国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者の殺害を受けて、米政府が関連組織などによる「報復テロ」への警戒を強めている。各地の大使館にテロ対策の強化を求めたほか、全世界に展開する米軍も警戒態勢を取っているという。(朝日新聞/2011.05.03)
●スローなコメント
 テロは断じて良くないことです。しかし、テロが起きるのは原因があります。その原因がなくならない限り、テロはなくならないでしょう。現実としてテロのない社会は実現出来るのでしょうか!?――わたしは疑問です。

 かっての東西冷戦構造は、国家がイデオロギーを軸として、二つの方向がありました。それは、国家の壁を作る悲しい出来事ですが、いい面もあったと思います。簡単な数学でイメージします。

 大きさと向きで定まる量にベクトルがあります。東西の冷戦構造をベクトルにたとえれば、二つの向きがあったといえます。下の絵でいえば青と赤の線です。二つの向きがあれば、ベクトルの和(緑の線)は様々な広がり、可能性がある様に思えます。

 しかし、冷戦構造がない今は、ベクトルが一つです。方向性は明確ですが、広がりがありません。それは、閉塞感を感じます。その閉塞感が不安です。大げさかもしれませんが、その不安こそ、テロの引き金になっているように思えます。
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