◆読書感想◆

東京空港殺人事件

森村 誠一(著)
価格:\620(税込)
評価:★★★★★
 すご〜く面白い!!はじめの墜落シーンは、胸騒ぎを覚えるリアルさです。ここを読んだ誰もが、読み応えのある推理サスペンスだと感じるでしょう。

 しかし本書は単なる推理の一作品ではありません。社会が利便性を増していく中、人間の在り方を描いた重みある作品です。

 飛行機は文明の象徴です。しかしそれは墜落という惨事によって簡単に崩壊します。そして生身の人間が出てきます。そこには文明人などいません。他人を落としてでも自らの生に執着します。それは人間の本質といえます。そして、僅かな可能性によって生きる権利を得た者も、死者の十字架を背負わなければならないのです。

 文明社会ではともすれば生きることの重みを感じません。しかし、生きることは何かの犠牲にたっているのです。それはとても苦しいことかもしれません。それでも生きる選択をすることが大切だと思います。本書からそんなメッセージを受けます。(2008/07/21)

◆読感履歴◆
偽善エコロジー
その女(ひと)の名は魔女
非情人事
BPMがビジネスを変える
おれは非情勤
思考の整理学
日本アルプス殺人事件
頭のいい子が育つパパの習慣
リビング
日本以外全部沈没
いつかパラソルの下で
眼の壁
続・未来からの警告
マンボウ恐妻記
優しい音楽
恋愛不安
夕凪の街桜の国
殺人の花客
ドミノ

◆過去ログ◆
#181〜195
#136〜180
#91〜135
#46〜90
#1〜45

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