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南極海でのクジラの生態を科学的に調べようと、日本の調査捕鯨船団が18日出航したことについて、英メディアが19日、一斉に批判した。インディペンデント紙は一面トップで「クジラを救え。再び」との記事を水面に飛び出すザトウクジラの写真とともに掲載。(朝日新聞/2007.11.20)
●スローなコメント
捕鯨問題は古くからあります。しかしこの問題は争点が明確なようで不明瞭です。事実は捕鯨にこだわる日本と、それを非難する西洋諸国(ノルウェーを除く)ということです。しかしなぜ、日本は捕鯨にこだわり、西洋はそれを許さないのか?その真意は複雑です。
両者の言い分を簡単にいえば、日本は捕鯨を「伝統文化」と捉えているのに対し、西洋は捕鯨を「生命倫理の侵害」としています。文化と倫理の対立です。しかし文化も倫理も主観的な概念です。国、地域、民族、宗教、世代、個人の価値観によって異なります。グローバルな話し合いで、価値観の統一など出来るはずがありません。
当たり前ですが、調査捕鯨は商業捕鯨のすり替えです。一方、クジラを救うなら、同様に牛や豚や鶏も救わなければなりません。解決不能な命題が環境保護の象徴になっています。これは環境保護の悲劇かもしれません。
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