ペット用などで飼われていた外国産の魚が、日本の河川に放され、生態系を脅かしている。アマゾンになぞらえ「タマゾン川」とも呼ばれる首都圏の多摩川は典型例だ。名古屋市の川にも北米原産の大型外来魚が生息する。世界自然遺産をめざす小笠原諸島も例外ではない。国連地球生きもの会議の作業部会は21日、外来種の取引の管理・監視体制を検討する専門家集団の設立で合意した。(朝日新聞/2010.10.22)
●スローなコメント
 ペットショップに行くと、カラフルな熱帯魚がにぎやかに泳いでいます。値段も手ごろで、リビングの水槽で泳がせたら、お洒落な空間になるだろうなぁ〜と、欲しくなります。ただ、実際に熱帯魚を飼うと、ことのほか大変だと気付くはずです。

 熱帯魚の飼育は適切な水温と、水の品質を維持しなくてはなりません。初めの頃は、こまめに水をチェックしても、だんだん面倒になるものです。また、混泳をすると魚同士の気性が合わない場合があり、対策を考える必要があります。また、初めは小さくて、カワイイ魚も大きくなります。そうすると、水槽を大型にしなければならないなど、コストもかかります。そうした理由によって、川に捨てる行為につながるかもしれません。

 飼育しきれなくなった魚を川などの自然界に放つと、外来種問題となります。外来種が在来種の生息環境を奪ってしまうなど、生態系の破壊につながります。この問題は外来種の責任ではありません。人間が先をイメージせずに、目先のエゴで行動した責任です。単にペットが欲しいから飼い、飼えなくなったら捨てるのではなく、その先をイメージして欲しいと思います。
●こちらもどうぞ

外来生物クライシス

日本固有種を脅かす外来生物たち。その中で特に問題になっている33種を取り上げ、問題点と現実的な対策を探ります。取り上げたすべての生物のイラストも掲載。誰も知らなかったエピソード満載の読み物です。
●バックナンバー

●過去ログ

戻る