門屋総合設計  〒224-0006 横浜市都筑区荏田東4-37-22 TEL 045-948-3007
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2005年3月 
  都筑の家2/外観のデザイン・迎え入れる・風の行き来
入り口回り
◆外観のデザイン
 この建物は、道路側からは3階建てとなる。閑静な住宅街の中では、かなりのボリュームになる。そのため、建築協定で定められた壁面後退に加えて、2層目(法律上は1階)をさらに後退させ、威圧感を低減した。
 玄関周りは、板状の壁がリズミカルに立ち並ぶ手法をとった。
◆迎え入れる
 
ニュータウンは丘陵の町。多くの家は、コンクリートの擁壁を前面にむき出し、その切れ目にある階段と駐車場の車が出迎える。家々はその擁壁のかなたにあって、御殿のように見えることもある。
 この家では、その擁壁を取り去って、2台収容のカーポートを直列に配することによって、豊かな入り口回りが得られたと思う。程良く手入れされたタマリュウは、冬でも青々としている。丸く穿たれた窓の先には、オカメズタの坪庭がある。
 玄関の前に立つと、格子戸の向こうには招き入れる心使いの象徴として一組の椅子とテーブルを置いた。
◆風の行き来
 晴れた日は、窓という窓を開け放ち、中央の廊下が風の通り道となって各部屋に初夏を知らせてくれる。
 真夏の暑い日は、大きな壁に寄せる風が中庭に舞い降り、その一部は2階、一部は1階、一部は地下の窓まで降りて、再び縦の風の通り道(階段室)を経て各部屋に流れて行き、最後は屋根裏を通じて外気へと導かれる。無風の時でもなければ、冷房はいらない。
◆構造計画
 当初は、鉄筋コンクリート造と木造の混構造を考えていた。しかし、地下面積が増えるにつれ、鉄筋コンクリート造にならざるを得ない部分の範囲が多くなり、耐火性能の点が決め手となって、鉄筋コンクリート造となった。
 壁式構造としての壁量は、やはりカーポート周り限界ぎりぎりとなった。ドライエリア付近は、地中外壁を耐震壁として加えるために、水平力を伝えるスラブを可能な限り設けた。外壁がかなり分節化されているためにコンクリートの収縮クラックは、あまり発生していない。
 最も大きな悩みだったのは、中央の階段室付近だった。耐震指針には規定の無い力の流れへの不安である。そこで、建物正面中央にある大きな壁を屋根裏へ大きく曲げて、門構えを構築しメガストラクチャーとして機能させた。
 地盤は、事前のデータ調査で指示地盤の位置は概ねわかっていた。実際にボーリングをすると、2m強のところに見事な緑かかった固結シルト層があることが解った。高層ビルでもびくともしない地盤である。これに地下の山止め用鉄骨が良く効いて、震度3位では、ほんの少ししか揺れないことがわかった。
◆都筑の家のページ構成
1.設計の基本的考え方
2.外観のデザイン・迎え入れる・風の行き来
3.日差し・気配・中庭・テラス
4.景観・家具配置計画・居間・キッチン
5.和室・トイレ・シックハウス対策・収納計画・その他
6.バリアフリー対応