◆読書感想◆


企業のためのやさしくわかる「生物多様性」

枝廣 淳子(著)
価格:\2,079(税込)
評価:★★★★☆
 本書は複雑系の科学である、生態系について平易な解説で論述しています。そして、生態系の破壊を食い止めるべく「システム思考」の重要性を説得力のある文章で記載しています。タイトルに「企業のための」と明記されていることから、本書は「環境問題」に関心がある人のみでなく、会社で働く多くのビジネスマンに向けて書いた本です。

 とてもいい本ですが、生態系の維持が如何に困難であるかを実感します。生態系システムはレジリアンス(自己回復力)を持っています。レジリアンスの範疇に開発を制限することが、生態系維持にとって重要です。しかし、わたしたちは、生態系システム全体を把握出来ていません。例えば温暖化にしても、その原因は学者によって、様々な見解がされています。わたしたちは、未知のシステムに組み込まれて生きています。

 そのなかで、わたしちたちは技術革新を行い、生態系をあやつろうとしています。しかし、未知のシステムを制御出来るのでしょうか!?効率性を高める為の手段が、予測不能な事態を巻き起こさないでしょうか!?レジリアンスが適応可能な範囲に、持続的な開発を行う為、人類全体が一致団結出来るのでしょうか!?今なお、人類は国家や地域間でエゴがぶつかりあっています。(2010/06/26)

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