オスロでのノーベル平和賞授賞式で10日、オバマ米大統領が「平和は義務を必要としており、犠牲もともなう」とした演説は、米英メディア(電子版)にもおおむね好意的に受け止められている。核廃絶や恒久的平和などの理想論を羅列するだけでなく、あえて戦争の負の部分に踏み込んだことが、オバマ氏の現実路線と好感されたためだ。(産経新聞/2009.12.12)
●スローなコメント
オバマ大統領の魅力をひとことで言うなら "something" ではないでしょうか?今までの指導者と何か(something)が異なる。しかし、その何か(something)はまだ分からない。そんなところだと思います。
ノーベル平和賞のスピーチにおいて、大統領は ”So yes, the instruments of war do have a role to play in preserving the peace.(戦争には平和を維持する役割がある)” と述べています。オバマさんが発言すると、そこは何かが異なる重みと、説得力を持って聞く者に伝わります。しかし、正義の戦争はありません。戦争を始めた他の指導者もオバマさんと似たような言葉を用いています。
オバマさんは、いつまでも "something" のままではいられません。大統領の平和賞受賞に際して、批判的な声が多いのは、そろそろ "something" から、具体的な実行を求めていからだと思います。それはプラハ演説で行った「核の廃絶」に向けた、実行力のある取り組みです。
間違いなくオバマさんは歴史に名を残す人物でしょう。しかし、それは偉大な指導者としてか、偉大な詐欺師としてなのか――まだ答えは出ていません。
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