ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)が旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)のもとで再建に着手して半年。人気タレントも起用するイベントの連打で話題を集め、四半期決算では開業以来初の経常黒字を果たした。打ち出しのにぎやかさと経営管理の手堅さとが両輪だ。(朝日新聞/2010.09.26)
●スローなコメント
昔、ハウステンボスに行ったとき感じたのは、「素晴らしいが、もう行く必要はない」というものでした。オランダの街並みを再現したテーマパークは、精巧です(といっても、わたしは本当のオランダに行ったことが無いのですが・・・)。しかし、施設の感動は、2時間あれば充分です。後はそこで何が行われているかですが、これが印象に残らなかったのです。その為、一回だけで「見切った」感覚となったのです。
施設としてのハウステンボスは、東京ディズニーリゾートよりも上かもしれません。しかし、ディズニーリゾートが何度も行きたくなるワクワク感があるのに比べ、ハウステンボスは、エンターテイメント性に欠けていました。その為、リピート客が確保出来ず、利益が出なかったと考えられます。
もっとも、ハウステンボスの創業者は、この施設をテーマパーク(遊園地)ではなく、環境都市と考えていました。1000年前の京都が、中国を模した都市であったかの如く、ハウステンボスも1000年を越えて、オランダの模倣ではなく、ひとつの都市になる理想を掲げていました。
ハウステンボスは、「自然と人間が共存する都市」にすることから、限られた資源を大切に使う3Rの思想が徹底しています。そういう意味で、創業者の高い理想と、そこを訪れる人には、意識のギャップがあるように思えます。
エイチ・アイ・エスの手によって、経営基盤を安定させながらも、1000年先を見据えた目標は維持してほしいと思います。
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