◆読書感想◆
廃墟建築士
三崎 亜記(著)
価格:\1,365(税込)
評価:★★★★☆
「となり町戦争」で三崎さんを知りました。この本を読んだとき、三崎さんを天才だと思いましたが「この作品以上」のモノは出来ないのではないか!?とも感じました。それほど「となり町戦争」は完璧に思えました。
しかし「廃墟建築士」を読むと、今後の三崎文学に期待感を持ちました。三崎さんの現実と非現実を融合させた世界観は、進化していると思いました。本書は四編からなる短編集で、全作に共通するのは建築です。マンション、廃墟、図書館、蔵――現実にある無機的な建築物が、三崎さんを通すとひとつの生き物のように見えてきます。バウビオロギーという建築の概念がありますが、この本はその概念を文学に昇華させた様にも思えます。
「蔵は、住宅街の中で明らかに異質な存在だった。触れてみると、金属のようでもあり、生物の皮膚のようでもある。一説によると蔵は人間よりもずっと前から存在したとも言われている。(蔵守より)」
なお、本書に収められた四編のなかでは「七階闘争」がもっとも面白いと思いました。七階に住んでいる人は胸騒ぎを感じる作品ですね(笑)。(2009/06/23)
◆読感履歴◆
ゴハンの丸かじり
ひな菊とペパーミント
村上ラヂオ
肩ごしの恋人
ペネロペこわいゆめをやっつける
強運の持ち主
葡萄が目にしみる
その日のまえに
町長選挙
怪盗ジバコ
「朝に弱い」が治る本
ブランケット・キャッツ
きんぎょ
最悪
ラン
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