◆読書感想◆

歪んだ複写―税務署殺人事件

松本 清張(著)
価格:\700(税込)
評価:★★★★★
 「これぞ清張!」を思わせる社会派推理。清張を読むと、今をときめく推理作家の本が薄っぺらく感じます。

 この作品の推理は容易です。殺害されたある人物が発した「犯人は階段だ」という意味が分かれば、事件を解決出来ます。

 しかし推理性だけに留まらないオーラが本書にあります。税務署の腐った体質と、そこで働く人間の心情を描こうとする著者の魂に引き込まれました。

 主人公である新聞記者、田原が最後に発した言葉が印象的です。

 「しかしは生き残った方がよかったよ。法廷に出て、悪税史の汚職ぶりを徹底的に述べて貰いたいね。それは全国の正直な税務署員のためでもある。ことに正義感に燃える若い署員のためにね」(2008/03/01)

◆読感履歴◆
幽霊
夢をかなえるゾウ
忘れないよ!ヴェトナム
密閉山脈
ジャンピング☆ベイビー
偽装国家U
アヒルと鴨のコインロッカー
ずーっとずっとだいすきだよ
永遠の出口
生物と無生物のあいだ
死神の精度
つきのふね
舞姫通信
「温暖化」がカネになる
人のセックスを笑うな
朝2時間早く起きれば人生が変わる!
誉生の証明
日常で役立つ化学
水曜の朝、午前三時
子作り爆裂伝
成長の限界
海の見えるホテル
白馬山荘殺人事件
ママの神様
オレたちバブル入行組
点と線

◆過去ログ◆
#136〜150
#91〜135
#46〜90
#1〜45

戻る