論 題
●気になるニュース
照明器具などを手がける家電メーカーが、白熱電球から電球型蛍光灯への「転換」を進めている。電球型蛍光灯の消費電力は白熱電球の5分の1以下で、寿命は約10倍と長いため、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出削減につながるからだ。(産経新聞/2007.08.02)
●スローなコメント
 店頭にならぶ白熱球と電球型蛍光灯は価格に大きな開きがあります。価格の安さにつられ白熱球を購入してしまいがちですが、寿命や消費電力を考えると最終的には電球型蛍光灯がお得なのです。わたしの家も出来るだけ電球型蛍光灯を使うようにしています。

 しかし環境負荷を考えた場合、もう少し幅広い観点で物事を捉える必要があると思います。このニュースでは製品を使用する段階におけるCO2削減効果をうたっていますが、それは製品ライフサイクルの一部に過ぎません。製造、流通、廃棄における環境負荷を全て勘案したうえで評価するべきです(ライフサイクルアセスメント)。たとえば蛍光灯には水銀が含まれている為、廃棄方法について適切な処理をする必要があります。それをしなければ生態系への悪影響も懸念されます。

 マスコミを含む企業は、一部だけのメリットを強調するのでなく、全体から見たデメリット部分を正確に伝え、デメリットを軽減させる為の情報を提供を発信するべきだと思います。
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環境経営・会計
國部克彦

環境経営の基本的な考え方から具体的な手法までを,実際の企業のケースを豊富に交え体系的に学ぶ。
語彙:ライフサイクル・アセスメント
読感:サステナビリティ経営
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