警察庁によると、17日午後2時現在、東北など12都道県警が検視などで確認した死者数は5321人に上った。家族や知人から届け出があり、依然行方が分かっていないのは9329人で、死者と行方不明者は合わせて1万4650人。重軽傷者は17都道県で計2383人になっている。(産経新聞/2011.03.17)
●スローなコメント
 大地震が発生して丁度、7日目。多くの方がそうであるように、わたしも刻々と入ってくる情報に大いに惑わされた1週間でした。

 地震のあった時刻、わたしはお客様企業がある新宿の高層ビルで業務をしていました。そのとき、ビルは大波に揺られる船のように、ぎしぎしと音を立てながら耐えていました。地震はとても長く感じられました。わたしは始めて地震で恐怖を感じました。

 夕刻、わたしは千駄ヶ谷にある自社に戻りました。そこで一夜を明かすつもりでしたが、幸い通勤電車が運行したことから、真夜中に事務所を出て、明け方3時頃帰宅することが出来ました。ただ、そのときは今回の地震がこれほど、大きな打撃を日本に与えているとは思っていませんでした。

 そのときから、日がたつに連れ、被災地の苦しい情報が入るにつれ、胸が張り裂けるような痛ましさを感じました。そして、いま自分も家族も生きていることが本当に幸せだと感じました。



《生きる/谷川俊太郎》

生きているということ
いま生きているということ
それはのどがかわくということ
木もれ陽がまぶしいということ
ふっと惑るメロディを思い出すということ
くしゃみをすること
あなたと手をつなぐこと

生きているということ
いま生きているということ
それはミニスカート
それはプラネタリウム
それはヨハン・シュトラウス
それはピカソ
それはアルプス
すべての美しいものに出会うということ
そして
かくされた悪を注意深くこばむこと

生きているということ
いま生きているということ
泣けるということ
笑えるということ
怒れるということ
自由ということ

生きているということ
いま生きているということ
いま遠くで犬が吠えるということ
いま地球が廻っているということ
いまどこかで産声があがるということ
いまどこかで兵士が傷つくということ
いまぶらんこがゆれているということ
いまいまが過ぎてゆくこと

生きているということ
いま生きているということ
鳥ははばたくということ
海はとどろくということ
かたつむりははうということ
人は愛するということ
あなたのてのぬくみ
いのちということ

 いま、わたしが出来ることは義援金だと思います。コンビニのレジ横にある募金箱にせっせとお金を入れるようにしています。


●こちらもどうぞ

震災時帰宅支援マップ 首都圏版

震災時、東京都心から自宅まで歩いて帰るための地図。いざという時の備えに都心への通勤通学者必携の一冊。
●バックナンバー

●過去ログ

戻る