片山総務相は8日の閣議後の記者会見で、愛知県で6日に知事選、名古屋市長選、同市議会解散の賛否を問う住民投票の投開票が同時に行われたことに関し、「市長が自分で辞めてまた出るなどして、いやが応でも関心をもり立てるのは邪道だ」と述べ、名古屋市の河村たかし市長の手法を批判した。(読売新聞/2011.02.08)
●スローなコメント
 愛知、名古屋での地方選挙の結果を見たとき、「勝てば官軍負ければ賊軍」という言葉が頭をよぎりました。そのプロセスはともかく、「民主主義」の主役である国民の支持を得られた方が官軍という訳です。

 記事にある通り、確かに河村市長の手法は、一般市民の人気取りに走り、市のトップとしての立場、市長同様に選挙で選ばれた議員の立場への配慮に欠けています。逆にどの党からも四面楚歌の状態な訳ですから、一般市民の強い支持がなければ絶対に選挙に勝つことは出来なかったでしょう。

 たとえ邪道であっても、それで市民の評価を一身に集めてしまうのは、政党政治が機能していない証に思えます。歴史的には、無政府状態において、カリスマ的な能力を持った指導者が現れると、あっというまに権限を掌握してしまうことがよくあります。今の日本はそれに近く、愛知、名古屋の地方選挙は日本の政治が機能不全に陥っていることを象徴しているように思えます。
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