昨年相次いだ“牛丼値下げ戦争”に参戦せず集客に苦戦する「吉野家」が、巻き返しに向け期間限定ながら、並盛りを業界最安値に引き下げる。7〜13日までの1週間限定で牛丼全品を110円値引きするキャンペーンを実施。牛丼並盛りは通常の380円から270円となり、「すき家」の280円を下回り一時的に業界最安値となる。(フジサンケイビジネスアイ/2010.04.03)
●スローなコメント
 吉野家、すき家、松屋が3大牛丼チェーンと言われます。なかでも吉野家は牛丼チェーンの王様として君臨しています。他の2店は牛丼以外にも様々なメニューを用意していますが、吉野家はあくまで牛丼にこだわります。また、吉野家は食券方式を採用せず、店員さんへの後払い清算方式をつらぬきます。こうした姿勢は唯一の本格的な牛丼家として、多くの支持を集めている要因かと思います。

 ただ、若い女性や子どものいる家庭では、すき家や松屋に流れていくように思えます。統計的なデータは知らないので、確かなことは言えませんが、吉野家と松屋が隣接する場所で、外から客層を眺めると、吉野家はサラリーマン男性が黙々と食べている光景が目につくのに比べ、松屋は若い女性が多くいます。そうすると、松屋の方が華やかな雰囲気を醸し出しているように見えます。つい、わたしは松屋に入って、食券を購入したくなります。

 キャンペーンによる値下げは効果は出るかと思いますが、それが持続的な改善につながるかは疑問です。
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