エジプトで1日、ムバラク大統領の退陣を求める「100万人行進」が行われ、ムバラク氏への退陣圧力が一層強まったことで、オバマ米政権は、エルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長や他の反政府勢力との接触を図るなど、「ムバラク後」の対応を本格的に探り始めた。(読売新聞/2011.02.02)
●スローなコメント
 30年も続いたエジプトのムバラク政権。良くも悪くも30年に渡って、国の舵取りを任されるのは、すごいことです。ムバラク氏がどのような指導者か知りませんが、実力のある政治家であることは確かでしょう。しかし、長きに渡って権力を握ると、どこかでひずみが生じます。「祇園精舎の鐘の声 、諸行無常の響あり」ではありませんが、繁栄した政権もいつかは落日の様相を呈するのが必然でしょう。

 因みにムバラク政権が誕生した当時、日本の内閣総理大臣は鈴木善幸氏だったようです。以降、日本の舵取り役はめまぐるしく変わっていきます。時系列で列挙すると、中曽根康弘、竹下登、宇野宗佑、海部俊樹、宮澤喜一、細川護熙、羽田孜、村山富市、橋本龍太郎、小渕恵三、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人。

 エジプトが30年に渡る独裁政権の間、日本ではナント18人もの内閣総理大臣が変わっています。平均すると1人の総理は2年も続かない有様です。日本の場合、国の舵取り以前に、帆のない帆船をコントロールしているのかもしれません。それならば、誰も舵を取ることが出来ないでしょう。
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