生声CD付き [対訳]オバマ「核なき世界」演説

◆読書感想◆

評価:★★★★☆

　聴衆の心を掴むオバマ大統領の演説。なかでも核兵器廃絶を訴える「プラハ演説」は、ノーベル平和賞を受賞した名演説です。その演説を丸ごと聴ける本書は、リスニング教材のみならず、演説自体が必聴に値します。まるでライブコンサートのように、演説者と聴衆者が呼応している空気感が伝わります。

　オバマ大統領は演説のなかで「世界唯一の核使用国であるアメリカには、行動する道義的責任（moral responsibility）がある」と明言します。今までの米国大統領の誰もが言えなかった言葉です。この言葉こそ、世界平和の一歩を踏む名言です。

　一方、オバマ大統領は核の平和利用――原子力発電所の推進にも積極的に思えます。わたしはそれには反対です。勿論、人を殺戮するための核兵器と原発を同一レベルで捉えることは出来ません。しかし、核の脅威は兵器も原発も同じです。日本は唯一の被爆国であると同時に、先の東日本大震災で、福島原発の放射能漏れが国民に脅威をもたらしました。日本こそ世界に向けて、真の核廃絶を訴えていくべきだと思います。(2011/04/27）

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