生態系サービス
わたしたちは、生態系から利益を得ています。これを「生態系サービス」と呼びます。このサービスを知ると、生態系がわたしたちに与える影響が如何に大きいかを実感出来ます。そして、そのことが地球資源を持続可能に活用するサステナブルの思想力を高めることでしょう。
生態系サービスは、大きくは４つに分かれます。
ひとつめは「供給」です。これは生態系により、食料、原材料、水、エネルギー資源など、わたしたちが生きる上で欠かせない恵みを与えてくれます。当たり前のことですが、わたしたちが食べる全ての食べ物は、生態系から提供されています。
ふたつめは「調整」です。これは廃棄物を分解したり、自然災害による被害を抑制したりするなど、生態系が自然の営みを制御することによって、提供されるサービスです。
みっつめは「文化」です。エコツーリズムなど自然を使ったレクレーションや、温泉に入ってデトックスするといった、わたしたちの心身の健康に役立つサービスを生態系は提供します。
そして、よっつめは「基盤」です。これは上にあげた３つのサービスの文字通り基盤となるサービスを意味します。水の循環や、伝染病の防御など、見えない部分で生態系がわたしたちに与えてくれる恵みです。例えば地球温暖化の原因とされるＣＯ２は、植物の光合成により軽減されます。
悲しいことにこうした人間が生きていく上で欠かせない「生態系サービス」の多くが劣化の一途を辿っています。向上しているサービスは穀物などの食料の供給にとどまっています。食料の供給が向上しているのは、品種改良や化学肥料の投入によって、穀物類の生産性が高くなった為です。
しかしカーソン女史が「沈黙の春」で述べられるように、こうした人類のエゴによる生産性の向上は、自然を汚し、人間の健康を害しているのです。
企業のためのやさしくわかる「生物多様性」
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生物多様性
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