不動産担保は銀行融資に最も多く利用されています。不動産とは、土地と建物のことを指しますが、これに、抵当権、根抵当権という担保権が設定されると、所有者は担保権が実行されるまでは不動産を自由に使用できますが、債務者が債務を返済できないときは、競売という手続により売却され、債務が返済されます。
第三者の所有不動産であっても、所有者の承諾があれば、担保として利用できます。
土地は宅地、田、畑、山林、原野など21種類に分かれますが、田や畑は売却するのに制約が多いため担保に適しません。
また、建物が建っている土地を建物と共に担保とする場合の方が、土地だけを担保とする場合より、土地の評価は高くなります。
不動産に対する抵当権
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特定の借入金を担保するために設定される担保です。担保が設定されていても所有者は担保不動産を自由に使用できますが、借入金を返せなかった場合は競売という手続によって売却され、返済することになります。借入金が分割返済により減っていけば、その分担保余力が回復し、次の借入時に利用できます。
不動産に対する根抵当権
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不動産に対する抵当権と基本的には同じですが、「極度」という枠を設定し、不特定の債権を担保しますので、担保の設定費用を節約できます。極度額の範囲内で繰り返し短期の借入をする場合などに便利です。
しかし、銀行との関係が悪化した場合などは、枠空きがあっても融資をしてくれないことがありますので、他の銀行から借入をしようとしても、不動産の担保価値が不足し担保として利用できないことがあります。特定の銀行に借入金額以上の多額な枠を設定することは問題がありますので、銀行との取引状況に応じて見直しが必要です。
(根)抵当権の順位とは
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(根)抵当権は登記された順番に順位がつき、順位が先の銀行の方が優先的に融資を回収できます。(根)抵当権の順位は(根)抵当権者同士で合意すれば変更することができます。これを「順位の譲渡」といいます。