66回目の「広島・原爆の日」の6日、広島市中区の平和記念公園で「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が営まれた。菅直人首相は挨拶で、犠牲者の冥福を祈るとともに「原発への依存度を引き下げ『原発に依存しない社会』を目指す」と述べ、「脱原発」方針を強調した。犠牲者追悼の式典で首相がエネルギー政策に触れるのは極めて異例。(産経新聞/2011.08.06)
●スローなコメント
福島原発の事故並びに菅総理の脱原発発言も相まって、例年以上に注目された感のある「広島・原爆の日」。菅総理は「原発に依存しない社会」という、実質的には脱原発発言をヒロシマにて、世界に向けてアピールしました。
犠牲者追悼の式典で、エネルギー政策を述べることに違和感を感じる人も多いと思います。わたしもそうです。そもそも核兵器と電力は、全く利用目的が違います。”核”は、同じでも、同じ議論に載せるのはおかしいのです。
ただ、核の脅威という点においては、原爆も原発も同じです。わたしは、これを日本が核と決別する意思表明と受け止めたいと思います。それは、世界で起きた核の四大悲劇――ヒロシマ、ナガサキの原爆、チェルノブイリ、フクシマのレベル7原発事故。四つのうち、三つが日本で起きているからです。
日本は核の犠牲において、世界で特筆する国だからこそ、核の脅威を世界に訴えていく義務があるのだと思います。
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