◆読書感想◆
感情教育
島田 雅彦(著)
価格:\1050(税込)
評価:★★★★☆
 作家は書く職業柄、理論家です。そして一流作家は自前の理論を緩急自在に操る専門家です。

 なかでも島田雅彦は多彩な変化球を持つ作家だと思います。読者はこの作家が放つ変化球に三振ばかりでストレスを感じるはずです。そして「今度こそ打ちたい!」とまた本を手に取ります。

 本書「感情教育」は悩める女子中高生に向けた文章です。その為、優しい口調で、読みやすく感覚的な文体です。ただ装丁や中身を見ると、いかにも中年男性に受けそうな、あどけない表情の少女写真が多く使われています。きっと真の読者は40代の男性(即ち、オレ!)だと思います。こうしたへそ曲りな演出も、きっと作者の計算です。

 ただ変化球は三振を取るのに有効ですが、コースを外すと暴投・デッドボールです。本書は三振とデッドボールのすれすれの微妙な作品といえるでしょう。(2008/03/04)

◆読感履歴◆
歪んだ複写
幽霊
夢をかなえるゾウ
忘れないよ!ヴェトナム
密閉山脈
ジャンピング☆ベイビー
偽装国家U
アヒルと鴨のコインロッカー
ずーっとずっとだいすきだよ
永遠の出口
生物と無生物のあいだ
死神の精度
つきのふね
舞姫通信
「温暖化」がカネになる
人のセックスを笑うな
朝2時間早く起きれば人生が変わる!
誉生の証明
日常で役立つ化学
水曜の朝、午前三時
子作り爆裂伝
成長の限界
海の見えるホテル
白馬山荘殺人事件
ママの神様
オレたちバブル入行組
点と線

◆過去ログ◆
#136〜150
#91〜135
#46〜90
#1〜45

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