◆読書感想◆

兎の眼

灰谷 健次郎(著)
価格:\600(税込)
評価:★★★★★
 「名作はやはり名作だなぁ〜」と感じさせてくれる真の名作です。自分が少年時代に本書と出会わなかったことを悔いながらも、大人になった今だからこそ、本書の良さを実感出来ると思いました。

 1974年に出版された本書は当時の社会背景を上手く描写しています。戦争の傷跡は殆ど無いものの、現代と比較すると貧しい家庭が多かった時代です。そのなかで教育を必死に追求する小谷先生や、「教員ヤクザ」の足立先生の様な人は、わたしも実体験があります。子どもの頃、そうした先生に魅力を感じました。

 しかし、現代の学校では絶滅危惧種の様な先生です。こうした教師がいなくなったことが、学校の魅力を無くしてしまったと思います。教育は人間を成長させることです。それは効率化から最も遠い次元にあると思います。学校の先生が型通り公務員化してしまった今、本当の教育は死んだ様に思えます。家庭の多くは、学校よりも塾に価値を見出しています。嘆かわしいですが、これは当然の帰結に思えます。(2009/08/22)

◆読感履歴◆
東京物語
極楽カンパニー
牛乳には危険がいっぱい?
無趣味のすすめ
最新、危ないコンビニ食
あの歌がきこえる
風に舞いあがるビニールシート
食育入門
脳が若返る30の方法
ドラママチ
ステップ
忌野旅日記
魔性ホテル
廃墟建築士

◆過去ログ◆
#271〜285
#226〜270
#181〜225
#136〜180
#91〜135
#46〜90
#1〜45

ほんのほん
かっての読書遍歴

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