生物多様性の保全をテーマにした初めての国連首脳級会合が22日、国連本部で開かれた。冒頭で前原誠司外相が演説し、今後10年間を生態系保全のための集中的な行動期間「国連生物多様性の10年」と定めることや、生物多様性の現状を検証し、政策提言する国際機関の設置を求めた。(朝日新聞/2010.09.23)
●スローなコメント
 日本は四季が豊かで山も海も間近にあることから、多くの生物が住むのに適した環境だと思います。しかし、実際の日本に、それほどの生物多様性を感じることが出来ません。特にわたしは東京や神奈川で育ってきたのでなおさらです。余りにも人にとって快適なよう、整備されつくされた環境がそのように感じさせます。

 確かに人々が暮らしやすい様な環境整備は大切だと思います。しかし、そのことが生態系から受ける様々な恩恵を失ってしまう危険性を認識する必要があります。

 今年は記録的な猛暑でした。猛暑をさらに深刻にさせたのが、都市部のヒートアイランドです。このことで多くの生物に悪影響を与えました。例えば植物はその地にあった気温で最適に育ちます。そこが異常な高温となれば、光合成の活動が減少し、やがて枯れていくでしょう。それは二酸化炭素の増加につながる訳ですから、地球温暖化の加速につながります。そして、猛暑は他ならぬ人間にも熱中症などの健康被害をもたらしました。

 このことは、人間の為の都市開発が人間にとって、住みにくい環境を生み出したとも言えます。勿論、開発による効果とリスクをわたしたちが、検証するのは難しいと思います。しかし、生物多様性の大切さを意識のなかに持っておくことが必要だと思います。
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