村上春樹さんの新作長編小説「1Q84」(全2巻)が全国の書店に並んだ29日、出版元の新潮社は3度目の増刷を決め、部数は累計で68万部に上った。発売日に4刷68万部という数字について、同社広報宣伝部は「新潮社史上空前の記録」としている。(毎日新聞/2009.05.29)
●スローなコメント
出版不況が続く中、発売日に68万部というのは異常な数字です。しかも内容が明かされないなかでの数字ですから普通では考えられないことです。
もちろん、村上春樹というブランドがそれを生み出しているのでしょう。しかし何といってもガザ地区でのイスラエル軍の攻撃を壁と卵の喩えによって、批判したエルサレム賞でのスピーチが効果をあげていると思います。
かくゆうわたしも村上春樹は元々性に合わない作家なのですが、このスピーチを聞いて感銘し「1Q84」の前作である「アフターダーク」を読みました。
改めて言葉の強さを感じる出来事です。日本の政治家も見習って欲しいですね。
●こちらもどうぞ
1Q84(1)
1Q84(2)
/村上春樹/1985年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、1994年『ねじまき鳥クロニクル』、2002年『海辺のカフカ』。そして2009年、待望の新作長編『1Q84』が全2冊で刊行!
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