トンボやバッタなどの昆虫を捕まえる。海や川で泳ぐ。そんな自然体験をした小中学生の割合が、この10年で20ポイントも減ったとの結果が14日に公表された。独立行政法人・国立青少年教育振興機構が調査した。子どもの自然離れが改めて裏付けられた形だ。(朝日新聞/2010.10.17)
●スローなコメント
自然体験の乏しい子どもが、多くなっているという記事です。このことは、子どもの教育と成長を考えるうえで、由々しき問題に思えます。
わたしは少年時代、自然の少ないニュータウンと呼ばれる振興住宅地で育ちました。また、中学受験の為、塾通いが多く、自然体験が不足していたと感じます。このことは大人になった今、後悔する面があります。それでも、きっと今の子どもに比べると、多くの自然体験をしていたと思います。ボーイスカウトに入団していたのも、その理由かと思います。
自然体験が不足すると、他者との関わり合いを苦手とし、相手を尊重することが出来ない大人になるというレポートがあります。それは、屋内活動が増えることで「体と心で、人と接すること」が少なくなった結果に思えます。
子どもの自然体験が少なくなった背景として、塾通いやコンピュータゲームなどの普及があるのは確かです。しかし、本質的には大人が子どもに「危険なこと」をさせたくないという願望が強くなっていると考えます。自然はやさしいのですが、時に荒々しいものです。そこに触れ合うのは「危険」と隣り合わせになっていることは、言うまでもありません。もちろん保護者や、先生は危険から子どもを見守るでしょう。それでも、好奇心が旺盛な子どもは、危険をかえりみない行動に走る可能性があります。それは家庭の場においても、教育現場にとってもリスクです。リスクを回避する有効な手段は、学校においては授業中の校外活動を減らし、親は子どもにケイコをさせて、DSを与えるのが一番です。
しかし、危険なことを含めて、子どもは自然から多くを学び成長するものです。それは人間として「生きていく力」を育むことに他なりません。
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