菅直人首相(64)が中部電力浜岡原子力発電所の全面停止を打ち出した。浜岡原発は東海地震の想定震源域に立地しており、今後巨大地震に見舞われる可能性が高い。停止の判断自体は否定されるものではないが、それを打ち出すにあたってどれほどの配慮をしたかは疑問が残る。(産経新聞/2011.05.21)
●スローなコメント
 菅総理の浜岡原発の停止要請は、多くの国民から、評価されているようですが、そのプロセスに対しては批判の声が多くあるように思えます。この産経の論調もそのひとつです。しかし、それは危険に対する、評価の違いにあると思います。浜岡はいま、問題が起きている訳ではありません。「東海地震87%」という潜在的リスクを抱えている状態です。それに対して「迅速な対処をするべきか」「熟慮と論議を重ね、対処するべきか」の考え方の違いがあります。

 わたしは87%という数値は、いつ大震災が起きても、おかしくない危険な状態と解釈します。ですから、迫る東海地震に対して、原発を停止させる判断は正しいと思います。その実施にあたっては、配慮不足で、利害関係者と軋轢を生もうとも、総理が迅速な判断を下したことは、素晴らしいことと感じました。

 逆に産経の記事にあるように「停止の判断自体は否定されるものではない」と、弱い論調で書いてあると、記事の本音は「本当は原発を停止して欲しくなかったが、世論が評価しているので、表だってそれを否定出来ない」と捉えます。
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