◆読書感想◆


携帯の無い青春

酒井 順子(著)
価格:\480(税込)
評価:★★★★☆
 1966年生まれの酒井さんはわたしと同世代です。酒井さんと同世代の人がこの本を読めば、懐かしさで溢れるでしょう。一方、そうでない方が読んだら、共感は得ないでしょう。本書は1970年代後半から、1990年代前半までに青春を過ごした世代。いわばバブルの恩恵を最も受けた世代に向けたエッセーです。

 わたしは本書を通じ、すっかり死語と化した、あの頃のトレンドが頭のなかに蘇ってきました。

 「携帯の無い青春」――秀逸なタイトルです。欲しいものは何でも手に入れることが出来たバブル世代が、青春時代には無かった携帯電話。もし、バブルの頃、携帯電話が普及していれば、どうなっていたんだろう!?ただでさえ、刹那的な時代に、携帯という刹那主義の象徴的な道具を手に入れたら、日本の若者精神は荒廃しまくっていたのではないかもしれません。

 「携帯の無い青春」は、いまから見れば不便ですが、幸せだったのかもしれません。(2011/07/03)

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