◆読書感想◆

となり町戦争

三崎 亜記(著)
価格:\500(税込)
評価:★★★★★
 ひとことでいうなら、新感覚な作品だと思いました。70年代に流行ったSFを現代感覚に合わせた感じです。表題は「戦争」ですが、戦争している感じは全くありません。「戦争の概念」について謎めいた問いかけはあります。しかし答えを示唆することはありません。

 いろいろな解釈が出来る作品です。それが本書の魅力です。昨今、スピーディに結論を出すことが正しいとする風潮があります。作者はそこに警笛を鳴らしていると思いました。

 あなたの立場で見れば、あなたはいつも正しいと思います。でも、わたしの立場で見れば、わたしはいつも正しいのです。だから絶対的な結論は存在しないのです。簡単な文章で深遠な思想性を感じさせる文学だと思いました。(2008/03/15)

◆読感履歴◆
小さき者へ
ロハスビジネス
感情教育
歪んだ複写
幽霊
夢をかなえるゾウ
忘れないよ!ヴェトナム
密閉山脈
ジャンピング☆ベイビー
偽装国家U
アヒルと鴨のコインロッカー
ずーっとずっとだいすきだよ
永遠の出口
生物と無生物のあいだ
死神の精度

◆過去ログ◆
#151〜165
#136〜150
#91〜135
#46〜90
#1〜45

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