◆読書感想◆

アフターダーク

村上 春樹(著)
価格:\1,470(税込)
評価:★★★★☆
 1987年に空前のヒットを放った「ノルウェイの森」という作品があります。当時、上下で赤と緑のカバーの装幀がファッションアイテムとして注目されました。わたしはその現象に生理的な不快感を感じ、村上作品を敬遠するようになりました。

 しかし先日のエルサレム賞授賞式での村上春樹のスピーチは素晴らしく、わたしは感動しました。そして「村上作品をもう一度読んでみよう!」と意思を変えました。

 そして20年ぶりに手にした村上作品が近作の長編小説「アフターダーク」です。ある真夜中の物語。街で夜中を過ごす浅井マリと、眠り続ける浅井エリの姉妹の活動に焦点を当てています。文章は読みやすいのですが、観念的表現が多く盛り込まれます。芸術性の高い作品に思えます。多分、村上春樹のファンは観念のなかに、現実の意味を見出すことに快感を覚えるのでしょう。

 わたしはそこまで深い読み方は出来ないので、この作品を音楽として楽しむことにしました。とてもcoolでスローな曲です。聴きやすく心地よいメロディですが、やや変化に乏しく、最後は間延びした印象もあります。もう少し短い作品にした方が、いい感じで終ると思いました。(2009/02/26)

◆読感履歴◆
星に願いを
なぜか人生がうまくいく「悟り」のススメ
マドンナ
チョコレット・オーガズム
コーヒーとサンドイッチの法則
超高層ホテル殺人事件
流れ星におねがい
螺鈿迷宮
ガール
アーモンド入りチョコレートのワルツ
みんな、どうして結婚してゆくのだろう
40歳から伸びる人、40歳で止まる人
疾走
まんがで読破・資本論
空中ブランコ
イニシエーション・ラブ
心まで盗んで
ドラッカーさんが教えてくれた
ショート・トリップ

◆過去ログ◆
#226〜240
#181〜225
#136〜180
#91〜135
#46〜90
#1〜45

ほんのほん

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