●気になるニュース
環境に配慮した商品のお墨付きになってきた「エコマーク」などの信頼性が揺らいでいる。再生紙やインキ、プラスチックのメーカーで次々明るみに出た古紙配合率などの偽装で、ウソを追認した形になったため。エコマークでは偽装が判明した分野が認定商品全体の半分近くを占める。広報紙で環境マークの使用を見合わせる自治体も出てきた。(読売新聞/2008.03.03)
●スローなコメント
偽は2007年の世相を代表する漢字となりました。2008年はそこにエコが付きました―エコ偽装。やはりなるべくしてなったという感想です。
エコ商品が市場に投入された当初は、高感度な消費者のみが関心を示すニッチ・マーケットでした。しかしロハスが流行した2005年頃から、環境問題を語ることが一種のステータスとなりました。この頃から、エコがブランドとしてひとり歩きしたと思います。ファッション雑誌でもロハス系として緑や生成りなどの自然を感じさせる柄を使った商品が売れるようになりました。こうなると質の追求より、イメージの追求が先行します。
かくして商品開発は地球のエコでなく、企業のエゴが優先することとなります。先駆的な消費者運動の盛り上がりからスタートした「エコマーク」は、大企業が自らの商品戦略に組み込むことによって失墜したのです。
そもそも私たちの頭のなかは「大企業であれば安心」という固定概念があります。これは本質的な過ちです。中小・零細な企業が不祥事をしでかすと「信用がないから!」と憤慨します。しかし大企業だと「何で!?」という驚きが先に来ます。そして思考停止に浸ります。
しかし世の中の多くの製品は、当初は志の高い職人によって作られます。そして小さな企業が、小さなマーケットで商売を始めます。しかしそこに利益が見込めるとなれば、大企業が参入します。そして装置化されたシステムで大量生産を始め、販売価格は下落します。こうして価格競争が始まり、利益を確保するために消費者に気づかれない形で質を低下させていくのです。
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