◆和室
和室は、日本文化の象徴であり、客間と茶室としての機能を狙って作ったが、日常生活での利用は、もっぱらアイロンがけに利用されている。
しかし、季節毎のいくつかの行事の場として欠かせない存在になっている。 |
◆トイレはプライベートリビング?
主として将来の車椅子生活も配慮して、3畳程の化粧室を兼ねたトイレを考えた。新聞や雑誌を置いてアメリカ的なトイレもいいなと思っていたら、せっかちな日本人にはとうてい無理で、その代わり気が付いたら家族の誰もドアを閉めないトイレになっていた。
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◆シックハウス対策
この建物は、RC造とアルミサッシュの建物なので、気密性が高い。そのため、合板類の使用には気を配り、壁・天井は大半を水性塗装にした。さらに有効なのは通風である。居室には、必ず2箇所以上の換気のできる窓を設け、建物全体を貫く水平・垂直の風の道を考えた。
夏季は、この風の道と窓を活用して、エアコンを利用するのはわずかである。風雨の激しい時以外は、室内は外気と一体になっている。
冬季は、冬季らしく昔ながらになるべく着込んで、部屋の温度をあまり上げていない。
その結果、特に問題無く新築後の4年を過ごすことができた。
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◆悩ましい収納
収納は悩ましい。あふれなければ捨てない。それより使い勝手を考えた。中央倉庫としての地下の納戸と書庫。殆ど使わない物品のための屋根裏納戸。日常的に比較的使う各階の3畳程の納戸、そして日常生活のための各室の収納の4段階の構成である。
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◆実現できなかったこと
設計当初のニーズのいくつかは、設計プロセスの途上で、主としてスペースの制限からやむなく実現できなかったものがある。
・サンルームを兼ねた物干し室 雨天時の物干しは当面2階の多目的室を利用する意図でまとめた。しかし実際は、ガラスカーテンウォールに面した2階の階段室も合わせて使われている。
・浴室に面した坪庭
スペースの関係でかなり早い時期に断念した。
・災害時のトイレの水補給
災害時に最も困るのは、阪神大震災でも報道され、また私自身のサイパンでの生活でも実体験済みであったため、一時的に貯留した雨水をトイレの洗浄水として利用することを考えていた。しかし、上水と雨水をひとつの便器に供給する事は、法的に完全分離の配管にしなければならない事が解り、原時点では不可能であることが解ったため断念した。
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