◆読書感想◆

蟹工船・党生活者

小林 多喜二(著)
価格:\420(税込)
評価:★★★★☆
 「小林多喜二はプロレタリア文学の作家で、代表作は『蟹工船』です」――文学史の授業で必ず耳にします。しかし、実際に「蟹工船」を読んだ人は余りいなかったと思います。赤い思想を感じる部分で敬遠する人が多いからでしょう。

 ところが2008年になって「蟹工船」が売れまくっています。小説で扱う「酷使される労働者」が、今の「ワーキングプア問題」に相通じ、多くの人々の共鳴を生んでいます。「蟹工船」は80年前から、現代日本にトリップし、下流社会の労働者を乗せているのです。

 実際にこの本を読むと、古典らしい表現はあるものの、極めて読みやすく「思想」を抜きにして物語の世界に引き込まれます。左も右も関係なく、上質の文芸作品として読むことをお薦めします。

 わたしたちが歴史を学ぶのは未来を考える為です。今の若い世代にこの本が読まれていることを経営者は知っておくべきでしょう。(2008/08/29)

◆読感履歴◆
ああーん、あんあん
空の中
家日和
リズム
西の魔女が死んだ
マグマ
東京空港殺人事件
偽善エコロジー
その女(ひと)の名は魔女
非情人事
BPMがビジネスを変える
おれは非情勤
思考の整理学
日本アルプス殺人事件
頭のいい子が育つパパの習慣
リビング
日本以外全部沈没
いつかパラソルの下で
眼の壁
続・未来からの警告
マンボウ恐妻記
優しい音楽
恋愛不安
夕凪の街桜の国
殺人の花客
ドミノ

◆過去ログ◆
#181〜195
#136〜180
#91〜135
#46〜90
#1〜45

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