◆読書感想◆


希望ヶ丘の人びと 上

希望ヶ丘の人びと 下
重松 清(著)
価格:\1,380(税込)
(上・下合計)
評価:★★★★★
 「亡き妻の思い出のニュータウンに暮らす父子を描く感動長編」――いかにも重松清さんらしい物語です。ただ、他の重松作品に比べ、本作はよりドラマチックに感じました。次々と驚くような出来事があります。せつない話は、御馴染みですが、本書はせつなさにハラハラ、ワクワク感を加えた、てんこ盛りの長編大作です。

 個性的な登場人物が多くいます。中でも正論を振りかざす皮肉屋の吉田先生は、存在感たっぷりだと思いました。こんな先生は嫌いなのですが、この先生が作品の面白さを倍増させていると思いました。

 特に1960年代半ばに生まれた者(わたし!)にとって、本書はノスタルジーを感じる作品です。(2011/06/18)

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