◆読書感想◆

ララピポ

奥田 英朗(著)
価格:\630(税込)
評価:★★★★★
 「面白い!!」―この短編集を読みながら、唸りました。売れないフリーライター、気弱なカラオケBOXの店員、ゴミ屋敷に住む主婦・・・。どことなく「負け組」の匂いがする人たちが、各短編の主人公です。

 面白いのはある短編で脇役だった人物が、別な短編で主役になる構成。即ち、同じ出来事が、一方ともう一方の側からの視点で描かれます。知らない人同士も、人を経由すると、なにかでつながっていることに気づかされます。

 各作品は抱腹絶倒のコメディで、結末は悲惨!?だったりします。しかし実はそれほど、悲惨ではないことも分かります。この辺りの展開も見事です。

 「タイトルの『ララピポ』とは何だろう!?」そんな疑問を覚えながら、本を読みました。そして、最後に分かります。”a lot of people”―シンプルな言葉に奥深いメッセージが隠されているようにも思えます。(2008/09/21)

◆読感履歴◆
不祥事
循環型社会入門
空腹力
蟹工船・党生活者
ああーん、あんあん
空の中
家日和
リズム
西の魔女が死んだ
マグマ
東京空港殺人事件
偽善エコロジー
その女(ひと)の名は魔女
非情人事
BPMがビジネスを変える

◆過去ログ◆
#196〜210
#181〜195
#136〜180
#91〜135
#46〜90
#1〜45

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