●気になるニュース
子どもの理数離れが懸念されているなか、理系高校生の数学力はおよそ30年前よりも上がっていることが、東京理科大学数学教育研究所が1万人を対象に行った学力調査で判明した。(読売新聞/2008.01.29)
●スローなコメント
 わたしは巷で議論される「学力が低下している、いやしていない!」という話題に興味はありません。何故なら、わたしの結論は決まっているからです。学力を知識とするなら、それは向上して当然です。

 30年前に比べ今は知識を取得するのにかかる工数(コスト)が格段に低いのです。インターネットの存在が大きいと思います。

 例えば「ロピタルの定理を調べよ」という命題が与えられたとき、30年前の生徒ならどうしていいか想像つかないはずです。しかし今なら、ウィキペディアなどを使えば簡単に情報が引き出せます。知識を取得する手間が省けた分、若者の知識量は間違いなく増えていると考えるべきです。

 しかし学力の向上が人生の幸せに必ずしもつながらないところに問題があると思います。
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