内覧会に向けての準備と当日の検査方法についての概要をまとめました。詳しくは問い合わせがあれば、データを送信します。
当事務所では、依頼主から一式を請け負って内覧会に立ち会うのではなく、事前に様々な調査を行い、依頼主との共同体制を組み、様々な情報交換をした上で内覧会に臨むようにしております。また、依頼主の支援に徹して事前折衝は依頼主にしていただくようにしております。その理由は、様々な助言によって内覧会に向けての環境を整え、性能評価を受けていない物件の場合も可能な限り各種性能等を明らかにして、建物の特性を知っていただくことも大きな目的で、当事務所の大きな特徴でもあります。『検査の前にマンションを知る』それが大事だと考えています。
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・マンション内覧会ガイド
・音環境ガイド |
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1.内覧会に向けての準備の流れ
内覧会に向けての情報交換は、エクセルファイルを使ってインターネット上の『掲示板』のような感覚でやりとりします。
内覧会までに1ヶ月ぐらいある場合を前提に準備段階の流れの概要を説明します。まず『依頼主ヒアリングシート』をメール送信しますので、内容を確認しご記入した上でご返信ください。また売主に対する環境整備のための『売主ヒアリングシート』をメール送信しますから、そのまま出力して売主に、FAXしたり、メール転送されても構いません。このやりとりは、平均で2〜3回、概ね1週間を要します。思い違いの回答や不十分な回答があるからです。
当事務所は、まずパンフレットを手配します。パンフレットが到着次第、2〜3日かけて内容を審査し、『住宅性能ヒアリングシート』を作成します。これで概ね1週間が経過します。
完成した『住宅性能ヒアリングシート』をメールで送信しますので、そのまま出力して売主に、FAXしたり、メール転送されても構いません。運用面ではメール、将来のツールとしてはFAXに軍配が上がります。FAXは特に将来何かあったときに、有力な武器になります。このシートに回答には、売主は設計者(意匠、構造、電気、空調、衛生)や施工者(建築、電気、空調、衛生)に打診したり販売関係スタッフとの調整が必要になりますから、一通り回答が埋まるには、通常2週間はかかります。やりとりは、少ない事例で往復4〜5回、多い場合は10回前後のやりとりが発生します。この期間は概ね2〜3週間を要します。
通常、この時点で内覧会まで1〜2週間を残すことになりますが、極力内覧会直前までやりとりが続くことがないようにします。
これが完了して始めて準備が完了します。内覧会まで残り1〜2週間程度あれば『住宅性能ヒアリングシート』の備考欄に主として性能に関する解説を加えて、最後のシートを依頼主に送信します。またこの時、『事前調査報告書』を作成し、マンション全体と住戸に関する評価を行います。時間が無い場合や、売主が充分に情報開示しない場合は作成が困難になりますが、そのような事例は過去にありません。この期間が内覧会前に確保できなかった場合は、内覧会後に作成し送信します。
内覧会での検査の後日、『検査結果報告書』を送信します。 |
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2.依頼主へのヒアリング
依頼主へのヒアリング項目を列挙しました。物件の特性に応じて項目が変わる場合があります。
1)ご連絡先等
2)入居までのスケジュール
3)当該マンション選定の理由
4)特に気にされていること
5)マンション内覧会の同行業務の概要と報酬
6)販売URL
7)その他の受領資料
8)依頼主ヒアリングシート・売主ヒアリングシート・住宅性能ヒアリングシート
9)第3者同行の情報伝達
10)依頼主要望売主オプション
11)キッチンの機器
12)別途工事(依頼主工事)
13)当日の居室照明
14)エアコン設置のルール
15)リフォームのルール
16)ペットの取扱いのルール
17)契約書・重要事項説明書・管理規約・アフターサービス基準等の書類
18)領収証の発行
19)事前調査報告書
20)検査結果報告書
21)万が一に備えて
22)工事進捗状況
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3.売主へのヒアリング
売主へのヒアリング内容を、リストで紹介します。物件の特性に応じて項目が変わる場合があります。
1)引越しまでのスケジュール
2)内覧会のプログラム
3)時間延長の場合の承諾
4)売主側の立会い者のメンバー
5)返答可能な控えの人員体制
6)売主側設計変更
7)仮設照明の用意
8)スリッパ
9)脚立
10)エアコンの設置スペース
11)住戸内の共用配管
12)該当住戸の平面詳細図(施工図)と設計図の閲覧
13)間取り変更があった場合の平面総合図
14)水とガス
15)ホルムアルデヒド濃度
16)遮音性能体験
17)地質調査(有害物調査)
18)検査済証と自主検査書
19)検査時の点検口
20)住宅性能表示
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4.住宅性能ヒアリング
性能ヒアリング項目を以下に列挙します。ヒアリング内容は物件の特性によって変える場合があります。
(1)構造の安定性
1)耐震等級(倒壊)
2)耐震等級(損傷)
3)耐風等級
4)耐積雪等級
5)地盤関係
6)基礎の構造形式
7)その他
(2)火災時の安全
1)耐火等級
2)自動火災報知設備
@自住戸火災
A他住戸火災
B避難安全対策
C避難経路の隔壁開口部の耐火等級
D脱出対策
E戸境壁と床の耐火時間
(3)劣化軽減
@構造劣化軽減対策
Aその他
(4)維持管理対策
@共用配管維持管理対策
A専用配管維持管理対策
(5)温熱環境性能
@地域区分
A省エネルギー対策等級
(6)空気環境性能
@居室の内装材区分
B換気仕様/常時機械換気、自然換気
C局所換気設備の有無(便所、浴室、台所)
D換気回数
E吸気口のフィルターの有無
Fキッチン排気と給気口の離隔距離
G24時間換気とレンジフードの給気の関係
(7)光、視環境性能
@単純開口率(%)
A居室の方位別開口率(%)
Bその他
(8)音環境性能
1)サッシュ・玄関ドア
2)間取り
2)床遮音
@床重量衝撃音(LH)
A床軽量衝撃音(LL)
B床の詳細
3)戸境壁
@戸境壁の遮音(DまたはRr)
A戸境壁の詳細
4)その他
・二重天井
・ドア類の戸当たり部分の音鳴り対策(ピンチブロック等)とラッチの仕様(消音タイプか)、煽り止めの有無
・アームストッパー類
・開けた時に戸境壁に当たる扉類
・収納扉類
・吊り戸棚類
・便器の消音対策
・洗濯機の振動発生時の消音
・ディズポーザー
・ウォーターハンマー対策(減圧弁等)
・給気口の消音対策
・閉鎖時のラッチのかかり(強風時煽られる)
(9)高齢者への配慮
@専用部対策
A共用部対策
(10)その他の性能
1)各種安全対策
2)防犯対策
3)キッチンのコンセント容量
5)二重床の耐荷重設定
6)漏水防止
7)塩害対策
8)潅水記録
9)プライバシー対策
10)収納類の耐荷重
(11)付加機能
1)買主要望売主オプション
2)一般部機能
3)水廻り機能
4)電気関係機能
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5.内覧会当日
内覧会当日のアクション項目を列挙しました。
(1)待ち合わせ場所と時間
(2)受付とメールボックス類の説明
(3)事前の打ち合わせ
(4)検査作業の分担
(5)検査内容
@目視検査
A施工情況検査
C動作試験
Dコンロの着火試験
E水とお湯
Fバルコニーの水勾配、サッシュの結露排水
G分電盤の回路構成
H設備スイッチ・機器類の操作・動作
Iコンセント
J換気システム
Kビルトイン浄水器
L壁・床の遮音性能の実体験
M点検口
N積極的な質問
O共用部(専用使用部)
(6)検査書内容の確認、捺印と折衝
(7)共用施設の説明
(8)服装
(9)検査ツール
(10)カーテン製作等のための現場の実測
(11)内覧会の同行検査の限界
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6.再内覧会に対するアドバイス
再内覧会に関しては、基本的に当事務所は立ち会いませんが、対処方法についてはアドバイス致します。ただし、検査の指摘事項によっては、立ち会った方が良いと判断されるケースがあります。その場合は、費用の問題もありますので、依頼主に判断していただいております。
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7.入居後の問題に対するアドバイス
入居後、もし問題が発生した場合も、アドバイスしますので、お気軽にご連絡下さい。期限は設けておりません。
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