栃木県足利市で1990年に当時4歳の女児が殺害された「足利事件」の再審第5回公判は22日午後、菅家利和さん(63)が、証人として出廷した森川大司(だいじ)・元検事(62)に厳しい口調で謝罪を求めた。しかし、森川元検事は最後まで謝罪せず、当時の取り調べが適切だったと繰り返した。「どうして犯人にされたのか」。菅家さんの疑問はこの日も解けなかった。(朝日新聞/2010.01.23)
●スローなコメント
足利事件のように、事実調べが不十分なまま、状況により犯人とされるケースは多々あるように思えます。事件の問題点を検証し、正しい裁判のあり方を追求することは当然必要でしょう。
しかし、無実の罪で17年半もの間、捕まってしまった人間のこころははかり知れないほど大きいものがあります。そこに対して「謝罪」がされないことにももどかしさを感じます。
裁判という手続きに、感情が入るのは適切ではないのかもしれません。しかし全ての社会システムは、人間の為にあるわけですから、それが人間を豊かにしていくものでなければ、そのシステムは大きな歪があると感じます。
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