・おばんがだ:栃木。
・おばんかだ:福島。
・おばんかだ
・おばんかだー
・おばんかた
【感】�@お疲れ様、�Aこんばんは ・おばんかだ:福島。
・おばんかた:福島。
◎おばんかだです
・おばんかたです
【感】�@お疲れ様、�Aこんばんは 正確には宵の入りに使うため、野良仕事の疲れをねぎらって『お疲れ様』的な意味でも使われる。『おばんかだ・おばんかた』とは夕刻から夕ご飯を食べて落ち着いた頃の時間を表し、それ以降は『よなが』となる。『よなが』は寝る時間であり、この時間帯の訪問言葉は『こんばんは』が使われた。『こんばんは』はどきっとするものだった。訃報か込み入った相談事等を連想させた。
現代では電話があるからよほど親しい関係でもなければ夜に突然の訪問はしなかったが、当時の電話は有線放送を使ったもので、各戸に番号が当てられ、呼び出しは交換が放送回線を通じて番号を連呼したかという環境もあっただろう。
▲おばんさん お婆さん 『集覧:東・西』。
(おばんし) 炊事、炊事をする人 『御番衆』の意味か。『御番』とは『(女房詞) 臣下の御飯。』の意味である。
・おばんし:栃木・神奈川。
・おばんし:炊事・炊事婦:東京多摩・静岡。
・おばんし:留守番・店番:静岡。
・おばんしおんな:炊事婦:神奈川。
・おばんつぁ
◆おばんつぁん
お婆さん そのまま発音している場合と、本人は『おばつぁ』と言っているつもりなのに『おばんつぁ』『おばんつぁん』と聞こえる場合がある。茨城・東北弁特有の鼻に抜ける発音の故である。
・おばんちゃ:福島。
・おばんつぁん:宮城。
・おばんでがす
・おばんでがんす
【慣】こんばんは 宵の入りに使う挨拶言葉。
・おばんでがす:宮城。
・おばんでがんす:岩手・群馬。
◎おばんです 【慣】こんばんは 丁寧語。古い標準語。辞書によっては東北・信越地方の方言としているものもある。
・おはんでおぜーやす:福島。
・おばんでござりす・おばんてござりす:宮城。『ござりんす』は近世の遊里語。
・おばんでした:北海道。
・おばんです:北海道・宮城・福島・埼玉。
・おばんでやんす:群馬。辞書には無いが近世語と思われる。
・おばんなりした:宮城。
・おばんなりました:福島。丁寧語。
・おばんになったなし:山形。
・おーばんぶるめー 盛大なご馳走 『大盤振舞・椀飯振舞』。
・おーばんぶるめー:神奈川。
◆おびああぎ
◆おびあぎ
◎おびあげ
お産明け、産後3週間目の祝い 男は20日目、女は21日目に産土神(鎮守様)にお参りする。手野・沖宿ではそれに先立って氏神様にお参りする。
『産屋明け』が訛ったものと考えられるが、『帯明け』の意味もあり得る。
・おびあけ:生後1ヶ月:東京多摩。
・おびあけ:神奈川。
・おびやあけ:神奈川。
・おびやく:神奈川。
・おびやけ:神奈川。
・おぶやき:群馬。
・おぼやき:千葉。
◎おびあげ
◎おびあげいわい
子供の七歳の年祝い 『帯上げ』の意味。
・おびいわい 妊娠五ヵ月目に安産を祈って腹帯を着ける祝い 『帯祝』。
・おび・おびいわい・おびしめ・おびちゃ:神奈川。
(おひえ) 麻布を色々に染め、綿を入れた衣服。布子(ヌノコ)。 『御冷え』。近世語。京都の女房詞『御飛代:(女房詞) 襦袢。布子。ひよ。』に由来するとされる。
浮世風呂三ノ上『さばさばとした布子(おひえ)も着られますのに。』。
洒、辰巳婦言『お袋は内に居てあんじ、おひえもたんと下へ着て』。
◎おひか 稲妻 −
(おひかえなすってください) 【慣】厚意を辞する言葉 宮城。
▲△おひかり �@△灯明、神に供える灯火、�A△雷、▲稲妻 今では方言に聞こえるが『光』に丁寧の接頭語『お』を付けた言葉と見られる。
�@△茨城・奈良・兵庫・愛媛。
�A農作物にとって恵の雨を降らす雷には『お』をつけた。県西部と神栖市の方言。『集覧:多・新』。『集覧』では『神燈』と読めるが、『民俗』では稲妻になっているので改訂版で変わったと考えられる。
・おひかり:雷:群馬・埼玉。
・おひかり:稲妻:宮城・群馬。
◎おひきずり �@おはしょりをせず、裾を引き摺るように着物を着ること、�A転じてだらしがないこと、だらしが無い人 標準語では女に限定される。
広辞苑に『引摺り:�@ひきずること。�A女が、おはしょりをせず、裾を引き摺るように着物を着ること。転じて、なまめかしくしゃれこんで、ろくに働かない女をあざけっていう語。おひきずり。』とある。
・おひきずり:仕事が嫌いな女:神奈川。
・おひきずり:おしゃれのくせに無精者:静岡。
・おひけーんなってくだはいよー 【感】好意を辞退する挨拶言葉 女言葉。
・おひかえなすってください:宮城。
◎おひざなおし 結婚式の後の里帰り 広辞苑に『膝直し:嫁のはじめての里帰り。また、その日に新郎が新婦の一門と互いに盃をかわす宴。』とある。
◎おびしゃ
◎おぴしゃ
弓を射ることで神意を占う行事 『御歩射』。本来は『おぶしゃ』。
広辞苑には『関東地方東部に行われる春の農村行事。もとは歩射(ブシヤ)の神事で、弓で的を射てその年の豊凶を占ったが、今は単なる村寄合の称とするところが多い。備謝祭(ビシヤマツリ)。』とある。
2010年2月東京都調布市上石原にある親戚で法事があった時、『御歩射』が現代でも行われていることを聞いた。以前は地域ごとに行われていたが今は、一箇所の神社でまとめて行われているという。
◆おびしろはだが
◎おびしろはだか
◎おびしろまい
◎おびっしょ
着物を着ながら帯をしていない様 『帯広裸』『帯代裸』なら古い標準語。
広辞苑に『帯代裸:�@女の細帯を巻いただけのだらしない姿。細帯すがた。おびひろはだか。�A夜寝る前に炉辺で帯をとき腹あぶりをする民俗。おびときまえ。おびとりまえ。』とある。筑波郡では▽『おびしるはだか』と言う。
・おびしろめー・おびひろめー:神奈川。
◎おひちや
◎おひちやいわい
子供が生れて七日目の祝い。 『御七夜』。
(おびちゃる・おぶちゃる) 【動】捨てる 長野。『お打ち遣る』。
(おびちょ) 風呂 長野。
・おひづ
△おひつ
お櫃 一般に上方語とされる。当時は木製だった。今やどんな田舎でも炊飯器が普及してお櫃があるのは、高級料亭だけだろう。
ちなみに櫃と棺・柩(ひつぎ)は同源かと思って語源辞典を調べたら、有力説には無かったが、マイナー説に『ヒツ(櫃)キ(城)の意』とある。『城』は広辞苑に『敵を防ぐための構築物。垣や堀など。城塞。』とある。
・おひつ:静岡。
・おーひーつくつく ツクツクボウシ 当時の高齢者言葉。
・おぴと 板戸、帯桟戸 『帯戸』。
▽おひと
◎おひとづ
△おひとつ
お手玉 ・おひち:愛媛。
・おひとつ:山形・宮城・長野・福島・奈良・島根。
◆おびどぎ
◎おびとぎ
▲おびとき
・おぴとぎ
◆おぴとき
▲おーびとーき
◎おびとぎいわい
◎おぴとぎいわい
七五三の儀式 =『ひもどぎ』。『集覧:無記載』。半濁音化。『ぴ』は無母音のことが多い。
『七五三』は辞書に『男子は三歳と五歳、女子は三歳と七歳とに当る年の一一月一五日に氏神に参詣する行事。七五三(シメ)の祝い。』とある。
標準語の『帯とき』は『幼児がそれまでの付帯をやめ、はじめて帯を用いる祝いの儀式。ふつう男児は五歳から九歳、女児は七歳の一一月の吉日(のち一五日)を選んで行う。帯直し。紐解き。』の意味。
当時は、男女共数え7歳の儀式であった。
辞書では、七五三と帯解きは別物であるが、茨城で、七五三を指して言うのは、帯解きと融合してしまったのだろう。
『おーびとーき』の存在も面白い。あたかも、欧米人が『帯解き』を発音したようにも思える。ただしこれは調査の際聞き返されての答えとも思える。
・おびとき:埼玉。
・おびどぎご
・おぴとぎこ
・おびどぎっこ
・おぴとぎっこ
七五三の子供 −
◆おびはだが
◎おびーはだが
着物を着ながら帯をしていない様 『集覧:新』。
・おびはだか:着物の前をひろげた格好:静岡。
・おびひも
・おびいひも
負ぶい紐 標準語の『帯紐』が訛ったとは考え難い。
◎おびひるまい
◆おびひろはだが
◎おびひろげ
■▲おびひろはだか
▲おびひろまい
・おびひろまえ
着物を着ながら帯をしていない様 『集覧:稲』。『帯代裸』『帯広裸』なら古い標準語。
広辞苑に『帯代裸:�@女の細帯を巻いただけのだらしない姿。細帯すがた。おびひろはだか。�A夜寝る前に炉辺で帯をとき腹あぶりをする民俗。おびときまえ。おびとりまえ。』とある。
・おびしろめー・おびひろめー:神奈川。いずれも茨城にあってもおかしくない方言。『帯代前・帯広前』と言う言い方があった可能性が高い。
・おびひろまえ:山形・静岡。
◆おひまぢ お日待ち講 大日様の祭り。本来は太陽の祭りで辞書には『前夜から潔斎して翌朝の日の出を拝むこと。待つ間の退屈しのぎに皆で集まって飲食を共にし、歌舞音曲を楽しむことも多く、次第に遊興化した。』とある。『土浦市史・民俗編』では、市内全域の調査結果が掲載されているが、実施日や場所開催単位もまちまちで、他の講と一緒に行なうところもあるという。今では女の新年会のようなものになっていると言われる。ちなみに実施日は、手野上郷:1月24日、手野中郷:2月2日、手野下郷:1月2日、石田:1月7日、田村:1月24日(愛宕の日)、沖宿:開催単位で異なる、白鳥:1月9日か10日、菅谷:1月24日か27日、神立:12月1日か10月1日。
・おひまぢ:福島。
・おひまち:庚申講:群馬。
▲△▽おびや 産屋、産後3週間 『集覧:真』。
・おびやご:乳児:岐阜・新潟。三重。
◆おびやあぎ
◎おびやあげ
◎おびやいわい
◎おびやぎ
お産明け、産後3週間目の祝い 『産屋明け』が訛ったものと考えられるが、『帯明け』の意味もあり得る。
男は20日、女は21日目に産土神(鎮守様)にお参りする。手野・沖宿ではそれに先立って氏神様にお参りする。
新潟・三重では妊婦を『おびやど・おびうど』と言う。『産屋人』が訛ったとされる。妊婦は腹帯を付けるから、『おびやど・おびうど』は『帯屋人』『帯人』が訛った可能性も有る。
・うびやまい:神奈川。
・うぶあけ:神奈川。
・おばやき:群馬。
・おびあけ:神奈川。
・おびやあけ:神奈川。
・おびやく:神奈川。
・おびやけ:神奈川。
・おぶやき:群馬。
・おぼやき:千葉・群馬。
・おひやぐ
・おひゃぐ
◎おひゃく
ヒシャク 『柄杓』は『杓』(しゃく)とも言い、『お杓』が訛ったもの。
・おひゃぐどめーり 百度参り ・おひゃくどめーり:神奈川。
◆おひゃらがす
■▲おひゃらかす
【動】ばかにする、からかう、ひやかす 『集覧:新・水』。『冷やかす』の転。『おひゃらかす』には漢字は当てられていない。古くは『冷やらかす』という言葉があったことを推測させる。
・おひゃらかす:神奈川・山梨・静岡。
・おひゃる:山梨。
・おひょる:福島・千葉。
・おひゃらぎ
・おひゃらき
からかい、ひやかし 『冷やかし』。
・おひゃらげる
◎おひゃらける
【動】ふざける −
(おひゅーと) 産婦 静岡。『帯人』の意味か。
▲おひり 起床、起きること 『集覧:久』。『おきり』がさらに訛ったもの。
・おひる �@昼、�A昼飯 �@・うひい:鹿児島。
・うひる:鹿児島。
�A今ではめったに使われない。時間の概念が食事を指す詩情ある表現でもある。しかし、朝や晩が何故か無い。
・おひる:群馬。
・おひるあがり 昼休み 『お昼に仕事を上がること』の意味。
・おひるかだ
・おひるかた
昼、昼頃 『昼方』の意味。『昼つ方』はある。『朝方』『夕方』現在も使われるが何故か『昼方』は消えてしまったようである。
・おひるがらに
・おひるからに
・おひるっからに
午後に ★かいものはおひるがらにすっぺ:買い物は午後にしよう。
・おひるっかだ 昼、昼頃 −
・おひるのめー
・おひるめー
お昼前、午前中 −
・おーひるま 大広間 −
・おひん �@お昼、�A昼ご飯 �@・うひー:鹿児島。
・うひる:鹿児島。
�A★はーおひんにすっぺ:昼ご飯にしよう。
◆■▲おびんづる 悪い事をした幼児の両頬を抑えて吊るし上げる折檻 今なら虐待行為になりそうな折檻。『集覧:新』。
標準語の『賓頭盧(びんずる):(仏弟子。十六羅漢の一。神通力をもてあそんだとして釈尊に呵責され涅槃(ねはん)に入ることを許されず、西瞿陀尼州(さいくだにしゅう)で衆生救済につとめたという。小乗においては上座とし、中国では聖僧として食堂にその像を安置した。日本では本堂の外陣に置いてこれを撫でて病気の平癒を祈る。なでぼとけ。おびんずるさま。)(広辞苑)』がある。釈迦に叱責されこと、言い換えれば折檻を『賓頭盧(びんずる)』と言った可能性があるだろう。
『びんづる』は、県下では、ブランコも意味する。『瓶鉉』の意味の可能性もある。『鍋鉉』はあるが『瓶鉉』が無いのは早くに廃れたか。
ここでの『びんづる』は『びんつり』とは言わないことから、『瓶鉉』のように両側を吊り上げる意味が有力と思われる。
・おびんづる:つるっぱげ:静岡。
△おびんづる ブランコ −
・おひんのめー 昼前 −
・おひんね 昼寝 =『ひんね』。
・おひんめー 昼前 −
◎おぶ バカガイ科ウバガイ 古代語。常陸風土記に出てくる。
広辞苑に『馬鹿貝・馬珂貝:バカガイ科の二枚貝。殻は長さ約八センチメートル。表面は黄褐色で、個体によっては茶褐色の放射彩がある。日本の浅海に広く分布し、食用。殻を除いたものを「あおやぎ」、貝柱を「あられ」といい、共に鮨種(スシダネ)などとする。みなとがい。』とある。
また『姥貝・雨波貝:バカガイ科の二枚貝。殻はよく膨らんだ卵形、かなり大形で長さ一二センチメートルに達する。寒海の砂泥底に生息。肉は生やてんぷらなどで食べ、また、ひものとする。北寄(ホツキ)貝。』とある。
上代・古代語の『おぶ』は現代語の『うば』に当たることになる。『老い老けて巨大になった貝』をイメージさせる。即ち『老ゆ』も『負ふ』も何か思い荷を『お』=背中に『結う』されたようなイメージである。
・おぶ
▲おぶー
�@▲お湯、�A茶、�B風呂 幼児語。『集覧:多』。『産湯』が変化した言葉か。
単音形は広辞苑には無いが、大辞林に『〔幼児語・女性語〕(1)飲むための湯。湯茶。おぶ。(2)風呂。銭湯。おぶ。』とある。
広辞苑第1版に『�@湯。�A水。おぶ。もんも。うも。ちょちょ。』が掲載されている。
残念ながら広辞苑の最新版では削除されてしまった。
『浮世』には『あ、そりゃそりゃ来たぞ。お湯(ぶう)は何処だ。兄さんや。転びなさんなよ。』とある。
『広辞林』には『�@小児語で湯。�A大阪地方の方言で茶。ぶぶ。』とある。ここで、『おぶ』と大阪方言の『ぶぶ』が結びつく。大阪には有名な『ぶぶ漬』がある。
�@・おぶ:栃木・埼玉・群馬・神奈川。
・おぶー:東京・神奈川・長野。
�A・おぶー:静岡。
�B・おぶー:東京・静岡。
�Cその他。
・あーぶ:手を洗うこと:山形。
・おづー:水:長野。
・おぶー:水:東京。
▲▽おぶー 【動】(子供を)おんぶする、負ぶう 『集覧:鹿・稲・多』。『浴ぶ。』と同源と思われる。
現代では、同じ意味の言葉として『負ふ』が知られているが、語源としては『帯にて負ふ』すなわち、『帯負ふ』意味なのかも知れない。『帯ぶ』『帯びる』という言葉もある。『ふ』は『ぶ』に音通する。
現代では『おんぶする』と言う人が多い。
・おぶう:群馬・東京・東京多摩・山梨・長野・静岡。
・おぶっちゃげる:背負い上げる:神奈川。
・おぼー:静岡。
・おんぶー:群馬。
◆おーふ �@おごりたかぶった様子。尊大なさま。横柄(オウヘイ)。�A気持が大きく、こせこせしないこと。 短縮化。『大風(おおふう)』。茨城では主に�@の意味で使われる。
�@・おーふ:群馬。
�A・おーふ:気前よいさま:山梨。
・おーふ:無欲・物惜しみしない・おおまか:静岡。
・おぶい
・おぶゆ
産湯 −
・おぶいひも 子供を背負うときに使う紐 『おんぶひも』を含めも一部の辞書に掲載されている。
・おぶりひも:神奈川。この方言は神奈川でも『負ぶう』を『おぶる』と言っていたことを示唆している。
◎おふかげ
●おふかけ
・おふかげあめ
雷雨、夕立 −
◎おふかし 神への供え物でふかした米 県北部。
・おふかし:おこわ:福島。
・おぶがみさま 産土神(うぶすながみ) 『産神様』。古くは生まれた土地を守護する神様。近世以降、氏神や鎮守の神と同一視されるようになったという。
◎おぶぎ 産着 ・うぶぎぬ:神奈川。
・うぶで:神奈川。
・おぶぎ:神奈川。
・おぶぎ:群馬。
◎おぶき
◎おふき
箕 『お吹き』の意味。『鞴・吹子(ふいご)』は古くは『吹き』と言ったのと同じ表現だろう。
(おふくで) 鏡餅 宮城。『福手』。
・おふぐろ 母親、お袋 自分の母親を指す場合に使う。3ん人称の場合は『おふぐろさん』。
・おぶげ 産毛 −
・おぶさっこ
・おぶさりっこ
子供の遊びの一つ、じゃんけんをして負けた方がおんぶする遊び。 −
・おぶさる 【動】�@背負われる、おんぶされる、�A援助を受ける 現代ではほとんど使われなくなった標準語。『さる』は文語の受身等の助動詞『す』の未然形。『おばさる』と言う人もいた。
・うんぶさる:静岡。
・おぶさる:宮城・山梨。
・おぶちゃる:群馬。
・ぼーさる:静岡。
・おぷさる 【動】背負われる、おんぶされる −
◎おぶすな 産土神 ・おぶつなさん:氏神:神奈川。
◎おぶせる
・おぷせる
【動】背負わせる、おんぶさせる ・おぶせる:岩手。
◎おぶだで 出産祝い 『産立』(出産後の種々の行事。)。
・おぶつぁる
・おぶっつぁる
【動】背負われる、おんぶされる ・おぶちゃる:群馬。
・おぶっつぁる・おぶっつぁーる:神奈川。
(おぶっく) 神仏に供えた菓子 山梨。
『仏供)(ぶく・ぶっく)』(�@仏前に供える食物。�A仏前に供え置く香炉・花瓶・燭台など。)。
(おぶっちゃげる) 【動】背負いあげる 神奈川。
・おぶぶ おんぶ 『俚言』には『おぶぶ:江戸にて子をを負ふをいふ。』とある。現代語の『おんぶ』の原型と考えられる。
・おぶゆ 産湯 −
・おぶる 【動】負ぶう 東北弁的訛り。
・おぶる:宮城・福島・山梨。
・おんぶる:群馬。
▲おべ
◎おべー
◎おべっこ
・おべーべー
着物 『集覧:多』。=『おべべ』。
・おべー:神奈川。 
◎おべ
・おべー
覚え −
・おべこ
◎おべっこ
◎おべーべー
着物 幼児語。=『おべべ』。
・おへおへ 【形動】何でも聞く様、へつらうさま 『俚言』に『おへえおへえ』(おもねりへつらうこと)がありそれが転じたと考えられる。江戸言葉の転。
この言葉は現代では消えてしまったので類義語の『おめおめ』に受け継がれているものと思われる。
(おべーさらん) 【複】覚えられない 山梨。『覚えさらぬ』意味。
使役・可能・尊敬形としての『さる』が残った言葉。
▲▽おーぺし 大飯ぐらい 『集覧:稲』。この場合の『ぺし』は『減す・拆す』(へす)の名詞形と思われる。
・おーばくり:長野。
・おべだ
▲おべた
・おべーだ
【複】覚えた、解かった 『集覧:北』。
(おべーた) 【複】驚いた 静岡。
・おべだふり
・おべーだふり
知ったかぶり、解ったふり ・おべだふり:青森。
・おべたふり:岩手。
(おへだら・へだら) いたずら・頼みもしないことをやること 東京青梅。『才太郎畑(さいたらばたけ)』が訛ったか。
▲おべっか お世辞 標準語。漢字は当てられていない。『集覧:西』。『お』は接頭語かどうかも解っていない。『お弁家』『お弁つ家』の意味か。
『俚言』に『おへえおへえ』(おもねりへつらうこと)がありそれが転じたと考えられる。
・おへつ:静岡。
・おべっか:東京・長野。
・おべっか:お世辞を言う人:神奈川。
・おべっかつかい お世辞ばかり言う人 ・おべっかつかい:神奈川。
・おべっちゃら お世辞 『おべんちゃら』が訛ったもの。
・おべっちょ
・おべっちょこ
・おべっちょご
女性性器 −
◎おへと 肛門 江戸時代の古い言葉。
・おーへび アオダイショウ −
◎おへーへ
▲おへーへー
【形動】何でも聞く様、へつらうさま 『集覧:猿・新』。
『俚言』に『おへえおへえ』(おもねりへつらうこと)がありそれが転じたと考えられる。江戸言葉の転。
この言葉は現代では消えてしまったので類義語の『おめおめ』に受け継がれているものと思われる。
◎おべべ
◎おべっこ
着物 幼児語。『べべ』の丁寧語。『召し物』に由来すると考えられる。
・おべ:山形。
◆■おぺら おしゃべり 土浦市の方言である。
・おへら:宮城。
・おへらさん:神奈川。
《オペラはおしゃべりするもの?》。
◎おへらがす 【動】からかう、おひゃらかす −
(おへーりんさりもと) 【感】日の入りの挨拶言葉 山梨。『お入りなさり申すぞ』の意味か。
◎おべる
・おべーる
【動】�@覚える、�A知る、�B解る �@・おべる:青森・秋田。
・おべーる:青森・群馬・八丈島・山梨。
★おべーでろ:覚えていろ。
★おめおべでめー:お前は覚えていないだろう。
★おべられる:覚えられる。
�A覚えるには、『知覚』があるように『知る』意味に近い『解る』意味がある。
★いまはじめでおべーだ:今初めて知った。
�Cその他。
・おべる:縄で縛る・背負い子にくっつける:静岡。
(おべんこ) 【形動】しっかりした、おりこうな 長野。
『べんこう【弁口】:口のききかた。口先の巧みなこと。』『べんこう【弁巧】:弁舌の巧みなこと。』の意味が転じたか。
▲おべんちゃら 口さきばかりで実意のないお世辞を言うこと。また、そのことば、その人。おべっか。 『集覧:新』。標準語だが最近はあまり聞かなくなった。死語になりつつある言葉。漢字は当てられていない。
『弁をちゃらちゃらと言う』即ち『お弁ちゃらちゃら』の意味か。古い言葉にの『ちゃらぼこ・ちゃらっぽこ』(でたらめ。うそ。また、でまかせを言う人。いい加減な様。)がある。『ちゃら』はこの『ちゃら』と同じか。『ちゃら』は単独でも『�@ごまかしのことば。でたらめ。でまかせ。うそつき。ちゃらんぽらん。�Aにせもの。』の意味がある。
・おてんたら:埼玉・群馬・神奈川・山梨。
・おてんたらもの・おてんたらもん:お世辞を言う人:神奈川。
・おてんちゃら:山梨。
・おべんたら:群馬。
・おへんだら:いい加減な事:東京多摩。
・おべんたら:お世辞を言う人:神奈川。
・おべんちゃら:おしゃべり・お世辞を言う人:神奈川。
・おべんちゃら:静岡。
・ちょーべー:山梨。
・おべんちょ
・おべんちょこ
・おべんちょご
女性性器 −
◎おべんとばぢ
・おべんとーばぢ
弁当箱 −
(おへんなし) お世辞を言わない人 神奈川。
・おへんなし:融通が利かない・分からず屋:東京三鷹・東京多摩。
・おへんなし:いたずら・頼みもしないことをやること:東京青梅。
(おーほー・おーほーはれ・おーほーはれて) 【副】公然と 神奈川。『応報晴れて』か。
・おーほー:公然・遠慮しない様:静岡。
・おぼいがある
・おぶいがある
【複】覚えがある ・おぼいがある:群馬。
・おぼいる 【動】覚える ・おぼいる:山梨。
◎おぼがみ
・おぼがみさま
�@産神、�A産土神(うぶすながみ) 『産神』。『産土神』をも指す。
�@『産神』は、広辞苑に『�@出産をつかさどり、産児を保育する神。産の血のけがれをこの神だけは厭わないという。�A産土神。』とある。茨城では台所に住んでいるとされる。
�A『産土神』は、古くは生まれた土地を守護する神様。近世以降、氏神や鎮守の神と同一視されるようになったという。
▲おぼぎ 産着 『集覧:北』。
段の変化。茨城ではウ段がオ段に変化することがある。
・おぼぎ:神奈川。
・おぼぎ:群馬。
◎おぼく
▲おぼけ
つむいだ麻を入れる容器 『苧桶』。『苧小笥(オゴケ)。』とも言う。『集覧:真』。
・おぼげ:山形。
・おぼけ:山形。
・おぼげ
◎おぼけ
産毛 ・おぼけ:神奈川。
・おぼご
◎おぼこ
�@まだ世間のことをよく知らず、世なれていないこと。また、その人。�Aういういしい娘。きむすめ。�Bボラの幼魚。�C赤ん坊 標準語。現代では主に�Aの意味。『ぼこ』(小児。子供。また、赤ん坊。)とも言う。『産子(うぶご)』が訛ったとしか考えられない言葉。
現代では『おぼこ』と『ぼこ』は異なった意味合いで残っているがルーツは同じ。
�@・おぼこ:神奈川。
・おぼさ:山形。
�A・ぼこ:世間を良く知らない娘:神奈川。
・おぼこ:静岡。
�B近世語。
�C・おぼご:子供:山形。
・おぼこ:赤ん坊:東北全県・宮城・栃木・群馬・山梨・徳島。宮城。
・おんぼこ:福島。
・ぼこ:子供・赤ん坊:長野・静岡。
・ぼっこ:子供・赤ん坊:岩手・秋田。
�Dその他。
・おぼご:漬物:宮城。
・おぼこ:人形。
◎おぼこさん 蚕 県北部。
(おぼこなし) 出産・産婦 宮城。
(おほーこべる) 【動】怠ける 静岡。仏教用語と関係があるように見える。『法を被る』=『説教を受ける』
◎おーぼさ 大きな藪 −
◎おぼさる 【動】負ぶさる −
◎おぼすな
◎おぼすなさま
鎮守の神 『産土神(うぶすながみ)』(生れた土地の守り神。近世以後、氏神・鎮守の神と同義になる。)。
・おぼすな:千葉。
◎おぼそ モツゴ(クチボソ) −
◎おぼた 出産後つける仮の名前 『産名』の意味。
◎おぼだで 出産祝い 『産立』(出産後の種々の行事。)。
・おぼたて:子供が生まれるとその子が一生食うに困らぬ様にと一升の御飯を炊き神棚に供えた後なるべく大勢の人に食べてもらう:群馬。
・おぼたて・おぼのまんま・おぼのめし・おぼめし:産後に産婦が始めて食べる米の飯・お産の時産神に供える飯:神奈川。
◎おぼち 道の轍の草を目立たないように結んで通る人の足をさらう遊び 児童語。多賀郡。『お』は『緒』と思われる。『緒打ち』の意味か。
・おぼっかねー 【形】覚束ない ・おぼっかんね:鹿児島。
・おぼっかんなか:鹿児島。
△おぼっこ �@赤ん坊、�A死んだ産婦の霊 『おぼこ:(ウブコ(産子)の転か)�@まだ世間のことをよく知らず、世なれていないこと。また、その人。�Aういういしい娘。きむすめ。』。
・おぼっこ:子供:宮城。
・おぼっこ:赤ん坊:京都。
・おぼっこ:処女・未婚の女:愛媛。
・おぼっこ:人形:長野。
・こんぼこ:赤ん坊:長野。
・おほっさま
・おほっさん
・おほっつぁん
星 『おほしさま』が訛ったもの。
・おほっさま:千葉。
(おぼっさん) お坊さん 静岡。
・おほどげさま 仏壇 −
◎おぼな 出産後つける仮の名前 『産名』の意味。
・おーぼね 大変骨が折れること、労苦、困難 『大骨』の意味。
・おーぼね:神奈川。
・おーぼねおる 【動】大変苦労する −
◎おぼのかみさま 産神 ・おぼのかみさま:産神・幼児の守り神:神奈川。
◎おぼみず 産湯 県内散在。
(おぼめく) 【動】�@はっきりしない。たしかでない。ほのめく。�A気がかりに思う。不審に思う。�Bそらとぼける。 形容詞形に『おぼおぼし【朧朧し】』(�@はっきりしない。ぼんやりしている。たしかでない。�Aよそよそしい。へだてがましい。�Bたどたどしい。おぼつかない。)がある。
・おぼおぼしー:山形。
◎おぼやあぎ
■▼おぼやあき
▲おーぼーやあーき
▼おぼやあけ
◎おぼやぎ
▼おぼやき
▼おぼやけ
お産明け、産後3週間目の祝い 『集覧:無記載』。
長音形は調査ヒアリングの際、確認のため聞き返したためゆっくり喋ったのをそのまま書き留めたのではないかと思われる言葉。=『うぶあぎ・うぶやあぎ・うぶやぎ』。
主に県南部方言。
・うびやまい:神奈川。
・うぶあけ:神奈川。
・おばあき:群馬。
・おびあけ:神奈川。
・おびやあけ:神奈川。
・おびやく:神奈川。
・おびやけ:神奈川。
・おぶやき:群馬。
・おぼあき:群馬。
・おぼやき:千葉・群馬。
・おぼゆ 産湯 ・おぼゆ:八丈島。
・おぼろ 魚やエビなどをすり潰してピンク色にした食品、でんぶ、そぼろ 標準語。昔は砂糖がたっぷり入っていて甘かった。魚肉の加工品。魚を蒸して肉だけを圧搾して水分を去り、焙炉(ほいろ)にかけてもみ砕き、乾燥させ、味醂・砂糖・塩・醤油などで調味したもの。
・おぼろ:神奈川。
■おーほんけ
■おーほんたぐ
孫分家から見た本家の呼称 −
◎おぼんさま �@盆の仏様、�A盆の供え物 県北・県西部。古い言い方と考えられる。
◎おぼんさまおぐり
◎おぼんさまのおがいり
送り火 県北・県西部。古い言い方と考えられる。
◎おぼんさまむがい 迎え火 県北・県西部と行方郡。古い言い方と考えられる。
(おま) 座敷 静岡。
日本の民家は、元は多く板の間で特に接客する部屋に畳を敷いたため、『座敷』とは、『�@畳を敷きつめた部屋。特に、客間。�A接客または酒宴の席。また、その取持ち。』の意味なので、この場合は敬意を込めた意味の『御間』の意味なのだろう。
・おまい お前 江戸言葉。
現代ではことさらに『い』『え』を識別できない地域として北海道南部と東北の大半(青森西部、秋田・山形北部)と東関東が挙げられるが正しくは無い。
・おまい:東京・鹿児島。
(おまい) 【形】美味い 静岡。
▲おまい
□△▽おまえ
�@▲□△本家、�A仏壇を置く部屋 『御前(おまえ・みまえ)』(貴人または神仏の前。御前(ゴゼン)。)または『大前』(神または天皇の御前。また、神または天皇。ひろまえ。みまえ。)の意味。『集覧:稲・新・多・西・真・那』。
さらに『御前』は、『おめ・おめー』等に変化し、住宅、旧家、座敷、居間、台所、上がり口、人を指す言葉、畳の上、妻、夫等の意味に変化し全国に展開する。
�@『御前』が転じたか。
・おーまい:福島。
・おまや:新潟。
・おめー:母屋:長野。
・おめい:母屋:長野。
�A・おまえ:神奈川。川崎民家園に書かれている。
◎おまいいー
▲▼おまえいー
�@▲面談、�Aへつらうこと、人前でこびること 『御前言い』の意味。『集覧:無記載』。
・おまいがだ
・おまいかだ
あなた方 古い標準語の『御前方』(おまえがた)の転。
◎おまいげーはぐ へつらうこと、人前でこびること 『御前軽薄』の意味。『手前味噌』の反語とも言える。
▲おまいさま
・おまいさん
あなた 『御前様』。まれに使う高齢者(女性)がいた。時代劇でも耳にする言葉。祖母は『おまいさん』を良く使った。
・おまいさん:東京。
▲△おまいさま �@仏壇、�A▲先祖 『御前様』の意味。『集覧:行』。
『御前(みまえ)』(貴人または神仏の前。御前(ゴゼン)。)または『大前』(神または天皇の御前。また、神または天皇。ひろまえ。みまえ。)の意味。
�@・おまいさま:千葉。
・おまいさま:仏間:福井。
(おまいっち) お前達 静岡。
(おまいっちゃー) お前達は 静岡。
・おまいらい
・おまいらえ
◎おまいらげ
お前の家 −
・おまいんとご
・おまいんとこ
お前の家 ・おまいんとこ:静岡。
(おまいのかーちゃんでーべーそ・おまえのかーちゃんでーべーそ) 子供の罵倒言葉の決まり文句 おまえのかーちゃんでーべーそ、やっぱりおまえもでーべーそ。
・おーまが 【形動】大まか 濁音化。
(おまかない) 惣菜 宮城。
広辞苑に『賄い:�@食事などを調えて供すること。また、その人。まかないかた。�A世話・給仕をすること。また、その人。�B取りつくろうこと。まにあわせ。』とある。
・おーまぐらい
・おーまぐれー
大食漢 『まぐらう』は『食べる』意味の方言で東北・北海道でも使われる言葉。
・おーまくらい:神奈川。
・おーまぐれ:宮城。
・おーまくれ:東京多摩・神奈川。
・おーまくれー:秋田・宮城・埼玉・神奈川・長野・山梨。
・おーまっくれー:神奈川。
・おんまくれー:神奈川。
・おまげに 【接】その上に、御負けに ・おまげに:山形。
◎おまさんこ ままごと 幼児語。久慈郡。『ま』が『飯』を指す。
◎おまーし 尻繋・鞦(しりがい) 広辞苑に『�@牛馬の尻にかけて車の轅(ナガエ)や鞍橋(クラボネ)を固定させる緒。�A馬具の名。馬の頭・胸・尾にかける緒の総称。近世には押掛(オシカケ)という。』とある。
帯を意味する『御回し』が転じたと考えられる。
▲おまじり ひしお、金山寺味噌、舐め味噌の一種 『集覧:新』。
『おまじり』は古い標準語では『粥』を指す。
・おまじり:粥:静岡
(おーます) 甲州の一升枡(全国共通の一升枡(京枡/きょうばん)の3倍 広辞苑に『大枡:普通の枡より大形のもの。伊勢の大枡のほか、各地にあった。』とある。
・おまーせぶり 思わせ振り ・おませ:鹿児島。
・おませぶい:鹿児島。
・おまーね 【複】思わない 『おまあねえ』なら関東方言と考えられる。
★けさがだおまーねごどがあってきられながったんだわ:朝方、予想外の事があって、来れなかったんだ。
★おらそーはおまーねど:俺はそうは思わないよ。
(おまはん) お前 広辞苑に『(もと大坂遊里語) 同輩または目下(メシタ)の相手を呼ぶ語。お前さん。』とある。
神奈川・新潟・富山・山梨・静岡・愛知・滋賀・大阪・和歌山・兵庫・島根・香川・徳島。
・おまは:長崎・宮崎。
□おまま ご飯 ・おまま:宮城。
◎おままっこ ままごと 幼児語。県北・県西部。
・おまーめ 【複】思わないだろう 『思うまい』。
▲おまもりなんしょ 【慣】物を頂く時の言葉 『集覧:多』。 
◆おまーり
◎おまり
▲おまわり
ひしお、金山寺味噌、舐め味噌の一種 『集覧:稲』。
『御回り・御巡り』は『(女房詞) 飯の菜。おめぐり。』を指す。
(おまる) 携帯用便器 関東圏では大小便をする意味の『放る』(まる)は早くからすたれた。便器は古くは『まり桶』と呼んだ。
◎おーまるぎ 稲束をさらに大きく束ねること −
・おまーれる 【複】�@慕われる、好かれる、�A思われる �A・おまーれる:福島。
◎おまん �@人形につける名前、�A人形 幼児語。
◎おまん お前 古河市。時代劇でも耳にする言葉。『おまはん・おまえはん』が訛ったのだろう。
・おまん:群馬。
(おまんこぼーし) 中折れ帽子 神奈川。
広辞苑には『中折れ帽子:頂の中央が縦に折れくぼんだ、鍔(ツバ)のあるフェルト製の帽子。なかおれぼう。ソフト。』とある。
比喩語による方言だろう。
・おまんじ 饅頭 =『まんじ』・『まんじー』。
おまんじゅう→おまんじー→おまんじ。
文献に無いのが不思議な言葉。
★ほどげさまにおまんじあがってっからたべだらがっぺ:仏壇に饅頭が供えてあるから食べたら良いだろう。
◎おまんじむし カブトムシの幼虫 −
▲▽おまんま ご飯 『めし』の俗語。『集覧:多・真』。
・おまんま:東京・神奈川・静岡。 
◎おまんまごど ままごと −
△おみ
・おみー
お前 古い言葉の『御身』。
・おみ:宮城・東京都三宅島・岐阜・滋賀
・おみさま:新潟。
◎おみきすず とっくり 竜ヶ崎市・行方郡。
広辞苑に、『錫:錫で作った徳利に似た口の細い酒器。』とある。
・おみきすず:静岡。
(おみげっつぁん ) 十五夜のお月様 宮城。『御御月様』。
・おーみず 洪水 『大水』。死語になった言葉。
・うみず:鹿児島。
(おみそ) つむいだ麻糸、うみお、うみそ 鹿児島。
『績苧・績麻』。
◎おみだ 4月8日。または5月6日。 『忌み田』の意味で田に入ってはいけない。
・おみや
・おみゃー
お前は 連母音変形。茨城ではマイナーな方言だが原型は『御身は』で、口蓋化したイ段音によって必然的に生まれるもの。
★なんだおみゃー:なんだい、お前は。
■おみやいり 祇園祭りのとき神輿を仮設の安置所から神社に移すこと。 −
・おみやぎ お土産 −
・おみやめーり お宮参り ・おみやめーり:神奈川・山梨。
◎おみませ
◎おみまーせ
・おみまわし
■おみまわせ
�@結婚式の後日、近所に挨拶回りすること、挨拶回り、�Aお見舞い 『御御回し』又は『御身回し』『御見回し』の意味と思われる。久慈郡・那珂郡では、その時配る手ぬぐいに『お見舞い』と書くという。
広辞苑には、『見舞う:�@見まわる。巡視する。�Aおとずれる。訪問する。とぶらう。�B災難をうけたり病気にかかったりした人をおとずれ、手紙で問い慰め、また品物などを贈る。�C(天災・攻撃などが)襲う。』とある。
県北・県西部ではそのまま『お見舞い』と言う地域がある。
�@・つぎめ・ひつぎ:神奈川。
◎おみよつけ
▲おみょーつけ
味噌汁 『集覧:西』。
『御御御付』(おみおつけ)。
これは、方言とは言えず、日本語のイ段音は口蓋化しているため、y音が含まれ、逆行同化によって『みお』が『みょ』に聞こえるためである。
これはまた間違いなく関西の影響を受けた江戸時代に生まれた言葉であろう。
それにしても、丁寧の接頭語『御』がみっつも重ねるのは他には無い。
茨城では、丁寧語は極めて少ないから、中央から伝わった言葉であることは間違いない。
・おみおつけ:静岡。
・おみよつけ:東京多摩。
・おみょーつけ:神奈川・静岡。
・おみょーにぢ 【感】さようなら 女言葉。茨城方言としては最上級の丁寧語。文献には無い。『(それでは)明日(会いましょう)』の意味で英語表現に近い。
・おみょーにち:就寝のあいさつ・また明日:宮城。
(おみょーはん) 貴方 静岡。
(おみる) 【動】酔っ払う 東京。
・おむいきし
・おむいっきし
・おむいっくそ
【副】思い切り −
・おむがい 迎え ・おむかい:東京。
・おむがしー
・おもがしー
【形】面白い 古い標準語の『おむがし・うむがし』(喜ばしい、うれしい、めでたい)の流れ。
◎おーむがぜ 大ムカデ −
■おーむぎのつきみ 十五夜 −
(おーむけだま) 仰向けになった状態 山梨。『仰向け様』。
(おむし) (女房詞) 味噌。むし。 日葡辞書や『浮世風呂』にある言葉。女房言葉。現代では使われない。
女房言葉とは『室町初期ごろから、宮中奉仕の女官が主に衣食住に関する事物について用いた一種の隠語的なことば。のち将軍家に仕える女性から、町家の女性にまで広がった。飯を「おだい」、肴を「こん」、鯉を「こもじ」、団子を「いしいし」、浴衣を「ゆもじ」という類。』とある。多く、間接的な表現を好む言葉であるが、この場合は原料の製造過程の『蒸す』行為を指して間接的に指した言葉と思われる。
・むし:岐阜・福井・近畿全域・岡山。
□おむす 【動】�@(天候が)蒸す、�A卵をかえす、暖める、生まれる =『おもれる』。
�@古い標準語の『蒸す』(うむす・うもす)の転訛。
�A『生(うむ)す』。
・むしける:鳥獣が子を生む:青森。
・むしける:卵が孵る:山形。
・もえる:卵がかえる:宮城。
・もやす:宮城。
■おむつーだんご
◎おむづらだんご
6歳の男の子のいる家で毎月6日に月に供えるだんご。 −
◎おむづらさま �@6歳の男の子のいる家で毎月6日にだんごを月に供える行事。�Aスバル(プレアデス星団) �A『六連星(むつらぼし)』は東日本の呼称。
(おむに) 【副】無理に、故意に 神奈川。
◎おめ
・おーめ
◆▲おめー
【代】お前、あなた 基本的に江戸言葉であろうが兵庫でも使われる。単音化する場合は、茨城を基点とした東北方言だと考えられる。男女の区別なく用いる。『おめえ』(お前、御前)は辞書掲載語。『御前』は、古くは目上を指したが江戸時代には同輩を指し、現代では同輩かまたは目下を指す。標準語の『おめえ』はぞんざいな言い方だが茨城では、ごく普通の言い方である。女はやや丁寧に『おまいさん・おめえさん』を使う。
・おみゃー:静岡・広島。
・おめ:青森・宮城・福島。
・おめー:青森・福島・埼玉・東京・神奈川・八丈島・長野・兵庫。八丈島では最上級の呼称。長野では目上に使う。
・おめさん:山形・新潟。
★『四十八癖』:おめへは仕合せだぜ。
★なーんだおめー、こーたどごさくるまぶったしどいでなーにやってんだが:一体何なんだいお前は、こんな所に車を置きっぱなしにしておいて何やってんだい。
★いぐらおめがゆったってだいなものはだいだ:いくらお前が言ったって駄目なものは駄目だ。
★あーれ。おーめ、かまどけしたって、ふーふなんちゃ、そーたごどでだめにゃなんねどー。ほんでどしたい!。あれ、どうしたの?。ーーー。
◆おめー 思い ・おめ:鹿児島。
★そーたおめーしたがねー:そんな思いはしたくない。
△▽おめー
▲おめぇー
本家 『御前』の意味。『集覧:稲・新・多・西・真・那』。
・おめー:福島・新潟。
・おめぇー:母屋:福島。
・おめんち:群馬。
・かつて:母屋:福島。
・おめあだり
・おめーあだり
�@お前の家の近辺、お前の村・町、�A(曖昧に言う)お前 �@『おめーのうぢあだり』の略。
�A★おめあだりだらどーすんだ:お前ならどうする?。
(おめいばんかい) 【慣】汚名返上 若年層より中高年が間違って使っている慣用句。
・おめが お前 −
・おめがい
・おめがいー
お前の家 『お前が家』。
・おめがうぢ
◎おめがぢ
お前の家 『お前が家』。
・おめがだ
・おめーがだ
・おめーかだ
あなた、あなた方 古い標準語の『御前方』(おまえがた)の転。
・おめぁがだ:秋田。
・んめぁがだ:秋田。
・おめかだら あなた方 −
◆おめがな
・おめーがな
・おめがの
・おめがん
・おめがん
【複】�@お前のもの、お前の、�Aお前ってやつ、お前自身 『がな・がの』は、『【助】�@〜の、〜のもの、�A〜の(〜)、体言の省略形』の意味。
�@★このくづしたはおめがなだ:この靴下はお前のだ。
�A・んがんな:秋田。
★おめがなではだいだはー:お前では駄目だよ、もう。
・おめきし
・おめーきし
・おめぎり
・おめきり
・おめーきり
・おーめーきり
・おめっきり
・おめーっきり
【副】思い切り ・おめきい:鹿児島。
・おめーきり:神奈川。
・おめっきり・おめーっきり・おめーに・おめーり・おもいざんまい:神奈川。
・うんめろ・おーめろ・おめろ・おんめりょ・おんめろ:沢山:神奈川。『大目量』が訛ったか。
・おめきし
・おめーきし
・おめぎり
・おめきり
・おめーきり
・おーめーきり
・おめっきり
・おめーっきり
お前だけ −
・おめぎる
▲おめきる
・おめーぎる
・おめーきる
【動】思い切る 『集覧:北』。
・おめぐ 【動】わめく。高くさけぶ。 『喚く(おめく)』は古語。江戸時代にはまだ使われていた(俚言)。現代語の『わめく』は『おめく』が変化したとされる。そうなれば『呻く(うめく)』も同源の可能性が高い。
・おめく:叫ぶ:三重・奈良・和歌山・九州。
・おめく:うなる・うめく:福井・三重・香川。
・おめく:鳥や虫などが鳴く:長崎。
◎おめぐりぼー 擂粉木 高萩市。擂粉木は『御回り(おめぐり)』とも言う。
◆おめげ
◆おめーげ
・おめーげー
・おめげい
・おめげいー
・おめげえ
・おめげえー
お前の家 『お前の家』→『おまえがいえ』→『おめえがいえ』→『おめがえ』→『おめげえ』→『おめげ』。
『お前』を『おめえ』と言うのは江戸言葉。
・おめーげー:山梨。
・おめげの
・おめーげの
【複】�@お前の家の、�Aお前の家の物(人) −
・おめさま
・おめーさま
あなた様 当時の高齢者言葉。現代標準語では『おめえ』と言えば『おまえ』が訛った汚い言葉である。しかし、古くは『御前』の意味で身分の高い人を敬って言う言葉であり、その名残と考えられる。
・おめさま:宮城。
◎おめーさま 仏壇 稲敷郡。『御前様』の意味。
・おめーさま:千葉。
・おーめしぐい
・おーめしぐらい
・おーめしぐれー
大食漢 『大飯喰い・大飯喰らい』。『ぐ』は辞書では清音。
・おーめしくい:神奈川。
・おーめしけれー:神奈川。
・おめっきし
・おめーっきし
・おめっきり
・おめーっきり
�@【副】思い切り、沢山、�Aお前だけ ・おめっきり:沢山:神奈川。
・おめってー 【複】おめでたい 茨城方言の一つの原型は江戸言葉である。ところが長野あたりになると、民族・文化的な要素が加わる。長野ではお礼の言葉として、『おめでとう』と言いながら、億劫な意味を『おめったい』と言う。標準語でもお人よしを『おめでたい』などと言うのと同じである。
・おめったい:面倒だ・億劫である:長野。
・おめっとー 【複】おめでとう ・おめーとー:静岡。
・おめっとおれ 【複】お前と俺 −
・おめっとがんした 【複】おめでとうございました ・おめしとーごいす:おめでとうございます:山梨。
・おめっとさん 【複】おめでとう様 −
・おめっとやんした 【複】おめでとうございました −
・おめーてー 貴方の家族 −
・おめでで
・おめででー
【形】おめでたい −
・おめでは
・おめーでは
【複】お前には 『お前にては』。
★せっかぐつぐってまってだのにのんでけーってくんだがら、まったぐおめーではこまったもんだ:せっかく作って待ってたのに飲んで帰って来るんだから、まったくあなたには困ったものだ。
・おめーてーら 貴方の家族達 −
(おめーとー) 【感】おめでとう 静岡。
・おめない
・おめなうぢ
・おめなえ
・おめながうぢ
・おめながえ
・おめなげ
お前の家 この『な』は広辞苑には『(格助詞「の」の転) 体言と体言とを接続して連体修飾を表す。』とあるが、『〜なる』意味とも考えられる。
・おめながほ
・おめながほー
・おめなほ
・おめなほー
お前の方、お前の家の方(地域) −
・おめーなし 気のせい 『思い做し』。
・おめーなす 【動】�@決心する、�A思い込む。 『思い做す』。
・おめなんちゃ
・おめなんちょ
【複】お前なんて 『おめなんちょ』は『おめなんちゃよー』が訛ったもの。
・おめなんちゃよー 【複】お前なんてさあ −
・おめね
・おめーね
【複】思えない ・おめね:心配ない:栃木。
・おめの
・おめーの
お前のもの、お前の ★あいづあおめの、こいづあおれの:あれはお前の、これは俺の。
・おめのい
・おめのいー
・おめのうぢ
・おめのえ
・おめのえー
【複】あなたの家 ・おまいんとこ:静岡。
◎おめのうぢ 本家、本宅 水海道市。『御前の家』の意味。
・おめのが
・おめのか
【複】【副】おもいのほか、思ったより 『思いのほか』。『の』と『が』の間には限りなく小さい『ほ』が入る。
思いのほか→おめーのほか→おめのほか→おめのか→おめのが
・おめのが?
・おめーのが?
【複】おまえのかい −
・おめーのほが
・おめのほが
・おめのほか
【複】【副】おもいのほか、思ったより、案外
・おめーのほが
・おめのほが
・おめのほか
【複】お前のほか、お前以外 ★だれにきーだってへーこいだなおめのほがにいねーっちゅーど:誰に聞いたって屁をしたのはお前の他にいないって言うぞ。
★おめのほがいめ:お前以外に居るまい。
・おめほ
・おめほー
【複】あなたの家、あなたの方 『お前』+『方』。『おめなほ・おめのほ』の方が一般的。
・おめや
・おめーや
【複】お前は ・おまえあ:青森。
・おまや:鹿児島。
◎おめーやー
▲おめーやい
【複】ねえ、お前 『集覧:久』。この場合の『やー』は終助詞『や』(誘いかけの表現に付く)、『やい』は助詞で、『文末に置いて、感動や念を押す意を表す。…よ。狂、禰宜山伏「某も今迄色々のものを祈つたが、終に大黒を祈つた事はないい―」』と考えられるが、主格の格助詞『は』の変形とも考えられる。
★かーちゃんやー:ねえ、母さん。
◎おめら
・おめーら
【複】�@お前達、�Aお前当たり、お前なんか �@『お前等』。江戸言葉。
『おめえら』は今では非行少年用語でもあるが、『お前』はかつては尊敬語でもあった。
茨城ではそんなニュアンスは皆目無く、『お前達』の意味。に加えて、で使われた。
・おまいた:長野。
・おめた・おめった:長野。
・おめら:宮城・福島。
・おめーら:八丈島。
・んがびら:秋田。『汝が輩』(うぬがばら・ながばら)。
�A『ら』は対象をぼかした言い方。単に曖昧な二人称の意味
★おめらではまいったどー:お前なんかでは参ったよ。
★ゆっとぐけんとおめらではでぎめー:言っておくけど、お前なんかにはできないだろう。
◆おめらい
・おめらえ
◆おめらげ
【複】お前の家、お前達の家 『おめらげ』は『おめらがい・おめらがえ』が訛ったもの。
★なーんだがいぶせってーどおもったらわらもーしてんのはおめらげが:何だか煙いと思ったら、藁を燃やしてんのはお前の家かい。
・おめらが
・おめーらが
【複】お前の家、お前達の家、お前の方、お前達の方 ・おめーらが:東京青梅。
・おめらがだ
・おめらっかだ
・おめーらかだ
【複】お前達 やや丁寧な言葉。標準語では『御前方』。
・おめらがな
・おめーらがな
【複】�@お前のもの、お前らのもの、お前らの、�Aお前、お前ら、お前ら自身 −
・おめらがほ
・おめらがほ
・おめーらがほ
・おめーらがほ
【複】お前の家、お前達の家、お前の方、お前達の方 −
◆おめらぢ
・おめらち
【複】お前の家、お前達の家 おめらのうぢ・おめらがうぢ→おめらぢ
・おめらほ
・おめらほー
・おめーらほー
【複】お前の家、お前達の家、お前の方、お前達の方 家や地域を指して言う。=『おめらのほ』。
・おめーらーほ:東京青梅。
★『土』:なんちっても、かうえ豆(まめ)とれるなんておめえ等(ら)方(はう)はええのよなあ、俺(お)ら方(はう)ぢや土手(どて)の近(ちか)くで手(て)の有(あ)るもなあ、田(た)の畦豆(くろまめ)引(ひ)っこ拔(ぬ)えて土手(どて)の中(ちう)っ腹(ぱら)へ干(ほ)しちや見(み)た樣(やう)だが、まあだなんちっても莢(さや)が本當(ほんたう)に膨(ふく)れねえんだから、ほんの豆(まめ)の形(かたち)したっち位(くれえ)なもんだべな。
・おめん うどん 『麺』。辞書には『うどん・そうめんなどの総称。』とある。
・おめんかげる 【複】お目に掛ける ・おめんかける:宮城。しばらくでおめんかかりてがす:久しぶりにお会いします。
★こんだのあだらしーみえーえーでにおめんかげっからあってみろや。−あんだおめー、みえーえーでにおめんかげでどーしんだー、ほれどもなにがー、おめんかげねどみらんによーたしとなのがー。−んだねど、なーにゆってんだおめ、お目に掛げるっちーいみだっぺな。−がはは。おらそのぐれわがってらー。じょーだんだよじょーだん。
・おめんげ
・おめんげえ
・おめんげー
【複】お前の家 −
◎おめんづる �@煮込みうどん、�Aうどん(幼児語) 『麺蔓』の意味。那珂郡。
・おめんぢ
・おめんち
【複】あなたの家 新しい言い回し。=『おめらい』。『おまえんち』。
・おめんち:群馬。
◎おめんち
◎おめんめ
◎おめんめん
うどん 県北部方言。
・おめんてー
・おめんてーら
【複】お前達 ・おめんとー:山梨。
★おめんてーらどごのもんだ?:お前達はどこの者だい?。
・おめんどご
・おめんとご
【複】お前の所、�@お前の地域、�Aお前の会社、�Bお前の家 江戸言葉では一般に『おめえんとこ』『おめえんところ』だろう。
�B・おまいんとこ:静岡。江戸言葉か。
・おめんとーごぜやす
・おめんとーでがす
・おめんとーでござんす
【慣】おめでとうございます −
◎おめんめ 頭 幼児語。新治郡。
◎おもー 【動】愛する、恋する 万葉集にもある古い表現。古い映画の字幕でも目にした言葉。ニキビの占いに『思い、思われ、振り、振られ』があったのは懐かしい。
★おめ、あいづごどおもってんだっぺー:お前、あいつのことが好きなんだろう。
・おもい 重湯、お粥のうわずみ −
□おもい 大井 −
・おもいがげね
・おもいがげねー
【複】思いがけない ・おもっかけもねえ:山梨。
・おもいきし
・おもいくそ
・おもいっきし
◎おもいっきり
・おもいっくそ
◎おもいり
【副】思い切り ・おもいっくそ:栃木。
・おめっさら:山梨。『思い更に』の意味か。
(おもいだ) 【複】億劫だ 静岡。
・おもいたにいがねー
・おもいだねー
【形】思う様に行かない、思う様ではない −
・おもいなぐ 【複】【副】思いがけず、意外に 『思いがけず』。
★あいだぐねーしとにちぢーらでおもいなぐでっかっしゃってめーったどや:会いたくない人に土浦で思いがけず出くわしてしまって参ったよ。
・おもいなしか 【複】そう思ってみるせいか、気のせいか 『思い做しか』。
(おもいなしく) 【副】思い切り 宮城。『思い做し:特に思いをかけること。』とある。
・おもいにいがねー 【形】思う様に行かない −
・おもいのほが 【複】【副】おもいのほか、思ったより −
・おもいはがる 【動】思ひ量る −
・おもいまーす 【動】思いめぐらす。昔を追想する。 『思い回す』。
・おもいもなぐ 【複】【副】思いがけず、意外に −
◎おもいやみ 気苦労 ・おもやみ:青森・秋田。
▼おもいやむ 【動】思い悩む 『思い病む』。
▼おもいれ 思い入れ 『思入れ』。古い標準語。
・おもくろい 【形】�@面白い、�Aつまらない 『面黒い』。当時の言葉遊びで作った言葉だと思っていたら、江戸期の通人・職人言葉でもあるという。
▼おもさま
◎おもーざま
▲▼おもさも
◎おもんさも
�@思い切り、思う存分、�A思うがまま、�B十分に やや古い標準語の『思う様』の転。『集覧:稲・筑』。
�@・おもさま:鹿児島。
・おもーしま:山形。
・おめーさま:群馬・神奈川。
・おめーさも:神奈川。
・おめっさら:山梨。
・おもいしま:山形・愛媛。
�B・おもしか:沢山:島根。
・おもし
◆▼おもしー
・おもしぇー
・おむし
・おむしー
【形】面白い 『新方言』には『オモシイ:面白い。北海道,山形県,栃木県など各地で,若い世代に広がりつつある新方言;小樽市忍路若年層で増加,老年層はオモシロイ』とある。
茨城では昭和30年代にすでに使われていた。
・おもし:福島。
・おもしー:北海道・山形・福島・栃木。
・おもしぇ:宮城・福島。おもしゃぐね:面白くない:福島。
・おもしち:鹿児島。
・おもして:鹿児島。
・おもしとか:鹿児島。
・おもしゃい:山形・宮城・福島・和歌山。
・おもせ:福島。
・おもひとか:鹿児島。
・おもろい:大阪。
・おもし 重荷 『重し・重石』の意味。
・おもしがね
・おもしがねー
・おもしかねー
・おもしくない
・おもしぐね
・おもしぐねー
・おもしくねー
【複】【形】面白くない 『新方言』には『オモシクナイ:面白くない。北海道(1992)』『オモシグネ:山形県鶴岡市の若い世代が「面白くない」をいう;老人はオモシェグネさらに古くはオモショグネ(1994)』とある。
・おもさぐね:福島。終止形は『おもし』。
・おもしくねー:福島。
・おもしそ
・おもしそー
【形動】面白そう −
▲▼おもしゅー 【形】面白い 『集覧:東』。茨城方言集覧では『おもしう』とある。
◎おもしれ
◆おもしれー
【形】面白い 俗語。
・おもしれー:群馬。
◆おもしろじぐ
◎おもしろじく
◎おもしろじぐし
◎おもしろちく
【形動】【副】面白ずくで、面白がって −
◎おもす 【動】�@(天候が)蒸す、�A卵をかえす、暖める、�B蒸す、�C横領する �@『蒸す(うむす・うもす)』。
�A『生(うむ)す』。
・もやす:宮城。
�B『蒸す(うむす・うもす)』。主に県北部。
・おもす:宮城。
・おもっしえび:蒸し海老:宮城。
�C語源不詳。那珂湊市。
・おもせ �@大晦日、�A賃借勘定日(12月晦日及び正月14日) 『主つ瀬』『主つ末』の意味か。
・おもせ
・おもせー
【形】面白い ・おもせー:福島。
・おもへ:青森。
◎おもだっつらし
◎おもったらし
無駄に重いものを持つこと、骨折り損 『重いものを吊るすこと』の意味。県西・県南部。
◎おもちゃんこ ままごと 県内広域散在。
・おもちゃっこ:おもちゃ遊び:静岡。
◎おもぢらさま 昴(すばる)。プレアデス星団。 『六連星』(むつらぼし)。辞書には『(一つにまとまる意の「統(スバ)る」から) 牡牛座(オウシザ)にある散開星団。プレアデス星団。二十八宿の一で漢名、昴宿(ボウシユク)。肉眼では、普通、六個の星が見えるので、六連星(ムツラボシ)ともいった。すまる。ぼう。すばるぼし。』(広辞苑)とある。
県下には6歳の子供がいる家で餅または木につけた繭玉6個を『おもづらさま』へと神棚に供えたり、半紙に載せただんごを子供の頭の上へかかげ星を拝む等の風習があった。
◎おもつぃ 大晦日 常陸太田市。
・おもっかげず 【慣】思いがけず −
・おもっかげねー 【形】思いもかけない、考えもしない ・おもっかけもねえ:山梨。
▲おもつかねー 【形】思いつかない 『集覧:多』。現代語の『思う』と『覚える』が同源ではないかと思わせる言葉。『覚える』の古形は『おぼゆ』。バ行音とマ行音とは、音通現象がおき易い。
・おもっきし
・おもっきり
【副】思い切り −
◎おもっけー ままごと 久慈郡・那珂郡。
◎おもっぜ
▲1おもっせ
□△おもっせー
◎おーもっせ
◎おもっち
◎おもっちぃ
◎おもっちり
◎おもっつぃ
▲2おもっつえ
�@▲12大晦日、�A▲2賃借勘定日(12月晦日及び正月14日) 『おもっせ』:『集覧:稲・猿』。『おもっつえ』:『集覧:無記載』。
『大晦日』は、『おおみそか・おおつごもり』の他、『年越し』『大年越し』『年取り』『大年・大歳』と呼ばれる。
一方『新編常陸国誌』には、『おほつごもり』の解説に『或いはオモッセイと云ふ。これは、迎陽の意にて御待宵の転訛なるべし。』とある。
『大晦日(大つごもり)』とは『大月籠もり』の意味である。年末を指す別の言葉が茨城を含めて他地方に共通にあったことは間違いなく、何故消えてしまったかを考えることは意義あることだろう。
『年の瀬』と言う言葉がある。仮に『月の瀬』と言う言葉があり、『月の瀬』に対する『年の瀬』を別の言葉で言うなら、『主なる瀬』と言ってもおかしくはない。古語表現を借りれば『主つ瀬』となる。『瀬』は『末』に変えて『主つ末』でも良い。『主つ瀬』『主つ末』ならば、この一連の方言の説明がつく。
・おごっつい:栃木。
・おっつまり:茨城。
・おっつめ:群馬・神奈川。
・おっつもり:茨城。
・おーつもご:愛知・高知・山口。
・おーつもごり:京都・岡山・島根。
・おーどし:茨城。
・おーとし:富山・長野・大分。
・おーとし:節分:静岡・三重・長崎。
・おーとしまめ・節分の豆まきの豆:三重。
・おーどしとり:茨城。
・おもっせ:静岡。
・おもっせー:埼玉・神奈川・長野・山梨・静岡・滋賀。
・おもっせーそば・おもっつぃそば:年越し蕎麦:茨城。
・おもつぃ:茨城。
・おーつもごり:京都・岡山・島根。
・おんぞめ:神奈川。『大詰め』の意味。
・こもっせ:正月14日:茨城。
・こもっせー:大晦日の前日・旧暦の12月29日:山梨。
・としとり:大晦日・節分:標準語。
・としまめ:節分の豆まきの豆:標準語。
▲▼おもっせー 【形】面白い 『集覧:多』。
茨城方言集覧では『おもっせい』とある。ネットを調べるとこの言葉は全国各地にある不思議な言葉である。特に若い人が使う新語のようでもる。茨城では明治末期にすでに使われていた言葉でもある。
・おもっせー:宮城。
▲おもっそー ご馳走 『集覧:新』。
広辞苑に『物相飯:物相に盛った飯。盛り切りにした飯。特に、入牢中の囚人の飯。』とある。
・おもった
・おーもった
【複】大事だ 鼻濁音『ご』と『も』が音通する例。
★おもったがら:大事だから。
(おもっちょ) 【複】思うな 山梨。
・おもづら �@髭の濃い人、�A威圧感のある人、�B馬の轡(くつわ)を頭と首につなぎとめる組紐 �A★あいざぁ、おもづらさげでるくせにたいしたことない:あいつは威張っているくせにに大した事無い。
�Bは古い標準語。『羈(おもずら)』。
◎おもづらさま 6歳の男の子のいる家で毎月6日にだんごを月に供える行事。 −
◎おもづらさま
◎おもつらぼし
スバル(プレアデス星団) 『六連星(むつらぼし)』は東日本の呼称。
◎おもづらだんご 6歳の男の子のいる家で毎月6日に月に供えるだんご。 −
◆▼おもで
▲▼おもて
・おむで
�@表(の家)、�A本家、�B隠居に対する母屋 老齢になると隠居を新築し、仕事から離れる。その場合の、隠居に対する母屋や分家の場合の本家を指す。旧民法の名残。『集覧:稲・新・多・西・真・那』。
『表』とは広辞苑に『(「面(オモテ)」と同源)�@人の目に立つ方の面(にあるもの)。1)表面。正面。前面。人目に立つ面。2)うわべ。みえ。3)客をもてなす座敷。表座敷。3)和船の船首に近い所。表の間(マ)。また、一番前にある櫓を漕ぐ役。�A向いている方向。その面。1)むき。2)日光がよくあたる側。3)(地名などと合して) そちらのほう。もと。�Bはっきりと人前に示すに足る、正式・公式のもの。1)おおやけ。2)正式の方。しるしとするもの。3)江戸幕府や大名の屋敷内で、政治を行う所。また商家で、店。�B一対のものの一番目のもの。1)連歌・俳諧の懐紙を二つ折りにした第一面。2)野球試合の各回で、先攻チームが攻撃に当る番。3)表千家(オモテセンケ)の略。』とある。
現代方言の大半は、古い言葉に由来することがわかる。標準語は、古い言葉の持っていた様々な意味を捨て去って、再構築した言葉とも言える。
『表』はその他全国に、客間・座敷、神を祭る部屋、母屋、表庭、南等の意味で残る。
・おもで
・おむで
家の前、外 ・おもで:外:山形。
・おもて:庭先:静岡。
・おもで
◆おもでー
・おーもでー
・おむでー
【形】重い 下町言葉の濁音化・短縮化。単音形は、少し重たいニュアンスがある。『おーもでー』は強調語であり、元『おーおもでー』でもある。
・おもだえ:山形。
・おもで:宮城。
・おもでー:千葉銚子。
・おもてー:福島・神奈川・山梨。俗語。
◎おもでぐぢ
・おもでっくぢ
・おもでっくち
�@家の正面の出入り口、�A家の正面の縁側のあるところ 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
葬式の際の棺は、必ず家の正面の縁側から運び出した。また、お盆の迎え火・送り火の際も、玄関からの出入りはしてはならず、必ず家の正面の縁側から出入りした。
・おもでげー 畳の表替え 畳は新たに表を替えた後は、裏返しにして再度使うのが常識だった。
◎おもでのいー 本家、本宅 −
・おもねる 【動】へつらう 『阿る』。標準語。良く使われた言葉。広辞苑に『(一説に、「おも」は面、「ねる」は練る、顔を左右に向ける意) 人の意を迎えてへつらう。こびる。追従(ツイシヨウ)する。』とある。
□おものみ 物忌(ものいみ) 『お物忌』。
『国誌』には解説が無い。鹿島郡で使われる。広辞苑には『物忌:ある期間、飲食・行為をつつしみ、身体を浄め、不浄を避けること。�A天一神(ナカガミ)・太白神(ヒトヨメグリ)などの塞(フサ)がりを犯すのを忌んで、その日の過ぎるまで家に籠ってつつしんだこと。�B物忌のしるしに柳の木の札または忍草に物忌と書いて冠または簾(ス)などにかけたもの。物忌の札。�C明治維新前、伊勢神宮や鹿島・香取・賀茂・春日などの諸大社で神事にあずかった童男・童女。』とある。
・おももぢ 顔色。表情。 『面持ち』。
◎おもや �@建物の中央の部分。もや。�A(付属の家屋に対して) 住居に用いる建物。本屋(ホンヤ)。おおや。�B(分家・支店に対して) 本家(ホンケ)・本店の意。 『母屋・主家』。都心では死語。旧民法の名残りと思われる。
・おもやせ
・おもやづれ
(病気や心労で)顔がやせること 『面痩せ』『面窶れ』。
・おもやみ:憂鬱・気がかり:山形。
・おもよたにいがねー
・おもよたにはいがねー
・おもよたにゃいがねー
【複】思う様に行かない 『が』は濁音・鼻濁音。
『思う様たるにはいかない』意味。
・おもよだねー
・おもーよーだねー
・おもよではねー
・おもよでやねー
【複】思う様ではない、うまくいかない 標準語では『思う様じゃあない』である。標準語では、断定の終助詞『じゃ』は捨て去られ、『では』の変化した『じゃ、じゃあ』だけが残る。
茨城方言では、『では』は『ぢは、でぃは、でぃや、でや』などと言う。『では』が『じゃ、じゃあ』に移行する過渡期の言葉を残していると言える。
・おもり 奢ること −
◎おもーり 思い切り、思うがまま、十分に 行方郡。『思い通り』の意味か。
▲おもる 【動】奢る、ご馳走する 『集覧:稲・猿』。関東方言か。
・おもる:埼玉・東京都青梅市・静岡。
・おもりぐい:贅沢な食事:神奈川。
△おもれる 【動】(天候が)蒸す 古い標準語の『蒸す』(うむす・うもす)の転訛。
『新方言』には『オムレル:御飯が蒸れる。昔若者が使い始めたとか;長野県(福沢1982)』とある。
・おもれる:岩手・栃木。
◎おもれる 【動】羽化する 『生(うむ)す』。
・おむれる:福島。
・もえる:宮城。
◎おもれる 【動】(ガスなどで)中毒する 北茨城市。『蒸す』(うむす・うもす)の転訛。
・おもわめ
・おもわめー
【複】思わないだろう 『思うまい』。
★だれもあいづのごどいーどはおもわめ:誰もあいつの事を良いやつだとは思わないだろう。
◎おもわれる 【動】�@人気が有る、�A好かれる、�B恋される 方言か否か判断に迷う言葉。ちなみに『思う』を広辞苑で調べると、『(1)…の顔つきをする。…という顔をする。表情をする。(2)物事の条理・内容を分別するために心を働かす。判断する。思慮する。心に感じる。(3)もくろむ。ねがう。期待する。(4)おしはかる。予想する。想像する。予期する。(5)心に定める。決心する。(6)心にかける。憂える。心配する。(7)愛する。慕う。いつくしむ。大切にする。(8)過去の事を思いおこす。思い出す。』とある。
かつてニキビができた位置によって恋占いをした『思い思われ振り振られ』が偲ばれる。
・おもんばがる 【動】よくよく考える。思いめぐらす。 『慮る』。
・おーや 【感】�@そうだよ、�A相づちの言葉、はい、�B呼びかけの言葉 『応也』。
■おーや
◎おーやのぎおん
◎おーやのぎょん
旧暦6月21日にススキの茎でうどんを食べる風習 旧6月21日の風習。『青屋祇園、青屋の祇園』とも言う。もともと石岡(土浦の北側)の青屋神社の神事にちなんでいる。手野では、庭に3本のススキを立てた。その他『青屋さま・青箸・青屋の祇園・おおやの祇園・おおや箸・おおやさま』等とも呼ばれた。ススキの茎で作った箸は、『あおや箸・おおや箸』と呼ばれる。
●おやいび
●おやえび
親指 −
・おやがす 【動】�@(髭を)生やす、�A(植物を)生やす 『生やかす(おやかす)』は『大きくする。おやす。』の意味とある。古い言葉と考えられる。
◎おやがだ
・おやがださま
・おやがっつぁん
�@職人、�A長男、�B親方、�C地主、�D戸主 『親方・親方様』。もともとは『屋形・館』で貴人の呼称だった。
�A・おやがだ:長男:宮城。
・おやかた:兄:青森・岩手・秋田・宮城・福岡・岡山・広島・徳島・愛媛・高知・大分・福岡・佐賀・長崎。
�B・おやかた:組講の責任者:神奈川。
・おやかっつぁん:神奈川。
�C・おやかた:愛知・香川・大分。
�D・おやかた:山形・熊本。
�Dその他。
・おやかた:下男:福島・千葉。
・おやかた:財産家:山形・長野・島根・山口。
・おやかっつぁん:旧家の主人・庄屋:島根。
・おやかっつぁん:財産家:熊本。
◎おやぎ �@煎餅の一つ、�A饅頭の一つ 『御焼』。広辞苑には『(女房詞) 焼豆腐・今川焼・焼餅など。』とある。
(おやく・おやこ) 親類 静岡。
・おーやげ
□おーやけ
【形動】すっかり自棄(やけ)をおこした様 『大自棄』の意味。標準語では単に『自棄(やけ)をおこす』と言う。茨城らしい強調言葉。
『国誌』には『子供の急にたらすを云う』とある。
▲おーやけ 【形動】子供が落ち着いていること 茨城方言集覧では旧那珂郡の方言で『子供が泰然たる様』とある。前項とは全く逆に近い意味だが『泰然』は『自棄を起こして梃でも動かない』意味で使っているものと思われる。
・おやけ �@本家、�A地主 何故か辞書には無い言葉。『親家』の意味。
・おーやげおごす 【動】すっかり自棄(やけ)を起こす −
・おやげねー
・おやげもねー
【形】�@親らしくない、�A思いやりが無い、情け容赦ない、むごい 『親げない』(親らしくない。むごい。無慈悲である。)。
�A・おやげなえ:山形。
・おやげねー:可哀そうな様:群馬・神奈川・山梨・長野。
・おやげなぐ 【副】親らしくなく、思いやりが無く、情け容赦なく −
・おやご 親子 ・おやく・おやこ:親類:静岡。
□おやごう 分村に対して本村を言う。 『国誌』には『親郷なり』とある。
▲おやじ 家主、▲亭主、主人 『集覧:真』。
・おやじー:神奈川。
▲おやじ 船の舵を取る人 『集覧:無記載』。
□おやじ 酒造家で酒を醸造する男の長(オサ)。また、酒つくりの職人。さかとうじ。とじ。杜氏 −
・おやした 【複】失敗した、大変なことになった、困った 古い言い回し。高齢者が用いた。『瘁ゆ』の他動詞形かあるいは丁寧語『おいやした』の可能性もある。
・おやいた:痛めた・壊した:山梨。
・おやいた:終えた:静岡。
・おやいた:静岡。
・おやしたなあ 【複】失敗したなあ、大変なことになったなあ、困ったなあ −
・おやしたごどができた 【複】大変なことになった 高齢者が用いた。『(困った出来事が)発生した』意味。≒『おやしたごどになった』。
◆▲△おやす 【動】終わらせる 全国的に散在する方言。『集覧:久』。=『おわす』。
『瘁ゆ』(妖気などで苦しむ。病み疲れる。悩む。)の他動詞とも見られる言葉。
・おやす:山形・茨城・埼玉・群馬・長野・静岡。
★はやぐしごどおやっしゃえな:早く仕事を終わらせなさい。
★しごどはいぐおやっしゃーがらきょーはぎょおんみにんべな:仕事を早く終わらせちゃうから今日は祇園祭りを見に行こうよ。
◎おやす 【動】失敗する、駄目にする、困る 『瘁ゆ』(妖気などで苦しむ。病み疲れる。悩む。)の他動詞とも見られる言葉。元は『終わらせる』意味だった可能性もある。
『俚言』には『をやした:駿河にて破損をいふ。』『をやす:「倭訓栞」をやす。日本紀に、毒害をおやしやふるとよめり。をえの義也。やせ反え也。愚按、日本紀困をえとよめり。』とある。
・身代をおやす:身代をつぶす:埼玉。
・おやす:ひどく汚す:神奈川。
・おやす:壊す:山梨・静岡。
・おやす:悪くする:静岡。
★おやしたごどがでぎだ:困ったことになった。
・おやす 【動】�@△(髭を)生やす、�A(植物を)生やす 『生やす』(おやす)。『生える』(おえる)の他動詞形。『生やす(おやす)』は広辞苑に『�@生えるようにする。はやす。�A大きくする。おやかす。』とあるが、他の言葉に比べると解説が簡単で、マイナーな標準語のようである。
�@はやや古い標準語。
・おやす:山形・福島。
�Aはやや意味を拡大している。鹿児島では対象を人間に広げて『養育する』意味で使われる。
・おがす:(植物を)育てる・生かす、(ひげを)はやす:宮城。
・おがる:育つ・生育する・大きくなる、得意になる・増長する:宮城。
・おやす:生育させる:静岡。
・おやすみなせー
・おやすみなっしょ
・おやすみなっせ
・おやすみならっしょ
・おやすみならっせ
・おやすみなんしょ
・おやすみなんせ
・おやすみんなっしょ
・おやすみんなっせ
・おやすみんならっしょ
・おやすみんならっせ
・おやすみんなんしょ
・おやすみんなんせ
【感】お休みなさい、【複】お休みになってください ここでのバリエーションは、茨城方言のルールに従ってあり得るパターン全てをまとめた。
�@・おやすみなんし:群馬。『お休みなられ候』。茨城の『おやすみなんしょ』は『おやすみなんしよ』の意味と考えられる。
・おやすみなんしょ:福島。
・やすまっせー:福島。
■おやだ 苗代 『親田』。広辞苑には、『苗代(ナワシロ)。苗を育てるからいう。』とある。
・おやだ:神奈川。
・おーやだ 【複】嫌だ 茨城弁特有の言い回し。感嘆詞の『おお』は英語と同じだが、古い感嘆詞でもある。現代標準語ではでは『ああ』である。
★『土』:おお厭だ俺(お)ら。
・おーやだごど
・おーやだごどやだごど
・おーやだおら
・おーやだなごど
【複】ああ嫌だなあ 茨城弁特有の言い回し。古い映画を見ると、女性言葉に『困ったことねえ』がある。
『事』とは現象を意味し、『事の一部』を言うが、『事の葉』すなわち『事葉』が『言葉』の語源とされる。言い換えれば『言の葉』でもある。
・おやだま 代表者、頭領、主人 使われなくなって来た言葉。
◎おやづ お手玉 児童語。行方郡。
■おーやづ 谷あいの窪んだ土地 この方言は土浦市のもので、通常『やづ・やつ』(谷津と書く)と言うので面積の大きなものを指すと思われる。
辞書には関東地方の方言で『谷』と書かれている。もともとはアイヌ語の『ヤチ』(湿地)に由来すると言う。全国的には『谷地』『谷戸』。『津』は水のあるところ、『戸』は切れ目のこととしても理解できる。『谷処』の意味か。
『称呼』には、江戸時代、谷は関西の言葉で、鎌倉・上総付近で『やつ』と言い、江戸近辺(渋谷・世田谷等)で『やと』と呼んだとある。神奈川でも『やと』である。
◎おやっさん
◆おやっつぁま
・おやっつぁん
お父さん、親父さん ・おやんつぁん:宮城。
◆おーやのぎおん 旧暦6月21日にススキの茎でうどんを食べる風習。 『青屋の祇園』の意味。もともと石岡(土浦の北側)の青屋神社の神事にちなんでいる。土浦では、庭に3本のススキを三脚状に立てその上にうどんを載せる。
『青屋』とは『藍染を業とする者。近世、賤民視され、獄門や牢舎清掃などの労役を課せられた。』とある。
・おやばす
・おやぱす
・おやっぱす
レンコンの種となる蓮 =『たねぱす』。くびれた節の部分から分岐したものは、『まごぱす』と言う。
■おやま 集会所 −
・おやまさり 子が親よりすぐれていること 『親優り・親勝り』。最近、この言葉を使うことが少なくなった。親と子は別人格であるというあたりまえのことが浸透したためなのだろうか。
◆おーやまとんぼ オニヤンマ 『あおやまとんぼ』がさらに訛ったもの。
・おーやまげんざ:栃木。
・おやめ 親 『親』+『め』、親を卑下する時に使う。三人称。
◎おやもど 親元 −
▲おやゆび 主人 古い標準語。『集覧:真』。
●おやゆぴ 親指 茨城弁では、ば行音の半濁音化が著しい。私の記憶では、多く女性語として使われた。濁音化が顕著な茨城弁の中で女達が少しでも女らしさを示そうとした心理を伺わせる訛りでもある。
・おやら
・おーやら
▲おやらー
・おーやれ
【感】おや、あら 『集覧:行』。『おやあら』の意味。
・おーやれ:安心した様:佐渡島。
・おゆ 風呂 ・おゆ:神奈川。
・おゆー:神奈川。
・おゆいり 入浴、温泉に入ること、湯治 『湯入り』。
古い言葉。『お』がついているだけで方言とは言いがたい。
『はいる』は、もともとは『這い入る』がなまったもの。
・おゆおどす
・おゆおろす
【動】お湯を抜く、お湯を抜いて新たな水に入れ替える −
・おゆかぎぼー
・おゆかげぼー
お風呂のお湯を混ぜる棒 『お湯掻き棒』の意味。船の『櫂(かい)』の小型のようなもの。
◎おゆぎ 霜柱 『おりき』がさらに訛ったもの。笠間市・新治郡の方言。
△おゆずり 形見分け 標準語といってもよい。
・おゆずり:香川。
・おゆつぎ 湯次、湯桶 『湯次・湯注』(注口(ツギグチ)と柄のついた漆器。湯・酒をつぐのに用いる。ゆつぎ。)。現代では蕎麦湯の器として残る。
◎おゆば 風呂 『お湯場』の意味。
・おゆはいり
・おゆへーり
入浴、温泉に入ること、湯治 『湯入り』の現代語形。
・おゆはん
◎おゆうはん
夕ご飯 『夕ご飯』。
◎おーゆび 親指 『大指』は辞書掲載語で今では死語となってしまった。
□おーゆみ
◎おゆみもりこ
梓巫女 梓巫女は広辞苑には『梓弓の弦を鳴らして死霊・生霊などの口寄せをするみこ。いちこ。あずさ。』とある。『大弓』『お弓守子』の意味か。
◎おゆや 風呂、風呂屋 『お湯屋』。
・おゆわい お祝い −
・およ お湯 −
・おーよ 【感】�@そうだよ、�A相づちの言葉、はい、�B呼びかけの言葉 『応よ』。
�@・おーよ:神奈川。
・おーよー:神奈川。強調形。
★『土』おうよ、ここに居たよ、何處(どこ)へも行(ゆき)やしねえよ。『ここに居たよ』は『ずっとここに居るよ』というニュアンスを持つ。
�A・おーよ:神奈川。
�B茨城では『あーよ』の方がメジャー。
・おーよ:神奈川。
・おーよー �@度量が大きいこと。�Aゆったりと落ち着いていること。�Bおおざっぱなさま。 『大様』『鷹揚』。
・おーよー:横着・のろま:神奈川・静岡。
・およーなひと:鷹揚な人:静岡。
△およおよ 【感】おやおや!、あれれ! ・およおよ:秋田・長崎。
・およぎかぎ
◎およぎかき
水泳 ★およぎかぎにいぐ:泳ぎに行く。
◎およぎかぐ 【動】泳ぐ −
(およーはん) 夕飯 静岡。
◎およみもりこ 梓巫女 筑波郡・稲敷郡の方言。梓巫女は広辞苑には『梓弓の弦を鳴らして死霊・生霊などの口寄せをするみこ。いちこ。あずさ。』とある。『大弓』『お弓守子』の意味か。
▲およりものこ 共有物 『集覧:稲』。『お結いもの』+『こ』か。茨城弁のバイブルである茨城方言集覧に掲載された言葉だが同じ意味の類似語が一切無いところを考えると、前項の梓巫女の意味ではないかと思われる。
◆▲○おら 【代】�@私、おのれ、�A私達 『己』。
『おれ』に同義語。江戸時代からの1人称言葉で男女の区別無く用いるのは茨城県で受け継がれている。もともとは『俺は』の意味で格助詞が一体になったものと思われる。本来なら『おらあ』。もともとは『おれは』(『は』はハ行音で発音)で、今では典型的な田舎言葉という印象がある。『集覧:鹿・稲・多・西』。
現代では『クレヨンしんちゃん』でしばしば使われる。
日本語の一人称の代表語は、『我・吾(あ、わ)』であるが、『己(おの)』もある。『あ、わ』も『お』も人称代名詞の根源的なものと思われ、『己(おの)』は『我が・吾が』に通じ、体言が隠された『お前の』の意味の可能性が高い。『我(われ)』は、『我等』とも思われる。『俺』は『己等』を思わせる。『おら』((一人称) おれ。おいら。)が『己』と当てられたのもうなずける。
『称呼』には『おら:自(みずから)をさしていふ詞に豊前豊後にてわがとう(わがどう)と云。又身が等といふもおなじ。また身ども身ととばかりもいふ。「正徹物語」に身が家は二條東の洞院にて有し也云々。またおれと云、おらといふは己の転語にて、諸国の通称か。東国にてはおいらとも云。中国にてうらと云。寄田百姓の言葉。飛島井雅章卿。「田をかるにあつう寒うもあらなくにうららが(うららか)いねは色になる稲」。』とある。
�@・おら:青森・秋田・宮城・山形・福島。男女とも。
・おらい:宮城。
・おらおれ:神奈川。
★『土』:それよりか俺(お)らどっちかっちったら大根(だいこ)でも漬(つけ)て貰(もれ)へてえな。
・おら
・おらー
・おーら
・おらおら
【感】�@はいどうぞ、�A注意を促す時にいう語、ほら、ほらほら、�Bまあ、あらまあ ほら→おら→うら→うれ
�@★おらよっと:はいどうぞ。
�A★おーらみろ:ほら見なさい。
�B・おらー:宮城。
・おーら
・おーらが
【形動】大らか −
◆おらー 【複・代】�@私、おのれ、�A私達 もともとは『俺は』の意味で格助詞が一体になったものと思われる。本来なら『おらあ』。
�@・おらー:岩手・東京。
・おらー:俺は:山梨。
・おらあだり �@自分の家の近辺、我が村・町、�A(曖昧に言う)俺 �@『おらのうぢあだり』の略。
・おらあだり:山形。
・おらーまーり:山梨
�A★おらあだりだらやんねな:俺なら遣らないね。
◆おらい
◎おらーい
■おらえ
【複】私の家 『おらの家、おらが家』。
・おらい:山形・宮城・福島。
・おらいん:宮城。
・おらえ:山形・宮城。
・おらーえ:静岡。
・おーらい 広い道、道路、街道 広辞苑に『往来:ゆききの道。道路。往還。』とある。私のかつての記憶では『往来』とはバスや自動車が走る広い公道のイメージがある。
当時は、道と言えば、人や牛馬の兼用の日常道は『みぢ』、農道は『くさみぢ』、狭い道は『せごみぢ・しょーじ』、バスが走る道は、『けーどー・けんどー・とーり』と言った。また広い道路は『おーがん』とも言った。
 小川や用水路・川を渡る水平な道(橋)は『わだりみぢ』と言った。これは、道を中心に考えた時に『川等を渡る道』の意味で、橋とは物理的に存在する『橋渡されたもの』だからであろう。当時の橋のイメージは、人が渡る存在のものだった。
 その後技術革新によって、橋は人も物も渡せるようになった。
・おーがん:千葉。
・おーらえ:千葉。
・おーれぇ:千葉。
・けーど・けーどー:千葉。
・とーり:千葉。
・おらいな
・おらいながな
・おらいの
・おらいのがな
俺の家のもの ・おらいんな:宮城。
◆おらいんてー
・おらいんてーら
■おらえんてー
【複】我が家の人たち、私の家族 −
・おらうぢ
・おらーうぢ
【複】俺の家 ・おらーうち:静岡。
・おらが 俺、俺が −
・おらが
◆おらがな
・おらがの
・おらがん
【複】俺の、俺のもの、俺の方 ・おらが:俺の方:東京青梅。
・おらが
・おらがい
・おらがいー
・おらがえ
・おらがえー
【複】俺の家 東京都青梅市では『うらが』とも言う。一人称を『うら』と言うのは近世語にあり、この場合の格助詞『が』には体言が隠されている。
・うらが:東京青梅・山梨。
・おらが:東京青梅。
・おらがんち:群馬。 
・おらがには
・おらがにゃ
・おらがにゃー
【複】俺には 所属・所有を表す『が』は古い標準語。『そのぬしぬしの足をば取違へ、我がを人に、人のを我がに、つぎかへたり/咄本・醒睡笑:大辞林』。また、実際は『が』に続く体言が省略されたものに準じた形で、『とって』が略されたものと見られる。
・おらがほ
・おらがほー
俺の方、俺の家の方(地域) −
◎おらぎゃ 【複】俺の家 久慈郡・東茨城郡。
『おらが家』。原型は『おらがや』と考えられる。
◎おらく いじめること 那珂郡。
◆■おらげ
◎おらげー
【複】俺の家 『おらが家』。
おらがいえ→おらがえ→おらげー→おらげ。
・うらげー:我が家:山梨。
・おらげ:福島・山梨。
・おらーげ:静岡。
・おらげち:群馬。
・おらげの
・おらげーの
【複】�@俺の家の、�A俺の家の物(人) 『おらが家の』。
おらがいえの→おらがえの→おらげーの→おらげの。
★おらげのとーぢゃんおっかねど:うちの父ちゃんは怖いぞ。
★ほのいすすはおらげーのだ:その石臼は家の物だ。
・おらしんんに
・おらしんね
【複】俺は知らない この言い方は様々ある。東国では典型的な方言と思われる。
・おらしらねー:宮城。
★おらしらね・おらーしらね・おらーしらねー。
★おらしんね・おらーしんね・おらーしんねー。
◆おらだぢ
◎おらたち
俺達 新しい言い回し。
◆■おらぢ
▲おらち
◎おらっち
�@俺の家、�A私の方 『集覧:真』。
�@即音形は江戸語。
・おらーうち:静岡。
・おらぢ:山形・福島。
・おらち:福島・埼玉・長野。
・おらーぢ:山形。
・おらっち:長野。
★『土』:俺(お)ら家(ぢ)なんぞじゃ、それまでにゃ無く成っちまあから一度でもそういに活(い)けて置いたことあねえな:うちでは、それまでには無くなってしまうから、一度もそうゆう風に埋けて置いたことは無いね。
◎おらぢんて
◆おらぢんてー
・おらぢんてーら
我が家の人たち、私の家族 −
◎おらって
・おらってー
◎おらて
・おらてー
◎おらーてー
・おらーてーら
(自分の)家族 −
・おらどご
・おらんどご
�@俺の家、�A俺の方、俺の家の当たり、俺の村・町 �@・おらどご:山形。
・おらーどご:山形。
・おらない
・おらなうぢ
・おらなえ
・おらながうぢ
・おらながえ
・おらなげ
俺の家 ・うらんまし:静岡。
・おらない 【複】居ない 現代標準語ではあまり使われなくなった。茨城では、丁寧語として使われる。
・おらない:福岡。
・おらながほ
・おらながほー
・おらなほ
・おらなほー
・おらのほー
俺の方、俺の家の方(地域) −
・おらのい
・おらのえ
俺の家 −
・おらは〜
・おらはー〜
・おらーはー〜
【複】俺はもう〜 頻繁に使う人がいて、語尾に使う人もいる。その場合は感嘆詞に近い。
・おらは〜:山形。明治の山形では婦人語。
(おらぶ) 【動】叫ぶ 古語。万葉集にもある言葉。
・おらぶ:鹿児島。
(おらへる) 【動】�@支える、�A張りを取る 神奈川。
◆おらほ
◆おらほー
・おらーほ
・おらーほー
・おらんほー
【複】俺の方、こっちの方、俺の地域 『おめらほ』の対語。
・うらんほー:静岡。
・おらほ:岩手・宮城・福島・栃木・長野。
・おらほー:群馬・山梨。
・おらーほ:東京青梅。
・おらーほー:東京武蔵村山。
★こいづはおらほのだ:これはこっちのものだ。
★『土』:俺(お)ら方(はう)見(み)てえに洪水(みづ)で持(も)ってかれてばかし居(ゐ)っ處(とこ)も有(あ)んのに山林(やま)んなかで米(こめ)とれるなんて。
・おらみだごどが
・おらみろ
・おーらみろ
【感】ほら見なさい −
・おらやだ 【慣】俺は嫌だ ・おらやんだ:宮城。
・おらよ
・おらよっと
【感】ほらよ。 −
◆おらら 俺達 かなり古い言葉。
・おらど:青森。
・おらら:宮城。
・おらんど:青森。
・おーららおらら
【感】あら
・おらん 【複】俺の ・おらん:静岡。
(おらん) 【複】居ない 『居らぬ』が訛ったもの。現代では主に西日本で使われる。
◎おらんうぢ
・おらんぢ
◆おらんち
【複】俺の家、俺の方 新しい言い方。
(おらんか) 【複】俺などは 神奈川。『おらなんか』が訛ったか。
・おらんてー
・おらんてーら
俺達、俺の家族 ・おらんとー:私達:山梨。
(おり) 折り、折箱 当時の結婚式の引き出物は、折箱につまった料理セット(何故か菓子折りと呼んでいた)と決まっていた。父親が家族へのお土産とするためになるべく食べないようにしていたのだろうか。中身はお頭付きの鯛、中型のエビ、豆金団(まめきんとん)、昆布巻き、その他は根菜類の煮物だった。詰め方もほとんどいつも一緒だった。当時は甘いものがほとんど無かったので、子供の多い家庭では必ず激しい争奪戦となった。
・おり 月経の出血 広辞苑に『澱:液体の底に沈んだ、滓(カス)。おどみ。』とある。
・おり �@季節。時季。�A機会。 『折り』。茨城では『せづ』『どぎ』と共に日常的に使われた。
・うり:静岡。
・おり 俺 ★おみーどおりしがいみーな:お前と俺しかいないぞ。
▲おり 瓜 『集覧:無記載』。
(おりいる) 【動】【形】良く行き届き気が付く 宮城。
△おりいろ 紺色、仕事着の色 ・おりいろ:長野。
◆おりぎ
◎おりーぎ
◆△▽おりき
◎おりげ
◆▲□おりけ
◎おりっけ
霜柱 『降り気』の意味だろう。『集覧:稲・那・北・西・真』。
・おりき:茨城・栃木。
・おりぎだづ
▲おりきたつ
☆おりけがたつ
・おりけだづ
【動】霜柱が立つ 『集覧:西・真』。
(おりこむ) 【動】沈む 神奈川。『沈殿する』意味か。
(おりした) 【複】居ります、居りました 宮城。
(おりしてござりす) 【複】居りまして御座います 宮城。『ござりんす』は近世の遊里語。
・おりせづ 時節、時季、機会 『折節』。
(おーりとーり) 【感】ようこそ 沖縄。
・おーりなげる 【動】放り投げる −
・おりますか 【複】いらっしゃいますか、おられますか 『居る(おる)』は現代では基本的に卑下する言葉。自分に対しては丁寧語だが、相手に対しては尊敬語を使うべきなのでおかしな言い方。『居る』(おる)は標準語だが、関西に多い言い方なので不思議だ。
『居る(おる)』を尊敬語として使うのは、茨城以外では兵庫がある。
・おりやす
◆おりやんす
【複】居ります 丁寧語。
・おりした:宮城。
・おりしてござりす:最上級の丁寧語:宮城。
▲おりゃべり おしゃべり 『集覧:真』。
・おりょー 【複】俺を ・おりょー:山梨。
・おりんさい
・おりんしゃい
【複】降りなさい 標準語では『いらっしゃい』だけが残る。
・おちろ:福島。
・おりんすぁい:福島。
(おーる) 一気のみのこと 沖縄。
(おーるー) 青痣、青 沖縄。
・おるぬぐ 【動】間引く 『うろぬく、おろぬく』。
・おれ 【代】俺、私 標準語でもあるが茨城では男女の区別なく用いる。江戸でも男女の別なく用いられたと言う。茨城でも、最近は年配の女性でないと使わないと聞く。
・おれ:宮城・福島・栃木・山梨。男女とも。
・おれ:男女ともに、また目上にも目下にも用いたが、現代では主として男が同輩以下の者に対して用いる:東京。
・おれ
・おーれ
・おれおれ
【感】�@はいどうぞ、�A注意を促す時にいう語、ほら、ほらほら ほら→ほれ→おれ。
・おれいがー 【複】俺が行くよ 『おれいぐわ』がさらに訛ったもの。
◎おれが
◆おれがな
・おれがの
◎おれがん
・おれがん
【複】俺のもの、俺の、俺にとって、俺自身 ・おがにゃしらんねぁ:俺には出来ない:千葉。
★おれがんやるよ:俺のをあげるよ。
★ほのじでんしゃはおれがんだ:その自転車は俺のものだ。
・おれがい
・おれがいー
・おれがうぢ
・おれがえ
・おれがえー
・おれがなうぢ
・おれげ
◎おれげー
▲おれげぇー
◎おれけやい
俺の家 『集覧:稲・真多・西・新』。『俺が家』の意味。
・おいがい:鹿児島。
・おいがえ:鹿児島。
・おいげ:鹿児島。
・おれがには
・おれがにゃ
【複】俺には 所属・所有を表す『が』は古い標準語。『そのぬしぬしの足をば取違へ、我がを人に、人のを我がに、つぎかへたり/咄本・醒睡笑:大辞林』。また、実際は『が』に続く体言が省略されたものに準じた形で、『とって』が略されたものと見られる。
★おれがにゃでぎね:俺には出来ない。
・おれがん 【複】俺から、自分から −
・おれぎ
・おれげ
・おれげー
【複】俺(に) 『おれがに、おれがへ』が訛ったもの。体言が約されているもので、原型は『俺が所に』。
★『土』:どれ、俺げもちっと出して見ねえか:どれ、俺にもちょっと頂戴よ。
・おれがなほ
・おれがなほー
・おれがのほ
・おれがのほー
俺の方、俺の家の方(地域) −
・おれぐぢ 【折れ口】:�@折れたきわ。折れて取れたところ。おれめ。�A人の死にあうこと。とむらい。�B張り合っていたものが折れあう機会。 辞書には古い清音形の『おれくち』しかないのは、江戸時代の早くから無くなったと見られる。
�A・おれくち:知人の死:東京。
・おれくち:葬式:東京。
◎おれごそぶづ 【動】威張る −
◎おれごっさ 【副】それこそ、はたして 『ほれごそは』がさらに訛ったもの。
・おれっぢ
◆おれっち
【複】私の家、私の方 新しい言い方。テレビの影響と思われる。この言い方は長野辺りでも使われる。
・おれっち:俺達:神奈川。
・おれない
・おれなえ
・おれながうぢ
・おれながえ
・おれなげ
俺の家 −
・おれながほ
・おれながほー
・おれなほ
・おれなほー
・おれほ
俺の方、俺の家の方(地域) −
◆おれら 【代】俺達 標準語。単数でも使われるのは標準語も同じ。茨城では女性も使うところが異なるが、近世では男女の区別無く使われたと言われており、古い時代の言葉の名残である。
・おいら:東京。江戸で独自に進化したものと見られる。
・おらがだ:秋田。
・おれらい
・おれらえ
【複】俺の家 ・おんらい:千葉。
・おれらが〜 【複】俺の 単数でも使われる。
・おれらがほ
・おれらがほー
・おれらのほー
・おれらほ
・おれらほー
【複】俺の方、俺の家の方 −
◎おれんうぢ
・おれんぢ
◆おれんち
【複】俺の家、私俺の方 新しい言い方。
・おれんち:東京多摩。
(おれんした) 【複】俺がした 神奈川。
・おれんてー
・おれーんてー
我が家の人たち、私の家族 −
・おろ
・おろー
【感】あら! −
・おろ〜 【接頭】うっすら〜、わずかな〜 名詞や動詞に付く。やや古い標準語。
(〜おろ) 【複】〜居なさい 水戸黄門の『控え居(お)ろ』。近世語の『居れろ』が原型と思われる。『居れよ』の意味。
『居(お)ろ』には隠れた『む』が存在し、もともとは、『む:助動(活用は不完全な四段型) �@奈良時代に「まくほし」「まく惜し」、平安時代に「まほし」「ま憂し」として用いられた「ま(く)」は、この「む」の名詞形という。平安時代以後、発音にしたがって「ん」とも書く。「ん」は室町時代以後「う」に転じ(江戸前期の上方語には「ん」が残る)、江戸時代以後、四段活用以外の動詞に付く場合には「よう」の形が生じた。動詞・助動詞の未然形に付いて時に関係なく非現実あるいは不確実な事実に関する話し手の想像・意志を表す。』に由来し、現代では『おらむ』の意味である。
・おろおぼえ うろ覚え 『疎覚え』。やや古い標準語。
・おろが
・おろか
【形動】�@なおざり、おろそか、�A(「〜は―」の形で) 〜は無論、その上更に。 �@・おろか・おろよか:良くない:鹿児島。
・おろかじゃーない:一通りではない:静岡。
★『土』:太鼓(たいこ)が疎(おろ)かぢや踊(をどり)もおろかだ。
�A文語的に今でも使われる。
・おろしたで
・おるしたで
新品(の服) 『下ろしたて』の濁音化。昔は、服等を買っても直ぐに使うことは少なく、大事に保管した上で、実際に使うことを『下ろす』と言った。
▲おろしつける 【動】叱り付ける 『下ろす』には『けなす』意味がある。ex.『こきおろす』。『集覧:新』。
△☆おろす 【動】けなす、悪口を言う ・おろす:宮城・長崎。
◎おろぬぎ
・おるぬぎ
�@間引いたもの、�A中絶すること �@・おろぬき:静岡。
・おろぬき・おろぬきだいこ:間引いた大根。
★おろぬぎもってきたけんといっか?:間引いたものを持ってきたけど要ります?。
・おるぬぐ 【動】間引く、中絶する −
・おろぬぐ
■△▽☆おろぬく
【動】�@■△間引く、�A中絶する 『うろぬく、おろぬく』(疎抜く)と発音すれば標準語だが農村にしか残っていない。『おろぬく』の方が多く使われる。
�@・おろぬぐ:宮城・福島。
・おろぬく:山形・宮城・栃木・千葉・群馬・山梨・東京多摩・神奈川・東京都大島・静岡。
・おろのぐ
・おろのく
【動】�@間引く、�A中絶する ・おろのく:長野。
△おろのみ �@鵜呑み、�A△丸呑み 『疎』『飲み』の意味。
�@・ぐのみ:鹿児島。
�A・おろのみ:青森・岩手。
(おわい) 汲み取った肥え 東京。
広辞苑に『おわい【汚穢】:汚れていること。汚れているもの。また、糞尿。おあい。』とある。
(おわいる・おわえる) 【動】追う、追いかける 静岡。
・おわいんご:追いかけっこ:静岡。
・おわがいし
◎おわがいしさま
◎おわがしさま
・おわがしーさま
若い衆を指す丁寧語 『お若い衆(わかいしゅ)』『お若衆(わかしゅ)』。
◎おわがしーかい 若い人の集会 −
◎おわがりなさい
・おわがりなせー
・おわがんなせー
�@仕事中の人に会ったときの挨拶言葉、�A(食事を)召し上がりください 『お上がりなさい』の意味。
�A・おわんなって・おわんなすって:山梨。
・おーわぐ 【形動】ごまかし騙すこと 『枉惑・横惑(おうわく)』。
・おーわぐど
・おーわぐと
・おーわぐにん
ごまかし騙す人 『枉惑・横惑(おうわく)』『人』。
◎おわげーし 若い衆を指す丁寧語 『お若い衆(わかいしゅ)』。
(おわさ) 噂 鹿児島。
▲おわし お金 『お足』。『集覧:鹿』。
・おわし:東京。
◎おわす 【動】終わらせる 『終わる』に使役の助動詞『す』がついたものと見られる。
・おわす:栃木。
(おわす) 【動】「来る」の尊敬語、いらっしゃる、お出でになる 古語『御座す・在す』。『座す(わす)』も同じ意味。
・おわせる 【動】�@終わらせる、�A背負わせる、負担させる �A『おわす』なら標準語。
・うする:鹿児島。
・おわっしゃー
・おわっしゃう
【動】終わらせる 『〜ちゃう』(自動詞形)を使うと『終わってしまう』意味になるので、区別して『〜しゃう』(他動詞形)を使う。
・おわよ
・おわよー
・おわよーござんす
【感】おはよう、おはようございます −
・おーわらい
◎おーわれ
・おーわれー
�@【固名】大洗(茨城県北の地名)のこと、�A大笑い −
・おわん お椀 標準語そのものだが、多くは汁用の木製の椀を指した。『しるわん・おしるわん』とも言う。
・おわんだ 【複】�@終わりだ、�A終わるんだ �@『終わりぬ』の流れ。『終わりにてある』意味。
�A田舎言葉の代表語である『やるだ』の変形。『終わるだ』の意味。
★こんでおわんだはー:もうこれで終わりだ。
★(叫びながら)こんでおわんだどーーーえ:これで終わりだよーーー。
・おん 【代】俺 ・おん:埼玉・山梨。
★それはおんのだ、それはおんのもんだ:それは俺の物だ。
・おん〜 【接頭】 主として動詞に付き、強調の接頭語または『押す』『追い』の撥音形で標準語にはない。強調の接頭語は古くはオールマイティで殆ど全ての動詞に付けた(半濁音から始まる動詞には付かない)が、『ぶっ〜』等の方が語調が強いためか次第に使われなくなって行く。基本的に『ぶん〜』と同じ使い方をするので、もしこのページに該当する言葉が無い場合は、『ぶん〜』を『おん〜』に読み替えれば良い。
また、『大(おお)』のニュアンスを持つものもある。
今ではあまり使われなくなったが、『ぼろ』を強調した『おんぼろ』がある。
・おん〜 【接頭】雄〜 ★おんねご:雄猫。
★おんいぬ:雄犬。
・〜おん 〜(の)もの ★こらおれのおんだっぺな:これは俺のもんだろうが。
・〜おん 【助】よ ・〜おん:北海道・秋田・宮城。
・おんおん 【副】【擬】(大人が)泣く様子 『おいおい』。古語では『をうをう』。
◆▲△おんか
◎おんこ
【形動・副】おおっぴら、堂々と、公然と 『集覧:稲・新』。『江戸時代の大名や庄屋の御下』の意味か。
『おんか晴れて』と言う使い方もあるが、辞書にも『おっけ(い)晴れて』『おっかい晴れて』という言い方がある。この場合の『おっけ(い)』『おっかい』の語源は辞書でも未詳とある。一方、日本方言大辞典では『温和』と当てている。地域によっては、『おんこ』とも言う。
もし、この方言が、『おっけ(い)晴れて』『おっかい晴れて』の流れだとしたら、『おっけ(い)』『おっかい』は『大怪』と考えられ、大きく怪しまれることすなわち大きな嫌疑をかけられることの意味だろう。
・うんかぶじ:至極平穏なこと:神奈川。『御下無事』。
・おーほー・おーほーはれ・おーほーはれて:公然と:神奈川。『応報晴れて』か。
・おてんか:滋賀。
・おんか:群馬。
・おんか:大げさ・穏やかに:山梨。
・おんか:落ち着いて品格のあるさま:静岡・兵庫・山口。
・おんか:優しい様:静岡。
・おんか:ゆったりと余裕があるさま:富山・愛媛。
・おんか:おおまか:富山・福井。
・おんか:愛媛:栄える様。
・おんか晴れて:茨城・栃木・群馬・千葉・長野。
▲おんが 大鍬 『集覧:多』。
・いんが・おんがー・おんがん:神奈川。柄に縄が付いていて腰に巻きつけて使うと言う。 
(おんがー) 【動】引く 鹿児島。『大鍬』に由来するという。
・おんがぐ 【動】�@たたき折る、�A打ち割る、�Bたたき砕く −
・おんがげる 【動】�@(皿などが)欠ける、�A(服、水などを)掛ける −
(おんがにゃー) 【形】恐ろしい 静岡。『が』は濁音か鼻濁音か不明。
・おんがましい 【形】恩着せがましい やや古い標準語。『恩がましい』。
(おんがる) 【動】勃起する 神奈川。
広辞苑に『おがる:(東北地方で) 大きくなる。成長する。』とあることからもともとは関東から東北にかけて使われた東国語と見られる。
・おんきー
◎おんきん
恩給 『恩金』とは異なる。
・おんく 文句 −
・おんくりげーす 【動】繰り返す −
・おんげーす 【動】追い返す −
・おんけす 【動】吹き消す −
(おんけらぼーず) 馬鹿野郎。まぬけ野郎。 山梨。
『俚言』によると『あんけら』は愚人の形を言ったという。
・おんげーる 【動】帰る、戻る −
◆▲□おんこ �@大便、うんこ、�A□小児の尿 『集覧:鹿・稲・筑・多・西』。富山県の代表的訛でもある。段の変形があるのは茨城弁だけではない典型的事例。変則的に全国に遍在する方言。
『うんこ』は、辞書では、ウンチをするときの気張る音の『うん』に『こ』がついたとされる。
《温故知新は、茨城ではウンコ自身と思われるのであまり口にしない方が良いですよ。いばらぎのちーがっこーのがぎめらは、はー、こぐごのじぎょーで、『温故知新』がでできたら、いぢんちじー、おーさーぎだがんな。どごだがのしとらは、『温故知新』っちゃ、ウンコみで、健康状態をチェックする意味だって思ったらしーどや。?!?》
《どごがのビール会社の工場でや『おんこ祭り』をやっているなんて言ったら、ビールを飲まなくなっちゃうかもね。また世の中にはおんこ(イチイ)の木があってそこにはおんこの実がたくさんなるなんてことは絶対言ってはいけません。?!?》
2010年正月でも、茨城県上大津地区では健在だったでした。
・おんこ:千葉・埼玉・富山・長野。
・おんこずし:寿司飯を大きなおにぎりにして、取れたての魚の切り身に塩をふり、張り付けて食べる寿司:三重。形が子どもをおんぶしている姿に似ていることから、この名が付いたという。《あっぢゃー、みーでは寿司のういにおんこいっけでくーのがやー?。いーんやたまげだごどたまげだごど。》。
★おんこくってっとぎにめしのはなしすんだねーよ:ウンチを食べているときに飯の話をするんじゃないよ。
◆おんこくみ 便所の汲み取り、汲み取り人 昭和30年代は、人糞は貴重な肥料だった。だが、寄生虫問題のためか利用することが無くなって行く。
当時は、生の人糞を一旦『灰小屋』に集めて人糞はその小屋下に一度貯留し発酵させてから堆肥として使った。最近は浄化槽が普及して無くなってしまった。
・おんこいろ 暗褐色のくすんだ汚い色 −
(おんこーじ) 【形】恩着せがましい 山梨。
(おんこーじょ) 【動】もったいぶる 山梨。
・おんこたれ
・おんこたーれ
くそたれ、くそったれ 俗語で言えば『うんこたれ』。これがさらに発展して『おんこーたーれ、くそたーれ、ばがたーれ、しょんべんたーれ』などとこの上ない罵倒言葉を重ねることがあるのに茨城人は全く平気である。言う方もいつもの通りだし聞く方も『またか』と言う印象。どこかイタリア語に似ているのも不思議だ。でも、茨城県人が皆鈍感だということを意味しているわけではなく、常に率直な性格によるものだろう。
ところが今は随分変わってしまったらしい。中央の風習は、茨城にも押し寄せて今やとても言えない言葉だと言う。 
・おんごった 【複】�@大事だ、�A怒った �@・おんごった:千葉銚子。
・おんこつまる 【複】【動】�@大便をしたくなる、�A便秘する �@『詰まる』には『充満する。一杯になる。』の意味がある。
・うんこつまる:宮城。
◆おんこば 便所、大便用便所 −
◎おんこばぢ コウカアブ、キイロコウカアブ −
◎おんこばった ヒシバッタ −
◆おんこむし ウジ 方言地図によると、現大洗町付近では『ハエ』を指すと言う。
・おんこむらし
・おんこもらし
くそったれ −
◎おんごめる 【動】押し込める =『おっこめる』。
・おんこやろー 【複】【慣】くそやろう 汚い罵倒の言葉。
・おんこゆー 【複】文句を言う −
▲おんざ
◎おんさー
叔父 『集覧:北』。『様』を『さ』と言うのは江戸時代の言葉。
◎おんさー 次男以下
・おんさす 【動】刺す −
・おんざぐ
・おんさぐ
【動】裂く −
・おんざばぐ
・おんさばぐ
【動】�@裂く、�A破く −
・おんさらす 【動】曝す −
◎おんざん 叔父
△▽おんじ
□△おんじー
次男以下 ・おんじ:岩手・新潟・神奈川。
・おんじ:弟:青森。
・おんじぼ:弟:神奈川。
・おんず:弟:青森。
◆■おんじ
◎おんじー
叔父 ・おんじ:神奈川。
・おんじー:神奈川・長野・山梨。
・おんし 雄牛 −
◎おんじさま
◎おんじさん
�@お爺さん、�A叔父 二人称・三人称。
◎おんじーさん 独身の男 水戸市・鹿島郡。
・おんじ:独身の叔父・独身の男・独身で年配の男:神奈川。
・おんじー:独身の男・独身で年配の男・一生を独身で過ごす男:神奈川。
・おんじー:独身の男:静岡。
◎おんじょ ギンヤンマの雄 −
(おんぞくたい) 【形】粗末な様 静岡。
▲おんたい
・おんたいしょー
一家の主人、大将 『御大』『御大将』。もともとは頭等を親しんで呼ぶ言い方。『集覧:筑・行』。
『御大』とは広辞苑に『(御大将の意) 一家の主人、一団体の首領などを親しんで呼ぶ称。』とある。茨城では、(やや侮蔑的な意味または誉め言葉で)二人称または3人称で使うことが多い。その意味では『大将』の方が近い。
・おんだいねー 【形】差し支えない 『恩待無く』(おんたいなく)の意味。『恩待』は広辞苑に『手厚くもてなすこと。目をかけること。(明治期の語)』とある。
近世語に『おんでもない』((「恩に着るまでも無い」の意か) 言うまでもない。もちろん。)がある。
・おんたおす 【動】打ち倒す、倒す −
・おんたおれる 【動】勢いよく倒れる −
・おんたがる 【動】虫が集る −
■おんださい 5月に行われる神殿の田植え祭り 『御田祭』。広辞苑には『おんだ【御田】:
田遊(タアソビ)に同じ。』とある。さらに『たあそび【田遊】:稲の豊作を予祝する神事芸能。多く正月に行われ、老夫婦・田主(タアルジ)・早乙女(サオトメ)などに扮装した農民が、社寺の境内で、田打・代掻・田植・鳥追・刈上・倉入など、収穫までの行事を模擬的に演ずる。「あそび」は神楽(カグラ)の意。御田(オンダ)・春田打・田植祭とも。』とある。
・おんだされる 【複】追い出される −
◆■▲おんだす 【動】�@▲追い出す、�A押し出す、�B差し出す �@『集覧:稲・新・真』。
・うぇだす:鹿児島。
・うだす:鹿児島。
・おんだす:福島・千葉・群馬・神奈川。
・ぼんだす:山形。
★かがにおんだされだ:妻に追い出された。
★『土』:燻(けぶ)ってえのそっちへおん出(だ)さなくっちゃ仕(し)やうねえや。
�A・おんだし:渓流が本流と合流するところで土砂が押し出されて川幅が狭くなったところ:神奈川。
�Cその他。
・おんだす:遂に出す:長野。
・ぼいだす:遂に出す:長野。
・おんただぐ 【動】叩く −
・おんたまげる 【動】驚く −
◎おんぢ 降りること、おんり 幼児語。
・おんぢがる
・おんちがる
【動】座る、地面にどっかりと座る −
・おんちぎる 【動】勢い良く切る、千切る −
・おんちげー 【形】大違い 鼻に抜けるので本人は『おおちげえ』と発音しているつもりでもそう聞こえることがある。
・おんちゃぐ �@【動】裂く、破く、�A【名】横着 −
・おんちゃす 【動】�@壊す、�A潰す 『ちゃす』は古い標準語『つやす』(潰す)の転。
・おんちゃぶす 【動】ぶっ潰す −
・おんちゃれる 【動】潰れる、壊れる −
◎おんぢゃん 次男以下の独り者 −
▲おんぢゃん
◆おんちゃん
叔父 この『おん』は、『御』ではなく『おじ』が訛ったのであろう。東北弁系訛。『おんぢゃん』(集覧:多・鹿・稲)。
・おじやん:群馬。
・おんちゃ:岩手。
・おんちゃん:宮城・福島。
・おんつぁ:秋田・山形。
・おんつぁま:山形・栃木。
・おんつぁん:秋田・宮城・福島。
・おんつぁま:猿:福島。
▲おんちょ 【複】来なさい 『集覧:水』。『おいでちょ』の意味だろう。
・おんちらがす 【動】散らかす −
・おんつー 音沙汰、行方 『音通』の意味。
◎おんつぁ
◎おんつぁー
◎おんつぁま
次男以下 次男以下の呼称が叔父の呼称と一致するのは、全国各地にもあり、将来家を出て叔父と呼ばれるからだろう。それほど、長男は特別な扱いをされていたという証拠でも有る。
・おっつぁま・おっつぁん:次男以下の独身者:千葉。
・おんちゃ:次男:秋田。
・おんつぁ:次男以下の独身者:千葉。
◎おんつぁ
▲おんつぁー
◆■おんつぁま
◆▲▽おんつぁん
■おんつあん
叔父 『おんつぁー』(集覧:多)。『おんつぁん』(集覧:鹿・稲・西・真・北)。茨城方言集覧には『おんっあん』がある。今では考えられない発音表現。誤植か。
・おんつぁ:福島。
・おんつぁま:福島。
・おんつぁん:福島。
(おんつぁ・おんつぁげす・おんつぁま) 愚か者 福島。
『穏ちゃん』が訛ったか。『おんつぁま』には『役にたたない物、壊れ物』の意味もある。長男偏重の風潮が生んだ言葉か。
・おんつぁぐ 【動】裂く、破く、壊す −
・おんつぁす 【動】刺す −
・おんつぁばぐ 【動】�@裂く、�A破く −
・おんつぁま
・おんつぁん
のんびりしている人。あてにならない人。(男限定) 『穏ちゃん』が訛ったか。『おんつぁま』には『役にたたない物、壊れ物』の意味もある。長男偏重の風潮が生んだ言葉か。
・おんつげる 【動】�@くっ付ける、�A吹き付ける −
・おんつーふつー 音沙汰が無いこと 『音通不通』の意味。
・おんづぶれる
・おんつぶれる
【動】潰れる −
△おんづめ 物事の終局、最後 『大詰め』。
・おんづめ:山口・徳島。
・おんででぐ 【動】出て行く、家出する 『ぐ』は濁音・鼻濁音。
・おんでなぐ
▲△おんでなく
・おんでーなく
◎おんでもなぐ
【複】差し支えなく、言うまでも無く 『集覧:久』。『恩待無く』(おんたいなく)の意味。『恩待』は広辞苑に『手厚くもてなすこと。目をかけること。(明治期の語)』とある。
近世語に『おんでもない』((「恩に着るまでも無い」の意か) 言うまでもない。もちろん。)がある。
当時の土浦では『問題なく』のニュアンスで使っていた。
・おんでなさった
・おんでなすった
・おんでになった
【動】お出でになった 丁寧語。
・またではっておんでー:また来てください:青森。
・おでぎなえ・おでぎやえ:お進みなさい:山形。
・おんなされ:お出でなさい:岩手。
・おんなえ・おんないん:お出でなさい:宮城。
・おんなえ:お出かけなさい:宮城。
・おんなんしたか:いらっしゃいますか:宮城。
・おんでーに 【副】手厚く 『恩待』か『御丁』か。
・おんでーねー 【複】差し支えない、言うまでも無い 『恩待無く』(おんたいなく)の意味。『恩待』は広辞苑に『手厚くもてなすこと。目をかけること。(明治期の語)』とある。
近世語に『おんでもない』((「恩に着るまでも無い」の意か) 言うまでもない。もちろん。)がある。
当時の土浦では『問題ない』のニュアンスで使っていた。
◎おんでもねー 【複】差し支えない、言うまでも無い 行方郡。『恩待無く』(おんたいなく)の意味。『恩待』は広辞苑に『手厚くもてなすこと。目をかけること。(明治期の語)』とある。
近世語に『おんでもない』((「恩に着るまでも無い」の意か) 言うまでもない。もちろん。)がある。
当時の土浦では『問題なく』のニュアンスで使っていた。
・おんでる 【動】�@出る、�A家出する �@・おんでる:群馬。
�A・おんでる:群馬・山梨・静岡。
★そごまでゆーんだったらおんででやっから:そこまで言うんだったら家出してやるから。
・おんでれ
・おんでれすけ
のろま、馬鹿 ・おんたん:静岡。
・おんでれでる 【動】でれでれしている −
・おんどー
・おんとー
【名・形動】�@理にかなっていること、妥当、�Aおとなしいこと 『穏当』。清音ならあまり使われなくなった標準語。
�A・おんとーろく:ぼんやり:東京三鷹。人名化したもの。
◆おんどばす
・おんとばす
【動】追い払う 『追い飛ばす』。≒『おっとばす』。
◎おんどまり 行き止まり ・おんどまり:行き止まり・川の水が障害物のために停滞する場所:神奈川。
・おんどれ! 【感】きさま!、こいつ! 古語の『おのれ』の転。罵倒言葉。関西弁の影響か?。
・おんどれら! 【感】おまえら!、こいつら! 関西弁の影響か?。
(おんとーろく) ぼんやりしていること 東京三鷹。
『おんとう【穏当】�@おだやかで、道理にあてはまっていること。�Aおとなしいこと。』を人名化したものと見られる。
・おんな 【複】折るな ・おんな:静岡。
(おんなえ) 【複】いらっしゃい、おいでなさい 宮城。『おいでなよ』。
●おんなうま 雌馬 −
・おんなおどご 女のような男 −
・おんなかまいのやせおどご
◎おんなかめーのやせおどご
【慣】女の子にちょかいを出す男の子へのはやし言葉 児童語。『やせおどご』は『優男』である。
・おんなぐる 【動】殴る −
◎おんなげる 【動】放り投げる h音の脱落。
・うんなげる:投げる:静岡。
・おんなこ 女の子 『おどごこ』の対語。『おなご』と同じルーツの言葉。古語では『おんなご』。
・おんなし 【形動】同じ 江戸言葉。
・おんなし:山形・八丈島・山梨。
・おんなし
・おんなしー
・おんなしゅ
・おんなしゅー
女達 『女衆』。古い言葉。広辞苑に『女子衆:「おなごしゅ」「おなごし」』とある。
・おなごしゅ:佐渡島。
・おんなし:東京多摩・神奈川・山梨。神奈川では主婦や女の使用人も言う。
・おんなしゅ:神奈川。
・おんなしゅー:東京。
・おんなしょ:長野。
・おんなしよった
・おんなじよった
【複】同じような 『同じ』+『ような』。
◆おんなっこ 女の子 『おなご』と同じルーツの言葉。古語では『おんなご』。
『女つ子』の意味か。
・おんなっこ:栃木。
★『土』:此(こ)れがおめえ女(をんな)っ子(こ)でもなくって見(み)さっせえ、こんな小(ちひせ)えの抱(だけ)えて仕(し)やうあるもんぢゃねえな。
・おんなってー 女の人 −
◆おんなってもねー
◆おんなてもねー
【形動】女に見劣りしない女らしい男の様 −
・おんなってら
・おんなってーら
女達 −
・おんなっぶり
◆おんなっぷり
女としての容貌 『女振り』。
・おんなっぶりいー
・おんなっぷりいい
【複】女振りが良い、美女 『おどごっぷりいー』の対語。
・おなごぶりいー:岩手。
・おんなてー 女の人 −
・おんなてら
・おんなてーら
女達 −
◎おんなどおどごでながよしごっこ 【慣】女の子と一緒にいる男の子を見てやっかんで囃したてる言葉。 児童語。これは下館市の『おんなとおどごでながよしこっこ』を土浦バージョンにアレンジしたものである。
◎おんなとび 縄跳びの一つ、足を曲げず水平に揚げて飛ぶ方法 −
◎おんなのせっく お雛様、3月の節句 −
◎おんなのひ 10月10日または11月15日の行事 関東から東北にかけて行われるもの。この日は主婦が主役になれる日で、この日の炊事は男がする。けんちん汁を作る。女がいくら威張ってもいい日だとか、女は懐手してもいい日で、女が唯一休養できる日である。
もともとは、一年中使う油をしめる日で、油気のあるものを食べる日とされた。
・おんなびでる
・おんなびてる
【動】女らしさを振りまいている、(男が)女のようである 『女ぶ、女ぶる』に近い。
対『おどごびでる』。
『民俗』に無いところを見ると、これは土浦市限定の方言で『女をおびていいる』意味とも思われる。
◎おんなびる 【動】�@塗る、�Aなすりつける −
・おんなびる 【動】女らしさを振りまく、(男が)女のように振舞う 『女ぶ、女ぶる』に近い。
『民俗』に無いところを見ると、これは土浦市限定の方言で『女をおびていいる』意味と思われる。
◎おんなふんどし 腰巻 『ふんどし』は、古くは腰巻を指した。『ふんどし』とは『踏み通し』の意味であれば理解できる。
『踏籠袴』は『踏ん籠み・踏ん込み』と呼ばれる。
古くは、『踏み込む』を『ふんごむ』とも言った。
◎おんなまづ 女松、雌松、赤松 −
◆●△おんなめ �@女の人、�A雌(メス)、�B●雌牛 �@標準語。卑下した言い方。
�A茨城では、動物に接尾語『め』を付ける。
�B・おんなめ:京都・兵庫・香川。『おなめ』に通ずる言葉。
◎おんなや 女郎屋 土浦市の言葉。
(おんなんしたか) 【複】いらっしゃいますか、いらっしゃいましたか 宮城。
・おんなんてー 女の人 −
・おんなんてーら 女達 −
◎おんに 俺に ・おんにー:山梨。
・おんにげる 【動】逃げる ・おんにげる:群馬。
・おんには 【複】俺には ・おんにゃー:静岡。
▲おんにも 【複】俺にも 『集覧:鹿』。
・おんにもくい
■おんにもくれ
【複】俺にもくれ ★おんにもくいや:私にも下さい。
(おんにょ) 【複】俺に下さい 神奈川。
・おんねー 【複】俺の家 −
(おんねげ) 【複】俺の家 福島。
原型は『俺のが家』と考えられ茨城にあっても不思議は無い方言。
おれのがいえ→おれのがえ→おんのげ→おんねげ
・おんぬがす 【動】追い抜かす −
・おんぬぐ 【動】追い抜く 『追い抜く』の転または接頭語+『抜く』。
・おんぬげる 【動】追い抜ける、抜ける −
・おんの 【複】俺の ・おんの:埼玉・山梨。
・おんのい
・おんのえ
【複】俺の家 −
・おんのぼる 【動】踏む =『ふんのぼる』。強調の接頭語+『のぼる』。
◆■▲▼おんのまる 【動】�@はまる込む、落っこちる、▲溺れる、埋まる、�A倒れる、�B▲陥る �@強調の接頭語+『埋まる』。『集覧:行』。=『うんのまる』『おんぬめる』『つんのまる』『つんぬめる』。
�A強調の接頭語+『のめる』(前に倒れる、はまり込む)の転。
◎おんのめす 【動】�@打ちのめす、倒す、�A沈める 『押しのめす』意味。
▲▼おんのめる 【動】�@▼押し込める、�A▼埋める、�Bつまづく、�Cはまる込む、落っこちる、�D▼沈める、▲沈む、�E▼滑る 『のめる:前へ倒れる。前方へ傾く。』に茨城特有の接頭語『おん』が付いたと見られる。
�@『押しのめす』意味か。
�A・ほんのめる:蹴飛ばして埋める:東京武蔵村山。
�B強調の接頭語+『のめる』(前に倒れる、はまり込む)の他動詞形。=『つんのめる』。
�C『集覧:北・新』。『のめる』は『滑る(なめる・ぬめる)』にも通じる。
・おんのもの
・おんのもん
俺のもの ・おんのもの:埼玉。
◆▼△▽おんば
◆□おんばー
�@□叔母、�A△次女以下、�B女の独り者、�C女の居候、�D出戻り女 �@・おんば:叔母・独身の叔母・独身の女・老女:神奈川。
・おんばー:叔母・独身の叔母・独身の女・30以上で独身の女・年配で独身の女・一生独身の女:神奈川。
・おんばー:山梨。
�A・おんば:埼玉・神奈川。
・おんばー:神奈川。
�B・おんばー:独身の中年の女:静岡。
・おんばが
・おんばがやろー
馬鹿、馬鹿野郎 ・おんばかじょー:少々鈍い人:山梨。
□おんばく
◎おんばご
�@□オオバコ、�Aカラスムギ �@オオバコは広辞苑に『大葉子・車前:オオバコ科の多年草。アジア各地に広く分布。踏まれても強く、原野・路傍に最も普通の雑草。
葉は長柄をもち根生、楕円形。夏、葉間から花茎を出し、白色の小花を穂状につけ、サッカを結ぶ。葉は利尿剤・胃薬、種子は生薬の車前子(シヤゼンシ)として利尿・鎮咳剤。また、広くはトウオオバコ、高山生のハクサンオオバコ、帰化植物のヘラオオバコなど同属各種の総称。カエルバ。オバコ。オンバコ。』とある。
語源辞典には、�@オホハコ(大葉子)、�Aオホバコバ(大葉小葉)がある。『車前』の表記については、『名語記』にその効用のほどと意味が記載されている。
・おんばこ:東京・静岡。
(おんばく) 臆病 静岡。
◎おんばさま
◎おんばさん
◎おんばーさん
叔母 −
◎おんばや 便所 久慈郡の方言。『おばばや』の意味と考えられる。『糞・屎(ばば)』とは、大便や汚いものを表す古い幼児語である。現代では『ばばっちい』が残る。
▲▼おんばやま 伯父、叔母 『集覧:稲』。
◆おんぶさっぺ 【複】�@おんぶしてもらおう、�A援助してもらおう 『さる』は文語の受身等の助動詞『す』の未然形。『おんぶさるべし』。
◎おんぶさっぺだがさっぺ おんぶにだっこ 正確には『おんぶしてもらおう、だっこしてもらおう』。
◆▼おんぶさる 【動】�@背負われる、おんぶされる、�A援助される 現代ではほとんど使われなくなった標準語の『おぶさる』の原型。『さる』は文語の受身等の助動詞『す』の未然形。
・うんぶさる:静岡。
・おんぶさる:八丈島。
・おんぶちゃる:群馬。
◎おんべ 御幣 御幣(ごへい)とは、神事に用いる幣串に紙を挟んだ器具。本来は御幣帛(ごへいはく)・御幣束(ごへいそく)であり、御幣束と呼ぶのが一般的。
また、近世語に『おんべい:へつらい者』がある。
・おんべ:群馬・神奈川。
・おんべ:縁起:群馬。
・おんべらー:神奈川。
・おんべり:へつらいの言葉:佐渡島。
・べり:へつらいの言葉:佐渡島。
・おんべかづぎ
▼おんべかつぎ
◎おんべーかづぎ
■▼おんべーかつぎ
・おんべっかづぎ
�@■縁起を担ぐ人、�A媚びへつらう人 �@『俚言』には『おん幣かつぎ』が掲載されている。『ごへいかつぎとも云。』とある。
広辞苑には『ごへいかつぎ(御幣担ぎ):(御幣をかついで不吉をはらう意から) 縁起を気にしたり迷信のためにつまらないことを忌みきらったりすること。また、その人。えんぎや。』とある。
・おんべかつぎ:神奈川。
・おんべーかつぎ:神奈川。・おんべーかつぎ:下らぬことを気にする人:山梨。
・おんべっかつぎ:埼玉・神奈川。
・おんべんかつぎ:神奈川。
・ごへーかつぎ:神奈川。
�A広辞苑にも『おんべい』(へつらい者)があるが漢字が当てられていない。『御幣持ち』(他人に付き添って媚びへつらう人、太鼓持ち)と混同して生まれた訛と考えられる。
◎おんべかづぐ
▼おんべーかつぐ
▲おんべかつく
◎おんべっかづぐ
◎おんべんかづぐ
【動】�@縁起を担ぐ、�A媚びる 『集覧:真』。
�@慣用句に『御幣を担ぐ(ごへいをかつぐ)』があり『御幣を担いで不吉なものを祓ったところから、つまらない迷信を気に掛けたり、縁起を担いだりする』例えがある。
・おんべをかつぐ:群馬。
�Aはさらに『御幣持ち』(他人に付き添って媚びへつらう人、太鼓持ち)と混同して生まれた訛と考えられる。
◎おんべん �@御幣、�A小便 −
(おーんぼく) 吝嗇家、けち 静岡。
・おんぼげ 大惚け、大馬鹿 −
◎おんぼや
◎おんぼーや
�@葬式で墓穴を掘る人、�A葬式で棺をかつぐ人、�B隠居 �@�A『隠坊・隠亡・御坊』(墓守・埋葬を業とする賤民の称。火葬の際、死骸を焼いた。)+『屋』。
�B『隠坊』は隠居した人に通ずる。
◎おんぼろ ぼろぼろなこと。ぼろぼろなもの。 ・おんぼろ:群馬。
◆▼△おんぼろさんぼろ 衣服がぼろぼろの様 これだけ広域で使われると方言とは言えないかもしれない。東国方言かあるいは江戸方言の可能性があるが『俚言』には無い。
・おんぼろさんぼろ:千葉・埼玉・神奈川・山梨・静岡・新潟・岐阜。
・おんま �@牡馬、�A馬 �A幼児語。
・おんま:千葉・東京。
◎おんま ご飯 幼児語。久慈郡・那珂郡の方言。
広辞苑に『甘』(うま):(ウマシの語幹)
(1)味がうまいの意。「―ざけ」。(2)善い・貴い・快いの意。「―人」』とある。
(おんまい) お終い 山梨。
・おんまがる 【動】曲がる 『が』は鼻濁音。=『ひんまがる』。
・おんまがる 【動】こぼれる 接頭語+『撒ける』。
・おんまぐ 【動】勢い良く撒く −
・おんまぐる 【動】�@追いまくる、�Aめくる −
(おんまくれー) 大食漢 神奈川。
◆おんまげる 【動】曲げる −
◎おんまげる
・おんまける
【動】】�@容器をひっくり返して中の物をまき散らす、強く撒く、�A思っていることを隠さずに、あらいざらい言う 『撒ける(まける)』は、『ぶちまげる』のまけると同じ意味。
�@・おんまげる:福島。
・おんまける:群馬・埼玉・東京多摩・神奈川。
�A・おんまける:神奈川。
・おんます
・おんまーす
【動】�@追いまわす、�A廻す、�Bこき使う �@『追い』『押し』+『回す』。
�A接頭語『おん』+『廻す』。=『ぶんまわす』。
�Bは�@の意味の拡大。
・おんまぜる 【動】混ぜる ・おんまぜる:神奈川。
◎おんまもっこ 月経の時に用いた晒しで作ったT字帯 多賀郡。
『御守りこ』の意味なのだろうか。粗布を織るジュートが得られる綱麻(つなそ)は『おうま【黄麻】』とも言うから、その昔は麻で作られた名残なのかもしれない。
また、県下には『おむつ』を『おんめ』と言う地域がある。
また、『もっこ』は『畚褌』(もっこふんどし:短い布の前後にひもを通し、脇で結ぶようにした褌)を言う。
1961年に使い捨ての『アンネナプキン』が発売されるまでは、何度も洗濯して使ったと言われる。
・おんま:神奈川。
・おんまるめる 【動】まるめる しばしば使われた言葉。
(おんむぐる) 【動】ひっくり返す 福島。
・おんむしる 【動】むしりとる 八丈方言共通語。『折むしる』が訛ったか。
◎おんめ おむつ 東茨城郡・筑波郡の方言。
・おんめ 大目 ・うんめろ・おーめろ・おめろ・おんめりょ・おんめろ:沢山:神奈川。『大目量』が訛ったか。
・おんも 芋 幼児語。
・おんも:神奈川。
・おんも 家の外。おもて。 幼児語。
・おんも:神奈川・静岡。
▲おんもいと 【副】沢山 『集覧:久』。=『おんもり』。
・おんもしま
◎おんもさま
◎おんもさも
▲おんもさんも
�@思い切り、思う存分、�A思うがまま、�B十分に やや古い標準語の『思う様』の転。『集覧:稲・筑』。
『思いてもさありても』とも思われる。
�@・おもさま:鹿児島。
・おもーしま:山形。
・おめーさま:群馬・神奈川。
・おめーさも:神奈川。
・おめっさら:山梨。
・おもいしま:山形・愛媛。
�B・おもしか:沢山:島根。
・おんもしー 【形】すごく面白い 原型は『おもしー』。ニュアンスは『大おもしー』。
・おんもじぐる
◎おんもじくる
・おんもしゃぐる
・おんもじゃぐる
・おんもちくる
【動】(紙などを)くしゃくしゃにする −
・おんもじゃげる
◎おんもじゃける
【動】(紙などが)くしゃくしゃになる −
▲おんもしま 思い切り、思うがまま、十分に やや古い標準語の『思う様』の転。『集覧:北』。『思いてもさありても』と思われる。『思いしまま』の意味ともとれる。
・おんもしる 【動】むしりとる −
▲おんもちゃける 【動】(紙などが)くしゃくしゃになる 『おんもじゃぐる』の転。『集覧:北』。
▲△おんもり 【副】沢山 『大盛り』の転か。『あんまり』の意味か。『集覧:北』。
・おんもり:茨城・千葉・長野。
・おんもり:【形動】おっとり:山梨。
▲おんやら 【形動】公然の様 かすかに記憶のある言葉。『集覧:新』。
『大やか』(大きいさま。おおがらなさま。おおきやか。宇治拾遺四「―なるを腰にはさみたれば」)が訛ったと考えられる。
・おんやら
▲おんやらー
・おんやらまー
【感】おや、あら 『集覧:稲・新』。民謡に『おんやらやれこれ』という歌詞があったような気がする。
・おんやる 【動】追いやる −
◎おんら 【代】�@俺、�A俺たち �@『おら』。
�A『俺等』が訛ったもの。
・おんらー:千葉。
− − −
 本茨城弁集は、昭和40年前後の茨城方言を中心に茨城県全域の江戸時代まで遡る言葉を集めたものです。他県の方言との関係を重視し主要なものについては他県の方言も紹介しています。また、近年使われなくなってきた標準語や語源考察、また昭和30年代の風俗・文化等を紹介するために、合わせて標準語も掲載していますのでご注意下さい。
 お気づきの点やご指摘等がありましたら、『茨城弁投稿』と書いてお気軽にここにメール下さい。他地域・他県との関係情報もお知らせください。訛の変遷が解かるような投稿は積極的に掲載致します。