◆読書感想◆
カシオペアの丘で(上)
カシオペアの丘で(下)
重松 清(著)
価格:\1,360(税込)
(上・下合計)
評価:★★★★★
「せつない作品」といえば、何よりも重松清さん。本作は数ある重松作品の中でも、長いお話です。それだけ重松さんが渾身を込めた作品だと思います。テーマは「ゆるすこと」――重松さんの作品としてはやや抽象度が高い内容に思えます。作品の持つ空気感も重さを感じます。
39歳で重病にかかったシュンが、幼い頃に過ごした北海道の元炭鉱町――そこでの仲良し4人組。そして東京に住む今のシュンと家族――それが人間関係のベース。また、シュンとは直接、関係ない人も多く登場します。しかし、それらは見えない線でつながっています。そのつながりは星座を構成する星と星の関係の様です。
話が長く、登場人物が多い為、やや散漫な印象もあります。特に前半は、それを感じました。しかし、後半にシュンの病気が加速度的に悪化していくと、息をもつかせぬ展開で突き進みます。そして、最後は感涙の嵐です。通勤電車のなかで、読んでいたわたしは、文庫本に顔をうずめました。(2010/05/09)
◆読感履歴◆
◆過去ログ◆
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#316〜330
#271〜315
#226〜270
#181〜225
#136〜180
#91〜135
#46〜90
#1〜45
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