日本百貨店協会が19日発表した今年2月の全国百貨店売上高は、既存店ベースで前年同月比5・4%減の4364億円と24ヵ月連続で前年実績を割り込んだ。春節休暇による訪日中国人観光客の入店増というプラス効果があったものの、セールの開催で客単価が下落したことや一部店舗で改装工事を行ったことによる来店客数の減少などが響いた。前年実績割れは2年間続いており、百貨店不況の深刻さを改めて浮き彫りにした。(産経新聞/2010.03.19)
●スローなコメント
 百貨店は経営統合が相次ぎ、規模の拡大が進んでいます。確かに規模を拡大することで、財務体質の強化につながるでしょう。しかし、大規模化することで、より動きが鈍くなり結果的に体力が弱まっているように思えます。それは、かって栄華を誇った巨大生物である恐竜が、隕石の落下による地球環境の激変に対応出来ず、絶滅した状況を彷彿させます。

 ITの普及により情報の共有は日々進化しています。最近、政治家が利用して話題になっているツイッターは”つぶやき”を瞬時に何百万人に伝えます。こうした一瞬の情報を獲得して、活用することで、企業にとってはビジネスチャンスになりえます。しかし、それは極めて迅速な判断と対応が必要です。巨大なテナント貸しを営む百貨店には、全体を統制しながら、場面に合わせて瞬時に対応する能力はありません。
●こちらもどうぞ

伊勢丹だけがなぜ売れるのか

お客の心を科学的に分析、再構成してセンス抜群の売り場をつくり続ける伊勢丹。もはや、その凄さを語る意味はないその凄さを生み出している元を伝えたい。感性の裏に科学と数字がある。伊勢丹自身にはわからない“凄さ”の秘密―。
●バックナンバー

●過去ログ

戻る